以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るシート供給装置200を備えた画像形成装置100の概略構成を示す正面図である。なお、図1及び後述する図2から図15、図17及び図19から図21において、符号Xは、第1方向であり、左右方向を示している。符号Yは、第2方向であり、幅方向(奥行き方向)を示している。符号Zは、上下方向(具体的には高さ方向)を示している。
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体110及び画像読取装置120を備えており、画像読取装置120により読み取った画像データ、又は、外部機器から送られてきた画像データに基づいて画像形成装置本体110における画像形成部111によりモノクロ画像又はカラー画像を記録用紙等の記録シートPに画像形成する。
画像読取装置120は、原稿搬送部121及び原稿読取部122を備え、原稿搬送部121で搬送される原稿Gを原稿読取部122で読み取るか、或いは、原稿載置台122aに載置された原稿Gを原稿読取部122で読み取り、読み取った原稿Gの画像を画像データとして出力する。
画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成装置であり、複数の静電潜像担持体(具体的には感光体11〜11)を所定方向(この例では第1方向X)に並設した構成、所謂タンデム式のカラー画像形成装置とされている。この例では、画像形成装置100は、フルカラー画像を形成できる中間転写方式のカラー複合機とされている。なお、本実施の形態では、画像形成装置100を、タンデム式のカラー画像形成装置としたが、その他のカラー画像形成装置としてもよい。また、画像形成装置100を、カラー画像形成装置としたが、モノクロ画像形成装置としてもよい。
画像形成部111は、像担持体として作用する感光体11(具体的には感光体ドラム)、帯電装置として作用する帯電器12、露光装置13、現像装置14、一次転写装置として作用する中間転写ベルト装置15、ドラムクリーニング装置16、2次転写装置17、ベルトクリーニング装置18、定着装置19、シート搬送路R、シート供給装置200(具体的には給紙装置)及び排出トレイ50を備えている。
画像形成部111では、感光体11の表面を帯電器12により帯電し、その帯電域に画像露光して静電潜像を露光装置13により形成し、この静電潜像を現像装置14によりトナー画像として可視像化(現像)し、該可視像化されたトナー画像を中間転写ベルト装置15に静電的に転写し、中間転写ベルト装置15に転写されたトナー画像を2次転写装置17により記録シートPに転写し、さらに、トナー画像を転写した記録シートPにトナー画像を定着装置19により定着させる。
カラー画像は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の各色のトナー画像が重ねられて形成される。このため、感光体11、帯電器12、現像装置14及びドラムクリーニング装置16は、各色に応じた4種類のトナー画像を形成するようにそれぞれ4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられて、4つの画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdが構成されている。
各画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdの何れにおいても、以下に示す同様の動作がなされる。
すなわち、帯電器12〜12は、感光体11〜11の表面を所定の電位に均一に帯電させる。
露光装置13は、帯電器12〜12にて一様に帯電された感光体11〜11の表面を露光して感光体11〜11の表面に静電潜像を形成する。
現像装置14〜14は、露光装置13にて形成された感光体11〜11の表面の静電潜像を現像して、感光体11〜11の表面にトナー画像を形成する。
各画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdでは、かかる一連の動作によって、感光体11〜11の表面に各色のトナー画像が形成される。
中間転写ベルト装置15は、1次転写ローラ15a及び中間転写ベルト15bを備えている。1次転写ローラ15aは、各色に応じた4種類のトナー画像を形成するようにそれぞれ4つずつ中間転写ベルト15bの内側に設けられている。1次転写ローラ15a〜15aは、感光体11〜11の表面に形成された各色のトナー画像を所定の周回方向Cへ周回移動する中間転写ベルト15bに転写する。
ドラムクリーニング装置16〜16は、中間転写ベルト15bに転写されずに残った感光体11〜11の表面における残留トナーを除去及び回収する。
2次転写装置17は、2次転写ローラ17aを備えている。2次転写ローラ17aは、中間転写ベルト15bとの間にニップ域を形成するように設けられている。2次転写ローラ17aは、シート搬送路Rを通って搬送されてきた記録シートPをニップ域に挟み込んで搬送し、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト15bの表面に形成されたトナー画像(例えばカラートナー画像)を記録シートP上に転写する。
ベルトクリーニング装置18は、記録シートPに転写されずに中間転写ベルト15bの表面に残った残留トナーを除去及び回収する。
定着装置19は、加熱ローラ19a及び加圧ローラ19bを備え、加熱ローラ19a及び加圧ローラ19bの間にトナー画像が転写された記録シートPを挟み込んで加熱及び加圧し、トナー画像を記録シートPに定着させる。
シート供給装置200は、記録シートPを収容(具体的には積載)するシート収容部210と、シート収容部210に収容された記録シートPを外部(この例では画像形成装置本体110)に供給するシート供給部220(221,222)とを備えている。
シート収容部210は、シートトレイ211,212を備えている。シート供給部220(221,222)は、ピックアップローラ221a,222a及び分離ローラ対221b,222bを含み、シートトレイ211,212の記録シートPの供給側に設けられている。ピックアップローラ221a,222a及び分離ローラ対221b,222bは、記録シートPをシートトレイ211,212から1枚ずつ引き出して、画像形成装置本体110におけるシート搬送路Rに搬送する。なお、シート供給装置200については、後ほど詳しく説明する。
シート搬送路Rは、記録シートPを2次転写装置17や定着装置19を経由して排出ローラ43に搬送する。シート搬送路Rの記録シートPの排出側には、排出ローラ43が設けられている。排出ローラ43は、シート搬送路Rで搬送されてきた記録シートPを排出トレイ50に排出する。シート搬送路Rには、レジストローラ41及び各搬送ローラ42〜42が設けられている。レジストローラ41は、記録シートPを一端停止させて記録シートPの先端を揃えた後、中間転写ベルト15b上のトナー画像とタイミングに合わせて記録シートPを搬送する。各搬送ローラ42〜42は、記録シートPの搬送を促すローラである。
また、シート搬送路Rは、シート反転搬送路Rrを備えている。画像形成部111は、記録シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、記録シートPを排出ローラ43からシート反転搬送路Rrへ逆方向に搬送して、記録シートPの表裏を反転させてレジストローラ41へ再度導き、記録シートPの表面と同様にして、記録シートPの裏面にトナー画像を定着させて排出トレイ50へ排出する。
[シート供給装置について]
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係るシート供給装置200の概略構成を示す正面図である。図3は、図2に示すシート供給装置200において、前パネル240を取り外した状態を示す正面図である。図4は、図2に示すシート供給装置200の概略構成を示す平面図である。図5は、図2に示すシート供給装置200において、前パネル240及び第1のシートトレイ211を筐体230から取り外し、第2のシートトレイ212を引き出した状態を正面側の右斜め上方から視た分解斜視図である。図6は、図2に示すシート供給装置200から取り外した前パネル240及びシートトレイ211,212を背面側の左斜め上方から視た斜視図である。
なお、図2から図6は、記録シートPが収容されていない状態を示している。図5において、シート供給部220(221,222)は図示を省略している。図6において、シートトレイ211,212に設けられた可動側レール(232a2,232b2),(232a2,232b2)は、図示を省略している。
図7は、図2に示すシート供給装置200において、第1係合部材261,262と第2係合部材263との係合状態を示す図である。図7(a)は、図6に示すA−A線に沿った概略断面図であり、図7(b)は、図6に示すB−B線に沿った概略断面図である。図8は、図2に示すシート供給装置200において、前パネル240、単一の把持部250及び連結機構260を正面側の右斜め上方から視た分解斜視図である。また、図9は、図2に示すシート供給装置200において、前パネル240及び連結機構260を背面側の左斜め上方から視た分解斜視図である。
第1実施形態に係るシート供給装置200は、シート収容部210(図2から図6参照)及びシート供給部220(221,222)(図2から図4参照)を収納する筐体230と、シート収容部210の前側(具体的には筐体230の前面)を覆うカバー部材として作用する前パネル240(図2及び図4から図9参照)とを備えている。
