JP2017042301A - 眼検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼筋機能を検査する眼検査装置においては、ヘススクリーンの交叉点ごとに、被検者が指示器を使ってスポットの位置を指示する必要があるため、被検者の負担が大きかった。
【解決手段】本発明の眼検査装置は、被検者の左眼と右眼に個別に視標を呈示可能な表示素子12L,12Rと、被検者の左眼と右眼を個別に撮像する撮像素子16L,16Rと、撮像手段と、表示素子12L,12Rを用いて被検者の一方の眼球に検査視標を呈示した場合に、検査視標の呈示位置の方向に被検者の眼球が動いたときの、左眼と右眼の眼球運動量の差を、撮像素子16L,16Rが撮像する左眼と右眼の画像データに基づいて検出する検査処理部41と、この検査処理部41による検出結果を出力する検査結果出力部42と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、眼検査装置に関する。
眼検査のひとつに、眼球運動障害の有無を調べる眼筋機能検査がある。この検査にはヘススクリーン(Hess Screen)が用いられている。ヘススクリーンは、複数の交叉点を有する升目状のスクリーンである。眼筋機能検査では、ヘススクリーンのひとつの升目が眼位換算で5°となるように、ヘススクリーンと被検者との間の距離が設定される。
以下に、従来の眼筋機能を行う眼検査装置の構成について説明する。
従来の眼検査装置は、たとえば、被検者に対してヘススクリーンを呈示するための投射器と、投影器で投射したヘススクリーンを写し出すための大型スクリーンと、被検者の頭部を固定するための固定具と、被検者に装用させる眼鏡と、被検者にスポットを指示させるための指示器と、を備えた構成になっている。
投射器は、暗室などに設置される白色の大型スクリーンに赤色のヘススクリーンを投射して表示するものである。固定具は、大型スクリーンの設置場所(ヘススクリーンの呈示位置)から所定の距離だけ離れた位置に被検者の頭部を固定するためのものである。眼鏡は、赤色レンズと緑色レンズを有するもので、一方のレンズが被検者の一方の眼に、他方のレンズが被検者の他方の眼に装用される。指示器は、被検者が指示器を向けた方向に緑色の光を出射することにより、スクリーン上の任意に緑色のスポットを表示させ得るものである。
次に、上記従来の眼検査装置を用いた検査の手順について説明する。
まず、被検者の頭部を固定具によって固定するとともに、被検者に眼鏡を装用させる。このとき、被検者の一方の眼に赤色レンズ、他方の眼に緑色レンズが装用される。ここでは最初に、被検者の左眼に赤色レンズ、右眼に緑色レンズが装用されるものとする。
次に、投射器によって大型スクリーンに写したヘススクリーンを被検者に見せる。このとき、ヘススクリーンは赤色で表示されるのに対して、赤色レンズは赤色の光を反射し、緑色レンズは赤色の光を透過する。このため、緑色レンズを装用した左眼にはヘススクリーンが見えるが、赤色レンズを装用した右眼にはヘススクリーンが見えない。よって、被検者が左眼だけでヘススクリーンを見ることになる。
次に、被検者に指示器を持たせて、検者(眼科医等)が順に指定するヘススクリーンの各交叉点の位置にスポットの位置が合うように指示器を操作させる。このとき、指示器のスポットはスクリーン上に緑色で表示されるのに対して、緑色レンズは緑色の光を反射し、赤色レンズは緑色の光を透過する。このため、赤色レンズを装用した右眼にはスポットが見えるが、緑色レンズを装用した左眼にはスポットが見えない。よって、被検者は右眼だけでスポットを見ることになる。
これにより、ヘススクリーンのひとつの交叉点を被検者が左眼で見ているときに、この交叉点が被検者の右眼ではどこに見えているのかを、スクリーン上のスポットの位置から判断することができる。この場合は、右眼を被検眼としたヘススクリーン検査が行われる。このヘススクリーン検査において、仮に被検者の右眼に運動障害があるとすると、ヘススクリーンの交叉点の位置とスポットの位置とに大きなズレが生じる。
その後、右眼の検査を終えたら、眼鏡のレンズ位置を左右入れ替えて、上記同様の検査を行う。これにより、被検者は、右眼でヘススクリーンを見ながら、左眼でスポットを見ることになる。このため、左眼を被検眼としたヘススクリーン検査が行われる。
以上の検査によって得られる検査結果は、検者によって検査シートに随時記録される。検査シートには、ヘススクリーンと同様の升目が印刷されている。検者は、ヘススクリーンの中央の周囲にある複数の交叉点ごとに被検者がスポットで指示した位置を検査シートに写し取るようにマーキングする。これにより、検査結果を示すヘスチャート(Hess Chart)が得られる。ヘスチャートには、上述した升目に加えて、各マーキング位置を線でつないだ図形が描かれる。両眼とも運動障害のない被検者の場合は、左眼と右眼で、形状や大きさが似通った図形のヘスチャートが得られる。これに対して、片眼に運動障害のある被検者の場合は、右眼と左眼で、形状や大きさが著しく異なった図形のヘスチャートが得られる。
しかしながら、上記従来の眼検査装置においては、ヘススクリーンの交叉点ごとに、被検者が指示器を使ってスポットの位置を指示する必要がある。また、検者も検査中常に立ち会っている必要がある。このため、眼球運動障害の検査に際して、被検者や検者の負担がかなり大きいという欠点があった。
