JP2017055492A - 埋込磁石型ロータ、および埋込磁石型ロータの製造方法 - Google Patents

埋込磁石型ロータ、および埋込磁石型ロータの製造方法 Download PDF

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翔平 荻
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Abstract

【課題】トルクリップルを低減できるようにした新たな構造の埋込磁石型ロータ、およびその製造方法を提供する。【解決手段】第1部分16aおよび第2部分16bを備える永久磁石は、軸方向Daにおいて、第1領域20と第2領域22とが隣接して配置されたものとなっている。ここで、第1領域20は、周方向Dcの長さが、「a/5」となっている。また、第2領域22は、周方向Dcの長さが、「a/7」となっている。ただし、「a」は、1つの磁極の周方向における長さである。【選択図】図2

Description

本発明は、コアに複数の永久磁石が埋め込まれた埋込磁石型ロータ、および埋込磁石型ロータの製造方法に関する。
たとえば、特許文献1には、コアの径方向外側において、透磁率が周方向に沿って徐変されるようにコアを形成することにより、磁束密度分布を正弦波状とし、ひいては6次のトルクリップルを低減する技術が記載されている。ここで、透磁率を変化させる技術として、電磁鋼板を加熱溶融してキーホールを形成し、キーホール周囲に合成元素を配置するものが記載されている。
特開2014−93802号公報
ただし、上記のようにコアの径方向外側において透磁率を徐変させる場合には、コアの製造工数が増加する。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トルクリップルを低減できるようにした新たな構造の埋込磁石型ロータ、およびその製造方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.埋込磁石型ロータは、コアに複数の永久磁石が埋め込まれた埋込磁石型ロータにおいて、前記永久磁石は、前記コアの径方向外側において隣接して且つ、前記径方向外側から内側へと延びる一対の部分である第1部分および第2部分によって、1つの磁極を構成するものであり、前記1つの磁極を構成する前記第1部分および前記第2部分は、前記径方向の最も外側の部分における周方向の長さが第1の長さである第1領域と、前記最も外側の部分における周方向の長さが前記第1の長さとは相違する第2の長さである第2領域とが、前記コアの軸方向において隣接配置されていることを特徴とする。
たとえば、6次のトルクリップルを低減する上では、ロータの磁束密度分布の5次および7次の高調波成分を低減することが要求され、12次のトルクリップルを低減する上では、ロータの磁束密度分布の11次および13次の高調波成分を低減することが要求される。
一方、1つの磁極の周方向における長さは、電気角の半周期に対応するものの、1つの磁極を構成する永久磁石のうち磁束密度が高い部分は、径方向外側から径方向内側へと延びる部分である。すなわち、永久磁石のうち径方向の最も外側の端面の磁束密度は低い。このため、この長さを、上記半周期分の長さの「1/n」程度とするなら、磁束のn次の高調波を好適に低減することができる。したがって、上記第1の長さを上記半周期分の長さの「1/(n―1)」程度とし、第2の長さを上記半周期分の長さの「1/(n+1)」程度とすることによって、磁束の「n−1」次の高調波と、磁束の「n+1」次の高調波とを低減することができる。そして、これにより、n次のトルクリップルを好適に低減することができる。
2.上記1記載の埋込磁石型ロータにおいて、前記コアは周方向に沿って複数の磁極を備えており、前記1つの磁極を構成する前記第1部分は、該磁極に隣接して且つ当該磁極とは逆極性の磁極を構成する前記第2部分に隣接しており、前記1つの磁極を構成する前記第2部分は、該磁極に隣接して且つ当該磁極とは逆極性の磁極を構成する前記第1部分に隣接しており、前記1つの磁極を構成する前記第1部分の第1領域には、前記逆極性の磁極を構成する前記第2部分の前記第2領域が隣接しており、前記1つの磁極を構成する前記第1部分の第2領域には、前記逆極性の磁極を構成する前記第2部分の前記第1領域が隣接している。
