JP2017046790A - ウエットワイパー - Google Patents

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智恵子 間篠
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Abstract

【課題】 拭き取り性と肌触りに優れたウエットワイパー、特に、対人用途として有用なウエットワイパーを提供する。【解決手段】 60質量%以上80質量%以下の木材パルプ繊維と、20質量%以上40質量%以下のポリプロピレンメルトブロー繊維と、を含有する不織布を基布とし、精製水を主成分とする薬液を基布の乾燥重量に対して、200質量%以上400質量%以下の割合で含浸させたことを特徴とするウエットワイパーである。【選択図】 なし

Description

本発明は、ウエットワイパーに関する。
従来、ウエットティッシュ、紙おしぼり、お手ふきといったウエットワイパー類は、不織布を基布とし、水やアルコールを含有する薬液を含浸させたものであり、器物や手、指、顔、お尻等の皮膚汚れの除去・拭き取りするために使用する。そして、このウエットワイパーの基布として、レーヨン等の化学繊維の不織布が用いられていた。しかし、このような化学繊維の不織布は、布に近い良好な肌触りをもつものの、薬液を含浸させたことにより強度が低下していた。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1には、セルロース系繊維が60〜99重量%、アクリル繊維が1〜40重量%含まれており、且つ熱融着繊維が10重量%以上含まれていないと共に捲縮性繊維が含まれていない不織布であり、この不織布の0.55g/cm荷重下における繊維密度が0.05〜0.1g/cmであるウエットティッシュ用不織布及びこれを使用したウエットティッシュが開示されている。
特開平10−280261号公報
しかし、このような不織布は、親水性が乏しく、保水量が少ないため、水分を主成分とする薬液をこの不織布に含浸させた場合、不織布から薬液が過剰に滲み出てしまい、拭き残りが生じやすいという問題があった。また、ウエットワイパーを使用して皮膚汚れの除去をするときに、摩擦による肌への負担を抑えるために、さらなる肌触りの改善が求められていた。
本発明は、上述の問題に鑑み、拭き取り性と肌触りに優れたウエットワイパーを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本願発明に係る1つの態様は、ウエットワイパーであって、60質量%以上80質量%以下の木材パルプ繊維と、20質量%以上40質量%以下のポリプロピレンメルトブロー繊維と、を含有する不織布を基布とし、精製水を主成分とする薬液を上記基布の乾燥重量に対して、200質量%以上400質量%以下の割合で含浸させたことを特徴とする。
(2)上記(1)の構成において、上記不織布が50g/m以上90g/m以下の坪量と、8cm/g以上15cm/g以下の比容積を有してもよい。
(3)上記(1)または(2)の構成において、上記不織布が8.0g/g以上14.0g/g以下の保水量を有してもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの構成において、ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した上記不織布のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、上記試料台の振動を振動センサーで測定したとき、上記TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750値)が15dBVrms以上30dBVrms以下であってもよい。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの構成において、ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した上記不織布のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサーで測定したとき、上記TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7値)が5dBVrms以上12dBVrms以下であってもよい。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの構成において、ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した上記不織布のサンプルに対し、ブレード付きローターを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での上記不織布のサンプルの上下方向の変形変位量で表される、D値が1.0mm/N以上3.2mm/N以下であってもよい。
本発明によれば、拭き取り性と肌触りに優れたウエットワイパーを提供することができる。
(a)及び(b)は、ティシューソフトネス測定装置TSAの測定原理を示す図である。 TSAによるサンプルのTS7値及びTS750値の測定図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
