JP2017025878A - 蒸気タービンロータ - Google Patents

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齊藤 和宏
Kazuhiro Saito
和宏 齊藤
村上 格
Itaru Murakami
格 村上
小川 剛史
Takashi Ogawa
剛史 小川
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Abstract

【課題】蒸気タービンロータの信頼性を向上させる。【解決手段】実施形態の蒸気タービンロータは、第1ロータ部材と第2ロータ部材と溶接部とを有し、蒸気が中心軸に沿った方向に流れることによって、その中心軸を回転軸として回転する。第2ロータ部材は、中心軸に沿った方向において第1ロータ部材に並ぶように配置されている。溶接部は、第1ロータ部材および第2ロータ部材の間を接合している。ここでは、溶接部は、第1ロータ部材と第2ロータ部材との間において、蒸気タービンロータの中心軸から外周との間に渡って介在するように形成されている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、蒸気タービンロータに関する。
蒸気タービンは、たとえば、軸流タービンであって、蒸気タービンロータの中心軸に沿った方向に蒸気が流れることによって、蒸気タービンロータが中心軸を回転軸として回転する。蒸気タービンロータは、たとえば、溶接ロータであって、複数のロータ部材の間を溶接で接合されている。
軸流タービンの蒸気タービンにおいては、蒸気が上流から下流へ流れるに伴って、蒸気の温度が低下する。このため、蒸気タービンロータが溶接ロータである場合には、蒸気の温度に応じて、上流側のロータ部材と下流側のロータ部材とを互いに異なる材料で形成することができる。たとえば、上流側のロータ部材については、高温下での強度が高い高Cr鋼(たとえば、12%Cr鋼)などの金属で形成されたものを用い、下流側のロータ部材については、低合金鋼(たとえば、Crの割合が1%程度)、Ni基耐熱合金などの金属で形成されたものを用いることができる。この他に、溶接ロータは、蒸気タービンロータが鍛造によって一体で形成したものである場合よりも、タービン起動時およびタービン停止時における熱応力を抑制可能であると共に、製造設備の制約が少ない。このような利点によって、溶接ロータは、蒸気タービンにおいて多く用いられている。
特開2001−317301号公報
図9は、関連技術に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す図である。図9では、蒸気タービンロータ1Jに関して、水平面(xy面)に対して垂直であって、蒸気タービンロータ1Jの中心軸AXに沿った鉛直面(zy面)の断面を示している。また、図9では、蒸気Fの流れを太い実線の矢印で示している。
図9に示すように、蒸気タービンロータ1Jは、溶接ロータであって、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12と溶接部20とを有していると共に、空洞部(溶接袋部)40と中心孔50とが形成されている。蒸気タービンロータ1Jは、蒸気Fが中心軸AXに沿った方向に流れることによって、その中心軸AXを回転軸として回転するように構成されている。
第1ロータ部材11は、蒸気タービンロータ1Jの中心軸AXに沿った方向において第2ロータ部材12に並ぶように配置されている。ここでは、第1ロータ部材11は、蒸気Fの流れ方向において、第2ロータ部材12よりも上流側に位置している。第1ロータ部材11は、円柱形状であって、たとえば、高温下での強度が高い高Cr鋼で形成されている。第1ロータ部材11には、ロータディスク31が設けられている。ロータディスク31は、リング形状であって、第1ロータ部材11の外周面を囲うように設置されている。ここでは、複数のロータディスク31が蒸気タービンロータ1Jの中心軸AXに沿って並ぶように設置されている。そして、ロータディスク31においては、動翼32が設置されている。動翼32は、ロータディスク31の外周面において、複数が蒸気タービンロータ1Jの回転方向に沿って並ぶように設置されている。
第2ロータ部材12は、蒸気Fの流れ方向において、第1ロータ部材11よりも下流側に位置している。第2ロータ部材12は、第1ロータ部材11と外径が同じ円柱形状であって、たとえば、低合金鋼で形成されている。第2ロータ部材12は、第1ロータ部材11と同様に、複数のロータディスク31が設けられていると共に、複数の動翼32がロータディスク31の外周面に設置されている。
溶接部20は、蒸気タービンロータ1Jの中心軸AXに沿った方向において第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間に介在しており、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間を接合している。溶接部20は、溶加材を用いて第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間について溶接を行うことによって形成されている。ここでは、溶接部20は、空洞部40の周囲から蒸気タービンロータ1Jの外周に渡って形成されている。
