JP2017046788A - 吸収性物品および吸収性物品の製造方法 - Google Patents

吸収性物品および吸収性物品の製造方法 Download PDF

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Nobumasa Hayashi
伸匡 林
智恵子 間篠
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Abstract

【課題】 簡便に製造が可能であるとともに、着用感が柔らかく、製品厚みが薄く、かつ、吸収性能が高い吸収性物品およびその製造方法を提供すること【解決手段】 本発明の吸収性物品は、液透過性の第1の基材層と、上記第1の基材層に対向配置された第2の基材層と、上記第1の基材層と上記第2の基材層との間に挟持された高吸収性樹脂と、を含む吸収体を備える吸収性物品であって、上記吸収体は、上記第1の基材層と上記第2の基材層とが超音波接合された第1の線形接合部と、上記第1の線形接合部と交差する第2の線形接合部と、を含み、少なくとも上記第1の線形接合部および上記第2の線形接合部によって定義された複数の袋状領域であって、上記高吸収性樹脂が配置される複数の袋状領域と、を備えることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品および吸収性物品の製造方法に関する。
吸収性物品としては、テープ止めタイプおむつ、尿取りパッド、軽失禁パッド、生理用パッドなどが知られており、これらは、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置された吸収体と、を備える。そして、この吸収体には、フラッフパルプなどからなるマット状の部材と、マット状部材に混合または囲繞された高吸収性樹脂とを含むものが用いられていた。しかし、このような吸収体では、高吸収性樹脂が使用量に対して、吸液が不十分であるという問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献1に記載のように、対向配置された第1の基材層と第2の基材層とを固着した領域と実質的に固着しない複数のポケット領域とを設け、これらの複数のポケット領域内に高吸収性樹脂が配置された吸収体を有する吸収性物品が提案されている。そして、第1の基材層と第2の基材層とは、水感受性接着剤、ニードリングや縫合によって固着することが記載されている。
国際公開第1995/011654号
特許文献1記載の吸収性物品は、キャリヤー層を水感受性接着剤で固着した場合、肌触りが悪く、製品の厚みが大きくなり、着用感が劣るものとなっていた。また、上述の吸収性物品は、高吸収性樹脂に接着剤が付着することで、吸収性に劣化が生ずることもあった。また、ニードリングや縫合は、製造工数の増加や特別な設備の導入が必要であるため適用が困難であった。
本発明は、上記の点に鑑み、対向配置された第1の基材層と第2の基材層とを固着した領域によって定義された領域であって、第1の基材層と第2の基材層とが実質的に固着されない複数の袋状領域を備え、これらの複数の袋状領域内に高吸収性樹脂が配置された吸収体を有する吸収性物品において、簡便に製造が可能であるとともに、肌触りが良好であり、製品厚みが薄く、かつ、吸収性能が高い吸収性物品およびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の一実施形態に係る吸収性物品は、液透過性の第1の基材層と、上記第1の基材層に対向配置された第2の基材層と、上記第1の基材層と上記第2の基材層との間に挟持された高吸収性樹脂と、を含む吸収体を備える吸収性物品であって、上記吸収体は、上記第1の基材層と上記第2の基材層とが超音波接合された第1の線形接合部と、上記第1の線形接合部と交差する第2の線形接合部と、を含み、少なくとも上記第1の線形接合部および上記第2の線形接合部によって定義された複数の袋状領域であって、上記高吸収性樹脂が配置される複数の袋状領域と、を備えることを特徴とする。
(2) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、上記(1)記載の吸収性物品であって、上記吸収体は、さらに、上記第2の線形接合部に交差する第3の線形接合部と、上記第1の線形接合部および上記第3の線形接合部に交差する第4の線形接合部と、を備えることを特徴とする。
(3) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、上記(1)または(2)記載の吸収性物品であって、上記第1の基材層および上記第2の基材層は、不織布からなり、上記吸収体は、原料パルプを機械的処理により解繊したフラッフパルプを含有しないことを特徴とする。
(4) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、上記(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、上記高吸収性樹脂は、上記袋状領域で囲繞されることのみで、上記吸収体に固着されていることを特徴とする。
(5) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、上記(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品であって、上記吸収体は、短手方向の両端部に袋状領域が存在しない第1の非存在領域を有し、長手方向の両端部に袋状領域が存在しない第2の非存在領域を有することを特徴とする。
(6) 本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、上記(1)から(5)のいずれかに記載の吸収性物品であって、上記第2の基材層は、上記高吸収性樹脂よりも吸収速度が速く、かつ、上記第1の基材層よりも保水可能量が大きいことを特徴とする。
