JP2017012245A - 失禁抑制方法及び失禁抑制装置 - Google Patents

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政博 原
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明大 猪又
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一穂 前田
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信一郎 森
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Abstract

【課題】一つの側面として、患者の状態を考慮することで、患者の失禁をより精度良く抑制する。
【解決手段】失禁抑制装置40は、患者の生体活動を示す複数の特徴量に基づき、複数の特徴量のうち、特定の特徴量によって区別できる患者の異なる状態毎に、患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す特徴量のパターンを抽出する。また、失禁抑制装置40は、患者の状態、及び当該状態に応じたパターンが示す特徴量の変化傾向に基づいて、患者の失禁を予測し、患者の失禁を予測した場合に、警告を出力する。
【選択図】図1

Description

開示の技術は、失禁抑制方法及び失禁抑制装置に関する。
近年、失禁傾向が認められる患者の人体にセンサを取り付け、センサから発した超音波が膀胱で反射され、再びセンサに戻ってくるまでの反射時間に基づいて膀胱の膨満状況を検知し、患者の排尿時刻を推定するセンシング装置が提案されている。
このセンシング装置では、実際の排尿時刻と推定した排尿時刻との差分から、排尿時刻を推定する際に用いた予測パラメータを調整することで、排尿時刻の推定精度を上げる方法が用いられている。
特表2013−523305号公報
しかしながら、同じ患者であっても、例えば体調といった患者の状態が異なる場合、患者の実際の排尿時刻にばらつきが生じやすくなる。このため、患者の状態を考慮せずに共通の予測パラメータを用いて排尿時刻を推定した場合、排尿時刻の推定精度が低下することが考えられる。
一つの側面として、開示の技術は、患者の状態を考慮することで、患者の失禁をより精度良く抑制することを目的とする。
一つの態様では、失禁抑制方法は、コンピュータに、患者の生体活動を示す複数の特徴量に基づき、複数の特徴量のうち、特定の特徴量によって区別できる患者の異なる状態毎に、患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す特徴量のパターンを抽出させる。そして、失禁抑制方法は、コンピュータに、患者の状態、及び当該状態に応じたパターンが示す特徴量の変化傾向に基づいて、患者の失禁を予測させ、患者の失禁を予測した場合に、警告を出力させる。
一つの側面として、患者の状態を考慮することで、患者の失禁をより精度良く抑制することができる、という効果を有する。
睡眠深度に応じた計測項目毎の特徴量の変化傾向の一例を示す図である。 第1実施形態に係る失禁抑制システムの構成の一例を示す図である。 特徴量リストの一例を示す図である。 第1実施形態に係る失禁抑制装置をコンピュータで実現する場合の構成の一例を示す図である。 特徴量リスト生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。 特徴量リスト初期化処理の流れの一例を示すフローチャートである。 アラート通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る失禁抑制システムの構成の一例を示す図である。 第2実施形態に係る失禁抑制装置をコンピュータで実現する場合の構成の一例を示す図である。 特徴量リスト更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して開示の技術の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、同じ働きを担う構成要素または処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。
発明者等は、失禁、特に夜尿傾向が見られる患者に、例えば心拍数、または、呼吸数といった患者の生体情報を計測する各種センサを取り付け、計測項目毎に患者が失禁するまでの生体情報の推移を取得し、取得した生体情報について分析を行った。
当該分析で計測した患者の生体活動に関する計測項目は、LF/HF、体幹の体動、胸の温度、手首の温度、胸と手首の温度差、呼吸数、手首の動き、心拍数、睡眠姿勢、寝返り頻度、及び睡眠深度である。
ここで、LF/HFとは、患者の心拍変動に関する計測項目であり、例えば心電計として用いられるECG(Electrocardiograph)センサによって計測される。LF(Low Frequency)とは、心拍変動に対して周波数変換を行い、周波数変換の結果として得られる周波数のパワースペクトルのうち、0.04Hzを超え、0.15Hz以下程度の周波数のパワースペクトルの平均値のことをいう。また、HF(High Frequency)とは、心拍変動に対する周波数のパワースペクトルのうち、0.15Hzを超え、0.4Hz以下程度の周波数のパワースペクトルの平均値のことをいう。
LFは、主に体が活発に活動している時に働く交感神経の活動を反映する指標であり、HFは、主に体がリラックス状態にある時に働く副交感神経の活動を反映する指標であることが知られている。従って、LF/HFは、患者の緊張の度合いを示す指標として用いられ、患者がリラックス状態にある程、LF/HFの値は低くなる傾向がある。
体幹の体動とは、患者の体動の程度に関する計測項目である。体幹の体動は、例えば患者の胸の動きを計測する加速度センサの値によって表され、患者の体の動きが激しくなる程、値は高くなる。
胸の温度は、例えば患者の胸の体表面温度の値として表され、手首の温度は、例えば患者の手首の体表面温度の値として表される。
胸と手首の温度差は、例えば(胸の温度−手首の温度)として表されるが、(手首の温度−胸の温度)としても良い。
呼吸数は、例えば患者の胸の動きから患者の単位時間(例えば1分間)あたりの呼吸数を検知する呼吸センサの値として表される。
手首の動きとは、体幹の体動と同じく患者の体動の程度に関する計測項目である。手首の動きは、例えば患者の手首の動きを計測する加速度センサの値によって表され、患者の手の動きが激しくなる程、値は高くなる。
心拍数は、例えば患者の脈の動きから患者の単位時間(例えば1分間)あたりの心拍数を検知する心拍センサの値として表される。
睡眠姿勢とは、睡眠時の患者の体の向きに関する計測項目であり、例えば患者に装着したジャイロセンサによって計測される。または、加速度センサで取得する重力加速度の向きから計測してもよい。
寝返り頻度とは、睡眠姿勢に基づいて算出される計測項目であり、例えば患者が単位時間(例えば1分間)に行った寝返り数によって表される。
睡眠深度とは、患者の睡眠の深さの程度に関する計測項目である。人間の睡眠深度は深くなったり浅くなったりを周期的に繰り返すことが知られている。睡眠深度が比較的浅い状態は「レム睡眠」と呼ばれ、身体の活動量は低下している一方、脳は活発に活動している。レム睡眠の間は既に脳が活動しているため、患者は尿意を感じ取り、トイレに行きたくなることがある。患者の睡眠深度が浅い場合、患者は起床しやすく、しかも、脳が既に活動しているため、起床した後の目覚めがよい。
一方、睡眠深度が比較的深い状態は「ノンレム睡眠」と呼ばれ、レム睡眠に比べて身体及び脳とも活動量が低下している。ノンレム睡眠は、レム睡眠と比較して脳の活動量が低下しているため、ノンレム睡眠中に患者を起床させようとしても、患者は起床し難く、起床した後も、例えば残眠感及び疲労感等が認められ、目覚めが良くない状況が発生することがある。
また、レム睡眠時はノンレム睡眠時に比べて、周波数が4Hzを超え8Hz以下程度の脳波であるθ波が多く現れる傾向が見られる。一方、ノンレム睡眠時は、レム睡眠時に比べて、周波数が約4Hz以下の脳波であるδ波が多く現れる傾向が見られる。
従って、患者の睡眠深度は、例えば、患者の頭部に装着され、患者の脳波を検知する脳波センサで検知可能であり、検知した睡眠深度を、レム睡眠とノンレム睡眠との境界を示す閾値と比較した結果に基づき、睡眠深度を「深い」、「浅い」の2段階に分類する。または、手首の加速度を用いて、動きの頻度から睡眠深度を求めてもよい。
生体情報の分析手順としては、まず、例えば1ヶ月といった所定期間内における患者の睡眠中の生体情報を計測項目毎に計測すると共に、睡眠中に患者が失禁した場合には、患者の失禁時刻を記録する。そして、記録した患者の失禁時刻から所定期間内における患者の平均失禁時刻を予め求める。
そして、睡眠深度以外の計測項目毎に、失禁があった日の患者の失禁前60分間に計測された計測項目の値の平均値から、失禁がない日の患者の平均失禁時刻前60分間に計測された計測項目の値の平均値をそれぞれ減算して、計測項目毎に差分を算出する。以降、この差分のことを特徴量といい、計測項目毎の特徴量を、失禁があった各々の日について算出する。
そして、失禁があった日の各計測項目の特徴量の各々を、失禁時の睡眠深度が深い場合(パターン1と表す)と浅い場合(パターン2と表す)との2パターンに分類する。そして、各パターンにおいて、各計測項目のうち、共通する変化傾向を示す特徴量を有する計測項目を抽出する。
具体的には、何れかのパターンにおいて、ある計測項目の特徴量が全て正の値であれば、当該計測項目を、特徴量が上昇の変化傾向を示している計測項目として当該パターンから抽出する。逆に、何れかのパターンにおいて、ある計測項目の特徴量が全て負の値であれば、当該計測項目を、特徴量が低下の変化傾向を示している計測項目として当該パターンから抽出する。
なお、一例として、各パターンは睡眠深度によって分類するため、同じパターンに含まれる患者の睡眠深度は何れも同じ睡眠深度を示す。
図1は、上記のようにして分析した、患者1〜4で表される4名の睡眠深度に応じた各計測項目の特徴量の変化傾向の一例を示す図である。
