JP2017019059A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
Description
たとえば、下記特許文献1には、プリントヘッドを多関節ロボットにツールとして持たせ、物体の湾曲した表面上に印刷をおこなう技術が開示されている。
一方、多関節ロボットを用いた印刷装置では、多関節ロボットの各移動軸に沿った移動量をエンコーダで検出して座標を算出しているものの、被印刷体が実際にどのような動きをしているのかは特定できていない。この場合、印刷初期位置に被印刷体またはプリントヘッドが移動したことを作業者が確認して印刷開始信号を出力し、その後は一定(設定通り)の移動速度で多関節ロボットおよびこれに保持された被印刷体が移動するものとしてプリントヘッドの印刷動作が実行される。
よって、被印刷体の実際の動き(位置および移動スピード)と多関節ロボットの移動設定に沿った計算上の動き(位置および移動スピード)に誤差が生じる場合があり、印刷精度および再現性に改善の余地がある。
特に、多関節ロボットの移動距離(送り方向)が長いパターンを印刷する場合などは誤差が大きくなる可能性がある。
請求項2の発明にかかる印刷装置は、前記パルス出力手段は、前記作業点の位置が所定の単位距離変化するごとに前記パルス信号を出力し、前記プリント制御手段は、前記パルス信号に基づいて前記プリントヘッドに対する前記被印刷体の位置を検出する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる印刷装置は、前記移動距離算出手段および前記パルス出力手段は、単一の専用集積回路により構成される、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる印刷装置は、前記プリントヘッドは、前記印刷図形を形成するインクを前記被印刷体に対して吐出するインク吐出口を備え、前記プリント制御手段は、前記プリントヘッドによる前記インクの吐出タイミングおよび吐出量を制御する、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかる印刷装置は、前記プリントヘッドは移動不能に配置されており、前記多関節ロボットは、前記被印刷体を前記作業点に固定して保持しながら前記作業点を移動させることにより前記被印刷体とプリントヘッドとの相対位置を変化させる、ことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、作業点の位置が所定の単位距離変化するごとにパルス信号を出力するので、3次元空間内を移動する作業点に対して疑似的なエンコーダとして機能させることができる。
請求項3の発明によれば、移動距離算出手段およびパルス出力手段を単一の専用集積回路により構成したので、処理負荷の上昇による遅延を防止し、印刷精度を向上させる上で有利となる。
請求項4の発明によれば、印刷装置がインクジェット式プリンタであるので、インクとして特殊な材質を用いることが可能であり、例えば基板上に回路を形成するなど図面印刷以外の用途に用いることが可能となる。
請求項5の発明によれば、プリントヘッドを固定し、被印刷体を動かしながら印刷するため、インクの吐出方向を安定させることができ、印刷品質を向上させることができる。
本実施の形態では、多関節ロボットを用いて被印刷体とプリントヘッドとの相対位置を変化させながら印刷を行う印刷装置の例として、プリントヘッドを固定設置するとともに、被印刷体を多関節ロボットで移動させながら印刷を行う場合について説明する。
また、本実施の形態では印刷装置がインクジェット式プリンタであるものとする。
印刷装置10は、曲面形状を有する基材20の表面に配線パターンを印刷する。
一般的に、配線パターンは、平面状のフレキシブル基板をエッチングしてパターンを作成する。しかしながら、このような方法では曲面形状を有する基材20に配線パターンを形成するのは困難である。
一方で、実施の形態にかかる印刷装置10は、多関節ロボットを用いて被印刷体とプリントヘッドとの相対位置を変化させながら印刷を行うので、曲面形状を有する基材20に自由に配線パターンを配置することができる。
図1では、多関節ロボット104で基材20を保持した状態を図示している。多関節ロボット104は、具体的には軸方向に移動可能なロボットであり、望ましくは4軸以上の移動方向を有する多軸ロボットである。
本実施の形態では、多関節ロボット104として6軸多関節ロボットを用いる。
図3に示した多関節ロボット104は6軸多関節ロボットであり、主に体部104A、腕部104B、手首部104Cによって構成される。
本実施の形態では、基材20は治具を介して手首部104Cに支持され、多関節ロボット104の移動に追従して移動される。
