JP2017009549A - 非破壊検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内側の配管の微弱な欠陥信号を抽出することができ、高精度で断熱配管の欠陥を検査できる非破壊検査装置を提供すること。【解決手段】非破壊検査装置100は、励磁部10と、磁気センサー20と、パルス電源40と、磁気センサー回路50と、移動機構60と、制御部70とを有する。ここで、励磁部10は、断熱配管1の中心軸AXに略直交して断熱配管1に入り込むとともに断熱配管1の配管本体1aを貫く磁束MF0を発生させる。これにより、内側の配管本体1aに対して比較的高い密度の磁束MF0を入れることになり、内側の配管本体1aから欠陥信号を比較的抽出しやすくなる。これにより、配管本体1aの欠陥に対する検出の精度や信頼度を高めることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、断熱配管の欠陥を磁気により非破壊で検査する非破壊検査装置に関する。
断熱配管の欠陥を磁気により非破壊で検査する方法として、断熱配管の外周面に複数のコイルを巻き付けることによって断熱配管の軸方向に延びる磁束を発生させるとともに、断熱配管の外周面に配置されて断熱配管の軸方向の磁場を検出する検出コイルを用い、ロックイン検波により欠陥による信号変化を抽出するものが公知となっている(特許文献1参照)。
また、配管の内部からではあるが、配管の欠陥を磁気により検査する別の方法として、例えばアレイ状の渦流探傷センサーを有する管探傷装置を用いて、アレイ状の渦流探傷センサーを順次スイッチング走査することにより欠陥を抽出するものがある(特許文献2参照)。
上記特許文献1の装置は、配管に対してその中心軸に平行な磁束を入れて、配管の欠陥を測定するものであり、外装板が磁性材の場合、配管の欠陥信号に外装板の欠陥信号が重畳されて検出される。この時、外装板の欠陥信号に対し、配管の欠陥信号が十分に大きければ、断熱配管の減肉を検出することができるが、一般的に外側の外装板の欠陥信号が大きくなる。つまり、内側の配管に対して十分な密度の磁束を入れることができず、内側の配管の微弱な欠陥信号を抽出するためには、複雑な信号処理が必要な上、精度が低下するといった問題がある。また、断熱配管の外周面にコイルを巻き付ける構成であるため、検査の都度、非破壊検査装置の断熱配管への装着すなわちコイルの巻き付けをしなおす必要が生じる。
上記特許文献2の装置は、配管の内部から配管の欠陥を検査するものであり、磁性材からなる外装板を有する断熱配管を外部から非破壊で検査しようとした場合、特許文献1と同様の問題が生じる。すなわち、内側の配管に対して十分な密度の磁束を入れることができず、内側の配管の微弱な欠陥信号を抽出するためには、複雑な信号処理が必要な上、精度が低下するといった問題がある。
本発明は、内側の配管の微弱な欠陥信号を抽出することができ、高精度で断熱配管の欠陥を検査できる非破壊検査装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る非破壊検査装置は、断熱配管の中心軸に略直交して断熱配管に入り込むとともに断熱配管の配管本体を貫く磁束を発生させる励磁部と、配管本体の減肉により発生する磁気信号を検出する磁気センサーと、磁気センサーの検出出力を演算処理する信号処理部と、を備える。
上記非破壊検査装置では、励磁部が断熱配管の中心軸に略直交して断熱配管に入り込むとともに断熱配管の配管本体を貫く磁束を発生させるので、内側の配管本体に対して比較的高い密度の磁束を入れることになり、内側の配管本体から欠陥信号を比較的抽出しやすくなる。これにより、配管本体の欠陥に対する検出の精度や信頼度を高めることができる。
本発明の具体的な側面又は態様では、上記非破壊検査装置において、励磁部は、断熱配管の周囲を一部開放しつつ覆うように配置される。つまり、励磁部は、開環筒状の外形を有し断熱配管のまわりを部分的に囲むように配置される。この場合、断熱配管への励磁部の装着等に関して、測定現場での組み立て性を向上させることができる。
本発明の別の側面では、励磁部は、電流を流すコイルと、当該コイルによって形成される磁束を導くコア部材とを有し、コア部材は、断熱配管を挟むように配置された一対の磁極部分を有する。この場合、一対の磁極部分から発生させた磁束を、断熱配管を横切るように断熱配管に入り込ませることになる。
本発明のさらに別の側面では、コイルには、パルス状の励磁用電流が供給され、信号処理部は、励磁用電流と同期して磁気センサーの検出出力を解析する。これにより、S/N比を高めることができる。
本発明のさらに別の側面では、励磁部は、断熱配管の周囲に沿って円弧状に延びる。この場合、励磁部を円弧状に延びる1つ以上の部分で構成することになり、励磁部の断熱配管への装着等に関して、測定現場での組み立て性を向上させることができる。
本発明のさらに別の側面では、コア部材は、断熱配管の周囲に沿って半円状に延び、一対の磁極部分は、コア部材の一対の端部に形成されている。この場合、励磁部を簡単な構造とでき、測定現場での作業性を向上させることができる。また、励磁部をS極及びN極用に個別に作製する必要が無くなり、設計、製造等も容易となる。
本発明のさらに別の側面では、コア部材は、断熱配管を挟んで配置される半円状の一対の対向部分からなり、一対の磁極部分は、一対の対向部分にそれぞれ振り分けられて、断熱配管の周囲に沿って連続的に延び又は連続的に複数配列される。この場合、局所的な磁束の完結を回避することが容易になり、内側の配管本体に対して比較的高い密度の磁束を入れることができる。
本発明のさらに別の側面では、励磁部は、断熱配管の中心軸方向に沿った複数箇所に近接して設けられる。この場合、断熱配管の中心軸方向の外側に漏れる磁束を低減でき、配管本体を貫く磁束を発生させやすくなる。
