JP2017005680A - 測定器、チップ及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】送信局から送信された放送波の信号を停波することなく、放送波のDU比を測定する。【解決手段】A局の送信装置101及びB局の送信装置102から、直交したSP信号を含む放送波がそれぞれ送信される。測定器1は、送信装置101からのSP信号と送信装置102からのSP信号とが重畳した放送波を受信する。SP抽出部13は、受信アンテナ3を介して受信したOFDM信号のキャリアシンボルからSP信号を抽出する。SP補間部14は、SP信号の直交性を利用して、抽出されたSP信号を補間して伝送路応答a,bを求める。DU比算出部15は、伝送路応答a,bをキャリア方向に積分して電力Pa,Pbを求め、電力Pa,Pbに基づいてDU比を算出する。これにより、互いに分離可能な直交したSP信号を利用することで、伝送路応答a,bが求められ、A,B局間の放送波のDU比が測定される。【選択図】図4
Description
本発明は、DU比(Desired to Undesired signal ratio:希望波対妨害波比)を測定する測定器、チップ及びプログラムに関する。
日本の地上デジタル放送方式であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)は、固定受信向けにハイビジョン(登録商標)放送(または複数標準画質放送)を実現している。次世代の地上デジタル放送方式では、従来のハイビジョン(登録商標)に代わり、3Dハイビジョン放送またはハイビジョン(登録商標)の16倍の解像度を持つスーパーハイビジョン等により、さらに情報量の多いサービスを提供することが求められている。そのため、データ容量の拡大及び誤り訂正技術により、所要C/Nを低減することが課題となっている。
近年、無線によるデータ伝送容量を拡大するための手法として、例えばH(水平)偏波及びV(垂直)偏波を送受信アンテナにて同時に用いる2×2偏波MIMO(Multiple Input Multiple Output:多入力多出力)方式 が提案されている。また、STC(Space time code:時空間符号)とSFN(Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)技術を組み合わせたSTC−SFNが提案されている(例えば、非特許文献1,2を参照)。
STC−SFNでは、A,B局の2つの送信局間でSFNを構築することを想定している。送信側のA,B局及び受信側により、4×2偏波MIMOシステムが構成される。送信側のそれぞれのA,B局では、2つの送信アンテナからH偏波及びV偏波を送信し、受信側では、2つの受信アンテナにて、A局から送信されたH偏波及びV偏波を受信すると共に、B局から送信されたH偏波及びV偏波を受信し、復調する。
送信側から受信側への伝送路では、A局からのH偏波及びV偏波並びにB局からのH偏波及びV偏波の4成分それぞれに直交するSP(Scattered Pilot:スキャッタードパイロット)信号が重畳され、受信側は、重畳信号からそれぞれのSP信号を抽出することにより、伝送路応答を求める。
蔀、「次世代地上放送に向けた伝送技術−STC−SDM伝送用パイロット方式の検討−」、映情学技報Vol.36、No.42、p33(2012)
蔀、「次世代地上放送に向けた伝送技術−STC−SDM伝送を応用したSFNに関する検討−」、映情学技報Vol.36、No.51、p21(2012)
このような偏波MIMOシステムにおいてA局とB局との間のDU比を測定する場合には、両局から放送波が送信されている状態で、A局からの放送波の送信を停止(A局の信号を停波)してB局からの放送波の受信レベルを測定する。そして、両局から放送波が送信されている状態で、B局からの放送波の送信を停止(B局の信号を停波)してA局からの放送波の受信レベルを測定することにより、DU比を測定する。これは、地上デジタル放送では、A,B局から送信されるそれぞれの放送波は本質的に同じ信号であり、両局から放送波が送信されている状態では、両放送波を区別することができないからである。
このように、A,B局間のDU比を測定するには、A,B局の信号をそれぞれ停波する必要があるという問題があった。また、遅延プロファイルを用いてDU比を測定する際に、マルチパス波がA,B局のどちらからの放送波であるかを判別することができず、正確なDU比を測定することができないという問題があった。これは、両偏波を用いる偏波MIMOシステムだけでなく、偏波を用いない空間MIMOシステム、指向性MIMOシステム、同一偏波を用いるMISO(Multiple Input Single Output:多入力単一出力)システム、及び偏波を用いない空間MISOシステム等においても同様である。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、送信局から送信された放送波の信号を停波することなく、放送波のDU比を測定可能な測定器、チップ及びプログラムを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の測定器は、複数の送信局から送信された放送波を受信し、前記放送局間のDU比(希望局からの波と希望局以外からの波との間の比率)を測定する測定器において、前記複数の送信局から直交したパイロット信号を含む放送波がそれぞれ送信され、前記直交したパイロット信号が重畳した放送波のキャリアシンボルから、パイロット信号を抽出するSP抽出部と、前記SP抽出部により抽出されたパイロット信号を補間し、前記複数の送信局から当該測定器への経路毎の伝送路応答を求めるSP補間部と、前記SP補間部により求めた経路毎の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記経路毎の電力を求め、前記経路毎の電力に基づいて前記DU比を算出するDU比算出部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2の測定器は、請求項1に記載の測定器において、前記複数の送信局からMISO(多入力単一出力)システムの経路を介して放送波を受信する場合に、前記SP補間部が、前記MISOシステムにおける複数の経路の伝送路応答を求め、前記DU比算出部が、前記SP補間部により求めた複数の経路の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記複数の経路の電力をそれぞれ求め、前記複数の経路の電力のうち、所定の1つの送信局との間の経路における電力と、前記所定の1つの送信局以外の送信局との間の経路における電力との比を、前記DU比として算出する、ことを特徴とする。