本発明の主な目的は、眼球運動障害の検査に際して、被検者と検者の負担を軽減することができる眼検査装置を提供することにある。
(第1の態様)
本発明の第1の態様は、
被検者の左眼と右眼に個別に視標を呈示可能な視標呈示手段と、
前記被検者の左眼と右眼を個別に撮像する撮像手段と、
前記視標呈示手段によって前記被検者の一方の眼球に検査視標を呈示した場合に、前記検査視標の呈示位置の方向に前記被検者の眼球が動いたときの、左眼と右眼の眼球運動量の差を、前記撮像手段が撮像する左眼と右眼の画像データに基づいて検出する検出手段と、
を備えることを特徴とする眼検査装置である。
(第2の態様)
本発明の第2の態様は、
前記視標呈示手段は、前記被検者の左眼および右眼のうち少なくとも一方の眼球に対して視野の中心位置に中心視標を呈示するとともに、前記被検者の左眼および右眼のうちいずれか一方の眼球に対して前記中心視標の呈示位置と異なる位置に前記検査視標を呈示し、
前記検出手段は、前記視標呈示手段が呈示する前記中心視標を前記被検者が片眼または両眼で見ているときに前記撮像手段で撮像した左眼と右眼の画像データと、前記視標呈示手段が呈示する前記検査視標を前記被検者が片眼で見ているときに前記撮像手段で撮像した左眼と右眼の画像データとを用いて、左眼と右眼の眼球運動量の差を検出する
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の眼検査装置である。
(第3の態様)
本発明の第3の態様は、
前記検出手段の検出結果を出力する出力手段を備える
ことを特徴とする上記第1または第2の態様に記載の眼検査装置である。
(第4の態様)
本発明の第4の態様は、
前記出力手段は、前記検出結果をヘスチャートの形式で出力する
ことを特徴とする上記第3の態様に記載の眼検査装置である。
(第5の態様)
本発明の第5の態様は、
前記眼検査装置は、眼筋機能を検査する眼筋機能検査装置である
ことを特徴とする上記第1〜第4の態様のいずれか1つに記載の眼検査装置である。
(第6の態様)
本発明の第6の態様は、
前記視標呈示手段および前記撮像手段は、前記被検者の頭部に装着される装置本体に内蔵されている
ことを特徴とする上記第1〜第5の態様のいずれか1つに記載の眼検査装置である。
本発明によれば、眼球運動障害の検査に際して、被検者と検者の負担を軽減することができる。
本発明の実施形態に係る眼検査装置の構成例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る眼検査装置の光学系の構成を含む概略図である。 本発明の実施形態に係る眼検査装置の制御系の構成を含むブロック図である。 視標の呈示位置を説明するための図である。 中心視標を呈示した状態を示す図である。 中心視標を見ているときの被検者の眼球の画像データを示す模式図である。 検査視標を呈示した状態を示す図である。 検査視標を見ているときの被検者の眼球の画像データを示す模式図である。 検査結果の出力例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の実施形態においては、次の順序で説明を行う。
1.眼検査装置の構成
2.眼検査の手順
3.実施形態の効果
4.変形例等
<1.眼検査装置の構成>
図1は本発明の実施形態に係る眼検査装置の構成例を示す概略図である。
図示した眼検査装置1は、被検者2の頭部3に装着して用いられるヘッドマウント型の検査装置である。眼検査装置1は、大きくは、装置本体5と、この装置本体5に機械的に接続された装着具6と、を備えている。
装置本体5は、内部に空間を有する筐体7を備えている。筐体7の内部空間は、左右に分かれている。その理由は、被検者2の左眼8Lと右眼8Rで別々に検査を行うためである。本実施形態では、眼検査のひとつとして、眼筋麻痺等によって起こる眼球運動障害の有無、すなわち眼筋機能を検査する。この検査では、被検者に視標を呈示する。
被検者に呈示する「視標」とは、被検者の眼球運動障害の有無を検査するにあたって、被検者の眼球に光による刺激を与えるために表示(呈示)されるものである。視標に関しては、特に大きさ、形状等の制限はない。眼検査装置では、被検者に対して「中心視標」と「検査視標」を呈示する。「中心視標」は、被検者に正面視で固視させるために、被検者の視野の中心位置に呈示する視標である。「検査視標」は、被検者の眼球運動に異常があるかどうかを検査するために、中心視標とは異なる位置に呈示する視標である。検査視標の呈示位置については、後段で詳しく説明する。
装置本体5は、表示光学系11および表示素子12を内蔵している。装置本体5には、左右どちらの眼を被検眼とする場合にも、被検者の左眼と右眼を個別に視標を呈示できるように、表示光学系11および表示素子12が左右独立に設けられている。すなわち、筐体7の一方の空間には、被検者の左眼8Lに対応して表示光学系11Lと表示素子12Lが設けられ、筐体7の他方の内部空間には、被検者の右眼8Rに対応して表示光学系11Rと表示素子12Rが設けられている。左右の表示光学系11L,11Rの光軸間距離は、図示しない調整機構により、被検者2の瞳孔間距離に合わせて調整可能になっている。
