JP2016533796A - 光干渉断層撮影機能が組み込まれた手術用顕微鏡用のヘッドアップディスプレイ - Google Patents

光干渉断層撮影機能が組み込まれた手術用顕微鏡用のヘッドアップディスプレイ Download PDF

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Abstract

光干渉断層撮影(OCT)システムを含む手術用顕微鏡システムに関する発明であり、当該手術用顕微鏡システムは、対物レンズと、当該対物レンズに対して遠位にある観察対象を直接観察するための接眼レンズと、前記接眼レンズを介して見えるように少なくとも1つの接眼レンズのユーザに光学像を送るように構成されたヘッドアップディスプレイモジュールと、前記OCTシステムと前記ヘッドアップディスプレイモジュールと前記対物レンズとを結合する、前記手術用顕微鏡システムに接続された結合部品と、を含む。前記結合部品は、前記手術用顕微鏡システムの接眼レンズの方を向くように配置された第1面と、前記観察対象の方を向くように配置された第2面とを有する。結合部品は、当該結合部品の第1面にてヘッドアップ光学ディスプレイ信号を受け取り、前記ヘッドアップディスプレイモジュールの波長帯域の信号を反射するように構成されており、かつ、当該結合部品の第2面にて信号を受け取り、前記OCTシステムの波長帯域の信号を反射するように構成されている。

Description

優先権主張
本願は、米国仮出願第61/871,037号明細書(代理人整理番号第9526‐49PR号、出願日:2013年8月28日)に基づく優先権を主張するものであり、同文献の開示内容はすべて、引用により本願の開示内容に含まれるものとする。
政府支援の陳述
本発明の思想の一部は、国立健康研究所、国立眼科研究所による承認申請番号 R44EY018021-03の政府支援による資金を受けたものである。米国政府は、本発明の思想について一定の権利を保有する。
技術分野
本発明の思想は、手術用顕微鏡に関するものであり、具体的には、光干渉断層撮影法(OCT)を用いた眼科手術用顕微鏡に関するものである。
手術用顕微鏡は、外科医に対して術野のビューを拡大して提供するものである。眼科手術用顕微鏡は通常、外科医に対する両眼観察ポートを有する実体ズーム顕微鏡であり、しばしば、外科医に対して90°(左右)に1つまたは2つの観察ビューポートを有することが多い。顕微鏡の対物レンズと患者の眼の表面との間の作動距離は、約100mmから約200mmにまで及ぶことがある。この作動距離では、外科医が手作業を行うのに適した到達可能フィールドが実現されるが、このような作動距離では、患者の眼以内の視野が非常に限られてしまう場合がある。倍率を変更して外科医の視野を変更するために、たとえばオクルス・オプティークゲレート社(Oculus Optikgerat)の眼科用両眼倒像顕微鏡(BIOM)等の中間レンズを用いるのが、ごく一般的である。この中間レンズは顕微鏡ヘッドの下部構造に取り付けられ、焦点を調整するための機構を包含しており、顕微鏡の視野にレンズを出し入れするように旋回させるように構成されている。
他の照明装置またはイメージング装置を術野内にて用いることも可能である。理想的には、外科医、観察者、麻酔科医等の術野に影響を及ぼすことなく、照明光源およびイメージング光源全てを直接、手術用顕微鏡の光路に対して同軸に、かつ当該光路内に組み込まれる。また、術野に密接に関連するイメージングや他の付属物用のマウントであって、手術用顕微鏡の視覚的特性を損なうことなく、良好に機能する当該手術用顕微鏡に既に組み込まれている機械的操作部や属性を用いて操作しやすいマウントを実現することも望まれている。
関心が寄せられている特殊な事例の1つに、光干渉断層撮影(OCT)を手術用可視化現場に組み込む事例がある。OCTは、眼組織の微細構造の高解像度イメージングを実現し、治療結果を改善し得る情報を外科医に提供し、リスクを低減して作業し直しを少なくすることにより外科手術の全体的な経済的負担を低減する可能性が大きいものである。
以下、従来のフーリエドメインOCT(FDOCT)システムに関連する背景技術について一部の情報を提供すべく、当該システムについて説明する。まず図1Aを参照して、FDOCT網膜イメージングシステムのブロック図について説明する。図1Aに示されているように、当該システムは広帯域光源100と、参照アーム110と、サンプルアーム140とを含み、両アームはビームスプリッタ120によって互いに結合されている。このビームスプリッタ120はたとえば、光ファイバ結合器またはバルク光結合器またはマイクロ光結合器とすることができる。ビームスプリッタ120は、約50/50から約90/10までの分割比を提供することができる。図1Aにはさらに、ビームスプリッタ120が検出経路106を介して波長サンプリングまたは周波数サンプリング検出モジュール130にも結合されているのが示されている。前記検出経路106は、光ファイバによって実現することができる。
図1Aにも示されているように、光源100は光源路105によってビームスプリッタ120に結合されている。光源100はたとえば、連続波広帯域スーパールミネセンスダイオード、パルス広帯域光源、またはチューナブル光源とすることができる。参照アーム110は、参照アーム経路107を介してビームスプリッタ120に結合されている。サンプルアーム140も同様に、サンプルアーム経路108を介してビームスプリッタ120に結合されている。光源路105、参照アーム経路107およびサンプルアーム経路108はすべて、光ファイバにより実現するか、または、光ファイバと、自由空間と、バルク光学部品またはマイクロ光学部品とを組み合わせたものによって実現することができる。
図1Aに示されているように、FDOCT網膜イメージングシステムの参照アームは、コリメータアセンブリ180と、可変減衰器181と、ミラーアセンブリ182と、参照アーム可変経路長調整部183と、経路長マッチング位置150、すなわち観察対象の関心対象領域までの参照アーム経路長とサンプルアーム経路長との光路長マッチングとを含むことができ、前記可変減衰器181はニュートラルデンシティフィルタまたは可変口径を有することができる。サンプルアーム140は2軸走査アセンブリ190と、可変焦点191を有する対物レンズとを含むことができ、これも図中に示している。
図1Aに示された試料は、角膜195と、虹彩/瞳孔194と、水晶体193と、網膜196とを含む眼である。FDOCTイメージングウィンドウ170を表現したものを、網膜196近傍に示している。網膜イメージングシステムは、観察対象の後眼部構造を撮像するため、対物レンズに観察対象の眼の光学系を加えたもの、特に角膜195および接眼レンズ193を加えたものを利用する。また同図では、観察対象内における経路長マッチング位置197が所望位置になるように、焦点位置196と参照アーム可変経路長調整部183との配置調整によって観察対象内の関心領域170が選択されることも示されている。
ここで図1Bを参照して、FDOCT角膜(前眼部)イメージングシステムを示すブロック図について説明する。同図中に示しているように、図1Bのシステムは図1Aのシステムと非常に類似しているが、対物レンズの可変焦点を包含する必要はなく、図1Bでは当該可変焦点は示されていない。図1Bの前眼部イメージングシステムは、前眼部構造において合焦するために観察対象の光学系を用いることなく、当該前眼部構造を直接撮像する。
上記にて説明したように、眼科手術用顕微鏡は、外科医が手術を施している眼の複数の異なる領域の拡大ビューを当該外科医に提供することができるものである。しかし、光干渉断層撮影法(OCT)により実現される上述の高い解像度の深さ方向分解方式イメージングから恩恵を受け得る眼科手術上の処置は、数多く存在する。よって、OCTシステムを手術用顕微鏡に組み込むことによって可能性が拡大し、従来の立体視イメージングでは現在のところ実施できない処置も可能となる。
図1Cにて示されているように、眼には、要求するOCTイメージング特性がそれぞれ異なり得る複数の関心領域が存在する。たとえば図1Cを参照すると、領域1である角膜領域は、典型的には、比較的高解像度のOCTイメージングを要する。角膜構造全体を撮像できるようにするためには、非常に大きな焦点深度(DOF)が望ましい。このような角膜構造全体の撮像は、角膜移植手順の支援において望まれている。また、領域2の水晶体のイメージングも、嚢構造が高解像度でイメージングされると有利である。水晶体全体を1回で可視化するためには、DOFが大きくなければならない。それとは対照的に、領域3である網膜における構造は、その深さ範囲が限られており、非常に緻密である傾向がある。よって、網膜イメージングは典型的には非常に高い解像度を要するが、DOFは必ずしも大きい必要はない。
図1Dおよび1Eを参照して、OCTを組み込んだ既存の手術用顕微鏡について説明する。まず図1Dを参照すると、同様の符号については、図1Aおよび1Bに戻って参照されたい。しかし図1Dには、サンプルアーム経路108に実体ズーム顕微鏡160が組み込まれているのが示されている。同図中においてこの手術用顕微鏡160は、外科医が試料199を見るための2つの接眼レンズ(両眼観察ポート)162を有する。図1Dの手術用顕微鏡160はビームスプリッタ161と、対物レンズ163とを有する。前記ビームスプリッタ161はダイクロイックフィルタとすることができ、対物レンズ163はダイクロイックフィルタ161の下方に配置される。同図中にはさらに、サンプルアーム経路108がコリメータ165に結合されているのが示されており、このコリメータ165は、光ファイバおよびガルバノ対190から出射するビームを成形し、ガルバノ対190は当該ビームの方向を、接眼経路162と主対物レンズ163との間の顕微鏡の無限空間内に挿入されたダイクロイックフィルタ161に向ける。前記ビームはダイクロイックフィルタ161にて反射し、対物レンズ163を介して、たとえば観察対象の眼または他の入射可能な領域等とし得る試料199の像を結像する。図1Dに示された顕微鏡160は固定手術用顕微鏡である。すなわち、焦点距離を動的に調整することはできず、光学部品の交換(新たな主対物レンズ163の取付)によって、または、顕微鏡160と観察対象199との間の作動距離を変化させることによってしか、焦点の変化を行うことができない。
ここで図1Eを参照して、OCTを組み込んだ手術用顕微鏡の他の構成について説明する。図1Eに示された手術用顕微鏡は、米国特許第8366271号明細書(特許権者:Izatt et al.)に記載されたものである。同刊行物の開示内容は全て、引用により本願の記載内容に含まれているものとする。図1Eに示しているように、図1Eの手術用顕微鏡システムは、当該手術用顕微鏡163のガルバノ対190とダイクロイックフィルタ161との間にテレスコープレンズアセンブリセット167が設けられている点を除いて、図1Dのシステムと同様の構成である。よって、図1Eのシステムでは、ビームはガルバノ素子190を通過してテレスコープレンズセット167内に入射し、その後、ダイクロイックフィルタ161を通って対物レンズ163を経由することにより、試料199の像を結像する。テレスコープレンズセット167が存在することにより、システムの開口数を最大限にするようにビーム成形を実現することができ、また、当該システムにより生成される像の横方向解像度を改善できる可能性を潜在的に有するが、図1Eに示したシステムによって実現される、走査ビームの特性の変化または制御のフレキシビリティは、制限されている。手術用顕微鏡は、均一な照明と正確な色温度とで、観察対象についての明瞭な光学観察を実現するように調整されている。実体顕微鏡は、外科医に立体感覚や表面構造の感覚を与えるために視差度を実現するものである。場合によっては、表面構造を強調するために染色剤が用いられる。視覚的明瞭性を改善するため、手術用顕微鏡内に高精細ビデオが提供されている。現在、奥行感覚を向上させるため、娯楽産業から派生した表面構造3Dビデオ技術、たとえば偏光ダイバーシティ立体視技術等が追加される。
このような手術用実体顕微鏡は、表面可視化に制限される。光干渉断層撮影(OCT)は、光学的に透明な表面の下を撮像できる、良好に確立された技術である。高解像度のOCTは、手術用の高精細3次元立体顕微鏡の表面ビューの他に更に、表面下部構造を観察するための機能を実現するものである。光干渉断層撮影法は網膜診断における診断の標準であり、角膜イメージングや角膜計測においても一部使用されている。術中イメージングでは、OCTは未だ使用され始めたばかりである。医療機器指令に従いCEマークが付された手持ち形の眼科OCTシステム(販売元:バイオプティゲン社)は、麻酔下で患者のイメージングを行うためにFDA認可されている。この装置は、網膜手術や角膜移植手術を含めた眼科手術中に構造イメージングのための手持ち形構成や組付型構成で使用されており、外科医の顕微鏡可視化を補助している。
網膜手術や角膜手術中にOCTイメージングを行うことによって得られた初期の結果により、手術上の処置が、伝統的な顕微鏡の結像光学系では見えなかった組織に直接的または間接的に影響を与えていたことが分かった。よって、ヘッドアップディスプレイを用いて、光干渉断層撮影法の深さ方向分解能と、伝統的な顕微鏡表面像と同時に、手術上の処置を可視化することが望まれている。
発明の概要
本発明の一部の実施形態は、光干渉断層撮影(OCT)システムを含む手術用顕微鏡システムに関するものであり、当該手術用顕微鏡システムは、対物レンズと、当該対物レンズに対して遠位にある観察対象を直接観察するための接眼レンズと、前記接眼レンズを介して見えるように少なくとも1つの接眼レンズのユーザに光学像を送るように構成されたヘッドアップディスプレイモジュールと、前記OCTシステムと前記ヘッドアップディスプレイモジュールと前記対物レンズとを結合する、前記手術用顕微鏡システムに接続された結合部品と、を含む。前記結合部品は、前記手術用顕微鏡システムの接眼レンズの方を向くように配置された第1面と、前記観察対象の方を向くように配置された第2面とを有する。結合部品は、当該結合部品の第1面にてヘッドアップ光学ディスプレイ信号を受け取り、前記ヘッドアップディスプレイモジュールの波長帯域の信号を反射するように構成されており、かつ、当該結合部品の第2面にて信号を受け取り、前記OCTシステムの波長帯域の信号を反射するように構成されている。
他の複数の実施形態では、前記結合部品はさらに、当該結合部品の第1面にてヘッドアップディスプレイ信号を前記顕微鏡に入力し、ユーザが前記接眼レンズの少なくとも1つを介して観察するために前記手術用顕微鏡の当該少なくとも1つの接眼レンズに向けて前記ヘッドアップディスプレイを投影するように構成されており、かつ、当該結合部品の第2面にてOCT結像ビームを前記顕微鏡に入力し、当該OCTビームを前記観察対象へ送るように構成されている。
さらに他の複数の実施形態では、前記結合部品をダイクロイックビームスプリッタとすることができる。
一部の実施形態では、前記結合部品の第1面は、ヘッドアップディスプレイの波長帯域では反射性であり、前記顕微鏡の観察帯域では透過性であり、当該結合部品の第2面は、前記OCTシステムの波長帯域では反射性であり、前記顕微鏡の観察帯域では透過性となるようにすることができる。
