JP2017036992A - 試験片の製造方法 - Google Patents

試験片の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017036992A
JP2017036992A JP2015158263A JP2015158263A JP2017036992A JP 2017036992 A JP2017036992 A JP 2017036992A JP 2015158263 A JP2015158263 A JP 2015158263A JP 2015158263 A JP2015158263 A JP 2015158263A JP 2017036992 A JP2017036992 A JP 2017036992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
test piece
axle
parallel part
test
fatigue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015158263A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6520547B2 (ja
Inventor
泰三 牧野
Taizo Makino
泰三 牧野
酒井 宏樹
Hiroki Sakai
宏樹 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2015158263A priority Critical patent/JP6520547B2/ja
Publication of JP2017036992A publication Critical patent/JP2017036992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6520547B2 publication Critical patent/JP6520547B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

【課題】車軸の平行部の疲労強度の簡易評価試験に用いる試験片の製造方法を提供する。
【解決手段】金属材料からなる車軸の平行部の疲労強度の簡易評価試験に用いる試験片の製造方法であって、旋削加工により、前記金属材料に対応する素材に対して、[0.40≦R/R≦0.80](但し、Rは車軸の平行部における仕上加工時の周速(m/min)、Rは試験片の平行部における仕上加工時の周速(m/min)である。)を満足する条件で仕上加工を施し、直径が5〜20mmである平行部を形成する、試験片の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、試験片の製造方法に係り、特に、車軸の平行部の疲労強度の簡易評価試験に用いる試験片の製造方法に関する。
鉄道車両等の車両に用いられる車軸は、車両の安全走行にとって最も重要な部品の一つである。そのため、車軸の疲労特性を明らかにすることは、極めて重要な課題といえる。車軸の疲労特性に関する試験方法として、実物大の車軸を用いた疲労試験がしばしば行われている。
実物大の車軸を用いた疲労試験機の一つに共振型輪軸疲労試験機がある。共振型輪軸疲労試験機は、車軸の一端部に設けられた車輪の外周部を台座に固定し、車軸の他端部に偏芯マス付きのモーターを取り付けて回転させることで、車軸の車輪とのはめ合い部近傍に回転曲げの負荷を与える仕組みのものである。なお、圧入部に対して平行部の直径が小さいと、き裂は車軸の平行部において生じる。そして、き裂が発生する限界の応力を評価することによって、車軸の平行部における疲労限度を求めることができる。非特許文献1には、共振型輪軸疲労試験機を用いた実物大車輪を用いた疲労試験評価について記載されている。この試験機では、実物大車軸の疲労試験評価を行うことも可能である。
Y. OKAGATA, K. KIRIYAMA and T. KATO, Fatigue strength evaluation of the Japanese railway wheel, Fatigue & Fracture of Engngineering Materials & Structures, 30 (2007), p356-371.
しかしながら、実物大車軸を用いた疲労試験では、試験ごとに実際の車軸を準備する必要があるだけでなく、大型な試験装置が必要となるため、試験に要するコストが過大であるという問題がある。そのため、車軸の疲労特性を簡易的に評価する試験方法が望まれる。
車軸の疲労特性を簡易的に調査するためには、小型の試験片を用いた疲労試験を行う必要がある。しかしながら、同一の化学組成、金属組織および機械的特性等を有する金属材料を用いたとしても、小型の試験片を用いた試験によって得られる疲労限度の値と、実物大車軸における疲労限度の値とが必ずしも一致するとは限らない。そのため、簡易的な方法によって車軸の疲労特性を評価するためには、実物大車軸と同等の疲労特性を示す小型試験片を作製する必要がある。
本発明は、上記の問題を解決し、車軸の平行部の疲労強度の簡易評価試験に用いる試験片の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、実際の車軸に用いられる金属材料に対応する素材を用いて、軸力試験片および回転曲げ試験片を作製した。なお、一般的な試験片の作製方法と同様に、エメリー紙による研磨によって仕上加工を施した。
上記の軸力試験片および回転曲げ試験片を用いて、それぞれ軸力疲労試験および回転曲げ疲労試験を実施し、疲労限度を求めたところ、実物大車軸を用いた疲労試験によって求められた疲労限度の値と比較して、著しく高い値となった。
そこで、実物大車軸と試験片との表面性状の違いに注目し、実際の車軸の仕上加工条件を模擬した条件で試験片を作製した。種々の仕上加工条件で複数の試験片を作製し、疲労試験を実施した結果、実物大車軸の疲労限度と同等の値を再現することが可能となった。