ここで“↑”は、各パターン内で、該当する計測項目の特徴量が上昇するという共通の変化傾向があることを示し、“↓”は、各パターン内で、該当する計測項目の特徴量が低下するという共通の変化傾向があることを示す。
また、図1における空欄は、該当する計測項目に対して、上昇または低下する特徴量が共に存在するため、共通する変化傾向を見出せなかったことを示す。
従って、患者1のパターン1における特徴量は、LF/HF、呼吸数、心拍数、及び睡眠深度となり、患者1のパターン2における特徴量は、LF/HF、胸と手首の温度差、呼吸数、心拍数、及び睡眠深度となる。
また、患者2のパターン1における特徴量は、LF/HF、胸の温度、手首の温度、呼吸数、心拍数、及び睡眠深度となり、患者2のパターン2における特徴量は、LF/HF、胸の温度、呼吸数、心拍数、睡眠姿勢、及び睡眠深度となる。以下、患者3及び患者4に対しても特徴量が示されている。
発明者等は、図1に示す分析結果から幾つかの知見を得ることができた。
1つ目の知見は、異なるパターン間で同じ変化傾向を示す特徴量と、異なる変化傾向を示す特徴量とが存在する点である。
例えば、患者1の分析結果において、LF/HF及び心拍数については、パターン1とパターン2の間で同じ変化傾向を示しているが、呼吸数及び睡眠深度については、パターン1とパターン2の間で異なる変化傾向を示している。
2つ目の知見は、失禁前における特徴量は患者毎に異なる点である。
例えば、患者1のパターン2の場合には、患者1の胸と手首の温度差が上昇する変化傾向が見られるが、患者2のパターン2の場合には、患者2の胸と手首の温度差に特段の変化傾向は認められない。
3つ目の知見は、同じパターンであっても、特徴量の変化傾向が患者毎に異なる点である。
例えば、患者1のパターン2の場合には、患者1の呼吸数が低下する変化傾向が見られるが、患者2のパターン2の場合には、患者2の呼吸数は上昇する変化傾向が見られる。
以上から発明者等は、患者が失禁する前には、睡眠深度に応じて特定の計測項目に関して共通して現れる特徴量の変化傾向があり、この特定の計測項目と、特徴量の変化傾向は患者毎に異なることを見出した。
例えば、患者1は、睡眠深度が深い状態で失禁する場合、LF/HF及び呼吸数が上昇し、心拍数が低下する傾向があり、睡眠深度が浅い状態で失禁する場合、LF/HF及び胸と手首の温度差が上昇し、呼吸数及び心拍数が低下する傾向がある。
従って、各計測項目のうち、何れかのパターンにおいて共通の変化傾向を示す特徴量に対応する計測項目が、当該特徴量が示す変化傾向と同じ変化傾向を示せば、患者が失禁する可能性があることを、患者が失禁する前に事前に検知することができる。
上記に示した知見を踏まえ、以降、患者の睡眠深度に応じた生体情報の変化傾向に基づいて患者の失禁を予測し、患者の失禁を抑制する失禁抑制装置について説明する。
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係る失禁抑制システム1の構成の一例を示す図である。
失禁抑制システム1は、ウェアラブルセンサ10、情報端末30、及び失禁抑制装置40を含む。ウェアラブルセンサ10と情報端末30、情報端末30と失禁抑制装置40、及び、失禁抑制装置40とウェアラブルセンサ10は、通信回線で接続される。
図2では、失禁抑制装置40に1台の情報端末30が接続されている例を示しているが、失禁抑制装置40には複数の情報端末30を接続することが可能である。また、情報端末30及び失禁抑制装置40に接続可能なウェアラブルセンサ10の数にも制限はない。
また、図2の例では、ウェアラブルセンサ10は情報端末30を経由して失禁抑制装置40に接続されているが、ウェアラブルセンサ10を失禁抑制装置40に接続するようにしてもよい。
なお、通信回線の回線種別に制限はなく、例えばインターネット回線、イントラネット回線、又は専用線等、何れの回線種別であってもよく、接続形態に関しても、有線、無線、又は有線と無線との混在等、何れの接続形態であってもよい。
ウェアラブルセンサ10は、患者の生体情報を計測すると共に、失禁抑制装置40の指示に基づいて警告を出力する電子機器であり、患者に装着または携帯される。
ウェアラブルセンサ10は、送信部11、尿センサ12、加速度センサ13、温度センサ14、呼吸センサ15、心拍センサ、ジャイロセンサ17、脳波センサ18、及びECGセンサ19を含む。また、ウェアラブルセンサ10は、アラート受信部20及びスピーカ21を含む。
ウェアラブルセンサ10の送信部11には、情報端末30のセンサデータ受信部31、尿センサ12、加速度センサ13、温度センサ14、呼吸センサ15、心拍センサ、ジャイロセンサ17、脳波センサ18、及びECGセンサ19が接続される。
尿センサ12は患者の失禁を検知し、失禁検知を知らせる失禁検知データを送信部11に出力する。
加速度センサ13は、患者の胸の動きの加速度、及び患者の手首の動きの加速度を計測し、部位毎の加速度データを送信部11に出力する。なお、患者の胸の動きを示す加速度データは、計測項目のうち、体幹の体動に対応する生体情報を表す。患者の手首の動きを示す加速度データは、計測項目のうち、手首の動きに対応する生体情報を表す。
温度センサ14は、患者の胸の温度、及び患者の手首の温度を計測すると共に、計測結果から胸と手首の温度差を算出し、部位毎の温度データ及び温度差データを送信部11に出力する。
呼吸センサ15は、例えば患者の胸の動きを検知して、単位時間あたりの患者の呼吸数を計測し、患者の呼吸数を示す呼吸データを送信部11に出力する。なお、呼吸データは、計測項目のうち、呼吸数に対応する生体情報を表す。
心拍センサ16は、例えば患者の脈の動きを検知して、単位時間あたりの患者の心拍数を計測し、患者の心拍数を示す心拍データを送信部11に出力する。なお、心拍データは、計測項目のうち、心拍数に対応する生体情報を表す。
ジャイロセンサ17は、患者の体の向きを検知して、患者がどの方向を向いているかを計測すると共に、当該計測結果を用いて、単位時間あたりの患者の体の移動回数を算出する。ジャイロセンサ17は、患者の体の向きを示すジャイロデータ、及び単位時間あたりの患者の体の移動回数を示す寝返りデータを送信部11に出力する。
ジャイロセンサ17は、例えば患者が仰向けの状態にある場合に“0”の値を示し、患者から見て、患者の体が仰向けの状態から左方向に回転するに従って“+”方向に大きくなる値を示し、逆に、右方向に回転するに従って、“−”方向に小さくなる値を示す。これにより、ジャイロデータから患者の体の向きを推定することが可能となる。
なお、ジャイロデータは、計測項目のうち、睡眠姿勢に対応する生体情報を表し、寝返りデータは、計測項目のうち、寝返り頻度に対応する生体情報を表す。
脳波センサ18は、脳の活動結果として患者の頭部に生じる電位差を検知して、患者の脳波を計測する。この際、脳波センサ18は、例えばδ波に比べてθ波が多く現れる状況を“+”、θ波に比べてδ波が多く現れる状況を“−”とした上で、各々の脳波の強さを数値化した脳波データを送信部11に出力する。なお、脳波データは、計測項目のうち、睡眠深度に対応する生体情報を表す。
ECGセンサ19は、患者の心拍変動を検知して患者の自律神経の活動状態、すなわちLF/HFを計測し、患者のLF/HFを示すECGデータを送信部11に出力する。なお、ECGデータは、計測項目のうち、LF/HFに対応する生体情報を表す。ECGセンサのR−R間隔(R波の間隔)から心拍数を求めてもよい。
上記の各センサ12〜19は、例えば予め定めた間隔毎に患者の生体情報を計測し、各センサ12〜19に対応する各種データ(生体データ)を送信部11に出力する。各センサ12〜19における生体情報の計測間隔について特に制限はないが、生体情報の計測間隔が短くなるに従って単位時間あたりのデータ量が多くなるため、後ほど説明する失禁抑制装置40において、患者の失禁を精度良く予測することができる。
また、各センサ12〜19は、ウェアラブルセンサ10に内蔵されている必要はなく、各センサ12〜19をウェアラブルセンサ10と分離させても良い。
送信部11は、各センサ12〜19から出力される生体データを受信し、生体データを受信した日付及び時刻、並びに患者を識別するための患者ID(identification)を生体データ毎に付加して、情報端末30に送信する。なお、生体情報を計測した日付及び時刻は、各センサ12〜19で生体データに付加するようにしても良く、また、患者IDは、生体データの送信先である情報端末30で生体データに付加するようにしても良い。
ウェアラブルセンサ10のアラート受信部20には、失禁抑制装置40のアラート出力部44、及びスピーカ21が接続される。
アラート受信部20は、アラート出力指示をアラート出力部44から受信すると、警告音に対応した音声データをスピーカ21に出力する。
スピーカ21は、音声データをアラート受信部20から受け付けると、音声データに対応する音声、すなわち警告音を出力する。なお、スピーカ21は、ウェアラブルセンサ10に内蔵されている必要はなく、スピーカ21をウェアラブルセンサ10と分離させても良い。
一方、情報端末30は、例えば患者の家に設置され、患者の失禁に関する各種情報の入出力、及び警告の出力に関する処理を実行する。
情報端末30は、センサデータ受信部31、センサデータ送信部32、入力部33、情報端末送信部34、スピーカ35、アラート受信部36、及び照明制御部37を含む。
センサデータ受信部31は、ウェアラブルセンサ10の送信部11、及びセンサデータ送信部32に接続され、送信部11から受信した患者の生体データを、センサデータ送信部32に出力する。
センサデータ送信部32は、センサデータ受信部31、及び失禁抑制装置40の収集記録部41に接続され、センサデータ受信部31から受け付けた生体データを、収集記録部41に送信する。
入力部33は、情報端末送信部34に接続され、例えばタッチパネル、キーボード、マウス等といった入力デバイスから入力される入力情報を受け付け、受け付けた入力情報を情報端末送信部34に出力する。
情報端末送信部34は、入力部33、及び失禁抑制装置40の収集記録部41に接続され、入力部33から受け付けた入力情報を、収集記録部41に送信する。