本実施の形態では、多関節ロボット104の作業点は、手首部104Cに支持される治具の先端部(多関節ロボット104と基材20との接触点)とする。
多関節ロボット104の腕部104Bは、R軸を中心に回転可能であり、また、U軸を中心として上下方向に揺動可能である。
多関節ロボット104の手首部104Cは、T軸を中心に回転可能であり、また、B軸を中心に上下方向に揺動可能である。
より詳細には、多関節ロボット104の各部(体部104A、腕部104B、手首部104C)には、それぞれの移動軸(S軸、L軸、R軸、U軸、T軸、B軸)に沿った支軸、および各支軸を回転させるモータ105(図2参照)が設けられている。各モータ105は、後述するロボットコントローラ106により回転量が制御される。
多関節ロボット104の位置や姿勢を変化させるには、各座標系に対して移動量(位置偏差や回転偏差)および変位速度を入力する。
移動量測定手段とは、具体的には図4に示すようなエンコーダ50である。エンコーダ50は、物体が回転移動や直線移動する際に、移動方向や移動量、角度を検出する。
図4Aに一般的な光学透過型のエンコーダ50の概略図を示す。
エンコーダ50は、LED発光素子502、レンズ504、コードホイール506、受光IC508を含んで構成される。
LED発光素子502およびレンズ504は、円板状のコードホイール506の一方の表面と対向するように設置される。また、受光IC508は、コードホイール506の他方の表面と対向するように設置される。
このコードホイール506の一方の表面に対して、LED発光素子502から検出用の光を照射する。LED発光素子502から照射光は錯乱光であるため、レンズ504で集光して平行光に近づける。
上述のように、コードホイール506にはスリット部506Aと平板部506Bとが設けられているため、スリット部506Aが通過するタイミングでのみ、コードホイール506の他方の表面側にある受光IC508に到達する。
受光IC508上にはフォトダイオードが配置されており、信号変換回路部で処理されて、図4Bに示すような1/4周期の位相差をもつ2相のパルス列をモータ105の出力軸の角変位に応じて出力する。この2相パルス列(A相およびB相)の位相関係は回転方向に対応して反転する。
このようなパルス列を用いることによって、モータ105の回転方向、回転位置および回転速度を検出することができる。
例えば、コードホイール506が正転(時計方向)へ回転している時、A相よりもB相が遅れて立ち上がることになる。コードホイール506が反転(反時計方向)へ逆回転すると、物理的な回転円板の回転方向が反転するので、B相がA相よりも先に立ち上がることになる。またこのような構成は、回転方向だけではなく、水平(リニア)駆動時の移動方向の判別にも用いることができる。
さらに、A相とB相のそれぞれの波形の立ち上がり/立ち下がり位置をカウントすることで、物理的に設けたスリット部506Aの数よりも細かい角度位置を検出することができる。
回転速度(r/min)=(1/(1周期の時間(秒)×パルス数))×60・・・(1)
図2は、印刷装置10の制御系統を示すブロック図である。
印刷装置10は、ロボットコントローラ106、コンピュータ120、距離算出用チップ122、プリントヘッドドライバ124を備えている。
コンピュータ120は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク装置、キーボード、マウス、ディスプレイ等を有し、作業者が印刷図形の設定や多関節ロボット104およびプリントヘッド102への指示等を行うインターフェースとして機能する。
より詳細には、ロボットコントローラ106は、コンピュータ120からの制御情報に基づいて、多関節ロボット104の各移動軸に設けられたモータ105に対して制御信号を出力する。多関節ロボット104は、制御信号に基づいて各軸のモータ105を駆動させることにより指示された動きを実行する。
このとき、各モータ105の出力軸に付いているエンコーダ50からパルス信号が出力される。ロボットコントローラ106は、このパルス信号をエンコーダカウンタで処理して、上記制御信号との差動比較を行い、各移動軸が指示された動きを実行しているかを確認する。
また、ロボットコントローラ106は、各移動軸のエンコーダ50から出力されたパルス信号を用いて、多関節ロボット104の座標(X,Y,ZおよびXm,Ym,Zm)を算出する。そして、算出した座標をコンピュータ120を介して距離算出用チップ122に出力する。
なお、多関節ロボット104の座標の算出を距離算出用チップ122で行ってもよい。この場合、ロボットコントローラ106から距離算出用チップ122に対して、各移動軸のエンコーダ50から出力されたパルス信号をそのまま出力する。
