JP2017052447A - 操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業の手間を軽減すること。【解決手段】EPS1は、軸方向への移動によって転舵輪12を転舵させるラック軸9と、ラック軸9の軸方向への移動に関わって回転動作するピニオン軸7とを含む操舵機構2と、操舵機構2に対して転舵輪12を転舵させる転舵力(アシストトルクや反力トルク)を付与する転舵力付与機構20とを備えている。そして、EPS1は、ラック軸9の軸方向の移動位置に換算可能な情報として、ピニオン軸7の回転角を検出するとともに、ラック軸9の軸方向の移動限界を示す位置情報を予め記憶しているICチップを有してなるピニオン角センサ26を備えるようにしている。また、EPS1は、ピニオン角センサ26で検出されるピニオン軸7の回転角とICチップに記憶されている位置情報とを少なくとも用いて転舵力付与機構20の動作を制御するEPSECU25を備えるようにしている。【選択図】図1

Description

本発明は、操舵装置に関する。
例えば、車両に用いられる操舵装置は、軸方向への移動によって転舵輪を転舵させるラック軸と、ラック軸の軸方向への移動に関わって回転動作するステアリング軸とを含んで構成される操舵機構を備えている。こうした操舵装置では、操舵機構に対して転舵輪を転舵させる転舵力を付与するように当該転舵力の発生源たるモータをさらに備えるようにしたものがある。
特許文献1には、こうした操舵装置の一例が開示されている。この操舵装置では、ラック軸(ラック8)がラックハウジングの軸方向に移動可能に収容されており、ラックエンドがラックハウジングの係止部に突き当たることで、ラック軸の移動範囲の限界、すなわちストロークエンドが定められている。また、この操舵装置のラックハウジングには、ラック軸の軸方向の移動位置を検出するためのラック位置センサが取り付けられている。そして、特許文献1では、ラック位置センサを用いてラック軸の軸方向の移動位置がストロークエンドに近付いたことを検出するとき、モータの制御量たる目標電流の変化量を制限することで、ラックエンドがラックハウジングの係止部に突き当たるときの衝撃を緩和するようにしている。
特開2006−315439号公報
ところで、特許文献1では、ラック軸の軸方向の移動位置がストロークエンドに近付いたことを検出するためにストロークエンドの位置等を示す情報を記憶しておく必要があるが、通常こうした情報を記憶させる作業は、操舵装置として組み立てられて出荷された後、車両の組み立て時等に記憶される。ただし、車両の組み立て時等には、ストロークエンドの位置等を示す情報を記憶させる以外にも様々な作業が行われるため、こうした作業の手間を少しでも軽減したいという要望もある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業の手間を軽減することができる操舵装置を提供することにある。
上記課題を解決する操舵装置は、軸方向への移動によって転舵輪を転舵させる転舵軸と、転舵軸の軸方向への移動に関わって回転動作する回転軸とを含む操舵機構を備え、操舵機構に対して転舵輪を転舵させる転舵力を付与する転舵力付与機構をさらに備えている。そして、上記操舵装置は、転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報を検出する検出部と、転舵軸の軸方向の移動範囲を特定するための位置情報を予め記憶している記憶部とを有してなる検出装置と、検出部で検出される情報と記憶部に記憶されている位置情報とを少なくとも用いて転舵力付与機構の動作を制御する制御装置とを備えるようにしている。
上記構成によれば、例えば、転舵軸周辺の機構と、回転軸周辺の機構とが組み付けられることで操舵装置が組み立てられる場合、操舵装置の組み立てが完成されるのに先立って操舵装置の生産工程において、検出装置の記憶部に転舵軸の軸方向の移動範囲を特定するための位置情報を記憶させることができる。この場合、操舵装置は、位置情報を予め記憶している状態で車両の組み立てへと出荷されるようになる。これにより、車両の組み立て時等には、ラック軸の軸方向の移動範囲を特定するための位置情報を記憶させる作業を不要にすることができ、作業の手間(特に車両の組み立て時の作業の手間)を軽減することができる。
上記位置情報としては、例えば、転舵軸の軸方向の移動限界を示す情報であることが望ましい。
上記構成によれば、転舵軸の軸方向の移動位置について、転舵軸の軸方向の移動限界に関わって制御を行う場合、特に有効となる。
こうした転舵軸の軸方向の移動限界に関わった制御として、具体的に、制御装置は、転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報として検出部が検出する回転軸の回転角と記憶部に記憶されている位置情報とに基づき転舵軸の軸方向の移動位置が移動限界に達することを判断する場合、転舵力として転舵軸の移動限界を超えた移動を規制する規制力を操舵機構に対して付与するように転舵力付与機構の動作を制御することができる。
上記構成によれば、転舵軸の軸方向の移動位置は、回転軸の回転角を検出することによって得られるようになる。すなわちこの場合、転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報の検出範囲としては、回転軸の軸端部や回転軸の周方向というように回転軸の軸周とすることができ、転舵軸の移動範囲と比較して、検出範囲を小さくすることができる。そのため、転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報の検出精度を高めることができ、転舵軸の軸方向の移動位置をより高精度に検出することができる。したがって、より高精度で検出される転舵軸の軸方向の移動位置を用いて転舵力付与機構の制御を行うことができ、操舵装置における制御の信頼性の向上を図ることができる。