上記構成では、第1領域および第2領域が隣接する部分に関しては、1つの磁極の第1部分とこれに隣接する逆極性の磁極の第2部分との周方向における合計の長さを第1の長さと第2の長さとの和で一定とすることができる。このため、たとえば、コアに磁石材料を充填した後に着磁工程を実行することによって永久磁石を生成する場合、永久磁石の材料である磁石材料を通過する磁路の磁気抵抗が軸方向や各磁極間でばらつくことを抑制することができる。そしてこれにより、永久磁石の配向率や着磁率が軸方向や各磁極間でばらつくことを抑制することができる。また、これによりロータとしての磁束密度のばらつきを低減することができる。
3.上記2記載の埋込磁石型ロータにおいて、前記第1部分および前記第2部分は、前記第1領域および前記第2領域からなる。
たとえば、軸方向に第1領域および第2領域とは相違する第3領域等が存在する場合、軸方向の全体において、1つの磁極の第1部分とこれに隣接する逆極性の磁極の第2部分との周方向における合計の長さを一定とすることは困難である。この点、上記構成では、軸方向の全体において、1つの磁極の第1部分とこれに隣接する逆極性の磁極の第2部分との周方向における合計の長さを第1の長さと第2の長さとの和で一定とすることができる。
4.上記1〜3のいずれか1項に記載の埋込磁石型ロータにおいて、前記第1の長さは、前記径方向の最も外側の部分における前記1つの磁極の前記周方向の長さの、6分の1より大きく4分の1よりも小さい長さであり、前記第2の長さは、前記径方向の最も外側の部分における前記1つの磁極の前記周方向の長さの、8分の1より大きく6分の1よりも小さい長さである。
上記構成では、第1の長さが、電気角の半周期分の長さの「1/5」程度となり、第2の長さが、電気角の半周期分の長さの「1/7」程度となる。したがって、ロータの磁束密度分布の5次および7次の高調波を低減することができ、ひいては、6次のトルクリップルを低減することができる。
5.上記1〜4のいずれか1項に記載の埋込磁石型ロータにおいて、前記第1部分および前記第2部分は、前記径方向内側で合流していることによって、1つの磁石によって構成されている。
上記構成では、第1部分と第2部分とが径方向内側で合流しているため、径方向内側における磁束の短絡を抑制することができる。
6.上記1〜5のいずれか1項に記載の埋込磁石型ロータの製造方法において、前記永久磁石が埋め込まれる前記コアの挿入孔、または前記コアを軸方向に分割した一部であるコア断片の挿入孔に、磁石材料を充填する充填工程と、前記挿入孔内の前記磁石材料に磁場を印加する配向着磁工程とを有する埋込磁石型ロータの製造方法。
上記構成では、挿入孔内に磁石材料を充填することによってロータが製造されるため、コアに焼結磁石を埋め込む場合と比較すると、永久磁石の形状の制約が生じにくい。このため、第1領域および第2領域を形成することが容易となる。
一実施形態にかかる埋込磁石型ロータの平面図。 同実施形態にかかる埋込磁石型ロータの斜視図。 同実施形態の1極分の磁束密度分布を説明する図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる充填工程および配向着磁工程を示す図。 同実施形態の比較例におけるEMF割合を示す図。
以下、埋込磁石型ロータにかかる一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すロータ10は、埋込磁石同期機(IPMSM)を構成する。このIPMSMは、電動パワーステアリング装置(EPS)に内蔵されるものである。ロータ10は、円筒状をなしている。ロータ10は、コア12と複数の永久磁石16とを備えている。コア12は、珪素鋼板である電磁鋼板を複数積層して形成されている。コア12は、その軸方向Daに貫通する挿入孔14を、10個備えている。これらは、軸方向Daに直交する断面形状が略U字状の形状である。挿入孔14は、コア12の周方向Dcにおいて均等に配置されている。挿入孔14には、永久磁石16が埋め込まれている。
