JP2017043034A - アルミニウム樹脂複合積層板 - Google Patents

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Abstract

【課題】三次元成形品をプレス成形によって製造する際の成形性をさらに向上させて、成形後にアルミニウム板材の表面に微細な凹凸を含む肌荒れや割れを抑制して良好な外観特性が得られるアルミニウム合成樹脂複合積層板の提供。【解決手段】合成樹脂層2の両面にアルミニウム板材3,4が積層されてなり、いずれか一方側が凸面3で他方側が凹面4となる三次元成形品の成形に用いられるアルミニウム合成樹脂複合積層板1において、凸面となる側のアルミニウム板材3は、マグネシウムを1.5〜1.8質量%、銅を0.01質量%以下含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなるとともに、他方のアルミニウム板材4は、銅を0.01〜0.03質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなり、凸面側のアルミニウム板材3の厚さが凹面側のアルミニウム板材4の厚さよりも大きく形成されている複合積層板1。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム板と合成樹脂層とを積層してなるアルミニウム樹脂複合積層板に関する。
近年の車両の軽量化に伴い、車体や車両部品の一部の鋼板をアルミニウム板とすることが検討されている。また、制振性、遮音性、断熱性などを付与するため、二枚のアルミニウム板の間に合成樹脂層を挟んで積層したアルミニウム樹脂複合積層板とすることが提案されている。
特許文献1には、二枚のアルミニウム合金板の間に発泡性樹脂層が設けられた積層板が開示されている。この場合のアルミニウム板として、JIS規格の1000系、3000系、5000系、6000系のアルミニウム合金から選択されている。アルミニウム板の板厚は薄いほど好ましく、0.05〜1.0mmの範囲であるとされている。また、成形性向上のため、JISH0001規格にて企画される質別記号で、O材、H22材〜H24材、H32材〜H34材及びT4材から選択される調質処理材とされる。発泡性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が用いられており、積層板全体としての板厚は3.4mm以下であると記載されている。
特許文献2には、特許文献1で挙げられた積層板をヒートインシュレータなど、三次元形状で、かつ熱線遮蔽性に優れた軽量な熱線遮蔽カバーに適用した例が開示されている。積層板に対する成形加工の方法としては、張出成形、絞り成形、曲げ成形などのプレス成形や曲げ加工が可能であり、成型加工の後に加熱して樹脂層を発泡させると記載されている。
特許文献3には、熱可塑性樹脂層とアルミニウム材とが積層され、そのアルミニウム材の表層において、表面側の厚さ20〜500nmの多孔性アルミニウム酸化皮膜層と素地側の厚さ3〜30nmのバリア型アルミニウム酸化皮膜層が設けられ、多孔性アルミニウム酸化皮膜層に直径が25〜120nmの小孔が形成され、アルミニウム材と熱可塑性発泡樹脂層との接合部に、熱可塑性発泡樹脂層と同一成分の非発泡樹脂層が、多孔性アルミニウム酸化皮膜層上に1〜50μmの厚さで、かつその表面から小孔内部に向かって0.5nm以上の深さまで形成されているアルミニウム材/熱可塑性発泡樹脂層の複合材が開示されている。このような構成とすることにより、密着性と成形性に優れる複合材となると記載されている。
国際公開第2010/029955号公報 国際公開第2010/029946号公報 特開2012−25145号公報
ところで、いずれの特許文献記載の複合積層板においても、二次元形状あるいは若干の深さの三次元形状の製品にプレス成形する場合は有用であるが、より深く複雑な形状に成形すると、アルミニウム板材の表面に微細な凹凸を含む肌荒れや割れが生じ易い。特に車両の外板に用いられる複合板の場合は、肌荒れ等のない良好な表面であることが求められ、さらなる改善が望まれる。また特許文献1または2のように成形後に芯材樹脂を発泡させることによって成形性を確保しようとする試みもあるが、成形後の樹脂発泡において積層板寸法の変化や歪みが生じやすく、他部品との組立て時の障害になる恐れが大きい。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、三次元成形品をプレス成形によって製造する際の成形性をさらに向上させて、成形後に良好な外観特性が得られるアルミニウム合成樹脂複合積層板を提供することを目的とする。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板は、合成樹脂層の両面にアルミニウム板材が積層されてなり、いずれか一方側が凸面で他方側が凹面となる三次元成形品の成形に用いられるアルミニウム合成樹脂複合積層板において、前記凸面となる側のアルミニウム板材は、マグネシウムを1.5質量%以上1.8質量%以下、銅を0.01質量%以下含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなるとともに、他方のアルミニウム板材は、銅を0.01質量%以上0.03質量%以下含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなり、前記凸面となる側のアルミニウム板材の厚さが前記他方のアルミニウム板材の厚さよりも大きく形成されている。