こうしたより高精度で検出される転舵軸の軸方向の移動位置を用いれば、転舵軸の移動限界を制御的に実現することができる。一方、転舵軸の移動限界を制御的に実現することができない場合、例えば、特許文献1に記載の構成のように、転舵軸をハウジングの軸方向に移動可能に収容し、転舵軸の端部をハウジングの端部に突き当てる等、機械的に実現しなければいけない。これに対し、転舵軸の移動限界を制御的に実現する場合、例えば、転舵軸の端部がハウジングの端部に突き当たらないようにすることが可能となる。これにより、転舵軸の端部がハウジングの端部に突き当たる際に生じうる衝撃音をなくすことができる他、操舵機構の強度として当該突き当たる際の衝撃を考慮する必要がなくなり、操舵機構の強度を落として低重量化を図ることができる。
また、上記構成によれば、検出装置は、検出部の他、記憶部も備えており、これに記憶させる位置情報を変更することで、転舵軸の移動限界を容易に変更することができる。これにより、転舵軸について複数の車種の車両間で共通化を図ることができる。
また、上記操舵装置において、回転軸は、操舵部材を介して入力される操舵トルクを周方向の回転動作によって伝達する複数の回転軸を組み合わせてなる操舵軸を含み、転舵軸は、操舵軸から操舵トルクが伝達可能なように、操舵軸のうち、操舵部材から見て最も下流側に位置するピニオン軸に対してラックアンドピニオン機構を介して連結されてなり、検出装置は、転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報として、ピニオン軸の回転角を検出することが望ましい。
上記構成によれば、転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報として、操舵装置であれば通常備えているピニオン軸の回転角を用いている。そのため、検出装置について転舵力付与機構の仕様の異なる操舵装置間で共通化を図ることができる。
こうしたピニオン軸の回転角としては、例えば、ピニオン軸が転舵軸の軸方向の移動範囲において多回転する場合、絶対回転角を検出する必要がある。すなわち、上記操舵装置において、ピニオン軸は、転舵軸の軸方向の移動範囲において多回転するものであり、検出装置は、ピニオン軸の相対回転角を検出するものであり、ピニオン軸とは異なる回転軸の相対回転角を検出する相対回転角検出部をさらに備え、制御装置は、転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報として、ピニオン軸の相対回転角とピニオン軸とは異なる回転軸の相対回転角とに基づきピニオン軸の絶対回転角を検出することで具体化することができる。
また、上記操舵装置において、転舵力付与機構は、操舵機構のうち、転舵軸に対して転舵力を付与するものであり、ピニオン軸とは異なる回転軸は、転舵力付与機構の一部を構成するものであることが望ましい。
上記構成によれば、転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報として、転舵軸のなるべく近くに共に配置されるピニオン軸と転舵力付与機構の一部を構成する回転軸のそれぞれ相対回転角を用いているので、ピニオン軸の回転角を用いる場合の転舵軸の軸方向の実際の移動位置に対する精度をより好適に高めることができる。
本発明によれば、作業の手間を軽減することができる。
操舵装置についてその概略を示す図。 操舵装置についてそのEPSECUの構成を示すブロック図。 EPSECUにおけるEPS用マイコンについてその構成を示すブロック図。 ピニオン軸の相対回転角とモータの相対回転角との角度差を示すグラフ。 EPSについてその制御内容を説明するフローチャート。 (a),(b)は、ストロークエンドにおけるラック軸と転舵輪との状態を示す図。 (a),(b)は、ストロークエンドにおけるラック軸と転舵輪との状態を示す図。
以下、操舵装置の一実施形態を説明する。
本実施形態の操舵装置は、車両における運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という)1である。EPS1は、運転者のステアリング操作に基づいて後述の転舵輪12を転舵させる操舵機構2、運転者のステアリング操作を補助する転舵力付与機構20、及び転舵力付与機構20の動作を制御する制御装置(以下、「EPSECU」という)25を備えている。
操舵機構2は、運転者により操作される操舵部材としてのステアリングホイール3及びステアリングホイール3と一体回転する操舵軸4(ステアリング軸)を備えている。操舵軸4は、ステアリングホイール3の中心に連結されているコラム軸5、コラム軸5の下端部に連結されているインターミディエイト軸6、及びインターミディエイト軸6の下端部に連結されているピニオン軸7により構成されている。
ピニオン軸7の下端部は、第1ラックアンドピニオン機構8を介して転舵軸としてのラック軸9に連結されている。第1ラックアンドピニオン機構8は、ラック軸9がその軸方向に往復移動可能に挿通される円筒状のラックハウジング10を備えている。ラックハウジング10には、ピニオン軸7のピニオン歯7aが設けられた側が、ラック軸9と斜交した状態で回転可能に収容されている。ピニオン歯7aは、ラック軸9のラック歯9aに噛合されている。
操舵機構2では、運転者のステアリングホイール3の操舵(ステアリング操作)に伴い操舵軸4が回転すると、その回転運動がピニオン軸7、すなわち第1ラックアンドピニオン機構8を介してラック軸9の軸方向の往復直線運動に変換される。このラック軸9の軸方向の往復直線運動がその両端に連結されたタイロッド11を介して転舵輪12に伝達されることにより転舵輪12の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
