JP2017031082A - 工業的抗菌防カビ方法 - Google Patents

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【課題】先に本発明者が開発したイソチオシアン酸エステルの新規な用途の展開である。特に、工業的抗菌防カビ方法に関する手段の提供である。
【解決手段】イソチオシアン酸エステルを対象の工業製品又は工業材料に添加することを特徴とする工業的抗菌防カビ方法
【選択図】図1

Description

本発明は、工業的抗菌防カビ方法に関し、特に、イソチオシアン酸エステルの新規な用途として、工業的抗菌防カビ剤として使用することからなる。
従来から、含水パルプ、染料、糊料、接着剤、切削油剤、ラテックス類、木材、皮革、繊維、繊維油剤、コーキング剤、樹脂、壁紙、セパレートシート、石膏ボード原紙、オフセット印刷用湿し水などの多くの工業製品または工業用材料において、水を使う領域で、真菌のような微生物によって汚染され、劣化し、その外観や商品価値が低下することが知られている。
本発明者は、先に、イソチオシアン酸エステルのカプセル又はペレット粒子の開発に成功し、その持続的な抗菌力を生かして、食品等の抗菌防黴シートの提供に成功している。
特開2011-87585号公報 特開2011-30576号公報
本発明は、先に本発明者が開発したイソチオシアン酸エステルの新規な用途の展開である。特に、水を使うアルカリ性水溶液からなる工業製品又は工業材料の抗菌防カビ方法の提供である。
上記の点に鑑みてなされた本発明の工業的抗菌防カビ方法は、以下からなる;
1.イソチオシアン酸エステルを、工業製品又は工業材料の水溶液中に持続注入若しくは断続注入若しくは断続添加若しくは浸漬させることからなる工業的抗菌防カビ方法。
2.水溶液中に、イソチオシアン酸エステルを1〜1000ppm濃度に所望期間中継続的に維持させる1の工業的抗菌防カビ方法。
3. イソチオシアン酸エステルを、水溶液中でカプセル又は粉末の膜形状を維持でき、イソチオシアン酸エステルを徐放的に水溶液中に流出可能である性状をもつイソチオシアン酸エステルのカプセル又は粉末をペレット粒子中に内包させ、該内包させたペレット粒子を要時そのまま対象の工業製品又は工業材料の水溶液に添加・浸漬する又は前記ペレット粒子を網状の袋内に装填し、要時、対象の工業製品又は工業材料の水溶液に浸漬することからなる1又は2に記載の工業的抗菌防カビ方法。
4.ペレット粒子の平均粒径が1〜10mmであることを特徴とする1〜3のいずれか一に記載の工業的抗菌防カビ方法。
5.イソチオシアン酸エステルが油脂に溶解されていることを特徴とする1〜5のいずれか一に記載の工業的抗菌防カビ方法。
6.カプセル又は粉末の膜形成剤がカプシュール(オクテニルコハク酸でんぷんナトリウム)、アラビアガム、ゼラチン、ヘミセルロース、微生物産生多糖類、改質デンプンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする1〜5のいずれか一に記載の工業的抗菌防カビ方法。
7.カプセル又は粉末に含まれるイソチオシアン酸エステルの割合が1〜20重量%であることを特徴とする1〜6のいずれか一に記載の工業的抗菌防カビ方法。
8.工業製品又は工業材料が、水溶性金属加工油、オフセット用湿し水、繊維油剤、澱粉スラリーである1〜7のいずれか一に記載の方法。
本発明の工業的抗菌防カビ方法は、イソチオシアン酸エステルを工業製品又は工業材料の水溶液に添加することからなり、使用が簡便で、必要なときに素早く利用できる便宜性をもち、そのうえ、抗菌防カビに対する格別の効果を発揮した。
切削油での抗菌抗カビ試験結果を示す。
本発明のイソチオシアン酸エステルとは、常温において揮発性を有する油状物質を意味し、例えば、カラシやワサビの辛味成分であるイソチオシアン酸エステルがこれに該当する。これは植物の抽出物などから得られる天然品であって、人体に対する安全性が高いものである。イソチオシアン酸エステルは優れた抗菌作用を発揮することから衛生上において好適に用いられる。なお、イソチオシアン酸エステルは天然品に限定されるものではなく、自体公知の方法によって合成された合成品であってもよい。