本発明のさらに別の側面では、磁気センサーは、断熱配管の中心軸を通って当該中心軸に垂直な半径方向に沿った複数箇所に設けられる。この場合、欠陥の半径方向の位置を特定しやすくなり、外装板の傷と配管本体の傷とを区別しやすくなる。
本発明のさらに別の側面では、磁気センサーは、断熱配管の中心軸方向に関する位置が異なる複数箇所に設けられる。この場合、断熱配管の中心軸方向の位置に対応する磁束を検出でき、より多様な検査が可能になる。
本発明のさらに別の側面では、励磁部と磁気センサーとは、断熱配管とともに磁気シールド部材で覆われている。この場合、局所的な磁束の完結を回避することができ、外乱を遮断することにもなるので、欠陥の検出精度を高めることができる。
本発明のさらに別の側面では、励磁部を断熱配管の周囲に沿って回転可能にするとともに、励磁部を断熱配管の中心軸方向に沿って移動可能にする移動機構をさらに備える。この場合、断熱配管の周囲に沿っての欠陥の検出がより簡易になる。
〔第1実施形態〕
図1等に示す非破壊検査装置100は、検査対象である断熱配管1にパルス磁場を印加して、断熱配管1に形成されるパルス磁場を検出することにより、断熱配管1の欠陥である減肉を検査するものである。ここで、断熱配管1の減肉とは、腐食、疲労、亀裂等の配管の劣化を意味する。
図1等に示す非破壊検査装置100は、検査対象である断熱配管1にパルス磁場を印加して、断熱配管1に形成されるパルス磁場を検出することにより、断熱配管1の欠陥である減肉を検査するものである。ここで、断熱配管1の減肉とは、腐食、疲労、亀裂等の配管の劣化を意味する。
被検査対象である断熱配管1は、鋼製の配管本体1aと、配管本体1aの周囲を覆う断熱材1bと、断熱材1bを覆う外装板1cとを有する。つまり、断熱配管1は、配管本体1aを断熱材1bと外装板1cとで筒状に覆った三重配管構造となっている。欠陥は、配管本体1aの内側又は外側に減肉として発生する。
非破壊検査装置100は、断熱配管を覆うように構成され、励磁部10と、磁気センサー20と、パルス電源40と、磁気センサー回路50と、移動機構60と、制御部70とを有する。非破壊検査装置100のうち励磁部10及び磁気センサー20は、検査部80として機能する。検査部80は、断熱配管1に対して移動可能であり、断熱配管1の存在下で励磁部10によって発生させた磁場又は磁界を磁気センサー20によって検出する。
励磁部10は、パルス磁場を発生させるものである。励磁部10は、電流を流すコイル10aと、コイル10aによって形成される磁束を目的とする方向に導くコア部材10bとを有する。コイル10aは、例えば銅で形成され、コア部材10bは、例えばフェライトで形成される。励磁部10すなわちコア部材10bは、断熱配管1の周囲に沿って円弧状に延びる。具体的には、コア部材10bは、断熱配管1の周囲に沿って半円状に延びる。このように、コア部材10bをリング状とせず、半分を開放することで、励磁部10の断熱配管1への装着を容易にできる。つまり、励磁部10を断熱配管1の周囲にセットする作業が行われる測定現場での組み立て性を向上させることができる。
なお、励磁部10は、断熱配管1の周囲を一部開放しつつ覆うように配置されていると見ることができる。つまり、励磁部10は、開環筒状の外形を有し断熱配管1のまわりを部分的に囲むように配置されている。結果的に、励磁部10の下部が開放されており、断熱配管1の下面を励磁部10の外側に露出させている。
なお、励磁部10は、断熱配管1の周囲を一部開放しつつ覆うように配置されていると見ることができる。つまり、励磁部10は、開環筒状の外形を有し断熱配管1のまわりを部分的に囲むように配置されている。結果的に、励磁部10の下部が開放されており、断熱配管1の下面を励磁部10の外側に露出させている。
コア部材10bは、コイル10aを周囲に巻いた本体部11aと、本体部11aから延びる一対のヨーク部11b,11bとを有する。コア部材10bの一対の端部12a,12b、すなわち一対のヨーク部11b,11bの先端部には、断熱配管1を挟むように配置された一対の磁極部分10p,10qが設けられている。一対の磁極部分10p,10qは、それぞれN極及びS極となっており、断熱配管1の表面である外周側面1sに向かって突起している。
一方の磁極部分10pから延びる磁束MF0は、断熱配管1の中心軸AXに略直交するように断熱配管1に入り込んで配管本体1aの一方側(−X側)に入射又は侵入する。磁束MF0は、配管本体1a内で大きく曲げられて配管本体1aに沿って進む。配管本体1aの反対側(+X側)では、配管本体1a内を通った磁束MF0が外側に射出し、このように射出した磁束MF0は、断熱配管1の外において中心軸AXに略直交するように延びて他方の磁極部分10qに向かう。つまり、励磁部10によって、配管本体1aを貫く磁束MF0を発生させることができる。
なお、図1では、説明の便宜上配管本体1aを貫くような磁束MF0のみを描いているが、一方の磁極部分10pから他方の磁極部分10qに向かう磁束には、配管本体1aを貫通する磁束MF0だけでなく、断熱配管1の外装板1cのみを貫通する磁束もあれば、外装板1cの外側に沿って延びる磁束もある。一対の磁極部分10p,10qを断熱配管1を挟んで対向配置することにより、特に中心軸AXを挟んだ正反対の位置に配置することにより、コイル10aへの印加電流を増加させないでも、配管本体1aを貫くような磁束MF0を多くすることができる。また、一対の磁極部分10p,10qを断熱配管1に近づけることにより、配管本体1aを貫くような磁束MF0を多くすることができる。
なお、図1では、説明の便宜上配管本体1aを貫くような磁束MF0のみを描いているが、一方の磁極部分10pから他方の磁極部分10qに向かう磁束には、配管本体1aを貫通する磁束MF0だけでなく、断熱配管1の外装板1cのみを貫通する磁束もあれば、外装板1cの外側に沿って延びる磁束もある。一対の磁極部分10p,10qを断熱配管1を挟んで対向配置することにより、特に中心軸AXを挟んだ正反対の位置に配置することにより、コイル10aへの印加電流を増加させないでも、配管本体1aを貫くような磁束MF0を多くすることができる。また、一対の磁極部分10p,10qを断熱配管1に近づけることにより、配管本体1aを貫くような磁束MF0を多くすることができる。