他の複数の実施形態では、前記結合部品の第1面は、500nm未満の波長領域内の紫色または青色スペクトルでは反射性であり、少なくとも約500nmから約650nmまでの領域では透過性であり、かつ当該結合部品の第2面は、650nmを上回る波長領域内の赤外線スペクトルでは反射性であり、少なくとも約500nmから約650nmまでの領域内では透過性となるようにすることができる。
さらに他の実施形態では、前記第1面は、約450nmから約750nmまでの領域では透過性であり、前記第2面は、約450nmから約750nmまでの領域内では透過性となるようにすることができる。
一部の実施形態では、前記結合部品の第1面は前記顕微鏡の観察帯域内にある約50nm以下の帯域幅の反射ノッチを含むことができる。
本発明の他の複数の実施形態では、前記ノッチは約510nmから520nmまでの間に中心を有することができる。特定の実施形態では、前記ノッチは約514nmに中心を有することができる。
さらに他の実施形態では、前記ヘッドアップディスプレイは、顕微鏡のユーザが顕微鏡の接眼レンズを介して観察している観察対象の観察像に対して横方向に記録されたOCT像を含むことができる。
一部の実施形態では、前記ヘッドアップディスプレイにて提示されるOCT像は、顕微鏡の倍率が変化したとき、ユーザが接眼レンズを介して観察している観察対象の観察像と一致する視野(FOV)を有することができる。
他の複数の実施形態では、前記ヘッドアップディスプレイにて提示されるOCT像は、前記顕微鏡の倍率が変化しても一定の視野(FOV)を提示することができる。
本発明の更に他の実施形態は、対応する結合部品に関するものである。
OCT網膜(後眼部)イメージングシステムの一例を示すブロック図である。 光干渉断層撮影(OCT)角膜(前眼部)イメージングシステムの一例を示すブロック図である。 眼の複数の関心領域を示す図である。 手術用顕微鏡の一例を示すブロック図である。 テレスコープ型レンズセットを含む手術用顕微鏡の一例を示すブロック図である。 本発明の一部の実施形態の手術用顕微鏡のブロック図である。 本発明の一部の実施形態の手術用顕微鏡のブロック図である。 本発明の一部の実施形態にて使用される、図2Bに示された修正された網膜レンズの細部図である。 本発明の一部の実施形態のOCT中心チャネル手術用顕微鏡のブロック図である。 本発明の一部の実施形態のOCT中心チャネル手術用顕微鏡のブロック図である。 図4A〜4Bに示されたOCT中心チャネル手術用顕微鏡のOCT部の詳細なブロック図である。 図5Aは、本発明の一部の実施形態のOCTシステムインタフェースの側面図であり、図5Bは、当該OCTシステムインタフェースの正面図であり、図5Cは、OCTシステムインタフェースの斜視図である。 本発明の一部の実施形態の手術用顕微鏡と統合されたOCTシステムの種々のビューを示す図である。 本発明の一部の実施形態のOCT組込型手術用顕微鏡のブロック図である。 本発明の一部の実施形態の手術用顕微鏡と統合されたOCTシステムのブロック図である。 本発明の一部の実施形態の手術用顕微鏡と統合するのに適したOCTシステムのブロック図である。 本発明の複数の実施形態の手術用イメージングのためのOCT光路を示す図である。 本発明の一部の実施形態の手術用顕微鏡の光路に組み込まれたOCTシステムの配置を示す概略図である。 本発明の一部の実施形態のコリメータおよび入力ビームズーム(IBZ)系を示す図である。 本発明の一部の実施形態の、前記IBZによって切り替わる焦点領域と変化する開口数(NA)とを示す図である。 本発明の一部の実施形態のテレセントリックリレー系を示すブロック図である。 本発明の一部の実施形態のリレービームエキスパンダ(RBE)系を示す図である。 本発明の一部の実施形態のOCT手術用顕微鏡の高性能対物レンズを示す図である。 本発明の一部の実施形態のテレセントリック光学的性能を示す一連のグラフおよび線図である。 本発明の一部の実施形態のテレセントリック光学的性能を示す一連のグラフおよび線図である。 本発明の一部の実施形態の、150mm対物レンズによって焦点がシフトしたときの光学的性能を示す一連のグラフである。 本発明の一部の実施形態の、160mm対物レンズによって焦点がシフトしたときの光学的性能を示す一連のグラフである。 本発明の一部の実施形態の、175mm対物レンズによって焦点がシフトしたときの光学的性能を示す一連のグラフである。 従来の手術用網膜イメージング構成を示すブロック図である。 本発明の一部の実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明の一部の実施形態の広幅のFOVを有するOCT組込型手術用顕微鏡用の手術用網膜レンズアセンブリを示す図である。 本発明の一部の実施形態の、図19Aの手術用網膜レンズの光学的性能を示す一連のグラフおよび線図である。 本発明の一部の実施形態の広幅のFOVを有するOCT組込型手術用顕微鏡用の手術用レンズアセンブリ用のレンズ系を示す図である。 本発明の一部の実施形態の、図20Bの手術用レンズアセンブリの光学的性能の概要を示す図である。 本発明の一部の実施形態の狭幅のFOVを有するOCT組込型手術用顕微鏡用の手術用レンズアセンブリ用のレンズ系を示す図である。 本発明の一部の実施形態の、図21Aの手術用レンズアセンブリの光学的性能の概要を示す図である。 本発明の一部の実施形態の狭幅のFOVを有する手術用レンズアセンブリ用のレンズ系を示す図である。 本発明の一部の実施形態の、図22Aの手術用レンズアセンブリの光学的性能の概要を示す図である。 本発明の一部の実施形態の中程度の範囲のFOVを有する手術用レンズアセンブリ用のレンズ系を示す図である。 本発明の一部の実施形態の、図23Aの手術用レンズアセンブリの光学的性能の概要を示す図である。 本発明の一部の実施形態のOCTテレセントリック性条件を示す図である。 本発明の一部の実施形態の手術用実体顕微鏡のアフォーカルリレーズームレンズの条件を示す図である。 本発明の一部の実施形態のOCT中心チャネルOCT組込型手術用実体顕微鏡の状態を示す図である。 本発明の一部の実施形態の綴じ込まれた光路OCT中心チャネルOCT組込型手術用実体顕微鏡の状態を示す図である。 本発明の一部の実施形態のOCT組込型手術用顕微鏡を用いたイメージング方法のフローチャートである。 本発明の一部の実施形態の、手術上の処置を行いながらOCT組込型手術用顕微鏡を用いてイメージングする方法のフローチャートである。 本発明の一部の実施形態の、スペクトルサンプリング間隔を選択することにより行われる像被写界深度の調整の一連の線図である。 本発明の一部の実施形態のOCT組込型顕微鏡の光学的配置図である。 本発明の一部の実施形態のヘッドアップディスプレイ(HUD)を含む手術用顕微鏡システムのブロック図である。 本発明の一部の実施形態のヘッドアップディスプレイ(HUD)を含む手術用顕微鏡システムのブロック図である。 本発明の一部の実施形態の、反射率(任意単位)に対する波長(nm)を示すグラフである。 本発明の一部の実施形態の、反射率(任意単位)に対する波長(nm)を示すグラフである。
詳細な説明
以下、本発明の実施形態を示す添付図面を参照して、本発明の思想をより完全に説明する。しかし本発明は、他の択一的な態様で実施することも可能であり、ここで記載した実施形態に限定されると解してはならない。
よって、本発明の思想については種々の変更を施すことができ、また他の択一的な態様で実施することも可能であるが、図面中には一例として本発明の特定の実施形態を示しており、以下、この特定の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明を、ここで開示した特定の態様に限定する意図は無く、逆に本発明は、特許請求の範囲によって特定された本発明の思想および範囲に包含されるすべての変更、等価的態様および他の択一的態様を包含すると解すべきである。符号が同様である場合には、これが示す構成要素は図面に係る記載全体において同様の構成要素である。
ここで使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定することを意図したものではない。ここで使用されている単数形の「1つ(a, an)」および「前記1つ(the)」等は、複数形も含むことを意図したものである。ただし、文脈から別の意味を示すことが明らかである場合にはこの限りでない。さらに、「含む」、「有する」および/または「包含する」(“comprises”、“comprising”、“includes”、“including”)との用語が本願明細書中にて使用される場合には、記載の構成、完成品、ステップ、動作、構成要素および/または構成部品の存在を特定するものであり、更に1つまたは複数の当該構成、完成品、ステップ、動作、構成要素、構成部品および/またはこれらの群が存在または追加することを除外するものではないと解される。さらに、構成要素が他の構成要素に「応答する」または「接続されている」との記載がある場合には、当該構成要素は当該他の構成要素に直接応答すること若しくは直接接続することができ、または他の構成要素を介在させることも可能である。逆に、構成要素が他の構成要素に「直接応答する」若しくは「直接接続されている」との記載がある場合には、介挿される構成要素は存在しない。ここで使用されている「および/または」との用語は、列挙された被結合項目のうちいずれか1つ、または、複数の項目の如何なる組み合わせも全て含むものであり、「/」に省略される場合がある。
特記が無い場合、ここで使用される用語(技術用語および科学用語を含む)はすべて、本発明が属する分野の通常の知識を有する者が通常解する意味と同一の意味を有する。さらに、ここで使用されている用語の意味は、本願明細書の前後の文脈と関連分野とにおける当該用語の意味と一致し、観念的または過度に形式的な意味で明示的に定義されていない場合には、そのような意味で解釈されるべきものではないと解される。
複数の構成要素を記載するために「第1」、「第2」等の用語を用いる場合があるが、当該構成要素はこれらの用語によって限定されるべきではないと解される。これらの用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためだけに用いられるものである。たとえば、本願発明の思想から逸脱することなく、第1構成要素を第2構成要素と称することが可能であり、また、第2構成要素を第1構成要素と称することが可能である。図の一部は、通信の主な方向を示すために通信経路に矢印を付しているが、通信は、図示の矢印とは逆方向に行い得ると解すべきである。
本願にて記載した実施例の多くは試料を眼としており、特に眼の網膜、角膜、前眼部および水晶体としているが、本発明の実施形態はこれらの試料に限定されることはなく、本願にて記載した実施形態と共に用いることができるものであれば、如何なる種類の試料も、本発明の範囲を逸脱することなく使用することができる。
上記にて説明したように、眼科手術用顕微鏡は、外科医が手術を施している眼の複数の異なる領域の拡大ビューを当該外科医に提供することができるものであるが、光干渉断層撮影法(OCT)により実現される上述の高い解像度の深さイメージングから恩恵を受け得る眼科手術上の処置は、数多く存在する。よって、OCTシステムを手術用顕微鏡に組み込むことによって可能性が拡大し、従来の立体視イメージングだけでは現在のところ実施できない処置も可能となる。OCTを組み込んだ従来の手術用顕微鏡が一般的に提供するイメージングは、試料の関心領域に合わせて適応調整できない固定イメージングである。一例として眼をとりあげると、従来のシステムは典型的には、角膜領域の撮像と、前眼房および水晶体の撮像と、網膜の構造の撮像とで異なる撮像要求に合わせて調整することができない。
このような複数の異なる関心領域に応じて撮像特性を調整するように調整可能なOCT手術用顕微鏡システムが理想である。理想とされるOCT手術用顕微鏡は、以下の属性セットを有する:
観察対象の表面構造を正確に表現するため、真正にテレセントリックのスキャンであること
焦点深度にわたる照度分布を制御するため、かつ、焦点位置における横方向解像度を制御できるようにするため、開口数が可変であること
可視顕微鏡の接眼レンズ焦点に対して相対的なOCT焦点位置を独立して制御できるようにするため、可変焦点であること
生理的病変部をOCTの被写界深度以内に維持するため、かつ、走査野の視覚的ひずみを回避するため、走査光路長が最大限に一定に保持される、広幅の視野
手術上の複数の異なる処置に応じて外科医に対し多目的性を提供するため、顕微鏡の広幅の範囲の主対物レンズを遠近調節するために調整可能であること。
さらに、外科医が慣れ親しんでいる顕微鏡の物理的作動距離の如何なる変更も最小限にすることが望ましい。この作動距離には、主対物レンズと観察対象との間の距離、および、顕微鏡の接眼レンズと観察対象との間の距離が含まれる。
既存のシステムは、上述の所望の属性セット全てに対応している訳ではない。OCT走査の標準的な構成は、2つの直交する走査ミラーを近接して配置したものである。このような条件では、テレセントリック性は1軸上でしか最大限にすることができない。中には、第1ミラーを第2ミラー上に投影するシステムもあるが、これは必ずしも、テレセントリック性を実現するのに十分な条件であるとは限らない。本発明の1つの対象は、広幅の視野全体にわたってテレセントリック走査系を実現することである。本発明の1つの実施形態では前記システムは、400mmの面積における平坦度が5μm未満であるフィールドに結像する(20mmの)。
Izatt または他の関連技術において提案されているテレスコープ式ビーム拡開は、焦点位置および開口数を変えるのに有効であるが、これらのパラメータは連携している。かかる構成では、焦点位置と開口数とを独立して制御することができない。本発明の1つの対象は、走査OCTビームの焦点位置と、当該ビームの開口数とを、独立して制御できるようにすることである。本発明の1つの実施形態では、ビームウェストが約9μmと25μmとの間で可変であるように、開口数を制御することができる。さらにこの実施形態では、高開口数の条件下では焦点位置の調整幅を1.5mmより大きくすることができ(ビームウェストは狭幅)、低開口数の条件下では焦点位置の調整幅を15mmより大きくすることができ(ビームウェストは広幅)、かつ、焦点と開口数とを独立して制御することができる。
BIOMまたは関連の手術用網膜レンズを介して行われるOCTイメージングでは、視野全体にわたる走査OCTビームの光路長のばらつきが大きいので、網膜がきつく湾曲しているように見え、50°を超える視野の場合、網膜の中心と周縁との間の光路長差が4mmを上回り得る。かかる場合、網膜の周縁部分はOCT像では見えない。本発明の1つの対象は、より広幅の視野全体にわたってOCT像の光路長を均等化するように修正された手術用網膜レンズを実現することである。本発明の一実施形態では、網膜の100°の視野全体におけるOCT走査の光路長差は、約2mm未満である。
