JP2016539210A - 中速ディーゼルエンジン中の銀軸受の保護用潤滑油組成物 - Google Patents

中速ディーゼルエンジン中の銀軸受の保護用潤滑油組成物 Download PDF

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Abstract

ここに、以下を含む中速ディーゼルエンジンクランクケース潤滑油組成物:(a)主要量の潤滑粘度の油;及び(b)0.15〜2.0重量%の銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤、を提供する。更に、前記潤滑油組成物で中速ディーゼルエンジンを潤滑することを含む、中速ディーゼルエンジン中の銀軸受摩耗と摩擦を低減する方法も提供する。

Description

発明の分野
本発明は、一般に、クランクケース潤滑油組成物及び中速ディーゼルエンジン中の銀軸受の保護方法に関する。
発明の背景
高負荷ディーゼルエンジンは、クランクケース潤滑油を要求し、当該潤滑油は、酸化を安定させる添加剤を含有し及び銀を含む軸受材料に非腐食性である。酸化劣化は望ましくない。なぜなら、エンジン潤滑油の分解を引き起こし得るからである。潤滑油のこの劣化は、粘度の増加、スラッジの形成、及びエンジンデポジットの増加などの派生問題を有する。潤滑油は酸化するので、それは、より酸性になり、及び、軸受材料などのエンジンの金属成分の腐食を引き起こし得る。スラッジなど、酸化を制御するための添加剤の利用に加えて、エンジン運転の間に添加剤それ自身が金属成分に腐食性でないことを確保するよう気を付けなければならない。
中速ディーゼルエンジンは特別である。なぜなら、米国及び他の国で運転されるかなりの数の鉄道ディーゼルエンジンは、銀又は銀の表面を持つ軸受成分を含有するからである。これは特有の問題となる。なぜなら、例えば銅鉛、青銅、アルミニウムなどの他の金属軸受表面を保護するのに有効な軸受保護添加剤の多くは、銀軸受成分を保護するのに有効ではないからである。亜鉛ジチオホスフェートなどの材料の場合、それらは銀又は銀メッキした軸受に対して非常に腐食性である。
燃焼プロセスの間に形成される酸を中和するために、潤滑油中の比較的高いアルカリ度が要求される。しかし、例えば過塩基性フェネート又はスルホネートなどの高アルカリ度に寄与するいくつかの添加剤は、銀に対して攻撃的である。この攻撃的な性質は、エンジンの銀含有成分の過度の腐食又は摩耗という結果になり得る。したがって、銀軸受に対する潤滑油の望ましくない効果に対して保護するための添加剤の複雑なバランスの一部として、中速ディーゼルエンジン用の独特の銀潤滑剤が必要とされる。
多数の特許が銀保護用の潤滑油組成物を開示してきたが、本発明の潤滑油組成物で観察された保護の向上を提供したものは何もない。
US特許番号5,302,304は、アミン、ギ酸、及びC〜C60カルボン酸の反応生成物、分散剤、金属洗浄剤、及び、硫化オレフィン、脂肪酸又はエステル、硫黄含有複素環式化合物、硫化ヒドロキシ芳香族化合物、ジスルフィド、ジチオカルバメート及びチアジアゾールから選択される0.01−1wt%の有機硫黄化合物、を含有する内燃機関の銀保護潤滑剤組成物を開示する。
US特許番号5,244,591は、不飽和カルボン酸及びわずかに0.08%wtだけの硫化オレフィン系腐食防止剤を含有する、内燃機関の銀軸受摩耗減少用潤滑油組成物を開示する。硫化オレフィンは、共硫化アルケニルエステル−/アルファ−オレフィンを含む。
US特許番号4,734,211は、基油、無灰分散剤、過塩基性アルカリ土類金属アルキルフェノレート、アルカリ土類金属アルキルスルホネート、過塩基性アルカリ土類金属フェノレート、炭素原子60個までのポリヒドロキシ化合物又は混合物、及び塩素化炭化水素、を含む鉄道ディーゼルエンジン用潤滑油組成物を開示する。ポリヒドロキシ化合物は、グリセロールモノオレエートを含む。当該潤滑油は、海洋及び鉄道ディーゼルエンジンの銀摩耗を低減できる。
US特許番号4,764,296は、基油、無灰分散剤、過塩基性アルカリ土類金属アルキルフェノレート及びアルキルスルホネート化合物の混合物、炭素原子60個までのポリヒドロキシ化合物又は混合物、及び塩素化炭化水素、を含む鉄道ディーゼルエンジン用潤滑油組成物を開示する。ポリヒドロキシ化合物は、グリセロールモノオレエートを含む。当該潤滑油は、海洋及び鉄道ディーゼルエンジンの銀摩耗を低減できる。
US特許番号4,495,088は、内燃機関用のスクシンイミド及びグリセロールのホウ素化脂肪酸エステルを含有する潤滑油を開示する。グリセロールのホウ素化脂肪酸エステルは、スクシンイミド化合物と共に使用すると、潤滑油中の加水分解に対して安定であることがわかった。グリセロールのホウ素化脂肪酸エステルは、ホウ素化グリセロールモノオレエート及びグリセロールジオレエートの混合物である。グリセロールのホウ素化脂肪酸エステル及びスクシンイミドの組合せは、燃料消費を低減することがわかった。
US特許番号8,071,515は、シリンダーライナーが鋳鉄又はホウ素鋳鉄を含む内燃機関用の潤滑油組成物を開示する。パッケージは、基油、脂肪酸部分エステル化合物、脂肪族アミン化合物及び/又は酸アミド化合物、ベンゾトリアゾール誘導体及びスクシンイミド化合物を含む。脂肪酸部分エステルは、組成物に基づいて0.5−1.5質量%のグリセロールモノオレエートであることができ、そして、ホウ素と更に反応できる。潤滑油は、組成物に基づいて、S<=0.3%、P<=0.12%、及びSASH 1%を有するべきである。潤滑油は、向上した摩擦低減、酸化安定性及び腐食防止効果を有する。
US特許番号8,367,591は、内燃機関用潤滑油組成物を開示する。それは、硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、酸アミド、脂肪酸部分エステル/脂肪アミン化合物、及びベンゾトリアゾール誘導体を含有する。脂肪酸部分エステルは、組成物に基づいて0.3−0.6質量%のホウ素化グリセロールモノオレエートであることができる。当該潤滑油は、鉛及び銅のために優れた摩擦低減及び腐食防止効果を有する。
US特許出願番号20060111253は、クランクケース内燃機関に有用な潤滑油組成物を開示する。それは、基油、グリセロール及び高級カルボン酸のエステル、及び油溶性モリブデン化合物を含む。グリセロール及び高級カルボン酸のエステルは、ホウ素化グリセロールオレエートであることができる。当該潤滑油は、向上した摩擦調整特性を有する。
US特許出願番号20060276351は、基油、モリブデン塩、ホウ素化エポキシド、及びポリオール及び脂肪族カルボン酸のモノエステルを含む燃費改善用の内燃機関潤滑パッケージを開示する。ポリオール及び脂肪族カルボン酸のモノエステルは、グリセロールモノオレエートを含み、そして、ホウ素化エポキシドは組成物に対して300−1000ppmのホウ素を持つ特定の構造を有する。
US特許番号4,541,941は、潤滑油又はグリースと、ヒドロキシル含有脂肪族カルボキシレート及びヒドロカルビルビシナルジオールのホウ素化混合物の摩擦低減量を含む潤滑油組成物を開示する。ホウ素化カルボキシレートは、ホウ素化グリセロールモノオレエートであることができる。
日本特許出願番号2010235851は、様々な用途の潤滑油組成物を開示する。それは、基油及び特定のアルカノイルボレート化合物を含有する。当該潤滑油は、金属のない、リンのない及び硫黄のない添加剤を使用した時でさえ、満足な耐摩耗性及び酸化安定性を実現できる。
US特許番号7,875,576は、基油、過塩基性洗浄剤、オキシモリブデン錯体、酸化防止剤、リン化合物及びエステル摩擦調整剤を含む内燃機関用潤滑油組成物を開示する。エステル摩擦調整剤は、ホウ素化グリセロールモノオレエートを含む。
US特許番号7,902,131は、基油、ジフェニルアミン化合物、モノグリセリド及び/又はエトキシル化アミド及びポリアミン分散剤を含む、エンジンオイルに有用なMoがなく低Pの潤滑組成物を開示する。当該モノグリセリドは、ホウ素化エポキシド又は脂肪エポキシドであることができる。
