JP2017040789A - 光学素子、光学系及び光学装置 - Google Patents

光学素子、光学系及び光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加工性が良好であり、ゴーストやフレアの発生を良好に防止することができるフレネルレンズや回折レンズなどの光学素子、当該光学素子を含む光学系及び光学装置を提供する。
【解決手段】所定の第一の媒質(n1)及び第二の媒質(n2)の界面に、第二の媒質からなる断面鋸歯形状のプリズム部を複数備え、全プリズム部のうち少なくともその一部が、レンズ面部と側面部22とを有し、その側面部22が第一の領域及び第二の領域とを有し、これらの領域のうち、少なくともいずれか一方の領域が曲面領域であり、且つ、所定の条件式を満足する。
【選択図】図10

Description

本件発明は、光学素子、光学系及び光学装置に関し、特に、フレネルレンズや回折レンズ等の光学素子、光学系及び光学装置に関する。
従来より、フレネルレンズや回折レンズなど断面鋸歯状の不連続なレンズ面を有する光学素子が知られている。例えば、フレネルレンズは、通常のレンズ面を輪帯状の領域に分割して、これらの領域を段差(側面部)を介して配置したような断面を有するレンズである。フレネルレンズの厚みは、通常よりも薄くすることができる。そのため、フレネルレンズを用いて光学系を構成することにより、光学系の軽量化、コンパクト化などを図ることができる。
ところで、フレネルレンズに入射した光線は、その入射角に応じて所定の角度で屈折し、像面側の所定の位置において集光する。しかしながら、輪帯状に分割された各レンズ面間の段差部分に入射した光線は、当該側面部においてレンズ面とは異なる角度で屈折又は反射する。そのため、側面部に入射した光線に起因して、ゴーストやフレアが発生する場合がある。回折レンズについても同様であり、輪帯間の回折段差(側面部)に入射した光線に起因して、ゴースト等が発生する場合がある。
そこで、側面部の一部又は全部を凸状又は凹状の曲面形状にしたフレネルレンズや回折レンズが提案されている(例えば、「特許文献1」〜「特許文献3」参照)。これらのレンズでは、側面部の一部又は全部を曲面形状にすることで、側面部に入射した光線を拡散させ、ゴースト等の発生を低減している。
特開平4−241341号公報 特開平7−175133号公報 特開2010−96999号公報
しかしながら、上記従来のフレネルレンズや回折レンズ(特許文献1〜特許文献3)では、側面部の曲率半径が比較的大きく、側面部に入射した光線を十分に拡散できているとはいえない。このため、従来のフレネルレンズや回折レンズではゴースト等が依然として発生するおそれがある。一方、側面部の形状を曲率半径の小さい曲面形状とすれば、ゴースト等の発生を有効に抑制することができる。しかしながら、切削法やプレス成型法等により、側面部に曲率半径の小さい曲面形状を形成することは困難である。これは次の理由による。例えば、光軸を含む断面において、側面部の形状を表すと、一の輪帯(プリズム部)の頂点と、この一の輪帯に隣接する他の輪帯の基点とを結ぶ曲線となる。側面部に曲率半径の小さい曲面形状を形成する場合、一の輪帯の頂点と上記他の輪帯の基点とを結ぶ直線よりも、当該一の輪帯の頂点と上記他の輪帯の基点とを結ぶ曲線を径方向に大きく突出させる必要が生じる。そのため、切削法によりレンズ面を直接加工するには、バイトの切削方向を途中で逆方向に変更する必要があると共に、極めて微細な加工を要する。また、プレス成型法においても金型の加工が困難であり、プレス後の離型性も悪い。すなわち、切削法やプレス成型法等により、曲率半径の小さい曲面形状を側面部に形成することは困難である。
そこで、本件発明の課題は、加工性が良好であり、ゴーストやフレアの発生を良好に防止することができるフレネルレンズや回折レンズなどの光学素子、当該光学素子を含む光学系及び光学装置を提供することにある。
本件発明の課題を解決するため、本件発明に係る光学素子は、以下の条件式(1)を満足する第一の媒質及び第二の媒質の界面に、第二の媒質からなる断面鋸歯形状のプリズム部を複数備える光学素子であって、光軸を含む断面において、前記プリズム部は、前記界面において、前記第二の媒質の厚みが最も大きくなる位置を頂点とし、前記第二の媒質の厚みが最も小さくなる位置を基点としたときに、当該頂点と当該基点とを結ぶ線分で表され、入射光を入射角に応じて所定の角度で屈折又は回折させるレンズ面部と、当該プリズム部の前記頂点と当該プリズム部に隣接する他のプリズム部の基点とを含む側面部とを有し、全プリズム部のうち、少なくとも一部のプリズム部は、その側面部が、当該プリズム部の頂点を端点とする第一の線分で表される第一の領域と、前記他のプリズム部の基点を端点とする第二の線分で表される第二の領域とを有し、当該第一の領域及び当該第二の領域のうち、少なくともいずれか一方の領域は前記線分が曲線である曲面領域であり、且つ、以下の条件式(2)又は条件式(3)を満足する所定のプリズム部であることを特徴とする。
n1 < n2 ・・・(1)
0° < θ1 ≦ 30° ・・・(2)
0° < θ2 ≦ 100°−Φ0 ・・・(3)
但し、上記条件式(1)において、n1は前記所定の波長域の光線に対する第一の媒質の屈折率であり、上記n2は前記所定の波長域の光線に対する第二の媒質の屈折率である。
また、上記条件式(2)において、θ1は、前記光軸を含む断面における当該プリズム部の前記頂点を含み前記光軸に平行な直線と、当該プリズム部の前記頂点及び前記他のプリズム部の前記基点を含む直線とが成す角度である。
さらに、上記条件式(3)において、θ2は、前記光軸を含む断面における前記他のプリズム部の基点を含み前記光軸に平行な直線と、当該プリズム部の前記頂点及び前記他のプリズム部の前記基点を含む直線とが成す角度であり、Φ0は、臨界角であり、Φ0=sin−1(n1/n2)である。
また、本件発明の課題を解決するため、本件発明に係る光学系は上記光学素子を含むことを特徴とする。
また、本件発明の課題を解決するため、本件発明に係る光学装置は上記光学素子を含む光学系を備えることを特徴とする。
本件発明によれば、加工性が良好であり、ゴーストやフレアの発生を良好に防止することができるフレネルレンズや回折レンズなどの光学素子、当該光学素子を含む光学系及び光学装置を提供することができる。
本件発明の実施の形態の光学素子の種々の形態例を示す断面図(光軸を含む断面図)である。 本件発明の実施の形態の光学素子の形態例及びゴースト等の発生原因となる光線Aを説明する図である。 本件発明の実施の形態の光学素子の形態例及びゴースト等の発生原因となる光線Bを説明する図である。 第一の媒質(低屈折率媒質)から第二の媒質(高屈折率媒質)に入射する光束の反射光束の強度を説明するための図である。 第二の媒質(高屈折率媒質)から第一の媒質(低屈折率媒質)に入射する光束の臨界角と反射光束の強度を説明するための図である。 光線束Aに起因するゴースト等の発生要因を説明するための図であり、当該光学素子の一面(物体側面)にプリズム部が設けられた例を示す。 光線束Aに起因するゴースト等の発生要因を説明するための図であり、当該光学素子の他面(像側面)にプリズム部が設けられた例を示す。 光線束Bに起因するゴースト等の発生要因を説明するための図であり、当該光学素子の一面(物体側面)にプリズム部が設けられた例を示す。 光線束Bに起因するゴースト等の発生要因を説明するための図であり、当該光学素子の他面(像側面)にプリズム部が設けられた例を示す。 本件発明の実施の形態の光学素子における所定のプリズム部の形態例を示す図である。 本件発明の実施の形態の光学素子における所定のプリズム部の形態例を示す図である。