また、基材20の形状や作業点に対する基材20の設置状態は既知であるため、作業点の位置(座標)が特定できれば、基材20の任意の点の位置(座標)も算出することができる。
FPGAはチップ上に専用のソフトウェアを用いて生成した回路を実装したものであり、回路は再定義可能である。FPGAはコンピュータのCPUと異なり、オペレーションシステム(OS)を介していないので、処理を高速化することが可能である。
より詳細には、距離算出用チップ122で作業点の移動軌跡を計算している間にも多関節ロボット104は移動していくので、いかに計算を早くして移動軌跡を算出するかが重要となる。ここで、ロボットコントローラ106は、予め指示された動きに沿って多関節ロボット104の各モータ(各軸)の角度を動かしているので、多関節ロボット104の座標の算出は比較的負荷が少ない。一方で、各座標から移動軌跡を計算する処理は、リアルタイム性が要求されるため負荷が大きくなる。
このように、コンピュータのCPUと別個に距離算出用チップ122を設けることによって、処理負荷の上昇による遅延を防止し、印刷装置10の印刷精度を向上させる上で有利となる。
距離算出回路122Aは、移動距離算出手段として機能し、多関節ロボット104の座標から作業点の移動軌跡および移動距離を算出する。すなわち、距離算出回路122Aは、複数のエンコーダ50(移動量測定手段)で測定された複数の移動量に基づいて、多関節ロボット104の作業点の3次元空間上の移動距離を算出する。
図5は、多関節ロボット104の移動経路の算出方法を説明する説明図である。
図5では、説明の便宜上、紙面上にX軸およびZ軸を取り、このX−Z平面上を作業点が移動するものとする。
図5Aに示すように、距離算出回路122Aには、所定のサンプリング間隔で多関節ロボット104の座標情報が入力される。例えば、時刻T1における多関節ロボット104の座標は(X1,Z1)であり、この位置をP1とする。また、時刻T2(時刻T1から単位サンプリング時間後)における多関節ロボット104の座標は(X2,Z2)であり、この位置をP2とする。以下同様に、図5Aには時刻T3〜T5における座標を示している。
図5Bに示すように、時刻T1から時刻T2の間における多関節ロボット104の移動量L1は、ピタゴラスの定理を用いて算出することができる。
また、三次元空間に適合させ、より一般化した形での移動量L1は、下記式(2)で与えられる。
パルス生成回路122Bは、作業点の位置が所定の単位距離変化するごとにパルス信号を出力するよう構成される。
パルス生成回路122Bは、作業点の移動量を検出する疑似的なエンコーダとして機能する。
本実施の形態では、印刷装置10がインクジェット式プリンタであるため、プリントヘッドドライバ124は、パルス信号に基づいてプリントヘッド102に対する基材20の位置を検出しながら、プリントヘッド102によるインクの吐出タイミングおよび吐出量を制御する。
図6Aに示す図案F1は、印刷装置10での印刷図形の例であり、基材20上に等間隔(距離Xi)に描かれた2色の縞模様である。
図6A下段に示すパルス信号は、多関節ロボット104による基材20の移動速度を示す。図6A下段のパルス信号は、時間T=4t(tは単位時間)で距離Xi×2だけ基材20を移動させることを示す。すなわち、単位時間(t)当たりの移動距離は2Xi/4であり、この速度が標準移動速度であるものとする。
この場合、プリントヘッドドライバ124は、時間4t内に距離Xi×2分の印刷を行う。
従来のように基材20の移動速度が一定(標準速度)であるものとして印刷を行うと、時間4t内に距離Xi×2分の印刷を行うことになり、印刷速度に対して基材20の移動速度が速すぎてしまい、図6Bの図案F2のように縞模様の間隔が広くなる。なお、図案F2には単に縞模様の間隔が広くなったように図示しているが、実際には例えば印刷のムラなどが生じると考えられる。
すなわち、図6C下段に示すように何らかの理由で基材20の移動速度が速くなった場合(移動速度2Xi/3)、プリントヘッドドライバ124は、時間3t内に距離Xi×2分の印刷を行う。これにより、図6C上段の図案F3のように、誤差なく印刷図形を印刷することができる。
図7のフロー図は一例であり、例えば図7でロボットコントローラ106またはプリントヘッドドライバ124が行っている処理を、コンピュータ120が行うように構成してもよい。
コンピュータ120は、作業者から印刷指示情報が入力されると(ステップS700)、ロボットコントローラ106に対しては多関節ロボット104の動きに関する制御情報を、プリントヘッドドライバ124に対しては印刷図形の形状情報や基材20における印刷位置情報などを含む制御情報(印刷指示情報)を、それぞれ出力する(ステップS702)。