当該特許文献のいくつかは、銀保護潤滑配合での硫化イソブチレンの使用を教示し、そして、いくつかは、銀潤滑剤としてグリセロールモノオレエートの使用を教示する。内燃機関での摩耗及び/又は腐食防止剤としてのホウ素化グリセロールモノオレエートの使用がいくつかの文献で言及されたが、何の文献も、鉄道エンジンオイル中の銀潤滑剤としてのホウ素化グリセロールモノオレエートを教示しない。
したがって、中速ディーゼルエンジンにおける銀軸受を保護するクランクケース潤滑油組成物が所望される。銀軸受を保護するクランクケース潤滑油組成物で中速ディーゼルエンジンを潤滑する方法も所望される。
発明の概要
本発明の一形態によると、中速ディーゼルエンジン中の摩擦を減らして銀軸受を保護する潤滑油組成物が提供される。更に、中速ディーゼルエンジン中の銀軸受摩耗と摩擦を低減する方法も提供される。
他の要因の中でも、本発明は、中速ディーゼルエンジン中の銀軸受摩耗と摩擦を減らす潤滑油組成物の驚くべき発見に基づく。
定義:
以下の用語が、明細書中で使用され、そして、他に示されない限り以下の意味を有する。
ここで使用する用語“中速ディーゼルエンジンクランクケース潤滑油組成物”とは、鉄道機関車、海洋タグボート、及び定置出力用途で一般に見つけられるような中速ディーゼルエンジン中で使用されるエンジン油用潤滑油添加剤組成物を言う。
ここで使用する用語“銀保護”とは、中速ディーゼルエンジンクランクケースにおける摩耗に対して銀及び銀メッキした軸受を保護する本発明の中速ディーゼルエンジンクランクケース潤滑油組成物の能力を言う。
基油の用語“主要量”とは、基油の量が潤滑油組成物の少なくとも40wt%である場合を言う。いくつかの形態では、基油の“主要量”とは、基油の量が、潤滑油組成物の50wt%を超える、60wt%を超える、70wt%を超える、80wt%を超える、又は90wt%を超えることを言う。
以下の記述において、ここに開示の全ての番号は、単語“約”又は“おおよそ”がそれに関して使用されているか否かにかかわらず、おおよその値である。それらは、1%、2%、5%、又は、時々、10〜20%変化することがある。
発明の詳細な記述
一般的に言って、ここに提供するものは、
以下を含む中速ディーゼルエンジンクランクケース潤滑油組成物である:
(a)主要量の潤滑粘度の油;及び
(b)0.15〜2.0重量%の銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤。
更に提供するものは、
(a)主要量の潤滑粘度の油;及び
(b)0.15〜2.0重量%の銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤、
を含む潤滑油組成物で中速ディーゼルエンジンを潤滑することによって、中速ディーゼルエンジン中の銀軸受摩耗と摩擦を低減する方法である。
一形態では、中速ディーゼルエンジンが、鉄道機関車、海洋タグボート及び定置出力エンジンを含む群から選択される。別の形態では、中速ディーゼルエンジンは鉄道機関車エンジンである。別の形態では、中速ディーゼルエンジンは、海洋タグボートエンジンである。別の形態では、中速ディーゼルエンジンは、定置出力エンジンである。
一形態では、中速ディーゼルエンジンは、250rpm〜1000rpmで運転する。
一形態では、中速ディーゼルエンジンクランクケース潤滑油組成物は、中速ディーゼルエンジン中の銀軸受摩耗と摩擦を減らす。
一形態では、銀潤滑性添加剤は、グリセロール及び脂肪酸を反応させることによって典型的に調製される、オレイン酸などの、脂肪酸のグリセロールエステルである。この反応の生成物は、例えば、グリセロールモノオレエートとしばしば呼ばれる。しかし、典型的な市販の生成物では、製造されたエステルの約50−60モルパーセントのみがモノエステルである。残りは、主にジエステルであり、少量のトリエステルを含む。更に、当該生成物はグリセロールモノオレエートと呼ばれる(なぜなら出発の酸がオレイン酸だったから)一方で、典型的な市販の生成物は、オレイン酸以外の酸のエステルを含有する。なぜなら、エステルを調製するのに使用した当該「オレイン酸」は、実際には、酸の約70モルパーセントのみをオレイン酸が構成してもよい酸の混合物だからである。したがって、典型的な市販の「グリセロールモノオレエート」は、実際には、約38−40モルパーセントのみのグリセロールモノオレエートを含有してもよい。カナダ特許Nos.1,137,463及び1,157,846は、モノ−、ジ、及び/又はエステルの混合物に言及する時の用語「グリセロールモノオレエート」の使用を確認する。
モノエステル又はモノ−及びジエステルの混合物が、中速ディーゼルエンジンでの銀軸受摩耗及び摩擦を低減するのに効果的な量で、本発明で使用される。一形態では、本発明の潤滑組成物は、少なくとも0.15、好ましくは0.15〜2.0重量%の、モノエステル又はモノ−及びジエステルの混合物を含有する。
グリセロールの脂肪酸エステルは、業界で周知の種々の方法によって調製できる。グリセロールモノオレエート及びグリセロールタローエートなどのこれらのエステルの多くは、市販のスケールで製造される。本発明に有用なエステルは、油溶性であり、そして、C12〜C22脂肪酸又はそれらの混合物から好ましくは調製され、それは天然物中に見つかる。当該脂肪酸は、飽和又は不飽和でもよい。天然源からの酸の中に見つかるある化合物は、1個のケト基を含有するリカン酸を含んでもよい。最も好ましいC16〜C18脂肪酸は、Rがアルキル又はアルケニルである式R−COOHのものである。好ましい脂肪酸は、オレイン、ステアリン、イソステアリン、パルミチン、ミリスチン、パルミトオレイン、リノール、ラウリン、リノレン、及びエレオステアリン、及び天然物獣脂、パーム油、オリーブ油、ピーナッツ油、コーンオイル、牛脚油からの酸などである。特に好ましい酸はオレイン酸である。
本発明のグリセロールエステルは、業界で周知の従来のやり方で、0〜3個の二重結合を含有するC12−C22カルボン酸及びグリセロールを反応させることによっても調製される。好ましくは、当該カルボン酸は、1個以下の二重結合を含有する。好ましい酸はオレイン酸である。上述の市販の生成物と同様に、得られる生成物は、モノ−、ジ−及びトリエステルの混合物である。
グリセロールの脂肪酸モノエステルが好ましいが、モノ−及びジエステルの混合物を使用してもよい。好ましくは、モノ−及びジエステルのいかなる混合物も、少なくとも40%のモノエステルを含有する。典型的に、グリセロールのモノ−及びジエステルのこれらの混合物は、40〜60重量%のモノエステルを含有する。例えば、市販のグリセロールモノオレエートは、45%〜55重量%のモノエステル及び55%〜45%のジエステルの混合物を含有する。しかし、高級モノエステルが、従来の蒸留技術を使用してグリセロールモノエステル、ジエステル、トリエステル混合物を蒸留することによって実現でき、回収された蒸留物生成物のモノエステル部分を持つ。これは、結果として本質的に全てモノエステルである生成物になり得る。したがって、本発明の潤滑油組成物で使用されるエステルは、全てモノエステルでもよく、又は、混合物の少なくとも75モルパーセント、好ましくは少なくとも90モルパーセントがモノエステルであるモノ−及びジエステルの混合物でもよい。
一形態では、本発明の銀潤滑性添加剤は、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエート、又はそれらの混合物である。
一形態では、本発明のエステルは、ホウ素化されてもよい。ホウ素化は、ラバーシールとの適合性を改善するのに役立つエステルのグリセロール部分上のヒドロキシル基を不動態化する。当該ホウ素化生成物は、反応の水を除去してホウ酸でエステルをホウ素化することによって調製できる。好ましくは、反応混合物中に存在する1.5〜2.5個のヒドロキシル基と各々のホウ素原子が反応するような十分なホウ素が存在する。当該反応は、メタノール、ベンゼン、キシレン、トルエン、中性油などのいかなる適切な有機溶媒の不存在下又は存在下に、60℃〜135℃の範囲の温度で実施してもよい。エステルをホウ素化する方法は、U.S.Pat.No.4,495,088に開示される。
上述の要件に合致する本発明のホウ素化エステルは、例えば、業界で公知のように又は以下の方法によって調製できる:
(A)100〜230℃の温度で、カルボン酸モノグリセリド、グリセロール、及びホウ酸を反応させること;又は
(B)グリセロール及びホウ酸を反応させ、そして、得られる化合物をカルボン酸、カルボン酸の低級アルコールエステル、又はカルボン酸ハロゲン化物と更に反応させること;又は
(C)約240〜280℃の温度で、カルボン酸トリグリセリド、グリセロール、及びホウ酸の混合物を反応させること。
これらの方法では、それぞれの出発物質は、最終生成物中のホウ酸残基、カルボン酸残基、及びグリセロール残基の所望の比率を満足する量で使用される。例えば、以下が好ましい:方法(A)ではホウ酸の単位モル当り1〜2モルのカルボン酸モノグリセリド及び1〜0モルのグリセロールを使用すること、方法(B)ではホウ酸の単位モル当り2モルのグリセロール及び1〜2モルのカルボン酸又はそれらのエステル又はハロゲン化物を使用すること、及び、方法(C)ではホウ酸3モル当り1〜2モルのカルボン酸トリグリセリド及び4〜5モルのグリセロールを使用すること。
一形態では、本発明の潤滑組成物は、少なくとも0.15、好ましくは0.15〜2.0重量%の銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤を含有する。他の形態では、本発明の潤滑組成物は、0.15〜1.5重量%、0.15〜1.0重量%、0.15〜0.50重量%、0.15〜0.25重量%の銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤を含有する。他の形態では、本発明の潤滑組成物は、0.20重量%の銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤を含有する。
一形態では、本発明の銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤は、ホウ素化グリセロールモノオレエート、ホウ素化グリセロールジオレエート、又はそれらの混合物を含む群から選択される。一形態では、銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤は、ホウ素化グリセロールモノオレエートである。他の形態では、銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤は、ホウ素化グリセロールジオレエートである。
多くの場合、キャリア液体内で本発明の潤滑油溶性添加剤組成物の濃縮物を形成することが有利かもしれない。これらの添加剤濃縮物は、取り扱い、輸送し、及び最終的には潤滑油ベースオイル中にブレンドして完成潤滑油を提供する便利な方法を提供する。一般に、本発明の潤滑油溶性添加剤濃縮物は、それだけで完成潤滑油としては使用できないし適切でもない。むしろ、当該潤滑油溶性添加剤濃縮物は、潤滑油基油ストックとブレンドされて完成潤滑油を提供する。キャリア液体が本発明の潤滑油溶性添加剤の溶解度を容易に高めて、潤滑油基油ストック中に易溶性の油添加剤濃縮物を提供するのが望ましい。更に、キャリア液体は、例えば、高揮発性、高粘度、及びヘテロ原子などの不純物を含むいかなる望ましくない特徴も、潤滑油基油ストックに及びこうして最終的には完成潤滑油には、導入しないことが望ましい。したがって本発明は、合計濃縮物に基づいて、2.0〜90重量%の本発明の油溶性添加剤組成物と不活性キャリア流体とを含む油溶性添加剤濃縮物組成物を更に提供する。不活性キャリア流体は、潤滑油でもよい。
これらの濃縮物は普通、約2.0%〜約90重量%、好ましくは10%〜50重量%の本発明の油溶性添加剤組成物を含有し、そして、当技術分野で公知の及び以下に記載の一つ以上の他の添加剤を更に含有してもよい。濃縮物の残りは実質的に不活性なキャリア液体である。
潤滑粘度の油
ここに開示された潤滑油組成物は、少なくとも1つの潤滑粘度の油を一般に含む。当業者に公知のいかなる基油も、ここに開示の潤滑粘度の油として使用できる。当該潤滑油組成物を調製するために適切ないくつかの基油は、Mortier et al., “Chemistry and Technology of Lubricants,” 2nd Edition, London, Springer, Chapters 1 and 2 (1996); and A. Sequeria, Jr., “Lubricant Base Oil and Wax Processing,” New York, Marcel Decker, Chapter 6, (1994); and D. V. Brock, Lubrication Engineering, Vol. 43, pages 184-5, (1987)に記載されてきており、それらの全ては参照としてここに取り込まれる。一般に、潤滑油組成物中の基油の量は、潤滑油組成物の合計重量に基づいて、約70〜約99.5wt%でもよい。いくつかの形態では、潤滑油組成物中の基油の量は、潤滑油組成物の合計重量に基づいて、約75〜約99wt%、約80〜約98.5wt%、又は約80〜約98wt%である。
ある形態では、基油は、いかなる天然又は合成潤滑基油フラクションであるか又はそれを含む。合成油のいくつかの非限定的な例は、エチレンなどの少なくとも1つのアルファオレフィンの重合から調製された、又は、フィッシャー・トロプシュプロセスなどの一酸化炭素及び水素ガスを使用する炭化水素合成手順から調製された、ポリアルファオレフィン又はPAOなどの油を含む。ある形態では、基油は、一つ以上の重質フラクションを、基油の合計重量に基づき約10wt%未満含む。重質フラクションとは、100℃で少なくとも約20cStの粘度を有する潤滑油フラクションを言う。ある形態では、重質フラクションは、100℃で少なくとも約25cSt又は少なくとも約30cStの粘度を有する。更なる形態では、基油中の一つ以上の重質フラクションの量は、基油の合計重量に基づき、約10wt%未満、約5wt%未満、約2.5wt%未満、約1wt%未満、又は約0.1wt%未満である。次の更なる形態では、基油は、何の重質フラクションも含まない。
ある形態では、潤滑油組成物は、主要量の潤滑粘度の基油を含む。いくつかの形態では、基油は、100℃で約2.5センチストークス(cSt)〜約20cSt、約5センチストークス(cSt)〜約20cSt、約7cSt〜約16cSt、又は約9cSt〜約15cStの運動粘度を有する。ここに開示の潤滑油組成物又はベースオイル(基油)の運動粘度は、参照としてここに取り込まれるASTM D445により測定できる。
他の形態では、基油は、ベースストック又はベースストックのブレンドであるか又はそれらを含む。更なる形態では、当該ベースストックは、蒸留、溶剤精製、水素プロセシング、オリゴメリゼーション、エステル化、及び再精製を含むがそれらに限定されない種々の異なるプロセスを使用して製造される。いくつかの形態では、当該ベースストックは、再精製ストックを含む。更なる形態では、再精製ストックは、製造、汚染、又は以前の使用を通して導入される材料が実質的にないべきである。
いくつかの形態では、基油は、参照としてここに取り込まれる、the American Petroleum Institute (API) Publication 1509, Seventeen Edition, September 2012(i.e., API Base Oil Interchangeability Guidelines for Passenger Car Motor Oils and Diesel Engine Oils)で特定された一つ以上のGroups I−Vの一つ以上のベースストックを含む。当該APIガイドラインは、種々の異なるプロセスを使用して製造してもよい潤滑油成分としてベースストックを定義する。Groups I,II及びIIIベースストックは、それぞれ、特定の範囲の飽和量、硫黄含量及び粘度指数を持つ鉱油である。Group IVベースストックは、ポリアルファオレフィン(PAO)である。Group Vベースストックは、GroupI、II、III、又はIVに含まれない全ての他のベースストックを含む.
