JP2017043681A - インクジェット捺染用インク、オーバーコート剤、インクジェット捺染方法、及びインクジェット捺染物 - Google Patents

インクジェット捺染用インク、オーバーコート剤、インクジェット捺染方法、及びインクジェット捺染物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐光性、耐水性が優れる顔料インクを用い、布帛自身の持つ風合いを損なうことなく、高い摩擦堅牢度を有する捺染物が得られるインクジェット捺染用インクを提供する。【解決手段】顔料と、この顔料と混合されるポリエステル系バインダー樹脂と、このポリエステル系バインダー樹脂を架橋する架橋剤と、を、20℃の環境における蒸気圧が1hPa以下の水溶性の有機溶媒に溶かしてインクジェット捺染用インクを作製する。【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット捺染用、オーバーコート剤、インクジェット捺染方法、及びインクジェット捺染物に関する。
現在、インクジェットを利用した捺染には、染料インクを使用するものと、顔料インクを使用するものがある。染料インクを使用した捺染は、各色に対応する色素化合物があるために色調の優れた鮮明な図柄を布帛上に表現することができるという利点がある。しかし、染料インクには、繊維に対するより強い定着性が要求されている。この要求に応えるため、染料インクによる捺染では、染色工程後、染料インクに含まれる染料に応じた方法で後処理を施す必要がある。
後処理は、工程数や捺染物製造のコストの増加につながって生産性の観点から不利である。また、後処理の工程には廃液処理が不可欠であるので、環境汚染に対して考慮する必要が生じる。
一方、顔料インクは、染料インクに比べて色調や鮮明性等に劣るものの、顔料自身の耐光性、耐水性が染料よりも優れている。また、顔料インクを用いたインクジェット染色は、染料インクよりも定着性に優れるため、布帛に対する煩雑な後処理が不要であるという利点がある。このようなことから、現在、顔料インクを用いるインクジェット捺染方法が注目されている。
また、インクジェットによる捺染で使用される顔料インクは、印刷時にはインクジェットのノズルが詰まりを起こさず、印刷後に硬化して布帛に定着することが望ましい。このような目的を持った顔料インクとしては、紫外線の照射をトリガーとして架橋を開始する紫外線硬化型の顔料インクが公知になっている。紫外線の照射をトリガーとする顔料インクは、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の顔料インクに紫外線硬化性を付与する部剤は、三官能以上のアクリレートである。
特公平5−54667号公報
しかしながら、捺染物のインク堅牢度の評価基準には、対候性、耐水性、汗堅牢度の他に、摩擦堅牢度がある。摩擦堅牢度とは、捺染物の顔料が摩擦によって色移り等する程度を示すものである。現在、顔料インクを用いた前処理フリーのインクジェット捺染が行われているが、十分な摩擦堅牢度が得られていないのが現状である。つまり、顔料インクには、捺染において耐光性、汗堅牢度は性能を満たしているものの、摩擦堅牢度については更なる改善が求められている。
また、特許文献1に記載の顔料インクは、顔料インクの大部分が硬化成分である。このため、特許文献1に記載の発明は、布帛表面に盛り上がりが生じ、ゴワゴワ感のある捺染物しか得ることできなかった。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、耐光性、耐水性が優れる顔料インクを用い、布帛自身の持つ風合いを損なうことなく、高い摩擦堅牢度を有する捺染物が得られるインクジェット捺染用インク、オーバーコート剤、インクジェット捺染方法、及びインクジェット捺染物を提供することを目的とする。
本発明の一態様のインクジェット捺染用インクは、顔料と、当該顔料と混合されるポリエステル系バインダー樹脂と、当該ポリエステル系バインダー樹脂を架橋する架橋剤と、20℃の環境における蒸気圧が1hPa以下であって、前記顔料、前記ポリエステル系バインダー樹脂及び前記架橋剤を溶かす水溶性の有機溶媒と、を少なくとも含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様のインクジェット捺染用インクは、上記態様において、前記架橋剤が、加熱されて架橋を開始する熱硬化型の架橋剤であることを特徴とする。
また、本発明の一態様のインクジェット捺染用インクは、上記態様において、前記ポリエステル系バインダー樹脂が、水溶性有機溶媒に可溶な非結晶性ポリエステル樹脂であり、平均分子量が2000以上であることを特徴とする。
また、本発明の一態様のインクジェット捺染用インクは、上記態様において、前記架橋剤が、水溶性有機溶媒に可溶であり、芳香族ジイソシアネートを用いたブロックイソシアネートであることを特徴とする。
本発明の一態様のオーバーコート剤は、上記いずれか1つに記載のインクジェット捺染用インクを用いて捺染された布上に塗布されるオーバーコート剤であって、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びシリコーン系樹脂のいずれか1つ、または複数を組合せた樹脂材と、前記樹脂材を架橋する架橋剤と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様のオーバーコート剤は、上記態様において、前記架橋剤が、加熱されて架橋を開始する熱硬化型の架橋剤であることを特徴とする。
本発明の一態様のインクジェット捺染方法は、上記のインクジェット捺染用インクをインクジェットによって布上に塗布する第1工程と、前記第1工程によって塗布されたインクジェット捺染用インクに含まれる架橋材を架橋させる第2工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様のインクジェット捺染方法は、上記態様において、前記第1工程よりも後に、上記オーバーコート剤を塗布する第3工程をさらに含むことを特徴とする。
