JP2017014086A - グラフェン形成方法および装置 - Google Patents

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一暁 古川
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浩樹 日比野
浩 池上
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浩 池上
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正和 服部
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Abstract

【課題】損傷など与えることなく、様々な基板の上に直接にグラフェンのパターンが形成できるようにする。
【解決手段】まず、第1工程S101で、基板の上に炭素を含む化合物のプラズマを供給する(プラズマ供給工程)。また、第2工程102で、プラズマが供給されている基板の表面のグラフェン形成領域にレーザーを照射する(レーザー照射工程)。これらのことにより、基板の表面のグラフェン形成領域にグラフェンを形成する。炭素を含む化合物は、CH4であればよい。プラズマは、CH4とArとの混合ガスより生成したものであれば良い。基板のグラフェン形成領域の表面は、照射するレーザーを吸収する材料から構成されていると良い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、グラフェンのパターンを形成するグラフェン形成方法および装置に関する。
グラフェンは、2次元高電子移動度特性を有する単層グラファイトであり、ナノ構造加工や積層の差違によって半導体および金属の両特性が得られることから、ポストSi世代の超微細・高速電子デバイス材料の最有力候補として期待されている。さらに、炭素材特有の化学反応特性を利用した化学センサー、高強度特性を利用したMEMSセンサー、低屈折率光学特性を利用した透明電極などへの適用も期待されており、これらの素子を実装した新機能デバイスが実現できる可能性もある。
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上述したようなグラフェンによるデバイスの実現においては、所望とした形状のグラフェンパターンの形成が重要となる。このようなパターン形成では、よく知られたリソグラフィー技術が用いられている(非特許文献1参照)。一般的に、電子デバイスにおける微細加工には、レジストマスクを用いたリソグラフィープロセスが用いられる。リソグラフィープロセスによりグラフェンを微細加工する場合、最終的に有機溶剤による溶解などによりレジストパターンを除去している。
グラフェンは厚さが原子層1層分しかないことから、表面の汚染はグラフェンの導電特性に大きく影響する。従って、グラフェンをデバイス化する場合、レジストの完全な除去が、デバイスの安定動作のために重要な工程となっている。しかしながら、グラフェンは、レジストの主成分と同様の炭素から構成されているため、レジストのみを選択的に除去することは容易ではない。また、超音波照射下での溶解などの過剰な洗浄プロセスは、基板からのグラフェンの剥離やグラフェン構造の一部の酸化など、グラフェン自体の構造を破壊する問題を含んでいる。また、レジストを除去するためのアッシングなどのプロセスは、同時にグラフェンを損傷させるため、用いることが不可能である。
一方で、無機系の材料をマスクとして所望の薄膜に微細加工を施す方法がある。この方法では、有機系レジストマスクと無機系マスクとの積層構造が用いられている。この方法では、最上層の有機系レジストマスクをリソグラフィー工程によりパターニングし、反応性イオンエッチング法などにより下層の無機系マスクをパターニングする。次に、無機系マスクを用いたパターニングにより、所望の形状のグラフェンパターンを得る。
この無機系マスクを用いる方法は、加工を施す薄膜と無機系マスクに加工選択性がある場合に有用であり特に微細、高アスペクト加工を行う際に有用な技術とされる。しかしながらこの方法においても、加工対象がグラフェンの場合、無機系マスクを除去する際にグラフェンが除去されるといった問題が生じる。
