JP2017053039A - 原料ガス供給装置、成膜装置、流量の測定方法及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】混合ガス中の原料の濃度が変化しても当該原料の流量を測定することが可能な原料ガス供給装置等を提供する。
【解決手段】原料ガス供給装置は、基板Wに成膜を行う成膜装置に原料の濃度変化を伴う原料ガスを供給し、キャリアガス供給部41は原料300を収容し、加熱部と圧力調節部とを備える原料容器2に対してキャリアガスを供給し、第1の流量測定部42は、キャリアガスの流量測定値を出力する。原料容器3にて気化した原料を含む原料ガスは、原料ガス供給路210を介して成膜装置に供給され、キャリアガスにより校正され、原料ガスの全量を通流させる細管に設けた抵抗体の抵抗値により流量測定値を得る流量計からなる第2の流量測定部2は、この原料ガスの流量測定値を出力する。流量演算部51は、第1の流量測定部42にて得られた流量測定値と、第2の流量測定部2にて得られた流量測定値との差分値を原料の流量に換算する。
【選択図】図2
【解決手段】原料ガス供給装置は、基板Wに成膜を行う成膜装置に原料の濃度変化を伴う原料ガスを供給し、キャリアガス供給部41は原料300を収容し、加熱部と圧力調節部とを備える原料容器2に対してキャリアガスを供給し、第1の流量測定部42は、キャリアガスの流量測定値を出力する。原料容器3にて気化した原料を含む原料ガスは、原料ガス供給路210を介して成膜装置に供給され、キャリアガスにより校正され、原料ガスの全量を通流させる細管に設けた抵抗体の抵抗値により流量測定値を得る流量計からなる第2の流量測定部2は、この原料ガスの流量測定値を出力する。流量演算部51は、第1の流量測定部42にて得られた流量測定値と、第2の流量測定部2にて得られた流量測定値との差分値を原料の流量に換算する。
【選択図】図2
Description
本発明は、成膜装置に供給される原料の流量を測定する技術に関する。
半導体ウエハなどの基板(以下「ウエハ」と言う)に対して成膜を行う手法には、ウエハの表面に原料ガスを供給し、ウエハを加熱することなどにより原料ガスを反応させて成膜を行うCVD(Chemical Vapor Deposition)法や、ウエハの表面に原料ガスの原子層や分子層を吸着させた後、この原料ガスを酸化、還元する反応ガスを供給して反応生成物を生成し、これらの処理を繰り返して反応生成物の層を堆積させるALD(Atomic Layer Deposition)法などがある。これらの処理は、ウエハを収容し、真空雰囲気が形成された反応チャンバーに原料ガスを供給することにより行われる。
ここで、CVDやALDなどで利用される原料には蒸気圧の低いものが多く、この場合、原料ガスは、液体や固体の原料を収容した原料容器にキャリアガスを供給し、このキャリアガス中に原料を気化させることにより得ている。一方、ウエハに成膜された膜の厚さや膜質などを制御するにあたっては、原料ガス中に含まれる原料の量を把握する必要が生じる。ガスの流量を測定する機器としては、熱式の流量計(マスフローメータ)などが知られているが、濃度変化を伴う原料ガス中の原料の濃度を測定することは困難である。
ここで引用文献1には、半導体製造プロセスの成膜を行うにあたり、蒸発部に収められた原料液体中に、第1の質量流量調節計にて流量調節されたキャリアガスを噴気(バブリング)して原料液体を蒸発させ、得られた混合気体の質量流量を質量流量計で測定し、これらキャリアガスと混合気体との質量流量の差から気化した原料液体の量を把握する技術が記載されている。そして、混合気体中の原料液体の気化量が変化した場合には、第2の質量流量調節計を介して前記混合気体に供給されるバッフアガスの供給量と前記キャリアガスの供給量とを振り替え、キャリアガスが液体原料を通過する時間を調節することにより、混合気体全体(キャリアガス、バッフアガス及び気化した液体原料)の質量流量及び成分比を一定に保つ調節を行っている。
ここで引用文献1に記載の技術は、バッフアガスの供給位置に応じて混合気体の成分比の算出方法を変えている(段落0016の(5)、(6)式)。
例えば、質量流量計の下流にバッフアガスを導入する図1の例については、質量流量計にて正しい流量を測定できているのか明らかでない。例えば熱式の質量流量計の場合は、測定するガスの成分が変化すると、質量流量計の測定結果を実際の流量に換算するコンバージョンファクタの値を修正する必要がある。従って、この質量流量計が熱式のものである場合には、刻々と変化する混合気体の成分比に応じてコンバージョンファクタを変更しなければ、正しい質量流量を把握することができない。
例えば、質量流量計の下流にバッフアガスを導入する図1の例については、質量流量計にて正しい流量を測定できているのか明らかでない。例えば熱式の質量流量計の場合は、測定するガスの成分が変化すると、質量流量計の測定結果を実際の流量に換算するコンバージョンファクタの値を修正する必要がある。従って、この質量流量計が熱式のものである場合には、刻々と変化する混合気体の成分比に応じてコンバージョンファクタを変更しなければ、正しい質量流量を把握することができない。
しかしながら引用文献1には、コンバージョンファクタの修正に係る記載は見当たらない。また、熱式の質量流量計でない場合には、いかなる方式の質量流量計にて成分比が変化する混合気体の質量流量を正しく把握しているのか特定することができない。