本発明の一態様のインクジェット捺染物は、インクジェットから吐出されたインクジェット捺染用インクによって捺染されたインクジェット捺染物であって、前記インクジェット捺染用インクは、該インクジェット捺染用インクの全固形成分を100とした場合、顔料と混合されるポリエステル系バインダー樹脂を28.1質量%以上、44.4質量%以下、前記ポリエステル系バインダー樹脂を架橋する架橋剤を8.4質量%以上、17.8質量%以下、顔料を25.0質量%以上、40.0質量%以下、分散剤を12.9質量%以上、20.6質量%以下含むことを特徴とする。
本発明によれば、耐光性、耐水性が優れる顔料インクを用い、布帛自身の持つ風合いを損なうことなく、高い摩擦堅牢度を有する捺染物が得られるインクジェット捺染用インク、オーバーコート剤、インクジェット捺染方法、及びインクジェット捺染物を提供することができる。
本発明の第1実施形態のインクジェット捺染方法を説明するための工程図である。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
(第1実施形態)
インクジェット捺染用インク
第1実施形態のインクジェット捺染用インクは、顔料と、この顔料と混合されるポリエステル系バインダー樹脂と、このポリエステル系バインダー樹脂を架橋する架橋剤と、20℃の環境における蒸気圧が1hPa以下であって、顔料、ポリエステル系バインダー樹脂及び架橋剤を溶かす水溶性の有機溶媒と、を少なくとも含んでいる。
第1実施形態のインクジェット捺染用インクは、上記した部剤の他、分散体等を含んでいる。また、第1実施形態のインクジェット捺染用インクには、水が含まれていない。なお、本明細書において「水が含まれていない」の文言は、意図的に水を加えていないことを指す。インクジェット捺染用インクには、水を加えなくとも、有機溶剤に大気中等から水が入ることが考えられるが、このような水の量は、インクジェット捺染用インクの1%以下であると考えられる。このため、本明細書では、インクジェット捺染用インクが1%以下の水を含む状態を、水を含まないものとみなす。
以下、顔料、ポリエステル系バインダー樹脂、架橋剤及び有機性溶媒の各々について詳細に説明する。
<顔料>
第1実施形態の顔料は、特に限定されるものではない。顔料は、例えば、赤色(Red)として、C.I.No.9,97,122,123,149,168,177,180,192,215等、緑色(Green)としては、C.I.No.7,36であり、青色(Blue)として、C.I.No.15,22,60,64、黄色(Yellow)として、C.I.No.12,20,24,83,86,109,110,117,125,150等、バイオレット(Violet)として、C.I.No.19,23,29,30,37,40,50等、ブラックとして、C.I.No.6,7,27,28等が一般的に用いられる。
上記顔料は、一種のみでもまたは複数種混ぜ合わせて使用してもよく、捺染物のカラーマネジメントのため等、必要に応じて任意の顔料を2〜3点混ぜ合わせて調整することもできる。顔料の一次粒子径は0.3μm以下、更には、0.1μm以下が好ましい。
<顔料分散体>
インクジェット捺染用インクは、上記顔料を分散させるために顔料分散体を含んでいる。顔料分散体は、予め上記顔料と全使用量の一部の溶剤中で混合されて顔料に分散性を付与する。分散性が付与された顔料を顔料分散体と記す。顔料分散体は、高濃度の顔料分散液である。
顔料分散体は、他の配合成分と共に残部の溶剤中に投入されて混合され、インク組成物となる。顔料分散体を調製するためには、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような顔料を分散させやすい溶剤を用いる必要がある。
顔料分散に用いる主溶剤は、以下に示すような溶剤の中から選んで用いることができる。溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールオリゴマーエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールオリゴマーエーテルエステル類;酢酸、2−エチルヘキサン酸、無水酢酸のような脂肪族カルボン酸類またはその酸無水物;酢酸エチル、安息香酸プロピルのような脂肪族または芳香族エステル類;炭酸ジエチルのようなジカルボン酸ジエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチルのようなアルコキシカルボン酸エステル類;アセト酢酸エチルのようなケトカルボン酸エステル類;クロロ酢酸、ジクロロ酢酸のようなハロゲン化カルボン酸類;エタノール、イソプロパノール、フェノールのようなアルコール類またはフェノール類;ジエチルエーテル、アニソールのような脂肪族または芳香族エーテル類;2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類;ジエチレングリコール、トリプロピレングリコールのようなグリコールオリゴマー類;2−ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミンのようなアミノアルコール類;2−エトキシエチルアセテートのようなアルコキシアルコールエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;N−エチルモルホリン、フェニルモルホリンのようなモルホリン類;ペンチルアミン、トリペンチルアミン、アニリンのような脂肪族または芳香族アミン類がある。
また、顔料分散時の主溶剤として使用できる溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、及び、コハク酸ジエチル等を例示することができる。
