以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書の各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一または関連する符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
また、以下の実施の形態で説明する技術は、表示機能層が設けられた表示領域の複数の表示画素に、表示領域の周囲から信号を供給する機構を備える表示装置に広く適用可能である。上記のような表示装置には、例えば、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置など、種々の表示装置が例示できる。以下の実施の形態では、表示装置の代表例として、液晶表示装置を取り上げて説明する。
また、液晶表示装置は、表示機能層である液晶層の液晶分子の配向を変化させるための電界の印加方向により、大きくは以下の2通りに分類される。すなわち、第1の分類として、表示装置の厚さ方向(あるいは面外方向)に電界が印加される、所謂、縦電界モードがある。縦電界モードには、例えばTN(Twisted Nematic)モードや、VA(Vertical Alignment)モードなどがある。また、第2の分類として、表示装置の平面方向(あるいは面内方向)に電界が印加される、所謂、横電界モードがある。横電界モードには、例えばIPS(In-Plane Switching)モードや、IPSモードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードなどがある。以下で説明する技術は、縦電界モードおよび横電界モードのいずれにも適用できるが、以下で説明する実施の形態では、一例として、横電界モードの表示装置を取り上げて説明する。
また、本願明細書でいう「入力装置」とは、表示装置の外部から表示装置が備える回路に対して、命令などの情報をインプットする装置である。表示装置は、入力装置により入力された情報を演算処理回路や制御回路などで処理して、処理結果を出力する。本願明細書では、入力装置が備える情報の入力方式として、二種類の方式について説明する。
一つ目の入力方式は、圧力センサ(Force Sensing)を利用した入力方式である。圧力センサを利用した入力方式では、外部から圧力が印加されたこと、またその圧力の強さを圧力センサにより検出して情報を入力する。以下の実施形態では、圧力センサの一例として、圧力センサの一部分が弾性変形することにより、圧力センサの電極間の距離が変化し、静電容量が変化することを利用して弾性変形の有無を検出する、静電容量検出方式の圧力センサについて説明する。
また、二つ目の入力方式は、タッチセンサ(Touch Sensing)を利用する入力方式である。タッチセンサを利用した入力方式では、人間の指やタッチペンなどの入力具が入力装置に近づいたこと、またその近づいた位置を検出して情報を入力する。後述する実施の形態2では、タッチセンサの一例として、誘電体である入力具をタッチセンサの電極に近づけるとタッチセンサの静電容量が変化することを利用して入力具の有無を検出する、静電容量検出方式のタッチセンサについて説明する。
また、以下の実施の形態では、圧力センサの構成部品、あるいは圧力センサおよびタッチセンサの構成部品の一部と、表示装置の構成部品とを兼用化する、所謂、インセルタイプの入力装置付きの表示装置の例を取り上げて説明する。上記の表示装置は、詳しくは、圧力センサ付き表示装置、あるいは圧力センサおよびタッチセンサ付き表示装置であるが、本願明細書では、「表示装置」には、入力装置が付与されていない表示装置の他、圧力センサ付き表示装置、および圧力センサおよびタッチセンサ付き表示装置が含まれる。
(実施の形態1)
<表示装置の全体構成>
まず、実施の形態1の表示装置の基本構成について説明する。図1は、実施の形態1の表示装置の全体構成を示すブロック図である。
表示装置DP1は、圧力検出機能および表示機能を備えた本体部10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動ドライバ14と、検出回路部40とを備えている。
本体部10は、画像や映像を出力する表示装置である表示部20と、圧力センサである圧力検出部30とを有する。上記したように本実施の形態では、表示部20は、表示機能層として液晶層を用いた表示装置とする。圧力検出部30は、静電容量検出方式の圧力検出部である。そのため、表示装置DP1は、圧力検出機能を有する入力装置を備えた表示装置である。また、本体部10は、表示部20と、圧力検出部30とを一体化した表示装置であり、圧力検出機能を内蔵した表示装置、すなわちインセルタイプの圧力検出機能付き表示装置である。
表示部20は、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、表示領域において、1水平ラインずつ順次走査を行うことにより表示を行う。圧力検出部30は、後述するように、電気電極間の距離の変化による静電容量の変化を利用した圧力検出の原理に基づいて動作し、検出信号Vdetを出力する。
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動ドライバ14および検出回路部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、本体部10の表示駆動の対象となる水平ラインを順次選択する機能を有する。また、ソースドライバ13は、制御部11から供給される画像信号Vsigの制御信号に基づいて、表示部20が備える複数の副画素のそれぞれに、画素信号Vpixを供給する回路である。表示部20では、ゲートドライバ12から供給される水平ラインの選択信号、およびソースドライバ13から供給される画素信号Vpixに基づいて表示画像を形成する。
駆動ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、本体部10に含まれた駆動電極COML(後述する図6および図7を参照)に、駆動信号Vfsを供給する回路である。
また、検出回路部40は、制御部11から供給される制御信号と、本体部10の圧力検出部30から供給された検出信号Vdetに基づいて、圧力検出部30に対する圧力印加の有無を検出する回路である。そして、検出回路部40は、本体部の圧力検出部30の圧力検出領域に対する圧力の印加の有無を電気的に判定し、得られた情報を出力する回路である。検出回路部40は、例えば、図1に示す例では、検出信号増幅部42と、A/D(Analog/Digital)変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出制御部46とを備えている。
検出信号増幅部42は、圧力検出部30から供給される検出信号Vdetを増幅する。検出信号増幅部42は、検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分、すなわちノイズ成分を除去し、検出対象の圧力成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタを備えていてもよい。
<静電容量の変化を利用した圧力検出の原理>
次に、図1〜図4を参照し、本実施の形態の表示装置DP1における圧力検出の原理について説明する。図2は、圧力センサに外部からの圧力が印加されていない状態を模式的に示す説明図である。また、図3は、圧力センサに外部からの圧力が印加された状態を模式的に示す説明図である。また、図4は、圧力が印加された場合および圧力が印加されていない場合の検出信号の波形の一例を示す図である。
図2に示すように、静電容量型の圧力センサは、離間して対向配置される電極E1および電極E2を有する。電極E1と電極E2の間には容量素子C1が形成されている。この容量素子C1の一端は、駆動信号源である交流信号源Sに接続され、容量素子C1の他端は、圧力検出回路である電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば図1に示す検出信号増幅部42に含まれる積分回路からなる。図2に示すように電圧検出器DETは積分器を備え、積分器の一つの入力端は電極E2に接続される。また、積分器の他の入力端には、参照電位Vrefが入力される。
交流信号源Sから容量素子C1の一端、例えば電極E1に、例えば数kHz〜数百kHz程度の周波数を有する交流矩形波Sgが印加されると、容量素子C1の他端、例えば電極E2側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形である検出信号Vdetが発生する。なお、この交流矩形波Sgは、例えば、図4に示す駆動信号Vfsに相当するものである。
圧力センサに圧力が印加されていない状態では、図2に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を、電圧の変動に変換する。この電圧の変動は、図4において、実線の波形V0で示されている。
一方、図3に示すように、例えば指などの外部物体が接触することにより、圧力センサに圧力が印加された状態では、圧力センサの一部が変形することにより、電極E1と電極E2との離間距離D2が図2に示す離間距離D1よりも小さくなる。これにより、容量素子C1の容量値が大きくなる。そのため、図3に示す容量素子C1に流れる電流が変動する。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動に変換する。この電圧の変動は、図4において、破線の波形V1で示されている。この場合、波形V1は、上述した波形V0と比べて振幅が大きくなる。これにより、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、圧力センサの変形の影響に応じて変化することになる。
図1に示す例では、圧力検出部30は、駆動ドライバ14から供給される駆動信号Vfsに従って、1つまたは複数の駆動電極に対応した1つの検出ブロックごとに圧力検出を行う。すなわち、圧力検出部30は、1つまたは複数の駆動電極COMLの各々に対応した1つの検出ブロックごとに、図2および図3に示す電圧検出器DETを介して、検出信号Vdetを出力し、出力した検出信号Vdetを、検出回路部40の検出信号増幅部42に供給する。
A/D変換部43は、駆動信号Vfsに同期したタイミングで、検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vfsをサンプリングした周波数以外の周波数成分、すなわちノイズ成分を低減するデジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、圧力検出部30に対する圧力印加の有無を算出する論理回路である。信号処理部44は、圧力印加の有無による差分の電圧のみを取り出す処理を行う。この差分の電圧は、上述した波形V0と波形V1との差分の絶対値|ΔV|である。信号処理部44は、1つの検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。信号処理部44は、検出した差分の電圧を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧以上であれば、圧力が印加されている状態と判断し、しきい値電圧未満であれば、圧力が印加されていない状態と判断する。このようにして、検出回路部40による圧力検出が行われる。
座標抽出部45は、信号処理部44において圧力印加が検出されたときに、圧力印加が検出された位置の座標、すなわち入力装置における入力位置を算出する論理回路である。検出制御部46は、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。座標抽出部45は、圧力センサの座標を出力信号Voutとして出力する。
<表示部の詳細>
次に、図5〜図8を参照し、図1に示す表示部20の構成例を詳細に説明する。図5は、図1に示す表示装置の一例を示す断面図である。また、図6は、図5に示す表示装置が備える液晶層の周辺構造を拡大して示す拡大断面図である。また、図7は、図5に示すアレイ基板の構成例を示す平面図である。また、図8は、図7に示すアレイ基板に設けられた複数のTFT素子の配列の例を示す説明図である。
なお、図5では、表示装置DP1に含まれる静電容量型の圧力センサの容量素子C1を模式的に示している。また、図5および図6は断面図であるが、構成部材の見易さのために一部の部材のハッチングは省略している。図6では、画素電極22、駆動電極COML、走査線GCLおよび信号線SGLのそれぞれにハッチングを付している。また、図5は、図7に示すY方向に沿った断面図、図6は図7に示すX方向に沿った断面図になっている。また、図7は平面図であるが、駆動電極COMLと信号線SGLとを識別し易くするため、駆動電極COMLに模様を付して示している。また、本セクションでは、後述する図10に示すように単位フレームFL1が表示動作期間FLdpと圧力検出動作期間FLfsとに時分割されている場合において、表示動作期間FLdpにおける各部の動作について主に説明する。
図5に示すように、表示装置DP1の本体部10は、アレイ基板2と、対向基板3と、液晶層4(図6参照)と、偏光板5と、偏光板6と、導光板7と、導体パターン8と、を有する。アレイ基板2は、アレイ基板2の主面としての上面2tと、上面2tの反対側に位置する下面2bと、を有する。また、対向基板3は、対向基板3の主面としての下面3bと、下面3bの反対側に位置する上面3tと、を有する。アレイ基板2と対向基板3とは、アレイ基板2の上面2tと対向基板3の下面3bとが互いに対向するように設けられている。表示部20(図1参照)の表示機能層である液晶層4は、アレイ基板2と対向基板3との間に設けられている。アレイ基板2と対向基板3との間において液晶層4の周囲は封止されており、液晶層4は封止された空間内に封入されている。
また、図6に示すように、アレイ基板2は、基板21を有する。基板21は一方の主面としての上面21tおよび上面21tの反対側に位置する下面を有する。基板21の下面は、図5に示すアレイ基板2の下面2bと同じ面である。また、対向基板3は、基板31を有する。基板31は一方の主面としての下面31bおよび下面31bの反対側に位置する上面を有する。基板31の上面は、図5に示す対向基板3の上面3tと同じ面である。
なお、基板21および基板31として、例えばガラス基板、または、例えば樹脂からなるフィルムなど、各種の透明な基板を用いることができる。また、本願明細書では、透明な基板における「透明」とは、可視光に対する透過率が例えば80%以上であることを意味する。
図5および図7に示すように、アレイ基板の上面2tは、表示領域Adと、表示領域Adよりもアレイ基板2の外周側に位置する領域である周辺領域Asとを含む。言い換えれば、周辺領域Asは、表示領域Adよりもアレイ基板2の外周側に位置する領域である。なお、本願明細書では、「平面視において」とは、基板21の上面21tまたは対向基板である基板31(図6参照)の下面31b(図6参照)に対して垂直な方向から視た場合を意味する。
また、図6に示すように、アレイ基板2の上面2t側には、複数のTFT素子Tr(図8参照)がマトリクス状に設けられたTFT層25、駆動電極COML、絶縁膜24、および複数の画素電極22が順に積層されている。
TFT層25には、表示機能層である液晶層4が備える複数の液晶素子LC(図8参照)を駆動する薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)である複数のTFT素子Tr(図8参照)がマトリクス状に設けられている。
図8に示すように、基板21の表示領域Adには、複数の走査線GCL、複数の信号線SGL、および、複数のTFT素子Trが形成されている。なお、走査線GCLは、TFT素子Trのゲート電極に接続されるゲート配線を意味し、信号線SGLは、TFT素子Trのソース電極またはドレイン電極に接続されるソース配線またはドレイン配線を意味する。また、表示装置DP1において、画像を形成する表示動作期間FLdp(後述する図10参照)において、走査線GCLには走査信号Vscan(図1参照)が入力され、信号線SGLには映像信号(例えば図1に示す画素信号Vpix)が入力される。したがって、走査線GCLおよび信号線SGLは、いずれも画像を形成する信号が供給される配線である。図7では、基板21の上面21t上に設けられた複数の信号線SGLの配列の例を示している。
