JP2017019724A - 置換ピリジン化合物および他の医薬の組み合わせ - Google Patents

置換ピリジン化合物および他の医薬の組み合わせ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、疾患の治療または予防のための医薬組成物を提供する。【解決手段】本発明は、特定の置換ピリジン化合物またはその塩および他の医薬が、組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の置換ピリジン化合物またはその塩および他の医薬が、組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物、ならびに、特定の置換ピリジン化合物またはその塩および他の医薬の薬理的有効量が、組み合わせて温血動物に投与されることを特徴とする疾患の治療方法に関する。
血清リポタンパクの濃度は、脂質異常症、動脈硬化症等の疾患と関連することが、多くの疫学的調査の結果より示されている。血中の低比重リポタンパク(以下、LDLという)コレステロールの濃度の増加、および、高比重リポタンパク(以下、HDLという)コレステロールの濃度の減少は、いずれも冠状動脈性疾患の危険因子である。
末梢組織のコレステロールは、HDLにより引き抜かれ、HDL上でエステル化されてコレステリルエステル(以下、CEという)となる。コレステリルエステル輸送タンパク(cholesteryl ester transfer protein;以下、CETPという)は、HDL中のCEをLDLへ転送する。したがって、CETPの働きを阻害することにより、HDL中のCEの濃度が増加し、LDL中のCEの濃度が減少する。以上より、CETP活性を阻害する薬剤は、脂質異常症および動脈硬化症等の疾患の治療もしくは予防のための医薬として有用であると考えられる(例えば、非特許文献1)。
下記一般式(I-1)で表される化合物またはその塩は、CETP阻害活性を有することが知られている(例えば、特許文献1または2)。また、CETP阻害活性を有する特定の化合物と他の医薬との併用療法が知られている(例えば、特許文献3から10または非特許文献1)。
WO2013/103150 WO2012/005343(対応する米国特許出願:US2013/0109653) WO2006/014357(対応する米国特許:US7652049) WO2006/014413(対応する米国特許:US7652049) WO2006/002342(対応する米国特許:US7786108) WO2006/012093 WO2011/002696(対応する米国特許:US8299060、US8329688) WO98/35937(対応する米国特許:US6426365、US6753346、US7271196、US7579379) WO00/17164(対応する米国特許:US6197786、US6586448、US6906082) WO02/13797(対応する米国特許出願:US2002/0035125)
New England Journal of Medicine, 2004年,第350巻, p.1505-1515
本発明者等は、特定の置換ピリジン化合物またはその塩および他の医薬が、組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物は、特定の疾患の治療または予防において優れた効果を有することを見出した。
本発明は、下記一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬が、組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物、ならびに、一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬の薬理的有効量が、組み合わせて温血動物に投与されることを特徴とする疾患の治療方法を提供する。
本発明は、一つの側面からは以下を提供する。
(1)(i)一般式(I-1)
[式中、R1は、(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基、(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基、3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ基、3−(メチルスルホニル)プロポキシ基、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ基、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ基、または、3−カルボキシフェニル基を示す。]で表される化合物、または、その塩;および、
(ii)他の医薬[当該他の医薬は、HMG-CoA還元酵素阻害剤、HMG-CoAシンターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール生合成阻害剤、胆汁酸吸着イオン交換樹脂、フィブラート系薬剤、ニコチン酸誘導体、LCAT活性化剤、PCSK9阻害剤、AMPキナーゼ活性化剤、プロブコール、高コレステロール血症治療剤、血漿HDL上昇剤、アシル−コエンザイムA、および、LDL受容体誘導物質からなる群より選択される1以上の医薬である。]
が、組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物。
(2)一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、(1)に記載された医薬組成物。
(3)一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬の双方が、単一の製剤に有効成分として含有され、投与されることを特徴とする、(1)に記載された医薬組成物。
(4)R1が、(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基である、(1)から(3)のいずれかに記載された医薬組成物。
(5)R1が、(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基である、(1)から(3)のいずれかに記載された医薬組成物。
(6)R1が、3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ基である、(1)から(3)のいずれかに記載された医薬組成物。
(7)R1が、3−(メチルスルホニル)プロポキシ基である、(1)から(3)のいずれかに記載された医薬組成物。
(8)R1が、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ基である、(1)から(3)のいずれかに記載された医薬組成物。
(9)R1が、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ基である、(1)から(3)のいずれかに記載された医薬組成物。
(10)R1が、3−カルボキシフェニル基である、(1)から(3)のいずれかに記載された医薬組成物。
(11)一般式(I-1)で表される化合物またはその塩が、一般式(I-1)で表される化合物、または、その化合物と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩である、(1)から(10)のいずれかに記載された医薬組成物。
(12)一般式(I-1)で表される化合物またはその塩が、一般式(I-1)で表される化合物と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩である、(1)から(10)のいずれかに記載された医薬組成物。