OCT手術用顕微鏡の先行技術では、その設計は、手術用顕微鏡用に1つの固定の主対物レンズを設けることを想定しており、外科医が複数の異なる処置に対応するのに適するように、主対物レンズの範囲に合わせてOCTシステムを調整するために遠近調節を行うことは、想定されていなかった。本発明は、OCTシステムの参照アームが主対物レンズの範囲を遠近調節することも対象とする。本発明の1つの実施形態ではOCTシステムは、主対物レンズを150mmから200mmまでの間の焦点距離範囲で適応調整する。本実施形態はさらに、より広幅もしくは狭幅の範囲の遠近調節、または、より短距離もしくは長距離の作動距離を中心とする範囲の遠近調節を行う付加的な実施形態と共に実施される。
OCT手術用顕微鏡の先行技術では、OCTビームを手術用イメージング光路内に入射させるため、ダイクロイックミラーが45°で注入されている。かかる構成では、接眼レンズと観察対象との間の光路長は、主対物レンズの有効口径に対して既知の比例関係で増大する。本発明は、主対物レンズの使用可能な口径に影響を及ぼすことなく、作動距離の上述の増大を最低限に抑えることを対象とする。本発明の1つの実施形態では、前記ダイクロイックミラーは45°とは異なる角度に設定される。これにより、作動距離に及ぼす影響が低減する。本発明の他の1つの実施形態では、作動距離に及ぼされる影響を更に低減すべく修正された主対物レンズを導入する。本発明の更に他の1つの実施形態では、作動距離に及ぼす影響が更に小さいOCT中心チャネル構成を導入する。
最後に、外科医が調整しやすくかつ手を伸ばしやすくするため、眼科手術用顕微鏡は典型的には関節アームの端部に取り付けられているので、OCT手術用顕微鏡の性能に影響が及ばないようにするため、当該OCT手術用顕微鏡システムは典型的には非常にコンパクトかつ軽量である。
よって本発明の複数の実施形態では、以下図2Aから図31までを参照して詳細に説明するように、試料の複数の異なる領域に合わせて適応調整できるOCT手術用顕微鏡を提供する。
まず図2Aを参照して、本発明の一部の実施形態のOCT手術用顕微鏡のブロック図を説明する。図2Aに示されているように、当該システムは広帯域光源200と、参照アーム210と、サンプルアーム240とを含み、両アームはビームスプリッタ220によって互いに結合されている。このビームスプリッタ220はたとえば、光ファイバ結合器またはバルク光結合器またはマイクロ光結合器とすることができる。ビームスプリッタ220は、約50/50から約90/10までの分割比を提供することができる。図2Aにはさらに、ビームスプリッタ220が検出経路206を介して波長サンプリングまたは周波数サンプリング検出モジュール230にも結合されているのが示されている。前記検出経路206は、光ファイバによって実現することができる。
図2Aにも示されているように、光源200は光源路205によってビームスプリッタ220に結合されている。光源200はたとえば、スーパールミネセンス発光ダイオード(SLED)またはチューナブル光源とすることができる。参照アーム210は、参照アーム経路207を介してビームスプリッタ220に結合されている。サンプルアーム240も同様に、サンプルアーム経路208を介してビームスプリッタ220に結合されている。光源路205、参照アーム経路207およびサンプルアーム経路208はいずれも、光ファイバにより実現することができる。
図2Aには更に、外科医が試料299を見るための2つの接眼レンズ(両眼観察ポート)262を手術用顕微鏡255が有するのが示されている。図2Aの手術用顕微鏡255は、本願にて記載している実施形態の修正されたダイクロイックフィルタ256と、最適化された対物レンズ259とを含む。対物レンズ259は、図2Aに示されているように、ダイクロイックフィルタ259の下方に配置されている。手術用実体顕微鏡の従来の対物レンズは、可視スペクトルにて性能を発揮する構成となっている。OCTは赤外線スペクトルを使用する。よって、本願にて説明する実施形態の対物レンズ259は、OCTを使用してイメージングを行えるようにするため、かつ、OCTを用いて手術用顕微鏡により生成される像を改善するため、対物レンズの波長範囲を拡大するように修正されたものである。さらに、本願にて説明する実施形態の対物レンズ259は、従来のレンズより薄くすることができ、これにより作動距離を低減することができる。以下、本発明の実施形態の対物レンズ259の詳細を説明する。
再び図2Aを参照すると、サンプルアーム経路208が入力ビームズーム部(IBZ)250と、テレセントリック走査アセンブリ251と、ビームエキスパンダ252と、オプションの後側焦点距離調整部254とに結合されていることも示されており、これにより、手術用顕微鏡に組み込まれた前記修正されたダイクロイックフィルタ256へビームが供給される。このビームはダイクロイックフィルタ256を通過して対物レンズ259に入射することにより、一部の実施形態では眼である試料299の像を結像する。
前記入力ビームズーム部(IBZ)250は、入力ビーム形状の制御のために設けられている。以下、本願にて説明する種々の実施形態のIBZの詳細を説明する。しかしIBZについては、一般譲渡された米国特許出願第13/705,867号(出願日:2012年12月5日)に詳細な記載がある。同文献の記載内容はすべて、引用により本願の開示内容に含まれるものとする。
テレセントリック走査アセンブリ262は、システムのテレセントリック性を制御するものである。たとえば一部の実施形態のテレセントリック走査アセンブリ262は、テレセントリックガルバノリレーレンズ(GRL)対を含むこと、すなわち、第1GRL半部(GRLH)および第2GRLHを含むことができる。各GRLHはそれぞれ、修正されたウィルド(Wild)接眼レンズとして構成することができる。しかし、テレセントリック走査アセンブリ262については、一般譲渡された米国特許出願第13/705,867号(出願日:2012年12月5日)に詳細な記載がある。同文献の記載内容はすべて、引用により本願の開示内容に含まれることとする。
ビームエキスパンダ254(リレービームエキスパンダ(RBE))はアフォーカルRBE系である。これについては、以下詳細に説明する。対物レンズ後側焦点距離調整部254は、主対物レンズの範囲について調整するためのものである。よって、本発明の複数の実施形態では、焦点距離の変化に合わせて適応調整できる対物レンズを備えたOCTシステムが実現される。換言すると典型的には、前側における焦点距離を調整する場合、後側において補償を行う必要は無い。つまり、後側焦点距離調整を行う必要は無い。
図2Aでは、RBE252と対物レンズ後側焦点距離調整部254とを別体のモジュールとして示しているが、本発明の実施形態はこの構成に限定されることはない。たとえば、本発明の範囲を逸脱することなく、これら2つのモジュール252および254を組み合わせることができる。また、図2Aの複数のモジュールをそれぞれ別個のブロックとして示しているが、本発明の思想を逸脱することなく、これらのブロックを組み合わせたり、または複数のブロックに分割することが可能である。図2Aに示されたOCTシステムは、手術用顕微鏡が直接接近可能かつ観察可能である、観察対象の眼の前眼部または他の構造のテレセントリック結像を行うために最適化されたシステムである。
本発明の一部の実施形態の手術用顕微鏡は「無限空間」を有する。これは、立体ビームが集束する前の最終対物レンズより上方の空間である。たとえば図2Aでは、ダイクロイックフィルタ256はこの「無限空間」内に入れられている。スペクトルまたは偏光が異なる1つまたは複数のフィルタを設けたこの空間は、手術用顕微鏡システムに追加的な付属品を結合するのに使用することができる。付属品はたとえば、ビデオカメラ、波面解析システム、オートレフラクタ、走査レーザ検眼鏡および/またはレーザを含むことができるが、これらに限定されない。一部の事例では、前記結合部品を無限空間内に配置するが、OCT信号経路上の他の場所に結合部品が存在することも可能である事例もある。以下、これらの実施形態について詳細に説明する。
ここでは図2Bを参照して、本発明の一部の実施形態のOCT手術用顕微鏡のブロック図を説明する。図2B中、図2Aと同様の符号は、同様の構成要素を示しているので、かかる構成要素の詳細については、簡略化のため繰り返し説明することは割愛する。上記にて説明したように、倍率を変更して外科医の視野を変更するために、たとえばオクルス・オプティークゲレート社(Oculus Optikgerat)の眼科用倒像両眼顕微鏡(BIOM)等の中間レンズを用いるのが、ごく一般的である。この中間レンズは顕微鏡ヘッドの下部構造に取り付けられ、焦点を調整するための機構を包含しており、顕微鏡の視野にレンズを出し入れするように旋回させるように構成されている。BIOMは、眼の前眼部構造の観察と後眼部構造の観察との間で顕微鏡を切り替えるための網膜イメージングレンズである。しかし、このBIOM網膜レンズは、OCTと併用できるようには最適化されていないので、OCT手術用顕微鏡と併用するために改善された網膜レンズが必要となる。
図2Bにて示しているように、本発明の一部の実施形態の網膜レンズ258(手術用網膜レンズアセンブリ)は、対物レンズ259の下方に配置されている。網膜レンズ258は、OCTと共に最適に使用するために、本願にて記載されている実施形態により修正されており、これに応じて調整するように構成されている。図3に、網膜レンズ(手術用網膜レンズアセンブリ)がコンデンサ340と、修正された網膜レンズ342とを含むのが示されている。網膜レンズ342は、焦点を網膜に向かって移動させるためのものである。以下、複数の異なる視野(FOV)を有する修正されたこの手術用網膜レンズについての詳細を説明する。
外科医が顕微鏡の対物レンズと試料/患者との間で処置を行うために十分なスペースを実現できるようにするためには、手術用顕微鏡を可能な限りコンパクトにすべきであることは明らかである。換言すると、外科医の手が処置を快適に行えるように、患者と顕微鏡との間に妥当な作業距離を設ける必要がある。よって本発明の一部の実施形態では、OCT手術用顕微鏡のOCT部とダイクロイックフィルタとを、当該OCT手術用顕微鏡の中心チャネル自体に設ける。以下、図4Aから図4Cまでを参照して当該構成について説明する。
まず図4Aを参照して、本発明の一部の実施形態の中心チャネル手術用顕微鏡のブロック図を説明する。図4Aに示されているように、当該システムは広帯域光源400と、参照アーム410と、OCT手術用顕微鏡453の中心チャネルに組み込まれたサンプルアームとを含む。前記広帯域光源400と、参照アーム410と、OCT手術用顕微鏡453とは、ビームスプリッタ420によって互いに結合されている。このビームスプリッタ420はたとえば、光ファイバ結合器またはバルク光結合器またはマイクロ光結合器とすることができる。ビームスプリッタ420は、約50/50から約90/10の分割比を実現することができ、これによって一般的には、試料から後方散乱した光が優先的に検出光路に入射する。図4Aにはさらに、ビームスプリッタ420が検出経路406を介して波長サンプリングまたは周波数サンプリング検出モジュール430にも結合されているのが示されている。検出経路406は光ファイバによって実現することができる。
図4Aにも示されているように、光源400は光源路405によってビームスプリッタ420に結合されている。光源400はたとえば、SLEDまたはチューナブル光源とすることができる。参照アーム410は、参照アーム経路407を介してビームスプリッタ420に結合されている。手術用顕微鏡453も同様に、サンプルアーム経路408を介してビームスプリッタ420に結合されている。光源路405、参照アーム経路407およびサンプルアーム経路408はいずれも、光ファイバにより実現することができる。
図4Aには更に、外科医が試料499を見るための2つの接眼レンズ(両眼観察ポート)462を手術用顕微鏡453が有するのが示されている。図4Aの手術用顕微鏡453は、ダイクロイックフィルタ(図示されていない)と、本願にて記載した複数の実施形態の最適化された対物レンズ459とを含むことができるが、必須ではない。このダイクロイック部品を用いる場合、これにより、接眼経路により占有される有効口径を一部共用できるように、OCTを光路内に綴じ込むことができる。本発明の一部の実施形態では、OCT中心チャネルは主対物レンズの中心フィールドを占める。前記ダイクロイック部品を用いて、追加的な付属部品を結合することも可能である。
ダイクロイック部品を使用しない本発明の一部の実施形態では、OCT中心チャネルは主対物レンズの中心フィールドを占め、接眼チャネルは当該主対物レンズ開口の周縁部分を占める。
図4Aに示された本発明の実施形態では、OCT光学系またはそのサブセット4445は、手術用顕微鏡453の中心チャネルに組み込まれている。OCTサンプルアーム445は手術用顕微鏡453の中心チャネルに配置されている。対物レンズ259はOCT部445の下方に配置されている。
ここで図4Bを参照して、本発明の一部の実施形態の中心チャネル手術用顕微鏡のブロック図を説明する。図4B中、図4Aと同様の符号は、同様の構成要素を示しているので、かかる構成要素の詳細については、簡略化のため繰り返し説明することは割愛する。図4Bにて示しているように、本発明の一部の実施形態の網膜レンズ458(手術用網膜レンズアセンブリ)は、対物レンズ459の下方に配置されている。本願にて記載されている実施形態の網膜レンズ458は、OCTと共に使用するために最適化されており、これに応じて調整するように構成されている。上記にて説明した図3にて示されているように、網膜レンズ(手術用網膜レンズアセンブリ)はコンデンサ340と、網膜レンズ342とを含み、これは、網膜の視野全体におけるOCT走査ビームの光路長差を縮小するように修正したものとすることができる。以下、複数の異なるFOVを有するこの手術用網膜レンズアセンブリについての詳細を説明する。
ここで図4Cを参照して、図4A〜4Bに示した中心チャネル手術用顕微鏡のOCT部の詳細なブロック図について説明する。図4Cに示されているようにOCT部445は、上記にて図2Aを参照して説明したように、IBZ450’と、テレセントリック走査アセンブリ451’と、ビームエキスパンダ452’と、オプションの後側焦点距離調整部454’とを含む。ビームは対物レンズ459を通過し、後続の任意の付属レンズ458を通過して試料499の像を結像する。この試料は、一部の実施形態では眼とすることができる。
図5Aから図5Cまでは、本発明の一部の実施形態のOCTシステムインタフェースの側面図、正面図および斜視図である。この代表的な実施形態では、OCTシステムは、顕微鏡の主対物レンズ上方にダイクロイックフィルタを追加した、当該顕微鏡の「無限空間」内に結合されている。本発明の1つの実施形態では、ダイクロイックフィルタは顕微鏡観察光路に対して45°を超える角度で配置されている。このような配置では、対物レンズと試料との間の光路に対するOCT入力の角度は、図5Bにて示されているように90°未満となる。ダイクロイックフィルタによって占有される垂直方向のスペースが、外科医のための作業距離への最小追加量を設定する。この垂直方向の所要最低スペースは、主対物レンズの有効口径をダイクロイック部品の角度のタンジェントによって除算したものに等しい。45°において、前記垂直方向所要最小スペースは対物レンズの有効口径に等しくなり、OCTビームは90°で結合空間内に入射する。角度が50°まで増大すると、垂直方向所要スペースは対物レンズの有効口径の84%まで減少し、OCTビームは垂直軸に対して80°の角度で、または水平方向に対して10°の角度で前記結合空間内に入射する。