例えば、図1中、A方向(図中、反時計回り方向)へのステアリング操作が生じる場合、これに合わせてコラム軸5及びインターミディエイト軸6がA方向(図中、反時計回り方向)に回転し、これに連動してピニオン軸7がA方向(図中、反時計回り方向)に回転する。この場合、ラック軸9は、その軸方向におけるA方向(図中、左方向)に移動し、転舵輪12がA方向(図中、右方向)に転舵する。同様に、図1中、B方向(図中、時計回り方向)へのステアリング操作が生じる場合、これに合わせてコラム軸5及びインターミディエイト軸6がB方向(図中、時計回り方向)に回転し、これに連動してピニオン軸7がB方向(図中、時計回り方向)に回転する。この場合、ラック軸9は、その軸方向におけるB方向(図中、右方向)に移動し、転舵輪12がB方向(図中、左方向)に転舵する。
ラック軸9の両端には、タイロッド11を回動自在に連結するインナーボールジョイント(以下、「IBJ」という)9bがそれぞれ設けられている。IBJ9bは、ラックハウジング10の両端に設けられる拡径部10aに出入り可能に設けられている。拡径部10aの内径は、ラックハウジング10がラック軸9を収容するラック収容部10bの内径と比較して、大きく設定されている。そのため、拡径部10aとラック収容部10bとのが繋がれる部位には、IBJ9b側に壁面を有する段差部10cが設けられている。一方、IBJ9bの外径は、ラックハウジング10の拡径部10aの内径よりも小さい且つラック収容部10bの内径よりも大きく設定されている。そのため、例えば、ラック軸9がラックハウジング10から抜け出ようとしても、IBJ9bが段差部10cに突き当たることによってラック軸9がラックハウジング10から抜け出ることが防止されている。
こうしたラックハウジングの段差部10cとIBJ9bの配置は、EPS1として許容するラック軸9の軸方向の図1中におけるA方向及びB方向の移動限界、すなわちストロークエンドにおいて、それぞれが突き当たらないように、例えば、1mmや2mmの若干の隙間(図6(a)及び図7(a)中、隙間La,Lb)をあけて設けられている。したがって、本実施形態では、ラック軸9がEPS1として許容するストロークエンドに達したとしてもIBJ9bが段差部10cには突き当たらないように構成されている。
転舵力付与機構20は、モータ21と減速機構22と第2ラックアンドピニオン機構24とを備えている。モータ21は、三相のブラシレスモータ等が採用されるものであり、減速機構22を介してラック軸9に連結されている。減速機構22は、モータ21の回転を減速し、当該減速した回転力を第2ラックアンドピニオン機構24を介してラック軸9に伝達する。
具体的には、モータ21の出力軸21aにはウォーム軸22aが連結されている。ウォーム軸22aは、ウォームホイール22bを介してピニオン軸23に連結される。ピニオン軸23の下端部は、第2ラックアンドピニオン機構24を介してラック軸9に連結されている。第2ラックアンドピニオン機構24は、ラックハウジング10の第1ラックアンドピニオン機構8が設けられるのと反対側の端部側に設けられている。ラックハウジング10には、ピニオン軸23のピニオン歯23aが設けられた側が、ラック軸9と斜交した状態で回転可能に収容されている。ピニオン歯23aは、ラック軸9のラック歯9cに噛合されている。そして、モータ21によって発生させられるモータトルクが転舵力、すなわちアシストトルクとして操舵機構2(本実施形態では、ラック軸9)に付与されることで、運転者のステアリング操作を補助する。
例えば、図1中、A方向(図中、反時計回り方向)へのステアリング操作が生じる場合、図1中、C方向(図中、反時計回り方向)へモータ21が回転することで、運転者のステアリング操作を補助するように、モータトルクをアシストトルクとして付与する。また、図1中、B方向(図中、時計回り方向)へのステアリング操作が生じる場合、図1中、D方向(図中、時計回り方向)へモータ21が回転することで、運転者のステアリング操作を補助するように、モータトルクをアシストトルクとして付与する。このように、本実施形態のEPS1は、ラック型であってデュアルピニオン型の電動パワーステアリング装置である。
その他、本実施形態では、モータ21によって発生させられるモータトルクが転舵力、すなわち反力トルク(規制力)として操舵機構2(本実施形態では、ラック軸9)に付与されることで、運転者のステアリング操作を規制する場合もある。
例えば、図1中、A方向(図中、反時計回り方向)へのステアリング操作が生じる場合、図1中、D方向(図中、時計回り方向)へモータ21が回転することで、運転者のステアリング操作を規制するように、モータトルクを反力トルクとして付与する。また、図1中、B方向(図中、時計回り方向)へのステアリング操作が生じる場合、図1中、C方向(図中、反時計回り方向)へモータ21が回転することで、運転者のステアリング操作を規制するように、モータトルクを反力トルクとして付与する。
また、図1に示すように、EPSECU25には、運転者の要求あるいは走行状態を示す各種の情報を検出する各種のセンサが接続されている。具体的に、EPSECU25には、検出装置としてのピニオン角センサ26、相対角検出部としてのモータ回転角センサ27、トルクセンサ28、及び車速センサ29が接続されている。
ピニオン角センサ26は、軸倍角1(1X)のMRセンサであり、ピニオン軸7の相対回転角θpを検出する。モータ回転角センサ27は、軸倍角1(1X)のMRセンサであり、モータ21の出力軸21aの相対回転角θmを検出する。トルクセンサ28は、ピニオン軸7に内挿されるトーションバー7bの上流側(ステアリングホイール3側)と下流側(ラック軸9側)との間に生じる相対的な回転変位に基づき操舵軸4(操舵機構2)に生じる操舵トルクTr、すなわちステアリングホイール3に加わる負荷を検出する。車速センサ29は、車速(車両の走行速度)Vを検出する。