一方、質量流量計の上流にバッファガスを導入する図2の例については、蒸発部における液体原料の気化量を一定に保ちつつ、キャリアガス、バッフアガスの合計の流量を一定に保てば、質量流量計に供給される混合気体の混合比は一定の値に収束する。この場合は、熱式の質量流量計を用いてもコンバージョンファクタを修正せずに混合ガスの質量流量を測定することができる。しかしながら、これは混合比が変化する混合気体の質量流量を測定する方法ではない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、混合ガス中の原料の濃度が変化した場合であっても当該原料の流量を測定することが可能な原料ガス供給装置、成膜装置、流量の測定方法及びこの方法を記憶した記憶媒体を提供することにある。
本発明に係る原料ガス供給装置は、基板に対する成膜を行う成膜装置に用いられ、原料の濃度変化を伴う原料ガスの供給を行う原料ガス供給装置において、
液体または固体の原料を収容した原料容器と、
前記原料容器内の原料を収容する空間にキャリアガス流路を介してキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部と、
前記キャリアガス流路に流れるキャリアガスの流量に対応する流量測定値を出力する第1の流量測定部と、
前記原料容器から、気化した原料を含む原料ガスを前記成膜装置に供給するための原料ガス供給路と、
前記原料ガス供給路を流れる原料ガスの流量測定値を出力するために設けられ、前記キャリアガスにより校正された熱式の流量計からなる第2の流量測定部と、
前記第1の流量測定部にて得られた流量測定値と、前記第2の流量測定部にて得られた流量測定値との差分値を算出するステップと、前記差分値を前記原料の流量に換算するステップと、を実行する流量演算部と、を備え、
前記流量計は、当該流量計に導入された原料ガスの全量を通流させる細管に設けた抵抗体の抵抗値の変化に基づき流量測定値を得る方式のものであることを特徴とする。
液体または固体の原料を収容した原料容器と、
前記原料容器内の原料を収容する空間にキャリアガス流路を介してキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部と、
前記キャリアガス流路に流れるキャリアガスの流量に対応する流量測定値を出力する第1の流量測定部と、
前記原料容器から、気化した原料を含む原料ガスを前記成膜装置に供給するための原料ガス供給路と、
前記原料ガス供給路を流れる原料ガスの流量測定値を出力するために設けられ、前記キャリアガスにより校正された熱式の流量計からなる第2の流量測定部と、
前記第1の流量測定部にて得られた流量測定値と、前記第2の流量測定部にて得られた流量測定値との差分値を算出するステップと、前記差分値を前記原料の流量に換算するステップと、を実行する流量演算部と、を備え、
前記流量計は、当該流量計に導入された原料ガスの全量を通流させる細管に設けた抵抗体の抵抗値の変化に基づき流量測定値を得る方式のものであることを特徴とする。
前記原料ガス供給装置は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記第1の流量測定部には、予め設定された設定値にキャリアガスの流量を調節する流量調節部が設けられていること。
(b)前記差分値から原料の流量への換算は、前記差分値に比例係数を乗じて算出すること。この場合に、前記比例係数が、前記キャリアガス供給部から供給されるキャリアガスの流量に応じて変化するとき、前記流量演算部は、前記差分値を算出するステップにて、前記第2の流量測定部にて得られた流量測定値に前記比例係数の変化を相殺する補正を行ってから差分値の算出を行うこと。または、前記差分値から原料の流量への換算は、前記差分値と原料の流量との対応関係を表す近似式に基づいて算出すること。
(a)前記第1の流量測定部には、予め設定された設定値にキャリアガスの流量を調節する流量調節部が設けられていること。
(b)前記差分値から原料の流量への換算は、前記差分値に比例係数を乗じて算出すること。この場合に、前記比例係数が、前記キャリアガス供給部から供給されるキャリアガスの流量に応じて変化するとき、前記流量演算部は、前記差分値を算出するステップにて、前記第2の流量測定部にて得られた流量測定値に前記比例係数の変化を相殺する補正を行ってから差分値の算出を行うこと。または、前記差分値から原料の流量への換算は、前記差分値と原料の流量との対応関係を表す近似式に基づいて算出すること。
また、他の発明に係る成膜装置は、上述のいずれかの原料ガス供給装置と、
この原料ガス供給装置の下流側に設けられ、当該原料ガス供給装置から供給された原料ガスを用いて基板に成膜処理を行う成膜処理部と、を備えたことを特徴とする。
この原料ガス供給装置の下流側に設けられ、当該原料ガス供給装置から供給された原料ガスを用いて基板に成膜処理を行う成膜処理部と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、キャリアガスにより校正された熱式の流量計にて、気化した原料とキャリアガスとを含む原料ガスの流量を測定し、この流量測定値から、キャリアガスの流量測定値を差し引いた後、この差分値を原料の流量に換算する。この結果、原料ガス中の原料の濃度が変化した場合であっても当該原料の流量を測定することができる。
