JP2017002254A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 離型フィルムとして好適に使用できる離型性を有し、フィルム製造および加工工程における巻き特性が良好であり、またフィルム表面に粗大突起物がなく、例えば、セラミック積層コンデンサーに用いられる離型フィルムに好適に使用できる積層ポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】 両最外層に粒子を実質的に含有しない積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、シリコーンを塗布して得られた離型層を有するフィルムであり、当該離型層表面の算術平均粗さ(Sa)が3〜25nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8の範囲であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、セラミック積層コンデンサーに用いられる離型フィルムとして好適に使用することができる積層ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等を有しており、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、金属ラミネートフィルム、液晶ディスプレイ用フィルム、太陽電池裏面保護フィルム、タッチパネル式表示装置の透明導電性フィルムのベースフィルム、液晶表示装置に用いられるプリズムシート用のベースフィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として広く用いられている。
また、離型用フィルムは、ポリエステルを基材として、離型性のある樹脂層、例えばシリコーン樹脂やフッ素樹脂などを塗布し形成される。特に、液晶偏光板用離型用、液晶保護フィルム用離型用、フォトレジスト用、多層基盤、セラミックグリーンシート製造用などの各種離型用途として使用されている。
近年、セラミック積層コンデンサーの小型化・大容量化が進むに伴い、グリーンシートの厚さも益々薄膜化する傾向にある。グリーンシートの薄膜化に伴い、グリーンシートの特性に与える支持基材であるポリエステルフィルムの表面特性の影響がより大きくなってきている。
ポリエステルフィルムには、滑り性や巻き特性などを向上させて取り扱いを容易にするために、粒子を適量配合し微細な突起を形成させることが一般的である(特許文献1)。しかし、ポリエステルフィルムの用途では、粒子による突起形状や外観の不具合が発生することがある。
離型フィルムでは、粒子による突起形状が被離型基材に転写し、製品品質に悪影響を与える可能性がある。また、光学用途やフィルムを透かして検査する工程のような視認性が重要となる場合では、粒子を配合することでフィルムに粒状感が発生し、視認性が低下する。
粒子を配合しない場合、あるいは粒子の配合量が少ない場合は、フィルム表面は平滑となり、良好なフィルムとなるが、滑り性や巻き特性が不十分となり、フィルムにキズが入りやすくなる。そこで、滑り性や巻き特性を維持しつつ、表面特性をより平坦に設計されたポリエステルフィルムが必要とされているが、それらを満足するものはまだ完成していない。
特開2006―176685号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、離型フィルムとして好適に使用できる離型性を有し、フィルム製造および加工工程における巻き特性が良好であり、またフィルム表面に粗大突起物がなく、例えば、セラミック積層コンデンサーに用いられる離型フィルムに好適に使用できる積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用すれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、両最外層に粒子を実質的に含有しない積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、シリコーンを塗布して得られた離型層を有するフィルムであり、当該離型層表面の算術平均粗さ(Sa)が3〜25nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8の範囲であることを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、従来、粒子添加系では達成困難であった、広範囲のフィルム表面において、微細な表面形状を有するフィルム設計が可能である。フィルム製造および加工工程における巻き特性が良好であり、またフィルム表面に粗大突起物がなく、視認性に優れ、例えば、セラミック積層コンデンサーに用いられる離型フィルムに好適に使用できる積層ポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルはホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
一方、共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
いずれにしても本発明でいうポリエステルとは、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエチレン−2,6−ナフタレート等であるポリエステルを指す。
特に好ましく使用されるポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。使用原料のポリエステル樹脂の極限粘度は、0.60dl/g以上が好ましく、0.65dl/g以上がさらに好ましい。上限については特に設けないが、生産性の観点から1.0dl/g以下が現実的である。