1つの磁極を構成する永久磁石16のそれぞれは、コア12の中心Oからコア12の外周側へと進む方向を径方向とした場合、径方向外側から径方向内側に延びる第1部分16aおよび第2部分16bを備えており、第1部分16aと第2部分16bとが径方向内側の接続部CSで接続されている。図1には、径方向外側における第1部分16aおよび第2部分16bのそれぞれの端面ESの周方向Dcの中央SPとコア12の中心との距離rを記載している。また、図1には、ロータ10の半径Rを記載している。さらに、図1には、周方向Dcにおいて隣接する磁極同士の境界BLを記載するとともに、周方向Dcにおいて隣接する境界BLによって挟まれたコア12の外周の長さaを記載している。以下では、この長さaを、1つの磁極の周方向Dcにおける長さと称する。なお、周方向Dcは、ロータ10の回転角度に応じて変化するものであるが、周方向Dcの長さとは、円弧の長さであり、角度に比例した値となっている。
図2に、ロータ10の斜視図を示す。なお、図2においては、コア12の外周に永久磁石16を破線にて示したが、これは、コア12の外周よりも永久磁石16の上記端面ESの方が内側に位置することを模式的に表現したものである。
図2に示すように、永久磁石16は、軸方向Daにおいて、第1領域20と第2領域22とが隣接して配置されたものとなっている。ここで、第1領域20は、径方向の最も外側における周方向Dcの長さである第1の長さが、「a/5」となっている。また、第2領域22は、径方向の最も外側における周方向Dcの長さである第2の長さが、「a/7」となっている。詳しくは、1つの永久磁石16を構成する第1部分16aの第1領域20と第2部分16bの第1領域20とは、軸方向Daにおける同一の位置に形成されており、1つの永久磁石16を構成する第1部分16aの第2領域22と第2部分16bの第2領域22とも、同一の位置に形成されている。
径方向の最も外側における第1領域20および第2領域22の周方向Dcの長さの設定は、ロータ10の磁束密度分布の5次の高調波成分および7次の高調波成分を低減するための設定である。すなわち、互いに隣接する永久磁石16同士の境界BLのうち隣接する一対の境界BLの間の領域が1つの磁極に対応して、これが電気角の「180°」に対応する。ただし、第1部分16aおよび第2部分16bのうち、磁束密度が高い領域は、端面ESよりも内側の内周面ISに面した領域であり、内周面ISと比較すると、端面ESにおける磁束密度は低くなっている。同様、端面ESと境界BLとの間の領域の磁束密度も低くなっている。
ここで、1つの磁極を構成する領域のうち磁束密度が低くなる領域の周方向Dcにおける長さが、5次の半波長の長さとなるなら、5次の高調波成分を大きく低減することができる。また、1つの磁極を構成する領域のうち磁束密度が低くなる領域の周方向Dcにおける長さが、7次の半波長の長さとなるなら、7次の高調波成分を大きく低減することができる。以下、図3を用いてこれについて模式的な説明を加える。
図3に示す矩形波RWは、基本波の周波数を有する。矩形波RWは、基本波FHWに加えて、高調波を含んだものであり、特に高調波として5次の高調波SHW5や7次の高調波SHW7の成分を含んでいる。ここで、矩形波RWの両サイドから5次の高調波SHW5の半波長分を削った波形RAは、5次の高調波SHW5を1波長分削ったものとなるため、5次の高調波SHW5を大きく低減することができる。一方、矩形波RWの両サイドから7次の高調波SHW7の半波長分を削った波形RBは、7次の高調波SHW7を1波長分削ったものとなるため、7次の高調波SHW7を大きく低減することができる。
ここで、上述したように、端面ESの磁束密度は内周面ISの磁束密度と比較して低いため、端面ESの長さを、5次の高調波SHW5や7次の高調波SHW7の半波長程度とするなら、磁束密度の5次の高調波SHW5や7次の高調波SHW7を大きく低減することができる。