詳細は後述するが、本実施の形態では、後述する図10に示す圧力検出動作期間FLfsにおいて、複数の信号線SGLのそれぞれは、図2および図3を用いて説明した圧力検出部30用の電極E2として利用される。
図8に示すように、走査線GCLは、表示領域Adで、X方向に延在し、かつ、Y方向に沿って複数の走査線GCLが配列されている。複数の信号線SGLは、表示領域Adで、Y方向に延在し、かつ、X方向に沿って複数の信号線SGLが配列されている。したがって、複数の信号線SGLの各々は、平面視において、複数の走査線GCLと交差する。このように、平面視において、互いに交差する複数の走査線GCLと複数の信号線SGLとの交点に、副画素SPixが配置され、複数の異なる色の副画素SPixにより1つの画素Pixが形成される。すなわち、基板21(図7参照)に設けられた複数の副画素SPixは、平面視において、表示領域Ad内に配置され、かつ、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列されている。
平面視において、複数の走査線GCLの各々と複数の信号線SGLの各々とが交差する交差部には、TFT素子Trが形成されている。したがって、表示領域Adで、基板21(図7参照)上には、複数のTFT素子Trが形成されており、これらの複数のTFT素子Trは、X軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列されている。すなわち、複数の副画素SPixの各々には、TFT素子Trが設けられている。また、複数の副画素SPixの各々には、TFT素子Trに加え、液晶素子LCが設けられている。
TFT素子Trは、例えばnチャネル型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)としての薄膜トランジスタからなる。TFT素子Trのゲート電極は、走査線GCLに接続されている。TFT素子Trのソース電極またはドレイン電極の一方は、信号線SGLに接続されている。TFT素子Trのソース電極またはドレイン電極の他方は、液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、例えば、一端がTFT素子Trのソース電極またはドレイン電極に接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
図8に示すように、X方向に沿って配列された複数の副画素SPix、すなわち液晶表示装置の同一の行に属する複数の副画素SPixは、走査線GCLにより互いに接続されている。走査線GCLは、ゲートドライバ12(図1参照)と接続され、ゲートドライバ12により走査信号Vscan(図1参照)が供給される。また、Y軸方向に配列された複数の副画素SPix、すなわち表示部20(図1参照)の同一の列に属する複数の副画素SPixは、信号線SGLにより互いに接続されている。信号線SGLは、ソースドライバ13(図1参照)と接続され、ソースドライバ13により画素信号Vpix(図1参照)が供給される。
また、図6に示すようにTFT層25上には、駆動電極COMLが形成されている。図6に示す例では、駆動電極COMLは絶縁膜24に覆われ、絶縁膜24上に複数の画素電極22が形成されている。言い換えれば、図6に示す例では、駆動電極COMLは、基板21と画素電極22との間に形成されている。また、アレイ基板2の厚さ方向、すなわち、図5に示す上面2tおよび下面2bのうち、一方から他方に向かう方向において、駆動電極COMLは複数の画素電極22と重なるように設けられている。
また、図7に示すように本実施の形態ではアレイ基板2は、X方向に沿って延びる複数の駆動電極COMLを有している。駆動電極COMLは、パターニングされた導電膜(導体膜、あるいは導体パターンとも呼ぶ)であって、例えば酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide;ITO)、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide;IZO)または酸化スズ(SnO)等の透明導電材料から成る。本実施の形態のように複数の駆動電極COMLが設けられている場合、複数の駆動電極COMLの各々が図6に示す基板21と画素電極22との間に形成されている。また、複数の駆動電極COMLの各々が、複数の画素電極22とアレイ基板2の厚さ方向において重なるように設けられている。
また、図8に示す駆動電極COMLは、駆動ドライバ14(図1参照)と接続され、駆動ドライバ14により駆動信号Vcom(図1参照)が供給される。つまり、図8に示す例では、同一の列に属する複数の副画素SPixが1つの駆動電極COMLを共有するようになっている。複数の駆動電極COMLは、表示領域Adで、Y方向にそれぞれ延在し、かつ、X方向に沿って配列されている。前述したように、複数の信号線SGLは、表示領域Adで、Y方向にそれぞれ延在し、かつ、X方向に沿って配列されているため、複数の駆動電極COMLの各々が延在する方向は、複数の信号線SGLの各々が延在する方向と平行である。
また、図6に示す複数の画素電極22は、図8に模式的に示すように、平面視において、表示領域Ad内のX方向およびY方向にマトリクス状に配列された複数の副画素SPixの各々にそれぞれ形成されている。したがって、図7では図示を省略したが、複数の画素電極22は、X方向およびY方向にマトリクス状に配列されている。
また、図7に示すように、複数の駆動電極COMLは、平面視において、表示領域Adの周囲の周辺領域Asに設けられた、引き回し配線WRCと電気的に接続されている。複数の駆動電極COMLは、図7に示すように、平面視において、表示領域Adの内部で、基板21の一方の主面としての上面21t側に設けられている。引き回し配線WRCは、駆動電極COMLと半導体チップ19(図5参照)とを電気的に接続する配線であり、平面視において、周辺領域As内の基板21の上面21t上に形成されている。複数の駆動電極COMLの各々の表面および、複数の引き回し配線WRCの各々の表面を含めて基板21の上面21t上には、絶縁膜24(図6参照)が形成されている。表示領域Adで、絶縁膜24上には、複数の画素電極22が形成されている。したがって、絶縁膜24は、駆動電極COMLと画素電極22とを、電気的に絶縁する。
なお、図7に示す引き回し配線WRCは、平面視において、Y方向に延在するため、平面視において、周辺領域Asに配置された引き回し配線WRCは、図7の平面図では示されているが、図6の断面図では示されていない。
なお、図6に示す例では、駆動電極COMLと画素電極22との配置が、横電界モードとしてのFFSモードにおける配置となっている。しかし、駆動電極COMLと画素電極22との配置は、駆動電極COMLと画素電極22とが平面視で重ならない、横電界モードとしてのIPSモードにおける配置でもよい。あるいは、駆動電極COMLと画素電極22との配置は、縦電界モードとしてのTNモードまたはVAモードにおける配置でもよい。
また、複数の駆動電極COMLの各々が延在する方向は限定されず、例えば、複数の駆動電極COMLの各々が延在する方向は、複数の走査線GCLの各々が延在する方向と平行な方向であってもよい。
また、図6に示すように、アレイ基板2と対向基板3との間には液晶層4が設けられている。液晶層4は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、前述のFFSモード、または、IPSモード等の横電界モードに対応した液晶層が用いられる。すなわち、液晶表示装置として、FFSモードまたはIPSモード等の横電界モードによる液晶表示装置が用いられる。あるいは、前述したように、TNモードまたはVAモード等の縦電界モードによる液晶表示装置が用いられてもよい。なお、図6に示す液晶層4とアレイ基板2との間、および、液晶層4と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が設けられていてもよい。
また、図6に示すように、対向基板3は、基板31と、カラーフィルタ層32と、を有する。基板31は、上面と、上面と反対側の下面31bとを有している。カラーフィルタ層32は、基板31の下面31bに設けられている。
カラーフィルタ層32として、例えば赤(R)、緑(G)および青(B)の3色に着色されたカラーフィルタがX軸方向に配列される。これにより、図6に示すように、R、GおよびBの3色の色領域32R、32Gおよび32Bの各々にそれぞれ対応した複数の副画素SPixが形成され、1組の色領域32R、32Gおよび32Bの各々にそれぞれ対応した複数の副画素SPixにより1つの画素Pixが形成される。画素Pixは、走査線GCLが延在する方向(X軸方向)、および、信号線SGLが延在する方向(Y軸方向)に沿って、マトリクス状に配列されている。また、画素Pixがマトリクス状に配列された領域が、例えば前述した表示領域Adである。なお、表示領域Adの周辺に、ダミー画素が設けられたダミー領域が設けられていてもよい。
カラーフィルタ層32の色の組み合わせとして、R、GおよびB以外の他の色を含む複数の色の組み合わせでもよい。また、カラーフィルタ層32は、設けられていなくてもよい。あるいは、1つの画素Pixが、カラーフィルタ層32が設けられていない副画素SPix、すなわち白色の副画素SPixを含んでもよい。また、COA(Color filter On Array)技術により、カラーフィルタがアレイ基板2に設けられていてもよい。
また、図5に示すように、本体部10は、半導体チップ19を有する。半導体チップ19は、図7に示すように基板21に実装されたチップであり、図1に示した制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13など、表示動作に必要な各回路を内蔵したものである。また、半導体チップ19は、駆動ドライバ14を内蔵してもよい。半導体チップ19と複数の駆動電極COMLの各々との間は、図7に示すように引き回し配線WRCにより電気的に接続されている。
表示装置DP1で画像を形成する場合、図1に示すゲートドライバ12は、走査信号Vscanを、図8に示す走査線GCLを介して、各副画素SPixのTFT素子Trのゲート電極に印加する。これにより、表示部20においてマトリクス状に形成された副画素SPixのうちの1行、すなわち1水平ラインを表示駆動の対象として順次選択する。図1に示すソースドライバ13は、画素信号Vpixを、図7および図8に示す信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1水平ラインを構成する複数の副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、1水平ラインを構成する複数の副画素SPixにおいて、供給される画素信号Vpixに応じた表示が行われる。
駆動ドライバ14は、駆動信号Vcomを印加し、1つまたは複数の駆動電極COML(図6〜図8参照)に対応した1つの駆動ブロックごとに駆動電極COMLを駆動する。また、液晶表示装置においては、ゲートドライバ12が走査線GCL(図8参照)を時分割的に順次走査するように駆動することにより、副画素SPix(図8参照)が、1水平ラインずつ順次選択される。また、表示部20においては、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpix(図1参照)を供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動ドライバ14は、その1水平ラインに対応した駆動電極COMLを含む駆動ブロックに対して、駆動信号Vcomを印加する。
そして、図8に示す複数の画素電極22の各々と駆動電極COMLの各々との間に電圧が印加され、複数の副画素SPixの各々に設けられた液晶素子LCに電界が形成されることにより、表示領域Adに画像が表示される。この際に駆動電極COMLと画素電極22との間には図8に示す容量Capが形成され、容量Capは保持容量として機能する。
このように、本体部10が液晶表示装置である表示部20を含む場合には、液晶素子LCと、複数の画素電極22と、駆動電極COMLと、複数の走査線GCLと、複数の信号線SGLとにより、画像の表示を制御する表示制御部が形成される。表示制御部は、アレイ基板2と対向基板3との間に設けられている。なお、図1に示す本体部10は、液晶表示装置としての液晶表示装置に代え、有機EL表示装置など各種の表示装置を含んでもよい。
有機EL表示装置などのデバイスを用いる場合には、図5に示す偏光板5や、偏光板6、あるいは、導光板7が設けられていなくても良い。
<圧力検出部の詳細>
次に、図1に示す圧力検出部30の構成について説明する。図9は、図1に示す圧力検出部が備える構成の例を示す説明図である。また、図10は、図1に示す表示装置の表示動作と圧力検出動作を行うタイミングの一例を示す説明図である。本セクションでは、図10に示すように単位フレームFL1が表示動作期間FLdpと圧力検出動作期間FLfsとに時分割されている場合において、圧力検出動作期間FLfsにおける各部の動作について主に説明する。
図1に示す本実施の形態の表示装置DP1が備える複数の信号線SGL(図6および図7参照)は、表示機能層である液晶層4(図6参照)が備える液晶素子LC(図8参照)を駆動する信号が入力される配線として動作し、かつ、圧力検出部30の検出電極として動作する。
図9に示すように、圧力検出部30は、アレイ基板2に設けられ、圧力検出用の検出電極として動作する複数の信号線SGLと、アレイ基板2と離間して設けられ、圧力検出用の駆動電極として動作する導体パターン8と、を有する。図9に示す例では、アレイ基板2と離間して複数の導体パターン8が設けられている。
導体パターン8は、パターニングされた導電膜(導体膜とも呼ぶ)であって、複数の導体パターン8は、平面視において、複数の信号線SGLの各々が延在する方向と交差する方向にそれぞれ延在する。言い換えれば、複数の導体パターン8は、平面視において複数の信号線SGLとそれぞれ交差するように、互いに間隔を空けて配列されている。そして、複数の導体パターン8の各々は、アレイ基板2に含まれる基板21の上面21t(図6および図7参照)に垂直な方向において、信号線SGL(図6参照)と対向している。なお、図9に示す例では、導体パターン8は導電性材料からなるフィルムが帯状にパターニングされた導電膜である。ただし、本願明細書では、パターニングされているか否かを問わず、導体パターン、または導電膜、若しくは導体膜と呼ぶ。例えば、後述する図11に示す導体パターン8Aのように、一枚の導電性材料からなる膜が一様に広がっている構成の場合、導電膜のパターニング処理を実施しない場合もある。このようにパターニング処理を実施されていない導電膜の場合であっても、導体パターン、または導電膜、若しくは導体膜と呼ぶ。
また、検出回路部40は、例えば図5に示す半導体チップ19に形成され、図9に示す複数の信号線SGLは、検出回路部40の検出信号増幅部42(図1参照)にそれぞれ接続されている。
また、圧力検出動作期間FLfs(図10参照)において駆動信号Vfsを出力する駆動ドライバ14は、図5に示す半導体チップ19に形成され、図9に示す複数の導体パターン8は、配線WFSを介して半導体チップ19の駆動ドライバ14と電気的に接続されている。
また、図9に示す複数の信号線SGLの各々と複数の導体パターン8の各々との平面視における交差部には、静電容量が発生する。すなわち、図2に示す容量素子C1が形成される。そして、複数の信号線SGLの各々と複数の導体パターン8の各々との間の静電容量に応じた検出信号が発生し、発生した検出信号が、信号線SGLに接続される配線を通して図1に示す検出回路部40に伝送される。さらに、検出回路部40で検出信号に対する処理が施され、外部から入力された命令信号として、出力信号Voutが出力される。すなわち、導体パターン8が形成された基板31(図6参照)のような電極基板と、信号線SGLとにより、外部からの命令を検出する検出部、すなわち入力装置が形成される。