(7)本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、上記(1)から(5)のいずれかに記載の吸収性物品であって、上記第2の基材層は、比容積が8cc/g以上15cc/g以下であって、保水可能量が8g/g以上14g/g以下であることを特徴とする。
(8)本発明の他実施形態に係る吸収性物品は、上記(1)から(5)のいずれかに記載の吸収性物品であって、上記第2の基材層は、剛性が1mm/N以上3.5mm/N以下であって、TSA(Tissue Softness Analyzer)ソフトネス指数によるTS7値が5dBVrms以上12dBVrms以下であることを特徴とする。
(9)本発明の一実施形態に係る吸収性物品の製造方法は、高吸収性樹脂を挟んで、液透過性の第1の基材層連続体に第2の基材層連続体を対向配置する工程と、上記第1の基材層連続体と上記第2の基材層連続体とを超音波接合して第1の線形接合部と、上記第1の線形接合部と交差する第2の線形接合部と、を設けることで、少なくとも上記第1の線形接合部および上記第2の線形接合部によって定義され、上記高吸収性樹脂を内包する複数の袋状領域を有する固着部形成領域を設ける工程と、を備えることを特徴とする。
(10)本発明の他実施形態に係る吸収性物品の製造方法は、上記(9)記載の吸収性物品の製造方法であって、上記第1の基材層連続体と上記第2の基材層連続体とを更に繰り出し、上記袋状領域が存在しない第2の非存在領域を挟んで、上記固着部形成領域と隣接する領域において、上記第1の基材層連続体と上記第2の基材層連続体とを超音波接合することで隣接固着部形成領域を設ける工程と、上記第2の非存在領域において、少なくとも上記第1の基材層連続体と上記第2の基材層連続体とを切断する工程と、を更に備えることを特徴とする。
(11)本発明の他実施形態に係る吸収性物品の製造方法は、上記(9)記載の吸収性物品の製造方法であって、上記第1の基材層連続体と上記第2の基材層連続体とに、繰り出し方向を横切る方向における両端部に、上記袋状領域が存在しない第1の非存在領域を有することを特徴とする。
本発明によれば、対向配置された第1の基材層と第2の基材層とを固着した領域によって定義された領域であって、第1の基材層と第2の基材層とが実質的に固着されない複数の袋状領域を備え、これらの袋状領域内にそれぞれに高吸収性樹脂が配置された吸収体を有する吸収性物品において、簡便に製造が可能であるとともに、着用感が柔らかく、製品厚みが薄く、かつ、吸収性能が高い吸収性物品およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る吸収性物品を示す正面図である。 図1の吸収性物品の吸収体のみを抜き出して図示した吸収体の平面図である。 図2の吸収体のX−X’断面における断面図である。 本発明の一実施形態に係る吸収性物品の製造方法を説明するための製造工程を説明する工程平面図である。 吸収性物品の製造方法に用いる製造装置を部分的に抜き出して図示した模式図である。
図1から図3を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)に係る吸収性物品1を詳細に説明する。なお、実施形態の説明は、全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。本明細書の説明において、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の着用時及び着用後の少なくとも一方をいう。また、吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後にわたる方向であり、吸収性物品1の短手方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向である。さらに、肌当接面とは、着用時に着用者の肌側に配される吸収性物品1の表面であり、非肌当接面とは、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる吸収性物品1の表面である。また、体液とは、尿、血液や軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。さらに、吸収性物品1としては、幼児又は成人用を問わず、テープ止めタイプの使い捨ておむつ、パンツタイプの使い捨ておむつ、平面状の尿取りパッド、軽失禁パッド、生理用品等であってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る吸収性物品1を示す正面図である。本実施形態は、特に記載しない限り、パンツ型の使い捨ておむつを例として説明する。この場合、吸収性物品1には、ウエスト周り開口Wおよび一対の脚周り開口Lが定義されている。
図1に示すように、吸収性物品1は、着用者の股部に位置付けられるように、吸収体10が配置される。吸収性物品1は、肌当接面側に液透過性のトップシート20および非肌当接面側に完全に又は部分的に液不透過性のバックシート30が対向配置され、トップシート20とバックシート30との間に吸収体10が配置されている。吸収性物品1は、着用者の体液が肌当接面側からトップシート20を通って浸透し、吸収体10に吸収され、バックシート30を超えて、体液が浸透しないように構成されている。バックシート30は、直接に、または、中間部材を介して間接に、トップシート20に接合される。吸収体10、トップシート20およびバックシート30は、吸収性物品1の用途やサイズによって、さまざまな形状および配置などを取りうる。なお、吸収性物品1は、吸収体10、トップシート20およびバックシート30以外にも、トップシート20の近傍に配された液拡散シート、ウエスト周りおよび脚周りに伸縮可能な状態で固着された弾性部材やギャザーシート、固着用のテープなどの他の部材を含み得ることは言うまでもない。