イソチオシアン酸エステルの具体例としては、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸フェニル、イソチオシアン酸メチル、イソチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸プロピル、イソチオシアン酸イソプロピル、イソチオシアン酸ブチル、イソチオシアン酸イソブチル、イソチオシアン酸イソアミル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸シクロヘキシルなどが挙げられる。
本発明において、イソチオシアン酸エステルを、工業製品又は工業材料の水溶液中に添加する。添加は、持続注入若しくは断続注入若しくは断続添加若しくは浸漬させることからなる。イソチオシアン酸エステルは、油状物質であり、揮発性であり、空気中では、揮発し、早期に分解していく。そのため、抗菌防カビ等に使用するには、徐放性が必須であり、適当な被覆等により調製する製品が提供された(特開2011-87585号公報)。本発明において、イソチオシアン酸エステルは、従来使用が不可能であった、工業製品又は工業材料の水溶液に、継続的に一定濃度を存在させることで極めて確実で効率的な抗菌防カビ効果が達成されることを見出した。
イソチオシアン酸エステルは、油状物質であり、工業製品又は工業材料の水溶液に直接添加するだけでは、水に混和しないので速やかに分散されず、刺激臭を放ち水溶液中のカビに対して十分な効果を発揮できない。本発明において、イソチオシアン酸エステルを水溶液中に持続注入若しくは断続注入若しくは断続添加若しくは浸漬される。持続注入とは、水溶液に単に上部から添加するというのではなく、水溶液中に直接イソチオシアン酸エステルを連続して投入することを意味し、例えば、水溶液の保存器の小孔から自動的に連続して極微量の注入が考えられる。この注入により、イソチオシアン酸エステルは水溶液の上澄み部に浮かぶように滞留するのではなく水溶液と混ざり合った状態が確保できる。断続注入とは、自動若しくは手動で、定期的に若しくは所望時期に、水溶液中に直接イソチオシアン酸エステルを投入することを意味する。断続添加とは、水溶液中に直接投入ではなく、自動若しくは手動で、定期的に若しくは所望時期に、水溶液中に上部から添加する。しかし、通常に添加するだけでは、イソチオシアン酸エステルは、水に混和できず、適当な撹拌、液流をおこす必要がある。浸漬とは、適当なカプセル又はペレット粒子中にイソチオシアン酸エステルを内包し、それを水溶液中に直接若しくは網等に包み、浸漬させておくことをいう。
本発明において、水溶液中に、イソチオシアン酸エステルを対象水溶液中に維持濃度として0.1〜1000ppm、好適には1〜1000ppm、さらに好適には10〜300ppm程度になるように添加する。示適濃度は、所望期間中継続的に維持させる。イソチオシアン酸エステルは、濃度が濃いほど抗菌防カビ効果は、優れるが、ひどい刺激臭があることから、必要最小限の濃度設定が必要であり、特に、水溶液中に存在する状態で抗菌防カビ効果が発揮できる条件の設定を必要とする。
本発明において、イソチオシアン酸エステルの水溶液中での抗菌防カビ効果を発揮させる効率的な手段は、イソチオシアン酸エステルを、水溶液中でカプセル又は粉末の膜形状を維持でき、イソチオシアン酸エステルを徐放的に水溶液中に流出可能である性状をもつイソチオシアン酸エステルのカプセル又は粉末をペレット粒子中に内包させ、該内包させたペレット粒子を要時そのまま対象の工業製品又は工業材料の水溶液に添加・浸漬する又は前記ペレット粒子を網状の袋内に装填し、要時、対象の工業製品又は工業材料の水溶液に浸漬することからなる。
本発明のカプセル又は粉末は、水溶性フィルム形成剤を使い膜形成がなされ、その水溶液を乾燥したときにフィルムを形成する性質を有するものを使用する。水溶性フィルム形成剤は、イソチオシアン酸エステルを内包するカプセル又は粉末を構成し、水溶液中でイソチオシアン酸エステルをカプセル又は粉末から放出しうるものであればどのようなものであってもよく、具体的には、カプシュール(オクテニルコハク酸でんぷんナトリウム)、アラビアガム、ゼラチン、ヘミセルロース、微生物産生多糖類、改質デンプンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。特に、カプシュールの利用が最適である。