導体パターン8の材料として、金属を含む金属材料を用いてもよく、例えば酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide;ITO)、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide;IZO)または酸化スズ(SnO)等の透明導電材料を用いてもよい。また、導体パターン8は、例えば樹脂フィルムなどの基材に、導体材料を堆積させた導体フィルムであっても良く、あるいは、導光板7などの部材に導体材料を膜状に堆積させたものであっても良い。また、図5に示す例では、導体パターン8とアレイ基板2との間に導光板7が設けられているが、導光板7とアレイ基板2との間に導体パターン8が設けられていても良い。
圧力検出部30では、圧力検出動作を行う際、駆動ドライバ14(図1参照)によって、スキャン方向SC1に沿って1つまたは複数の導体パターン8に対応した1つの検出ブロックが順次選択される。そして、選択された検出ブロックにおいて、導体パターン8には、信号線SGLと導体パターン8との間の静電容量を測定するための駆動信号Vfsが入力され、信号線SGLから、入力位置を検出するための検出信号Vdetが出力される。このように圧力検出部30では、1検出ブロックごとに圧力検出が行われるようになっている。つまり、1つの検出ブロックは、前述した圧力検出の原理における電極E2に対応し、導体パターン8は、電極E1に対応している。
なお、表示動作の際の駆動ブロックの範囲と、圧力検出動作の際の検出ブロックの範囲とは、共通であってもよく、異なっていてもよい。
図9に示すように、平面視において、互いに交差した複数の信号線SGLと複数の導体パターン8は、マトリクス状に配列された静電容量式圧力センサを構成する。よって、圧力検出部30の圧力検出面全体を走査することにより、外部からの圧力が印加された場所を検出することが可能である。
ところで、上記したように、圧力検出部30では、図3に示すように圧力センサの一部が変形することにより、電極E1と電極E2との離間距離D2が図2に示す離間距離D1よりも小さくなることを利用して容量素子C1の容量値の変化を電圧の信号として検出する。このため、外部から印加された圧力以外の要因で容量素子C1の容量値が変化すると、圧力検出の精度低下の原因になる。このため、外部から印加された圧力に起因して変化する容量素子C1の容量値の変化量は、他のノイズ成分と比較して十分に大きいことが好ましい。
例えば、外部から圧力が印加されることにより、図2に示す離間距離D1と図3に示すD3との差が大きければ、容量素子C1の容量値の変化量が大きくなり、ノイズ成分の影響を低減することができる。
しかし、表示装置に対する薄型化の要求に対応するため、表示装置の構成部材の厚さも薄くなっている。例えば、外部から圧力が印加されたことにより、変形するような柔らかい部材として、図6に示す液晶層4が考えられる。しかし、液晶層4の厚さは基板21や基板31の厚さと比較して極端に薄い。例えば、液晶層4の厚さは、基板21や基板31の厚さと比較すると、0.1%〜10%程度の厚さである。図6に示す例では、液晶層4の厚さは、例えば3μm〜4μm程度である。このため、図3に示す電極E1と電極E2との間に液晶層4(図6参照)のみを介在させる程度では、圧力に起因する変形量が小さく、十分な容量変化が得られない。
そこで、本実施の形態では、圧力センサを構成する一対の電極のうちの一方は、図5に示すアレイ基板2の上面2t側に設けられ、他方の電極は、図5に示すように、アレイ基板2の下面2b側に、アレイ基板2と離間するように設けられている。すなわち、図9に示すように、圧力センサの検出電極としての複数の信号線SGLはアレイ基板2に設けられ、圧力センサの駆動電極としての導体パターン8は、アレイ基板2から離れた位置に設けられている。
アレイ基板2の下面2b(図5参照)側の部分では、アレイ基板2と対向基板3の間の部分と比較して、スペースを確保し易い。例えば、図5に示す例では、導体パターン8とアレイ基板2との間には、偏光板5、導光板7、および中空空間9が設けられている。中空空間9は、表示装置DP1に対して外部から圧力が印加された時に、圧力に応じて局所的に弾性変形する弾性変形層である。言い換えれば、中空空間9は、アレイ基板2と導体パターン8との間に設けられ、アレイ基板2よりも弾性変形し易い、すなわち、アレイ基板2よりも低弾性の材料から弾性変形層である。
また、中空空間9の厚さ、すなわち、アレイ基板2の下面2bに対して垂直な方向の長さは、図6に示す液晶層4の厚さと比較して大きい。図5に示す例では、導体パターン8とアレイ基板2の間の2か所に中空空間9が設けられた例を示しており、複数層の中空空間9の厚さの総和は、アレイ基板2の厚さ以上である。このように、複数層の中空空間9が設けられている場合、中空空間9の厚さの総和が大きいほど、図3に示す容量素子C1の容量値の変化量を大きくすることができるので、検出感度を向上させることができる。また、中空空間9に何らかの物質(例えば空気)を配置する場合には、配置される物質の誘電率が低いほど、図3に示す容量素子C1の容量値の変化量を大きくすることができるので、検出感度を向上させることができる。つまり、本実施の形態によれば、外部から印加した圧力に起因して変化する容量値の変化を大きくすることができるので、ノイズ成分の影響を低減することができる。これにより、圧力センサの検出精度を向上させることができる。
なお、上記したように導体パターン8とアレイ基板2の間に複数の中空空間9が設けられている場合、「中空空間の厚さ」とは、複数の中空空間9の厚さの総和を意味する。また、詳細は後述するが、本実施の形態に対する変形例として、中空空間9に空気以外の物質(例えば後述する図19に示す弾性体9A)を配置しても良い。この場合、上記した「中空空間の厚さ」は、「弾性変形層の厚さ」、あるいは「弾性体の厚さ」と読み替えることができる。
また、図3に模式的に示すように、圧力センサに指で外力を加える場合、指と圧力センサの距離が近いと、指の静電容量が容量素子C1の値に影響を与えるので、圧力検出においてはノイズ源になる。したがって、圧力センサの検出精度を向上させる観点からは、ノイズ源となる指などの誘電体による容量素子C1に対するノイズ影響を低減させることが好ましい。
一般に、指などで表示装置の一部を押圧して命令を入力する場合、観察者に対向する表示面側、すなわち図5に示す例では、対向基板3の上面3t側から押圧する場合が多い。本実施の形態では、圧力センサを構成する電極が、アレイ基板2、およびアレイ基板2の下面2b側、すなわち、表示面の反対側の基板に設けられている。この場合、圧力センサを構成する電極の一部が、対向基板3側(言い換えれば表示面側に配置される基板)に設けられている場合と比較して、指との距離を離すことができる。
また、本実施の形態では、図6に示すように、複数の信号線SGLよりも表示面側に、複数の信号線SGLを覆う駆動電極COMLが設けられている。言い換えれば、本実施の形態では、図6に示すように駆動電極COMLは、複数の信号線SGLと表示機能層である液晶層4との間に設けられている。平面視において、駆動電極COMLは複数の信号線SGLと重なるように設けられている。このように圧力センサの検出電極として機能する複数の信号線SGLと表示面との間に複数の信号線SGLを覆う導体パターンを設けることにより、導体パターンをシールド層として用いることができる。
詳しくは、図6に示す表示装置の表示面側に指が接触している場合、指と複数の信号線SGLとの離間距離によっては、指の静電容量の影響が圧力センサに及ぶ場合がある。しかし、表示装置DP1の場合、複数の信号線SGLと表示面との間に、複数の信号線SGLを覆う導体パターンである駆動電極COMLが設けられているので、駆動電極COMLにより、指の静電容量の影響を低減することができる。
特に、圧力検出動作を行う際に、駆動電極COMLに対して固定電位、あるいはパルス電位を供給した場合、駆動電極COMLはシールド層として機能し、指の静電容量の影響を大幅に低減することができる。この結果、圧力センサの検出精度を向上させることができる。
駆動電極COMLをシールド層として機能させる場合に、駆動電極COMLに供給される電位は、例えば、接地電位でも良いし、接地電位とは異なる電位でも良い。また、駆動電極COMLに供給される電位は、固定電位でも良いし、パルス電位であっても良い。
表示動作時に駆動電極COMLに供給される電位と、圧力検出時に駆動電極COMLに供給される電位とが異なる場合、図10に示すように単位フレームFL1を表示動作期間FLdpと圧力検出動作期間FLfsとに時分割することが好ましい。言い換えれば、表示動作期間FLdpと圧力検出動作期間FLfsとは、互いに異なるタイミングで実施されることが好ましい。この場合、駆動電極COML(図6参照)に対して表示動作期間FLdpと圧力検出動作期間FLfsとで互いに異なる電位を供給できるので、各動作時における駆動電極COMLの機能に応じて好適な電位を供給できる。また、単位フレームFL1を表示動作期間FLdpと圧力検出動作期間FLfsとに時分割すれば、図6に示す複数の信号線SGLを圧力センサの検出電極として利用する際に、表示動作時に流れる電流の影響を抑制することができる。これにより、図1に示す圧力検出部30の圧力検出精度を向上させることができる。
ところで、図9に示す例では、平面視において、圧力センサの検出電極としての複数の信号線SGLと、圧力センサの駆動電極としての複数の導体パターン8とが互いに交差するように配列され、スキャン方向SC1に沿って1つまたは複数の導体パターン8に対応した1つの検出ブロック毎に順次、駆動信号Vfsを印加する方法を説明した。しかし、圧力センサの容量素子の容量値の変化を利用して圧力を検出する方法、すなわち、静電容量型の圧力センサには、種々の変形例がある。
例えば、図11に示す圧力検出部30Aは、複数の信号線SGLに加えて、複数の走査線GCLを圧力センサの検出電極として利用する点で、図9に示す圧力検出部30と相違する。図11は、図9に対する変形例の圧力センサを示す説明図である。なお、図11では、複数の信号線SGLと複数の走査線GCLとの区別を見やすくするため、信号線SGLに模様を付して示している。
図11に示す圧力検出部30Aは、圧力センサの検出電極として、Y方向に延在する複数の信号線SGLと、Y方向と交差するX方向に延在する複数の走査線GCLとを有する。平面視において、複数の信号線SGLと複数の走査線GCLとは互いに交差している。圧力検出部30Aを用いた圧力検出動作では、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLのそれぞれから検出信号Vdetが出力される。詳しくは、複数の信号線SGLからは検出信号Vdet1が出力され、複数の走査線GCLからは検出信号Vdet2が出力される。
上記構成の圧力検出部30Aの場合、検出回路部40の座標抽出部45(図1参照)において、検出信号Vdet1と検出信号Vdet2を組み合わせて、圧力が印加された平面位置の座標を算出することができる。このため、図9に示す圧力検出部30のように、複数の導体パターン8を設け、順次、駆動信号Vfsを印加する必要がない。このため、図11に示すように、平面視において、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLのそれぞれと重なる位置に一枚の導電膜(導体膜とも呼ぶ)である導体パターン8Aが設けられている。
圧力検出部30Aを用いた圧力検出動作では、導体パターン8Aに対して、駆動信号Vfsが印加される。そして、複数の信号線SGLと複数の走査線GCLとから一括して検出信号Vdetを出力させる。言い換えれば、複数の信号線SGLからの検出信号Vdet1と、複数の走査線GCLからの検出信号Vdet2が並行して出力される。この場合、図9に示す圧力検出部30を用いた圧力検出動作と比較して、動作時間を短縮できる。
なお、圧力検出部30Aを用いた圧力検出動作において、複数の信号線SGL、または複数の走査線GCLを複数の検出ブロックに分割し、検出ブロック毎に検出信号Vdetを出力させることもできる。圧力センサの複数箇所に同時に圧力が印加される場合がある。この時、上記複数箇所の座標の検出精度を向上させる観点からは、上記したように検出ブロック毎に検出信号Vdetを出力させることが好ましい。
また、図示は省略するが、図9に示す圧力検出部30に対する変形例として、以下の圧力センサを用いても良い。すなわち、圧力センサの検出電極として、複数の信号線SGLに代えて、複数の走査線GCL(図11および図8参照)を用いても良い。この場合、図9に示す複数の導体パターン8は、平面視において、複数の走査線GCLのそれぞれと交差するように設けられる。これにより、複数の走査線GCLと導体パターン8との間に形成される容量素子の容量値の変化を検出し、圧力が印加された位置を検出することができる。
なお、複数の信号線SGL、複数の走査線GCL、あるいは複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLの両方が、圧力検出電極として使用される圧力検出動作期間中は、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLは、図1に示すソースドライバ13やゲートドライバ12と切り離されていても良い。言い換えれば、圧力検出動作期間中は、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLは、図1に示すソースドライバ13やゲートドライバ12と電気的に分離されていても良い。図11に示す圧力検出部30Aや、以下で説明する圧力検出部30Bのように、複数の信号線SGLや複数の走査線GCLが圧力検出用の検出電極として利用される場合に、複数の信号線SGLや複数の走査線GCLに接続される回路には種々の実施態様がある。複数の信号線SGLや複数の走査線GCLに接続される回路の種々の実施態様については、後述する。
また、別の変形例として、複数の信号線および複数の走査線の両方、あるいは、複数の信号線および複数の走査線のうちのいずれか一方を自己容量方式の圧力センサとすることもできる。例えば、図12に示す圧力検出部30Bの場合、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLの両方、あるいは、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLのうちのいずれか一方に駆動信号Vfsが供給される。また、導体パターン8Aには、例えば接地電位GNDなどの固定電位が供給される。図12は、図11に対する変形例の圧力センサを示す説明図である。また、図13および図14は、図12に示す自己容量方式の圧力センサの検出原理を模式的に示す説明図である。また、図15は、圧力が印加された場合、および圧力が印加されていない場合における自己容量方式の圧力センサの場合の検出信号の波形の一例を示す図である。
図9に示す圧力検出部30や図11に示す圧力検出部30Aのように、導体パターン8や導体パターン8Aを駆動電極として駆動信号Vfsを印加し、信号線SGLや走査線GCLを検出電極として駆動電極と検出電極の間のエアーギャップの変化すなわち電極間距離の変化による圧力を静電容量方式で検出する方式は相互容量方式と呼ばれる。
一方、図12〜図14に示す圧力検出部30Bのように、導体パターン8Aに接地電位GND等の固定電位を供給し、信号線SGLや走査線GCLに供給された駆動信号Vfsを検出し、信号線SGLや走査線GCLと導体パターン8Aとの間のエアーギャップの変化すなわち電極間距離の変化による圧力を静電容量方式で検出する方式は自己容量方式と呼ばれる。