ここで、ピニオン角センサ26の構成について詳しく説明する。
図1に示すように、ピニオン角センサ26は、印加される磁気によって抵抗が変化する検出部としてのMR素子とフラッシュメモリ等の記憶部としての半導体メモリとをパッケージングしたICチップ26aを備えている。ICチップ26aは、第1ラックアンドピニオン機構8のピニオン軸7の下端部に対向するように、ラックハウジング10のラック収容部10bの内部に固定されている。ピニオン軸7の下端部には、ICチップ26a(MR素子)に印加する磁気の発生源たる磁石26bが、ピニオン軸7と一体回転可能に固定されている。磁石26bは、ICチップ26aとの間に隙間をあけて対向配置されている。
ICチップ26a(MR素子)は、ピニオン軸7の回転に伴って変化する磁気に応じて変化する抵抗の値をピニオン軸7の相対回転角θpとしてEPSECU25に出力する。ICチップ26a(半導体メモリ)には、ラック軸9の軸方向の図1中におけるA方向及びB方向のストロークエンドを示す位置情報φendとして、ラック軸9がストロークエンドに達する場合のピニオン軸7の絶対回転角が記憶されている。位置情報φendは、ラック軸9の軸方向の移動範囲を特定する。
位置情報φendは、A方向限界φend(A)及びB方向限界φend(B)を含んで構成される。A方向限界φend(A)は、図1中において転舵輪12がA方向に転舵された場合の転舵限界(実際には内輪側に位置する転舵輪12が大きく転舵される)であり、ラック軸9がその軸方向のA方向に移動する場合のストロークエンドに相当するピニオン軸7の絶対回転角である。B方向限界φend(B)は、図1中において転舵輪12がB方向に転舵された場合の転舵限界(実際には内輪側に位置する転舵輪12が大きく転舵される)であり、ラック軸9がその軸方向のB方向に移動する場合のストロークエンドに相当するピニオン軸7の絶対回転角である。
こうした位置情報φendは、ピニオン軸7、第1ラックアンドピニオン機構8、ラック軸9、転舵力付与機構20、ピニオン軸23、第2ラックアンドピニオン機構24等のラック軸9周辺の機構を、ラックハウジング10に組み付けたギヤ組み立て体の生産工程で当該ギヤ組み立て体が搭載される車種等に応じて予め設定(記憶)される。
そして、EPSECU25は、各種のセンサの検出結果を取得し、これら取得する各種センサの検出結果に応じてモータ21の動作を制御する。
次に、EPSECU25の構成について説明する。
図2に示すように、EPSECU25は、ピニオン軸7の相対回転角θpとモータ21の相対回転角θmと操舵トルクTrと車速Vとを入力する。また、EPSECU25には、車両において、EPS1や各種センサ等への電力の供給及び遮断を切り替えるイグニッション信号(IG)の入力時にピニオン角センサ26から位置情報φendも入力される。そして、EPSECU25は、マイクロプロセッシングユニット等からなるEPS用マイコン30を備えている。EPS用マイコン30は、PWM信号等のモータ制御信号Smを出力する。また、EPSECU25は、モータ制御信号Smに基づきモータ21へ駆動電力を供給するように駆動するインバータ回路等の駆動回路31を備えている。モータ21への駆動電力の電力源は、イグニッション信号が入力されることによって供給されるようになる図示しない車両のバッテリの電力である。また、EPSECU25には、モータ21に通電される各相電流値Iを検出するための電流センサ32が接続されている。
駆動回路31は、直列に接続された一対のスイッチング素子(FET)を基本単位(アーム)として各相に対応する3つのアームを並列接続してなる周知のPWMインバータであり、EPS用マイコン30の出力するモータ制御信号Smは、駆動回路31を構成する各スイッチング素子のオンduty比を規定する。モータ制御信号Smが各スイッチング素子のゲート端子に印加され、同モータ制御信号Smに応答して各スイッチング素子がオン/オフすることにより、三相の駆動電力がモータ21に供給される。
次に、EPS用マイコン30の機能について説明する。
図3に示すように、EPS用マイコン30は、位置情報φendを記憶する情報管理部40と、ピニオン軸7の多回転の絶対回転角φを演算する絶対回転角演算部41と、操舵機構2に付与する転舵力の目標値として電流指令値I*を演算する電流指令値演算部42と、モータ制御信号Smを生成する制御信号生成部43とを備えている。
情報管理部40には、イグニッション信号が入力される毎にピニオン角センサ26から位置情報φendが入力されて記憶される(ピニオン角センサ26に対する取得要求に基づき取得される)。情報管理部40では、イグニッション信号の入力時に入力された位置情報φendが、既に記憶している位置情報φendと一致するか否かに基づき異常の有無を判定する異常判定が実行される。なお、イグニッション信号の入力時に入力された位置情報φendと情報管理部40が既に記憶している位置情報φendとが一致しない場合、位置情報φendに異常が発生していると判定し、情報管理部40は、例えばモータ21の駆動制御を停止する等のフェイルセーフ制御の実行を電流指令値演算部42に対して指示する。
絶対回転角演算部41は、ピニオン軸7の相対回転角θpとモータ21の相対回転角θmとを入力する。絶対回転角演算部41は、相対回転角θpと相対回転角θmとを入力すると、ピニオン軸7の絶対回転角φを演算する。
ここで、絶対回転角φの演算について説明する。
ピニオン角センサ26とモータ回転角センサ27とは、共に1XのMRセンサである。一方、ピニオン角センサ26とモータ回転角センサ27とのそれぞれの検出対象であるピニオン軸7とモータ21の出力軸21aとは、ラック軸9に対する減速比が異なっている。これは、ピニオン軸7がラック軸9に直接噛合されているのに対して、モータ21の出力軸21aがラック軸9に減速機構22を介して噛合されているからである。