(13)他の医薬が、HMG-CoA還元酵素阻害剤である、(1)から(12)のいずれかに記載された医薬組成物。
(14)他の医薬が、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、リバスタチン、または、イタバスタチンである、(1)から(12)のいずれかに記載された医薬組成物。
(15)他の医薬が、アトルバスタチンである、(1)から(12)のいずれかに記載された医薬組成物。
(16)脂質異常症、低HDLコレステロール血症、動脈硬化症、または、冠状動脈性心疾患の治療もしくは予防のための、(1)から(15)のいずれかに記載された医薬組成物。
(17)脂質異常症の治療もしくは予防のための、(1)から(15)のいずれかに記載された医薬組成物。
(18)低HDLコレステロール血症の治療もしくは予防のための、(1)から(15)のいずれかに記載された医薬組成物。
(19)動脈硬化症の治療もしくは予防のための、(1)から(15)のいずれかに記載された医薬組成物。
(20)(i)一般式(I-1)
[式中、R1は、(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基、(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基、3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ基、3−(メチルスルホニル)プロポキシ基、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ基、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ基、または、3−カルボキシフェニル基を示す。]で表される化合物、または、その塩;および、
(ii)他の医薬[当該他の医薬は、HMG-CoA還元酵素阻害剤、HMG-CoAシンターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール生合成阻害剤、胆汁酸吸着イオン交換樹脂、フィブラート系薬剤、ニコチン酸誘導体、LCAT活性化剤、PCSK9阻害剤、AMPキナーゼ活性化剤、プロブコール、高コレステロール血症治療剤、血漿HDL上昇剤、アシル−コエンザイムA、および、LDL受容体誘導物質からなる群より選択される1以上の医薬である。]
の薬理的有効量が、組み合わせて温血動物に投与されることを特徴とする疾患の治療方法。
(21)一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、(20)に記載された方法。
(22)一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬の双方が、単一の製剤に有効成分として含有され、投与されることを特徴とする、(20)に記載された方法。
(23)R1が、(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基である、(20)から(22)のいずれかに記載された方法。
(24)R1が、(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基である、(20)から(22)のいずれかに記載された方法。
(25)R1が、3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ基である、(20)から(22)のいずれかに記載された方法。
(26)R1が、3−(メチルスルホニル)プロポキシ基である、(20)から(22)のいずれかに記載された方法。
(27)R1が、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ基である、(20)から(22)のいずれかに記載された方法。
(28)R1が、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ基である、(20)から(22)のいずれかに記載された方法。
(29)R1が、3−カルボキシフェニル基である、(20)から(22)のいずれかに記載された方法。
(30)一般式(I-1)で表される化合物またはその塩が、一般式(I-1)で表される化合物、または、その化合物と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩である、(20)から(29)のいずれかに記載された方法。
(31)一般式(I-1)で表される化合物またはその塩が、一般式(I-1)で表される化合物と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩である、(20)から(29)のいずれかに記載された方法。
(32)他の医薬が、HMG-CoA還元酵素阻害剤である、(20)から(31)のいずれかに記載された方法。
(33)他の医薬が、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、リバスタチン、または、イタバスタチンである、(20)から(31)のいずれかに記載された方法。
(34)他の医薬が、アトルバスタチンである、(20)から(31)のいずれかに記載された方法。
(35)疾患が、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、動脈硬化症、または、冠状動脈性心疾患である、(20)から(34)のいずれかに記載された方法。
(36)疾患が、脂質異常症である、(20)から(34)のいずれかに記載された方法。
(37)疾患が、低HDLコレステロール血症である、(20)から(34)のいずれかに記載された方法。
(38)疾患が、動脈硬化症である、(20)から(34)のいずれかに記載された方法。
(39)温血動物が、ヒトである、(20)から(38)のいずれかに記載された方法。
本発明の一般式(I-1)で表される化合物[以下、化合物(I-1)ともいう]またはその塩は、WO2013/103150、または、WO2012/005343(対応する米国特許出願:US2013/0109653)に記載されている。
本発明の化合物(I-1)は、以下の(a−1)から(a−7)に示される化合物を包含する。
(a−1) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−[1−(5−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール
(a−2) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−[1−(5−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール
(a−3) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール
(a−4) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−2−(1−{5−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール
(a−5) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−(1−{5−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール
(a−6) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−(1−{5−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール
(a−7) (5S)−2−{1−[5−(3−カルボキシフェニル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール
本発明の化合物(I-1)の塩は、以下の(b−1)から(b−7)に示される化合物の塩を包含する。
(b−1) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−[1−(5−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オールの塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、または、マレイン酸塩;
(b−2) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−[1−(5−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オールの塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、または、マレイン酸塩;
(b−3) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オールの塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、または、マレイン酸塩;
(b−4) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−2−(1−{5−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オールの塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、または、マレイン酸塩;
(b−5) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−(1−{5−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オールの塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、または、マレイン酸塩;
(b−6) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−(1−{5−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オールの塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、または、マレイン酸塩;
(b−7) (5S)−2−{1−[5−(3−カルボキシフェニル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オールの塩酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、または、マレイン酸塩。
本発明の化合物(I-1)の塩は、上記(a−1)から(a−7)より選択される化合物と、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される、各化合物の各塩を包含する。
本発明の化合物(I-1)の塩は、好適には、以下の(c−1)から(c−21)に示される塩化合物(およびそれらの水和物)である。
(c−1) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−(1−{5−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二塩酸塩
(c−2) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−(1−{5−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二臭化水素酸塩
(c−3) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−(1−{5−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二臭化水素酸塩
(c−4) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−(1−{5−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二塩酸塩
(c−5) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−(1−{5−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール メタンスルホン酸塩
(c−6) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 塩酸塩
(c−7) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 臭化水素酸塩
(c−8) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二コハク酸塩
(c−9) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール ベンゼンスルホン酸塩
(c−10) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール マレイン酸塩
(c−11) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 1/2フマル酸塩
(c−12) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール メタンスルホン酸塩
(c−13) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−[1−(5−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二塩酸塩
(c−14) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−[1−(5−{[(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二臭化水素酸塩
(c−15) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−[1−(5−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二塩酸塩
(c−16) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−2−[1−(5−{[(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピル]オキシ}ピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二臭化水素酸塩
(c−17) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−2−(1−{5−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二塩酸塩
(c−18) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−2−(1−{5−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二臭化水素酸塩