また、請求項3の測定器は、請求項1に記載の測定器において、前記複数の送信局からMIMO(多入力多出力)システムの経路を介して放送波を受信する場合に、前記SP補間部が、前記MIMOシステムにおける複数の経路の伝送路応答を求め、前記DU比算出部が、前記SP補間部により求めた複数の経路の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記複数の経路の電力をそれぞれ求め、前記複数の経路の電力のうち、所定の1つの送信局との間の経路における電力と、前記所定の1つの送信局以外の送信局との間の経路における電力との比を、前記DU比として算出する、ことを特徴とする。
また、請求項4の測定器は、請求項3に記載の測定器において、前記複数の送信局からMIMO(多入力多出力)システムの経路を介して、異なる偏波を受信する場合に、前記DU比算出部に代わる新たなDU比算出部が、所定種類の偏波を受信する受信アンテナへの複数の経路における伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記複数の経路の電力をそれぞれ求め、前記複数の経路の電力のうち、所定の1つの送信局との間の経路における電力と、前記所定の1つの送信局以外の送信局との間の経路における電力との比を、前記所定種類の偏波のDU比として算出する、ことを特徴とする。
さらに、請求項5のチップは、複数の送信局から送信された放送波を受信する装置に搭載されるチップにおいて、前記複数の送信局から直交したパイロット信号を含む放送波がそれぞれ送信され、前記直交したパイロット信号が重畳した放送波のキャリアシンボルから、パイロット信号を抽出するSP抽出部と、前記SP抽出部により抽出されたパイロット信号を補間し、前記複数の送信局から当該装置への経路毎の伝送路応答を求めるSP補間部と、前記SP補間部により求めた経路毎の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記経路毎の電力を求め、前記経路毎の電力に基づいて、前記放送波のDU比(希望局からの波と希望局以外からの波との間の比率)を算出するDU比算出部と、を備えたことを特徴とする。
さらに、請求項6のプログラムは、複数の送信局から直交したパイロット信号を含む放送波を受信する装置のプログラムであって、前記直交したパイロット信号が重畳した放送波のキャリアシンボルから、パイロット信号を抽出するステップと、前記パイロット信号を補間し、前記複数の送信局から当該装置への経路毎の伝送路応答を求めるステップと、前記経路毎の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記経路毎の電力を求めるステップと、前記経路毎の電力に基づいて、前記放送波のDU比(希望局からの波と希望局以外からの波との間の比率)を算出するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、送信局から送信された放送波の信号を停波することなく、送信局間のDU比を測定することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、MISOシステムまたはMIMOシステムにおいて、直交するSP信号を用いて、送信局間の放送波のDU比を測定することを特徴とする。本発明の測定器は、直交するSP信号が重畳した信号から各経路の伝送路応答を求め、伝送路応答から電力を求め、送信局間の放送波のDU比を測定する。ここで、直交するSP信号が重畳した場合、その重畳した信号を四則演算することにより、各経路のSP信号を抽出することができ、各経路の伝送路応答を求めることができる。
以下、実施例1にMISOシステムの例を挙げ、実施例2に偏波MIMOシステムの例を挙げて詳細に説明する。
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。実施例1は、1本の送信アンテナをそれぞれ備えた2つの送信局(A,B局)、及び1本の受信アンテナを備えた測定器により構成されるSTC−SFNの2×1MISOシステムにおいて、直交する2パターンのSP信号を用いて、A,B局間のDU比を測定する例である。A,B局から送信される放送波はMISO変調されている。DU比は、SFNを構築する放送エリアの設計を行う上で重要なパラメータであり、測定器に搭載される測定項目である。尚、実施例1は、同一偏波を用いる例であるが、本発明は、異なる偏波を用いるMISOシステム、及び偏波を用いない空間MISOシステム等にも適用がある。
まず、実施例1について説明する。実施例1は、1本の送信アンテナをそれぞれ備えた2つの送信局(A,B局)、及び1本の受信アンテナを備えた測定器により構成されるSTC−SFNの2×1MISOシステムにおいて、直交する2パターンのSP信号を用いて、A,B局間のDU比を測定する例である。A,B局から送信される放送波はMISO変調されている。DU比は、SFNを構築する放送エリアの設計を行う上で重要なパラメータであり、測定器に搭載される測定項目である。尚、実施例1は、同一偏波を用いる例であるが、本発明は、異なる偏波を用いるMISOシステム、及び偏波を用いない空間MISOシステム等にも適用がある。
〔MISOシステム/実施例1〕
図1は、実施例1のMISOシステムの全体構成例を示す概略図である。このMISOシステムは、STC−SFNのシステムであり、A局に設けられた送信装置101、B局に設けられた送信装置102、及び測定器1を備えて構成される。送信装置101は1本の送信アンテナ111を備え、送信装置102は1本の送信アンテナ112を備え、測定器1は1本の受信アンテナ3を備えている。2本の送信アンテナ111,112及び1本の受信アンテナ3により、全体として2×1MISOシステムが構成される。
図1は、実施例1のMISOシステムの全体構成例を示す概略図である。このMISOシステムは、STC−SFNのシステムであり、A局に設けられた送信装置101、B局に設けられた送信装置102、及び測定器1を備えて構成される。送信装置101は1本の送信アンテナ111を備え、送信装置102は1本の送信アンテナ112を備え、測定器1は1本の受信アンテナ3を備えている。2本の送信アンテナ111,112及び1本の受信アンテナ3により、全体として2×1MISOシステムが構成される。
送信装置101及び送信装置102は、互いに直交するSP信号を含むOFDM信号を生成し、放送波を、送信アンテナ111,112からそれぞれ送信する。送信装置101及び送信装置102から測定器1への伝送路において、それぞれのSP信号が重畳する。