本発明のカプセル又は粉末は、例えば、水溶性フィルム形成剤と必要に応じて粉末賦形剤を水中に溶解および/または分散させた後、ここにイソチオシアン酸エステルと必要に応じて乳化剤を添加し、乳化処理することで得られた乳化液を噴霧乾燥して粉末化することにより製造することができる。
粉末賦形剤は、粉末賦形剤の具体例としては、カプシュール、デンプン、デンプン分解物、デキストリン、ブドウ糖などの単糖類、乳糖などの二糖類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。好適な粉末賦形剤としては、カプシュール、デンプンやデキストリンなどが挙げられる。
乳化剤は、アラビアガムやカプシュール(CAPSUL:米国Nationalstarchandchemical社製の商品名で日本では日本エヌエスシー社を通じて入手可能な改質デンプン)などのような乳化作用を有する物質以外の物質を水溶性フィルム形成剤として用いて乳化液を調製する場合に有効に機能する。乳化剤の具体例としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステルやソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
乳化液を調製するための乳化処理は常法に従って行えばよい。乳化液の噴霧乾燥は、140〜180℃で行うことが望ましい。140℃よりも低温であると水分を十分に蒸発させることができないことで乾燥粉末が得られない恐れがある一方、180℃よりも高温であると工程中にイソチオシアン酸エステルが揮散してしまう恐れがある。
なお、水溶性フィルム形成剤と必要に応じて粉末賦形剤を水中に溶解および/または分散させた後、ここにイソチオシアン酸エステルと必要に応じて乳化剤を添加する工程は常温で行ってもよいが、常温にて水溶性フィルム形成剤と必要に応じて粉末賦形剤および/または乳化剤を水中に溶解および/または分散させた後にいったん60〜80℃程度にまで加温したり、当初から60〜80℃程度にまで加温した状態で水溶性フィルム形成剤と必要に応じて粉末賦形剤を水中に溶解および/または分散させたりすることで、水溶性フィルム形成剤の溶解度を高めたり溶液の加熱殺菌を行ったりした後、室温〜60℃程度にまで冷却してからイソチオシアン酸エステルを添加するようにしてもよい。また、イソチオシアン酸エステルは精製ヤシ油に代表される中鎖脂肪酸などの食用油脂に溶解して添加してもよい。
以上のようにして製造されるカプセル又は粉末は、大部分が平均粒径1〜100μmの球状のイソチオシアン酸エステルを内包する吸湿性のカプセル又は粉末からなり、イソチオシアン酸エステルを高い割合で含んでいることに加え(例えば含まれるイソチオシアン酸エステルの割合が1〜20重量%の組成物)、その放出安定性が確保されたものである。本発明のカプセル又は粉末におけるイソチオシアン酸エステルと水溶性フィルム形成剤の配合割合は、イソチオシアン酸エステル1重量部に対し、水溶性フィルム形成剤が1〜100重量部であることが望ましく、1〜20重量部であることがより望ましい。また、粉末賦形剤を用いる場合のその配合割合は、イソチオシアン酸エステルと水溶性フィルム形成剤の合計1重量部に対し、0.5〜100重量部であることが望ましく、0.7〜20重量部であることがより望ましい。なお、カプセル又は粉末の平均粒径は、望ましくは1〜100μmであり、より望ましくは1〜50μmである。
本発明のペレット粒子は、得られたカプセル又は粉末をポリエチレンと加熱昆錬して調製される。カプセル又は粉末の1重量部に対し、ポリエチレンが1〜100重量部であることが望ましく、1〜20重量部であることがより望ましい。なお、ペレット粒子の平均粒径は、望ましくは1〜20mmであり、より望ましくは1〜10mmである。
本発明のペレット粒子は、水溶液中に浸漬されるとき、その外形をこわすことなく、ペレット粒子からイソチオシアン酸エステルを水溶液中に放出する。放出の程度は、膜の性質を適宜変更して調節可能であるが、水溶液中に放出されるイソチオシアン酸エステルの量が、水溶液中での抗菌防カビ示適濃度になるように調整することが必要である。