本発明の積層フィルムの全フィルム厚さは、10〜50μmの範囲が好ましく、より好ましくは10〜38μm、さらに好ましくは10〜35μmの範囲である。全フィルム厚さが10μm未満の場合、離型層塗布時や離型フィルムとして使用する時のポリエステルフィルムのハンドリングが難しくなることがある。また、全フィルム厚さが50μmより厚い場合、フィルムの厚さムラの絶対値が大きくなり、例えばセラミック積層コンデンサーに用いられる離型フィルムに用いる場合、離型層の上にグリーンシートを均一に塗設することが難しくなる傾向にある。
本発明の積層フィルムの両最外層以外のポリエステル層中には、再生ポリマーのリサイクルや易滑性付与を目的として粒子を配合してもよい。両最外層に粒子を配合する場合は、後述するように50ppm以下とする。配合する粒子の種類は易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらにポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等の何れを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明では、必要に応じて添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。
本発明のフィルムのフィルムヘーズは2%以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.5%以下である。フィルムヘーズが2%より高い場合、例えばポリエステルフィルムを介して製品検査をする場合に視認性が悪化し、使用することができなくなってしまうことがある。
本発明では、3次元粗さパラメータにおいて、離型層表面の算術平均粗さ(Sa)が3〜25nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8である。具体的に示すと、突起の尖り具合が小さく、かつ下地の荒れ具合が大きい状態であるのが、本発明の特徴である。一般的に、最外層に粒子を用いた場合、突起の尖り具合が大きく、下地の荒れ具合は小さいものになってしまう。
表面の3次元表面粗さは、株式会社菱化システム社の「VertScan」(登録商標)を用い、光干渉法にて、640μm×480μmの領域における表面形状と面粗さの測定を行った。
具体的に説明すると、算術平均粗さ(Sa)とは、二次元のRaを三次元に拡張したもので、表面形状曲面と平均面で囲まれた部分の体積を測定面積で割ったものであり、以下の式から求められる。表面をXY面,高さ方向をZ軸とした時、A:定義された領域(画像全体とする)、Z(x,y):画像点(x,y)の高さ0の面からの高さとすると、下記式で示される。
Figure 2017002254
表面高さ分布とがり(Sku)とは、表面形状曲面の鋭さの尺度で、表面高さ分布の広がりを特徴づけるもので、次式で定義される。
Figure 2017002254
上記式中、Sqとは、二次元のRq(RMS)を三次元に拡張したものであり、これは統計学で標準偏差σを表している。表面形状曲面と平均面との距離を二乗した曲面と,平均面によりはさまれる部分の体積を測定面積で割った後に平方根を求めた二乗平均平方根偏差であり、以下の式から求めることができる。
Figure 2017002254
なお、Skuが3の時が正規分布であることを表し,この数値が小さくなるにしたがって、表面高さ分布がなだらかな形状をしており,数値が大きくなるに従って突起がシャープであることを表す。
本発明では、離型層表面の3次元表面粗さパラメータの算術平均粗さ(Sa)が3〜25nm、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8であることが必要である。Saが3nm未満では、表面が平滑すぎるために、例えばフィルムの搬送時に傷やブロッキングの問題が発生する。また、Saが25nmを超えるか、Skuが8を超える場合、離形フィルムにおける粒子による突起形状の被離型基材への転写と巻特性を両立することが困難となる。
本発明の優れた表面特性のために、積層フィルムの両最外層中に粒子を実質的に含有しないことが必要である。本発明において、実質的にとは、最外層当たりの前述の粒子重量がそれぞれ50ppm以下であることを意味する。
また、本発明における積層ポリエステルフィルムにおいて、前記SaおよびSkuを同時に満足するための具体的手段として、ポリエステル樹脂に有機系結晶核剤を使用することが好ましい。
有機系結晶核剤は、主にポリエステルの結晶化速度向上効果を有するものであれば、その種類は特に制限されるものではない。例えば、ジベンジリデンソルビトール(DBS)化合物、1,3−O−ビス(3,4ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ジアルキルベンジリデンソルビトール、少なくとも一つの塩素または臭素置換基を有するソルビトールのジアセタール、ジ(メチルまたはエチル置換ベンジリデン)ソルビトール、炭素環を形成する置換基を有するビス(3,4−ジアルキルベンジリデン)ソルビトール、脂肪族、脂環族、および芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸または多塩基性ポリカルボン酸、相当する無水物および金属塩などの有機酸の金属塩化合物、環式ビス−フェノールホスフェート、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプテンジカルボン酸などの二環式ジカルボン酸および塩化合物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−ジカルボキシレートなどの二環式ジカルボキシレートの飽和の金属または有機の塩化合物、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の脂肪酸、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、グリセロール、グリセリンモノエステルなどの高級脂肪酸エステル、および類似物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明における有機系結晶核剤としては、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩からなることが特に好ましい。本化合物の場合、他の材料に比べ、ポリエステルの結晶化を促進する効果が高く、少量で効果を発揮できコスト面での優位性が高い。