アラート受信部36は、失禁抑制装置40のアラート出力部44、並びに、情報端末30のスピーカ35及び照明制御部37に接続される。アラート受信部36は、アラート出力指示をアラート出力部44から受信すると、警告音に対応した音声データをスピーカ35に出力すると共に、照明制御指示を照明制御部37に出力する。
スピーカ35は、音声データをアラート受信部36から受け付けると、音声データに対応する音声、すなわち警告音を出力する。
照明制御部37は、照明制御指示をアラート受信部36から受け付けると、例えば患者及び患者の保護者が就寝している部屋に設置される図示しない照明機器の明かりを点灯させる。
一方、失禁抑制装置40は、収集記録部41、抽出部42、判定部43、アラート出力部44、並びに、センサデータDB(Database)48及び特徴量リストDB49を記憶する記憶部45を含む。
収集記録部41は、情報端末30のセンサデータ送信部32及び情報端末送信部34に接続され、患者の生体データ及び入力情報を受け付ける。更に、収集記録部41は、抽出部42、判定部43、及び記憶部45に接続され、受け付けた生体データをセンサデータDB48へ時系列に記録する。この際、収集記録部41は、生体データに付加された患者IDを参照して生体データと患者IDを対応付け、センサデータDB48に記録する。また、収集記録部41は、受け付けた入力情報を抽出部42または判定部43に出力し、抽出部42または判定部43の処理に必要な情報を提供する。
抽出部42は、収集記録部41及び記憶部45に接続され、例えば情報端末30で指定された患者の生体データを、センサデータDB48から取得する。そして、抽出部42は、取得した患者の生体データから計測項目毎に特徴量を算出すると共に、算出した特徴量を睡眠深度が深い場合と浅い場合との各々のパターンに分類し、各々のパターンから、特徴量が共通する変化傾向を示す計測項目を抽出する。
この際、抽出部42は、抽出した計測項目に、特徴量が上昇する傾向にあるのか、或いは、低下する傾向にあるのかを示す特徴量の変化傾向、及び特徴量の変化傾向の度合いに応じた閾値を設定する。そして、抽出部42は、患者のパターン毎に、抽出した計測項目に閾値を対応付けて特徴量リストDB49に記憶する。なお、患者の各パターンにおける計測項目と閾値の対応付けを特徴量リストといい、当該特徴量リストは患者毎に生成され、特徴量リストDB49に記憶される。
図3は、図1に示す患者1の特徴量リストの一例を示す図である。図3に示すように、特徴量リストSは、例えば計測項目及び閾値をパターン毎に分類している。例えば、パターン1において、LF/HFは“3.0”と正の値で表されることから、LF/HFは上昇する変化傾向があり、その閾値の絶対値は“3.0”であることを示している。また、パターン1において、心拍数は“−1.8”と負の値で表されることから、心拍数は低下する変化傾向があり、その閾値の絶対値は“1.8”であることを示している。
判定部43は、収集記録部41、アラート出力部44、及び記憶部45と接続される。判定部43は、例えば情報端末30で指定された睡眠中の患者の生体データを、センサデータDB48から取得すると共に、当該患者の睡眠深度に応じた特徴量リストSを、特徴量リストDB49から取得する。
そして、判定部43は、睡眠中の患者の生体データを用いて計測項目毎に特徴量を算出する。判定部43は、算出した特徴量のうち、特徴量リストSに含まれる計測項目に対応する各計測項目の特徴量が、特徴量リストSに含まれる計測項目の閾値の変化傾向と一致し、かつ、当該閾値を超える場合、アラート出力指示をアラート出力部44に出力する。
アラート出力部44は、判定部43、情報端末30のアラート受信部36、及びウェアラブルセンサ10のアラート受信部20と接続され、判定部43から受け付けたアラート出力指示を、アラート受信部20、36に出力する。
次に、図4に、失禁抑制装置40をコンピュータで実現する場合の構成図の一例を示す。
コンピュータ100は、CPU102、メモリ104、及び不揮発性の記憶装置106を含む。CPU102、メモリ104、及び不揮発性の記憶装置106は、バス108を介して互いに接続される。また、コンピュータ100は、入力装置112及び通信装置114と、コンピュータ100と、を接続して互いにデータを送受信するためのI/O(Input/Output)110を備え、I/O110はバス108に接続される。
入力装置112は、例えばキーボード及びマウス等の、コンピュータ100の操作者がコンピュータ100に指示を与えるための入力デバイスを含む。また、入力装置112は、例えばCD−ROM又はフラッシュメモリ等の記録媒体116に記録されるデータを読み取るための読み取り装置を含む。なお、入力装置112は必ずしもI/O110に接続する必要はない。
通信装置114は、通信回線に接続するためのインターフェースを含み、例えば通信回線に接続されるウェアラブルセンサ10及び情報端末30とデータの送受信を行う。
なお、記憶装置106は、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等によって実現できる。
記憶装置106には、コンピュータ100を図2に示す失禁抑制装置40として機能させるための失禁抑制プログラム120が記憶される。記憶装置106に記憶される失禁抑制プログラム120は、収集記録プロセス122、抽出プロセス124、判定プロセス126、及びアラート出力プロセス128を含む。
CPU102は、失禁抑制プログラム120を記憶装置106から読み出してメモリ104に展開し、失禁抑制プログラム120に含まれる各プロセスを実行する。
CPU102が、失禁抑制プログラム120を記憶装置106から読み出してメモリ104に展開し、失禁抑制プログラム120を実行することで、コンピュータ100が図2に示す失禁抑制装置40として動作する。
また、CPU102が収集記録プロセス122を実行することで、コンピュータ100が図2に示す収集記録部41として動作する。また、CPU102が抽出プロセス124を実行することで、コンピュータ100が図2に示す抽出部42として動作する。また、CPU102が判定プロセス126を実行することで、コンピュータ100が図2に示す判定部43として動作する。また、CPU102がアラート出力プロセス128を実行することで、コンピュータ100が図2に示すアラート出力部44として動作する。
更に、CPU102が、センサデータ情報格納領域140に格納されたセンサデータ情報をメモリ104に展開することで、メモリ104にセンサデータDB48が記憶される。また、CPU102が、特徴量リスト情報格納領域142に格納された特徴量リスト情報をメモリ104に展開することで、メモリ104に特徴量リストDB49が記憶される。
なお、コンピュータ100は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で実現することも可能である。
次に、第1実施形態に係る失禁抑制装置40の作用について説明する。第1実施形態に係る失禁抑制装置40は、例えば、情報端末30からの指示に基づいて特徴量リスト生成処理を実行する。
図5は、失禁抑制装置40の特徴量リスト生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、失禁抑制装置40のセンサデータDB48には、患者毎の所定期間に亘る生体データが予め記憶されているものとする。
ステップS10において、抽出部42は、例えば何れかの患者の所定期間内の生体データから特徴量を算出し、算出した特徴量を患者の睡眠深度に応じて2つのパターンに分類して特徴量リストを初期化する特徴量リスト初期化処理を実行する。
図6は、ステップS10における特徴量リスト初期化処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS200において、抽出部42は、センサデータDB48に記憶される失禁検知データを参照し、所定期間内における患者の失禁毎に、患者の失禁60分前から失禁時刻の直前までの期間に記録された生体データをセンサデータDB48から取得する。以降、患者の失禁60分前から失禁時刻の直前までの期間を集計期間という。
そして、抽出部42は、集計期間における生体データの計測項目毎の平均値を集計期間毎に求め、失禁時生体データA[d]を算出する。すなわち、失禁時生体データA[d]は、患者が失禁する前の患者の生体データを示す。
ここで、変数i(=1,2,・・・)は計測項目を示す番号であり、変数d(=1,2,・・・)は、集計期間を識別する番号である。例えばi=1であればLF/HF、i=2であれば体幹の体動というように計測項目との対応付けが行われる。また、d=1であれば所定期間内で最も古い集計期間、d=2であれば所定期間内でd=1で示される集計期間の次に古い集計期間というように集計期間との対応付けが行われる。
なお、計測項目と変数iとの対応付け、及び集計期間と変数dとの対応付けに制限はなく、どのような対応付けを行っても良い。例えば、LF/HFにi=2を対応付けても良く、所定期間内で最近の集計期間にd=1を対応付けても良い。また、ここでいう所定期間とは、例えば1ヶ月程度の期間を想定しているが、その期間に特に制限はない。以降では、変数iを計測項目i、変数dを集計期間dという。
更に、抽出部42は、所定期間における患者の平均失禁時刻を算出する。
ステップS210において、抽出部42は、センサデータDB48に記憶される失禁検知データを参照し、所定期間内の患者が失禁していない日毎の患者の生体データをセンサデータDB48から取得する。具体的には、抽出部42は、所定期間内の患者が失禁していない日毎に、ステップS200で算出した平均失禁時刻の60分前から平均失禁時刻の直前までの期間に記録された生体データを、センサデータDB48から取得する。
そして、抽出部42は、ステップS210で取得した所定期間内の全ての生体データを計測項目i毎に平均した基準生体データBを算出する。すなわち、基準生体データBは、患者が失禁しない場合の患者の生体データを示す。
なお、ステップS200及びステップS210では、一例として生体データの取得期間を60分としたが、この値は一例であり、生体データの取得期間を60分より長くしても、或いは短くしても良い。ただし、ステップS200及びステップS210における生体データの取得期間は同じにすることが好ましい。これは、生体データの取得期間が異なった場合、失禁時生体データA[d]と基準生体データBとの間の有意差が正しく評価できなくなる場合が考えられるためである。