空洞部40は、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間において、中心軸AXが貫通する中央部分に形成されている。ここでは、空洞部40は、第1ロータ部材11に形成された凹部と第2ロータ部材12に形成された凹部とを対面させた状態で、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間が接合されることによって形成される。
中心孔50は、第2ロータ部材12において蒸気タービンロータ1Jの中心軸AXに沿うように形成されている。中心孔50は、たとえば、溶接の施工を行うとき、および、裏波の検査を行うときに利用される。
上述したように、蒸気タービンロータ1Jでは、蒸気Fが中心軸AXに沿った方向に流れるので、蒸気Fの温度が上流から下流へ向かうに伴って低下する。このため、上流側に位置する第1ロータ部材11と、下流側に位置する第2ロータ部材12との間において、温度差が生ずるので、溶接部20には熱応力が加わる。ここでは、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との両者が外周部分において接合されているので、鍛造によって一体で形成された場合よりも、上記の温度差が大きくなり、大きな熱応力が溶接部20に加わる。特に、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12とが異なる材料であって両者の線膨張係数が大きく異なる場合には、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間の熱膨張の差が大きくなるので、両者が同じ材料である場合よりも大きな熱応力が溶接部20に加わる。また、上記のように、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間に空洞部40が形成されているので、空洞部40および溶接部20の溶接裏波において熱応力が集中する場合がある。この他に、上記の蒸気タービンロータ1Jでは、中心孔50が形成されているので、中心孔50においては、遠心力による応力が生ずる。
図10,図11は、関連技術に係る蒸気タービンロータに加わる応力を説明するための図である。図10は、図9において破線Gで囲った部分を拡大して示す図である。図11は、蒸気タービンを運転するときの応力分布を示す図であって、横軸が位置sを示し、縦軸が応力fを示している。図11では、図10に示すように、空洞部40と中心孔50とが形成された部分の応力fであって、実線(黒色の丸)Hが熱応力と遠心応力との両者が加算された場合を示し、破線(白色の丸)Iが遠心応力について示している。
図11に示すように、B点とC点とにおいて応力が高くなっている。つまり、図10に示すように、第2ロータ部材12において空洞部40のコーナー部が位置する部分(B点)の応力が高くなっている。また、第2ロータ部材12において空洞部40と中心孔50とが接続する部分(C点)の応力が高くなっている。
応力を低減するためには、溶接部20の剛性を下げることが知られている。しかし、溶接部20の厚みは、必要な曲げ剛性、および、ねじり剛性を確保する最小限の寸法によって決まるので、溶接部20を薄くすることによって溶接部20の剛性を下げることには限度がある。このため、空洞部40の幅を広くすること、および、空洞部40のコーナー部の径を大きくすること等によって、溶接部20の剛性を下げて、応力を低減している。
図12,図13は、関連技術に係る蒸気タービンロータに加わる応力を説明するための図である。図12,図13では、空洞部40のコーナー部の径を大きくした場合について示している。図12は、図10と同様に、一部を拡大して示す図である。図13は、図11と同様に、蒸気タービンを運転するときの応力分布を示す図であって、横軸が位置sを示し、縦軸が応力fを示している。図13では、図12に示すように、空洞部40と中心孔50とが形成された部分の応力fであって、実線(黒色の丸)Jが熱応力と遠心応力との両者が加算された場合を示し、破線(白色の丸)Kが遠心応力について示している。
図13に示すように、空洞部40のうち第2ロータ部材12の側に位置するコーナー部の径を大きくした場合には、図11に示す場合と比較して判るように、その径が大きいコーナー部(B点)の応力を低減することができる。しかしながら、第2ロータ部材12において空洞部40と中心孔50とが接続する部分(C点)は、大きな遠心力によって、応力が高くなる。
上記のように、溶接ロータである蒸気タービンロータにおいては、応力を効果的に低減することが容易ではない。このため、応力に起因して、蒸気タービンロータの強度が低下し、信頼性が低下する場合がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、応力を低減して信頼性を十分に向上させることが可能な蒸気タービンロータを提供することにある。
