JP2016533175A - 発酵における改善された炭素捕捉 - Google Patents

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Abstract

本発明は、水素(H2)及びCO2を含むガス状基質の発酵における二酸化炭素(CO2)の利用のためのプロセス及び方法を提供する。具体的には、本発明は、ガス状基質中のCO2の少なくとも一部をエタノール、アセテート、及び/または2,3−ブタンジオール等の1つ以上の産物に変換することを可能にする。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年10月17日出願の米国仮特許出願第61/892,405号の利益を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、ガスの微生物発酵の分野に関し、具体的には、ガス状基質の嫌気性発酵において二酸化炭素を利用するための新規のプロセスに関する。
エタノールは、世界中で、主要な水素が豊富な液体輸送燃料に急速になりつつある。2013年のエタノール消費は、米国だけで推定131.8億ガロンであった。欧州、日本、米国、及びいくつかの新興国においてエタノールへの関心が高まっているため、燃料エタノール産業の世界市場も将来急激に成長することが予測されている。
例えば、米国では、エタノールは、E10、すなわちガソリン中10%エタノール混合物を生成するために使用されている。E10ブレンド中で、エタノール成分は、燃焼効率を改善しかつ大気汚染物質の生成を低減させる、酸素化剤として作用する。ブラジルでは、エタノールは、ガソリン中にブレンドされる酸素化剤及びそれ自体純粋な燃料の両方として、輸送燃料需要のおよそ30%を満たしている。また欧州では、温室効果ガス(GHG)排出の結果を取り巻く環境上の懸念により、欧州連合(EU)が加盟国にバイオマス由来エタノール等の持続可能な輸送燃料の消費に対する義務付けられた目標を設定させている。
大半の燃料エタノールは、主要な炭素源として、サトウキビから抽出されたショ糖または穀粒作物から抽出されたデンプン等の作物由来の炭水化物を使用する従来の酵母系発酵プロセスにより生成される。しかしながら、これらの炭水化物供給原料の価格がヒトの食物または動物の飼料としてのそれらの価値に影響される一方で、エタノール生成のためのデンプンまたはショ糖生成作物の収穫は、全ての地理的条件において経済的に持続可能であるわけではない。したがって、より低価格及び/またはより大量の炭素資源を燃料エタノールに変換するための技術を開発することが目的とされている。
触媒プロセスを使用して、CO及び/またはCO並びにHから主になるガスを様々な燃料及び化学物質に変換することができる。微生物を使用して、これらのガスを燃料及び化学物質に変換することもできる。これらの生物学的プロセスは、一般的に化学反応よりも遅いが、より高い特異性、より高い収率、より低いエネルギー費、及び被毒に対するより高い耐性を含む、触媒プロセスを超えるいくつかの利点を有する。
唯一の炭素源としてのCO上で微生物が増殖する能力は、1903年に初めて発見された。これは、独立栄養増殖のアセチルコエンザイムA(アセチルCoA)生化学的経路(ウッズ−リュングダリイの経路及び一酸化炭素デヒドロゲナーゼ/アセチルCoAシンターゼ(CODH/ACS)経路としても知られる)を使用する生物の特性であることが後に決定された。カルボキシド栄養性生物、光合成生物、メタン生成生物、酢酸生成生物を含む多数の嫌気性生物が、COを種々の最終産物、すなわち、CO、H2、メタン、ブタノール、アセテート、及びエタノールに代謝することが示されている。COを唯一の炭素源として使用しながら、全てのこのような生物は、これらの最終産物のうちの少なくとも2つを生成する。
クロストリジウム属等由来の嫌気性細菌は、アセチルCoA生化学的経路を介して、CO、CO、及びHからエタノールを生成することが実証されている。例えば、ガスからエタノールを生成するクロストリジウム・リュングダリイの種々の株は、国際公開第1998/00558号、国際公開第2000/068407号、国際公開第2002/008438号、米国特許第5,173,429号、米国特許第5,593,886号、及び米国特許第6,368,819号に記載されている。細菌クロストリジウム・オートエタノゲナムもまた、ガスからエタノールを生成することが知られている(Abrini,Arch Microbiol,161:345−351,1994)。
ガス発酵における研究は、COが、エタノールの生成のためにカルボキシド栄養性微生物によって利用される最も有力な炭素源である一方で、COは、微生物によってほとんど利用されないことを実証している。したがって、ガス状基質中のCOのたとえ一部でもアルコール及び/または酸等の有用な産物に変換する改善されたガス発酵プロセスが強く必要とされている。