装着具6は、被検者2の頭部3に装置本体5を装着するためのものである。装着具6は、被検者2の両側頭部から後頭部にかけてU字形に掛け渡されるベルト13と、被検者2の頭頂部に掛け渡されるベルト14とを備えている。そして、ベルト14の長さを適度に調整した状態で、ベルト13を後頭部側から引っ張って締め付けることにより、被検者2の頭部3に装置本体5をしっかりと固定して装着できる機構になっている。
なお、以降の説明では、被検者2の左眼8Lと右眼8Rを左右の区別なく記載する場合は、符号L,Rを省略して眼球8、瞳孔9と総称する。これと同様に、上述した表示光学系11L,11Rと表示素子12L,12Rについても左眼用と右眼用の区別なく記載する場合は、それぞれ符号L,Rを省略して表示光学系11、表示素子12と総称する。
(光学系)
図2は本発明の実施形態に係る眼検査装置の光学系の構成を含む概略図である。
図示のように、眼検査装置1は、上述した表示光学系11と表示素子12の他に、被検者の眼球8を観察するための観察光学系15と、この観察光学系15を通して被検者の眼球8を撮像する撮像素子16と、被検者の眼球8に赤外線を照射する赤外光源17と、眼検査装置1全体の制御を司る制御部30と、応答用の被検者操作部31と、を備えている。観察光学系15、撮像素子16および赤外光源17は、上述した表示光学系11や表示素子12と同様に、装置本体5に内蔵されている。制御部30および被検者操作部31は、1つの視覚検査装置1につき1つずつ設けられている。表示素子12、被検者操作部31、および撮像素子16は、図中符号A,B,Cで示すように、それぞれ制御部30に電気的に接続されている。
(表示光学系)
表示光学系11は、被検者の眼球8が配置される眼球位置と表示素子12の表示面12aとの間の光軸18上に設けられている。具体的には、表示光学系11は、被検者の眼球位置側から順に、第1レンズ19と、ミラー20と、第2レンズ群21とを配置した構成になっている。以下、各構成要素について説明する。なお、以降の説明では、被検者の眼球位置から表示素子12までの光軸18のうち、眼球位置からミラー20までの光軸を光軸18aとし、ミラー20から表示素子12までの光軸を光軸18bとする。
第1レンズ19は、眼球位置からミラー20までの光軸18a上に配置されている。第1レンズ19は、正のパワーを有する非球面のレンズ(凸レンズ)を用いて構成されている。第1レンズ19は、ミラー20で反射して第1レンズ19に入射した光を被検者の瞳孔9に収束させる一方、被検者が瞳孔9を通して広角に物を見るときの光の発散を抑制するものである。図2においては、表示素子12の表示面12aに視標となる光の点を表示し、この視標を被検者が眼球位置から表示光学系11を通して見るときに、被検者の瞳孔中心から第1レンズ19へと入射する主光線の入射角度を符号θで表している。この入射角度θは、光軸18aを基準とする角度(瞳孔中心を通る主光線と光軸18aとがなす角度)である。光軸18a上における第1レンズ19の外径(直径)や位置は、少なくとも検査に必要な視野角を確保し得る条件で設定されている。
ミラー20は、眼球位置からミラー20までの光軸18a上において、第1レンズ19を間に挟んで眼球位置とは反対側に配置されている。ミラー20は、波長選択性を有するミラーを用いて構成されている。具体的には、ミラー20は、可視光を反射し、赤外線を透過するコールドミラーを用いて構成されている。光軸18aに対するミラー20の反射面の傾きは、このミラー20によって屈曲される光軸18aと光軸18bとのなす角度αが、好ましくは90度以下、より好ましくは80度以下、さらに好ましくは「40度<α<70度」の範囲となるように設定されている。
ここで、α≦40°である場合は、表示素子12や第2レンズ群21が被検者の頭部に接近しすぎて、それらが頭部と干渉してしまうおそれがある。これに対して、α>40°である場合は、表示素子12や第2レンズ群21が頭部と干渉することを回避することができる。一方、α>90°である場合は、被検者が頭部を前方に傾けた際に、眼検査装置1が頭部からずれ落ちやすくなる。これに対して、α≦90°である場合は、被検者が頭部を前方に傾けた際に、眼検査装置1が頭部からずれ落ちにくくなる。
第2レンズ群21は、ミラー20から表示素子12までの光軸18b上に配置されている。第2レンズ群21は、3つのレンズ21a,21b,21cを用いて構成されている。3つのレンズ21a,21b,21cは、ミラー20側から表示素子12側に向かって順に配置されている。すなわち、レンズ21aは、光軸18b上でミラー20に最も近い位置に配置され、レンズ21cは、光軸18b上で表示素子12に最も近い位置に配置されている。そして、これら2つのレンズ21a、21cの間にレンズ21bが配置されている。レンズ21bは、レンズ21aから離間した状態で、レンズ21cの近くに配置されている。
レンズ21aは、正のパワーを有する非球面のレンズ(凸レンズ)を用いて構成されている。また、レンズ21bは、負のパワーを有する非球面のレンズ(凹レンズ)を用いて構成され、レンズ21cは、正のパワーを有する非球面のレンズ(凸メニスカスレンズ)を用いて構成されている。また、レンズ21aの外径(直径)は他のレンズ21b,21cの外径よりも大きく、レンズ21b,21cの外径は互いにほぼ等しくなっている。