図2は、実施例1にて用いるSPパターンの例を説明する図である。図2(1)(3)は、A局の送信装置101に用いるSPパターンの例であり、図2(2)(4)は、B局の送信装置102に用いるSPパターンの例である。A局の送信装置101にて図2(1)のSPパターンが用いられる場合、B局の送信装置102にて図2(2)のSPパターンが用いられる。また、A局の送信装置101にて図2(3)のSPパターンが用いられる場合、B局の送信装置102にて図2(4)のSPパターンが用いられる。横軸はキャリア方向、縦軸はシンボル方向を示す。黒丸及び黒四角は、正のSP信号(1+0j)を示し、白丸及び白四角は、ヌルのSP信号(0+0j)を示し、バツ印の四角は、負のSP信号(−1+0j)を示す。
図2(1)(2)に示すように、SP信号は、各シンボルに配置され、同一シンボルにおいて、キャリア方向につき12個間隔に配置されており、正のSP信号及びヌルのSP信号は、24個間隔に交互に配置されている。また、SP信号は、複数のシンボルにおいて3キャリア毎に配置され、同一キャリアにおいて、シンボル方向につき4シンボル間隔に配置されており、正のSP信号及びヌルのSP信号は、8シンボル間隔に交互に配置されている。
このように、SP信号は、8シンボルを周期としたパターンで構成されており、図2(1)(2)のSP信号は直交している。このような直交するSP信号を利用することにより、A局の送信装置101から測定器1への伝送路応答とB局の102から測定器1への伝送路応答とを、個別に求めることができる。
尚、図2(1)(2)は、正のパイロットとヌルパイロットを合わせたSPパターンの例を示しているが、図2(3)(4)のように、正のパイロットのみのSPパターン、及び正のパイロットと負のパイロット(反転型パイロット)を合わせたSPパターンを用いるようにしてもよい。また、後述する図7に示すように、図7(1)(3)のSPパターンを用いるようにしてもよいし、図7(2)(4)のSPパターンを用いるようにしてもよいし、図7(1)(4)のSPパターンを用いるようにしてもよいし、図7(2)(3)のSPパターンを用いるようにしてもよい。また、SP信号のキャリア方向の補間後の間隔をDx、シンボル方向の間隔をDyとすると、図2ではこれらの組み合わせの一例として、(Dx,Dy)=(3,4)を示している。これに対し、(Dx,Dy)=(6,2)、(6,4)等の様々な組み合わせとしてもよい。いずれの場合も、SP信号は直交しており、各成分を個別に分離できれば、どのような直交パターンでもよい。
図3は、実施例1における各経路の伝送路応答を説明する図である。図1に示したMISOシステムでは、A局の送信装置101及びB局の送信装置102と測定器1との間に2つの経路が形成される。送信装置101の送信アンテナ111から測定器1の受信アンテナ3への経路の伝送路応答をaとし、送信装置102の送信アンテナ112から測定器1の受信アンテナ3への経路の伝送路応答をbとする。
送信装置101の送信アンテナ111から送信された放送波は、伝送路応答aの経路を介して測定器1の受信アンテナ3へ送信され、送信装置102の送信アンテナ112から送信された放送波は、伝送路応答bの経路を介して測定器1の受信アンテナ3へ送信される。このとき、送信装置101及び送信装置102から測定器1への伝送路において、送信装置101からのSP信号と送信装置102からのSP信号とが重畳する。
図1に戻って、測定器1は、送信装置101からの放送波及び送信装置102からの放送波を、受信アンテナ3にて受信し、SP信号の直交性を利用して、重畳した信号からそれぞれのSP信号を抽出し伝送路応答a,bを求める。
測定器1は、伝送路応答aに基づいて電力を算出すると共に、伝送路応答bに基づいて電力を算出し、両電力からDU比を算出する。これにより、測定器1の受信アンテナ3を受信点としたDU比が算出される。
〔測定器1/実施例1〕
次に、図1に示した測定器1について詳細に説明する。図4は、実施例1の測定器1の構成例を示すブロック図である。この測定器1は、受信アンテナ3、有効シンボル期間抽出部11、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部12、SP抽出部13、SP補間部14及びDU比算出部15を備えている。
次に、図1に示した測定器1について詳細に説明する。図4は、実施例1の測定器1の構成例を示すブロック図である。この測定器1は、受信アンテナ3、有効シンボル期間抽出部11、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部12、SP抽出部13、SP補間部14及びDU比算出部15を備えている。
尚、図4には、本発明と直接関連する構成部のみ示してあり、本発明と直接関連しないシンボル同期部等の構成部は省略してある。有効シンボル期間抽出部11からSP補間部14までの構成部の処理は、従来のOFDM信号を処理する構成部と同じである。
測定器1が受信アンテナ3にて、送信装置101,102から送信された放送波をそれぞれ受信すると、有効シンボル期間抽出部11は、受信した放送波のOFDM信号を入力し、OFDM信号から有効シンボル期間を抽出し、有効シンボル期間の信号をFFT部12に出力する。具体的には、有効シンボル期間抽出部11は、図示しないシンボル同期部からシンボルタイミングを入力し、シンボルタイミングに基づいて、受信したOFDM信号からGI期間及び有効シンボル期間を抽出し、GI期間を除去することで有効シンボル期間を抽出する。
FFT部12は、有効シンボル期間抽出部11から有効シンボル期間の信号を入力し、有効シンボル期間の信号を高速フーリエ変換することで、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、キャリアシンボルを生成する。FFT部12は、キャリアシンボルをSP抽出部13に出力する。
SP抽出部13は、FFT部12からキャリアシンボルを入力し、キャリアシンボルから所定位置のSP信号を抽出し、SP信号(受信SP信号)をSP補間部14に出力する。
SP補間部14は、SP抽出部13からSP信号を入力し、SP信号をキャリア方向(周波数方向)及び/またはシンボル方向(時間方向)に補間する。そして、SP補間部14は、補間後のSP信号に基づいて伝送路応答a,bを求め、伝送路応答a,bをDU比算出部15に出力する。
ここで、SP抽出部13から入力したSP信号(受信SP信号)は、図2(1)に示した送信装置101からのSP信号と図2(2)に示した送信装置102からのSP信号とが重畳した信号であるが、これらのSP信号は直交している。このため、SP補間部14は、受信SP信号から、送信装置101からのSP信号を抽出して伝送路応答aを求めることができ、送信装置102からのSP信号を抽出して伝送路応答bを求めることができる。