筐体230は、略上面及び略正面が開放された箱型の直方体形状とされている。筐体230の正面側には、筐体230から独立した前パネル240が設けられている。
筐体230は、筐体上板230a(図2から図5参照)、筐体下板230b(図2から図5参照)、右筐体側板230c(図2から図5参照)、左筐体側板230d(図2から図5参照)及び後筐体側板230e(図3から図5参照)を有している。なお、筐体230の第1方向Xにおける一方側(この例では正面から視て右側)には、記録シートPのシート搬送経路S(図3参照)を確保する搬送経路部230f(図2から図5参照)が設けられている。
シート収容部210は、複数(この例では2つ)のシートトレイ211,212(図2から図7参照)を備えている。
シートトレイ211,212は、予め定めた所定の第1方向X(具体的には記録シートPの供給方向)に並設されている。シートトレイ211,212は、第1方向Xの一方側X1及び/又は他方側X2(この例では一方側X1)に供給される記録シートPをそれぞれ収容する。
第1のシート供給部220(221)は、第1のピックアップローラ221a(図2から図4参照)と、第1の分離ローラ対221b(図2から図4参照)とを備えており、第1のシートトレイ211の上方における記録シートPの供給側近傍に位置している。第1のピックアップローラ221aは、第1のシートトレイ211に載置された記録シートPを第1の分離ローラ対221bに供給する呼び込みローラである。第1の分離ローラ対221bは、第1のピックアップローラ221aから供給された記録シートPを2つのローラで挟持することによって、記録シートPを1枚ずつ分離してシート搬送経路Sの第1供給路S1に搬送する。
第2のシート供給部220(222)は、第2のピックアップローラ222a(図2から図4参照)と、第2の分離ローラ対222b(図2から図4参照)とを備えており、第2のシートトレイ212の上方における記録シートPの供給側近傍に位置している。第2のピックアップローラ222aは、第2のシートトレイ212に載置された記録シートPを第2の分離ローラ対222bに供給する呼び込みローラである。第2の分離ローラ対222bは、第2のピックアップローラ222aから供給された記録シートPを2つのローラで挟持することによって、記録シートPを1枚ずつ分離してシート搬送経路Sの第2供給路S2に搬送する。
ここで、第2のシートトレイ212は、高さが第1のシートトレイ211の高さよりも高くなっている。そして、第2のシート供給部220(222)にて供給される記録シートの第2供給路S2は、第1のシートトレイ211及び第1のシート供給部220の上方を通過した後、搬送経路部230fで第1のシート供給部220(221)に供給される記録シートの第1供給路S1と合流する構成とされている。筐体230(具体的には筐体上板230a)には、開口部Q(図5参照)が形成されている。そして、記録シートPは、開口部Qを通じて、画像形成部111におけるシート搬送路R(図1参照)へ供給される。
なお、図示を省略したが、第1のシート供給部220(221)における第1のピックアップローラ221a及び第1の分離ローラ対221b並びに第2のシート供給部220(222)における第2のピックアップローラ222a及び第2の分離ローラ対222bは、筐体230に適宜軸支された構成とすることができる。また、第1のシート供給部220(221)及び第2のシート供給部220(222)は、筐体230に代えて第1のシートトレイ211及び第2のシートトレイ212に軸支された構造としてもよい。
また、この例では、シート供給装置200は、第1のシートトレイ211及び第2のシートトレイ212に収容される記録シートP,Pを第1方向Xの一方側X1に供給するようになっているが、第1のシートトレイ211及び第2のシートトレイ212に収容される記録シートP,Pを第1方向Xの一方側とは反対側の他方側X2に供給するようになっていてもよいし、第1のシートトレイ211に収容される記録シートPを第1方向Xの一方側X1に供給し、かつ、第2のシートトレイ212に収容される記録シートPを第1方向Xの他方側X2に供給するようになっていてもよい。
シートトレイ211,212は、第1方向Xに直交又は略直交する記録シートPのシート面に沿った第2方向Yにおいて一方側の方向である引出方向Y1及び他方側の方向である格納方向Y2に互いに独立して往復移動自在(具体的にはスライド自在)とされている。シートトレイ211,212は、上面が開放された箱型の直方体形状とされている。
第1実施形態に係るシート供給装置200は、筐体230内において第1方向Xに隣り合うシートトレイ211,212の間に設けられた支柱部材231(図2から図5参照)と、シートトレイ211,212を第2方向Yに進退させる進退部材(この例ではスライド部材232)(図2から図4参照)とをさらに備えている。この例では、スライド部材232(具体的にはスライドレール)は、ボールベアリングが内蔵されたスライド部材とされている。
支柱部材231は、筐体230内において第2方向Yにおける両端部に上下方向Zに沿って設けられた一対の支柱部材231,231とされている。一対の支柱部材231,231は、第1のシートトレイ211と第2のシートトレイ212との間(この例では右筐体側板230cと左筐体側板230dとの中間部)に設けられている。
スライド部材232は、この例では、シートトレイ211,212の第1方向Xにおける両側を支持する一対のスライド部材232a,232b(図2から図4参照)とされている。
一対のスライド部材(232a,232b),(232a,232b)のうち、一方のスライド部材232a,232aは、第1のシートトレイ211と右筐体側板230cとの間及び第2のシートトレイ212と左筐体側板230dとの間に第2方向Yに沿って設けられている。
一方のスライド部材232a,232aは、固定側レール232a1,232a1(図2から図5参照)と可動側レール232a2,232a2(図2から図5参照)とからなっている。固定側レール232a1,232a1は、右筐体側板230c及び左筐体側板230dに第2方向Yに沿ってそれぞれ設けられている。可動側レール232a2,232a2は、第1のシートトレイ211の右側板211a(図2から図6参照)及び第2のシートトレイ212の左側板212b(図2から図6参照)にそれぞれ設けられている。
一対のスライド部材(232a,232b),(232a,232b)のうち、他方のスライド部材232b,232bは、第1のシートトレイ211と支柱部材231との間及び第2のシートトレイ212と支柱部材231との間に第2方向Yに沿って設けられている。
他方のスライド部材232b,232bは、固定側レール232b1,232b1(図2から図5参照)と可動側レール232b2,232b2(図2から図5参照)とからなっている。固定側レール232b1,232b1は、支柱部材231,231の第1方向Xにおける両側に第2方向Yに沿ってそれぞれ設けられている。可動側レール232b2,232b2は、第1のシートトレイ211の左側板211b(図2から図6参照)及び第2のシートトレイ212の右側板212a(図2から図6参照)にそれぞれ設けられている。
なお、固定側レール(232a1,232a1),(232b1,232b1)及び可動側レール(232a2,232a2),(232a2,232a2)は、シートトレイ211,212の引出方向Y1への引き出し過ぎを防止するために、ストッパ232c,232c(図5参照)が設けられている。これにより、可動側レール(232a2,232a2),(232b2,232b2)は、ストッパ232c,232cにより固定側レール(232a1,232a1),(232b1,232b1)に対する引出方向Y1への移動が規制されるようになっている。
第1実施形態に係るシート供給装置200は、前パネル240を筐体230に支持しつつ第2方向Yに進退させる進退部材(具体的にはスライド部材233)(図2から図5参照)をさらに備えている。この例では、スライド部材233(具体的にはスライドレール)は、ボールベアリングが内蔵されたスライド部材とされている。
スライド部材233は、この例では、前パネル240の第1方向Xにおける中央部かつ上下方向Zにおける中央部を支持している。
スライド部材233は、支柱部材231に設けられている。スライド部材233は、固定側レール2331(図2から図5参照)と可動側レール2332(図2から図5参照)とからなっている。固定側レール2331は、支柱部材231の上下方向Zにおける中央部において支柱部材231に貫通した状態で第2方向Yに沿って設けられている。可動側レール2332は、正面側端部(先端部)が前パネル240の第2方向Yにおける内側の第1側面240a(図4から図9参照)にビス等の固定部材SC(図5参照)により固定されている。
なお、固定側レール2331及び可動側レール2332は、前パネル240の引出方向Y1への引き出し過ぎを防止するために、ストッパ233a(図5参照)が設けられている。ストッパ233aは、この例では、可動側レール2332の背面側端部(後端部)に設けられている。これにより、可動側レール2332は、ストッパ233aにより固定側レール2331に対する引出方向Y1への移動が規制されるようになっている。また、後側の支柱部材231には、可動側レール2332の背面側(後端側)を挿通する挿通孔231a(図5参照)が設けられている。
第1実施形態では、シート収容部210は、単一の把持部250(図2、図4、図5及び図7から図9参照)と、シートトレイ211,212において個々のシートトレイ211,212に対して単一の把持部250を選択的に連結する連結機構260(図2、図4から図9参照)とを備えている。