また、一般に、グラフェン形成においては、CuやNiなどの触媒金属層の上にグラフェンを成長している(非特許文献2参照)。このため、グラフェンをSiO2などの他の材料の層の上に直接形成することが容易ではない。このような場合、形成してあるグラフェンを所望とする基板の上に転写している(非特許文献3参照)。しかしながら、転写時に損傷が生じることが問題となる。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、損傷など与えることなく、様々な基板の上に直接的にグラフェンのパターンが形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係るグラフェン形成方法は、基板の上に炭素を含む化合物のプラズマを供給するプラズマ供給工程と、プラズマが供給されている基板の表面のグラフェン形成領域にレーザーを照射するレーザー照射工程とを備え、基板の表面のグラフェン形成領域にグラフェンを形成する。
上記グラフェン形成方法において、化合物は、CH4であればよい。
また、本発明に係るグラフェン形成装置は、処理室と、処理室内に配置された基板を載置するステージと、ステージの上に載置された基板の表面に炭素を含む化合物のプラズマを供給するプラズマ供給手段と、プラズマが供給されている基板の表面のグラフェン形成領域にレーザーを照射するレーザー照射手段とを備える。
上記グラフェン形成装置において、レーザー照射手段は、レーザー光源と、ステージをステージの平面方向に移動させるステージ駆動手段とを備え、ステージ駆動手段によりレーザー光源より出射されたレーザーの照射位置と基板との相対位置を変位させることで、基板の表面のグラフェン形成領域にレーザーを照射する。
上記グラフェン形成装置において、プラズマ供給手段は、CH4のプラズマを供給する。
以上説明したことにより、本発明によれば、損傷など与えることなく、様々な基板の上に直接的にグラフェンのパターンが形成できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態におけるグラフェン形成方法を説明するためのフローチャートである。 図2は、本発明の実施の形態におけるグラフェン形成装置の構成を示す構成図である。 図3は、プラズマ供給部221の構成例を示す構成図である。 図4は、実施例1の試料基板1に形成したグラフェンパターンのラマンスペクトル測定結果を示す特性図である。 図5は、実施例1の試料基板1のグラフェンパターン以外の領域のラマンスペクトル測定結果を示す特性図である。 図6は、実施例2の試料基板3に形成したグラフェンパターンのラマンスペクトル測定結果を示す特性図である。 図7は、実施例2の試料基板3のグラフェンパターン以外の領域のラマンスペクトル測定結果を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるグラフェン形成方法を説明するためのフローチャートである。
まず、第1工程S101で、基板の上に炭素を含む化合物のプラズマを供給する(プラズマ供給工程)。上記プラズマに基板が晒されている状態としても良い。また、第2工程102で、プラズマが供給されている基板の表面のグラフェン形成領域にレーザーを照射する(レーザー照射工程)。これらのことにより、基板の表面のグラフェン形成領域にグラフェンを形成する。なお、グラフェン形成領域にレーザーを照射している状態で、この領域に炭素を含む化合物のプラズマを供給するようにしても良い。
例えば、炭素を含む化合物は、CH4であればよい。また、プラズマは、CH4とArとの混合ガスより生成したものであれば良い。また、Arの代わりにHeを用いても良い。ここで、プラズマの供給は、減圧雰囲気で実施する必要は無く、大気雰囲気で実施可能である。また、基板のグラフェン形成領域の表面は、照射するレーザーを吸収する材料から構成されていると良い。言い換えると、グラフェン形成領域における基板表面を構成する材料が吸収する波長のレーザーを照射すれば良い。
なお、プラズマが供給(照射)されている状態の基板(グラフェン形成領域)の温度は、プラズマの供給のみでは堆積などが起きず、レーザーの照射との組み合わせで初めてグラフェンが形成される温度範囲とするとよい。同様に、プラズマ生成のために供給する炭素を含む化合物のガス濃度(分圧)も、基板上へのプラズマ供給のみでは堆積などが起きず、レーザーの照射との組み合わせで初めてグラフェンが形成される範囲とするとよい。また、上記温度は、炭素を含む化合物が基板に吸着しにくい温度とするとよい。また、処理における基板の温度は、基板に対して損傷を与えない範囲とすることが重要である。
次に、グラフェン形成装置について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態におけるグラフェン形成装置の構成を示す構成図である。この装置は、まず、処理室201,ステージ202,ヒータ203,ステージ駆動部204,光源205,ビーム形状制御部206,全反射ミラー207,半反射ミラー208,集光レンズ209を備える。