Group I、II及びIIIベースストックの飽和レベル、硫黄レベル及び粘度指数は、以下の表1にリストされる。
いくつかの形態では、基油は、Group I、II、III、IV、Vの一つ以上のベースストック又はそれらの組合せを含む。他の形態では、基油は、Group II、III、IVの一つ以上のベースストック又はそれらの組合せを含む。更なる形態では、基油は、Group II、III、IVの一つ以上のベースストック又はそれらの組合せを含み、ここで、基油は、100℃で約4センチストークス(cSt)〜約20cSt、約7cSt〜約16cSt、又は約9cSt〜約15cStの運動粘度を有する。
基油は、潤滑粘度の天然油、潤滑粘度の合成油及びそれらの混合物から成る群から選択されてもよい。いくつかの形態では、基油は、クルードの芳香族及び極性成分を(溶剤抽出というよりむしろ)水素化分解することによって製造される水素化分解ベースストックと同様に、合成ロウ及びスラックワックスの異性化によって得られるベースストックを含む。他の形態では、潤滑粘度の基油は、動物油、植物油、鉱油などの天然油、石炭又はシェールから導かれた油、及びそれらの組合せを含む。動物油のいくつかの非限定的な例は、骨油、ラノリン、魚油、ラード油、イルカ油、シール油、サメ肝油、獣脂油、及び鯨油を含む。植物油のいくつかの非限定的な例は、ヒマシ油、オリーブ油、ピーナッツ油、ナタネ油、コーン油、ゴマ油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、べニバナ油、***油、アマニ油、キリ油、オイチシカ油、ホホバ油、及び草原フォーム油を含む。そのような油は、部分的に又は十分に水素化されてもよい。鉱油のいくつかの非限定的な例は、Groups I、II、及びIIIベースストック、液化石油及びパラフィン系、ナフテン系又は混合パラフィン系−ナフテン系タイプの溶媒処理又は酸処理鉱油を含む。いくつかの形態では、鉱油はニート又は低粘度鉱油である。
いくつかの形態では、潤滑粘度の合成油は、重合及び共重合オレフィン、アルキルベンゼン、ポリフェニル、アルキル化ジフェニルエーテル、アルキル化ジフェニルスルフィドだけでなく、それらの誘導体、類似物及びそれらの同族体などの炭化水素油及びハロ置換炭化水素油を含む。他の形態では、合成油は、アルキレンオキシドポリマー、インターポリマー、コポリマー及びそれらの誘導体を含み、ここで末端ヒドロキシル基はエステル化、エーテル化などによって変性されていることができる。更なる形態では、合成油は、種々のアルコールとのジカルボン酸のエステルを含む。ある形態では、合成油は、C〜C12モノカルボン酸及びポリオール及びポリオールエーテルから製造されるエステルを含む。更なる形態では、合成油は、トリ−n−ブチルホスフェート及びトリイソブチルホスフェートなどのトリアルキルホスフェートエステル油を含む。
いくつかの形態では、潤滑粘度の合成油は、(ポリアルキル−、ポリアリール−、ポリアルコキシ−、ポリアリールオキシ−シロキサンオイル及びシリケートオイルなどの)シリコンベースのオイルを含む。他の形態では、合成油は、リン含有酸の液体エステル、重合体のテトラヒドロフラン、ポリアルファオレフィンなどを含む。
ワックスの水素化異性化から導かれた基油も、単独で又は前述の天然及び/又は合成基油との組合せでのいずれかで使用してもよい。そのようなワックス異性油は、水素化異性化触媒上での天然又は合成ロウ又はそれらの混合物の水素化異性化によって製造される。
更なる形態では、基油はポリアルファオレフィン(PAO)を含む。一般的に言って、ポリアルファオレフィンは、約2〜約30、約4〜約20、又は約6〜約16個の炭素原子を有するアルファオレフィンから導かれてもよい。適切なポリアルファオレフィンの非限定的な例は、オクテン、デセン、それらの混合物などから導かれたものを含む。これらのポリアルファオレフィンは、100℃で約2〜約15、約3〜約12、又は約4〜約8センチストークスの粘度を有してもよい。ある場合に、ポリアルファオレフィンは、鉱油などの他のベースオイルと一緒に使用してもよい。
更なる形態では、基油は、ポリアルキレングリコール又はポリアルキレングリコール誘導体を含み、ここで、ポリアルキレングリコールの末端ヒドロキシル基は、エステル化、エーテル化、アセチル化などによって変性されていてもよい。適切なポリアルキレングリコールの非限定的な例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソプロピレングリコール、及びそれらの組合せを含む。適切なポリアルキレングリコール誘導体の非限定的な例は、ポリアルキレングリコールのエーテル(例えば、ポリイソプロピレングリコールのメチルエーテル、ポリエチレングリコーのジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールのジエチルエーテルなど)、ポリアルキレングリコールのモノ及びポリカルボン酸エステル、及びそれらの組合せを含む。ある場合に、ポリアルキレングリコール又はポリアルキレングリコール誘導体は、ポリアルファオレフィン及び鉱油などの他のベースオイルと一緒に使用してもよい。
更なる形態では、基油は、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸二量体、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸など)の、種々のアルコール(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールなど)とのいかなるエステルを含む。それらのエステルの非限定的な例は、ジブチルアジビン酸、ジ(2−エチルヘキシル)セバシン酸、ジ−n−ヘキシルフマル酸、ジオクチルセバシン酸、ジイソオクチルアゼライン酸、ジイソデシルアゼライン酸、ジオクチルフタル酸、ジデシルフタル酸、ジエイコシルセバシン酸、リノール酸二量体の2−エチルヘキシルジエステルなどを含む。
更なる形態では、基油は、フィッシャー・トロプシュプロセスによって調製される炭化水素を含む。フィッシャー・トロプシュプロセスは、フィッシャー・トロプシュ触媒を使用して水素及び一酸化炭素を含有するガスから炭化水素を調製する。これらの炭化水素は、ベースオイルとして有用であるために更にプロセシングを要求してもよい。例えば、当該炭化水素は、当業者に公知のプロセスを使用して脱ろう、水素化異性化、及び/又は水素化分解されてもよい。
更なる形態では、基油は、未精製油、精製油、再精製油、又はそれらの混合物を含む。未精製油は、更なる精製処理なしに天然又は合成源から直接得られるものである。未精製油の非限定的な例は、乾留操作から直接得られるシェール油、一次蒸留から直接得られる石油、及び、エステル化プロセスから直接得られそして更なる処理なしに使用されるエステル油を含む。精製油は、一つ以上の精製プロセスによって更に処理されて一つ以上の特性を改善したことを除いて、未精製油と同様である。多くのそのような精製プロセスは、溶媒抽出、二次蒸留、酸又は塩基抽出、ろ過、パーコレイションなど、当業者に公知である。再精製油は、精製油を得るために使用したものと同様の精製油プロセスに適用することによって得られる。そのような再精製油は、再生又は再処理油としても公知であり、そして、しばしば、使用済み添加剤及び油分解生成物の除去に向けられたプロセスによって更に処理される。
追加の潤滑油添加剤
場合により、本発明の潤滑油組成物は、潤滑油組成物のいかなる望ましい特性を改善又は与えることができる添加剤又は調整剤(以後“添加剤”と表す)を少なくとも更に含んでもよい。当業者に公知のいかなる添加剤も、ここに開示の潤滑油組成物中で使用してもよい。いくつかの適切な添加剤は、参照としてここに取り込まれる、Mortier et al., “Chemistry and Technology of Lubricants,” 2nd Edition, London, Springer, (1996); and Leslie R. Rudnick, “Lubricant Additives: Chemistry and Applications,” New York, Marcel Dekker (2003)に記載されてきた。