また、第1実施形態に係るシート供給装置200は、連結機構260への選択操作を単一の把持部250で行う構成とされている。
また、第1実施形態では、連結機構260は、シートトレイ211,212にそれぞれ対応して設けられた複数(この例では2つ)の第1係合部材261,262(図2から図7参照)と、単一の把持部250に接続されて第1係合部材261,262に対して選択的に係合する構成とされた第2係合部材263(図2及び図4から図9参照)とを有している。
そして、連結機構260は、第2係合部材263を第1係合部材261,262に対して選択的に係合させる構成とされている。
また、第1実施形態では、第2係合部材263は、シートトレイ211,212における第1係合部材261,262にそれぞれ対応して個別に係合するように第1方向Xに往復移動自在な構成とされている。第2係合部材263は、第1方向Xにおいて、シートトレイ211,212における第1係合部材261,262にそれぞれ係合する複数(この例では2つ)の個別係合位置に位置するように往復移動自在な構成とされている。
詳しくは、第2係合部材263は、前パネル240に第1方向Xに往復移動自在に設けられている。第1係合部材261,262及び第2係合部材263は、互いに凹凸係合する構成とされている。この例では、第1係合部材261,262は、凸部を有し、第2係合部材263は、第1係合部材261,262における凸部と係合する凹部を有している。第2係合部材263は、第1方向Xの一方側X1又は他方側X2への移動により第1係合部材261,262が第1方向Xの一方側X1又は他方側X2から挿入されて第1係合部材261,262と係合されるようになっている。
なお、第1係合部材261,262は、凹部を有し、第2係合部材263は、第1係合部材261,262における凹部と係合する凸部を有し、第2係合部材263は、第1方向Xの一方側X1又は他方側X2への移動により第1係合部材261,262に第1方向Xの一方側X1又は他方側X2から挿入されて第1係合部材261,262と係合されるようになっていてもよい。
第2係合部材263は、第1のシートトレイ211における第1係合部材261のみと係合する第1係合位置(適正な個別係合位置)と、第2のシートトレイ212における第1係合部材262のみと係合する第2係合位置(適正な個別係合位置)との間で第1方向Xに往復移動する構成とされている。
前パネル240には、単一の把持部250が貫通する貫通孔241(図2、図4、図5、図8及び図9参照)が設けられている。
単一の把持部250は、前パネル240における貫通孔241を貫通して第2係合部材263のシートトレイ211,212に対向する面とは反対側の面に設けられている。貫通孔241の第1方向Xにおけるサイズは、第2係合部材263を第1係合位置と第2係合位置との間で往復移動させることができる程度のサイズ或いは該サイズよりも若干(所定量だけ)大きいサイズとされている。貫通孔241の幅(上下方向Z)におけるサイズは、単一の把持部250の挿通部分の幅(上下方向Z)におけるサイズよりも貫通孔241を円滑に移動できる程度に若干(所定量だけ)大きいサイズとされている。
具体的には、単一の把持部250は、平面視でU字形状又は略U字形状とされている。貫通孔241は、この例では、第1方向Xに並設された一対の貫通孔241a,241bとされている。単一の把持部250は、先端部が一対の貫通孔241a,241bに挿通された状態でビス等の固定部材SC(図8及び図9参照)により第2係合部材263の前パネル240に対向する第1側板263a(図4、図7及び図8参照)に固定されている。
第1係合部材261,262は、シートトレイ211,212の第2方向Yにおける引出方向Y1側の前側板211c,212c(図2から図7参照)の外面から引出方向Y1に延設する延設部261a,262a(図5から図7参照)と、延設部261a,262aの先端から上方へ屈曲した係合部261b,262b(図5から図7参照)とを有している。係合部261b,262bは、シートトレイ211,212側に第1方向X及び上下方向Zの双方に沿った係合平面261b1,262b1(図6及び図7参照)を有している。
第2係合部材263は、底面側(下側)が開放された箱型の直方体形状とされている。前パネル240の内側の第1側面240aには、第2係合部材263を第1方向Xに移動自在に摺動する摺動部材242(図4及び図6参照)が設けられている。
摺動部材242は、第2係合部材263の上面を移動自在に支持する上側摺動部242a(図4、図6及び図7参照)と、第2係合部材263の下面を移動自在に支持する下側摺動部242b(図6及び図7参照)と、前パネル240の内側の第1側面240aとの間で第2係合部材263のシートトレイ211,212に対向する第2側板263b(図4、図6及び図9参照)を移動自在に支持する側面側摺動部242c(図4及び図6参照)とを有している。摺動部材242は、第2係合部材263の第1方向Xにおける一方側及び他方側に設けられている。側面側摺動部242cは、上側摺動部242aと一体的に形成されている。上側摺動部242a及び下側摺動部242bは、前パネル240と一体的に形成されている。
第2係合部材263の第2側板263bには、第1係合部材261,262における係合部261b,262bを第2係合部材263内に挿通する開口2631,2632(図6及び図9参照)が設けられている。この例では、開口2631,2632は、四角形状とされている。そして、第2係合部材263の第2側板263bにおける開口2631,2632の第1方向Xに隣接する内面2631a,2632a(図7参照)が第1係合部材261,262の係合部261b,262bにおける係合平面261b1,262b1を係止する係止平面とされる。
また、第1実施形態では、連結機構260は、第1方向Xにおいて予め定めた初期位置(この例では第1係合位置と第2係合位置との間の中間位置)に維持するように第2係合部材263を付勢する付勢部材264(図4、図6、図8及び図9参照)をさらに有している。
詳しくは、付勢部材264は、第2係合部材263が外力(具体的には操作者の把持部250への操作)により第1方向Xの一方側X1の位置(この例では第1係合位置)又は他方側X2の位置(この例では第2係合位置)に位置しているときに外力が開放されると(具体的には操作者が把持部250から手を離すと)、初期位置に戻る構成とされている。
具体的には、前パネル240は、第1方向X及び上下方向Zの双方に沿った四角形状のパネル板243(図4から図7参照)と、パネル板243の第1方向Xにおける両端部から第2方向Yの格納方向Y2に立設された第1側面板244(図4から図6参照)及び第2側面板245(図4から図6参照)とを有している。
付勢部材264は、第2係合部材263の第1方向Xにおける両端面である第1端面263c(図4、図5及び図8参照)及び第2端面263d(図4、図6及び図9参照)と、前パネル240の第1方向Xにおける内側面(第1側面板244及び第2側面板245の内側面)である第2側面240b(図4、図6及び図9参照)及び第3側面240c(図4、図5及び図8参照)との間に設けられた一対の付勢部材264a,264b(この例では直巻スプリング)とされている。
一対の付勢部材264a,264bのうち、一方の付勢部材264aは、一端部が前パネル240の第2側面240bに設けられた保持部240b1(凹部)(図9参照)に保持され、かつ、他端部が第2係合部材263の第1端面263cに設けられた保持部263c1(凹部)(図8参照)に保持されている。
一対の付勢部材264a,264bのうち、他方の付勢部材264bは、一端部が前パネル240の第3側面240cに設けられた保持部240c1(凹部)(図9参照)に保持され、かつ、他端部が第2係合部材263の第2端面263dに設けられた保持部263d1(凹部)(図9参照)に保持されている。
また、第1実施形態では、シート収容部210は、第2係合部材263に設けられたガイド部材265(図4、図7及び図9参照)と、シートトレイ211,212にそれぞれ対応して設けられてガイド部材265に当接する当接部材とをさらに備えている。この例では、当接部材は、第1係合部材261,262と兼用している。なお、当接部材は、第1係合部材261,262とは別にシートトレイ211,212に設けられた部材であってもよい。
そして、ガイド部材265は、当接部材(この例では第1係合部材261,262)に当接して第2係合部材263がシートトレイ211,212における第1係合部材261,262にそれぞれ対応して個別に係合する位置である適正な個別係合位置(この例では第1係合位置又は第2係合位置)に移動するように第2係合部材263を案内する構成とされている。
詳しくは、ガイド部材265は、第2係合部材263への選択操作により第2係合部材263と係合した第1係合部材(261又は262)に対応するシートトレイ(211又は212)に対して、格納方向Y2への格納操作が行われたときに、当接部材(この例では第1係合部材261,262)に当接して第2係合部材263が適正な個別係合位置(この例では第1係合位置又は第2係合位置)に移動するように第2係合部材263を案内する。当接部材(この例では第1係合部材261,262)は、第1係合部材261,262のうち、第2係合部材263と係合した第1係合部材(例えば261)に対応するシートトレイ(例えば211)が格納されたときに、第2係合部材263と係合した第1係合部材(例えば261)以外の第1係合部材(例えば262)と当接することにより第2係合部材を案内する。また、当接部材(この例では第1係合部材261,262)は、第1係合部材261,262が何れも第2係合部材263と係合していない場合には、前パネル240が格納方向Y2に移動したときに、第1係合部材261,262の全てと当接することにより第2係合部材263を適正な個別係合位置(この例では第1係合位置及び第2係合位置)に案内する。