ステップS220において、抽出部42は、ステップS200で算出した失禁時生体データA[d]と、ステップS210で算出した基準生体データBを用いて、各集計期間における計測項目i毎の特徴量C[d]を(1)式で算出する。
(数1)
[d]= A[d]− B・・・(1)
すなわち、特徴量C[d]は、患者の生体傾向から、例えば失禁がない場合でも呼吸数が少ないといった、患者が有する固有の生体傾向を除去した生体情報であり、失禁時に患者に現れる生体情報の変化を表す。
抽出部42は、算出した特徴量C[d]を、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。
なお、(1)式の代わりに、(2)式で計測項目i毎の特徴量C[d]を算出しても良く、更に、失禁時生体データA[d]から患者が有する固有の生体傾向を除去する他の演算式を用いて、患者の特徴量C[d]を算出しても良い。
(数2)
[d]=B−A[d]・・・(2)
ステップS230において、抽出部42は、失禁時生体データA[d]の算出に用いた生体データの失禁直前の睡眠深度を参照して、失禁時生体データA[d]のうち、患者の睡眠深度が深い状態にあった際の失禁時生体データA[d]を検出する。ここで、集計期間dは1以上の何れかの整数である。
そして、抽出部42は、患者の睡眠深度が深い、すなわちパターン1に属する失禁時生体データA[d]に対応した特徴量C[d]で、パターン1における特徴量リストS1を初期化する。具体的には、抽出部42は、計測項目iと特徴量C[d]とを対応付けた特徴量リストS1を生成し、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。なお、ステップS230で生成される特徴量リストS1は仮の特徴量リストS1である。
ステップS240において、抽出部42は、失禁時生体データA[d]の算出に用いた生体データの失禁直前の睡眠深度を参照して、失禁時生体データA[d]のうち、患者の睡眠深度が浅い状態にあった際の失禁時生体データA[d]を検出する。ここで、集計期間dは1以上の何れかの整数である。
そして、抽出部42は、患者の睡眠深度が浅い、すなわちパターン2に属する失禁時生体データA[d]に対応した特徴量C[d]で、パターン2における特徴量リストS2を初期化する。具体的には、抽出部42は、計測項目iと特徴量C[d]とを対応付けた特徴量リストS2を生成し、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。なお、ステップS240で生成される特徴量リストS2は仮の特徴量リストS2である。
以上により、図5におけるステップS10の特徴量リスト初期化処理が終了し、メモリ104の予め定めた領域に、初期化された特徴量リストS1及び特徴量リストS2が記憶される。
引き続き、図5のステップS20以降の処理について説明する。ステップS20以降では、ステップS230で生成した特徴量リストS1、及びステップS240で生成した特徴量リストS2から、特徴量C[d]が異なる変化傾向を示す計測項目iを取り除き、最終的な特徴量リストS1及び特徴量リストS2を生成する。
まず、ステップS20において、抽出部42は、集計期間dを“0”に初期化し、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。
ステップS30において、抽出部42は、集計期間dをメモリ104から取得して、集計期間dを1つ増加(インクリメント)する。そして、抽出部42は、更新した変数dを、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。
ステップS40において、抽出部42は、現在の集計期間dの値に対応した特徴量C[d]をメモリ104から取得する。なお、この特徴量C[d]は、図6のステップS220で算出されたものである。
ステップS50において、抽出部42は、取得した特徴量C[d]に対応する失禁時生体データA[d]の算出に用いた生体データの失禁直前の睡眠深度を参照して、集計期間dにおける患者の睡眠深度を取得する。そして、抽出部42は、集計期間dにおける患者の睡眠深度が深いか否かを判定して、肯定判定の場合にはステップS60に移行し、否定判定の場合にはステップS70に移行する。
なお、抽出部42は、取得した特徴量C[d]と、集計期間dにおける患者の睡眠深度と、を対応付けて、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。すなわち、抽出部42は、取得した特徴量C[d]がパターン1またはパターン2の何れのパターンに属するかを記録する。
ステップS60において、抽出部42は、睡眠深度が深い場合の特徴量リストである特徴量リストS1をメモリ104から取得する。抽出部42は、特徴量リストS1に含まれる特徴量C[d]と、ステップS40で取得した特徴量C[d]と、で異なる変化傾向を示す計測項目iが存在するか否かを判定する。そして、抽出部42は、該当する計測項目iがあれば、当該計測項目iを特徴量リストS1から取り除く。
具体的には、抽出部42は、特徴量リストS1に含まれる特徴量C[d]と、ステップS40で取得した特徴量C[d]の符号を計測項目i毎に比較し、特徴量の符合が異なる計測項目i、及び当該計測項目iの特徴量C[d]を特徴量リストS1から取り除く。
例えば、特徴量リストS1に含まれる胸の温度に関する特徴量が“1.2”で、ステップS40で取得した胸の温度に関する特徴量が“−0.8”とする。この場合、一方の特徴量の符号が正で、他方の特徴量の符号が負であるため、胸の温度に関する計測項目、及び特徴量“1.2”が特徴量リストS1から取り除かれる。
抽出部42は、このようにして更新した特徴量リストS1を新たな特徴量リストS1として、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。
また、ステップS70において、抽出部42は、睡眠深度が浅い場合の特徴量リストである特徴量リストS2をメモリ104から取得する。抽出部42は、ステップS60と同様に、特徴量リストS2に含まれる特徴量C[d]と、ステップS40で取得した特徴量C[d]と、で異なる変化傾向を示す計測項目iが存在するか否かを判定する。そして、抽出部42は、該当する計測項目iがあれば、当該計測項目iを特徴量リストS2から取り除く。
抽出部42は、更新した特徴量リストS2を新たな特徴量リストS2として、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。
ステップS80において、抽出部42は、まだステップS40で取得していない集計期間dに対応する特徴量C[d]が存在するか否かを判定し、肯定判定の場合には、ステップS30に移行する。そして、ステップS30において集計期間dが更新され、ステップS30〜S80の処理が繰り返されることで、特徴量C[d]の変化傾向が共通する計測項目iだけが残った特徴量リストS1及び特徴量リストS2が生成される。
一方、ステップS80の判定処理が否定判定、すなわち、ステップS40で、所定期間における全ての特徴量C[d]をメモリ104から取得した場合には、ステップS90に移行する。
ステップS90において、抽出部42は、特徴量リストS1に含まれる各計測項目iの特徴量C[d]に閾値を設定する。具体的には、抽出部42は、特徴量リストS1に含まれる計測項目i毎に、パターン1に含まれる全ての特徴量C[d]のうち、特徴量C[d]の絶対値が最も小さい特徴量C[d]を抽出する。そして、抽出部42は、抽出した特徴量C[d]を、特徴量C[d]の代わりに計測項目iに関する特徴量の閾値として特徴量リストS1に設定する。
更に、ステップS100において、抽出部42は、特徴量リストS2に含まれる各計測項目iの特徴量C[d]に閾値を設定する。具体的には、抽出部42は、特徴量リストS2に含まれる計測項目i毎に、パターン2に含まれる全ての特徴量C[d]のうち、特徴量C[d]の絶対値が最も小さい特徴量C[d]を抽出する。そして、抽出部42は、抽出した特徴量C[d]を、特徴量C[d]の代わりに計測項目iに関する特徴量の閾値として特徴量リストS2に設定する。
なお、特徴量C[d]がパターン1またはパターン2の何れのパターンに含まれるかの判定は、ステップS50でメモリ104に記憶された、特徴量C[d]と患者の睡眠深度との対応付けを参照すればよい。
また、ここでは一例として、パターン1またはパターン2に含まれる全ての特徴量C[d]のうち、計測項目iにおいて特徴量C[d]の絶対値が最小の特徴量C[d]を、計測項目iに関する特徴量の閾値として設定したが、閾値の設定方法はこれに限られない。例えば、パターン1またはパターン2に含まれる全ての特徴量C[d]の計測項目i毎の平均値を、計測項目iに関する特徴量の閾値に設定しても良い。また、パターン1またはパターン2に含まれる全ての特徴量C[d]のうち、計測項目iにおいて特徴量C[d]の絶対値が最大の特徴量C[d]を、計測項目iに関する特徴量の閾値に設定しても良い。
ステップS110において、抽出部42は、ステップS90で生成した特徴量リストS1、及び、ステップS100で生成した特徴量リストS2を、特徴量リストDB49に記憶する。
以上により、図5に示す特徴量リスト生成処理が終了する。この特徴量リスト生成処理を患者毎に実行することによって、特徴量リストDB49に、患者毎の特徴量リストS1及び特徴量リストS2が記憶される。
なお、特徴量リストS1、S2を生成した以降は、特徴量リストS1、S2に含まれていない計測項目iに関する生体データを検知するセンサは、ウェアラブルセンサ10から除去するようにしても良い。
次に、作成した特徴量リストS1及び特徴量リストS2に基づいて、睡眠中の患者に失禁の予兆が認められるか判定し、患者の失禁が予測される場合に、警告を出力するアラート通知処理について説明する。ここでは、情報端末30で指示された睡眠中の患者に対してアラート通知処理を実行する例について説明するが、これに限らず、例えば生体データを収集している全ての睡眠中の患者に対してアラート通知処理を実行しても良い。
