JP2017012968A - 水処理システム - Google Patents

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【課題】アセプティック充填設備等の排水源からの過酸化物含有水を再利用可能にする水処理システムにおいて、逆浸透膜装置でのスケール生成を抑えながら処理水を効率的に製造すること。【解決手段】水処理システム10は、排水W10に含まれる過酸化物を還元して還元処理水W11を得る還元装置30と、還元処理水W11を透過水W12と濃縮水W13とに分離するRO膜装置40と、透過水W12をイオン交換樹脂と接触させて処理水W20を得る混床式純水装置50と、処理水W20を排水源に還流する還流ラインL20と、還元装置30に供給される前の排水W10の電気伝導率を測定する電気伝導率計20と、RO膜装置40の回収率を制御する制御部70と、を備える。制御部70は、電気伝導率が相対的に高い場合は前記逆浸透膜装置の回収率を相対的に低め、電気伝導率が相対的に低い場合は回収率を相対的に高めるようにRO膜装置40を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、過酸化物を含む排水を排水源において再利用するための水処理システムに関する。
飲料工場等で稼動するアセプティック充填設備において、過酸化水素、過酢酸等の過酸化物を含むオキソニア殺菌剤を用いて内容液充填前のペットボトルの洗浄処理を行い、この洗浄処理で生じたリンサー排水を浄化処理して再利用する技術が知られている。過酸化物を含むこの種の排水を浄化する水処理システムを開示するものとして、例えば特許文献1がある。特許文献1には、排水中の過酢酸を還元分解する過酢酸分解槽と、過酢酸分解槽から排出される酢酸含有排水を処理する逆浸透膜装置と、逆浸透膜装置で処理された処理水を更に処理するアニオン交換樹脂槽と、を備える水処理システムの構成が開示されている。
上述の逆浸透膜装置では、供給される処理対象の水(例えば、リンサー排水)の流量に対する透過水の比率である回収率が設定される。回収率を高めに設定すれば、逆浸透膜装置から処理済みの透過水を多く回収することができる。一方で、アセプティック充填設備では、リンサー水の補給水(原水)として水道水等が利用されており、リンサー排水には、過酸化物に加えて水道水由来の硬度成分やシリカ等のスケール生成成分が含まれている。そのため、回収率を高め過ぎるとスケールの生成により膜面が詰まりやすくなり、ろ過効率が低下してしまう。特許文献2や特許文献3には、逆浸透膜装置に供給する水の硬度成分やシリカ等の濃度を電気伝導率等の測定により評価し、その評価結果に応じて回収率を変動させる方法が開示されている。
また、アセプティック充填設備からのリンサー排水には、ペットボトル等に由来するホルムアルデヒドが含まれることがある。特許文献4には、ホルムアルデヒド含有排水に亜硫酸塩を添加した後、逆浸透膜分離処理する方法が開示されている。
特開2001−170657号公報 特開2003−145151号公報 特開2006−305499号公報 特開2014−12281号公報
逆浸透膜を用いた水処理システムでは、透過水の回収率を高く設定することがアセプティック充填設備の省水化に資することになる。この点、特許文献2や特許文献3に開示される方法では、電気伝導率の測定を行ってスケール生成を防止しつつ、回収率を高めている。しかしながら、上述のような水処理システムでは、逆浸透膜装置に至る前の排水に対してpH調整や添加剤の付与等の各種の処理を行うことがあり、これらの処理が電気伝導率に影響を与える場合がある。例えば、特許文献4のように、逆浸透膜装置に供給される前に亜硫酸塩を添加する方法では、排水中に、電気伝導率を高める要因となるα−ヒドロキシスルホン酸イオンや未反応の亜硫酸塩が含まれることになる。そのため、電気伝導率に基づいてスケール生成成分の濃度を把握することが困難となり、スケール抑制の確実性を高める観点から回収率を低めに設定せざるを得なかった。この点、特許文献1に開示される構成においても、逆浸透膜装置及びアニオン交換樹脂槽によってリンサー排水に含まれる酢酸(酢酸イオン)を除去できるものの、大幅な省水を達成できる回収率での運転を実現しようとすると同様の課題があった。
本発明は、アセプティック充填設備等の排水源からの過酸化物含有水をろ過処理して再利用可能にする水処理システムにおいて、逆浸透膜装置でのスケール生成を抑えながら処理水を効率的に製造することを目的とする。
本発明は、排水源からの過酸化物を含む排水を前記排水源において再利用するための水処理システムであって、排水に含まれる過酸化物を還元して還元処理水を得る還元装置と、還元処理水を逆浸透膜モジュールによって透過水と濃縮水とに分離すると共に、供給される還元処理水の流量に対する透過水の流量の比率である回収率を調整可能な逆浸透膜装置と、透過水を少なくとも陰イオン交換樹脂と接触させてイオン交換処理水を得るイオン交換装置と、イオン交換処理水を前記排水源に還流するイオン交換処理水還流部と、前記還元装置に供給される前の排水の電気伝導率を測定する電気伝導率計と、前記電気伝導率計によって測定された電気伝導率が、相対的に高い場合は前記逆浸透膜装置の回収率を相対的に低め、電気伝導率が相対的に低い場合は回収率を相対的に高めるように、電気伝導率に基づいて前記逆浸透膜装置の回収率を制御する制御部と、を備える水処理システムに関する。
前記水処理システムは、前記電気伝導率計による測定後の排水にpH調整剤を添加するpH調整剤添加装置を更に備え、前記還元装置は、pH調整された排水に含まれる過酸化物を還元することが好ましい。
前記水処理システムは、前記イオン交換装置は、陽イオン交換樹脂を更に有し、混床式に構成されることが好ましい。
前記水処理システムは、還元処理水に亜硫酸塩を添加する亜硫酸塩添加装置を更に備えることが好ましい。
前記水処理システムは、透過水に亜硫酸塩を添加する亜硫酸塩添加装置を更に備えることが好ましい。
なお、本出願において「亜硫酸塩」の用語は、亜硫酸水素塩を除外する意図で用いる場合を除き、亜硫酸塩と亜硫酸水素塩とを総称するものとして用いる。