いくつかの形態では、添加剤は、酸化防止剤、耐摩耗剤、洗浄剤、錆止め剤、抗乳化剤、摩擦調整剤、多機能添加剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、発泡防止剤、金属不活性化剤、分散剤、腐食抑制剤、潤滑性向上剤、熱安定性向上剤、抗ヘイズ添加剤、氷結防止剤、染料、マーカー、静的散逸剤、殺生剤及びそれらの組合せから成る群から選択できる。種々の添加剤は公知であり市販されている。これらの添加剤又はそれらの類似の化合物は、普通のブレンド手順によって本発明の潤滑油組成物の調製のために使用してもよい。
酸化防止剤の例は、アミン系、例えば、ジフェニルアミン、フェニル−アルファ−ナフチル−アミン、N,N−ジ(アルキルフェニル)アミン;及びアルキル化フェニレン−ジアミン;フェノール系、例えば、BHT、立体障害アルキルフェノール、例えば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2−オクチル−3−プロパノイック)フェノールなど;及びそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。
耐摩耗剤の例は、以下を含むが、それらに限定されない:亜鉛ジアルキルジチオホスフェート及び亜鉛ジアリールジチオホスフェート、例えば、Lubrication Science 4-2 January 1992に見られるBorn et al. entitled “Relationship between Chemical Structure and Effectiveness of some Metallic Dialkyl- and Diaryl-dithiophosphates in Different Lubricated Mechanisms”の文献に記載のもの(例えばpages 97-100を参照);アリールホスフェート及びホスファイト、硫黄含有エステル、ホスホ硫黄化合物、金属又は無灰ジチオカルバメート、キサンテート、アルキルスルフィドなど及びそれらの混合物。
無灰分散剤の代表例は、アミン、アルコール、アミド、又は架橋基を介してポリマーバックボーンに付いたエステル極性部位を含むが、それらに限定されない。本発明の無灰分散剤は、例えば、以下から選択してもよい:油溶性塩、エステル、アミノエステル、アミド、イミド、及び長鎖炭化水素置換モノ及びジカルボン酸のオキサゾリン又はそれらの無水物;直接付いたポリアミンを有する長鎖脂肪族炭化水素、長鎖炭化水素のチオカルボキシレート誘導体;及びポリアルキレンポリアミン及びホルムアルデヒドで長鎖置換フェノールを縮合することによって形成されたマンニッヒ反応生成物。
カルボン酸分散剤は、窒素含有化合物(アミンなど)、有機ヒドロキシ化合物(一価及び多価アルコールを含む脂肪族化合物、又はフェノール及びナフトールを含む芳香族化合物など)、及び/又はベーシック無機材料と、少なくとも約34個で好ましくは少なくとも約54個の炭素原子を含むカルボン酸アシル化剤(酸、無水物、エステルなど)の反応生成物である。これらの反応生成物は、イミド、アミド、エステル、及び塩を含む。
スクシンイミド分散剤は、カルボン酸分散剤のタイプである。それらは、有機ヒドロキシ化合物と、又は窒素原子に付いた少なくとも1個の水素原子を含むアミンと、又は当該ヒドロキシ化合物とアミンの混合物と、ヒドロカルビル置換コハクアシル化剤との反応によって製造される。用語「コハクアシル化剤」(コハク酸アシル化剤)とは、炭化水素置換コハク酸又はコハク酸を製造する化合物を言うが、後者は酸それ自身を包含する。そのような材料は、ヒドロカルビル置換コハク酸、無水物、エステル(半エステルを含む)及びハロゲン化物を典型的に含む。
コハクベース分散剤(コハク酸系分散剤)は、各種の化学構造を有する。コハクベース分散剤の1つのクラスは、式1によって表わされてもよい:

ここでそれぞれのRは、独立に、ポリオレフィン誘導基などのヒドロカルビル基である。典型的に、当該ヒドロカルビル基は、ポリイソブテニル基などのアルケニル基である。別の方法で表現すると、R基は、約40〜約500個の炭素原子を含有でき、及びこれらの原子は脂肪族の形で存在してもよい。R10はアルキレン基であり、一般にエチレン(C)基であり;及びpは1〜11である。スクシンイミド分散剤の例は、例えば、U.S.特許Nos.3,172,892、4,234,435及び6,165,235に記載のものを含む。
置換基が誘導されるポリアルケンは、典型的に、普通は2〜6個の炭素原子であるが2〜約16個の炭素原子の重合性オレフィンモノマーのホモポリマー及びインターポリマー(共重合体)である。コハクアシル化剤と反応してカルボン酸分散剤組成物を形成するアミンは、モノアミン又はポリアミンであることができる。
スクシンイミド分散剤は、窒素機能性がアミン、アミン塩、アミド、イミダゾリンだけでなくそれらの混合物の形でもよいけれども、普通は大部分イミド機能性の形で窒素を含有するので、それ自体に言及する。スクシンイミド分散剤を調製するために、一つ以上のコハク酸製造化合物及び一つ以上のアミンが加熱され、そして、場合により実質的に不活性な有機液体溶媒/希釈剤の存在下に、典型的に水が除去される。反応温度は、約80℃から、典型的に約100℃〜約300℃の間である生成物又は混合物の分解温度までの範囲であることができる。本発明のスクシンイミド分散剤を調製する手順の追加の詳細及び例は、例えば、U.S.特許Nos.3,172,892、3,219,666、3,272,746、4,234,435、6,165,235及び6,440,905に記載されたものを含む。
適切な無灰分散剤は、好ましくはポリアルキレンポリアミンである、比較的高い分子量の脂肪族ハロゲン化物及びアミンの反応生成物である、アミン分散剤もまた含んでもよい。そのようなアミン分散剤の例は、例えば、U.S.特許Nos.3,275,554、3,438,757、3,454,555及び3,565,804に記載のものを含む。
適切な無灰分散剤は、アルデヒド(特にホルムアルデヒド)及びアミン(特にポリアルキレンポリアミン)とアルキル基が少なくとも約30個の炭素原子を含有するアルキルフェノールの反応生成物である、「マンニッヒ分散剤」を更に含んでもよい。そのような分散剤の例は、例えば、U.S.特許Nos.3,036,003、3,586,629、3,591,598及び3,980,569に記載のものを含む。
適切な無灰分散剤は、例えば、U.S.特許Nos.4,612,132及び4,746,446に開示のボレート又はエチレンカーボネイトを含む後処理プロセスだけでなく他の後処理プロセスなど、後処理スクシンイミドなどの後処理無灰分散剤でもよい。当該カーボネイト処理アルケニルスクシンイミドは、約450〜約3000、好ましくは約900〜約2500、より好ましくは約1300〜約2400、及び最も好ましくは約2000〜約2400の分子量だけでなくこれらの分子量の混合物を有するポリブテンから導かれたポリブテンスクシンイミドである。
無灰分散剤は、内容が参照としてここに取り込まれるU.S.特許No.5,716,912に開示されたものなどの、ポリアミン、及びオレフィン及び不飽和酸性試薬の不飽和酸性試薬コポリマー、ポリブテンコハク酸誘導体の混合物を、反応条件下に反応させることによって、調製できる。
適切な無灰分散剤は、極性置換を含有するモノマーと、デシルメタクリレート、ビニルデシルエーテル及び高分子量オレフィンなどの油溶化モノマーのインターポリマーである、重合体でもよい。重合体分散剤の例は、例えば、U.S.特許Nos.3,329,658;3,449,250及び3,666,730に記載のものを含む。
