JP2016538869A - ケトンの生成のための微生物及び方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、二級アルコールデヒドロゲナーゼを欠如するか、または不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む組換え酢酸生成性のカルボキシド栄養性細菌を提供する。この不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼは、細菌が、アセトンをイソプロパノールに変換し、またメチルエチルケトンを2−ブタノールに変換する能力を低減する不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子によってコードされ得る。二級アルコールデヒドロゲナーゼを欠如する、または不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む細菌は、カルボニル含有化合物を蓄積するために、本発明は、アセトン及びメチルエチルケトンなどのカルボニル含有化合物を生成する方法も提供する。【選択図】図1
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2013年12月3日に出願された米国仮特許出願第61/911,449号の利益を主張するものであり、この出願の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
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配列表
本出願は、本明細書と同時に提出され、2014年12月1日に作成されたファイル名「LT101PCT_ST25.txt」の7,617バイトのASCII(テキスト形式)ファイルとして特定されるヌクレオチド/アミノ酸配列表を含み、このファイルの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、本明細書と同時に提出され、2014年12月1日に作成されたファイル名「LT101PCT_ST25.txt」の7,617バイトのASCII(テキスト形式)ファイルとして特定されるヌクレオチド/アミノ酸配列表を含み、このファイルの全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
発明の技術分野
本発明は、工業用発酵に関する。特に、本発明は、ケトンなどの工業的に有用な溶媒を生成するための微生物の使用に関する。
本発明は、工業用発酵に関する。特に、本発明は、ケトンなどの工業的に有用な溶媒を生成するための微生物の使用に関する。
クロストリジウム・オートエタノゲナム(Clostridium autoethanogenum)、クロストリジウム・リュングダリイ(Clostridium ljungdahlii)、及びクロストリジウム・ラグスダレイ(Clostridium ragsdalei)などの酢酸生成性のカルボキシド栄養性(carboxydotrophic)細菌は、アセトンをイソプロパノールに、またメチルエチルケトン(MEK)を2−ブタノールに変換する。したがって、これらの細菌は、アセトン及びMEKなどのケトンを消費して、イソプロパノール及び2−ブタノールなどのアルコールを生成する。
しかしながら、ケトンそれ自体が、重要な商業製品である。アセトンは、年間約100億米ドルの合算された市場価値を有する、メチルメタクリレート(MMA)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)の工業溶媒及び前駆物質である。アセトンはまた、イソブチレンの前駆物質でもある(van Leeuwen,Appl Microbiol Biotechnol,93:1377−1387,2012)。イソブチレンの市場価値も、年間約240憶米ドルで相当なものである。MEKは、年間約20憶米ドルの広範な市場価値を有し、かつ年率約1.9%で増大している、塗料及びインクの重要な成分である。MEKはまた、年間190憶米ドルを超える市場価値を有し、年率約2.7%で増大している、1,3−ブタジエンの前駆物質でもある。さらに、アセトンは、ジェット燃料の生成のための前駆物質である(Anbarasan,Nature,491:235−239,2012)。
したがって、アセトン及びメチルエチルケトン(MEK)などの工業的に有用な溶媒及び前駆物質を生成する改善された方法に対する必要性が残っている。
本発明は、二級アルコールデヒドロゲナーゼを欠如する、または不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む、組換え酢酸生成性のカルボキシド栄養性細菌を提供する。好ましくは、この細菌は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、またはクロストリジウム・ラグスダレイ由来の細菌などの、クロストリジウム属の構成員である。特定の実施形態では、この細菌は、受託番号DSM23693としてDSMZに寄託されているクロストリジウム・オートエタノゲナムに由来する。
不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼは、二級アルコールデヒドロゲナーゼまたは一級−二級アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素に由来してもよい。不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼは、不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子によってコードされ得る。不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子は、二級アルコールデヒドロゲナーゼまたは一級−二級アルコールデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコードする遺伝子に由来してもよい。一実施形態では、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼは、配列番号1のアミノ酸配列に由来する。別の実施形態では、不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子は、配列番号2または配列番号3の核酸配列に由来する。具体的には、不活性化突然変異は、挿入であってもよい。
この細菌は、チオラーゼ、coA−トランスフェラーゼ、またはアセトアセテートデカルボキシラーゼなどの1つ以上の酵素をコードする外来性遺伝子をさらに含んでもよい。さらに、この細菌は、クレブシエラ・オキシトカプロパンジオールデヒドラターゼなどのメソ−2,3−ブタンジオールをMEKに変換するプロパンジオールデヒドラターゼをコードする外来性遺伝子を含んでもよい。
不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼの存在は、ケトンの蓄積をもたらす。したがって、この細菌は、アセトンまたはMEKなどのケトンを蓄積または生成することができる。
本発明は、不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼによってコードされた不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む細菌を培養し、これによって、細菌がアセトン及びMEKのうちの1つ以上を生成することによって、アセトンまたはMEKなどのケトンを生成する方法をさらに提供する。この方法は、アセトンまたはMEKを培地から回収することをさらに含んでよい。
二級アルコールデヒドロゲナーゼは、カルボニル含有化合物をアルコールに変換する。したがって、二級アルコールデヒドロゲナーゼを含有する細菌は、アセトン及びMEKなどのカルボニル含有化合物を、それぞれイソプロパノール及び2−ブタノールなどのアルコールに変換することができる。本発明は、二級アルコールデヒドロゲナーゼを欠如する、または不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む、組換え酢酸生成性のカルボキシド栄養性細菌を提供する。具体的には、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼは、不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子によってコードされ得、この不活性化突然変異は、アセトンをイソプロパノールに変換し、またMEKを2−ブタノールに変換する細菌能能力を低減する。この不活性化突然変異が、カルボニル含有化合物の蓄積をもたらすために、本発明は、アセトン及びMEKなどのカルボニル含有化合物を生成する方法も提供する。