DU比算出部15は、SP補間部14から伝送路応答a,bを入力し、伝送路応答a,bをキャリア方向に積分して電力を求め、電力に基づいてDU比を算出し、DU比を表示部等へ出力する。
図5は、DU比算出部15の処理例を示すフローチャートである。まず、DU比算出部15は、SP補間部14から各経路の伝送路応答a,bを入力する(ステップS501)。伝送路応答aは、送信装置101の送信アンテナ111から測定器1の受信アンテナ3への経路における補間後の全キャリア(SP信号が配置されたキャリア)の伝送路応答である。伝送路応答bは、送信装置102の送信アンテナ112から測定器1の受信アンテナ3への経路における補間後の全キャリア(SP信号が配置されたキャリア)の伝送路応答である。
DU比算出部15は、補間後の全キャリアの伝送路応答aをキャリア方向に積分し、送信装置101からの放送波の電力Paを算出すると共に、補間後の全キャリアの伝送路応答bをキャリア方向に積分し、送信装置102からの放送波の電力Pbを算出する(ステップS502)。
DU比算出部15は、以下の式にて、電力Paを電力Pbで除算することにより、A,B局間の放送波のDU比を算出する(ステップS503)。そして、DU比算出部15は、DU比を表示部等へ出力する(ステップS504)。
[数1]
DU比=Pa/Pb ・・・(1)
このDU比は、送信装置101からの放送波を希望波とし、送信装置102からの放送波を希望局以外からの波とした場合の比率である。尚、DU比は、一般に、希望波と妨害波との間の比率であるが、ここでは、希望局からの波(希望波)と、希望局以外からの波との間の比率をいうものとする。実施例2についても同様である。
[数1]
DU比=Pa/Pb ・・・(1)
このDU比は、送信装置101からの放送波を希望波とし、送信装置102からの放送波を希望局以外からの波とした場合の比率である。尚、DU比は、一般に、希望波と妨害波との間の比率であるが、ここでは、希望局からの波(希望波)と、希望局以外からの波との間の比率をいうものとする。実施例2についても同様である。
尚、DU比算出部15は、前記式(1)の分母と分子を入れ替え、送信装置102からの放送波を希望波とし、送信装置101からの放送波を希望局以外からの波とした場合のDU比を算出するようにしてもよい。
以上のように、実施例1の測定器1によれば、A局の送信装置101及びB局の送信装置102から直交したSP信号を含む放送波がそれぞれ送信され、SP信号が重畳した放送波を受信する。SP抽出部13は、受信したOFDM信号のキャリアシンボルからSP信号を抽出し、SP補間部14は、SP信号の直交性を利用することで、SP信号を補間して伝送路応答a,bを求める。そして、DU比算出部15は、伝送路応答a,bをキャリア方向に積分して電力を求め、DU比を算出する。
これにより、互いに分離可能な直交したSP信号を利用することで、A,B局の信号を停波することなく、A,B局間のDU比を測定することが可能となる。
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。実施例2は、2本の送信アンテナをそれぞれ備えた2つの送信局(A,B局)、及び2本の受信アンテナを備えた測定器により構成されるSTC−SFNの4×2偏波MIMOシステムにおいて、直交する4パターンのSP信号を用いて、A,B局間のDU比を測定する例である。A,B局から送信される放送波は偏波MIMO波である。DU比は、SFNを構築する放送エリアの設計を行う上で重要なパラメータであり、測定器に搭載される測定項目である。尚、実施例2は、両偏波を用いる例であるが、本発明は、偏波を用いない空間MIMOシステム、指向性MIMOシステム等にも適用がある。
次に、実施例2について説明する。実施例2は、2本の送信アンテナをそれぞれ備えた2つの送信局(A,B局)、及び2本の受信アンテナを備えた測定器により構成されるSTC−SFNの4×2偏波MIMOシステムにおいて、直交する4パターンのSP信号を用いて、A,B局間のDU比を測定する例である。A,B局から送信される放送波は偏波MIMO波である。DU比は、SFNを構築する放送エリアの設計を行う上で重要なパラメータであり、測定器に搭載される測定項目である。尚、実施例2は、両偏波を用いる例であるが、本発明は、偏波を用いない空間MIMOシステム、指向性MIMOシステム等にも適用がある。
〔MIMOシステム/実施例2〕
図6は、実施例2のMIMOシステムの全体構成例を示す概略図である。このMIMOシステムは、STC−SFNの偏波システムであり、A局に設けられた送信装置103、B局に設けられた送信装置104、及び測定器2を備えて構成される。送信装置103は2本の送信アンテナ113,114を備え、送信装置104は2本の送信アンテナ115,116を備え、測定器2は2本の受信アンテナ4,5を備えている。4本の送信アンテナ113〜116及び2本の受信アンテナ4,5により、全体として4×2偏波MIMOシステムが構成される。送信アンテナ113,115及び受信アンテナ4は、H偏波用のアンテナであり、送信アンテナ114,116及び受信アンテナ5は、V偏波用のアンテナである。
図6は、実施例2のMIMOシステムの全体構成例を示す概略図である。このMIMOシステムは、STC−SFNの偏波システムであり、A局に設けられた送信装置103、B局に設けられた送信装置104、及び測定器2を備えて構成される。送信装置103は2本の送信アンテナ113,114を備え、送信装置104は2本の送信アンテナ115,116を備え、測定器2は2本の受信アンテナ4,5を備えている。4本の送信アンテナ113〜116及び2本の受信アンテナ4,5により、全体として4×2偏波MIMOシステムが構成される。送信アンテナ113,115及び受信アンテナ4は、H偏波用のアンテナであり、送信アンテナ114,116及び受信アンテナ5は、V偏波用のアンテナである。
送信装置103,104は、互いに直交するSP信号を含むOFDM信号を生成し、放送波を、送信アンテナ113〜116からそれぞれ送信する。送信装置103は、送信アンテナ113からH偏波を送信し、送信アンテナ114からV偏波を送信する。また、送信装置104は、送信アンテナ115からH偏波を送信し、送信アンテナ116からV偏波を送信する。送信装置103及び送信装置104から測定器2への伝送路において、それぞれのSP信号が重畳する。
