JP2017013561A - 車両用のヒートポンプシステム - Google Patents

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修司 熊本
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Abstract

【課題】圧縮機の吸入圧を調節し効率の良い適切な圧縮比を保って運転することにより、圧縮機の消費電力を低減し、サイクル効率を改善することのできる車両用のヒートポンプシステムを提供する。
【解決手段】ヒートポンプシステム100は、冷却水流路31と、冷媒流路11と、コンプレッサ13と、インナーコンデンサ14と、チラー16と、を備える。冷媒流路11には、インナーコンデンサ14とチラー16との間に、インナーコンデンサ14を通過した冷媒が流通する第1膨張弁18が設けられ、チラー16とコンプレッサ13との間に、チラー16を通過した冷媒が流通する第2膨張弁21が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は車両用のヒートポンプシステムに関するものである。
特許文献1には、エンジンの冷却水より吸熱し、暖房を行うヒートポンプサイクルが開示されている。
特開2013−139251号公報
しかしながら、特許文献1のヒートポンプサイクルには、圧縮機の上流に膨張弁が設けられていない。このため、冷媒がエンジンの冷却水から吸熱した際に、圧縮機の吸入圧が高くなって効率の低下する低圧縮比で圧縮機が運転する場合がある。このような場合には、圧縮機は、効率の良い適切な圧縮比を保って運転できなくなるので、消費電力が増加してサイクル効率が悪化するおそれがある。
本発明はこのような問題を解決するために発明されたもので、圧縮機の吸入圧を調節し効率の良い適切な圧縮比を保って運転することにより、圧縮機の消費電力を低減し、サイクル効率を改善することのできる車両用のヒートポンプシステムを提供することを目的とする。
本発明のある態様に係る駆動源の熱を用いて車室内に導かれる空気を加熱可能な車両用のヒートポンプシステムは、駆動源を冷却する又は排熱を吸熱する冷却水が流通する駆動源冷却水流路と、冷媒が流通する冷媒流路と、冷媒流路を流通する冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、駆動源冷却水流路の冷却水と冷媒流路の冷媒との間で熱交換を行う水冷媒熱交換器と、を備える。冷媒流路には、凝縮器と水冷媒熱交換器との間に、凝縮器を通過した冷媒が流通する第1膨張弁が設けられ、水冷媒熱交換器と圧縮機との間に、水冷媒熱交換器を通過した冷媒が流通する第2膨張弁が設けられる。
このような態様によれば、冷媒流路には、水冷媒熱交換器と圧縮機との間に、水冷媒熱交換器を通過した冷媒が流通する第2膨張弁が設けられるので、圧縮機の吸入圧を第2膨張弁によって調節することができる。その結果、圧縮機は、第2膨張弁によって吸入圧を調節し効率の良い適切な圧縮比に保って運転することができるので、圧縮機の消費電力を低減し、サイクル効率を改善することができる。
本発明の第1実施形態に係るヒートポンプシステムの構成図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムのコントローラの空調制御に関する電気回路のブロック図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムの冷房モードについて説明する図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムの外気吸熱ヒートポンプモードについて説明する図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムのエンジン放熱暖房モードについて説明する図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムのエンジン吸熱ヒートポンプモードについて説明する図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムのコントローラが実行する空調運転モードの選択制御を説明するフローチャートである。 コントローラがエンジン吸熱ヒートポンプモードを選択したときの第2膨張弁の開度を調節するためのフローチャートである。 エンジン冷却水温度と外気温に基づいて各空調運転モードを選択するためのグラフである。 エンジン冷却水温度と必要吹出し温度に基づいて各空調運転モードを選択するためのグラフである。 コンプレッサ圧縮比とコンプレッサの消費電力との関係を示すグラフである。 コンプレッサ圧縮比とコンプレッサ効率との関係を示すグラフである。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムの第1変形例の構成図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムの第2変形例の構成図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムの第3変形例の構成図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムの第4変形例の構成図である。 第1実施形態に係るヒートポンプシステムの第5変形例の構成図である。 第2実施形態に係るヒートポンプシステムの概略構成図である。 第2実施形態に係るヒートポンプシステムの冷房モードについて説明する図である。 第2実施形態に係るヒートポンプシステムのエンジン放熱暖房モードについて説明する図である。 第2実施形態に係るヒートポンプシステムのエンジン吸熱ヒートポンプモードについて説明する図である。 第2実施形態に係るヒートポンプシステムのコントローラが実行する空調運転モードの選択制御を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1から図17を参照して、本発明の第1実施形態のヒートポンプシステム100について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るヒートポンプシステム100の概略構成図である。
車両用のヒートポンプシステム100は、冷凍サイクル1と、エンジン冷却水回路3と、から構成される。
冷凍サイクル1は、冷媒が流れる冷媒流路11と、冷媒流路11上に設けられるアキュムレータ12と、冷媒を圧縮するコンプレッサ13と、冷媒の熱を放出するインナーコンデンサ14と、外気と熱交換を行う室外熱交換器15と、エンジン冷却水回路3の冷却水と熱交換を行うチラー16と、冷媒に熱を吸収させるエバポレータ17と、を備える。冷媒には、例えばHFC−134aが用いられる。
アキュムレータ12は、冷媒流路11を流れる冷媒を、気相冷媒と液相冷媒とに気液分離する。アキュムレータ12からは、分離した気相冷媒のみがコンプレッサ13へと流される。
コンプレッサ13は、アキュムレータ12を通過した後の冷媒を吸入し圧縮する。コンプレッサ13は、例えば内部のモータの周波数設定に応じて回転数が変化するベーン型の回転数可変型の圧縮機である。なお、コンプレッサ13には、スクロール型の圧縮機を用いてもよい。気相冷媒は、コンプレッサ13によって圧縮されることで高温高圧になる。
インナーコンデンサ14は、コンプレッサ13を通過した後の冷媒を凝縮させる凝縮器である。インナーコンデンサ14は、コンプレッサ13によって高温高圧になった冷媒の熱を用いて内部に導入した他の流体を加熱する。他の流体は、例えば車室内に導かれる空気である。なお、インナーコンデンサ14は、車室内に導かれる空気を直接加熱する態様に限らず、冷却水等を介して間接的に加熱してもよい。
室外熱交換器15は、冷媒と外気との間で熱交換を行う。室外熱交換器15には、車両の走行や図示しない室外ファンの回転によって、外気が導入される。
チラー16は、冷媒とエンジン冷却水回路3の冷却水との間で熱交換を行うことで冷却水を冷却する水冷媒熱交換器である。