本発明によれば、アセプティック充填設備等の排水源からの過酸化物含有水をろ過処理して再利用可能にする水処理システムにおいて、逆浸透膜装置でのスケール生成を抑えながら処理水を効率的に製造することができる。
本発明の一実施形態である水処理システムが適用されるアセプティック充填設備を概略的に示した図である。 第1実施形態の水処理システムを概略的に示した図である。 RO膜装置の構成を概略的に示した図である。 第2実施形態の水処理システムを概略的に示した図である。
以下、本発明の水処理システムの好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
本実施形態の水処理システム10は、飲料工場で稼動するアセプティック充填設備1に適用されるものであり、PETボトルの洗浄で生じるリンサー排水(以下、排水)を処理し、再利用するためのものである。まず、アセプティック充填設備1の全体構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態である水処理システム10が適用されるアセプティック充填設備1を概略的に示した図である
図1に示すように、本実施形態のアセプティック充填設備1は、洗浄処理で生じた排水を再利用するための構成として、原水タンク2と、UHT装置3と、ボトル洗浄装置(排水源)4と、回収タンク5と、水処理システム10と、を備える。
原水タンク2は、UHT装置3によって殺菌が行われる前の原水W1を貯留する。原水タンク2は、原水ラインL1によってUHT装置3に接続されている。この原水ラインL1を通じてUHT装置3に原水W1が供給される。
原水タンク2には、後述の還流ラインL20の下流側の端部が接続されており、水処理システム10で処理された処理水W20が還流されている。また、原水タンク2には、補給水ラインL0が接続されている。
UHT装置3は、原水W1に対して超高温殺菌を行って殺菌水W2を得る。UHT装置3は、UHT殺菌水ラインL2によってボトル洗浄装置4に接続されている。この殺菌水ラインL2を通じて殺菌水W2がボトル洗浄装置4に供給される。
ボトル洗浄装置4は、内容液充填前のPETボトルに対して洗浄処理を行う。本実施形態のボトル洗浄装置4には、オキソニア殺菌剤を導入するための導入ラインL3が接続される。ボトル洗浄装置4は、過酸化水素や過酢酸等の過酸化物を含むオキソニア殺菌剤を用いた洗浄処理を行う。この洗浄処理で、UHT装置3で得られた殺菌水W2をリンサー水として使用する。ボトル洗浄装置4によって殺菌洗浄されたPETボトルは、内溶液充填装置(図示省略)により無菌環境下で殺菌済みの内容液が充填され、キャッピングされる。
回収タンク5は、回収ラインL4を通じ、ボトル洗浄装置4の洗浄処理で生じた排水W10を貯留する。回収タンク5には、排水W10を水処理システム10に送り出すための排水ラインL10が接続されており、この排水ラインL10を通じて洗浄処理で生じた排水W10が水処理システム10に送られる。
水処理システム10は、排水ラインL10を通じて送られてくる排水W10(排水源であるボトル洗浄装置4で生じた排水W10)を浄化処理して処理水W20を製造する。この浄化処理の過程で生じた排水(後述するRO膜装置40の濃縮水W13等)は、排出ラインL5を通じて系外に排出される。水処理システム10で製造された処理水W20は還流ライン(イオン交換処理水還流部)L20を通じて原水タンク2に戻される。原水タンク2に戻された処理水W20は、UHT装置3によって殺菌されてボトル洗浄装置4で再びリンサー水として使用される。また、水処理システム10で排出ラインL5を通じて排水された排水量に応じた量の補給水W0が原水タンク2に適宜のタイミングで補給される。なお、補給水W0としては、水道水や工業用水等が使用される。
<第1実施形態>
次に、第1実施形態の水処理システム10の構成について説明する。図2は、第1実施形態の水処理システム10を概略的に示した図である。
図2に示すように、水処理システム10は、電気伝導率計20と、NaOH添加装置(pH調整剤添加装置)80と、第1pH計81と、還元装置30と、熱水殺菌ユニット33と、流量計35と、第1薬注装置36と、HCl添加装置90と、第2pH計91と、プレフィルタ38と、第2薬注装置(亜硫酸塩添加装置)39と、RO膜装置(逆浸透膜装置)40と、RO水タンク42と、送水ポンプ47と、混床式純水装置(イオン交換装置)50と、ファイナルフィルタ60と、UV殺菌灯61と、制御部70と、を主要な構成として備える。
また、水処理システム10は、排水ラインL10と、還元処理水ラインL11と、熱水殺菌ラインL111と、排出ラインL112と、透過水ラインL12と、濃縮水ラインL13と、還流ライン(イオン交換処理水還流部)L20と、を主要なラインとして備える。
水処理システム10が備える各構成について、浄化処理の流れとともに説明する。
排水ラインL10は、その下流側の端部が還元装置30に接続される。この排水ラインL10を通じてボトル洗浄装置4で生じた排水W10が水処理システム10に供給される。
電気伝導率計20は、排水ラインL10を流れる排水W10の電気伝導率を測定する。本実施形態では、水処理システム10に導入されたばかりの排水W10であって、水処理システム10で各種処理が行われる前の排水W10の電気伝導率が測定される。電気伝導率計20の測定値は、後述の制御部70に測定情報として送信される。
NaOH添加装置(pH調整剤添加装置)80は、pH調整剤としての水酸化ナトリウム(NaOH)を排水W10に添加する。NaOH添加装置80によって添加されるNaOHによって排水W10のpHが調整される。本実施形態では、25%NaOHが添加されることによって、排水W10の水質が、例えばpH4.2から中性領域へと調整される。このpH調整が行われることによって、還元装置30での還元処理の反応効率(すなわち、過酸化物の分解効率)が向上する。
第1pH計81は、NaOH添加装置80によってNaOHが添加された後の排水W10のpHを測定する。そして、pH測定値が所定範囲(例えば、6.8〜7.2の中性領域)に収まるように、NaOHの添加量が調整される。