これにより、例えば、図4に示すように、縦軸に相対回転角θp(実線)を示し、横軸にピニオン軸7の多回転の絶対回転角φを示す場合、ピニオン軸7の相対回転角θp(実線)の波形の位相及びモータ21の相対回転角θm(ここでは、便宜上図示しない)の波形の位相が回転とともにずれていく。こうした波形の位相のずれは、例えば、ピニオン軸7が1回転するのにモータ21の出力軸21aが約16.9回転するように設定する場合に生じる。ピニオン軸7とモータ21の出力軸21aとのラック軸9に対するそれぞれの減速比の組み合わせは、それぞれに現れる波形の位相が回転とともにずれるような組み合わせが選択されている。なお、ピニオン軸7のラック軸9に対する減速比は、ピニオン軸7(ピニオン歯7a)の歯数及びラック軸9(ラック歯9a)の歯数の比(ピニオン軸7の1回転におけるラック軸9の移動量)によって定まる。また、モータ21の出力軸21aのラック軸9に対する減速比は、モータ21の出力軸21aに連結されるウォーム軸22aの歯数、及びラック軸9(ラック歯9a)の歯数の比(モータ21の出力軸21aの1回転におけるラック軸9の移動量)によって定まる。
上記例の場合、図4の破線に示すように、角度差(|θp−θm|)は、絶対回転角φが大きくなるにつれて小さくなる傾向を示す。なお、図4の黒点は、N回転目(N:自然数)を示す。これを用いて絶対回転角演算部41は、相対回転角θpと相対回転角θmとの角度差(|θp−θm|)を算出し、角度差(|θp−θm|)に応じて絶対回転角φを算出する。そして、絶対回転角演算部41は、ピニオン軸7の絶対回転角φを電流指令値演算部42に対して出力する。なお、角度差(|θp−θm|)と絶対回転角φとを対応付けた情報は、絶対回転角演算部41の所定の記憶領域に予め記憶されている。
絶対回転角φは、ピニオン軸7、すなわちステアリングホイール3(操舵軸4)の5回転分の「0°〜1800°」の範囲でラック軸9の移動位置に換算可能に設定されている。例えば、ラック軸9が車両の車幅方向の中心に位置する、すなわちステアリングホイール3の中立位置であって、転舵輪12が車両の前方に真っ直ぐ向いている移動位置は、絶対回転角φとして「900°」によって換算されるようにする。この場合、絶対回転角φは、「900°」を基準に「0°」に向かって減少する範囲で、A方向のストロークエンドまでの移動位置に換算される。一方、絶対回転角φは、「900°」を基準に「1800°」に向かって増加する範囲で、B方向のストロークエンドまでの移動位置に換算される。そして、絶対回転角φが「0°〜1800°」を最大範囲として、A方向限界φend(A)が「5°」、B方向限界φend(B)が「1795°」のように設定される場合、ラック軸9の移動範囲は、絶対回転角φの「5°〜1795°」の範囲ということとなり、ピニオン軸7の4回転以上(約5回転)分ということとなる。
電流指令値演算部42は、操舵トルクTrと車速Vと絶対回転角φとを入力する。電流指令値演算部42は、操舵トルクTrと車速Vと絶対回転角φとを入力すると、絶対回転角φに応じて操舵機構2にアシストトルク及び反力トルクのいずれを付与するかを判断するとともに、操舵機構2に付与するアシストトルクや反力トルクのモータの制御量たる目標値として電流指令値I*を演算する。
制御信号生成部43は、モータ21の相対回転角θmと各相電流値Iと電流指令値I*とを入力する。制御信号生成部43は、電流指令値I*を入力すると、モータ21の相対回転角θmを使用して各相電流値Iと目標値(電流指令値I*)との偏差を求め、この偏差を解消するように電流フィードバック(F/B)制御を実行する。また、制御信号生成部43は、電流フィードバック(F/B)制御を実行することによりモータ制御信号Smを生成する。
次に、電流指令値演算部42の機能についてさらに詳しく説明する。なお、電流指令値演算部42は、制御周期(例えば、200μsから2ms)毎に周期処理を実行することによって、以下の処理を実行する。また、電流指令値演算部42は、情報管理部40によって位置情報φendに異常が発生していることが指示される場合、フェイルセーフ制御として以下の処理を実行しない。
図5に示すように、電流指令値演算部42は、定期的(制御周期毎)にピニオン軸7の絶対回転角φを検出(取得)する(S10)。絶対回転角φを検出した電流指令値演算部42は、情報管理部40から位置情報φendを読み出して、当該絶対回転角φがA方向限界φend(A)又はB方向限界φend(B)と一致しないか否かを判断する(S20)。S20にて、電流指令値演算部42は、ラック軸9が図1中におけるA方向及びB方向のいずれかのストロークエンドに達しているか否かを判断する。
電流指令値演算部42は、ラック軸9が図1中におけるA方向及びB方向のいずれのストロークエンドにも達していない場合(S20:YES)、転舵力としてアシストトルクを付与するためのアシスト制御を実行する(S30)。
具体的に、S30にて、電流指令値演算部42は、絶対回転角φの他、入力している操舵トルクTr及び車速Vに基づき、操舵トルクTrが大きく(負荷が高く)なるほど電流指令値I*を大きい値、すなわち付与するアシストトルクとして大きい目標値を設定する。また、電流指令値演算部42は、車速Vが速くなるほど、操舵トルクTrに対する電流指令値I*、すなわち付与するアシストトルクの変化勾配(アシスト勾配)を小さくする。
一方、電流指令値演算部42は、絶対回転角φが位置情報φendと一致はしないが当該位置情報φend近傍の所定絶対回転角から位置情報φendに近付く場合、絶対回転角φが位置情報φendに近付くほど電流指令値I*、すなわち付与するアシストトルクが減少するように目標値を設定する。この場合、電流指令値演算部42は、絶対回転角φが位置情報φend近傍の所定絶対回転角から位置情報φendに近付くほど、ステアリング操作のための操舵トルクTrが大きく(ステアリング操作が重く)なるアシスト減衰制御を実行する。
