JP2017031371A - 半導体封止用樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

半導体封止用樹脂組成物および半導体装置 Download PDF

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俊幸 山根
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Abstract

【課題】エポキシ樹脂の加水分解性塩素の脱離を抑制し、耐湿信頼性に優れた半導体封止用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)球状シリカと、(E)下記一般式(1)で表される三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドと、を含有する半導体封止用樹脂組成物であって、上記(E)三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドを上記半導体封止用樹脂組成物中に0.03〜0.5質量%含有する半導体封止用樹脂組成物。
【化1】
Figure 2017031371

(式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R、RおよびRは置換基を有していてもよい芳香族基または脂肪族基を表し、これらの基は互いに同一でも異なっていてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体封止用樹脂組成物および半導体装置に関する。
半導体素子等を、熱硬化性樹脂を用いて封止することが広く行われている。このような封止樹脂材料には、耐リフロー性に優れること、パッケージの反りが少ないことなどが要求されている。
半導体装置は小型化・薄型化に伴い、半導体素子を封止する樹脂厚が益々薄くなってくる傾向にある。このため、片面封止型の半導体装置においては、反りが大きな問題となってきている。すなわち、封止樹脂の厚さが薄くなり、曲げ弾性力が低下することで、成形後に封止樹脂が基板側へ大きく引っ張られる。その結果、パッケージの反りが大きくなり、実装信頼性が低下するおそれがあった。
このため、薄型パッケージにおいて、成形後の反りが小さい半導体封止用樹脂組成物が求められていた。そこで半導体封止樹脂の線膨張係数の適正化を目的として、樹脂成分と無機充填材の配合比率を樹脂成分の比率を多くする方向への調整が行われていた。
一方で、半導体素子の微細化に伴い耐湿信頼性の要求レベルが上がってきている。耐湿信頼性の評価としては評価用素子を用い、高温高湿下で電圧を印加し、その電気化学的作用によって、アルミニウム電極や配線等の腐食による不良発生を観察する方法が用いられる。この腐食による不良の主要な発生メカニズムは、エポキシ樹脂の加水分解性塩素の脱離によるものと言われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−264950号公報
しかしながら、半導体素子の高密度微細配線に加えて、封止樹脂中の樹脂成分比率の増加に伴い、成形後の封止樹脂中に含まれる遊離塩素イオン等の不純物の影響が大きくなり、特にBias HAST試験のように加速係数の大きな耐湿信頼性試験においては、アルミパッドとワイヤ間で腐食によるオープン不良の発生率が高くなるおそれがあった。
そこで、本発明は、エポキシ樹脂の加水分解性塩素の脱離を抑制し、耐湿信頼性に優れた半導体封止用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、エポキシ樹脂を主成分とする半導体封止用樹脂組成物において、特定量の三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドがエポキシ樹脂の加水分解性塩素の脱離を抑制し、当該化合物を含む樹脂組成物が極めて良好な信頼性を有する樹脂となり得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の半導体封止用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)球状シリカと、(E)下記一般式(1)で表される三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドと、を含有する半導体封止用樹脂組成物であって、前記(E)三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドを前記半導体封止用樹脂組成物中に0.03〜0.5質量%含有することを特徴とする。
Figure 2017031371
(式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R、RおよびRは置換基を有していてもよい芳香族基または脂肪族基を表し、これらの基は互いに同一でも異なっていてもよい。)
また、本発明の半導体封止装置は、半導体素子を、上記の半導体封止用樹脂組成物を用いて封止してなることを特徴とする。