自己容量方式の圧力検出動作では、図13および図14に示すように、電極E2と駆動信号Vfs(図12参照)を供給する電源VDDとの間、および電極E2と電圧検出器DETとの間には、スイッチSWCが設けられている。自己容量方式の圧力検出動作では、スイッチSWCを切り替えることにより、電源VDDと電極E2、あるいは電圧検出器DETと電極E2を、スイッチSWCを介して交互に電気的に接続する。図13および図14に示すように、電極E2が電源VDDに電気的に接続されている間は、容量素子C2には、電荷が蓄積される。そして、電極E2が電源VDDと切断され、電圧検出器DETと接続された時、容量素子C2に蓄電された電荷が放電される。
ここで、図13と図14を比較して判るように、圧力センサである圧力検出部30Bに圧力が印加されている場合と圧力が印加されていない場合とでは容量素子C2の容量値が異なる。つまり、圧力検出部30Bに圧力が印加されている場合と圧力が印加されていない場合とでは、容量素子C2に蓄えられる電荷の量が異なる。この結果、圧力検出部30Bに圧力が印加されている場合には、圧力が印加されていない場合と比較して、電圧検出器DETに流れる電流が大きくなる。
自己容量方式の圧力センサの場合、図13および図14に示すスイッチSWCを交互に切り替えることにより、図15に示す検出信号Vdetの波形が得られる。言い換えれば自己容量方式の場合、充電により、図15に示す交流矩形波Sgに相当する電位が電極E2に印加され、放電により、印加された電位に基づく検出信号Vdetが出力される。すなわち、圧力センサに圧力が印加されていない状態では、図13に示すスイッチSWCの切り替え動作による容量素子C2に対する充放電に伴って、スイッチSWCを介して電極E2と電圧検出器DETとを接続すると、容量素子C2の容量値に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、電流の変動を、電圧の変動に変換する。この電圧の変動は、図15において、実線の波形V2で示されている。
一方、圧力センサに圧力が印加された状態では、図14に示すように、圧力センサの一部が変形することにより、電極E1と電極E2との離間距離D2が図13に示す離間距離D1よりも小さくなる。これにより、容量素子C2の容量値が大きくなる。そのため、図14に示す容量素子C2に流れる電流が変動する。電圧検出器DETは、電流の変動を、電圧の変動に変換する。この電圧の変動は、図15において、破線の波形V3で示されている。この場合、波形V3の振幅は、上述した波形V2の振幅と比べて大きくなる。これにより、波形V2と波形V3との電圧差分の絶対値|ΔV|は、圧力センサの変形の影響に応じて変化することになる。このため、外部からの圧力印加の有無に起因する容量素子C2の容量値の変化を電圧の変化として検出することができる。
上記のように自己容量方式の圧力検出部30Bを利用することは、相互容量方式と比較して以下の点で好ましい。すなわち、図12に示すように、導体パターン8Aは、接地電位GNDなどの固定電位に接続されていれば良いので、導体パターン8Aと半導体チップ19とが接続されていなくても良い。言い換えれば、導体パターン8Aは、半導体チップ19と電気的に分離されていても良い。例えば、接地電位GNDに接続する場合、図1に示す表示装置DP1が組み込まれたモジュールの構成部品のうち、例えば図示しない筐体などの任意の部材と接続すれば良い。言い換えれば、本変形例によれば、図5、図9、あるいは図11に示す配線WFSを省略することができる。このため、図9および図11に示す相互容量方式の圧力検出部30または圧力検出部30Aと比較して、配線レイアウトを単純化することができる。
なお、自己容量方式を採用する場合、図12におけるX−Y平面の位置座標を特定するためには、図12に示すように、X方向に沿って延びる複数の信号線SGLと、Y方向に沿って延びる複数の走査線GCLの両方を検出電極として用いる。しかし、変形例として、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLのうちのいずれか一方を用いても良い。この場合、図12に示すX方向およびY方向のうちのいずれか一方向の座標位置は検出されない。しかし、印加された圧力の強さや圧力が印加されている時間などの情報は取得することができる。
また、複数の信号線SGL、複数の走査線GCL、あるいは複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLの両方が、自己容量方式の圧力検出電極として使用される圧力検出動作期間中は、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLは、図1に示す駆動ドライバ14に接続されても良い。この場合、駆動ドライバ14は、図13および図14に示す容量素子C2を充電する電源VDDとして利用可能である。ただし、圧力検出動作期間中に、図13および図14に示す容量素子C2を充電する電源VDDとして、図1に示す駆動ドライバ14とは別の駆動回路が接続されても良い。
また、上記した変形例と同様に、圧力検出部30Bを用いた圧力検出動作において、複数の信号線SGL、または複数の走査線GCLを複数の検出ブロックに分割し、検出ブロック毎に検出信号Vdetを出力させることもできる。圧力センサの複数箇所に同時に圧力が印加される場合がある。この時、上記複数箇所の座標の検出精度を向上させる観点からは、上記したように検出ブロック毎に検出信号Vdetを出力させることが好ましい。
一方、図10に示す圧力検出動作期間FLfsを短縮する観点からは、複数の信号線SGLと複数の走査線GCLとから一括して検出信号Vdetを出力させることが好ましい。
また、自己容量方式の圧力センサの場合、相互容量方式の圧力センサと比較して、検出電極の周辺にもうけられた導体パターンとの間に生じる寄生容量の影響が大きい。そこで自己容量方式の圧力センサの検出精度を向上させる観点からは、以下の構成が好ましい。
すなわち、図15に示す駆動信号Vfsと同じ信号波形を、検出対象になっている電極E2(図12参照)の周囲の導体パターンに印加する。また、駆動信号Vfsと同じ波形を印加するタイミングは、検出対象になっている電極E2に駆動信号Vfsを印加するタイミングと同期している事が好ましい。これにより、検出電極と、周囲の導体パターンとの間に形成される寄生容量の影響を大幅に低減することができる。
以下、本願明細書において、検出電極の周囲の導体パターンに対して、駆動信号Vfsと同じ波形のパルス電位を、検出電極に駆動信号Vfsが印加されるタイミングと同期させて印加する方法を、アクティブシールド方式と呼ぶ。また、例えば、第1の導体パターンに対して、駆動信号Vfsと同じ波形のパルス電位を検出電極に駆動信号Vfsが印加されるタイミングと同期させて印加することを、第1の導体パターンに対してアクティブシールド方式を適用する、と記載する。
導体パターン間に形成される寄生容量は、導体パターンの平面積が大きくなる程、寄生容量値が大きくなる。また、導体パターン間に形成される寄生容量は、導体パターン間の距離が小さくなる程、寄生容量値が大きくなる。したがって、図6に示す駆動電極COMLに対して、アクティブシールド方式を適用することが好ましい。また、自己容量方式の圧力検出動作において、複数の信号線SGLと複数の走査線GCLとから一括して検出信号Vdetを出力させる場合には、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLはすべてが検出電極として動作するので、アクティブシールド方式は適用できない。
しかし、変形例として説明したように、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLのうちのいずれか一方が検出電極として利用される場合、検出電極として利用されていない導体パターンに対しては、アクティブシールド方式を適用することが好ましい。
また、別の変形例として説明したように、複数の信号線SGL、または複数の走査線GCLを複数の検出ブロックに分割し、検出ブロック毎に検出信号Vdetを出力させる場合がある。この場合、検出ブロックとして検出信号Vdetが出力されていない導体パターン(例えば、信号線SGL、または走査線GCL)に対してはアクティブシールド方式を適用することが好ましい。
また、図8に示すように、複数の信号線SGLは、副画素SPixの列、すなわち、図8に示すY方向に沿った副画素SPixの垂直ライン毎に設けられている。また、複数の走査線GCLは、副画素SPixの行、すなわち、図8に示すX方向に沿った副画素SPixの水平ライン毎に設けられている。このため、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLのそれぞれに、図13に示す電圧検出器DETを接続した場合には、電圧検出器DETが数多く必要になる。この場合、複数の電圧検出器DETを備える部品の大きさが大きくなる。
例えば、本実施の形態の例では、図5に示す半導体チップ19に複数の電圧検出器DETが形成されている。この場合、半導体チップ19の平面積を小型化する観点から、電圧検出器DETの数は少ない方が好ましい。そこで、本願発明者は、同じタイミングで使用される電圧検出器DETの数を低減する技術について検討を行い、以下の変形例を見出した。
図16は、図12に示す圧力センサの検出電極を構成する信号線および走査線と電圧検出器との結線例を示す説明図である。なお、図16では、図12に示す圧力検出部30Bの結線例として示しているが、図11に示す圧力検出部30Aの結線例としても適用できる。
図16に示す圧力検出部30Bの検出電極を構成する複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLは、以下のように電圧検出器DETと電気的に接続されている。すなわち、複数の信号線SGLは、隣り合って並ぶ複数本ずつの信号線SGLが電気的に接続されて、複数の検出ブロックDUaを構成する。また、複数の走査線GCLは、隣り合って並ぶ複数本ずつの走査線GCLが電気的に接続されて、複数の検出ブロックDUbを構成する。また、圧力検出動作期間には、複数の検出ブロックDUaおよび複数の検出ブロックDUbのそれぞれが複数の電圧検出器DETに接続されている。
言い換えれば、圧力検出部30Bの検出電極を構成する複数の信号線SGLは、互いに隣り合う複数本の信号線SGLが並列接続され、一つの電圧検出器DETに接続されている。また、圧力検出部30Bの検出電極を構成する複数の走査線GCLは、互いに隣り合う複数本の信号線SGLが並列接続され、一つの電圧検出器DETに接続されている。
上記したように、図8に示す複数の信号線SGLは、副画素SPixの列毎に設けられている。また、複数の走査線GCLは、副画素SPixの行毎に設けられている。副画素SPixのサイズは、表示部20(図1参照)の解像度に影響を与えるため、表示画像の品質を向上させる観点から平面サイズは非常に小さい。一方、圧力検出の座標位置を検出する場合、表示部20に要求される解像度よりも低い解像度で良い。
そこで、図16に示す例では、複数本の信号線SGLを並列接続し、一つの電圧検出器DETに接続している。また、複数本の走査線GCLを並列接続し、一つの電圧検出器DETに接続している。これにより、例えば、複数の信号線SGLと複数の走査線GCLとから一括して検出信号Vdet(図12参照)を出力させる場合であっても、電圧検出器DETの数を低減させることができる。
なお、図16に示す例では、4本の信号線SGLおよび4本の走査線GCLがそれぞれ並列接続されている。ただし、並列接続される信号線SGLまたは走査線GCLの数は、要求される解像度に応じて、4本以外の数であっても良い。並列接続される信号線SGLまたは走査線GCLの数が少なくなれば、圧力検出の座標の解像度が向上する。一方、並列接続される信号線SGLまたは走査線GCLの数が多くなれば、解像度は低下するが、電圧検出器DETの数は低減することができる。
また、図9に示す圧力検出部30や、その変形例として説明したように、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLのうちのいずれか一方のみを検出電極として使用する場合、さらに電圧検出器の数を低減することができる。この場合、検出電極として使用していない配線に、図15に示す波形V2の検出波形を印加することにより、検出精度を向上させられることは既に述べた通りである。
また、図16に対する変形例として、図17に示す圧力検出部30Cのような結線にしても良い。図17は、図16に対する変形例である圧力センサの検出電極を構成する信号線および走査線と電圧検出器との結線例を示す説明図である。
図17に示す圧力検出部30Cの検出電極を構成する複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLは、以下のように電圧検出器DETと電気的に接続されている。すなわち、複数の信号線SGLのうち、互いに隣り合う複数の信号線SGLのうちの一部が電圧検出器DETに接続され、他の一部は電圧検出器DETと電気的に分離されている。また、複数の走査線GCLのうち、互いに隣り合う複数の走査線GCLのうちの一部が電圧検出器DETに接続され、他の一部は電圧検出器DETと電気的に分離されている。
圧力検出部30Cのように、複数の信号線SGLまたは複数の走査線GCLのうちの一部を電圧検出器DETに接続しない構成の場合、図16に示す圧力検出部30Bと同様に電圧検出器DETの数を低減できる。ただし、図13および図14に示す容量素子C2の容量値は、検出電極の平面積が大きい程、大きくなる。したがって、容量素子C2の容量を大きくして検出精度を向上させる観点からは、図16に示す圧力検出部30Bの方が好ましい。
また、図17に示す圧力検出部30Cの場合、圧力検出動作期間中に、電圧検出器DETに接続されていない信号線SGLまたは走査線GCLが他の回路に接続されている場合、上記接続されていない信号線SGLまたは走査線GCLには、図15に示す波形V2の検出波形を印加して、アクティブシールド方式を適用することが好ましい。これにより、電圧検出器DETに接続されている信号線SGLまたは走査線GCLとの間で、寄生容量が形成されることを抑制できる。あるいは、図17に示すように、圧力検出動作中は、上記接続されていない信号線SGLまたは走査線GCLは他の回路と電気的に分離することが好ましい。他の回路に接続されていないフローティングの導体パターンには寄生容量が形成され難い。
また、図16に対する他の変形例として、図18に示す圧力検出部30Dのような結線にしても良い。図18は、図16に対する他の変形例である圧力センサの検出電極を構成する信号線および走査線と電圧検出器との結線例を示す説明図である。
図18に示す圧力検出部30Dの検出電極は、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLにより構成されている。この点は図16に示す圧力検出部30Bと同様である。ただし、圧力検出部30Dの場合、複数の信号線SGLから検出信号Vdet1(図12参照)を出力させるタイミングと、複数の走査線GCLから検出信号Vdet2(図12参照)を出力させるタイミングと、を時間的に分割している。言い換えれば、圧力検出部30Dを用いた圧力検出方法では、複数の信号線SGLから検出信号Vdet1を出力させる検出動作期間と、複数の走査線GCLから検出信号Vdet2を出力させる検出動作期間とが、時分割で行われる。更に言い換えれば、圧力検出部30Dは、複数の信号線SGLおよび複数の走査線GCLのうちのいずれか一方から検出信号Vdetを出力させた後、他方から検出信号Vdetを出力させる。
例えば、図18に示す例では、複数の信号線SGLは、検出ブロックDUa1、検出ブロックDUa2、・・・、検出ブロックDUanから成るn個の検出単位に分割されている。また、複数の走査線GCLは、検出ブロックDUb1、検出ブロックDUb2、・・・、検出ブロックDUbmから成るm個の検出単位に分割されている。一方、検出回路部40は、電圧検出器DET1、電圧検出器DET2、・・・、電圧検出器DETsから成るs個の電圧検出器DETを備えている。