エバポレータ17は、室外熱交換器15を通過した後の冷媒を蒸発させる蒸発器である。エバポレータ17は、車室内空調に利用する空気の熱を冷媒に吸収させて、空気を冷却する。エバポレータ17によって蒸発した冷媒は、アキュムレータ12へ流れる。
冷媒流路11には、インナーコンデンサ14と室外熱交換器15との間に第1膨張弁18及び第1三方弁19が直列に配置され、室外熱交換器15とエバポレータ17との間に第2三方弁20が配置される。また、冷媒流路11には、エバポレータ17とアキュムレータ12との間に第2膨張弁21が配置され、第2三方弁20とエバポレータ17との間に第3膨張弁22が配置される。
第1膨張弁18は、インナーコンデンサ14で凝縮した冷媒を減圧膨張させる。第1膨張弁18には、例えば電磁弁やオリフィスやキャピラリーチューブが用いられる。第1膨張弁18にオリフィスやキャピラリーチューブ等の固定絞りを用いる場合には、予め使用頻度の高い特定の運転条件に対応するように絞り量が設定される。冷媒流路11の第1膨張弁18の上流と下流には、第1膨張弁18をバイパスする第1バイパス流路11aが接続される。第1バイパス流路11aには、冷媒の流通状態を開閉によって切り替える第1バイパス開閉弁23が設置される。
第2膨張弁21は、コンプレッサ13に吸入される前の気相冷媒の吸入圧Psに応じて開度が調節され、開度に応じて冷媒を減圧膨張させる。第2膨張弁21には、例えば段階的に又は無段階的に開度が調節可能な電磁弁が用いられる。
第3膨張弁22は、室外熱交換器15で凝縮した冷媒を減圧膨張させる。第3膨張弁22には、例えば電磁弁やオリフィスやキャピラリーチューブが用いられる。また、第3膨張弁22には、温度式膨張弁を採用してもよい。第3膨張弁22は、第1膨張弁18と同様に、予め使用頻度の高い特定の運転条件に対応するように絞り量が設定される。
第1三方弁19は、インナーコンデンサ14を通過した冷媒が室外熱交換器15又はチラー16を流通するように、冷媒流路11の流路を切り替える。
第2三方弁20には、第3膨張弁22及びエバポレータ17をバイパスして室外熱交換器15又はチラー16から第2膨張弁21へと冷媒を直接流すための第2バイパス流路11bが接続される。第2三方弁20は、室外熱交換器15又はチラー16を通過した冷媒が、第3膨張弁22又は第2バイパス流路11bを流通するように、冷媒流路11の流路を切り替える。
エンジン冷却水回路3は、冷却水の流れる冷却水流路31を備える。冷却水流路31には、車両の動力を発生させるエンジン32と、冷却水と外気との間で熱交換を行うラジエータ33と、冷凍サイクル1のチラー16と、車室内に導かれる空気を暖めるヒータコア34と、が接続される。エンジン冷却水回路3は、エンジン32とチラー16又はヒータコア34との間で冷却水を循環させる第1ウォータポンプ35と、エンジン32とラジエータ33との間で冷却水を循環させる第2ウォータポンプ36を備える。冷却水には、例えば不凍液が用いられる。
エンジン32は、車両の駆動力を得るための駆動源であり、燃料の燃焼によって熱が発生する。エンジン32は、冷却水流路31に接続されているので、エンジン32で発生した熱は冷却水によって吸収される。
ラジエータ33は、冷却水と外気との間で熱交換を行う。ラジエータ33には、車両の走行や図示しない室外ファンの回転によって、外気が導入される。
ヒータコア34は、冷却水と車室内に導かれる空気との間で熱交換を行い、車室内に導かれる空気を加熱する。冷却水流路31のラジエータ33とヒータコア34との間には、第3三方弁37が配置される。第3三方弁37は、エンジン32を通過した冷却水がチラー16又はヒータコア34を通過するように、冷却水流路31の流路を切り替える。
第1ウォータポンプ35は、チラー16又はヒータコア34からエンジン32に冷却水を送液して冷却水流路31内の冷却水を循環させる。
第2ウォータポンプ36は、ラジエータ33からエンジン32に冷却水を送液して冷却水流路31内の冷却水を循環させる。
ヒートポンプシステム100には、吸入圧センサ41と、吐出圧センサ42と、吹出し温度センサ43と、冷却水温度センサ44と、外気温センサ45と、が設置されている。
吸入圧センサ41は、冷媒流路11のアキュムレータ12とコンプレッサ13との間に設置され、コンプレッサ13に吸入される前の気相冷媒の吸入圧Psを検出する。
吐出圧センサ42は、冷媒流路11のコンプレッサ13とインナーコンデンサ14との間に設置され、コンプレッサ13から吐出された後の気相冷媒の吐出圧Pdを検出する。
吹出し温度センサ43は、車室内に導かれる空気の吹出し温度Tpvを検出する。
冷却水温度センサ44は、冷却水流路31のエンジン32の下流に設置され、エンジン32を通過した後の冷却水の温度をエンジン冷却水温度Tengとして検出する。
外気温センサ45は、室外熱交換器15やラジエータ33に導入される前の外気の温度を外気温Tambとして検出する。
図2は、ヒートポンプシステム100のコントローラ40の空調制御に関する電気回路のブロック図である。コントローラ40は、CPU、ROM、RAMなどによって構成され、ROMに記憶されたプログラムをCPUによって読み出すことで、ヒートポンプシステム100に各種機能を発揮させる。
図2に示すように、コントローラ40には、吸入圧センサ41と、吐出圧センサ42と、吹出し温度センサ43と、冷却水温度センサ44と、外気温センサ45と、からの信号が入力される。コントローラ40は、入力された信号に基づいて、コンプレッサ13の出力や第2膨張弁21の開度をそれぞれ設定する。また、コントローラ40は、入力された信号に基づいて、第1三方弁19、第2三方弁20、及び第3三方弁37の切り替え制御と、第1バイパス開閉弁23の開閉制御と、を実行する。
次に、図3から図6を参照して、車室内を空調するときの各空調運転モードについて説明する。
<冷房モード>
図3は、ヒートポンプシステム100の冷房モードについて説明する図である。冷房モードでは、図3に太実線で示すように、コントローラ40は、第1三方弁19を切り替えて室外熱交換器15に冷媒を流通させ、第2三方弁20を切り替えてエバポレータ17に冷媒を流通させる。また、コントローラ40は、第1バイパス開閉弁23を開いた状態にする。
コンプレッサ13で圧縮され高温になった冷媒は、第1バイパス流路11aを通ってそのまま室外熱交換器15へと流れて、室外熱交換器15に導入される外気と熱交換を行い冷却される。室外熱交換器15を通過した冷媒は、第2三方弁20を通って第3膨張弁22で減圧膨張してから、エバポレータ17へと流れる。冷媒は、エバポレータ17で車室内に導かれる空気を冷却することで蒸発し、第2膨張弁21及びアキュムレータ12を介して再びコンプレッサ13に供給される。エバポレータ17で、冷媒によって車室内に導かれる空気が冷却及び除湿されることで、冷房風が得られる。
冷房モードでは、第2膨張弁21は、全開状態に維持される。また、インナーコンデンサ14の内部では、冷媒に他の流体が加熱されないように、他の流体の供給が遮断される。
また、図3に太実線で示すように、冷却水流路31の冷却水は、エンジン32とラジエータ33とを循環する。冷却水は、ラジエータ33で外気と熱交換を行うことで、エンジン32から吸収した熱を車両外に放出する。このように、コントローラ40は、エンジン32を冷却するためのラジエータ放熱制御を実行する。
<外気吸熱ヒートポンプモード>
図4は、ヒートポンプシステム100の外気吸熱ヒートポンプモードについて説明する図である。外気吸熱ヒートポンプモードでは、図4に太実線で示すように、コントローラ40は、第1三方弁19を切り替えて室外熱交換器15に冷媒を流通させ、第2三方弁20を切り替えてエバポレータ17をバイパスするように冷媒を流通させる。また、コントローラ40は、第1バイパス開閉弁23を閉じた状態にする。
コンプレッサ13で圧縮され高温になった冷媒は、インナーコンデンサ14の内部で他の流体を加熱することで熱を奪われて低温になる。その後、冷媒は、第1膨張弁18を通って減圧膨張してから、室外熱交換器15へと流れて、室外熱交換器15に導入される外気と熱交換を行い加熱される。室外熱交換器15を通過した冷媒は、第2三方弁20と第2バイパス流路11bを通って第2膨張弁21へと流れる。第2膨張弁21を通過した冷媒は、アキュムレータ12を介して再びコンプレッサ13に供給される。インナーコンデンサ14で、冷媒によって車室内に導かれる空気が加熱されることで、暖房風が得られる。