図7は、失禁抑制装置40のアラート通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、失禁抑制装置40のセンサデータDB48には、患者毎の所定期間内の生体データが予め記憶され、特徴量リストDB49には、患者毎の睡眠深度に応じた特徴量リストS1及び特徴量リストS2が予め記憶されているものとする。なお、特徴量リストS1と特徴量リストS2とを区別して説明する必要がない場合、特徴量リストSと示す。
また、失禁抑制装置40のCPU102は、例えば時刻を管理するカレンダ機能を備える。失禁抑制プログラム120に含まれる各プロセスは、例えば予め定めたAPI(Application Programming Interface)を用いることで、CPU102から時刻情報を取得できる。
まず、ステップS300において、判定部43は、情報端末30で指示された患者の患者IDを収集記録部41から取得する。そして、判定部43は、指定された患者IDに対応付けられた生体データをセンサデータDB48から取得する。
この際、判定部43は、ステップS300実行時の時刻(現在時刻)から当該時刻の60分前までの期間に記録された生体データを、センサデータDB48から取得する。現在時刻は、例えば予め定めたAPIを用いてCPU102から取得すれば良い。なお、現在時刻の取得方法はこれに限られない。例えば、現在時刻を、通信回線に接続される図示しない時刻サーバ等から取得するようにしてもよい。
判定部43は、取得した生体データの平均値を計測項目i毎に求め、現在生体データAを算出する。すなわち、現在生体データAは、睡眠中の患者の現在の生体データを示す。
そして、判定部43は、(1)式のA[d]を現在生体データAに置き換えて、ステップS300で取得した生体データから、計測項目i毎の特徴量Cを算出する。なお、特徴量Cを算出する際に使用する基準生体データBは、図6のステップS210で算出した基準生体データBを用いれば良い。
このようにして算出した特徴量C(現在特徴量C)は、睡眠中の患者の現在の生体活動の変化傾向を示しているとみなすことができる。
なお、ここでは生体データの取得期間を60分としたが、この60分の値は一例であり、生体データの取得期間を60分より長くしても、或いは短くしても良い。ただし、ステップS200及びステップS210で用いた生体データの取得期間と同じにすることが好ましい。これは、特徴量リストS1、S2に含まれる計測項目iに関する特徴量の閾値と、患者の現在特徴量Cと、を算出する際に用いる生体データの取得期間が異なる場合、以降の処理で、閾値と現在特徴量Cとを精度良く比較できない場合があるためである。
ステップS310において、判定部43は、現在特徴量Cの算出に用いた生体データのうち、最も新しい時刻における脳波データを参照して、患者の現在の睡眠深度を取得する。そして、判定部43は、患者の現在の睡眠深度が深いか否かを判定して、否定判定の場合にはステップS320に移行する。
なお、患者の睡眠深度は、脳波データ以外の生体データから判定することも可能である。例えば、患者の睡眠深度が深くなるに従って手首の動きが減少するため、手首の動きを示す加速度データから患者の睡眠深度を判定することが可能である。同様に、患者の睡眠深度が深くなるに従ってLF/HFの値が低下するため、LF/HFを示すECGデータから患者の睡眠深度を判定することも可能である。この場合、ウェアラブルセンサ10から脳波センサ18を省略することも可能である。
患者の睡眠深度が浅いと判定された場合の移行先であるステップS320において、判定部43は、当該患者の特徴量リストS2を特徴量リストDB49から取得する。そして、判定部43は、ステップS300で算出した患者の現在特徴量Cのうち、取得した特徴量リストS2に含まれる計測項目iに関する現在特徴量Cと、特徴量リストS2に含まれる計測項目iに関する特徴量の閾値と、を計測項目i毎に比較する。そして、判定部43は、特徴量リストS2に含まれる全ての計測項目iについて、現在特徴量Cの変化傾向が、特徴量リストS2に含まれる計測項目iに関する特徴量の変化傾向と一致し、かつ、現在特徴量Cが閾値をそれぞれ超えるか否かを判定する。なお、「現在特徴量Cが閾値を超える」とは、現在特徴量Cの絶対値が閾値の絶対値を超えることをいう。ステップS320の判定が肯定判定の場合にはステップS340に移行する。
特徴量リストS2は、患者の睡眠深度が浅い場合において、患者が失禁する際の予兆として患者の体に共通して現れる特徴量の変化傾向を示すものである。従って、ステップS320の判定処理が肯定判定であるということは、患者が失禁する恐れがあることを示している。
従って、ステップS340において、判定部43は、アラート出力指示をアラート出力部44に出力し、ステップS380に移行する。判定部43からアラート出力指示を受け付けたアラート出力部44は、アラート出力指示をウェアラブルセンサ10のアラート受信部20に出力する。
以上により、患者のウェアラブルセンサ10のスピーカ21から警告音が出力され、患者の起床を促し、患者がトイレにいって排尿することを促す。しかも、患者の睡眠が浅い時に警告音が出力されるため、睡眠が深い時に警告音が出力される場合に比べて患者は起床しやすく、しかも、患者の脳は既に活動しているため、起床した際の目覚めもよい。
一方、ステップS320の判定が否定判定の場合にはステップS330に移行する。この場合、特徴量リストS2に含まれる何れかの計測項目iについて、現在特徴量Cの変化傾向が、特徴量リストS2に含まれる計測項目iに関する特徴量の変化傾向と一致しないか、または、現在特徴量Cが閾値を超えないことになる。従って、患者が失禁する予兆は見られないと推定できる。
従って、ステップS330において、判定部43は、ステップS300で取得した現在時刻が患者の起床予定時刻を過ぎたか否か判定する。肯定判定の場合には、患者が起床したと考えられ、以後、患者に排尿を促す警告を出力する必要がないことから、ステップS380に移行する。
また、否定判定の場合には、患者はまだ睡眠中であると考えられるためステップS300に移行し、患者の現在特徴量Cを新たに算出して、ステップS300以降の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS310の判定処理が肯定判定の場合には、ステップS350に移行する。
患者の睡眠深度が深いと判定された場合の移行先であるステップS350において、判定部43は、当該患者の特徴量リストS1を特徴量リストDB49から取得する。そして、判定部43は、ステップS300で算出した患者の現在特徴量Cのうち、取得した特徴量リストS1に含まれる計測項目iに関する現在特徴量Cと、特徴量リストS1に含まれる計測項目iに関する特徴量の閾値と、を計測項目i毎に比較する。そして、判定部43は、特徴量リストS1に含まれる全ての計測項目iについて、現在特徴量Cの変化傾向が、特徴量リストS1に含まれる計測項目iに関する特徴量の変化傾向と一致し、かつ、現在特徴量Cが閾値をそれぞれ超えるか否かを判定する。ステップS350の判定が肯定判定の場合にはステップS360に移行する。
特徴量リストS1は、患者の睡眠深度が深い場合において、患者が失禁する際の予兆として患者の体に共通して現れる特徴量の変化傾向を示すものである。従って、ステップS350の判定処理が肯定判定であるということは、患者が失禁する恐れがあることを示している。
従って、ステップS360において、判定部43は、アラート出力指示をアラート出力部44に出力し、ステップS380に移行する。判定部43からアラート出力指示を受け付けたアラート出力部44は、アラート出力指示をウェアラブルセンサ10のアラート受信部20、及び情報端末30のアラート受信部36に出力する。
以上により、ウェアラブルセンサ10のスピーカ21、及び情報端末30のスピーカ35から警告音が出力されると共に、照明制御部37により、患者の家の照明が点灯される。
例えば、情報端末30が患者の保護者が就寝している部屋に設置され、照明制御部37が、当該保護者の部屋、及び患者が就寝している部屋の少なくとも一方に設置された照明を制御する場合、患者に加えて、更に、患者の保護者の起床を促すことになる。これは、患者の睡眠が深い時に患者に対して起床を促していることから、患者の睡眠が浅い時に警告音等が出力される場合に比べて、患者一人では起床し難いことが想定されるためである。患者の睡眠が深い場合には、患者の失禁の予兆の検知に合わせて、患者の保護者も起床させ、保護者から患者にトイレに行くよう促すようにしてもらうことで、患者の失禁を更に抑制させることができる。
なお、判定部43は、アラート出力指示をアラート出力部44に出力した時刻を警告時刻として患者IDと対応付け、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。
一方、ステップS350の判定が否定判定の場合にはステップS370に移行する。この場合、特徴量リストS1に含まれる何れかの計測項目iについて、現在特徴量Cの変化傾向が、特徴量リストS1に含まれる計測項目iに関する特徴量の変化傾向と一致しないか、または、現在特徴量Cが閾値を超えない状況が発生していることになる。従って、患者が失禁する予兆は見られないと推定できる。
従って、ステップS370において、判定部43は、ステップS300で取得した現在時刻が患者の起床予定時刻を過ぎたか否か判定する。肯定判定の場合には、患者が起床したと考えられ、以後、患者に排尿を促す警告を出力する必要がないことから、ステップS380に移行する。
また、否定判定の場合には、患者はまだ睡眠中であると考えられるためステップS300に移行し、患者の現在特徴量Cを新たに算出して、ステップS300以降の処理を繰り返し実行する。以上により、図7に示すアラート通知処理を終了する。
ステップS380において、判定部43は、患者IDと、警告時刻と、患者の失禁の予兆を検知する際に用いた特徴量リストSを識別する情報と、を対応付けた警告出力記録を、例えばメモリ104の予め定めた領域に記憶する。