還元装置30は、電気伝導率計20の下流側に配置され、NaOH添加装置80によってNaOHが添加された排水W10に対して還元処理を行う。本実施形態の還元装置30は、活性炭の触媒作用により、排水W10に含まれる過酢酸及び過酸化水素を還元して酢酸(酢酸イオン)と水に分解し、還元処理水W11を得る。
また、還元装置30は、直列配置される第1還元塔31及び第2還元塔32の2塔によって構成される。還元装置30を第1還元塔31及び第2還元塔32の2塔直列式に構成することによって、活性炭の必要な層長(すなわち、過酸化物と活性炭の接触時間)を確保しつつ還元装置30の高さ(塔長)を抑制し、水処理システム10の省スペース化が実現されている。また、第1還元塔31及び第2還元塔32は、所定のタイミングで逆洗処理がそれぞれ行われ、この逆洗処理で生じた逆洗排水を外部に排出する機能を有する。なお、本実施形態で用いられる活性炭としては、例えば、カルゴンカーボンジャパン社製のダイアソーブ(登録商標)W、カルゴン社製のCENTAUR(登録商標)が用いられる。
還元処理水ラインL11は、その上流側の端部が還元装置30に接続されており、下流側の端部がRO膜装置40に接続される。
熱水殺菌ラインL111は、還元処理水ラインL11から分岐するラインであり、その上流側端部が還元処理水ラインL11に接続され、下流側の端部が排水ラインL10に接続される。
熱水殺菌ユニット33は、熱水殺菌ラインL111の経路途中に配置される。熱水殺菌ラインL111を流れる水は、熱水殺菌ユニット33によって加熱された後、再び還元装置30に戻されることになる。このように、熱水殺菌ラインL111によって加熱水を還元装置30に循環させることにより、活性炭層及びその充填塔を含む循環経路の熱水殺菌が可能になっている。本実施形態では、還元装置30の熱水殺菌は、予め設定されたスケジュールに基づいて定期的に行われる。
また、排水ラインL10、還元処理水ラインL11及び熱水殺菌ラインL111には、経路を開閉可能な制御弁が配置されている。より具体的には、排水ラインL10における電気伝導率計20の下流側には制御弁65が配置され、還元処理水ラインL11における流量計35の上流側には制御弁66が配置される。また、熱水殺菌ラインL111における熱水殺菌ユニット33の上流側には制御弁67が配置され、その下流側には制御弁68が配置される。
流量計35は、還元処理水ラインL11に配置され、還元処理水ラインL11を流れる還元処理水W11の流量を測定する。本実施形態の流量計35は、還元処理水ラインL11と熱水殺菌ラインL111の上流側の端部との接続部分よりも下流側で、還元処理水W11の流量を測定する。
第1薬注装置36は、還元処理水ラインL11での微生物の繁殖を抑制するため、所定のタイミングで還元処理水W11に対して次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を殺菌剤として薬注する。本実施形態では、NaClOの薬注は、予め設定されたスケジュールに基づいて定期的に行われ、殺菌剤を含む水は排出ラインL112(後述)から系外に排出される。
HCl添加装置90は、pH調整剤としての塩酸(HCl)を還元処理水W11に添加する。HCl添加装置90によって添加されるHClによって還元処理水W11のpHが調整される。本実施形態では、35%HClが添加されることによって、還元処理水W11の水質が中性領域に収まるように調整される。
第2pH計91は、HClが添加された後の還元処理水W11のpHを測定する。pH測定値が所定範囲(例えば、6.8〜7.2の中性領域)に収まるように、HClの添加量が調整される。
プレフィルタ38は、RO膜装置40に供給される還元処理水W11の前処理を行う。このプレフィルタ38によって還元処理水W11から比較的大きな懸濁物質が除去される。
第2薬注装置(亜硫酸塩添加装置)39は、還元処理水W11に含まれるホルムアルデヒドを除去するために亜硫酸塩を注入する。第2薬注装置39により添加される亜硫酸塩は、水相においてホルムアルデヒドと反応することでヒドロキシメタンスルホン酸イオンを生成可能なものであれば特に限定されるものではなく、通常、アルカリ金属(好ましくはナトリウム)の亜硫酸塩や亜硫酸水素塩である。亜硫酸塩として、亜硫酸塩と亜硫酸塩の混合物を用いることもできる。亜硫酸塩は、通常、水溶液の状態で第2薬注装置39から添加されるのが好ましい。本実施形態では、プレフィルタ38の下流側であって、RO膜装置40の上流側で亜硫酸水素ナトリウム(例えば、35%水溶液)が薬注される。
還元処理水W11に含まれるホルムアルデヒドは第2薬注装置39によって添加された亜硫酸水素イオンと付加反応し、ヒドロキシメタンスルホン酸イオンが生成される。ヒドロキシメタンスルホン酸イオンは、ホルムアルデヒドよりも分子量が大きく、還元処理水W11中において負に帯電することから、RO膜モジュール415(後述)で水分子と分離され、還元処理水W11から酢酸イオンと共に除去される。なお、還元処理水W11中のホルムアルデヒドのモニタリングは、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン塩酸塩(MBTH)を用いる吸光光度法(MBTH法)等を利用した自動分析装置により行い、モニタリング結果に基づいて亜硫酸塩の薬注を自動的に行うように構成することもできる。
排出ラインL112は、還元処理水ラインL11における第2薬注装置39による薬注位置とRO膜装置40の間から分岐する。この排出ラインL112は、還元処理水ラインL11の上流側で殺菌剤として注入された次亜塩素酸ナトリウムを系外に排出するためのラインである。排出ラインL112には、排出ラインL112の経路を開閉する排出弁110が配置される。排出弁110は、通常時は排出ラインL112の経路を閉じる閉状態に制御され、第1薬注装置36が次亜塩素酸ナトリウムを薬注するタイミングに基づいて排出ラインL112の経路を開放する開状態に制御される。
RO膜装置(逆浸透膜装置)40は、還元装置30と混床式純水装置50の間に配置され、上流側から供給される還元処理水W11を透過水W12と濃縮水W13とに分離する。次に、RO膜装置40の構成について説明する。図3は、RO膜装置40の構成を概略的に示した図である。