以下、図1を参照しながら、本発明の原料ガス供給装置を備えた成膜装置の構成例について説明する。成膜装置は、基板例えばウエハW対してCVD法による成膜処理を行うための成膜処理部1と、この成膜処理部1に原料ガスを供給するための原料ガス供給装置と、を備えている。
成膜処理部1は、バッチ式のCVD装置の本体として構成され、例えば縦型の反応チャンバー11内に、ウエハWを多数枚搭載したウエハボート12を搬入した後、真空ポンプなどからなる真空排気部15により、排気ライン110を介して反応チャンバー11内を真空排気する。しかる後、原料ガス供給装置から原料ガスを導入して、反応チャンバー11の外側に設けられた加熱部13によりウエハWを加熱することによって成膜処理が行われる。
例えばポリイミド系の有機絶縁膜を成膜する場合を例に挙げると、成膜は、ピロメリット酸二無水物(PMDA:Pyromellitic Dianhydride)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA:4,4'-Oxydianiline)との二種類の原料ガスを反応させることによって進行する。図1には、これらの原料ガスのうち、常温で固体のPMDAを加熱して昇華(気化)させ、キャリアガスと共に成膜処理部1へと供給する原料ガス供給装置の構成例を示してある。
本例の原料ガス供給装置は、原料のPMDAを収容した原料容器3と、この原料容器3にキャリアガスを供給するキャリアガス供給部41と、原料容器3にて得られた原料ガス(気化したPMDAとキャリアガスとを含む)を成膜処理部1に供給する原料ガス供給路210と、を備えている。
原料容器3は、固体原料300であるPMDAを収容した容器であり、抵抗発熱体を備えたジャケット状の加熱部31で覆われている。例えば原料容器3は、温度検出部34にて検出した原料容器3内の気相部の温度に基づいて、給電部36から供給される給電量を増減することにより、原料容器3内の温度を調節することができる。加熱部31の設定温度は、固体原料300が気化し、且つ、PMDAが分解しない範囲の温度、例えば250℃に設定される。
原料容器3内における固体原料300の上方側の気相部には、キャリアガス供給部41から供給されたキャリアガスを原料容器3内に導入するキャリアガスノズル32と、原料容器3から原料ガス供給路210へ向けて原料ガスを抜き出すための抜き出しノズル33と、が開口している。
キャリアガスノズル32は、MFC(マスフローコントローラ)42が介設されたキャリアガス流路410に接続されており、このキャリアガス流路410の上流側にキャリアガス供給部41が設けられている。キャリアガスは、例えば窒素(N2)ガスやヘリウム(He)ガスなどの不活性ガスが用いられる。本例ではN2ガスを用いる場合について説明する。
MFC42は、例えば熱式のMFM(マスフローメータ)と、このMFMにて測定されたキャリアガスの流量測定値に基づいて、予め設定された設定値にキャリアガスの流量を調節する流量調節部とを備えている。MFC42のMFMは、本実施の形態の第1の流量測定部に相当し、このMFMにて測定されるキャリアガスの流量は、第1の流量測定値(Q1)に相当する。
一方、前記抜き出しノズル33は開閉バルブV1や圧力調節バルブV2、及び後述のMFM(マスフローメータ)2が介設された原料ガス供給路210に接続されている。原料容器3から抜き出された原料ガスは、この原料ガス供給路210を介して成膜処理部1に供給される。原料容器3の内部は、真空排気部15により、原料ガス供給路210及び反応チャンバー11を介して真空排気され、減圧雰囲気に保たれている。原料容器3内の圧力は、圧力検出部35による圧力測定値に基づいて、圧力調節バルブV2の開度を調節することによって調節される。
図2に示すように、原料ガス供給路210に設けられたMFM2は、原料ガス供給路210の配管流路上に介設され、原料容器3から供給された原料ガスの全量が通過する細管部24と、この細管部24の上流側位置及び下流側位置の管壁に巻きつけられた抵抗体231、232と、細管部24内をガスが通流することに起因する細管部24の管壁の温度変化を各抵抗体231、232の抵抗値の変化として取り出し、ガスの質量流量に対応する流量信号に変換して出力するブリッジ回路22及び増幅回路21と、を備えた熱式の流量計として構成されている。
本MFM2はキャリアガス(N2ガス)によって校正されており、原料(PMDA)を含まないキャリアガスを通流させたとき、このキャリアガスの流量に対応する流量信号を出力する。流量信号は、例えば0〜5[V]の範囲で変化し、0〜フルレンジ[sccm](0℃、1気圧、標準状態基準)の範囲のガス流量に対応付けられている。これらの対応に基づき、流量信号をガス流量に換算した値が流量測定値となる。流量信号から流量測定値への換算は、後述の流量演算部51で実行してもよいし、MFM2内で実行してもよい。
前記MFM2に、原料ガス(PMDAとキャリアガスとを含む)を通流させると、この原料ガスの流量に対応する流量測定値を得ることができる。MFM2は、本実施の形態の第2の流量測定部に相当し、このMFM2にて測定された原料ガスの流量は、第2の流量測定値(Q3)に相当する。
一方、MFMには、図3のMFM2aに示すように、供給されたガスの一部をバイパス25に通流させ、残りのガスを抵抗体231、232が設けられた細管部24に通流させて流量測定値を得る分流式のものがある。しかしながら、本例の原料容器3から供給される原料ガスのように、原料ガスの濃度が経時的に変化する可能性がある場合には、濃度変化に起因して原料ガスの粘度も変化するおそれがある。MFM2aに供給されるガスの粘度が変化すると、細管部24及びバイパス25に分流されるガスの分流比が変化し、正しい流量測定値を得ることができない場合がある。