スルホンアミド骨格またはスルホンイミド骨格を有する化合物としては、例えば、スルホンアミド、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−アミノベンゼンスルホンアミド、N−ブチル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニルーメチルーベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−ピリジン−2−イルベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(2,6−ジメトキシ−ピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド、4−アミノ−6−クロロ−ベンゼン−1,3−ジスルホン酸ジアミド、6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−スルホン酸アミド、5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸アミド、4−ナトリウムオキシ−ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ベンゼンスルホニルアミノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド等が挙げられ、本発明においては、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシドの金属塩であるものが好ましく用いられる。
上記スルホンアミド化合物またはスルホンイミド化合物の金属塩における金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタニウム、マンガン、鉄、亜鉛、珪素、ジルコニウム、イットリウムまたはバリウムから選択される金属が挙げられ、それらの中でも、カリウム、リチウム、ナトリウム、カルシウムは、微細結晶の生成効果に優れているので好ましく、ナトリウムが、特に好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルム中の結晶核剤は、フィルム表面の摩擦係数を軽減させるべく、フィルムの最外層に含有されていることが好ましく、最外層中の結晶核剤の含有量は、0.1〜5.0重量%の範囲が好ましい。5.0重量%を超える量含有しても、前記SaおよびSkuの値は往々にして、変化し難い傾向にある。一方、ポリエステル層内の結晶核剤の含有量が0.1重量%未満だと、結晶核剤の効果が不十分な傾向があり、十分な滑り性や巻き特性を得ることができない場合がある。
二軸延伸を行う前の未延伸ポリエステルシート中に結晶核剤を含有させる方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。あらかじめポリエステル樹脂と結晶核剤とを押出機に共に供給して、溶融混合して得られたマスターバッチを、ポリエステルフィルム製造時に、結晶核剤を含有しないポリエステル樹脂と共に押出機に供給して、ダイより押し出された溶融シートを用いて冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得てもよい。
また、ポリエステルフィルム製造時に、結晶核剤を含有しないポリエステル樹脂と、結晶核剤とを押出機に供して溶融混合することでダイより押し出された溶融シートを用いて冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法でもよい。
マスターバッチを製造するための押出機、およびポリエステルシートを溶融押出しするための押出機は、ベント付二軸押出機であることが好ましい。結晶核剤が水分を含有しやすいため、脱気効率の優れたベント付二軸押出機を用いることで、ポリエステル樹脂の加水分解が軽減し、ポリエステルフィルムの極限粘度の低下抑制となる。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
ここで、例えば溶融シートをキャスティングドラムで冷却固化する際、結晶核剤の下地の荒れ具合を調整するための手段として、キャスティングドラムの温度制御が挙げられる。冷却温度が低すぎるとフィルムが結晶化せず、下地の荒れ具合が小さくなってしまう場合がある。一方で、冷却温度が高すぎると結晶化が促進されるため、未延伸シートが白化し、割れてしまう場合がある。このように、最外層に結晶核剤を用いることで、温度制御により下地の荒れ具合を調整することができる。
次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜140℃、好ましくは85〜120℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7.0倍、好ましくは3.0〜6.0倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常90〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7.0倍、好ましくは3.5〜6.0倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルム製造に関しては、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜170℃、好ましくは85〜140℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。
そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明においては、前記の通りポリエステルの溶融押出機を2台または3台以上用いて、いわゆる共押出法により2層または3層以上の積層フィルムとすることができる。層の構成としては、A原料とB原料とを用いたA/B構成、またはA/B/A構成、またC原料も用いたA/B/C構成またはそれ以外の構成のフィルムとすることができる。
例えば、A層にポリエステル樹脂と結晶核剤を用い表面形状を設計し、B原料としては粒子を含有しない原料を用い、A/B構成のフィルムとすることができる。この場合B層の原料を自由に選択できることからコスト的な利点などが大きい。また当該フィルムの再生原料をB層に配合しても表層であるA層により表面粗度の設計ができるので、さらにコスト的な利点が大きくなる。
次に本発明における離型層の形成について説明する。
本発明のポリエステルフィルムは離型層を有するが、離型層はフィルムの片面のみに設けていても、両面に設けていてもよく、また、離型層の反対面には他の塗布層や処理が設けられていてもよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する離型層の形成について説明する。離型層に関しては、ポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングを採用してもよい。
本発明における離型フィルムを構成する離型層は離型性を良好とするために硬化型シリコーン樹脂を含有するのが好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、本発明の主旨を損なわない範囲において、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。さらに好ましくは、アルケニル基およびアルキル基を官能基として有する反応性シリコーン樹脂、質量平均分子量400000以上の未反応性シリコーン樹脂、および白金系触媒を含有することである。
アルケニル基およびアルキル基を官能基として有するシリコーン樹脂の例としては、以下のようなものが挙げられる。まず、アルケニル基を含む硬化型シリコーン樹脂は、ジオルガノポリシロキサンとして、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位96モル%、メチルヘキセニルシロキサン単位4モル%、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位97モル%、メチルヘキセニルシロキサン単位3モル%)、分子鎖両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位95モル%、メチルヘキセニルシロキサン単位5モル%)が挙げられる。次に、アルキル基を含む硬化型シリコーン樹脂は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体が挙げられる。
本発明において移行性を悪化させず、軽剥離性を付与するために、質量平均分子量400000以上の未反応性シリコーン樹脂を添加することが好ましい。
前記の未反応性シリコーン樹脂としては、下記一般式(I)で示される、オルガノポリシロキサンが好ましい。
SiO(RSiO)mSiR ……(I)
(上記式中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない同一または異種の一価炭化水素基、mは正の整数を表す)
本発明において使用するシリコーン樹脂に含まれる未反応性シリコーン樹脂は、1〜10重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは1〜5重量%である。未反応性シリコーン樹脂の含有量が1%より低いと速度依存性が高くなり、5重量%を超えると、硬化性が著しく低下し、密着性も悪化することがある。
本発明において高速域の剥離力を小さくするために、シリコーンオイルを添加してもよい。シリコーンオイルはストレートシリコーンオイル、変性シリコーンオイルと称されるシリコーンオイルで、以下のようなものが挙げられる。ストレートシリコーンとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等が挙げられる。また、変性シリコーンオイルとしては、側鎖型タイプのポリエーテル変性、アラルキル変性、フロロアルキル変性、長鎖アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、高級脂肪酸アミド変性、ポリエーテル・長鎖アルキル変性・アラルキル変性、フェニル変性、両末端型のポリエーテル変性、ポリエーテル・メトキシ変性などが挙げられる。
本発明において使用するシリコーン樹脂に含まれるシリコーンオイル成分は、1〜10重量%の範囲であり、好ましくは1〜5重量%である。シリコーンオイル成分の含有量が1%より低いと速度依存性が高くなり、5重量%を超えると、移行性が高く、粘着剤加工時にロール汚れや粘着剤面に移行して、粘着剥離力低下などが生じてしまうことがある。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては、付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、X−62−1387、X−62−5039、X−62−5040、KNS−3051、X−62−1496、KNS320A、KNS316、X−62−1574A/B、X−62−7052、X−62−7028A/B、X−62−7619、X−62−7213、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56−A2775、XS56−A2982、XS56−C6010、XS56−C4880、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605、東レ・ダウコ−ニング(株)製SRX357、SRX211、SD7220、SD7292、LTC750A、LTC760A、LTC303E、LTC300B、LTC856、SP7259、BY24−468C、SP7248S、BY24−452、DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210等が例示される。さらに離型層の剥離性等を調整するため、剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法としては、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。本発明における離型層の塗布量は、通常0.01〜1g/mの範囲である。