このアルミニウム樹脂複合積層板は、合成樹脂層の両側に配置されるアルミニウム板材の成分と厚さを異ならせており、凸面となる側のアルミニウム板材が他方(凸面の反対となる側)のアルミニウム板材に比べて強度が高く、厚さが大きい。このため剛性も大きくなる。逆に言えば、他方(凸面の反対側)のアルミニウム板材が凸面となる側のアルミニウム板材よりも変形容易である。このため、三次元成形する際には、強度、剛性の大きいアルミニウム板材を凸面となる側(通常、外面側)に、変形容易な他方のアルミニウム板材を凸面の反対側(内面側)となるように配置して成形することで、良好な成形性を確保しつつ、外面が平滑で意匠性に優れる三次元成形品を得ることができる。
この場合、凸面となる側のアルミニウム板材は、マグネシウム含有量が1.5質量%未満では、強度、剛性が不足し、1.8質量%を超えると、三次元成形が困難になる。また、銅の含有量が0.01質量%を超えると、強度のばらつきが大きくなる。
これに対して、他方のアルミニウム板材は、銅の含有量が0.01質量%未満では強度、剛性が不足し、0.03質量%を超えると割れ等の成形不良が生じ易くなる。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板において、前記凸面となる側のアルミニウム板材は、引張強さが150MPa以上170MPa以下、耐力が55MPa以上75MPa以下、伸びが15%以上であり、前記他方のアルミニウム板材は、引張強さが60MPa以上80MPa以下、耐力が50MPa以上70MPa以下、伸びが20%以上であるとよい。
このようなアルミニウム板材を組み合わせた複合積層板とすることにより、肌荒れや割れ等の成形不良を確実に防止して、良好な三次元成形品を得ることができる。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板において、前記凸面となる側のアルミニウム板材は、厚さが0.2mm以上0.5mm以下であり、前記他方のアルミニウム板材は、厚さが0.1mm〜0.4mmであり、前記合成樹脂層の厚さが1mm以上10mm以下であるとよい。
このような厚さに設定することにより、車体や車両部品等、幅広い範囲で三次元成形品を製作することができる。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板において、前記合成樹脂層は、融点が100℃以上の合成樹脂からなるとよい。
複雑な三次元形状の製品を得るために、材料、金型を100℃以上、場合によっては140℃程度までに加温して温間成形する場合があり、その時の熱によって合成樹脂層が溶融してアルミニウム板材の間から流出しないようにすることができる。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板において、前記合成樹脂層は、発泡倍率が2倍以上の発泡ポリプロピレン樹脂を用いることが望ましい。
このような発泡樹脂を芯材として用いることにより、優れた遮音性・遮熱性を発揮することができる。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板において、前記アルミニウム材と前記合成樹脂層の間に、ポリプロピレン樹脂を主成分とする接着層を設けることが望ましい。
このような接着層を設けることにより、両側のアルミニウム材と芯材である合成樹脂層の密着性が増し、三次元成形加工時やその後の使用時においてアルミニウム材と芯材樹脂との界面における剥離を抑制することができる。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板において、引張強さが20MPa以上60MPa以下、耐力が5MPa以上40MPa以下、伸びが15%以上であることが望ましい。
このような特性の複合積層板とすることにより、三次元形状の製品を安定した形状で成形することができる。
本発明のアルミニウム樹脂複合積層板において、常温から150℃未満の温度範囲での円筒絞り成形における限界絞り比が2.1以上であることが望ましい。
限界絞り比が2.1以上であると、より複雑な三次元形状の成形品を歩留まり良く製作することができる。例えば、円筒より加工難度の高い角筒形状の絞り成形などにおいては、金属板と樹脂の均等な変形が必要であることから、複合積層板としてより高い成形性が求められる。