トップシート20は、体液が吸収体10へと移動するように液透過性を備えていればよく、例えば、サーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料を所定の形状とすることで形成できる。また、トップシート20には、トップシート20の液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。その加工方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。また、肌への刺激を低減させるために、トップシート20には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。
バックシート30は、吸収体10が保持する体液が漏れないように液不透過性を備えたものであればよく、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布、樹脂フィルム、あるいはこれらを積層した複合シートといった材料から形成される。不織布は、製法が特に限定されることはなく、例えば、スパンボンドやメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布、及びこれらの複合材料が考えられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等を用いることができる。また、装着時の蒸れを防止するために、バックシート30には、透湿性を備えさせてもよい。例えば、バックシート30にフィラーを配合することや、バックシートに穿孔のためのエンボス加工を施すことで、バックシートに透湿性を備えさせることができる。そして、バックシート30は、吸収性物品1の外装カバーを構成してもよいし、別に設けられた外装カバーと吸収体10との間に配置されていてもよい。
次に、図2および図3を参照して、本実施形態の吸収性物品1に含まれる吸収体10について、説明をする。図2は、図1の吸収性物品の吸収体のみを抜き出して図示した吸収体10の平面図であり、図3は、図2の吸収体10のX−X’断面における断面図である。図示されるように、吸収体10は、体液を吸収保持できるように構成されたものであって、肌当接面側に配される液透過性の第1の基材層12と、第1の基材層12に対向配置された第2の基材層13と、第1の基材層12と第2の基材層13との間に挟持された高吸収性樹脂(SAP(Super Absorbent Polymer))14と、を含む。高吸収性樹脂14は、吸液により膨潤等して高い液体の保持性能を有した高分子重合体を備える多数の粉粒状樹脂体の集合体であり、その材料としては、ポリアクリル酸ナトリウム系が例示される。
そして、吸収体10は、第1の基材層12と第2の基材層13とが超音波接合された第1の線形接合部16aと、第1の線形接合部16aと交差する第2の線形接合部16bと、を含む固着部形成領域Aを備える。そして、少なくとも第1の線形接合部16aおよび第2の線形接合部16bによって、複数の袋状領域18が定義され、複数の袋状領域18の各々に、高吸収性樹脂14が多数の粉粒体で配置される。袋状領域18は、第1の基材層12と第2の基材層13とが実質的に固着されず、高吸収性樹脂14を内包する領域である。これは、複数の袋状領域18に跨って、第1の線形接合部16aおよび第2の線形接合部16bが、連続して配置されていることを意味する。これにより、高吸収性樹脂14は、接着剤で被覆されないため、吸収性能を向上させることができる。なお、各袋状領域18は、全てが同じ形状や大きさに形成される必要はなく、同様に、袋状領域18内の各高吸収性樹脂14も全てが同じ量や大きさとなるように形成される必要はなく、吸収性物品1の用途に応じて、様々な形状、大きさや量を取りうるが、例えば、吸収体10の中央部は、吸収体10の側端部に比して、袋状領域18の面積を大きく、高吸収性樹脂14の量が多くなるように設けられていてもよい。また、第1の線形接合部16aおよび第2の線形接合部16bは、線形形状であれば、直線状に形成されていてもよいし、曲線状に形成されていてもよい。また、第1の線形接合部16aおよび第2の線形接合部16bは、連続線状の接合部からなるものであってもよいし、線上に並んだ複数のドット状または間欠線状の接合部片の集合からなるものであってもよい。
吸収体10は、さらに、第1の線形接合部16aと第2の線形接合部16bだけでなく、第2の線形接合部16bに交差する第3の線形接合部16cと、第1の線形接合部16aおよび第3の線形接合部16cに交差する第4の線形接合部16dと、を備えることができる。こうすれば、第1の線形接合部16a、第2の線形接合部16b、第3の線形接合部16cおよび第4の線形接合部16dの4本の線形接合部によって、矩形状の袋状領域18が形成され、高吸収性樹脂14を固着する接着剤なしで、吸収体10に高吸収性樹脂14を確実に保持することができ、吸収性向上の点からは好ましい。なお、高吸収性樹脂14は、袋状領域18で囲繞されることのみで、接着剤なしで吸収体10に固着されていることが、吸収性能向上の点からは好ましい。
吸収体10を構成する第1の基材層12および第2の基材層13の少なくとも一方は、不織布のみからなるものでもよく、吸収体10は、木材または非木材原料パルプを解繊したフラッフパルプを含有しないものからなる。そして、不織布としては、素材、製造方法等は特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成繊維による、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布及びスパンボンド不織布/メルトブローン不織布/スパンボンド不織布が積層された複合不織布を使用できる。第1の基材層12に用いる不織布は、風合いや強度の観点から、坪量が20gsm以上80gsm以下のエアースルー不織布であることが好ましい。第2の基材層13に用いる不織布は、風合いや強度の観点から、60重量%以上80重量%以下のパルプ繊維と、オレフィン繊維と、を含む不織布であることが好ましい。具体的には、第2の基材層13に用いる不織布として、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローンファイバを気層で一体化した不織シートが好ましく用いられる。