これらの溶剤は、顔料の分散性、分散安定性も比較的良好であり、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような従来から顔料分散体の調製に用いられている溶剤と混合し或いは混合せずそのまま分散溶剤として用い、顔料分散体を調製することができる。
顔料分散剤は、顔料を良好に分散させるためにインク組成物中に必要に応じて配合される。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
すなわち、高分子分散剤には、キシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類等の高分子界面活性剤が好ましく用いられる。
<ポリエステル系バインダー樹脂>
ポリエステル系バインダー樹脂は、水溶性有機溶媒に可溶な非結晶性ポリエステル樹脂であり、平均分子量が2000以上である。ポリエステル系バインダー樹脂の平均分子量が不足すると、樹脂が顔料インクを包み込むことができないので、インクジェット捺染用インクの堅牢度や被膜強度が不足する。
さらに、ポリエステル系バインダー樹脂は、平均分子量の条件に加え、ガラス転移温度が20℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が高いということは、樹脂として硬いことを意味している。硬い樹脂は、布帛の手触りを硬くし、繊維の被膜性が不十分になるおそれがある。
また、ポリエステル系バインダー樹脂は、バインダー成分全量に対して、50〜100質量%の割合で含まれることがより好ましい。
このようなポリエステル系バインダー樹脂としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコールからなる共重合体を用いることができる。多価カルボン酸、多価アルコールからなる共重合体としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチルー1,3−プロパンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ポリカプロラクトンポリオール、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、ピメリン酸がある。
ポリエステル系バインダー樹脂は、それ自体は重合反応性のない樹脂、及び、それ自体が重合反応性を有する樹脂のいずれを用いてもよく、また、2種以上のバインダーを組み合わせて 用いてもよい。バインダー成分を主体とし、必要に応じて、多官能のモノマーやオリゴマー、単官能のモノマーやオリゴマー、熱により反応を開始する架橋剤を配合して、熱架橋性バインダー系を構成する。
上記ポリエステル系バインダー樹脂は、顔料分散性を低下させないことが必要条件である。上記ポリエステル系バインダー樹脂は、顔料分散時に分散樹脂として添加するか、または、分散後の顔料ペーストに添加する。
さらに、その他のバインダー成分としては、耐熱性を有し、上記ポリエステル系バインダー樹脂との相溶性がよい、例えば、界面活性剤、有機顔料の中間体、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等も必要に応じて適宜使用される。
<架橋剤>
第1実施形態は、架橋剤として、加熱されて架橋を開始する熱硬化型の架橋剤を用いた。第1実施形態では、熱硬化型の架橋剤を、50℃以下では架橋せず、80℃以上、100℃以下の範囲で架橋を開始するものとした。
また、第1実施形態の架橋剤は、上記熱硬化型であると共に、水溶性有機溶媒に可溶であり、芳香族ジイソシアネートを用いたブロックイソシアネートである。
このような架橋剤としては、芳香族ジイソシアネートからなるブロックイソシアネートが好ましく、例えば、下記のジフェニルメタンジイソシアネートのブロック体がある。
Figure 2017043681
また、架橋剤としては、下記の2,6−トルエンジイソシアネートのブロック体がある。
Figure 2017043681
さらに、架橋剤としては、下記の2,4−トルエンジイソシアネートのブロック体等が好ましい。
Figure 2017043681
このような架橋剤は、いずれもポリエステル系バインダー樹脂に対し、5〜50%の割合で含有されることが好ましい。
なお、第1実施形態は、架橋剤を熱硬化型のものに限定するものではない。第1実施形態の架橋剤は、摩擦堅牢度や繊維の手触り、さらには工程にかかる時間といった他の条件を満たす限り、紫外線照射等の他のエネルギーの供給をトリガーとして架橋を開始するものであってもよい。
<有機溶媒>
第1実施形態に用いられる水溶性の有機溶媒は、特に限定されるものではなく、使用される顔料、バインダー、インクに要求される品質等に応じて選択することができる。水溶性の有機溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチルグリコール、乳酸ブチル、等が挙げられる。以上の有機溶媒は、二種類以上を混合して用いることもできる。
以上説明した第1実施形態によれば、顔料を柔軟に包み込み、繊維被膜性が良好なインクジェット捺染用インクを実現することができる。このため、第1実施形態は、インクジェット捺染用インクの摩擦堅牢度を高めることができる。さらに、繊維被膜性が良好なインクジェット捺染用インクは、インクジェット捺染用インクが塗布された布帛表面の風合いを損なうことがない。
さらに、第1実施形態のインクジェット捺染用インクは、常温で長期保存ができ、常温で揮発しにくいため、インクジェットに適用した場合の吐出安定性に優れている。
また、熱硬化型の架橋剤は、活性となった際の安定性が高い芳香族ジイソシアネートからなるブロックイソシアネートである。このため、第1実施形態は、樹脂を効率よく架橋することができる。
以上説明したように、第1実施形態のインクジェット捺染用インクは、高い摩擦堅牢度を有している。さらに、第1実施形態は、上記したインクジェット捺染用インク上にオーバーコート剤を塗布することにより、インクジェット捺染用インクの摩擦堅牢度をいっそう高めることができる。