外気吸熱ヒートポンプモードでは、第2膨張弁21は、全開状態に維持される。
<エンジン放熱暖房モード>
図5は、ヒートポンプシステム100のエンジン放熱暖房モードについて説明する図である。エンジン放熱暖房モードでは、図5に太実線で示すように、コントローラ40は、エンジン冷却水回路3の第3三方弁37を切り替えて、ヒータコア34に冷却水を流通させる。また、コントローラ40は、コンプレッサ13を停止状態にする。
冷却水は、第1ウォータポンプ35に送液され、エンジン32に流通してエンジン32を冷却する。エンジン32を冷却することで高温になった冷却水は、ヒータコア34に流れる。ヒータコア34に流れた冷却水は、車室内に導かれる空気を加熱することで熱を奪われ冷却される。ヒータコア34で冷却された冷却水は、第3三方弁37と第1ウォータポンプ35とを通過して、エンジン32を再び冷却することで高温になる。
なお、エンジン放熱暖房モードでは、冷凍サイクル1は使用されない。ヒータコア34で、車室内に導かれる空気が冷却水によって加熱されることで、暖房風が得られる。
<エンジン吸熱ヒートポンプモード>
図6は、ヒートポンプシステム100のエンジン吸熱ヒートポンプモードについて説明する図である。エンジン吸熱ヒートポンプモードでは、図6に太実線で示すように、コントローラ40は、第1三方弁19を切り替えて室外熱交換器15に冷媒を流通させ、第2三方弁20を切り替えてエバポレータ17をバイパスするように冷媒を流通させる。また、コントローラ40は、第1バイパス開閉弁23を閉じた状態にする。さらに、コントローラ40は、エンジン冷却水回路3の第3三方弁37を切り替えて、チラー16に冷却水を流通させる。
コンプレッサ13で圧縮され高温になった冷媒は、インナーコンデンサ14で他の流体を加熱することで熱を奪われて低温になる。その後、冷媒は、第1膨張弁18を通って減圧膨張してから、チラー16へと流れて、チラー16を流通する冷却水流路31の冷却水と熱交換を行い加熱される。チラー16を通過した冷媒は、第2三方弁20と第2バイパス流路11bを通って第2膨張弁21へと流れる。第2膨張弁21を通過した冷媒は、アキュムレータ12を介して再びコンプレッサ13に供給される。インナーコンデンサ14で、冷媒によって車室内に導かれる空気が加熱されることで、暖房風が得られる。
エンジン吸熱ヒートポンプモードでは、第2膨張弁21は、コントローラ40によって開度が調節される。
冷却水は、第1ウォータポンプ35に送液され、エンジン32に流通してエンジン32を冷却する。エンジン32を冷却することで高温になった冷却水は、チラー16に流れる。チラー16に流れた冷却水は、冷媒流路11の冷媒との熱交換によって熱を奪われ冷却される。チラー16で冷却された冷却水は、第3三方弁37と第1ウォータポンプ35とを通過して、エンジン32を再び冷却することで高温になる。
図7及び図8を参照して、コントローラ40が実行する各空調運転モード選択するためのフローチャート、及びエンジン吸熱ヒートポンプモードにおける第2膨張弁21の開度調節について説明する。
図7は、ヒートポンプシステム100のコントローラ40が実行する空調運転モードの選択制御を説明するフローチャートである。
ステップS101では、コントローラ40は、暖房運転要求があるか否かを判定する。コントローラ40は、暖房運転要求がある場合にはステップS103の処理を実行し、暖房運転要求がない場合にはステップS102の処理を実行する。
ステップS102では、コントローラ40は、ラジエータ放熱モードを選択する。ラジエータ放熱モードが選択されると、ラジエータ放熱制御が実行され、エンジン32を冷却することで高温になった冷却水は、ラジエータ33を循環することで外気によって冷却される。なお、冷房運転要求がある場合には、コントローラ40は、ラジエータ放熱モードを選択するとともに、冷房モードを選択することもできる。ステップS102の処理の後、コントローラ40は、空調運転モードの選択制御を終了する。
ステップS103では、コントローラ40は、必要吹出し温度Xmを設定する。必要吹出し温度Xmは、暖房要求の度合や外気温Tamb、車室内の温度等に基づいて設定される。
ステップS104では、コントローラ40は、冷却水温度センサ44の入力信号に基づいてエンジン冷却水温度Tengを検出する。
ステップS105では、コントローラ40は、エンジン冷却水温度Tengが閾値温度Tlowよりも高いか否かを判定する。
図9は、エンジン冷却水温度Tengと外気温Tambに基づいて各空調運転モードを選択するためのグラフである。図9の横軸はエンジン冷却水温度Tengであり、縦軸は外気温Tambである。
図9に示すように、エンジン冷却水温度Tengが閾値温度Tlow以下である場合には、エンジン低水温域になる。エンジン低水温域は、エンジン32が暖まっておらず、エンジン32の熱を暖房に利用することのできない温度領域である。エンジン低水温域では、コントローラ40は、外気吸熱ヒートポンプモードを選択するためにステップS106の処理を実行する。
他方で、エンジン冷却水温度Tengが閾値温度Tlowよりも高い場合には、外気温Tambに応じてエンジン中高水温域又は冷房運転域になる。エンジン中高水温域は、エンジン32が暖まっており、エンジン32の熱を暖房に利用することのできる温度領域である。冷房運転域は、外気温Tambが高く、冷房運転が要求されやすい温度領域である。暖房運転要求のあるエンジン中高水温域では、コントローラ40は、エンジン32の熱を利用するためにステップS107の処理を実行する。なお、外気温Tambが冷暖房切替温度よりも高い場合には、冷房運転域になり、冷房運転要求に応じて冷房モードが選択される。
ステップS106では、コントローラ40は、空調運転モードとして外気吸熱ヒートポンプモードを選択する。外気吸熱ヒートポンプモードが選択されると、冷媒は、室外熱交換器15で外気から吸熱し、インナーコンデンサ14で車室内に導かれる空気を加熱する。ステップS106の処理の後、コントローラ40は、空調運転モードの選択制御を終了する。
ステップS107では、コントローラ40は、エンジン冷却水温度Tengが必要吹出し温度Xmよりも低いか否かを判定する。
図10は、エンジン冷却水温度Tengと必要吹出し温度Xmに基づいて各空調運転モードを選択するためのグラフである。図10の横軸はエンジン冷却水温度Tengであり、縦軸は必要吹出し温度Xmである。
エンジン冷却水温度Tengが閾値温度Tlowよりも低い場合には、図9と同様にエンジン低水温域になるので、ステップS106の処理で外気吸熱ヒートポンプモードが選択される。
他方で、エンジン冷却水温度Tengが閾値温度Tlow以上の場合において、図9のエンジン中高水温域は、図10に示すように、エンジン高水温域と、エンジン中水温域と、に分けられる。エンジン高水温域は、エンジン32が十分に暖まっており、エンジン32の熱を暖房に直接利用できる温度領域である。エンジン中水温域は、ヒートポンプとして用いることでエンジン32の熱を暖房に間接的に利用できる温度領域である。
エンジン冷却水温度Tengが必要吹出し温度Xmよりも低い場合には、エンジン中水温域になる。エンジン中水温域では、コントローラ40は、エンジン吸熱ヒートポンプモードを選択するためにステップS109の処理を実行する。
エンジン冷却水温度Tengが必要吹出し温度Xm以上の場合には、エンジン高水温域になる。エンジン高水温域では、コントローラ40は、エンジン放熱暖房モードを選択するためにステップS108の処理を実行する。
ステップS108では、コントローラ40は、空調運転モードとしてエンジン放熱暖房モードを選択する。エンジン放熱暖房モードが選択されると、エンジン32を冷却することで高温になった冷却水は、ヒータコア34を循環して、ヒータコア34で車室内に導かれる空気を加熱する。
ステップS109では、コントローラ40は、空調運転モードとしてエンジン吸熱ヒートポンプモードを選択する。
