JP2017005914A - 自動車 - Google Patents

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Keisuke Morisaki
啓介 森崎
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Abstract

【課題】バッテリから過大な電力が出力されるのを抑制する。【解決手段】クラッチ45が解放されているときに前輪38a,38bの空転によるスリップが発生した所定スリップ時には、モータ42の回転数と駆動軸46の回転数との差分が閾値以下となるようにモータ42を制御すると共に差分が閾値以下になったときにクラッチ45を係合する同期係合制御を実行する。こうした制御を行なうものにおいて、所定スリップ時には、同期係合制御を実行するときにモータ42で消費されると想定される電力をバッテリ50の出力制限から減じてモータ32の上限電力を設定し、この上限電力の範囲内でモータ32を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車に関する。
従来、この種の自動車としては、エンジンと2つのモータとプラネタリギヤとバッテリとを備える構成において、バッテリの昇温要請がなされているときに、駆動輪の空転によるスリップの可能性がないときには、積極的なバッテリの充放電によるバッテリの昇温制御を伴って走行するようにエンジンと2つのモータとを制御し、駆動輪の空転によるスリップの可能性があるときには、バッテリの昇温制御を伴わずに走行するようにエンジンと2つのモータとを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、駆動輪の空転によるスリップの可能性があるときに、バッテリの昇温制御を行なわないことにより、過大な電力がバッテリから放電されるのを抑制することができる。
特開2009−85386号公報
前輪と後輪とのうち一方の車輪に連結された第1駆動軸に接続された少なくとも1つの第1モータを有する駆動部と、第2モータと、前輪と前記後輪とのうち他方の車輪に連結された第2駆動軸と第2モータの回転軸との接続および接続の解除を行なうクラッチと、駆動部および第2モータと電力をやりとりするバッテリと、を備える自動車では、クラッチが解放されているときには、駆動部からの動力によって走行し、クラッチが係合されているときには、駆動部および第2モータからの動力によって走行する。そして、クラッチが解放されているときに上述の一方の車輪(第1駆動軸が連結された車輪)の空転によるスリップが発生した所定スリップ時には、第2モータからトルクを出力して第2モータの回転数を第2駆動軸の回転数付近にさせてクラッチを係合する。これは、前輪および後輪に動力を出力して車両の挙動を安定させるためである。この所定スリップ時には、上述の一方の車輪の回転数の上昇に応じて駆動部の消費電力が大きくなりやすい。また、所定スリップ時には、第2モータの回転数を値0から第2駆動軸の回転数付近まで上昇させるために、第2モータで電力が消費される。したがって、所定スリップ時には、バッテリから過大な電力が出力される可能性がある。
本発明の自動車は、バッテリから過大な電力が出力されるのを抑制することを主目的とする。
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
前輪と後輪とのうち一方の車輪に連結された第1駆動軸に接続された少なくとも1つの第1モータを有する駆動部と、
第2モータと、
前記第2モータの回転軸と、前記前輪と前記後輪とのうち他方の車輪に連結された第2駆動軸と、の接続および接続の解除を行なうクラッチと、
前記駆動部および前記第2モータと電力をやりとりするバッテリと、
前記クラッチが解放されているときには、前記駆動部からの動力によって走行するように前記駆動部を制御し、前記クラッチが係合されているときには、前記駆動部および前記第2モータからの動力によって走行するように前記駆動部と前記第2モータとを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記クラッチが解放されているときに前記一方の車輪の空転によるスリップが発生した所定スリップ時には、前記第2モータの回転数と前記第2駆動軸の回転数との差分が所定範囲内となるように前記第2モータを制御すると共に前記差分が前記所定範囲内となったときに前記クラッチが係合されるように前記クラッチを制御する手段である自動車であって、
前記制御手段は、前記所定スリップ時には、前記差分が前記所定範囲内となるように前記第2モータを制御するために必要とされる必要電力を前記バッテリの許容出力電力から減じて前記駆動部の上限電力を設定し、前記駆動部の消費電力が前記上限電力以下となるように前記駆動部を制御する手段である、
ことを要旨とする。
この本発明の自動車では、クラッチが解放されているときには、駆動部からの動力によって走行するように駆動部を制御し、クラッチが係合されているときには、駆動部および第2モータからの動力によって走行するように駆動部と第2モータとを制御する。そして、クラッチが解放されているときに一方の車輪(第1駆動軸が連結された車輪)の空転によるスリップが発生した所定スリップ時には、第2モータの回転数と第2駆動軸の回転数との差分が所定範囲内となるように第2モータを制御すると共に差分が所定範囲内となったときにクラッチが係合されるようにクラッチを制御する。こうした制御を行なうものにおいて、所定スリップ時には、差分が所定範囲内となるように第2モータを制御するために必要とされる必要電力をバッテリの許容出力電力から減じて駆動部の上限電力を設定し、駆動部の消費電力が上限電力以下となるように駆動部を制御する。これにより、バッテリから過大な電力が出力されるのを抑制することができる。