図2に示すように、吸収体10の長手方向側の両端部に袋状領域18が存在しない第2の非存在領域Cを有してもよい。これによれば、切断工程などの製造工程中や吸収性物品製造後において、高吸収性樹脂14が飛散するのを防止することができる。そして、吸収体10は、吸収体10の短手方向側の両端部にも、袋状領域18が存在しない第1の非存在領域Dを有してもよい。これによれば、製造工程中や吸収性物品製造後において、高吸収性樹脂14が更に飛散するのを防止することができる。
ここで、第1の基材層12および第2の基材層13の間に高吸収性樹脂14のみが挟持された場合、第2の基材層13は、高吸収性樹脂よりも吸収速度が速く、かつ、前記第1の基材層よりも保水可能量が大きいことが好ましい。これにより、第1の基材層12を通過した液体は、一旦第2の基材層13に吸収され、その後に高吸収性樹脂14に吸収されることで、高い吸収性能を発揮することができる。
この点、具体的には、第2の基材層13は、比容積(SV)が8cc/g以上15cc/g以下であって、保水可能量(TWA)が8g/g以上14g/g以下であることが好ましい。所定の嵩高さと保水可能量があるため、第1の基材層12を通過した液体は、一旦第2の基材層13に吸収され、その後に高吸収性樹脂14に吸収されることで、高い吸収性能を担保することができる。この比容積(SV)は、吸収体の1枚当たりの厚さを坪量で割り、単位gあたりの容積cmで表したものである。
保水可能量(TWA)は、組成体の100cmの試料1グラムが10分間に吸収する生水のグラム(g)での重量である。具体的には、保水可能量(TWA)は、以下のようにして求める。まず、吸収体を76×76mmの正方形の試験片に切断し、乾燥重量(W1)を測定する。その後、この試験片を蒸留水中に2分間浸漬した後、試験片の一つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する二つの角部とを支持して展伸した状態(RH100%)で吊るし、30分放置後の重量(W2)を測定する。(W2−W1)の値を算出し、この値を吸収体1g当りに換算したものを保水可能量(TWA)とする。
また、第2の基材層13は、TSAソフトネス指数による剛性(D)が1mm/N以上3.5mm/N以下であって、TSAソフトネス指数によるTS7値が5dBVrms以上12dBVrms以下であることが好ましい。TSAソフトネス指数による剛性(D)が1mm/Nより小さい場合、または、TSAソフトネス指数によるTS7値が12dBVrmsより大きい場合には、吸収体10の硬さとコシが強くなりすぎるため、吸収体10としては適切でないからである。また、TSAソフトネス指数による剛性(D)が3.5mm/Nより大きい場合、または、TSAソフトネス指数によるTS7値が5dBVrmsより小さい場合には、第2の基材層13が柔らかすぎて、吸液前の高吸収性樹脂14のゴツゴツとした感触が伝わりやすく、吸収体10としては適切でないからである。なお、TSAソフトネス指数による剛性(D)は、ティッシュソフトネス測定装置TSAにより測定されるものであって、試料台に設置した吸収体10に対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での試料の上下方向の変形変位量を剛性(D)として測定したものである。また、TSAソフトネス指数による強度(TS7)は、ティッシュソフトネス測定装置TSAにより測定されるものであって、試料台に設置した吸収体10に対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、試料台の振動を振動センサで測定したとき、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度で表され、TSAソフトネス指数によるTS7値は、6500MHzを含むスペクトルの極大ピークの強度で表される。
ソフトネス測定装置TSAは、吸収体10の試料(サンプル)の上から、回転したブレード付きロータを押付けたときの各種センサで検知した振動データを、振動解析してパラメータ化(TS値)することにより、不織布のソフトネス(手触り感)を定量評価するものであり、ドイツのエムテック(Emtec Electronic GmbH、日本代理店は日本ルフト株式会社)社製の商品名である。
TSAを用いた具体的な測定は、(i)円形の試料台を外側から覆うようサンプル(emtec社のサンプルパンチを使用して直径が約112.8mmの円形に加工したサンプル)を設置し、サンプルの外周をサンプル固定リングで保持し、(ii)ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力でサンプルの上から押し込んだ後、ロータを回転数2.0(/sec)で回転させ、(iii)試料台の振動を、試料台内部に設置した振動センサで測定し、振動周波数を解析する。(iv)次に、押し込み圧力100mNと600mNで、ロータを回転させずにそれぞれサンプルを変形させたときの上下方向の変形変位量(mm/N、剛性D)を計測する。
(i)〜(iv)の手順により、不織布シートの総合的なハンドフィール値の要素(滑らかさ、しなやかさ、ボリューム感)が各々数値化できる。