ここで、上記第1レンズ19を構成する材料のアッベ数をv1とすると、第1レンズ19は、「45<v1<80」の関係式を満たす材料(ガラス、プラスチックなど)で構成されている。一方、第2レンズ群21を構成するレンズ21a〜21cのうち、正のパワーを有するレンズ21a,21cのアッベ数を共にv2とすると、各々のレンズ21a,21cは、「45<v2<80」の関係式を満たす材料で構成されている。また、負のパワーを有するレンズ21bのアッベ数をv3とすると、レンズ21bは、「15<v3<30」の関係式を満たす材料で構成されている。
また、第1レンズ19の焦点距離をf1とし、第2レンズ群21の焦点距離をf2とすると、これらは「0<f1/f2<1.0」の関係を満たしている。さらに、第1レンズ19の焦点距離f1は、第1レンズ19からミラー20までの光学距離aと、ミラー20から第2レンズ群21(レンズ21a)までの光学距離bとの和(a+b)に比べて、それよりも短くなっている。
(表示素子)
表示素子12は、ミラー20から表示素子12までの光軸18b上で、第2レンズ群21のレンズ21cと対向するように配置されている。表示素子12は、たとえば、バックライトを備える液晶表示素子等の平面型表示素子を用いて構成されている。表示素子12の表示面12aは、多数のピクセルをマトリクス状に配置した構成になっている。そして、実際に表示面12aに画像(視標を含む)を表示するときには、ピクセル単位で画像の表示(オン)と非表示(オフ)を制御できるようになっている。また、表示素子12の表示面12aは、好ましくは、対角長が1.5インチ以下の表示サイズ、より好ましくは対角長が1インチ以下の表示サイズになっており、この表示面12aの中心に光軸18bが位置合わせされている。
(観察光学系)
観察光学系15は、被検者の眼球8を観察対象として、たとえば、瞳孔9、虹彩、強膜などを含む眼前部、あるいは、網膜10を含む眼底部などを観察するためのものである。観察光学系15は、被検者の眼球位置から撮像素子16までの光軸18上に設けられている。具体的には、観察光学系15は、被検者の眼球位置側から順に、第1レンズ19と、ミラー20と、第3レンズ22とを配置した構成になっている。このうち、第1レンズ19とミラー20は、光軸18aを含めて、上述した表示光学系11と共通(共用)になっている。また、ミラー20から撮像素子16までの光軸を光軸18cとすると、この光軸18cは、上述した光軸18aと略平行になっている。
第3レンズ22は、ミラー20から撮像素子16までの光軸18c上に配置されている。第3レンズ22は、正のパワーを有する非球面のレンズ(凸レンズ)を用いて構成されている。第3レンズ22は、第1レンズ19を対物レンズとして眼球8を観察する場合に、眼球8から第1レンズ19に入射し、かつミラー20を透過する光を、撮像素子16の撮像面16aに結像させるものである。
(撮像素子)
撮像素子16は、上述した観察光学系15を介して被検者の眼球8を撮像するものである。撮像素子16は、赤外線に対して感度を有するCCD(Charge Coupled Device)撮像素子、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子などを用いて構成されている。撮像素子16の撮像面16aは、光軸18c上で眼球8と正対する向きに配置され、この撮像面16aの中心に光軸18cが位置合わせされている。
赤外光源17は、被検者の眼球位置に向けて赤外線を照射するものである。赤外光源17は、一対の赤外線発光ダイオード17a,17bを用いて構成されている。一対の赤外線発光ダイオード17a,17bは、被検者の視野を妨げないように、被検者の眼球位置に対して斜め上方と斜め下方に分けて配置されている。そして、一方の赤外線発光ダイオード17aは、被検者の眼球8に対して斜め上方から赤外線を照射し、他方の赤外線発光ダイオード17bは、被検者の眼球8に対して斜め下方から赤外線を照射する構成になっている。
上記構成からなる観察光学系15および撮像素子16においては、被検者の眼球8に赤外光源17から赤外線を照射しつつ、第1レンズ19、ミラー20および第3レンズ22を介して眼球8の画像を撮像素子16で撮像することになる。観察光学系15、撮像素子16および赤外光源17は、被検者の左眼8Lと右眼8Rを個別に撮像できるように、それぞれ左右独立に設けられている。以降の説明では、左眼8Lを撮像する撮像素子16を「撮像素子16L」とし、右眼8Rを撮像する撮像素子16を「撮像素子16R」とする。
(制御系)
図3は本発明の実施形態に係る眼検査装置の制御系の構成を含むブロック図である。
制御部30は、眼検査に際して各種の機能(手段)を実現するものである。制御部30は、たとえば、装置本体5よりも小さい筐体構造を有するもので、装着具6の後頭部側に実装される(図1を参照)。これにより、装置本体5と制御部30との前後の重量バランスを保つことができる。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard disk drive)、各種インタフェース等の組み合わせからなるコンピュータによって構成される。そして、制御部30は、CPUがROMまたはHDDに格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能を実現するように構成されている。各機能を実現するための所定のプログラムは、コンピュータにインストールして用いられるが、そのインストールに先立ち、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納して提供されるものであってもよいし、あるいはコンピュータと接続する通信回線を通じて提供されるものであってもよい。
