以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態に係る構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、蓄電装置の説明のための図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。例えば、X軸方向が上下方向になってもかまわない。以下の図においても、同様である。
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。中でも、本実施の形態に係る蓄電装置1は、据置用の電源装置として好適に使用される。
まず、図1に示すように、蓄電装置1は、外装体本体100と前壁部200と上壁部300とからなる外装体10を備えている。また、図2に示すように、蓄電装置1は、外装体10の内方に、底面側配置部材20と、蓄電素子40と、端子側配置部材50と、バスバー60と、配線基板70と、計測基板81と、主回路基板82とを備えている。
外装体10は、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱型)の容器(モジュールケース)である。外装体10は、蓄電素子40や基板(配線基板70、計測基板81及び主回路基板82)などを所定の位置に配置し、蓄電素子40や当該基板などを衝撃などから保護する。外装体10は、例えば、アルミニウムや鉄等の金属などの剛性の高い材料により構成されている。なお、外装体10は、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の樹脂材料により構成されていてもかまわない。
ここで、外装体10は、外装体本体100と前壁部200と上壁部300とを有している。外装体本体100は、外装体10の本体を構成する部材であり、矩形状の底壁と、当該底壁から立設した3つの矩形状の側壁とを有している。外装体本体100は、板状の部材を折り曲げた形状を有している。また、前壁部200は、外装体10のもう1つの側壁を構成する矩形状かつ板状の部材である。つまり、外装体本体100と前壁部200とで、有底矩形筒状の部材を形成する。なお、外装体本体100及び前壁部200の構成の詳細については、後述する。
上壁部300は、外装体10の上壁(蓋)を構成する部材であり、外装体本体100及び前壁部200からなる有底矩形筒状の部材の開口を塞ぐ矩形状かつ板状の部材である。つまり、外装体本体100及び前壁部200の内方に、蓄電素子40や基板(配線基板70、計測基板81及び主回路基板82)等が配置された状態で、当該開口部が上壁部300で閉止される。
底面側配置部材20は、蓄電素子40の底面側に配置される扁平な矩形状の部材であり、蓄電素子40を下方から支持する。つまり、底面側配置部材20は、外装体本体100の底壁に載置されて当該底壁に取り付けられて固定され、蓄電素子40を外装体10に対して所定位置で支持する。
具体的には、底面側配置部材20は、絶縁性の材料により構成されており、上面に形成された凹部に蓄電素子40が挿入されて、蓄電素子40を外装体10内で固定する。このようにして、底面側配置部材20は、蓄電素子40が外装体10等の導電性の部材に接触することを回避するとともに、蓄電素子40等を振動や衝撃等から保護する。
なお、底面側配置部材20は、どのような絶縁性の材料で形成されていてもかまわないが、例えばガラス繊維によって強化されたポリブチレンテレフタレート(GF強化PBT)や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱性の高い樹脂で形成されるのが好ましい。これにより、蓄電素子40が発熱した場合でも、底面側配置部材20が損傷して他の蓄電素子40に影響を及ぼすのを抑制することができる。なお、蓄電素子40の絶縁性を確保できるのであれば、底面側配置部材20は、絶縁性の材料で形成されていなくともかまわない。
蓄電素子40は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。本実施の形態では、外装体10内に13個の蓄電素子40が収容されているが、空いたスペースにもう1つの蓄電素子40を追加して、14個の蓄電素子40が収容された構成でもかまわない。または、蓄電素子40の個数は、上記以外の複数個であってもかまわないし、1つの蓄電素子40しか収容されていない構成でもかまわない。また、蓄電素子40は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子40の構成の詳細については、後述する。