ガイド部材265は、当接部材(この例では第1係合部材261,262)に当接する一対のガイド部材265a,265bとされている。ガイド部材265(265a),265(265b)は、当接部材(この例では第1係合部材261,262)に当接することにより当接部材(この例では第1係合部材261,262)に摺接しつつ第2係合部材263を適正な個別係合位置(この例では第2係合位置又は第1係合位置)に案内する傾斜面2651,2652(図4及び図9参照)を有している。一方の傾斜面2651は、第2側板263bに対して第1方向Xの一方側X1が低くかつ他方側X2が高くなるように予め定めた所定の角度で傾斜している。他方の傾斜面2652は、第2側板263bに対して第1方向Xの一方側X1が高くかつ他方側X2に低くように予め定めた所定の角度で傾斜している。
具体的には、ガイド部材265(265a),265(265b)は、平面から視て第2係合部材263側を底辺とする二等辺三角形又は略二等辺三角形とされている。ガイド部材265(265a),265(265b)は、第2係合部材263と一体的に形成されている。
第1係合部材261,262における係合部261b,262bは、第2係合部材263側に第1方向Xに湾曲した湾曲面261b2,262b2(図4及び図5参照)を有している。
傾斜面2651,2652及び湾曲面261b2,262b2は、第2係合部材263が初期位置に位置している状態で、平面視で傾斜面2651,2652の交点が湾曲面261b2,262b2の頂点と一致又は略一致するように構成されている。従って、第2係合部材263は、初期位置から第1方向Xの他方側X2又は一方側X1へ少しでもずらされることで、傾斜面2651,2652及び湾曲面261b2,262b2により、第2係合部材263を第2係合位置又は第1係合位置に案内することができる。
なお、当接部材が第1係合部材261,262とは別に設けられる場合、ガイド部材265(265a),265(265b)は第1係合部材261,262とは別に設けられた当接部材に対応して設けることができる。
また、第1実施形態では、第2係合部材263は、さらに、シートトレイ211,212における第1係合部材261,262の全てに係合する構成とされている。第2係合部材263は、第1方向Xにおいて、複数の個別係合位置に加えて、シートトレイ211,212における第1係合部材261,262の全てに係合する全係合位置(この例では初期位置)に位置するように往復移動自在な構成とされている。
詳しくは、第2係合部材263は、初期位置に位置しているときに、第1のシートトレイ211における第1係合部材261及び第2のシートトレイ212における第1係合部材262の双方に係合する構成とされている。
具体的には、第2係合部材263は、初期位置に位置しているときに、第2側板263bにおける内面2631a,2632aの平面視で傾斜面2651,2652の交点が湾曲面261b2,262b2の頂点に対応する位置で第1係合部材261,262の係合部261b,262bにおける係合平面261b1,262b1を係止する構成とされる。
なお、図示を省略したが、前パネル240の前面の単一の把持部250に対応する位置には、第1実施形態に係るメッセージ等の指標が付されている。すなわち、第1実施形態に係る指標は、単一の把持部250を第1方向Xの一方側X1(正面視で右側)に移動させるときには第1のシートトレイ211のみを引き出すことができ、単一の把持部250を第1方向Xの他方側X2(左側)に移動させるときには第2のシートトレイ212のみを引き出すことができ、また、単一の把持部250が初期位置に位置しているときには、第1のシートトレイ211及び第2のシートトレイ212の双方を引き出すことができる旨を操作者に知らせる指標である。
また、第1実施形態では、シートトレイ211,212は、記録シートPの載置位置を規定する少なくとも1つの側板(この例では右側板211a,212a、左側板211b,212b、前側板211c,212c及び後側板211d,212d)を有している。側板のうち少なくとも1つ(この例では右側板211a,212a、左側板211b,212b、前側板211c,212c)は、頂面から底面に向けて窪んだ窪み部Ha(図5及び図6参照)を有している。
詳しくは、シートトレイ211,212における右側板211a,212a及び左側板211b,212bは、第1方向Xの位置を規定している。シートトレイ211,212における前側板211c,212c及び第2方向Yにおける格納方向Y2側の後側板211d,212d(図4から図6参照)は、第2方向Yの位置を規定している。
具体的には、右側板211a,212a、左側板211b,212b、前側板211c,212c及び後側板211d,212dの少なくとも1つ(この例では右側板211a,212a、左側板211b,212b及び前側板211c,212c)には、頂面が開放し、かつ、厚み方向に貫通するように窪んだ窪み部Haが設けられている。
(第1実施形態に係るシートトレイの引出動作及び格納動作について)
次に、第1実施形態に係るシート供給装置200において、ユーザー等の操作者によるシートトレイ211,212の引出動作及び格納動作について図10から図12を参照しながら以下に説明する。
図10は、図2に示すシート供給装置200において、シートトレイ211,212が初期位置に位置している状態を模式的に示す平面図である。図11は、図2に示すシート供給装置200において、シートトレイ211,212に対して引出操作を行う際のシートトレイ211,212の引出動作の動作過程を模式的に示す平面図である。図11(a)から図11(c)は、それぞれ、引出動作の第1過程から第3過程を示している。また、図12は、図2に示すシート供給装置200において、シートトレイ211,212に対して格納操作を行う際のシートトレイ211,212の格納動作の動作過程を模式的に示す平面図である。図12(a)から図12(c)は、それぞれ、格納動作の第1過程から第3過程を示している。
第1実施形態に係るシート供給装置200では、図10に示すように、単一の把持部250に接続された第2係合部材263は、初期位置では、シートトレイ211,212にそれぞれ対応して設けられた第1係合部材261,262の双方に対して係合している。
<引出操作>
引出操作の第1過程では、図11(a)に示すように、操作者が第1のシートトレイ211に対して引出方向Y1への引出操作を行うにあたり、先ず、単一の把持部250が操作者により把持され、操作者の選択操作により単一の把持部250が第1方向Xの一方側X1に移動させられて第1係合位置に位置し、それに伴い、第2係合部材263が第1のシートトレイ211に対応して設けられた第1係合部材261に対してのみ係合される。
次に、引出操作の第2過程では、図11(b)に示すように、単一の把持部250が第1係合部に位置している状態で(すなわち、第2係合部材263が付勢部材264(264a),264(264b)により初期位置に向かうように付勢されている状態で)、操作者の引出操作により単一の把持部250が第2方向Yの引出方向Y1に引かれ、それに伴い、第1のシートトレイ211が引き出される。
そして、引出操作の第3過程では、図11(c)に示すように、操作者の単一の把持部250の把持操作が解除されることで、第2係合部材263が付勢部材264(264a),264(264b)により初期位置に移動する。
<格納操作>
次に、格納操作の第1過程では、図12(a)に示すように、操作者が第1のシートトレイ211に対して格納方向Y2への格納操作を行うにあたり、先ず、単一の把持部250が操作者により把持され、操作者の移動操作により単一の把持部250が第1方向Xの一方側X1に少なくとも少しだけ移動させられ、単一の把持部250が一方側X1に少なくとも少しだけ移動させられた状態で、操作者の格納操作により単一の把持部250が第2方向Yの格納方向Y2に押される。
次に、格納操作の第2過程では、図12(b)に示すように、ガイド部材265(265a),265(265b)は、第2係合部材263と係合していない第1係合部材262に当接して第2係合部材263を適正な個別係合位置(具体的には第1係合位置)に移動させる。
そして、格納操作の第3過程では、図12(c)に示すように、第1のシートトレイ211が格納される。このとき、第2係合部材263は、付勢部材264(264a),264(264b)により初期位置に向かうように付勢されており、操作者の単一の把持部250の把持操作が解除されることで、図10に示すように、第2係合部材263が付勢部材264(264a),264(264b)により初期位置に移動する。
なお、第2のシートトレイ212に対する引出操作及び格納操作についても、単一の把持部250の第1方向Xの他方側X2への移動により第1のシートトレイ211に対する引出操作及び格納操作と同様に行うことができる。すなわち、第2のシートトレイ212に対する引出操作及び格納操作は、第1のシートトレイ211に対する引出操作及び格納操作と実質的に同様の引出操作及び格納操作であることから、第2のシートトレイ212に対する引出操作及び格納操作については、ここでは説明を省略する。