発明者らがさらに検討した結果、仕上加工条件に起因する試験片の表面粗さおよび軸方向の残留応力が、疲労限度に大きく影響を及ぼし、これらの値を実際の車軸と試験片とで同等の値に調整することによって、疲労限度についても同等の値とすることが可能であることが判明した。
仕上加工条件と表面粗さおよび軸方向の残留応力との関係についてより詳細に検討した結果、表面粗さの大きさは、旋削加工における送り、切込み量およびチップ形状の3つの要素に支配されており、実物大車軸と試験片との仕上加工におけるこれらの3つの条件をそろえることによって、同等の表面粗さが得られることが分かった。
一方、軸方向の残留応力は引張残留応力であり、旋削加工時におけるごく表層の局所的な発熱による発熱部の降伏強度の低下および周囲からの変形拘束に起因して生じると考えられる。そして、引張残留応力の大きさについては、旋削加工における周速が大きく関係していることが分かった。しかしながら、実物大車軸と試験片とでは、寸法が大きく異なり、その差によって熱容量が異なるため、仕上加工において単純に周速を同じにしても同等の引張残留応力は得ることができない。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記の試験片の製造方法を要旨とする。
(1)金属材料からなる車軸の平行部の疲労強度の簡易評価試験に用いる試験片の製造方法であって、
旋削加工により、前記金属材料に対応する素材に対して、下記(i)式を満足する条件で仕上加工を施し、直径が5〜20mmである平行部を形成する、試験片の製造方法。
0.40≦R/R≦0.80 ・・・(i)
但し、上記(i)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
:車軸の平行部における仕上加工時の周速(m/min)
:試験片の平行部における仕上加工時の周速(m/min)
(2)前記仕上加工における加工条件が、さらに、下記(ii)式を満足する、上記(1)に記載の試験片の製造方法。
0.03≦D/D≦0.12 ・・・(ii)
但し、上記(ii)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
:車軸の平行部の直径(mm)
:試験片の平行部の直径(mm)
(3)前記試験片の平行部における表面粗さが、前記車軸の平行部における表面粗さとの関係において、下記(iii)式を満足する、上記(1)または(2)に記載の試験片の製造方法。
0.75≦Rz/Rz≦1.25 ・・・(iii)
但し、上記(iii)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
Rz:車軸の平行部の表面粗さ(μm)
Rz:試験片の平行部の表面粗さ(μm)
(4)前記試験片の平行部における残留応力が、前記車軸の平行部における残留応力との関係において、下記(iv)式を満足する、上記(1)から(3)までのいずれかに記載の試験片の製造方法。
0.7≦σ/σ≦1.3 ・・・(iv)
但し、上記(iv)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
σ:車軸の平行部の残留応力(MPa)
σ:試験片の平行部の残留応力(MPa)
(5)前記車軸が、鉄道用車軸である、上記(1)から(4)までのいずれかに記載の試験片の製造方法。
本発明によれば、車軸の平行部の疲労強度の簡易評価試験に用いる試験片を安定的に製造することが可能となる。
試験片の形状を説明するための図である。 疲労試験で得られたS−N線図である。 疲労試験で得られたS−N線図である。
本発明の製造方法を用いて製造される試験片は、金属材料からなる車軸の平行部の疲労強度の簡易評価試験に用いるものである。本発明の試験片は特に、鉄道用車軸の平行部の疲労強度を簡易的に評価するのに好適に用いることが可能である。
試験片を作製するにあたっては、車軸を構成する金属材料に対応する金属材料を素材として用いる必要がある。なお、車軸を構成する金属材料に対応する金属材料とは、同等の化学組成、金属組織および機械的性質を有する金属材料を意味する。したがって、試験片の素材は、車軸と同等の化学組成を有する原料を用い、同様の条件での熱処理を施すことによって、製造することが好ましい。なお、上記の化学組成および熱処理条件については、必ずしも厳密に同一にする必要はなく、疲労強度に大きく影響を及ぼさない範囲で許容されるものとする。
本発明に係る試験片は、直径が5〜20mmである平行部を有する。平行部の直径が5mm未満では、試験中に座屈のおそれが生じるため、疲労強度を評価する際の誤差が過大となり正確な評価が行えなくなる。一方、20mmを超えると試験片の寸法が大きくなるため、簡易的な評価方法とはいえなくなる。
車軸は通常、旋削加工によって製造される。したがって、実際の車軸と試験片との表面性状を同等とするため、試験片は旋削加工によって最終的な仕上加工が行われる必要がある。なお、試験片を製造するに際しては、素材を最初から仕上まで全て旋削加工によって作製してもよいし、仕上のみ旋削加工によって行ってもよい。
試験片の仕上加工は、下記(i)式を満足する条件で行う必要がある。試験片の仕上加工時の周速が小さすぎて、R/Rの値が0.40未満となると、試験片表面に付与される引張残留応力が車軸と比較して小さくなり、疲労限度を過大評価することとなる。一方、試験片の仕上加工時の周速が大きすぎて、R/Rの値が0.80を超えると、試験片表面に過大な引張残留応力が付与されることとなり、疲労限度が著しく低くなってしまう。
0.40≦R/R≦0.80 ・・・(i)
但し、上記(i)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
:車軸の平行部における仕上加工時の周速(m/min)
:試験片の平行部における仕上加工時の周速(m/min)