端子側配置部材50は、蓄電素子40の電極端子側に配置される扁平な矩形状の部材であり、蓄電素子40を上方から支持する。つまり、端子側配置部材50は、蓄電素子40の上方に配置されており、底面側配置部材20とともに、蓄電素子40を上下両側(Z軸方向)から挟み込むことで、蓄電素子40を外装体10に対して所定位置で支持する。
具体的には、端子側配置部材50は、絶縁性の材料により構成されており、下面に形成された凹部に蓄電素子40が挿入されて、蓄電素子40を外装体10内で固定する。このようにして、端子側配置部材50は、蓄電素子40が外装体10等の導電性の部材に接触することを回避するとともに、蓄電素子40等を振動や衝撃等から保護する。
また、端子側配置部材50には、バスバー60及び配線基板70が載置される。つまり、端子側配置部材50は、バスバー60及び配線基板70を蓄電素子40に取り付ける際の蓄電素子40に対する位置決めの機能も有する。なお、端子側配置部材50は、どのような絶縁性の材料で形成されていてもかまわないが、コスト面等から、例えばポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)またはABS樹脂等の樹脂で形成されるのが好ましい。なお、蓄電素子40やバスバー60等の絶縁性を確保できるのであれば、端子側配置部材50は、絶縁性の材料で形成されていなくともかまわない。
バスバー60は、端子側配置部材50の上方に配置され、複数の蓄電素子40同士を電気的に接続する金属など導電性の板状部材である。具体的には、バスバー60は、隣接する蓄電素子40において、一の蓄電素子40の正極端子または負極端子と、他の蓄電素子40の負極端子または正極端子とを接続する。本実施の形態では、バスバー60は、13個の蓄電素子40を直列に接続する。
配線基板70は、端子側配置部材50の上方に配置されている。また、蓄電素子40の電圧を検出するために、配線基板70は、蓄電装置1が備える蓄電素子40のうちの少なくとも1つの蓄電素子40の電極端子(本実施の形態では、全ての蓄電素子40の正極端子)に一端が接続された配線を有している。また、配線基板70は、矩形状を有しており、蓄電素子40の正極端子と負極端子との間に配置される。本実施の形態では、2枚の配線基板70が配置されているが、配線基板70の枚数は限定されない。また、配線基板70に代えて、ハーネス等を用いることもできるが、配線基板70を用いて電極端子と計測基板81とを接続することにより、配線の引き回しが容易となり、組付性が向上する。なお、配線基板70は、サーミスタを実装し、蓄電素子40の温度を検出することができる構成を有していてもかまわない。
計測基板81及び主回路基板82は、蓄電素子40と外装体10の側壁との間に配置され、かつ、蓄電装置1が備える蓄電素子40のうちの少なくとも1つの蓄電素子40と接続されて、蓄電素子40の状態を計測及び制御する基板である。具体的には、主回路基板82は、大電流が流れる主回路部品を実装した基板であり、蓄電素子40の容器の短側面に対向する外装体10の側壁の内面に固定される。また、計測基板81は、小電流が流れる周辺回路部品を実装した基板であり、蓄電素子40の容器の長側面に対向する外装体10の側壁の内面に固定される。この計測基板81及び主回路基板82の構成や配置位置等の詳細については、後述する。
次に、蓄電素子40の構成について、詳細に説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子40の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、蓄電素子40は、容器410、正極端子430及び負極端子440を備え、容器410は、容器蓋部420を備えている。
容器410は、金属からなる矩形筒状で底を備える筐体本体と、当該筐体本体の開口を閉塞する金属製の容器蓋部420とで構成されている。また、容器410は、電極体等を内部に収容後、容器蓋部420と筐体本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。このように、容器410は、同図のY軸方向両側の側面に長側面411を有し、X軸方向両側の側面に短側面412を有する直方体形状の容器である。なお、容器410の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼やアルミニウムなど溶接可能な金属であるのが好ましい。また、容器410内方には、電極体などが配置されているが、詳細な説明は省略する。
次に、計測基板81及び主回路基板82の構成について、詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る計測基板81及び主回路基板82の構成を示す斜視図である。