この点、供給された原料ガスの全量を細管部24に通流させる図2に示したタイプのMFM2においては、原料ガスの粘度変化の影響を受けずに原料ガスの流量測定値を得ることができる。
但し、本発明に適用可能なMFMは上述の非分流式のものに限定されるものではない。例えば原料ガスの濃度変化に対して殆ど粘度が変化しない原料ガスなどにおいては、図3に示した分流式のMFM2aを採用してもよい。
但し、本発明に適用可能なMFMは上述の非分流式のものに限定されるものではない。例えば原料ガスの濃度変化に対して殆ど粘度が変化しない原料ガスなどにおいては、図3に示した分流式のMFM2aを採用してもよい。
以上に説明した構成を備えた成膜装置(成膜処理部1及び原料ガス供給装置)は、制御部5と接続されている。制御部5は例えば図示しないCPUと記憶部とを備えたコンピュータからなり、記憶部には成膜装置の作用、即ちウエハボート12を反応チャンバー11内に搬入し、真空排気後、原料ガス供給装置から原料ガスを供給して成膜を行い、原料ガスの供給を停止してからウエハボート12を搬出するまでの動作に係わる制御についてのステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
ここで既述のように、MFM2はキャリアガスによって校正されている。このMFM2に、PMDAとキャリアガスとを含む原料ガスを通流させて得られた流量測定値Q3は、PMDAやキャリアガスの流量を正しく示しているとは限らない。一方、このMFM2にPMDAを含まないキャリアガスを単独で通流させた場合には、正しい流量に対応した流量測定値を得ることができる。また当該ガス供給装置においては、原料容器3の上流側に設けられたMFC42にて、キャリアガスは設定値に対応した流量Q1に調節されている。
この点に関し、本例の制御部5は、MFM2にて測定した原料ガスの流量測定値Q3と、予め把握しているキャリアガスの流量Q1とを利用して、原料ガス中に含まれる原料の気化流量Q2を求める流量演算部51の機能を備えている。以下、原料の気化流量Q2を求める手法、及びその考え方について図4、図5を参照しながら説明する。
図4は、キャリアガスの流量Q1及び原料の気化流量Q2を変化させたとき、MFM2にて測定される原料ガスの流量Q3の変化を示している。図4の横軸は気化流量Q2[sccm]、縦軸はMFM2にて検出された流量測定値Q3[sccm]を表している。この図では、キャリアガスの流量Q1[sccm]をパラメータとした対応関係が示されている。
例えばQ1=0[sccm]の場合に示すように、PMDAの気化流量Q2と、このPMDAをMFM2に通流させて得られた流量測定値Q3との間には、比例関係があると考える。また、このPMDAのガスに既知量Q1=150、250[sccm]のキャリアガスを混合すると、キャリアガスにより校正されているMFM2は、Q1=0のときの流量測定値に、キャリアガスの流量を加算した値を流量測定値Q3として出力するとする。
これらの関係が成り立つ場合には、MFM2に原料ガスを通流させて得た流量測定値Q3から、MFC42にて予め把握している設定値Q1を差し引いた差分値Q3−Q1は、図4のQ1=0ときの値を示していることになる。そこで、PMDAの気化流量Q2と、このPMDAのガスをMFM2に通流させて得られた流量測定値Q3との比例係数Cfを予め求めておき、前記差分値に比例係数を乗じると、PMDAの気化流量Q2を求めることができる。
Q2=Cf(Q3−Q1) …(1)
Q2=Cf(Q3−Q1) …(1)
流量演算部51は、制御部5の記憶部に記憶されたプログラムに基づき、上述の演算を実行してPMDAの気化流量Q2を算出する。この手法によれば、原料ガス中のPMDAの濃度が変化し、当該原料ガスの正しい流量を測定するためのコンバージョンファクタが求められない場合であっても原料の気化流量を求めることができる。
後述の実施例に示すように、前記(1)式を利用すれば、キャリアガスにて校正されたMFM2を用いて、原料ガス中の原料の気化流量を計測することが可能であることを実験的に確認している(実施例においては水素(H2)ガス及び六フッ化硫黄(SF6)ガスを用いた)。
例えばCfの値は、以下の手法により求めることができる。固体原料300を収容した原料容器3の秤量を行いながら、加熱部31の加熱温度を変化させると共に、流量Q1のキャリアガスを供給して原料ガスを発生させる。固体原料300の重量変化から気化流量Q2を求めると共に、この原料ガスをMFM2に通流させて流量測定値Q3を得る。これら気化流量Q2及び流量測定値Q3の測定をキャリアガスの流量Q1や気化流量Q2を変化させて、図4に示すように、複数本の気化流量Q2と流量測定値Q3との対応関係を得る。そして、これらの対応関係から、キャリアガスの流量Q1が、キャリアガスが0のときの流量測定値Q3に加算されている関係が成立することを確認したら、差分値Q3−Q1算出し、この差分値を気化流量Q2で除して比例係数Cfを求める。
以下、図1、図6を参照しながら本例の成膜装置の作用について説明する。