ロボットコントローラ106は、制御情報が入力されると(ステップS704)、多関節ロボット104を作動させ、基材20を印刷開始位置に移動させる(ステップS706)。印刷開始位置への移動が完了すると、ロボットコントローラ106はプリントヘッドドライバ124に対して移動完了信号を出力する(ステップS708)。
ロボットコントローラ106は、印刷開始信号が入力されると(ステップS714)、多関節ロボット104をステップS704で入力された制御情報に沿って移動させる(ステップS716)。そして、各移動軸のモータ105に取り付けられたエンコーダ50から出力される移動量情報に基づいてベース座標およびメカニカルインターフェース座標を算出し、算出した座標情報を距離算出用チップ122に出力する(ステップS718)。
プリントヘッドドライバ124は、ステップS709で入力された制御情報およびパルス信号に基づいてプリントヘッド102からのインクの吐出を制御する(ステップS726)。なお、印刷開始からごく短時間の間はパルス信号が入力されないので、制御情報のみを用いてプリントヘッド102を制御する。
また、印刷装置10は、作業点の位置が所定の単位距離変化するごとにパルス信号を出力するので、3次元空間内を移動する作業点に対して疑似的なエンコーダとして機能させることができる。
また、印刷装置10は、距離算出回路122Aおよびパルス生成回路122Bを単一の専用集積回路により構成したので、処理負荷の上昇による遅延を防止し、印刷精度を向上させる上で有利となる。
また、印刷装置10は、インクジェット式プリンタであるので、インクとして特殊な材質を用いることが可能であり、例えば基板上に回路を形成するなど図面印刷以外の用途に用いることが可能となる。
また、印刷装置10は、プリントヘッド102を固定し、基材20を動かしながら印刷するため、インクの吐出方向を安定させることができ、印刷品質を向上させることができる。
また、本実施の形態では、プリントヘッド102を移動不能に配置し、多関節ロボット104で基材20を移動させながら印刷を行ったが、これに限らず、基材20を移動不能に配置し、多関節ロボット104でプリントヘッド102を移動させながら印刷を行う、または基材20およびプリントヘッド102の両方を多関節ロボット104で移動させながら印刷を行うようにしてもよい。
Claims (5)
- 多関節ロボットを用いて被印刷体とプリントヘッドとの相対位置を変化させながら印刷を行う印刷装置であって、
前記多関節ロボットの移動方向および移動量を制御するロボット制御手段と、
前記多関節ロボットの移動軸毎に設けられ、それぞれの前記移動軸に沿った移動量を測定する複数の移動量測定手段と、
複数の前記移動量測定手段で測定された複数の前記移動量に基づいて、前記多関節ロボットの作業点の3次元空間上の移動距離を算出する移動距離算出手段と、
前記移動距離算出手段で算出された前記作業点の移動距離に応じたパルス信号を出力するパルス出力手段と、
印刷図形の形状情報と、前記被印刷体における印刷位置情報を含む印刷指示情報と、前記パルス信号とに基づいて、前記プリントヘッドによる印刷動作を制御するプリント制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。 - 前記パルス出力手段は、前記作業点の位置が所定の単位距離変化するごとに前記パルス信号を出力し、
前記プリント制御手段は、前記パルス信号に基づいて前記プリントヘッドに対する前記被印刷体の位置を検出する、
ことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。 - 前記移動距離算出手段および前記パルス出力手段は、単一の専用集積回路により構成される、
ことを特徴とする請求項1または2記載の印刷装置。 - 前記プリントヘッドは、前記印刷図形を形成するインクを前記被印刷体に対して吐出するインク吐出口を備え、
前記プリント制御手段は、前記プリントヘッドによる前記インクの吐出タイミングおよび吐出量を制御する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の印刷装置。 - 前記プリントヘッドは移動不能に配置されており、
前記多関節ロボットは、前記被印刷体を前記作業点に固定して保持しながら前記作業点を移動させることにより前記被印刷体とプリントヘッドとの相対位置を変化させる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の印刷装置。
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