本発明の半導体封止用樹脂組成物を用いると、エポキシ樹脂硬化時に加水分解性塩素の脱離が抑制されるためBias HAST試験等においても良好な信頼性を示し、また流動性および成形性に優れているため、ワイヤ流れ率が低く、反りが小さくなり、さらにガラス転移温度が高いため寸法収縮が小さく、信頼性の良好な樹脂封止型の半導体装置が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、(A)エポキシ樹脂は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではない。この(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂、等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本発明において、(B)フェノール硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として一般に使用される1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物であればよく、特に制限されるものではない。この(B)フェノール硬化剤としては、具体的には、レゾールシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換または非置換のビフェノール等の1分子中に2個のフェノール性水酸基を有する化合物、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾールシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類および/またはα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類およびナフトール類から選ばれる少なくとも1種とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、パラキシリレンおよびメタキシリレン変性フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種、メラミン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、フェノール類およびナフトール類から選ばれる少なくとも1種とジシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂;トリフェニルメタン型フェノール樹脂、これら樹脂の2種以上を共重合して得たフェノール樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(B)は成分(A)のエポキシ樹脂に対して、当量比(水酸基当量/エポキシ当量)で0.5〜1.5の範囲で配合される。
本発明において、(C)硬化促進剤は、エポキシ樹脂−フェノール硬化系に用いられる硬化促進剤が挙げられる。この(C)硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、2−へプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
なかでも、硬化性および耐熱性に優れ、流動性および成形性が良好であるという観点からイミダゾール類が好ましく、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−ウンデシルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−エチル−4´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾリン、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩および1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト等を挙げることができる。これらイミダゾール類は単独または2種以上混合して使用することができる。
この(C)成分の硬化促進剤の配合量は、(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分のフェノール硬化剤の合計量100質量部に対して、通常、3.0〜10.0質量部程度、好ましくは4.0〜9.0質量部、より好ましくは5.0〜8.0質量部の範囲で選定される。
本発明において、(D)球状シリカは樹脂組成物中に配合される公知の球状シリカである。この球状シリカとしては、その長径と短径とのアスペクト比(長径/短径)が1.0〜1.2の範囲のものを含む。この(D)球状シリカは、樹脂組成物の流動性および成形性を改善し、また、半導体封止物の反りを抑制するものである。
上記成分(D)の球状シリカの平均粒径は5μm〜30μmであることが好ましく、平均粒径を5μm以上とすることにより、得られる樹脂組成物の流動性および成形性を良好なものとできる。また、平均粒径を30μm以下とすることにより、樹脂組成物中における発泡を抑制できる。
この(D)球状シリカの配合割合は、樹脂組成物中に70質量%〜95質量%であることが好ましく、80質量%〜90質量%がより好ましい。球状シリカの配合割合を樹脂組成物全体の70質量%以上とすることにより、線膨張係数が増大して成形品の寸法精度、耐温性、機械的強度、などが低下するのを防止する。また、95質量%以下とすることにより、樹脂組成物の溶融粘度が増大して流動性が低下したり、成形性が低下したり、して実用が困難になってしまうのを防止する。
本発明において、(E)下記一般式(1)で表される三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドは、エポキシ樹脂の加水分解性塩素の脱離を抑制する成分である。
Figure 2017031371
(式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R、RおよびRは置換基を有していてもよい芳香族基または脂肪族基を表し、これらの基は互いに同一でも異なっていてもよい。)