試験片の仕上加工は、さらに下記(ii)式を満足する条件で行うことが好ましい。試験片の平行部の直径が車軸の平行部の直径に比べて著しく小さく、D/Dの値が0.03未満となると、評価試験の精度が低下するおそれがある。一方、D/Dの値が0.12を超えると、実物大車軸に近い寸法の試験片を用意する必要があり、評価試験を簡易的に行うことが困難になるおそれがある。
0.03≦D/D≦0.12 ・・・(ii)
但し、上記(ii)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
:車軸の平行部の直径(mm)
:試験片の平行部の直径(mm)
また、前記試験片の平行部における表面粗さが、前記車軸の平行部における表面粗さとの関係において、下記(iii)式を満足することが好ましい。上述のように、表面粗さは疲労限度に大きく影響を及ぼす要素の一つである。試験片と実際の車軸とで平行部における表面粗さの大きさはできる限り同等とすることが好ましい。表面粗さの大きさは、旋削加工における送り、切込み量およびチップ形状の3つの要素に支配されているため、実物大車軸と試験片との仕上加工におけるこれらの3つの条件をそろえることによって、下記(iii)式を満足することが可能となる。なお、本発明においては、表面粗さの値としては、JIS B 0601(2013)で規定される十点平均粗さRzJISを採用するものとする。
0.75≦Rz/Rz≦1.25 ・・・(iii)
但し、上記(iii)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
Rz:車軸の平行部の表面粗さ(μm)
Rz:試験片の平行部の表面粗さ(μm)
さらに、前記試験片の平行部における残留応力が、前記車軸の平行部における残留応力との関係において、下記(iv)式を満足することが好ましい。上述のように、残留応力も表面粗さと同様に、疲労限度に大きく影響を及ぼす要素の一つである。試験片と実際の車軸とで平行部における残留応力の値が大きく異なると疲労限度にも大きな差が生じてしまうおそれがある。残留応力の値は、実物大車軸と試験片との寸法の差に応じて、旋削加工における周速を調整することによって、下記(iv)式を満足することが可能となる。なお、車軸および試験片の平行部における残留応力の値は、X線回折法により求めることが可能である。
0.7≦σ/σ≦1.3 ・・・(iv)
但し、上記(iv)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
σ:車軸の平行部の残留応力(MPa)
σ:試験片の平行部の残留応力(MPa)
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<参考実験1>
まず、共振型輪軸疲労試験機(SincoTec社製)を用いて、実物大車軸を用いた疲労試験を行った。共振型輪軸疲労試験機は、車軸の一端部に設けられた車輪の外周部を台座に固定し、車軸の他端部に偏芯マス付きのモーターを取り付けて回転させることで、車軸の車輪とのはめ合い部近傍に回転曲げの負荷を与える装置である。
実物大車軸は、表1に示す化学組成を有する中炭素鋼に対して焼入れ焼戻しの熱処理を施すことによって製造されたものである。車軸の寸法は、圧入部の直径Dが191mm、平行部の直径dが166mmであり、段径比D/dが1.15である。また、車輪は圧入部からのオーバーハング量が5mmとなるような状態で固定されている。なお、車軸表面から深さが10mmの位置を中心として引張試験片を切り出し、引張試験を行うことによって機械的性質を調査した。その結果を表2に示す。
Figure 2017036992
Figure 2017036992
共振型輪軸疲労試験機を用いた疲労試験は室温大気中で行い、試験周波数を約20Hz、打切り繰り返し数を1×10回とした。疲労試験中は共振条件下で車軸平行部に貼付したひずみゲージの出力が一定となるよう試験周波数が制御される。き裂が発生すると試験周波数が変化するため、き裂発生を検知することができる。そして、き裂発生を検知するとモーターの回転が自動停止する機構となっている。平行部にき裂が発生して自動停止した場合、き裂は車軸断面の1/3程度の領域まで進展していたため、これを「破断」と呼ぶことにする。なお、平行部の試験応力には、フィレットR上に貼付した5連ゲージの出力より得た最大応力を用い、最小破断点と最大未破断点の応力の中間値を平行部の疲労限度とした。
次に、試験片を用いた疲労試験を実施した。試験片に用いた素材も車軸と同じ中炭素鋼であり、焼入れ焼戻しの熱処理を施している。そして、試験片表面から深さが10mmの位置を中心として引張試験片を切り出し、引張試験を行うことによって機械的性質を調査した。化学組成および機械的性質の調査結果を表1および2にあわせて示す。表1および2に示されているように、試験片の化学組成および機械的性質は、車軸と同等であることが分かる。
図1(a)および(b)に示す形状の軸力試験片および回転曲げ試験片の2種類の試験片を作製し、一般的な試験片の作製方法と同様に、エメリー紙による研磨によって仕上加工を施した。上記の軸力試験片および回転曲げ試験片を用いて、それぞれ軸力疲労試験および回転曲げ疲労試験を実施した。
軸力疲労試験には容量50kNの電気油圧サーボ型疲労試験機を、回転曲げ疲労試験には容量100Nmの小野式回転曲げ疲労試験機を用いた。試験周波数は、軸力疲労試験で10Hz、回転曲げ疲労試験で57Hzとし、いずれも応力比は−1(両振り)、試験環境は室温・大気中、打切り繰返し数は1×10回とした。
図2に疲労試験で得られたS−N線図を示し、その結果から得られた疲労限度を表3に示す。図2および表3においては、実物大車軸の疲労限度に対する比で整理している。ここで、表中の疲労限度は図中の最小破断点とこれより低応力の最大未破断点の応力の中間値(繰返し数1×10回で判定)とした。その結果、実物大車軸の疲労限度に対して、表面を研磨した試験片の疲労限度は、軸力試験片で1.33倍、回転曲げ試験片で1.37倍と高いレベルにあることが分かる。