本発明は、H及びCOを含むガス状基質を、ガス状基質中のCOの少なくとも一部を1つ以上の産物に変換する細菌培養物に提供することによって、ガス発酵における炭素捕捉を改善するためのプロセスを提供する。本発明は、H及びCOを含むガス状基質を、ガス状基質中のCOの少なくとも一部を1つ以上の産物に変換する細菌培養物に提供することによって、ガス発酵によって1つ以上の産物を生成する方法を更に提供する。理想的には、培養物によって消費されるCOの量は、培養物によって生成されるCOの量を超えるか、またはそれと等しい。
ガス状基質は、H及びCOに加えてCOを含み得る。ガス状基質中の成分比(例えば、H:COまたはH:CO:CO)は、異なり得る。更に、ガス状基質中の成分の取り込みまたは特異的取り込み比(例えば、H:CO)は、異なり得る。1つの実施形態では、培養物によるHの特異的取り込みは、培養物によるCOの特異的取り込みを超える。
発酵産物には、例えば、アルコール及び/または酸を含み得る。1つの実施形態では、産物は、エタノール、アセテート、及び2,3−ブタンジオールのうちの1つ以上を含む。
細菌は、H、CO、及び/またはCOを含むガス状基質を発酵させることができる任意の細菌であり得る。細菌は、クロストリジウム、ムーレラ、オキソバクター、ペプトストレプトコッカス、アセトバクテリウム、ユーバクテリウム、またはブチリバクテリウムのうちの1つ以上からに由来する細菌等のカルボキシド栄養性であり得る。具体的には、細菌は、DSMZに寄託された受託番号DSM23693のクロストリジウム・オートエタノゲナム等のクロストリジウム・オートエタノゲナムもしくはクロストリジウム・リュングダリイ、またはそれら由来の細菌を含み得る。
本プロセスまたは方法は、1つ以上の産物を回収することを更に含み得る。
供給ガス組成の変化に応じて、第1のリアクター内に収容される培養物によるCO、CO、及びHの取り込みの変化を示すグラフである。 供給ガス組成の変化に応じて、第2のリアクター内に収容される培養物によるCO、CO、及びHの取り込みの変化を示すグラフである。 供給ガス組成の変化に応じて、第3のリアクター内に収容される培養物によるCO、CO、及びHの取り込みの変化を示すグラフである。 供給ガス組成の変化に応じて、第3のリアクター内に収容される培養物によるCO、CO、及びHの取り込みの変化を示すグラフである。 培養物によるCOの純消費を示すグラフである。 発酵培養物の代謝産物を示すグラフである。 反応したH/COの比率の産物生成への影響を示すグラフである。
本発明は、H及びCOを含むガス状基質を、ガス状基質中のCOの少なくとも一部を1つ以上の産物に変換する細菌培養物に提供することによって、ガス発酵における炭素捕捉を改善するためのプロセスを提供する。本発明は、H及びCOを含むガス状基質を、ガス状基質中のCOの少なくとも一部を1つ以上の産物に変換する細菌培養物に提供することによって、ガス発酵によって1つ以上の産物を生成する方法を更に提供する。
嫌気性細菌は、基質及び産物の反応条件及び濃度に応じて、いくつかの異なる反応を伴い得るアセチル−CoA生化学的経路を介して、H及びCOからエタノール及びアセテートを生成することが実証されている。例えば、アセテートは、1:1のH:CO取り込みから生成され得、2CO+2H→CHCOOHである。エタノール及びCOは、1:1のH:CO取り込みから生成され得、3CO+3H→CHCHOH+COである。エタノールは、2:1のH:CO取り込みから生成され得、2CO+4H→CHCHOH+HOである。アセテートは、HなしのCOの消費から生成され得、4CO+2HO→CHCOOH+2COである。エタノールは、HなしのCOの消費から生成され得、6CO+3HO→CHCHOH+4COである。
更に、嫌気性細菌は、COを利用して、産物を生成することができる。例えば、アセテートは、2:1のH:CO取り込みから形成され得、2CO+4H→CHCOOH+2HOである。エタノールは、3:1のH:CO取り込みから形成され得、2CO+6H→CHCHOH+3HOである。
CO及びHの特異的取り込みを伴うもの等のCO生成反応、並びにCO消費反応は、正味のCO流束をゼロに均衡化するために組み合わされてもよい:
理想的には、培養物によって消費されるCOの量は、培養物によって生成されるCOの量を超えるか、またはそれと等しい。言い換えると、発酵は、正味の炭素捕捉をもたらし得る。
ガス状基質(「ガス」または「供給ガス」または「発酵ガス」または「基質」)は、発酵において炭素及び/またはエネルギー源として微生物に使用される化合物または要素を含有する任意のガスであり得る。ガス状基質は、典型的には、相当な割合のH、CO、及び/またはCOを含有し、更に、Nまたは他のガスを含有してもよい。好ましい実施形態では、ガス状基質は、H及びCOを含むが、COを含まない。別の好ましい実施形態では、ガス状基質は、H、CO、及びCOを含む。嫌気性発酵では、ガス状基質は、典型的には、Oを含まないか、または実質的に含まない。