(c−19) (5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−2−(1−{5−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ピリミジン−2−イル}ピペリジン−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール メタンスルホン酸塩
(c−20) (5S)−2−{1−[5−(3−カルボキシフェニル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二塩酸塩
(c−21) (5S)−2−{1−[5−(3−カルボキシフェニル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール 二臭化水素酸塩
本発明の化合物(I-1)またはその塩は、好適には、化合物(I-1)、または、その化合物と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩であり、より好適には、化合物(I-1)と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩である。
本発明の式(I-1)で表される化合物は、その異性体である一定量の式(I-2)、(I-3)もしくは(I-4)で表される化合物を含有し得る。本発明における「式(I-1)で表される化合物」は、「一定量の式(I-2)、(I-3)もしくは(I-4)で表される化合物を含有する式(I-1)で表される化合物」を包含し、好適には、「一定量の式(I-2)で表される化合物を含有する式(I-1)で表される化合物」、「一定量の式(I-3)で表される化合物を含有する式(I-1)で表される化合物」、および、「一定量の式(I-4)で表される化合物を含有する式(I-1)で表される化合物」を包含する。式(I-1)で表される化合物における式(I-2)、(I-3)もしくは(I-4)で表される化合物のそれぞれの含有率は、例えば、5%以下であり、好適には、3%以下であり、より好適には、1%以下であり、さらに好適には、0.5%以下であり、さらにより好適には、0.3%以下であり、特に好適には、0.1%以下であり、最も好適には、0.05%以下である。式(I-2)、(I-3)もしくは(I-4)で表される化合物のそれぞれの含有率は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)におけるピーク面積比、または、重量比により、好適には、HPLCにおけるピーク面積比により計算され得る。
本発明の化合物(I-1)は、酸(好適には、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸)と任意の割合で組み合わされて酸付加塩を形成し得る。その各々の塩またはそれらの混合物は、本発明に包含される。例えば、塩酸塩は、一塩酸塩、二塩酸塩、三塩酸塩等の形成され得る塩を包含し、フマル酸塩は、一フマル酸塩、1/2フマル酸塩等の形成され得る塩を包含する。本発明の化合物名において、「一酸塩」は、その名称中の「一」が省略されて「酸塩」と表示されることがあり、例えば、「一塩酸塩」は「塩酸塩」と表示されることがある。
本発明の化合物(I-1)の塩は、
(i)その塩基性基がプロトン化された化合物(I-1)とプロトンが解離した酸とから形成される塩;および、
(ii)その塩基性基がプロトン化されていない化合物(I-1)とプロトンが解離していない酸とから形成される付加体
のいずれをも包含し、本発明の「塩」は、上記(i)または(ii)のいずれをも意味し得る。
本発明の化合物(I-1)またはその塩は、水和物または溶媒和物を形成することができ、その各々またはそれらの混合物は、本発明に包含される。本発明の化合物(I-1)またはその塩が水または溶媒と任意の割合で組み合わされて形成される水和物または溶媒和物は、本発明に包含される。例えば、一水和物、二水和物、1/2水和物等の形成され得る水和物、および、一溶媒和物、二溶媒和物、1/2溶媒和物等の形成され得る溶媒和物は、本発明に包含される。
本発明の化合物(I-1)またはその塩は、それを構成する1個以上の原子が非天然の比率で同位体原子に置換された同位体化合物を形成することができる。同位体原子は、放射性または非放射性であり得、例えば、重水素(2H;D)、トリチウム(3H;T)、炭素−14(14C)、ヨウ素−125(125I)等である。放射性または非放射性の同位体化合物は、疾患の治療または予防のための医薬、研究用試薬(例えば、アッセイ用試薬)、診断薬(例えば、画像診断薬)等として使用され得る。本発明は、放射性または非放射性の同位体化合物を包含する。
本発明の化合物(I-1)は、ヒドロキシ基またはカルボキシ基のようなエステル基を形成し得る基を有する場合、薬理上許容されるエステルおよびその塩へ変換することができ、この薬理上許容されるエステルまたはその塩は、本発明に包含される。化合物(I-1)の薬理上許容されるエステルまたはその塩は、化合物(I-1)のプロドラッグとなり得、温血動物の生体内に投与された際に代謝過程(例えば、加水分解)で分解され、化合物(I-1)を生成し得る。
ヒドロキシ基とエステル基を形成し得る基は、例えば、脂肪族アシル[例えば、(C1−C20アルキル)カルボニル]、芳香族アシル、または、アルコキシカルボニル[例えば、(C1−C6アルコキシ)カルボニル]であり得る。カルボキシ基とエステル基を形成し得る基は、例えば、脂肪族アルキル[例えば、C1−C6アルキル]、アルキルカルボニルオキシアルキル[例えば、(C1−C6アルキル)カルボニルオキシ−(C1−C6アルキル)]、シクロアルキルカルボニルオキシアルキル[例えば、(C3−C8シクロアルキル)カルボニルオキシ−(C1−C6アルキル)]、アルコキシカルボニルオキシアルキル[例えば、(C1−C6アルコキシ)カルボニルオキシ−(C1−C6アルキル)]、または、シクロアルキルオキシカルボニルオキシアルキル[例えば、(C3−C8シクロアルキル)オキシカルボニルオキシ−(C1−C6アルキル)]であり得る。
本発明の化合物(I-1)またはその塩は、WO2013/103150、または、WO2012/005343(対応する米国特許出願:US2013/0109653)に記載された方法にしたがって製造することができる。
本発明の化合物(I-1)またはその塩がCETP阻害活性を有すること、および、CETP活性の阻害により治療もしくは予防され得る疾患(好適には、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、高LDLコレステロール血症、動脈硬化症、動脈硬化性心疾患、または、冠状動脈性心疾患)の治療もしくは予防に有用であることは、WO2013/103150、または、WO2012/005343(対応する米国特許出願:US2013/0109653)に記載されている。
本発明の化合物(I-1)またはその塩の命名は、テトラヒドロキノリン構造を中心骨格とする統一された命名法、または、IUPAC命名法にしたがって行われ得る。両命名法にしたがう化合物名称が異なる場合もあり得るが、いずれの化合物名称も記載された化学構造式により特定される化合物を正しく表す。
本発明の化合物(I-1)またはその塩が医薬として用いられる場合、その目的に応じて他の医薬と組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物を構成することができる。本発明における「組み合わせて投与される」は、被投与対象(特に、ヒト)が、一定期間内に化合物(I-1)またはその塩および他の医薬をその体内に取り込むことを意味する。上記医薬組成物は、