こうした本発明の自動車において、前記制御手段は、前記所定スリップ時には、前記第2駆動軸の回転数が大きいときに該第2駆動軸の回転数が小さいときよりも大きくなるように前記必要電力を設定する手段であるものとしてもよい。この場合、前記制御手段は、前記所定スリップ時には、前記第2駆動軸の回転数が大きいときに該第2駆動軸の回転数が小さいときよりも大きくなり、且つ、前記第2モータを冷却する冷却媒体の温度が低いときに該冷却媒体の温度が高いときよりも大きくなるように、前記必要電力を設定する手段であるものとしてもよい。また、前記制御手段は、前記所定スリップ時には、前記第2駆動軸の回転数が大きいときに該第2駆動軸の回転数が小さいときよりも大きくなり、且つ、前記スリップの程度が大きいときに該スリップの程度が小さいときよりも大きくなるように、前記必要電力を設定する手段であるものとしてもよい。これらの場合、必要電力をより適切に設定することができる。
実施例の電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例の上限電力設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 同期用電力設定用マップの一例を示す説明図である。 所定スリップ時の、モータ32の回転数Nmf,トルクTmf,消費電力Pmfと、モータ42の回転数Nmf,トルクTmrと、モータ32,42の消費電力Pmf,Pmrの総和Pmと、の時間変化の様子の一例を示す説明図である。 変形例の上限電力設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の上限電力設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 同期用電力設定用マップの一例を示す説明図である。 同期用電力設定用マップの一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、モータ32およびインバータ34を有する駆動部31と、モータ42と、インバータ44と、クラッチ45と、バッテリ50と、電子制御ユニット70と、を備える。
モータ32は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転軸33が、前輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36に接続されている。モータ42は、例えば同期発電電動機として構成されている。モータ32,42は、電子制御ユニット70によって、インバータ34,44の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
クラッチ45は、モータ42の回転軸43と、後輪48a,48bにデファレンシャルギヤ47を介して連結された駆動軸46と、の接続および接続の解除を行なう。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン52を介してインバータ34,44と接続されている。
電子制御ユニット70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポートを備える。電子制御ユニット70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット70に入力される信号としては、以下のものを挙げることができる。
・モータ32,42の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ32a,42aからのモータ32,42の回転子の回転位置θm1,θm2
・駆動軸46に取り付けられた回転数センサ49からの駆動軸46の回転数Npr
・前輪38a,38bに取り付けられた車輪速センサ60a,60bからの前輪38a,38bの車輪速Vfa,Vfb
・後輪48a,48bに取り付けられた車輪速センサ62a,62bからの後輪48a,48bの車輪速Vra,Vrb
・バッテリ50の端子間に設置された電圧センサからの電池電圧Vb
・バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサからの電池電流Ib
・バッテリ50に取り付けられた温度センサからの電池温度Tb
・イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号
・シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP
・アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc
・ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP
・車速センサ88からの車速V
電子制御ユニット70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット70から出力される信号としては、以下のものを挙げることができる。