(基布)
本実施形態のウエットワイパーは、60質量%以上80質量%以下の木材パルプ繊維と、20質量%以上40質量%以下のポリプロピレンメルトブロー繊維と、を含有する不織布を基布とする。木材パルプ繊維は、吸水性が高く、一方、ポリプロピレンメルトブロー繊維は、柔軟性があり、微細な塵埃を捕集しやすい、という特長を有する。木材パルプ繊維とポリプロピレンメルトブロー繊維の含有率が上記の範囲外であると、お互いの特長の発現が小さくなる。
木材パルプ繊維は、針葉樹や広葉樹から製造されたものであり、例えば、パルプを漂白精製処理した晒パルプである針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)及びこれらの混合物を用いることができる。これらの中でも、発塵抑制の観点から、NBKPが好ましい。
ポリプロピレンメルトブロー繊維とは、ポリプロピレン樹脂を原料とし、メルトブロー法により得られるものである。メルトブロー法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、ポリプロピレン重合体を加熱して溶融体を形成し、この溶融体を多数の口金を持つダイから糸状に押し出し、高温・高圧の空気流をダイから押し出された溶融体に吹き付けて、繊維を形成するものである。
ポリプロピレンは、ホモポリマーや、エチレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセンといった他のα−オレフィンをコポリマーとする共重合体でもよく、これらのうち、1種又は2種以上を用いることができる。また、これらのポリプロピレンには、本発明の目的を損なわない範囲で他のポリマー、充填材を添加してもよい。
不織布を構成するポリプロピレンメルトブロー繊維のうち、平均直径5μm以下の太さものが50質量%以上であることが好ましい。平均直径が5μm以下のものが50質量%未満、すなわち、平均直径が5μm以上のものが50質量%以上であると、風合いの悪化と拭き取り性の低下が発生する。
ウエットワイパーの基布である不織布は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の繊維、例えば、砕木パルプ(GP)等のメカニカルパルプ、亜硫酸パルプ等の化学パルプ、薬品処理と機械処理を併用して得られたセミケミカルパルプ、ケナフ、コットンリンター、麻等の非木材パルプ、古紙パルプを適宜配合することができる。
してもよい。
不織布の製造方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、湿式抄造法、乾式カード法を利用したケミカルボンド法、スパンレース法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、エアレイド法、湿式スパンレース法、スパンボンド法、メルトブロー法等の連続紡糸法等が利用できる。
(坪量)
不織布の坪量は、JIS P 8124に記載の方法に準拠して測定され、不織布1枚当たり、50g/m以上90g/m以下である。坪量が50g/m未満であると、ウエットワイパーに必要な強度を確保しにくくなり、一方、90g/mを超えると、柔らかさが減少して拭き取りに適さず、かつコスト高なものとなる。
(比容積)
比容積とは、密度(緊度)の逆数をいう。すなわち、比容積とは、一定質量に対する容積のことで、嵩(かさ)ともいわれ、体積や厚み、高さなど嵩張り状態(bulky)の目安となる。不織布の比容積は、8.0cm/g以上15.0cm/g以下である。比容積が8.0cm/g未満であると、フンワリ感が乏しく、風合いが劣る。一方、比容積が15.0cm/gを超えると、平滑性が劣り、触感が悪くなる。比容積は、次式で示すとおり、厚さ(mm)を測定し、これを坪量(g/m)で除して求める。
比容積(cm/g)=厚さ(mm)×1000/坪量(g/m
(保水量)
ウエットワイパー、特に、皮膚の弱い乳幼児の***物や食べこぼしを拭き取るような、対人用途のウエットワイパーは、適切な範囲で薬液を含浸していることが好ましく、不織布の保水量(TWA:Total Water Absorbency)は、8.0g/g以上14.0g/g以下である。TWAが8.0g/g未満であると、きれいに拭き取ることが困難になる。一方、14.0g/gを超えると、拭き取った後に過剰な水分が肌に残り、乳幼児のお尻の蒸れの原因にもなる。TWAは、以下のようにして求める。まず、不織布を75mm×75mmの正方形に切断してサンプルを作製し、乾燥重量を測定する。次に、このサンプルを蒸留水中に2分間浸漬した後、水蒸気飽和状態の容器中で、サンプルの1つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態(RH100%)で吊るし、30分放置して水切り後の重量を測定する。水切りには、ペーパータオルを3mm×38mmにカットして使用する。そして、測定値をサンプル1g当たりの保水量(g/g)に換算する。
(TSAによるTS7値、TS750値、D値の測定)
ウエットワイパーの基材である不織布の柔らかさを表すTS7値、滑らかさを示すTS750値及び剛性を示すD値は、ティシューソフトネス測定装置TSA(Tissue Softness Analyzer)を用いて測定する。ティシューソフトネス測定装置TSAは、不織布(サンプル)の上から、回転したブレード付ローターを押付けたときの各種センサーで検知した振動データを、振動解析してパラメータ化(TS値)することにより、主にティシューや不織布等のソフトネス(手触り感)を定量評価するものであり、ドイツのエムテック(Emtec Electronic GmbH、日本代理店は日本ルフト株式会社)社製の商品名である。