カルボニルは、アルデヒドまたはケトンなどの、酸素原子に二重結合された炭素原子から構成される官能基である。カルボニル含有化合物としては、例えば、アセトイン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)(すなわち、2−ブタノン)、及びアセトアルデヒドが含まれる。
アルコールは、ヒドロキシル官能基が、飽和炭素原子に結合されている有機化合物である。アルコールとしては、例えば、イソプロパノール及び2−ブタノールが含まれる。
アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)は、アルデヒドまたはケトン(アセトンなど)とアルコール(イソプロパノールなど)との間の相互変換を触媒する酵素のグループである。一級アルコールデヒドロゲナーゼは、アルデヒドを一級アルコールに変換することができ、または、逆も同様であり、二級アルコールデヒドロゲナーゼは、ケトンを二級アルコールに変換することができ、または、逆も同様である。さらに、いくつかのアルコールデヒドロゲナーゼは、アルデヒドを一級アルコールに(または、逆も同様)、かつケトンを二級アルコールに(または、逆も同様)変換することができる。これらのアルコールデヒドロゲナーゼは、一級−二級アルコールデヒドロゲナーゼと称されてもよく、なぜなら、これらは、一級アルコールデヒドロゲナーゼと、二級アルコールデヒドロゲナーゼとの両方の活性を示すためである。本明細書で使用される用語「アルコールデヒドロゲナーゼ」及び「二級アルコールデヒドロゲナーゼ」は、二級アルコールデヒドロゲナーゼと一級−二級アルコールデヒドロゲナーゼとの両方を包含する。
この細菌は、二級アルコールデヒドロゲナーゼを欠如してもよく、または二級アルコールデヒドロゲナーゼを発現しないように遺伝子操作されてもよい。具体的には、二級アルコールデヒドロゲナーゼを欠如するクロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、またはクロストリジウム・ラグスダレイ(二級アルコールデヒドロゲナーゼを有することが知られている酢酸生成性細菌はこれらの種のみである)に由来の細菌であってもよい。
不活性化突然変異は、酵素、例えば、二級アルコールデヒドロゲナーゼまたは一級−二級アルコールデヒドロゲナーゼの活性を、低減し、実質的に排除し、または完全に排除する任意の突然変異である。この不活性化突然変異は、挿入、欠失、置換、もしくはナンセンス突然変異、または酵素の活性を低減または排除する任意の他のタイプの突然変異であってもよい。この不活性化突然変異は、細菌の酵素活性を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%まで低減することができる。酵素活性は、酵素の機能を低減することによって、または酵素の量を低減することによって、低減または排除されてもよい。不活性化突然変異を導入する方法は、当該技術分野において周知である。例えば、不活性化突然変異は、化学的突然変異生成、トランスポゾン突然変異生成、ウイルス突然変異生成、またはインビトロ突然変異生成によって、行われてもよい。
核酸配列及びアミノ酸配列に関する、用語「由来する」とは、親もしくは野生型核酸配列またはアミノ酸配列の修飾を指す。例えば、不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼ核酸配列またはアミノ酸配列は、それぞれ、不活性化突然変異を含まない親もしくは野生型核酸配列またはアミノ酸配列に由来し得る。好ましい実施形態では、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼは、配列番号1のアミノ酸を含む野生型二級アルコールデヒドロゲナーゼに由来する。不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子は、配列番号2または配列番号3を含む核酸配列に由来してもよい。
本発明は、核酸が、実質的に同一の機能を実行するという条件で、その配列が本明細書に具体的に例示された配列とは異なる核酸を用いて実施されてもよい。タンパク質またはペプチドをコードする核酸配列については、これは、コード化タンパク質またはペプチドが、実質的に同一の機能を実行することを意味する。プロモータの核酸配列については、変異体配列は、1つ以上の遺伝子の発現を促進する能力を有するであろう。このような核酸は、「機能的に等価な変異体」と称されてもよい。例として、核酸の機能的に等価な変異体としては、対立遺伝子変異体、遺伝子の断片、遺伝子多型等が含まれる。他の微生物からの相同遺伝子は、本明細書に具体的に例示された配列の機能的に等価な変異体の例である。これらは、その配列情報が、GenBankまたはNCBIなどのウェブサイト上で公開されている、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、またはクロストリジウム・ノビイ(C.novyi)などの種における相同遺伝子を含まれる。フレーズ「機能的に等価な変異体」はまた、その配列が特定の生物に対するコドン最適化の結果として変化する核酸も含む。核酸の機能的に等価な変異体は、好ましくは、同定された核酸と、少なくともおよそ70%、少なくともおよそ80%、少なくともおよそ85%、少なくともおよそ90%、少なくともおよそ95%、またはそれ以上の核酸配列同一性を有するであろう。
さらに、本発明は、酵素またはタンパク質が、実質的に同一の機能を実行するとの条件で、その配列が本明細書に具体的に例示された配列とは異なる酵素またはタンパク質を用いて、実施されてもよい。これらの変異体は、「機能的に等価な変異体」と称されてもよい。タンパク質またはペプチドの機能的に等価な変異体は、同定されたタンパク質またはペプチドと、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上のアミノ酸同一性を共有するこれらのタンパク質またはペプチドを含む。このような変異体は、タンパク質またはペプチドの断片を含み、この断片は、欠失が1個から5個まで、10個まで、15個まで、20個まで、25個までのアミノ酸であり得る、ポリペプチドの切断型を含む。欠失は、ポリペプチドのいずれかの末端で残基1〜25まで延びてもよく、領域内の任意の長さであってもよく、または基質もしくは補因子の特異的触媒機能及び活性あるいは結合を授与するタンパク質の内部位置もしくは特異的ドメインにあってもよい。特異的な酵素またはタンパク質の機能的に等価な変異体は、例えば、前の段落で例示されたように、細菌の他の種の相同遺伝子によって発現されるポリペプチドも含む。
本発明の核酸配列及びアミノ酸配列は、外来性または内在性であってもよい。一実施形態では、外来性核酸は、微生物によって本来生成されない遺伝子を発現させるために、または微生物によって本来生成される遺伝子を過発現させるために、導入される。さらに、外来性核酸は、遺伝子のコピー数を増加させ、強力なもしくは構成的なプロモータを導入し、または調節エレメントを導入することができる。外来性核酸は、微生物のゲノムに組み込んでもよく、または染色体外状態で維持してもよい。
組換え核酸、タンパク質、または微生物は、一緒に結合された異なる個体、異なる種、または異なる属の部分を含有する。通常、これは、複合核酸が形成されるように、組換えDNA技術を用いてなされる。複合核酸は、例えば、複合タンパク質を作成するために使用され得る。これは、融合タンパク質を作成するよう使用され得る。この複合核酸を維持しかつ複製し、任意にタンパク質を、任意には複合タンパク質を発現する微生物を形質転換するために用いることができる。本発明の細菌は、組換え、すなわち非野生型である。
立体特異的タンパク質は、鏡像異性体を区別して認識し、また鏡像異性体との異なる反応を触媒する。したがって、1つのみの鏡像異性体が反応してもよく、または各鏡像異性体が、別個の生成物を産生してもよい。
「減衰発現」とは、親微生物中の発現と比べて減少されている核酸またはタンパク質の発現を指す。減衰発現はまた、核酸またはタンパク質が全く発現されていないことを指す「ゼロ」発現も含む。この「ゼロ」発現は、RNAサイレンシング、発現プロセスの修正(例えば、プロモータ機能の崩壊)、または酵素をコードする核酸のゲノムからの完全もしくは部分的除去(ノックアウト)を含める、当業者に既知の任意の方法によって達成されてもよい。
用語核酸「構築物」または「ベクター」及び類似用語は、遺伝物質を細胞に導入するためのビヒクルとしての使用に好適な任意の核酸(DNA及びRNAを含める)を包含するように広範囲にとられるべきである。この用語は、プラスミド、ウイルス(バクテリオファージを含める)、コスミド、及び人工染色体を包含するよう取られるべきである。構築物またはベクターは、1つ以上の調節エレメント、複製開始点、マルチクローニング部位、及び/または選択マーカーを含んでもよい。構築物またはベクターは、構築物またはベクターによってコードされる1つ以上の遺伝子の発現を可能にするように適合され得る。核酸構築物またはベクターは、裸の核酸ならびに細胞への送達を容易にするための1つ以上の薬剤と調合された核酸(例えば、リポソーム結合核酸)を含む。