また、第1のシートトレイ211及び第2のシートトレイ212の双方に対する引出操作及び格納操作については、第2係合部材263が初期位置に位置している状態で(すなわち操作者の単一の把持部250の把持操作が解除されている状態で)、単一の把持部250が引出方向Y1に引かれることで第1のシートトレイ211及び第2のシートトレイ212の双方の引出操作を行うことができる一方、単一の把持部250が格納方向Y2に押されることで第1のシートトレイ211及び第2のシートトレイ212の双方の格納操作を行うことができる。
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態に係るシート供給装置200の要部の概略構成を正面側の右斜め上方から視た斜視図である。図14は、図13に示すシート供給装置200において、連結機構280により単一の把持部270をシートトレイ211,212に連結する状態を示す概略断面図である。図14(a)は、単一の把持部270への把持操作が解除されて第2係合部材2831,2832が係合解除姿勢をとっている状態を示しており、図14(b)は、単一の把持部270への把持操作が行われて第2係合部材2831,2832が係合姿勢をとっている状態を示している。また、図15は、図13に示すシート供給装置200において、前パネル240及び単一の把持部270部分を上から視た概略断面図である。
なお、図13において、筐体230等は図示を省略している。また、連結機構280により単一の把持部270を各シートトレイ211,212に連結させる連結動作は何れも同じであることから、図14では、かかる連結動作を1つの図で示している。
第2実施形態において、第1実施形態と実質的に同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態に係るシート供給装置200は、単一の把持部270と、シートトレイ211,212(図13及び図14参照)において個々のシートトレイに対して単一の把持部270を選択的に連結する連結機構280(図13及び図14参照)とを備えている。
また、第2実施形態に係るシート供給装置200は、連結機構280への選択操作を単一の把持部270で行う構成とされている。
また、第2実施形態では、連結機構280は、シートトレイ211,212にそれぞれ対応して設けられた第1係合部材261,262(図13及び図14参照)と、単一の把持部270に接続されて第1係合部材261,262に対して選択的に係合する構成とされた第2係合部材、具体的には複数(この例では2つ)の第2係合部材2831,2832(図13及び図14参照)とを有している。
そして、連結機構280は、第2係合部材2831,2832を第1係合部材261,262に対して選択的に係合させる構成とされている。
また、第2実施形態では、第2係合部材2831,2832は、シートトレイ211,212における第1係合部材261,262にそれぞれ対応して個別に係合するように第1方向Xに平行又は略平行な回動軸線回りに回動自在な構成とされている。
また、第2実施形態では、第2係合部材2831,2832は、さらに、シートトレイ211,212における第1係合部材261,262の全てに係合する構成とされている。
第2係合部材2831,2832は、第1係合部材261,262との係合を解除する係合解除姿勢(図14(a)参照)と、第1係合部材261,262と係合する係合姿勢(図14(b)参照)との間で第1方向Xに平行又は略平行な回動軸線回りに回動する構成とされている。
詳しくは、連結機構280は、第2係合部材2831,2832を係合解除姿勢に向けて付勢する付勢部材2841,2842(図13及び図14参照)と、第2係合部材2831,2832の係合解除姿勢よりもシートトレイ211,212側への回動を規制する規制部材2851,2852(図13及び図14参照)とをさらに有している。
第2係合部材2831,2832は、第1係合部材261,262とそれぞれ係合する係合レバーとされている。
付勢部材2841,2842(この例では直巻スプリング)は、第2係合部材2831,2832をシートトレイ211,212側へそれぞれ付勢するようになっている。
規制部材2851,2852は、第2係合部材2831,2832のシートトレイ211,212側への回動をそれぞれ規制するようになっている。
具体的には、第2係合部材2831,2832は、第1方向Xに平行又は略平行な回動軸2831a,2832a(図13及び図14参照)と、回動軸2831a,2832aに設けられたレバー揺動部2831b,2832b(図13及び図14参照)と、レバー揺動部2831b,2832bに設けられた係合部2831c,2832c(図13及び図14参照)とを備えている。
回動軸2831a,2832aは、互いに同軸上に位置している。回動軸2831a,2832aは、軸線回りに回動自在に前パネル240に支持されている。すなわち、前パネル240の第2方向Yにおける内側の第1側面240aには、回動軸2831a,2832aを軸線回りに回動自在に支持する支持部2661,2662(図13参照)が設けられている。この例では、支持部2661,2662は、回動軸2831a,2832aの両端部をそれぞれ支持する一対の支持部とされている。支持部2661,2662は、前パネル240と一体的に形成されている。
レバー揺動部2831b,2832bは、第2係合部材2831,2832が係合解除姿勢の状態(初期状態)において、上下方向Zの下方に延びている。係合部2831c,2832cは、レバー揺動部2831b,3832bの下端部からシートトレイ211,212側に延び、かつ、シートトレイ211,212側端部から上下方向Zの下方に延びている。係合部2831c,2832cは、レバー揺動部2831b,2832bと一体的に形成されている。
単一の把持部270は、第2係合部材2831,2832における回動軸2831a,2832aにそれぞれ接続される複数(この例では2つ)の把手部材271,272を有している。
把手部材271,272は、回動軸2831a,2832aから前パネル240側に延びた把手揺動部271a,272a(図13及び図14参照)と、把手揺動部271a,272aの前パネル240側端部から上下方向Zの下方に延びた把手部271b,272bとを有している。把手部271b,272bは、把手揺動部271a,272aと一体的に形成されている。
把手部271b,272bは、第1方向Xにおいて互いに近接した状態で、前パネル240の第1方向Xにおける中央部に対応する位置に、かつ、上下方向Zにおける中央部よりも予め定めた所定距離だけ上方に対応する位置に設けられている。前パネル240の把手部271b,272bに対応する位置の下方又は下方近傍には、前パネル240の外側から把手部材271,272を把持操作するための(具体的には操作者の手を入れるための)開口240dが設けられている。
把手部271b,272bのうち、第1の把手部271bには、第1の把手部271bの把持部分α(図15参照)をガイドする一対の突出部271b1,271b2(図15参照)が設けられており、第2の把手部272bには、第2の把手部272bの把持部分β(図15参照)をガイドする一対の突出部272b1,272b2(図15参照)が設けられている。具体的には、第1の把手部271bにおいて、一方の突出部271b1は、第2の把手部272bとは反対側の端部に設けられ、かつ、他方の突出部271b2は、第2の把手部272b側の端部から第1の把手部271bの第1方向Xにおけるサイズの3分の1又は略3分の1の位置に設けられている。第2の把手部272bにおいて、一方の突出部272b1は、第1の把手部271bとは反対側の端部に設けられ、かつ、他方の突出部272b2は、第1の把手部271b側の端部から第2の把手部272bの第1方向Xにおけるサイズの3分の1又は略3分の1の位置に設けられている。
第1の把手部271bにおける突出部271b1,271b2と第2の把手部272bにおける突出部272b1,272b2とのうち内側にある突出部271b2,272b2は、第1の把手部271b及び第2の把手部272bの双方の把持部分αβ(図15参照)をガイドする突出部を兼ねている。
なお、図示を省略したが、前パネル240の前面の単一の把持部250に対応する位置には、第2実施形態に係るメッセージ等の指標が付されている。すなわち、第2実施形態に係る指標は、単一の把持部250を第1方向Xの一方側X1(正面視で右側)で把持するときには第1のシートトレイ211のみを引き出すことができ、単一の把持部250を第1方向Xの他方側X2(左側)で把持するときには第2のシートトレイ212のみを引き出すことができ、また、単一の把持部250を中央部で把持するときには、第1のシートトレイ211及び第2のシートトレイ212の双方を引き出すことができる旨を操作者に知らせる指標である。
付勢部材2841,2842は、一端部が前パネル240の第1側面240aに設けられた保持部240a1,240a1(具体的には凹部)(図14参照)に保持され、かつ、他端部がレバー揺動部2831b,2832bの前パネル240に対向する面に設けられた保持部283a,283a(具体的には凹部)(図14参照)に保持されている。
規制部材2851,2852は、前パネル240の第1側面240aからシートトレイ211,212側に延び、かつ、第1方向Xにおいてレバー揺動部2831b,2832bの裏側(シートトレイ211,212側)に延びている。規制部材2851,2852は、前パネル240と一体的に形成されている。
(第2実施形態に係るシートトレイの引出動作及び格納動作について)