測定は1サンプルについて表裏5回ずつ繰り返し、平均化する。なお、表裏とは、不織布シートの両面を意味する。試料台はベースプレート上に設置され、試料台とベースプレートの間には、力センサが配置されている。そして、力センサの検出値により、ブレード付きロータの押し込み圧力を制御する。又、ブレード付きロータはモータによって回転する。又、振動解析してパラメータ化(TS値)するソフトウェアは、emtec measurement systemを用いる。本ソフトウェアには、各種アルゴリズム(例えば、Base Tissue、Facial、TP等)が備えられ、TS7、TS750、Dをソフトウェア上で自動的に取得し、これらTS7、TS750、D値が計算される。本発明では、TS7、Dのみを規定しており、上記測定条件を満たせば、アルゴリズムは何を使用しても良く、TS7、TS750、Dの値はアルゴリズムの種類によって変わることはない。
なお、本実施形態では、吸収体10を単層で含む吸収性物品1を用いて説明したが、これに限定されず、吸収体10を複数層に積層した吸収性物品1を用いてもよい。さらに、吸収体10は、表面にエンボス加工を施すことで、体液の拡散をコントロールすると共に、着用者の体型に応じて容易に変形可能とすることもできる。
次に、本発明の一実施形態に係る吸収性物品の製造方法を、図4および図5を使用して、説明する。第1の基材層連続体12aと第2の基材層連続体13aとを、給送方向に繰り出しながら、吸収体10を含む吸収性物品1を製造する製造方法を示す。図4は、本発明の一実施形態に係る吸収性物品の製造方法を説明するために、一部の工程を抜き出した工程平面図であり、図5は、吸収性物品の製造方法に用いる製造装置を部分的に抜き出して図示した模式図である。この製造装置には、連続体の給送方向に沿って、第1の給送ローラ600、第2の給送ローラ700、高吸収性樹脂供給機構400、超音波接合機構100および切断機構500、を少なくとも備える。
そして、図5に示すように、先ず、第1の基材層連続体12aは、給送ローラ700によって給送方向に給送され、第2の基材層連続体13aは、給送ローラ600によって給送方向に給送される。そして、高吸収性樹脂14を挟んで、液透過性の第1の基材層連続体12aと第2の基材層連続体13aとを対向配置する。高吸収性樹脂供給機構400は、第1の基材層連続体12aおよび第2の基材層連続体13aの少なくとも一方の表面に、高吸収性樹脂14を供給するものである。図5に示すように、高吸収性樹脂供給機構400は、高吸収性樹脂14を自由落下させることにより供給するものであってもよいし、第1の基材層連続体12aおよび第2の基材層連続体13aの少なくとも一方に、高吸収性樹脂14を塗工または転写するロール状の部材であってもよい。
次に、第1の基材層連続体12aおよび第2の基材層連続体13aを、さらに給送して、超音波接合機構100によって超音波接合する。この際、少なくとも、図4に示すように、第1の線形接合部16aと、第1の線形接合部16aと交差する第2の線形接合部16bとを超音波接合により形成して、第1の基材層連続体12aと第2の基材層連続体13aとを固着する。これにより、複数の袋状領域18を形成され、複数の袋状領域18が存在する固着部形成領域Aが設けられる。固着部形成領域Aは、第1の線形接合部16aと第2の線形接合部16bと複数の袋状領域18とを少なくとも含む。袋状領域18は、少なくとも第1の線形接合部16aおよび第2の線形接合部16bによって袋状に定義され、第1の基材層連続体12aと第2の基材層連続体13aとが実質的に固着されず、高吸収性樹脂14を内包する領域である。
図5に示すように、超音波接合機構100は、超音波付与部200と、超音波付与部200と対向して配置されたアンビル部300と、を備える。超音波付与部200は、超音波振動子202と超音波ホーン204とを備え、アンビル部300は、表面に複数の突状部材302を備えたものである。そして、第1の基材層連続体12aと第2の基材層連続体13aとは、超音波付与部200とアンビル部300との間を通過して給送され、超音波ホーン204と突状部材302とによって、少なくとも第1の基材層連続体12aと第2の基材層連続体13aとを挟みこんだ領域において、第1の基材層連続体12aと第2の基材層連続体13aとに超音波振動子202からの超音波振動を付与することで、これらを摩擦熱によって相互に溶着して、固着領域16を形成する。超音波付与部200は、超音波振動子202と超音波ホーン204との間に、固着領域16の固着強度を制御するために、アンビル部300からの超音波ホーン204の距離を調節する調節アーム208を含んでもよいし、超音波振動子202によって発生される超音波を増幅する超音波増幅器206を含んでもよい。
そして、図4および図5に示すように、袋状領域18が存在しない第2の非存在領域Cを挟んで、固着部形成領域Aと隣接する領域Bにおいて、第1の基材層連続体12aと第2の基材層連続体13aとを超音波接合機構100で超音波接合することで、隣接固着部形成領域Bを設ける。これによれば、製造工程中や吸収性物品製造後において、高吸収性樹脂14が吸収体10から飛散するのを防止することができる。ここで、第1の基材層連続体12aと第2の基材層連続体13aとにおいて、繰り出し方向を横切る方向における両端部に、袋状領域18が存在しない第1の非存在領域Dが定義されるようにしてもよい。これによれば、製造工程中や吸収性物品製造後において、高吸収性樹脂14が吸収体10から飛散するのを更に防止することができる。
この前記第2の非存在領域Cにおいて、少なくとも前記第1の基材層連続体と前記第2の基材層連続体とを切断機構500で切断することで、図2に示す吸収体10が形成される。
そして、この吸収体10を用いて、テープ止めタイプおむつ、パンツ型おむつ、尿取りパッド、軽失禁パッド、生理用パットなどの吸収性物品1を製造することができる。吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができる。