外来性核酸は、当該技術分野において既知の任意の方法を用いて、細菌に導入され得る。例えば、形質転換(形質導入またはトランスフェクションを含める)は、電気穿孔法、超音波処理、ポリエチレングリコール媒介形質転換、化学的もしくは自然的競合、プロトプラスト形質転換、プロファージ誘発もしくは接合によって達成され得る(例えば、Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,1989参照)。
電気穿孔法の使用は、クロストリジウム・リュングダリイ(Kopke,PNAS,107:13087−13092,2010、国際公開第2012/053905号)、クロストリジウム・オートエタノゲナム(国際公開第2012/053905号)、クロストリジウム・アセチカム(C.aceticum)(Schiel−Bengelsdorf,Synthetic Biol,15: 2191−2198,2012)、及びアセトバクテリウム・ウッディ(A.woodii)(Stratz,Appl Environ Microbiol,60:1033−1037,1994)を含む、いくつかのカルボキシド栄養性酢酸生成菌について報告されている。電気穿孔法の使用は、クロストリジウム・アセトブチリカム(C.acetobutylicum)(Mermelstein,Biotechnol,10:190−195,1992)、及びクロストリジウム・セルロリチカム(C.cellulolyticum)(Jennert,Microbiol,146:3071−3080,2000)を含めるクロストリジウム菌でも報告されている。さらに、プロファージ誘発は、クロストリジウム・スカトロゲネス(C.scatologenes)を含めるカルボキシド栄養性酢酸生成菌について立証され(Parthasarathy,Development of a Genetic Modification System in Clostridium scatologenes ATCC 25775 for Generation of Mutants,Masters Project,Western Kentucky University,2010)、接合は、クロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile(Herbert,FEMS Microbiol Lett,229:103−110,2003)及びクロストリジウム・アセトブチリカム(Williams,J Gen Microbiol,136:819−826,1990)を含める多くのクロストリジウム菌について記述されている。同様の方法を、カルボキシド栄養性酢酸生成菌において用いることができた。
外来性核酸のメチル化は、特定の制限系が、宿主微生物中で活性である場合、必要とされる場合がある。
シャトル微生物は、メチルトランスフェラーゼ酵素が発現される微生物であり得、目的微生物とは区別される。シャトル微生物は、生合成後修飾を遺伝子操作された核酸に導入するために用いることができ、これは、最終の宿主生物中の遺伝子操作された核酸を保護することになる。目的微生物は、逆に言えば、発現構築物/ベクター中に含まれる遺伝子が発現される微生物であり、シャトル微生物とは区別される。
この細菌は、任意の組換えカルボキシド栄養性の酢酸生成性細菌であり得る。「組換え」とは、野生型または親微生物から遺伝子修飾されている微生物を指す。「カルボキシ栄養性」とは、一酸化炭素の高濃度に耐え得る微生物、好ましくは細菌を指す。「酢酸生成菌」とは、酢酸塩/酢酸を嫌気性発酵の生成物として自然に生成する微生物、好ましくは細菌を指す。
具体的には、この細菌は、クロストリジウム属に属することができる。例えば、この細菌は、クロストリジウム・アセチカム、クロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・ベイジェリンキー(Clostridium beijerinckii)、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、クロストリジウム・カルボキシドビランス(Clostridium carboxidovirans)、クロストリジウム・セルロリチカム、クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)、クロストリジウム・ディフィシレ、クロストリジウム・ジオリス(Clostridium diolis)、クロストリジウム・ドラケイ(Clostridium drakei)、クロストリジウム・フォルミコアセチカム(Clostridium formicoaceticum)、クロストリジウム・クルイベリ(Clostridium kluyveri)、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・マグナム(Clostridium magnum)、クロストリジウム・ノビイ(Clostridium novyi)、クロストリジウム・パステリアニウム(Clostridium pasterianium)、クロストリジウム・フィトフェルメンタンス(Clostridium phytofermentans)、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・サッカロブチリカム(Clostridium saccharbutyricum)、クロストリジウム・サッカロペルブチルアセトニカム(Clostridium saccharoperbutylacetonicum)、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・テルモセルム(Clostridium thermocellum)、またはこれらに由来の細菌であってもよい。この細菌は、酢酸生成性のカルボキシド栄養性細菌であり得る。好ましい実施形態では、この細菌は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、またはクロストリジウム・ラグスダレイに由来する。この細菌は、クロストリジウム・オートエタノゲナム DSM10061、クロストリジウム・オートエタノゲナム DSM23693(LZ1561、クロストリジウム・オートエタノゲナム DSM10061の誘導体)、またはクロストリジウム・リュングダリイ DSM13528に由来してもよい。好ましい実施形態では、この細菌は、不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を含むクロストリジウム・オートエタノゲナム DSM23693である。
他の細菌が用いられてもよい。例えば、この細菌は、アセトバクテリウム属、アルカリゲネス属、バチルス属、ブレビバクテリウム属、カンジダ属、コリネバクテリウム属、エンテロコッカス属、大腸菌属、クレブシエラ属、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、パエニバチルス属、ピチア属、シュードモナス属、ラルストニア属、ロドコッカス属、サッカロマイセス属、アルモネラ属、トリコデルマ属、またはザイモモナス属に属してもよい。具体的には、この細菌は、アセトバクテリウム・ウッディ、アルカリバクラム・バッティ(Alkalibaculum bacchii)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis、枯草菌(Bacillus subtilis)、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム(Butyribacterium methylotrophicum)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、大腸菌(Escherichia coli)、ユーバクテリウム・リモスム(Eubacterium limosum)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、乳酸連鎖球菌(Lactococcus lactis)、モーレラ・サーマウトトロフィカ(Moorella thermautotrophica)、モーレラ・サーモアセティカ(Moorella thermoacetica)、オキソバクター・フェニジイ(Oxobacter pfennigii)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)、サッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)、スポロミューサ・オヴァタ(Sporomusa ovata)、スポロミューサ・シルバセチカ(Sporomusa silvacetica)、スポロミューサ・スファエロイデス(Sporomusa sphaeroides)、サーモアナエロバクター・キウヴ(Thermoanaerobacter kiuv)、トリコデルマ・ローゼイ(Trichoderma reesei)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)、またはこれらに由来する細菌であってもよい。