Figure 2017036992
<実施例1>
続いて、実際の車軸の仕上加工条件を模擬した条件で図1(c)に示す形状の試験片を作製した。すなわち、旋削加工の仕上加工条件における送り、切込み量およびチップ形状については、実際の車軸での条件と同一にした。周速については、表4に示すように種々の条件として、複数の試験片を作製した。なお、試験片の化学組成および機械的性質は、上記の参考実験1で用いた試験片と同一である。
表4に仕上加工時の周速比、試験片の平行部における表面粗さ、残留応力および実物大車軸に対する疲労限度比を示す。表4には実物大車軸の結果も合わせて示している。
Figure 2017036992
表4から分かるように、本発明の規定を全て満足している試験番号1〜3では、表面粗さおよび残留応力が実物大車軸の値と同等となり、その結果、疲労限度についても同等の値となった。なお、試験番号1について疲労試験を行った結果のS−N線図を、参考実験1における試験片(軸力試験片および回転曲げ試験片)との比較のために図2にあわせて示しており、実物大車軸との比較のために図3に示している。図3においても、図2と同様に実物大車軸の疲労限度に対する比で整理している。
一方、周速が低い比較例の試験番号4では、表面粗さについては実物大車軸と同等であったが、残留応力が著しく低くなり、その結果、疲労限度が高くなった。また、周速が高い比較例の試験番号5では、残留応力が過大となり、その結果、疲労強度が低くなり、実物大車軸の値を再現することができなかった。
表5は、実物大車軸と試験番号1の試験片との仕上加工条件を比較した表である。なお、表面粗さを両者で同等の値とするために、送り、チップ形状および最終切込み量は全て同じにしている。一方、周速が異なるにも拘わらず同等の引張応力が得られた理由として、実物大車軸と試験片との直径および回転数の違いが関係していると考えられる。
Figure 2017036992
表5に示しているように、実物大車軸の回転数に対して、試験片の回転数は13倍であった。加工時の発熱量は、工具(チップ)の押し付け力が一定であるとすると周速が高いほど大きくなる。一方、車軸および試験片の表面上のある周方向位置で見たとき、発熱源である工具との接触部がその位置に到達する単位時間あたりの頻度は回転数に比例する。よって、車軸および試験片の表面上では周速が大きいほど、そして回転数が大きいほど発熱量が大きくなると考えられる。以上より、試験片では車軸より周速は遅いが回転数が高いため、車軸と同等の残留応力が発生したものと推定される。
なお、直径が小さいほど熱容量が小さくなり、試験片全体の温度が上昇しやすくなる。よって、試験片で実体車軸と同等の周速で仕上加工すると、試験片全体の温度上昇によって焼き戻され、強度低下が生じたり、表層に脱炭が生じたりするおそれがある。上記の試験番号5においても、試験片表面が黒変しており、断面ミクロ観察の結果、一部脱炭が認められた。
本発明によれば、車軸の平行部の疲労強度の簡易評価試験に用いる試験片を安定的に製造することが可能となる。

Claims (5)

  1. 金属材料からなる車軸の平行部の疲労強度の簡易評価試験に用いる試験片の製造方法であって、
    旋削加工により、前記金属材料に対応する素材に対して、下記(i)式を満足する条件で仕上加工を施し、直径が5〜20mmである平行部を形成する、試験片の製造方法。
    0.40≦R/R≦0.80 ・・・(i)
    但し、上記(i)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    :車軸の平行部における仕上加工時の周速(m/min)
    :試験片の平行部における仕上加工時の周速(m/min)
  2. 前記仕上加工における加工条件が、さらに、下記(ii)式を満足する、請求項1に記載の試験片の製造方法。
    0.03≦D/D≦0.12 ・・・(ii)
    但し、上記(ii)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    :車軸の平行部の直径(mm)
    :試験片の平行部の直径(mm)
  3. 前記試験片の平行部における表面粗さが、前記車軸の平行部における表面粗さとの関係において、下記(iii)式を満足する、請求項1または請求項2に記載の試験片の製造方法。
    0.75≦Rz/Rz≦1.25 ・・・(iii)
    但し、上記(iii)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    Rz:車軸の平行部の表面粗さ(μm)
    Rz:試験片の平行部の表面粗さ(μm)
  4. 前記試験片の平行部における残留応力が、前記車軸の平行部における残留応力との関係において、下記(iv)式を満足する、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の試験片の製造方法。
    0.7≦σ/σ≦1.3 ・・・(iv)
    但し、上記(iv)式中の各記号の意味は下記のとおりである。
    σ:車軸の平行部の残留応力(MPa)
    σ:試験片の平行部の残留応力(MPa)
  5. 前記車軸が、鉄道用車軸である、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の試験片の製造方法。
JP2015158263A 2015-08-10 2015-08-10 試験片の製造方法 Active JP6520547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015158263A JP6520547B2 (ja) 2015-08-10 2015-08-10 試験片の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015158263A JP6520547B2 (ja) 2015-08-10 2015-08-10 試験片の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017036992A true JP2017036992A (ja) 2017-02-16