以下、このようなオーバーコート剤について説明する。
オーバーコート剤
第1実施形態のオーバーコート剤は、上記した第1実施形態のインクジェット捺染用インクを用いて捺染された布上に塗布される。第1実施形態のオーバーコート剤は、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びシリコーン系樹脂のいずれか1つ、または複数を組合せた樹脂材と、樹脂材を架橋する架橋剤と、を含む。また、第1実施形態では、架橋剤を、加熱されて架橋を開始する熱硬化型の架橋剤とした。
<ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂>
第1実施形態のオーバーコート剤には、公知の繊維処理剤を使用することができる。ただし、オーバーコート剤として特に好ましい繊維処理剤の組合せは、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びシリコーン系樹脂のいずれか一つ、または複数の樹脂を組み合わせたものと、架橋剤とを組合せた水分散体である。「樹脂材」の文言は、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びシリコーン系樹脂のうちの複数を組み合わせたものを指す。
オーバーコート剤に使用されるポリエステル系樹脂は、水溶性もしくは水分散性ポリエステルであればよく、スルホン酸を含有したものであってもよい。水を溶剤とする合成樹脂エマルジョンの形態をとるものであってもよい。また、ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂に若干の親水基または親水性セグメントを付与して自己分散型にしたものであってもよい。さらに、シリコーン系樹脂としては、ベースとなるシリコーンがゴム系、エポキシタイプ、アミノタイプのいずれのものであってもよい。
<架橋剤>
架橋剤としては、加熱することによって架橋を開始する熱硬化型の架橋剤が好ましい。第1実施形態では、オーバーコート剤の架橋剤として、例えば、ブロックポリイソシアネートの水分散体、またはグリオキザール樹脂の水分散体を使用することができる。
第1実施形態のオーバーコート剤は、布の風合いを損ねないために、インクジェット捺染用インクが塗布された布帛の表面に薄く均一に塗布することが好ましい。このために、オーバーコート剤の総固形分は、1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましい。総固形分が1質量%未満である場合は、布へなじみやすく、塗布した際に瞬時に染み込み、表面に留まりにくくなり、オーバーコート剤としての役割を十分に果たせなくなるおそれがある。一方、10質量%を超えると、粘度が高くなる傾向にあり、塗布量が不均一になりやすく、単位面積あたりの塗布量が多くなり、風合いを悪化するおそれがある。
なお、1〜10質量%のオーバーコート剤の総固形分のうち、第1実施形態では、樹脂が7.0質量%〜9.5質量%の範囲、架橋剤が0.5質量%〜3.0質量%の範囲であることが好ましい。
以上説明した第1実施形態のオーバーコート剤によれば、布への追従性に優れ、布の風合いを損ねない柔軟な塗膜を形成することができる。そして、このような塗膜でインクジェット捺染用インクをカバーすることにより、インクジェット捺染用インクの摩擦堅牢度をいっそう高めることができる。
インクジェット捺染方法
次に、第1実施形態のインクジェット捺染方法について説明する。
図1(a)から図1(f)は、第1実施形態のインクジェット捺染方法を説明するための工程図である。図1に示したように、第1実施形態のインクジェット捺染方法は、上記したインクジェット捺染用インクをインクジェットによって布上に塗布する工程(図1(a)、(b))と、塗布されたインクジェット捺染用インクに含まれる架橋材を架橋させる工程(図1(c)、(f))と、を含んでいる。
第1実施形態のインクジェット捺染方法においては、例えば、インクジェット捺染用インクを装填したプリンター等により、インクジェットヘッド1に設けられた複数のインクジェットノズル2からデジタル信号に基づいてインクジェット捺染用インクを液滴11として吐出させ記録媒体13に付着させることで、インクジェットプリントが得られる。
インクジェット画像記録媒体としては、特に限定されるものではなく、特に、木綿、絹、麻、レーヨン、羊毛、ポリエステル、ジアセテート、トリアセテート、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリウレタン等、が好ましい。
図1(a)に示したように、第1実施形態では、インクジェットヘッド1が、複数のインクジェットノズル2からインクジェット捺染用インクの液滴11を記録媒体13上に吐出する。インクジェット捺染用インクの塗布により、図1(b)のように、記録媒体13上にインクジェット捺染用インク層111が形成される。図1(b)に示した記録媒体13上に形成されたインクジェット捺染用インク層111は、乾燥及び熱架橋されることによって捺染物となる。図1(c)において、熱架橋後のインクジェット捺染用インク層に112の符号を付して示す。
さらに、第1実施形態は、図1(c)に示したインクジェット捺染用インク層111上に上記したオーバーコート剤15を塗布する工程をさらに含むものとする(図1(d)、(e)、(f))。
なお、第1実施形態では、オーバーコート剤15を塗布する工程がインクジェット捺染用インクの塗布後であればよく、塗布直後のインクジェット捺染用インク層111上にオーバーコート剤を塗布するものであっても(図1(d))、熱架橋後のインクジェット捺染用インク層112にオーバーコート剤15を塗布するものであってもよい(図1(e))。図1(d)、図1(e)に示したオーバーコート剤15は、図1(f)に示すように、後に乾燥及び熱架橋することによってオーバーコート層151となる。