以上説明した第2実施形態に係るシート供給装置200では、操作者が第1のシートトレイ211又は第2のシートトレイ212に対して引出操作を行う場合には、第2係合部材2831又は第2係合部材2832が係合解除姿勢をとっている状態(初期状態)において、単一の把持部250における第1の把手部271bの把持部分α又は第2の把手部272bの把持部分βが操作者により把持される。そうすると、第1の把手部材271又は第2の把手部材272が図14に示す時計方向に回動し、それに伴って、第2係合部材2831又は第2係合部材2832が図14に示す時計方向に回動して係合姿勢をとる。これにより、第2係合部材2831における係合部2831cが第1のシートトレイ211に対応して設けられた第1係合部材261における係合部261bに係合されるか(図14(b)参照)、又は、第2係合部材2832における係合部2832cが第2のシートトレイ212に対応して設けられた第1係合部材262における係合部262bに係合される(図14(b)参照)。このとき、操作者の引出操作により単一の把持部250が引出方向Y1に引かれると、第1のシートトレイ211又は第2のシートトレイ212が引き出される。また、操作者の格納操作により単一の把持部250が格納方向Y2に押されると、第1のシートトレイ211又は第2のシートトレイ212が格納される。
一方、操作者がシートトレイ211,212の双方に対して引出操作を行う場合には、双方の第2係合部材2831,2832が係合解除姿勢をとっている状態(初期状態)において、単一の把持部250における把手部271b,272bの双方の把持部分αβが操作者により把持される。そうすると、把手部材271,272の双方が図14に示す時計方向に回動し、それに伴って、第2係合部材2831及び第2係合部材2832の双方が図14に示す時計方向に回動して第2係合部材2831,2832の双方が係合姿勢をとる。これにより、第2係合部材2831,2832の双方における係合部2831c,2832cがシートトレイ211,212に対応して設けられた第1係合部材261,262における係合部261b,262bに係合される(図14(b)参照)。このとき、操作者の引出操作により単一の把持部250が引出方向Y1に引かれると、シートトレイ211,212の双方が引き出される。また、操作者の格納操作により単一の把持部250が格納方向Y2に押されると、シートトレイ211,212の双方が格納される。
(第3実施形態)
第3実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態と実質的に同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図16は、画像形成装置100における制御部130の第3実施形態に係るシステムブロック図である。図17は、シート供給装置200における表示部201,202部分を正面側の右斜め上方から視た斜視図である。
画像形成装置100は、制御部130(図16参照)を備えている。制御部130は、シート供給装置200を作動制御する。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部130aと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む記憶部130bとを有している。制御部130は、処理部130aが記憶部130bのROMに予め格納された制御プログラムを記憶部130bのRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。記憶部130bのRAMは、それぞれ、処理部130aに対して作業用のワークエリアを提供する。なお、シート供給装置200が制御部を備え、画像形成装置100における制御部130の指示命令を受けたシート供給装置200における制御部により、シート供給装置200が作動制御されるようになっていてもよい。
画像形成装置本体110は、制御部130に電気的に接続されており、操作部(図示省略)からの操作信号を送信するようになっている。これにより、制御部130は、シートトレイ211,212のうち何れのシートトレイが記録シートPの供給対象かを認識することができる。
第3実施形態に係るシート供給装置200は、シートトレイ211,212のうち何れのシートトレイが記録シートPの供給対象かを報知するための表示部201,202を備えている。
表示部201,202は、制御部130に電気的に接続されており、制御部130から、シートトレイ211,212のうち何れのシートトレイが記録シートPの供給対象のかを示す表示信号を受信するようになっている。
表示部201,202は、この例では、発光素子201a,202a(具体的には発光ダイオード)(図17参照)を備えている。表示部201,202は、シート供給装置200における筐体230(図17参照)の前面の第1方向Xにおいてシートトレイ211,212に対応して(この例では両端部に)設けられている。前パネル240(図17参照)の表示部201,202に対応する部分(この例ではパネル板243)には、表示部201,202からの光を透過させる透光性部材240e,240fが設けられている。なお、表示部201,202は、前パネル240に設けられ、表示部201,202の前面から直接表示するようにしてもよい。
この例では、制御部130は、表示部201,202のうち記録シートPの供給対象のシートトレイ(211又は212)に対応する位置に設けられた表示部(201又は202)を作動(具体的には発光素子を点灯)させる。すなわち、制御部130は、第1のシートトレイ211が記録シートPの供給対象である場合には、シートトレイ211に対応する位置に設けられた表示部201を作動(具体的には発光素子201aを点灯)させる。一方、制御部130は、第2のシートトレイ212が記録シートPの供給対象である場合には、シートトレイ212に対応する位置に設けられた表示部202を作動(具体的には発光素子202aを点灯)させる。
(第4実施形態)
第4実施形態は、第1実施形態から第3実施形態の何れか1つの構成に適用することができる。
第4実施形態において、第1実施形態から第3実施形態と実質的に同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図18は、画像形成装置100における制御部130の第4実施形態に係るシステムブロック図である。図19は、図2及び図4から図12に示す連結機構260をロックするロック機構291,292が設けられた前パネル240を背面側の左斜め上方から視た斜視図である。図20は、図13から図15に示す連結機構280をロックするロック機構293,294が設けられた前パネル240及びシートトレイ211,212を正面側の右斜め上方から視た斜視図である。
第4実施形態に係るシート供給装置200は、第1実施形態から第3実施形態に係る構成において、シートトレイ211,212のうち記録シートPの供給対象のシートトレイに単一の把持部250,270を連結させないように連結機構260,280をロックするロック機構(291,292),(293,294)をさらに備えている。
<図19に示す連結機構に対するロック機構>
図19に示す連結機構260をロックするロック機構291,292は、シートトレイ211,212のうち記録シートPの供給対象のシートトレイ(例えば212)に対応する第1係合部材(例えば262)と第2係合部材263とを係合させないように第2係合部材263をロックする。
ロック機構291,292は、第2係合部材263をロックするロック作動部291a,292a(図19参照)と、ロック作動部291a,292aを作動させるロック駆動部291b,292b(具体的には電磁ソレノイド)(図18及び図19参照)とを備えている。ロック機構291,292は、第2係合部材263の第1方向Xの一方側X1端部近傍及び他方側X2端部近傍に設けられている。
ロック作動部291a,292aは、第2係合部材263の第1端面263c及び第2端面263dに当接するロックレバー部291a1,292a1(図19参照)と、ロックレバー部291a1,292a1を付勢する付勢部材291a2,292a2(具体的には直巻スプリング)(図19参照)と有している。
ロックレバー部291a1,292a1は、第2方向Yに沿った軸線回りに回動するようになっている。ロックレバー部291a1,292a1は、第2方向Yに沿って前パネル240の内側の第1側面240a(図19参照)に設けられた回動軸240g,240h(図19参照)に回動自在に支持されている。回動軸240g,240hは、前パネル240と一体的に形成されている。
ロックレバー部291a1,292a1は、一端部が第2係合部材263の第1端面263c及び第2端面263dに当接する規制部とされる一方、他端部がロック駆動部291b,292bに接続(具体的には電磁ソレノイドのプランジャーの先端部に第2方向Yに沿った軸線回りに回動自在に接続)されている。
ロックレバー部291a1,292a1は、第2係合部材263の初期位置から第1係合位置(第1方向Xの一方側X1)又は第2係合位置(第1方向Xの他方側X2)への移動を規制するロック姿勢(図19の例ではロックレバー部292a1の姿勢参照)と、第2係合部材263の初期位置から第1係合位置又は第2係合位置への移動の規制を解除するロック解除姿勢(図19の例ではロックレバー部291a1の姿勢参照)との間で第2方向Yに沿った軸線回りに回動するようになっている。ロックレバー部291a1,292a1は、回動軸240g,240hを基点にして軸線回りの回動方向に所定の角度で屈曲している。
付勢部材291a2,292a2は、ロックレバー部291a1,292a1がロック解除姿勢になるようにロックレバー部291a1,292a1を付勢し(具体的には電磁ソレノイドのプランジャーを突出させ)ている。