ここで、複数の信号線SGLから検出信号Vdet1(図12参照)を出力させる期間では、検出ブロックDUa1と電圧検出器DET1、検出ブロックDUa2と電圧検出器DET2、・・・の順で、複数の信号線SGLと複数の電圧検出器DETとがそれぞれ電気的に接続される。この時、複数の走査線GCLのそれぞれは、電圧検出器DETと電気的に分離されている。これにより、複数の信号線SGLから出力される検出信号Vdet1は選択的に検出される。
一方、複数の走査線GCLから検出信号Vdet2(図12参照)を出力させる期間では、検出ブロックDUb1と電圧検出器DET1、検出ブロックDUb2と電圧検出器DET2、・・・の順で、複数の走査線GCLと複数の電圧検出器DETとがそれぞれ電気的に接続される。この時、複数の信号線SGLのそれぞれは、電圧検出器DETと電気的に分離されている。これにより、複数の走査線GCLから出力される検出信号Vdet2は選択的に検出される。
複数の信号線SGLから検出信号Vdet1(図12参照)を出力させる期間と、複数の走査線GCLから検出信号Vdet2(図12参照)を出力させる期間の間での結線の切り替えは、図示しないスイッチを用いて行うことができる。
図18に示す圧力センサの場合、電圧検出器DETの数は、上記したn個およびm個のうち、いずれか大きい方の値であれば良い。このため、図16や図17に示す例と比較して、電圧検出器DETの数を大幅に低減できる。
また、圧力検出部30Dを用いて圧力検出を行う場合、上記したように、圧力検出動作時に、電圧検出器DETに接続されない配線が存在することになる。したがって、上記したように、寄生容量を低減して、圧力検出の検出精度を向上させる観点から、圧力検出動作時に、電圧検出器DETと電気的に分離された複数の配線に波形V2を供給することで、アクティブシールド方式を適用することが好ましい。
また、図5に示す例では、導体パターン8とアレイ基板2の間に中空空間9を設けた表示装置DP1の例について説明した。しかし、図19に示す表示装置DP2のように、導体パターン8とアレイ基板2との間に、アレイ基板2よりも弾性変形し易いすなわち、弾性体9Aを設けても良い。図19は、図5に対する変形例である表示装置の一例を示す断面図である。
図19に示す表示装置DP2は、導体パターン8とアレイ基板2の間に設けられた弾性体9Aを有する。弾性体9Aは、アレイ基板2、および図6に示す基板21よりも弾性変形し易い部材である。言い換えれば、アレイ基板2、および図6に示す基板21よりも弾性が低い部材である。図19に示す例では、導体パターン8とアレイ基板2の間には、複数の弾性体9Aが設けられている。そして、複数の弾性体9Aの厚さ、すなわち、アレイ基板2の下面2bに対して垂直な方向の長さの総和は、図6に示す液晶層4の厚さと比較して大きい。
表示装置DP2のように、複数層の弾性体9Aが設けられている場合、中空空間9の厚さの総和が大きいほど、図13および図14に示す容量素子C2の容量値の変化量を大きくすることができる。つまり、本変形例によれば、外部から印加した圧力に起因して変化する容量値の変化を大きくすることができるので、ノイズ成分の影響を低減することができる。これにより、圧力センサの検出精度を向上させることができる。
なお、図19に対する変形例として、一層の弾性体9Aが設けられていても良い。この場合、一層の弾性体9Aの厚さを少なくとも図6に示す液晶層4よりも厚くすることで、図13および図14に示す容量素子C2の容量値の変化量を大きくすることができる。また、一層の弾性体9Aの厚さは、アレイ基板2の厚さ以上であることが好ましい。
なお、上記したように導体パターン8とアレイ基板2の間に複数の弾性体9Aが設けられている場合、「弾性体の厚さ」とは、複数の弾性体9Aの厚さの総和を意味する。
また、圧力センサの局所的な弾性変形を促進させる弾性変形層として、図5では中空空間9を設ける例、図19では、弾性体9Aを設ける例について説明した。しかし、図5に示す例と図19に示す例を組み合わせて適用することもできる。例えば、図示は省略するが、導体パターン8とアレイ基板2との間の複数箇所に隙間が設けられている場合、一部の隙間に中空空間9を設け、他の一部の隙間に弾性体9Aを設けても良い。
また、図19では、自己容量方式の圧力センサを使用する例を示している。このため、図5に示す配線WFSが図19には設けられていない。ただし、図5に示すように相互容量方式の圧力センサにおいて、図19に示す弾性体9Aを設けても良い。また、図19に示す自己容量方式の圧力センサにおいて、図5に示す中空空間9を設けても良い。
また、図5および図19では、導体パターン8とアレイ基板2との離間距離を大きくするため、アレイ基板2の下面2b側に設けられる導光板7よりもさらに下方に導体パターン8が設けられている。言い換えれば、表示装置DP1および表示装置DP2では、導体パターン8とアレイ基板2の間に偏光板5や導光板7が設けられている。
しかし、圧力センサの検出精度が必要十分に向上できれば、導体パターン8とアレイ基板2の間に他の部材が配置されていなくても良い。例えば、表示機能層として有機ELを用いる場合には、偏光板5や導光板7などの光学機能膜は設けない場合もある。
図20は、図19に対する変形例である表示装置の一例を示す断面図である。なお、図20では、導体パターン8の位置を見やすくするため、導体パターン8に模様を付している。外部から印加された圧力に応じて、圧力センサが安定的に変形すれば、圧力の検出精度を向上させることができるので、導体パターン8とアレイ基板2の間に偏光板5や導光板7以外の部材が設けられていても良い。例えば、表示機能層として液晶層4(図6参照)を用いる液晶表示装置の場合、導光板7と偏光板5との間に、プリズムシートPF1(図20参照)や光拡散シートPF2(図20参照)など、複数枚の光学機能膜を設ける場合がある。また、図20に示す表示装置DP3のように、導光板7と偏光板5との間に光学機能膜であるプリズムシートPF1や光拡散シートPF2のような光学機能膜が設けられている場合には、光学機能膜の一方の主面に、導体パターン8を堆積させても良い。この場合、導体パターン8には、光透過性が要求されるので、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)または酸化スズ(SnO)等の透明導電材料により形成されることが好ましい。
(実施の形態2)
上記実施の形態1では、入力装置として圧力センサを備える表示装置を取り上げて説明した。本実施の形態では、入力装置として、圧力センサおよびタッチセンサを備える表示装置について説明する。図21は、図1に対する変形例である表示装置の全体構成を示すブロック図である。
なお、本実施の形態の表示装置は、入力装置としてタッチセンサを更に有している点で上記実施の形態1と相違する。しかし、圧力センサの部分、および表示部の部分は、上記実施の形態と同様なので、重複する説明は省略し、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図21に示す表示装置DP3が備える本体部10は、圧力検出機能、タッチ検出機能、および表示機能を備えている。つまり、本体部10は、画像や映像を出力する表示装置である表示部20と、圧力センサである圧力検出部30と、タッチセンサであるタッチ検出部50と、を有する。また、表示装置DP3は、上記実施の形態1で圧力検出用の回路部として説明した検出回路部40に加え、タッチ検出用の回路部である検出回路部60を備えている点で、上記実施の形態1と相違する。
また、本体部10は、表示部20、圧力検出部30、およびタッチ検出部50を一体化した表示装置であり、圧力検出機能およびタッチ検出機能を内蔵した表示装置、すなわちインセルタイプのタッチ検出機能および圧力検出機能付き表示装置である。
タッチ検出部50は、後述する指などの誘電体が近接することによる静電容量の変化を利用したタッチ検出の原理に基づいて動作し、検出信号VTdetを出力する。
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動ドライバ14、検出回路部40、および検出回路部60に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。
駆動ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、本体部10に含まれた駆動電極COML(後述する図24および図25を参照)に、駆動信号Vcomを供給する回路である。なお、図21では見易さのため、タッチ検出部50用に用いられる駆動信号Vts、表示部20用に用いられる駆動信号Vcomおよび圧力センサ用に印加される駆動信号Vfsを、それぞれ1本ずつ示している。
また、検出回路部60は、制御部11から供給される制御信号と、本体部10のタッチ検出部50から供給された検出信号VTdetに基づいて、タッチ検出部50に対する指や入力治具の近接の有無を検出する回路である。そして、検出回路部60は、本体部のタッチ検出部50のタッチ検出領域に対する指や入力治具の近接の有無を電気的に判定し、得られた情報を出力する回路である。検出回路部60は、例えば、図21に示す例では、検出信号増幅部62と、A/D(Analog/Digital)変換部63と、信号処理部64と、座標抽出部65と、検出制御部66とを備えている。
なお、図21に示す検出回路部60の各部分が備える機能は、上記実施の形態1で説明した検出回路部40の各部分が備える機能に対応しているので、重複する説明は省略する。
<静電容量の変化を利用したタッチ検出の原理>
次に、図21〜図23を参照し、本実施の形態の表示装置DP3におけるタッチ検出の原理について説明する。図22は、タッチセンサと指が離れた状態を模式的に示す説明図である。また、図23は、タッチセンサに指が接触した状態を模式的に示す説明図である。
なお、上記実施の形態1で説明した圧力センサと本実施の形態のタッチセンサとは、容量素子の静電容量の変化を電気的に検出し、電圧信号に変換して出力する点では、同様である。したがって、本セクションでは、上記実施の形態1で説明した圧力センサと共通する部分は、説明を省略する。
図22および図23に示すように、静電容量型のタッチセンサは、誘電体Dを介して対向配置される電極E3および電極E4を有する。電極E3と電極E4の間には容量素子C3が形成されている。この容量素子C3の一端は、駆動信号源である交流信号源Sに接続され、容量素子C3の他端は、タッチ検出回路である電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば図21に示す検出信号増幅部62に含まれる積分回路からなる。電圧検出器DETの構造は、上記実施の形態1と同様である。
交流信号源Sから容量素子C3の一端、例えば電極E3に、例えば数kHz〜数百kHz程度の周波数を有する交流矩形波Sgが印加されると、容量素子C3の他端、例えば電極E4側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形である検出信号VTdetが発生する。なお、この交流矩形波Sgは、例えば図4に示す駆動信号Vfsに相当するものである。
指が接触および近接していない状態、すなわち非接触状態では、図22に示すように、容量素子C3に対する充放電に伴って、容量素子C3の容量値に応じた電流が流れる。
一方、図23に示すように指が接触または近接した状態、すなわち接触状態では、指によって形成される静電容量C4の影響を受け、電極E3および電極E4により形成される容量素子C3の容量値が小さくなる。そのため、図23に示す容量素子C3に流れる電流が変動する。
そして、電圧検出器DETでは、容量素子C3に流れる電流の変動を電圧の変動に変換し、検出信号VTdetとして出力する。電圧検出器DETの動作は、上記実施の形態1と同様である。
上記の後、図21に示す検出回路部60が有する検出信号増幅部62、A/D変換部63、信号処理部64、座標抽出部65、および検出制御部66のそれぞれでは、上記実施の形態1で説明した検出回路部40が備える各部分と同様の動作をして、タッチパネル座標を出力信号VToutとして出力する。
<タッチ検出部を備える表示装置の構成例>
次に、タッチセンサを備える表示装置の構成例について説明する。図24は、図21に示す表示装置の一例を示す断面図である。また、図25は、図24に示す表示装置が備えるタッチセンサの構成の例を示す説明図である。
なお、図24では、アレイ基板2と対向基板3の間に設けられた液晶層4やTFT層25などを一図で見やすくするため、TFT層25とカラーフィルタ層32との間を局所的に拡大して示している。また、図24では、電極や導体パターンを識別し易くするため、画素電極22、駆動電極COML、走査線GCLおよび信号線SGLにハッチングを付し、タッチセンサの検出電極TDLおよび圧力センサの導体パターン8にドットパターンを付している。また、図24に示す圧力センサは、図12〜図14を用いて説明した、自己容量方式の圧力センサの例で示している。このため、図24に示す表示装置DP3の導体パターン8には、図5に示す配線WFSが接続されていない。
また、図25では、相互容量方式のタッチセンサの構成例として、駆動電極COMLを、タッチセンサ用の駆動電極として利用する実施態様を示している。
図25に示すように、タッチ検出部50は、対向基板3の上面3t上に設けられ、タッチ検出用の検出電極として動作する複数の検出電極TDLと、アレイ基板2に設けられ、タッチ検出用の駆動電極として動作する複数の駆動電極COMLと、を有する。
複数の駆動電極COMLは、平面視において、複数の検出電極TDLの各々が延在する方向と交差する方向にそれぞれ延在する。言い換えれば、複数の駆動電極COMLは、平面視において複数の検出電極TDLとそれぞれ交差するように、互いに間隔を空けて配列されている。そして、複数の駆動電極COMLの各々は、アレイ基板2に含まれる基板21の上面21t(図24参照)に垂直な方向において、検出電極TDLと対向している。
また、検出回路部60は、例えば図24に示すタッチ検出用の半導体チップ51に形成され、図25に示す複数の検出電極TDLは、検出回路部60の検出信号増幅部62(図21参照)にそれぞれ接続されている。
また、タッチ検出動作において駆動信号Vtsを出力する駆動ドライバ14は、図24に示す半導体チップ19に形成され、複数の駆動電極COMLは、半導体チップ19の駆動ドライバ14と電気的に接続されている。また、タッチ検出用の半導体チップ51は、配線WTSを介して半導体チップ19と電気的に接続されている。
本実施の形態の場合、図25に示す複数の検出電極TDLから出力された検出信号VTdetは、半導体チップ51に形成されたタッチ検出用の検出回路部60に出力される。半導体チップ51は、図24に示すように、例えば対向基板3の上面3t上に搭載されている。
なお、タッチ検出動作時の検出回路部60の各部分の動作は、図9を用いて説明した圧力検出動作と同様なので、重複する説明は省略する。
なお、図22および図23は、静電容量方式のタッチセンサの基本的な検出原理を示したものであり、種々の変形例がある。例えば、図22〜図25では、相互容量方式のタッチセンサの例を取り上げて説明したが、上記実施の形態1で図12〜図14を用いて説明したように、自己容量方式のタッチセンサを利用しても良い。
また、図24および図25では、表示部20(図21参照)が有する駆動電極COMLを、タッチ検出用の駆動電極として利用する、インセルタイプのタッチセンサについて説明した。しかし、タッチ検出用の電極が表示装置用の電極や配線とは別に形成された、オンセルタイプのタッチセンサを利用しても良い。
<圧力検出部およびタッチ検出部を備える表示装置の好ましい態様>
図22および図23を用いて説明したように、タッチセンサの場合、指や入力治具などの誘電体を容量素子C3に近づけることにより、容量素子C3に流れる電流が変動することを利用して、タッチの有無を検出する。したがって、電極E3と電極E4の離間距離は変化しない方が好ましい点で圧力センサとは相違する。
また、タッチセンサの場合、指などの誘電体を近づける、あるいは接触させることが検出動作の前提になっている。このため、本実施の形態のように、タッチセンサおよび圧力センサの両方を備えている表示装置の場合、指が近づいたことによる圧力センサへのノイズの影響を低減することが特に好ましい。