微生物(例えば、細菌)に関する用語「由来する」とは、親もしくは野生型微生物の修飾を指す。不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を含む細菌は、不活性化突然変異を含まない二級アルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を含む親もしくは野生型細菌に、または二級アルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を含まない親もしくは野生型細菌に由来してもよい。この細菌は、人工的もしくは自然の選択、突然変異、または遺伝子組換えなどの当該技術分野において既知の任意の方法を用いて、親もしくは野生型細菌に由来してもよい。親微生物は、以前に修飾されたが、本発明の1つ以上の酵素を発現しない、または過発現する生物であってもよい(例えば、LZ1561)。好ましい実施形態では、この細菌は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、またはクロストリジウム・ラグスダレイに由来する。特に好ましい実施形態では、この細菌は、受託番号DSM23693としてDSMZに寄託されているクロストリジウム・オートエタノゲナム(すなわち、LZ1561)に由来する。
この細菌は、単離され得る。例えば、この細菌は、その天然の環境から、2つ以上の微生物を含む培養物から、または単一の微生物の異種(遺伝学的に異なる)集団を含む培養物から、物理的に単離されてもよい。単一細菌から増殖したコロニーまたは培養物も、単離されているとみなされる。
この細菌は、アルデヒドまたはケトンなどのカルボニル含有化合物を生成するための生合成経路中の1つ以上の酵素を発現または過発現するようにさらに修飾されてもよい。この生合成経路は、細菌にとって、内在性、部分的に内在性、または完全に内在性であってもよい。この生合成経路は、例えば、外来性酵素または他の種もしくは属に由来する酵素を含んでもよい。場合によっては、外来性酵素は、内在性酵素と協力して働き、その細菌中には本来存在しない生合成経路を形成してもよい。例えば、アセトンの生成は、本来アセトンを生成しない微生物中で立証されている(国際公開第2012/115527号)。チオラーゼ、coA−トランスフェラーゼ、及びアセトアセテートデカルボキシラーゼなどの酵素をコードする遺伝子が細菌に添加され、この細菌がアセトンを生成することを可能にしてもよい。これに加えて、または代えて、外来性プロパンジオールデヒドラターゼが細菌に添加され、この細菌がメソ−2,3−ブタンジオールを2−ブタノン(MEK)に変換することを可能にしてもよい。外来性プロパンジオールデヒドラターゼは、クレブシエラ・オキシトカに由来してもよい。
ガス発酵は、ガス状基質が、エタノールまたは他の生成物もしくは化学物質の生成のための炭素及び/またはエネルギー源として用いられる代謝プロセスである。本明細書で使用される用語「発酵」は、プロセスの増殖期及び生成物生合成期の両方を包含する。ガス発酵は、微生物、通常は細菌によって行われる。
細菌培養物は、十分な供給源を培養物に提供する任意の液体栄養培地中で増殖させることができる。液体栄養培地は、例えば、ビタミン、ミネラル、及び水を含有し得る。好適な液体栄養培地は、当該技術分野で既知であり、エタノールまたは他の生成物の発酵に好適な嫌気性培地が含まれる(例えば、米国特許第5,173,429号、同第5,593,886号、及び国際公開第2002/08438号を参照)。
細菌培養物は、リアクター(バイオリアクター)内に含まれ得る。このリアクターは、細菌培養物の増殖のための1つ以上の容器及び/または塔もしくは配管を有する任意の発酵装置であってもよい。このリアクターは、例えば、固定化菌体リアクター、ガスリフトリアクター、気泡塔リアクター(BCR)、循環ループリアクター、中空糸膜型バイオリアクター(HFM BR)などの膜型リアクター、連続流撹拌槽リアクター(CSTR)、またはトリクルベッドリアクター(TBR)であってもよい。リアクターは、CO、CO2、及び/またはH2を含むガス状基質を受容するように適合されていることが好ましい。リアクターは、平行にまたは直列のいずれかに並んだ複数のリアクター(ステージ)を備えてもよい。例えば、リアクターは、細菌が培養される第1の増殖リアクターと、増殖リアクターからの発酵ブロスが送り込まれ得、発酵生成物の大部分が生成され得る第2の発酵リアクターとを備えてもよい。
発酵は、望ましくは、カルボニル含有化合物の生成が生じるために適切な発酵条件下で行われるべきである。考慮されるべき反応条件としては、圧力、温度、ガス流量、液体流量、培地のpH、培地の酸化還元電位、撹拌速度(連続撹拌槽リアクターを用いる場合)、接種レベル、液相中のCOが制限されるようにならないことを保証する最大ガス基質濃度、及び生成物阻害を回避するための最大生成物濃度が含まれる。
発酵プロセスに関して使用される場合、用語「効率を高める」、「効率の増大」等は、発酵を触媒する微生物の増殖の速度、生成物の高濃度における増殖及び/または生成物の生成速度、消費される基質の容量当たりの生成される望ましい生成物の容量、所望の生成物の生成速度もしくは生成レベル、及び発酵の他の副産物と比較しての生成された所望の生成物の相対比率のうちの1つ以上を増加させることが含まれるが、これらに限定されない。
ガス状基質(「ガス」または「供給ガス」もしくは「発酵ガス」あるいは「基質」)は、発酵において炭素及び/またはエネルギー源として微生物によって使用される化合物もしくは元素を含有する任意のガスであってもよい。ガス状基質は、通常、かなりの割合のH2、CO2、及び/またはCOを含有することになり、さらに、N2または他のガスを含有してもよい。一実施形態では、ガス状基質は、COを含む。別の実施形態では、ガス状基質は、H2、CO2、及び/またはCOを含む。さらなる実施形態では、ガス状基質は、O2を含まないか、実質的に含まない。
ガス状基質の厳密な組成は、様々であってよい。ガス状基質は、例えば、約20%〜約100体積%のCO、約20%〜約70体積%のCO、約30%〜60体積%のCO、または約40%〜約55体積%のCOを含有してもよい。具体的には、ガス状基質は、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%のCO、約55%のCO、または60体積%のCOを含有してもよい。ガス状基質は、例えば、約1%〜80体積%のCO2、または約1%〜約30体積%のCO2を含有してもよい。ガス状基質は、例えば、約20%未満のCO2、約15%未満のCO2、約10%未満のCO2、約5%未満のCO2、または約0体積%のCO2(実質的には存在しない)を含有してもよい。ガス状基質がH2を必ずしも含有する必要はないが、H2の存在は、所望の生成物の生成の改善された全体の効率をもたらす場合がある。ガス状基質は、例えば、H2:COの2:1、1:1、または1:2の比を含む。ガス状基質は、例えば、約30%未満のH2、約20%未満のH2、約15%未満のH2、または約10体積%未満のH2を含んでもよい。他の実施形態では、ガス状基質は、低濃度のH2、例えば、約5%未満のH2、約4%未満のH2、約3%未満のH2、約2%未満のH2、約1%未満のH2、または約0体積%のH2(実質的には存在しない)を含んでもよい。
さらに、COが基質である発酵反応の効率を増加させるために、基質流のCO濃度(またはガス状基質中のCO分圧)を増加させることが、多くの場合に望ましい。増大した圧力において運転することは、COのガス相から、COが微生物によって取り込まれ得る液相への移動の速度を著しく増加させる。これが、今度は、投入ガス流量で割られたバイオレアクター内の液体容量として定義される保持時間を低減する。最適な反応条件は、使用される特定の微生物に部分的には依存するであろう。しかしながら、一般には、周囲圧力よりも高い圧力で、発酵を行うことが好ましい。また、所定のCO変換率が、一部分は、基質保持時間の関数であり、所望の保持時間を達成することが、バイオリアクターの必要とされる容積を規定するために、加圧系の使用は、必要とされるバイオリアクターの容積を大きく低減することができ、結果的に、発酵装置の資本費用を低減することができる。米国特許第5,593,886号に提供された例によると、リアクター容積は、リアクター動作圧の減少に線形比例して低減され得る。例えば、10気圧で操作されるバイオリアクターは、1気圧で操作されるものの10分の1の容積を必要とするに過ぎない。