図1(a)及び(b)は、ティシューソフトネス測定装置TSAの測定原理を示す図である。TSAを用いた具体的な測定は、以下のとおりとなる。(i)図1(a)に示すように、ティシューソフトネス測定装置TSA5の円形の試料台51を外側から覆うようサンプル52(emtec社のサンプルパンチを使用し、直径が約112.8mmの円形となるように処理したもの)をセットし、サンプル52の外周をサンプル固定リング53及びゴム製リップ54により固定する。(ii)図1(b)に示すように、ブレード付きローター55を一定で可変可能な力でサンプル52を上から押す。この工程では、力センサー56は、ブレード55aの押し込み圧力をコントロールする。押し込み圧力が100mNに達すると、ブレード付きローター55をモーター52bにより、サンプル52の上で回転数2.0(/sec)で回転させる。(iii)試料台51の振動を、試料台51内部に設置した振動センサー51aで測定し、振動周波数を解析して、パラメータ化(TS値)する。振動周波数は、クリープ加工やエンボス加工といった構造的な寸法及びブレードの回転数に依存する。ブレード55a自身の水平振動の誘発(共振周波数:6500Hz)は、サンプル52の表面を進むとき、サンプル52の凸部による瞬間的な遮断とブレード55aの振動に起因して起こる。低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度をTS750値とし、共振周波数:6500Hzを含む(6500Hzの前後の)スペクトルの極大ピークの強度をTS7値とする。(iv)次に、押し込み圧力100mNと600mNで、ブレード付きローター55を回転させずにそれぞれサンプル52を変形させたときの上下方向の変形変位量(mm/N、D値)を計測する。(i)〜(iv)の手順により、不織布の柔らかさ、滑らかさ、剛性が各々数値化できる。不織布のサンプル521サンプルにつき5回測定し、その平均値を不織布のTS7値、TS750値、D値とした。
また、振動解析してパラメータ化(TS値)するソフトウェアは、emtec measurement systemを用いる。本ソフトウェアには、各種アルゴリズム(例えば、Base Tissue、Facial、TP等)が備えられ、TS7値、TS750値及びD値をソフトウェア上で自動的に取得し、これらTS7値、TS750値及びD値あるいは坪量、厚さ、プライ数等から各種アルゴリズムの種類によって、HF(ハンドフィール)値が計算される。本発明では、HF値ではなく、TS7値、TS750値及びD値を規定しており、上記測定条件を満たせば、アルゴリズムは何を使用しても良く、TS7値、TS750値及びD値は、アルゴリズムの種類によって変わることはない。
図2は、TSA5によるサンプル52のTS7値及びTS750値の測定図である。図2に示すように、ブレード55aは一定の垂直位置にあり、右方向から左方向へサンプル52上を水平運動する。この水平運動により、サンプル52に垂直振動が発生し、この振動周波数を解析して、TS7値及びTS750値を得る。TS7値がサンプル52の素材の柔らかさを示す値であるのに対し、TSA750値は、滑らかさやエンボス加工(凹凸性)の強さと相関性を有する値であり、数値が大きいほど粗く、より強いエンボス加工であることを意味する。また、D値は引っ張り強度試験の結果と相関性があり、数値が小さいほどより固いことを意味する。
不織布をTSAにより測定したとき、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度であるTS750値は、15dBVrms以上35dBVrms以下であり、好ましくは、16dBVrms以上33dBVrms以下である。TS750値が15dBVrms未満であると、平滑性が高すぎて、便等の拭き取り性が低下する。一方、35dBVrmsより高いと、平滑性に劣り、ザラザラとした触感になる。
また、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度であるTS7値が5dBVrms以上12dBVrms以下であり、好ましくは、6dBVrms以上8dBVrms以下である。TS7値が5dBVrms未満であると、柔らかさだけが際立ち、良好な触感を得ることができない。一方、12dBVrmsより高いと、硬い触感となり、十分なやわらかさが得られない。
さらに、不織布をティシューソフトネス測定装置TSAにより測定したとき、D値が1.0mm/N以上3.2mm/N以下であり、好ましくは、1.5mm/N以上2.5mm/N以下である。D値が1.0mm/N未満だと、剛性が高すぎて、シワの間等の細かな拭き取りに適さない。一方、3.5mm/Nより高いと、コシがなく、拭き取りしにくい。
(薬液)
本実施形態のウエットワイパーは、精製水を主成分とする薬液を基材の乾燥重量に対して、200質量%以上400質量%以下の割合で含浸させたものである。含浸量が200質量%より少ないと、清拭性能に劣ることとなる。一方、400質量%を超えると、べたつきの原因となる。ここで、「精製水を主成分とする」とは、薬液の総量に対して、精製水が50質量%以上配合されていることを意味する。薬液は、精製水の他に、微生物の繁殖を抑え、ウエットワイパーを長期間安定に保持するための防腐剤と、拭き取りにより皮脂が拭い去られた際に肌を保護するための保湿剤と、を少なくとも含有する。