図8は、コントローラ40がエンジン吸熱ヒートポンプモードを選択したときの第2膨張弁21の開度を調節するためのフローチャートである。
ステップS201では、コントローラ40は、検出した吸入圧Psと吐出圧Pdとに基づいてコンプレッサ圧縮比CRを算出する。コンプレッサ圧縮比CRが変わることで、コンプレッサ13の消費電力は変化する。
図11は、コンプレッサ圧縮比CRとコンプレッサ13の消費電力との関係を示すグラフである。図11の横軸はコンプレッサ圧縮比CRであり、縦軸はコンプレッサ13の消費電力である。
コンプレッサ13の消費電力は、図11に示すように、コンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiよりも小さくなるにつれて、急激に大きくなる。また、コンプレッサ13の消費電力は、コンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiよりも大きくなるにつれて、徐々に増大する。閾値比率CRhiは、コンプレッサ13の稼働時の消費電力が最小となる圧縮比である。
コンプレッサ圧縮比CRは、閾値比率CRhi以下のときに低圧縮比状態になり、閾値比率CRhiよりも大きいときに高圧縮比状態になる。
コンプレッサ圧縮比CRが低圧縮比状態であるときには、図10でエンジン中水温域に示すように、エンジン冷却水温度Tengが必要吹出し温度Xmに近い温度領域になる。エンジン冷却水温度Tengが必要吹出し温度Xmに近い温度領域では、コンプレッサ13をあまり回転させなくてもチラー16で効率よく熱交換が行える。このため、コンプレッサ13の回転数が低めに制御されて吸入圧Psが上がり吐出圧Pdが下がるので、コンプレッサ圧縮比CRが小さくなり低圧縮比状態になる。
他方で、コンプレッサ圧縮比CRが高圧縮比状態である時には、エンジン冷却水温度Tengが必要吹出し温度Xmに対して比較的小さい温度領域になる。エンジン冷却水温度Tengが必要吹出し温度Xmに対して比較的小さい温度領域では、チラー16で熱交換を効率よく行うためにコンプレッサ13を高回転にする必要がある。このため、吸入圧Psが下がり吐出圧Pdが上がるので、コンプレッサ圧縮比CRが大きくなり高圧縮比状態になる。
図8に戻って、ステップS202では、コントローラ40は、算出したコンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiよりも大きいか否かを判定する。コントローラ40は、コンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiよりも大きい高圧縮比状態である場合にはステップS203の処理を実行する。他方で、コントローラ40は、コンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhi以下の低圧縮比状態である場合にはステップS204の処理を実行する。
ステップS203では、コントローラ40は、第2膨張弁21の開度を広げる調節をする。第2膨張弁21の開度は、調節直前の開度を基準にして広げられる。第2膨張弁21の開度が広げられることによって、吸入圧Psが上がり吐出圧Pd下がるので、コンプレッサ圧縮比CRは減少する。このため、コンプレッサ圧縮比CRは、閾値比率CRhiに近い値となる。ステップS203の処理の後、コントローラ40は、ステップS109の処理に戻って、空調運転モードの選択制御を終了する。
ステップS204では、コントローラ40は、第2膨張弁21の開度を絞る調節をする。第2膨張弁21の開度は、調節直前の開度を基準にして絞られる。第2膨張弁21の開度が絞られることによって、吸入圧Psが下がり吐出圧Pdが上がるので、コンプレッサ圧縮比CRは増加する。このため、コンプレッサ圧縮比CRは、閾値比率CRhiに近い値となる。ステップS204の処理の後、コントローラ40は、ステップS109の処理に戻って、空調運転モードの選択制御を終了する。
なお、コントローラ40は、予め定めた基準となる開度に対して第2膨張弁21の開度を調節することとしてもよい。
上記した第1実施形態に係るヒートポンプシステム100によれば、以下の効果を得ることができる。
エンジン32の熱を用いて車室内に導かれる空気を加熱可能な車両用のヒートポンプシステム100は、エンジン32を冷却する冷却水が流通する冷却水流路31と、冷媒が流通する冷媒流路11と、冷媒流路11を流通する冷媒を圧縮するコンプレッサ13と、コンプレッサ13によって圧縮された冷媒を凝縮させるインナーコンデンサ14と、冷却水流路31の冷却水と冷媒流路11の冷媒との間で熱交換を行うチラー16と、を備える。冷媒流路11には、インナーコンデンサ14とチラー16との間に、インナーコンデンサ14を通過した冷媒が流通する第1膨張弁18が設けられ、チラー16とコンプレッサ13との間に、チラー16を通過した冷媒が流通する第2膨張弁21が設けられる。
ヒートポンプシステム100によれば、冷媒流路11には、チラー16とコンプレッサ13との間に、チラー16を通過した冷媒が流通する第2膨張弁21が設けられるので、吸入圧Psを第2膨張弁21によって調節することができる。その結果、コンプレッサ13は、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRを保って運転することができるので、コンプレッサ13の消費電力を低減し、サイクル効率を改善することができる。
ヒートポンプシステム100では、コントローラ40は、コンプレッサ13の圧縮比としてコンプレッサ圧縮比CRを算出する圧縮比算出手段、及びコンプレッサ圧縮比CRに基づいて、第2膨張弁21の開度を調節する第2膨張弁開度調節手段として、機能する。チラー16は、暖房運転時に、冷却水流路31の冷却水の温度であるエンジン冷却水温度Tengが、予め定められた閾値温度Tlowよりも高く、かつ、車室内に導かれる空気の必要吹出し温度Xm以下である場合に、冷却水流路31を流通する冷却水と第1膨張弁18を流通した冷媒との間で熱交換を行って冷媒に吸熱させる。コントローラ40は、チラー16が熱交換を行っているときに第2膨張弁21の開度を調節する。
ヒートポンプシステム100によれば、コントローラ40は、チラー16が熱交換を行っているときに第2膨張弁21の開度を調節するので、エンジン吸熱ヒートポンプモード時にコンプレッサ13は、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRを保って運転することができる。このため、コンプレッサ13の消費電力を低減し、サイクル効率を改善することができる。
ヒートポンプシステム100では、コントローラ40は、算出されたコンプレッサ圧縮比CRが予め定められた閾値比率CRhi以下のときに、第2膨張弁21の開度を絞る。
ヒートポンプシステム100によれば、コントローラ40は、コンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhi以下のときに第2膨張弁21の開度を絞ることで、吸入圧Psを下げて吐出圧Pdを上げることができる。その結果、小さくなっているコンプレッサ圧縮比CRを効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRまで増大させることができるので、コンプレッサ13の消費電力を低減し、サイクル効率を改善することができる。
ヒートポンプシステム100では、コントローラ40は、算出されたコンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiより大きいときに、第2膨張弁21の開度を広げる。
ヒートポンプシステム100によれば、コントローラ40は、コンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiより大きいときに、第2膨張弁21の開度を広げることで、吸入圧Psを上げて吐出圧Pdを下げることができる。その結果、大きくなりすぎたコンプレッサ圧縮比CRを効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRまで減少させることができるので、コンプレッサ13の消費電力を低減することができる。