以下、本件発明に係る光学素子、光学系及び光学装置の実施の形態を説明する。
1.光学素子
まず、図1を参照しながら、本件発明の実施の形態の光学素子100について説明する。図1(a)〜(d)には、本件発明に係る光学素子の種々の形態例を示す。図1(a)〜(d)に示す光学素子100は、例えば、フレネルレンズ、シリンドリカルフレネルレンズ、単層型回折レンズ、複層型回折レンズ等であり、いずれも以下の条件式(1)を満足する第一の媒質及び第二の媒質の界面に、第二の媒質からなる断面鋸歯形状のプリズム部10を複数備える。
n1< n2 ・・・(1)
但し、上記条件式(1)において、n1は所定の波長域の光線に対する第一の媒質の屈折率であり、上記n2は所定の波長域の光線に対する第二の媒質の屈折率である。また、所定の波長域の光線とは、当該光学素子が用いられる波長域(使用波長域)の光線を意味し、可視波長域、赤外波長域等、当該光学素子の使用波長域に応じて、その具体的な波長域を適宜選択することができる。
ここで、図1(a)〜(d)は種々の形態の光学素子100の第一の媒質と、第二の媒質の界面部分の一部の断面を示した断面図である。また、図1に示す光学素子100では、いずれも当該光学素子100の一面(例えば、物体面)R1又は他面(例えば、像側面)R2が上記第一の媒質と第二の媒質との界面であり、この界面を示す実線(R1又はR2)からn1と記載されている側が第一の媒質側であり、n2と記載されている側が第二の媒質側である。また、図1(a)、(c)には、光学素子100のR1面に、輪帯状或いは帯状に分割されたレンズ面(後述するレンズ面部11)が段差(後述する側面部12)を介して不連続に設けられた状態を示し、図1(b)、(d)には、光学素子100のR2面に、上記レンズ面が段差を介して不連続に設けられた状態を示している。さらに、図中に示す一点鎖線は光軸lである。なお、本実施の形態で参照する断面図は、全て当該光学素子100の光軸lを含む断面を示し、各図に示すn1、n2等はいずれも第一の媒質、第二の媒質を示している。
本件発明では、図1(a)〜(d)に示すように、このレンズ面と段差部分とにより形成される第二の媒質からなる断面鋸歯形状の領域をプリズム部10と称する。但し、上述したとおり、第一の媒質と第二の媒質は上記条件式(1)を満足するものとする。以下では、主として、第一の媒質が空気である場合を例に挙げて説明するが、第一の媒質は空気に限定されるものではなく、第二の媒質よりも屈折率が低い媒質であれば、他の光学材料等、特に限定されるものではない。
このようなプリズム部10を複数備えた光学素子100では、段差部分に入射した光線によってゴーストやフレアが発生する場合がある。当該光学素子100では、上記界面に設けられた全プリズム部のうち、少なくとも一部のプリズム部の段差部分の形状を後述するような形状とすることにより、良好な加工性を実現すると共に、ゴーストやフレアの発生を防止可能とした。以下では、プリズム部10の基本構成を説明した上で、段差部分の形状に特徴のあるプリズム部(以下、所定のプリズム部20(図10、図11参照))について詳細に説明する。
1−1.プリズム部
まず、プリズム部10について説明する。本実施の形態において、プリズム部10とは、図1(a)〜(d)に示したとおり、輪帯状又は帯状に分割されたレンズ面部11と、互いに隣接するレンズ面部11間の段差(側面部12)とにより形成される第二の媒質からなる断面鋸歯形状の領域をいう。以下では図2及び図3を参照しながら、当該プリズム部10に関する各部位の説明を行う。なお、以下に定義する各事項は後述する所定のプリズム部20においても同様である。
(1)頂点及び基点
図2(a)〜(d)及び図3(a)〜(d)は、種々の形態の当該光学素子100の第一の媒質と第二の媒質との界面の一部を拡大して示した断面図である。各図にはそれぞれ上記界面に互いに隣接して設けられた二つのプリズム部10を示している。
本実施の形態において、プリズム部10の頂点13及び基点14は以下のように定義される。光軸lを含む断面において、プリズム部10を構成する第二の媒質の厚みが最も大きくなる位置を当該プリズム部の頂点13とし、前記第二の媒質の厚みが最も小さくなる位置を当該プリズム部の基点14とする。すなわち、光軸を含む断面において当該プリズム部10が最も第一の媒質側に突出する位置を当該プリズム部10の頂点13とし、最も第二の媒質側に突出する位置を当該プリズム部10の基点14とする。
(2)レンズ面部
上記のようにプリズム部10の頂点13と、基点14とを定義したとき、光軸lを含む断面において、各プリズム部10の当該頂点13と当該基点14とを結ぶ線分で表される平面領域又は曲面領域をそれぞれレンズ面部11と称する。このレンズ面部11に入射した光(図示略)は、その入射角に応じて所定の角度で屈折又は回折し、所定の方向に出射される。
(3)側面部
本実施の形態において、側面部12は、光軸lを含む断面において、一のプリズム部10についてみたとき、そのプリズム部10の頂点13と、当該プリズム部10に隣接する他のプリズム部10の基点14とを含む領域をいう。当該側面部12は、互いに隣接するレンズ面部11間の段差部分の非レンズ面等と称される領域、すなわち第一の媒質と第二の媒質の界面においてレンズ面部11以外の領域をいう。なお、ここでいう他のプリズム部とは、光学素子100に設けられた全プリズム部のうち、ある一つのプリズム部に着目したときに、そのプリズム部に隣接するプリズム部を意味する。
1−2.ゴースト等の発生要因
ここで、所定のプリズム部20の説明に先立ち、ゴースト等の発生要因となる光線について説明する。例えば、当該光学素子100を用いて結像光学系を構成した場合、当該結像光学系に入射した光線は像面において結像し、像面には被写体像が形成される。しかしながら、当該光学素子100において、プリズム部10の上記側面部12に入射する光線は、レンズ面部11に入射する光線とは異なる角度で屈折又は回折する。従って、側面部12に入射した光線は、被写体像の結像に関与すべき光線ではなく、いわゆる不要光線となる。この不要光線が像面又は射出瞳に入射するとゴースト等が発生する場合がある。すなわち、不要光線が発生してもその不要光線が像面又は射出瞳に入射しなければゴースト等は発生しない。また、不要光線の強度が低ければ、その不要光線が像面又は射出瞳に入射してもゴースト等として観察されない場合がある。