また、この装置は、照明部211,撮像部212,半反射ミラー213,全反射ミラー214を備える。また、この装置は、プラズマ供給部221,パージガス供給部222,排気装置223,電源部224,および制御部231を備える。
ステージ202は、基板251を載置し、ステージ駆動部204により基板251の平面方向(xy方向)に移動可能とされている。また、ステージ202に載置される基板251は、内蔵されているヒータ203により加熱可能とされている。
光源205は、例えば、波長248nmのパルスレーザーを出力するKrFエキシマレーザー光源であり、また、出射するパルスレーザーのパルス幅は50nsである。光源205より出力されたパルスレーザーは、ビーム形状制御部206によりビーム形状が制御される。ビーム形状制御部206には、XYスリット,原版に石英などの透明基材を用いたフォトマスク,金属マスク,あるいは回折光学素子などを用いることができる。また2光束干渉方式などで照射面上に描画を行っても良い。また、ビーム形状が制御されたパルスレーザーは、全反射ミラー207,半反射ミラー208を反射し、集光レンズ209により集光され、光学窓210を透過して基板251の上の所望の箇所に照射(投影)される。
また、基板251のパルスレーザーが照射される照射箇所は、照明部211による照明光により照明され、この状態が撮像部212で撮像され、表示部(不図示)に利用者視認可能に表示される。照明部211による照明光は、半反射ミラー213で反射され、半反射ミラー208を透過し、集光レンズ209で集光されて照射箇所を照明する。また、基板251の照射箇所の像は、光学窓210,集光レンズ209,半反射ミラー208,半反射ミラー213を透過し、全反射ミラー214を反射して撮像部212で撮像される。
撮像部212は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー(不図示)を備え、受光面に結像した像を光電変換して電子画像とする。撮像部212によって得られた照射箇所の電子画像が、表示部に表示される。このような観察系を用い、ステージ202に載置された基板251の照射箇所の画像を観察し、得られる画像の結像状態を用い、ステージ202の高さを調整し、照射されるパルスレーザーの結像位置を調整する。
また、ステージ202をxy方向の所望の箇所に移動させることで、基板251の所望とする照射箇所(グラフェン形成領域)にパルスレーザーを照射させることができる。ステージ202,光源205,ビーム形状制御部206,および反射ミラーなどの光学系によりパルスレーザー照射手段が構成されている。
処理室201の内部は、密閉可能とされている。処理室201の内部は、排気装置223により排気可能とされ、処理室201内を所望とする圧力にすることを可能としている。また、処理室201の内部には、パージガス供給部222によりアルゴンなどの不活性ガスが供給可能とされている。例えば、処理室201の内部の大気を排気装置223により排気し、パージガス供給部222より供給する不活性ガスでパージすることができる。なお、図2では省略しているが、処理室201は、基板251を搬入・搬出するためのゲートバルブを備えている。
プラズマ供給部221は、ステージ202の上に載置された基板251の表面に、CH4などの炭素を含む化合物とアルゴンとの混合ガスのプラズマを供給する。基板251の上に供給するCH4などの炭素を含む化合物のプラズマの量の制御と、安定したプラズマ生成のため、Arガスを加えて希釈した混合ガスを用いる。
プラズマ供給部221は、図3に例示するように、電極225a,225bを備え、電源部224より電源(AC8.5kV)が供給されている電極225aと電極225bとの間に生じたグロー放電により、導入されるガスよりプラズマを生成し、吐出部226より供給する。この場合、生成されたプラズマは高温状態であり、吐出部226から大気圧状態とされた大気雰囲気の処理室201内へ吐出されたプラズマは、温度が急激に低下する。
高温のプラズマが基板251表面に触れると表面に損傷を与えるなど問題となる場合があるため、吐出部226と基板251表面との間隔を、プラズマの温度が十分に低下する1mm以上とする。例えば、40℃程度となっていれば良い。また、吐出部226より離れすぎると、プラズマの密度が低下するため、高密度のプラズマを供給するために、吐出部226と基板251表面との間隔は4mm以下とする。
ステージ駆動部204,光源205,ビーム形状制御部206,およびプラズマ供給部221の上述した動作は、制御部231により制御されている。制御部231は、設定された設定値を基に、光源205,ビーム形状制御部206を制御し、照射箇所に照射されるパルスレーザーの条件を変更する。