ヒートポンプシステム100では、閾値比率CRhiは、コンプレッサ13の稼働時の消費電力が最小になる比率である。
ヒートポンプシステム100によれば、コンプレッサ13の消費電力が最小になる比率として閾値比率CRhiが設定されて、第2膨張弁21の開度が調節されるので、コンプレッサ13の消費電力をより低減することができる。
ヒートポンプシステム100は、冷却水と車室内に導かれる空気との間で熱交換を行うヒータコア34をさらに備える。ヒータコア34は、暖房運転時に、冷却水流路31の冷却水の温度であるエンジン冷却水温度Tengが、予め定められた閾値温度Tlowよりも高く、かつ、車室内に導かれる空気の必要吹出し温度Xmよりも高い場合に、冷却水流路31を流通する冷却水と車室内に導かれる空気との間で熱交換を行って車室内に導かれる空気を加熱する。
ヒートポンプシステム100によれば、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRを保ってエンジン吸熱ヒートポンプモードでの暖房運転が行えるとともに、エンジン32の熱を暖房に直接利用するエンジン放熱暖房モードでの暖房運転も行うことができる。
ヒートポンプシステム100では、外気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器15をさらに備える。室外熱交換器15は、暖房運転時に、冷却水流路31の冷却水の温度であるエンジン冷却水温度Tengが予め定められた閾値温度Tlowよりも低い場合に、外気と第1膨張弁18を流通した冷媒との間で熱交換を行って冷媒に吸熱させる。
ヒートポンプシステム100によれば、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRを保ってエンジン吸熱ヒートポンプモードでの暖房運転が行えるとともに、エンジン32の熱を暖房に利用することができない場合においても外気吸熱ヒートポンプモードでの暖房運転を行うことができる。
ヒートポンプシステム100では、室外熱交換器15を通過した冷媒を蒸発させるエバポレータ17をさらに備える。冷媒流路11には、第1膨張弁18をバイパスする第1バイパス流路11aと、第1バイパス流路11aの冷媒の流通状態を切り替える第1バイパス開閉弁23と、がさらに設けられる。第1バイパス開閉弁23は、冷房運転時に、第1バイパス流路11aに冷媒が流通するように開かれる。室外熱交換器15は、冷房運転時に、外気と第1バイパス流路11aを流通した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を冷却する。
ヒートポンプシステム100によれば、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRを保ってエンジン吸熱ヒートポンプモードでの暖房運転が行えるとともに、冷房運転要求がある場合には冷房運転を行うことができる。
ヒートポンプシステム100では、冷媒流路11には、室外熱交換器15とエバポレータ17との間に、冷房運転時に室外熱交換器15を通過した冷媒を膨張させる第3膨張弁22が設けられる。
ヒートポンプシステム100によれば、第2膨張弁21の開度を調節して効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRでエンジン吸熱ヒートポンプモードでの暖房運転を行うとともに、冷房運転要求がある場合には、第3膨張弁22を用いて室外熱交換器15を通過した冷媒を膨張させることによって冷房運転を行うことができる。
なお、上記したヒートポンプシステム100では、閾値比率CRhiは、コンプレッサ13の消費電力が最小になる比率としたが、コンプレッサ13の効率(コンプレッサ効率)が所定の許容下限効率以上になる比率としてもよい。
図12は、コンプレッサ圧縮比CRとコンプレッサ効率との関係を示すグラフである。図12の横軸はコンプレッサ圧縮比CRであり、縦軸はコンプレッサ効率である。
コンプレッサ効率は、図12に示すように、コンプレッサ圧縮比CRが下限閾値比率CRminより小さくなると、許容下限効率よりも低くなる。コントローラ40は、許容下限効率以上の効率が得られる圧縮比として閾値比率CRhiを設定してから、ステップS202の処理を実行する。閾値比率CRhiは、下限閾値比率CRmin以上のコンプレッサ圧縮比CRに設定される。
このようなヒートポンプシステム100によれば、コンプレッサ効率が所定の許容下限効率以上になるような比率に閾値比率CRhiが設定され、コントローラ40は、閾値比率CRhiよりもコンプレッサ圧縮比CRが大きいか否かを判定する。コンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhi以下の場合に、コントローラ40は、第2膨張弁21の開度を絞ることで、コンプレッサ圧縮比CRを増加させる。このため、コンプレッサ圧縮比CRが下限閾値比率CRminより小さくなって、コンプレッサ効率が許容下限効率を下回ることを回避することができ、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRを保ってコンプレッサ13を運転させることができる。
また、ヒートポンプシステム100では、コントローラ40は、算出されたコンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiより大きいときに、第2膨張弁21の開度を調節直前の開度のまま維持する。第2膨張弁21の開度が変わらないので、コンプレッサ圧縮比CRは、そのまま維持されて閾値比率CRhi以下にはならない。したがって、第2膨張弁21の開閉頻度を抑えつつ、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRに保ってコンプレッサ13を運転させることができる。なお、コンプレッサ効率が許容下限効率と等しくなる圧縮比に閾値比率CRhiが設定された場合には、コンプレッサ効率が許容下限効率より低くならなければ、第2膨張弁21の開度が変わらないので、第2膨張弁21の開閉頻度をより抑えることができる。なお、コントローラ40は、予め定められた基準となる開度に第2膨張弁21の開度を維持することとしてもよい。
さらに、ヒートポンプシステム100では、下限閾値比率CRminよりも大きな圧縮比に閾値比率CRhiを設定している場合には、コンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiより大きいときに、第2膨張弁21の開度が全開となるよう調節してもよい。第2膨張弁21の開度が全開となることによって、コンプレッサ圧縮比CRは、閾値比率CRhiより小さくなるものの、下限閾値比率CRminより大きい圧縮比に保たれる。このため、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRを保ってコンプレッサ13を運転させることができる。
また、ヒートポンプシステム100は、図13から図17に示す構成図の変形例のようにすることもできる。
図13は、ヒートポンプシステム100の第1変形例の構成図である。
ヒートポンプシステム100の第1変形例は、図13に示すように、エンジン冷却水回路3からヒータコアが省かれた構成である。
ヒートポンプシステム100の第1変形例では、ヒータコアを用いてのエンジン放熱暖房は行われない。このため、ヒートポンプシステム100の第1変形例では、図7のステップS107及びステップS108の処理は省略される。他の処理については、第1実施形態のヒートポンプシステム100と同様の処理が実行され、同様の作用や効果を得ることができる。
図14は、ヒートポンプシステム100の第2変形例の構成図である。
ヒートポンプシステム100の第2変形例は、図14に示すように、冷凍サイクル1からは室外熱交換器が省かれ、エンジン冷却水回路3からはヒータコアが省かれた構成である。