ガス状基質の組成は、異なり得る。具体的には、ガス状基質中のH、CO、及び/またはCO比は、異なり得る。例えば、ガス状基質中のH:CO比は、少なくとも0.1:1、少なくとも0.5:1、少なくとも1:1、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも5:1、または少なくとも10:1であり得る。ガス状基質は、例えば、5〜40%のCO、10〜25%のCO、20〜50%のCO、または30〜60%のCOを含み得る。ガス状基質は、例えば、1:1の比率で、CO及びCOを含み得る。ガス状基質中のCOの量は、ガス状基質中のCOの量の1.5〜4倍であり得る。
ガス状基質は、過剰なHを含み得るか、またはそれを含むように調整され得る。例えば、ガス状基質は、約30〜90%のHまたは約60〜90%のHを含み得る。ガス状基質は、CO及びCOよりも実質的に高い体積のHを含有してもよい。例えば、ガス状基質中のH:CO:CO比は、少なくとも2:1:1、または少なくとも3:1:1、または少なくとも5:1:1であり得る。ガス状基質中のHの量は、ガス状基質中のCOの量の1.5〜5倍であり得る。ガス流またはガス源は、所望の組成のガス状基質を得るためにH(またはCOもしくはCO)で補完されてもよい。
ガス状基質は、産業プロセスから調達されてもよい。具体的には、ガス状基質は、鉄金属製品製造(例えば、鋼鉄製造)、非鉄製品製造、石油精製、石炭ガス化、電力生成、カーボンブラック生成、アンモニア生成、メタノール生成、またはコークス製造等の産業プロセスによって発生される廃棄ガスであってもよい。好ましい実施形態では、ガス状基質は、鋼鉄製造ガスに由来する。
ガス状基質は、メタン、エタン、プロパン、石炭、天然ガス、原油、油精製(石油コークス(petroleum coke)または石油コークス(petcoke)を含む)からの低値残留物、固形都市廃棄物、またはバイオマス等の有機物のガス化から調達されてもよい。バイオマスは、サトウキビからの糖、またはトウモロコシもしくは穀類からのデンプン等の食糧、または山林業によって発生される非食物バイオマス廃棄物の抽出及び処理中に得られる副産物を含む。これらの炭素質材料のうちのいずれかがガス化され得る、すなわち、酸素によって部分的に燃焼され、合成ガス(合成ガス(syngas))を生成する。合成ガスは、典型的には、主にCO、H、及び/またはCOを含み、メタン、エチレン、エタン、または他のガスの量を更に含有してもよい。ガス化装置の運転条件は、発酵プロセスにおけるアルコール生産性及び/または全体の炭素捕捉全体の上昇のために、発酵に対して望ましい組成を有する基質流または最適化されたもしくは望ましい組成を提供するための1つ以上の他の流とのブレンドを提供するように調整され得る。
ガス状基質は、圧力スイング吸着(PSA)システムから調達されてもよい。例えば、PSA排ガスは、メタン蒸気改質器内の水性ガスシフトリアクターからのCO及びCOに加えて、メタン蒸気改質器からPSAに入る約10〜12%のHを含有し得る。主要なメタン改質器を出るガス中のCO(約3H/COで)は、水性ガスシフトリアクター(高温及び低温)を使用して、水と反応して、H及びCOを形成することができる。反応条件は、PSA排ガス中に存在するCOの量に対してPSA排ガス中に存在するCOの量を制御するために調整され得る。また、望ましいH/CO/CO比率を達成するために、Hの一部をPSA排ガス中に残すこと、またはHをPSA排ガスに戻して追加することが望ましい場合もある。例えば、H:CO比率は、約2:1であってもよく、及び/またはH:CO比率は、約3:1であってもよい。典型的には、PSAは、超高純度のH産物を作製する。Hの回収は、主に、供給ガス圧対排ガス圧比率に影響される。最低圧力で排ガスを流すことは、最も高いH回収をもたらす。排ガスは、通常、燃料ガスヘッダ(精製のどこかで使用される)に送られるため、それは約15psigの圧力であり得る。主要改質器内の専用燃焼器内で燃焼される場合、それは、5psigまで低い圧力であってもよい。PSA排ガスが発酵槽のための供給ガス源として使用される場合、排ガスの圧力は、ガス圧縮の必要性を回避するために30〜45psigに調整されてもよい。
ガス状基質は、任意の好適な導管手段で、全体的にまたは部分的に発酵に方向付けられる。例えば、配管または他の移動手段が、鋼鉄工場からの廃棄ガス煙突に接続されてもよく、廃棄ガスの少なくとも一部を発酵システムへ転送する。1つ以上のファンを使用して、廃棄ガスの少なくとも一部を発酵システムへ転送することができる。鋼鉄工場は、実質的に連続して鋼鉄(及び続く廃棄ガス)を生成するように適合され得るが、プロセスの特定の態様は、断続的であってもよい。典型的には、鋼鉄の脱炭は、数分間から数時間続くバッチプロセスである。導管手段は、廃棄ガスが望ましい組成を有することが決定される場合、廃棄ガスの少なくとも一部を発酵システムへ転送するように適合されてもよい。
化学的もしくは物理的不純物または混入物質を除去するために、発酵で使用される前にガス状基質を濾過する、洗浄する、さもなければ、前処理することが望ましい場合がある。例えば、原料ガスは、特定の微粒子物質、長鎖炭化水素、またはタールを除去するために、水を通過させてもよく、さもなければ、濾過されてもよい。しかしながら、このような濾過または前処理は、常に必要とされるわけではない。未濾過、未処理のガス状基質を直接発酵培養物に提供することが可能な場合がある。