はじめに、反応チャンバー11にウエハボート12を搬入した後、反応チャンバー内を真空排気する。そして、成膜処理を開始する準備が整ったら、開閉バルブV1を開くと共に、キャリアガス供給部41から設定値の流量に調節されたキャリアガスを原料容器3に供給して原料ガスを発生させる。発生した原料ガスは成膜処理部1へ供給され、加熱部13により加熱されたウエハWの表面にて、この原料ガス中のPMDAと、不図示のODAの原料ガス供給ラインから供給されたODAとが反応してポリイミド系の有機絶縁膜が成膜される。
はじめに、反応チャンバー11にウエハボート12を搬入した後、反応チャンバー内を真空排気する。そして、成膜処理を開始する準備が整ったら、開閉バルブV1を開くと共に、キャリアガス供給部41から設定値の流量に調節されたキャリアガスを原料容器3に供給して原料ガスを発生させる。発生した原料ガスは成膜処理部1へ供給され、加熱部13により加熱されたウエハWの表面にて、この原料ガス中のPMDAと、不図示のODAの原料ガス供給ラインから供給されたODAとが反応してポリイミド系の有機絶縁膜が成膜される。
原料の気化流量を求める動作について説明すると、抜き出しノズル33から抜き出された原料ガスは、MFM2の細管部24を通流し、流量測定値Q3が測定される(図6のステップS101)。流量演算部51は、この流量測定値Q3から、キャリアガスの設定値Q1を差し引いて差分値Q3−Q1を算出する(ステップS102)。
ここで内部に設けられたMFMを用いて測定したキャリアガスの流量測定値に基づいて流量調節を行うMFC42においては、流量が安定しているとき、キャリアガスの流量が設定値に対して調整誤差の範囲内にあることが保証されている。そこで、上述の例においては、キャリアガスの流量Q1としてMFC42の設定値を用いた。この例に替えて、流量演算部51がMFC42内のMFMから流量測定値を取得し、この流量測定値Q1に基づいて差分値Q3−Q1を算出してもよいことは勿論である。
しかる後、流量演算部51は、差分値Q3−Q1に比例係数Cfを乗じて原料の気化流量Q2に換算する(ステップS103)。このようにして得られたPMDAの気化流量Q2は、所望の膜厚や膜質を持つ有機絶縁膜を成膜するにあたり、キャリアガスの流量や原料容器3内の圧力などを操作する際の情報として活用してもよい。また、このように膜質や膜厚を調節するためのコントロール用の情報として活用する場合に限られず、単に気化流量Q2を把握するためのモニター情報として活用してもよい。
こうして予め設定した時間が経過したら、キャリアガス供給部41からのキャリアガスの供給を停止すると共に、開閉バルブV1を閉じ、PMDAを含む原料ガスの供給を停止する。また、ODAを含む原料ガスの供給も停止した後、反応チャンバー11内を大気雰囲気とする。しかる後、反応チャンバー11からウエハボート12を搬出して一連の動作を終える。
本実施の形態に係わる原料ガス供給装置によれば以下の効果がある。キャリアガスにより校正された熱式のMFM2にて、気化したPMDAとキャリアガスとを含む原料ガスの流量を測定し、この流量測定値Q3から、キャリアガスの流量測定値Q1を差し引いた後、この差分値を原料の気化流量Q2に換算する。この結果、原料ガス中の原料の濃度が変化した場合であっても原料の気化流量を測定することができる。
ここで図4に示した例では、MFM2にて測定したPMDAのガスの流量測定値にキャリアガスの流量Q1をそのまま加算した値が原料ガスの流量測定値Q3となる場合について説明した。
これに対して図7は、キャリアガスの流量Q1が増加するに連れて、原料ガスの流量測定値Q3の値が大きくなる場合を示している。この場合には、キャリアガスの流量Q1を増減させながら原料ガスを発生させる実験を行い、Q1+Q2の値からのずれ量を把握し、このずれを補正してから差分値を求める。
これに対して図7は、キャリアガスの流量Q1が増加するに連れて、原料ガスの流量測定値Q3の値が大きくなる場合を示している。この場合には、キャリアガスの流量Q1を増減させながら原料ガスを発生させる実験を行い、Q1+Q2の値からのずれ量を把握し、このずれを補正してから差分値を求める。
例えば図7に示した例では、原料ガスの流量測定値Q3に、前記ずれ量を相殺する補正係数を乗じて補正流量Q3’(=Q1+Q2となる)を算出し、しかる後、差分値Q3’−Q1を求めた後、この差分値に比例係数を乗じて原料の気化流量Q2を求める。図8は、実験により求めたキャリアガスの流量Q1と補正係数との対応関係の一例を示している。
補正流量Q3’の算出法は上述の例に限られるものではなく、例えば原料の気化流量Q2を変化させたときの流量測定値Q3のラインが補正流量Q3’と平行になる場合は、ずれ量を相殺する値を流量測定値Q3から加算または減算して補正流量Q3’を求めてもよい。この他、キャリアガスの流量Q1及び原料の気化流量Q2を変数として、流量測定値Q3と補正流量Q3’との対応関係を示す補正式Q3’=Q3(Q1,Q2)を最小二乗法などにより求め、この式に基づいて補正を行ってもよい。
補正式Q3’を求める計算は、キャリアガスの流量に応じて差分値Q3−Q1を原料の気化流量Q2に換算する比例係数Cfが変化するとき、この変化を相殺する補正を行っていると理解することができる。
次に、図9、図10は、原料の気化流量Q2とMFM2における流量測定値Q3とが比例関係でない場合の例を示している。この場合には、気化流量Q2と差分値Q3−Q1との対応関係を示す近似式Q2=f(Q3−Q1)を最小二乗法などにより求めておき、この近似式に前記差分値Q3−Q1を入力して気化流量Q2に換算する。