防腐剤としては、安息香酸及びその塩類、クロルクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸及びその塩類、ソルヒビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩、フェノキシエタノール、フェノール、ラウリルジアノエチルグリシンナトリウム、レゾルシン、安息香酸パントテニルエチルエーテル、イソプロピルメチフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルキシレノール、クロルヘキシジン、臭化アルキルイソキロリニウム、チモール、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、ヒノキチオール、ビリチオン亜鉛、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ポリアミノプロピルビグアナイド等が配合できる。これらの防腐剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。また、防腐剤の配合量は、薬液に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
また、保湿剤としては、水溶性成分のヒューメクタントとして作用する、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の有機酸類、尿素、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエステル等のアルキレングリコール類、また、油溶性成分のエモリエント剤として作用する、天然油脂、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、ラノリンアルコール、ポリオキシエチレンミツロウ等のラノリン類、リン脂質、セラミド類、さらに、アロエ抽出エキス、ハチミツ等の天然保湿成分等が配合できる。これらの保湿剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。また、保湿剤の配合量は、薬液に対して、0.0001質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
上記成分の他に、薬液には、本発明の効果を損なわない範囲内で、医薬部外品及び化粧品等に一般的に用いられる各種成分、例えば、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、ゲル化剤、乳化剤、増粘剤、pH調整剤、金属封鎖剤、界面活性剤、安定化剤、変色防止剤、香料、着色剤等を適宜配合してもよい。
ウエットワイパーの製造方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、積層した不織布に薬液を噴霧、又は注入する方法や、予め薬剤を入れた容器に積層した不織布を入れ、浸漬する方法等が利用できる。
以下、実施例及び比較例をあげて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。
<測定方法>
実施例1〜3及び比較例1〜3について、(1)〜(7)の項目について、下記方法に従って測定した。なお、坪量、厚さ、比容積及びTSA装置による測定は、JIS P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
(1)坪量
不織布の坪量は、JIS P 8124に記載の方法に準拠して測定した。
(2)比容積
不織布1枚当たりの厚さを坪量で割り、単位グラムあたりの容積cmとして、比容積を求めた。不織布の厚さは、ピーコック紙厚計にて37.85g/cm加重下で測定した。
(3)保水量
まず、不織布を75mm×75mmの正方形に切断してサンプルを作製し、乾燥重量を測定した。次に、このサンプルを蒸留水中に2分間浸漬した後、水蒸気飽和状態の容器中で、サンプルの1つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態(RH100%)で吊るし、30分放置して水切り後の重量を測定した。水切りには、ペーパータオルを3mm×38mmにカットして使用した。得られた測定値をサンプル1g当たりの保水量(g/g)に換算した。
(4)TSA装置によるTS750値、TS7値及びD値の測定
TS750値、TS7値及びD値の測定は、上記ティシューソフトネス測定装置TSA(ドイツのエムテック社製)を用いて行った。測定条件も上記のとおりである。
(5)風合い
20名のパネラーに対して、ウエットワイパーの柔らかさの評価を実施させた。この評価では、ウエットワイパーについて、「柔らかい」の評価が15人以上から得られたものを「○」、「柔らかい」の評価が10人以上15人未満から得られたものを「△」、「柔らかい」の評価が10人未満から得られたものを「×」とした。
(6)拭き取り性