図7は、実施例2にて用いるSPパターンの例を説明する図であり、正及び負の反転型パイロットとヌルパイロットとを合わせたSPパターンを示している。図7(1)は、A局に設けられた送信装置103の送信アンテナ113の系統(H偏波が送信される系統)に用いるSPパターンの例である。図7(2)は、A局に設けられた送信装置103の送信アンテナ114の系統(V偏波が送信される系統)に用いるSPパターンの例である。また、図7(3)は、B局に設けられた送信装置104の送信アンテナ115の系統(H偏波が送信される系統)に用いるSPパターンの例である。図7(4)は、B局に設けられた送信装置104の送信アンテナ116の系統(V偏波が送信される系統)に用いるSPパターンの例である。横軸はキャリア方向、縦軸はシンボル方向を示す。黒丸及び黒四角は、正のSP信号(1+0j)を示し、バツ印の丸及び四角は、負のSP信号(−1+0j)を示し、白丸及び白四角は、ヌルのSP信号(0+0j)を示す。
図7(1)〜(4)に示すように、SP信号は、各シンボルに配置され、同一シンボルにおいて、キャリア方向につき12個間隔に配置されている。図7(1)(3)では、正のSP信号及びヌルのSP信号のそれぞれが24個間隔に交互に配置されている。図7(2)(4)では、正または負のSP信号及びヌルのSP信号が交互に配置されている。正または負のSP信号は48個間隔であり、ヌルのSP信号は24個間隔である。
また、SP信号は、複数のシンボルにおいて3キャリア毎に配置され、同一キャリアにおいて、シンボル方向につき4シンボル間隔に配置されている。図7(1)(3)では、正のSP信号及びヌルのSP信号のそれぞれが8シンボル間隔に交互に配置されている。図7(2)(4)では、正または負のSP信号及びヌルのSP信号が交互に配置されている。正または負のSP信号は16シンボル間隔であり、ヌルのSP信号は8シンボル間隔である。また、SP信号のキャリア方向の補間後の間隔をDx、シンボル方向の間隔をDyとすると、図7ではこれらの組み合わせの一例として、(Dx,Dy)=(3,4)を示している。これに対し、(Dx,Dy)=(6,2)、(6,4)等の様々な組み合わせとしてもよい。
このように、SP信号は、16シンボルを周期としたパターンで構成されており、図7(1)〜(4)のSP信号は、直交している。直交するSP信号のパターンは、SP信号の各成分を個別に分離できれば、どのような直交パターンでもよい。このような直交するSP信号を利用することにより、A局の送信装置103に備えた送信アンテナ113,114及びB局の送信装置104に備えた送信アンテナ115,116から測定器2の受信アンテナ4,5への伝送路応答を、個別に求めることができる。
図8は、実施例2における各経路の伝送路応答を説明する図である。図6に示したMIMOシステムでは、A局の送信装置103及びB局の送信装置104と測定器2との間に8つの経路が形成される。送信装置103の送信アンテナ113から測定器2の受信アンテナ4への経路の伝送路応答をaHHとし、送信装置103の送信アンテナ113から測定器2の受信アンテナ5への経路の伝送路応答をaHVとする。また、送信装置103の送信アンテナ114から測定器2の受信アンテナ4,5への経路の伝送路応答をそれぞれaVH,aVVとする。同様に、送信装置104の送信アンテナ115から測定器2の受信アンテナ4,5への経路の伝送路応答をそれぞれbHH,bHVとし、送信装置104の送信アンテナ116から測定器2の受信アンテナ4,5への経路の伝送路応答をそれぞれbVH,bVVとする。
送信装置103の送信アンテナ113から送信されたH偏波は、伝送路応答aHHの経路を介して測定器2の受信アンテナ4へ送信され、送信装置103の送信アンテナ114から送信されたV偏波は、伝送路応答aVHの経路を介して測定器2の受信アンテナ4へ送信される。また、送信装置104の送信アンテナ115から送信されたH偏波は、伝送路応答bHHの経路を介して測定器2の受信アンテナ4へ送信され、送信装置104の送信アンテナ116から送信されたV偏波は、伝送路応答bVHの経路を介して測定器2の受信アンテナ4へ送信される。このとき、送信装置103,104から測定器2への伝送路において、送信装置103の送信アンテナ113からのSP信号、送信装置103の送信アンテナ114からのSP信号、送信装置104の送信アンテナ115からのSP信号、及び送信装置104の送信アンテナ116からのSP信号が重畳する。
送信装置103の送信アンテナ113から送信されたH偏波は、伝送路応答aHVの経路を介して測定器2の受信アンテナ5へ送信され、送信装置103の送信アンテナ114から送信されたV偏波は、伝送路応答aVVの経路を介して測定器2の受信アンテナ5へ送信される。また、送信装置104の送信アンテナ115から送信されたH偏波は、伝送路応答bHVの経路を介して測定器2の受信アンテナ5へ送信され、送信装置104の送信アンテナ116から送信されたV偏波は、伝送路応答bVVの経路を介して測定器2の受信アンテナ5へ送信される。このとき、送信装置103,104から測定器2への伝送路において、送信装置103の送信アンテナ113からのSP信号、送信装置103の送信アンテナ114からのSP信号、送信装置104の送信アンテナ115からのSP信号、及び送信装置104の送信アンテナ116からのSP信号が重畳する。
図6に戻って、測定器2は、送信装置103の送信アンテナ113,114からの放送波及び送信装置104の送信アンテナ115,116からの放送波を、受信アンテナ4,5にて受信する。そして、測定器2は、SP信号の直交性を利用して、重畳した信号からそれぞれのSP信号を抽出し、受信アンテナ4の系統の伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVHを求めると共に、受信アンテナ5の系統の伝送路応答aHV,aVV,bHV,bVVを求める。
測定器2は、伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVH,aHV,aVV,bHV,bVVに基づいて電力を算出し、算出した電力からDU比を算出する。これにより、測定器2の受信アンテナ4,5を受信点としたDU比が算出される。
〔測定器2/実施例2〕
次に、図6に示した測定器2について詳細に説明する。図9は、実施例2の測定器2の構成例を示すブロック図である。この測定器2は、受信アンテナ4,5、受信アンテナ4の系統の各構成部、受信アンテナ5の系統の各構成部、及びDU比算出部25を備えている。受信アンテナ4の系統は、有効シンボル期間抽出部21−1、FFT部22−1、SP抽出部23−1及びSP補間部24−1を備え、受信アンテナ5の系統は、有効シンボル期間抽出部21−2、FFT部22−2、SP抽出部23−2及びSP補間部24−2を備えている。