計測基板81は、蓄電素子40に接続され、蓄電素子40の電圧を計測したり、蓄電装置1外部との通信を行ったりする回路が実装された矩形状かつ平板形状の基板である。計測基板81は、配線基板70に接続されて、蓄電素子40の電圧を計測したり、他の蓄電装置1または外部の制御装置と接続されて、外部と情報のやり取りを行ったりする。つまり、計測基板81は、周辺回路部品が実装される基板であり、比較的小さい電流(小電流、第一電流ともいう)が流れる基板(第一基板)である。
また、主回路基板82は、蓄電素子40に接続され、蓄電素子40の充放電電流が流れる主回路部品が実装された矩形状かつ平板形状の基板である。例えば、主回路基板82は、蓄電素子40を充放電するための通電電流を調整したり遮断したりする。つまり、主回路基板82は、大電流経路上に位置する基板であり、上記の第一電流よりも大きい電流(大電流、第二電流ともいう)が流れる基板(第二基板)である。
ここで、同図に示すように、計測基板81は、上端部に3つの固定用開口部81aが形成され、下部のY軸方向マイナス側の面には通信用のコネクタ81b等が配置されている。また、計測基板81の上部と側部(X軸方向プラス側の端部)とには、配線基板70と接続されるコネクタ81cがそれぞれ配置されている。なお、固定用開口部81aは、本実施の形態では円形の貫通孔であるが、切り欠きなどであってもよく、また、固定用開口部81aの個数は、3つには限定されない。また、計測基板81は、コネクタ81bの他にも、Y軸方向マイナス側の面に部品が実装されているが、図示及び説明は省略する。
また、主回路基板82は、上端部に3つの固定用開口部82aが形成されている。なお、固定用開口部82aは、本実施の形態では円形の貫通孔であるが、切り欠きなどであってもよく、また、固定用開口部82aの個数は、3つには限定されない。また、主回路基板82は、X軸方向プラス側の面にCPU等の主回路部品が実装されているが、図示及び説明は省略する。なお、基板本体を蓄電素子40から遠ざけて配置することができるため、X軸方向プラス側の面に主回路部品を実装するのが好ましいが、X軸方向マイナス側の面に主回路部品を実装してもかまわない。
また、計測基板81と主回路基板82とは、基板対基板コネクタ83によって、直接連結されている。つまり、基板対基板コネクタ83のY軸方向プラス側の面と、計測基板81のY軸方向マイナス側の面とが接続され、基板対基板コネクタ83のX軸方向マイナス側の面と、主回路基板82のX軸方向プラス側の面とが接続される。これにより、計測基板81と主回路基板82とは、L字型に連結される。
このように、計測基板81と主回路基板82とが基板対基板コネクタ83で接続されることで、基板間の接続ハーネスが不要になるため、コスト低減を図ることができる。なお、計測基板81と主回路基板82とは、基板対基板コネクタ83ではなく接続ハーネスで接続される構成でもかまわない。
次に、外装体本体100及び前壁部200の構成について、詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る外装体本体100及び前壁部200の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、外装体本体100は、底壁110と、側壁120〜140とを備えている。また、底壁110の内面(Z軸方向プラス側の面)には、規制部150(規制部151及び152)が設けられており、側壁120の内面(X軸方向プラス側の面)には、固定部160が設けられている。また、前壁部200は、側壁210を備えており、側壁210の内面(Y軸方向プラス側の面)には、固定部220が設けられている。また、側壁210には、外部接続端子230が設けられ、さらに、複数のコネクタ用開口部250が形成されている。
底壁110は、外装体本体100の底部に配置される壁(Z軸方向マイナス側の壁)であり、矩形状かつ平板形状を有している。側壁120は、底壁110のX軸方向マイナス側の端縁から上方(Z軸方向プラス側)に向けて立設された、外装体本体100の側部に配置される壁であり、矩形状かつ平板形状を有している。側壁130は、底壁110のX軸方向プラス側の端縁から上方に向けて立設された、外装体本体100の側部に配置される壁であり、矩形状かつ平板形状を有している。側壁140は、底壁110のY軸方向プラス側の端縁から上方に向けて立設された、外装体本体100の側部に配置される壁であり、矩形状かつ平板形状を有している。
規制部150は、底壁110の内面に沿って設けられた長尺状の部材であり、本実施の形態では、4つの規制部150(2つの規制部151及び2つの規制部152)が設けられている。具体的には、2つの規制部151は、底壁110の内面及び側壁210の内面に沿って延びる長尺状の部材であり、2つの規制部152は、底壁110の内面及び側壁120の内面に沿って延びる長尺状の部材である。