磁気センサー20は、例えば断熱配管1の中心軸AXと直交する周方向の磁界、断熱配管1の中心軸AXと直交する半径方向の磁界等を磁気信号として検出するものである。これにより、磁気センサー20は、断熱配管1を伝わる磁場又は磁界の変化を検出することができる。図1の例では、1つの磁気センサー20が、コイル10aを巻いた本体部11aの内側に配置されている。なお、図示を省略しているが、検査部80には励磁部10や磁気センサー20を支持する支持体が設けられており、磁気センサー20は、励磁部10に対して安定した状態で相対的に固定されている。磁気センサー20として、例えばTMRセンサー、AMRセンサー等が用いられる。
図示のように、磁気センサー20を本体部11aの内側に配置する場合、すなわち磁気センサー20を断熱配管1の外周側面1sに近接させて一対の磁極部分10p,10qから略等距離の位置に配置する場合、磁気センサー20の位置においては、断熱配管1の外周側面1sの周方向(図面ではX方向)に沿って平行磁束が形成される。よって、磁気センサー20に近い配管本体1aの部分に欠陥が存在する場合、つまり磁気センサー20の−Y方向の配管部分に欠陥が存在する場合、欠陥による磁場又は磁界の乱れは、X方向に関しては励磁部10の影響でS/N比が低下して観察しにくくなるが、Y方向に関しては比較的強く観察される。
磁気センサー20の位置は、本体部11aの内側に限らず、断熱配管1の外周側面1sに近接する様々な箇所とできる。励磁部10の偏りによる影響を除く観点からは、欠陥が存在しない場合の磁気センサー20の出力値を参照値とすることができる。つまり、欠陥が存在する可能性がある検出値から上記参照値を差し引いた差分として、欠陥による磁場の乱れ成分を抽出することができる。
図示のように、磁気センサー20を本体部11aの内側に配置する場合、すなわち磁気センサー20を断熱配管1の外周側面1sに近接させて一対の磁極部分10p,10qから略等距離の位置に配置する場合、磁気センサー20の位置においては、断熱配管1の外周側面1sの周方向(図面ではX方向)に沿って平行磁束が形成される。よって、磁気センサー20に近い配管本体1aの部分に欠陥が存在する場合、つまり磁気センサー20の−Y方向の配管部分に欠陥が存在する場合、欠陥による磁場又は磁界の乱れは、X方向に関しては励磁部10の影響でS/N比が低下して観察しにくくなるが、Y方向に関しては比較的強く観察される。
磁気センサー20の位置は、本体部11aの内側に限らず、断熱配管1の外周側面1sに近接する様々な箇所とできる。励磁部10の偏りによる影響を除く観点からは、欠陥が存在しない場合の磁気センサー20の出力値を参照値とすることができる。つまり、欠陥が存在する可能性がある検出値から上記参照値を差し引いた差分として、欠陥による磁場の乱れ成分を抽出することができる。
なお、検査部80には、外乱を遮断するため、励磁部10及び磁気センサー20を覆う磁気シールド部材を設けることができる。
パルス電源40は、励磁部10のコイル10aにパルス電圧を印加する。パルス電源40は、パルス状の励磁用電流として方形波を出力し、所定の周波数及びデューティ比で励磁部10を駆動する。パルス電源40は、コイル10aに流す電流の方向を適宜変更することもできる。
磁気センサー回路50は、磁気センサー20を駆動し、磁場又は磁界を計測するものである。磁気センサー回路50は、磁気センサー20の検出出力に基づいて、励磁部10により発生する所望の磁気の方向に関する磁界の強度又は磁場の強さを計測する。
移動機構60は、検査部80を断熱配管1の外周側面1sに沿って中心軸AX方向に移動させることができる。移動機構60は、検査部80を断熱配管1の外周側面1sに沿って中心軸AXのまわりに回転移動させることもできる。検査部80を中心軸AX方向に移動させることで、断熱配管1の長手方向に沿った検査が可能になる。また、検査部80を中心軸AXのまわりに回転移動させることで、断熱配管1の横断面に沿った周方向の検査が可能になる。
移動機構60は、制御部70の制御下で自動で動作するものに限らず、手動で動作するものであってもよく、例えば車輪やレールを用いたものでもよい。
移動機構60は、制御部70の制御下で自動で動作するものに限らず、手動で動作するものであってもよく、例えば車輪やレールを用いたものでもよい。
制御部70は、パルス電源40や磁気センサー回路50等を動作させて、励磁部10や磁気センサー20を駆動させることにより、検出動作を行わせる。また、制御部70は、移動機構60を動作させて、検査部80を移動させる。また、制御部70は、磁気センサー20により検出したパルス磁場の応答を解析する。つまり、制御部70は、信号処理部として、パルス電源40からの励磁用電流と同期して磁気センサー20の検出出力を解析する。制御部70は、磁気センサー20の検出出力を演算処理することにより、断熱配管1内における欠陥の有無を判定する。
以下、制御部70について具体的に説明する。図3に示すように、制御部70は、表示部71と、入力部72と、記憶部73と、インターフェース部74と、主制御部75とを有する。
主制御部75は、表示部71、入力部72、記憶部73、インターフェース部74との間で相互にデータの授受が可能になっている。主制御部75は、オペレーターが操作する入力部72からの指示やプログラムに基づいて、入力部72、記憶部73等を介して入力されたデータを処理し、パルス電源40や磁気センサー回路50等の他の装置を動作させる。また、主制御部75は、入力部72からの指示やプログラムに基づいて、インターフェース部74を介して入手した磁気データを処理又は判定する。