なお、警告出力記録は、患者の就寝期間毎に時系列にメモリ104に記憶される。また、就寝期間とは、例えば患者の就寝予定時刻から起床予定時刻までの期間をいい、患者の就寝予定時刻及び起床予定時刻は、例えば情報端末30から入力される。
なお、患者の就寝期間において、患者の失禁の予兆が検知できなかった場合、判定部43は、警告時刻を例えば“*”に設定して、警告の出力指示を行わなかったことを記録する。
また、特徴量リストSを識別する情報を、以降では「特徴量リストID」といい、特徴量リストIDは、例えばS1、S2で表される。特徴量リストID=S1の場合、判定部43は、特徴量リストS1を用いて当該患者の失禁の予兆を判定したことを示す。また、特徴量リストID=S2の場合、判定部43は、特徴量リストS2を用いて当該患者の失禁の予兆を判定したことを示す。
以上により、図7に示すアラート通知処理を終了する。
なお、上記では特定の特徴量の一例として、睡眠深度に応じて計測項目i毎の特徴量をパターン分けしたが、パターン分けの方法はこれに限られない。例えば心拍数等、他の生体データの値に応じて、計測項目i毎の特徴量をパターン分けしても良く、更に、例えば睡眠深度と心拍数のように、複数の生体データの値に応じて、計測項目i毎の特徴量をパターン分けしても良い。
また、判定部43は、図7のステップS320及びステップS350で、特徴量リストSに含まれる全ての計測項目iについて、現在特徴量Cと、当該計測項目iに関する特徴量の閾値と、を比較したが、比較方法はこれに限られない。
例えば、特徴量リストSに含まれる全ての計測項目iのうち、予め定めた数の計測項目iについて、現在特徴量Cと、当該計測項目iに関する特徴量の閾値と、を比較しても良い。
このように第1実施形態では、失禁抑制装置40は、所定期間における患者の生体データに基づいて、患者が失禁する予兆として患者の体に共通して現れる特徴量の変化傾向を示す特徴量リストを、患者の睡眠深度に応じて生成する。更に、失禁抑制装置40は、患者の睡眠深度に応じた特徴量リストSに基づいて、患者の失禁の予兆を検知し、患者の睡眠深度に応じて警告の出力先を変えることで、患者の失禁を抑制する。
既に説明したように、患者の状態、詳しくは患者の睡眠深度によって特徴量の変化傾向が異なるため、患者の状態を未考慮の特徴量リストSを用いる場合と比べて、患者の失禁の予兆を精度よく検知できる。
また、第1実施形態によれば、特徴量として、失禁があった日の患者の生体データの値と、失禁がない日の患者の生体データの値と、の差分を用いることで、各患者に固有の生体情報の傾向を除去し、失禁時に患者に現れる生体情報の傾向を抽出することができる。
また、第1実施形態によれば、複数の計測項目iに関する特徴量の変化傾向を組み合わせた特徴量リストに基づいて患者の失禁の予兆を検知する。従って、1つの計測項目iに関する特徴量を含む特徴量リストを用いる場合と比べて、患者の失禁の予兆を更に精度良く検知できる。
(第2実施形態)
警告の出力に関して、失禁抑制装置40が、患者の失禁時刻に対してあまりにも早く警告の出力を指示して患者を起床させた場合、その時点では、患者はまだ尿意を催していない場合があり、患者が再び就寝してしまうことがある。そのため、せっかく警告の出力を指示して患者を起床させても、患者が失禁してしまうことがある。
一方、失禁抑制装置40が、患者が失禁した時刻より遅く警告を出力した場合には、当然のことながら、患者の失禁を抑制することができない。
すなわち、患者が失禁に至らない程度の尿意を感じるような期間(最適警告期間)に、失禁抑制装置40から警告の出力を指示できれば、患者の失禁を更に抑制することができる。
しかし、患者の失禁の予兆を検知してから実際に失禁するまでの時間は、例えば患者の日々の体調、及び患者の成長状況に応じて変化することがある。
従って、第2実施形態では、患者の失禁時刻と警告時刻に基づいて、特徴量リストSに含まれる各計測項目iに関する特徴量の閾値を調整して、患者に警告を出力する時刻が、可能な限り最適警告期間に含まれるように調整する失禁抑制装置について説明する。
図8は、第2実施形態に係る失禁抑制システム2の構成の一例を示す図である。失禁抑制システム2が第1実施形態に係る失禁抑制システム1と異なる点は、失禁抑制装置40が失禁抑制装置40Aに置き換えられた点である。
また、失禁抑制装置40Aが失禁抑制装置40と異なる点は、調整部46が追加された点である。
調整部46は、判定部43及び記憶部45に接続され、患者への警告時刻を判定部43から取得すると共に、当該患者の失禁時刻を記憶部45のセンサデータDB48から取得する。そして、調整部46は、取得した失禁時刻と警告時刻に基づいて、当該患者の失禁の予兆の判定に用いた特徴量リストSに含まれる特徴量の閾値を調整し、特徴量リストDB49に含まれる当該患者の特徴量リストSを、閾値を調整した特徴量リストSで更新する。
次に、図9に、失禁抑制装置40Aをコンピュータで実現する場合の構成図の一例を示す。
図9に示すコンピュータ100Aの構成が図4に示したコンピュータ100の構成と異なる点は、調整プロセス130が追加された点である。また、調整プロセス130の追加に伴い、第1実施形態に係る失禁抑制プログラム120が失禁抑制プログラム120Aに置き換えられる。
CPU102は、失禁抑制プログラム120Aを記憶装置106から読み出してメモリ104に展開し、失禁抑制プログラム120Aに含まれる各プロセスを実行する。
CPU102が、失禁抑制プログラム120Aを記憶装置106から読み出してメモリ104に展開し、失禁抑制プログラム120Aを実行することで、コンピュータ100Aが図8に示す失禁抑制装置40Aとして動作する。
また、CPU102が調整プロセス130を実行することで、コンピュータ100Aが図8に示す調整部46として動作する。
なお、コンピュータ100Aは、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC等で実現することも可能である。
次に、第2実施形態に係る失禁抑制装置40Aの作用について、図10を参照して説明する。失禁抑制装置40Aは、例えば1日の予め定めた時刻に、患者に対応付けられた特徴量リストSを更新する特徴量リスト更新処理を実行する。ここでは一例として、情報端末30で指示された患者に対応付けられた特徴量リストSの更新例について説明するが、これに限らず、例えば1日の予め定めた時刻に、特徴量リストSが対応付けられている全ての患者に対して特徴量リスト更新処理を実行してもよい。
なお、特徴量リスト更新処理は、患者の失禁の予兆の判定に用いる特徴量リストSを更新するため、特徴量リスト更新処理は、患者の起床予定時刻から就寝予定時刻までの、患者が活動している時間帯に実行することが好ましい。また、特徴量リスト更新処理は毎日実行しても良いし、例えば1週間毎に実行しても良く、特徴量リスト更新処理の実行間隔に制約はない。
まず、ステップS400において、調整部46は、患者の失禁検知データのうち、患者の直近の就寝期間における失禁検知データを、センサデータDB48から検索する。なお、以降では、上記の就寝期間を「前回の就寝期間」という。
そして、調整部46は、患者の前回の就寝期間内に、患者が失禁したことを示す失禁検知データが存在するか否かを判定し、否定判定の場合にはステップS410に移行する。この際、調整部46は、患者の失禁時刻を失禁検知データから取得して、メモリ104の予め定めた領域に記憶する。
ステップS410において、調整部46は、患者の前回の就寝期間内に警告が出力されたか否かを判定する。この判定は、例えば、図7のステップS380でメモリ104に記憶した患者の警告出力記録を参照することで実行される。
ステップS410の判定処理が否定判定、すなわち、前回の就寝期間内に、患者が失禁せず、かつ、警告も出力していない場合には、患者の失禁症状が改善しつつあることを表している。従って、このまま患者の失禁症状を観察していけば良く、現在の特徴量リストSを更新する必要はないため、図10に示す特徴量リスト更新処理を終了する。
ステップS410の判定処理が肯定判定の場合には、ステップS420に移行する。なお、この場合、患者に対して警告を出力したが、患者が失禁しなかったことを表している。一般的に、患者の成長に従って失禁時刻が遅くなり、最終的に失禁症状が治癒することが多いため、この状況は、患者の成長によって失禁時刻が遅くなったことを示していると推測される。
従って、ステップS420において、調整部46は、所定期間内において、前回の就寝期間内で失禁の予兆の判定に使用した患者の特徴量リストS(使用特徴量リスト)の閾値を上げたか否かを判定する。ここで、使用特徴量リストの閾値を上げるとは、使用特徴量リストに含まれる各計測項目iに関する特徴量の閾値の絶対値を、それぞれ大きくすることをいう。
否定判定の場合、ステップS430に移行し、ステップS430において、調整部46は、患者の失禁時刻の遅延に伴い、患者の失禁の予兆を従来よりも遅く検知するため、患者の使用特徴量リストの閾値を上げる。
なお、使用特徴量リストの閾値を上げる際には、予め定めた変動率に従って閾値を上げる。例えば、予め定めた変動率として、標準変動率(5%)、低変動率(1%)、高変動率(10%)のように値の異なる複数の変動率がメモリ104に予め記憶されており、ステップS430では、調整部46は、低変動率に従って使用特徴量リストの閾値を上げる。なお、予め定めた変動率の分類数、及び各変動率の値は一例であり、これに限られない。
一方、ステップS420の判定処理が肯定判定の場合には、図10に示す特徴量リスト更新処理を終了する。
このように、調整部46は、所定期間内に使用特徴量リストの閾値を上げていない場合に使用特徴量リストの閾値を上げる。この理由は、患者の成長は1日で大きく進展するものではないため、例えば昨日と今日で、患者の失禁時刻に大きな変化は見られないと考えられる。従って、患者に対して警告を出力したが、患者が失禁しなかった場合に毎回閾値を調整しなくても、例えば1ヶ月といった所定期間程度の間隔で患者の使用特徴量リストの閾値を調整すれば十分であると考えられるためである。また、同様の理由により、複数の変動率のうち、低変動率に従って患者の使用特徴量リストの閾値を調整する。
一方、ステップS400の判定処理が肯定判定、すなわち、前回の就寝期間内に患者が失禁している場合には、ステップS440に移行する。