ここで、規制部150は、同図に示すように、基部150aと、基部150aから上方(Z軸方向プラス側)に突出する突出部150b及び150cと、基部150aを支持する支持部150dとを有している。支持部150dは、基部150aの下方に配置された円柱形状の部位であり、基部150aは、2つの支持部150dに載置されて、底壁110の内面に沿って長尺状に延びている。また、突出部150b及び突出部150cは、基部150aの外縁に沿って平行に延び、突出部150b及び突出部150cの間に凹部が形成されている。なお、支持部150dの個数及び形状は、上記には限定されない。
この突出部150b及び突出部150cの間に形成された凹部に、計測基板81または主回路基板82が挿入される。つまり、当該凹部は、計測基板81または主回路基板82が底壁110に向けて抜き差し自在に挿入される凹部である。
固定部160は、側壁120の内面に設けられ、主回路基板82の端部を固定する部位である。具体的には、固定部160は、側壁120の内面の上部から突出して配置された円柱形状の部位であり、主回路基板82の上端部をネジ止めなどにより側壁120に固定する。
また、前壁部200の側壁210の内面に設けられた固定部220は、計測基板81の端部を固定する部位である。具体的には、固定部220は、側壁210の内面の上部から突出して配置された円柱形状の部位であり、計測基板81の上端部をネジ止めなどにより側壁210に固定する。
なお、本実施の形態では、規制部151及び152は2つずつ設けられているが、規制部151または152は、1つでもよいし、3つ以上設けられていてもかまわない。また、固定部160は、主回路基板82の上端部ではなく、主回路基板82の側端部(Y軸方向の端部)を固定する構成でもよく、固定部220は、計測基板81の上端部ではなく、計測基板81の側端部(X軸方向の端部)を固定する構成でもよい。また、本実施の形態では、固定部160及び220は、3つずつ設けられているが、固定部160または220は、1つまたは2つでもよいし、4つ以上設けられていてもかまわない。
また、規制部151及び152のいずれか一方が設けられていない構成でもかまわない。つまり、計測基板81及び主回路基板82の少なくとも一方の移動を規制する規制部150が設けられていればよい。同様に、固定部160及び220のいずれか一方が設けられていない構成でもかまわない。つまり、計測基板81及び主回路基板82の少なくとも一方を外装体10の内壁面に固定する固定部が設けられていればよい。
外部接続端子230は、蓄電装置1が外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電するための外部端子であり、蓄電装置1の外部の導電部材と接続される。つまり、蓄電装置1は、外部接続端子230を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。なお、外部接続端子230は、正極側の外部端子と負極側の外部端子とを有しているが、詳細な説明は省略する。
コネクタ用開口部250は、側壁210の下部に形成された矩形状の開口部であり、計測基板81に配置されたコネクタ81b等が挿入される。つまり、コネクタ用開口部250を介して、外部から計測基板81に配線を接続することができる。
なお、前壁部200の側壁210の外面に、取っ手が設けられていてもかまわない。これにより、蓄電装置1の取り外しや移動(持ち運び)などを容易に行うことができる。
次に、外装体本体100及び前壁部200に計測基板81及び主回路基板82が固定される構成について、詳細に説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る外装体本体100及び前壁部200に計測基板81及び主回路基板82が固定される構成を示す斜視図である。なお、外装体本体100及び前壁部200の内方には、底面側配置部材20、蓄電素子40、端子側配置部材50などが配置されているが、説明の便宜のため、これらは省略して図示している。
また、図7は、本発明の実施の形態に係る外装体本体100に主回路基板82が固定される構成を示す断面図である。具体的には、同図は、図6に示された構成をVII−VII線で切断した場合の断面図であり、図7の(a)は、外装体本体100の構成を示す断面図、図7の(b)は、主回路基板82が外装体本体100に配置された状態での断面図、図7の(c)は、主回路基板82が外装体本体100に固定された状態での断面図である。