また、原料ガスの流量測定に用いるMFM2は、キャリアガス(本例ではN2ガス)とは異なる他の校正ガスを用いて校正されていてもよい。MFM2は、コンバージョンファクタを用いて換算することにより、校正ガスとは異なる種類のガスの流量を測定することができる。従って、例えばHeガスを用いて校正したMFM2に原料ガスを通流して得られた流量測定値Q3’’を、N2ガス相当の流量測定値Q3に換算してから(1)式の計算を実行することによっても気化流量を求めることができる。
従って本発明における「キャリアガスにより校正された熱式の流量計」とは、キャリアガスとは異なる校正ガスを用いて校正したMFM2を含む。この場合には、このMFM2から出力された流量測定値をコンバージョンファクタでキャリアガスに対応した流量測定値に換算して「第2の流量測定値」を取得する。
以上に説明した各例においては、ポリイミド系の有機絶縁膜の原料であり、常温で固体のPMDAを、本発明の原料ガス供給装置を用いて供給する場合について説明した。しかしながら本発明を適用可能な原料の種類はPMDAの例に限られるものではない。例えば前記ポリイミド系の有機絶縁膜のもう一方の原料であり、常温で固体のODAを液体になるまで加温し、この液体にキャリアガスをバブリングして得た原料ガス中の原料の流量を上述の手法により求めてもよい。また、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、テトラジメチルアミノハフニウム(TDMAH)、テトラキスエチルメチルアミノハフニウム(TEMAH)、テトラキスエチルメチルアミノジルコニウム(TEMAZ)など、アルミニウムやハフニウム、ジルコニウムなどの種々の金属を含む薄膜の成膜に用いる原料の流量測定に適用してもよい。
(実験)
流量が既知のキャリアガス及び原料の代替ガス混合し、MFM2に通流させて流量測定値Q3を取得した。そして、代替ガスの供給流量Q2に対する当該流量測定値Q3、及び差分値Q3−Q1の変化を調べた。
A.実験条件
図11に示すように、キャリアガス供給部41から供給され、MFC42にて流量がQ1に調節されたキャリアガス(N2ガス)と、代替ガス供給部61から供給され、MFC62にて流量がQ2に調節された代替ガスとを混合した後、MFM2に通流させ、流量測定値Q3を得た。MFM2の下流側は、真空排気部15によって真空排気し、2000Pa程度となるように調節した。
(実施例1)
PMDA(粘度1.4×10−5[Pa・s]、分子量218)に粘度が近い水素(H2)ガス(粘度1.3×10−5[Pa・s]、分子量2)を代替ガスとした。キャリアガスの流量Q1は、0、100、250、500[sccm]と変化させ、これらの場合において代替ガスの供給流量Q2を0〜1000[sccm]の範囲で変化させた。
(実施例2)
PMDAに分子量が近い六フッ化硫黄(SF6)ガス(粘度2.5×10−5[Pa・s]、分子量146)を代替ガスとした。キャリアガスの流量Q1は、0、100、250、500[sccm]と変化させ、これらの場合において代替ガスの供給流量Q2を0〜500[sccm]の範囲で変化させた。
流量が既知のキャリアガス及び原料の代替ガス混合し、MFM2に通流させて流量測定値Q3を取得した。そして、代替ガスの供給流量Q2に対する当該流量測定値Q3、及び差分値Q3−Q1の変化を調べた。
A.実験条件
図11に示すように、キャリアガス供給部41から供給され、MFC42にて流量がQ1に調節されたキャリアガス(N2ガス)と、代替ガス供給部61から供給され、MFC62にて流量がQ2に調節された代替ガスとを混合した後、MFM2に通流させ、流量測定値Q3を得た。MFM2の下流側は、真空排気部15によって真空排気し、2000Pa程度となるように調節した。
(実施例1)
PMDA(粘度1.4×10−5[Pa・s]、分子量218)に粘度が近い水素(H2)ガス(粘度1.3×10−5[Pa・s]、分子量2)を代替ガスとした。キャリアガスの流量Q1は、0、100、250、500[sccm]と変化させ、これらの場合において代替ガスの供給流量Q2を0〜1000[sccm]の範囲で変化させた。
(実施例2)
PMDAに分子量が近い六フッ化硫黄(SF6)ガス(粘度2.5×10−5[Pa・s]、分子量146)を代替ガスとした。キャリアガスの流量Q1は、0、100、250、500[sccm]と変化させ、これらの場合において代替ガスの供給流量Q2を0〜500[sccm]の範囲で変化させた。
B.実験結果
実施例1の結果を図12及び図13に示し、実施例2の結果を図14及び図15に示す。図12、図14の横軸は代替ガスの供給流量Q2、縦軸はMFM2の流量測定値Q3を示している。また、図13、図15の横軸は、代替ガスの供給流量Q2、縦軸は差分値Q3−Q1を示している。なお、図13、図15において、代替ガスの供給量が等しい点の差分値Q3−Q1は、グラフにプロットしたとき互いに識別できない程度に重なっていたので、図面作成の便宜上、各供給量に対応する差分値は一つのプロットで示してある。
実施例1の結果を図12及び図13に示し、実施例2の結果を図14及び図15に示す。図12、図14の横軸は代替ガスの供給流量Q2、縦軸はMFM2の流量測定値Q3を示している。また、図13、図15の横軸は、代替ガスの供給流量Q2、縦軸は差分値Q3−Q1を示している。なお、図13、図15において、代替ガスの供給量が等しい点の差分値Q3−Q1は、グラフにプロットしたとき互いに識別できない程度に重なっていたので、図面作成の便宜上、各供給量に対応する差分値は一つのプロットで示してある。