本発明において、離型層が設けられていない面には、接着層、帯電防止層、オリゴマー析出防止層等の塗布層を設けてもよく、また、ポリエステルフィルムにはコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムでは、離型層をきれいかつ頑丈にするため、付加型の反応を促進する白金系触媒を用いることが好ましい。本成分としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体等の白金系化合物、白金黒、白金担持シリカ、白金担持活性炭が例示される。離型層中の白金系触媒含有量は、通常0.3〜3.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲が良い。離型層中の白金系触媒含有量が0.3重量%よりも低い場合、剥離力の不具合や、塗布層での硬化反応が不十分になるため、面状悪化などの不具合を生じる場合があり、一方、離型層中の白金系触媒含有量が3.0重量%を超える場合には、コストがかかる、また、反応性が高まり、ゲル異物が発生する等の工程不具合を生じてしまうことがある。
また、付加型の反応は非常に反応性が高いため、場合によっては、反応抑制剤として、アセチレンアルコールを添加することがある。その成分は炭素−炭素3重結合と水酸基を有する有機化合物であるが、好ましくは、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールおよびフェニルブチノールからなる群から選択される化合物である。
本発明において特定の剥離力を調整する方法は、離型層中の組成を選択することにより達成することができるが、その他の手段も採用でき、主にシリコーン離型層の離型剤の種類を、所望の剥離力に応じて変更することが好ましく、さらには、剥離力は用いる離型剤の塗布量に大きく依存するため、その離型剤の塗布量を調整する方法がさらに好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。実施例中、「%」は「重量%」を意味する。
(1)極限粘度
測定試料をフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cmの溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηを測定し、極限粘度[η]を求めた。
(2)厚さ
マイクロメータにより求めた。
(3)ヘーズ(%)
JIS−K7136に準じ、日本電色工業製濁度計NDH−300Aによりフィルムの内部ヘーズを測定する。
(4)算術平均表面粗さ(Sa)、表面高さ分布のとがり(Sku)
株式会社菱化システム社の「VertScan」(登録商標)を用い、光干渉法にて、640μm×480μmの領域における表面形状と面粗さの測定を行った。本発明で規定する表面の3次元表面粗さパラメータの、算術平均粗さ(Sa)と表面高さ分布のとがり(Sku)は、測定された3次元表面形状をISOparam処理して得られる値である。
(5)ポリエステルフィルムの視認性
ポリエステルフィルムに、3波長蛍光灯光を透過させてフィルムの視認性(透明性、粒状感など)を目視観察し、官能評価した。
(判定基準)
○:フィルムの透明性は良好で、粒状感も良好である
×:フィルムの透明性、粒状感のいずれか、または両方が悪く、光学用途には適さない
(6)巻き特性
本発明の積層ポリエステルフィルムを500mm幅でスリットし、10000m巻き取った後、フィルム表層部から2000mごとに解体していき、フィルム面のキズ発生の有無を確認し、以下のように判断した。
(判定基準)
○:フィルムを巻き取る際に傷が入りにくく、加工時の取り扱い性も良好である
×:フィルムを巻き取る際に傷が発生し、生産または加工には適さない
(7)グリーンシート表面平滑性
試料フィルムの離型層表面に、チタン酸バリウム(富士チタン工業(株)社製:平均粒径0.7μm)100部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業(株)社製「エスレック BM−S」)30部、可塑剤(フタール酸ジオクチル)5部、トルエン/エタノール混合溶媒(混合比率:6:4)200部よりなるセラミックスラリーを塗布し、乾燥後の塗布量が0.5g/m2となるように塗布しグリーンシートを得た。得られたグリーンシートの表面(測定対象面積:100cm2)を走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック(株)社製)による表面観察を行い、以下の判定基準により評価した。
○:グリーンシート表面に深さ0.05μm以上の凹みが1個以下/100cm
△:グリーンシート表面に深さ0.05μm以上の凹みが1個以上5個未満/100cm
×:グリーンシート表面に深さ0.05μm以上の凹みが5個以上/100cm
(7)離型フィルムの剥離力(F)の評価
試料フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、室温にて1時間放置後の剥離力を測定する。剥離力は、引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分で、180°剥離を行った。次のような基準で判断する。