板厚が大きいアルミニウム板材を凸面側(外面側)となるように配置して成形することにより、良好な成形性を確保しつつ、外面が平滑で意匠性に優れる三次元成形品を得ることができる。
この場合、常温でも良好な成形品を得ることができるが、金型及びアルミニウム樹脂複合積層板を加温して成形すると、より円滑に成形することができる。
本発明によれば、複雑な三次元形状の製品を肌荒れや割れ等を生じることなく成形することができ、外面が平滑で意匠性の優れた三次元成形品を得ることができる。
本発明の一実施形態のアルミニウム樹脂複合積層板の断面図である。 図1のアルミニウム樹脂複合積層板をプレス成形金型に設置した状態を示す断面図である。
以下、本発明に係るアルミニウム樹脂複合積層板及びこれを用いた三次元成形品の製造方法の実施形態を説明する。
本発明の三次元成形品としては、有底円筒、有底角筒等の筒状成形品、一方を開口した箱状成形品、ドーム状成形品などであり、その一方(通常、外面側)が凸面となり、他方(内面側)が凹面となっている。なお、その凸面の一部に若干の範囲で凹面を有する形状も含まれる。
アルミニウム樹脂複合積層板1は、図1に模式的に図示したように、合成樹脂層2の両面にそれぞれアルミニウム板材3,4が積層された構成である。以下では、その一方(三次元成形における凸面となる側)のアルミニウム板材を第1アルミニウム板材3、他方のアルミニウム板材を第2アルミニウム板材4とする。
<第1アルミニウム板材>
第1アルミニウム板材3は、マグネシウムを1.5質量%以上1.8質量%以下、銅を0.01質量%以下含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなり、引張強さが150MPa以上170MPa以下、耐力が55MPa以上75MPa以下、伸びが15%以上であるのが好ましい。
マグネシウムは、アルミニウム中に固溶することで高い固溶硬化の効果を有し、材料の強度を大きくして、アルミニウム板材の剛性を高める効果がある。マグネシウム含有量が1.5質量%未満では、強度、剛性を高める効果が不足し、1.8質量%を超えると、三次元成形が困難になる。
銅も、アルミニウム中に固溶することで、材料の強度を高める効果があるが、含有量が0.01質量%を超えると、強度のばらつきが大きくなって成形性を損なう。
そして、第1アルミニウム板材3の引張強さが150MPa以上170MPa以下、耐力が55MPa以上75MPa以下、伸びが15%以上であると、所望の強度、剛性を維持しながら、肌荒れや割れ等の成形不良の発生を有効に防止することができ、また、スプリングバックも小さく、成形した三次元形状を保持することができる。引張強さ、耐力、伸びの値は、所定の最終製品厚さまで冷間圧延した板に対して、調質焼鈍(または安定化焼鈍)と呼ばれる最終焼鈍を施すことにより調整することができる。
第1アルミニウム板材3の厚さは、強度、剛性を持たせるために、0.2mm以上0.5mm以下であるとよい。この場合、第1アルミニウム板材3の厚さは第2アルミニウム板材4の厚さよりも大きくすることが重要である。三次元成形品を第1アルミニウム板材3が外面側となるように配置して成形する場合に、外面の肌荒れや割れ等の発生を防止して、良好な表面状態に成形することができる。
<第2アルミニウム板材>
第2アルミニウム板材4は、銅(Cu)を0.01質量%以上0.03質量%以下含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなり、引張強さが60MPa以上80MPa以下、耐力が50MPa以上70MPa以下、伸びが20%以上であるのが好ましい。
この第2アルミニウム板材では、必要な強度を保ちつつ変形能を高める目的で銅を少量添加する。マグネシウム(Mg)の添加では、強度向上には寄与するが成形性は劣る。銅の添加は、強度を向上させるとともに成形性も向上させる効果がある。但し過度の銅の添加は、腐食が生じやすくなるため注意が必要である。
このため、銅の含有量を0.01質量%以上0.03質量%以下とした。含有量が0.01質量%未満では強度、剛性が不足し、0.03質量%を超えると割れ等の成形不良が生じ易くなる。JIS規格で一部の1000系アルミニウムが該当する。
第2アルミニウム板材4の引張強さが60MPa以上80MPa以下、耐力が50MPa以上70MPa以下、伸びが20%以上であると、複合積層板において、前述した第1アルミニウム板材3の強度、剛性とのバランスがとれ、三次元成形品を歩留まりよく成形することができる。第2アルミニウム板材についても第1アルミニウム板材同様、引張強さ、耐力、伸びの値は、所定の最終製品厚さまで冷間圧延した板に対して、調質焼鈍(または安定化焼鈍)と呼ばれる最終焼鈍を施すことにより調整することができる。