発酵反応を供給するために用いられるガス流の組成は、発酵反応の効率及び/またはコストに及ぼす大きな影響を有し得る。例えば、O2の存在は、嫌気性発酵プロセスの効率を低下させる場合がある。発酵前後の発酵プロセスのステージにおける望ましくない、もしくは不必要なガスの処理は、ステージのエネルギー負荷を増加させ得る。例えば、ガス流が、バイオリアクターに入る前に圧縮される場合、エネルギーは、発酵に必要とされないガスを圧縮するために用いられる場合がある。
ガス状基質は、工業プロセスから供給されてもよい。具体的には、ガス状基質は、重金属類製品製造業(例えば、製鋼業)、非重金属類製品製造業、石油精製、石炭ガス化、電力生産、カーボンブラック製造、アンモニア製造、メタノール製造、またはコークス製造などの工業プロセスによって発生した廃棄ガスであってもよい。好ましい実施形態では、ガス状基質は、製鋼業のガスに由来する。
ガス状基質は、メタン、エタン、プロパン、石炭、天然ガス、原油、精油所からの低価値残留物(石油コークスまたはペットコークを含む)、固形の一般廃棄物、またはバイオマスなどの有機物質のガス化から供給されてもよい。バイオマスは、サトウキビからの糖、トウモロコシもしくは穀物からのデンプンなどの食糧の抽出もしくは加工中に得られた副産物、または林業によって生成された非食品バイオマス廃棄物を含む。これらの炭素質材料のいずれも、ガス化、すなわち、酸素によって部分的に燃焼され、合成ガス(シンガス)を生成することができる。シンガスは、通常、主として、CO、H2、及び/またはCO2を含み、メチレン、エチレン、エタン、または他のガス量をさらに含有してもよい。ガス化装置の動作条件は、発酵プロセスにおける増加したアルコール生産性及び/または全体の炭素捕捉に最適化された、または望ましい組成を提供するために、発酵に望ましい組成を有する基質流または1つ以上の他の流れとの配合を提供するように調整され得る。
化学的または物理的不純物もしくは汚染物質を除去するために、ガス状基質が発酵プロセスで使用される前に、これを濾過し、こすって洗い流し、そうでなければ前処理することが望ましい場合がある。例えば、原料ガスは、水を通過させるか、そうでなければ濾過され、微粒子状物質、長鎖炭化水素、またはタールを除去してもよい。しかしながら、このような濾過または前処理は、必ずしも必要ではない。濾過されていない、未処理のガス状基質が、発酵培養物に直接提供されることも場合によっては可能である。
ガス状基質は、通常、ガスの形態で提供されるが、用語「ガス状基質」はまた、代替形態で提供されたCO、CO2、及び/またはH2を含む基質も包含する。例えば、COを含有するガス状基質は、液体中に溶解されて提供されてもよい。基本的には、液体は、CO含有ガスで飽和され、次いでバイオリアクターに添加されてもよい。例示の方法は、マイクロバブル分散発生装置(Hensirisak,Appl Biochem Biotechnol,101:211−227,2002)及び固体支持体上のガス状基質の吸着の使用を含む。
本発明は、不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子によってコードされる不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む細菌を培養し、これによって、この細菌が、アセトン及びMEKのうちの1つ以上を生成することによって、アセトンまたはMEKなどのケトンを生成する方法をさらに提供する。この方法は、アセトンまたはMEKを培養物から回収することをさらに含んでもよい。
以下の実施例は、本発明をさらに例証するが、当然のことながら、その範囲を多少なりとも限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1
本実施例は、一般的な材料及び方法を記述する。
本実施例は、一般的な材料及び方法を記述する。
微生物及び増殖条件
クロストリジウム・オートエタノゲナムDSM10061ならびにDSM23693(DSM10061に由来)、及びクロストリジウム・リュングダリイDSM13528 は、DSMZ(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures,Inhoffenstrase 7 B,38124 Braunschweig,Germany)から供給された。クロストリジウム・ラグスダレイATCC BAA−622は、ATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA 20108,USA)から供給され、大腸菌DH5αは、Invitrogen(Carlsbad,CA 92008,USA)から供給された。
大腸菌を、培地1.0L当たり10gのトリプトン、5gの酵母エキス、及び10gのNaClを含有するLB(ルリア−ベルターニ)培地中、37℃で増殖させた。固体培地は、1.5%の寒天を含有した。
クロストリジウム菌株を、標準嫌気性技術(Hungate,Methods in Microbiology,3B:117−132,1969、Wolfe,Adv Microb Physiol,6:107−146,1971)を用いて、pH5.6のPETC培地中、37℃で増殖させた。フルクトース(従属栄養増殖)またはヘッドスペース(独立栄養増殖)内の30psiのCO含有製鉄所ガス(Glenbrook,NZのNew Zealand Steel敷地内で採集;組成:44%CO、32%N2、22%CO2、2%H2)を基質として使用した。固体培地については、1.2%のBacto寒天(BD,Franklin Lakes,NJ 07417,USA)を添加した。
クロストリジウム・オートエタノゲナムDSM23693を用いる発酵を、CO含有製鉄所ガスを唯一のエネルギー及び炭素源として用いて、1.5Lのバイオリアクター内で37℃にて行った。MgCl、CaCl2(0.5mM)、KCl(2mM)、H3PO4(5mM)、Fe(100μM)、Ni、Zn(5μM)、Mn、B、W、Mo、Se(2μM)を含有する規定培地を調製した。この培地を、バイオリアクターに移し、121℃で45分間オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後に、培地を、チアミン、パントテン酸塩(0.05mg/L)、ビオチン(0.02mg/L)で補充し、3mMのシステイン−HClで還元した。リアクター容器を、0.2μmのフィルターを通して窒素でパージし、嫌気性条件を達成した。接種前に、ガスを、リアクターに連続供給されるCO含有製鉄所ガスに切り換えた。ガス流を、最初に80ml/分に設定し、撹拌を200rpmから350rpmまで増加させながら、等比級数増殖期中に200ml/分まで増加させた。Na2Sを、0.25ml/時でバイオリアクターに投与した。OD600が0.5に達したら、バイオリアクターを、1.0ml/分(希釈倍率0.96d−1)の連続モードに切り換えた。サンプルを取り出し、バイオマス及び代謝物質を測定し、流入及び流出ガスを分析した。
代謝物質の分析
ヘッドスペースのガス組成を、2つ設置チャネルを備えたVarian CP−4900 micro GCで測定した。チャネル1は、70℃、200kPaのアルゴン、及び4.2秒のバックフラッシュタイムで運転する10mの分子ふるいカラムであり、一方チャネル2は、90℃、150kPaのヘリウム、及びバックフラッシュ無しで運転する10mのPPQカラムであった。両カラムへのインジェクターの温度は、70℃であった。運転時間を120秒に設定したが、関心の全ピークは、通常、100秒前に溶出する。
ヘッドスペースのガス組成を、2つ設置チャネルを備えたVarian CP−4900 micro GCで測定した。チャネル1は、70℃、200kPaのアルゴン、及び4.2秒のバックフラッシュタイムで運転する10mの分子ふるいカラムであり、一方チャネル2は、90℃、150kPaのヘリウム、及びバックフラッシュ無しで運転する10mのPPQカラムであった。両カラムへのインジェクターの温度は、70℃であった。運転時間を120秒に設定したが、関心の全ピークは、通常、100秒前に溶出する。
代謝最終生成物のHPLC分析を、35℃で運転されるRID(屈折率検出器)及び60℃に保持されるAlltech IOA−2000有機酸カラム(150×6.5mm、粒径5μm)を装備したAgilent 1100シリーズHPLCシステムを用いて実施した。わずかに酸性の水(0.005MのH2SO4)を、0.7ml/分の流量で、移動相として用いた。タンパク質及び他の細胞残渣を除去するために、400μlのサンプルを2%(w/v)の5−スルホサリチル酸100μlと混合し、14,000×gで3分間遠心分離し、沈殿残渣を分離した。次いで、分析のために、10μlの上清をHPLCに注入した。