ヒートポンプシステム100の第2変形例では、ヒータコアを用いてのエンジン放熱暖房、及び室外熱交換器を用いての外気吸熱ヒートポンプモードによる暖房運転は行われない。このため、ヒートポンプシステム100の第2変形例では、図7のステップS105からステップS108までの処理は省略される。他の処理については、第1実施形態のヒートポンプシステム100と同様の処理が実行され、同様の作用や効果を得ることができる。
図15は、ヒートポンプシステム100の第3変形例の構成図である。
ヒートポンプシステム100の第3変形例は、図15に示すように、冷凍サイクル1から室外熱交換器が省かれた構成である。
ヒートポンプシステム100の第3変形例では、室外熱交換器を用いての外気吸熱ヒートポンプモードによる暖房運転は行われない。このため、ヒートポンプシステム100の第3変形例では、図7のステップS105及びステップS106の処理は省略される。他の処理については、第1実施形態のヒートポンプシステム100と同様の処理が実行され、同様の作用や効果を得ることができる。
図16は、ヒートポンプシステム100の第4変形例の構成図である。
ヒートポンプシステム100の第4変形例は、図16に示すように、冷媒流路11には、第2膨張弁21をバイパスする第2膨張弁バイパス流路11cと、第2膨張弁バイパス流路11cの冷媒の流通状態を切り替える開閉弁24と、が設けられる。コントローラ40は、算出されたコンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiより大きいときに、開閉弁24を開いて、第2膨張弁バイパス流路11cに冷媒を流通させる。
このようなヒートポンプシステム100の第4変形例によれば、算出されたコンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhiより大きいときに、第2膨張弁21の代わりに開閉弁24が開かれる一方で、コンプレッサ圧縮比CRが閾値比率CRhi以下のときには第2膨張弁21を冷媒が流通する。その結果、コンプレッサ圧縮比CRに応じて第2膨張弁21に冷媒を流通させるかバイパスさせるかを選択できるので、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRに調節してコンプレッサ13を運転させることができる。また、開度を変更する必要がないので、第2膨張弁21に固定開度弁を用いることができ、安価にヒートポンプシステム100を構成することができる。
図17は、ヒートポンプシステム100の第5変形例の構成図である。
ヒートポンプシステム100の第5変形例は、図17に示すように、第2膨張弁21が第2三方弁20の上流に設けられ、第3膨張弁が省かれた構成である。
エンジン吸熱ヒートポンプモードによる暖房運転時には、コントローラ40は、図8に示すように、ステップS202からステップS203までの処理を実行して、コンプレッサ圧縮比CRに応じて第2膨張弁21の開度を調節する。開度が調節された第2膨張弁21を通過した冷媒は、第2三方弁20、第2バイパス流路11b、及びアキュムレータ12を通ってコンプレッサ13に供給される。このようなヒートポンプシステム100の第5変形例によっても、第2三方弁の上流に設置された第2膨張弁21の開度を調節することで、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRに保ってコンプレッサ13を運転させることができる。
また、冷房運転時には、コントローラ40は、第3膨張弁の代わりに第2膨張弁21の開度を絞る。第2膨張弁21が絞られることで、室外熱交換器15から流れてきた冷媒は、第2膨張弁21を通過する際に減圧膨張されて、エバポレータ17で車室内に導かれる空気を冷却することができる。ヒートポンプシステム100の第5変形例では、コントローラ40は、冷房運転時に第2膨張弁21の開度を絞り、室外熱交換器15を通過した冷媒を膨張させる。このようなヒートポンプシステム100の第5変形例によれば、第2膨張弁21を用いて冷房運転を行えるので、第3膨張弁を設置せず安価にヒートポンプシステム100を構成することができる。
(第2実施形態)
図18から図22を参照して、本発明の第2実施形態のヒートポンプシステム200について説明する。図18は、第2実施形態に係るヒートポンプシステム200の概略構成図である。
第2実施形態のヒートポンプシステム200では、冷凍サイクル1及びエンジン冷却水回路3の配置や構成等が第1実施形態とは相違する。なお、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
ヒートポンプシステム200は、冷凍サイクル1と、エンジン冷却水回路3と、HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)ユニット5と、から構成される。
冷凍サイクル1は、エバポレータ17への流れを切り替える第2三方弁20が省かれた構成となっている。このため、室外熱交換器15から流れてきた冷媒は、流路が切り替わることなく常に第3膨張弁22を通ってエバポレータ17へと流される。
第3膨張弁22は、室外熱交換器15によって冷却された液相冷媒を減圧膨張させる。第3膨張弁22は、エバポレータ17の出口側に取り付けられた図示しない感温筒部を有し、エバポレータ17の出口側における冷媒の過熱度を所定値に維持するように開度が自動的に調整される。
エバポレータ17を通過した冷媒は、第2膨張弁21、及びアキュムレータ12を介してコンプレッサ13へと流れる。
コンプレッサ13の下流には、第1三方弁19が配置される。第1三方弁19は、コンプレッサ13で圧縮された冷媒がインナーコンデンサ14又は室外熱交換器15を流通するように、冷媒流路11の流路を切り替える。
室外熱交換器15は、気相冷媒を液化させる主室外熱交換器15aと、液相冷媒が溜められるリキッドタンク15bと、液相冷媒をさらに冷却し過冷却状態にする過冷却室外熱交換器15cと、から構成される。
インナーコンデンサ14は、エンジン冷却水回路3の冷却水が内部を流通するように接続される。インナーコンデンサ14を通過した冷媒は、第1膨張弁18を介してチラー16に流される。
第1膨張弁18は、インナーコンデンサ14によって冷却された冷媒を減圧膨張させる。第1膨張弁18は、チラー16の出口側に取り付けられた図示しない感温筒部を有し、チラー16の出口側における冷媒の過熱度を所定値に維持するように開度が自動的に調整される。
チラー16に導かれた冷媒は、全部又は一部が蒸発して戻り通路11dに導かれる。戻り通路11dは、出口側がエバポレータ17と第2膨張弁21との間に接続され、チラー16を通過した冷媒を第2膨張弁21へ流す。
エンジン冷却水回路3には、エンジン32とチラー16との間に排熱回収器38が配置される。排熱回収器38は、図示しないエンジン32の排気系に接続されており、排気から熱を回収して冷却水流路31の冷却水を加熱する。
エンジン冷却水回路3には、インナーコンデンサ14とチラー16との間に第3三方弁37が配置される。
第3三方弁37は、チラー16を通過した冷却水が、インナーコンデンサ14又は冷却水第1バイパス回路31aを流通するように、冷却水流路31の流路を切り替える。冷却水第1バイパス回路31aは、一端が第3三方弁37に接続され、他端が第1ウォータポンプ35と第2ウォータポンプ36との間に接続される。
冷却水流路31には、冷却水第1バイパス回路31aと平行に、冷却水第2バイパス回路31bが設けられる。冷却水第2バイパス回路31bは、一端がインナーコンデンサ14と第3三方弁37との間に接続され、他端が第1ウォータポンプ35と第2ウォータポンプ36との間に接続される。
HVACユニット5は、車室内に導かれる空気の導入口付近に設置されるブロワ51と、ヒータコア34の上流側に設置されるエアミックスドア52と、を備える。HVACユニット5内にはエバポレータ17とヒータコア34とが配置される。
ブロワ51は、車室内に導かれる空気とエバポレータ17内を流れる冷媒やヒータコア34内を流れる冷却水との間で熱交換を行わせるために、HVACユニット5内に空気を送風する。