ガス状基質の組成を変更させて、発酵効率、産物生成、及び/または炭素捕捉全体を改善することができる。具体的には、ガス状基質は、2つ以上の供給源からの流を組み合わせるか、またはブレンドすることによって、より高いもしくはより低い量のH、CO、及び/またはCOを含有するように変更されてもよい。例えば、鋼鉄工場の変換器からの排気等の高濃度のCOを含む流は、鋼鉄工場コークス炉からのオフガス等の高濃度のH及びCOを含む流と組み合わせるか、またはブレンドされてもよい。あるいは、または更に、鋼鉄工場の変換器からの排気流等のCOを含む断続的な流は、ガス化プロセスにおいて生成される合成ガス等のCO、CO、及びHを含む実質的に連続した流と組み合わせるか、またはブレンドされてもよい。例えば、ガス化装置によって生成される流は、望ましいまたは最適化された組成を有する実質的に連続した基質流を維持するために、工業供給源からのCOの断続的な生成によって増加及び/または減少され得る。
基質流は、典型的には、気体であるが、液体または固体であってもよい。例えば、COは、液体で、またはCO飽和液体としてリアクターに提供され得る。例として、Hensirisak,Appl Biochem Biotechnol,101:211−227,2002)に記載されるもの等の微小気泡分散発生装置が使用され得る。
ガス発酵は、ガス状基質がエタノールまたは他の産物もしくは化学物質の生成のための炭素及び/またはエネルギー源として使用される代謝プロセスである。本明細書に使用する場合、「発酵」という用語は、プロセスの増殖期及び産物生合成期の両方を包含する。ガス発酵は、微生物、典型的には、細菌によって実施される。
細菌は、H2、CO、及び/またはCOを含むガス状基質を発酵させることができる任意の細菌であり得る。細菌は、クロストリジウム、ムーレラ、オキソバクター、ペプトストレプトコッカス、アセトバクテリウム、ユーバクテリウム、またはブチリバクテリウムからに由来する細菌等、カルボキシド栄養性であり得る。具体的には、細菌は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・カルボキシディボランス、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・アセチクム、クロストリジウム・フォルミコアセチクム、クロストリジウム・マグナム、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム(Butyribacterium methylotrphoicum)、アセトバクテリウム・ウーディ(Acetobacterium woodii)、アルカリバクラム・バッチィ(Alkalibaculum bacchi)、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)、ユーバクテリウム・リモーサム、ムーレラ・サーモアセチカ、スポロミュサ・オヴァタ(Sporomusa ovata)、スポロミュサ・シルバセチカ(Sporomusa silvacetica)、スポロミュサ・スファエロイデス(Sporomusa sphaeroides)、オキソバクター・フェニジイ(Oxobacter pfennigii)、及びサーモアナエロバクター・キウヴィ(Thermoanaerobacter kiuvi)であり得る。細菌は、前述の属または種のうちのいずれかに由来する株であってもよい。
細菌は、クロストリジウム・オートエタノゲナム種、クロストリジウム・リュングダリイ種、クロストリジウム・ラグスダレイ種、及び関連分離株を含むカルボキシド栄養性クロストリジウムのクラスターに由来し得る。これらには、クロストリジウム・オートエタノゲナム株JAI−1T(DSM10061)(Abrini,Arch Microbiol,161:345−351,1994)、クロストリジウム・オートエタノゲナム株LBS1560(DSM19630)(国際公開第2009/064200号)、クロストリジウム・オートエタノゲナム株LBS1561(DSM23693)、クロストリジウム・リュングダリイ株PETCT(DSM13528=ATCC55383)(Tanner,Int J Syst Bacteriol,43:232−236,1993)、クロストリジウム・リュングダリイ株ERI−2(ATCC55380)(米国特許第5,593,886号)、クロストリジウム・リュングダリイ株C−01(ATCC55988)(米国特許第6,368,819号)、クロストリジウム・リュングダリイ株O−52(ATCC55989)(米国特許第6,368,819号)、クロストリジウム・ラグスダレイ株P11T(ATCC BAA−622)(国際公開第2008/028055号)、「クロストリジウム・コスカチイ」(米国公開第2011/0229947号)及び「クロストリジウム種」(Berzin,Appl Biochem Biotechnol,167:338−347,2012)等の関連分離株、またはクロストリジウム・リュングダリイOTA−1(Tirado−Acevedo,Production of Bioethanol from Synthesis Gas Using Clostridium ljungdahlii,PhD thesis,North Carolina State University,2010)等の突然変異株が挙げられるが、これらに限定されない。