図12、図14に示すように、キャリアガスの供給流量Q1が0[sccm]のとき、H2ガス、SF6ガスのいずれにおいても代替ガスの供給流量Q2と流量測定値Q3との間には比例関係が確認された。そして、キャリアガスの供給流量Q1を100、250、500[sccm]と変化させたとき、流量測定値Q3のラインは、代替ガス単独の場合の流量測定値Q3のラインとほぼ平行になった。
また代替ガスの供給流量Q2に対して差分値Q3−Q1をプロットした図13、図15の結果によれば、これらQ2とQ3−Q1との間には比例関係が存在することを確認できる。そこすべての測定結果を用いて最小二乗法により供給流量Q2に対する差分値Q3−Q1近似直線を求めた。この近似直線に差分値Q3−Q1を入力して得た供給流量の推算値と実際の供給流量Q2との誤差は、いずれの代替ガスにおいても±2%以内であった。これらのことから、図4、図5及び(1)式を用いて説明した手法により、原料の流量Q2を求めることが可能なガスが存在することが確認できた。
W ウエハ
1 成膜処理部
2 MFM(マスフローメータ)
210 原料ガス供給路
3 原料容器
300 固体原料
41 キャリアガス供給部
42 MFC(マスフローコントローラ)
410 キャリアガス流路
1 成膜処理部
2 MFM(マスフローメータ)
210 原料ガス供給路
3 原料容器
300 固体原料
41 キャリアガス供給部
42 MFC(マスフローコントローラ)
410 キャリアガス流路
本発明に係る原料ガス供給装置は、基板に対する成膜を行う成膜装置に用いられ、原料の濃度変化を伴う原料ガスの供給を行う原料ガス供給装置において、
液体または固体の原料を収容し、内部の温度を予め設定された温度に加熱する加熱部を備えた原料容器と、
前記原料容器内の圧力を予め設定された圧力に調節する圧力調節部と、
前記原料容器内の原料を収容する空間にキャリアガス流路を介してキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部と、
前記キャリアガス流路に流れるキャリアガスの流量に対応する流量測定値を出力する第1の流量測定部と、
前記原料容器から、気化した原料を含む原料ガスを前記成膜装置に供給するための原料ガス供給路と、
前記原料ガス供給路を流れる原料ガスの流量測定値を出力するために設けられ、前記キャリアガスにより校正された熱式の流量計からなる第2の流量測定部と、
前記第1の流量測定部にて得られた流量測定値と、前記第2の流量測定部にて得られた流量測定値との差分値を算出するステップと、前記差分値を前記原料の流量に換算するステップと、を実行する流量演算部と、を備え、
前記流量計は、当該流量計に導入された原料ガスの全量を通流させる細管に設けた抵抗体の抵抗値の変化に基づき流量測定値を得る方式のものであることを特徴とする。
液体または固体の原料を収容し、内部の温度を予め設定された温度に加熱する加熱部を備えた原料容器と、
前記原料容器内の圧力を予め設定された圧力に調節する圧力調節部と、
前記原料容器内の原料を収容する空間にキャリアガス流路を介してキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部と、
前記キャリアガス流路に流れるキャリアガスの流量に対応する流量測定値を出力する第1の流量測定部と、
前記原料容器から、気化した原料を含む原料ガスを前記成膜装置に供給するための原料ガス供給路と、
前記原料ガス供給路を流れる原料ガスの流量測定値を出力するために設けられ、前記キャリアガスにより校正された熱式の流量計からなる第2の流量測定部と、
前記第1の流量測定部にて得られた流量測定値と、前記第2の流量測定部にて得られた流量測定値との差分値を算出するステップと、前記差分値を前記原料の流量に換算するステップと、を実行する流量演算部と、を備え、
前記流量計は、当該流量計に導入された原料ガスの全量を通流させる細管に設けた抵抗体の抵抗値の変化に基づき流量測定値を得る方式のものであることを特徴とする。
一方、前記抜き出しノズル33は開閉バルブV1や圧力調節バルブV2、及び後述のMFM(マスフローメータ)2が介設された原料ガス供給路210に接続されている。原料容器3から抜き出された原料ガスは、この原料ガス供給路210を介して成膜処理部1に供給される。原料容器3の内部は、真空排気部15により、原料ガス供給路210及び反応チャンバー11を介して真空排気され、減圧雰囲気に保たれている。原料容器3内の圧力は、圧力検出部35による圧力測定値に基づいて、圧力調節部である圧力調節バルブV2の開度を調節することによって調節される。
Claims (12)
- 基板に対する成膜を行う成膜装置に用いられ、原料の濃度変化を伴う原料ガスの供給を行う原料ガス供給装置において、
液体または固体の原料を収容し、内部の温度を予め設定され温度に加熱する加熱部を備えた原料容器と、
前記原料容器内の圧力を予め設定された圧力に調節する圧力調節部と、
前記原料容器内の原料を収容する空間にキャリアガス流路を介してキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給部と、
前記キャリアガス流路に流れるキャリアガスの流量に対応する流量測定値を出力する第1の流量測定部と、
前記原料容器から、気化した原料を含む原料ガスを前記成膜装置に供給するための原料ガス供給路と、
前記原料ガス供給路を流れる原料ガスの流量測定値を出力するために設けられ、前記キャリアガスにより校正された熱式の流量計からなる第2の流量測定部と、