また、電流指令値演算部42は、ラック軸9が図1中におけるA方向及びB方向のいずれかのストロークエンドに達する場合(S20:NO)、転舵力として反力トルクを付与するための電子ストッパ制御を実行する(S40)。
具体的に、S40にて、電流指令値演算部42は、S20で達していると判断したストロークエンド側にラック軸9がそれ以上移動不能となるように、ラック軸9の移動方向に生じる操舵トルクTrよりも大きい反力トルク(反対方向へ向けたトルク)となる電流指令値I*を設定する。この場合、S20で達していると判断されたストロークエンド側にラック軸9を移動させる方向へのステアリング操作が規制される。なお、電流指令値演算部42は、駆動回路31における3相の2つの通電相と1つの非通電相とを固定するように電流指令値I*を設定することで、ラック軸9を移動不能にしてもよい。
以上に説明した操舵装置によれば、以下に示す作用及び効果を得ることができる。
(1)本実施形態において、位置情報φendは、上記ギヤ組み立て体の生産工程で当該ギヤ組み立て体が搭載される車種等に応じて予め設定される。この場合、EPS1は、位置情報φendを予め記憶している状態で車両の組み立てへと出荷されるようになる。例えば、上記ギヤ組み立て体と、ステアリングホイール3、操舵軸4等の操舵軸4周辺の機構を組み付けた操舵組み立て体とが組み付けられることでEPS1が組み立てられる場合、EPS1の組み立てが完成されるのに先立ってEPS1の生産工程において、ピニオン角センサ26のICチップ26aに位置情報φendを記憶させることができる。この場合、EPS1は、位置情報φendを予め記憶している状態で車両の組み立てへと出荷されるようになる。これにより、車両の組み立て時等には、位置情報φendの設定を不要とすることができ、作業の手間(特に車両の組み立て時の作業の手間)を軽減することができる。
(2)ピニオン角センサ26が備えるICチップ26aには、ラック軸9の移動範囲を示す情報であって、具体的にストロークエンドを示す位置情報φendが記憶されている。
これにより、ラック軸9の軸方向の移動位置について、ラック軸9のストロークエンドに関わって制御を行う場合、特に有効となる。そして、ラック軸9の軸方向の移動位置は、ピニオン軸7の相対回転角θp、これに基づき演算される絶対回転角φを検出することによって得られるようになる。すなわちこの場合、ラック軸9の軸方向の移動位置に換算可能な情報の検出範囲としては、ピニオン軸7の相対回転角θpの範囲であるピニオン軸7の軸周とすることができ、こうした軸周の4回転以上(約5回転)分となるラック軸9の移動範囲と比較して、検出範囲を小さくすることができる。そのため、ラック軸9の軸方向の移動位置に換算可能な情報の検出精度を高めることができ、ラック軸9の軸方向の移動位置をより高精度に検出することができる。したがって、より高精度で検出されるラック軸9の軸方向の移動位置を用いて転舵力付与機構20の制御を行うことができ、アシスト制御(S30)や電子ストッパ制御(S40)の信頼性の向上を図ることができる。
具体的に、本実施形態では、ピニオン軸7の絶対回転角φにより高精度に検出されたラック軸9の軸方向の移動位置について、ラック軸9のストロークエンドに関わって電流指令値演算部42がアシスト制御(S30)として、アシスト減衰制御を実行することができる。
また、本実施形態では、ピニオン軸7の絶対回転角φにより高精度に検出されたラック軸9の軸方向の移動位置について、ラック軸9のストロークエンドに関わって電流指令値演算部42が電子ストッパ制御(S40)を実行することができる。
すなわち、図6(a)に示すように、ラック軸9が図1中におけるA方向のストロークエンドに達する場合、電子ストッパ制御によりA方向のストロークエンド側にラック軸9がそれ以上移動不能、すなわちA方向のストロークエンド側にラック軸9を移動させる方向へのステアリング操作を不能とする状態が制御的に実現される。この場合、図6(b)に示すように、A方向のストロークエンド側にラック軸9が移動することによって転舵する側への転舵輪12の転舵を不能とする状態が制御的に実現される。
また、図7(a)に示すように、ラック軸9が図1中におけるB方向のストロークエンドに達する場合、電子ストッパ制御によりB方向のストロークエンド側にラック軸9がそれ以上移動不能、すなわちB方向のストロークエンド側にラック軸9を移動させる方向へのステアリング操作を不能とする状態が制御的に実現される。この場合、図7(b)に示すように、B方向のストロークエンド側にラック軸9が移動することによって転舵する側への転舵輪12の転舵を不能とする状態が制御的に実現される。
このように、本実施形態では、ラック軸9のストロークエンドを制御的に実現することができる。一方、ラック軸9のストロークエンドを制御的に実現することができない場合、例えば、特許文献1に記載の構成のように、ラック軸9をラックハウジング10の軸方向に移動可能に収容し、ラック軸9のIBJ9bをラックハウジング10の段差部10cに突き当てる等、機械的に実現しなければいけない。これに対し、本実施形態のように、ラック軸9のストロークエンドを制御的に実現する場合、例えば、ラック軸9のIBJ9bがラックハウジング10の段差部10cに突き当たらないようにすることが可能となる。
すなわち、図6(a)に示すように、ラック軸9が図1中におけるA方向のストロークエンドに達する場合、ラック軸9のIBJ9bとラックハウジング10の段差部10cとの間に隙間Laを設けることができる。