実施形態の蒸気タービンロータは、第1ロータ部材と第2ロータ部材と溶接部とを有し、蒸気が中心軸に沿った方向に流れることによって、その中心軸を回転軸として回転する。第2ロータ部材は、中心軸に沿った方向において第1ロータ部材に並ぶように配置されている。溶接部は、第1ロータ部材および第2ロータ部材の間を接合している。ここでは、溶接部は、第1ロータ部材と第2ロータ部材との間において、蒸気タービンロータの中心軸から外周との間に渡って介在するように形成されている。
本発明によれば、応力を低減して信頼性を十分に向上させることが可能な蒸気タービンロータを提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す断面図である。 図2は、第2実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す断面図である。 図3は、第3実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す断面図である。 図4は、第3実施形態の変形例に係る蒸気タービンロータにおいて、第3ロータ部材を示す図である。 図5は、第3実施形態の変形例に係る蒸気タービンロータにおいて、第3ロータ部材を示す図である。 図6は、第3実施形態の変形例に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す断面図である。 図7は、第4実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す断面図である。 図8は、第5実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す断面図である。 図9は、関連技術に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す断面図である。 図10は、関連技術に係る蒸気タービンロータに加わる応力を説明するための断面図である。 図11は、関連技術に係る蒸気タービンロータに加わる応力を説明するための図である。 図12は、関連技術に係る蒸気タービンロータに加わる応力を説明するための断面図である。 図13は、関連技術に係る蒸気タービンロータに加わる応力を説明するための図である。
実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
[A]構成など
図1は、第1実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す図である。図1では、図10と同様に、蒸気タービンロータ1に関して、水平面(xy面)に対して垂直であって、蒸気タービンロータ1の中心軸AXに沿った鉛直面(zy面)の断面を示している。また、図1では、蒸気Fの流れを太い実線の矢印で示している。
図1に示すように、本実施形態の蒸気タービンロータ1は、上述した関連技術(図10を参照)の場合と同様に、溶接ロータであって、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12と溶接部20とを有している。しかし、本実施形態の蒸気タービンロータ1は、上述した関連技術の場合と異なり、空洞部40と中心孔50とが形成されていない。また、本実施形態の蒸気タービンロータ1は、溶接部20の形態が上述した関連技術の場合と異なっている。本実施形態は、この点、および、これに関連する点を除き、上述した関連技術の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
本実施形態において、溶接部20は、図1に示すように、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間において、蒸気タービンロータ1の中心軸AXから外周との間に渡って介在するように形成されている。
具体的には、第1ロータ部材11が第2ロータ部材12に突き合わされる面には、凹部が形成されておらずに平坦であると共に、第2ロータ部材12が第1ロータ部材11に突き合わされる面には、凹部が形成されておらずに平坦である。そして、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12とにおいて互いに突き合わされる面の全体に溶接部20が介在している。つまり、溶接部20は、完全溶接部であって、第1ロータ部材11の継手と第2ロータ部材12の継手との全体に渡って形成されており、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間には空洞部40が設けられていない。