前記第1の流量測定部にて得られた流量測定値と、前記第2の流量測定部にて得られた流量測定値との差分値を算出するステップと、前記差分値を前記原料の流量に換算するステップと、を実行する流量演算部と、を備え、
前記流量計は、当該流量計に導入された原料ガスの全量を通流させる細管に設けた抵抗体の抵抗値の変化に基づき流量測定値を得る方式のものであることを特徴とする原料ガス供給装置。 - 前記第1の流量測定部には、予め設定された設定値にキャリアガスの流量を調節する流量調節部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の原料ガス供給装置。
- 前記差分値から原料の流量への換算は、前記差分値に比例係数を乗じて算出することを特徴とする請求項1または2に記載の原料ガス供給装置。
- 前記比例係数が、前記キャリアガス供給部から供給されるキャリアガスの流量に応じて変化するとき、前記流量演算部は、前記差分値を算出するステップにて、前記第2の流量測定部にて得られた流量測定値に前記比例係数の変化を相殺する補正を行ってから差分値の算出を行うことを特徴とする請求項3に記載の原料ガス供給装置。
- 前記差分値から原料の流量への換算は、前記差分値と原料の流量との対応関係を表す近似式に基づいて算出することを特徴とする請求項1または2に記載の原料ガス供給装置。
- 請求項1ないし5のいずれか一つに記載の原料ガス供給装置と、
この原料ガス供給装置の下流側に設けられ、当該原料ガス供給装置から供給された原料ガスを用いて基板に成膜処理を行う成膜処理部と、を備えたことを特徴とする成膜装置。 - 基板に対する成膜を行う成膜装置に供給され、原料の濃度変化を伴う原料ガスに含まれる前記原料の流量の測定方法において、
液体または固体の原料を収容した原料容器内の原料を収容する空間であって、予め設定され温度に加熱されると共に、予め設定された圧力に調節された前記空間に、キャリアガス流路を介してキャリアガスを供給し、原料を気化させる工程と、
前記前記キャリアガス流路を流れるキャリアガスの流量に対応する第1の流量測定値を測定する工程と、
前記原料容器から、原料ガス供給路を介して、気化した原料を含む原料ガスを成膜装置に供給する工程と、
前記原料ガス供給路を流れる原料ガスを、前記キャリアガスにより校正された熱式の流量計にて測定し、第2の流量測定値を測定する工程と、
前記第1の流量測定値と、前記第2の流量測定値との差分値を算出する工程と、
前記差分値を前記原料の流量に換算する工程と、を含み、
前記第2の流量測定値を測定する工程は、前記流量計に導入された原料ガスの全量を通流させる細管に設けた抵抗体の抵抗値の変化に基づき流量測定値を得る方式の流量計を用いて実施されることを特徴とする流量の測定方法。 - 第1の流量測定値を測定する工程は、前記原料容器に供給されるキャリアガスの流量を予め設定された設定値に調節する工程に伴って行われることを特徴とする請求項7に記載の流量の測定方法。
- 前記差分値を前記原料の流量に換算する工程は、前記差分値に比例係数を乗じて行われることを特徴とする請求項7または8に記載の流量の測定方法。
- 前記比例係数が、前記キャリアガス供給部から供給されるキャリアガスの流量に応じて変化するとき、前記差分値を前記原料の流量に換算する工程にて、前記第2の流量測定値に前記比例係数の変化を相殺する補正を行ってから差分値の算出を行うことを特徴とする請求項9に記載の流量の測定方法。
- 前記差分値を前記原料の流量に換算する工程は、前記差分値と原料の流量との対応関係を示す近似式に基づいて行われることを特徴とする請求項7または8に記載の流量の測定方法。
- 基板に対する成膜を行う成膜装置に用いられる原料ガス供給装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは請求項7ないし11のいずれか一つに記載された流量の測定方法を実行するためにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
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WO2021241152A1 (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-02 | 大陽日酸株式会社 | 混合ガス供給装置、金属窒化膜の製造装置、及び金属窒化膜の製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0472717A (ja) * | 1990-07-13 | 1992-03-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 半導体製造装置 |
JPH05305228A (ja) * | 1992-04-28 | 1993-11-19 | Soken Kogyo Kk | 定量気化供給装置 |
JPH08203832A (ja) * | 1993-12-30 | 1996-08-09 | Tokyo Electron Ltd | 半導体製造装置 |
-
2016
- 2016-11-24 JP JP2016227726A patent/JP2017053039A/ja active Pending
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