なお、上記実施形態に係る吸収性物品1の製造方法においては、袋状領域18が存在しない第2の非存在領域Cを挟んで、固着部形成領域Aと隣接固着部形成領域Bとを設けることとしたが、これに限定されず、袋状領域18が存在しない第2の非存在領域Cを挟まないで、固着部形成領域Aと隣接固着部形成領域Bとが直接隣接してもよい。
以下、実施例1〜3を用いて、比較例1〜3と対比することで、本実施形態にかかる発明をより具体的に説明する。
[測定方法]
実施例1〜3および比較例1〜3について、(1)〜(7)の項目について、下記の通りに測定を行った。
(1)比容積(SV)
吸収体の1枚当たりの厚さを坪量で割り、単位グラムあたりの容積cmとして、比容積を求めた。比容積の測定は、JIS−P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
(2)保水可能量(TWA:Total Water Absorbency)
保水可能量(TWA)は、以下のようにして求めた。まず、得られた吸収体を76×76mmの正方形の試験片に切断し、乾燥重量(W1)を測定する。その後、この試験片を蒸留水中に2分間浸漬した後、試験片の1つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態(RH100%)で吊るし、30分放置後の重量(W2)を測定する。(W2−W1)の値を算出し、この値を不織布シート1g当りに換算したものを保水量(TWAg/g)とする。
(3)剛性D
ティッシュソフトネス測定装置(TSA:Tissue Softness Analyzer)により測定されるものであって、試料台に設置した吸収体に対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での前記試料の上下方向の変形変位量を計測することで、変形変位量で表される。
(4)強度(TS7)
同様に、ティッシュソフトネス測定装置(TSA:Tissue Softness Analyzer)により測定されるものであって、TSAを用いた具体的な測定は、試料台に設置したウェッブ試料に対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、試料台の振動を振動センサで測定したとき、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度で表される。TSAソフトネス指数によるTS7値は、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度で表される。TS7値が低いと柔らかさが際立ち、TS7値が低いと硬い感触となる。
(5)吸収速度
重さ755.6gで中央に内径19mmの穴が設けられた底面積16.8cmの円筒形の測定治具を、吸収体中央上に置き、測定治具の上記穴から生理食塩水40ccを注入した。生理食塩水が吸収体に接触した時から測定治具の上記穴の縁に生理食塩水が完全に吸い込まれるまでの時間を計測することで、吸収速度を測定した。
(6)吸収量
あらかじめ重量を測定した吸収体を、生理食塩水に完全に浸かるように5分間浸漬させる。5分後、吸収体を金網の上において30秒水切りをして、吸収後の重量を測定し、吸収前後の重量差を計測することで、吸収量を測定した。
(7)丈夫さ
吸収体について、製造上のトラブルが無く、かつ、使用中のトラブルもなかったものを「○」とし、製造上のトラブルがやや有り、かつ、使用中のトラブルがないものを「△」とし、製造上のトラブルがあり、かつ、使用中のトラブルもあるものを「×」として評価した。
(8)風合い
20名のパネラーに対して、吸収体の柔らかさの評価を実施させた。この評価では、吸収体について、「柔らかい」の評価が15人以上から得られたものを「○」、「柔らかい」の評価が10人以上15人未満から得られたものを「△」、「柔らかい」の評価が10人未満から得られたものを「×」とした。
[実施例1]
実施例1の吸収体は、肌当接面側に配置される第1の基材層として、坪量25[g/m]のエアースルー不織布を用い、非肌当接面側に配置される第2の基材層として、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローンファイバを気層で一体化した不織布であって、木材パルプ繊維の含有率が73重量%の不織布を、21[cm]×9[cm]のサイズとした第1の基材層と第2の基材層との間に、散布領域面積が20[cm]×8[cm]、および、坪量が340[g/m]となるように高吸収性樹脂を配して、超音波接合によって、線状接合部を形成して、複数の袋状領域を設けることで作成した。測定の結果、第2の基材層は、比容積(SV)が12.5[cc/g]であり、保水可能量(TWA)が11.4[g/g]であり、剛性(D)が2.4[mm/N]であり、TSAソフトネス指数によるTS7値が7.8[dBVrms]であった。実施例1の吸収体は、吸収速度が34[秒]であり、吸収量は294[g]であるから、後述する比較例と対比して、良好な吸収性能を有していた。また、官能試験に関しては、「丈夫さ」は「○」であり、「風合い」も「○」と、後述する比較例と対比して、良好な結果が得られた。
[実施例2]
実施例2の吸収体は、肌当接面側に配置される第1の基材層として、坪量20[g/m]のエアースルー不織布を用い、非肌当接面側に配置される第2の基材層として、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローンファイバを気層で一体化した不織布であって、木材パルプ繊維の含有率が60重量%の不織布を、21[cm]×9[cm]のサイズとした第1の基材層と第2の基材層との間に、散布領域面積が20[cm]×8[cm]、および、坪量が340[g/m]となるように高吸収性樹脂を配して、超音波接合によって線状接合部を形成して、複数の袋状領域を設けることで作成した。測定の結果、第2の基材層は、比容積(SV)が9.2[cc/g]であり、保水可能量(TWA)が9.8[g/g]であり、TSAソフトネス指数による剛性(D)が1.8[mm/N]であり、TSAソフトネス指数によるTS7値が6.1[dBVrms]であった。実施例2の吸収体は、吸収速度が42[秒]であり、吸収量は245[g]であるから、後述する比較例と対比して、良好な吸収性能を有していた。また、官能試験に関しては、「丈夫さ」は「○」であり、「風合い」も「○」と、後述する比較例と対比して、良好な結果が得られた。