制御部30は、上記プログラムの実行によって実現される機能(手段)の一例として、検査処理部41と、検査結果出力部42と、表示制御部43と、を備えている。また、制御部30は、情報記憶部としてのメモリ44を備えている。
検査処理部41は、眼筋機能検査に対して各種の処理を行うものである。検査処理部41は、撮像素子16が撮像した眼球8の画像データを用いて、眼球8の眼位を特定する処理や、眼球8の運動量を検出する処理、さらには左眼8Lと右眼8Rの眼球運動量の差を検出する処理などを行う。眼位とは、眼球が向いている方向(視線の方向)をいう。
検査結果出力部42は、眼筋機能検査の検査結果を出力するものである。検査結果の具体的な出力形態としては、好ましくは、表示による出力や、印刷による出力などが考えられるが、これ以外にも、たとえば、メール送信による出力や、音声による出力など、種々の形態が考えられる。本発明を実施するにあたっては、いずれの出力形態を採用してもよい。本実施形態では、眼筋機能検査の検査結果を表示によって出力する場合を例に挙げて説明する。
表示制御部43は、眼筋機能検査を行うにあたって、表示素子12に表示する画像を制御する機能である。表示素子12に表示する画像には、少なくとも、上述した中心視標と検査視標が含まれる。
メモリ44は、眼筋機能検査に必要な情報を含めて、各種の情報を記憶するために用いられる。たとえば、検査処理部41は、眼筋機能検査を開始してから終了するまでに得られた情報をメモリ44に記憶し、検査結果出力部42は、眼筋機能検査の終了後に、メモリ44に記憶してある情報を用いて、検査結果の出力用データなどを作成する。
制御部30には、上述した被検者操作部31、撮像素子16L,16R、表示素子12L,12Rのほかに、端末45が有線または無線で通信可能に接続されている。端末45は、眼検査装置1を使用するにあたって、眼筋機能検査を行う眼科医などの検者が、検査に必要な各種の設定、調整、指示などを行ったりするために操作するものである。端末45は、たとえば、モニタ付きのパーソナルコンピュータ等を用いて構成される。
被検者操作部31は、眼筋機能検査を受ける被検者が操作するものである。被検者操作部31は、主に被検者が応答用に操作するものである。被検者操作部31としては、好ましくは、被検者が手で持って操作する手動式の被検者操作部、より好ましくは、被検者が手の指(たとえば、親指や人差し指など)で押圧操作する押圧式の被検者操作部を用いるとよい。その場合、被検者が被検者操作部31を押圧操作すると、被検者操作部31がオフ状態からオン状態に切り替わり、被検者操作部31からオン信号が出力される。このオン信号は制御部30に取り込まれる。
<2.眼筋機能検査の手順>
続いて、本発明の実施形態に係る眼検査装置1を用いた検査の手順(眼筋機能検査方法)について説明する。
まず、具体的な検査手順の説明に先立って、視標の呈示位置について説明する。
被検者に対する視標の呈示は、表示素子12の表示面12aに視標を表示することにより行われる。中心視標は、被検者の視野の中心位置に呈示され、その周囲に検査視標が呈示される。このため、表示素子12の表示面12aの中心に被検者の視野の中心が一致するように装置本体5を構成した場合は、中心視標の表示位置が表示面12aの中心に設定され、その周囲に検査視標の表示位置が設定される。
また、視標の呈示位置を、ヘススクリーンを模した図形を用いて説明すると、たとえば図4のようになる。ただし、ここで図示する視標の呈示位置はあくまで一例である。
視標の呈示位置には、中心視標の呈示位置P0と、検査視標の呈示位置P1〜P8とがある。中心視標の呈示位置P0は、ヘススクリーンの中心に設定されている。ヘススクリーンの中心は、被検者の視野の中心に相当する。検査視標の呈示位置P1〜P8は、中心視標の呈示位置P0の周囲に設定されている。さらに詳述すると、検査視標の呈示位置P1は、中心視標の呈示位置P0の上方に設定され、検査視標の呈示位置P2は、中心視標の呈示位置P0の下方に設定されている。検査視標の呈示位置P3は、中心視標の呈示位置P0の左方に設定され、検査視標の呈示位置P4は、中心視標の呈示位置P0の右方に設定されている。検査視標の呈示位置P5は、中心視標の呈示位置P0の左上方に設定され、検査視標の呈示位置P6は、中心視標の呈示位置P0の右上方に設定されている。検査視標の呈示位置P7は、中心視標の呈示位置P0の左下方に設定され、検査視標の呈示位置P8は、中心視標の呈示位置P0の右下方に設定されている。
上記のヘススクリーン上においては、視標の呈示が、たとえば以下の(1)〜(8)の順序で行われる。
(1)中心視標を呈示位置P0に呈示し、次いで、検査視標を呈示位置P1に呈示する。
(2)中心視標を呈示位置P0に呈示し、次いで、検査視標を呈示位置P2に呈示する。
(3)中心視標を呈示位置P0に呈示し、次いで、検査視標を呈示位置P3に呈示する。
(4)中心視標を呈示位置P0に呈示し、次いで、検査視標を呈示位置P4に呈示する。
(5)中心視標を呈示位置P0に呈示し、次いで、検査視標を呈示位置P5に呈示する。