図3に示すように、RO膜装置40は、加圧ポンプ410と、インバータ411と、RO膜モジュール415と、UV殺菌装置420と、流量センサ430と、を備える。
加圧ポンプ410は、還元処理水ラインL11に設けられる。加圧ポンプ410は、上流側から供給される還元処理水W11を吸入し加圧して、RO膜モジュール415に向けて吐出する装置である。還元処理水ラインL11の下流側の端部は、RO膜モジュール415の一次側入口ポートに接続されている。
インバータ411は、加圧ポンプ410を周波数制御するためのものであり、制御部70に電気的に接続される。加圧ポンプ410は、インバータ411を介して制御部70により駆動及び停止が制御される。
RO膜モジュール415は、単一または複数の逆浸透膜エレメント(図示省略)を備える。逆浸透膜エレメントは、架橋全芳香族ポリアミド等を用いた負荷電性のスキン層、すなわち、負に帯電しやすいスキン層を表面に有するものである。
逆浸透膜エレメントとしては、操作圧力0.7MPaおよび回収率15%の条件で濃度500mg/L、pH7.0および温度25℃の塩化ナトリウム水溶液を供給したときの水透過係数が1.3×10−11〜1.7×10−11・m−2・s−1・Pa−1でありかつ塩除去率が99%以上の性状のものが好ましい。
ここで、操作圧力とは、日本工業規格JIS K3802:1995「膜用語」で定義される平均操作圧力をいい、ここでは、RO膜モジュール415の一次側の入口圧力と一次側の出口圧力との平均値を指す。
回収率とは、RO膜モジュール415へ供給される水の流量(Qf)に対する透過水の流量(Qp)の割合(%)(すなわち、Qp/Qf×100)をいう。
水透過係数は、透過水量(m3/s)を膜面積(m2)および有効圧力(Pa)で除した値であり、逆浸透膜での水の透過性能を示す指標である。すなわち、水透過係数は、単位有効圧力を作用させたときに単位時間に膜の単位面積を透過する水の量を意味する。有効圧力は、日本工業規格JIS K3802:1995「膜用語」で定義されており、操作圧力(平均操作圧力)から浸透圧差および二次側圧力を差し引いた圧力である。
また、塩除去率は、膜を透過する前後の特定の塩類の濃度から計算される値であり、逆浸透膜での溶質の阻止性能を示す指標である。塩除去率は、RO膜モジュール415に供給される水における特定の塩類の濃度(C1)および透過水における特定の塩類の濃度(C2)から、(1−C2/C1)×100により求められる。
上述のスキン層および性状を備えた逆浸透膜は、逆浸透膜エレメントとして市販されている。このような逆浸透膜エレメントとしては、例えば、東レ社製の型式名「TMG20−400」(上記条件での水透過係数が1.7×10−11・m−2・s−1・Pa−1)、ウンジン・ケミカル社製の型式名「RE8040−BLN」(上記条件での水透過係数が1.6×10−11・m−2・s−1・Pa−1)および日東電工社製「ESPA1」(上記条件での水透過係数が1.6×10−11・m−2・s−1・Pa−1)等が挙げられる。
RO膜装置40に供給された還元処理水W11は、RO膜モジュール415によって透過水W12と濃縮水W13に分離される。
透過水ラインL12は、RO膜モジュール415によって分離された透過水W12が流通するラインである。本実施形態の透過水ラインL12は、第1透過水ラインL121及び第2透過水ラインL122から構成される(図2参照)。第1透過水ラインL121は、その上流側の端部がRO膜モジュール415の二次側ポートに接続され、下流側の端部がRO水タンク42に接続される。第2透過水ラインL122は、その上流側の端部がRO水タンク42に接続され、下流側の端部が混床式純水装置50に接続される。
濃縮水ラインL13は、RO膜モジュール415から濃縮水W13を送り出すラインである。RO膜モジュール415によって分離された濃縮水W13は、この濃縮水ラインL13を通じて濃縮水回収部(図示省略)に回収される。本実施形態の濃縮水ラインL13は、共通濃縮水ラインL131、第1分岐濃縮水ラインL132、第2分岐濃縮水ラインL133及び第3分岐濃縮水ラインL134から構成される(図3参照)。
共通濃縮水ラインL131は、その上流側の端部がRO膜モジュール415の一次側出口ポートに接続されている。また、共通濃縮水ラインL131は、その経路途中から濃縮水還流ラインL400が分岐するとともに、その終端部では、第1分岐濃縮水ラインL132、第2分岐濃縮水ラインL133及び第3分岐濃縮水ラインL134の3つのラインに分岐している。また、共通濃縮水ラインL131には、定流量弁(図示省略)が設けられており、RO膜モジュール415における濃縮水W13の循環比(二次側ポートから流出する透過水W12の流量Qpに対する一次側出口ポートから流出する濃縮水W13の流量Qcの比率(Qc/Qp)、通常は“5”程度に設定)を一定に保つように構成されている。
濃縮水還流ラインL400は、RO膜モジュール415から送り出された濃縮水W13の一部を還元処理水ラインL11における加圧ポンプ410よりも上流側に還流させるラインである。また、この濃縮水還流ラインL400には、適宜の箇所に流量調整弁または圧力調整弁(図示省略)が設けられる。
第1薬注装置36は、還元処理水ラインL11での微生物の繁殖を抑制するため、所定のタイミングで還元処理水W11に対して次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を殺菌剤として薬注する。本実施形態では、NaClOの薬注は、予め設定されたスケジュールに基づいて定期的に行われ、殺菌剤を含む水は排出ラインL112(後述)から系外に排出される。
UV殺菌装置420は、濃縮水還流ラインL400の経路途中に配置される。UV殺菌装置420は、RO膜モジュール415の一次側での微生物の繁殖を抑制するため、所定のタイミングで一次側を循環する濃縮水W13に対して紫外線を照射する。本実施形態では、紫外線の照射は、予め設定されたスケジュールに基づいて定期的に行われ、UV殺菌装置420によって紫外線が照射された濃縮水W13を循環させることにより、RO膜モジュール415の一次側が殺菌される。架橋全芳香族ポリアミドをスキン層に有するRO膜の場合、耐酸化性の問題からRO膜モジュール415のNaClO等の酸化型殺菌剤を用いることはできない。しかし、UV殺菌装置420であれば、RO膜の酸化劣化を引き起こすことなく、RO膜モジュール415の一次側に対して殺菌処理および制菌処理を行うことができる。