代謝最終生成物のGC分析を、Supelco PDMS 100の1cmのファイバ、Alltech EC−1000(30m×0.25mm×0.25μm)カラム、及び水素炎イオン化検出器を装備したAgilent 6890NヘッドスペースGCを用いて実施した。5mlのサンプルをHungate管に移し、水浴中で40℃に加熱し、ファイバに正確に5分間曝した。インジェクターを250℃に保った。ヘリウムをキャリアガスとして用いて、1ml/分の一定流量で維持した。オーブンを40℃で5分間運転し、続いて10℃/分で200℃まで上昇させた。その後、温度を、50℃/分の割合でさらに220℃まで上昇させて、続いてこの温度で5分間保持した。その後、温度を50℃/分の割合で40℃まで降下させて、続いてこの温度で1分間保持した。FIDを、メークアップガスとしての40ml/分の水素、450ml/分の空気、及び15ml/分の窒素を用いて、250℃に保った。
実施例2
本実施例は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、及びクロストリジウム・ラグスダレイにおけるアセトンのイソプロパノールへの、またMEKの2−ブタノールへの還元の要因である二級アルコールデヒドロゲナーゼの同定を立証する。
本実施例は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、及びクロストリジウム・ラグスダレイにおけるアセトンのイソプロパノールへの、またMEKの2−ブタノールへの還元の要因である二級アルコールデヒドロゲナーゼの同定を立証する。
アセトンのイソプロパノールへの変換は、クロストリジウム・オートエタノゲナム(国際公開第2012/115527号)、クロストリジウム・リュングダリイ(国際公開第2012/115527号)、及びクロストリジウム・ラグスダレイ(国際公開第2012/115527号)などのカルボキシド栄養性細菌で記述されている(Ramachandriya,Biotechnol Bioeng,108:2330−2338,2011)。クロストリジウム・ベイジェリンキーからの酵素(Ismaiel,J Bacteriol,175:5097−5105,1993)に対して類似点を有する二級アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH;EC 1.1.1.2)も同定されている(国際公開第2012/115527号)。
クロストリジウム・オートエタノゲナムは、配列番号2の核酸配列によってコードされた、配列番号1のアミノ酸を有する二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む。クロストリジウム・リュングダリイは、クロストリジウム・リュングダリイのゲノム中の二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(NCBI NC_014328.1:2755565..2756620、GeneID 9446102、遺伝子座タグCLJU−c24860)の核酸配列によってコードされた、配列番号1のアミノ酸配列(NCBI YP_003780646.1)を有する二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む。クロストリジウム・ラグスダレイは、配列番号3の核酸配列によってコードされた、配列番号1のアミノ酸配列を有する二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む。
この二級アルコールデヒドロゲナーゼ酵素が、アセトンのイソプロパノールへの変換の要因であることを立証するために、クロストリジウム・オートエタノゲナムの二級アルコールデヒドロゲナーゼを大腸菌中で過剰産生させ、その活性を測定した。配列番号2を、国際公開第2012/115527号に記載された通りに単離されたクロストリジウム・オートエタノゲナムのゲノムDNAから増幅させ、KpnI及びHindIIIを介してpBADベクター(Invitrogen)中にクローンし、Sambrookに記載された標準法を用いて、電気穿孔法により大腸菌を形質転換させた。ADH遺伝子の配列を、DNAシークエンシングによって確認した。形質転換細胞を、0.8のOD600に達するまで、アンピシリンを有する100mLのLB中で37℃にて増殖させた。この時点で、20%アラビノース1mLを添加し、残りの発現のために、培養物を28℃でインキュベートした。細胞をペレット化させ、上清をデカントした。次いで、ペレットを、HEPES緩衝液(50mMのNa−HEPES及び0.2mMのDTT、pH8.0)中に再懸濁させ、BENZONASE(商標)(Merck、25単位/μL)及びリゾチーム(Merck、30kU/μL)の各0.2μLを添加した。次いで、二級アルコールデヒドロゲナーゼを、固定化金属親和性クロマトグラフィーを用いて、融合N末端His6タグを介して精製した。氷上での30分間のインキュベーション後に、細胞を超音波処理によって溶解し、不溶性破壊片をペレット化させ、0.2ミクロンのフィルターを用いて、上清を清澄化させた。清澄化された上清を、溶解用緩衝液で十分に洗浄されたTALON(商標)樹脂(Clontech)に添加した。500μLのベッドボリュームを精製用に用いて、タンパク質をTALON(商標)樹脂に4℃で1時間結合させ、次いで溶解用緩衝液で数回洗浄した。150mMのイミダゾールで補充された溶解用緩衝液を用いて、タンパク質をカラムから溶離させ、その後、溶離液を、500μlのフラクションで採集した。精製プロセスを通して採取されたアリコート、ならびに溶離フラクションを、SDS PAGEゲル上を泳動させ、タンパク質の存在を確認し、精製の成功を判定した。AMICON(商標)Ultra−4遠心力フィルターユニット(Millipore)を用いて、タンパク質を保存用緩衝液(50mMのリン酸カリウム、150mMのNaCl、10%v/vのグリセロール、pH7.0)に取り換えた。このタンパク質は、大腸菌中で発現される場合、高度に可溶性であり、容易に精製された。活性アッセイを、0.2mMの濃度のNADPHを補因子として、また3mMのMEKを基質として用いて、クオーツキュベットを備えたUV/可視分光光度計で行った。アッセイ混合物は、1mMのDTTと共に、50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.5)を含有した。クロストリジウム・オートエタノゲナムの二級アルコールデヒドロゲナーゼは、アセトンのイソプロパノールへの還元に対する活性を示した。加えて、MEKの2−ブタノールへの、アセトインの2,3−ブタンジオールへの、及びアセトアルデヒドのエタノールへの還元も見出された。最高の活性は、アセトンで見られ、続いてMEKで見られた(図1)。
二級アルコールデヒドロゲナーゼに加えて、イソプロパノールに対する活性を有する2つのブタノールデヒドロゲナーゼ(BDH)酵素が記載されている(Tan,J Basic Microbiol,54:996−1004,2013)。これらのブタノールデヒドロゲナーゼもまた、クロストリジウム・オートエタノゲナム及びクロストリジウム・ラグスダレイ中に存在する。
実施例3
本実施例は、クロストリジウム・オートエタノゲナム中の二級アルコールデヒドロゲナーゼの不活性化を立証する。
本実施例は、クロストリジウム・オートエタノゲナム中の二級アルコールデヒドロゲナーゼの不活性化を立証する。
クロストリジウム・オートエタノゲナムの同定された二級アルコールデヒドロゲナーゼ(配列番号2)を、ClosTronシステム(Heap,J Microbiol Meth,70:452−464,2007)を用いて、不活性化させた。ClosTronウェブサイト上で提供されるイントロン設計ツールを用いて、344bpの標的化領域(配列番号4)を設計し、ならびにセンス及びアンチセンス鎖上で6つの標的部位(図2) を同定した。標的化領域は、レトロ転位活性化rmBマーカー(RAM)を含有するベクターpMTL007C−E2中で化学的に合成した。
ベクターを、国際公開第2012/053905号に記載された通りに、クロストリジウム・オートエタノゲナムに導入した。15μg/mlのチアンフェニコールを含むPETC MES上で増殖させた単一コロニーを、5μg/mlのクラリスロマイシンを含むPETC MES上に植菌した。各標的からのコロニーを無作為に拾い上げ、フランキングプライマー155F(配列番号5)及び939R(配列番号6)を用いて、挿入についてスクリーニングした。iNtron Maxime PCRプレミックスを用いて、増幅を実施した。783bpのPCR生成物は、LZ1561遺伝子型を示したが、一方生成物サイズはおよそ2.6kbであり、標的部位内のグループIIイントロンの挿入を示唆した(図3)。プラスミドの損失を、耐性マーカー(catP)の増幅、及びグラム陽性複製開始点(pCB102)の増幅用のプライマーCatR(TTCGTTTACAAAACGGCAAATGTGA、配列番号7)及びRepHF(AAGAAGGGCGTATATGAAAACTTGT、配列番号8)を有するプライマーを用いて、PCRによって確認した。