また、制御部231は、設定された設定値を基にステージ駆動部204の動作を制御してステージ202を移動させ、基板251上のレーザー照射箇所を移動させて所望のパターン形状の描画を行う。例えば、上述した観察系による所定の位置合わせマークの検出と、検出した位置合わせマークを座標基準とした設定されているグラフェン形成領域の座標値によるステージ駆動部204によるステージ202の駆動とにより、グラフェン形成領域のみにレーザー照射を行えば良い。これらの動作は、よく知られた電子線露光装置などと同様である。
上述した装置により、プラズマ供給部221よりプラズマが供給されている基板251表面のグラフェン形成領域に、ステージ駆動部204や光源205によるレーザー照射手段でレーザー光を照射することで、グラフェン形成領域のみにグラフェンが成長する。レーザー照射とステージ移動を制御することにより、基板251の所望の箇所に、任意の形状のグラフェンパターンを得ることができる。なお、ステージの移動ではなく、レーザーの照射位置を変位させるようにしてもよい。
[実施例1]
次に、実施例について説明する。はじめに、実施例1について説明する。実施例1では、図2を用いて説明したグラフェン形成装置を用い、SiO2層の上にグラフェンのパターンを形成した。まず、シリコン基板を用意し、用意したシリコン基板の表面にSiO2層を形成する。ここで、厚さ100nmのSiO2層を形成したシリコン基板(試料基板1)および厚さ20nmのSiO2層を形成したシリコン基板(試料基板2)を作製した。シリコン基板は、波長248nmのレーザーを吸収する。
次に、レーザー照射条件について説明する。まず、照射領域(グラフェン形成領域)は、350μm×350μmとした。また、単位面積当たりの照射量は、0.15J/cm2,0.25J/cm2,0.5J/cm2の各条件とした。また、照射回数は、100,200,500,1000,3000,5000,10000,20000,30000の各条件とした。また、プラズマ生成の条件は、CH4濃度を1体積%としたArとの混合ガスを、10L/minでプラズマ供給部221に導入し、電極225a,225bへの印加電圧8.5kVとした。
また、処理室201内部は、大気雰囲気とした。また、基板温度条件は、室温(25℃程度)とした。なお、プラズマを供給している基板表面の温度を、サーモグラフィーで測定したところ、25〜45℃の範囲で温度が分布していた。
上述した各条件で試料基板1および試料基板2に対してグラフェンパターン形成の実験を実施した結果、照射量0.25J/cm2、照射回数3000〜20000の条件で、レーザー照射領域のみにグラフェンが形成された。照射量0.25J/cm2、照射回数10000の条件で、試料基板1に形成したグラフェンパターンのラマンスペクトル測定結果を図4に示す。図4に示すように、グラフェンが形成されていることを示すGおよび2Dバンドピークが観測された。一方、同一の照射領域(グラフェン形成領域)以外のグラフェンが形成されていない領域においては、図5に示すように、炭素sp2混成軌道による結合とsp3混成軌道による結合の混在を示すラマンスペクトルが観測された。
また、照射量0.5J/cm2の条件では、SiO2層に損傷が生じていた。また、照射量0.25J/cm2の条件においても、厚さが20nmのSiO2層(試料基板2)には、損傷が生じていた。なお、照射量0.15J/cm2の条件では、試料基板1,試料基板2のいずれにおいても、照射領域におけるグラフェンの形成は確認されなかった。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。実施例2では、図2を用いて説明したグラフェン形成装置を用い、Cu基板の上にグラフェンのパターンを形成した。まず、薄いCu基板用意して試料基板3とする。Cu基板は、波長248nmのレーザーを吸収する。
次に、レーザー照射条件について説明する。まず、照射領域(グラフェン形成領域)は、350μm×350μmとした。また、単位面積当たりの照射量は、0.15J/cm2,0.25J/cm2,0.5J/cm2,1J/cm2,1.5J/cm2の各条件とした。また、照射回数は、100,200,500,1000,3000,5000,10000,20000,30000の各条件とした。また、プラズマ生成の条件は、CH4濃度を1体積%としたArとの混合ガスを、10L/minでプラズマ供給部221に導入し、電極225a,225bへの印加電圧8.5kVとした。