表示部71は、ディスプレイ等から構成され、主制御部75からの出力信号に基づいて、オペレーターに提示すべき表示を行う。
入力部72は、キーボード、タッチパネル等から構成され、オペレーターからの指示を主制御部75に出力する。
記憶部73は、制御部70を動作させるプログラム、磁気センサー20で検出した磁気データ等を記憶することができる。
インターフェース部74は、主制御部75と、パルス電源40や磁気センサー回路50とのデータ通信を可能にする。
表示部71は、ディスプレイ等から構成され、主制御部75からの出力信号に基づいて、オペレーターに提示すべき表示を行う。
入力部72は、キーボード、タッチパネル等から構成され、オペレーターからの指示を主制御部75に出力する。
記憶部73は、制御部70を動作させるプログラム、磁気センサー20で検出した磁気データ等を記憶することができる。
インターフェース部74は、主制御部75と、パルス電源40や磁気センサー回路50とのデータ通信を可能にする。
以下、図4を参照しつつ、非破壊検査装置100を用いた配管検査方法について説明する。
まず、検査部80を断熱配管1の被検査部位に設置する(ステップS11)。制御部70により移動機構60を動作させて、検査部80を所定の位置に配置させることができる。
まず、検査部80を断熱配管1の被検査部位に設置する(ステップS11)。制御部70により移動機構60を動作させて、検査部80を所定の位置に配置させることができる。
次に、断熱配管1の磁気データを取得及び保存する(ステップS12)。制御部70によりパルス電源40を動作させ、励磁部10にパルス電圧を印加する。そして、制御により磁気センサー回路50を動作させ、励磁部10により断熱配管1に発生した磁場を磁気センサー20で検出する。ここで、磁気センサー20によって検出される所望の磁気の方向の磁気強度は、例えばX方向又はY方向の磁界強度(例えば、ピーク値)である。磁気センサー20によって検出された磁気データは、記憶部73に保存される。
次に、ステップS12で得られた磁気データに配管欠陥信号が含まれるか否かを判断する(ステップS13)。磁気データに所定の閾値以上の配管欠陥信号が含まれる場合(ステップS13のY)、断熱配管1に減肉部が存在すると判断し、減肉部ありとして断熱配管1の位置情報とともに記憶部73に記憶し、対応箇所を表示部71に表示する(ステップS14)。磁気データに所定の閾値以上の配管欠陥信号が含まれない場合(ステップS13のN)、断熱配管1に減肉が存在しないと判断し、正常部のみであるとして位置情報とともに記憶部73に記憶する(ステップS15)。
次に、断熱配管1の別の部位を続けて検査する場合(ステップS16のY)、制御部70により移動機構60を動作させ、検査部80を次の被検査部位に移動させ(ステップS17)、ステップS12〜S15の処理を繰り返す。断熱配管1の別の部位の検査を行わない場合(ステップS16のN)、検査を終了する。
以上説明した非破壊検査装置100では、励磁部10が断熱配管1の中心軸AXに略直交して断熱配管1に入り込むとともに断熱配管1の配管本体1aを貫く磁束MF0を発生させるので、内側の配管本体1aに対して比較的高い密度の磁束MF0を入れることになり、内側の配管本体1aから欠陥信号を比較的抽出しやすくなる。これにより、配管本体1aの欠陥に対する検出の精度や信頼度を高めることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態の非破壊検査装置について説明する。第2実施形態の非破壊検査装置は、第1実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態の非破壊検査装置と同様である。
以下、第2実施形態の非破壊検査装置について説明する。第2実施形態の非破壊検査装置は、第1実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態の非破壊検査装置と同様である。
図5に示すように、励磁部10は、本体部11aから延びる一対のヨーク部11b,11bの先端部として、対向する一対の端部12a,12bを有する。両端部12a,12bには、断熱配管1を挟んで正反対の位置に配置された一対の磁極部分10p,10qが設けられている。一対の磁極部分10p,10qは、それぞれN極及びS極となっており、断熱配管1の表面である外周側面1sに向かって突起している。
また、一方の端部12aにおいて、例えばN極となる磁極部分10pを周方向に沿った上下から挟むように、一対の磁極部分11p,12pが隣接して配置されて、断熱配管1の外周側面1sに向かって突起している。同様に、他方の端部12bにおいて、例えばS極となる磁極部分10qを周方向に沿った上下から挟むように、一対の磁極部分11q,12qが隣接して配置されて、断熱配管1の外周側面1sに向かって突起している。上側の磁極部分11p,11qは対を成し、下側の磁極部分12p,12qも対を成している。
また、一方の端部12aにおいて、例えばN極となる磁極部分10pを周方向に沿った上下から挟むように、一対の磁極部分11p,12pが隣接して配置されて、断熱配管1の外周側面1sに向かって突起している。同様に、他方の端部12bにおいて、例えばS極となる磁極部分10qを周方向に沿った上下から挟むように、一対の磁極部分11q,12qが隣接して配置されて、断熱配管1の外周側面1sに向かって突起している。上側の磁極部分11p,11qは対を成し、下側の磁極部分12p,12qも対を成している。
一対の磁極部分10p,10q間に延びる磁束MF0は、断熱配管1の中心軸AXに略直交するように断熱配管1に入り込んで配管本体1aを通過する。配管本体1aから射出した磁束MF0は、断熱配管1の外において中心軸AXに略直交するように延びて他方の磁極部分10qに向かう。つまり、励磁部10によって、配管本体1aを貫く磁束MF0を発生させることができる。