第1分岐濃縮水ラインL132には、第1排水弁421が設けられている。第2分岐濃縮水ラインL133には、第2排水弁422が設けられている。第3分岐濃縮水ラインL134には、第3排水弁423が設けられている。第1排水弁421〜第3排水弁423は、排出ラインL5を通じて装置外へ排出される濃縮水W13の排水流量を調節する弁である。
第1排水弁421は、第1分岐濃縮水ラインL132を開閉することができる。第2排水弁422は、第2分岐濃縮水ラインL133を開閉することができる。第3排水弁423は、第3分岐濃縮水ラインL134を開閉することができる。第1排水弁421〜第3排水弁423は、それぞれ定流量弁機構(図示省略)を備える。定流量弁機構は、第1排水弁421〜第3排水弁423において、それぞれ異なる流量値に設定されている。例えば、第1排水弁421は、開状態において、RO膜モジュール415の回収率が95%となるように排水流量が設定されている。第2排水弁422は、開状態において、RO膜モジュール415の回収率が90%となるように排水流量が設定されている。第3排水弁423は、開状態において、RO膜モジュール415の回収率が80%となるように排水流量が設定されている。
第1排水弁421〜第3排水弁423は、それぞれ制御部70と電気的に接続されている。第1排水弁421〜第3排水弁423における弁体の開閉は、制御部70からの駆動信号により制御される。
濃縮水ラインL13から排出される濃縮水W13の排水流量は、第1排水弁421〜第3排水弁423を選択的に開閉することにより、段階的に調節できる。例えば、第2排水弁422のみを開状態とし、第1排水弁421及び第3排水弁423を閉状態とする。この場合には、RO膜モジュール415の回収率を90%とすることができる。また、第1排水弁421及び第2排水弁422を開状態とし、第3排水弁423のみを閉状態とする。この場合には、RO膜モジュール415の回収率を85%とすることができる。従って、本実施形態において、濃縮水W13の排水流量は、第1排水弁421〜第3排水弁423を選択的に開閉すること(すなわち、開弁数を制御すること)により、回収率を段階的に調節することができる。
なお、本実施形態では、3つの排水弁を図示したが、第1分岐濃縮水ラインL132〜第3分岐濃縮水ラインL134を分岐せずに1本とし、このラインに比例制御弁を設けた構成としてもよい。その場合には、制御部70から指令信号を比例制御弁に送信して弁開度を制御することにより、回収率を無段階で調節することができる。
流量センサ430は、第1透過水ラインL121に設けられる。流量センサ430は、第1透過水ラインL121を流通する透過水W12の流量を検出する機器である。流量センサ430として、例えば、流路ハウジング内に軸流羽根車又は接線羽根車(図示省略)を配置したパルス発信式の流量センサを用いることができる。流量センサ430は、制御部70と電気的に接続されている。流量センサ430で検出された透過水W12の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部70へパルス信号として送信される。制御部70は、入力された流量検出値に基づいて後述の流量フィードバック水量制御を行う。
以上、説明したように、本実施形態のRO膜装置40は、回収率を調整可能に構成される。RO膜装置40は、制御部70に電気的に接続されており、制御部70からの制御信号に基づいてその回収率が調整される。なお、この回収率の調整については後述する。
RO水タンク42は、第1透過水ラインL121を通じてRO膜装置40によって分離された透過水W12が貯留される。本実施形態のRO水タンク42は、紫外線によってRO水タンク42に貯留された水に対して殺菌を行うUV殺菌装置45と、RO水タンク42の水位を検出する水位センサ46と、を備える。
送水ポンプ47は、第2透過水ラインL122に配置される。当該送水ポンプ47が駆動されることにより、RO水タンク42に貯留された透過水W12が混床式純水装置50に送り込まれる。
混床式純水装置50は、透過水W12をイオン交換樹脂に接触させて処理水(イオン交換処理水)W20を得るイオン交換装置である。本実施形態の混床式純水装置50は、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を含む混床式に構成され、RO膜装置40で除去されなかった酢酸イオン等を確実に除去できるようになっている。混床式純水装置50には、エア供給源(図示省略)から計装用エア及び再生時混合用エアが供給されている。計装用エアは、混床式純水装置50の流路制御弁(図示省略)を駆動するために供給される。混合用エアは、後述の再生処理における陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の混合に用いられる。なお、本実施形態で用いられる陽イオン交換樹脂として、例えば、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)SK1B,SK110等のH型強酸性陽イオン交換樹脂を用いることができる。また、陰イオン交換樹脂として、例えば、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)SA10A,SA20A等のOH強塩基性陰イオン交換樹脂を用いることができる。
また、混床式純水装置50は、再生剤を注入することによって陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の再生処理を行う再生剤供給装置55を備える。本実施形態の再生剤供給装置55は、上述したNaOH添加装置80及びHCl添加装置90から構成される。すなわち、pH調整を行う装置と再生剤を供給する装置の一部が兼用される構成となっている。この再生剤供給装置55による再生処理は、予め設定されるスケジュールに基づいて適宜のタイミングで行われる。再生処理において、NaOHは陰イオン交換樹脂の再生剤として使用され、HClは陽イオン交換樹脂の再生剤として使用される。