20名のパネラーに対して、ウエットワイパーの拭取り性の評価を実施させた。この評価では、ウエットワイパーについて、「良く拭ける」の評価が15人以上から得られたものを「○」、「良く拭ける」の評価が10人以上15人未満から得られたものを「△」、「良く拭ける」の評価が10人未満から得られたものを「×」とした。
(7)丈夫さ
この評価では、ウエットワイパーを製造した際に、トラブルが無く、かつ、使用中のトラブルも無かったものを「○」とし、製造上のトラブルがやや有るが、使用中のトラブルが無かったものを「△」とし、製造上のトラブルがある、又は、使用中のトラブルが有ったものを「×」として評価した。
<実施例1>
実施例1のウエットワイパーは、基布として、木材パルプ繊維とポリプロピレンメルトブローン繊維がそれぞれ60質量%、40質量%の割合で配合され、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローン繊維を湿式抄造法により形成した不織布を使用した。木材パルプ繊維は、NBKPを使用し、ポリプロピレンメルトブローン繊維は、繊維直径が5μm以下の繊維を71質量%の割合で含有するものを使用した。不織布に含浸させる薬液として、防腐剤0.2質量%、保湿剤3.0質量%及び残りとしてイオン交換水を合計で100質量%となるように調整した。この薬液を基布の乾燥重量に対して、240質量%の割合で含浸させた。
測定の結果、実施例1の不織布は、坪量が50[g/m]、比容積(SV)が9.2[cm/g]、保水量(TWA)が9.8[g/g]、TS750値が16.3[dbVrms]、TS7値が6.1[dbVrms]、D値が1.8[mm/N]であった。また、実施例1のウエットワイパーの官能試験に関しては、「風合い」、「拭き取り性」、「丈夫さ」がいずれも「○」であり、後述する比較例と対比して、良好な結果が得られた。
<実施例2>
実施例2のウエットワイパーは、基布として、木材パルプ繊維とポリプロピレンメルトブローン繊維がそれぞれ73質量%、27質量%の割合で配合され、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローン繊維を湿式抄造法により形成した不織布を使用した。木材パルプ繊維は、NBKPを使用し、ポリプロピレンメルトブローン繊維は、繊維直径が5μm以下の繊維を71質量%の割合で含有するものを使用した。不織布に含浸させる薬液は、実施例1で用いたものと同じものを使用し、この薬液を基布の乾燥重量に対して、240質量%の割合で含浸させた。
測定の結果、実施例2の不織布は、坪量が64[g/m]、比容積(SV)が12.5[cm/g]、保水量(TWA)が11.4[g/g]、TS750値が19.8[dBVrms]、TS7値が7.8[dBVrms]、D値が2.4[mm/N]であった。また、実施例2のウエットワイパーの官能試験に関しては、「風合い」、「拭き取り性」、「丈夫さ」がいずれも「○」であり、後述する比較例と対比して、良好な結果が得られた。
<実施例3>
実施例3のウエットワイパーは、基布として、木材パルプ繊維とポリプロピレンメルトブローン繊維がそれぞれ80質量%、20質量%の割合で配合され、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローン繊維を湿式抄造法により形成した不織布を使用した。木材パルプ繊維は、NBKPを使用し、ポリプロピレンメルトブローン繊維は、繊維直径が5μm以下の繊維を73質量%の割合で含有するものを使用した。不織布に含浸させる薬液は、実施例1で用いたものと同じものを使用し、この薬液を基布の乾燥重量に対して、240質量%の割合で含浸させた。
測定の結果、実施例3の不織布は、坪量が90[g/m]、比容積(SV)が11.4[cm/g]、保水量(TWA)が12.5[g/g]、TS750値が32.2[dBVrms]、TS7値が7.2[dBVrms]、D値が2.5[mm/N]であった。また、実施例3のウエットワイパーの官能試験に関しては、「風合い」、「拭き取り性」、「丈夫さ」がいずれも「○」であり、後述する比較例と対比して、良好な結果が得られた。
<比較例1>
比較例1のウエットワイパーは、基布として、木材パルプ繊維とポリプロピレンメルトブローン繊維がそれぞれ45質量%、55質量%の割合で配合され、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローン繊維を湿式抄造法により形成した不織布を使用した。木材パルプ繊維は、NBKPを使用し、ポリプロピレンメルトブローン繊維は、繊維直径が5μm以下の繊維を38質量%の割合で含有するものを使用した。不織布に含浸させる薬液は、実施例1で用いたものと同じものを使用し、この薬液を基布の乾燥重量に対して、240質量%の割合で含浸させた。
測定の結果、比較例1の不織布は、坪量が64[g/m]、比容積(SV)が7.2[cm/g]、保水量(TWA)が5.5[g/g]、TS750値が13.5[dBVrms]、TS7値が12.4[dBVrms]、D値が1.5[mm/N]であった。また、比較例1のウエットワイパーの官能試験に関しては、「丈夫さ」が「○」であったが、「風合い」と「拭き取り性」が「△」であり、実施例と対比して、結果が劣っていた。
<比較例2>