次に、図6に示した測定器2について詳細に説明する。図9は、実施例2の測定器2の構成例を示すブロック図である。この測定器2は、受信アンテナ4,5、受信アンテナ4の系統の各構成部、受信アンテナ5の系統の各構成部、及びDU比算出部25を備えている。受信アンテナ4の系統は、有効シンボル期間抽出部21−1、FFT部22−1、SP抽出部23−1及びSP補間部24−1を備え、受信アンテナ5の系統は、有効シンボル期間抽出部21−2、FFT部22−2、SP抽出部23−2及びSP補間部24−2を備えている。
尚、図9には、本発明と直接関連する構成部のみ示してあり、本発明と直接関連しないシンボル同期部等の構成部は省略してある。受信アンテナ4の系統の各構成部の処理及び受信アンテナ5の系統の各構成部の処理は、従来のOFDM信号を処理する構成部と同じである。
有効シンボル期間抽出部21−1,21−2は、図4に示した有効シンボル期間抽出部11と同じ処理を行い、FFT部22−1,22−2は、FFT部12と同じ処理を行い、SP抽出部23−1,23−2は、SP抽出部13と同じ処理を行い、SP補間部24−1,24−2は、SP補間部14を同じ処理を行う。これらの構成部の処理については省略する。
測定器2が受信アンテナ4にて、送信装置103及び送信装置104から送信された放送波をそれぞれ受信すると、H偏波のOFDM信号は、受信アンテナ4の系統により処理される。また、測定器2が受信アンテナ5にて、送信装置103及び送信装置104から送信された放送波をそれぞれ受信すると、V偏波のOFDM信号は、受信アンテナ5の系統により処理される。
SP補間部24−1は、補間後のSP信号に基づいて伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVHを求め、伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVHをDU比算出部25に出力する。SP補間部24−2は、補間後のSP信号に基づいて伝送路応答aHV,aVV,bHV,bVVを求め、伝送路応答aHV,aVV,bHV,bVVをDU比算出部25に出力する。
DU比算出部25は、SP補間部24−1から伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVHを入力すると共に、SP補間部24−2から伝送路応答aHV,aVV,bHV,bVVを入力する。そして、DU比算出部25は、伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVH,aHV,aVV,bHV,bVVをキャリア方向に積分して電力を求め、電力に基づいてDU比を算出し、DU比を表示器等へ出力する。
図10は、実施例2におけるA局との間の伝送路応答aHH,aVV,aHV,aVHの例を示す図である。横軸は、キャリアの中心を0MHzとした周波数(MHz)を示し、キャリア番号に対応している。縦軸は、伝送路応答aHH,aVV,aHV,aVHの振幅(dB)を示す。
各キャリアにおいて、伝送路応答aVH,aHVの振幅は伝送路応答aHH,aVVよりも小さい。これは、伝送路応答aVHについては、水平偏波用の受信アンテナ4では垂直偏波の電力が小さいからであり、伝送路応答aVHについては、垂直偏波用の受信アンテナ5では水平偏波の電力が小さいからである。伝送路応答aHH,aVV,aHV,aVHをキャリア方向にそれぞれ積分することにより、電力が求められる。
図9に戻って、DU比算出部25は、図5に示したDU比算出部15の処理例と同様の処理を行う。まず、DU比算出部25は、SP補間部24−1,24−2から伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVH,aHV,aVV,bHV,bVVを入力する(ステップS501)。そして、DU比算出部25は、補間後の全キャリアの伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVH,aHV,aVV,bHV,bVVをキャリア方向にそれぞれ積分し、それぞれの経路における放送波の電力PaHH,PaVH,PbHH,PbVH,PaHV,PaVV,PbHV,PbVVを算出する。
電力PaHHは、送信装置103の送信アンテナ113から測定器2の受信アンテナ4への経路における放送波の電力を示し、電力PaVHは、送信装置103の送信アンテナ114から測定器2の受信アンテナ4への経路における放送波の電力を示す。電力PbHHは、送信装置104の送信アンテナ115から測定器2の受信アンテナ4への経路における放送波の電力を示し、電力PbVHは、送信装置104の送信アンテナ116から測定器2の受信アンテナ4への経路における放送波の電力を示す。
また、電力PaHVは、送信装置103の送信アンテナ113から測定器2の受信アンテナ5への経路における放送波の電力を示し、電力PaVVは、送信装置103の送信アンテナ114から測定器2の受信アンテナ5への経路における放送波の電力を示す。電力PbHVは、送信装置104の送信アンテナ115から測定器2の受信アンテナ5への経路における放送波の電力を示し、電力PbVVは、送信装置104の送信アンテナ116から測定器2の受信アンテナ5への経路における放送波の電力を示す。
DU比算出部25は、以下の式にて、A局の送信装置103から送信された放送波の電力PaHH,PaVH,PaHV,PaVVの和を、B局の送信装置104から送信された放送波の電力PbHH,PbVH,PbHV,PbVVの和で除算することにより、A,B局間の放送波のDU比を算出する。そして、DU比算出部15は、DU比を表示部等へ出力する。
[数2]
DU比=(PaHH+PaVH+PaHV+PaVV)/(PbHH+PbVH+PbHV+PbVV)
・・・(2)
このDU比は、A局の送信装置103からの放送波を希望波とし、B局の送信装置104からの放送波を希望局以外からの波とした場合の比率である。
[数2]
DU比=(PaHH+PaVH+PaHV+PaVV)/(PbHH+PbVH+PbHV+PbVV)
・・・(2)
このDU比は、A局の送信装置103からの放送波を希望波とし、B局の送信装置104からの放送波を希望局以外からの波とした場合の比率である。
尚、DU比算出部25は、前記式(2)の分母と分子を入れ替え、B局の送信装置104からの放送波を希望波とし、A局の送信装置103からの放送波を希望局以外からの波とした場合のDU比を算出するようにしてもよい。