・インバータ34,44の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号
・クラッチ45への制御信号
電子制御ユニット70は、回転位置検出センサ32a,42aからのモータ32,42の回転子の回転位置θmf,θmrに基づいてモータ32,42の回転数Nmf,Nmrを演算している。また、電子制御ユニット70は、電流センサからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと温度センサからの電池温度Tbとに基づいて入出力制限Win,Woutを演算したりしている。ここで、蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合であり、入出力制限Win,Woutは、バッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である。
こうして構成された実施例の電気自動車20では、電子制御ユニット70は、まず、アクセル開度Acc,車速V,モータ32の回転数Nmfなどのデータを入力する。アクセル開度Accは、アクセルペダルポジションセンサ84によって検出された値を入力するものとした。車速Vは、車速センサ88によって検出された値を入力するものとした。モータ32の回転数Nmfは、回転位置検出センサ32aからのモータ32の回転子の回転位置θmfに基づいて演算された値を入力するものとした。
続いて、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される要求トルクTd*を設定し、クラッチ45が解放されているか係合されているかを判定する。クラッチ45が解放されているときには、モータ42のトルク指令Tmr*に値0を設定すると共に、要求トルクTd*をモータ32のトルク指令Tmf*の仮の値としての仮トルクTmftmpに設定する。一方、クラッチ45が係合されているときには、要求トルクTd*にトルク配分比Drを乗じた値(Td*・Dr)をモータ42のトルク指令Tmr*に設定すると共に、要求トルクTd*にトルク配分比Dfを乗じた値(Td*・Df)をモータ32の仮トルクTmftmpに設定する。ここで、トルク配分比Df,Drは、それぞれ、要求トルクTd*に対するモータ32,42から出力するトルクの割合であり、トルク配分比Dfとトルク配分比Drとの和は値1となる。このトルク配分比Df,Drは、車両の走行状態,運転者のアクセル操作などに応じて定めることができる。
そして、モータ32の上限電力(上限パワー)Pmfmaxを設定し、設定した上限電力Pmfmaxをモータ32の回転数Nmfで除してモータ32のトルク制限Tmfmaxを設定し、モータ32の仮トルクTmftmpをトルク制限Tmfmaxで制限(上限ガード)してモータ32のトルク指令Tmf*を設定する。上限電力Pmfmaxの設定方法については後述する。こうしてモータ32,42のトルク指令Tmf*,Tmr*を設定すると、モータ32,42がトルク指令Tmf*,Tmr*で駆動されるようにインバータ34,44の図示しない複数のスイッチング素子を制御する。
また、実施例の電気自動車20では、クラッチ45が解放されているときに前輪38a,38bの空転によるスリップが発生したときには、モータ42の回転数Nmrと駆動軸46の回転数Nprとの差分ΔN(回転数Nprから回転数Nmrを減じた値の絶対値)が閾値ΔNref(例えば、数十rpmなど)以下になるようにモータ42のトルク指令Tmr*を設定してモータ42を制御し(インバータ44の図示しない複数のスイッチング素子を制御し)、差分ΔNが閾値ΔNref以下になったときに、クラッチ45が係合されるようにクラッチ45を制御する。以下、この制御を同期係合制御という。この同期係合制御の実行により、前輪38a,38bにのみ動力を出力可能な状態から前輪38a,38bおよび後輪48a,48bに動力を出力可能な状態にして、車両の挙動を安定させることができる。なお、実施例では、同期係合制御を実行する際には、所定時間tref(例えば、数百msecなど)以内に、差分ΔNが閾値ΔNref以下になるようにモータ42を制御するものとした。
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作、特に、モータ32のトルク制限Tmfmaxを設定する際の動作について説明する。図2は、実施例の電子制御ユニット70によって実行される上限電力設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
上限電力設定ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70は、まず、駆動軸46の回転数Npr,バッテリ50の出力制限Wout,モータ42の消費電力Pmr,フラグFsなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、駆動軸46の回転数Nprは、回転数センサ49によって検出された値を入力するものとした。バッテリ50の出力制限Woutは、電流センサからの電池電流Ibの積算値に基づくバッテリ50の蓄電割合SOCと、温度センサからの電池温度Tbと、に基づいて演算された値を入力するものとした。モータ42の消費電力Pmrは、モータ42のトルク指令Tmr*と回転数Nmrとの積として演算された値を入力するものとした。なお、モータ42のトルク指令Tmr*は、上述の駆動制御によって設定された値を用いるものとし、モータ42の回転数Nmrは、回転位置検出センサ42aからのモータ42の回転子の回転位置θmrに基づいて演算された値を入力するものとした。