本実施形態において、蒸気タービンロータ1を製造する際には、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12とを突き合わせた状態で溶接を行う。ここでは、たとえば、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との少なくとも一方に近い金属を溶加材として用いて、溶接を行う。溶接を行うことにより、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間には、溶接部20が形成される。溶接部20は、中心軸AXが貫通する中心部分から外側部分へ溶加材を積層させることによって形成される。ここでは、たとえば、中心軸AXが水平方向(ここでは、x方向)に沿うように第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との両者を支持した状態で、中心軸AXを回転軸として両者を回転させて溶接を行うことによって、溶接部20の形成を行う。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、溶接部20は、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間において、蒸気タービンロータ1の中心軸AXから外周との間に渡って介在するように形成されている。このため、本実施形態では、溶接部20において中心軸AXに対して直交する面(yz面)の断面積は、第1ロータ部材11の継手部分の断面積、および、第2ロータ部材12の継手部分の断面積と同じである。その結果、本実施形態では、溶接部20に曲げの応力が集中しない。これと共に、本実施形態の蒸気タービンロータ1では、関連技術に示した空洞部40のコーナー部(図10等を参照)のように、熱応力および遠心応力が集中する部分が無い。
したがって、本実施形態では、蒸気タービンロータ1に加わる応力を低減可能であって、蒸気タービンロータ1の信頼性を十分に向上させることができる。
特に、本実施形態の溶接部20では、溶接裏波が無いので、溶接裏波に応力が集中して欠陥(高サイクル疲労、初層割れなど)が生ずることを防止可能である。そして、溶接裏波の検査を行う必要がないので、中心孔50(図10等を参照)が不要である。その結果、本実施形態では、製造が容易であって、コストの低減を容易に実現可能である。また、本実施形態では、中心孔50が不要であるので、応力の低減を更に効果的に実現することができる。
[C]変形例
上記の実施形態では、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12とが、関連技術の場合同様に、線膨張係数が互いに異なる材料で形成されている場合について説明したが、これに限らない。第1ロータ部材11と第2ロータ部材12とが同じ材料である場合に、上記のように、溶接部20を第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間に介在させてもよい。
<第2実施形態>
[A]構成など
図2は、第2実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す図である。図2では、図1と同様に、蒸気タービンロータ1bに関して、水平面(xy面)に対して垂直であって、蒸気タービンロータ1bの中心軸AXに沿った鉛直面(zy面)の断面を示している。また、図2では、蒸気Fの流れを太い実線の矢印で示している。
図2に示すように、本実施形態の蒸気タービンロータ1bは、上述した第1実施形態の場合と同様に、溶接ロータであって、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12と溶接部20とを有している。しかし、本実施形態では、第1実施形態の場合と異なり、関連技術(図10等を参照)の場合と同様に、空洞部40が形成されている。本実施形態は、この点、および、これに関連する点を除き、上述した実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
本実施形態の蒸気タービンロータ1bは、図2に示すように、第1実施形態の場合と同様に、空洞部40が形成されている。空洞部40は、関連技術の場合(図10等を参照)と同様に、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間において、蒸気タービンロータ1の中心軸AXが貫通する中央部分に形成されている。そして、溶接部20は、その空洞部40の周囲から蒸気タービンロータ1bの外周に渡って介在するように形成されている。
しかし、本実施形態では、関連技術の場合(図10等を参照)と異なり、溶接部20の内径R1と外径R2とが下記式(1)に示す関係を満たす。
R1≦(R2−R1) ・・・(1)
換言すると、本実施形態では、溶接部20の厚さT(T=R2−R1)は、第1ロータ部材11の継手部分および第2ロータ部材12の継手部分の半径(=R2)に対して、半分以上である(つまり、T≧0.5・R2)。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態の蒸気タービンロータ1bは、上記した式(1)を満たし、応力を効果的に低減することができる。