ダイクロイック部品が45°構成である場合において、OCTが90°の角度でイメージング光路に入射する場合、Izattにより示唆されているように、OCTビーム径が主対物レンズの有効口径全部を照明するように構成することができる。この条件は、最大限の結像性能を実現するために常に望ましいとは限らない。これについては、以下の記載にて詳細に説明する。しかし、OCTビーム光路に口径食が生じないように維持することが重要である。ダイクロイック部品が45°から傾いており、OCTビームは90°未満の角度からビーム光路に入射すると、OCTビームの最大口径は制限される。幾何学的解析により、主対物レンズの割合としてのOCTビームの最大口径は、下記数式(1)によって表すことができる:
F=[1−2×T/(1+T)]
Fが、口径食の無い最大OCTビーム径と主対物レンズの有効口径との比に等しい場合、Tは、下記数式(2)で表される幾何学的関数となる:
T=Tan(2×θ−π/2)×Tan(θ)
ここでθは、主対物レンズの光軸に対するダイクロイックフィルタの角度に等しい(よって、90°は当該光軸に対して垂直な方向である)。
本発明の一実施形態では、前記フィルタ角度θは45°より大きく、かつ60°より小さい。本発明の他の1つの実施形態では前記フィルタ角度は、OCT入射ビームに対する垂直方向所要スペースが少なくとも10%低減するように48°より大きく、かつ、口径食の無い最大OCTビーム径が主対物レンズの有効口径の少なくとも30%となるように、55°より小さい。本発明の更に他の1つの実施形態では前記フィルタ角度は、OCT入射ビームに対する垂直方向所要スペースが少なくとも15%低減するように50°より大きく、かつ、口径食の無い最大OCTビーム径が主対物レンズの有効口径の少なくとも40%となるように、54°より小さい。本発明の更に他の1つの実施形態では、OCT入射ビームに対する垂直方向所要スペースが約25%縮小するように、かつ、口径食の無い最大OCTビーム径が前記主対物レンズの有効口径の約45%となるように、前記フィルタ角度は約53°に調整されている。
図6Aから図6Cは、本発明の一部の実施形態の手術用顕微鏡と統合されたOCTシステムの種々のビューを示す図である。一部の実施形態では、当該手術用顕微鏡はライカ社のM844手術用顕微鏡とすることができるが、本発明の実施形態はこの構成に限定されない。本発明の実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなく、任意の手術用顕微鏡と共に使用することができる。図6Aは、本願にて記載した一部の実施形態の手術用顕微鏡に統合されたOCTシステムの平面図である。図6Bは側面図であり、図6Cは上面図である。
ここで図7Aを参照して、本発明の一部の実施形態のOCT組込型手術用顕微鏡のブロック図を説明する。図7Aには、当該OCT組込型手術用顕微鏡システムが、上記にて図2Aを参照して説明したのと同様、手術用顕微鏡255,453と、ビーム成形ユニットと、対物レンズ補償ユニットと、ビーム結合器と、主対物レンズと、網膜レンズ258,458もしくは他の付属レンズと、観察対象299,499と、付属品チャネル735とを有するのが示されている。
図7Aには更に、前記ビーム成形ユニットがIBZ250,450と、テレセントリック走査系251,451と、ビームエキスパンダ252,452とを含むのが示されている。対物レンズ補償ユニットは後側焦点距離調整部(BFLA)254,454を含む。ビーム結合器は、スペクトル帯域(たとえばD1,D2)がそれぞれ異なる1つまたは複数のダイクロイックフィルタ256,456を含む。主対物レンズは対物レンズ259,459を含み、これらの対物レンズは、本願にて説明した実施形態に従って修正したものとすることができる。図中には更に、付属品チャネルを「無限空間」内に、またはOCTイメージング光路上の他の場所に設けることが可能であることが示されている。これらの付属品はたとえば、ビデオカメラ、波面解析システム、オートレフラクタ、走査レーザ検眼鏡(SLO)、および/または、たとえばCWレーザ/パルスレーザ等のレーザを含むことができるが、これらに限定されない。
ここで図7Bを参照して、本発明の一部の実施形態のOCT組込型手術用顕微鏡のブロック図を説明する。図7Aには、OCT組込型手術用顕微鏡システムがビーム成形ユニットと、対物レンズ補償ユニットと、ビーム結合器と、主対物レンズと、補助対物レンズ734と、検査対象試料299,499と、付属品チャネル735とを含むのが示されている。同図中では、OCTシステムは1次イメージングシステムであることが見て取れ、手術用顕微鏡は、可能な複数の組み合わされたモダリティのうちの1つである。
図7Bには更に、前記ビーム成形ユニットがIBZ250,450と、テレセントリック走査系251,451と、ビームエキスパンダ252,452とを含むのが示されている。対物レンズ補償ユニットは後側焦点距離調整部(BFLA)254,454を含む。ビーム結合器は、スペクトル帯域(D1,D2・・・DN)がそれぞれ異なるダイクロイックフィルタ259,459を含む。主対物レンズは対物レンズ259,459を含み、これらの対物レンズは、本願にて説明した実施形態に従って修正したものとすることができる。付属品はたとえば、サージカルスコープ、ビデオカメラ、波面解析システム、オートレフラクタ、走査レーザ検眼鏡(SLO)、たとえばCWレーザ/パルスレーザ等のレーザ、フェムト秒レーザおよび/または他の付属品を含むことができるが、これらに限定されない。
ここで図7Cを参照して、本発明の一部の実施形態のOCT組込型手術用顕微鏡の一般的な構成のブロック図を説明する。図7Cには、OCT組込型手術用顕微鏡システムがビーム成形ユニットと、対物レンズ補償ユニットと、ビーム結合器と、主対物レンズと、補助対物レンズ734と、観察対象299,499とを含むのが示されている。
図7Cには更に、前記ビーム成形ユニットがIBZ250,450と、テレセントリック走査系251,451と、ビームエキスパンダ252,452とを含むのが示されている。対物レンズ補償ユニットは後側焦点距離調整部(BFLA)254,454を含む。ビーム結合器は、スペクトル帯域(D1,D2)がそれぞれ異なるダイクロイックフィルタ259,459を含む。主対物レンズは、本願にて説明した実施形態により修正された対物レンズ259,459を含む。前記ビーム結合器を介してオプションの付属品を結合することができ、このビーム結合器は波長依存性(ダイクロイック)または偏光依存性とすることができる。
ここで図8を参照して、本発明の一部の実施形態の、手術用イメージング用のOCT光路を示す図について説明する。同図中に示されているように、符号(1)が付された光路の部分はIBZであり、符号(2)が付された光路の部分はテレセントリックリレー系であり、符号(3)が付された当該光路の部分はRBEであり、符号(4)が付された当該光路の部分は、本発明の実施形態の対物レンズである。
図9Aは、本発明の一部の実施形態のIO‐OCTシステムの他の配置構成を示す概略図である。図9Aに示すシステム配置構成は、使用される構成要素と、1次(薄いレンズ)パラメータを表現したものとを含む。入力コリメータアセンブリ(COL)は入力ビームズーム部を含み、この入力コリメータアセンブリには、ガルバノミラー1(GM1)からガルバノミラー2(GM2)までのテレセントリックリレー系が後置されており、その後に、リレーレンズ1(RL1)からリレーレンズ2(RL2)までのアフォーカルリレー系によって消費される。動作空間を括弧で囲った開口数の2つの極限的な事例について、当該システムのすべての光学的パラメータを関連付ける1次方程式を導出した。これら2つの極限的事例は、横方向解像度が高くDOFが低い高開口数(HNA)事例と、横方向解像度が低くDOFが高い低開口数(LNA)事例である。これらの方程式を用いて、入力ファイバ光源から眼までのシステム全長の推定値を算出した。たとえば入力ビーム径や作動距離等の種々の駆動パラメータについて当該構成のスペースを綿密に割り出し、本実施形態について、システム全長が縮小する解を選択した。
この選択した1次のシステム構成を用いて、NAおよび焦点面を制御する種々の手法を評価した。コリメートされた入力ビームと第1走査ガルバノミラーとの間のIBZシステムにより、NAについて必要な制御が実現され、これにより横方向解像度およびDOFの必要な制御が実現され、また焦点面位置の必要な制御も実現されることが特定された。IBZシステムについて、2次(厚いレンズ)の構成を生成した。一部の実施形態では、このズーム系は、図中に示されているように3つのシングレットから構成され、たとえば図9Bでは、1つのマイナスレンズ素子(c)と2つの同一のプラス素子(b)および(d)とから構成されている。
動作時には、第1プラス素子(b)は固定されたままであるのに対し、マイナス素子(c)および最後の方のプラス素子(d)の位置は、焦点条件および開口数条件を連続範囲で設定するように変更されている。マイナス素子(c)が前進移動すると同時に、最後のプラス素子(d)が比較的短距離で後退移動することにより、IBZシステムはHNA設定からLNA設定に移行することができ、かつ、マイナス素子(c)の前進移動は、一定の焦点距離で当該移行を行えるように調整することができる。最後のプラス素子(d)を移動させることによってシステム焦点面が調整され、後方移動させることにより、当該焦点面を観察対象に対して前進(すなわち、眼内により深く移動)させることができる。これらの実施形態では、如何なる変化も、2つのレンズ素子の移動によって実現することができる。さらに、モジュールシステム構成を可能にし、システムの複雑性を低減できるようにするため、このズーム系を走査光学系より前に配置することができる。
図8を再度参照すると、かかる仕様のIBZを用いて、図8に示されたシステムの他の残りの部分について2次(厚いレンズ)構成を生成した。このIBZに後続する主要なサブシステムは、伝送光の入射順に、第1走査ガルバノミラー(X)、ガルバノリレーレンズ(GRL)系、直交する第2走査ガルバノミラー(Y)、および、アフォーカルリレービームエキスパンダ(RBE)系である。GRLが光学系ひとみを画定し、これを第1ガルバノミラー(X)に配置し、これを第2ガルバノミラー(Y)に結像する。その後、RBE系はこの光学系ひとみを所要倍率によって、手術用顕微鏡対物レンズの後側焦点面に結像する。この最後の条件は、XガルバノミラーからYガルバノミラーまでのリレーと共に、顕微鏡対物レンズの焦点面においてシステムをテレセントリックにするための必須条件である。この条件を満たすことにより、OCT走査系の光路長が長くなり得る。本発明の構成における更なるオプションの構成として、光学系ひとみの位置を先行のレンズ素子と重ねることができ、これにより、システムのテレセントリック性を維持しながらシステム全長を縮小してシステムの光路長を縮小できるように、光学系ひとみが仮想ひとみとなるように光学系を構成することができる。
上述にて説明したように、図9Bは、本発明の一部の実施形態のコリメータ(a)および入力ビームズーム(IBZ)系(b,cおよびd)を示す図である。
ここで図9Cを参照して、前記IBZによる関心領域の切替えと開口数(NA)の変化とを行う本発明の一部の実施形態を示す図について説明する。図中には、コリメータレンズ(a)に、(b)第1プラスレンズと、(c)第1マイナス素子と、(d)第2プラスレンズとを含むIBZが後置されているのが示されている。
ここで使用されている「入力ビームズーム」との用語は、図9Cにて示された第1および第2レンズの間隔D1およびD2の関数であるズーム率を指す。このズーム率によって開口数(NA)が制御される。たとえばズーム率=1である場合、システムは低開口数モードになり、ズーム率が高くなるほど、システムのNAは増大する。上記にて説明したように、第1レンズ間隔(D1)は第1プラスレンズ(b)からマイナスレンズ(c)までの距離であり、第2レンズ間隔(D2)はマイナスレンズ(c)から最後のプラスレンズ(d)までの距離である。
如何なるズーム設定においても、IBZの最後のレンズ(c)を移動させることにより焦点を調整することができる。第2レンズ間隔(D2)が増大するとIBZの焦点屈折力が増大し、システムの焦点距離が短くなる。第2レンズ間隔(D2)が減少するとIBZの焦点屈折力が減少し、システムの焦点距離が長くなる。レンズ間隔D1およびレンズ間隔D2という2つの自由度により、システムの開口数および焦点の連続的な制御範囲が与えられることを述べておく。この制御範囲は、レンズの移動に使用可能な物理的スペースと、各レンズの屈折率と、下流の結像光学系とに依存し、このことは当業者が理解できる事項である。また、結像条件は決定論的なものであり、所望の状態を達成するために複数の制御モードを用いることができる。これには、レンズの順次移動もしくは同時移動、ルックアップテーブルにて設定された値に従った移動、または、位置エンコーダに基づくフィードバック若しくは像質フィードバックに応じた調整が含まれるが、これらは限定列挙ではない。
よって、図9Cに示された事例(1)では、間隔D1,D2により開口数(NA)が高くなる(たとえば、特定の構成では最大開口数になる)。事例(2)では、マイナスレンズ(c)が+9.8mm移動し、かつプラスレンズ(d)が−2.6mm移動することにより、NAが低くなる。事例(3)では、事例(2)の低開口数位置から、プラスレンズ(d)が−5.6mm移動することにより低開口数となり、かつ、焦点位置がより深くなる。
ここで図10を参照して、本発明の一部の実施形態のテレセントリックリレー系のブロック図を説明する。同図中、たとえば上述の要素251および451等のテレセントリックリレー系は、(a)ガルバノミラー#1(X)から最近傍のダブレットと、(b)シングレットと、(c)シングレットと、(d)ダブレットと、(e)共役面と、(f)ダブレットと、(g)シングレットと、(h)シングレットと、(i)ガルバノミラー#2(Y)から最近傍のダブレットとを含むことができる。上述のブロック図から明らかであるように、テレセントリックリレー系251,451はIBZ250,450に後置されている。
ここで図11を参照して、本発明の一部の実施形態のリレービームエキスパンダ(RBE)系を示す図について説明する。同図中、たとえば上述の要素252,452等のRBE系は、(j)ガルバノ素子#2(Y)から最近傍のビームエキスパンダ入力ダブレットと、(k)シングレットと、(l)シングレットと、(m)ダブレットと、(n)ダブレットと、(o)収差補正補償シングレットと、(p)シングレットと、(q)と、ビームエキスパンダ出力ダブレットとを含むことができ、これは、顕微鏡主対物レンズの最近傍に位置する。前記補償シングレット(o)は、実質的な収差を補正するように構成されている。この収差は、顕微鏡の対物レンズを含むベースのアクロマティックダブレットによるイメージングに起因することが知られている。上述のブロック図から明らかであるように、図10を参照して説明したテレセントリックリレー系(251,451)は、図11を参照して説明したRBE系252,452に結合されており、これらは双方とも、上述のように対物レンズを前進させる。