フラグFsは、図示しないフラグ設定ルーチンによって設定された値を入力するものとした。なお、フラグFsには、クラッチ45が解放されているときに前輪38a,38bの空転によるスリップが発生している所定スリップ時(上述の同期係合制御を実行するとき)には、値1が設定され、所定スリップ時でないときには、値0が設定される。所定スリップ時か否かの判定は、車輪速センサ60a,60bからの前輪38a,38bの車輪速Vfa,Vfbの平均値Vfから車輪速センサ62a,62bからの後輪48a,48bの車輪速Vra,Vrbの平均値Vrを減じた値(Vf−Vr)をスリップ判定用の閾値ΔVrefと比較し、値(Vf−Vr)が閾値ΔVref未満のときには所定スリップ時でないと判定し、値(Vf−Vr)が閾値ΔVref以上のときには所定スリップ時であると判定する、ことによって行なうことができる。
こうしてデータを入力すると、フラグFsの値を調べる(ステップS110)。そして、フラグFsが値0のときには、所定スリップ時でないと判断し、バッテリ50の出力制限Woutからモータ42の消費電力Pmrを減じた値(Wout−Pmr)をモータ32の上限電力Pmfmaxに設定して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。
ステップS110でフラグFsが値1のときには、所定スリップ時である(上述の同期係合制御を実行するときである)と判断し、駆動軸46の回転数Nprに基づいて、同期係合制御を実行するときにモータ42で消費されると想定される電力(最大値)としての同期用電力Psyを設定する(ステップS130)。ここで、同期用電力Psyは、実施例では、駆動軸46の回転数Nprと同期用電力Psyとの関係を予め定めて同期用電力設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、駆動軸46の回転数Nprが与えられると、このマップから対応する同期用電力Psyを導出して設定するものとした。同期用電力設定用マップの一例を図3に示す。同期用電力Psyは、図示するように、駆動軸46の回転数Nprが大きいときに回転数Nprが小さいときよりも大きくなるように、具体的には、駆動軸46の回転数Nprが大きいほど大きくなる傾向に設定される。これは以下の理由による。実施例では、上述したように、同期係合制御を実行する際には、所定時間tref以内に、モータ42の回転数Nmrと駆動軸46の回転数Nprと差分ΔNが閾値ΔNref以下になるようにモータ42のトルク指令Tmr*を設定してモータ42を制御する。したがって、同期係合制御を実行する際において、駆動軸46の回転数Nprが大きいときには、回転数Nprが小さいときよりも、モータ42の回転数Nmrの単位時間当たりの変化量(増加量)を大きくする必要があり、モータ42のトルク指令Tmr*を大きくする必要がある。このため、駆動軸46の回転数Nprが大きいときには、回転数Nprが小さいときよりも、同期用電力Psyが大きくなると考えられる。こうした理由により、図3に示すように、駆動軸46の回転数Nprと同期用電力Psyとの関係を定めるものとした。
こうして同期用電力Psyを設定すると、設定した同期用電力Psyをバッテリ50の出力制限Woutから減じた値(Wout−Psy)をモータ32の上限電力Pmfmaxに設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。所定スリップ時には、前輪38a,38bの車輪速Vfa,Vfbの急上昇によってモータ32の回転数Nmfが急上昇するから、モータ32の消費電力が大きくなりやすい。また、所定スリップ時には、同期係合制御の実行によってモータ42の回転数Nmrを値0から駆動軸46の回転数Npr付近まで急上昇させるために、モータ42で比較的大きい電力が消費される。したがって、同期用電力Psy(同期係合制御を実行するときにモータ42で消費されると想定される電力(最大値))をバッテリ50の出力制限Woutから減じてモータ32の上限電力Pmfmaxを設定し、この上限電力Pmfmaxをモータ32の回転数Nmfで除してトルク制限Tmfmaxを設定し、このトルク制限Tmfmaxの範囲内でモータ32を制御することにより、バッテリ50から過大な電力が出力されるのを抑制することができる。
図4は、所定スリップ時の、モータ32の回転数Nmf,トルクTmf,消費電力Pmfと、モータ42の回転数Nmf,トルクTmrと、モータ32,42の消費電力Pmf,Pmrの総和Pmと、の時間変化の様子の一例を示す説明図である。図示するように、時刻t11に、前輪38a,38bの空転によるスリップが生じると、同期係合制御を開始して、モータ42の回転数Nmrを上昇させる。そして、時刻t12に、モータ42の回転数Nmrが駆動軸46の回転数Npr付近まで上昇する(差分ΔNが閾値ΔNref以下になる)と、クラッチ45を解放から係合に切り替える。この同期係合制御の実行時に、同期用電力Psyをバッテリ50の出力制限Woutから減じた値をモータ32の上限電力Pmfmaxに設定し、この上限電力Pmfmaxの範囲内でモータ32を制御することにより、モータ32,42の消費電力Pmf,Pmrの総和Pmが大きくなるのを抑制することができる。この結果、バッテリ50から過大な電力が出力されるのを抑制することができる。