まず、図6、図7の(a)及び(b)に示すように、外装体本体100の規制部152の突出部150b及び突出部150cの間に形成された凹部に、主回路基板82の下端部(Z軸方向マイナス側の端部)が挿入される。ここで、当該凹部は、基部150aと突出部150bと突出部150cとで囲まれた部分であり、主回路基板82は、下端部の端面が基部150aの上面に当接するまで、当該凹部に挿入される。
これにより、底壁110に沿った方向において、規制部152は、主回路基板82の移動を規制する。具体的には、規制部152は、底壁110に向かう方向(Z軸方向マイナス側)及び底壁110に沿った方向(X軸方向)において、主回路基板82に当接することで、主回路基板82の移動を規制する。
つまり、規制部152は、基部150aが主回路基板82の下端部の端面に当接することで、主回路基板82の底壁110に向かう方向への移動を規制する。また、規制部152は、突出部150bが主回路基板82の下端部の側面に当接することで、主回路基板82の底壁110に沿った方向、つまり側壁120側(X軸方向マイナス側)への移動を規制する。また、規制部152は、突出部150cが主回路基板82の下端部の側面に当接することで、主回路基板82の底壁110に沿った方向、つまり側壁130側(X軸方向プラス側)への移動を規制する。
また、計測基板81についても同様に、規制部151の突出部150b及び突出部150cの間に形成された凹部に、計測基板81の下端部が挿入される。そして、底壁110に沿った方向において、規制部151は、計測基板81の移動を規制する。つまり、規制部151は、底壁110に向かう方向(Z軸方向マイナス側)及び底壁110に沿った方向(Y軸方向プラス側及びマイナス側)において、計測基板81に当接することで、計測基板81の移動を規制する。
そして、図7の(c)に示すように、ネジ170が主回路基板82の固定用開口部82aに挿入されて、固定部160の雌ネジ部160aに対してネジ止めされることで、固定部160に主回路基板82が固定される。つまり、固定部160は、側壁120の内面において、主回路基板82の上端部の固定用開口部82aに対応する位置に設けられており、主回路基板82の下端部が規制部152の凹部に挿入された状態で、固定部160に主回路基板82の上端部が固定される。
また、計測基板81についても同様に、固定部220は、側壁210の内面において、計測基板81の上端部の固定用開口部81aに対応する位置に設けられており、計測基板81の下端部が規制部151の凹部に挿入された状態で、固定部220に計測基板81の上端部が固定される。
以上のようにして、主回路基板82は、規制部152と固定部160とによって、側壁120の内面に固定され、計測基板81は、規制部151と固定部220とによって、側壁210の内面に固定される。
次に、計測基板81及び主回路基板82の外装体10内の配置位置について、詳細に説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る計測基板81及び主回路基板82が外装体10内に配置された状態を示す斜視図である。具体的には、同図は、図1に示された蓄電装置1から、上壁部300を取り外した場合の状態を示す斜視図である。
また、図9は、本発明の実施の形態に係る計測基板81及び主回路基板82が外装体10内に配置された状態を、端子側配置部材50を省略して示す斜視図である。つまり、同図は、図8に示された状態から、端子側配置部材50を省略した場合の構成を示す斜視図である。なお、実際には端子側配置部材50を省略することはないが、同図では、説明の便宜のため、省略して図示している。
また、図10は、本発明の実施の形態に係る計測基板81及び主回路基板82が外装体10内に配置された状態を、端子側配置部材50を省略して示す平面図である。つまり、同図は、図9に示された状態を、Z軸方向プラス側から見た場合の構成を示す上面図である。
これらの図に示すように、計測基板81及び主回路基板82は、外装体10の内壁面に固定されている。つまり、計測基板81及び主回路基板82は、外装体10の側壁の内面に沿って配置されて、当該内面に固定されている。
具体的には、計測基板81(第一基板)は、前壁部200の側壁210の内面に沿って平行に配置(鉛直に配置、または底壁110に対して垂直に配置)され、当該内面に固定されている。また、主回路基板82(第二基板)は、外装体本体100の側壁120の内面に沿って平行に配置(鉛直に配置、または底壁110に対して垂直に配置)され、当該内面に固定されている。なお、計測基板81及び主回路基板82は、当該内面に略平行に配置されていればよい。
さらに具体的には、計測基板81は、蓄電素子40の容器410の長側面411に対向して配置され、主回路基板82は、長側面411とは異なる位置に対向して配置されている。つまり、主回路基板82は、蓄電素子40の容器410の短側面412に対向して配置されている。