ステップS440において、調整部46は、ステップS410と同様に、患者の前回の就寝期間内に警告が出力されたか否かを判定する。否定判定、すなわち、前回の就寝期間内に、警告が出力されずに患者が失禁してしまった場合、ステップS450に移行する。
ステップS450において、調整部46は、患者の起床予定時刻より予め定めた時間だけ前の時刻(起床前指定時刻)より前に、患者が失禁したか否かを判定する。この起床前指定時刻の設定に用いられる予め定めた時間は、例えば、起床に向けて患者の睡眠が次第に浅くなり始め、患者が起床するまでに要する時間が用いられる。ここでは、一例として60分とするが、当該時間はこれに限られない。
ステップS450の判定処理が否定判定、すなわち、患者が起床前指定時刻以降に失禁した場合には、患者が起床直前に失禁したとみなすことができる。患者の失禁症状が改善していくに従って失禁時刻が遅くなる傾向が見られるため、この場合、患者の失禁症状が治りかけであることを表している。従って、このまま患者の失禁症状を観察していけば良く、現在の特徴量リストSを更新する必要はないため、図10に示す特徴量リスト更新処理を終了する。
一方、ステップS450の判定処理が肯定判定、すなわち、前回の就寝期間内に警告が出力されることなく、起床前指定時刻より前に患者が失禁してしまった場合には、ステップS460に移行する。
この場合、使用特徴量リストの閾値が大きすぎて、図7のステップS320またはS350で患者の使用特徴量リストに含まれる各計測項目iに関する現在特徴量Cが、各々の閾値を超えることができずに、警告が出力されなかったものと考えられる。
従って、ステップS460において、調整部46は、患者の使用特徴量リストの閾値を下げる。ここで、使用特徴量リストの閾値を下げるとは、使用特徴量リストに含まれる各計測項目iに関する特徴量の閾値の絶対値を、それぞれ小さくすることをいう。
この際、調整部46は、使用特徴量リストが特徴量リストS1か特徴量リストS2かによって、閾値の下げ幅を変えるようにしてもよい。
患者の睡眠が浅い場合、睡眠が深い場合に比べて、警告が出力されてから患者が起床するまでの時間が短い場合が多い。従って、睡眠深度が浅い場合の警告時刻は、睡眠深度が深い場合の警告時刻より遅くなってもよいため、睡眠が浅い場合の特徴量リストS2の閾値の下げ幅は、睡眠が深い場合の特徴量リストS1の閾値の下げ幅より小さくする。
一方、ステップS440の判定処理が肯定判定、すなわち、前回の就寝期間内で警告が出力されたにもかかわらず患者が失禁してしまった場合、ステップS470に移行する。
ステップS470において、調整部46は、患者に対する警告時刻と、患者の失禁時刻を比較して、失禁時刻が警告時刻以後であるか否かを判定する。否定判定の場合、すなわち、警告の出力前に患者が失禁している場合には、患者が失禁する前に警告が出力されるように、現在より早く失禁の予兆を検知する必要があるため、ステップS460に移行する。そして、既に説明したように、ステップS460において、調整部46は、患者の使用特徴量リストの閾値を下げる。
一方、ステップS470の判定処理が肯定判定、すなわち、警告の出力以後に患者が失禁した場合、ステップS480に移行する。
この場合、患者が失禁する以前に警告を出力しているため、失禁抑制装置40Aは患者の失禁の予兆を検知していることになる。しかし、警告時刻から患者の失禁時刻までの時間が短い方が、患者の失禁の予兆を精度良く検知していると言える。従って、警告時刻から患者の失禁時刻までの時間が予め定めた時間(許容時間)より長い場合には、警告時刻を現状より遅らせた方が良い。なお、許容時間は、例えばメモリ104の予め定めた領域に予め記憶され、許容時間の一例として30分が用いられる。なお、許容時間の値は、これに限られない。
従って、ステップS480において、調整部46は、患者の失禁時刻が、警告時刻から許容時間経過した時間以内に含まれるか否かを判定する。肯定判定の場合には、患者の失禁時刻に対する警告時刻が適正であるため、図10に示す特徴量リスト更新処理を終了する。
一方、否定判定の場合にはステップS490に移行し、ステップS490において、調整部46は、警告時刻を現在より遅くするため、患者の使用特徴量リストの閾値を上げ、患者の失禁時刻が、警告時刻から許容時間以内に含まれるよう調整する。
以上により、図10に示す特徴量リスト更新処理を終了する。
このように第2実施形態によれば、失禁抑制装置40Aは、患者の失禁時刻と警告時刻に基づいて、特徴量リストSに含まれる各計測項目iに関する特徴量の閾値を調整して、患者に警告を出力する時刻が、可能な限り最適警告期間に含まれるようにする。従って、患者の失禁時刻と警告時刻との関係に応じて、特徴量リストSの閾値を変更しない場合に比べて、患者の失禁をより精度良く抑制することができる。
なお、失禁に関するデータは尿センサ12で検知することに限られるものではなく、例えば、情報端末30の入力部33を介して入力された失禁に関するデータを利用しても良い。この場合、ウェアラブルセンサ10から尿センサ12を省略することができる。
以上、各実施形態を用いて開示の技術を説明したが、開示の技術は各実施形態に記載の範囲には限定されない。開示の技術の要旨を逸脱しない範囲で各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。例えば、開示の技術の要旨を逸脱しない範囲で処理の順序を変更してもよい。
また、各実施形態では、失禁抑制プログラム120、120Aが記憶装置に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されるものではない。開示の技術に係る失禁抑制プログラム120、120Aは、コンピュータ読取可能な記録媒体116に記録されている形態で提供することも可能である。例えば、開示の技術に係る失禁抑制プログラム120、120Aは、CD−ROM、DVD−ROM、及びUSBメモリ等の可搬型記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。また、開示の技術に係る失禁抑制プログラム120、120Aは、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等に記録されている形態で提供することも可能である。
以上の各実施形態を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
コンピュータに、
患者の生体活動を示す複数の特徴量に基づき、前記複数の特徴量のうち、特定の特徴量によって区別できる前記患者の異なる状態毎に、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す特徴量のパターンを抽出し、
前記患者の状態、及び当該状態に応じた前記パターンが示す特徴量の変化傾向に基づいて、前記患者の失禁を予測し、
前記患者の失禁を予測した場合に、警告を出力する
ことを含む処理を実行させる失禁抑制方法。
(付記2)
前記患者の状態として睡眠深度を用い、前記患者の異なる睡眠深度毎に前記パターンを抽出する
付記1記載の失禁抑制方法。
(付記3)
前記パターンは、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す複数の特徴量を含む
付記1または付記2記載の失禁抑制方法。
(付記4)
前記特徴量として、前記患者が失禁する際の前記患者の生体情報と、前記患者が失禁しなかった際の前記患者の生体情報と、の差分を用いる
付記1〜付記3記載の失禁抑制方法。
(付記5)
前記患者の睡眠深度が浅い状態で失禁を予測した場合と、前記患者の睡眠深度が深い状態で失禁を予測した場合とで、前記警告の出力先を変更する
付記1〜付記4の何れか1項に記載の失禁抑制方法。
(付記6)
抽出した前記パターンの各々に含まれる特徴量に、前記パターンに含まれる特徴量の変化傾向の度合いに応じた閾値を設定し、
前記患者の状態に応じた前記複数の特徴量のうち、前記患者の状態に応じた前記パターンに含まれる特徴量が前記閾値を超えた場合に、前記患者が失禁すると予測する
付記1〜付記5記載の失禁抑制方法。
(付記7)
前記警告の出力の有無、及び前記患者の失禁の有無に基づいて、前記閾値を調整する
付記6記載の失禁抑制方法。
(付記8)
前記警告を出力する前に前記患者が失禁した場合に、前記閾値の絶対値を小さくする
付記7記載の失禁抑制方法。
(付記9)
前記警告を出力する前に前記患者が失禁した場合で、かつ、前記患者の失禁時刻が、前記患者が就寝してから所定の時刻までの期間に含まれる場合に、前記閾値の絶対値を小さくする
付記7または付記8記載の失禁抑制方法。
(付記10)
前記警告の出力以後に前記患者が失禁した場合で、かつ、前記警告を出力してから前記患者が失禁するまでの期間が所定の期間を超える場合に、前記閾値の絶対値を大きくする
付記7〜付記9の何れか1項に記載の失禁抑制方法。
(付記11)
前記警告を出力したにも関わらず、前記患者が失禁しなかった場合で、かつ、前記閾値の絶対値を所定の期間に亘って大きくしていなかった場合に、前記閾値の絶対値を大きくする
付記7〜付記10の何れか1項に記載の失禁抑制方法。
(付記12)
患者の生体活動を示す複数の特徴量に基づき、前記複数の特徴量のうち、特定の特徴量によって区別できる前記患者の異なる状態毎に、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す特徴量のパターンを抽出する抽出部と、
前記患者の状態、及び前記抽出部により抽出された当該状態に応じた前記パターンが示す特徴量の変化傾向に基づいて、前記患者の失禁を予測する判定部と、
前記判定部により前記患者の失禁を予測した場合に、警告を出力する出力部と、
を含む失禁抑制装置。
(付記13)
前記抽出部は、前記患者の状態として睡眠深度を用い、前記患者の異なる睡眠深度毎に前記パターンを抽出する
付記12記載の失禁抑制装置。
(付記14)
前記パターンは、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す複数の特徴量を含む
付記12または付記13記載の失禁抑制装置。
(付記15)
前記抽出部は、前記特徴量として、前記患者が失禁する際の前記患者の生体情報と、前記患者が失禁しなかった際の前記患者の生体情報と、の差分を用いる