(i)化合物(I-1)またはその塩および他の医薬が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に(好適には、同時に)投与されることを特徴とする医薬組成物;または、
(ii)化合物(I-1)またはその塩および他の医薬の双方が、単一の製剤(配合剤)に有効成分として含有され、投与されることを特徴とする医薬組成物
であり得、好適には、上記(i)の医薬組成物である。
上記(i)の医薬組成物において、化合物(I-1)またはその塩を含有する製剤および他の医薬を含有する製剤の投与時期に限定はなく、上記2つの製剤は、同時に、異なる時間に(別々に)、または、異なる日に(好適には、同時に)投与され得る。上記2つの製剤の投与の順番、回数、経路、および、用量に限定はなく、投与の回数、経路、および、用量は異なり得る。化合物(I-1)またはその塩および他の医薬の一方を投与してから他方を投与するまでの期間に限定はなく、一方の薬理効果が残存する一定期間(例えば、1週間、好適には、2または3日間、より好適には、1日間、さらに好適には、2から6時間、さらにより好適には、1時間)内に他方が投与されればよい。所望の効果を示す限りにおいては化合物(I-1)またはその塩および他の医薬が同時に一定以上の濃度で血液中に存在する必要はなく、一方が投与される際に他方が血液中から消失していてもよい。
本発明の医薬組成物の投与形態は、例えば、以下のとおりである。
(a)化合物(I-1)またはその塩を含有する製剤および他の医薬を含有する製剤(2つの異なる製剤)が同時に投与される;
(b)化合物(I-1)またはその塩を含有する製剤および他の医薬を含有する製剤(2つの異なる製剤)が一定期間をおいて別々に投与される;
(c)化合物(I-1)またはその塩および他の医薬の双方を含有する単一の製剤が投与される。
本発明の医薬組成物における他の医薬は、所望の効果(好適には、HDLコレステロールの血中濃度の上昇、または、VLDLコレステロール、LDLコレステロール、もしくは、総コレステロールの血中濃度の低下のような脂質代謝改善効果)を示すものであれば限定はなく、例えば、
(i)HMG-CoA還元酵素阻害剤、HMG-CoAシンターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール生合成阻害剤、胆汁酸吸着イオン交換樹脂、フィブラート系薬剤、ニコチン酸誘導体、LCAT活性化剤、PCSK9阻害剤、AMPキナーゼ活性化剤、プロブコール、高コレステロール血症治療剤、血漿HDL上昇剤、アシル−コエンザイムA、または、LDL受容体誘導物質のような脂質代謝改善薬;
(ii)ビタミンB6、ビタミンB12、または、抗酸化ビタミンのようなビタミン類;
(iii)アンジオテンシンII受容体拮抗剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、利尿剤、または、β−ブロッカーのような高血圧症治療薬;
(iv)フィブリノーゲン阻害剤、または、アスピリン;および、
(v)DPP4阻害剤、SGLT-2阻害剤、GPR119作動薬、または、PPARγ活性化剤のような糖尿病治療薬
からなる群より選択される1以上の医薬であり得、好適には、HMG-CoA還元酵素阻害剤、HMG-CoAシンターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール生合成阻害剤、胆汁酸吸着イオン交換樹脂、フィブラート系薬剤、ニコチン酸誘導体、LCAT活性化剤、PCSK9阻害剤、AMPキナーゼ活性化剤、プロブコール、高コレステロール血症治療剤、血漿HDL上昇剤、アシル−コエンザイムA、および、LDL受容体誘導物質からなる群より選択される1以上の医薬(好適には、1または2の医薬、より好適には、1の医薬)であり、最も好適には、HMG-CoA還元酵素阻害剤である。
本発明において、HMG-CoA還元酵素阻害剤は、例えば、プラバスタチン(プラバスタチン ナトリウムを含む)、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン(アトルバスタチン カルシウムを含む)、ピタバスタチン、ロスバスタチン、リバスタチン、または、イタバスタチンであり得、好適には、プラバスタチン、アトルバスタチン、または、ロスバスタチンであり、より好適には、アトルバスタチンである。
コレステロール吸収阻害剤は、例えば、1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−[3−(4−フルオロフェニル)−3(S)−ヒドロキシプロピル]−4(S)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジノン(エゼチミブ)であり得る。
胆汁酸吸着イオン交換樹脂は、例えば、コレスチラミン、コレスチミド、または、塩酸コレセベラムであり得る。
フィブラート系薬剤は、例えば、クロフィブラート、クリノフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラート、または、ゼムフィブラートであり得る。
ニコチン酸誘導体は、例えば、ナイアシン、ニコチン酸アミド、ニセリトロール、または、ニコモールであり得る。
LCAT活性化剤は、例えば、WO2008/002591に記載された化合物(例えば、実施例2の化合物)、または、リコンビナントLCATタンパク(AlphaCore社)であり得る。
PCSK9阻害剤は、例えば、モノクローナル抗体REGN727/SAR236553 (Sanofi/Regeneron社)、AMG145 (Amgen社)、RN316 (Pfizer社)、LGT209 (Novartis社)、RG7652 (Roche/Genentech社)、または、1D05-IgG2 (Merck社)であり得る。
AMPキナーゼ活性化剤は、例えば、ETC-1002 (Esperion社)であり得る。
アンジオテンシンII受容体拮抗剤は、例えば、オルメサルタン(オルメサルタン メドキソミルを含む)、カンデサルタン(カンデサルタン シレキセチルを含む)、バルサルタン、ロサルタン(ロサルタン カリウムを含む)、イルベサルタン、テルミサルタン、プラトサルタン、エプロサルタン(エプロサルタン メシレートを含む)、または、アジルサルタン(アジルサルタン メドキソミルを含む)であり得る。
利尿剤は、例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フロセミド、ピレタニド、または、アゾセミドであり得る。
DPP4阻害剤は、例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アナグリプチン、リナグリプチン、または、テネリグリプチンであり得る。
SGLT-2阻害剤は、例えば、イプラグリフロジン、ルセオグリフロジン、カナグリフロジン、トホグリフロジン、エンパグリフロジン、または、ダパグリフロジンであり得る。
GPR119作動薬は、例えば、APD597A (rena/J&J社)、PSN632408 (OSI Prosidion/アステラス社)、GSK1292263 (GSK社)、または、MBX-2982 (Sanofi社)であり得る。
PPARγ活性化剤は、例えば、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、バラグリタゾン、リボグリタゾン、ファルグリタザール、ナベグリタザール、または、メタグリダセンであり得る。