当該観点の下、側面部12に入射する光線のうち、本件発明者は以下の二種類の光束が主にゴースト等の発生要因であることを見出した。以下、側面部12に入射する光線のうち、ゴースト等の発生要因となり得る光線束A及び光線束Bについて説明する。なお、以下では、主として当該光学素子100を用いて撮像光学系を構成したときを例に挙げて説明するが、当該光学素子100を用いて投影光学系、或いは、画像情報を接眼レンズで観察する光学系等を構成したときも同様であり、種々の光学系に適用することができる。
(1)光線束A
側面部12に入射する光線のうちゴースト等の発生要因になる光線として、まず、以下に説明する光線束Aが挙げられる。
光線束Aは、図2(a)〜(d)に示すように、第一の媒質側から側面部12(第二の媒質側)に入射する光線束であって、第一の媒質側から側面部12に対して入射角60°より大きく90°未満で入射する光線束である。ここでいう入射角は、側面部12に対する入射角であり、側面部12に入射する光線と側面部12の法線とが成す角度である。光線束Aは、第一の媒質側から側面部12に対して入射角60°より大きく90°未満で入射する光線の束を意味する。なお、図2(a)〜(d)には、第一の媒質側から側面部12に対して、入射角60°で入射する光線を示している。側面部12が光軸lに平行な平面である場合、当該光線Aと光軸lに平行な直線l’と成す角度θaは30°である。
例えば、図4に示すように、屈折率の低い媒質(第一の媒質)から屈折率の高い媒質(第二の媒質)に入射する光線では、入射光の入射角が60°を超えると、その反射光の反射率が入射角が60°以下の場合と比較すると高くなる。例えば、空気(n1=1.0)を第一の媒質とし、水(n2=1.33)、ガラス(n2=1.5)、ダイアモンド(n2=2.42)をそれぞれ第二の媒質としたとき、いずれの場合も、入射光の入射角が60°を超えると上記のようになる。そして、第二の媒質が上記水、ガラス、ダイアモンドのいずれの場合も入射光の入射角が80°を超えるとその反射光の反射率は急激に高くなり、入射角90°に至る直前でその反射光の反射率はほぼ100%になる。従って、第一の媒質側から側面部12に対して入射角60°より大きく90°未満で入射する光線束の反射光束は強度の高い不要光線束となる可能性が高い。一方、第一の媒質側から側面部12に入射する光線束のうち、入射角が0°以上60°以下の光線束については、その反射光束の強度が低い。そのため、第一の媒質側から側面部12に対して、入射角が0°以上60°以下で入射する光線束、すなわち第一の媒質側から側面部12に入射する光線束のうち、光線束A以外の光線束は強度が低く、ゴースト等の発生要因とはなりにくい。
(2)光線束B
次に、側面部12に入射する光線束のうちゴースト等の発生要因になる光線束として、以下の光線束Bが挙げられる。光線束Bは、図3(a)〜(d)に示すように、第二の媒質側から側面部12(第一の媒質側)に入射する光線束であって、第二の媒質側から側面部12に対して、(臨界角(Φ0)−10°)以上90°未満の入射角で入射する光線束である。なお、図3(a)〜(d)には、第二の媒質側から側面部12に対して、臨界角Φ0で入射する光線を示している。側面部12が光軸lに平行な平面である場合、当該光線Bと光軸lに平行な直線l’と成す角度θbは90°−Φ0である。
例えば、図5に示すように、屈折率の高い媒質(第二の媒質)側から屈折率の低い媒質(第一の媒質)側に臨界角(Φ0)以上90°未満の入射角で入射する光線束は側面部12において全反射する。従って、第二の媒質側から側面部12に対して臨界角(Φ0)以上90°未満の入射角で入射する光線束の反射光束は強度の高い不要光線束となる可能性が高い。また、(臨界角(Φ0)−10°)以上臨界角(Φ)未満の入射角で入射する光線束は、当該側面部12おいて全反射はしないが、その反射光束の強度は比較的高い。従って、第二の媒質側から、(臨界角(Φ0)−10°)以上臨界角(Φ0)未満の角度で入射する光線束の反射光束も強度の高い不要光線束となる可能性が高い。つまり、第二の媒質側から側面部12に対して、(臨界角(Φ0)−10°)以上90°未満の入射角で入射する光線束Bの反射光束の強度は高く、光線束Bの反射光束は強度の高い不要光線束となり得る。一方、第二の媒質側から側面部12に対して、0°以上(臨界角(Φ0)−10°)未満の入射角で入射する光線束の反射光束の強度は弱く、ゴースト等の発生要因とはなりにくい。
なお、臨界角(Φ0)は、屈折率の高い媒質(第二の媒質)から屈折率の低い媒質(第一の媒質)に入射する光線束がこれらの媒質の界面において全反射するときの最も小さい角度をいい、以下の式で表される。
Φ0=sin−1(n1/n2)
但し、n1及びn2は、上述したとおり、n1は所定の波長域の光線に対する第一の媒質の屈折率であり、n2は所定の波長域の光線に対する第二の媒質の屈折率であり、所定の波長域の光線は上述のとおりである。また、n1<n2を満足するものとする。
(3)ゴースト等の発生
次に、これらの光線束A又は光線束Bの反射光束が、どのようにしてゴースト等として観察されるのかを説明する。
i)光線束A
まず、図6及び図7を参照しながら光線束Aについて説明する。当該説明を行う上で、当該光学素子100が含まれる結像光学系(図示略)において、当該光学素子100の側面部12で反射した光線が入射する面から像面側に配置された他の全ての光学素子により構成される光学系を像側光学系と称し、図6及び図7にはそれぞれ当該像側光学系の物体側主点H及び像側主点H’を示す。また、図6には、当該光学素子100の一面R1に、側面部12が当該光学素子100の外側を向くようにしてプリズム部10が設けられた例を示している。一方、図7には、当該光学素子100の他面R2に、側面部12が当該光学素子100の内側(光軸)を向くようにしてプリズム部10が設けられた例を示している。また、図6及び図7には、当該プリズム部10が設けられた界面(R1/R2)のみを示し、当該光学素子100の全体を図示することは省略している。さらに、図6及び図7に示すIは像面又は射出瞳である。また、図6に示す符号A(A1)及びA(A2)は、それぞれ光線束Aを示す。括弧内のA1、A2の符号は、それぞれ光線束A1、光線束A2を示す。光線束A1及び光線束A2は、いずれも光線束Aであるが、光学素子100の光学面に対するそれぞれの光線の入射位置に応じて、便宜的に光線束A1、光線束A2と区別して称する。また、各光線束A1、光線束A2は、図6及び図7において実線から波線で示される範囲の角度で入射する光線の束を意味する。また、実線で表される光線に関して、θa≒0°であるものとする。
図6に示す光線束A1又は図7に示す光線束A1、A2のように、第一の媒質側から側面部12に入射する各光線束の反射光束が上記像側光学系にそれぞれ同じ入射角で入射すると、当該反射光束は当該像側光学系の像側焦点位置P近傍の、光軸からY=F・tanθaで表される位置に収束する。一般に、当該像側光学系の像側焦点位置Pは、当該結像光学系自体の像側焦点位置、すなわち、像面又は射出瞳Iとは異なる。そのため、例えば、光線束A1のように、その側面部12における反射光束が像面又は射出瞳Iに入射すると、それが像面(又は射出瞳)において帯状のゴーストとして観察される。なお、図6に示すように、光線束A2の側面部12における反射光束が像面又は射出瞳Iに入射しない場合は、光線束A2に起因するゴースト等は観察されない。