ここで、R〜Rの芳香族基としては、フェニル基等のアリール基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;等が挙げられ、脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシル基;等が挙げられる。
また、これらの芳香族基および脂肪族基は、置換基を有していてもよく、その置換基としては、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基等が挙げられる。
上記(E)成分の三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドとしては、例えば、トリフェニルホスフィンオキシド、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィンオキシド、トリメトキシホスフィンオキシド、トリフェノキシホスフィンオキシド、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンスルフィド等を挙げることができる。
この(E)成分としては三置換ホスフィンオキシドが好ましく用いられ、配線材料として銅配線を用いた場合でも良好な信頼性が得られる。なかでもトリフェニルホスフィンオキシドは保存安定性が良好であり、特に好ましく用いられる。市販品としては、例えばケイ・アイ化成株式会社製のPP−560、北興化学工業株式会社製のTPPO等を挙げることができる。
上記(E)三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドの含有量は樹脂組成物中に0.03〜0.5質量%含有したものであり、好ましくは0.05〜0.4質量%であり、より好ましくは0.05〜0.3質量%である。この(E)成分の含有量が0.03質量%より少ないと加水分解性塩素の脱離抑制作用が得られず、意図した信頼性の向上が得られないおそれがある。また、(E)成分の含有量が0.5質量%より多いと硬化反応を阻害するおそれがあり、ガラス転移温度の低下や反りが大きくなるおそれがある。
ここで、上記(C)成分の硬化促進剤としてイミダゾール類は硬化性および耐熱性に優れ、流動性および成形性が良好であるが、他の硬化促進剤に比較してエポキシ樹脂の加水分解性塩素の脱離が起こりやすく、不純物塩素イオンによる耐湿信頼性の低下という欠点を有している。しかしながら、本発明において、上記のように(E)三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドを併用することで、エポキシ樹脂の加水分解性塩素の脱離を抑制すると同時にワイヤ流れ率を低減して、良好な信頼性を示す半導体封止樹脂組成物が得られる。
次に、本発明の粉粒状半導体封止用樹脂組成物を用いて得られる樹脂封止型半導体装置について述べる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分の他、必要に応じてγ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(E)成分およびその他の添加剤等を、ミキサーを用いて常温混合し、ロール、押出機等の混練機で混練し、冷却後粉砕して得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド、圧縮成形等の成形方法で硬化成形すればよい。
本発明において、封止される半導体素子の種類は、特に限定されるものではないが、樹脂封止後の半導体装置の厚さが0.2〜1.5mmとなるような薄型半導体装置に関しては、本発明の樹脂組成物を用いて圧縮成形法により製造することが特に好ましい。成形条件は、成形温度120〜200℃、成形圧力2〜20MPaであることが好ましい。このような成形条件で圧縮成形によって封止することにより反りが小さく、ワイヤ流れの少ない樹脂封止型の半導体装置を得ることができる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
エポキシ樹脂としてNC−3000(日本化薬(株)製、商品名;エポキシ当量 285、軟化点56℃) 10.32質量部、フェノール硬化剤としてMEHC−7800M(明和化成(株)製、商品名;水酸基当量 173、軟化点81℃) 6.77質量部、イミダゾール系硬化促進剤1として2P4MHZ(四国化成(株)製、商品名;2−フェニル−4−ヒドロキチメチル−5−メチルイミダゾール) 0.15質量部、球状シリカ1としてFB−105(電気化学工業(株)製、商品名;平均粒径11μm) 70.0質量部、球状シリカ2として微細シリカSO−25R((株)アドマテックス製、商品名;平均粒径1μm)13.0質量部、三置換ホスフィンであるトリフェニルホスフィンオキシドとしてTPP−O(北興化学(株)製、商品名) 0.15質量部、シランカップリング剤のN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:Z−6883) 0.2質量部、および着色剤としてカーボンブラック(三菱化学(株)製、商品名:MA−600) 0.25質量部、難燃剤としてFP−100((株)伏見製薬所製、商品名) 0.2質量部、ハイドロタルサイトKW−2200(協和化学工業(株)製、商品名) 0.2質量部を常温でミキサーを用いて混合した後、熱ロールを用いて120℃で加熱混練した。冷却後、五橋製作所(株)製のスピードミルを用いて粉砕した後、篩を通過させ粉粒状の半導体封止用樹脂組成物を得た。
(実施例2)
イミダゾール系硬化促進剤1の代わりにイミダゾール系硬化促進剤2としてC17Z−T(四国化成(株)製、商品名)を0.2質量部とした以外は、実施例1と同様にして半導体封止用樹脂組成物を得た。
(実施例3)