一般に、一つ以上の無灰分散剤は、潤滑油組成物中に、潤滑油組成物の合計重量に基づいて、約0.01wt%〜約10wt%の範囲の量で存在する。
金属洗浄剤の代表例は、スルホネート、アルキルフェネート、硫化アルキルフェネート、カルボキシレート、サリチラート、ホスホネート、及びホスフィネートを含む。市販の生成物は、中性又は過塩基性として一般に言及される。過塩基性金属洗浄剤は、炭化水素、洗剤酸、例えば:スルホン酸、アルキルフェノール、カルボキシレートなど、金属オキシド又は水酸化物(例えばカルシウムオキシド又はカルシウム水酸化物)及びキシレン、メタノール及び水などのプロモーターの混合物をカーボネイト化することによって一般に製造される。例えば、過塩基性カルシウムスルホネートを調製するために、炭酸化において、カルシウムオキシド又は水酸化物は、ガス状二酸化炭素と反応してカルシウムカーボネイトを形成する。スルホン酸は過剰のCaO又はCa(OH)で中和されてスルホネートを形成する。
適切な洗浄剤の他の例は、ホウ素化スルホネートを含む。一般的に言って、ここで使用するホウ素化スルホネートは、当技術分野で公知のいかなるホウ素化スルホネートであることができる。ここで使用するホウ素化スルホネートは、約10〜約500の全塩基価(全アルカリ価)(TBN)を有することができる。一形態では、ホウ素化スルホネートは約10〜約100のTBNを有する。一形態では、ホウ素化スルホネートは、約100〜約250のTBNを有する。一形態では、ホウ素化スルホネートは、約250〜約500のTBNを有する。
ホウ素化アルカリ土類金属スルホネートは、例えばU.S.特許出願公開No.20070123437に開示されたような当技術分野で公知の方法によって調製でき、その内容は参照としてここに取り込まれる。例えば、ホウ素化アルカリ土類金属スルホネートは、以下のやり方で調製される:(a)(i)少なくとも1つの油溶性スルホン酸又はアルカリ土類金属スルホネート塩又はそれらの混合物;(ii)少なくとも1つのアルカリ土類金属源;及び(iii)少なくとも1つのホウ素源、(iv)少なくとも1つの炭化水素溶媒の存在下;及び(v)ホウ素源に対して、0〜10モル%未満の、ホウ素源以外の過塩基酸、を反応させること;及び(b)反応の水及び(iv)を蒸留するための(iv)の蒸留温度よりも高い温度に、(a)の反応生成物を加熱すること。
金属含有又は灰形成洗浄剤は、デポジットを減らすか又は除去する洗浄剤として、及び、酸中和剤又は錆止め剤としての両方として機能し、それによって摩耗及び腐食を低減しそしてエンジン寿命を伸ばす。洗浄剤は、長い疎水性テールを持つ極性ヘッドを一般に含む。極性ヘッドは、酸性有機化合物の金属塩を含む。当該塩は、通常の又は中性の塩として普通に記載される場合には金属の実質的な化学量論量を含有してもよく、そして、0〜約80の全アルカリ価又はTBN(ASTM D2896によって測定できる)を典型的に有するであろう。過剰の金属化合物(例えば、オキシド又は水酸化物)を酸性ガス(例えば、二酸化炭素)に反応させることによって大量の金属塩基を組込んでもよい。得られる過塩基性洗浄剤は、金属塩基(例えば、カーボネイト)ミセルの外層として、中和された洗浄剤を含む。そのような過塩基性洗浄剤は、約150以上のTBNを有してもよく、そして、典型的に約250〜約450以上のTBNを有するであろう。
使用できる洗浄剤は、例えばバリウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、及びマグネシウムなどの特にアルカリ又はアルカリ土類金属である金属の、油溶性中性及び過塩基性スルホネート、フェネート、硫化フェネート、チオホスホネート、サリチラート、及びナフテネート及び他の油溶性カルボキシレートを含む。最も一般に使用される金属は、潤滑油中に使用される洗浄剤中に存在してもよいカルシウム及びマグネシウム、及びカルシウム及び/又はマグネシウムとナトリウムとの混合物である。特に都合の良い金属洗浄剤は、約20〜約450のTBNを有する中性及び過塩基性カルシウムスルホネート、約50〜約450のTBNを有する中性及び過塩基性カルシウムフェネート及び硫化フェネート及び約20〜約450のTBNを有する中性及び過塩基性マグネシウム又はカルシウムサリチラートである。過塩基性又は中性又はその両方であろうと、洗浄剤の組合せを使用してもよい。
一形態では、洗浄剤は、アルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸の一つ以上のアルカリ又はアルカリ土類金属塩でもよい。適切なヒドロキシ芳香族化合物は、1〜4個、及び好ましくは1〜3個のヒドロキシル基を有する単核のモノヒドロキシ及びポリヒドロキシ芳香族炭化水素を含む。適切なヒドロキシ芳香族化合物は、フェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、クレゾールなどを含む。好ましいヒドロキシ芳香族化合物はフェノールである。
アルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩のアルキル置換部位は、約10〜約80個の炭素原子を有するアルファオレフィンから導かれる。使用するオレフィンは、線状又は分枝でもよい。オレフィンは、線状オレフィンの混合物、異性化線状オレフィンの混合物、分枝オレフィンの混合物、部分的に分枝の線状の混合物又は前記のいずれかの混合物であってもよい。
一形態では、使用できる線状オレフィンの混合物は、分子当り約12〜約30個の炭素原子を有するオレフィンから選択されるノルマルアルファオレフィンの混合物である。一形態では、ノルマルアルファオレフィンは、少なくとも1つの固体又は液体触媒を使用して異性化される。
別の形態では、当該オレフィンは、すなわちプロピレンの重合から導かれた分枝鎖オレフィンである、約20〜約80個の炭素原子を有する分枝オレフィン系プロピレンオリゴマー又はそれらの混合物である。当該オレフィンは、ヒドロキシ基、カルボン酸基、ヘテロ原子などの他の官能基で置換されてもよい。一形態では、当該分枝オレフィン系プロピレンオリゴマー又はそれらの混合物は、約20〜約60個の炭素原子を有する。一形態では、当該分枝オレフィン系プロピレンオリゴマー又はそれらの混合物は、約20〜約40個の炭素原子を有する。
一形態では、アルキル置換ヒドロキシ安息香酸洗浄剤のアルカリ土類金属塩のアルキル基などのアルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩の中に含有するアルキル基の少なくとも約75モル%(例えば、少なくとも約80モル%、少なくとも約85モル%、少なくとも約90モル%、少なくとも約95モル%、又は少なくとも約99モル%)は、C20以上である。別の形態では、アルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩は、アルキル基が少なくとも75モル%のC20以上のノルマルアルファオレフィンを含有するノルマルアルファオレフィンの残基であるアルキル置換ヒドロキシ安息香酸から導かれたアルキル置換ヒドロキシ安息香酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩である。
別の形態では、アルキル置換ヒドロキシ安息香酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩のアルキル基などのアルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩の中に含有するアルキル基の少なくとも約50モル%(例えば、少なくとも約60モル%、少なくとも約70モル%、少なくとも約80モル%、少なくとも約85モル%、少なくとも約90モル%、少なくとも約95モル%、又は少なくとも約99モル%)は、約C14〜約C18である。
アルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸の得られるアルカリ又はアルカリ土類金属塩は、オルト及びパラ異性体の混合物であろう。一形態では、生成物は、約1〜99%オルト異性体及び99〜1%パラ異性体を含有するであろう。別の形態では、生成物は、約5〜70%オルト及び95〜30%パラ異性体を含有するであろう。
アルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩は中性又は過塩基性であることができる。一般に、アルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸の過塩基性アルカリ又はアルカリ土類金属塩は、塩基源(例えば、石灰)及び酸性の過塩基化化合物(例えば、二酸化炭素)の添加などのプロセスによってアルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸のアルカリ又はアルカリ土類金属塩のTBNが増加したものである。
過塩基性塩は、低過塩基性、例えば約100未満のTBNを有する過塩基性塩、でもよい。一形態では、低過塩基性塩のTBNは、約5〜約50でもよい。別の形態では、低過塩基性塩のTBNは、約10〜約30でもよい。更に別の形態では、低過塩基性塩のTBNは、約15〜約20でもよい。
過塩基性洗浄剤は、中過塩基性、例えば約100〜約250のTBNを有する過塩基性塩、でもよい。一形態では、中過塩基性塩のTBNは、約100〜約200でもよい。別の形態では、中過塩基性塩のTBNは、約125〜約175でもよい。
過塩基性洗浄剤は、高過塩基性、例えば約250を超えるTBNを有する過塩基性塩、でもよい。一形態では、高過塩基性塩のTBNは、約250〜約450でもよい。
スルホネートは、芳香族炭化水素のアルキル化によって又は石油の分留から得られるものなどのアルキル置換芳香族炭化水素のスルホン化によって典型的に得られるスルホン酸から調製されてもよい。例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ジフェニル又はそれらのハロゲン誘導体をアルキル化することによって得られるものを含む。アルキル化は、約3〜70個を超える炭素原子を有するアルキル化剤で触媒の存在下に実施してもよい。アルカリールスルホネートは、アルキル置換芳香族部位当り約9〜約80個以上の炭素原子、好ましくは約16〜約60個の炭素原子を普通含有する。
油溶性スルホネート又はアルカリールスルホン酸は、酸化物、水酸化物、アルコキシド、カーボネイト、カルボキシレート、スルフィド、水硫化物、ナイトレート及びボレートで中和してもよい。金属化合物の量は、最終生成物の所望のTBNを顧慮して選択されるが、典型的には、化学量論的に必要なものの約100〜約220wt%の範囲である(好ましくは少なくとも約125wt%)。
硫化フェノール及びフェノールの金属塩は、当技術分野で周知の方法によって得られてもよい酸化物又は水酸化物及び中性又は過塩基性生成物などの適切な金属化合物との反応によって調製される。水素スルフィド、硫黄モノハロゲン化物又は硫黄ジハロゲン化物などの硫黄含有化合物又は硫黄とフェノールとを反応させて、硫黄含有架橋によって2個以上のフェノールが架橋されている化合物の一般に混合物である生成物を形成することによって、硫化フェノールを調製してもよい。
一般に、一つ以上の洗浄剤は、潤滑油組成物の合計重量に基づいて、約0.01wt%〜約10wt%の範囲の量で潤滑油組成物中に存在する。
錆止め剤の例は、以下を含むがそれらに限定されない:非イオン系ポリオキシアルキレン物質、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、及びポリエチレングリコールモノオレエート;ステアリン酸及び他の脂肪酸;ジカルボン酸;金属セッケン;脂肪酸アミン塩;重質スルホン酸の金属塩;多価アルコールの部分カルボン酸エステル;リンエステル;(短鎖)アルケニルコハク酸;それらの部分エステル及びそれらの窒素含有誘導体;合成アルカリールスルホネート、例えば、金属ジノニルナフタレンスルホネート;など及びそれらの混合物。
摩擦調整剤の例は、以下を含むがそれらに限定されない:アルコキシル化脂肪アミン;ホウ素化脂肪エポキシド;脂肪ホスファイト、脂肪エポキシド、脂肪アミン、ホウ素化アルコキシル化脂肪アミン、脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、グリセロールエステル、ホウ素化グリセロールエステル;及び脂肪イミダゾリン(U.S.特許No.6,372,696に開示されているようなもの、その内容は参照としてここに取り込まれる);アンモニア及びアルカノールアミンなど及びそれらの混合物から成る群から選択される窒素含有化合物及びC〜C75、好ましくはC〜C24、及び最も好ましくはC〜C20脂肪酸エステルの反応生成物から得られる摩擦調整剤。
消泡剤の例は、以下を含むがそれらに限定されない:アルキルメタクリレートのポリマー;ジメチルシリコーンのポリマーなど及びそれらの混合物。
流動点降下剤の例は、以下を含むがそれらに限定されない:ポリメタクリレート、アルキルアクリレートポリマー、アルキルメタクリレートポリマー、ジ(テトラ−パラフィンフェノール)フタレート、テトラ−パラフィンフェノールの縮合物、ナフタレンと塩素化パラフィンの縮合物及びそれらの組合せ。一形態では、流動点降下剤は、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、塩素化パラフィン及びフェノールの縮合物、ポリアルキルスチレンなど及びそれらの組合せを含む。流動点降下剤の量は、約0.01wt%〜約10wt%で変化し得る。
抗乳化剤の例は、以下を含むがそれらに限定されない:陰イオン界面活性剤(例えば、アルキル−ナフタレンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネートなど)、非イオン系アルコキシル化アルキルフェノール樹脂、アルキレンオキシドのポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのブロックコポリマー)、油溶性酸のエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステルなど及びそれらの組合せ。抗乳化剤の量は、約0.01wt%〜約10wt%で変化し得る。
腐食抑制剤の例は、以下を含むがそれらに限定されない:ドデシルコハク酸の半エステル又はアミド、ホスフェートエステル、チオホスフェート、アルキルイミダゾリン、サルコシンなど及びそれらの組合せ。腐食抑制剤の量は、約0.01wt%〜約5wt%で変化し得る。
極圧添加剤の例は、以下を含むがそれらに限定されない:硫化動物又は植物油脂、硫化動物又は植物脂肪酸エステル、リンの三価又は五価の酸の十分に又は部分的にエステル化されたエステル、硫化オレフィン、ジヒドロカルビルポリスルフィド、硫化Diels−Alder付加物、硫化ジシクロペンタジエン、モノ不飽和オレフィン及び脂肪酸エステルの硫化又は共硫化混合物、脂肪酸、脂肪酸エステル及びアルファオレフィンの共硫化ブレンド、機能的に置換されたジヒドロカルビルポリスルフィド、チア−アルデヒド、チア−ケトン、エピチオ化合物、硫黄含有アセタール誘導体、テルペン及び非環式オレフィンの共硫化ブレンド、及びポリスルフィドオレフィン生成物、リン酸エステル又はチオリン酸エステルのアミン塩など及びそれらの組合せ。極圧添加剤の量は、約0.01wt%〜約5wt%で変化し得る。