還流ラインL20は、混床式純水装置50に接続される。還流ラインL20には、ファイナルフィルタ60及びUV殺菌灯61が配置される。還流ラインL20は、処理水(イオン交換処理水)W20を排水源であるボトル洗浄装置4(本実施形態では、ボトル洗浄装置4で使用するリンサー水を貯留する原水タンク2)に還流するイオン交換処理水還流部として機能する。
ファイナルフィルタ60は、還流ラインL20を流れる処理水W20に残存する不純物を除去する。
UV殺菌灯61は、還流ラインL20におけるファイナルフィルタ60の下流側に配置される。UV殺菌灯61は、ファイナルフィルタ60によって不純物が除去された処理水W20に対して紫外線による殺菌を行う。
制御部70は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(図示省略)により構成されており、水処理システム10が備える構成の各種の制御を行う。本実施形態では、この制御部70によって電気伝導率計20の測定値に基づくRO膜装置40の回収率の制御が行われる。
次に、制御部70によるRO膜装置40の回収率(透過水W12の回収率)の調整について説明する。なお、透過水W12の回収率(%)は、上述した通りQp/Qf×100の関係であるが、透過水W12の生産流量Qpと濃縮水W13の排水流量Qdの関係では次式のようになる。
回収率(%)=Qp/(Qp+Qd)×100
したがって、RO膜装置40における透過水W12の回収率は、透過水W12の生産流量制御と、濃縮水W13の排水流量制御とを並行して実行することにより調整することができる。
透過水W12の生産流量制御(流量フィードバック水量制御)について説明する。本実施形態では、RO膜モジュール415で製造される透過水W12の流量が目標流量値となるように、加圧ポンプ410がインバータ411により周波数制御される。より具体的には、制御部70は、流量センサ430の検出流量値(フィードバック値)が予め設定された目標流量値となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより加圧ポンプ410を駆動するための駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する周波数指定信号をインバータ411に出力する。制御部70が周波数指定信号をインバータ411へ出力すると、インバータ411は、入力された周波数指定信号で指定された周波数に変換された駆動電力を加圧ポンプ410に供給する。その結果、加圧ポンプ410は、インバータ411から入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動される。
濃縮水W13の排水流量制御について説明する。制御部70は、透過水W12の生産流量Qp(ここでは、上述の流量フィードバック水量制御における目標流量値)と、排水W10の電気伝導率に応じて予め設定された回収率と、に基づいて濃縮水W13の排水流量Qdを決定し、第1排水弁421〜第3排水弁423の開閉を制御する。
制御部70は、電気伝導率計20から取得した電気伝導率の測定値に基づいて回収率の調整を行う。排水W10の電気伝導率は、排水W10に含まれる硬度成分やシリカ等のスケール生成成分の濃度に概ね比例する。そこで、排水W10の電気伝導率を測定し、スケール生成成分の濃度が高い場合は膜面でスケールが生成しやすい傾向にあることから回収率を低下させ、逆に、上記濃度が低い場合は膜面でスケールが生成しにくい傾向にあることから、回収率を高めるように制御する。
本実施形態の制御部70は、測定した電気伝導率に応じて回収率が予め設定されるテーブルデータを参照して回収率を決定する。テーブルデータは、原水タンク2に供給される補給水W0の水質や、ボトル洗浄装置4から供給される排水W10のオキソニア殺菌剤濃度等の各種のデータ等に基づいて設定されるものであり、電気伝導率が相対的に高い場合は回収率を相対的に低くし、相対的に低い場合は回収率を相対的に高くするようにその数値範囲が決められている。そして、制御部70は、測定される電気伝導率の変化を検出すると、その変化に基づいて回収率を調整する。電気伝導率に対する回収率のテーブルデータの一例を表1に示す。
Figure 2017012968
上記は一例であり、回収率を65%〜95%までの間で、5%毎に段階的に変更する構成等、事情に応じて適宜設定することができる。更に、電気伝導率に基づく回収率は、電気伝導率を変数として随時算出して決定する構成としてもよい。
ボトル洗浄装置4からの排水W10は、補給水ラインL0から原水タンク2に供給される補給水W0(すなわち、新水)由来の硬度成分やシリカ等のスケール生成成分を含む。スケール生成成分は、通常、水処理システム10による排水の処理と再利用の進行によって経時的に減少するが、比較的短時間の間に停止と再起動とが繰り返されて補給水W0の量が増加するような場合や、補給水W0の水質変動の場合等に、減少傾向のスケール生成成分濃度が上昇に転じることもある。例えば、スケール生成成分濃度を電気伝導率により評価したとき、排水W10の電気伝導率は、スケール生成成分濃度の変動により、例えば、10〜1,000μS/cm程度の広い範囲で変動し得る。
このように、スケール生成成分の濃度は、補給水W0の水質に変動がある場合や、アセプティック充填設備1の運転状況により大きく変動する可能性がある。この点、本実施形態の水処理システム10では、水処理システム10での処理が開始される前(pH調整剤や亜硫酸塩等の薬剤が添加される前)の排水W10の電気伝導率に基づいて回収率が調整されるので、アセプティック充填設備1の運転状況に応じた最適な回収率に設定することができる。すなわち、RO膜装置40によって多くの透過水W12を製造することができるとともに、RO膜モジュール415でのスケール生成を抑制可能な回収率を選択することができる。