この第2アルミニウム板材4の厚さは、第1アルミニウム板材3の厚さよりも小さく、0.1mm〜0.4mmであるとよい。第2アルミニウム板材4を第1アルミニウム板材3よりも薄くすることにより、三次元成形品の内面側に用いたときの、合成樹脂層の凹凸を第2アルミニウム板材4により吸収して、その凹凸により外面側の第1アルミニウム板材3に変形(肌荒れ)が生じることを防止することができる。また、この第1アルミニウム板材3と第2アルミニウム板材4との厚さの差(板厚差)は、0.2mm以上であることが、複合積層板の三次元成形性の面でより好ましい。
<合成樹脂層>
合成樹脂層2は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が用いられ、厚さが1mm以上10mm以下のフィルム状又は板状に形成される。この場合、気泡を分散させた発泡性樹脂としてもよく、2倍以上、より好ましくは3倍以上の発泡率で均一に分散した発泡性樹脂を用いることにより、遮音性、遮熱性に優れたものとなる。なお、加工時の温度が、使用する樹脂の溶融温度(融点)を超えない限りにおいては、合成樹脂の発泡倍率は複合積層板の加工性、成形性に大きな影響を及ぼさない。さらに、合成樹脂の融点は100℃以上であることが望ましく、さらに高難度の三次元成形を行う際には、金型及び材料を140℃程度までに加温して成形する温間成形を行う場合があるので、合成樹脂の融点は150℃以上あるのが好ましい。
<アルミニウム樹脂複合積層板の特性及び製造方法>
このように構成される両アルミニウム板材3,4及び合成樹脂層2を積層してなるアルミニウム樹脂複合積層板1全体としては、引張強さが20MPa以上60MPa以下、耐力が5MPa以上40MPa以下、伸びが15%以上であるとよく、三次元形状の製品を安定した形状で成形することができる。さらに望ましくは、複合積層板の伸びが17.5%以上であると成形性の面で好ましい。
このアルミニウム樹脂複合積層板1は、合成樹脂層2、両アルミニウム板材3,4をそれぞれ用意し、これらを接着剤を介して積層することにより、製造される。接着剤は、芯材の合成樹脂層の材質と同系樹脂の主成分を選定することが、必要な接着性を確保するうえで好ましい。例えば、芯材となる合成樹脂層2をポリプロピレンで構成する場合は、ポリプロピレンが主成分の接着剤等が好適である。
この接着剤を合成樹脂層2の両面又は両アルミニウム板材3,4の片面に塗布し、両アルミニウム板材3,4の間に合成樹脂層2を挟み、これらをホットプレスやホットロールにより加圧・加熱することにより、合成樹脂層2の両面にアルミニウム板材3,4を一体に積層する。
<三次元成形品の製造>
このようにして得られたアルミニウム樹脂複合積層板1を用いて三次元成形品を製造する場合、図2に示すように、プレス用金型11に、第1アルミニウム板材3が成形品の外面となるように配置する。このとき、成形品の深さが小さい場合には常温で成形するが、複雑な形状の成形品である場合、金型の表面及びアルミニウム樹脂複合積層板を予め加温して、温間成形を行う。温間成形の温度としては、高いほど成形には有利であるが、合成樹脂の融点未満、例えば150℃未満の温度で、成形品の形状、温度バラツキ等に応じて適宜設定される。
なお、図2において、プレス用金型11は、成形孔12を有するダイ13、パンチ14、しわ押さえ15を備えている。
そして、プレス成形することにより三次元形状の成形品を製造する。このとき、アルミニウム樹脂複合積層板1は、大きい加工となる曲げ部分で、芯材である合成樹脂層2が凹凸状に変形し易い。このアルミニウム樹脂複合積層板1においては、外面側に配置される第1アルミニウム板材3が内面側に配置される第2アルミニウム板材4より厚く形成され、強度、剛性も第2アルミニウム板材4より高く、これに対して、内面側に配置される第2アルミニウム板材4は厚さが小さく、変形が容易であるので、合成樹脂層2に生じる凹凸が成形品の内面側の第2アルミニウム板材4の変形により吸収され、外面側の第1アルミニウム板材3に肌荒れや割れが発生することが防止される。温間成形することにより、さらに成形性が向上し、表面を平滑にすることができる。
アルミニウム板材の組成、板厚、機械的特性、合成樹脂層の材料、厚さを表1に示す組み合わせで、アルミニウム樹脂複合積層板の試料を製造した。機械的特性は、JIS−Z2241の5号試験片を作製して引張試験を行い、引張強さ、0.2%耐力および伸びを測定した。なお、合成樹脂層材料に、ポリエチレン(融点100℃)又はポリプロピレン(融点150℃)を選び、発泡倍率はいずれも2.5倍とした。また、接着剤には、合成樹脂層がポリエチレンの複合積層板にはポリプロピレンが主成分の接着剤を、合成樹脂層がポリプロピレンのものにはポリプロピレンが主成分の接着剤を用いた。
Figure 2017043034
得られた複合積層板の試料について、成形性を円筒絞り試験および角筒絞り試験により評価した。両試験において、合成樹脂層がポリエチレンの複合積層板には金型・材料温度を90℃に、合成樹脂層がポリプロピレンの複合積層板には140℃に設定して実施した。