第1実施形態は、親水性を有する有機溶媒を用いたインクジェット捺染用インク上に水分散されたオーバーコート剤を塗布している。このような構成は、インクジェット捺染用インク層とオーバーコート剤の層とが混ざることがないので、インクジェット捺染表インクの塗布後、インクジェット捺染用インクを乾燥させることなくオーバーコート剤を塗布することができる。このような第1実施形態は、塗布にかかる時間が染料インクに比べて短いという顔料インクの特長を生かすことができる。
上述した記録媒体の素材あるいは形状は、特に限定されるものではなく、例えば、シート状に形成されたもの以外に立体的な構造を有するものであってもよい。長尺の布に長時間連続で印字する場合等は、印字後に巻き取り操作が必要となる場合がある。この操作時には、布と布が重なって互いを汚してしまうことを防ぐことが必要になる場合がある。また、第1実施形態では、プリンターに乾燥ユニットを導入し、インクを乾燥させて巻き取りをすることができる。ただし途中で切断する場合や短い布に対しては必ずしも記録媒体を巻き取る必要はない。
以上説明したように、第1実施形態のインクジェット捺染用インクは、インク吐出後、またはインク吐出後の布にオーバーコート剤を塗布した後、印字、または印字及びオーバーコート塗布された記録媒体に加熱工程を付与することが望ましい。インクジェット捺染において、インクを記録媒体に印字し、放置して乾燥するだけではインクは記録媒体に固着せず、加熱工程によりインクに含まれる架橋剤を活性化し、樹脂と架橋して記録媒体に固着される。加熱方法としては、熱風循環式オーブン等が適応できる。加熱温度と加熱時間は、インクジェット捺染用インクに使用する架橋剤、またはオーバーコート剤に使用する架橋剤の反応温度と反応速度に適した設定をする。
加熱工程においては、加熱温度が低い、または、加熱時間が少ないと顔料の記録媒体への固着が不十分となり、摩擦堅牢度が低くなってしまう。また、加熱温度が高い、または、加熱時間が長すぎる場合は、記録媒体としての布が熱収縮したり、風合いが悪化することがあり好ましくない。
第1実施形態のオーバーコート剤は、インクジェット捺染用インクを単独で記録媒体上に吐出し、熱架橋させた場合に、摩擦堅牢度が目標に満たない場合、インクジェット捺染インク吐出工程の後に、オーバーコート剤を塗布することができる。また、インクジェット捺染用インク吐出工程後は、必ずしも乾燥及び熱架橋工程を経ることなく、連続してオーバーコート剤を塗布することができる。インクジェット捺染用インクは水溶性有機溶媒系であり、オーバーコート剤は水分散系であるため、両者の界面は、適度ななじみがあるものの、混合することなく、一連の簡便な工程で、印字及びオーバーコート剤の各機能を付与することができる。
第1実施形態のインクジェット捺染方法では、上記のように、インクジェット捺染用インクを吐出し、必要に応じてオーバーコートを施し、加熱工程を経ることにより、目的の捺染物が得られる。このような第1実施形態のインクジェット捺染方法によれば、簡便な工程で、高い摩擦堅牢度を有する捺染物を得ることができる。また、第1実施形態のインクジェット塗布工程の後に、オーバーコート剤を塗布する工程を有するインクジェット捺染方法によれば、簡便な工程で、必要に応じて摩擦堅牢度をさらに向上させることができる。
インクジェット捺染物
第1実施形態のインクジェット捺染物は、記録媒体となる布上に図1(c)に示したように、インクジェット捺染用インク層が形成される。第1実施形態のインクジェット捺染用インクは、インクジェット捺染用インクの全固形成分を100とした場合、顔料と混合されるポリエステル系バインダー樹脂を28.1質量%以上、44.4質量%以下、ポリエステル系バインダー樹脂を架橋する架橋剤を8.4質量%以上、17.8質量%以下、顔料を25.0質量%以上、40.0質量%以下、分散剤を12.9質量%以上、20.6質量%以下含む。
Figure 2017043681
表1は、第1実施形態のインク組成とその適量の範囲についてまとめて示した表である。表1に示したインクの各組成は、インクジェット捺染用インクの全固形成分を100とした場合の割合を%で表したものである。
表1によれば、上記したように、非晶質ポリエステルバインダーの適量の範囲を28.1質量%以上、44質量%以下とした。第1実施形態のインクでは、ポリエステル系バインダー樹脂がこの範囲に満たないと、樹脂が顔料を充分被覆することができず、摩擦堅牢度が低下する。また、ポリエステル系バインダー樹脂がこの範囲を超過すると、基材となる布に対する濡れ性や広がりが悪化し、布上でインクが弾かれる、あるいはインク成分が凝集するといった形で外観不良が生じる。
また、第1実施形態では、架橋剤の適量の範囲を8.4質量%以上、17.8質量%以下とした。第1実施形態のインクでは、架橋剤がこの範囲に満たないと、樹脂の架橋が不十分になって摩擦堅牢度が低下する。また、架橋剤がこの範囲を超過すると、架橋剤が有機溶媒に飽和し、インク内において溶け残ることが考えられる。
また、第1実施形態では、顔料分散液のうち、顔料の適量の範囲を25.0質量%以上、40.0質量%以下とした。第1実施形態のインクでは、顔料がこの範囲に満たないと、分散液中の樹脂の相対的な割合が増加することによって基材となる布に対する濡れ性や広がりが悪化し、布上でインクが弾かれる、あるいはインク成分が凝集するといった形で外観不良が生じる。また、顔料がこの範囲を超過すると、分散液中の樹脂の相対的な割合が減少することによって顔料を充分被覆することができず、摩擦堅牢度が低下する。
さらに、第1実施形態では、顔料分散液のうち、分散液の適量の範囲を12.9質量%以上、20.6質量%以下とした。第1実施形態のインクでは、分散液がこの範囲に満たないと、分散性が低下して顔料の凝集や粘度増加といった不具合が生じる。また、分散液も樹脂であるから、分散液がこの範囲を超過すると、顔料分散液中の樹脂の相対的な割合が増加する。このため、分散液の適量な範囲の超過は、布に対する濡れ性や広がりを悪化させ、布上でインクが弾かれる、あるいはインク成分が凝集するといった形で外観不良を生じさせる。