[実施例3]
実施例3の吸収体は、肌当接面側に配置される第1の基材層として、坪量45[g/m]のエアースルー不織布を用い、非肌当接面側に配置される第2の基材層として、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローンファイバを気層で一体化した不織布であって、木材パルプ繊維の含有率が80重量%の不織布を、21[cm]×9[cm]のサイズとした第1の基材層と第2の基材層との間に、散布領域面積が20[cm]×8[cm]、および、坪量が340[g/m]となるように高吸収性樹脂を配して、超音波接合によって線状接合部を形成して、複数の袋状領域を設けることで作成した。測定の結果、第2の基材層は、比容積(SV)が11.4[cc/g]であり、保水可能量(TWA)が12.5[g/g]であり、剛性(D)が2.5[mm/N]であり、TSAソフトネス指数によるTS7値が7.2[dBVrms]であった。実施例3の吸収体は、吸収速度が21[秒]であり、吸収量は322[g]であるから、後述する比較例と対比して、良好な吸収性能を有していた。また、官能試験に関しては、「丈夫さ」は「○」であり、「風合い」も「○」と、後述する比較例と対比して、良好な結果が得られた。
[比較例1]
比較例1の吸収体は、肌当接面側に配置される第1の基材層として、坪量25[g/m]のエアースルー不織布を用い、非肌当接面側に配置される第2の基材層として、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローンファイバを気層で一体化した不織布であって、木材パルプ繊維の含有率が45重量%の不織布を、21[cm]×9[cm]のサイズとした第1の基材層と第2の基材層との間に、散布領域面積が20[cm]×8[cm]、および、坪量が340[g/m]となるように高吸収性樹脂を配して、ホットメルト接着剤による接着によって、線状接合部を形成して複数の袋状領域を設けることで作成した。測定の結果、第2の基材層は、比容積(SV)が7.2[cc/g]であり、保水可能量(TWA)が5.5[g/g]であり、剛性(D)が1.5[mm/N]であり、TSAソフトネス指数によるTS7値が12.4[dBVrms]であった。比較例1の吸収体は、吸収速度が56[秒]であり、吸収量は184[g]であるから、前述の実施例と対比して、吸収性能に劣ったものであった。また、官能試験に関しては、「丈夫さ」は「○」であったが、「風合い」は「×」と、実施例と対比して、結果が劣っていた。
[比較例2]
比較例2の吸収体は、肌当接面側に配置される第1の基材層として、坪量20[g/m]のエアースルー不織布を用い、非肌当接面側に配置される第2の基材層として、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローンファイバを気層で一体化した不織布であって、木材パルプ繊維の含有率が75重量%の不織布を、21[cm]×9[cm]のサイズとした第1の基材層と第2の基材層との間に、散布領域面積が20[cm]×8[cm]、および、坪量が340[g/m]となるように高吸収性樹脂を配して、ホットメルト接着剤による接着によって、線状接合部を形成することで複数の袋状領域を設けることで作成した。測定の結果、第2の基材層は、比容積(SV)が11.8[cc/g]であり、保水可能量(TWA)が10.2[g/g]であり、剛性(D)が2.2[mm/N]であり、TSAソフトネス指数によるTS7値が9.3[dBVrms]であった。比較例2の吸収体は、吸収速度が48[秒]であり、吸収量は204[g]であるから、前述の実施例と対比して、吸収性能に劣ったものであった。また、官能試験に関しては、「丈夫さ」は「○」であったが、「風合い」は「△」と、実施例と対比して、結果が劣っていた。
[比較例3]
比較例3の吸収体は、肌当接面側に配置される第1の基材層として、坪量20[g/m]のエアースルー不織布を用い、非肌当接面側に配置される第2の基材層として、木材パルプ繊維に対して、ポリプロピレンメルトブローンファイバを気層で一体化した不織布であって、木材パルプ繊維の含有率が90重量%の不織布を、21[cm]×9[cm]のサイズとした第1の基材層と第2の基材層との間に、散布領域面積が20[cm]×8[cm]、および、坪量が340[g/m]となるように高吸収性樹脂を配して、ホットメルト接着剤による接着によって、線状接合部を形成することで複数の袋状領域を設けることで作成した。測定の結果、第2の基材層は、比容積(SV)が10.1[cc/g]であり、保水可能量(TWA)が11.5[g/g]であり、TSAソフトネス指数による剛性(D)が2.2[mm/N]であり、TSAソフトネス指数によるTS7値が8.4[dBVrms]であった。比較例3の吸収体は、吸収速度が28[秒]であり、吸収量は331[g]であるから、前述の実施例と対比して、吸収性能に劣ったものであった。また、官能試験に関しては、「風合い」は「○」であったが、「丈夫さ」は「×」と、実施例と対比して、結果が劣っていた。
[結 果]