また、処理室201内部は、大気雰囲気とした。また、基板温度条件は、室温(25℃程度)とした。なお、プラズマを供給している基板表面の温度を、サーモグラフィーで測定したところ、25〜45℃の範囲で温度が分布していた。
上述した各条件で試料基板3に対してグラフェンパターン形成の実験を実施した結果、照射量0.25J/cm2,0.5J/cm2、照射回数5000〜20000の条件で、レーザー照射領域のみにグラフェンが形成された。照射量0.25J/cm2、照射回数50000の条件で、試料基板3に対して形成したグラフェンパターンのラマンスペクトル測定結果を図6に示す。図6に示すように、グラフェンが形成されていることを示すGおよび2Dバンドピークが観測された。一方、同一の照射領域(グラフェン形成領域)以外のグラフェンが形成されていない領域においては、図7に示すように、炭素sp2混成軌道による結合とsp3混成軌道による結合の混在を示すラマンスペクトルが観測された。
また、照射量1J/cm2の条件では、Cu基板に損傷が生じていた。また、照射量0.25J/cm2,0.5J/cm2の条件においても、照射回数30000の条件では、Cu基板に損傷が生じていた。なお、照射量0.15J/cm2の条件では、照射領域におけるグラフェンの形成は確認されなかった。
以上に説明したように、本発明によれば、炭素を含む化合物のプラズマが供給されている基板の表面のグラフェン形成領域にレーザーを照射するようにしたので、損傷など与えることなく、様々な基板の上に直接的にグラフェンのパターンが形成できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、プラズマの生成は、グロー放電によるものに限らず、高周波により生成したプラズマや、電子サイクロトロン共鳴により生成したプラズマなど、どのように生成したプラズマであってもよい。
また、炭素を含む化合物は、CH4に限らず、いわゆる触媒金属法で用いられる炭素化合物であってもよい。また、グラフェンパターンの形成条件は、上述した範囲に限定されるものではなく、用いる基板材料,炭素を含む化合物、プラズマ生成条件などに適合させて適宜に設定すれば良い。
201…処理室、202…ステージ、203…ヒータ、204…ステージ駆動部、205…光源、206…ビーム形状制御部、207…全反射ミラー、208…半反射ミラー、209…集光レンズ、210…光学窓、211…照明部、212…撮像部、213…半反射ミラー、214…全反射ミラー、221…プラズマ供給部、222…パージガス供給部、223…排気装置、224…電源部、225a,225b…電極、226…吐出部、231…制御部、251…基板。

Claims (5)

  1. 基板の上に炭素を含む化合物のプラズマを供給するプラズマ供給工程と、
    前記プラズマが供給されている前記基板の表面のグラフェン形成領域にレーザーを照射するレーザー照射工程と
    を備え、
    前記基板の表面の前記グラフェン形成領域にグラフェンを形成する
    ことを特徴とするグラフェン形成方法。
  2. 請求項1記載のグラフェン形成方法において、
    前記化合物は、CH4であることを特徴とするグラフェン形成方法。
  3. 処理室と、
    前記処理室内に配置された基板を載置するステージと、
    前記ステージの上に載置された前記基板の表面に炭素を含む化合物のプラズマを供給するプラズマ供給手段と、
    前記プラズマが供給されている前記基板の表面のグラフェン形成領域にレーザーを照射するレーザー照射手段と
    を備えることを特徴とするグラフェン形成装置。
  4. 請求項3記載のグラフェン形成装置において、
    前記レーザー照射手段は、
    レーザー光源と、前記ステージを前記ステージの平面方向に移動させるステージ駆動手段とを備え、
    前記ステージ駆動手段により前記レーザー光源より出射されたレーザーの照射位置と前記基板との相対位置を変位させることで、前記基板の表面のグラフェン形成領域にレーザーを照射する
    ことを特徴とするグラフェン形成装置。
  5. 請求項3または4記載のグラフェン形成装置において、
    前記プラズマ供給手段は、CH4のプラズマを供給することを特徴とするグラフェン形成装置。
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CN115092913B (zh) * 2021-09-29 2023-09-19 云南华谱量子材料有限公司 一种超短脉冲激光诱导裂解制备石墨烯量子材料的技术与装置

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