本発明の工業的抗菌防カビ方法は、上記調製されたペレット粒子をそのまま要時対象物に添加・浸漬してもよいが、好適な一態様として網状袋に装填される。網は、特に限定されず、ペレット粒子が袋内に保持可能な網目構造で、水、油等に不溶性であればよい。袋の大きさは、特に限定されず、使用時まで、揮発性の有効成分が損なわれないように外袋内の保存可能であれば特に限定されない。一般的には、300ml〜3000ml程度の大きさが適当である。有効成分含有網状袋は、アルミラミネート合成樹脂フィルム或いはアルミラミネート合成樹脂フィルムでラミネートされた不織布、紙、布などで形成された袋状物質に装填される。
本発明のイソチオシアン酸エステルを使用することからなる抗菌防カビ方法において、例えば、水溶液中に100ppm程度のイソチオシアン酸エステルを維持濃度にした場合、数か月保存においても十分な抗菌防カビ効果が発揮された。例えば、本発明のペレット粒子に内包させたイソチオシアン酸エステルの場合、約10g/Lのペレット粒子を水溶液中の浸漬させたとき、抗菌防カビ効果は、約3ヶ月以上有効であった。
かくして、本発明のイソチオシアン酸エステルによる抗菌防カビ方法は、工業製品又は工業材料として、水溶性金属加工油、オフセット用湿し水、繊維油剤、澱粉スラリー等に適用が可能であり、特に油系材料の抗菌防カビ方法として極めて優れた効果を発揮する。
本発明の工業的抗菌防カビ方法について実施例により詳細に説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
実施例1:カプセル又は粉末の調製とペレット粒子の調製
60℃にて、水1500gに、水溶性フィルム形成剤としてカプシュール250g、粉末賦形剤としてデンプン250gとデキストリン300gを加えて混合攪拌した。室温にまで冷却した溶液に、イソチオシアン酸エステルとしてイソチオシアン酸アリル200gを添加し、乳化機(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)を用いて乳化処理して乳化液を得た。得られた乳化液をスプレードライヤーで噴霧乾燥(乾燥温度150℃)し、薄いクリーム色のカプセル又は粉末を得た。このカプセル又は粉末に含まれるイソチオシアン酸アリルの割合は13.8重量%であった。得られたカプセル又は粉末を顕微鏡で観察したところ、大部分が球状のカプセル又は粉末の集合体からなり、カプセル又は粉末の平均粒径を測定したところ約20μmであった。更に得られたカプセル又は粉末20重量部に対してポリエチレン80重量部を150℃で加熱昆錬し、押出成形により平均約3mmのペレットを作成した。得られたペレットのイソチオシアン酸アリルの含量は2.5重量%であった。このペレット粒子を湿度約60%の雰囲気下保存した場合、イソチオシアン酸アリルの刺激臭はほとんど感じられなかったが、湿度約80%の雰囲気下ではイソチオシアン酸アリルの刺激臭が感じられたことから、このペレット粒子は水溶液中においてイソチオシアン酸アリルを放出することがわかった。
実施例2:カプセル又は粉末の調製とペレット粒子の調製(その2)
60℃にて、水1500gに、カプシュール700gを加えて混合攪拌した。室温にまで冷却した溶液に、イソチオシアン酸アリル200gを精製ヤシ油100gに溶解した溶液を添加し、実施例1と同様にして、大部分が平均粒径20μmの球状のカプセル又は粉末の集合体を得た。このカプセル又は粉末に含まれるイソチオシアン酸アリルの割合は15.8重量%であった。更に得られたカプセル又は粉末20重量部に対してポリエチレン80重量部を150℃で加熱昆錬し、押出成形により平均約3mmのペレットを作成した。得られたペレット粒子のイソチオシアン酸アリルの含量は2.6重量%であった。
実施例3:カプセル又は粉末の調製とペレット粒子の調製(その3)
80℃にて、水1500gに、カプシュール700gを加えて混合攪拌した。室温にまで冷却した溶液に、イソチオシアン酸アリル150gを精製ヤシ油150gに溶解した溶液を添加し、実施例1と同様にして、大部分が平均粒径20μmの球状のカプセル又は粉末の集合体を得た。このカプセル又は粉末に含まれるイソチオシアン酸アリルの割合は12.5重量%であった。更に得られたカプセル又は粉末20重量部に対してポリエチレン80重量部を150℃で加熱昆錬し、押出成形により平均約3mmのペレットを作成した。得られたペレット粒子のイソチオシアン酸アリルの含量は2.1重量%であった。