また、図7(a)に示すように、ラック軸9が図1中におけるB方向のストロークエンドに達する場合、ラック軸9のIBJ9bとラックハウジング10の段差部10cとの間に隙間Lb(本実施形態では、隙間Laと同一長さ)を設けることができる。
これにより、ラック軸9のIBJ9bがラックハウジング10の段差部10cに突き当たる際に生じうる衝撃音をなくすことができる他、操舵機構2の強度として当該突き当たる際の衝撃を考慮する必要がなくなり、操舵機構2の強度を落として低重量化を図ることができる。
(3)ピニオン角センサ26は、ICチップ26aを備えており、これに記憶させる位置情報φendの内容を変更することで、ラック軸9のストロークエンドを容易に変更することができる。これにより、ラック軸9について複数の車種の車両間で共通化を図ることができる。
(4)本実施形態では、ラック軸9の軸方向の移動位置に換算可能な情報として、操舵装置であれば通常備えているピニオン軸7の回転角を用いている。そのため、ピニオン角センサ26について転舵力付与機構20の仕様(転舵力を付与する部位)の異なる仕様の操舵装置間で共通化を図ることができる。
(5)ピニオン軸7の回転角としては、本実施形態のように、ピニオン軸7がラック軸9の軸方向の移動範囲において多回転(4回転以上(約5回転))する場合、絶対回転角φを検出する必要がある。すなわち、EPS1は、ピニオン軸7の絶対回転角φを検出するために、ピニオン軸7の相対回転角θpを検出するICチップ26aを備えてなるピニオン角センサ26の他、転舵力付与機構20のモータ21の出力軸21aの相対回転角θmを検出するモータ回転角センサ27を備えるようにしている。
すなわち、ラック軸9の軸方向の移動位置に換算可能な情報として、ラック軸9のなるべく近くに共に配置されるピニオン軸7と転舵力付与機構20の一部を構成するモータ21の出力軸21aのそれぞれ相対回転角を用いている。したがって、ピニオン軸7の回転角を用いる場合のラック軸9の軸方向の実際の移動位置に対する精度をより好適に高めることができる。
(6)位置情報φendが記憶されるICチップ26aには、フラッシュメモリ等の半導体メモリが採用されている。そのため、位置情報φendは、ICチップ26aに一度書き込まれて記憶されると新たな情報が書き込みされて記憶されるまでの間、その記憶状態が維持される。すなわち、車両のバッテリからEPS1が切り離されたとしても、ICチップ26aには、位置情報φendが記憶状態で維持される。したがって、車両のバッテリからEPS1が切り離されてもラック軸9の軸方向の移動位置について機能保持が可能となる。
(7)EPSECU25におけるEPS用マイコン30では、情報管理部40によってイグニッション信号が入力される毎に位置情報φendについて異常判定が実行されることとしている。これにより、車両が動作状態になる毎に位置情報φendに異常が発生していないかが判定されるため、位置情報φendの信頼性を向上させることができる。
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・ピニオン軸7の絶対回転角φの検出には、モータ回転角センサ27に替えてステアリングホイール3、すなわち操舵軸4の回転数を検出可能な舵角センサを用いるようにしてもよい。その他、電動パワーステアリング装置として、コラムアシスト型に適用する場合、コラム軸5に設けられるコラムアシスト用のモータのモータ回転角センサを用いるようにしてもよい。この場合のモータ回転角センサは、スリープカウント機能を持つものであって、検出精度を低く抑えてステアリングホイール3、すなわち操舵軸4の回転角を検出可能にしたものが望ましい。その他、ピニオン軸23の相対回転角を検出可能なピニオン角センサを設けるようにしてもよい。この場合のピニオン角センサとしては、ピニオン角センサ26と軸倍角を異ならせる等してピニオン軸7の絶対回転角φを検出可能になっていればよい。
・トルクセンサ28は、コラム軸5に設けるようにしてもよい。この場合、ピニオン角センサ26は、ピニオン軸7の上流側、すなわちインターミディエイト軸6側に設けるようにしてもよい。
・ラック軸9の軸方向の移動位置に換算可能な情報としては、ピニオン軸7に替えてステアリングホイール3や操舵軸4(コラム軸5、インターミディエイト軸6)やピニオン軸23等の絶対回転角や相対回転角を用いるようにしてもよい。また、その他、ピニオン軸7等の回転軸ではなく、ラックの位置を直接的に検出する光学式や磁気式のストロークセンサを用いるようにしてもよい。
・ピニオン角センサ26は、ピニオン軸7の相対回転角θpを検出するものに替えてピニオン軸7の絶対回転角φを直接検出するものにしてもよい。
・ラック軸9の軸方向の移動位置に換算可能な情報を用いた制御としては、アシスト制御(S30)及び電子ストッパ制御(S40)の少なくともいずれかを実行可能であればよい。
・ステアリングホイール3の操舵角に応じたアシスト制御、すなわち自動操舵制御を実行する場合には、ピニオン軸7の絶対回転角φを用いるようにしてもよく、これにより高精度で検出される転舵軸の軸方向の移動位置を用いて自動操舵制御を行うことができる。したがって、自動操舵制御の信頼性の向上を図ることができる。
・位置情報φendは、ラック軸9の軸方向の移動範囲を特定可能であればよく、中点を示す情報であってもよく、こうした中点を示す情報からラック軸9のストロークエンドを特定可能にすることもできる。また、位置情報φendとしては、中点から図1中におけるA方向又はB方向のストロークエンドまでの差分を示す情報であってもよい。この場合には、図1中におけるA方向又はB方向のストロークエンドまでの何れかのみの情報を有していればよい。