一対の磁極部分11p,11q間に延びる主な磁束MF1は、断熱配管1に入り込むが、配管本体1aを貫通しない。同様に、一対の磁極部分12p,12q間に延びる主な磁束MF1は、断熱配管1に入り込むが、配管本体1aを貫通しない。よって、外側の磁束MF1は、配管本体1aに形成された欠陥の検査に対して直接的には殆ど寄与しない。しかながら、配管本体1aを貫通しない磁束MF1は、配管本体1aを貫通する磁束MF0を挟んでおり、磁束MF0を中心に閉じこめる効果を有する。つまり、上側の磁極部分11p,11qと下側の磁極部分12p,12qとは、中間の磁極部分10p,10qからの磁束MF0が配管本体1aからそれないように、磁束MF0が配管本体1aに入りやすくなるようにしている。結果的に、配管本体1aを通る磁束MF0の磁束密度を高めることができる。
一対の磁極部分11p,11q間に延びる主な磁束MF1は、断熱配管1に入り込むが、配管本体1aを貫通しない。同様に、一対の磁極部分12p,12q間に延びる主な磁束MF1は、断熱配管1に入り込むが、配管本体1aを貫通しない。よって、外側の磁束MF1は、配管本体1aに形成された欠陥の検査に対して直接的には殆ど寄与しない。しかながら、配管本体1aを貫通しない磁束MF1は、配管本体1aを貫通する磁束MF0を挟んでおり、磁束MF0を中心に閉じこめる効果を有する。つまり、上側の磁極部分11p,11qと下側の磁極部分12p,12qとは、中間の磁極部分10p,10qからの磁束MF0が配管本体1aからそれないように、磁束MF0が配管本体1aに入りやすくなるようにしている。結果的に、配管本体1aを通る磁束MF0の磁束密度を高めることができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態の非破壊検査装置について説明する。第3実施形態の非破壊検査装置は、第1実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態の非破壊検査装置と同様である。
以下、第3実施形態の非破壊検査装置について説明する。第3実施形態の非破壊検査装置は、第1実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態の非破壊検査装置と同様である。
図6(A)は、第3実施形態の非破壊検査装置のうち、検査部80の拡大断面図である図6(B)は、図6(A)の部分A1を中心軸AXを通る面に沿って切断した拡大断面図である。
図6(A)に示すように、励磁部10は、第1の対向部分である第1半円部10Aと、第2の対向部分である第2半円部10Bとを有し、全体で断熱配管1の周囲を取り巻く環状体となる。なお、両半円部(一対の対向部分)10A,10Bの一方の対向する端部の間には、連結部材10jが設けられており、半円部10A,10Bの開閉を可能にしている。
なお、励磁部10は、断熱配管1の周囲を一部開放しつつ覆うように配置されていると見ることができる。つまり、励磁部10は、開環筒状の外形を有し断熱配管1のまわりを部分的に囲むように配置されている。結果的に、励磁部10の下部が開放されており、断熱配管1の下面の一部を励磁部10の外側に露出させている。
なお、励磁部10は、断熱配管1の周囲を一部開放しつつ覆うように配置されていると見ることができる。つまり、励磁部10は、開環筒状の外形を有し断熱配管1のまわりを部分的に囲むように配置されている。結果的に、励磁部10の下部が開放されており、断熱配管1の下面の一部を励磁部10の外側に露出させている。
第1半円部10Aは、半円状のコア部材10bの側面10sに沿ってコイル10aを巻いたものである。つまり、コイル10aは、コア部材10bの側面10sに沿った一対の円弧状の部分と、コア部材10bの端面10eに沿った一対の短い直線状の部分とを有している。コア部材10bの内側は、周方向に沿って細く延びる半円状の磁極部分10pとなっている。
図6(B)に示すように、コア部材10bの側面10sには、コイル10aを保持するホルダ−10hを設けることもできる。
第2半円部10Bの構造は、第1半円部10Aの構造と同様であり、第1半円部10Aの磁化の方向と異なる方向に磁化させるだけであるので、その説明を省略する。なお、第2半円部10Bにおいて、コア部材10bの内側は、周方向に沿って細く延びる半円状の磁極部分10qとなっている。
結果的に、一対の磁極部分10p,10qは、一対の半円部(一対の対向部分)10A,10Bにそれぞれ振り分けられて、断熱配管1の周囲に沿って連続的に延びている。
第1半円部10Aの中央領域R1と、第2半円部10Bの中央領域R1との間に形成される磁束MF0は、断熱配管1の中心軸AXに略直交するように断熱配管1に入り込んで配管本体1aを通過する。配管本体1aから射出した磁束MF0は、断熱配管1の外において中心軸AXに略直交するように延びて他方の磁極部分10qに向かう。つまり、励磁部10によって、配管本体1aを貫く磁束MF0を発生させることができる。
第1半円部10Aの周辺領域R2と、第2半円部10Bの周辺領域R2との間に形成される磁束は、配管本体1aを貫通しないが、配管本体1aを貫通する磁束MF0を挟んでおり、磁束MF0の分散を防止して中心に閉じこめる効果を有する。つまり、半円部10A,10Bの周辺領域R2からの磁束によって、配管本体1aを通る磁束MF0の磁束密度を高めることができる。
第1半円部10Aの周辺領域R2と、第2半円部10Bの周辺領域R2との間に形成される磁束は、配管本体1aを貫通しないが、配管本体1aを貫通する磁束MF0を挟んでおり、磁束MF0の分散を防止して中心に閉じこめる効果を有する。つまり、半円部10A,10Bの周辺領域R2からの磁束によって、配管本体1aを通る磁束MF0の磁束密度を高めることができる。
なお、図6(A)では、第2半円部10Bの中央内側に磁気センサー20を配置しているが、例えば第1半円部10Aと第2半円部10Bとの境界に近い範囲、具体的には、連結部材10jの内側に磁気センサー20を配置することもできる。