実施例4:カプセル又は粉末の調製とペレット粒子の調製(その4)
80℃にて、水1500gに、カプシュール850gを加えて混合攪拌した。室温にまで冷却した溶液に、イソチオシアン酸アリル150gを添加し、実施例1と同様にして、大部分が平均粒径7mmの球状のカプセル又は粉末の集合体を得た。このカプセル又は粉末に含まれるイソチオシアン酸アリルの割合は13.2重量%であった。更に得られたカプセル又は粉末20重量部に対してポリエチレン80重量部を150℃で加熱昆錬し、押出成形により平均約3mmのペレットを作成した。得られたペレット粒子のイソチオシアン酸アリルの含量は2.2重量%であった。
実施例5:カプセル又は粉末の調製とペレット粒子の調製(その5)
常温にて、水1500gに、カプシュール700gを加えて混合攪拌した。次にイソチオシアン酸アリル200gを精製ヤシ油100gに溶解した溶液を添加し、実施例1と同様にして、大部分が平均粒径7mmの球状のカプセル又は粉末の集合体を得た。このカプセル又は粉末に含まれるイソチオシアン酸アリルの割合は16.4重量%であった。更に得られたカプセル又は粉末20重量部に対してポリエチレン80重量部を150℃で加熱昆錬し、押出成形により平均約3mmのペレットを作成した。得られたペレット粒子のイソチオシアン酸アリルの含量は2.4重量%であった。
実験例 1
使用中の切削油を採取し試験液とした。試験品は試験液に実施例2で調製したペレット製剤(0.5%W/V)を加えたもの、また、対象品は無添加の物を用いた。これらを室温に放置して経時的に好気性菌数を測定した。使用した切削油はエマルジョン型(ケミクールE-3110S)で希釈調整後4か月経ていた。
結果は、図1の通りで、試験品は、急速に菌数が減少した後はその状態を安定に維持していた。外観は、乳白色の液体で異臭は認められなかった。一方、対象品は、30日目まで菌数は増加傾向を示し、また、色は淡褐色に変色し異臭を発していた。
本発明によれば、イソチオシアン酸エステルを高い割合で含んだペレット粒子は、新規な工業的抗菌防カビ方法が提供でき、使いやすさに優れた工業的抗菌防カビ方法が提供される。

Claims (8)

  1. イソチオシアン酸エステルを、工業製品又は工業材料の水溶液中に持続注入若しくは断続注入若しくは断続添加若しくは浸漬させることからなる工業的抗菌防カビ方法。
  2. 水溶液中に、イソチオシアン酸エステルを1〜1000ppm濃度に所望期間中継続的に維持させる請求項1の工業的抗菌防カビ方法。
  3. イソチオシアン酸エステルを、水溶液中でカプセル又は粉末の膜形状を維持でき、イソチオシアン酸エステルを徐放的に水溶液中に流出可能である性状をもつイソチオシアン酸エステルのカプセル又は粉末をペレット粒子中に内包させ、該内包させたペレット粒子を要時そのまま対象の工業製品又は工業材料の水溶液に添加・浸漬する又は前記ペレット粒子を網状の袋内に装填し、要時、対象の工業製品又は工業材料の水溶液に浸漬することからなる請求項1又は2に記載の工業的抗菌防カビ方法。
  4. ペレット粒子の平均粒径が1〜10mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の工業的抗菌防カビ方法。
  5. イソチオシアン酸エステルが油脂に溶解されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の工業的抗菌防カビ方法。
  6. カプセル又は粉末の膜形成剤がカプシュール(オクテニルコハク酸でんぷんナトリウム)、アラビアガム、ゼラチン、ヘミセルロース、微生物産生多糖類、改質デンプンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の工業的抗菌防カビ方法。
  7. カプセル又は粉末に含まれるイソチオシアン酸エステルの割合が1〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一に記載の工業的抗菌防カビ方法。
  8. 工業製品又は工業材料が、水溶性金属加工油、オフセット用湿し水、繊維油剤、澱粉スラリーである請求項1〜7のいずれか一に記載の方法。
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