図12は、本発明の一部の実施形態のOCT手術用顕微鏡の高性能対物レンズを示す図である。図12に示されているように、対物レンズはクラウンガラスとフリントガラスとを含むことが可能である。クラウンガラスのエッジ厚は、約3.4mmとすることができる。図12に示した対物レンズは、約27mm(160mm)、25mm(175mm)の軸方向厚さの70mmの高透過性レンズである。この対物レンズは、標準的な市販の顕微鏡対物レンズより薄く、分数の部分分散が低いことにより光学結像特性がより良好であり、顕微鏡のための可視スペクトルと、OCTのための近赤外線イメージングとを実現できるように、当該対物レンズの帯域幅が改善されている。
一部の実施形態では、クラウンガラスはS‐FPL51(n=1.497,v=81.5)(極低分散ガラス)であり、フリントガラスはS‐NBH5(n=1.654,v=39.7)である。この一部の実施形態では、2次スペクトルを改善するためにΔP/Δvを小さくすることが望まれる。同式中、Pは部分分散=(n−n)/(n−n)であり、vはアッベv数=(n−1)/(n−n)である。一部の実施形態では、F=486nm,d=588nmかつC=656nmである。
本発明の1つの実施形態では、顕微鏡対物レンズは、当該顕微鏡に関する可視スペクトルとOCTシステムに関する赤外線スペクトルとで動作するため、反射防止コーティングが施されている。
図13は、本発明の一部の実施形態の150mm対物レンズの、公称焦点におけるテレセントリック光学的性能を示す一連のグラフおよび線図である。150mm対物レンズは、比較的短い焦点距離の対物レンズであり、これは眼科手術上の処置に際して用いることができる。図13中、10mmの視野の半分にわたり、テレセントリック焦点面におけるOCTのスポットサイズを、IBZによって設定される高開口数(HNA)および低開口数(LNA)の限度内で示す。スポット径は10um(HNA)から25um(LNA)までの範囲であり、視野全体において一定である。テレセントリック性は、視野平坦度、もしくは走査OCTビームの光路長差(OPLD)と、焦点面における光線の入射の、垂直線からの最大入射角偏差との双方として数値化される。最大OPLDは1.7μmであるか、または視野の0.017%であり、前記垂直線からの偏差は0.067°である。
図14は、本発明の一部の実施形態の175mm対物レンズの、公称焦点におけるテレセントリック光学的性能を示す一連のグラフおよび線図である。175mm対物レンズは、眼科手術上の処置に際して用いることができる典型的な対物レンズである。図14中、10mmの視野の半分にわたり、テレセントリック焦点面におけるOCTのスポットサイズを、IBZによって設定される高開口数(HNA)および低開口数(LNA)の限度内で示す。スポット径は11um(HNA)から27um(LNA)までの範囲であり、視野全体において一定である。最大OPLDは1.7μmであるか、または視野の0.017%であり、前記垂直方向からの偏差は0.061°である。
図14は、本発明の一部の実施形態の175mm対物レンズの、公称焦点におけるテレセントリック光学的性能を示す一連のグラフおよび線図である。175mm対物レンズは、眼科手術上の処置に際して用いることができる典型的な対物レンズである。図14中、10mmの視野の半分にわたり、テレセントリック焦点面におけるOCTのスポットサイズを、IBZによって設定される高開口数(HNA)および低開口数(LNA)の限度内で示す。スポット径は11um(HNA)から27um(LNA)までの範囲であり、視野全体において一定である。最大OPLDは1.7μmであるか、または視野の0.017%であり、前記垂直方向からの偏差は0.061°である。
図15は、OCT焦点をシフトさせながら測定した、本発明の一部の実施形態の150mm対物レンズの光学的性能を示す一連のグラフおよび線図であり、同図から、HNAのときには一定のスポットサイズで焦点のシフトの1.7mm深くすることができ、かつ、LNAのときには20mm深くできることが分かる。図中には示していないが、合焦位置がより浅くても、同様の性能を達成できる。
図16は、OCT焦点をシフトさせながら測定した、本発明の一部の実施形態の150mm対物レンズの光学的性能を示す一連のグラフおよび線図の例であり、同図から、HNAのときには一定のスポットサイズで焦点のシフトの深さを少なくとも2mm深くすることができ、かつ、LNAのときには少なくとも10mm深くできることが分かる。図中には示していないが、合焦位置がより浅くても、同様の性能を達成できる。
図17は、OCT焦点をシフトさせながら測定した、本発明の一部の実施形態の1675mm対物レンズの光学的性能を示す一連のグラフおよび線図の例であり、同図から、HNAのときには一定のスポットサイズで焦点のシフトを少なくとも2.4mm深くすることができ、かつ、LNAのときには少なくとも12mm深くできることが分かる。図中には示していないが、合焦位置がより浅くても、同様の性能を達成できる。
図18Aは、付属品の手術用網膜イメージングレンズアセンブリの従来の構成を示すブロック図であり、図18Bは、本発明の実施形態の構成を示す。図18Aに示されているように、従来の対物レンズと、従来の縮小レンズと、従来の網膜レンズ(たとえばBIOM)とを用いると、眼におけるOCT走査のピボットポイントが眼の瞳孔面内に結像される。これはOCT結像の典型的な位置であり、瞳孔散大していない(非拡張)眼のOCT結像を口径食が無い状態で実現するのに特に適した位置である。しかし、人間の眼の瞳孔面は眼の網膜の曲率中心に位置していない。瞳孔中心から網膜の周縁部までの光路長は一般的に、網膜の中心または黄斑領域までの光路長より顕著に短い。瞳孔面内にピボットポイントがあると、走査が瞳孔の周りを走査することとなり、これは、図18Aにて示されているように、OCT像がきつく湾曲して見える原因となる。図中にて示されているように、OPLD(光路長ひずみ)=OPLc(網膜の中心までの光路長)−OPLe(網膜の周縁部までの光路長)であり、これは成人の眼の場合、典型的には3mm〜4mmの範囲内となる。
これとは非常に対照的に、本発明の複数の実施形態に従い修正された網膜レンズ系258,458と最適化された対物レンズ259,459とを用いると、走査OCTビームのピボットは、図18Bに示されているように網膜の曲率中心に向かってシフトする。ピボットポイントをさらに眼内の奥に移動させると、OCT像は格段に平坦になる。よって、図18Bに示されているように、本発明の実施形態のOPLDは2mm未満となる。これは、2mmから3mmの焦点深度ウィンドウで網膜の像を結像するように構成された典型的なOCTシステムにとって、劇的な改善である。このような構成の対物レンズは、眼が瞳孔散大(拡張)していることを要するか、または幾らかの口径食が生じ得る。拡大は手術において通常使用されるので、これは欠点とはならない。このことは、瞳孔散大しない状態での撮像の要望が非常に高い臨床診断用イメージングとは大きく異なる点であり、瞳孔内にピボットを押し込むことは適切な解決手段ではない。
以下、本発明の実施形態により改善された網膜手術用レンズアセンブリの種々の実施形態と、これに関連する、当該レンズアセンブリの光学的性能について、図19Aから図23Bを参照して説明する。これらの各構成は、OCT走査ピボットを画定する、走査ガルバノ対の像を、瞳孔面より下方の眼中のより奥深くへ投影するように構成されている。
まず図19Aを参照して、本発明の一部の実施形態の100°のFOVを有する手術用網膜レンズアセンブリについて説明する。図19Aには、顕微鏡の対物レンズが縮小レンズに結合されているのが示されており、両者間の間隔は20mmである。この縮小レンズは、新規の網膜レンズ342(図3)から間隔A(117mm)を置いて離隔されており、かつ、試料(眼)から間隔B(2.8mm)を置いて離隔されている。このレンズ構成および間隔についての詳細は、図19Aの表に示されている。網膜レンズ342は典型的には6.6mmの厚さを有し、これは約4mmから約10mmまでである。ここで記載したシステムは、IBZ開口数が高開口数設定時の69%に設定した状態で動作するものである。
ここで図19Bを参照して、本発明の一部の実施形態の、図19Aの100°のFOVを有する手術用網膜レンズの光学的性能を示す一連のグラフおよび線図について説明する。網膜レンズが完全にセンタリングされている場合と、僅かに中心ずれしている場合とにおける、視野の半分に依存するOCTスポットパターンを示す。OCTビームの中心フィールドビーム径は14umであり、視野の周縁部では80umまで増加している(±8.5umまたは±50°)。視野全体における最大OPLDは1.9mmとなり、これにより、広幅の視野全体におけるOCT像が妥当な平坦さになることが保証される。中心フィールドには、顕微鏡の視覚的応答も示している。この視覚的信号の横方向解像度は約22umである。
ここで図20Aを参照して、本発明の一部の実施形態の100°のFOVを有する手術用網膜レンズアセンブリについて説明する。図20Aには、対物レンズが縮小レンズに結合されているのが示されており、両者間の間隔は20mmである。縮小レンズはコンデンサ340(図3)レンズから間隔Aを置いて離隔されている。網膜レンズ342(図3)は、コンデンサレンズ340から間隔Bを置いて離隔されており、かつ、試料(眼)から間隔Cを置いて離隔されている。これらの間隔の詳細については、図20Aの表に記載がある。
ここで図20Bを参照して、本発明の一部の実施形態の、図20Aの100°のFOVを有する手術用網膜レンズの光学的性能を示す一連のグラフおよび線図について説明する。網膜レンズが完全にセンタリングされている場合と、僅かに中心ずれしている場合とにおける、視野の半分に依存するOCTスポットパターンを示す。OCTビームの中心フィールドビーム径は14umであり、視野の周縁部では28umまで増加している(±8.5umまたは±50°)。視野全体における最大OPLDは1.9mmとなり、これにより、広幅の視野全体におけるOCT像が妥当な平坦さになることが保証される。中心フィールドには、顕微鏡の視覚的応答も示している。この視覚的信号の横方向解像度は約40umである。OCT性能は図19Aの構成より優れており、かつ、視覚的解像度およびレンズ複雑性についてのコストは僅かである。
ここで図21Aを参照して、本発明の一部の実施形態の60°のFOVを有する手術用網膜レンズアセンブリについて説明する。図21Aには、対物レンズが縮小レンズに結合されているのが示されており、両者間の間隔は20mmである。この縮小レンズは、網膜レンズ342(図3)から間隔Aを置いて離隔されており、かつ、試料(眼)から間隔Bを置いて離隔されている。これらの間隔の詳細については、図21Aの表に記載がある。当該システムは、高開口数設定で動作しているとして記載している。
本実施形態では、手術用非球面レンズ342は単一の両面非球面レンズであり、これは、両表面が2つの個別のレンズとして作用できるように、かつ、両表面における主光線高さが格段に異なることに起因する更なる補正を行いつつ、より多くの光を反射する可能性がある面を少なくして光学的複雑性を低減し、後方反射を抑えられるように、更に他の厚さを挟んだサンドイッチ構造となっている。この非球面レンズは、多くの理由により任意の厚さとすることができないことが理解できる。まず第一に、この非球面レンズは、OCTシステムからの出射光を眼内へコリメートするものであるから、OCTシステム内への後方反射を回避するため、非球面レンズは網膜共役面に過度に近接してはならない。第二に、レンズの厚さを、網膜共役面がレンズの内部に来るような厚さとすると、レンズを製造するのが極度に困難になってしまう。その上、このレンズの両表面は、幾らか低い製造コストで、ベース曲率および偏心率が実質的に対称的となる。
一部の実施形態では、P1主平面はS1表面からレンズ内に6.898mm内側にあるのに対し、P2主平面はS2表面からレンズ内に−6.898mm内側にあり、レンズの厚さは21mmである。各表面からこれら主平面までの距離が比較的大きいことにより、各表面における主光線高さが格段に異なるようにすることができる。OCT光の最大主光線は、網膜共役面近傍において近似的にテレセントリックとなり、当該最大主光線が光軸と成す角度は1.06°となる。網膜手術用レンズのS1における最大主光線高さは6.122mmであるのに対し、同じ主光線がS2では3.878mmのみとなり、これにより、各面はそれぞれ近似的に個別のレンズとして作用することができる。一部の実施形態では、587.6mmにおいてベース半径=25.697mm(両凸形)、K=−3.679(円錐定数)、厚さ=21mm、および、EFL=18mmとなる。
ここで図21Bを参照して、本発明の一部の実施形態の、図21Aの60°のFOVを有する手術用網膜レンズの光学的性能を示す一連のグラフおよび線図について説明する。網膜レンズが完全にセンタリングされている場合と、僅かに中心ずれしている場合とにおける、視野の半分に依存するOCTスポットパターンを示す。OCTビームの中心フィールドビーム径は8umであり、視野の周縁部では17umまで増加している(±5.5umまたは±30°)。視野全体における最大OPLDは0.9mmであり、これにより、広幅の視野全体におけるOCT像が妥当な平坦さになることが保証される。中心フィールドには、顕微鏡の視覚的応答も示している。この視覚的信号の横方向解像度は約32umである。
ここで図22Aを参照して、本発明の一部の実施形態の60°のFOVを有する手術用網膜レンズアセンブリについて説明する。図22Aには、対物レンズが縮小レンズに結合されているのが示されており、両者間の間隔は20mmである。この縮小レンズは、網膜レンズ342(図3)から間隔Aを置いて離隔されており、かつ、試料(眼)から間隔Bを置いて離隔されている。これらの間隔の詳細については、図22Aの表に記載がある。
ここで図22Bを参照して、本発明の一部の実施形態の、図22Aの60°のFOVを有する手術用網膜レンズの光学的性能を示す一連のグラフおよび線図について説明する。網膜レンズが完全にセンタリングされている場合と、僅かに中心ずれしている場合とにおける、視野の半分に依存するOCTスポットパターンを示す。OCTビームの中心フィールドビーム径は7umであり、視野の周縁部では9umまで増加している(±5.5umまたは±30°)。視野全体における最大OPLDは0.7mmとなり、これにより、広幅の視野全体におけるOCT像が妥当な平坦さになることが保証される。中心フィールドには、顕微鏡の視覚的応答も示している。この視覚的信号の横方向解像度は約45umである。