したがって、本実施形態では、蒸気タービンロータ1bの信頼性を十分に向上させることができる。
<第3実施形態>
[A]構成など
図3は、第3実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す図である。図3では、図1と同様に、蒸気タービンロータ1cに関して、水平面(xy面)に対して垂直であって、蒸気タービンロータ1の中心軸AXに沿った鉛直面(zy面)の断面を示している。また、図3では、蒸気Fの流れを太い実線の矢印で示している。
図3に示すように、本実施形態の蒸気タービンロータ1cは、上述した第1実施形態(図1を参照)の場合と同様に、溶接ロータであって、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12と溶接部20とを有しており、空洞部40が形成されていない。しかし、本実施形態の蒸気タービンロータ1cは、第3ロータ部材13を更に備えている。本実施形態は、この点、および、これに関連する点を除き、上述した第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
本実施形態において、第3ロータ部材13は、図3に示すように、第1ロータ部材11および第2ロータ部材12の間において蒸気タービンロータ1cの中心軸AXが貫通する中央部分に設置されている。第3ロータ部材13は、たとえば、円柱形状であって、第1ロータ部材11および第2ロータ部材12に対して同軸になるように配置されている。第3ロータ部材13は、第1ロータ部材11および第2ロータ部材12よりも外径が小さい。第3ロータ部材13は、たとえば、溶接部20と同じ金属を用いて形成されている。
そして、本実施形態では、溶接部20は、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間において、第3ロータ部材13の外周から蒸気タービンロータ1cの外周との間に渡って介在するように形成されている。
本実施形態において、蒸気タービンロータ1cを製造する際には、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間に第3ロータ部材13が介在するように、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12とを突き合わせた状態で溶接を行う。ここでは、初層を溶接で形成することによって、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12と第3ロータ部材13との間を接合する。そして、上記と同様に、中心軸AXが貫通する内側部分から外側部分へ溶加材を積層させることによって、溶接部20の形成を完了する。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態の蒸気タービンロータ1cは、第1実施形態の場合と同様に、空洞部40が無いので、蒸気タービンロータ1cに加わる応力を低減可能である。このため、本実施形態では、蒸気タービンロータ1cの信頼性を十分に向上させることができる。
特に、本実施形態では、第3ロータ部材13を基準にして初層の溶接を行うことが可能であって、溶接の入熱が集中することを防止可能であるので、初層の溶接品質を向上することができる。その結果、本実施形態では、応力の低減を更に効果的に実現可能であって、蒸気タービンロータ1cの信頼性を更に向上させることができる。また、コストの低減を容易に実現することができる。
[C]変形例
上記の実施形態では、第3ロータ部材13が円柱形状である場合について説明したが、これに限らない。
図4,図5は、第3実施形態の変形例に係る蒸気タービンロータにおいて、第3ロータ部材を示す図である。図4,図5では、第3ロータ部材13に関して、水平面(xy面)に対して垂直な鉛直面(zy面)であって、蒸気タービンロータ1cの中心軸AXに沿った面の断面を拡大して示している。
図4に示すように、第3ロータ部材13は、円板部130と第1円錐部131と第2円錐部132とを含むように構成されていてもよい。ここでは、第3ロータ部材13は、円板部130と第1円錐部131と第2円錐部132とが蒸気タービンロータ1cの中心軸AXに対して同軸になるように形成されている。そして、第3ロータ部材13は、第1円錐部131および第2円錐部132の底面が円板部130の平面側に位置しており、第1円錐部131および第2円錐部132の先端が外側(中心軸AXのロータ両端方向)に突き出ている。
また、図5に示すように、第3ロータ部材13は、球形体であってもよい。その他、第3ロータ部材13は、溶接で初層を形成するときの溶け込みを考慮して、様々な形状にすることができる。
図6は、第3実施形態の変形例に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す図である。図6では、図3と同様に、蒸気タービンロータ1cに関して、水平面(xy面)に対して垂直な鉛直面(zy面)であって、蒸気タービンロータ1の中心軸AXに沿った面の断面を拡大して示している。