上記実施の形態1で説明したように、液晶層4(図6参照)と複数の信号線SGLとの間に駆動電極COMLが設けられている。また、平面視において、駆動電極COMLは複数の信号線SGLと重なるように設けられている。これにより、表示面側に指が近づいたことによる圧力センサへのノイズ影響を低減することで、圧力センサの検出精度を向上させることができる。
また、圧力検出動作期間FLfs(図10参照)に、駆動電極COMLに固定電位またはパルス電位を供給することで、駆動電極COMLによるシールド効果が大幅に向上するので、表示面側に指が近づいたことによる圧力センサへのノイズ影響をさらに低減することができる。
また、上記したように、静電容量方式の圧力センサの場合、容量素子を構成する電極間の距離に応じた容量変化に基づいて圧力印加の有無を判定する。この場合、圧力センサの検出環境の状態、例えば環境温度、振動の有無、あるいは周辺のノイズ源の有無の状況が変化すると、検出信号の波形が変化し易い。特に、図12〜図14を用いて説明した自己容量方式の圧力センサの場合、環境の状態変化に応じて波形が変化し易い。
そこで、圧力センサの検出信号の波形V0(図4参照)について、キャリブレーションを行って、環境変化の要因による検出誤差を低減することが好ましい。これにより、圧力センサの検出感度を向上させることができる。
ここで、本実施の形態のように、タッチセンサおよび圧力センサを有する表示装置の場合、キャリブレーションを行う際に、表示装置に指が接触している場合がある。上記したように、液晶層4(図6参照)と複数の信号線SGLとの間に駆動電極COMLを設けることで、圧力センサに対するノイズ影響を低減できることはできる。しかし、指が接触している時に生じるノイズ影響を完全に排除することは難しい。このため、キャリブレーションを行う場合、指によるノイズ影響が小さい時のキャリブレーションデータを優先的に利用することが好ましい。
そこで、キャリブレーションを実施する際に指の影響を考慮する観点から、図21に示すようにタッチセンサ用の検出回路部60から出力された出力信号VToutを圧力検出用の検出回路部40に入力することが好ましい。例えば、図21に示す例では、出力信号VToutは、検出回路部40の検出制御部46に入力される。
検出制御部46では、例えば、キャリブレーションを行った時の指の座標位置の情報を取得すると、指の座標位置の周辺の検出信号のデータを除外することができる。また、例えば、キャリブレーションを行った時のタッチの有無の情報を取得すれば、これに基づいて再度キャリブレーションを行うことができる。
このように、タッチセンサ用の検出回路部60から出力された出力信号VToutを圧力検出用の検出回路部40に入力するためには、検出回路部40と検出回路部60とを電気的に接続する必要がある。図24および図25に示す例では、検出回路部60が形成された半導体チップ51と検出回路部40が形成された半導体チップ19とを配線WTSを介して電気的に接続している。これにより、検出回路部40と検出回路部60とを電気的に接続することができる。
また、タッチセンサ用の検出回路部60から出力された出力信号VToutを圧力検出用の検出回路部40に入力する処理を高速化する観点からは、検出回路部40と検出回路部60とが同じデバイスに形成されていることが好ましい。図26は、図21に対する変形例である表示装置の全体構成を示すブロック図である。また、図27は、図21に対する他の変形例である表示装置の全体構成を示すブロック図である。
図26に示す表示装置DP4の場合、検出回路部40と検出回路部60とが、半導体チップ51に形成されている。言い換えれば、図26に示す表示装置DP4は、圧力検出動作を行う検出回路部40と、タッチ検出動作を行う検出回路部60と、が形成された半導体チップ51を有する。半導体チップ51は、例えば、図24に示す表示装置DP3と同様に、対向基板3が有する基板31の上面31tに搭載されるデバイスである。このように、検出回路部40と検出回路部60とが、同一のデバイスに形成され、互いに電気的に接続されていれば、タッチセンサ用の検出回路部60から出力された出力信号VToutを圧力検出用の検出回路部40に入力する処理を高速化することができる。
また、図27に示す表示装置DP5の場合、上記した圧力検出動作およびタッチ検出動作を行う検出回路部70を備えている。上記したように、実施の形態1で説明した圧力センサと本実施の形態で説明したタッチセンサとは、容量素子の容量値の変化を検出信号として検出回路部に伝送し、検出回路部で圧力印加の有無、あるいはタッチの有無を判定し、結果を出力する点で共通する。
このため、検出信号に対する電気的な処理は同様であり、図27に示すように一つの検出回路部70を使用して圧力検出動作とタッチ検出動作とを順次行うことができる。検出回路部70は、本体部の圧力検出部30の圧力検出領域に対する圧力の印加の有無を電気的に判定し、得られた情報を出力する回路である。また、検出回路部70は、本体部のタッチ検出部50のタッチ検出領域に対するタッチの有無を電気的に判定し、得られた情報を出力する回路でもある。
検出回路部70は、例えば、図27に示す例では、検出信号増幅部72と、A/D(Analog/Digital)変換部73と、信号処理部74と、座標抽出部75と、検出制御部76とを備えている。検出信号増幅部72は、図21に示す検出信号増幅部42の機能および検出信号増幅部62の機能を有する。また、図27に示すA/D変換部73は、図21に示すA/D変換部43の機能およびA/D変換部63の機能を有する。また、図27に示す信号処理部74は、図21に示す信号処理部44の機能および信号処理部64の機能を有する。また、図27に示す座標抽出部75は、図21に示す座標抽出部45の機能および座標抽出部65の機能を有する。また、図27に示す検出制御部76は、図21に示す検出制御部46の機能および検出制御部66の機能を有する。
また図27に示す例では、スイッチSW1およびスイッチSW2を用いて、検出回路部70に入力される検出信号の種類、および制御信号の種類を切り替える。これにより、検出回路部70では、圧力検出動作とタッチ検出動作を順次切り替えて行うことができる。
表示装置DP5のように、検出回路部70を圧力検出用とタッチ検出用とで兼用することにより、回路の数を低減することができる。この結果、検出回路部70が形成される半導体チップ51の面積を低減することができる。
また、表示装置DP5の場合、検出回路部70内の配線で検出制御部76に出力信号VToutを伝送することができる。言い換えれば、圧力検出動作とタッチ検出動作とは、同一の制御回路である検出制御部76により制御される。これにより、タッチセンサ用の検出回路部60から出力された出力信号VToutを圧力検出用の検出回路部40に入力する処理を高速化することができる。
(実施の形態3)
上記実施の形態1では、図12〜図20を用いて、自己容量方式の圧力センサの実施態様について説明した。本実施の形態では、自己容量方式の圧力センサに接続される周辺回路の好ましい実施態様について説明する。図28および図29は、図16〜図18に示す圧力センサのうちのいずれかを備える表示装置の構成例を模式的に示す説明図である。また、図30は、図28および図29に示す表示装置の表示動作と圧力検出動作を行うタイミングの一例を示す説明図である。図28および図29では、見易さのため、走査線GCLの数、信号線SGLの数、および駆動電極COMLの数が少ない状態で示している。また、図28は、図30に示す検出動作期間FLfsxにおける複数のスイッチのオンオフ状態を示しており、図29は、図30に示す検出動作期間FLfsyにおける複数のスイッチのオンオフ状態を示している。
本実施の形態3では、後述する変形例を含めて、複数種類の表示装置について説明する。本実施の形態3で説明する複数の表示装置のそれぞれは、上記実施の形態1で説明した表示装置のうち、自己容量方式を利用した圧力センサを備えた表示装置である。そして、本実施の形態3では、自己容量方式の圧力センサに接続された回路の構成について、上記実施の形態1で既に説明した内容を補足的に説明する実施態様である。したがって、本実施の形態3では、上記実施の形態1で既に説明した部分と重複する部分の説明は省略し、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。また、本実施の形態3で説明する技術を上記実施の形態2で説明した技術と組み合わせて適用することもできる。
上記実施の形態1で説明した図8に示す表示装置の回路構成例では、複数の走査線GCLおよび複数の駆動電極COMLのそれぞれがX方向に沿って延び、かつ、複数の信号線SGLがX方向に交差する(例えば直交する)Y方向に沿って延びている。表示動作期間FLdp(図10参照)において、複数の画素Pix(図8参照)に対して共通の電位が供給される駆動電極COMLがX方向に沿って延びる構造は、横コム構造と呼ばれる。一方、図28に示す例では、複数の走査線GCLがX方向に沿って延び、かつ、複数の信号線SGLおよび複数の駆動電極COMLがX方向に交差する(例えば直交する)Y方向に沿って延びている。図28に示す表示装置DP6のように、駆動電極COMLがY方向に沿って延びる構造は、縦コム構造と呼ばれる。本実施の形態3では、まず、縦コム構造の表示装置を例示的に取り上げて説明した後、横コム構造に適用した場合についても説明する。
図28および図29に示す表示装置DP6は、図12を用いて説明した圧力検出部30Bと同様に、複数の走査線GCLおよび複数の信号線SGLのそれぞれが、自己容量方式で圧力を検出する検出電極である電極E2(図12参照)として利用される。言い換えれば、表示装置DP6の構成は、以下のように表現できる。すなわち、基板21の上面21tに沿った平面視において、上面21t側には、X方向に沿って延びる複数の走査線GCLと、X方向と交差するY方向に沿って延びる複数の信号線SGLとが設けられている。複数の走査線GCLのそれぞれは、複数の走査線GCLと導体パターン8A(図12参照)との間の容量値の変化により外部物体の接触による圧力を検出する、検出回路部40Xと電気的に接続されている。図30に示すように、複数の走査線GCLと導体パターン8A(図12参照)との間の容量値の変化を検出する検出動作期間FLfsxには、複数の走査線GCLに対してパルス電位である駆動信号Vfsが供給される。また、図28に示す検出回路部40Xには、複数の走査線GCLを介して駆動信号Vfsに基づく検出信号Vdet2(図12参照)が出力される。また、図29に示すように、複数の信号線SGLのそれぞれは、複数の信号線SGLと導体パターン8Aとの間の容量値の変化により外部物体の接触による圧力を検出する、検出回路部40Yと電気的に接続されている。図30に示すように、複数の信号線SGLと導体パターン8Aとの間の容量値の変化を検出する検出動作期間FLfsyには、複数の信号線SGLに対してパルス電位である駆動信号Vfsが供給される。また、検出回路部40Y(図29参照)には、複数の信号線SGLを介して駆動信号Vfsに基づく検出信号Vdet1(図12参照)が出力される。
なお、図28および図29に示す例では、X方向に沿って延びる検出電極(すなわち、走査線GCL)からの出力信号を検出する検出回路部40Xと、Y方向に沿って延びる検出電極(すなわち、信号線SGL)からの出力信号を検出する検出回路部40Yと、が互いに独立して設けられている。しかし、検出回路部40Xと検出回路部40Yとが互いに独立していなくても良い。例えば、半導体チップ19Sが、一つの検出回路部40を有し、X方向に沿ってのびる検出電極およびY方向に沿って延びる検出電極のそれぞれが、一つの検出回路部40に対して検出信号Vdet1および検出信号Vdet1が出力されても良い。
また、図28および図29に示す例では、駆動ドライバ14Sが検出回路部40と独立して設けられている。駆動ドライバ14Sは、図30に示す検出動作期間FLfsxおよび検出動作期間FLfsyにおいて、図30に示す駆動信号Vfsまたはガード信号Vgdを出力する、検出動作用の駆動回路である。したがって、駆動ドライバ14Sが検出回路部40の一部分を構成していても良い。
図30に示す例では、単位フレームFL1が、複数の表示動作期間FLdp、検出動作期間FLfsx、および検出動作期間FLfsyに時分割され、表示動作期間FLdpと検出動作期間(検出動作期間FLfsxまたは検出動作期間FLfsy)が交互に実施される。図30に示すように、表示動作期間FLdpおいて、駆動ドライバ14(図28参照)は、駆動電極COMLに駆動信号Vcomを供給する。図28に示す例では、表示装置DP6は、主に表示部20(図1参照)の動作を制御する回路が形成された表示制御チップである半導体チップ19D、および主に圧力検出部30(図1参照)の動作を制御する回路が形成された検出動作制御チップである半導体チップ19Sを有している。図30に示す駆動信号Vcomは、図28に示す駆動ドライバ14のうち、半導体チップ19Dに形成された駆動ドライバ14Dから駆動電極COMLに供給される。駆動ドライバ14Dは、表示動作用の駆動回路である。
また、図30に示す表示動作期間FLdpにおいて、ゲートドライバ12(図28参照)は、走査線GCLに対して走査信号Vscanを印加する。走査信号Vscanは、図8に示すTFT素子trのオンオフ動作を制御する信号であって、駆動信号Vfsとは異なる波形を持つ。図30に示す例では、走査信号Vscanは、駆動信号Vfsよりも電位の絶対値が大きい矩形波である。図30に示すように、基準電位よりも高い電位を持つ走査信号VscanがTFT素子Trに入力されると、TFT素子Trはオン状態になり、図30に破線で示すように、基準電位より低い電位の走査信号VscanがTFT素子Trに入力されると、TFT素子Trはオフ状態になる。図28に示す例では、走査線GCLに接続される配線経路のうち、相対的に高い電位の供給経路である配線経路VGHは、スイッチSWgHを介して走査線GCLと電気的に接続されている。また、走査線GCLに接続される配線経路のうち、相対的に低い電位の供給経路である配線経路VGLは、スイッチSWgLを介して走査線GCLと電気的に接続されている。スイッチSWgHをオンにして、スイッチSWgLをオフにした場合、走査線GCLには相対的に高い電位が供給される。これにより、TFT素子Tr(図8参照)が例えばオン状態になる。反対に、スイッチSWgLをオンにして、スイッチSWgHをオフにした場合、走査線GCLには相対的に低い電位が供給される。これにより、TFT素子Trが例えばオフ状態になる。そして、スイッチSWgHおよびスイッチSWgLのオンオフ動作を制御することにより、図30に例示する波形が形成される。
上記実施の形態1で説明したように、ゲートドライバ12は、制御部11(図1参照)から供給される制御信号に基づいて、表示部20(図1参照)の表示駆動の対象となる水平ラインを順次選択する機能、すなわち、図8に示すTFT素子Trのオンオフ動作を制御する機能を備えている。走査信号Vscanによる選択動作で誤動作が発生した場合、表示不良の原因になる。選択動作のスイッチとして用いられるTFT素子Trは、他のスイッチと比較して、相対的に高い電圧でオンオフ制御される。このため、高い電圧でオンオフ制御されるTFT素子Trに供給される走査信号Vscanは、他の駆動信号と比較して高電位になる。例えば、図30に示す圧力検出用の駆動信号Vfsは、1.5V±1V(ボルト)程度の電位で動作する。一方、TFT素子Trは例えば±4.0V程度の電位でオンオフ制御され、TFT素子Trをオフ状態にするときの走査信号Vscanの電位は、−6V±1V(ボルト)程度である。
また、図30に示す表示動作期間FLdpにおいて、ソースドライバ13(図1参照)は、信号線SGLに対して画素信号Vpixを供給する画素信号Vpixは、表示機能層である液晶層の液晶分子の配向を変化させるための電界を発生させる映像信号であって、駆動信号Vfsとは異なる波形を有する。ただし、画素信号Vpixは、TFT素子Tr(図8参照)をオンオフ制御する信号ではないので、走査信号Vscanと比較すると、相対的に絶対値が小さい電位で制御される。