ii)光線束B
光線束Bについても同様である。図8には、当該光学素子100の一面R1に、側面部12が当該光学素子100の外側を向くようにしてプリズム部10が設けられた例を示している。一方、図9には、当該光学素子100の他面R2に、側面部12が当該光学素子100の内側(光軸)を向くようにしてプリズム部10が設けられた例を示している。図8及び図9に示す各符号/記号等は図6及び図7に示す各符号/記号等と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図8及び図9に示すように、光線束Bの場合も光線束Aと同様に、第二の媒質側から側面部12に入射した光線束Bの反射光束が、上記像側光学系に入射すると、当該反射光束は当該像側光学系の像側焦点位置P近傍の、光軸からY=F・tanθbで表されるの位置で収束する。そして、図8に示す光線束B1及び光線束B2、図9に示す光線束B1のように反射光束が像面又は射出瞳に入射すると、それが帯状のゴーストとして観察される。また、光線束Aの場合と同様に、なお、図9に示す光線束B2のように、その側面部12における反射光束が像面又は射出瞳に入射しない場合は、光線束B2に起因するゴースト等は観察されない。
(4)ゴースト等の抑制
従って、光線束A又は光線束B、或いはこれらの反射光束が側面部12に入射する際又は側面部12において反射した後にこれらを拡散させれば、ゴースト等の発生を抑制し得る。さらに、光線束A又は光線束Bの入射角を変化させれば、その反射光束の強度を低下させることができ、ゴースト等の発生を抑制し得る。さらに、光線束A又は光線束Bの反射光束が像面又は射出瞳に入射しなければ、ゴースト等の発生を防ぐことができる。
1−3.所定のプリズム部
そこで、これらのゴースト等の発生要因等に基づいて、本実施の形態の光学素子100は、全プリズム部のうち、少なくとも一部のプリズム部を当該所定のプリズム部20とすることにより、良好な加工性を実現すると共に、上記光線束A又は光線束Bに起因するゴーストやフレアの発生を防止可能とした。以下、所定のプリズム部20について説明する。
1−3−1.側面部の形状
所定のプリズム部20において、上記側面部22は、例えば、図10(a)に示すように、当該所定のプリズム部20の頂点23を第一の端点P1とする線分P1・P3で表される第一の領域と、当該所定のプリズム部20に隣接する他のプリズム部30の基点34を第二の端点P2とする線分P2・P3で表される第二の領域とを有し、当該第一の領域及び当該第二の領域のうち、少なくともいずれか一方の領域(図10(a)の場合は、断面形状が線分P2・P3で表される第二の領域)は、上記線分が曲線の曲面領域であり、且つ、後述する条件式(2)又は条件式(3)を満足するものとする。なお、当該曲面領域は、例えば、光線束A又は光線束B、或いはこれらの反射光束が当該側面部22に入射したときに、当該光線束A又は光線束B、或いはこれらの反射光束を拡散させる拡散領域となる。また、当該所定のプリズム部20の形態は、図10(a)に示す例に限定されるものではなく、図10(b)〜(d)、図11(a)〜(d)等の種々の形態をとり得る。
なお、当該所定のプリズム部20の側面部22の形状は、通常のプリズム部10の側面部12が光軸lに平行な平面であるとしたとき(図1等参照)、図10(b)〜(d)、図11(a)〜(d)等に示すように、当該通常のプリズム部10の基点14部分を面取りしたような形状を有する。但し、通常のプリズム部10とは、当該光学素子100に設けられる全プリズム部のうち、所定のプリズム部20以外のプリズム部10を意味し、側面部12に入射する光線束(光線束A、光線束B等)に起因するゴースト等の発生抑制対策を行っていない通常の形態のプリズム部10が該当する。以下に当該所定のプリズム部20における側面部22の形状を詳細に説明する。
(1)線分
本実施の形態において、線分は次のように定義される。すなわち、上記第一の領域又は第二の領域の断面形状を表す線分とは二つの端点を結ぶ直線又は曲線をいうものとする。光軸lを含む断面において、第一の線分は、当該所定のプリズム部20の頂点23を第一の端点P1とし、この所定のプリズム部20に隣接する他のプリズム部30の基点34以外の点を第三の端点P3とする直線又は曲線である。また、第二の線分は、光軸lを含む断面において、上記他のプリズム部30の基点34を第二の端点P2とし、当該所定のプリズム部20の頂点23以外の点を他方の端点(P3)とする直線又は曲線である。なお、第一の線分の第三の端点P3は、上記他のプリズム部30の基点34以外の点であり、第二の線分の他方の端点(P3)は当該プリズム部20の頂点23以外の点である。また、第三の端点P3と第二の線分の他方の端点とは同一の点であってもよいし、異なる点であってもよい。第三の端点P3と第二の線分の他方の端点とが同一の点である場合、所定のプリズム部20において、側面部22は線分P1・P3で表される第一の領域、及び、線分P2・P3で表される第二の領域の二つの領域のみから形成される。
(2)領域の数
当該所定のプリズム部20において、側面部22が図10(a)、(b)、図11(a)、(b)に示すように第一の領域及び第二の領域の二つの領域を有するものとしてもよいし、図10(c)、(d)、図11(c)、(d)に示すように当該側面部22が第一の領域及び第二の領域に加えて、第三の線分、第四の線分等で表される第三の領域、第四の領域等を有してもよい。例えば、図10(c)には、当該側面部22が線分P1・P3で表される第一の領域(平面領域)と、線分P2・P4で表される第二の領域(曲面領域)の他に、線分P3・P5で表される第三の領域(曲面領域)、線分P5・P4で表される第四の領域(曲面領域)の四つの領域を有する例を示している。なお、図10及び図11の各図において、Pn(但し、nは1以上の整数)は、それぞれ各領域の断面形状を線分で表したときの各線分の端点を示す。当該所定のプリズム部20において側面部22が有する領域の数は特に限定されるものではない。また、当該所定のプリズム部20において側面部22が有する曲面領域の凹凸の向きも限定されるものではない。例えば、図10(a)、(b)及び図11(a)、(b)に示す各曲面領域の凹凸の向きがそれぞれ逆であってもよい。具体的には、図10(a)に示す曲面領域は、第二の媒質側に凹であるが、第一の媒質側に凸であってもよい。同様に、図10(c)、(d)及び図11(c)、(d)に示す各曲面領域の凹凸の向きがそれぞれ逆であってもよい。また、図10(c)、(d)及び図11(c)、(d)に示す複数の曲面領域のうち、一部の曲面領域の凹凸の向きが他の曲面領域の凹凸の向きと逆であってもよい。すなわち、側面部22に複数の曲面領域を有する場合、その一部の曲面領域が他の曲面領域と凹凸の向きが逆であってもよい。また、本件発明において、当該所定のプリズム部20の側面部22に設けられる複数の領域のうち、少なくともその一部の領域が曲面領域であればよく、全ての領域が曲面領域であってもよい。すなわち、側面部22の形状は本件発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