・位置情報φendの設定の手法としては、ラック軸9にバーコード(記号)等の物理的な記録を施すようにし、この物理的な記録をICチップ26aやEPSECU25に読み込ませることで、EPS用マイコン30の情報管理部40が位置情報φendを取得するようにしてもよい。この場合、上記物理的な記録は、ラック軸9が使用される車種のコード等の情報であればよく、ピニオン軸7の絶対回転角φを示す情報でなくてもよい。この場合、ICチップ26aにも上記物理的な記録に対応する情報として、ラック軸9が使用される車種のコード等の情報が記憶される。また、EPSECU25には、車種のコード等の情報と位置情報φendとを対応付けた情報が予め記憶されるようにすればよい。
・ICチップ26aには、揮発性メモリを採用してもよい。
・モータ回転角センサ27には、ICチップを搭載するようにしてもよい。
・ピニオン角センサ26やモータ回転角センサ27は、ホール素子を用いたセンサや、レゾルバ等の他の方式を適用してもよい。また、MR素子の種類を変更してもよく、ピニオン角センサ26とモータ回転角センサ27とで、MR素子の種類(AMR素子、TMR素子、GME素子等)を異ならせてもよい。これにより、ピニオン角センサ26とモータ回転角センサ27とで軸倍角が異なるようになる場合、軸倍角に応じてそれぞれの検出対象における減速比を調整する等すればよい。
・上記実施形態では、デュアルピニオン型の電動パワーステアリング装置に適用したが、ピニオン軸7(第1ラックアンドピニオン機構8)に転舵力を付与するピニオン型や、ラックパラレル型等のラックアシスト型の電動パワーステアリング装置への適用も可能である。例えば、ラックパラレル型の電動パワーステアリング装置では、ラック軸9への転舵力の付与にボールねじ機構を用いることになる。この場合、モータ21の出力軸21aのラック軸9に対する減速比は、ボールねじ機構のボールねじのねじ溝のリード、駆動及び従動プーリの歯数の比、モータ21の出力軸21aの1回転におけるラック軸9の移動量等によって定まる。その他、電動パワーステアリング装置に限らず、例えばステアバイワイヤ式の操舵装置等にも適用可能である。
1…電動パワーステアリング装置(操舵装置)、2…操舵機構、3…ステアリングホイール(操舵部材)、4…操舵軸、5…コラム軸、6…インターミディエイト軸、7…ピニオン軸、8…第1ラックアンドピニオン機構、9…ラック軸(転舵軸)、12…転舵輪、20…転舵力付与機構、21…モータ、25…EPSECU(制御装置)、26…ピニオン角センサ(検出装置)、26a…ICチップ(検出部、記憶部)、27…モータ回転角センサ(相対回転角検出部)、θp…相対回転角(ピニオン軸の回転角)、θm…相対回転角(モータの回転角)、φ…絶対回転角(ピニオン軸の回転角)、φend…位置情報、φend(A)…A方向限界(位置情報)、φend(B)…B方向限界(位置情報)。

Claims (6)

  1. 軸方向への移動によって転舵輪を転舵させる転舵軸と、前記転舵軸の軸方向への移動に関わって回転動作する回転軸とを含む操舵機構を備え、前記操舵機構に対して前記転舵輪を転舵させる転舵力を付与する転舵力付与機構をさらに備える操舵装置において、
    前記転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報を検出する検出部と、前記転舵軸の軸方向の移動範囲を特定するための位置情報を予め記憶している記憶部とを有してなる検出装置と、
    前記検出部で検出される情報と前記記憶部に記憶されている位置情報とを少なくとも用いて転舵力付与機構の動作を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする操舵装置。
  2. 前記位置情報は、前記転舵軸の軸方向の移動限界を示す情報である請求項1に記載の操舵装置。
  3. 前記制御装置は、前記転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報として前記検出部が検出する前記回転軸の回転角と前記記憶部に記憶されている位置情報とに基づき前記転舵軸の軸方向の移動位置が前記移動限界に達することを判断する場合、前記転舵力として前記転舵軸の前記移動限界を超えた移動を規制する規制力を前記操舵機構に対して付与するように前記転舵力付与機構の動作を制御する請求項2に記載の操舵装置。
  4. 前記回転軸は、操舵部材を介して入力される操舵トルクを周方向の回転動作によって伝達する複数の回転軸を組み合わせてなる操舵軸を含み、
    前記転舵軸は、前記操舵軸から操舵トルクが伝達可能なように、前記操舵軸のうち、前記操舵部材から見て最も下流側に位置するピニオン軸に対してラックアンドピニオン機構を介して連結されてなり、
    前記検出装置は、前記転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報として、前記ピニオン軸の回転角を検出する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の操舵装置。
  5. 前記ピニオン軸は、前記転舵軸の軸方向の移動範囲において多回転するものであり、
    前記検出装置は、前記ピニオン軸の相対回転角を検出するものであり、
    前記ピニオン軸とは異なる回転軸の相対回転角を検出する相対回転角検出部をさらに備え、
    前記制御装置は、前記転舵軸の軸方向の移動位置に換算可能な情報として、前記ピニオン軸の相対回転角と前記ピニオン軸とは異なる回転軸の相対回転角とに基づき前記ピニオン軸の絶対回転角を検出する請求項4に記載の操舵装置。
  6. 前記転舵力付与機構は、前記操舵機構のうち、前記転舵軸に対して前記転舵力を付与するものであり、
    前記ピニオン軸とは異なる回転軸は、前記転舵力付与機構の一部を構成するものである請求項5に記載の操舵装置。
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