(6)中心視標を呈示位置P0に呈示し、次いで、検査視標を呈示位置P6に呈示する。
(7)中心視標を呈示位置P0に呈示し、次いで、検査視標を呈示位置P7に呈示する。
(8)中心視標を呈示位置P0に呈示し、次いで、検査視標を呈示位置P8に呈示する。
上述のように中心視標と検査視標を順に呈示し、各々の視標を被検者に見せると、被検者の眼球は、中心視標の呈示位置P0や検査視標の呈示位置P1〜P9に応じて次のように動く。すなわち、上記(1)のように視標を呈示した場合は、被検者の眼球が正面視の状態から上方向に動き、上記(2)のように視標を呈示した場合は、被検者の眼球が正面視の状態から下方向に動く。また、上記(3)のように視標を呈示した場合は、被検者の眼球が正面視の状態から左方向に動き、上記(4)のように視標を呈示した場合は、被検者の眼球が正面視の状態から右方向に動く。また、上記(5)のように視標を呈示した場合は、被検者の眼球が正面視の状態から左上方向に動き、上記(6)のように視標を呈示した場合は、被検者の眼球が正面視の状態から右上方向に動く。また、上記(7)のように視標を呈示した場合は、被検者の眼球が正面視の状態から左下方向に動き、上記(8)のように視標を呈示した場合は、被検者の眼球が正面視の状態から右下方向に動く。
これにより、以下の(a)〜(h)に示す眼球の動きに異常がないかどうかを検査することができる。
(a)正面視の状態から上方視するときの眼球の動き。
(b)正面視の状態から下方視するときの眼球の動き。
(c)正面視の状態から左方視するときの眼球の動き。
(d)正面視の状態から右方視するときの眼球の動き。
(e)正面視の状態から左上方視するときの眼球の動き。
(f)正面視の状態から右上方視するときの眼球の動き。
(g)正面視の状態から左下方視するときの眼球の動き。
(h)正面視の状態から右下方視するときの眼球の動き。
次に、眼筋機能検査の手順について説明する。
まず、ヘッドマウント型の眼検査装置1(装置本体5)を被検者の頭部に装着するとともに、被検者の手に被検者操作部31を持たせる。次に、検者は、端末45を操作することにより、制御部30に対して中心視標の表示(呈示)を指示する。そうすると、この指示を受けて表示制御部43は、まず、表示素子12の表示面12aに中心視標を表示する。中心視標の表示位置は、上述した呈示位置P0に相当する位置となる。これにより、図5に示すように、被検者に対して呈示位置P0に中心視標M0が呈示される。このように中心視標を呈示したら、検者は、中心視標を見ながら被検者操作部31を押圧操作するように、被検者に指示する。
なお、表示素子12には中心視標だけを表示してもよいし、ヘススクリーンの升目と一緒に中心視標を表示してもよい。また、中心視標は、表示素子12L,12Rの一方だけに表示してもよいし、両方に表示してもよい。表示素子12L,12Rの一方だけに中心視標を表示する場合は、この中心視標を被検者が片眼で見ることになり、表示素子12L,12Rの両方に中心視標を表示する場合は、この中心視標を被検者が両眼で見ることになる。また、被検者が中心視標を両眼で見る場合は、左眼8Lで見ている中心視標の像と右眼8Rで見ている中心視標の像とを、被検者が自身の脳内でひとつの像として認識(融像)することになる。以降の説明では、被検者が視標等の対象物を片眼で見ることを「片眼視」ともいい、両眼で見ることを「両眼視」ともいう。
次に、被検者が検者の指示にしたがって被検者操作部31を押圧操作すると、被検者操作部31から制御部30にオン信号が送られる。そうすると、制御部30は、図6に示すように、撮像素子16Lが撮像している左眼8Lの画像データDL0と、撮像素子16Rが撮像している右眼8Rの画像データDR0を、被検者操作部31からオン信号が送られたタイミングでそれぞれ取り込む。このとき、制御部30においては、取り込んだ左眼8Lと右眼8Rの画像データDL0,DR0を、中心視標の呈示位置P0と対応付けてメモリ44に記憶する。これにより、被検者が中心視標を両眼視または片眼視しているときに撮像素子16L,16Rで撮像した左眼8Lと右眼8Rの画像データDL0,DR0がメモリ44に記憶される。
次に、検査処理部41は、上述のようにメモリ44に記憶した眼球8(8L,8R)の画像データを用いて、左眼8Lと右眼8Rの眼位を特定する。このとき特定する眼位は、被検者が片眼または両眼で中心視標を見ているときの眼位となる。ちなみに、眼球の画像データを用いて眼位を特定する方法は、従来から種々の方法が提案されているが、本発明を実施するにあたってはいずれの方法を適用してもかまわない。一例を挙げると、眼球の画像データを画像処理して特定される「瞳孔の中心位置」と「眼球を照明する照明光の角膜での反射光の位置」とを用いて、両者の相対的な位置関係から眼位を特定する方法などがある。
その後、検者は、端末45を操作することにより、制御部30に対して検査視標の表示を指示する。そうすると、この指示を受けて表示制御部43は、表示素子12の表示面12aに検査視標を表示する。検査視標は、中心視標の表示を消した状態で表示してもよいし、中心視標を表示したままの状態で表示してもよい。また、表示素子12には検査視標だけを表示してもよいし、ヘススクリーンの升目と一緒に検査視標を表示してもよい。検査視標の表示位置は、上述した呈示位置P1に相当する位置となる。これにより、図7に示すように、被検者に対して呈示位置P1に検査視標M1が呈示される。その際、表示制御部43は、表示素子12L,12Rのいずれか一方だけに検査視標を表示するように制御する。このため、被検者は、表示素子12によって呈示位置P1に呈示された検査視標M1を片眼で見ることになる。ここでは一例として、表示素子12Lだけに検査視標を表示し、この検査視標を被検者が左眼8Lで見るものとする。このとき、検者は、検査視標を見ながら被検者操作部31を押圧操作するように、被検者に指示する。