所定のプリズム部20において、側面部22を少なくとも二以上の領域から構成し、そのうち少なくともいずれか一の領域を曲面領域としている。そのため、当該曲面領域の曲率半径を小さくしても加工上の制約を小さくすることができる。この点について、以下により具体的に説明する。
例えば、側面部12全体を一つの曲面領域とするとき、その曲面領域の曲率半径を小さくすると、側面部12の加工が困難になる場合がある。すなわち、曲面領域の曲率半径が小さくなると、例えば、その曲面領域の断面形状を表す円弧状の曲線の両端点P1、P2を結ぶ直線よりも、当該円弧状の曲線P1・P2が光軸lに対して垂直な方向(例えば、径方向)に大きく突出するようになる。そのため、切削法により曲率半径の小さい曲面領域を形成するには、バイトの切削方向を逆方向に変更する必要があると共に、極めて微細な加工を要する。また、プレス成型法においても金型の加工が困難であり、プレス後の離型性も悪い。すなわち、側面部全体を一つの曲面領域とするとき、曲率半径の小さい曲面領域を形成することは加工上困難である。
また、例えば、側面部の表面に微細な凹凸構造を設ける場合も、側面部の加工が困難な場合がある。側面部の基本形状を維持した状態で、その表面に微細な凹凸構造を設けるのは、極めて微細な加工を行う必要がある。従って、側面部に加工可能な範囲で凹凸構造を設けても、当該側面部において、入射光束を十分に散乱させることができないおそれが高く、ゴースト等の発生を抑制することができない可能性が高い。一方、ゴースト等の発生を抑制可能な凹凸構造を設計することができても、側面部にそのような凹凸構造を精密に形成することは、現実には不可能であると考えられる。
一方、本実施の形態では、側面部22に断面形状の異なる領域を少なくとも二以上設け、その少なくともいずれか一の領域を曲面領域とする。当該曲面領域の曲率半径を小さくしても、側面部12全体を一つの曲面領域としたときと比較すると、同じ曲率半径であっても、その断面形状を表す曲線の円弧の長さを短くすることができる。このため、切削法などによる側面部22の加工が容易になり、バイトの切削方向を逆方向に変更しなくても、当該側面部22を形成することができる。また、プレス成型法においても金型の加工が容易になり、プレス後の離型性も向上させることができる。また、曲率半径の小さい曲面領域を側面部22に設けることにより、側面部22に入射した光線を拡散させて、ゴーストやフレアの発生を良好に防止することができる。
1−3−2.条件式(2)
次に、条件式(2)について説明する。当該所定のプリズム部20は、以下の条件式(2)及び後述する条件式(3)のうち、少なくともいずれか一方の条件式を満足するものとする。当該条件式(2)は、光線束Aに起因するゴースト等を抑制するための条件である。以下、図10を参照しながら説明する。
0° < θ1 ≦ 30° ・・・(2)
上記条件式(2)において、θ1は、光軸lを含む断面における当該プリズム部20の頂点23を含み光軸lに平行な直線l’と、当該プリズム部20の頂点23及び上記他のプリズム部30の基点34を含む直線P1・P2とが成す角度である。
第一の媒質側から側面部22(第二の媒質側)に対して60°より大きく90°未満の入射角で入射する光線、すなわち光線束Aの反射光束は、上述したとおり強度が高く、当該反射光束が像面又は射出瞳に入射するとゴースト等が発生する。ここで、側面部22が光軸lに対して平行な平面であると仮定した場合、当該光線束Aは光軸lに垂直な平面に対して、0°より大きく30°以下の入射角で第一の媒質と第二の媒質との界面に入射する光線束に相当する。
そこで、側面部22に入射する光線束Aをを拡散させ、或いは、光線束Aの入射角を60°未満にすることなどにより、光線束Aの反射光の強度を低下させることができれば、上記光線束Aに起因するゴースト等の発生を抑制することができる。
上記観点から、所定のプリズム部20では、当該プリズム部20の頂点23を含み光軸lに平行な直線l’と、当該プリズム部20の頂点23及び上記他のプリズム部30の基点34を含む直線とが成す角度θ1を条件式(2)の範囲内とし、側面部22に上述した第一の領域と第二の領域とを設けることにより、光線束Aに起因するゴースト等の発生を抑制することができる。すなわち、側面部22に設けられる第一の領域及び第二の領域のうち、少なくともその一の領域は曲面領域である。従って、所定のプリズム部20の側面部22に対して、光線束Aが入射したとき、当該光線束Aが曲面領域に入射すれば、光線束Aを拡散させることができる。また、曲面領域に入射する光線束Aの入射角が60°未満になれば、光線束Aの反射光束の強度が低くなる。
ここで、側面部22に設けられる第一の領域及び第二の領域のうち、いずれか一の領域が平面領域である場合、当該平面領域が光軸lを含む平面に対して傾斜していれば、平面領域に入射する光線束Aの入射角をその傾斜角の分だけ変化させることができる。入射角が60°未満になれば、光線束Aの側面部22における反射光束の強度を低くすることができる。また、当該所定のプリズム部20において、側面部22に設けられた平面領域が光軸lと平行な平面であったとしても、側面部22が有する二以上の領域のうち少なくともいずれか一の領域は曲面領域であるため、側面部22全体としてみれば、当該側面部22に入射する光線束Aの反射光束の強度を曲面領域に入射した光線束の分だけ低くすることができる。
条件式(2)を満足することにより、光線束Aに起因するゴースト等の発生を抑制する上で、所定のプリズム部20は最小限の範囲で通常のプリズム部10の基点14部分の面取りを行ったような形状とすることができる。換言すれば、光線束Aに起因するゴースト等の発生を抑制するには、側面部22全体を曲率半径の小さい曲面にするなど、側面部22の形状を通常の形態の側面部12の形状から大きく変化させることが考えられる。しかしながら、側面部22の形状を通常のプリズム部10の側面部12の形状から大きく変化させた場合、通常のプリズム部10のみを有する当該光学素子と比較したときに、当該光学素子の光学性能(結像性能等)が劣化する場合がある。一方、本件発明に係る光学素子100によれば、条件式(2)を満足させることにより、ゴースト等の発生を抑制する上で、所定のプリズム部20の形状を、図10、図11に示すように、通常のプリズム部10(図1等参照)の側面部12から最小限の範囲を面取りした形状とすることができ、当該光学素子100の光学性能の劣化等を最小限に防止することができる。
ゴースト等の発生を良好に防止すると共に、当該光学素子100の光学性能の劣化を防止するという観点から、所定のプリズム部20は以下の条件式(2−a)を満足することがより好ましい。
0° < θ1 ≦ 20° ・・・(2−a)