本発明において、「脂質異常症」(dyslipidemia)は、高脂血症(hyperlipidemia)を包含する。「動脈硬化症」は、(i)喫煙、遺伝のような種々の要因(複合的な要因を含む)に起因する動脈硬化症;および、(ii)脂質異常症、低HDLコレステロール血症、高LDLコレステロール血症、脂質関連疾患、炎症性疾患、糖尿病、肥満、または、高血圧症のような動脈硬化症を引き起こし得る疾患に起因する動脈硬化症を包含し、例えば、アテローム性動脈硬化症、細動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、および、粥状動脈硬化症を包含する。「動脈硬化性心疾患」は、動脈硬化症が一つの原因となって発症する心血管性疾患を示す。「冠状動脈性心疾患」は、動脈硬化症または他の疾患が一つの原因となって発症する心血管性疾患を示し、例えば、心不全、心筋梗塞、狭心症、心虚血、心血管障害、または、血管形成性再狭窄を包含する。「脳血管疾患」は、例えば、脳卒中、または、脳梗塞を包含する。「末梢血管疾患」は、例えば、糖尿病血管合併症を包含する。
本発明の化合物(I-1)またはその塩および他の医薬は、(i)それ自体を原末として;(ii)適宜の薬理学的に許容される賦形剤、希釈剤等と混合して製造される、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、もしくは、シロップ剤等の製剤として経口的に;または、(iii)上記と同様に製造される、注射剤、もしくは、坐剤等の製剤として非経口的に、投与することができる。経口的に投与されることが好適である。本発明の化合物(I-1)またはその塩および他の医薬は、それぞれ別異の製剤に含有されてもよく、双方が単一の製剤に含有されてもよい。
これらの製剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、乳化剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、または、注射剤用溶剤等の添加剤を用いて、周知の方法で製造される。
賦形剤は、例えば、有機系賦形剤、または、無機系賦形剤であり得る。有機系賦形剤は、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、もしくは、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプンのようなデンプン誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;または、プルラン等であり得る。無機系賦形剤は、例えば、軽質無水珪酸、もしくは、合成珪酸アルミニウムのような珪酸塩誘導体;または、硫酸カルシウムのような硫酸塩等であり得る。
結合剤は、例えば、上記の賦形剤において示された化合物;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;または、ポリエチレングリコール等であり得る。
崩壊剤は、例えば、上記の賦形剤において示された化合物;クロスカルメロースナトリウム、もしくは、カルボキシメチルスターチナトリウムのような化学修飾された、デンプンもしくはセルロース誘導体;または、架橋ポリビニルピロリドン等であり得る。
滑沢剤は、例えば、タルク;コロイドシリカ;ビーズワックス、もしくは、ゲイロウのようなワックス類;グリコール;D,L−ロイシン;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;または、上記の賦形剤におけるデンプン誘導体等であり得る。
乳化剤は、例えば、ベントナイト、もしくは、ビーガムのようなコロイド性粘土;ラウリル硫酸ナトリウムのような陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウムのような陽イオン界面活性剤;または、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのような非イオン界面活性剤等であり得る。
安定剤は、例えば、メチルパラベンのようなパラヒドロキシ安息香酸エステル類;クロロブタノールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール;または、チメロサール等であり得る。
矯味矯臭剤は、例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、または、香料等であり得る。
希釈剤は、例えば、水、エタノール、または、プロピレングリコール等であり得る。
注射剤用溶剤は、例えば、水、エタノール、または、グリセリン等であり得る。
本発明の有効成分である化合物(I-1)またはその塩および他の医薬それぞれの投与量は、患者の症状、年齢等により異なる。化合物(I-1)またはその塩および他の医薬それぞれは、経口投与の場合には、1回当たり下限0.01mg/kg(好適には、0.05mg/kg)、上限500mg/kg(好適には、50mg/kg)を、非経口投与の場合には、1回当たり下限0.001mg/kg(好適には、0.005mg/kg)、上限50mg/kg(好適には、5mg/kg)を、成人に対して、1日当たり1乃至6回、症状に応じて投与され得る。
本発明の医薬組成物は、HDLコレステロール濃度の上昇作用、LDLコレステロール、VLDLコレステロール、または、総コレステロールの濃度の低下作用、薬効発現の早さ、薬効の持続性、物理的安定性、溶解性、経口吸収性、血中濃度、細胞膜透過性、代謝安定性、組織移行性、バイオアベイラビリティー(BA)、薬物相互作用、安全性等の点で優れた性質を有し、温血動物用(特に、ヒト用)の医薬として有用である。特に本発明の医薬組成物は、化合物(I-1)またはその塩および他の医薬がそれぞれ単独で投与されたときの薬理効果の和を超える薬理効果を示す点で有用である。上記医薬組成物は、好適には、脂質異常症、高コレステロ−ル血症、低HDLコレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症、動脈硬化症、動脈硬化性心疾患、冠状動脈性心疾患(心不全、心筋梗塞、狭心症、心虚血、心血管障害、および、血管形成性再狭窄を含む)、脳血管疾患(脳卒中、および、脳梗塞を含む)、末梢血管疾患(糖尿病血管合併症を含む)、または、肥満症、より好適には、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、高LDLコレステロール血症、動脈硬化症、動脈硬化性心疾患、または、冠状動脈性心疾患、さらに好適には、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、動脈硬化症、または、冠状動脈性心疾患、さらにより好適には、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、または、動脈硬化症、の治療もしくは予防のための医薬組成物である。
本発明の治療方法は、同様の優れた性質を有し、好適には、上記疾患の治療方法として有用であり、また、温血動物用(特に、ヒト用)の治療方法として有用である。
以下、実施例および製剤例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)マウス薬効試験
(1)化合物の投与
試験化合物をpropylene glycol−Tween 80(商品名)混合溶媒[4/1(v/v)]に溶解し、CETP/apoB Tgマウスに、14日間経口投与した。投与14日目に血液を採取した。
(2)血漿中総コレステロール含有量の測定
総コレステロール含有量は、市販の測定キット(コレステロール−Eワコー、和光純薬製)を用いて測定した。
(3)VLDLコレステロール、LDLコレステロール、および、HDLコレステロールの含有量の測定
リポタンパク質プロファイルを、ゲルろ過-HPLC(カラム:Lipopropack XL、東ソー製)によって分析した。VLDLコレステロール、LDLコレステロール、および、HDLコレステロールの含有量は、各ピークの面積比より算出した。
(4)結果