なお、厳密には、1つの磁極を構成する領域のうちの周方向Dcにおける両サイドの「1/5」の長さの領域の磁束密度を低減することで、5次の高調波SHW5を低減することができる一方、端面ESと境界BLとの間には隙間がある。ただし、図1に示す端面ESの端部Pと境界BLとの間の周方向Dcにおける長さは、端面ESの周方向Dcにおける長さと比較して、十分に短いため、境界BLから端面ESまでと端面ESとを含んだ領域の周方向Dcにおける長さは、端面ESの周方向Dcにおける長さと見なせる。
さらに、ロータ10の外周と端面ESとの距離は、ロータ10の中心Oから端面ESまでの距離rと比較して十分に小さい。このため、「a=2πR/(極数:ここでは10)」の長さの「1/5」は、5次の高調波の半波長と見なすことができ、「a」の「1/7」は、7次の高調波の半波長と見なすことができる。このため、本実施形態では、径方向の最も外側における第1領域20の周方向Dcにおける長さを、「a/5」とし、径方向の最も外側における第2領域22の周方向Dcにおける長さを、「a/7」とする。
ちなみに、本実施形態の永久磁石16の内周面ISによってロータ10の径方向外側に出る磁束密度分布は、図3に示した矩形波RWではない。図3に示した矩形波RWは、単に、磁束密度分布が基本波FHWからずれたものの一例として示したに過ぎない。矩形波RWではなくても、基本波FHWからずれたものであるなら、5次の高調波SHW5や7次の高調波SHW7を含みうる。
なお、図2に示すように、本実施形態では、互いに隣接する永久磁石16の一方の第1部分16aに他方の第2部分16bが隣接し、一方の第2部分16bに他方の第1部分16aが隣接している。そして、軸方向Daにおいて、1つの磁極を構成する第1部分16aのうち第1領域20が形成されている位置には、隣接する別の磁極である逆極性の磁極を構成する第2部分16bのうち第2領域22が形成されている。また、1つの磁極を構成する第1部分16aのうち第2領域22が形成されている位置には、隣接する別の磁極である逆極性の磁極を構成する第2部分16bのうち第1領域20が形成されている。
図4に、本実施形態にかかるロータ10の製造工程を示す。図4(a)は、コア12の径方向に対向するようにして、配向着磁器30を配置する配置工程の完了時を示す。ここで、配向着磁器30は、周方向Dcに交互に配置された永久磁石32および着磁ヨーク34をそれぞれ10個ずつ備えており、それらが図示しない非磁性部材により円環状に一体的に組み付けられている。配向着磁器30は、コア12の外周面と所定の隙間を隔ててこれを囲むように対向配置される。
永久磁石32は、コア12の挿入孔14に対してコア12の径方向外側に位置するように配置されている。各永久磁石32は、周方向Dcの幅がコア12の径方向外側に向かうほど大きくなるように形成されており、着磁ヨーク34は、周方向Dcの幅が径方向内側に向かうほど大きくなるように形成されている。各永久磁石32は、周方向Dcの両側部が異なる磁極になっている。また各永久磁石32は、周方向Dcに隣り合うもの同士が同じ磁極で対向するように配置されている。各永久磁石32の同じ磁極同士で対向した部分に挟み込まれるようにして着磁ヨーク34が配置されている。
図4(b)は、挿入孔14に磁石材料16cを充填する充填工程および、充填された磁石材料16cに磁場を印加する配向着磁工程を示す。本実施形態では、コア12を金型として利用して射出成型によって磁石材料16cを挿入孔14に充填する。ここで、磁石材料16cは、磁紛と樹脂との混合物であり、充填工程においては、磁石材料16cは、高温とされて流動性を有する状態となっている。上述したように、本実施形態では、充填工程に先立ってコア12に配向着磁器30を対向配置している。このため、挿入孔14に磁石材料16cが充填されると、充填された磁石材料16cには直ちに磁場が印加されることとなる。このため、本実施形態では、充填工程の期間と配向着磁工程の期間とが重複している。
こうして磁石材料16cに磁場が印加され、磁石材料16cが永久磁石16となることにより、ロータ10が生成される。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