ここで図23Aを参照して、本発明の一部の実施形態の80°のFOVを有する手術用網膜レンズアセンブリについて説明する。図23Aには、対物レンズが縮小レンズに結合されているのが示されており、両者間の間隔は20mmである。この縮小レンズは、網膜レンズ342(図3)から間隔Aを置いて離隔されており、かつ、試料(眼)から間隔Bを置いて離隔されている。これらの間隔の詳細については、図23Aの表に記載がある。
ここで図23Bを参照して、本発明の一部の実施形態の、図23Aの80°のFOVを有する手術用網膜レンズの光学的性能を示す一連のグラフおよび線図について説明する。網膜レンズが完全にセンタリングされている場合と、僅かに中心ずれしている場合とにおける、視野の半分に依存するOCTスポットパターンを示す。OCTビームの中心フィールドビーム径は12umであり、視野の周縁部では16umまで増加している(±7.3umまたは±40°)。視野全体における最大OPLDは1.3mmとなり、これにより、広幅の視野全体におけるOCT像が妥当な平坦さになることが保証される。中心フィールドには、顕微鏡の視覚的応答も示している。この視覚的信号の横方向解像度は約48umである。
上記にて説明した本発明の実施形態は、OCT結合部品を手術用実体ズーム顕微鏡の無限空間内に組み込んで、ダイクロイックミラーを備えた当該顕微鏡のイメージング光路に綴じ込むことについて一般的なものである。その制約は、この無限空間への接近性に限定されている。他の1つの択一的態様として、かかる光路の少なくとも一部分の方向を顕微鏡の接眼光路と平行にすることにより、結合部品を当該無限空間内に設ける必要性を最小限にするか又は無くす、というものがある。これにより、手術作業距離に及ぼされる如何なる影響も事前に排除することが可能となり、また、よりコンパクトで簡素化されたマルチモダリティイメージングシステムを実現することも可能になる。この具現化構想を、中心チャネルOCT(手術用)顕微鏡(CCOM)と称する。
CCOMを構築する手法、すなわち、OCTシステムを手術用立体顕微鏡に組み込む手法について検討するに際しては、OCTビームを確定するパラメータを規定しなければならない。OCTビームを特徴付ける主なパラメータは3つ存在し、これは、(1)集束されたビームの開口数またはNA、(2)当該集束されたビームを走査できる視野、および、(3)走査されるフィールドにおける当該集束されたビームのテレセントリック度である。以下、図24から図27を参照して、これらのパラメータと顕微鏡システムパラメータとがどのような関係にあるかを決定する数式について説明する。
まず図24は、本発明の一部の実施形態のOCTテレセントリック性条件を示す図である。テレセントリック走査が必要である場合には、以下のテレセントリック条件も更に満たさなければならない:
1)OCTシステムの射出ひとみが顕微鏡対物レンズの焦点面内にあること。
2)OCTの光軸と顕微鏡対物レンズの光軸とが同一直線上にあること。
NAは、焦点ビーム半角によって定義されるOCT開口数であり、OCTが動作する最大開口数が、当該OCTの限界横方向解像度を決定する。NAは、以下の数式(3)によって表される:
NA=(1.22×λ)/(2×ρ)=sinβ
同式中、βはOCT焦点ビーム半角であり、λはOCT中心波長であり、ρはOCT横方向解像度であり、エアリーディスク半径に等しいと仮定される。φB はOCTコリメートビーム径、すなわち、射出ひとみと対物レンズとの間の無限空間内におけるOCTビームであり、このφBは、以下の数式(4)によって表される:
Figure 2016533796
同式中、Fは手術用顕微鏡対物レンズの有効焦点距離であり、以下の数式(5)によって、走査される視野φVと関係づけられる:
Figure 2016533796
小さい角度の場合にtanα≒αとなるとき、
Figure 2016533796
となる。ここで、αはOCTシステムの最大走査角度である。φVは、OCT顕微鏡レンズ系の視野径である。
φAはOCTビームに必要とされる、対物レンズにおける有効口径であり、以下の数式(6)によって表される:
Figure 2016533796
手術用実体顕微鏡は典型的には、共用の対物レンズを介して見る2つ以上のアフォーカルリレーズームレンズ(ARZL)系を使用する。立体視を実現するため、左右の観察チャネル別にそれぞれ対応して設けられたARZL系の各光軸は、前記共用の対物レンズに対して平行であり、かつ当該共用の対物レンズからオフセットしている。手術用顕微鏡本体内の各観察チャネルは、以下の重要な光学系から構成されている。これらの光学系を物体側(または観察対象側)から順に列挙すると、以下の通りとなる:
1)共用の対物レンズ
2)アフォーカルズームリレー系
3)中間像を形成するためのチューブレンズ
4)像の向きを補正するための正立プリズム系
各観察チャネルの中間像は、両眼接眼レンズ系を介して最終検出器(これは、外科医の眼またはカメラのいずれかとすることができる)に結像される。両眼接眼レンズ系はしばしば、交換可能なモジュールに構成されることが多いので、OCTシステムを手術用顕微鏡に組み込むことを検討する際には、これらの両眼接眼レンズ系について考慮する必要は無い。さらに、正立プリズム系およびチューブレンズは通常、同一シリーズの実体顕微鏡構成について標準化されており、よって、この正立プリズム系およびチューブレンズのパラメータによってOCTシステム組み込みの構成に悪影響が及ぼされることもない。このことにより、アフォーカルリレーズームレンズ系および対物レンズが、組み込まれるOCTシステム構成への影響について最も重要な光学系となる。
ここで図25を参照して、本発明の一部の実施形態の手術用実体顕微鏡のアフォーカルリレーズームレンズの条件を示す図について説明する。アフォーカルリレーズームレンズ系は、3つの重要なパラメータによって表現される:
(1)最大倍率における動作開口数
(2)最小倍率における視野
(3)ズーム比、または、最大倍率と最小倍率との比
アフォーカルリレーズームレンズ系は対物レンズ上方の無限空間内において機能するので、当該アフォーカルリレーズームレンズ系が実現する倍率は純粋な角度式である。下掲の数式は、アフォーカルリレーズームレンズ系のパラメータと実体顕微鏡システムパラメータとがどのような関係にあるかを決定する式である。
NAは、上記の焦点ビーム半角によって定義される顕微鏡の1つの観察チャネルの開口数であり、顕微鏡が動作する最大開口数が、当該OCTの限界横方向解像度を決定する。NAは、以下の数式(7)によって表される:
NA=(1.22×λ)/2・r=sinδ
同式中、δは顕微鏡観察チャネルの焦点ビーム半角であり、λは顕微鏡観察チャネル中心波長であり、rは顕微鏡観察チャネルの横方向解像度であり、エアリーディスク半径に等しいと仮定される。
φPは顕微鏡観察チャネルの無限空間ビーム径であり、以下の数式(8)によって表される:
Figure 2016533796
同式中、Fは手術用顕微鏡対物レンズの有効焦点距離である。Mはアフォーカルリレーズームレンズの倍率であり、以下の数式(9)によって表される:
M=tanε/tanγ
同式中、γはアフォーカルリレーズームレンズの物体側の主光線角度であり、εはアフォーカルリレーズームレンズの像側の主光線角度である。
γは、最大倍率の視野の周縁部における物体視野点の主光線角度であり、以下の数式(10)によって表される:
Figure 2016533796
同式中、φQは最小倍率における顕微鏡視野径である。
zはアフォーカルリレーズームレンズの倍率比であり(手術用実体顕微鏡の場合、典型的にはz=6である)、以下の数式(11)によって表される:
Figure 2016533796
同式中、Mはアフォーカルリレーズームレンズ最大倍率であり、Mはアフォーカルリレーズームレンズ最小倍率であり、γは最大倍率の視野の周縁部における物体視野点の主光線角度であり、εは、γ入力(最大倍率)の場合におけるアフォーカルリレーズームレンズの像側の主光線角度であり、εは、γ入力(最小倍率)の場合におけるアフォーカルリレーズームレンズの像側の主光線角度であり、φRは最大倍率における顕微鏡視野径である。
以下の数式(12)は、ズーム極値におけるアフォーカルリレーズームレンズの物体側における全視野主光線角度が互いにどのような関係にあるかを表すものである。
Figure 2016533796
アフォーカルリレーズームレンズが良好な設計である場合、倍率を変えても像の見かけの位置が変化することはない。この条件は、以下の数式(13)によって表される:
tanε/tanε=1(ズームが良好な設計である場合)
手術用実体ズーム顕微鏡の性能条件が確定されていれば、CCOMにかかる制約および設計条件を規定することができる。
ここで図26を参照して、本発明の一部の実施形態の中心チャネルOCT組込型手術用実体顕微鏡(CCOM)の条件を示す図について説明する。上記のテレセントリック走査条件を満たしながらOCTシステムを手術用実体顕微鏡に組み込む1つの手法は、ARZL系(外科医を支援するための専用の観察チャネルが存在するか否かに応じて、2または4)を備えた対物レンズ光軸上にセンタリングされたOCTビームが、当該OCTビーム光路を明瞭に維持するための最小距離だけ当該対物レンズ光軸からオフセットする余地を作ることである。一部の実施形態では、最大走査角度においてARZL系の鏡筒がぎりぎりOCTビームに接触する。この一部の実施形態では、最小ARZLオフセットおよび最小対物レンズ外径を、下記の数式によって算出することができる。
この1次解析は、ARZLの射出ひとみがボトムレンズと機械的鏡筒とに一致すると仮定する。実際にはそうではないが、それに近い近似は得られる。
φEは、所与のパラメータでOCTシステムとARZL系とに適合する顕微鏡対物レンズの最小周縁部径であり、以下の数式(14)によって表される:
Figure 2016533796
同式中d〜dは、以下の関係式がそれぞれ正確に成り立つ場合の、図26に示された横方向距離である。
Oは、対物レンズ光軸からのARZL光軸のオフセットであり、以下の数式(15)によって表される:
Figure 2016533796
同式中、φGはARZLの機械的鏡筒径長である。
ARZLの射出ひとみの平面において測定される、対物レンズ光軸から最大走査角度におけるOCTビーム主光線までの距離dは、以下数式(16)によって表される:
=(F−H)×tanα
同式中、Hは対物レンズより上方のARZLの高さである。
OCTビームがARZL鏡筒にぎりぎり擦るときにARZLの射出ひとみの平面において測定される、最大走査角度であるときのOCTビーム主光線からARZL機械的鏡筒の周縁までの距離dは、以下の数式(17)によって表される:
Figure 2016533796
ARZLの射出ひとみの平面において測定される、ARZL鏡筒の内縁部から全視野観察チャネル光線束の外縁部までの距離dは、以下の数式(18)によって表される:
Figure 2016533796
ARZLの射出ひとみの平面において測定される、全視野観察チャネル光線束の外縁部から対物レンズの周縁部までの距離dは、以下の数式(19)によって表される:
d4 = H tan γm
上記の与えられたパラメータに、(1つまたは複数の)ARZLにより囲まれたセンタリングOCTチャネルを当てはめるために必要な対物レンズ最小径長の完全な記述は、以下の数式(20)によって表される:
Figure 2016533796
最大開口数(高解像度)のOCTシステムでは、ARZLのオフセットおよび対物レンズ径長を非実用的な大きさにする必要が生じ得る。かかる状況下では、光路綴じ込み中心チャネルOCT(手術用)顕微鏡(FCCOM)を実現するため、無限空間結合がなされる構成とCCOM構成とのハイブリッドを構成することが望まれる。
ここで図27を参照して、本発明の一部の実施形態の中心チャネルOCT組込型手術用実体顕微鏡(CCOM)の条件を示す図について説明する。この一部の実施形態では、ARZLと対物レンズとの間の空間内にてダイクロイックミラーが使用されることにより、OCTビームに綴じ込まれ、かつ、顕微鏡観察光路がこれを介して見ることとなる。目標は、主に顕微鏡本体の高さを低減するため、当該綴じ込みを実現するのに必要なスペースを最小限に抑えることである。この最小高さは、入射角φが最小になったときに得られる。ダイクロイックミラーが対物レンズの外縁部にぎりぎり接触し、かつ、綴じ込まれたOCTビームが対物レンズの反対側の縁部にぎりぎり接触する極端な事例では、上述の最小角条件は以下の数式(21)によって与えられる:
Figure 2016533796
この数式は非線形であり、その解析解を求めることはできず、数値解は求めることができる。典型的な手術用実体顕微鏡であり、かつ高開口数のOCTパラメータの場合、φminは約37°となる。上記幾何学的条件では、角度φは、上記数式(1)にて記載されたダイクロイック角度と、φ=90°−θの関係にあるので、θの最大値は約53°となることに留意されたい。
綴じ込みダイクロイックミラーは、共用の対物レンズの全径にわたって延在する必要はない。ARZLシステムが限局化されている場合、ダイクロイックミラーは、顕微鏡観察チャネルを挟まない十分な大きさにする必要はない。このような配置構成は、ダイクロイックミラーおよび/または綴じ込みミラーを介して焦点面の照明を導入するのに好適となり得る。従来の手術用実体顕微鏡では、照明系は典型的には、ARZLと対物レンズとの間の空間に導入される。よって、綴じ込まれるOCT構成ではこのスペースを使用して、手術用作業距離に及ぼされる影響を最小限に抑えながら、本願にて記載した複数の実施形態に従い、OCTシステムの照明および結合を実現するという2重の目的を達成することができる。
ここで図28を参照して、本発明の一部の実施形態のOCT手術用顕微鏡を使用したイメージング方法のフローチャートを説明する。ブロック2800にて、たとえば眼等の試料において関心領域(ROI)を選択することにより、実施を開始する。このROIは、角膜、水晶体、前眼部、後眼部、網膜等のいずれかである。顕微鏡の主対物レンズおよび任意の付属レンズを選択し、顕微鏡システムに取り付ける(ブロック2810)。これはたとえば、焦点距離175mmの最適化された対物レンズと、100°の手術用網膜レンズである。必要な場合には、後側焦点距離が対物レンズにマッチングするように、OCT光路を調整することができる(ブロック2820)。これに応じて、参照アーム光路長がOCT光路長をROIにマッチングさせるように、当該参照アームを調整する(ブロック2830)。像の輝度が手術用の均一性要件を満たし、かつ、横方向解像度が手術用の解像度要件を満たすように、開口数を調整する(ブロック2840)。ROI内の関心深度において最適な焦点がターゲットとなるように、焦点(ブロック2850)を調整する。その焦点位置は外科医の要求に応じて、顕微鏡の焦点面とするか、または当該焦点面より上方または下方とすることができる。これらの設定を使用して、1つもしくは複数の像または連続ビデオ表示を取得する(ブロック2860)。所望の(1つまたは複数の)像が得られたか否かを判断する(ブロック2870)。所望の像質を有する所望の像が得られた場合には(ブロック2870)、更に像が必要になるまで実施を停止することができる。それとは逆に、所望の像が得られなかったと判断される場合には、実施はブロック2840まで戻り、所望の像と所望の像質が得られるまで繰り返す。