試験化合物として(5S)−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3−{(S)−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−2−{1−[5−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−7,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−オール ベンゼンスルホン酸塩[上記(c−9)の塩化合物;以下、化合物Aとも記す]、アトルバスタチン(アトルバスタチン カルシウム;以下、化合物Bとも記す)、または、それらの組み合わせを使用した場合の総コレステロール、VLDLコレステロール、LDLコレステロール、および、HDLコレステロールの含有量、ならびに、その減少率または増加率をそれぞれ表1から4に示す。表1から4において、一つの群は6匹のマウスで構成される。表1から4の群6から8において、化合物Aおよび化合物Bは、同時に投与された。
表1から4の群2、5および6、群3,5および7、または、群4、5および8の間での比較により示されるとおり、化合物AおよびBが組み合わせて投与された場合(群6から8)の総コレステロール、VLDLコレステロール、もしくは、LDLコレステロールの含有量の減少率、または、HDLコレステロール含有量の増加率は、化合物AおよびBがそれぞれ単独で同用量で投与された場合(群2から5)の当該減少率の和または当該増加率の和より大きい傾向を示す。
本発明の化合物(I-1)またはその塩(例えば、化合物A)および他の医薬(例えば、化合物B)が、組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物は、化合物(I-1)またはその塩および他の医薬がそれぞれ単独で投与されたときの薬理効果の和を超える薬理効果を示し、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、高LDLコレステロール血症、動脈硬化症、動脈硬化性心疾患、または、冠状動脈性心疾患などの治療のための医薬として有用である。
(製剤例1)錠剤
化合物AまたはB(50mg)、コロイド性二酸化ケイ素(0.2mg)、ステアリン酸マグネシウム(0.2mg)、微結晶性セルロ−ス(0.2mg)、デンプン(0.2mg)、および、ラクト−ス(100mg)を用いて、製剤学の分野で周知の方法にしたがって化合物AまたはBのいずれかを含有する錠剤を製造する。得られた錠剤には、必要に応じてコーティングを施すことができる。
(製剤例2)錠剤
化合物A(50mg)および化合物B(50mg)、コロイド性二酸化ケイ素(0.2mg)、ステアリン酸マグネシウム(0.2mg)、微結晶性セルロ−ス(0.2mg)、デンプン(0.2mg)、ならびに、ラクト−ス(100mg)を用いて、製剤学の分野で周知の方法に従って化合物AおよびBの双方を含有する錠剤を製造する。得られた錠剤には、必要に応じてコーティングを施すことができる。
(製剤例3)ハ−ドカプセル剤
標準二分式ハ−ドゼラチンカプセルに、粉末状の化合物AまたはB(50mg)、ラクト−ス(150mg)、セルロ−ス(50mg)、および、ステアリン酸マグネシウム(6mg)を充填して、化合物AまたはBのいずれかを含有するハ−ドカプセルを製造し、洗浄した後、乾燥する。
(製剤例4)ハ−ドカプセル剤
標準二分式ハ−ドゼラチンカプセルに、粉末状の化合物A(50mg)および化合物B(50mg)、ラクト−ス(150mg)、セルロ−ス(50mg)、ならびに、ステアリン酸マグネシウム(6mg)を充填して、化合物AおよびBの双方を含有するハ−ドカプセルを製造し、洗浄した後、乾燥する。
本発明の医薬組成物は、HDLコレステロール濃度の上昇作用、LDLコレステロール、VLDLコレステロール、または、総コレステロールの濃度の低下作用、薬効発現の早さ、薬効の持続性、物理的安定性、溶解性、経口吸収性、血中濃度、細胞膜透過性、代謝安定性、組織移行性、バイオアベイラビリティー(BA)、薬物相互作用、安全性等の点で優れた性質を有し、温血動物用(特に、ヒト用)の医薬として有用である。特に本発明の医薬組成物は、化合物(I-1)またはその塩および他の医薬がそれぞれ単独で投与されたときの薬理効果の和を超える薬理効果を示す点で有用である。上記医薬組成物は、好適には、脂質異常症、高コレステロ−ル血症、低HDLコレステロール血症、高LDLコレステロール血症、高トリグリセリド血症、動脈硬化症、動脈硬化性心疾患、冠状動脈性心疾患(心不全、心筋梗塞、狭心症、心虚血、心血管障害、および、血管形成性再狭窄を含む)、脳血管疾患(脳卒中、および、脳梗塞を含む)、末梢血管疾患(糖尿病血管合併症を含む)、または、肥満症、より好適には、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、高LDLコレステロール血症、動脈硬化症、動脈硬化性心疾患、または、冠状動脈性心疾患、さらに好適には、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、動脈硬化症、または、冠状動脈性心疾患、さらにより好適には、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、または、動脈硬化症、の治療もしくは予防のための医薬組成物である。
本発明の治療方法は、同様の優れた性質を有し、好適には、上記疾患の治療方法として有用であり、また、温血動物用(特に、ヒト用)の治療方法として有用である。

Claims (39)

  1. (i)一般式(I-1)
    [式中、R1は、(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基、(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基、3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ基、3−(メチルスルホニル)プロポキシ基、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ基、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ基、または、3−カルボキシフェニル基を示す。]で表される化合物、または、その塩;および、
    (ii)他の医薬[当該他の医薬は、HMG-CoA還元酵素阻害剤、HMG-CoAシンターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール生合成阻害剤、胆汁酸吸着イオン交換樹脂、フィブラート系薬剤、ニコチン酸誘導体、LCAT活性化剤、PCSK9阻害剤、AMPキナーゼ活性化剤、プロブコール、高コレステロール血症治療剤、血漿HDL上昇剤、アシル−コエンザイムA、および、LDL受容体誘導物質からなる群より選択される1以上の医薬である。]
    が、組み合わせて投与されることを特徴とする医薬組成物。
  2. 一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、請求項1に記載された医薬組成物。
  3. 一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬の双方が、単一の製剤に有効成分として含有され、投与されることを特徴とする、請求項1に記載された医薬組成物。
  4. 1が、(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基である、請求項1から3のいずれかに記載された医薬組成物。