表1に示す実施例1〜3および比較例1〜3によれば、超音波接合によって線状接合部を形成することで複数の袋状領域を設けることにより、吸収性能に優れた吸収体を得ることができ、優れた吸収性物品を得ることができるものであった。また、第2の基材層の比容積を8cc/g以上15cc/g以下であって、全水吸収力を8g/g以上14g/g以下とすることで、吸収性能、丈夫さおよび風合いに優れた吸収体を得ることができ、優れた吸収性物品を得ることができるものであった。また、第2の基材層の剛性を1mm/N以上3.5mm/N以下であって、TS7を5dBVrms以上12dBVrms以下とすることで、丈夫さおよび風合いに優れた吸収体を得ることができ、優れた吸収性物品を得ることができるものであった。
Figure 2017046788
以上、実施形態および実施例を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態および実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態および実施例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 吸収性物品
10 吸収体
12 第1の基材層
12a 第1の基材層連続体
13 第2の基材層
13a 第2の基材層連続体
14 高吸収性樹脂
16,16a〜16d 線形接合部
18 袋状領域
20 トップシート
30 バックシート
100 超音波接合機構
200 超音波付与部
202 超音波振動子
204 超音波ホーン
300 アンビル部
302 突状部材
400 高吸収性樹脂供給機構
500 切断機構
600,700 給送ローラ
A 固着部形成領域
B 隣接固着部形成領域
C,D 非存在領域
W ウエスト周り開口部
L 脚周り開口部

Claims (11)

  1. 液透過性の第1の基材層と、前記第1の基材層に対向配置された第2の基材層と、前記第1の基材層と前記第2の基材層との間に挟持された高吸収性樹脂と、を含む吸収体を備える吸収性物品であって、
    前記吸収体は、前記第1の基材層と前記第2の基材層とが超音波接合された第1の線形接合部と、前記第1の線形接合部と交差する第2の線形接合部と、を含み、
    少なくとも前記第1の線形接合部および前記第2の線形接合部によって定義された複数の袋状領域であって、前記高吸収性樹脂が配置される複数の袋状領域と、を備えることを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1記載の吸収性物品であって、
    前記吸収体は、さらに、前記第2の線形接合部に交差する第3の線形接合部と、前記第1の線形接合部および前記第3の線形接合部に交差する第4の線形接合部と、を備えることを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項1または2記載の吸収性物品であって、
    前記第1の基材層および前記第2の基材層は、不織布からなり、
    前記吸収体は、原料パルプを機械的処理により解繊したフラッフパルプを含有しないことを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品であって、
    前記高吸収性樹脂は、前記袋状領域で囲繞されることのみで、前記吸収体に固着されていることを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の吸収性物品であって、
    前記吸収体は、短手方向の両端部に袋状領域が存在しない第1の非存在領域を有し、長手方向の両端部に袋状領域が存在しない第2の非存在領域を有することを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の吸収性物品であって、
    前記第2の基材層は、前記高吸収性樹脂よりも吸収速度が速く、かつ、前記第1の基材層よりも保水可能量が大きいことを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の吸収性物品であって、
    前記第2の基材層は、比容積が8cc/g以上15cc/g以下であって、全水吸収力が8g/g以上14g/g以下であることを特徴とする吸収性物品。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載の吸収性物品であって、
    前記第2の基材層は、TSAソフトネス指数による剛性D値が1mm/N以上3.5mm/N以下であって、TSAソフトネス指数によるTS7値が5dBVrms以上12dBVrms以下であることを特徴とする吸収性物品。
  9. 高吸収性樹脂を挟んで、液透過性の第1の基材層連続体に第2の基材層連続体を対向配置する工程と、
    前記第1の基材層連続体と前記第2の基材層連続体とを超音波接合して第1の線形接合部と、前記第1の線形接合部と交差する第2の線形接合部と、を設けることで、少なくとも前記第1の線形接合部および前記第2の線形接合部によって定義され、前記高吸収性樹脂を内包する複数の袋状領域を有する固着部形成領域を設ける工程と、
    を備えることを特徴とする吸収性物品の製造方法。
  10. 請求項9記載の吸収性物品の製造方法であって、
    前記第1の基材層連続体と前記第2の基材層連続体とを更に繰り出し、
    前記袋状領域が存在しない第2の非存在領域を挟んで、前記固着部形成領域と隣接する領域において、前記第1の基材層連続体と前記第2の基材層連続体とを超音波接合することで隣接固着部形成領域を設ける工程と、
    前記第2の非存在領域において、少なくとも前記第1の基材層連続体と前記第2の基材層連続体とを切断する工程と、
    を更に備えることを特徴とする吸収性物品の製造方法。
  11. 請求項9記載の吸収性物品の製造方法であって、
    前記第1の基材層連続体と前記第2の基材層連続体とに、繰り出し方向を横切る方向における両端部に、前記袋状領域が存在しない第1の非存在領域を有することを特徴とする吸収性物品の製造方法。
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