ロータ10に埋め込まれた永久磁石16は、第1領域20および第2領域22を有する。ロータ10が回転すると、第1部分16aや第2部分16bの端面ESがステータコイルに対向する都度、ステータコイルの鎖交磁束は小さくなる。特に、ステータコイルのうち第1領域20に対向する部分は、ロータ10が5次の高調波の半波長の長さだけ回転する間、鎖交磁束が小さくなる。また、ステータコイルのうち第2領域22に対向する部分は、ロータ10が7次の高調波の半波長の長さだけ回転する間、鎖交磁束が小さくなる。
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)ロータ10に埋め込まれた永久磁石16に、第1領域20および第2領域22を備えた。これにより、磁束密度分布の5次の高調波と7次の高調波とを低減することができる。そして、これは、ロータ10が搭載される電動機の6次のトルクリップルを低減することにつながる。ちなみに、図5に、永久磁石16の周方向Dcにおける長さを一定として且つ、「a/5」にも「a/7」にもしなかった比較例における、誘起電圧に含まれる高調波の割合を示す。図5に示すように、機械角で25次の高調波成分が大きくなっている。これは、電気角で5次の高調波が大きいことを意味し、6次のトルクリップルの要因となる。
(2)1つの磁極を構成する第1部分16aの第1領域20を、逆極性を有する磁極を構成する第2部分16bの第2領域22に隣接させ、1つの磁極を構成する第1部分16aの第2領域22を、逆極性を有する磁極を構成する第2部分16bの第1領域20に隣接させた。これにより、1つの磁極の第1部分16aとこれに隣接する逆極性の磁極の第2部分16bとの周方向Dcにおける合計の長さを第1の長さ「a/5」と第2の長さ「a/7」との和で一定とすることができる。このため、配向着磁工程において、磁石材料16cを通過する磁路の磁気抵抗が軸方向Daの異なる位置で互いにばらつくことを抑制できる。このため、図4(b)に示した配向着磁工程によって生成された永久磁石16の配向率や着磁率が軸方向でばらつくことを抑制することができる。また、これによりロータ10としての磁束密度のばらつきを低減することができる。ちなみに、配向率は、磁化容易方向が永久磁石16に要求される磁気モーメントに平行な方向に揃っている度合いのこととする。一方、着磁率は、永久磁石16内の局所的な領域(磁区)の磁気モーメント(着磁方向)が一つの方向に揃っている度合いのこととする。
(3)第1部分16aおよび第2部分16bを、第1領域20および第2領域22の2つの領域のみから構成した。これにより、軸方向Daの全体において、1つの磁極の第1部分16aとこれに隣接する逆極性の磁極の第2部分16bとの周方向Dcにおける合計の長さを一定とすることができる。
(4)第1部分16aおよび第2部分16bを径方向内側で合流させて、1つの磁石によって構成した。これにより、径方向内側における磁束の短絡を抑制することができる。
(5)コア12の挿入孔14に、磁石材料16cを充填する充填工程と、挿入孔14内の磁石材料16cに磁場を印加する配向着磁工程とを有して、ロータ10を製造した。これにより、コア12に焼結磁石を埋め込む場合と比較すると、永久磁石16の形状の制約が生じにくい。このため、第1領域20および第2領域22を形成することが容易となる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。以下において、「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項を項目立てするとともに上記実施形態における事項との対応関係を符号等によって例示した部分があるが、これには、項目立てした事項を、対応関係を例示した実施形態中の事項に限定する意図はない。
・「隣接する磁極間での第1領域、第2領域の配置について」