  5. 1が、(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基である、請求項1から3のいずれかに記載された医薬組成物。
  6. 1が、3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ基である、請求項1から3のいずれかに記載された医薬組成物。
  7. 1が、3−(メチルスルホニル)プロポキシ基である、請求項1から3のいずれかに記載された医薬組成物。
  8. 1が、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ基である、請求項1から3のいずれかに記載された医薬組成物。
  9. 1が、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ基である、請求項1から3のいずれかに記載された医薬組成物。
  10. 1が、3−カルボキシフェニル基である、請求項1から3のいずれかに記載された医薬組成物。
  11. 一般式(I-1)で表される化合物またはその塩が、一般式(I-1)で表される化合物、または、その化合物と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩である、請求項1から10のいずれかに記載された医薬組成物。
  12. 一般式(I-1)で表される化合物またはその塩が、一般式(I-1)で表される化合物と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩である、請求項1から10のいずれかに記載された医薬組成物。
  13. 他の医薬が、HMG-CoA還元酵素阻害剤である、請求項1から12のいずれかに記載された医薬組成物。
  14. 他の医薬が、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、リバスタチン、または、イタバスタチンである、請求項1から12のいずれかに記載された医薬組成物。
  15. 他の医薬が、アトルバスタチンである、請求項1から12のいずれかに記載された医薬組成物。
  16. 脂質異常症、低HDLコレステロール血症、動脈硬化症、または、冠状動脈性心疾患の治療もしくは予防のための、請求項1から15のいずれかに記載された医薬組成物。
  17. 脂質異常症の治療もしくは予防のための、請求項1から15のいずれかに記載された医薬組成物。
  18. 低HDLコレステロール血症の治療もしくは予防のための、請求項1から15のいずれかに記載された医薬組成物。
  19. 動脈硬化症の治療もしくは予防のための、請求項1から15のいずれかに記載された医薬組成物。
  20. (i)一般式(I-1)
    [式中、R1は、(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基、(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基、3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ基、3−(メチルスルホニル)プロポキシ基、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ基、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ基、または、3−カルボキシフェニル基を示す。]で表される化合物、または、その塩;および、
    (ii)他の医薬[当該他の医薬は、HMG-CoA還元酵素阻害剤、HMG-CoAシンターゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール生合成阻害剤、胆汁酸吸着イオン交換樹脂、フィブラート系薬剤、ニコチン酸誘導体、LCAT活性化剤、PCSK9阻害剤、AMPキナーゼ活性化剤、プロブコール、高コレステロール血症治療剤、血漿HDL上昇剤、アシル−コエンザイムA、および、LDL受容体誘導物質からなる群より選択される1以上の医薬である。]
    の薬理的有効量が、組み合わせて温血動物に投与されることを特徴とする疾患の治療方法。
  21. 一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬が、それぞれ別異の製剤に有効成分として含有され、同時にまたは異なる時間に投与されることを特徴とする、請求項20に記載された方法。
  22. 一般式(I-1)で表される化合物またはその塩および他の医薬の双方が、単一の製剤に有効成分として含有され、投与されることを特徴とする、請求項20に記載された方法。
  23. 1が、(2S)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基である、請求項20から22のいずれかに記載された方法。
  24. 1が、(2R)−2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基である、請求項20から22のいずれかに記載された方法。
  25. 1が、3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ基である、請求項20から22のいずれかに記載された方法。
  26. 1が、3−(メチルスルホニル)プロポキシ基である、請求項20から22のいずれかに記載された方法。
  27. 1が、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロポキシ基である、請求項20から22のいずれかに記載された方法。
  28. 1が、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロポキシ基である、請求項20から22のいずれかに記載された方法。
  29. 1が、3−カルボキシフェニル基である、請求項20から22のいずれかに記載された方法。
  30. 一般式(I-1)で表される化合物またはその塩が、一般式(I-1)で表される化合物、または、その化合物と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩である、請求項20から29のいずれかに記載された方法。
  31. 一般式(I-1)で表される化合物またはその塩が、一般式(I-1)で表される化合物と塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、および、マレイン酸からなる群より選択される酸とから形成される塩である、請求項20から29のいずれかに記載された方法。
  32. 他の医薬が、HMG-CoA還元酵素阻害剤である、請求項20から31のいずれかに記載された方法。
  33. 他の医薬が、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、リバスタチン、または、イタバスタチンである、請求項20から31のいずれかに記載された方法。
  34. 他の医薬が、アトルバスタチンである、請求項20から31のいずれかに記載された方法。
  35. 疾患が、脂質異常症、低HDLコレステロール血症、動脈硬化症、または、冠状動脈性心疾患である、請求項20から34のいずれかに記載された方法。
  36. 疾患が、脂質異常症である、請求項20から34のいずれかに記載された方法。
  37. 疾患が、低HDLコレステロール血症である、請求項20から34のいずれかに記載された方法。
  38. 疾患が、動脈硬化症である、請求項20から34のいずれかに記載された方法。
  39. 温血動物が、ヒトである、請求項20から38のいずれかに記載された方法。
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