次に、複数の走査線GCLと導体パターン8A(図12参照)との間の容量値の変化を検出する検出動作期間FLfsxにおいて、駆動ドライバ14Sは、走査線GCLに対して駆動信号Vfsを供給する。検出動作期間FLfsxでは、図28に示すように、複数の走査線GCLのそれぞれに接続されるスイッチSWgs1はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsxにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWgs1を介して走査線GCLに駆動信号Vfsを供給する。また、複数の走査線GCLのそれぞれと、ゲートドライバ12との間に接続されているスイッチSWgHおよびスイッチSWgLは、それぞれオフになっている。図28に示す例では、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Xを介してスイッチSWgs1と電気的に接続されている。すなわち、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Xを介して走査線GCLに駆動信号Vfsを供給する。
また、図30に示す例では、信号線SGLおよび駆動電極COMLに対してアクティブシールド方式を適用する。すなわち、検出動作期間FLfsxにおいて、駆動ドライバ14Sは、信号線SGLおよび駆動電極COMLに駆動信号Vfsと同じ波形のパルス電位であるガード信号Vgdを供給する。検出動作期間FLfsxでは、図28に示すように、複数の信号線SGLのそれぞれと駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWss1はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsxにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWss1を介して信号線SGLにガード信号Vgdを供給する。また、検出動作期間FLfsxでは、駆動電極COMLと駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWcs1はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsxにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWcs1を介して駆動電極COMLにガード信号Vgdを供給する。図28に示す例では、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Yを介してスイッチSWss1およびスイッチcs1と電気的に接続されている。すなわち、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Yを介して信号線SGLおよび駆動電極COMLにガード信号Vgdを供給する。図示は省略するが、図28に対する変形例として、すなわち、駆動ドライバ14Sが、検出回路部40Yを介さずに信号線SGLおよび駆動電極COMLと電気的に接続されていても良い。この場合、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Yを介さずに信号線SGLおよび駆動電極COMLにガード信号Vgdを供給する。
図28では、複数の走査線GCLのそれぞれに同じタイミングで駆動信号Vfs(図30参照)を印加する例を示している。ただし、変形例として、複数の走査線GCLのうち検出ブロック毎に、駆動信号Vfsが順次印加されても良い。この場合、複数の走査線GCLのそれぞれに接続されるスイッチSWgs1のうちの一部はオンになり、他の一部はオフになっている。また、この場合、複数の走査線GCLのうち、選択されていない走査線GCLに対してはアクティブシールド方式を適用することが好ましい。選択されていない走査線GCLに対してアクティブシールド方式を適用する場合には、選択されていない走査線GCLに接続されているスイッチSWgs1はオフになり、選択されていない走査線GCLに接続されるスイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方がオンになっている。これにより、検出動作期間FLfsxにおいて圧力検出用の電極として動作する走査線GCLと走査線GCLの周囲の導体パターンとの間に形成される寄生容量の影響を低減することができる。
また、図30に示す例では、複数の走査線GCLと導体パターン8A(図12参照)との間の容量値の変化を検出する検出動作期間FLfsxと、複数の信号線SGLと導体パターン8Aとの間の容量値の変化を検出する検出動作期間FLfsyとの間に、表示動作期間FLdpがある。検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14S(図29参照)は、信号線SGLに対して駆動信号Vfsを供給する。検出動作期間FLfsyでは、図29に示すように、複数の信号線SGLのそれぞれに接続されるスイッチSWss1はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWss1を介して信号線SGLに駆動信号Vfs(図30参照)を供給する。図29に示す例では、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Yを介してスイッチSWss1と電気的に接続されている。すなわち、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Yを介して信号線SGLに駆動信号Vfsを供給する。また、複数の信号線SGLのそれぞれと、駆動電極COMLとの間に接続されているスイッチSWss2はオフになっている。また、検出動作期間FLfsyにおいて、検出回路部40Xと複数の走査線GCLとのそれぞれを接続する複数のスイッチSWgs1のそれぞれはオフになっている。
また、図30に示す例では、走査線GCLおよび駆動電極COMLに対してアクティブシールド方式を適用する。すなわち、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14S(図29参照)は、走査線GCLおよび駆動電極COMLに駆動信号Vfsと同じ波形のパルス電位であるガード信号Vgdを供給する。検出動作期間FLfsyでは、図29に示すように、複数の走査線GCLのそれぞれと駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方を介して走査線GCLにガード信号Vgdを供給する。「スイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方」とは以下の意味である。すなわち、図29に示す例では、スイッチSWgLがオンになっており、スイッチSWgHがオフになっている。ただし、変形例としては、スイッチSWgHおよびスイッチSWgLの両方がオンになっていても良い。あるいは、スイッチSWgHがオンになっており、スイッチSWgLがオフになっていても良い。
また、検出動作期間FLfsyでは、駆動電極COMLと駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWcs1はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWcs1を介して駆動電極COMLにガード信号Vgdを供給する。
また、図29では、複数の信号線SGLのそれぞれに同じタイミングで駆動信号Vfs(図30参照)を印加する例を示している。ただし、変形例として、複数の信号線SGLのうち検出ブロック毎に、駆動信号Vfsが順次印加されても良い。この場合、複数の信号線SGLのそれぞれに接続されるスイッチSWss1のうちの一部はオンになり、他の一部はオフになっている。また、この場合、複数の信号線SGLのうち、選択されていない信号線SGLに対してはアクティブシールド方式を適用することが好ましい。選択されていない信号線SGLに対してアクティブシールド方式を適用する場合には、選択されていない信号線SGLに接続されるスイッチSWss2がオンになっている。これにより、検出動作期間FLfsyにおいて圧力検出用の電極として動作する信号線SGLと信号線SGLの周囲の導体パターンとの間に形成される寄生容量の影響を低減することができる。
本実施の形態3のように、複数の走査線GCLおよび複数の信号線SGLのそれぞれが、自己容量方式で圧力を検出する検出電極である電極E2(図12参照)として利用される場合、自己容量方式であっても、圧力が印加された平面位置の座標を判定することができる。
<走査線に駆動信号を供給する場合の好ましい態様>
ところで、上記したように、図30に示す走査信号Vscanの電位の絶対値は、他の駆動信号の電位の絶対値と比較して高電位になる。例えば、図30に示す圧力検出用の駆動信号Vfsや、図28に示す検出回路部40は、1.5V±1V(ボルト)程度の電位で動作する。一方、TFT素子Tr(図8参照)は例えば±4.0V程度の電位でオンオフ制御され、TFT素子Trをオフ状態にするときの走査信号Vscanの電位は、−6V±1V(ボルト)程度である。
ここで、図28に示すように、複数の走査線GCLを圧力検出用の検出電極として用いる場合、圧力検出用の駆動信号Vfsをそのまま走査線GCLに供給すると、駆動信号VfsによりTFT素子Tr(図8参照)が動作する場合がある。例えば、TFT素子Trに−6V(ボルト)の電位が供給されてオフ状態になっている時に、+1.5Vの圧力検出用の駆動信号Vfsが供給されると、TFT素子Trがオンになる可能性がある。この場合、TFT素子Trがオンになった画素では、オン状態の時に信号線SGLに供給されている電位に基づいて画像が誤表示されてしまう。
そこで、複数の走査線GCLを圧力検出用の検出電極として用いる場合、図28に示すように、複数の走査線GCLのそれぞれと、検出回路部40とは、容量素子Cdcを介して電気的に接続されていることが好ましい。容量素子Cdcは、容量素子Cdcを介して直列接続され、互いに異なる交流電圧で動作する二つの回路をカップリングする、ACカップリング素子として機能する。言い換えれば、第1の電圧を持つ交流信号が容量素子Cdcを通過すると、第2の電圧にオフセットされる。
例えば、図28に示す例では、駆動ドライバ14Sから検出回路部40Xを介して1.5V±1Vの電圧で、交流信号である駆動信号Vfs(図30参照)が出力される。そして、駆動信号Vfsが容量素子Cdcを通過すると、−6V±1Vの電圧にオフセットされる。このため、複数の走査線GCLのそれぞれには、−6V±1Vの範囲での電位が供給されるので、TFT素子Tr(図8参照)がオンになることを防止できる。
また、検出信号Vdet2(図12参照)として、−6V±1V程度の電圧が走査線GCLから出力された場合、検出信号Vdet2が容量素子Cdcを通過すると、1.5V±1Vの電圧にオフセットされる。このため、検出回路部40には、1.5V±1Vの電圧が入力されるので、正しく動作させることができる。
なお、図30に示す圧力検出用の駆動信号Vfsや、図28に示す検出回路部40が、−6V±1V(ボルト)程度の電位で動作する場合には、図28および図29に示す容量素子Cdcが無くても、TFT素子Tr(図8参照)がオンになることを防止できる。したがって、図28や図29に示す例の変形例としては、図28および図29に示す容量素子Cdcが無くても良い。
しかし、上記の場合、圧力検出用の駆動信号Vfsや、図28に示す検出回路部40が高い電圧で動作することになるので、消費電力が大きくなる。言い換えれば、図28や図29に示す例のように、複数の走査線GCLのそれぞれと、検出回路部40とは、容量素子Cdcを介して電気的に接続されていれば、TFT素子Tr(図8参照)の誤作動に伴う誤表示を防止でき、かつ、圧力センサの消費電力を低減できる。
また、図28および図29に示す例では、駆動ドライバ14SはスイッチSWgHおよびスイッチSWgLのそれぞれに接続されており、スイッチSWgHまたはスイッチSWgLを介して走査線GCLにガード信号Vgd(図30参照)を供給可能になっている。ガード信号Vgdは駆動信号Vfs(図30参照)と同じ波形なので、ガード信号Vgdの電位によっては、走査線GCLが誤作動する場合がある。そこで、図28および図29に示すように、表示装置DP6は、スイッチSWgHおよびスイッチSWgLのそれぞれと、駆動ドライバ14Sとの間に直列接続される容量素子Cdcを有している。
上記したように、複数の走査線GCLを圧力検出用の検出電極として用いる場合、図28に示すように、複数の走査線GCLのそれぞれと、検出回路部40とは、容量素子Cdcを介して電気的に接続されていることが好ましい。しかし、信号線SGLを圧力検出用の検出電極として用いる場合には、状況が異なる。すなわち、図30に示すように、信号線SGLは、表示動作期間FLdpにおいて画素信号Vpixが供給される配線である。画素信号Vpixは、駆動信号Vfsとは異なる波形の信号である。しかし、仮に、検出動作期間FLfsxあるいは、検出動作期間FLfsyにおいて、信号線SGLに駆動信号Vfsやガード信号Vgdが供給された場合でも、TFT素子Tr(図8参照)がオンになっていれば、誤表示の原因にはならない。このため、図28および図29に示す例では、複数の信号線SGLのそれぞれと、検出回路部40とは、容量素子Cdcを介さずに接続されている。
<実施の形態3の変形例>
次に、図28〜図30を用いて説明した表示装置DP6に対する変形例を説明する。図31は、図29に対する変形例である表示装置の構成例を模式的に示す説明図である。また、図32は、図31に示す表示装置の表示動作と圧力検出動作を行うタイミングの一例を示す説明図である。図31では、見易さのため、図29に示す複数の信号線SGLおよび複数の信号線SGLおよび複数の駆動電極COMLにガード信号Vgd(図32参照)を供給する配線経路は図示を省略している。複数の信号線SGLおよび複数の駆動電極COMLにガード信号Vgd(図32参照)を供給する配線経路の構成は、図29と同様なので、本変形例では、必要に応じて図29を参照して説明する。
図28および図29では、自己容量方式の圧力センサにおいて、平面位置の座標を判定できる構成として、複数の走査線GCLと複数の信号線SGLのそれぞれを検出電極として利用する実施態様について説明したが、複数の走査線GCLや複数の信号線SGL以外の配線や電極を圧力センサの検出電極として利用しても良い。例えば、図31に示す表示装置DP7は、複数の走査線GCLおよび複数の駆動電極COMLのそれぞれが、自己容量方式で圧力を検出する検出電極である電極E2として利用される点で図28に示す表示装置DP6と相違する。
表示装置DP7の構成は、以下のように表現できる。すなわち、基板21の上面21tに沿った平面視において、上面21t側には、X方向に沿って延びる複数の走査線GCLと、X方向と交差するY方向に沿って延びる複数の駆動電極COMLとが設けられている。複数の駆動電極COMLのそれぞれは、複数の駆動電極COMLと導体パターン8Aとの間の容量値の変化により外部物体の接触による圧力を検出する、検出回路部40Yと電気的に接続されている。図32に示すように、複数の駆動電極COMLと導体パターン8Aとの間の容量値の変化を検出する検出動作期間FLfsyには、複数の駆動電極COMLに対してパルス電位である駆動信号Vfsが供給される。また、図31に示す検出回路部40Yには、複数の駆動電極COMLを介して駆動信号Vfsに基づく検出信号Vdet1(図12参照)が出力される。
図32に示す表示装置DP7(図31参照)の場合も表示動作期間FLdpおよび検出動作期間FLfsxを備えている。ただし、表示動作期間FLdpにおける各部の動作は、図28および図30を用いて説明した表示装置DP6(図28参照)の場合と同様である。また、表示装置DP7は複数の走査線GCLを検出電極として用いるので、検出動作期間FLfsxにおける各部の動作は、図28および図30を用いて説明した表示装置DP6の場合と同様である。したがって、重複する説明は省略する。