以上説明した実施例の電気自動車20では、所定スリップ時に同期係合制御を実行するものにおいて、所定スリップ時には、同期用電力Psy(同期係合制御を実行するときにモータ42で消費されると想定される電力(最大値))をバッテリ50の出力制限Woutから減じてモータ32の上限電力Pmfmaxを設定し、この上限電力Pmfmaxの範囲内でモータ32を制御する。これにより、バッテリ50から過大な電力が出力されるのを抑制することができる。
実施例の電気自動車20では、図2の上限電力設定ルーチンによってモータ32の上限電力Pmfmaxを設定するものとしたが、図5または図6の上限電力設定ルーチンによってモータ32の上限電力Pmfmaxを設定するものとしてもよい。ここで、図5のルーチンは、図3のルーチンのステップS100,S130に代えてステップS100b,S130bの処理を実行する点を除いて図3のルーチンと同一であり、図6のルーチンは、図3のルーチンのステップS100,S130に代えてステップS100c,S130cの処理を実行する点を除いて図3のルーチンと同一である。したがって、図5,図6のルーチンのうち図3のルーチンと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。以下、図5のルーチン,図6のルーチンの順に説明する。
図5の上限電力設定ルーチンでは、電子制御ユニット70は、図3のルーチンのステップ100の処理と同様に、駆動軸46の回転数Npr,バッテリ50の出力制限Wout,モータ42の消費電力Pmr,フラグFsなどを入力するのに加えて、モータ32,42を潤滑・冷却するための潤滑油の温度である油温Toilを入力する(ステップS100b)。ここで、油温Toilは、潤滑油を貯留する貯留部などに配置された図示しない温度センサによって検出された値を用いるものとした。そして、ステップS110でフラグFsが値1のときには、駆動軸46の回転数Nprと油温Toilとに基づいて同期用電力Psyを設定し(ステップS130b)、設定した同期用電力Psyをバッテリ50の出力制限Woutから減じた値(Wout−Psy)をモータ32の上限電力Pmfmaxに設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。この変形例では、同期用電力Psyは、駆動軸46の回転数Nprと油温Toilと同期用電力Psyとの関係を予め定めて同期用電力設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、駆動軸46の回転数Nprと油温Toilとが与えられると、このマップから対応する同期用電力Psyを導出して設定するものとした。この変形例の同期用電力設定用マップの一例を図7に示す。駆動軸46の回転数Nprと同期用電力Psyとの関係については上述した。また、図示するように、同期用電力Psyは、油温Toilが低いときに油温Toilが高いときよりも大きくなるように、具体的には、油温Toilが低いほど大きくなるように設定される。これは、油温Toilが低いときには、油温Toilが高いときよりも、潤滑油の粘性が高くなるために、モータ42の回転数Nmrを上昇させるためのトルクを大きくする必要があるためである。これにより、同期用電力Psyをより適切に設定することができる。この結果、バッテリ50から過大な電力が出力されるのをより抑制することができる。
図6の上限電力設定ルーチンでは、電子制御ユニット70は、図3のルーチンのステップ100の処理と同様に、駆動軸46の回転数Npr,バッテリ50の出力制限Wout,モータ42の消費電力Pmr,フラグFsなどを入力するのに加えて、スリップ速度Vsを入力する(ステップS100c)。ここで、スリップ速度Vsは、上述の値(Vf−Vr)などを用いることができる。そして、ステップS110でフラグFsが値1のときには、駆動軸46の回転数Nprとスリップ速度Vsとに基づいて同期用電力Psyを設定し(ステップS130c)、設定した同期用電力Psyをバッテリ50の出力制限Woutから減じた値(Wout−Psy)をモータ32の上限電力Pmfmaxに設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。この変形例では、同期用電力Psyは、駆動軸46の回転数Nprとスリップ速度Vsと同期用電力Psyとの関係を予め定めて同期用電力設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、駆動軸46の回転数Nprとスリップ速度Vsとが与えられると、このマップから対応する同期用電力Psyを導出して設定するものとした。この変形例の同期用電力設定用マップの一例を図8に示す。駆動軸46の回転数Nprと同期用電力Psyとの関係については上述した。また、図示するように、同期用電力Psyは、スリップ速度Vsが大きいときにスリップ速度Vsが小さいときよりも大きくなるように、具体的には、スリップ速度Vsが大きいほど大きくなるように設定される。これは以下の理由による。スリップ速度Vsが大きいときには、スリップ速度Vsが小さいときよりも、車両の姿勢を迅速に安定させることが要請される。このため、スリップ速度Vsが大きいときには、スリップ速度Vsが小さいときよりも、同期係合制御において、モータ42の回転数Nmrを迅速に駆動軸46の回転数Npr付近にするために、モータ42の回転数Nmrの単位時間当たりの増加量を大きくする必要があり、モータ42のトルクを大きくする必要がある。この変形例では、これを考慮して、スリップ速度Vsが大きいときにスリップ速度Vsが小さいときよりも大きくなるように同期用電力Psyを設定するものとした。これにより、同期用電力Psyをより適切に設定することができる。この結果、バッテリ50から過大な電力が出力されるのをより抑制することができる。