第1実施形態の水処理システム10の主要な構成は、以上の通りである。図1に示すように、ボトル洗浄装置4の洗浄処理ではオキソニア殺菌剤が用いられる。そのため、ボトル洗浄装置4の洗浄処理で生じた排水W10には、オキソニア殺菌剤に由来する過酸化水素、過酢酸等の過酸化物のほか、ペットボトル等に由来する微量のホルムアルデヒドが含まれる。本実施形態の水処理システム10は、この排水W10に含まれる過酸化物およびホルムアルデヒドの除去処理を行う。次に、水処理システム10による除去処理の一連の流れについて説明する。
水処理システム10に導入された排水W10は、各種処理が行われる前に、電気伝導率計20によってその電気伝導率が測定される。RO膜装置40では、この電気伝導率に基づいて透過水W12の回収率が決定される。排水W10は、NaOH添加装置80によってpHが中性領域に調整された後、還元装置30に送られる。
還元装置30では、第1還元塔31及び第2還元塔32の活性炭の触媒作用により、排水W10に含まれる過酸化水素、過酢酸等の過酸化物が酢酸(酢酸イオン)と水に分解される。本実施形態の還元装置30は、処理対象の排水W10がNaOH添加装置80によってpH調整されていることに加え、2塔直列式に構成されているので、排水W10中の過酸化水素、過酢酸等の過酸化物を活性炭に十分に接触させることができ、高効率な還元処理が実現されている。還元装置30で還元処理が行われた排水W10は、還元処理水W11として下流側に送られる。
還元処理水W11は、プレフィルタ38によって懸濁物質が除去された後、第2薬注装置39によって亜硫酸水素ナトリウムが添加される。還元処理水W11に含まれる排水W10由来のホルムアルデヒドは、亜硫酸水素イオンと付加反応し、ヒドロキシメタンスルホン酸イオンが生成される。
RO膜装置40は、還元処理で生成された酢酸イオンや、付加反応で生成されたヒドロキシメタンスルホン酸イオン等のイオン成分を還元処理水W11から除去する。これにより、還元処理水W11に含まれていたほとんどのホルムアルデヒド(99%以上)を除去することができる。また、RO膜装置40により、TOC(Total Organic Carbon)や菌類等も還元処理水W11から除去される。
RO膜装置40の回収率(透過水W12の回収率)は、電気伝導率計20で測定された電気伝導率と予め設定されるテーブルデータに基づいて設定される。制御部70は、透過水W12の目標流量値に基づいてインバータ411から出力される駆動周波数を制御するとともに、設定された回収率に基づいて第1排水弁421〜第3排水弁423の開弁数を制御する。
本実施形態では、回収率の基準となる電気伝導率の測定位置が、pH調整剤としてのNaOHが添加される前の排水ラインL10の最も上流側に位置している。この位置で測定される電気伝導率には、水処理システム10で行われる薬剤の添加処理や浄化処理による影響がない。従って、ボトル洗浄装置4から排出された排水W10のスケール生成成分を正確に推定することが可能になっている。そのため、RO膜装置40では、排水W10中のスケール生成成分が正確に反映された電気伝導率に基づいて回収率の適切な調整を行うことができる。
また、排水を浄化して再利用する場合、水処理システム10で浄化が繰り返される内にスケール生成成分の濃度が次第に下がる等の経時的な変化が生じることがある。このような状況が発生した場合でも電気伝導率の低下に応じて回収率が相対的に高く設定されるので、RO膜の目詰まりを防止しつつ、アセプティック充填設備1の稼動状況に応じた高効率な処理水W20の製造により、大幅な省水が可能になっている。
RO膜装置40によって処理された還元処理水W11は、透過水W12として下流側の混床式純水装置50に送られる。また、濃縮水W13は、排出ラインL5を通じてアセプティック充填設備1の系外に排出される。
混床式純水装置50では、RO膜装置40で除去しきれなかった透過水W12に含まれる酢酸イオン等のイオン成分が除去される。処理水W20は、ファイナルフィルタ60で不純物が除去された後、UV殺菌灯61で殺菌処理が行われてから、還流ラインL20を通じて原水タンク2に戻される。水処理システム10によるオキソニア殺菌剤の除去に係る一連の処理により、ボトル洗浄装置4のリンサー排水W10が再利用可能な水質レベル(好ましくは、水道水質基準をクリアした飲適レベル)まで処理される。
以上説明した第1実施形態の水処理システム10によれば、以下のような効果を奏する。
第1実施形態の水処理システム10は、還元装置30と、RO膜装置40と、混床式純水装置50と、還流ラインL20と、電気伝導率計20と、制御部70と、を備える。そして、制御部70は、電気伝導率計20によって測定された電気伝導率が、相対的に高い場合はRO膜装置40の回収率を相対的に低め、電気伝導率が相対的に低い場合は回収率を相対的に高めるようにRO膜装置40を制御する。
これにより、還元装置30で還元処理される前の還元処理の影響を受けていない排水W10の電気伝導率に基づいてRO膜装置40の回収率が調整されることになるので、ボトル洗浄装置4から送られる排水W10の実際のスケール生成成分の状況を回収率に精度良く反映させて高効率な水処理システム10を実現することができる。例えば、スケール生成成分の濃度が相対的に低い場合は回収率が相対的に高く設定して水利用率を向上させる一方、スケール生成成分の濃度が相対的に高い場合は回収率を相対的に低く設定してRO膜の目詰まりが防止される。
また、第1実施形態の水処理システム10は、電気伝導率計20による測定後の排水W10にNaOHを添加するNaOH添加装置を更に備え、還元装置30は、pH調整された排水W10に含まれる過酸化物(酸化水素や過酢酸)を還元する。
これにより、pH調整の影響を受ける前の電気伝導率が測定されることになるので、薬剤添加による影響を受けることなく、処理対象である排水W10のスケール生成成分の濃度を回収率により正確に反映させることができる。また、還元装置30には、pH調整された状態で排水W10が供給されるので、還元処理が効率良く行われ、水処理システム10の浄化性能を向上させることができる。
また、本実施形態の水処理システム10は、イオン交換装置として陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の両方を含む混床式純水装置50が適用される。