図32に示す変形例では、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14S(図31参照)は、駆動電極COMLに対して駆動信号Vfsを供給する。検出動作期間FLfsyでは、図31に示すように、複数の駆動電極COMLのそれぞれに接続されるスイッチSWcs2はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWcs2を介して駆動電極COMLに駆動信号Vfs(図32参照)を供給する。図31に示す例では、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Yを介してスイッチSWcs2と電気的に接続されている。すなわち、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Yを介して駆動電極COMLに駆動信号Vfsを供給する。また、図31では図示を省略したが、複数の信号線SGL(図29参照)のそれぞれと、駆動電極COMLとの間に接続されているスイッチSWss2(図29参照)はオフになっている。また、検出動作期間FLfsyにおいて、検出回路部40Xと複数の走査線GCLとのそれぞれを接続する複数のスイッチSWgs1のそれぞれはオフになっている。
また、図32に示す例では、走査線GCLおよび駆動電極COMLに対してアクティブシールド方式を適用する。すなわち、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14S(図31参照)は、走査線GCLおよび信号線SGLに駆動信号Vfsと同じ波形のパルス電位であるガード信号Vgdを供給する。検出動作期間FLfsyでは、図31に示すように、複数の走査線GCLのそれぞれと駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方を介して走査線GCLにガード信号Vgdを供給する。また、検出動作期間FLfsyでは、信号線SGL(図29参照)と駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチ(例えば図29参照に示すスイッチSWss1およびスイッチSWss2)はオンになっている。
図31では、複数の駆動電極COMLのそれぞれに同じタイミングで駆動信号Vfs(図32参照)を印加する例を示している。ただし、変形例として、複数の駆動電極COMLのうち検出ブロック毎に、駆動信号Vfsが順次印加されても良い。この場合、複数の駆動電極COMLのそれぞれに接続されるスイッチSWcs2のうちの一部はオンになり、他の一部はオフになっている。また、この場合、複数の駆動電極COMLのうち、選択されていない駆動電極COMLに対してはアクティブシールド方式を適用することが好ましい。選択されていない駆動電極COMLに対してアクティブシールド方式を適用する場合には、選択されていない駆動電極COMLに接続されているスイッチSWcs2はオフになり、選択されていない駆動電極COMLに接続されるスイッチSWcs1(図29参照)がオンになっている。これにより、検出動作期間FLfsyにおいて圧力検出用の電極として動作する駆動電極COMLと駆動電極COMLの周囲の導体パターンとの間に形成される寄生容量の影響を低減することができる。
また、上記の通り、複数の走査線GCLを圧力検出用の検出電極として用いる場合、図28に示すように、複数の走査線GCLのそれぞれと、検出回路部40Xとは、容量素子Cdcを介して電気的に接続されていることが好ましい。しかし、駆動電極COMLを圧力検出用の検出電極として用いる場合には、状況が異なる。すなわち、図32に示すように、駆動電極COMLは、表示動作期間FLdpにおいて駆動信号Vcomが供給される配線である。駆動信号Vcomは、駆動信号Vfsとは異なる波形の信号である。しかし、仮に、検出動作期間FLfsxあるいは、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動電極COMLに駆動信号Vfsやガード信号Vgdが供給された場合でも、TFT素子Tr(図8参照)がオンになっていれば、誤表示の原因にはならない。このため、図31に示す例では、複数の駆動電極COMLのそれぞれと、検出回路部40Yとは、容量素子Cdcを介さずに接続されている。
また、図28〜図32では、複数の駆動電極COMLのそれぞれがY方向に沿って延びる、縦コム構造の表示装置を例示的に取り上げて説明した。しかし、図33に示すように、複数の駆動電極COMLのそれぞれがX方向に沿って延びる、横コム構造の表示装置に上記した技術を適用することもできる。図33は、図28に対する変形例である表示装置の構成例を模式的に示す説明図である。また、図34は、図29に対する他の変形例である表示装置の構成例を模式的に示す説明図である。また、図35は、図33および図34に示す表示装置の表示動作と圧力検出動作を行うタイミングの一例を示す説明図である。
図33および図34に示す表示装置DP8は、複数の駆動電極COMLのそれぞれがY方向に沿って延びている点で図28および図29に示す表示装置DP6と相違する。また、表示装置DP8は、複数の信号線SGLおよび複数の駆動電極COMLのそれぞれが、自己容量方式で圧力を検出する検出電極である電極E2として利用される点で図28に示す表示装置DP6と相違する。
表示装置DP8の構成は、以下のように表現できる。すなわち、基板21の上面21tに沿った平面視において、上面21t側には、X方向に沿って延びる複数の駆動電極COMLと、X方向と交差するY方向に沿って延びる複数の信号線SGLとが設けられている。複数の駆動電極COMLのそれぞれは、駆動電極COMLと導体パターン8Aとの間の容量値の変化により外部物体の接触による圧力を検出する、検出回路部40Xと電気的に接続されている。図33に示すように、複数の駆動電極COMLと導体パターン8A(図12参照)との間の容量値の変化を検出する検出動作期間FLfsxには、複数の駆動電極COMLに対してパルス電位である駆動信号Vfsが供給される。また、図28に示す検出回路部40Xには、複数の駆動電極COMLを介して駆動信号Vfsに基づく検出信号Vdet2(図12参照)が出力される。また、図34に示すように、複数の信号線SGLのそれぞれは、複数の信号線SGLと導体パターン8Aとの間の容量値の変化により外部物体の接触による圧力を検出する、検出回路部40Yと電気的に接続されている。図30に示すように、複数の信号線SGLと導体パターン8A(図12参照)との間の容量値の変化を検出する検出動作期間FLfsyには、複数の信号線SGLに対してパルス電位である駆動信号Vfsが供給される。また、図34に示す検出回路部40Yには、複数の信号線SGLを介して駆動信号Vfsに基づく検出信号Vdet1(図12参照)が出力される。
図35に示す表示装置DP8(図33参照)の場合も表示動作期間FLdpを備えている。ただし、表示動作期間FLdpにおける各部の動作は、図30を用いて説明した表示装置DP6(図29参照)の場合と同様である。したがって、重複する説明は省略する。
図35に示す変形例では、検出動作期間FLfsxにおいて、駆動ドライバ14S(図33参照)は、駆動電極COMLに対して駆動信号Vfsを供給する。検出動作期間FLfsxでは、図33に示すように、複数の駆動電極COMLのそれぞれに接続されるスイッチSWcs2はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWcs2を介して駆動電極COMLに駆動信号Vfs(図35参照)を供給する。図33に示す例では、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Xを介してスイッチSWcs2と電気的に接続されている。すなわち、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Xを介して駆動電極COMLに駆動信号Vfsを供給する。また、複数の信号線SGLのそれぞれと、検出回路部40Yとの間に接続されているスイッチSWss1はオフになっている。
また、図35に示す例では、走査線GCLおよび駆動電極COMLに対してアクティブシールド方式を適用する。すなわち、検出動作期間FLfsxにおいて、駆動ドライバ14S(図33参照)は、走査線GCLおよび信号線SGLに駆動信号Vfsと同じ波形のパルス電位であるガード信号Vgdを供給する。検出動作期間FLfsxでは、図35に示すように、複数の走査線GCLのそれぞれと駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsxにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方を介して走査線GCLにガード信号Vgdを供給する。また、検出動作期間FLfsxでは、信号線SGLと駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWss2(図33参照)はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsxにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWss2を介して信号線SGLにガード信号Vgdを供給する。
また、図33では、複数の駆動電極COMLのそれぞれに同じタイミングで駆動信号Vfs(図35参照)を印加する例を示している。ただし、変形例として、複数の駆動電極COMLのうち検出ブロック毎に、駆動信号Vfsが順次印加されても良い。この場合、複数の駆動電極COMLのそれぞれに接続されるスイッチSWcs2のうちの一部はオンになり、他の一部はオフになっている。また、この場合、複数の駆動電極COMLのうち、選択されていない駆動電極COMLに対してはアクティブシールド方式を適用することが好ましい。選択されていない駆動電極COMLに対してアクティブシールド方式を適用する場合には、選択されていない駆動電極COMLに接続されているスイッチSWcs2はオフになり、選択されていない駆動電極COMLに接続されるスイッチSWcs1がオンになっている。これにより、検出動作期間FLfsxにおいて圧力検出用の電極として動作する駆動電極COMLと駆動電極COMLの周囲の導体パターンとの間に形成される寄生容量の影響を低減することができる。
また、図35に示す変形例では、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14S(図34参照)は、信号線SGLに対して駆動信号Vfsを供給する。検出動作期間FLfsyでは、図34に示すように、複数の信号線SGLのそれぞれに接続されるスイッチSWss1はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWss1を介して信号線SGLに駆動信号Vfs(図35参照)を供給する。図34に示す例では、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Yを介してスイッチSWss1と電気的に接続されている。すなわち、駆動ドライバ14Sは、検出回路部40Yを介して信号線SGLに駆動信号Vfsを供給する。また、図34に示すように、複数の信号線SGL(図34参照)のそれぞれと、駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWss2(図34参照)はオフになっている。また、検出動作期間FLfsyにおいて、検出回路部40Xと複数の駆動電極COMLとのそれぞれを接続する複数のスイッチSWcs2のそれぞれはオフになっている。
また、図35に示す例では、走査線GCLおよび信号線SGLに対してアクティブシールド方式を適用する。すなわち、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14S(図34参照)は、走査線GCLおよび駆動電極COMLに駆動信号Vfsと同じ波形のパルス電位であるガード信号Vgdを供給する。検出動作期間FLfsyでは、図34に示すように、複数の走査線GCLのそれぞれと駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方はオンになっている。言い換えれば、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWgHおよびスイッチSWgLのうちの少なくとも一方を介して走査線GCLにガード信号Vgdを供給する。また、検出動作期間FLfsyでは、駆動電極COMLと駆動ドライバ14Sとの間に接続されているスイッチSWcs1(図34参照)はオンになっている。また、検出動作期間FLfsyにおいて、駆動ドライバ14Sは、スイッチSWcs1を介して駆動電極COMLにガード信号Vgdを供給する。
図34では、複数の信号線SGLのそれぞれに同じタイミングで駆動信号Vfs(図35参照)を印加する例を示している。ただし、変形例として、複数の信号線SGLのうち検出ブロック毎に、駆動信号Vfsが順次印加されても良い。この場合、複数の信号線SGLのそれぞれに接続されるスイッチSWss1のうちの一部はオンになり、他の一部はオフになっている。また、この場合、複数の信号線SGLのうち、選択されていない信号線SGLに対してはアクティブシールド方式を適用することが好ましい。選択されていない信号線SGLに対してアクティブシールド方式を適用する場合には、選択されていない信号線SGLに接続されているスイッチSWss1はオフになり、選択されていない信号線SGLに接続されるスイッチSWss2(図34参照)がオンになっている。これにより、検出動作期間FLfsyにおいて圧力検出用の電極として動作する信号線SGLと信号線SGLの周囲の導体パターンとの間に形成される寄生容量の影響を低減することができる。
また、上記の通り、図35に示すように、本変形例では、走査線GCLは、圧力検出用の検出電極としては利用されず、駆動電極COMLが圧力検出用の検出電極として利用される。駆動電極COMLは、表示動作期間FLdpにおいて駆動信号Vcomが供給される配線である。駆動信号Vcomは、駆動信号Vfsとは異なる波形の信号である。しかし、仮に、検出動作期間FLfsxあるいは、検出動作期間FLfsxにおいて、駆動電極COMLに駆動信号Vfsやガード信号Vgdが供給された場合でも、TFT素子Tr(図8参照)がオンになっていれば、誤表示の原因にはならない。このため、図33に示す例では、複数の駆動電極COMLのそれぞれと、検出回路部40とは、容量素子Cdcを介さずに接続されている。
また、本実施の形態3では、上記実施の形態1に対する変形例として説明したが、上記実施の形態2で説明したように、圧力センサおよびタッチセンサを備える表示装置に適用することもできる。この場合、図36に示すように、単位フレームFL1には、複数の表示動作期間FLdpと、タッチ検出を行うタッチ検出動作期間FLtsと、検出動作期間FLfsxと、検出動作期間FLfsyと、を含んでいることが好ましい。タッチ検出動作期間FLtsでは、例えば上記実施の形態2で説明したように、相互容量方式のタッチセンサを用いてタッチ検出動作を実施できる。あるいは変形例として、自己容量方式のタッチセンサを用いてタッチ検出動作を実施しても良い。さらに、相互容量方式と自己容量方式とを併用しても良い。
また、図36に示す例では、単位フレームFL1に、一回のタッチ検出動作期間FLtsが含まれた例を示している。しかし、変形例として、単位フレームFL1に時分割された複数回のタッチ検出動作期間FLtsが含まれていても良い。この場合、タッチ検出動作期間FLtsと表示期間Fdpとが交互に実施される。
以上、本願発明者によってなされた発明を実施の形態および代表的な変形例に基づき具体的に説明したが、種々の変形例がある。例えば、上述の実施の形態では、表示機能層として液晶層を用いる表示装置を開示しているがこれに限ったものではない。例えば、表示機能層として有機化合物から成る発光素子を用いる、所謂、有機ELタイプの表示装置の引出配線部に上記した技術を適用することもできる。また例えば、上記した種々の変形例同士を組み合わせて適用することもできる。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。