図29は、本発明の一部の実施形態の、手術上の処置を行いながらOCT組込型手術用顕微鏡を用いてイメージングする方法のフローチャートである。図29にて示されているように、ブロック2905にて、試料にて撮像対象となるROIを選択することにより、実施を開始する。参照アームを調整する(ブロック2915)。解像度/輝度が均一になるNA(ブロック2925)を調整し、かつ、輝度を達成するための焦点(ブロック2927)を調整する。現在の設定を用いて像を取得する(ブロック2935)。当該現在の設定と取得された像とに基づいて、臨床パラメータの初期のセットを計算する(ブロック2937)。
これらの臨床パラメータは、角膜の前部表面の形状、角膜表層の形状、角膜の内皮表面の形状、および、これらの測定結果から導出することができるあらゆる関連のパラメータを含むことができ、この関連のパラメータには、厚さ測定マップ、曲率マップ、屈折力、収差マップ、角膜曲率測定値等が含まれるが、これらは限定列挙ではない。臨床パラメータは更に、虹彩角膜角、強膜厚、ブレブ幾何学的態様、シュレム管位置等も含み得る。臨床パラメータはまた、瞳孔径、水晶体嚢厚、水晶体厚等も含むことができる。臨床パラメータは更に、網膜の面積または厚さ、網膜の特定の層の厚さ、網膜における特定の病変部の幾何学的態様等も含み得る。臨床パラメータは、OCTイメージングシステムを用いて直接観察可能または測定可能な任意のパラメータ、または、直接観察可能なパラメータから導出されたパラメータとすることができる。
指導用に上述の臨床パラメータのうち1つまたは複数を用いて、手術記録の少なくとも一部が作成される。前記初期のパラメータを用いて手術処置を開始する(ブロック2945)。NA(ブロック2947)と、処置ROIにおける輝度を得るための焦点(ブロック2955)とを調整することにより、処置の可視化を最適化する。更に像を取得し(ブロック2957)、可視化されたOCT像に応じて、手術処置の少なくとも一部を続行する。必要な場合には、像質を改善するため、または、当該処置によって2次的な影響が及ぼされ得る構造を観察するため、NA(ブロック2965)と、処置ROIにおける輝度を得るための焦点(ブロック2967)とを調整する。たとえば白内障の処置を行う間には、網膜に伝わるあらゆる牽引力を観察するために網膜を可視化するのが望ましい場合がある。外科医がOCTを用いて観察することができる2次的な推測は、関連分野における専門家である外科医であれば明らかである。新たな設定を用いて更に像を取得する(ブロック2975)。処置を完了に近づけながら、順次取得した像と、これに対応する各設定とに基づき、臨床パラメータの新規のセットを算出する(ブロック2977)。初期の臨床パラメータと新規の臨床パラメータとを比較し(ブロック2985)、所望の結果が得られたか否かの判断を行う(ブロック2987)。所望の結果が得られた場合(ブロック2987)、実施を停止する。逆に所望の結果が得られなかった場合(ブロック2987)、実施はブロック2945へ戻り、所望の結果が得られるまで繰り返す。
NA制御を介してOCT被写界深度を制御するのを補助すべく、図30に示されているように、スペクトルサンプリング間隔を制御することにより(フーリエドメイン)ウィンドウ深度を調整することができる。ここで図30を参照して、本発明の一部の実施形態の、スペクトルサンプリング間隔を選択することにより行われる像被写界深度の調整の一連のチャートについて説明する。
関連分野において現在周知であるように、FDOCT像ウィンドウはスペクトルサンプリング間隔の関数である。観察可能な像ウィンドウ最大深度は、最小スペクトルサンプリング間隔に相当する。スペクトルドメイン方式では、分光計の画素間距離が焦点深度を制限する要因となる。掃引光源方式では、スペクトルサンプリングに課されるハードウェア制約が、かかる制約を課す要因となる。他方、スペクトルサンプリング間隔が2倍になると観察可能な焦点深度は半分となり、スペクトルサンプリング間隔が4倍になると観察可能な焦点深度は1/4となり得る。スペクトル範囲を固定すると解像度に影響が及ぶことはなく、ウィンドウ深度が低減すると、これに応じて画素数が減少する。この処理は、ターゲットとされる関心領域が制限されている場合、この関心領域のみを表示できるという利点を奏し、また、データポイント数が減少するので、少ない計算量で当該処理を行うことができる。このようにして、関心領域における焦点を向上することができ、計算量を減少させ、また、取得および表示をより高速化して外科医へのフィードバックを高速化できる可能性も高まる。
ここで図31を参照して、本発明の一部の実施形態の、OCT光学系の一態様を示す図について説明する。当該態様ではシステムは、所要走査範囲にわたってより高次の収差を補正するように構成されており、その結果、図31に示されたシステム構成となる。この光学系構成は、OCT信号中のノイズを低減するために、光源ファイバ内へ有効に入射する後方反射を低減するように微調整されている。図31に示されたシステムは、13個のシングレットと7個のダブレットとを含み(全て非球面を有する)、これらは、50mm×125mm×150mmの体積に嵌まるように綴じ込むことができる。
最後に、本願にて記載した一部の実施形態のOCT光学系は、当該OCT光学系の構成の対象である特定の顕微鏡対物レンズまたは顕微鏡対物レンズの特定の範囲にて最大限の機能を発揮することができる。診察用眼科OCTシステムや実験用顕微鏡とは異なり、手術用顕微鏡は非常に長い作動距離を有し、この作動距離の範囲は典型的には、約150mmから約175mmまでであり、約125mmから約200mmまでの範囲ではない。さらに、OCTを実験用顕微鏡に組み込む構想は、図1Dにて対物レンズ焦点距離が75mmであるシステムについて示されているように、ビオプティゲン社によって既に商品化されている。また、顕微鏡対物レンズは、手術用イメージング(または実験用イメージング)および色補正の要求を念頭において構成されるものである。このような構成の対物レンズは、高品質のOCTイメージングの要求に常に直接一致するとは限らない。さらに、多岐にわたる手術用システムやアプリケーションが存在し、このことはつまり、このOCTインタフェースを顕微鏡対物レンズ、実験用途および手術用途と幅広い用途に応じて適応調整しなければならない、ということになる。
最大限のフレキシビリティを有するOCTインタフェースを実現するためには、システムのアーキテクチャを2つのサブシステムに分割する。我々はこれら2つのサブシステムを、「OCTリレー」および「OCT対物レンズ」と称することとする。上述のOCTリレーは、OCTシステムの開口数の制御および焦点の制御のフレキシビリティを提供するものである。OCT対物レンズは、顕微鏡対物レンズを含む最終の多レンズ系であり、これは、あらゆる後側焦点距離調節も含めたOCTシステムの射出ひとみの設定を行うものである。射出ひとみは、顕微鏡対物レンズの前面の焦点面に位置しなければならない。OCT対物レンズは、仮想射出ひとみを用いて、如何なる顕微鏡対物レンズにも合わせて調整することができ、これにより、実際の射出ひとみの配置にかかる機械的制約が緩和される。さらに、顕微鏡対物レンズより上流に多レンズ部品を設けることは、顕微鏡システムに対してOCTシステムに焦点バイアスを相対的に設定する点で有効であり、これにより、OCT像の最適化およびその制御の向上のため、当該バイアス点の周囲において焦点を、入力ビームズーム部の焦点制御が最適化することができる。
本発明の思想の特徴は、顕微鏡OCTインタフェースの使用範囲を、長い作動距離の手術用顕微鏡から、より短い作動距離の実験用顕微鏡まで拡大するものである。
本発明の一部の実施形態はヘッドアップディスプレイ(HUD)を含み、以下これについて、図32〜35を参照して説明する。上記にて説明したように、眼科手術用顕微鏡は、外科医が手術を施している眼の複数の異なる領域の拡大ビューを当該外科医に提供することができるものである。しかし、光干渉断層撮影法(OCT)により実現される上述の高い解像度の深さイメージングから恩恵を受け得る眼科手術上の処置は、数多く存在する。よって、OCTシステムを手術用顕微鏡に組み込むことによって可能性が拡大し、従来の立体視イメージングだけでは現在のところ実施できない処置も可能となる。OCTを組み込んだ従来の手術用顕微鏡が一般的に提供するイメージングは、試料の関心領域に合わせて適応調整できない固定イメージングである。一例として眼をとりあげると、従来のシステムは典型的には、角膜領域の撮像と、前眼房および水晶体の撮像と、網膜の構造の撮像とで異なる撮像要求に合わせて調整することができない。
上記でも説明したように、このような複数の異なる関心領域に応じて撮像特性を調整するように調整可能なOCT手術用顕微鏡システムが理想である。たとえば、理想とされるOCT手術用顕微鏡は、以下の属性セットを有する:
観察対象の表面構造を正確に表現するため、真正にテレセントリックの走査であること
焦点深度にわたる照度分布を制御するため、かつ、焦点位置における横方向解像度を制御できるようにするため、開口数が可変であること
可視顕微鏡の接眼レンズ焦点に対して相対的なOCT焦点位置を独立して制御できるようにするため、可変焦点であること
生理的病変部をOCTの被写界深度以内に維持するため、かつ、走査野の視覚的ひずみを回避するため、走査光路長が最大限に一定に保持される、広幅の視野
手術上の複数の異なる処置に応じて外科医に対し多目的性を提供するため、顕微鏡の広幅の範囲の主対物レンズを遠近調節するために調整可能であること。
さらに、外科医が慣れ親しんでいる顕微鏡の物理的作動距離の如何なる変更数も低減することが望ましい。この作動距離にはたとえば、主対物レンズと観察対象との間の距離、および、顕微鏡の接眼レンズと観察対象との間の距離が含まれる。たとえば、米国特許出願第13/836,576号(発明の名称:「Surgical Microscopes Using Optical Coherence Tomography and Related Systems and Methods」)に、これらの要求に対応した特殊なシステムが記載されている。同文献の記載内容はすべて、引用により本願の開示内容に含まれるものとする。
米国特許第4,544,243号明細書(特許権者:Munnerlyn、発明の名称:「Heads up display for microscope using remotely controlled instrument」)に、手術用顕微鏡への統合用のヘッドアップディスプレイの構成が記載されている。同刊行物に記載のヘッドアップディスプレイは、接眼レンズアセンブリと対物レンズとの間の顕微鏡のコリメートされる空間内に入れられたビームスプリッタを含む。たとえば小型発光ダイオード(LED)ディスプレイ等のディスプレイが、遠隔器具の制御設定に関連する電子的デジタル数を投影する。米国特許第6,678,090号明細書(特許権者:Spink、発明の名称:「Microscope」)および米国特許出願公開第2005/0277913号明細書(権利者:McCary、発明の名称:「Heads up display for displaying surgical parameters in a surgical microscope」)にも、単眼筒の光路内に介挿される同様のビームスプリッタ結合型ディスプレイが記載されている。
米国特許出願第2012/0184846号(権利者:Izatt、発明の名称:「Imaging and visualization systems, instruments, and methods using optical coherence tomography」)にも、手術処置中に外科医の視野内に光干渉断層撮影像データを表示するという特殊な目的で単眼筒の光路内に介挿される、同様の配置のビームスプリッタ結合型ディスプレイが記載されている。
しかし、米国特許第4,544,243号明細書(特許権者:Munnerlyn)は統合像データを想定しておらず、制御データのみを想定したものであり、特に、OCTデータを機能的または実装により組み込むことは想定していない。Spink,McCary および Izatt の、接眼筒に介挿する構成は汎用的なものであり、データの種類やデータソースについては記載がない。しかし、Spink,McCary および Izatt の構成は、損失の生じる光学部品を単眼筒に介挿するので、外科医に対する術野が減光し、またその減光は非対称的に生じる。具体的には従来の構成は、本来は外科医に対して供給される光を試料の照明のために方向転換して送光するので、光不足により、試料の細部を観察する外科医の視界が暗くなり得ることとなる。
よって本発明の一部の実施形態は、術野の顕微鏡像と同時に可視化するため、光干渉断層撮影(OCT)像データ、制御データ、測定データ、および、外科医に有用なあらゆる他の情報を結合するヘッドアップディスプレイ(HUD)を提供する。具体的には、本願にて開示する実施形態のシステムは、HUDからの顕微鏡の接眼レンズへ光を反射する結合部品を、たとえばビームスプリッタを含み、当該結合部品は、OCTシステムおよび試料の双方へ非可視光を反射する。また当該結合部品は、外科医のために試料を照明するため、当該試料へ可視光を透過する。よって本発明の実施形態は、試料を照明するために使用可能な光を低減することはない。これについては以下、図32〜図35を参照して詳細に説明する。
まず図32を参照して、本発明の一部の実施形態のシステム3200のブロック図を説明する。図32には、当該システムが手術用顕微鏡3220を含み、当該手術用顕微鏡3220が接眼レンズ3250と、OCT信号を出力するOCTシステム3210と、結合部品3215と、対物レンズ3230と、ヘッドアップディスプレイ(HUD)3225とを含むのが示されている。
一部の実施形態では、前記結合部品3215はダイクロイックビームスプリッタ3215とすることができる。同図中、結合部品3215は第1表面(面1)と第2表面(面2)とを有する基体を含み、手術用顕微鏡3220は、処置中に観察対象/試料3240を見るために用いることができる。本発明の実施形態はこの構成に限定されないことは明らかである。結合部品3215は、ダイクロイックビームスプリッタとは異なる物によって実現することも可能であり、このことによって本発明の範囲を逸脱することはない。
ヘッドアップディスプレイ3225はたとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、LEDディスプレイ、走査レーザディスプレイ、CRT等とすることができる。このことによって本発明の範囲を逸脱することはない。一部の実施形態では、前記ヘッドアップディスプレイは有機発光ダイオード(OLED)を含む。一部の実施形態では、前記ヘッドアップディスプレイ3225は、外科医/ユーザが単筒のみを介して見ることができるものである。しかし、本発明の実施形態はこの構成に限定されない。たとえばHUD3225は、両眼レンズを介して見ることができるものとすることも可能である。このことは、本発明の範囲を逸脱することはない。