エアミックスドア52は、開度が制御されることによって、ヒータコア34を通過する空気の量を調整する。例えば、暖房運転時には、エアミックスドア52は、ヒータコア34に空気が導かれるように開かれる。エアミックスドア52が開かれることで、ブロワ51から送風される空気は、ヒータコア34へと案内されて、ヒータコア34内の冷媒との間で熱交換を行う。他方で、冷房運転時には、エアミックスドア52は、ヒータコア34に空気を導かないように閉じられる。エアミックスドア52が閉じられることで、ブロワ51から送風される空気は、ヒータコア34をバイパスして、ヒータコア34内の冷媒との間で熱交換を行わずに車室内へと導かれる。
次に、図19から図21を参照して、車室内を空調するときの各空調運転モードについて説明する。
<冷房モード>
図19は、ヒートポンプシステム200の冷房モードについて説明する図である。冷房モードでは、図19に太実線で示すように、コントローラ40は、第1三方弁19を切り替えて、コンプレッサ13から供給される冷媒を室外熱交換器15に流通させる。
コンプレッサ13で圧縮され高温になった冷媒は、第1三方弁19を介して室外熱交換器15へと流れる。室外熱交換器15を通過することで過冷却状態となった冷媒は、第3膨張弁22で減圧膨張して、エバポレータ17へと流れる。冷媒は、エバポレータ17で車室内に導かれる空気を冷却することで蒸発し、第2膨張弁21及びアキュムレータ12を介して再びコンプレッサ13に供給される。エバポレータ17で、冷媒によって車室内に導入される空気が冷却及び除湿されることで、冷房風が得られる。
冷房モードでは、第2膨張弁21は、全開状態に維持される。
また、図19に太実線で示すように、冷却水流路31の冷却水は、エンジン32や排熱回収器38を通過した後に、第3三方弁37及び冷却水第1バイパス回路31aを通ってから第2ウォータポンプ36に送液されてラジエータ33へ流れる。インナーコンデンサ14やヒータコア34内の冷却水は、第3三方弁37が冷却水第1バイパス回路31a側に切り替えられるとともに第1ウォータポンプ35が停止しているので、流れることなくそのままインナーコンデンサ14やヒータコア34内に滞留する。エアミックスドア52は、ブロワ51から送風される空気がヒータコア34を通過しないように閉じられる。このように、コントローラ40は、第3三方弁37で冷却水流路31の流れを切り替えることによって、エンジン32や排熱回収器38を冷却するためのラジエータ放熱制御を実行する。
<エンジン放熱暖房モード>
図20は、ヒートポンプシステム200のエンジン放熱暖房モードについて説明する図である。エンジン放熱暖房モードでは、図20に太実線で示すように、コントローラ40は、冷却水流路31のインナーコンデンサ14とチラー16との間を接続するように、第3三方弁37を切り替える。
エンジン32や排熱回収器38で加熱された冷却水は、チラー16、第3三方弁37、及びインナーコンデンサ14を通過して、ヒータコア34へと流れる。ヒータコア34に流れた冷却水は、車室内に導かれる空気を加熱することで熱を奪われ冷却される。ヒータコア34で冷却された冷却水は、第1ウォータポンプ35及び第2ウォータポンプ36に送液されエンジン32や排熱回収器38に流されて、エンジン32や排熱回収器38を再び冷却する。
エンジン放熱暖房モードでは、冷凍サイクル1は使用されない。エアミックスドア52は、ブロワ51から送風される空気がヒータコア34を通過するように開かれる。ヒータコア34で、車室内に導かれる空気が冷却水によって加熱されることで、暖房風が得られる。
<エンジン吸熱ヒートポンプモード>
図21は、ヒートポンプシステム200のエンジン吸熱ヒートポンプモードについて説明する図である。エンジン吸熱ヒートポンプモードでは、図21に太実線で示すように、コントローラ40は、冷媒流路11のコンプレッサ13とインナーコンデンサ14との間を接続するように、第1三方弁19を切り替える。また、コントローラ40は、冷却水流路31のチラー16と第2ウォータポンプ36との間を接続するように、第3三方弁37を切り替え、冷却水第1バイパス回路31aに冷却水を流通させる。
第1三方弁19がコンプレッサ13とインナーコンデンサ14との間を接続することで、コンプレッサ13で圧縮され高温になった冷媒は、インナーコンデンサ14に流される。
第3三方弁37が冷却水流路31のチラー16と第2ウォータポンプ36との間を接続することで、冷却水流路31は、エンジン側冷却水流路31c及びヒータコア側冷却水流路31dの二つの独立した流路に分断される。
エンジン側冷却水流路31cは、エンジン32と、排熱回収器38と、チラー16と、第3三方弁37と、第2ウォータポンプ36と、を冷却水が流れる流路である。
ヒータコア側冷却水流路31dは、ヒータコア34と、第1ウォータポンプ35と、インナーコンデンサ14と、を冷却水が流れる流路である。
インナーコンデンサ14内では、高温の冷媒は、冷却水との間で熱交換を行い、冷却水を加熱する。加熱された冷却水は、ヒータコア34へ流されて、ヒータコア34で車室内に導かれる空気を加熱する。車室内に導かれる空気が冷却水によって加熱されることで、暖房風が得られる。インナーコンデンサ14で冷却水によって熱を奪われた低温になった冷媒は、第1膨張弁18を通過する際に減圧膨張してからチラー16に流れる。他方で、車室内に導かれる空気に熱を奪われ冷却された冷却水は、第1ウォータポンプ35によって、インナーコンデンサ14に再び流される。
チラー16内では、低温の冷媒は、エンジン32や排熱回収器38によって加熱された冷却水との間で熱交換を行い、加熱される。冷媒に熱を奪われた冷却水は、第2ウォータポンプ36によってエンジン32や排熱回収器38に流されて再加熱される。また、チラー16で冷却水に加熱された冷媒は、戻り通路11dを通って、第2膨張弁21及びアキュムレータ12を介してコンプレッサ13に流れて再圧縮される。
エンジン吸熱ヒートポンプモードでは、第2膨張弁21は、コントローラ40によって開度が調節される。
図22を参照して、コントローラ40が実行する各空調運転モード選択するためのフローチャート、及びエンジン吸熱ヒートポンプモードにおける第2膨張弁21の開度調節について説明する。
図22は、ヒートポンプシステム200のコントローラ40が実行する空調運転モードの選択制御を説明するフローチャートである。
ステップS301からステップS305までの処理は、図7のステップS101からステップS105までの処理と同様の処理が実行される。
ステップS306では、コントローラ40は、暖房運転の実行を中止する。ステップS306の処理の後、コントローラ40は、空調運転モードの選択制御を終了する。
ステップS307からステップS309までの処理は、図7のステップS107からステップS109までの処理と同様の処理が実行される。
上記した第2実施形態に係るヒートポンプシステム200によれば、以下の効果を得ることができる。
ヒートポンプシステム200では、冷却水流路31を流通する冷却水は、エンジン32を冷却し、排熱回収器38で排熱を吸熱する。冷媒流路11には、インナーコンデンサ14とチラー16との間に、インナーコンデンサ14を通過した冷媒が流通する第1膨張弁18が設けられ、チラー16とコンプレッサ13との間に、チラー16を通過した冷媒が流通する第2膨張弁21が設けられる。
ヒートポンプシステム200によれば、冷媒流路11には、チラー16とコンプレッサ13との間に、チラー16を通過した冷媒が流通する第2膨張弁21が設けられる。このため、エンジン32や排気の熱を利用してエンジン吸熱ヒートポンプモードによる暖房運転を行うときに、吸入圧Psを第2膨張弁21によって調節することができる。その結果、コンプレッサ13は、効率の良い適切なコンプレッサ圧縮比CRを保って運転することができるので、第1実施形態のヒートポンプシステム100と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記した実施形態では、コントローラ40は、吸入圧Psと吐出圧Pdとに基づいてコンプレッサ圧縮比CRを算出したが、コンプレッサ13の回転数やコンプレッサ13に供給される供給電圧に基づいてコンプレッサ圧縮比CRを推定することとしてもよい。
100、200 ヒートポンプシステム
1 冷凍サイクル
11 冷媒流路
11a 第1バイパス流路(第1膨張弁バイパス流路)