これらの株は、クロストリジウム属のrRNAクラスターI内のサブクラスターを形成し、それらの16S rRNA遺伝子は、約30%の類似の低GC含量と99%を超えて一致している。しかしながら、DNA−DNA再結合及びDNA指紋実験は、これらの株がはっきりと異なる種に属することを示した(国際公開第2008/028055号)。
上述のクラスターの全ての種は、同様の形態及び大きさを有し(対数増殖細胞は、0.5〜0.7×3〜5μmである)、中温性であり(最適な増殖温度は30〜37℃)、絶対嫌気性である(Abrini,Arch Microbiol,161:345−351,1994、Tanner,Int J Syst Bacteriol,43:232−236,1993、及び国際公開第2008/028055号)。その上、それらは全て、同じpH範囲(pH4〜7.5、最適な初期pHは5.5〜6)、同様の増殖速度でのCO含有ガス上での強い独立栄養増殖、並びにある特定の条件下で形成される、主な発酵最終産物としてのエタノール及び酢酸並びに少量の2,3−ブタンジオール及び乳酸の同様の代謝プロファイル等の同じ重要な系統発生特質を共有する(Abrini,Arch Microbiol,161:345−351,1994、Kopke,Curr Opin Biotechnol,22:320−325,2011、Tanner,Int J Syst Bacteriol,43:232−236,1993、及び国際公開第2008/028055号)。インドール生成が、3つの種全てで同様に観察された。しかしながら、種は、種々の糖(例えば、ラムノース、アラビノース)、酸(例えば、グルコン酸塩、クエン酸塩)、アミノ酸(例えば、アルギニン、ヒスチジン)、または他の基質(例えば、ベタイン、ブタノール)の基質利用において差異を生じる。更に、ある特定のビタミン(例えば、チアミン、ビオチン)に対して栄養要求性であることが発見された種もあれば、そうではないものも発見された。ガス取り込みを伴うウッド−リュングダリイの経路遺伝子の組織及び数は、核酸及びアミノ酸配列における相違にもかかわらず、全ての種において同じであることが発見されている(Kopke,Curr Opin Biotechnol,22:320−325,2011)。また、カルボン酸のそれらの対応するアルコールへの還元は、様々なこれらの微生物おいて示されている(Perez,Biotechnol Bioeng,110:1066−1077,2012)。したがって、これらの特質は、クロストリジウム・オートエタノゲナムまたはクロストリジウム・リュングダリイのような1つの生物に特異的ではなく、むしろカルボキシド栄養性のエタノール合成クロストリジウムに対して一般的な特質であり、機序は、性能に相違があり得るが、これらの株にわたって同様に働くことが予期され得る(Perez,Biotechnol Bioeng,110:1066−1077,2012)。
好ましい実施形態では、細菌は、クロストリジウム・オートエタノゲナムまたはクロストリジウム・リュングダリイである。別の実施形態では、細菌は、German Resource Centre for Biological Material(DSMZ)に寄託された受託番号DSM10061またはDSM23693の株の識別特性を有するクロストリジウム・オートエタノゲナムである。更に好ましい実施形態では、細菌は、DSMZに寄託された受託番号DSM10061もしくはDSM23693のクロストリジウム・オートエタノゲナムまたはDSMZに寄託された受託番号DSM10061もしくはDSM23693のクロストリジウム・オートエタノゲナムからに由来する細菌である。
細菌培養物によるガス状基質の取り込み(「消費」)及び特異的取り込み(「特異的消費」)は、異なってもよい。取り込みは、概して、単位時間(例えば、日)当たりの消費される成分ガスの単位(例えば、H、CO、またはCOのmmol)掛ける発酵ブロスの単位(例えば、発酵ブロスのL)、例えばmmol/L/日の単位で記載される。培養物は、例えば、少なくとも1000mmol/L/日のH、少なくとも2000mmol/L/日のH、少なくとも4000mmol/L/日のH、または少なくとも6000mmol/L/日のHを取り込み得る。更に、培養物は、例えば、少なくとも500mmol/L/日のCO、少なくとも1000mmol/L/日のCO、少なくとも2000mmol/L/日のCO、または少なくとも3000mmol/L/日のCOを取り込み得る。特異的取り込みは、概して、単位時間(例えば、分)当たりの消費される成分ガスの単位(例えば、H、CO、またはCOのmmol)掛ける微生物の単位(例えば、細菌細胞のグラム)、例えばmmol/g/分の単位で記載される。好ましい実施形態では、培養物によるHの特異的取り込みは、培養物によるCOの特異的取り込みを超える。例えば、培養物によるH:COの特異的取り込み比は、少なくとも1.1:1、少なくとも1.4:1、少なくとも1.6:1、少なくとも2:1、少なくとも3.1、少なくとも5:1、または少なくとも10:1であり得る。