言い換えれば、計測基板81は、外装体10の第一壁の内面に沿って配置され、主回路基板82は、外装体10の当該第一壁に隣接する第二壁の内面に沿って配置されている。つまり、計測基板81と主回路基板82とは、外装体10の隣り合う2つの壁の内面にそれぞれ沿って配置(固定)されている。
このように、蓄電素子40のX軸方向マイナス側とY軸方向マイナス側とには、スペースがL字型に形成されており、このL字型のスペースにL字型に形成された計測基板81及び主回路基板82が配置されている。なお、上述の通り、計測基板81及び主回路基板82の少なくとも一方が、外装体10の内壁面に固定されていればよい。
また、計測基板81は、配線基板70を介して蓄電素子40と接続されるとともに、主回路基板82と、外部機器とに接続される。つまり、配線基板70は、検出部71において、複数の蓄電素子40の正極端子430と接続され、計測基板81は、コネクタ81cを介して配線72によって、配線基板70と接続されている。また、計測基板81は、主回路基板82と、基板対基板コネクタ83によって接続されている。また、計測基板81は、前壁部200のコネクタ用開口部250及びコネクタ81bを介して、外部機器と接続される。
また、主回路基板82は、蓄電素子40と、外部接続端子230と、計測基板81とに接続されている。つまり、第一配線61によって、外部接続端子230の正極側の外部端子と、端部の蓄電素子40の正極端子430とが接続され、バスバー60及び第二配線62によって、隣接する蓄電素子40の負極端子440と正極端子430とが接続されている。また、第三配線63によって、端部の蓄電素子40の負極端子440と主回路基板82とが接続され、第四配線64によって、主回路基板82と、外部接続端子230の負極側の外部端子とが接続されている。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、第一基板としての計測基板81と、第二基板としての主回路基板82とを備えており、第一基板は蓄電素子40の容器410の長側面411に対向して配置され、第一基板よりも大きい電流が流れる第二基板は、長側面411とは異なる位置に対向して配置される。つまり、蓄電素子40は、一般的に容器410の長側面411側から多くの熱を発するため、長側面411側には、流れる電流が小さく発熱しにくい第一基板を配置し、長側面411と異なる側に、大きな電流が流れて発熱しやすい第二基板を配置して、第二基板が蓄電素子40からの熱でさらに発熱するのを抑制する。このように、蓄電素子40からの熱が及ぼす影響の大小を考慮して第一基板と第二基板とを配置することで、蓄電素子40による基板への影響を抑制することができる。
また、蓄電装置1において、第二基板は、蓄電素子40の容器410の短側面412に対向して配置される。つまり、第一基板は、蓄電素子40の容器410の長側面411側に配置され、第二基板は、蓄電素子40の容器410の短側面412側に配置される。これにより、蓄電素子40の容器410の長側面411側及び短側面412側のデッドスペースを活用して、2つの基板を配置することができるため、蓄電装置1の小型化を図ることができる。
また、2つの基板は、外装体10の隣接する2つの壁の内面に沿って配置される。これにより、外装体10内で蓄電素子40を隅に寄せて、空いたスペースを活用して、2つの基板を配置することができるため、蓄電装置1の小型化を図ることができる。つまり、本実施の形態では、蓄電素子40のX軸方向マイナス側とY軸方向マイナス側とに、L字型のデッドスペースが形成されているため、このL字型のデッドスペースにL字型に形成された計測基板81及び主回路基板82を配置することができている。このように、蓄電装置1内方のデッドスペースを有効に活用して、蓄電装置1の小型化を図ることができている。また、2つの基板間の距離を短くすることができるため、2つの基板を基板対基板コネクタ83で直接連結するなど、低コストで簡易に2つの基板を接続することができる。
また、2つの基板のうち少なくとも一方は、外装体10の内壁面に固定されるため、蓄電素子40から離れて配置されることになる。このため、蓄電素子40からの熱が基板に伝わって当該基板に影響を及ぼすのを抑制することができ、また、蓄電素子40から流れる電流によって基板内の回路にノイズが発生するのを抑制することができる。これにより、蓄電装置1によれば、蓄電素子40による基板への影響を抑制することができる。
また、基板を外装体10の側壁の内面に沿って配置することで、当該基板が鉛直方向に向くため、例えば蓄電装置1を砂埃等の埃が多い場所で使用する場合でも、埃が当該基板上にたまるのを抑制することができる。