また、DU比算出部25は、以下の式にて、A局の送信装置103から送信された放送波のうち、測定器2の受信アンテナ4にて受信したH偏波の電力PaHH,PaVHの和を、B局の送信装置104から送信された放送波のうち、測定器2の受信アンテナ4にて受信したH偏波の電力PbHH,PbVHの和で除算することにより、A,B局間のH偏波のDU比を算出するようにしてもよい。これにより、測定器2の受信アンテナ4を受信点としたDU比が算出される。
[数3]
DU比=(PaHH+PaVH)/(PbHH+PbVH) ・・・(3)
[数3]
DU比=(PaHH+PaVH)/(PbHH+PbVH) ・・・(3)
また、DU比算出部25は、以下の式にて、A局の送信装置103から送信された放送波のうち、測定器2の受信アンテナ5にて受信したV偏波の電力PaHV,PaVVの和を、B局の送信装置104から送信された放送波のうち、測定器2の受信アンテナ5にて受信したV偏波の電力PbHV,PbVVの和で除算することにより、A,B局間のV偏波のDU比を算出するようにしてもよい。これにより、測定器2の受信アンテナ5を受信点としたDU比が算出される。
[数4]
DU比=(PaHV+PaVV)/(PbHV+PbVV) ・・・(4)
[数4]
DU比=(PaHV+PaVV)/(PbHV+PbVV) ・・・(4)
また、DU比算出部25は、以下の式にて、A,B局間のDU比を算出するようにしてもよい。これにより、測定器2の受信アンテナ4または受信アンテナ5を受信点としたDU比が算出される。
[数5]
DU比=PaHH/PbHH ・・・(5)
[数6]
DU比=PaHV/PbHV ・・・(6)
[数7]
DU比=PaVH/PbVH ・・・(7)
[数8]
DU比=PaVV/PbVV ・・・(8)
[数5]
DU比=PaHH/PbHH ・・・(5)
[数6]
DU比=PaHV/PbHV ・・・(6)
[数7]
DU比=PaVH/PbVH ・・・(7)
[数8]
DU比=PaVV/PbVV ・・・(8)
DU比算出部25は、前記式(3)〜(8)の分母と分子を入れ替えて、DU比を算出するようにしてもよい。
以上のように、実施例2の測定器2によれば、A局の送信装置103に備えた送信アンテナ113,114及びB局の送信装置103に備えた送信アンテナ115,116から直交したSP信号を含むH偏波及びV偏波がそれぞれ送信され、SP信号が重畳したH偏波及びV偏波を受信する。SP抽出部23−1,23−2は、受信したOFDM信号のキャリアシンボルからSP信号を抽出し、SP補間部24−1,24−2は、SP信号の直交性を利用することで、SP信号を補間して伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVH,aHV,aVV,bHV,bVVを求める。そして、DU比算出部25は、伝送路応答aHH,aVH,bHH,bVH,aHV,aVV,bHV,bVVをキャリア方向に積分して電力を求め、DU比を算出する。
これにより、互いに分離可能な直交したSP信号を利用することで、A,B局の信号を停波することなく、A,B局間のDU比を測定することが可能となる。
尚、実施例1の測定器1及び実施例2の測定器2のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。測定器1,2は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。測定器1に備えた有効シンボル期間抽出部11、FFT部12、SP抽出部13、SP補間部14及びDU比算出部15の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、測定器2に備えた有効シンボル期間抽出部21−1,21−2、FFT部22−1,22−2、SP抽出部23−1,23−2、SP補間部24−1,24−2及びDU比算出部25の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。これらのプログラムは、前記記憶媒体に格納されており、CPUに読み出されて実行される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
以上、実施例1,2を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例1,2に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、図2及び図7に示したSPパターンは一例であり、本発明は、このSPパターンに限定されるものではなく、他のSPパターンを用いるようにしてもよい。要するに、SPパターンは、経路間で直交していればよく、測定器1,2が直交するSP信号を用いて各経路の伝送路応答を算出できるように、SP信号が配置されていればよい。また、SP信号以外のパイロット信号を用いるようにしてもよい。
また、前記実施例1では、送信局がA局及びB局の場合を例として説明したが、本発明は、送信局が3以上の場合にも適用がある。つまり、本発明は、n×1MISOシステムに適用がある(nは2以上の正の整数)。この場合、測定器1のDU比算出部15は、n経路の伝送路応答を入力し、n経路の伝送路応答をキャリア方向にそれぞれ積分してn経路の電力を求める。そして、DU比算出部15は、n経路の電力のうち、所定の1つの送信局との間の経路における電力と、前記所定の1つの送信局以外の送信局との間の経路における電力(当該経路が複数の場合は電力の和)との比を、DU比として算出する。
また、前記実施例1では、同一偏波を用いたMISOシステムの例を挙げて説明したが、本発明は、異なる偏波を用いるMISOシステム、及び偏波を用いない空間MISOシステム等にも適用がある。また、前記実施例2では、両偏波を用いたMIMOシステムの例を挙げて説明したが、本発明は、偏波を用いない空間MIMOシステム、指向性MIMOシステム等にも適用がある。本発明では、アンテナ間の距離を十分にとり、相関を低くすることにより、MISOシステム及びMIMOシステムにおいて同一偏波を用いることができる。
また、前記実施例2では、H偏波及びV偏波による偏波方式の例を用いて説明したが、本発明は、他の偏波(例えば円偏波)によるMIMO方式を用いた場合にも適用がある。また、前記実施例2では、送信局がA局及びB局の場合を例として説明したが、本発明は、送信局が3以上の場合にも適用がある。つまり、本発明は、2n×2偏波MIMOシステムに適用がある(nは2以上の正の整数)。この場合、測定器2のDU比算出部25は、2n×2偏波MIMOシステムにおける複数の経路の伝送路応答を入力し、複数の経路の伝送路応答をキャリア方向にそれぞれ積分して対応する電力を求める。そして、DU比算出部25は、複数の経路の電力のうち、所定の1つの送信局との間の経路における電力と、前記所定の1つの送信局以外の送信局との間の経路における電力(当該経路が複数の場合は電力の和)との比を、DU比として算出する。H偏波またはV偏波のように、同じ種類の偏波毎にDU比を算出するようにしてもよい。また、本発明は、例えば4×4MIMOシステムにも適用がある。