本発明の発明者らは、本発明のインクジェット捺染インクの特性を調べるため、第1実施例から第4実施例のインクジェット捺染用インクを製造した。また、本発明の発明者らは、第1実施例から第4実施例のインクジェット捺染用インクの特性と比較するために第1比較例から第3比較例のインクジェット捺染用インクを製造した。以下、第1実施例から第4実施例及び第1比較例から第3比較例のインクジェット捺染用インクについて説明する。
(共通の条件)
第1実施例から第4実施例のインクジェット捺染用インク及び第1比較例から第3比較例のインクジェット捺染用インクは、顔料と、この顔料と混合されるポリエステル系バインダー樹脂と、このポリエステル系バインダー樹脂を架橋する架橋剤と、20℃の環境における蒸気圧が1hPa以下であって、顔料、ポリエステル系バインダー樹脂及び架橋剤を溶かす水溶性の有機溶媒と、を含んでいる。
第1実施例から第4実施例及び第1比較例から第3比較例のインクジェット捺染用インクの顔料は、以下の通りである。
C.I.Pigment Yellow 150(P.Y.150)
C.I.Pigment Red 122(P.R.122)
C.I.Pigment Blue 15:4(P.B.15:4)
C.I.Pigment Blue Black 7(P.Bl.7)
また、第1実施例から第4実施例及び第1比較例から第3比較例では、上記顔料に、添加剤として高分子界面活性剤を添加し、溶媒としてエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを用いて顔料分散液とした。
また、本発明の発明者らは、第1実施例から第4実施例及び第1比較例から第3比較例の摩擦堅牢度の試験を行った。摩擦堅牢度の試験は、JIS L 0849に準拠した学振試験によって行った。試験においては、学振型摩擦堅牢度試験機RT−300を用い、2N(200g)の荷重で100回往復摩擦し、基材を擦った後の添付白布表面の汚れをX−Rite測定機530JPを用いてD65光源下のXYZ座標の色を測定し、計器法によって摩擦堅牢度を算出した。この試験では、級の数が大きいほど摩擦堅牢度が高いことを示し、摩擦堅牢度が4級以上である場合にインクジェット捺染用インクの摩擦堅牢度が合格であると判定した。
(第1実施例)
第1実施例のインクジェット捺染用インクは、主なバインダー樹脂である重量平均分子量7000でガラス転移温度が15℃の非晶性ポリエステル樹脂、及び前記したジフェニルメタンジイソシアネートのブロック体であるブロックイソシアネートを、水溶性有機溶媒カルビトールアセテートに溶解させ、シアン顔料分散液を添加することによって調製された。この調製により、第1実施例のインクジェット捺染用インクでは、バインダー成分全量に対して上記ポリエステル樹脂が73.3質量%、上記イソシアネートが上記ポリエステル樹脂に対して40質量%の割合になった。
また、第1実施例では、ポリエステル系樹脂を0.2質量%、ポリウレタン系樹脂を0.5質量%、シリコーン樹脂を1.0質量%、さらに架橋剤としてオキザール樹脂0.2質量%を、純水で希釈して攪拌し、固形分濃度2.0%のオーバーコート剤を調製した。
また、第1実施例では、上記インクジェット捺染用インクをインクジェット装置で布上に吐出し、オーバーコート層無しの捺染物と、上記オーバーコート層付きの捺染物を作製した。オーバーコート層無しの場合、捺染物をオーブンで130℃×10分加熱し、オーバーコート層付きの場合、捺染物をオーブンで150℃×15分加熱し、架橋を完結させた。オーバーコート剤の塗布量は、布の風合いを損ねないよう、2g/m程度とした。
第1実施例では、上記捺染物について、乾式及び湿式にて摩擦堅牢度を評価した。オーバーコート層無しでの摩擦堅牢度は、乾式で3級、湿式で4級となり、目標の4級にわずかに満たなかった。オーバーコート層付きの摩擦堅牢度は、乾式で4級、湿式で5級となり、目標の4級を達成した。
(第2実施例)
第2実施例のインクジェット捺染用インクは、主なバインダー樹脂である重量平均分子量23000でガラス転移温度が7℃の非晶性ポリエステル樹脂、及び前記したジフェニルメタンジイソシアネートのブロック体であるブロックイソシアネートを、水溶性有機溶媒カルビトールアセテートに溶解させ、シアン顔料分散液を添加することによって調製された。この調製により、第2実施例のインクジェット捺染用インクでは、バインダー成分全量に対して上記ポリエステル樹脂が73.3質量%、上記イソシアネートが上記ポリエステル樹脂に対して40質量%の割合になった。
また、第2実施例では、上記インクジェット捺染用インクをインクジェット装置で布上に吐出し、オーバーコート層無しの捺染物と、第1実施例に記載の組成のオーバーコート層付きの捺染物を作製した。オーバーコート層無しの場合、捺染物をオーブンで130℃×10分加熱し、オーバーコート層付きの場合、捺染物をオーブンで150℃×15分加熱し、架橋を完結させた。オーバーコート剤の塗布量は、布の風合いを損ねないよう、2g/m程度とした。
第2実施例では、上記捺染物について、乾式及び湿式にて摩擦堅牢度を評価した。オーバーコート層無しでの摩擦堅牢度は、乾式で4級、湿式で4級となり、目標の4級を達成した。オーバーコート層付きの摩擦堅牢度は、乾式で4−5級、湿式で5級と、さらに向上し、目標の4級を達成した。
(第3実施例)
第3実施例のインクジェット捺染用インクは、主なバインダー樹脂である重量平均分子量6000でガラス転移温度が10℃の非晶性ポリエステル樹脂、及び前記したジフェニルメタンジイソシアネートのブロック体であるブロックイソシアネートを、水溶性有機溶媒カルビトールアセテートに溶解させ、シアン顔料分散液を添加することによって調製された。この調製により、第3実施例のインクジェット捺染用インクは、バインダー成分全量に対して上記ポリエステル樹脂が73.3質量%、上記イソシアネートが上記ポリエステル樹脂に対して40質量%の割合になった。