及び/またはCO取り込みは、発酵ブロス中のエタノール及び/またはアセテート濃度が高い、または少なくともある特定の閾値を超えるときに、減損される場合がある。例えば、H取り込みは、アセテート濃度が、約10g/Lまたは約20g/Lを超えるときに、減損され得る。H取り込み減損の範囲を低減するために、細菌培養物によって生成される産物は、リアクターまたは発酵ブロスから連続して取り除かれてもよい。培養物によるHの効率的な消費を達成するために十分に高い細胞密度が必要とされ得る。COの取り込みは、不健康なバイオマス、ガス供給過剰、高エタノール濃度、及び/または混入物質の存在によって阻害される場合がある。
細菌培養物は、培養物に十分な資源を提供する任意の液体栄養培地中で増殖され得る。液体栄養培地は、例えば、ビタミン、鉱物、及び水を含有してもよい。エタノールまたは他の産物の発酵に適した嫌気性培地を含む好適な液体栄養培地の例が、当業者で既知である(例えば、米国特許第5,173,429号、米国特許第5,593,886号、及び国際公開第2002/08438号を参照されたい)。
細菌培養物は、リアクター(バイオリアクター)内に収容され得る。リアクターは、細菌培養物の増殖のための1つ以上の容器及び/またはタワーもしくは配管配置を有する任意の発酵装置であり得る。リアクターは、例えば、固定化細胞リアクター、ガスリフト型リアクター、気泡塔型リアクター(BCR)、循環ループリアクター、中空糸膜バイオリアクター(HFM BR)等の膜リアクター、連続流動撹拌槽リアクター(CSTR)、またはトリクルベット型リアクター(TBR)であり得る。リアクターは、好ましくは、H、CO、及び/またはCOを含むガス状基質を受容するように適合される。リアクターは、並列または直列のいずれかで多段リアクター(ステージ)を備えてもよい。例えば、リアクターは、その内部で細菌を培養する第1の増殖リアクターと、増殖リアクターからの発酵ブロスが供給され、その内部で発酵産物のほとんどが生成され得る第2の発酵リアクターと、を備えてもよい。
本発明の実施形態は、例として記載される。しかしながら、一方の実施形態では必要な特定のステップまたは段階が、他方では必要ではない場合がある。反対に、特定の実施形態の説明に含まれるステップまたは段階は、任意に、それらが具体的に言及されない実施形態において有利に利用されてもよい。
本発明は、任意の既知の移動手段によって発酵システムを通ってまたは発酵システムの周りを移動させられる任意の種類の流を参照して大まかに記載されるが、ある特定の実施形態では、基質及び/または排気流は、ガス状である。特定の段階は、好適な導管手段に連結されてもよく、またはシステム全体に渡る流を受容もしくは通過するように構成可能であり得る。ポンプまたは圧縮機は、特定の段階への流の送達を促進するために提供されてもよい。その上、圧縮機を使用して、1つ以上の段階に提供されるガスの圧力を上昇させることができる。
加えて、本発明のシステムまたはプロセスは、任意に、プロセスの全体効率を改善するために、他のパラメータを調節及び/または制御するための手段を含んでもよい。1つ以上のプロセッサが、プロセスの特定のパラメータを調節及び/または制御するためにシステムに組み込まれてもよい。例えば、システムは、基質の組成及び/または排気流を監視するための決定手段を含んでもよい。加えて、特定の実施形態は、決定手段が、流が特定の段階に適した組成を有することを決定する場合、特定のシステム内の特定の段階または要素への基質流の送達を制御するための手段を含み得る。例えば、ガス状基質流が、発酵反応に有害であり得る低水準のCOもしくはHまたは高水準のOを含有する場合、基質流は、バイオリアクターから離れて転送され得る。システムはまた、所望のまたは好適な組成を有する流が特定の段階に送達され得るように、基質流及び/または流量の行き先を監視及び制御するための手段も含み得る。
その上、プロセスの1つ以上の段階の前またはその最中に特定のシステム構成要素もしくは基質流を加熱または冷却するために必要な場合がある。そのような事例では、任意の既知の加熱または冷却手段が使用され得る。例えば、熱交換器が、基質流を加熱または冷却するために用いられてもよい。
反応条件は、リアクター内の細菌増殖速度及び/または産物生成を最適化するために監視及び調整され得る。発酵は、望ましくは、所望の発酵を生じる(例えば、COからアルコール)ための適切な条件下で行われるべきである。そのような反応条件には、圧力、温度、ガス流量、液体流量、培地pH、培地酸化還元電位、撹拌速度(連続撹拌槽リアクターを使用する場合)、接種原レベル、(液相中のH、CO、及び/またはCOが限界とならないことを確実にするための)基質濃度、並びに(産物阻害を避けるための)産物濃度が挙げられる。