図6に示すように、第1ロータ部材11において第2ロータ部材12に接合される面に凹部を形成すると共に、第2ロータ部材12において第1ロータ部材11に接合される面に凹部を形成し、その両者の凹部に第3ロータ部材13が嵌め込められた状態で、溶接部20の形成を行ってもよい。
<第4実施形態>
[A]構成など
図7は、第4実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す図である。図7では、図3と同様に、蒸気タービンロータ1dに関して、水平面(xy面)に対して垂直であって、蒸気タービンロータ1dの中心軸AXに沿った鉛直面(zy面)の断面を示している。また、図7では、蒸気Fの流れを太い実線の矢印で示している。
図7に示すように、本実施形態の蒸気タービンロータ1dは、上述した第3実施形態(図1を参照)の場合と同様に、溶接ロータであって、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12と第3ロータ部材13と溶接部20とを有している。しかし、本実施形態の蒸気タービンロータ1dは、第3実施形態の場合と異なり、空洞部40を含む。また、本実施形態の蒸気タービンロータ1dは、第3ロータ部材13の形態が第3実施形態の場合と異なる。本実施形態は、この点、および、これに関連する点を除き、上述した第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
図7に示すように、第3ロータ部材13は、たとえば、円筒形状であって、第1ロータ部材11および第2ロータ部材12よりも外径が小さい。第3ロータ部材13は、蒸気タービンロータ1dの中心軸AXが貫通する中央部分に空洞部40が位置するように、第1ロータ部材11および第2ロータ部材12に対して同軸になるように配置されている。
そして、本実施形態では、第3ロータ部材13の内径R1aと、溶接部20の外径R2とが下記式(2)に示す関係である。
R1a≦(R2−R1a) ・・・(2)
換言すると、本実施形態では、空洞部40の半径R1aは、第1ロータ部材11の継手部分および第2ロータ部材12の継手部分の半径(=R2)に対して、半分以下である(つまり、R1a≦0.5・R2)。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態の蒸気タービンロータ1dは、上記した式(2)を満たす。このため、第2実施形態の場合と同様な作用によって、応力を効果的に低減することができる。
したがって、本実施形態では、蒸気タービンロータ1dの信頼性を十分に向上させることができる。
<第5実施形態>
[A]構成など
図8は、第5実施形態に係る蒸気タービンロータの一部を模式的に示す図である。図8では、図1と同様に、蒸気タービンロータ1eに関して、水平面(xy面)に対して垂直であって、蒸気タービンロータ1eの中心軸AXに沿った鉛直面(zy面)の断面を示している。また、図8では、蒸気Fの流れを太い実線の矢印で示している。
図8に示すように、本実施形態の蒸気タービンロータ1eは、第1実施形態(図1参照)の場合と同様に、溶接ロータであって、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12と溶接部20とを有している。しかし、本実施形態の蒸気タービンロータ1eは、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12と溶接部20との形態が第1実施形態の場合と異なっている。本実施形態は、この点、および、これに関連する点を除き、上述した実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記記載と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
第1ロータ部材11は、図8に示すように、第1実施形態(図1参照)の場合と異なり、凹部111が形成されている。凹部111は、第1ロータ部材11において第2ロータ部材12に接合される面のうち、蒸気タービンロータ1eの中心軸AXが貫通する中央部分に形成されている。凹部111は、たとえば、円柱形状の空間である。
第2ロータ部材12は、第1実施形態(図1参照)の場合と異なり、凸部112が形成されている。凸部112は、第2ロータ部材12において第1ロータ部材11に接合される面のうち、蒸気タービンロータ1の中心軸AXが貫通する中央部分に形成されている。凸部112は、たとえば、円柱形状であって、第1ロータ部材11に形成された凹部111に一部が収容される。
溶接部20は、第1ロータ部材11と第2ロータ部材12との間において、第2ロータ部材12に形成された凸部112の外周から蒸気タービンロータ1eの外周との間に渡って介在するように形成されている。ここでは、第2実施形態の場合と同様に、溶接部20の内径R1と外径R2とが下記式(1)に示す関係を満たす。
R1≦(R2−R1) ・・・(1)