これにより、RO膜装置40で除去されなかった酢酸イオンを透過水W12から取り除くことができるので、処理水W20の水質を飲適レベルまで高めることができる。
また、本実施形態の水処理システム10は、還元処理水W11に亜硫酸塩を添加する第2薬注装置39を更に備える。
これにより、RO膜の通過時にホルムアルデヒドが除去される。従って、排水W10の循環再利用によってホルムアルデヒドが濃縮されるような事態も防止され、処理水W20では、ホルムアルデヒド濃度を水道水質基準の0.08mg/L以下に抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の水処理システム210について説明する。図4は、第2実施形態の水処理システム210を概略的に示した図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
第2実施形態の水処理システム210は、第2薬注装置39が薬注を行う位置が第1実施形態の水処理システム10とは異なっている。図2に示すように、第2実施形態の第2薬注装置39は、透過水W12に対して亜硫酸塩を添加する。より具体的には、RO膜装置40とRO水タンク42との間である第1透過水ラインL121で亜硫酸塩(亜硫酸水素ナトリウム)の薬注が行われる。
亜硫酸塩が添加されると透過水W12に含まれるホルムアルデヒドは添加された亜硫酸水素イオンと付加反応し、ヒドロキシメタンスルホン酸イオンが生成される。ヒドロキシメタンスルホン酸イオンは、下流側に配置される混床式純水装置50の陰イオン交換樹脂によって捕捉されるので、結果的に排水W10に含まれるホルムアルデヒドが除去された処理水W20が得られる。
以上説明した第2実施形態の水処理システム210によれば、以下のような効果を奏する。第2実施形態の水処理システム210が備える第2薬注装置39は、透過水W12に亜硫酸塩を添加するように構成される。この構成では、ヒドロキシメタンスルホン酸イオンの生成に寄与しなかった残余の亜硫酸イオンや亜硫酸水素イオンも陰イオン交換樹脂に捕捉される。そのため、排水W10中のホルムアルデヒド濃度が増加した場合でも、陰イオン交換樹脂上で付加反応が起こるため、ホルムアルデヒド濃度を水道水質基準の0.08mg/L以下に抑制された処理水W20を確実に得ることができる。
なお、上記第2実施形態では、RO膜装置40とRO水タンク42との間で薬注を行っているが、RO水タンク42と混床式純水装置50の間である第2透過水ラインL122で亜硫酸塩の薬注を行う構成とすることもできる。この構成でも、混床式純水装置50のイオン交換樹脂によりホルムアルデヒドが除去される結果となる。
以上、本発明の水処理システムの好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態では、排出ラインL112によって次亜塩素酸ナトリウムを系外に排出する構成であるが、亜硫酸塩の注入量及びタイミングを調整し、亜硫酸塩によって次亜塩素酸ナトリウムを還元する構成としてもよい。この場合、排出ラインL112を省略することも可能である。
上記実施形態では、イオン交換装置として混床式純水装置50を適用しているが、この構成は適宜変更することができる。例えば、陽イオン交換樹脂を有しない陰イオン交換樹脂のみの単床式イオン交換装置に変更することもできる。
上記実施形態では、複数の排水弁を用いてRO膜装置40の回収率を調整する構成であるが、この構成に限定されるわけではなく、回収率を調整する構成は適宜変更することができる。
上記実施形態では、飲料工場で用いるアセプティック充填設備1に用いられる水処理システムを本発明の適用例として説明したが、上記実施形態の構成に限定されるわけではない。排水源からの排水を処理して排水源で再利用するものであれば、本発明の水処理システムを適用することができる。
4 ボトル洗浄装置(排水源)
10 水処理システム
20 電気伝導率計
30 還元装置
39 第2薬注装置(亜硫酸塩添加装置)
40 RO膜装置(逆浸透膜装置)
50 混床式純水装置(イオン交換装置)
70 制御部
80 NaOH添加装置(pH調整剤添加装置)
210 水処理システム
L20 還流ライン(イオン交換処理水還流部)

Claims (5)

  1. 排水源からの過酸化物を含む排水を前記排水源において再利用するための水処理システムであって、
    排水に含まれる過酸化物を還元して還元処理水を得る還元装置と、
    還元処理水を逆浸透膜モジュールによって透過水と濃縮水とに分離すると共に、供給される還元処理水の流量に対する透過水の流量の比率である回収率を調整可能な逆浸透膜装置と、
    透過水を少なくとも陰イオン交換樹脂と接触させてイオン交換処理水を得るイオン交換装置と、
    イオン交換処理水を前記排水源に還流するイオン交換処理水還流部と、
    前記還元装置に供給される前の排水の電気伝導率を測定する電気伝導率計と、
    前記電気伝導率計によって測定された電気伝導率が、相対的に高い場合は前記逆浸透膜装置の回収率を相対的に低め、電気伝導率が相対的に低い場合は回収率を相対的に高めるように、電気伝導率に基づいて前記逆浸透膜装置の回収率を制御する制御部と、
    を備える水処理システム。
  2. 前記電気伝導率計による測定後の排水にpH調整剤を添加するpH調整剤添加装置を更に備え、
    前記還元装置は、pH調整された排水に含まれる過酸化物を還元する請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記イオン交換装置は、陽イオン交換樹脂を更に有し、混床式に構成される請求項1又は2に記載の水処理システム。
  4. 還元処理水に亜硫酸塩を添加する亜硫酸塩添加装置を更に備える請求項1から3までの何れかに記載の水処理システム。
  5. 透過水に亜硫酸塩を添加する亜硫酸塩添加装置を更に備える請求項1から3までの何れかに記載の水処理システム。
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