嫌気性細菌を培養する一般的な方法は、当該技術分野で周知である。例示的技法は、(i)Klasson,Resour Conserv Recycl,5:145−165,1991、(ii)Klasson,Fuel,70:605−614,1991、(iii)Klasson,Enzyme Microbial Technol,14:602−608,1992、(iv)Vega,Biotech Bioeng,34:785−793,1989、(vi)Vega,Biotech Bioeng,34:774−784,1989、(vii)Vega,Resour Conserv Recycl,3:149−160,1990に提供されている。その上、ガス状基質からエタノール及び他のアルコールを生成するためのプロセスは、当該技術分野で周知である。例示的プロセスには、例えば、国際公開第2007/117157号、国際公開第2008/115080号、米国特許第6,340,581号、米国特許第6,136,577号、米国特許第5,593,886号、米国特許第5,807,722号、及び米国特許第5,821,111号記載されるものを含む。
リアクターの内容物のpHは、必要に応じて調整され得る。適切なpHは、使用される液体栄養培地及び細菌を考慮して、特定の発酵反応に必要とされる条件に依存する。クロストリジウム・オートエタノゲナムによるH2、CO、及びCOを含有するガス状基質の発酵を含む好ましい実施形態では、pHは、約4.5〜6.5に、最も好ましくは、約5〜5.5に調整され得る。更なる例には、酢酸の生成にムーレラ・サーモアセチカを使用するpH5.5〜6.5、ブタノールの生成にクロストリジウム・アセトブチリクムを使用するpH4.5〜6.5、及び水素の生成にカルボキシドサーマス・ハイグロゲナフォルマンス(Carboxydothermus hygrogenaformans)を使用するpH7が挙げられる。リアクターのpHを調整及び維持するための手段は、当該技術分野で周知である。そのような手段には、NaOHまたはNHOH等の水性塩基及びHSO等の水性酸の使用が挙げられる。
好ましくは、リアクターは、細菌がガス状基質、具体的には、ガス状基質中のHに近付くことを可能にするために十分な質量移動を提供するように構成される。長いガス滞留時間は、細菌による高いガス取り込みを発生させる。特定の実施形態では、リアクターは、そこを通してガス状基質及び液体栄養培地が循環する上昇(riser)区画及び下降(downcomer)区画を備える循環ループリアクターである。リアクターは、有効な質量移動を提供することができる幅広い好適なガス/液体接触モジュールを更に含んでもよい。接触モジュールは、ガス及び液体が固定流路に沿って完全に混合されることを可能にする固有の幾何学的環境を提供することができ、噴流ガスを液体中により均一に溶解させる。例として、この接触モジュールは、マトリクス状の構造化波形金属パッキング、ランダムパッキング、師板、及び/または静的ミキサーを含み得るが、これらに限定されない。
ガス状基質の細菌培養物への質量移動速度は、最適な供給速度またはその前後で細菌培養物にガス状基質が供給されるように制御され得る。質量移動速度は、ガス状基質の分圧を制御することによって、及び/または液体流量もしくはガスホールドアップを制御することによって、制御されてもよい。ガス状基質の導入の速度は、液相中のH2、CO、及び/またはCOの濃度が限界とならないことを確実にするために監視されてもよい。特定の実施形態では、質量移動は、リアクターに入るガス状基質の分圧を制御することによって制御される。
高圧、すなわち、周囲圧力よりも高い圧力で、発酵を実施することが好ましい場合がある。上昇した圧力での運転は、ガス相から、それがエタノール等の産物の生成のための炭素源として細菌によって取り込まれ得る液相へのH2、CO、及び/またはCO移動の速度の著しい上昇を可能にする。保持時間(投入ガス流量で除したバイオリアクター内の液体体積)は、リアクターが大気圧よりもむしろ高圧で維持されるときに低減され得る。また、所与のCO/CO/Hからエタノールへの変換速度が、部分的に基質保持時間の関数であり、所望の保持時間を達成することが、転じてバイオリアクターの必要な容積を決定するため、加圧システムの使用は、必要とされるバイオリアクターの容積を大きく低減することができ、結果として、発酵設備の資本費を大きく低減することができる。米国特許第5,593,886号で示される例によると、リアクター体積は、リアクター運転圧力の上昇に直線的に比例して低減させることができる。例えば、10気圧の圧力で運転されるリアクターは、1気圧の圧力で運転されるもののわずか10分の1の容積だけを必要とする。高圧でガスからエタノールへの発酵を行うことの利点は、別の文献にも記載されている。例えば、国際公開第2002/08438号は、30psig及び75psigの圧力下で行われるガスからエタノールへの発酵が、それぞれ150g/L/日及び369g/L/日のエタノール生産性をもたらすことを記載している。しかしながら、大気圧で類似の培地及び投入ガス組成を使用して実施される例となる発酵は、10〜20倍少ない1日当たりのリットル毎エタノールを生成することが発見された。