ここで、側面部22に対して入射角60°で入射する光線の反射光に起因するゴースト光の強度判定の結果は様々な要因で変化する。例えば、当該光学素子100を用いて結像光学系を構成する場合、その結像光学系と共に用いる撮像素子の感度によって、上記ゴースト光の強度判定の結果が変化する場合がある。また、ゴースト光の強度判定を視覚により行う場合、判定人によってその強度判定の結果が変化する場合がある。従って、撮像素子の感度等によっては上記条件式(2)の上限値を20°にした場合も、ゴースト光の強度が低く、ゴースト等が発生しても結像性能等への影響が少ない場合がある。このような場合は、上記条件式(2)において、その上限値を20°とすることができる。一方、ゴーストの発生をより良好に防止したい場合には、上記条件式(2)の上限値を40°とすることが好ましい。
1−3−3.条件式(3)
次に、条件式(3)について説明する。上述したとおり、所定のプリズム部20は上記条件式(2)及び以下の条件式(3)のうち、少なくともいずれか一方の条件式を満足するものとする。当該条件式(3)は、上記光線束Bに起因するゴースト等を抑制するための条件である。ここでは、図11を参照しながら説明する。
0° < θ2 ≦ 100°−Φ0 ・・・(3)
上記条件式(3)において、θ2は、前記光軸lを含む断面における上記他のプリズム部30の基点34を含み光軸lに平行な直線l’と、当該所定のプリズム部20の頂点23及び上記他のプリズム部30の基点34を含む直線P1・P2とが成す角度であり、Φ0は上述したとおりである。
第二の媒質側から側面部22(第一の媒質側)に対して(臨界角(Φ0)−10°)以上90°未満の入射角で入射する光線束、すなわち光線束Bの反射光線束は上述したとおり強度が高く、当該反射光線束が像面又は射出瞳に入射するとゴースト等が発生する。ここで、側面部22が光軸lに対して平行な平面であると仮定した場合、当該光線束Bは光軸lに垂直な平面に対して、0°以上(100°−Φ0)以下の入射角で第一の媒質と第二の媒質との界面に入射する光線に相当する。
そこで、光軸lに垂直な平面に対して、第二の媒質と第一の媒質との界面に0°以上(100°−Φ0)以下の入射角で入射する光線束を光線束B’としたとき、この光線束B’を側面部22において拡散させ、或いは、光線束B’の側面部22に対する入射角を(100°−Φ0)よりも大きくすることなどにより、光線束B’の反射光の強度を低下させることができれば、光線束Bに起因するゴースト等の発生を抑制することができる。
上記観点から、所定のプリズム部20では、光軸lを含む断面において、当該プリズム部20に隣接する他のプリズム部30の基点34を含み光軸lに平行な直線l’と、当該プリズム部の頂点23及び上記他のプリズム部30の基点34を含む直線P1・P2とが成す角度θ2を条件式(3)の範囲内とし、側面部22に上述した第一の領域と第二の領域とを設けることにより、光線束B’に起因するゴースト等の発生を抑制することができる。
ゴースト等の発生を抑制可能な理由は、条件式(2)の場合と同様である。すなわち、側面部22に設けられる第一の領域及び第二の領域のうち、少なくともその一の領域は曲面領域である。従って、所定のプリズム部20の側面部22に対して、光線束B’が入射したとき、当該光線束B’が曲面領域に入射すれば、光線束B’を拡散させることができる。また、曲面領域に入射する光線束B’の曲面に対する入射角が(Φ0−10°)未満になれば、光線束B’の反射光束の強度が低くなる。また、側面部22に設けられる第一の領域及び第二の領域のうち、いずれか一の領域が平面領域である場合も、上述したとおり、側面部22全体としてみれば、当該側面部22に入射する光線束B’の反射光の強度を低くすることができる。また、図11(b)、(d)のように、光線束B’が側面部22に入射することを防げない場合は、側面部で反射した強度の高い反射光を拡散させることができる。
さらに、条件式(3)を満足することにより、条件式(2)の場合と同様に、光線束B’に起因するゴーストの発生を抑制する上で、通常のプリズム部10の頂点13部分を最小限の範囲で面取りしたような形状とすることができ、当該光学素子100の光学性能の劣化等を最小限に防止することができる。
ゴースト等の発生を良好に防止すると共に、当該光学素子100の光学性能の劣化を防止するという観点から、所定のプリズム部は以下の条件式(3−a)を満足することがより好ましい。
0° < θ2 ≦ 90°−Φ0 ・・・(3−a)
条件式(3−a)を満足させることにより、当該光学素子100の光学性能の劣化をさらに防止することができる。
1−3−4.条件式(4)
当該所定のプリズム部20において、側面部22が二以上の曲面領域を有する場合、各曲面領域の曲率半径はそれぞれ異なっていてもよい。しかしながら、設計或いは加工上の観点から、各曲面領域の曲率半径は同一であることが好ましい。また、光線束A又は光線束Bに起因するゴースト等の発生をより確実に抑制するという観点から、各曲面領域の曲率半径は小さいことが好ましい。
ここで、各曲面領域の曲率半径をRとし、光軸lを含む断面において、当該側面部22に含まれる上記頂点23(P1)と上記基点34(P2)との間の光軸方向の距離(側面部の高さ)をX、当該側面部22に含まれる上記頂点23(P1)と上記基点34(P2)との間の光軸lに対して垂直方向の距離(側面部の幅)をYとする。このとき、当該側面部に設けられる曲面領域は、当該曲面領域の断面を表す円弧がX方向及びY方向の一方向に変化するものとし、当該円弧の中心角をαとする。なお、当該側面部22に含まれる頂点とは、当該所定のプリズム部の頂点23であり、当該側面部22に含まれる基点とは、当該所定のプリズム部22に隣接する他のプリズム部30の基点34である。
このとき、側面部22に設けられる曲面領域の形状を定義したとき、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
45° ≦ α ≦ 90° ・・・(4)
側面部22に設ける曲面領域の断面形状を上記条件式(4)を満足する形状とすることにより、加工性が良好であり、且つ、曲率半径の小さい曲面領域を側面部22に設けることが容易になる。また、条件式(4)を満足する場合、側面部22に設けられる曲面領域の曲率半径が小さいので、光線束A又は光線束B、あるいはその反射光束を拡散させて、ゴースト等の発生をより有効に抑制することができる。従って、条件式(4)を満足させることにより、条件式(2)又は条件式(3)において、θ1又はθ2の角度をより小さくしても、側面部22に入射する光線を拡散させて、ゴースト等の発生を抑制することができる。さらに、曲面領域の断面を表す円弧をX方向及びY方向の一方向に変化させることにより、上述した切削法等により当該側面部22を加工する際に、バイトをX方向及びY方向の一方向に移動させればよいため、加工が容易である。さらに、側面部22に設ける曲面領域の断面形状を上記条件式(4)を満足する形状とすることにより、成型時の離型性を確保することができる。
なお、当該曲面領域の断面を表す円弧がX方向及びY方向の一方向に変化するとは、例えば、当該円弧形状がXを変数とする方程式Y=f(X)で表され、関数f(X)を変数Xについて微分した導関数をf’(X)とすると、f’(X)≧0又はf’(X)≦0のいずれか一方を満足するか、当該円弧形状がYを変数とする方程式X=f(Y)で表され、関数f(Y)を変数Yについて微分した導関数をf’(Y)とすると、f’(Y)≧0又はf’(Y)≦0のいずれか一方を満足するような、その微分値の符号が途中で変化しないことを意味する。