同じ戦略及びプラスミドを、クロストリジウム・リュングダリイまたはクロストリジウム・ラグスダレイにも適用することができる。形質転換プロトコールは、以前に記述されている(国際公開2012/053905号)(Leang,Appl Environ Microbiol,79: 1102−1109,2013)。
実施例4
本実施例は、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを有するクロストリジウム・オートエタノゲナムにおけるアセトンのイソプロパノールへの還元の排除を立証する。
本実施例は、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを有するクロストリジウム・オートエタノゲナムにおけるアセトンのイソプロパノールへの還元の排除を立証する。
アセトン(0、1、5、及び20g/L)を、(1)LZ1561及び(2)287a及び211s位での突然変異を備える不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを有するClosTron変異体クロストリジウム・オートエタノゲナムの血清瓶培養物に供給した。LZ1561菌株は、1g/Lのアセトンをイソプロパノールに完全に変換し、これにより、0.65g/LのイソプロパノールがHPLCで検出され、アセトンは検出されなかった。20g/Lのアセトンを供給した血清瓶中のイソプロパノールの濃度は、8.1g/Lのイソプロパノールであり、残留する9.25g/Lのアセトンを伴った。ClosTron二級アルコールデヒドロゲナーゼ変異体のいずれにおいても、アセトンのイソプロパノールへの検出可能な変換は観察されなかった(図4)。供給量と測定量との間の不一致は、アセトンを加圧された血清瓶に正確に添加することの難しさによるものであった。
追加の実験において、16g/Lのアセトンを、PETC MES中のLZ1561 SecADH::erm 433s、LZ1561 SecADH::erm 388a、及びLZ1561の血清瓶培養物に供給した。培養物を、製鉄所ガスのヘッドスペース下、37℃で増殖させた。増殖の4日後に、LZ1561は、アセトンのおよそ半分を、イソプロパノールに変換した。secADH ClosTron変異体では、イソプロパノールは検出されなかった(図5)。
したがって、LZ1561菌株は、アセトンをイソプロパノールに非常に効率的に還元するが、変異体菌株は、アセトンをイソプロパノールに還元することができなかった。この結果は、2つのブタノールデヒドロゲナーゼの存在にもかかわらず観察され、これらは、アセトンのイソプロパノールへの還元において、明らかに何の役割も果たさない。
バイオリアクター内の連続培養を伴う実験も実施した。LZ1561を、上記のように、バイオリアクター内で増殖させた。連続モードにおいて安定なバイオマス及び代謝物質生成が得られたら、アセトンを、バイオリアクターと供給培地の両方に添加した。アセトンをある特定のレベルまでリアクターに投入し、その後、連続供給を行った。最初に、1g/Lのアセトンを添加した。代謝物質濃度が安定化したら、濃度を5g/L、15g/Lに、第2の実験では、20g/Lまで増加させた。15〜20g/Lの高濃度であっても、培養物は、全てのアセトンをイソプロパノールに高率で変換し、同定された二級アルコールデヒドロゲナーゼが、極めて有効であることを裏付けている(図6)(国際公開第2012/0252083号)。
同様のバイオリアクター実験を、211s位に突然変異を備える、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを有するClosTron変異体で実施した。5g/Lのアセトンをバイオリアクターに投入した。アセトンのイソプロパノールへのほぼ瞬時の変換が観察された(図6)LZ1561とは異なり、ClosTron変異体では、アセトンの変換は観察されなかった(図7及び図8)。したがって、アセトンのイソプロパノールへの変換は、ClosTron変異体においては、完全に排除された。
実施例5
本実施例は、アセトンの還元なしの1,2−プロパンジオールからのアセトンの生成を立証する。
本実施例は、アセトンの還元なしの1,2−プロパンジオールからのアセトンの生成を立証する。
プロパン−1,2−ジオールが、培地に添加される場合、クロストリジウム・オートエタノゲナムが、プロパン−1,2−ジオールを立体特異的に脱水して、プロパナールとアセトンとにすることが以前に立証されている。LZ156においては、プロパノールとアセトンは、プロパン−1−オールとプロパン−2−オールに還元される。アセトンは、二級アルコールデヒドロゲナーゼによって還元される。プロパン−1,2−ジオールが、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを有するClosTron変異体で接種された培地に添加される場合、生成されたアセトンは、プロパン−2−オールに還元されない。
プロパン−1,2−ジオールを、血清瓶内のPETC−MES培地に66mMまで添加した。この瓶を、ClosTron−不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼ(SecADH::ermB 287a)を有するクロストリジウム・オートエタノゲナムまたはLZ1561とインキュベート下。増殖の96時間後に、LZ1561は、16.0±1.6mMのプロパン−2−オールと、8.1±1.8mMのプロパン−1−オールを生成し、一方、不活性化sADH菌株は、5.7±1.5mMのアセトンと、6.0±1.8mMのプロパン−1−オールとを生成し、検出可能なプロパン−2−オールを生成しなかった。
実施例6
本実施例は、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子を有するクロストリジウム・オートエタノゲナムにおけるCOからのアセトンの生成を立証する。
本実施例は、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子を有するクロストリジウム・オートエタノゲナムにおけるCOからのアセトンの生成を立証する。
チオラーゼ、CoA−トランスフェラーゼ、及びアセトアセテートデカルボキシラーゼをコードする遺伝子を含むアセトンの合成のための遺伝子を有するプラスミドが設計され、クロストリジウム・オートエタノゲナム中に導入され、アセトンをほとんど含まずにイソプロパノールの生成をもたらした(国際公開2012/0252083号)。このようなプラスミドが、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを有するクロストリジウム・オートエタノゲナムのClosTron変異体中に導入された場合、イソプロパナールを含まずにアセトンが生成された。培養物を、25psiのCO/H2ガス上の嫌気性ジャーの内部の6ウェルプレート中で、ウェル当たり6mlの容量で培養した。増殖の4日後に、培養物は、平均で、0.95±0.01g/Lのアセトンと、5.64±0.11g/Lのエタノールと、3.58±1.3g/Lのアセテートとを生成した。37℃におけるアセトンの揮発性のために、2つの追加の6ウェルプレートで、アセトン生成細菌を含まない状態で、実験を繰り返した。アセトン生成培養物は、4日間で平均0.92±0.04g/Lのアセトンを生成した。さらに、バックグラウンドプレートは、平均で0.5±0.02g/Lのアセトンを生成し、これは、ガス相のアセトンを介して運ばれたものであった。アセトンの移動を考慮に入れた最終的に調整された生成は、1.9g/Lのアセトンであった。
アセトンの生成は、上述されたものと同一の菌株及び方法を用いての、バイオリアクターでの連続培養においても立証された。20日間の期間にわたって、0.2g/Lのアセトンがブロス中で絶えず観察された(図11の「アセトン合計」は、培地中のアセトン(HPLCにより観察)に、発酵槽を通過するガスによって培地から除去されることが計算されたアセトンを加えたものを指す)。バイオリアクターは、ブロス中およそ0.4g/Lの生産性を提供しながら、1.5の希釈倍率で運転されていた。ブロス中の濃度に加えて、流出ガスの冷却されたノックアウトポットで決定されたように、かなりの量の(ブロス中の濃度の30%を超える)アセトンが流出ガスによって揮散された。アセトンの揮発性及びガスがシステムを通過して流れることを考えれば、アセトンの揮散は、揮発性物質ほどではではないが、イソプロパノールに勝る利点をもたらす、理想的な、低コスト生成物分離を提供し、大部分は、例えば蒸留を通して、ブロスから抽出される必要がある。アセトンの揮散はまた、最終生成物の阻害を回避しながら、生成物合成のための駆動力も提供する。