検査部80は、励磁部10及び磁気センサー20の他に、これらを周囲から覆う環状の磁気シールド部材81を備える。磁気シールド部材81は、透磁率の高い鋼その他の素材で形成される。励磁部10及び磁気センサー20を断熱配管1とともに磁気シールド部材81で覆うことにより、局所的な磁束の完結を回避することができ、外乱を遮断することにもなるので、欠陥の検出精度を高めることができる。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態の非破壊検査装置について説明する。第4実施形態の非破壊検査装置は、第1又は第3実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態等の非破壊検査装置と同様である。
以下、第4実施形態の非破壊検査装置について説明する。第4実施形態の非破壊検査装置は、第1又は第3実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態等の非破壊検査装置と同様である。
図7(A)は、第4実施形態の非破壊検査装置のうち、検査部80の拡大断面図であり、図7(B)は、図7(A)の部分A2を部分的に拡大した斜視図である。
図7(A)に示すように、励磁部10は、第1の半円部10Aと、第2の半円部10Bとを有し、全体で断熱配管1の周囲を取り巻く環状体となる。なお、両半円部10A,10Bの一方の対向する端部の間には、連結部材10jが設けられており、半円部10A,10Bの開閉を可能にしている。
第1の半円部10Aは、コア部材10bを有し、コア部材10bの内側には、多数の突起が磁極部分110pとして形成されている。各磁極部分110pは、図7(B)に示すように柱状の突起であり、その側面にコイル110aを巻き付けている。つまり、各磁極部分110pが電磁石10Eとして機能する。
第2の半円部10Bも、コア部材10bを有し、コア部材10bの内側には、多数の突起が磁極部分110qとして形成されている。各磁極部分110qは、柱状の突起であり、その側面にコイル110aを巻き付けている。つまり、各磁極部分110qが電磁石10Eとして機能する。
結果的に、一対の磁極部分110p,110qは、一対の半円部(一対の対向部分)10A,10Bにそれぞれ振り分けられて、断熱配管1の周囲に沿って連続的に複数配列されている。
第1の半円部10Aの中央領域R1と、第2の半円部10Bの中央領域R1との間に形成される磁束MF0は、断熱配管1の中心軸AXに略直交するように断熱配管1に入り込んで配管本体1aを通過する。配管本体1aから射出した磁束MF0は、断熱配管1の外において中心軸AXに略直交するように延びて他方の磁極部分110qに向かう。つまり、励磁部10によって、配管本体1aを貫く磁束MF0を発生させることができる。
第1の半円部10Aの周辺領域R2と、第2の半円部10Bの周辺領域R2との間に形成される磁束は、配管本体1aを貫通しないが、配管本体1aを貫通する磁束MF0を挟んでおり、磁束MF0の分散を防止して中心に閉じこめる効果を有する。つまり、半円部10A,10Bの周辺領域R2からの磁束によって、配管本体1aを通る磁束MF0の磁束密度を高めることができる。
第1の半円部10Aの周辺領域R2と、第2の半円部10Bの周辺領域R2との間に形成される磁束は、配管本体1aを貫通しないが、配管本体1aを貫通する磁束MF0を挟んでおり、磁束MF0の分散を防止して中心に閉じこめる効果を有する。つまり、半円部10A,10Bの周辺領域R2からの磁束によって、配管本体1aを通る磁束MF0の磁束密度を高めることができる。
なお、図7(A)では、第2半円部10Bの中央内側に磁気センサー20を配置しているが、例えば第1半円部10Aと第2半円部10Bとの境界に近い範囲、具体的には、連結部材10jの内側に磁気センサー20を配置することもできる。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態の非破壊検査装置について説明する。第5実施形態の非破壊検査装置は、第1実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態の非破壊検査装置と同様である。
以下、第5実施形態の非破壊検査装置について説明する。第5実施形態の非破壊検査装置は、第1実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態の非破壊検査装置と同様である。
図8に示すように、第5実施形態の場合、断熱配管1の中心軸AX方向に沿った2箇所に2つの検査部80が設けられている。つまり、断熱配管1の中心軸AX方向に沿った2箇所に2つの励磁部10が設けられている。この場合、断熱配管1の中心軸AX方向に漏れる磁束を低減でき、配管本体1aを貫く磁束を発生させやすくなる。つまり、各励磁部10から中心軸AXに向けて射出される磁束は、中心軸AXに沿った±Z方向に広がる傾向があるが、一対の励磁部10を近接して並べることで磁束の発散を抑えることができ、配管本体1aを貫通する磁束MF0の磁束密度を高めることができる。
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態の非破壊検査装置について説明する。第6実施形態の非破壊検査装置は、第1又は第4実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1又は第4実施形態の非破壊検査装置と同様である。
以下、第6実施形態の非破壊検査装置について説明する。第6実施形態の非破壊検査装置は、第1又は第4実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1又は第4実施形態の非破壊検査装置と同様である。
図9に示すように、第6実施形態の場合、検査部80に設けた検出部20Gが3つの磁気センサー20を含んでいる。3つの磁気センサー20は、断熱配管1の中心軸AXを通って中心軸AXに垂直な半径方向に沿った3箇所に設けられている。