また、前記実施例1,2では、測定器1,2の例を挙げて説明したが、本発明は受信装置にも適用がある。受信装置は、図4に示した実施例1の構成部または図9に示した実施例2の構成部を備え、DU比を算出すると共に、受信したOFDM信号を復調する。
また、前記実施例1において、図4に示した実施例1における測定器1の有効シンボル期間抽出部11からDU比算出部15までの各構成部の処理は、測定器1に搭載される集積回路であるLSIのチップにより実現されるようにしてもよい。これらは、個別に1チップ化されていてもよいし、これらの一部または全部が1チップ化されていてもよい。
また、LSIの代わりに、集積度の異なるVLSI、ULSI等のチップにより実現されるようにしてもよい。さらに、LSI等のチップに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いるようにしてもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いるようにしてもよい。図9に示した実施例2における測定器2の有効シンボル期間抽出部21−1,21−2からDU比算出部25までの各構成部の処理についても同様であり、測定器2に搭載されるチップにより実現される。
1,2 測定器
3〜5 受信アンテナ
11,21−1,21−2 有効シンボル期間抽出部
12,22−1,22−2 FFT部
13,23−1,23−2 SP抽出部
14,24−1,24−2 SP補間部
15,25 DU比算出部
101〜104 送信装置
111〜116 送信アンテナ
3〜5 受信アンテナ
11,21−1,21−2 有効シンボル期間抽出部
12,22−1,22−2 FFT部
13,23−1,23−2 SP抽出部
14,24−1,24−2 SP補間部
15,25 DU比算出部
101〜104 送信装置
111〜116 送信アンテナ
Claims (6)
- 複数の送信局から送信された放送波を受信し、前記放送波のDU比(希望局からの波と希望局以外からの波との間の比率)を測定する測定器において、
前記複数の送信局から直交したパイロット信号を含む放送波がそれぞれ送信され、
前記直交したパイロット信号が重畳した放送波のキャリアシンボルから、パイロット信号を抽出するSP抽出部と、
前記SP抽出部により抽出されたパイロット信号を補間し、前記複数の送信局から当該測定器への経路毎の伝送路応答を求めるSP補間部と、
前記SP補間部により求めた経路毎の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記経路毎の電力を求め、前記経路毎の電力に基づいて前記DU比を算出するDU比算出部と、
を備えたことを特徴とする測定器。 - 請求項1に記載の測定器において、
前記複数の送信局からMISO(多入力単一出力)システムの経路を介して放送波を受信する場合に、
前記SP補間部は、前記MISOシステムにおける複数の経路の伝送路応答を求め、
前記DU比算出部は、前記SP補間部により求めた複数の経路の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記複数の経路の電力をそれぞれ求め、前記複数の経路の電力のうち、所定の1つの送信局との間の経路における電力と、前記所定の1つの送信局以外の送信局との間の経路における電力との比を、前記DU比として算出する、ことを特徴とする測定器。 - 請求項1に記載の測定器において、
前記複数の送信局からMIMO(多入力多出力)システムの経路を介して放送波を受信する場合に、
前記SP補間部は、前記MIMOシステムにおける複数の経路の伝送路応答を求め、
前記DU比算出部は、前記SP補間部により求めた複数の経路の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記複数の経路の電力をそれぞれ求め、前記複数の経路の電力のうち、所定の1つの送信局との間の経路における電力と、前記所定の1つの送信局以外の送信局との間の経路における電力との比を、前記DU比として算出する、ことを特徴とする測定器。 - 請求項3に記載の測定器において、
前記複数の送信局からMIMO(多入力多出力)システムの経路を介して、異なる偏波を受信する場合に、
前記DU比算出部に代わる新たなDU比算出部は、所定種類の偏波を受信する受信アンテナへの複数の経路における伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記複数の経路の電力をそれぞれ求め、前記複数の経路の電力のうち、所定の1つの送信局との間の経路における電力と、前記所定の1つの送信局以外の送信局との間の経路における電力との比を、前記所定種類の偏波のDU比として算出する、ことを特徴とする測定器。 - 複数の送信局から送信された放送波を受信する装置に搭載されるチップにおいて、
前記複数の送信局から直交したパイロット信号を含む放送波がそれぞれ送信され、
前記直交したパイロット信号が重畳した放送波のキャリアシンボルから、パイロット信号を抽出するSP抽出部と、
前記SP抽出部により抽出されたパイロット信号を補間し、前記複数の送信局から当該装置への経路毎の伝送路応答を求めるSP補間部と、
前記SP補間部により求めた経路毎の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記経路毎の電力を求め、前記経路毎の電力に基づいて、前記放送波のDU比(希望局からの波と希望局以外からの波との間の比率)を算出するDU比算出部と、
を備えたことを特徴とするチップ。 - 複数の送信局から直交したパイロット信号を含む放送波を受信する装置のプログラムであって、
前記直交したパイロット信号が重畳した放送波のキャリアシンボルから、パイロット信号を抽出するステップと、
前記パイロット信号を補間し、前記複数の送信局から当該装置への経路毎の伝送路応答を求めるステップと、
前記経路毎の伝送路応答をキャリア方向に積分し、前記経路毎の電力を求めるステップと、
前記経路毎の電力に基づいて、前記放送波のDU比(希望局からの波と希望局以外からの波との間の比率)を算出するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
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