実施例7
実施例7
本実施例は、MEKの2−ブタノールの還元の排除を立証する。
MEK(0、1、5、及び20g/L)を、(1)LZ1561及び(2)287a及び211s位に突然変異を伴う不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを有するClosTron変異体クロストリジウム・オートエタノゲナムの血清瓶培養物に供給した。LZ1561は、検出可能なMEK残留物がない状態で、1gと5gのMEKを、それぞれ0.94と4.34g/Lの2−ブタノールに完全に変換した。20g/LのMEKが供給された血清瓶中の2−ブタノールの最終濃度は、17.3g/LのMEKが残留している状態で、6.3g/Lの2−ブタノールであった。MEKの2−ブタノールへの変換は、ClosTron二級アルコールデヒドロゲナーゼ変異体のいずれにおいても観察されなかった(図9)。
211位で不活性化された二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子を不活性化することが、クロストリジウム・オートエタノゲナムのMEKを2−ブタノールに変換する能力を完全に排除することを確認するために、10g/LのMEKを、増殖している二級アルコールデヒドロゲナーゼ不活性化菌株を有するバイオリアクターに投入した。MEKの変換は観察されなかった(図7、図10)。
実施例8
本実施例は、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子を有するクロストリジウム・オートエタノゲナムにおける2−3−ブタンジオールからのMEKの生成を記述する。
本実施例は、不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子を有するクロストリジウム・オートエタノゲナムにおける2−3−ブタンジオールからのMEKの生成を記述する。
クロストリジウム・オートエタノゲナム中でクレブシエラ・オキシトカからのプロパンジオールデヒドラターゼ遺伝子を発現させることが、外来性メソ−2,3−ブタンジオールの2−ブタノンへの変換を可能にすることが立証されている。生成された2−ブタノンは、クロストリジウム・オートエタノゲナム中に存在する二級アルコールデヒドロゲナーゼによって、2−ブタノールに還元される。
不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを有するクロストリジウム・オートエタノゲナムのClosTron変異体を、確立された方法を用いて、クレブシエラ・オキシトカからのジオールデヒドラターゼを発現するpMTL83155−pddABCで形質転換する。得られた菌株を、外来性メソ−2,3−ブタンジオールの存在下、血清瓶中で独立栄養的に増殖させる。2−ブタノンに変換されたブタンジオールは、2−ブタノールに還元されない。
本明細書中で引用する刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての文献は、各文献が参照により組み込まれるものと個々に具体的に示され、またその内容の全てが本明細書で述べられているのと同じ程度、本明細書に参照により組み込まれる。本明細書における任意の先行技術に対する言及は、先行技術が、いずれかの国において力を入れている分野の技術常識の一部を形成することの承認ではなく、またそう解釈されるべきではない。
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる用語「a」ならびに「an」及び「the」または同様の指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数及び複数の両方に及ぶものと解釈される。用語「comprising、〜を備える」、「having、〜を有する」、「including、〜を含む」、及び「containing、〜を包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち、「〜を含むが、限定されない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の列挙は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書中で説明される全ての方法は、本明細書中で特に指摘したり、または明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例、または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をより良く説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、本発明の実施に不可欠である、請求項に記載されていない要素を示すものとは解釈されないものとする。
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読んだ上で、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを予期しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。したがって、本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の変更及び等価物を全て含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、全ての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
Claims (17)
- 二級アルコールデヒドロゲナーゼを欠如するか、または不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼを含む、組換え酢酸生成性のカルボキシド栄養性(carboxydotrophic)細菌。
- 前記細菌が、クロストリジウム属の構成員である、請求項1に記載の前記細菌。
- 前記細菌が、クロストリジウム・オートエタノゲナム(Clostridium autoethanogenum)、クロストリジウム・リュングダリイ(Clostridium ljungdahlii)、及びクロストリジウム・ラグスダレイ(Clostridium ragsdalei)からなる群から選択される細菌に由来する、請求項1に記載の前記細菌。
- 前記クロストリジウム・オートエタノゲナムが、DSMZ受託番号DSM23693として寄託されているクロストリジウム・オートエタノゲナムである、請求項3に記載の前記細菌。
- 前記不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼが、不活性化一級−二級アルコールデヒドロゲナーゼである、請求項1に記載の前記細菌。
- 前記不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼが、配列番号1のアミノ酸配列を含む二級アルコールデヒドロゲナーゼに由来する、請求項1に記載の前記細菌。
- 前記不活性化二級アルコールデヒドロゲナーゼが、不活性化突然変異を含む二級アルコールデヒドロゲナー遺伝子によってコードされる、請求項1に記載の前記細菌。
- 前記不活性化突然変異を含む前記二級アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子が、配列番号2または配列番号3の核酸配列に由来する、請求項7に記載の前記細菌。
- 前記不活性化突然変異が、挿入である、請求項7に記載の前記細菌。
- 前記細菌が、チオラーゼ、CoA−トランスフェラーゼ、及びアセトアセテートデカルボキシラーゼのうちの1つ以上をコードする外来性遺伝子をさらに含む、請求項1に記載の前記細菌。
- 前記細菌が、メソ−2,3−ブタンジオールをMEKに変換するプロパンジオールデヒドラターゼをコードする外来性遺伝子をさらに含む、請求項1に記載の前記細菌。
- 前記プロパンジオールデヒドラターゼが、クレブシエラ・オキシトカプロパンジオールデヒドラターゼである、請求項11に記載の前記細菌。
- 前記細菌が、アセトン及びMEKのうちの1つ以上を生成する、請求項1に記載の前記細菌。
- アセトンを生成する方法であって、請求項1に記載の前記細菌を培養し、これによって、前記細菌がアセトンを生成することを含む、前記方法。
- 前記培養物から前記アセトンを回収することをさらに含む、請求項14に記載の前記方法。
- MEKを生成する方法であって、請求項1に記載の前記細菌を培養し、これによって、前記細菌がMEKを生成することを含む、前記方法。
- 前記培養物から前記MEKを回収することをさらに含む、請求項16に記載の前記方法。
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