この成形性の評価は、試料を直径33mmのパンチにより円筒状容器に絞り成形し、その際にブランク径を変えることで、絞り比(ブランク径/パンチ径)が1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2の6種類の容器を成形した。いずれも成形速度は200mm/分、パンチ周囲のしわ押さえ力は3kNとした。成形品の外観を検査することにより成形性を評価し、それぞれ5回の成形において、5回とも成形できた場合を「◎」、5回中4回又は3回成形できた場合を「〇」、5回中2回成形できた場合を「△」、5回中成形できたのが1回又は0回の場合を「×」とした。合否の判定は、実製品形状・サイズでの成形性との相関から、「◎」「○」を合格、「△」「×」を不合格と判定した。
その結果を表2に示す。
また、より難度の高い加工に対する適応性を調べるため、一辺が40mmの正方形である角筒絞り(ダイコーナーR=3mm)について、絞り比が1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3の6種類の容器を、成形速度2mm/秒、しわ押さえ力5kNの条件により、角筒絞り試験を実施した。このときの成形品の外観を前項と同様に評価した。
Figure 2017043034
この表2の結果からわかるように、実施例1〜20のアルミニウム樹脂複合積層板においては、円筒および角筒深絞り成形において、絞り比2.1以下の加工で概ね良好な成形性を示す。これに対して比較例1〜12では、円筒絞りで比較的良好であっても(比較例1、8〜10、12)、より難易度の高い角筒絞り成形において十分な成形性が得られず、種々の形状への加工が求められる実成形への適用が困難であり、三次元成形用積層板として好ましくない。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1 アルミニウム樹脂複合積層板
2 合成樹脂層
3 第1アルミニウム板材(凸面となる側のアルミニウム板材)
4 第2アルミニウム板材(他方のアルミニウム板材)
11 プレス用金型
12 成形孔
13 ダイ
14 パンチ
15 しわ押さえ

Claims (8)

  1. 合成樹脂層の両面にアルミニウム板材が積層されてなり、いずれか一方側が凸面で他方側が凹面となる三次元成形品の成形に用いられるアルミニウム合成樹脂複合積層板において、前記凸面となる側のアルミニウム板材は、マグネシウムを1.5質量%以上1.8質量%以下、銅を0.01質量%以下含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなるとともに、他方のアルミニウム板材は、銅を0.01質量%以上0.03質量%以下含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなり、前記凸面となる側のアルミニウム板材の厚さが前記他方のアルミニウム板材の厚さよりも大きく形成されていることを特徴とするアルミニウム樹脂複合積層板。
  2. 前記凸面となる側のアルミニウム板材は、引張強さが150MPa以上170MPa以下、耐力が55MPa以上75MPa以下、伸びが15%以上であり、前記他方のアルミニウム板材は、引張強さが60MPa以上80MPa以下、耐力が50MPa以上70MPa以下、伸びが20%以上であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム樹脂複合積層板。
  3. 前記凸面となる側のアルミニウム板材は、厚さが0.2mm以上0.5mm以下であり、前記他方のアルミニウム板材は、厚さが0.1mm〜0.4mmであり、前記合成樹脂層の厚さが1mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のアルミニウム樹脂複合積層板。
  4. 前記合成樹脂層は、融点が100℃以上の合成樹脂からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のアルミニウム樹脂複合積層板。
  5. 前記合成樹脂層は、発泡倍率が2倍以上のポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のアルミニウム樹脂複合積層板。
  6. 前記アルミニウム板材と合成樹脂層の間に、ポリプロピレンを主成分とする接着層が設けられている請求項5記載のアルミニウム樹脂複合積層板。
  7. 引張強さが20MPa以上60MPa以下、耐力が5MPa以上40MPa以下、伸びが15%以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載のアルミニウム樹脂複合積層板。
  8. 常温から150℃未満の温度範囲での円筒絞り成形における限界絞り比が2.1以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のアルミニウム樹脂複合積層板。
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