上記実施形態では、隣接する磁極の一方の第1部分16aの第1領域20と、他方の第2部分16bの第2領域22とを隣接させ、一方の第1部分16aの第2領域22と、他方の第2部分16bの第1領域20とを隣接させたが、これに限らない。たとえば、隣接する磁極の一方の第1部分16aの第1領域20と、他方の第2部分16bの第1領域20とを隣接させ、一方の第1部分16aの第2領域22と、他方の第2部分16bの第2領域22とを隣接させてもよい。これによっても上記(1)の効果を得ることはできる。
・「1つの磁極の第1部分16aと第2部分16bとの第1領域および第2領域の配置について」
上記実施形態では、1つの磁極において、軸方向Daの同一の位置には、第1部分16aと第2部分16bとで同一の領域を割り振った。すなわちたとえば、第1部分16aにおいて第1領域20となる軸方向Daにおける位置には、第2部分16bの第1領域20を配置した。しかし、これに限らず、たとえば、1つの磁極の第1部分16aにおいて第1領域20が配置される軸方向Daにおける位置には、第2部分16bの第2領域22を配置してもよい。
・「第1の長さ、第2の長さについて」
上記実施形態では、第1の長さを、周方向Dcにおける1極の長さaの「1/5」としたが、これに限らない。たとえば、「1/6」よりも大きく「1/4」よりも小さい長さであることを条件に、「1/5」からずらしてもよい。
上記実施形態では、第2の長さを、周方向Dcにおける1極の長さaの「1/7」としたが、これに限らない。たとえば、「1/8」よりも大きく「1/6」よりも小さい長さであることを条件に、「1/7」からずらしてもよい。
ちなみに、たとえば、第1の長さを厳密に「a/5」とすることによって、1つの磁極を構成する領域のうち磁束密度が低くなる領域の周方向Dcにおける長さが5次の半波長の長さとなるとは限らない。これは、第1に、上記半波長とするうえで適切な第1の長さが、永久磁石16の内周面ISにおける磁束密度分布に依存するためである。第2に、永久磁石16の端面ESがコア12の外周よりも径方向内側に位置し、内周面ISの磁束の一部は、端面ESの径方向外側に回り込むためである。したがって、第1の長さや第2の長さを最適な値に設定するうえでは、第1の長さや第2の長さは、個々のロータ10の仕様毎に最適な値が適合されるべき適合要素となる。しかし、こうして適合された値は、たとえば第1の長さの場合、1極の長さaの「1/6」よりも大きく「1/4」よりも小さい長さとなると考えられる。ただし、ここでの長さaは、「2πr/(極数)」以上の長さであって且つ「2πR/(極数)」以下の長さとする。
また、たとえば、トルクリップルの12次成分を低減するために、第1の長さを、周方向Dcにおける1極の長さaの「1/11」とし、第2の長さを、周方向Dcにおける1極の長さaの「1/13」としてもよい。
・「第1領域、第2領域について」
上記実施形態では、軸方向Daにおける第1領域20の長さと、軸方向Daにおける第2領域22の長さとを同一としたが、これに限らない。
上記実施形態では、ロータ10の軸方向Daにおいて、第1領域20と第2領域22とが交互に配置される構成としたが、これに限らない。たとえば、上記第1領域20および第2領域22に加えて、周方向Dcにおける1極の長さaの「1/11」の長さを有する第3領域と、周方向Dcにおける1極の長さaの「1/13」の長さを有する第4領域とを有し、それらが順に配置される構成であってもよい。
・「第1部分16aおよび第2部分16bについて」
径方向内側で、第1部分16aと第2部分16bとが連結された構成に限らない。ただし、第1部分16aと第2部分16bとが分離している場合には、それらの間に透磁率が低い部材を介在させることが望ましい。
・「製造方法について」
コア12全体の挿入孔14に磁石材料を充填して着磁するものに限らない。たとえばコア12を軸方向Daにいくつかに分割したコア断片の挿入孔に磁石材料を充填してもよい。
上記実施形態では、磁粉と樹脂との混合物である磁石材料16cを挿入孔14に充填することにより、射出成型したが、これに限らない。たとえば、圧縮成型であってもよい。これは、磁石材料として、磁粉を樹脂でコーティングしたものを用いて実現することができる。