使用する時の前記添加剤のそれぞれは、潤滑油に所望の特性を与えるのに機能的に有効な量で使用される。こうして、例えば、もしも添加剤が摩擦調整剤なら、この摩擦調整剤の機能的に有効な量は、潤滑油に所望の摩擦変性(調整)特性を与えるのに十分な量であろう。一般に、使用する時、それらの添加剤のそれぞれの濃度は、特別の定めのないかぎり、潤滑油組成物の合計重量に基づき、約0.001wt%〜約10wt%、一形態では約0.005wt%〜約5wt%、又は一形態では約0.1wt%〜約2.5wt%の範囲でもよい。更に、潤滑油組成物中の添加剤の合計量は、潤滑油組成物の合計重量に基づき、0.001wt%〜約20wt%、約0.01wt%〜約10wt%、又は約0.1wt%〜約5wt%の範囲でもよい。
本発明の潤滑油組成物の最終用途は、例えば、鉄道エンジン中など、クロスヘッドディーゼルエンジン中の舶用シリンダー潤滑油、クランクケース潤滑油、自動車中、製鋼所などの重機用潤滑油など、又は軸受用グリースとしてなどでもよい。潤滑油組成物が流体か固体か否かは、増粘剤が存在するか否かに普通は依存するであろう。典型的な増粘剤は、ポリ尿素アセテート、リチウムステアレートなどを含む。
本発明の別の形態では、本発明の潤滑油組成物は、添加剤パッケージ又は濃縮物として提供してもよく、そこでは、添加剤は、例えば、鉱油、ナフサ、ベンゼン、トルエン又はキシレンなどの実質的に不活性で通常は液体の有機希釈剤中に組込まれて、添加剤濃縮物を形成する。これらの濃縮物は、通常は、そのような希釈剤の約20%〜約80重量%含有する。典型的に、100℃で約4〜約8.5cSt、好ましくは100℃で約4〜約6cStの粘度を有する中性油が、希釈剤として使用されるが、添加剤及び完成潤滑油と相溶性の他の有機液体と同様に合成油もまた使用できる。添加剤パッケージは、基油の必要量との直接の組合せを促進する所望の量及び比率で、上記したような一つ以上の多種の他の添加剤もまた、典型的に含有するであろう。
本発明の形態を例示するために以下の例を提示するが、記述された特定の形態に本発明を限定する意図はない。反対の記載がない限り、全ての部分及びパーセンテージは重量基準である。全ての数値はおおよその値である。数値範囲が示された時、当該範囲外の形態でも依然として本発明の範囲内にあることが理解されるべきである。それぞれの例に記載の特定の詳細は、発明の必要な特徴として解釈されるべきではない。
実施例
以下の例は、例示的な目的のみを意図しており、本発明の範囲を決して限定しない。
銀摩耗及び摩擦試験を使用して本発明の銀潤滑性添加剤組成物を評価するために、以下の表IIに記載されたように潤滑油組成物配合を調製した。全ての単位は重量%である。
銀ディスク摩耗及び摩擦試験を使用する銀摩耗評価(Amoco修正銀ディスク摩耗及び摩擦試験)
Amoco修正銀ディスク摩耗及び摩擦試験を使用して比較例A〜E及び試験例1〜3の潤滑油添加剤を評価した。Amoco修正銀ディスク摩耗及び摩擦試験として当業者に公知のもので8個の配合(表II)を試験した。この摩耗試験手順は、潤滑油の耐磨耗特性を決定するための実験室試験である。試験機は、the Electromotive Division (EMD) of General Motors, In.によって製造された銀ピンインサート軸受又は鉄道ディーゼルエンジンのメッキで使用されたものと同一の品質及びサイズの4分の1インチ銀ディスク3個と一緒に組立てた2分の1インチ径52100鋼球が配置されているシステムを含む。これらのディスクは、銀耐磨耗特性用に試験されるべき油サンプルを含有するリザーバ中の固定した三角形の位置にある。鋼球は、上に位置し、3個の銀ディスクと接触している。これらの試験を実施する上で、当該球は、レバーアームにかかる適切な重量によって及び特定の圧力で当該3個のディスクに押し付けられながら、回転する。試験結果は、ディスク上の傷跡を調べ及び測定するための低パワー顕微鏡を使用することによって決定される。2.2m以下の摩耗傷跡径は、十分な銀摩耗保護を示すと考えられる。銀ディスク上の鋼球の回転は、23キログラム静止荷重下に分当たり600回転数で30分間続行する。それぞれの油は500Fで試験した。摩擦係数はそれぞれの配合で測定される。
銀ディスク摩耗及び摩擦試験データを、以下の表IIIに要約する。配合Aで得られたデータをベースラインとして使用した。
表IIIに説明される結果は、本発明の潤滑油組成物(例1〜3)が、ベースライン配合(比較例A)及び比較例B〜Eに比べて極めて良好な耐磨耗性能及び極めて良好な減摩(耐摩擦)特性を例証することを示している。
ここに開示の形態に多種の修正をしてもよいことは理解されよう。したがって、上記の記述は、限定して解釈されるべきではなく、好ましい形態の単なる例示である。例えば、本発明を実施するためのベストモードとして実施されそして上記に記載された機能は、例示目的のみである。この発明の範囲及び本質から離れることなしに、他の配置及び方法を当業者が実施してもよい。更に、当業者は、添付の特許請求の範囲の本質及び範囲内で他の修正を想定するであろう。

Claims (15)

  1. 以下を含む中速ディーゼルエンジンクランクケース潤滑油組成物:
    (a)主要量の潤滑粘度の油;及び
    (b)0.15〜2.0重量%の銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤。
  2. 銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤が、ホウ素化モノエステル、ホウ素化ジエステル、又はそれらの混合物を含む群から選択される、請求項1の潤滑油組成物。
  3. ホウ素化モノエステルが、ホウ素化グリセロールモノオレエートである、請求項2の潤滑油組成物。
  4. ホウ素化ジエステルが、ホウ素化グリセロールジオレエートである、請求項2の潤滑油組成物。
  5. 銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤が0.15〜1.5重量%で存在する、請求項1の潤滑油組成物。
  6. 銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤が、0.15〜1.0重量%で存在する、請求項1の潤滑油組成物。
  7. 銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤が、0.15〜0.5重量%で存在する、請求項1の潤滑油組成物。
  8. 銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤が、0.15〜0.25重量%で存在する、請求項1の潤滑油組成物。
  9. 銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤が、0.20重量%で存在する、請求項1の潤滑油組成物。
  10. 銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステルが、0〜3個の二重結合を含有するC12−C22カルボン酸及びグリセロールのエステルである、請求項1の潤滑油組成物。
  11. カルボン酸が、オレイン、ステアリン、イソステアリン、パルミチン、ミリスチン、パルミトオレイン、リノール、ラウリン、リノレン、及びエレオステアリン酸を含む群から選択される、請求項10の潤滑油組成物。
  12. カルボン酸がオレイン酸である、請求項11の潤滑油組成物。
  13. 中速ディーゼルエンジンが、鉄道機関車、海洋タグボート及び定置出力エンジンを含む群から選択される、請求項1の潤滑油組成物。
  14. 中速ディーゼルエンジンが鉄道機関車エンジンである、請求項13の潤滑油組成物。
  15. (a)主要量の潤滑粘度の油;及び
    (b)0.15〜2.0重量%の銀潤滑性ホウ素化脂肪酸エステル添加剤、
    を含む潤滑油組成物で中速ディーゼルエンジンを潤滑することを含む、中速ディーゼルエンジン中の銀軸受摩耗と摩擦を低減する方法。
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