1−3−5.所定のプリズム部を設ける範囲
上述したとおり、図6に示す光線束A1、図7に示す光線束A1、A2、図8に示す光線束B1、B2、又は図9に示す光線束B1のように、これらの反射光束が像面又は射出瞳に入射すると、これらの各光線束に起因したゴースト等が観察される。しかしながら、図6に示す光線束A2又は図9に示す光線束B2のように、これらの反射光束が像面又は射出瞳に入射しなければ、光線束A2又は光線束B2の反射光束の強度が強くとも、ゴースト等は発生しない。
そこで、当該光学素子100において、上記第一の媒質と第二の媒質との界面に設けられる全プリズム部のうち、光線束A又は光線束Bが側面部に入射したときに、これらの光線束A又は光線束Bに起因してゴースト等が発生し易い位置に配置されたプリズム部のみを上記所定のプリズム部20とすることが好ましい。ゴースト等の発生を抑制すべき位置に配置されたプリズム部のみを上記所定のプリズム部20とすることにより、当該光学素子100の光学性能の劣化を抑制することができる。すなわち、図6に示す光線束A1、図7に示す光線束A1、A2、図8に示す光線束B1、B2又は図9に示す光線束B1が入射するプリズム部を上述した所定のプリズム部20とすることにより、各光線束に起因するゴースト等の発生を抑制することができる。一方、図6に示す光線束A2又は図9に示す光線束B2が入射するプリズム部を通常のプリズム部10としても、光線束A2又は光線束B2の反射光束は像面又は射出瞳に入射しないため、ゴースト対策を行う必要がない。また、当該プリズム部を通常のプリズム部10とすることにより、当該光学素子100本来の光学性能が劣化するのを防止することができる。さらに、側面部12に入射し、側面部12において反射した光線束のうち、一部が像面又は射出瞳に入射しないものがある場合は、側面部12に不要光対策を行うθ1やθ2の上限値を、像面又は射出瞳に入射する光線の角度まで小さくすることで、光学性能の劣化を低減することができる。
具体的には、当該光学素子100が光軸lを中心にする回転対称形状を呈するとき、上記第一の媒質と第二の媒質との界面に設けられたプリズム部の総数をn個としたとき、所定のプリズム部20は光軸lから近い順に数えてn/2個までの位置に設けられることが好ましい。
より具体的には、上記第一の媒質と第二の媒質との界面に設けられる全プリズム部のうち、光軸lから側面部(12)の頂点(13)又は基点(14)までの距離が以下の範囲内であるプリズム部(10)を上記所定のプリズム部20とすることが好ましい。なお、以下では、光線束Aと光線束Bとに場合分けして説明する。
(1)光線束Aの場合
図6及び図7に示す光線Aの側面部12における反射光と、光軸lに平行な直線l’とが成す角度θaが約0°又は30°であるときを例に挙げて説明する。
i)θa≒0°の光線
当該光学素子100の側面部(12)にθa≒0°の光線が入射する場合、光軸lと側面部(12)との間の距離hが下記条件式(5)で表される条件を満足する範囲にあるプリズム部(10)を上記所定のプリズム部20とすれば、このθa≒0°の光線に起因するゴースト等の発生を抑制することができる。
−D/2 ≦ −h・L/F ≦ D/2 ・・・(5)
但し、
Dは、撮像面の有効画面寸法又は射出瞳径であり、
hは、光軸から各側面部までの径方向又は光軸に垂直な方向における距離であり、
Lは、上記像側光学系の像側焦点位置と、撮像面又は射出瞳との間の距離であり、像側焦点位置に対して、撮像面又は射出瞳が物体側に位置する場合、Lの符号は負(−)とし、
Fは、側面部において反射した光線が入射する面から像面側に配置された上記像側光学系の像側焦点距離である。
ここで、実際に上記θa≒0°の光線に起因したゴースト等が観察されるのは、上記撮像面の有効画面の中心から9割の範囲に、上記反射光が入射した場合である。従って、θa≒0°の光線に対してゴースト等の発生を抑制するには、光軸lと側面部(12)との間の距離hが下記条件式(5−a)で表される条件を満足する範囲にあるプリズム部(10)を上記所定のプリズム部20とすることが好ましい。上記界面に設けられるプリズム部(10)のうち、ゴースト等の発生抑制対策を行うべきプリズム部(10)のみを上記所定のプリズム部20とすることにより、当該光学素子100の光学性能の劣化等を抑制することができる。
−0.9・D/2 ≦ −h・L/F ≦ 0.9・D/2 ・・・(5−a)
ii)θa=30°の光線
当該光学素子100の側面部(12)にθa=30°の光線が入射する場合、光軸lと側面部(12)との間の距離hが下記条件式(6)で表される条件を満足する範囲にあるプリズム部(10)を上記所定のプリズム部20とすれば、このθa=30°の光線に起因するゴースト等の発生を抑制することができる。
−D/2 ≦ (Y−h’)(F+L)/F+h’ ≦ D/2 ・・・(6)
但し、
D、L、Fはそれぞれ上述したとおりであり、
Y=F・tan(θa)であり、
h’=h+Xtanθaであり、
θaは、側面部(12)に入射した光線(A)の側面部(12)における反射光と、光軸lと平行な直線l’とが成す角度であり、反射光の進行方向が光軸lに向かう方向である場合の符号は負であり、当該反射光の進行方向が光軸lから離れる方向である場合の符号を正とし、
Xは、側面の物体側端から像側光学系の前側主点までの距離である。
条件式(5)の場合と同様の理由から、θa=30°の光線に対してゴースト等の発生を抑制するには、光軸lと側面部(12)との間の距離hが下記条件式(6−a)で表される条件を満足する範囲にあるプリズム部(10)を上記所定のプリズム部20とすることが好ましい。
−0.9・D/2 ≦(Y−h’)(F+L)/F+h’≦0.9・D/2・・・(6−a)
(2)光線束Bの場合
図8及び図9に示す光線Bの側面部12における反射光と、光軸lに平行な直線l’とが成す角度θbが約0°又は30°であるときを例に挙げて説明する。
i)θb≒0°の光線
当該光学素子100の側面部(12)にθb≒0°の光線が入射する場合、光軸lと側面部(12)との間の距離hが下記式で表される条件式(7)で表される条件を満足する範囲にあるプリズム部(10)を上記所定のプリズム部20とすれば、このθb≒0°の光線に起因するゴースト等の発生を抑制することができる。
−D/2 ≦ −h・L/F ≦ D/2 ・・・(7)
但し、 D、h、L、Fは条件式(5)の場合と同様である。
このとき、以下の条件式(7−a)を満足することがより好ましいのは、光線束Aの場合と同様である。
−0.9・D/2 ≦ −h・L/F ≦ 0.9・D/2 ・・・(7−a)
ii)θb=90°−Φ0の光線
当該光学素子100の側面部(12)にθb=90°−Φ0の光線が入射する場合、光軸lと側面部(12)との間の距離hが下記条件式(8)で表される条件を満足する範囲にあるプリズム部(10)を上記所定のプリズム部20とすれば、このθb=30°の光線に起因するゴースト等の発生を抑制することができる。
−D/2 ≦ (Y−h’)(F+L)/F+h’ ≦ D/2 ・・・(8)
但し、
D、h’、L、F、Yは条件式(6)の場合と同様である。