上記実施形態では、充填工程の期間と配向着磁工程の期間とを重複させたが、これに限らない。たとえば、充填工程の完了後に、配向着磁器30をコア12に対向させて配向着磁工程を開始してもよい。
コア12の挿入孔14に磁石材料を充填する工程も必須ではない。たとえば、予め着磁された焼結磁石をコア12に埋め込んでもよい。この場合、たとえば、図2に示したコア12を軸方向Daにおいて分割してコア断片とし、各コア断片に焼結磁石を埋め込めばよい。詳しくは、図1に示したロータ10を製造する場合、コア12を均等に4分割したコア断片でコア12を構成することにより、製造が容易となる。
・「そのほか」
配向着磁器30としては、永久磁石32を備えるものに限らず、電磁石を備えるものであってもよい。
上記実施形態では、隣接する磁石同士の境界BL(図1)が、軸方向Daに平行となるものを例示したが、これに限らず、たとえば軸方向Daの両端の一方から他方に行くにつれて周方向Dcの位相をずらしたいわゆるスキューを付与した構成であってもよい。
上記実施形態では、コア12を、電磁鋼板にて構成したが、これに限らず、たとえばFCD(球状黒鉛鋳鉄)や、軟鉄等であってもよい。
10…ロータ、12…コア、14…挿入孔、16…永久磁石、16a…第1部分、16b…第2部分、16c…磁石材料、20…第1領域、22…第2領域、30…配向着磁器、32…永久磁石、34…着磁ヨーク。

Claims (6)

  1. コアに複数の永久磁石が埋め込まれた埋込磁石型ロータにおいて、
    前記永久磁石は、前記コアの径方向外側において隣接して且つ、前記径方向外側から内側へと延びる一対の部分である第1部分および第2部分によって、1つの磁極を構成するものであり、
    前記1つの磁極を構成する前記第1部分および前記第2部分は、前記径方向の最も外側の部分における周方向の長さが第1の長さである第1領域と、前記最も外側の部分における周方向の長さが前記第1の長さとは相違する第2の長さである第2領域とが、前記コアの軸方向において隣接配置されていることを特徴とする埋込磁石型ロータ。
  2. 前記コアは周方向に沿って複数の磁極を備えており、
    前記1つの磁極を構成する前記第1部分は、該磁極に隣接して且つ当該磁極とは逆極性の磁極を構成する前記第2部分に隣接しており、
    前記1つの磁極を構成する前記第2部分は、該磁極に隣接して且つ当該磁極とは逆極性の磁極を構成する前記第1部分に隣接しており、
    前記1つの磁極を構成する前記第1部分の第1領域には、前記逆極性の磁極を構成する前記第2部分の前記第2領域が隣接しており、
    前記1つの磁極を構成する前記第1部分の第2領域には、前記逆極性の磁極を構成する前記第2部分の前記第1領域が隣接している請求項1記載の埋込磁石型ロータ。
  3. 前記第1部分および前記第2部分は、前記第1領域および前記第2領域からなる請求項2記載の埋込磁石型ロータ。
  4. 前記第1の長さは、前記径方向の最も外側の部分における前記1つの磁極の前記周方向の長さの、6分の1より大きく4分の1よりも小さい長さであり、
    前記第2の長さは、前記径方向の最も外側の部分における前記1つの磁極の前記周方向の長さの、8分の1より大きく6分の1よりも小さい長さである請求項1〜3のいずれか1項に記載の埋込磁石型ロータ。
  5. 前記第1部分および前記第2部分は、前記径方向内側で合流していることによって、1つの磁石によって構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の埋込磁石型ロータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の埋込磁石型ロータの製造方法において、
    前記永久磁石が埋め込まれる前記コアの挿入孔、または前記コアを軸方向に分割した一部であるコア断片の挿入孔に、磁石材料を充填する充填工程と、
    前記挿入孔内の前記磁石材料に磁場を印加する配向着磁工程とを有する埋込磁石型ロータの製造方法。
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