図10に示すように、断熱配管1の半径方向の位置において検出される磁場は、配管本体1aの欠陥に起因するか、外装板1cの欠陥に起因するかによって変化の状態が異なる。具体的には、欠陥に起因する磁束源の強度に比例するが、欠陥からの距離の2乗の逆数で減衰する磁界強度が計測される。よって、特定の半径位置において磁界強度とその減衰の傾きとが分かれば、磁束源(近似的には磁気双極子)の強度と当該磁束源までの距離とが分かる。つまり、磁束源に相当する欠陥の大きさと欠陥までの距離とを見積もることができる。磁界強度の減衰の傾きは、半径方向の複数位置における磁界強度の差と考えることもできるので、半径方向の複数位置で磁界強度の変化を検出することによっても、同様の理由で磁束源に相当する欠陥の大きさと欠陥までの距離とを見積もることができる。
本実施形態の場合、3つの磁気センサー20によって、それらの位置における磁場又は磁界強度を計測することとしている。この際、2点以上の観測点での磁界強度を、配管本体1aからの距離の2乗の逆数の曲線と、外装板1cからの距離の2乗の逆数の曲線とで近似するフィッティングを行う。近似には、例えば最小自乗法を用いることができる。この結果、平方和がより小さい方のフィッティング結果を適正とすることができ、欠陥が配管本体1aと外装板1cとのいずれにあるかを明確に判定することができる。以上のような演算処理は、詳細な説明を省略するが、図1の制御部70にて行われる。
以上において、検出部20Gを構成する磁気センサー20の数は、3つに限らず、2つ又は4つ以上とすることができる。磁気センサー20の配置は、断熱配管1に近い範囲内で互いになるべく離れていることが望ましい。
図9に示す例では、第1の半円部10Aと第2の半円部10Bとの間に磁気センサー20が配置されている。これは、この領域において、周方向に延びる平行磁場が形成されていることを考慮したものであり、一対の半円部10A,10Bからの直接の影響を略相殺することができる。つまり、磁気センサー20によって半径方向又はY方向の磁場の強さ又は磁界強度のみを検出すれば、欠陥に起因する磁界強度のみを抽出してS/N比を上げることができる。ただし、欠陥が存在しない場合の磁気センサー20の出力値を参照値として予め取得しておき、欠陥が存在する可能性がある検出値又は計測値から上記参照値を差し引いた差分とすることによって、欠陥による磁場の乱れ成分のみを抽出する場合、上記のような配置を配慮する必要性は少なくなる。
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態の非破壊検査装置について説明する。第7実施形態の非破壊検査装置は、第1実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態の非破壊検査装置と同様である。
以下、第7実施形態の非破壊検査装置について説明する。第7実施形態の非破壊検査装置は、第1実施形態の非破壊検査装置を部分的に変更したものであり、特に説明しない事項は、第1実施形態の非破壊検査装置と同様である。
図11に示すように、第7実施形態の場合、検査部80に設けた検出部20Gが3つの磁気センサー20を含んでいる。3つの磁気センサー20は、断熱配管1の中心軸AX方向に関する位置が異なる3箇所に設けられている。具体手的には、3つの磁気センサー20は、断熱配管1の外周側面1sに近接して、Z方向に等間隔で配列されている。この場合、断熱配管1の中心軸AX方向の複数位置における磁束を検出でき、より多様な検査が可能になる。具体的には、軸方向に位置微分して軸方向の磁束の変化を強調し、欠陥のない正常管と比較してその差が閾値を越えたら傷と判断する等の処理が可能である。
〔具体例〕
〔具体例〕
以下、具体例について説明する。具体例1の励磁部として、第3実施形態の装置に組み込まれた励磁部10(図6(A)参照)を用いた。その他、比較例1として、リモートパルス型の励磁部を用い、比較例2として、渦流探傷型の励磁部を用いた。外径265mmの断熱配管1に対して、具体例1及び比較例1,2についてシミュレーションを行った。なお、図示を省略しているが、比較例1は、ヘルムホルツ型に類似する一対のコイルを、その中心に断熱配管1を通すように配置するとともに中心軸AX方向に互いに離間させたものであり、比較例2は、小径のコイルを、断熱配管1の側面に沿って近接させ当該側面の法線をコイルの軸とするように配置したものである。
具体例1の場合、コイル内径を305mmとし、コイル軸方向の内幅を40mmとし、磁気センサーの位置を、断熱配管1の中心軸AXを基準とし中心軸AX上にZ軸を配置した座標で(152.5,0,0)とし、欠陥の位置は、中心軸AXのY方向側にあるとする。つまり、磁気センサーの位置は、図6(A)に示すものと類似し、欠陥の位置は、図6(A)において位置d1,d2にあるとする。比較例1の場合、一対のコイル内径を305mmとし、一対のコイルの間隔を400mmとし、磁気センサーの位置を、断熱配管1の中心軸AXを基準する座標で(0,152.5,0)とし、中心軸AXのY方向側にあってコイル間の中間位置とした。欠陥の位置は、具体例1と同様とした。比較例2の場合、コイル内径を120mmとし、コイル及び外装板間の間隔を19.7mmとし、磁気センサーの位置を、断熱配管1の中心軸AXを基準する座標で(0,152.5,0)とし、中心軸AXのY方向側であるとした。欠陥の位置は、具体例1と同様とした。
結果を以下の表1にまとめた。
〔表1〕