また、第3実施例では、上記インクジェット捺染用インクをインクジェット装置で布上に吐出し、オーバーコート層無しの捺染物と、第1実施例に記載の組成のオーバーコート層付きの捺染物を作製した。オーバーコート層無しの場合、捺染物をオーブンで130℃×10分加熱し、オーバーコート層付きの場合、捺染物をオーブンで150℃×15分加熱し、架橋を完結させた。オーバーコート剤の塗布量は、布の風合いを損ねないよう、2g/m程度とした。
上記捺染物について、乾式及び湿式にて摩擦堅牢度を評価した。オーバーコート層無しでの摩擦堅牢度は、乾式で3級、湿式で4−5級となり、目標の4級にわずかに満たなかった。オーバーコート層付きの摩擦堅牢度は、乾式で4級、湿式で5級となり、目標の4級を達成した。
(第4実施例)
第4実施例のインクジェット捺染用インクは、主なバインダー樹脂である重量平均分子量4000でガラス転移温度が−55℃の非晶性ポリエステル樹脂、及び前記したジフェニルメタンジイソシアネートのブロック体であるブロックイソシアネートを、水溶性有機溶媒カルビトールアセテートに溶解させ、シアン顔料分散液を添加することによって調製された。この調製により、第4実施例のインクジェット捺染用インクでは、バインダー成分全量に対して上記ポリエステル樹脂が82.9質量%、上記イソシアネートが上記ポリエステル樹脂に対して30質量%の割合になった。
第4実施例では、上記インクジェット捺染用インクをインクジェット装置で布上に吐出し、オーバーコート層無しの捺染物と、第1実施例に記載の組成のオーバーコート層付きの捺染物を作製した。オーバーコート層無しの場合、捺染物をオーブンで130℃×10分加熱し、オーバーコート層付きの場合、捺染物をオーブンで150℃×15分加熱し、架橋を完結させた。オーバーコート剤の塗布量は、布の風合いを損ねないよう、2g/m程度とした。
第4実施例では、上記捺染物について、乾式及び湿式にて摩擦堅牢度を評価した。オーバーコート層無しでの摩擦堅牢度は、乾式で3級、湿式で4級となり、目標の4級にわずかに満たなかった。オーバーコート層付きの摩擦堅牢度は、乾式で4級、湿式で4−5級となり、目標の4級を達成した。
(第1比較例)
第1比較例のインクジェット捺染用インクは、主なバインダー樹脂である重量平均分子量23000でガラス転移温度が7℃の非晶性ポリエステル樹脂、及び架橋剤としてメラミン化合物を、水溶性有機溶媒カルビトールアセテートに溶解させ、シアン顔料分散液を添加することによって調製された。この調製により、第1比較例のインクジェット捺染用インクでは、バインダー成分全量に対して、上記ポリエステル樹脂が82.9質量%、上記イソシアネートが上記ポリエステル樹脂に対して50質量%の割合になった。
また、第1比較例では、上記インクジェット捺染用インクをインクジェット装置で布上に吐出し、オーバーコート層無しの捺染物と、第1実施例に記載の組成のオーバーコート層付きの捺染物を作製した。オーバーコート層無し、有り、それぞれの捺染物をオーブンで160℃×15分加熱し、架橋を完結させた。オーバーコート剤の塗布量は、布の風合いを損ねないよう、2g/m程度とした。
第1比較例では、上記捺染物について、乾式及び湿式にて摩擦堅牢度を評価した。オーバーコート層無しでの摩擦堅牢度は、乾式で2−3級、湿式で3級となり、目標の4級に満たなかった。オーバーコート層付きの摩擦堅牢度は、乾式で3級、湿式で3級となり、オーバーコートにより摩擦堅牢度は向上したものの、目標の4級には満たなかった。
(第2比較例)
第2比較例のインクジェット捺染用インクは、主なバインダー樹脂である重量平均分子量23000でガラス転移温度が7℃の非晶性ポリエステル樹脂、及び下記に示すヘキサメチレンジイソシアネートのブロック体であるブロックイソシアネートを、水溶性有機溶媒カルビトールアセテートに溶解させ、シアン顔料分散液を添加することによって調製された。このような調製により、第2比較例のインクジェット捺染用インクでは、バインダー成分全量に対して上記ポリエステル樹脂が82.9質量%、上記イソシアネートが上記ポリエステル樹脂に対して40質量%の割合になった。
Figure 2017043681
第2比較例では、上記インクジェット捺染用インクをインクジェット装置で布上に吐出し、オーバーコート層無しの捺染物と、第1実施例に記載の組成のオーバーコート層付きの捺染物を作製した。オーバーコート層無しの場合、捺染物をオーブンで130℃×10分加熱し、オーバーコート層付きの場合、捺染物をオーブンで150℃×15分加熱し、架橋を完結させた。オーバーコート剤の塗布量は、布の風合いを損ねないよう、2g/m程度とした。
上記捺染物について、第2比較例では、乾式及び湿式にて摩擦堅牢度を評価した。オーバーコート層無しでの摩擦堅牢度は、乾式で2−3級、湿式で2−3級となり、目標の4級に満たなかった。オーバーコート層付きの摩擦堅牢度は、乾式で3級、湿式で3級となり、オーバーコートにより摩擦堅牢度は向上したものの、目標の4級には満たなかった。
(第3比較例)
第3比較例のインクジェット捺染用インクは、主なバインダー樹脂である重量平均分子量460でガラス転移温度が−60℃の非晶性ポリエステル樹脂、及び前記したジフェニルメタンジイソシアネートのブロック体であるブロックイソシアネートを、水溶性有機溶媒カルビトールアセテートに溶解させ、シアン顔料分散液を添加することによって調製された。このような調製により、第3比較例のインクジェット捺染用インクでは、バインダー成分全量に対して上記ポリエステル樹脂が82.9質量%、上記イソシアネートが上記ポリエステル樹脂に対して30質量%の割合になった。
第3比較例では、上記インクをインクジェット装置で布上に吐出し、オーバーコート層無しの捺染物と、第1実施例に記載の組成のオーバーコート層付きの捺染物を作製した。オーバーコート層無しの場合、捺染物をオーブンで130℃×10分加熱し、オーバーコート層付きの場合、捺染物をオーブンで150℃×15分加熱し、架橋を完結させた。オーバーコート剤の塗布量は、布の風合いを損ねないよう、2g/m程度とした。