このとき、以下の条件式(8−a)を満足することがより好ましいのは、光線束Aの場合と同様である。
−0.9・D/2 ≦(Y−h’)(F+L)/F+h’≦0.9・D/2・・・(8−a)
以上のように、当該光学素子100において、上記界面に設けられる全プリズム部のうち、上記光線束A又は光線束Bが入射したときに、これらの光線束に起因してゴースト等が発生し得るプリズム部(10)のみを上記所定のプリズム部20とすることにより、ゴースト等の発生抑制対策を行うことができると共に、当該光学素子100の光学性能の劣化を最小限に防止することができる。
2.光学系
次に、本件発明に係る光学系の実施の形態を説明する。本件発明に係る光学系は、上述した所定のプリズム部20を有する光学素子100を含むものであれば特に限定されるものではない。例えば、上述したように、撮像光学系、投影光学系、画像情報を接眼レンズで観察する光学系等であることが好ましく、結像光学系に限らず種々の光学系に適用することができる。
3.光学装置
また、本件発明に係る光学装置は、上述した所定のプリズム部20を有する光学素子100を含む光学系を備えるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、撮像装置、投影装置、画像情報を接眼レンズを観察する装置等の種々の光学装置に適用することができる。
本件発明によれば、加工性が良好であり、ゴーストやフレアの発生を良好に防止することができるフレネルレンズや回折レンズなどの光学素子、当該光学素子を含む光学系及び光学装置を提供することができる。
10・・・(通常の)プリズム部
11・・・レンズ面部
12・・・側面部
13・・・頂点
14・・・基点
20・・・所定のプリズム部
22・・・側面部
23・・・頂点
24・・・基点
30・・・他のプリズム部
33・・・頂点
34・・・基点
100・・・光学素子
R1・・・一面(物体面)
R2・・・他面(像側面)

Claims (10)

  1. 以下の条件式(1)を満足する第一の媒質及び第二の媒質の界面に、第二の媒質からなる断面鋸歯形状のプリズム部を複数備える光学素子であって、
    光軸を含む断面において、
    前記プリズム部は、前記界面において、前記第二の媒質の厚みが最も大きくなる位置を頂点とし、前記第二の媒質の厚みが最も小さくなる位置を基点としたときに、当該頂点と当該基点とを結ぶ線分で表され、入射光を入射角に応じて所定の角度で屈折又は回折させるレンズ面部と、当該プリズム部の前記頂点と当該プリズム部に隣接する他のプリズム部の基点とを含む側面部とを有し、
    全プリズム部のうち、少なくとも一部のプリズム部は、
    その側面部が、当該プリズム部の頂点を端点とする第一の線分で表される第一の領域と、前記他のプリズム部の基点を端点とする第二の線分で表される第二の領域とを有し、当該第一の領域及び当該第二の領域のうち、少なくともいずれか一方の領域は曲線状の線分で表される曲面領域であり、且つ、以下の条件式(2)又は条件式(3)を満足する所定のプリズム部であること、
    を特徴とする光学素子。
    n1 < n2 ・・・(1)
    0° < θ1 ≦ 30° ・・・(2)
    0° < θ2 ≦ 100°−Φ0 ・・・(3)
    但し、上記条件式(1)において、n1は前記所定の波長域の光線に対する第一の媒質の屈折率であり、上記n2は前記所定の波長域の光線に対する第二の媒質の屈折率である。
    また、上記条件式(2)において、θ1は、前記光軸を含む断面における当該プリズム部の前記頂点を含み前記光軸に平行な直線と、当該プリズム部の前記頂点及び前記他のプリズム部の前記基点を含む直線とが成す角度である。
    さらに、上記条件式(3)において、θ2は、前記光軸を含む断面における前記他のプリズム部の基点を含み前記光軸に平行な直線と、当該プリズム部の前記頂点及び前記他のプリズム部の前記基点を含む直線とが成す角度であり、
    Φ0は、臨界角であり、Φ0=sin−1(n1/n2)である。
  2. 前記所定のプリズム部において、その側面部が有する前記第一の領域及び前記第二の領域のうち、いずれか一方の領域が前記曲面領域であり、他方の領域が平面領域である請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記所定のプリズム部において、その側面部が有する前記第一の領域及び前記第二の領域がいずれも曲面領域である請求項1に記載の光学素子。
  4. 前記側面部が複数の曲面領域を有する場合、各曲面領域の曲率半径がいずれも同じである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学素子。
  5. 当該光学素子は光軸を中心とする回転対称形状を呈し、
    前記プリズム部の総数をn個としたとき、前記所定のプリズム部は光軸から近い順に数えてn/2個までの位置に設けられる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. 前記所定のプリズム部において、その側面部が有する曲面領域の曲率半径をRとし、前記光軸を含む断面において、当該側面部に含まれる前記頂点と前記基点との間の光軸方向の距離をX、当該側面部に含まれる前記頂点と前記基点との間の光軸に対して垂直方向の距離をYとしたとき、当該側面部に設けられる曲面領域は、断面を表す円弧がX方向及びY方向の一方向に変化するものとし、当該円弧の中心角をαとすると、の以下の条件式(4)を満足する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学素子。
    45° ≦ α ≦ 90° ・・・(4)
  7. 前記所定のプリズム部は以下の条件式(2−a)を満足する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学素子。
    0° < θ1 ≦ 20° ・・・(2−a)
  8. 前記所定のプリズム部は以下の条件式(3−a)を満足する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学素子。
    0° < θ2 ≦ 90°−Φ0 ・・・(3−a)
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光学素子を含むことを特徴とする光学系。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光学素子を含む光学系を備えたことを特徴とする光学装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS63101902U (ja) * 1986-12-24 1988-07-02
JPH11344605A (ja) * 1998-06-02 1999-12-14 Asahi Chem Ind Co Ltd 採光用リニアー型フレネルプリズム板

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