表1において、上段が具体例1に対応し、中段が比較例1に対応し、下段が比較例2に対応する。具体例1の上段において、「配管傷−正常」は、配管本体に欠陥がある場合であって、欠陥のない正常な断熱配管との差をとった信号値(磁場強度)を示し、「外管傷−正常」は、外装板に欠陥がある場合であって、欠陥のない正常な断熱配管との差をとった信号値を示し、「両管傷−正常」は、配管本体及び外装板に欠陥がある場合であって、欠陥のない正常な断熱配管との差をとった信号値を示し、「(配管傷−正常)/(外管傷−正常)〔%〕」は、上記配管本体に欠陥がある場合の信号値を外装板に欠陥がある場合の信号値で割った比を%で表示したものである。各項目の右側のうち半径方向は、断熱配管の半径方向の磁場成分を意味し、回転方向は、断熱配管の周方向の磁場成分を意味し、軸方向は、断熱配管の中心軸方向の磁場成分を意味する。半径方向の磁場成分は、配管本体を貫くような磁束を発生させる場合に検出信号を高くできると考えられる。
結果を以下の表1にまとめた。
〔表1〕
表1において、上段が具体例1に対応し、中段が比較例1に対応し、下段が比較例2に対応する。具体例1の上段において、「配管傷−正常」は、配管本体に欠陥がある場合であって、欠陥のない正常な断熱配管との差をとった信号値(磁場強度)を示し、「外管傷−正常」は、外装板に欠陥がある場合であって、欠陥のない正常な断熱配管との差をとった信号値を示し、「両管傷−正常」は、配管本体及び外装板に欠陥がある場合であって、欠陥のない正常な断熱配管との差をとった信号値を示し、「(配管傷−正常)/(外管傷−正常)〔%〕」は、上記配管本体に欠陥がある場合の信号値を外装板に欠陥がある場合の信号値で割った比を%で表示したものである。各項目の右側のうち半径方向は、断熱配管の半径方向の磁場成分を意味し、回転方向は、断熱配管の周方向の磁場成分を意味し、軸方向は、断熱配管の中心軸方向の磁場成分を意味する。半径方向の磁場成分は、配管本体を貫くような磁束を発生させる場合に検出信号を高くできると考えられる。
結果についてまとめると、(配管傷−正常)/(外管傷−正常)の比等は、具体例1、比較例1、比較例2の順で大きいといえる。つまり、具体例1の手法を用いることで、配管本体の欠陥を外装板の欠陥から区別することが比較的容易になると考えられる。
以上、実施形態に係る非破壊検査装置について説明したが、本発明に係る非破壊検査装置は、上記例示のものには限られない。例えば、配管欠陥信号の有無を判定する演算方法や閾値は、環境に応じて適宜設定することができる。
1…断熱配管、 1a…配管本体、 1b…断熱材、 1c…外装板、 1s…外周側面、 10…励磁部、 10A,10B…半円部、 10E…電磁石、 10a…コイル、 10b…コア部材、 10p,10q…磁極部分、 11a…本体部、 11b,11b…ヨーク部、 11p,11q…磁極部分、 12a…端部、 12a,12b…端部、 20…磁気センサー、 40…パルス電源、 50…磁気センサー回路、 60…移動機構、 70…制御部、 75…主制御部、 80…検査部、 81…磁気シールド部材、 100…非破壊検査装置、 110a…コイル、 110p,110q…磁極部分、 AX…中心軸、 R1…中央領域、 R2…周辺領域
Claims (12)
- 断熱配管の中心軸に略直交して前記断熱配管に入り込むとともに前記断熱配管の配管本体を貫く磁束を発生させる励磁部と、
前記配管本体の減肉により発生する磁気信号を検出する磁気センサーと、
前記磁気センサーの検出出力を演算処理する信号処理部と、
を備えることを特徴とする非破壊検査装置。 - 前記励磁部は、前記断熱配管の周囲を一部開放しつつ覆うように配置される請求項1に記載の非破壊検査装置。
- 前記励磁部は、電流を流すコイルと、当該コイルによって形成される磁束を導くコア部材とを有し、
前記コア部材は、前記断熱配管を挟むように配置された一対の磁極部分を有することを特徴とする請求項1及び2のいずれか一項に記載の非破壊検査装置。 - 前記コイルには、パルス状の励磁用電流が供給され、前記信号処理部は、前記励磁用電流と同期して前記磁気センサーの検出出力を解析することを特徴とする請求項3に記載の非破壊検査装置。
- 前記励磁部は、前記断熱配管の周囲に沿って円弧状に延びることを特徴とする請求項3及び4のいずれか一項に記載の非破壊検査装置。
- 前記コア部材は、前記断熱配管の周囲に沿って半円状に延び、前記一対の磁極部分は、前記コア部材の一対の端部に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の非破壊検査装置。
- 前記コア部材は、前記断熱配管を挟んで配置される半円状の一対の対向部分からなり、前記一対の磁極部分は、前記一対の対向部分にそれぞれ振り分けられて、前記断熱配管の周囲に沿って連続的に延び又は連続的に複数配列されることを特徴とする請求項5に記載の非破壊検査装置。
- 前記励磁部は、前記断熱配管の中心軸方向に沿った複数箇所に近接して設けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の非破壊検査装置。
- 前記磁気センサーは、前記断熱配管の中心軸を通って当該中心軸に垂直な半径方向に沿った複数箇所に設けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の非破壊検査装置。
- 前記磁気センサーは、前記断熱配管の中心軸方向に関する位置が異なる複数箇所に設けられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の非破壊検査装置。
- 前記励磁部と前記磁気センサーとは、前記断熱配管とともに磁気シールド部材で覆われていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の非破壊検査装置。
- 前記励磁部を前記断熱配管の周囲に沿って回転可能にするとともに、前記励磁部を前記断熱配管の中心軸方向に沿って移動可能にする移動機構をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の非破壊検査装置。
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