ちなみに、表示素子12Lだけに検査視標を表示した場合は、この検査視標を被検者が左眼8Lだけで見ることになる。ただし、人間の眼は両眼が同じ方向に向く共同性眼球運動(むき運動)によって対象物を捉えるため、表示素子12Lだけに検査視標を表示しても、左眼8Lと右眼8Rは、検査視標の呈示位置の方向に一緒に動く。この点は、表示素子12Rだけに検査視標を表示した場合も同様である。
次に、被検者が検者の指示にしたがって被検者操作部31を押圧操作すると、再び被検者操作部31から制御部30にオン信号が送られる。そうすると、制御部30は、図8に示すように、撮像素子16Lが撮像している左眼8Lの画像データDL1と、撮像素子16Rが撮像している右眼8Rの画像データDR1を、被検者操作部31からオン信号が送られたタイミングでそれぞれ取り込む。このとき、制御部30においては、取り込んだ左眼8Lと右眼8Rの画像データDL1,DR1を、検査視標の呈示位置P1と対応付けてメモリ44に記憶する。これにより、被検者が検査視標を片眼視しているときに撮像素子16L,16Rで撮像した左眼8Lと右眼8Rの画像データDL1,DR1がメモリ44に記憶される。
次に、検査処理部41は、上述のようにメモリ44に記憶した眼球8(8L,8R)の画像データを用いて、左眼8Lと右眼8Rの眼位を特定する。このとき特定する眼位は、被検者が左眼8Lだけで検査視標を見ているときの、左眼8Lと右眼8Rの眼位となる。
次に、検査処理部41は、左眼8Lの眼球運動量と右眼8Rの眼球運動量をそれぞれ検出した後、左眼8Lの眼球運動量と右眼8Rの眼球運動量との差を検出し、当該検出結果をメモリ44に記憶する。眼球運動量は、被検者が中心視標を見ているときの眼球8の画像データを基に特定した眼位と、被検者が検査視標を見ているときの眼球8の画像データを基に特定した眼位と、の変位量に基づいて検出する。また、眼球運動量は、左眼8Lと右眼8Rで別々に検出し、それらの差分を、左眼8Lの眼球運動量と右眼8Rの眼球運動量との差として検出する。なお、眼球運動量の検出方法については、上述した眼位の特定方法を眼球運動の始点と終点にそれぞれ適用し、眼位の差分が運動量であるとする方法がある。本発明を実施するにあたっては、上記以外の方法を用いて眼球運動を検出しても構わない。
以上は、上記(1)の順序で中心視標と検査視標を呈示した場合の検査手順の説明であるが、これと同じ検査手順を、上記(2)〜(8)の各順序で中心視標と検査視標を呈示した場合にも繰り返す。その場合、被検者が中心視標を見ているときの眼球8の画像データは、被検者に中心視標を呈示するたびに取り込んでもよいし、被検者に最初に中心視標を呈示したときだけ取り込んでもよい。
その後は、端末45からの指示にしたがって表示制御部43が表示素子12Rだけに検査視標を表示するように制御することにより、検査視標を呈示する対象を左眼8Lから右眼8Rに切り替えて上記同様の検査手順を繰り返す。
以上で眼筋機能検査は終了となる。その後、検査結果出力部42は、上記の検査手順にしたがって検査処理部41が検出した眼筋機能検査の検出結果(検査結果)を出力する。その際、検査結果出力部42は、検査中に検査処理部41がメモリ44に記憶した情報を用いて、検査結果の出力用データを作成し、この出力用データを有線または無線で端末45に送信することにより、端末45のモニタに検査結果を表示させる。この検査結果は、必要に応じて、用紙に印刷出力させることもできる。その場合は、制御部30または端末45にプリンタを接続し、このプリンタに検査結果の出力用データを送信すればよい。
検査結果の出力用データは、好ましくはヘスチャートの形式で出力し得るように作成するとよい。以下に、具体例な検査結果の出力例を示す。
図9(A)は左眼の検査結果をヘスチャートの形式で出力したものであり、図9(B)は右眼の検査結果をヘスチャートの形式で出力したものである。
図9(A)に示す左眼の検査結果は、被検者が右眼8Rを使って各呈示位置(図中、黒丸で示す位置)P1〜P8の検査視標を見たときの、左眼8Lと右眼8Rの眼球運動量の差を反映したものとなっている。具体的には、各々の呈示位置P1〜P8において、右眼8Rの運動量に比べて左眼8Lの運動量が多いところでは検査視標の呈示位置よりも外側に検査結果をプロット(図中、三角印で示す)し、左眼8Lの運動量が少ないところでは検査視標の呈示位置よりも内側に検査結果をプロットしている。これと同様に、図9(B)に示す右眼の検査結果は、被検者が左眼8Lを使って各呈示位置P1〜P8の検査視標を見たときの、左眼8Lと右眼8Rの眼球運動量の差を反映したものとなっている。