第3比較例では、上記捺染物について、乾式及び湿式にて摩擦堅牢度を評価した。オーバーコート層無しでの摩擦堅牢度は、乾式で1(−)級(1級未満)、湿式で1−2級となり、目標の4級に満たなかった。オーバーコート層付きの摩擦堅牢度は、乾式で1級、湿式で2−3級となり、オーバーコートにより摩擦堅牢度は向上したものの、目標の4級には満たなかった。
以上説明した第1実施例から第4実施例及び第1比較例から第3比較例の各インクジェット捺染用インクの主成分、及び、各インクジェット捺染用インクの摩擦堅牢度評価結果を下記の表2に示す。
Figure 2017043681
なお、表2に示した摩擦堅牢度評価の判定の基準は、以下の通りである。
◎:オーバーコート層無しで摩擦堅牢度4級以上
○:オーバーコート付(オーバーコート塗布量約2g/m)で摩擦堅牢度4級以上
△:オーバーコート付(オーバーコート塗布量約2g/m)で摩擦堅牢度3級以上
×:オーバーコート付(オーバーコート塗布量約2g/m)で摩擦堅牢度3級未満
表2によれば、第2実施例のインクジェット捺染用インクは、唯一オーバーコート層無しの条件において、乾式、湿式の両方で4級の評価を得た。また、他の第1実施例、第3実施例及び第4実施例は、乾式または湿式のいずれかにおいて4級の評価を得ている。一方、第1比較例、第2比較例及び第3比較例のインクジェット捺染用インクは、乾式、湿式のいずれにおいても4級の評価を得ることができなかった。
このことから、本発明の実施例のインクジェット捺染用インクは、オーバーコート剤を塗布しなくても「合格」と判定される摩擦堅牢度を有することが分かった。また、比較例のインクジェット捺染用インクは、いずれも「合格」の基準を満たす摩擦堅牢度を得られないことが分かった。
また、表2によれば、本発明の実施例の捺染用インクにオーバーコート剤を塗布した場合、全ての実施例において乾式、湿式のいずれにおいても摩擦堅牢度が4級から5級の評価を得た。一方、表2によれば、第1比較例、第2比較例及び第3比較例は、オーバーコート剤を塗布しても、乾式、湿式のいずれにおいても摩擦堅牢度が4級には満たなかった。
このことから、本発明の実施例のインクジェット捺染用インクは、オーバーコート剤を塗布することにより「合格」の基準以上の摩擦堅牢度を有することが分かった。また、全ての比較例のインクジェット捺染用インクは、オーバーコート剤を塗布しても、「合格」の基準を満たす摩擦堅牢度を得られないことが分かった。
本発明は、顔料インクを使用してインクジェットによる捺染を行う分野であれば、どのようなものにも適用することができる。
1 インクジェットヘッド
2 インクジェットノズル
11 液滴
13 記録媒体
15 オーバーコート剤
111 インクジェット捺染用インク
112 熱架橋後のインクジェット捺染用インク層
151 オーバーコート層

Claims (9)

  1. 顔料と、当該顔料と混合されるポリエステル系バインダー樹脂と、当該ポリエステル系バインダー樹脂を架橋する架橋剤と、20℃の環境における蒸気圧が1hPa以下であって、前記顔料、前記ポリエステル系バインダー樹脂及び前記架橋剤を溶かす水溶性の有機溶媒と、を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット捺染用インク。
  2. 前記架橋剤は、加熱されて架橋を開始する熱硬化型の架橋剤であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット捺染用インク。
  3. 前記ポリエステル系バインダー樹脂は、水溶性有機溶媒に可溶な非結晶性ポリエステル樹脂であり、平均分子量が2000以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット捺染用インク。
  4. 前記架橋剤は、水溶性有機溶媒に可溶であり、芳香族ジイソシアネートを用いたブロックイソシアネートであることを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット捺染用インク。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のインクジェット捺染用インクを用いて捺染された布上に塗布されるオーバーコート剤であって、
    ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びシリコーン系樹脂のいずれか1つ、または複数を組合せた樹脂材と、前記樹脂材を架橋する架橋剤と、を含むことを特徴とするオーバーコート剤。
  6. 前記架橋剤は、加熱されて架橋を開始する熱硬化型の架橋剤であることを特徴とする請求項5に記載のオーバーコート剤。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット捺染用インクをインクジェットによって布上に塗布する第1工程と、
    前記第1工程によって塗布されたインクジェット捺染用インクに含まれる架橋材を架橋させる第2工程と、を含むことを特徴とするインクジェット捺染方法。
  8. 前記第1工程よりも後に、請求項5または請求項6に記載のオーバーコート剤を塗布する第3工程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のインクジェット捺染方法。
  9. インクジェットから吐出されたインクジェット捺染用インクによって捺染されたインクジェット捺染物であって、
    前記インクジェット捺染用インクは、該インクジェット捺染用インクの全固形成分を100とした場合、顔料と混合されるポリエステル系バインダー樹脂を28.1質量%以上、44.4質量%以下、前記ポリエステル系バインダー樹脂を架橋する架橋剤を8.4質量%以上、17.8質量%以下、顔料を25.0質量%以上、40.0質量%以下、分散剤を12.9質量%以上、20.6質量%以下含むことを特徴とするインクジェット捺染物。
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