○:20mN/cmより小さい
×:20mN/cmより大きい
以下の実施例および比較例で使用した原料は、以下のようにして準備した。
(ポリエステル(1)の製造方法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。
次に、燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従い、チップ化してポリエステル(1)を得た。得られたポリエチレンテレフタレートの極限粘度は0.66dl/gであった。
(ポリエステル(2)の製造方法)
上記ポリエステル(1)を製造する際、平均粒径3.2μmの非晶質シリカを6000ppm添加し、ポリエステル(2)を作成した。
(ポリエステル(3)の製造方法)
上記ポリエステル(1)を製造する際、平均粒径0.7μmの炭酸カルシウムを20000ppm添加し、ポリエステル(3)を作成した。
実施例1:
上記ポリエステル(1)および結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを99.25:0.75の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とし、上記ポリエステル(1)をB層用の原料とした。A層およびB層用原料をそれぞれ別個の溶融押出機により溶融押出して(A/B/A)の2種3層積層の無定形シートを得た。ついで、25℃に冷却したキャスティングドラム上に、シートを共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、90℃にて縦方向に3.0倍延伸した後、130℃で横方向に4.0倍延伸、230℃で15秒間の熱処理を行い、製膜機にて巻き取ることで厚さ50μm(A層:3μm、B層:44μm)のポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向積層ポリエステルフィルムに、下記に示す離型剤組成−Aからなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.12g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布し、ドライヤー温度150℃、ライン速度30m/分の条件でロール状の実施例1に示す離型ポリエステルフィルムを得た。評価結果を下記表1に示す。
<離型剤組成−A>
硬化型シリコーン樹脂(LTC856:東レ・ダウコーニング製) 20%
質量平均分子量400000以上の未反応性シリコーン樹脂 0.2%
付加型白金触媒(SRX212:東レ・ダウコーニング製) 0.2%
MEK/トルエン混合溶媒(混合比率は1:1)
実施例2:
実施例1において、ポリエステル(1)および結晶核剤としてモンタン酸ナトリウムを99.5:0.5の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例3:
実施例1において、ポリエステル(1)および結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを98.5:1.5の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例4:
実施例1において、ポリエステル(1)および結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを97.0:3.0の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
比較例1:
実施例1において、ポリエステル(1)をA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を下記表2に示す。得られたフィルムは巻き特性が悪いものだった。
比較例2:
実施例1において、ポリエステル(1)およびポリエステル(2)を90:10の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。得られたフィルムの透明性は良好だが、粒状感が悪く、また転写基材の平坦性も悪いものであった。
比較例3:
実施例1において、ポリエステル(1)およびポリエステル(3)を80:20の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。得られたフィルムの粒状感は良好だが透明性が悪く、また転写基材の平坦性も悪いものであった。
比較例4:
実施例1において、ポリエステル(1)および結晶核剤として1,2−ベンズイソチアゾール3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウムを99.95:0.05の比率で混合したポリエステルをA層用の原料とすること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。得られたフィルムは巻機特性が悪いものであった。
比較例5:
実施例1において、離型剤を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
Figure 2017002254
Figure 2017002254
本発明のフィルムは、各種離型用途に好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. 両最外層に粒子を実質的に含有しない積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、シリコーンを塗布して得られた離型層を有するフィルムであり、当該離型層表面の算術平均粗さ(Sa)が3〜25nmの範囲であり、かつ表面高さ分布のとがり(Sku)が3〜8の範囲であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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