換言すると、本実施形態では、溶接部20の厚さT(T=R2−R1)は、第1ロータ部材11の継手部分および第2ロータ部材12の継手部分の半径(=R2)に対して、半分以上である(T≧0.5・R2)。すなわち、未溶着部の半径(=R1)は、蒸気タービンロータ1eの半径(=R2)に対して半分以下である(R1≦0.5・R2)。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態の蒸気タービンロータ1eは、上記した式(1)を満たす。このため、第2実施形態の場合と同様な作用によって、応力を効果的に低減することができる。
したがって、本実施形態では、蒸気タービンロータ1eの信頼性を十分に向上させることができる。
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,1b,1c,1d,1e,1J…蒸気タービンロータ、11…第1ロータ部材、12…第2ロータ部材、13…第3ロータ部材、20…溶接部、31…ロータディスク、32…動翼、40…空洞部、50…中心孔。

Claims (5)

  1. 蒸気が中心軸に沿った方向に流れることによって前記中心軸を回転軸として回転する蒸気タービンロータであって、
    第1ロータ部材と、
    前記中心軸に沿った方向において前記第1ロータ部材に並ぶように配置されている第2ロータ部材と、
    前記第1ロータ部材および前記第2ロータ部材の間を接合している溶接部と
    を有し、
    前記溶接部は、前記第1ロータ部材と前記第2ロータ部材との間において、当該蒸気タービンロータの中心軸から外周との間に渡って介在するように形成されていることを特徴とする、
    蒸気タービンロータ。
  2. 蒸気が中心軸に沿った方向に流れることによって前記中心軸を回転軸として回転する蒸気タービンロータであって、
    第1ロータ部材と、
    前記中心軸に沿った方向において前記第1ロータ部材に並ぶように配置されている第2ロータ部材と、
    前記第1ロータ部材および前記第2ロータ部材の間を接合している溶接部と
    を有し、
    前記溶接部は、前記第1ロータ部材と前記第2ロータ部材との間において、当該蒸気タービンロータの中心軸が貫通する中央部分に空洞部が形成され、当該空洞部の周囲から当該蒸気タービンロータの外周に渡って介在するように形成されており、
    前記溶接部の内径R1と外径R2とが下記式(1)に示す関係であることを特徴とする、
    蒸気タービンロータ。
    R1≦(R2−R1) ・・・(1)
  3. 蒸気が中心軸に沿った方向に流れることによって前記中心軸を回転軸として回転する蒸気タービンロータであって、
    第1ロータ部材と、
    前記中心軸に沿った方向において前記第1ロータ部材に並ぶように配置されている第2ロータ部材と、
    前記第1ロータ部材および前記第2ロータ部材の間において当該蒸気タービンロータの中心軸が貫通する中央部分に設置されており、前記第1ロータ部材および前記第2ロータ部材よりも外径が小さい第3ロータ部材と、
    前記第1ロータ部材および前記第2ロータ部材の間を接合している溶接部と
    を有し、
    前記溶接部は、前記第1ロータ部材と前記第2ロータ部材との間において、前記第3ロータ部材の外周から前記蒸気タービンロータの外周との間に渡って介在するように形成されていることを特徴とする、
    蒸気タービンロータ。
  4. 前記第3ロータ部材は、当該蒸気タービンロータの中心軸が貫通する中央部分に空洞部が形成されており、
    前記第3ロータ部材の内径R1aと、前記溶接部の外径R2とが下記式(2)に示す関係であることを特徴とする、
    請求項3に記載の蒸気タービンロータ。
    R1a≦(R2−R1a) ・・・(2)
  5. 蒸気が中心軸に沿った方向に流れることによって前記中心軸を回転軸として回転する蒸気タービンロータであって、
    第1ロータ部材と、
    前記中心軸に沿った方向において前記第1ロータ部材に並ぶように配置されている第2ロータ部材と、
    前記第1ロータ部材および前記第2ロータ部材の間を接合している溶接部と
    を有し、
    前記第1ロータ部材は、前記第2ロータ部材に接合される面のうち前記蒸気タービンロータの中心軸が貫通する中央部分に凹部が形成され、
    前記第2ロータ部材は、前記第1ロータ部材に形成された凹部に収容される凸部が、前記第1ロータ部材に接合される面のうち前記蒸気タービンロータの中心軸が貫通する中央部分に形成され、
    前記溶接部は、前記第1ロータ部材と前記第2ロータ部材との間において、前記第2ロータ部材に形成された凸部の外周から前記蒸気タービンロータの外周との間に渡って介在するように形成されており、
    前記溶接部の内径R1と外径R2とが下記式(1)に示す関係であることを特徴とする、
    蒸気タービンロータ。
    R1≦(R2−R1) ・・・(1)
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