この変形例では、スリップ速度Vsに基づいて同期用電力Psyを設定するものとしたが、スリップ速度Vsに代えて、前輪38a,38bの車輪速Vfa,Vfbの平均値Vfを、車速Vを車輪速に換算した値で、除して得られるスリップ率に基づいて同期用電力Psyを設定するものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、モータ42の回転数Nmrに基づいて同期用電力Psyを設定するものとし、変形例では、駆動軸46の回転数Nprと油温Toilとに基づいて或いは駆動軸46の回転数Nprとスリップ速度Vsとに基づいて同期用電力Psyを設定するものとした。しかし、これらに拘わらず一律の値を同期用電力Psyとして用いるものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、前輪38a,38bに連結された駆動軸36にモータ32を接続すると共に後輪46a,46bに連結された駆動軸46にクラッチ45を介してモータ42を接続するものとした。しかし、駆動軸36にクラッチを介してモータ32を接続すると共に駆動軸46にクラッチを介さずにモータ42を接続するものとしてもよい。
実施例では、前輪38a,38bに連結された駆動軸36にモータ32を接続すると共に後輪46a,46bに連結された駆動軸46にクラッチ45を介してモータ42を接続した電気自動車20の構成とした。しかし、このハード構成に加えて少なくとも走行用のエンジンを備えるハイブリッド自動車の構成としてもよい。電気自動車20のハード構成に加えて駆動軸36にプラネタリギヤを介してエンジンおよび発電機を接続するハイブリッド自動車の構成の場合、モータ32の上限電力Pmfmaxは、以下のように設定することができる。所定スリップ時でないときには、バッテリ50の出力制限Woutからモータ42の消費電力と発電機の消費電力とを減じた値をモータ32の上限電力Pmfmaxに設定する。一方、所定スリップ時には、バッテリ50の出力制限Woutから同期用電力Psyと発電機の消費電力とを減じた値をモータ32の上限電力Pmfmaxに設定する。こうすれば、発電機およびモータ32の総消費電力が、バッテリ50の出力制限Woutから同期用電力Psyを減じた値以下となるように、発電機およびモータ32を駆動することになる。したがって、実施例と同様に、バッテリ50から過大な電力が出力されるのを抑制することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータ32が「第1モータ」に相当し、駆動部31が「駆動部」に相当し、モータ42が「第2モータ」に相当し、クラッチ45が「クラッチ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、電子制御ユニット70が「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないもの
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
20 電気自動車、31 駆動部、32,42 モータ、32a,42a 回転位置検出センサ、33,43 回転軸、34,44 インバータ、36,46 駆動軸、37,47 デファレンシャルギヤ、38a,38b 前輪、45 クラッチ、48a,48b 後輪、49 回転数センサ、50 バッテリ、52 電力ライン、60a,60b,62a,62b 車輪速センサ、70 電子制御ユニット、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ。

Claims (1)

  1. 前輪と後輪とのうち一方の車輪に連結された第1駆動軸に接続された少なくとも1つの第1モータを有する駆動部と、
    第2モータと、
    前記第2モータの回転軸と、前記前輪と前記後輪とのうち他方の車輪に連結された第2駆動軸と、の接続および接続の解除を行なうクラッチと、
    前記駆動部および前記第2モータと電力をやりとりするバッテリと、
    前記クラッチが解放されているときには、前記駆動部からの動力によって走行するように前記駆動部を制御し、前記クラッチが係合されているときには、前記駆動部および前記第2モータからの動力によって走行するように前記駆動部と前記第2モータとを制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記クラッチが解放されているときに前記一方の車輪の空転によるスリップが発生した所定スリップ時には、前記第2モータの回転数と前記第2駆動軸の回転数との差分が所定範囲内となるように前記第2モータを制御すると共に前記差分が前記所定範囲内となったときに前記クラッチが係合されるように前記クラッチを制御する手段である自動車であって、
    前記制御手段は、前記所定スリップ時には、前記差分が前記所定範囲内となるように前記第2モータを制御するために必要とされる必要電力を前記バッテリの許容出力電力から減じて前記駆動部の上限電力を設定し、前記駆動部の消費電力が前記上限電力以下となるように前記駆動部を制御する手段である、
    自動車。
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