また、基板を外装体10の上面や底面に取り付ける場合には、高さ方向に当該基板を配置するスペースを確保する必要があるが、当該基板を外装体10の側面に取り付ける場合には、蓄電素子40の側方のデッドスペースを活用して当該基板を配置することができる。このため、蓄電装置1において、当該基板は、外装体10の側壁の内面に固定されるため、蓄電素子40の側方のデッドスペースを有効に活用して、蓄電装置1の小型化を図ることができる。
また、蓄電装置1において、外装体10の側壁120、210内面の固定部160、220で当該基板の端部を固定するため、当該基板内の電子部品の配置の妨げになることなく、当該基板を側壁に確実に固定することができる。
また、蓄電装置1において、外装体10の底壁110内面の規制部150で、底壁110に沿った方向における2つの基板のうち少なくとも一方の移動を規制する。つまり、基板の底壁110側の端部において当該基板を位置決めすることができるため、容易に基板を外装体10に固定することができる。
また、規制部150には凹部が形成され、当該凹部に基板が抜き差し自在に挿入される。このため、規制部150を、凹部という単純な形状で構成することができるため、容易に作製することができる。また、当該基板を当該凹部に差し込むだけでよいため、当該基板を容易に取り付けることができ、また、取り外しも容易に行うことができる。特に、蓄電装置1内に蓄電素子40を収容した状態で、当該基板の取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、上記実施の形態に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、計測基板81は、蓄電素子40の容器410の長側面411に対向して配置された側壁210に固定されていることとした。しかし、外装体10の側壁140も当該長側面411に対向して配置されているため、計測基板81は、この側壁140に固定されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、主回路基板82は、蓄電素子40の容器410の短側面412に対向して配置された側壁120に固定されていることとした。しかし、外装体10の側壁130も当該短側面412に対向して配置されているため、主回路基板82は、この側壁130に固定されていることにしてもよい。または、主回路基板82は、外装体10の上壁部300または外装体本体100の底壁110に固定されることにしてもよい。つまり、主回路基板82は、蓄電素子40の容器410の長側面411とは異なる位置に対向して配置されていればよい。
また、上記実施の形態では、規制部150は、外装体10の底壁110に設けられ、固定部160、220は、側壁120、210に設けられていることとしたが、規制部150及び固定部160、220は、計測基板81及び主回路基板82を所望の位置に取り付け可能であれば、どの壁に設けられていてもかまわない。
また、上記実施の形態では、規制部150は、計測基板81及び主回路基板82の下端部に当接して移動を規制する位置に設けられ、固定部220、160は、計測基板81及び主回路基板82の上端部に設けられていることとした。しかし、規制部150及び固定部220、160の位置は、特に限定されない。つまり、規制部150は、計測基板81及び主回路基板82の下端部ではなく、上端部、側端部または中央部分などに当接して移動を規制する位置に設けられていてもよい。また、固定部220、160は、計測基板81及び主回路基板82の上端部ではなく、下端部、側端部または中央部分などを固定する位置に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態では、規制部150は、凹部を有し、計測基板81及び主回路基板82の移動を規制することとした。しかし、規制部150の形状は凹部には限定されず、計測基板81または主回路基板82の端部に当接する突起などであってもかまわない。または、規制部150が設けられていない構成でもかまわない。
また、上記実施の形態では、計測基板81及び主回路基板82は、外装体10の内壁面に固定されることとしたが、これらの基板は、外装体10以外の部材(例えば、底面側配置部材20や端子側配置部材50など)に固定されている構成でもかまわない。
また、上記実施の形態では、計測基板81及び主回路基板82は、L字型に配置された2枚の基板であることとしたが、一体に形成されていてもよい。例えば、計測基板81及び主回路基板82は、L字型に形成された一枚の基板で構成されていてもよし、一枚のフレキシブル基板がL字型に折り曲げられた構成であってもかまわない。
また、上記実施の形態では、配線基板70は、端子側配置部材50の上方に配置されることとしたが、配線基板70についても、計測基板81と同様の位置など、外装体10の内壁面に固定される構成でもかまわない。