比較例2のウエットワイパーは、基布として、木材パルプ繊維とポリプロピレンメルトブローン繊維がそれぞれ75質量%、25質量%の割合で配合され、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローン繊維を湿式抄造法により形成した不織布を使用した。木材パルプ繊維は、NBKPを使用し、ポリプロピレンメルトブローン繊維は、繊維直径が5μm以下の繊維を73質量%の割合で含有するものを使用した。不織布に含浸させる薬液は、実施例1で用いたものと同じものを使用し、この薬液を基布の乾燥重量に対して、240質量%の割合で含浸させた。
測定の結果、比較例2の不織布は、坪量が40[g/m]、比容積(SV)が11.5[cm/g]、保水量(TWA)が10.3[g/g]、TS750値が12.9[dBVrms]、TS7値が8.7[dBVrms]、D値が4.1[mm/N]であった。また、比較例2のウエットワイパーの官能試験に関しては、「拭き取り性」が「○」であったが、「丈夫さ」が「△」、「風合い」が「×」であり、実施例と対比して、結果が劣っていた。
<比較例3>
比較例3のウエットワイパーは、基布として、木材パルプ繊維とポリプロピレンメルトブローン繊維がそれぞれ90質量%、10質量%の割合で配合され、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローンファイバを湿式抄造法により形成した不織布を使用した。木材パルプ繊維は、NBKPを使用し、ポリプロピレンメルトブローン繊維は、繊維直径が5μm以下の繊維を70質量%の割合で含有するものを使用した。不織布に含浸させる薬液は、実施例1で用いたものと同じものを使用し、この薬液を基布の乾燥重量に対して、240質量%の割合で含浸させた。
測定の結果、比較例3の不織布は、坪量が64[g/m]、比容積(SV)が10.1[cm/g]、保水量(TWA)が11.5[g/g]、TS750値が13.0[dBVrms]、TS7値が10.4[dBVrms]、D値が3.9[mm/N]であった。また、比較例3のウエットワイパーの官能試験に関しては、「拭き取り性」が「○」であったが、「丈夫さ」が「△」、「風合い」が「×」であり、実施例と対比して、結果が劣っていた。
Figure 2017046790
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
5 ティッシュソフトネス測定装置
51 試料台
51a 振動センサー
52 サンプル
53 サンプル固定リング
54 ゴム製リップ
55 ブレード付きローター
55a ブレード
55b モーター
56 力センサー
P1 TS7値のピーク
P2 TS750値のピーク

Claims (6)

  1. 60質量%以上80質量%以下の木材パルプ繊維と、20質量%以上40質量%以下のポリプロピレンメルトブロー繊維と、を含有する不織布を基布とし、
    精製水を主成分とする薬液を前記基布の乾燥重量に対して、200質量%以上400質量%以下の割合で含浸させたことを特徴とするウエットワイパー。
  2. 前記不織布が50g/m以上90g/m以下の坪量と、8cm/g以上15cm/g以下の比容積を有することを特徴とする請求項1に記載のウエットワイパー。
  3. 前記不織布が8.0g/g以上14.0g/g以下の保水量を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のウエットワイパー。
  4. ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記不織布のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサーで測定したとき、
    前記TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750値)が15dBVrms以上30dBVrms以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のウエットワイパー。
  5. ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記不織布のサンプルに対し、ブレード付きローターを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサーで測定したとき、
    前記TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7値)が5dBVrms以上12dBVrms以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のウエットワイパー。
  6. ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記不織布のサンプルに対し、ブレード付きローターを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、
    それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での前記不織布のサンプルの上下方向の変形変位量で表される、D値が1.0mm/N以上3.2mm/N以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のウエットワイパー。
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