ロック駆動部291b,292bは、前パネル240の内側の第1側面240aに設けられている。ロック駆動部291b,292bは、制御部130に電気的に接続されている(図18参照)。ロック機構291,292は、制御部130の指示の下、作動命令が入力されると(具体的にはロック駆動部291b,292bに電力が供給されると)、付勢部材291a2,292a2の付勢力に抗してロックレバー部291a1,292a1をロック姿勢にする。一方、ロック機構291,292は、制御部130の指示の下、非作動命令が入力されると(具体的にはロック駆動部291b,292bへの電力供給が遮断されると)、付勢部材291a2,292a2の付勢力によりロックレバー部291a1,292a1をロック解除姿勢にする。
制御部130は、ロック駆動部291b,292bのうち記録シートPの供給対象のシートトレイ(例えば212)に対応するロック駆動部(例えば292b)に対して作動命令を入力する(具体的には電力を供給する)。一方、制御部130は、ロック駆動部291b,292bのうち記録シートPの供給対象以外のシートトレイ(例えば211)に対応するロック駆動部(例えば291b)に対して非作動命令を入力する(具体的には電力供給を遮断する)。
<図20に示す連結機構に対するロック機構>
図20に示す連結機構280をロックするロック機構293,294は、シートトレイ211,212のうち記録シートPの供給対象のシートトレイ(例えば211)に対応する第1係合部材(例えば261)と第2係合部材(例えば2831)とを係合させないように第2係合部材(例えば2831)をロックする。
ロック機構293,294は、第2係合部材2831,2832(図20参照)をロックするロック作動部293a,294a(図20参照)と、ロック作動部293a,294aを作動させるロック駆動部293b,294b(具体的には電磁ソレノイド)(図18及び20参照)とを備えている。ロック機構293,294は、第2係合部材2831,2832の近傍に設けられている。
ロック作動部293a,294aは、第2係合部材2831,2832と前パネル240との間に位置するように揺動するロックレバー部293a1,294a1(図20参照)と、ロックレバー部293a1,294a1を付勢する付勢部材293a2,294a2(具体的には直巻スプリング)(図20参照)と有している。
ロックレバー部293a1,294a1は、第2方向Yに沿った軸線回りに回動するようになっている。ロックレバー部293a1,294a1は、第2方向Yに沿って前パネル240の内側の第1側面240a(図20参照)に設けられた回動軸240i,240j(図20参照)に回動自在に支持されている。回動軸240i,240jは、前パネル240と一体的に形成されている。
ロックレバー部293a1,294a1は、一端部が第2係合部材2831,832と前パネル240との間に位置する規制部とされる一方、他端部がロック駆動部293b,294bに接続(具体的には電磁ソレノイドのプランジャーの先端部に第2方向Yに沿った軸線回りに回動自在に接続)されている。
ロックレバー部293a1,294a1は、第2係合部材2831,2832の係合解除姿勢から係合姿勢(前パネル240側)への回動を規制するロック姿勢(図20の例ではロックレバー部293a1の姿勢参照)と、第2係合部材2831,2832の係合解除姿勢から係合姿勢(前パネル240側)への回動の規制を解除するロック解除姿勢(図20の例ではロックレバー部294a1の姿勢参照)との間で第2方向Yに沿った軸線回りに回動するようになっている。ロックレバー部293a1,294a1は、回動軸240i,240jを基点にして軸線回りの回動方向に所定の角度で屈曲している。
付勢部材293a2,294a2は、ロックレバー部293a1,294a1がロック解除姿勢になるようにロックレバー部293a1,294a1を付勢し(具体的には電磁ソレノイドのプランジャーを突出させ)ている。
ロック駆動部293b,294bは、前パネル240の内側の第1側面240aに設けられている。ロック駆動部293b,294bは、制御部130に電気的に接続されている(図18参照)。ロック機構293,294は、制御部130の指示の下、作動命令が入力されると(具体的にはロック駆動部293b,294bに電力が供給されると)、付勢部材293a2,294a2の付勢力に抗してロックレバー部293a1,294a1をロック姿勢にする。一方、ロック機構293,294は、制御部130の指示の下、非作動命令が入力されると(具体的にはロック駆動部293b,294bへの電力供給が遮断されると)、付勢部材293a2,294a2の付勢力によりロックレバー部293a1,294a1をロック解除姿勢にする。
制御部130は、ロック駆動部293b,294bのうち記録シートPの供給対象のシートトレイ(例えば211)に対応するロック駆動部(例えば293b)に対して作動命令を入力する(具体的には電力を供給する)。一方、制御部130は、ロック駆動部293b,294bのうち記録シートPの供給対象以外のシートトレイ(例えば212)に対応するロック駆動部(例えば294b)に対して非作動命令を入力する(具体的には電力供給を遮断する)。
<シートトレイに対するロック機構>
図21は、シートトレイをロックするロック機構295,296及びシートトレイ211,212を正面側の右斜め上方から視た斜視図である。
第4実施形態に係るシート供給装置200は、第1実施形態から第3実施形態に係る構成において、図19に示すロック機構(291,292)及び図20に示すロック機構(293,294)に代えて或いは加えて、シートトレイ211,212のうち記録シートPの供給対象のシートトレイをロックするロック機構295,296をさらに備えている。
図21に示すロック機構295,296は、シートトレイ211,212のうち記録シートPの供給対象のシートトレイ(例えば211)が引き出されないように該シートトレイ(例えば211)をロックする。ロック機構295,296は、シートトレイ211,212をロックするロック作動部295a,296a(図21参照)と、ロック作動部295a,296aを作動させるロック駆動部295b,296b(具体的には電磁ソレノイド)(図18及び図21参照)とを備えている。ロック機構295,296は、シートトレイ211,212の下方近傍に設けられている。
ロック作動部295a,296aは、第1方向Xに沿った回動軸295a1,296a1(図21参照)と、回動軸295a1,296a1に設けられてシートトレイ211,212の前面に当接するロックレバー部295a2,296a2(図21参照)と、回動軸295a1,296a1に設けられてロック駆動部295b,296bに接続される接続部295a3,296a3(図21参照)と、ロックレバー部295a2,296a2、回動軸295a1,296a1及び接続部295a3,296a3を付勢する付勢部材295a4,296a4(具体的には直巻スプリング)(図21参照)と有している。
ロックレバー部295a2,296a2及び接続部295a3,296a3は、回動軸295a1,296a1に対して所定角度ずれた位置に設けられている。ロックレバー部295a2,296a2及び接続部295a3,296a3は、回動軸295a1,296a1と一体的に形成されている。
回動軸295a1,296a1は、筐体230の筐体下板230b(図21では図示省略、図5参照)に設けられた軸受230g,230hに回動自在に支持されている。軸受230g,230hは、筐体下板230bと一体的に形成されている。
ロックレバー部295a2,296a2は、シートトレイ211,212の前面に当接する規制部とされている。接続部295a3,296a3は、ロック駆動部295b,296bに接続(具体的には電磁ソレノイドのプランジャーの先端部に第1方向Xに沿った軸線回りに回動自在に接続)されている。
ロックレバー部295a2,296a2は、シートトレイ211,212の格納状態から引出方向Y1への移動を規制するロック姿勢(図21の例ではロックレバー部295a2の姿勢参照)と、シートトレイ211,212の格納状態から引出方向Y1への移動の規制を解除するロック解除姿勢(図21の例ではロックレバー部296a2の姿勢参照)との間で第1方向Xに沿った軸線回りに回動するようになっている。
付勢部材295a4,296a4は、ロックレバー部295a2,296a2がロック解除姿勢になるようにロックレバー部295a2,296a2を付勢し(具体的には電磁ソレノイドのプランジャーを突出させ)ている。
ロック駆動部295b,296bは、筐体230の筐体下板230b(図21では図示省略、図5参照)に設けられている。ロック駆動部295b,296bは、制御部130に電気的に接続されている(図18参照)。ロック機構295,296は、制御部130の指示の下、作動命令が入力されると(具体的にはロック駆動部295b,296bに電力が供給されると)、付勢部材295a4,296a4の付勢力に抗してロックレバー部295a2,296a2をロック姿勢にする。一方、ロック機構295,296は、制御部130の指示の下、非作動命令が入力されると(具体的にはロック駆動部295b,296bへの電力供給が遮断されると)、付勢部材295a4,296a4の付勢力によりロックレバー部295a2,296a2をロック解除姿勢にする。
制御部130は、ロック駆動部295b,296bのうち記録シートPの供給対象のシートトレイ(例えば211)に対応するロック駆動部(例えば295b)に対して作動命令を入力する(具体的には電力を供給する)。一方、制御部130は、ロック駆動部295b,296bのうち記録シートPの供給対象以外のシートトレイ(例えば212)に対応するロック駆動部(例えば296b)に対して非作動命令を入力する(具体的には電力供給を遮断する)。