イミダゾール系硬化促進剤1の代わりにリン系硬化促進剤としてPP−200(北興化学工業(株)製、商品名)を0.17質量部とした以外は、実施例1と同様にして半導体封止用樹脂組成物を得た。
(実施例4)
イミダゾール系硬化促進剤1の代わりにウレア系硬化促進剤としてUCAT−3512T(サンアプロ(株)製、商品名)を0.15質量部とした以外は、実施例1と同様にして半導体封止用樹脂組成物を得た。
(実施例5)
トリフェニルホスフィンオキシド(TPP−O)を0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にして半導体封止用樹脂組成物を得た。
(実施例6)
トリフェニルホスフィンオキシド(TPP−O)を0.40質量部とした以外は、実施例1と同様にして半導体封止用樹脂組成物を得た。
(比較例1)
トリフェニルホスフィンオキシド(TPP−O)を含まない以外は、実施例1と同様にして半導体封止用樹脂組成物を得た。
(比較例2)
トリフェニルホスフィンオキシド(TPP−O)を0.02質量部とした以外は、実施例1と同様にして半導体封止用樹脂組成物を得た。
(比較例3)
トリフェニルホスフィンオキシド(TPP−O)を0.60質量部とした以外は、実施例1と同様にして半導体封止用樹脂組成物を得た。
上記各実施例および各比較例で得られた封止用樹脂組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価した。結果を組成等とともに表1に示す。
<評価方法>
[ゲルタイム]
175℃の熱板上で、半導体封止用樹脂組成物がゲル化してから硬化するまでの時間を測定した。
[高化式フロー粘度]
(株)島津製作所製のフローテスタCFT−500型を用いて、温度175℃、ノズル長1.0mm、ノズル径0.5mm、プランジャー圧力10kgfの試験条件で半導体封止用樹脂組成物のフロー粘度を測定した。
[スパイラルフロー]
半導体封止用樹脂組成物を成形温度175℃および成形圧力9.8MPaの条件でトランスファー成形することでスパイラルフローを測定した。
[成形収縮率]
半導体封止用樹脂組成物の成形収縮率は、JIS K 6911に準じて測定した。
[脱離塩素量]
試験成形品を粉砕して、純水中で180℃、2時間抽出後、イオンクロマトアナライザおよび原子吸光光度計により含有量を測定した。
[ガラス転移点]
TMA法により、半導体封止用樹脂組成物を室温から300℃まで(昇温スピード 10℃/min)加熱したときの熱膨張率の変化を熱分析装置TMA/SSC5200(セイコーインスツルメンツ(株)製、商品名)により測定し求めた。
[Bias HAST]
35mm×35mmのPBGAに20μmベアカッパーワイヤをボンディングし、前記樹脂組成物を用いて、注入圧力6MPa、成形温度175℃、成形時間180秒の条件で圧縮成形した後、175℃で4時間、ポストモールドキュアを行い試験用半導体装置を作成した。得られた半導体装置を、130℃/85%RH/5Vにて96時間バイアスをかけ、OPEN不良の発生個数を調べた。(サンプル数=24)
[ワイヤ流れ率]
圧縮成形装置にて成形した半導体装置をX線検査装置〔ポニー工業株式会社製〕にてワイヤの変形を観察し、最大変形部のワイヤ流れ率を測定した。
[反り]
圧縮成形装置にて成形した半導体装置の反り量を3次元測定器にて測定した。
Figure 2017031371
以上の結果から、本発明の半導体封止用樹脂組成物は、特定量の三置換ホスフィンを含有することで、エポキシ樹脂硬化時に加水分解性塩素の脱離が抑制されるためBias HAST試験等においても良好な信頼性を示し、また流動性および成形性に優れているため、ワイヤ流れ率が低く、反りが小さくなる。さらに、ガラス転移温度が高いため寸法収縮も小さい。したがって、これを用いて得られる樹脂封止型の半導体装置は、信頼性の良好なものとなる。
本発明の半導体封止用樹脂組成物は、半導体素子等の電子部品の封止材料の分野で好適に使用され、この半導体封止用樹脂組成物を用いた樹脂封止型半導体装置は信頼性が高いものである。

Claims (4)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)球状シリカと、(E)下記一般式(1)で表される三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドと、を含有する半導体封止用樹脂組成物であって、
    前記(E)三置換ホスフィンオキシドまたは三置換ホスフィンスルフィドを、前記半導体封止用樹脂組成物中に0.03〜0.5質量%含有することを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
    Figure 2017031371
    (式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R、RおよびRは置換基を有していてもよい芳香族基または脂肪族基を表し、これらの基は互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 前記(C)硬化促進剤が、イミダゾール系硬化促進剤であることを特徴とする請求項1記載の半導体封止用樹脂組成物。
  3. 前記(E)成分がトリフェニルホスフィンオキサイドであることを特徴とする請求項1または2記載の半導体封止用樹脂組成物。
  4. 半導体素子を、請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体封止用樹脂組成物を用いて封止してなることを特徴とする半導体装置。
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