JP6520547B2 JP6520547B2 (ja) 2019-05-29

Family

ID=58047551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015158263A Active JP6520547B2 (ja) 2015-08-10 2015-08-10 試験片の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6520547B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019066431A (ja) * 2017-10-05 2019-04-25 新日鐵住金株式会社 治具ユニット、試験装置および試験方法
CN111795878A (zh) * 2020-07-13 2020-10-20 中国航发沈阳发动机研究所 一种用于测试材料服役后力学性能的测试件制备方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59163946U (ja) * 1983-04-20 1984-11-02 三菱重工業株式会社 試験片研摩具
JPS6333639A (ja) * 1986-07-29 1988-02-13 Nippon Steel Corp 板厚方向丸型引張試験片の製造方法
US4875375A (en) * 1989-03-03 1989-10-24 University Of Iowa Research Foundation Axial-torsional extensometer
JPH04355342A (ja) * 1991-05-31 1992-12-09 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 小型試験片の製作方法
JPH0633219A (ja) * 1992-07-14 1994-02-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 疲れ強さの高い鉄道用車軸およびその製造方法
JPH11513938A (ja) * 1996-04-09 1999-11-30 リチャード リウ,チュンホーン 部品の製造方法
JP2009174883A (ja) * 2008-01-22 2009-08-06 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 水素ガス中疲労試験方法
JP2011215143A (ja) * 2010-03-16 2011-10-27 Ntn Corp 動力伝達シャフト用の高強度金属材料のせん断疲労特性評価方法および装置
JP2015113509A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 トヨタ自動車株式会社 鉄系金属部品の製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59163946U (ja) * 1983-04-20 1984-11-02 三菱重工業株式会社 試験片研摩具
JPS6333639A (ja) * 1986-07-29 1988-02-13 Nippon Steel Corp 板厚方向丸型引張試験片の製造方法
US4875375A (en) * 1989-03-03 1989-10-24 University Of Iowa Research Foundation Axial-torsional extensometer
JPH04355342A (ja) * 1991-05-31 1992-12-09 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 小型試験片の製作方法
JPH0633219A (ja) * 1992-07-14 1994-02-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 疲れ強さの高い鉄道用車軸およびその製造方法
JPH11513938A (ja) * 1996-04-09 1999-11-30 リチャード リウ,チュンホーン 部品の製造方法
JP2009174883A (ja) * 2008-01-22 2009-08-06 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 水素ガス中疲労試験方法
JP2011215143A (ja) * 2010-03-16 2011-10-27 Ntn Corp 動力伝達シャフト用の高強度金属材料のせん断疲労特性評価方法および装置
JP2015113509A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 トヨタ自動車株式会社 鉄系金属部品の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019066431A (ja) * 2017-10-05 2019-04-25 新日鐵住金株式会社 治具ユニット、試験装置および試験方法
JP6992387B2 (ja) 2017-10-05 2022-01-13 日本製鉄株式会社 治具ユニット、試験装置および試験方法
CN111795878A (zh) * 2020-07-13 2020-10-20 中国航发沈阳发动机研究所 一种用于测试材料服役后力学性能的测试件制备方法