上述した眼筋機能検査において、両眼とも眼球運動障害がなければ、左眼8Lと右眼8Rは検査視標の呈示位置に応じてほぼ同量ずつ動くため、左眼8Lと右眼8Rの眼球運動量の差は相対的に小さくなる。これに対して、一方の眼球に運動障害がなく、他方の眼球に運動障害があれば、一方の眼球の動きに比べて他方の眼球の動きが悪くなる。このため、左眼8Lと右眼8Rの眼球運動量の差は相対的に大きくなる。したがって、検者は、端末45のモニタに表示された検査結果を見て、眼球運動障害の有無や障害の程度などを判断することができる。たとえば、上記図9(A),(B)に示す検査結果では、右眼の動きを示す図形の大きさが左眼に比べてかなり小さくなっているため、右眼に運動障害が生じていることが分かる。
<3.実施形態の効果>
本発明の実施形態に係る眼検査装置1においては、表示素子12を用いて被検者に検査視標を呈示し、この検査視標の呈示位置の方向に被検者の眼球が動いたときの、左眼8Lと右眼8Rの眼球運動量の差を、撮像素子16L,16Rが撮像する左眼8Lと右眼8Rの画像データを用いて検出することにより、眼球運動障害の有無を検査することができる。これにより、従来のように被検者が指示器等を用いてヘススクリーン上でスポット等の位置を指示する必要がなくなる。このため、眼球運動障害の検査に際して、被検者の負担を軽減することができる。
また、本実施形態においては、検査処理部41による検出結果を検査結果出力部42が端末45のモニタに表示出力するため、検者は、モニタに表示された検出結果を見て、眼球運動障害の有無を判断することができる。これにより、従来のように被検者が指示器等で指示したスポットの位置を検者が検査シートに写し取る必要がなくなる。このため、眼球運動障害の検査に際して、検者の負担を軽減することができる。
また、検査結果出力部42は、検査処理部41による検出結果をヘスチャートの形式で出力するため、検者は、この検出結果に示されたヘスチャートから、従来同様の診断方法で眼球運動障害の有無を診断することができる。
また、上記実施形態においては、眼筋機能検査に必要な表示光学系11、表示素子12、観察光学系15、撮像素子16等を、被検者の頭部に装着される装置本体5に内蔵したヘッドマウント型の装置構成を採用している。これにより、ヘススクリーンを表示するための大型スクリーンなどが不要になる。このため、眼検査装置の小型化を図ることができる。
<4.変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施形態においては、撮像素子16が撮像している眼球8の画像データを、被検者操作部31が押圧操作されたタイミングで制御部30に取り込むようにしているが、本発明はこれに限らず、上記画像データの取り込みタイミングを検者が端末45を用いて制御部30に指示する構成を採用してもよい。
また、上記実施形態においては、被検者操作部31を用いた構成を示したが、被検者の眼球運動の結果を視標を追従させることだけで検出し、時間等により被検者の眼球運動の終点を決めて評価する眼筋機能検査も考えられる。この場合、被検者は視標を見るだけになるので、更なる負担軽減が可能となる。
1…眼検査装置
8…眼球
11…表示光学系
12…表示素子
15…観察光学系
16…撮像素子
41…検査処理部
42…検査結果出力部

Claims (6)

  1. 被検者の左眼と右眼に個別に視標を呈示可能な視標呈示手段と、
    前記被検者の左眼と右眼を個別に撮像する撮像手段と、
    前記視標呈示手段によって前記被検者の一方の眼球に検査視標を呈示した場合に、前記検査視標の呈示位置の方向に前記被検者の眼球が動いたときの、左眼と右眼の眼球運動量の差を、前記撮像手段が撮像する左眼と右眼の画像データに基づいて検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする眼検査装置。
  2. 前記視標呈示手段は、前記被検者の左眼および右眼のうち少なくとも一方の眼球に対して視野の中心位置に中心視標を呈示するとともに、前記被検者の左眼および右眼のうちいずれか一方の眼球に対して前記中心視標の呈示位置と異なる位置に前記検査視標を呈示し、
    前記検出手段は、前記視標呈示手段が呈示する前記中心視標を前記被検者が片眼または両眼で見ているときに前記撮像手段で撮像した左眼と右眼の画像データと、前記視標呈示手段が呈示する前記検査視標を前記被検者が片眼で見ているときに前記撮像手段で撮像した左眼と右眼の画像データとを用いて、左眼と右眼の眼球運動量の差を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼検査装置。
  3. 前記検出手段の検出結果を出力する出力手段を備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の眼検査装置。
  4. 前記出力手段は、前記検出結果をヘスチャートの形式で出力する
    ことを特徴とする請求項3に記載の眼検査装置。
  5. 前記眼検査装置は、眼筋機能を検査する眼筋機能検査装置である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼検査装置。
  6. 前記視標呈示手段および前記撮像手段は、前記被検者の頭部に装着される装置本体に内蔵されている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼検査装置。
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