付記12〜付記14記載の失禁抑制装置。
(付記16)
前記判定部は、前記患者の睡眠深度が浅い状態で失禁を予測した場合と、前記患者の睡眠深度が深い状態で失禁を予測した場合とで、前記警告の出力先を変更する
付記12〜付記15の何れか1項に記載の失禁抑制装置。
(付記17)
前記抽出部は、抽出した前記パターンの各々に含まれる特徴量に、前記パターンに含まれる特徴量の変化傾向の度合いに応じた閾値を設定し、
前記判定部は、前記患者の状態に応じた前記複数の特徴量のうち、前記患者の状態に応じた前記パターンに含まれる特徴量が前記閾値を超えた場合に、前記患者が失禁すると予測する
付記12〜付記16記載の失禁抑制装置。
(付記18)
前記警告の出力の有無、及び前記患者の失禁の有無に基づいて、前記閾値を調整する調整部を更に含む
付記17記載の失禁抑制装置。
(付記19)
前記調整部は、前記出力部が前記警告を出力する前に前記患者が失禁した場合に、前記閾値の絶対値を小さくする
付記18記載の失禁抑制装置。
(付記20)
前記調整部は、前記出力部により前記警告が出力される前に前記患者が失禁した場合で、かつ、前記患者の失禁時刻が、前記患者が就寝してから所定の時刻までの期間に含まれる場合に、前記閾値の絶対値を小さくする
付記18または付記19記載の失禁抑制装置。
(付記21)
前記調整部は、前記出力部による前記警告の出力以後に前記患者が失禁した場合で、かつ、前記警告を出力してから前記患者が失禁するまでの期間が所定の期間を超える場合に、前記閾値の絶対値を大きくする
付記18〜付記20の何れか1項に記載の失禁抑制装置。
(付記22)
前記出力部が前記警告を出力したにも関わらず、前記患者が失禁しなかった場合で、かつ、前記閾値の絶対値を所定の期間に亘って大きくしていなかった場合に、前記閾値の絶対値を大きくする
付記18〜付記21の何れか1項に記載の失禁抑制装置。
(付記23)
コンピュータに、
患者の生体活動を示す複数の特徴量に基づき、前記複数の特徴量のうち、特定の特徴量によって区別できる前記患者の異なる状態毎に、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す特徴量のパターンを抽出し、
前記患者の状態、及び当該状態に応じた前記パターンが示す特徴量の変化傾向に基づいて、前記患者の失禁を予測し、
前記患者の失禁を予測した場合に、警告を出力する
ことを含む処理を実行させるための失禁抑制プログラム。
(付記24)
前記患者の状態として睡眠深度を用い、前記患者の異なる睡眠深度毎に前記パターンを抽出する
付記23記載の失禁抑制プログラム。
(付記25)
前記パターンは、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す複数の特徴量を含む
付記23または付記24記載の失禁抑制プログラム。
(付記26)
前記特徴量として、前記患者が失禁する際の前記患者の生体情報と、前記患者が失禁しなかった際の前記患者の生体情報と、の差分を用いる
付記23〜付記25記載の失禁抑制プログラム。
(付記27)
前記患者の睡眠深度が浅い状態で失禁を予測した場合と、前記患者の睡眠深度が深い状態で失禁を予測した場合とで、前記警告の出力先を変更する
付記23〜付記26の何れか1項に記載の失禁抑制プログラム。
(付記28)
抽出した前記パターンの各々に含まれる特徴量に、前記パターンに含まれる特徴量の変化傾向の度合いに応じた閾値を設定し、
前記患者の状態に応じた前記複数の特徴量のうち、前記患者の状態に応じた前記パターンに含まれる特徴量が前記閾値を超えた場合に、前記患者が失禁すると予測する
付記23〜付記27記載の失禁抑制プログラム。
(付記29)
前記警告の出力の有無、及び前記患者の失禁の有無に基づいて、前記閾値を調整する
付記28記載の失禁抑制プログラム。
(付記30)
前記警告を出力する前に前記患者が失禁した場合に、前記閾値の絶対値を小さくする
付記29記載の失禁抑制プログラム。
(付記31)
前記警告を出力する前に前記患者が失禁した場合で、かつ、前記患者の失禁時刻が、前記患者が就寝してから所定の時刻までの期間に含まれる場合に、前記閾値の絶対値を小さくする
付記29または付記30記載の失禁抑制プログラム。
(付記32)
前記警告の出力以後に前記患者が失禁した場合で、かつ、前記警告を出力してから前記患者が失禁するまでの期間が所定の期間を超える場合に、前記閾値の絶対値を大きくする
付記29〜付記31の何れか1項に記載の失禁抑制プログラム。
(付記33)
前記警告を出力したにも関わらず、前記患者が失禁しなかった場合で、かつ、前記閾値の絶対値を所定の期間に亘って大きくしていなかった場合に、前記閾値の絶対値を大きくする
付記29〜付記32の何れか1項に記載の失禁抑制プログラム。
(付記34)
コンピュータに、
患者の生体活動を示す複数の特徴量に基づき、前記複数の特徴量のうち、特定の特徴量によって区別できる前記患者の異なる状態毎に、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す特徴量のパターンを抽出し、
前記患者の状態、及び当該状態に応じた前記パターンが示す特徴量の変化傾向に基づいて、前記患者の失禁を予測し、
前記患者の失禁を予測した場合に、警告を出力する
ことを含む処理を実行させるための失禁抑制プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
1(2)・・・失禁抑制システム、10・・・ウェアラブルセンサ、11・・・送信部、12・・・尿センサ、13・・・加速度センサ、14・・・温度センサ、15・・・呼吸センサ、16・・・心拍センサ、17・・・ジャイロセンサ、18・・・脳波センサ、19・・・ECGセンサ、20・・・アラート受信部、21(35)・・・スピーカ、30・・・情報端末、31・・・センサデータ受信部、32・・・センサデータ送信部、33・・・入力部、34・・・情報端末送信部、36・・・アラート受信部、37・・・照明制御部、40(40A)・・・失禁抑制装置、41・・・収集記録部、42・・・抽出部、43・・・判定部、44・・・アラート出力部、45・・・記憶部、46・・・調整部、48・・・センサデータDB、49・・・特徴量リストDB、S(S1、S2)・・・特徴量リスト、100(100A)・・・コンピュータ、102・・・CPU、104・・・メモリ、106・・・記憶装置、108・・・バス、112・・・入力装置、114・・・通信装置、116・・・記録媒体、120(120A)・・・失禁抑制プログラム

Claims (12)

  1. コンピュータに、
    患者の生体活動を示す複数の特徴量に基づき、前記複数の特徴量のうち、特定の特徴量によって区別できる前記患者の異なる状態毎に、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す特徴量のパターンを抽出し、
    前記患者の状態、及び当該状態に応じた前記パターンが示す特徴量の変化傾向に基づいて、前記患者の失禁を予測し、
    前記患者の失禁を予測した場合に、警告を出力する
    ことを含む処理を実行させる失禁抑制方法。
  2. 前記患者の状態として睡眠深度を用い、前記患者の異なる睡眠深度毎に前記パターンを抽出する
    請求項1記載の失禁抑制方法。
  3. 前記パターンは、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す複数の特徴量を含む
    請求項1または請求項2記載の失禁抑制方法。
  4. 前記特徴量として、前記患者が失禁する際の前記患者の生体情報と、前記患者が失禁しなかった際の前記患者の生体情報と、の差分を用いる
    請求項1〜請求項3記載の失禁抑制方法。
  5. 前記患者の睡眠深度が浅い状態で失禁を予測した場合と、前記患者の睡眠深度が深い状態で失禁を予測した場合とで、前記警告の出力先を変更する
    請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の失禁抑制方法。
  6. 抽出した前記パターンの各々に含まれる特徴量に、前記パターンに含まれる特徴量の変化傾向の度合いに応じた閾値を設定し、
    前記患者の状態に応じた前記複数の特徴量のうち、前記患者の状態に応じた前記パターンに含まれる特徴量が前記閾値を超えた場合に、前記患者が失禁すると予測する
    請求項1〜請求項5記載の失禁抑制方法。
  7. 前記警告の出力の有無、及び前記患者の失禁の有無に基づいて、前記閾値を調整する
    請求項6記載の失禁抑制方法。
  8. 前記警告を出力する前に前記患者が失禁した場合に、前記閾値の絶対値を小さくする
    請求項7に記載の失禁抑制方法。
  9. 前記警告を出力する前に前記患者が失禁した場合で、かつ、前記患者の失禁時刻が、前記患者が就寝してから所定の時刻までの期間に含まれる場合に、前記閾値の絶対値を小さくする
    請求項7または8記載の失禁抑制方法。
  10. 前記警告の出力以後に前記患者が失禁した場合で、かつ、前記警告を出力してから前記患者が失禁するまでの期間が所定の期間を超える場合に、前記閾値の絶対値を大きくする
    請求項7〜請求項9の何れか1項に記載の失禁抑制方法。
  11. 前記警告を出力したにも関わらず、所定の期間に亘って前記患者が失禁しなかった場合で、かつ、前記閾値の絶対値を所定の期間に亘って大きくしていなかった場合に、前記閾値の絶対値を大きくする
    請求項7〜請求項10の何れか1項に記載の失禁抑制方法。
  12. 患者の生体活動を示す複数の特徴量に基づき、前記複数の特徴量のうち、特定の特徴量によって区別できる前記患者の異なる状態毎に、前記患者が失禁する際に共通する変化傾向を示す特徴量のパターンを抽出する抽出部と、
    前記患者の状態、及び前記抽出部により抽出された当該状態に応じた前記パターンが示す特徴量の変化傾向に基づいて、前記患者の失禁を予測する判定部と、
    前記判定部により前記患者の失禁を予測した場合に、警告を出力する出力部と、
    を含む失禁抑制装置。
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