CN111795878B (zh) * 2020-07-13 2023-07-21 中国航发沈阳发动机研究所 一种用于测试材料服役后力学性能的测试件制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6520547B2 (ja) 2019-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Suárez et al. Effects of ultrasonics-assisted face milling on surface integrity and fatigue life of Ni-Alloy 718
JP5503608B2 (ja) 円筒形金属素材の疲労破壊評価方法
Nishimura et al. Fatigue strength of spring steel with small scratches
Shi et al. Surface integrity enhancement of austenitic stainless steel treated by ultrasonic burnishing with two burnishing tips
Fragoudakis et al. Fatigue assessment and failure analysis of shot‐peened leaf springs
Takahashi et al. Effects of shot peening on the torsional fatigue limit of high‐strength steel containing an artificial surface defect
Zou et al. Experimental and numerical study on fretting wear and fatigue of full-scale railway axles
JP2017036992A (ja) 試験片の製造方法
Huuki et al. Influence of ultrasonic burnishing technique on surface quality and change in the dimensions of metal shafts
Zaides et al. Influence of oscillatory smoothing on the residual stress in cylindrical components
JP2011106332A (ja) タービンブレードおよびその加工方法
Epremian et al. Investigation of statistical nature of fatigue properties
Klein et al. Theoretical and experimental investigations about flank breakage in bevel gears
Ardi et al. Surface roughness, areal topographic measurement, and correlation to LCF behavior in a nickel-based superalloy
Okagata et al. Fatigue strength evaluation of the Japanese railway wheel
Le et al. Effect of Ultrasonic Vibration on Forming Force in the Single‐Point Incremental Forming Process
Liu et al. Effect of symmetrical position notching on cracking and cross-section quality of thick-walled metal tube under low-stress cropping
Connor et al. Failure Analysis of a M7X1 High-Speed Steel Tap
Zhang et al. Investigation on the Crack Initiation of V‐Shaped Notch Tip in Precision Cropping
JP2007169684A (ja) 軸肥大加工性向上のための前処理
Szabó et al. Approximation of the stiffness of laminate stacks of electric motors subjected to cyclic loads
Krause et al. Influence of Work‐Hardening and Lower Temperatures on the Yield Stress of Austenitic Stainless Steel X2CrNi18‐10 under Combined Tension‐Torsion Loading
Ozbakiş et al. Investigation of the similarity between physical tests and fatigue simulation of flange yoke made of C45 E material used in cardan shafts
Kyryliv et al. Residual Stresses Formed by Vibration‐Centrifugal Hardening
Cui et al. Gray Relational Optimization of the Surface Performance of Splines Formed by Cold Roll‐Beating

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190415

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6520547

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151