動作時には、ダイクロイックビームスプリッタ3215の下向きの表面(基体面2)へOCT信号3210が送出される。このダイクロイックビームスプリッタ3215は顕微鏡3220のコリメートされる空間内に配置されており、対物レンズ3230を介して観察対象3240へ到達する。ヘッドアップディスプレイ(HUD)3225はコリメートされて、ダイクロイックビームスプリッタの上向きの表面(基体面1)へ投影され、(1つまたは複数の)接眼レンズ150を介して外科医または観察者へ到達する。
一部の実施形態ではヘッドアップディスプレイ3225は、両接眼レンズ3250を介して、外科医の左眼と右眼とで視野の非対称的な変化、ひずみ、損失または他の外乱を導入しない。本発明の一部の実施形態ではヘッドアップディスプレイ3225は、観察対象3240の関心対象のスペクトル領域内における過度の光学的損失を外科医に対して導入しない。よって一部の実施形態は、透過伝送窓を関心対象の可視スペクトル内に維持し、または、ヘッドアップディスプレイを顕微鏡接眼レンズに結合する部品を介して他のスペクトル窓内に維持することができる。この他のスペクトル窓はたとえば、特定用途のために規定されたものとすることができる。
本発明一部の実施形態では前記結合部品3215は、OCTイメージングビームが患者または被検体3240へ送られるように当該OCTイメージングビームを顕微鏡内へ入射させ、かつ、外科医またはユーザが見るためにヘッドアップディスプレイ3225が顕微鏡3220の接眼レンズ3250に向かって投影するように、当該ヘッドアップディスプレイ3225を顕微鏡3220内に結合する。
上記で説明したように、本発明の一部の実施形態では結合部品3215は、透明な基体にダイクロイックフィルタを当該基体の両面(面1および面2)にそれぞれ被着したものから成る。前記基体の第1面(基体面1)に設けられたダイクロイックフィルタは、ヘッドアップディスプレイの波長帯域では反射性であり、顕微鏡の可視化帯域(観察帯域)では透過性である。前記基体の第2面(基体面2)に設けられたダイクロイックフィルタは、OCTの波長帯域では反射性であり、顕微鏡の可視化帯域では透過性である。
本発明の一部の実施形態では、ダイクロイックフィルタの、患者の方を向いた部分(基体面2)は、赤外線に対して反射性であり、少なくとも約500nmから約650nmまでの範囲内では透過性である。ダイクロイックフィルタの、接眼レンズの方を向いた部分(基体面1)は、紫色または青色スペクトルでは反射性であり、少なくとも約500nmから約650nmまでの範囲内では透過性である。一部の実施形態では、前記透過範囲をより短波長またはより長波長の波長にまで拡大することができ、たとえば、約450nmから約750nmまでの範囲とすることができる。このことは、本発明の範囲を逸脱することはない。
本発明の一部の実施形態では、患者側のダイクロイックフィルタ(基体面2)は赤外線に対して反射性であり、少なくとも500nmから650nmまでについては透過性であり、接眼レンズ側のダイクロイックフィルタ(基体面1)は、可視域内の狭い帯域においては反射性であり、少なくとも約500nmから650nmまでについては透過性である。しかし、接眼レンズ側のダイクロイックフィルタ(基体面1)は、約25nmから約50nmまで又はそれより小さい反射ノッチを有することができる。たとえば、ここで図33を参照すると、上記の実施形態ではヘッドアップディスプレイ3225は緑色の単色有機発光ダイオード(OLED)を含み、当該有機発光ダイオードは、反射帯域幅が約25nmでありかつ中心波長が約525nmである、接眼レンズ側に設けられたダイクロイックリフレクタ部3217を有することができる。より短波長またはより長波長に拡大するように透過域を増大することができ、たとえば、約450nmから約750nmまでに拡大することができる。
本発明の一部の実施形態は、顕微鏡3220の倍率を変化させても視野(FOV)が一定であるヘッドアップディスプレイ3225を提供する。この顕微鏡倍率の変化は、顕微鏡3220のコリメートされる空間と接眼レンズ3250との間で行われ、ヘッドアップディスプレイ3225に対応した結合部品3215は、当該コリメートされる空間内に位置する。
ここで図34は、OCT信号を反射するための下向きのダイクロイック(基体面2)表面(R_lower、破線)、および、HUD信号を反射するための上向きのダイクロイック(基体面1)面(R_upper、実線)の反射率特性を示すグラフである。上述の実施形態では、OCTシステムは800nmのスペクトル帯域で動作し、HUDは青色‐紫色で、すなわち500nm未満の波長で動作する。
ここで図35は、OCT信号を反射するための下向きのダイクロイック(基体面2)表面(R_lower、破線)、および、HUD信号を反射するための第2オプションの上向きのダイクロイック(基体面1)面(R_upper、実線)についての反射率特性を示すグラフである。この実施形態では、OCTシステムは800nmスペクトル帯域で動作し、HUDは緑色で動作する。よって、HUDは外科医に対して関心領域内において、可視スペクトル内で動作する。上向きのダイクロイック部品(基体面1)は、HUDスペクトル内の物体光の使用可能な成分が顕微鏡を通過して観察者まで伝搬できるように、部分反射性かつ部分透過性に構成されている。
OCTが800nmのスペクトル帯域で動作すると上記にて説明したが、他の波長で動作するOCTシステムの遠近調整を行うため、上記の反射性フィルタを変更できることは明らかである。このことは、本発明の範囲から逸脱することはない。さらに、結合されるイメージングモダリティはOCTであることを要せず、任意の数の他のイメージングモダリティまたは治療モダリティとすることも可能であり、これにはたとえば、同焦点走査レーザイメージング、適応光学系イメージング、全視野イメージング、治療レーザ照射等が含まれる。さらに、HUDは単色のOLEDディスプレイを含むと記載したが、当該ディスプレイはLEDディスプレイ、走査レーザディスプレイ、CRT等とすることができ、このことは本発明の範囲を逸脱することはない。さらに、前記反射性フィルタは、単色、または、単一スペクトル範囲内の狭い帯域であると説明したが、HUD用のこの反射性フィルタを、他の所望のスペクトル応答のために調整することも可能である。
本発明の複数の実施形態は、1つの接眼レンズを介してHUDを投影すると説明したが、HUDは左側ならびに/もしくは右側接眼レンズを介して表示することができ、または、助手が観察するために別途構成された接眼レンズを介して表示することができ、または、これらの組み合わせを介して表示することは明らかである。このことによって、本発明の範囲を逸脱することはない。
上記では、システムや装置を示すブロック図および/またはフローチャートを参照して実施例を説明した。各ブロック中に記載された機能および/または作用は、フローチャートに記載された順序とは異なる順序で実施することが可能である。たとえば、関与する機能/作用に応じて、順次示された2つのブロックを実際には実質同時に実行することができ、または、これらのブロックを一時的に逆の順序で実行することも可能である。その上、フローチャートおよび/またはブロック図の特定のブロックの機能を複数のブロックに分割することができ、および/または、フローチャートおよび/またはブロック図の2つ以上のブロックの機能の少なくとも一部を統合することも可能である。
図面および明細書中にて、本発明の実施例を開示したが、本発明の基本的思想から実質的に逸脱することなく当該実施例について施すことが可能な変更や修正は、数多く存在する。よって、特定の用語を使用したが、かかる用語は限定目的で使用したものではなく、一般的な意味で、かつ説明目的で用いたものであり、本発明の範囲は特許請求の範囲によって特定される。

Claims (24)

  1. 手術用顕微鏡システムであって、
    光干渉断層撮影(OCT)システムと、
    対物レンズと、
    前記対物レンズから遠位にある、観察対象を直接見るための接眼レンズと、
    少なくとも1つの接眼レンズのユーザが見えるように、当該接眼レンズを介して光学像を送るように構成されたヘッドアップディスプレイモジュールと、
    手術用顕微鏡に接続された結合部品であって、前記OCTシステムと、前記ヘッドアップディスプレイモジュールと、前記対物レンズとを結合する結合部品と
    を有し、
    前記結合部品は、前記手術用顕微鏡の前記接眼レンズの方を向くように配置された第1面と、前記観察対象の方を向くように配置された第2面とを有し、
    前記結合部品は、
    当該結合部品の第1面においてヘッドアップ光学ディスプレイ信号を受け取り、かつ、前記ヘッドアップディスプレイモジュールの波長帯域内の信号を反射し、
    当該結合部品の第2面において信号を受け取り、かつ、前記OCTシステムの波長帯域内の信号を反射する
    ように構成されていることを特徴とする、手術用顕微鏡システム。
  2. 前記結合部品はさらに、
    当該結合部品の前記第1面にて前記ヘッドアップディスプレイ信号を前記顕微鏡に入力し、ユーザが少なくとも1つの前記接眼レンズを介して見るために前記手術用顕微鏡の当該少なくとも1つの接眼レンズに向けて前記ヘッドアップディスプレイを投影し、
    当該結合部品の第2面にてOCTイメージングビームを前記顕微鏡に入力し、当該OCTビームを前記観察対象へ送る
    ように構成されている、請求項1記載の手術用顕微鏡システム。
  3. 前記結合部品はダイクロイックビームスプリッタを含む、
    請求項1記載の手術用顕微鏡システム。
  4. 前記結合部品の前記第1面は、ヘッドアップディスプレイの波長帯域では反射性であり、前記顕微鏡の観察帯域では透過性であり、
    前記結合部品の前記第2面は、前記OCTシステムの波長帯域では反射性であり、前記顕微鏡の観察帯域では透過性である、
    請求項3記載の手術用顕微鏡システム。
  5. 前記結合部品の前記第1面は、500nm未満の波長領域内の紫色または青色スペクトルでは反射性であり、少なくとも約500nmから約650nmまでの領域では透過性であり、
    前記結合部品の前記第2面は、650nmを上回る波長領域内の赤外線スペクトルでは反射性であり、少なくとも約500nmから約650nmまでの領域内では透過性である、
    請求項4記載の手術用顕微鏡システム。
  6. 前記第1面は、約450nmから約750nmまでの領域内では透過性であり、かつ、
    前記第2面は、約450nmから約750nmまでの領域内では透過性である、
    請求項5記載の手術用顕微鏡システム。
  7. 前記結合部品の前記第1面は、前記顕微鏡の観察帯域内の約50nm以下の帯域幅の反射ノッチを含む、
    請求項3記載の手術用顕微鏡システム。
  8. 前記ノッチは、約510nmと520nmとの間に中心を有する、
    請求項7記載の手術用顕微鏡システム。
  9. 前記ノッチは、約514nmに中心を有する、
    請求項8記載の手術用顕微鏡システム。
  10. 前記ヘッドアップディスプレイは、前記顕微鏡のユーザが当該顕微鏡の接眼レンズを介して観察している前記観察対象の観察像に対して横方向に記録されたOCT像を含む、
    請求項1記載の手術用顕微鏡システム。
  11. 前記ヘッドアップディスプレイにて提示される前記OCT像は、前記顕微鏡の倍率が変化したとき、前記ユーザが前記接眼レンズを介して観察している前記観察対象の観察像と一致する視野(FOV)を有する、
    請求項10記載の手術用顕微鏡システム。
  12. 前記ヘッドアップディスプレイにて提示される前記OCT像は、前記顕微鏡の倍率が変化しても一定の視野(FOV)を提示する、
    請求項10記載の結合部品。
  13. 手術用顕微鏡にて使用される結合部品であって、
    前記結合部品は、前記手術用顕微鏡システムの接眼レンズの方を向くように配置された第1面と、前記観察対象の方を向くように配置された第2面とを有し、
    前記結合部品は、OCTシステムと、ヘッドアップディスプレイモジュールと、対物レンズとに接続されており、
    前記結合部品は、
    当該結合部品の第1面にてヘッドアップ光学ディスプレイ信号を受け取り、前記ヘッドアップディスプレイモジュールの波長帯域の信号を反射し、かつ、
    当該結合部品の第2面にて前記OCTシステムの波長帯域の信号を受け取り、前記OCTシステムの波長帯域の信号を反射する
    ように構成されていることを特徴とする、結合部品。
  14. 前記結合部品はさらに、
    当該結合部品の前記第1面にて前記ヘッドアップディスプレイ信号を前記顕微鏡に入力し、ユーザが少なくとも1つの前記接眼レンズを介して見るために前記手術用顕微鏡の当該少なくとも1つの接眼レンズに向けて前記ヘッドアップディスプレイを投影し、
    当該結合部品の第2面にてOCTイメージングビームを前記顕微鏡に入力し、当該OCTビームを前記観察対象へ送る
    ように構成されている、請求項13記載の結合部品。
  15. 前記結合部品はダイクロイックビームスプリッタを含む、
    請求項13記載の結合部品。
  16. 前記結合部品の前記第1面は、ヘッドアップディスプレイの波長帯域では反射性であり、前記顕微鏡の観察帯域では透過性であり、
    前記結合部品の前記第2面は、前記OCTシステムの波長帯域では反射性であり、前記顕微鏡の観察帯域では透過性である、
    請求項15記載の結合部品。
  17. 前記結合部品の前記第1面は、500nm未満の波長領域内の紫色または青色スペクトルでは反射性であり、少なくとも約500nmから約650nmまでの領域では透過性であり、
    前記結合部品の前記第2面は、650nmを上回る波長領域内の赤外線スペクトルでは反射性であり、少なくとも約500nmから約650nmまでの領域内では透過性である、
    請求項16記載の結合部品。
  18. 前記第1面は、約450nmから約750nmまでの領域内では透過性であり、かつ、
    前記第2面は、約450nmから約750nmまでの領域内では透過性である、
    請求項17記載の結合部品。
  19. 前記結合部品の前記第1面は、前記顕微鏡の観察帯域内の約50nm以下の帯域幅の反射ノッチを含む、
    請求項15記載の結合部品。
  20. 前記ノッチは、約510nmと520nmとの間に中心を有する、
    請求項19記載の結合部品。
  21. 前記ノッチは、約514nmに中心を有する、
    請求項20記載の結合部品。
  22. 前記ヘッドアップディスプレイは、前記顕微鏡のユーザが当該顕微鏡の接眼レンズを介して観察している前記観察対象の観察像に対して横方向に記録されたOCT像を含む、
    請求項13記載の結合部品。
  23. 前記ヘッドアップディスプレイにて提示される前記OCT像は、前記顕微鏡の倍率が変化したとき、前記ユーザが前記接眼レンズを介して観察している前記観察対象の観察像と一致する視野(FOV)を有する、
    請求項22記載の結合部品。
  24. 前記ヘッドアップディスプレイにて提示される前記OCT像は、前記顕微鏡の倍率が変化しても一定の視野(FOV)を提示する、
    請求項23記載の結合部品。
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