(本実施の形態について)
本実施の形態(第1実施形態から第4実施形態)によれば、複数(この例では2つ)のシートトレイ211,212は、第1方向Xに並設されて第1方向Xの一方側X1及び/又は他方側X2(この例では一方側X1)に供給される記録シートPをそれぞれ収容するので、複数のシートトレイ211,212の何れか1つのシートトレイから記録シートPを第1方向Xの一方側X1及び/又は他方側X2(この例では一方側X1)に供給することができる。また、複数のシートトレイ211,212は、第2方向Yの引出方向Y1及び格納方向Y2に互いに独立して往復移動自在とされ、連結機構260,280は、複数のシートトレイ211,212において個々のシートトレイに対して単一の把持部250,270を選択的に連結するので、複数のシートトレイ211,212のうち、連結機構260,280への選択操作により単一の把持部150に連結したシートトレイに対して、引出方向Y1への引出操作が行われ得る。これにより、記録シートPの供給方向(第1方向X)に並設された複数のシートトレイ211,212において、個々のシートトレイ211,212に対して単独で引出操作を行うことができると共に、何れか1つのシートトレイが記録シート供給動作中でもそれ以外のシートトレイに記録シートPを補給することができる。
また、本実施の形態において、シート供給装置200は、連結機構260,280への選択操作を単一の把持部250,270で行う構成とされていることで、単一の把持部250,270を把持する際に連結機構260,280への選択操作を行うことができ、それだけ操作性を向上させることができる。
また、本実施の形態において、連結機構260,280は、複数のシートトレイ211,212にそれぞれ対応して設けられた複数の第1係合部材261,262と、単一の把持部250,270に接続されて複数の第1係合部材261,262に対して選択的に係合する構成とされた第2係合部材263,(2831,2832)とを有し、第2係合部材263,(2831,2832)を複数の第1係合部材261,262に対して選択的に係合させる構成とされていることで、複数のシートトレイ211,212のうち、第2係合部材263,(2831,2832)への選択操作により第2係合部材263,(2831,2832)と係合した第1係合部材に対応するシートトレイに対して、引出方向Y1への引出操作が行われ得る。これにより、簡単な構成で、複数のシートトレイ211,212において単一の把持部250,270を個々のシートトレイ211,212に対して選択的に連結させることができる。
また、第1実施形態を含む実施の形態では、第2係合部材263は、複数のシートトレイ211,212における第1係合部材261,262にそれぞれ対応して個別に係合するように第1方向Xに往復移動自在な構成とされていることで、複数のシートトレイ211,212のうち、単一の把持部250に接続された第2係合部材263を単一の把持部250により第1方向Xに往復移動させる選択操作により第2係合部材263と係合したシートトレイに対して、引出操作が行われ得る。これにより、個々のシートトレイ211,212に対して簡単かつ容易に引出操作を行うことが可能となる。
ところで、第1実施形態を含む実施の形態において、第2係合部材263が第1係合部材261,262にそれぞれ対応して個別に係合する適正な個別係合位置に移動していないと、第2係合部材263を第1係合部材261,262に対して確実に係合させることができない場合がある。
この点、第1実施形態を含む実施の形態では、シート収容部210は、第2係合部材263に設けられたガイド部材265(265a),265(265b)と、複数のシートトレイ211,212にそれぞれ対応して設けられてガイド部材265(265a),265(265b)に当接する当接部材(この例では第1係合部材261,262)とをさらに備え、ガイド部材265(265a),265(265b)は、当接部材(この例では第1係合部材261,262)に当接して第2係合部材263が第1係合部材261,262にそれぞれ対応して個別に係合する適正な個別係合位置に移動するように第2係合部材263を案内することで、第2係合部材263を適正な個別係合位置(この例では第1係合位置又は第2係合位置)に確実に移動させることができ、従って、第2係合部材263を第1係合部材261,262に対して確実に係合させることができる。
また、第1実施形態を含む実施の形態では、当接部材は、第1係合部材261,262と兼用することで、当接部材として別途専用の部材を設ける必要がなく、これにより装置構成を簡素化させることができる。
また、第2実施形態を含む実施の形態では、第2係合部材2831,2832は、複数のシートトレイ211,212における第1係合部材261,262にそれぞれ対応して個別に係合するように第1方向Xに平行又は略平行な回動軸線回りに回動自在な構成とされていることで、複数のシートトレイ211,212のうち、単一の把持部270(具体的には単一の把持部270における把手部材271,272)に接続された第2係合部材2831,2832を単一の把持部270(具体的には単一の把持部270における把手部材271,272)により回動軸線回りに回動させる選択操作により第2係合部材と係合したシートトレイに対して、引出操作が行われ得る。これにより、個々のシートトレイ211,212に対して簡単かつ容易に引出操作を行うことが可能となる。
ところで、本実施の形態において、記録シート供給動作中以外のとき(例えば待機中や電源オフ時)に、複数のシートトレイ211,212の全てに対して記録シートPを補給する場合があるが、この場合、個々のシートトレイ211,212に対して記録シートPを補給すると、個々のシートトレイ211,212に対して引出操作を行う必要があり、それだけ引出操作に手間がかかる。
この点、本実施の形態では、第2係合部材263,(2831,2832)は、さらに、複数のシートトレイ211,212における第1係合部材261,262の全てに係合する構成とされていることで、複数のシートトレイ211,212のうち、第2係合部材263,(2831,2832)への選択操作により(具体的には、図2から図12に示す例では第2係合部材263を初期位置に位置させることにより、図13から図15に示す例では第2係合部材2831,2832の双方を回動軸線回りの前パネル240側へ回動させることにより)第2係合部材263,(2831,2832)と係合した複数のシートトレイ211,212の全てに対して、引出操作が行われ得る。これにより、記録シート供給動作中以外のとき(例えば待機中や電源オフ時)に、複数のシートトレイ211,212の全てに対して1回の引出操作で記録シートPを補給することができ、個々のシートトレイ211,212に対して引出操作を行う必要がなく、これにより引出操作を簡素化させることができる。
ところで、本実施の形態において、使用者等の操作者は、複数のシートトレイ211,212のうち、何れのシートトレイが記録シート供給動作中であるのかが認識できないと、何れのシートトレイに対して引出操作を行えばよいかがわからない。
この点、本実施の形態では、シート供給装置200は、複数のシートトレイ211,212のうち何れのシートトレイが記録シートPの供給対象かを報知するための表示部201,202を備えていることで、複数のシートトレイ211,212のうち、何れのシートトレイに対して引出操作を行えばよいかを操作者に理解させることができる。
ところで、本実施の形態において、使用者等の操作者は、複数のシートトレイ211,212のうち、何れのシートトレイが記録シート供給動作中であるのかが認識できないと、記録シート供給動作中のシートトレイに対して誤って引出操作してしまう恐れがある。
この点、第4実施形態を含む実施の形態では、シート供給装置200は、複数のシートトレイ211,212のうち記録シートPの供給対象のシートトレイに単一の把持部250,270を連結させないように連結機構260,280をロックするロック機構(291,292),(293,294)、及び/又は、複数のシートトレイ211,212のうち記録シートPの供給対象のシートトレイをロックするロック機構295,296をさらに備えていることで、複数のシートトレイ211,212のうち、操作者による記録シート供給動作中のシートトレイに対する誤った引出操作を効果的に防止することができる。
また、本実施の形態では、複数のシートトレイ211,212は、記録シートPの載置位置を規定する少なくとも1つの側板(この例では右側板211a,212a、左側板211b,212b、前側板211c,212c及び後側板211d,212d)を有し、側板のうち少なくとも1つ(この例では右側板211a,212a、左側板211b,212b、前側板211c,212c)は、頂面から底面に向けて窪んだ窪み部Haを有していることで、記録シートPを補給する際の記録シート補給作業性を向上させることができる。
(その他の実施の形態)
本実施の形態に係るシート供給装置200において、連結機構260,280がシートトレイ211,212(具体的には第1係合部材261,262)と単一の把持部250,270(具体的には第2係合部材263,(2831,2832))とを確実に固定して連結することができれば、スライド部材233(図2から図5参照)を除去するようにしてもよい。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。