11b 第2バイパス流路
11c 第2膨張弁バイパス流路
11d 戻り通路
12 アキュムレータ
13 コンプレッサ(圧縮機)
14 インナーコンデンサ(凝縮器)
15 室外熱交換器
16 チラー(水冷媒熱交換器)
17 エバポレータ(蒸発器)
18 第1膨張弁
19 第1三方弁
20 第2三方弁
21 第2膨張弁
22 第3膨張弁
23 第1バイパス開閉弁
24 開閉弁
3 エンジン冷却水回路
31 冷却水流路(駆動源冷却水流路)
32 エンジン(駆動源)
33 ラジエータ
34 ヒータコア(室内熱交換器)
35 第1ウォータポンプ
36 第2ウォータポンプ
37 第3三方弁
38 排熱回収器
40 コントローラ(圧縮比算出手段、第2膨張弁開度調節手段)
5 HVACユニット
51 ブロワ
52 エアミックスドア

Claims (12)

  1. 駆動源の熱を用いて車室内に導かれる空気を加熱可能な車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記駆動源を冷却する又は排熱を吸熱する冷却水が流通する駆動源冷却水流路と、
    冷媒が流通する冷媒流路と、
    前記冷媒流路を流通する冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    前記駆動源冷却水流路の冷却水と前記冷媒流路の冷媒との間で熱交換を行う水冷媒熱交換器と、
    を備え、
    前記冷媒流路には、
    前記凝縮器と前記水冷媒熱交換器との間に、前記凝縮器を通過した冷媒が流通する第1膨張弁が設けられ、
    前記水冷媒熱交換器と前記圧縮機との間に、前記水冷媒熱交換器を通過した冷媒が流通する第2膨張弁が設けられる、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  2. 請求項1に記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記圧縮機の圧縮比を算出する圧縮比算出手段と、
    前記圧縮比に基づいて、前記第2膨張弁の開度を調節する第2膨張弁開度調節手段と、
    をさらに備え、
    前記水冷媒熱交換器は、暖房運転時に、前記駆動源冷却水流路の冷却水の温度が、予め定められた閾値温度よりも高く、かつ、前記車室内に導かれる空気の必要吹出し温度以下である場合に、前記駆動源冷却水流路を流通する冷却水と前記第1膨張弁を流通した冷媒との間で熱交換を行って冷媒に吸熱させ、
    前記第2膨張弁開度調節手段は、前記水冷媒熱交換器が熱交換を行っているときに前記第2膨張弁の開度を調節する、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  3. 請求項2に記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記第2膨張弁開度調節手段は、前記圧縮比算出手段によって算出された前記圧縮比が予め定められた閾値比率以下のときに、前記第2膨張弁の開度を絞る、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  4. 請求項3に記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記第2膨張弁開度調節手段は、前記圧縮比算出手段によって算出された前記圧縮比が前記閾値比率より大きいときに、前記第2膨張弁の開度を維持又は広げる、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  5. 請求項3に記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記冷媒流路には、
    前記第2膨張弁をバイパスする第2膨張弁バイパス流路と、
    前記第2膨張弁バイパス流路の冷媒の流通状態を切り替える開閉弁と、
    がさらに設けられ、
    前記第2膨張弁開度調節手段は、前記圧縮比算出手段によって算出された圧縮比が前記閾値比率より大きいときに、前記開閉弁を開いて、前記第2膨張弁バイパス流路に冷媒を流通させる、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか一つに記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記閾値比率は、前記圧縮機の稼働時の消費電力が最小になる比率である、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  7. 請求項3から請求項6のいずれか一つに記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記閾値比率は、前記圧縮機の効率が所定の効率以上になる比率である、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  8. 請求項2から請求項7のいずれか一つに記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    冷却水と車室内に導かれる空気との間で熱交換を行う室内熱交換器をさらに備え、
    前記室内熱交換器は、暖房運転時に、前記駆動源冷却水流路の冷却水の温度が、予め定められた閾値温度よりも高く、かつ、前記車室内に導かれる空気の必要吹出し温度よりも高い場合に、前記駆動源冷却水流路を流通する冷却水と車室内に導かれる空気との間で熱交換を行って車室内に導かれる空気を加熱する、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  9. 請求項2から請求項8のいずれか一つに記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    外気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器をさらに備え、
    前記室外熱交換器は、暖房運転時に、前記駆動源冷却水流路の冷却水の温度が予め定められた閾値温度よりも低い場合に、外気と前記第1膨張弁を流通した冷媒との間で熱交換を行って冷媒に吸熱させる、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  10. 請求項9に記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記室外熱交換器を通過した冷媒を蒸発させる蒸発器をさらに備え、
    前記冷媒流路には、
    前記第1膨張弁をバイパスする第1膨張弁バイパス流路と、
    前記第1膨張弁バイパス流路の冷媒の流通状態を切り替える第1バイパス開閉弁と、
    がさらに設けられ、
    前記第1バイパス開閉弁は、冷房運転時に、前記第1膨張弁バイパス流路に冷媒が流通するように開かれ、
    前記室外熱交換器は、冷房運転時に、外気と前記第1膨張弁バイパス流路を流通した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を冷却する、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  11. 請求項10に記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記冷媒流路には、前記室外熱交換器と前記蒸発器との間に、冷房運転時に前記室外熱交換器を通過した冷媒を膨張させる第3膨張弁が設けられる、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
  12. 請求項10に記載の車両用のヒートポンプシステムであって、
    前記第2膨張弁開度調節手段は、冷房運転時に前記第2膨張弁の開度を絞り、前記室外熱交換器を通過した冷媒を膨張させる、
    ことを特徴とする車両用のヒートポンプシステム。
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