細菌培養物は、1つ以上の産物を生成し得る。ガス状供給原料中のCOの少なくとも一部は、産物中の炭素の少なくとも一部がガス状基質中のCOの炭素から導出されるように、産物に変換される。例えば、産物中の炭素の少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%が、ガス状基質中のCOの炭素から導出され得る。別の実施形態では、リアクターを退出するガス中のCOの量は、リアクターに入るガス中のCOの量よりも少ない(すなわち、ガス状基質中のCOの量よりも少ない)。例えば、リアクターを出るガス中のCOの量は、リアクターに入るガス中のCOの量よりも少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%少なくてもよい。
産物は、アルコール、酸、または他の化学物質を含み得る。そのような産物は、発酵プロセスによって生成されるガスも含む。具体的には、培養物は、エタノール、酢酸(またはアセテート)、2,3−ブタンジオール、ブタノール、イソプロパノール、乳酸塩、コハク酸塩、メチルエチルケトン(MEK)、プロパンジオール、2−プロパノール、アセトイン、イソブタノール、シトラマル酸塩、ブタジエン、ポリ乳酸、イソブチレン、3−ヒドロキシプロピオネート(3HP)、アセトン、及び脂肪酸のうちの1つ以上を生成し得る。本発明者らは、ガス発酵におけるCOの消費によるエタノールの高生成を最初に実証する。好ましい実施形態では、培養物は、エタノール、アセテート、及び2,3−ブタンジオールのうちの1つ以上を生成する。
培養物は、異なる量でエタノール及びアセテートを生成し得る。例えば、培養物は、約1:1の比率でエタノール及びアセテートを生成し得る。好ましい実施形態では、培養物は、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1、または少なくとも5:1の比率でエタノール及びアセテートを生成する。培養物は、少なくとも10g/Lまたは少なくとも15g/Lの濃度でエタノールを生成し得る。培養物は、20g/L以下または10g/L以下の濃度でアセテートまたは酢酸を生成し得る。
プロセスまたは方法は、当該技術分野で既知の任意の手段を使用して1つ以上の産物を回収することを含み得る。例示的な方法は、国際公開第2007/117157号、国際公開第2008/115080号、米国特許第6,340,581号、米国特許第6,136,577号、米国特許第5,821,111号、米国特許第5,807,722号、及び米国特許第5,593,886号に記載されている。
エタノールは、例えば、分留または蒸発または抽出発酵等の方法によって発酵ブロスから回収され得る。発酵ブロスからのエタノールの蒸留は、エタノール及び水の共沸混合物(例えば、95%のエタノール及び5%の水)をもたらす。続いて、無水エタノールが、当該技術分野で周知の分子篩エタノール脱水技術の使用によって得られる。抽出発酵は、希釈発酵ブロスからエタノールを回収するために、発酵微生物に対して低い毒性リスクを提示する水混和性溶媒の使用を伴う。例えば、抽出発酵における溶媒としてオレイルアルコールが使用されてもよい。オレイルアルコールが連続して発酵槽内に導入されるとき、それは発酵ブロスの頂部に層を形成するように上昇する。次いで、この層は、遠心分離によって抽出され、供給され得る。次いで、水及び細胞がオレイルアルコールから容易に分離されて発酵槽に戻される一方で、エタノールを含む溶媒は、フラッシュ蒸発ユニットに供給される。エタノールの大半が蒸発及び濃縮される一方で、非揮発性オレイルアルコールは、発酵における再利用のために回収される。
アセテートも、当該技術分野で既知の方法を使用して発酵ブロスから回収され得る。例えば、活性炭フィルターを伴う吸着システムが使用されてもよい。この場合、微生物細胞は、典型的には、好適な分離方法を使用して発酵ブロスから最初に除去される。産物回収のための無細胞発酵ブロスを発生する多数の濾過に基づく方法が、当該技術分野で既知である。次いで、エタノール及びアセテートを含有する無細胞透過液を、アセテートを吸着するための活性炭を含有するカラムを通過させる。塩(アセテート)形態よりもむしろ酸形態(酢酸)のアセテートが、活性炭によってより容易に吸着される。したがって、アセテートの大半を酢酸形態に変換するために、活性炭カラムを通過させる前に発酵ブロスのpHを約3未満に低下させることが好ましい。
発酵反応の産物は、発酵バイオリアクターからブロスの一部を連続して取り出し、微生物細胞をブロスから分離し、1つ以上の産物をブロスから同時にまたは順次回収することによって、発酵ブロスから回収され得る。分離された微生物細胞は、発酵リアクターに戻されてもよい。エタノール及びアセテートが取り出された後に残る無細胞透過液もまた、発酵リアクターに戻されてもよい。無細胞透過液がリアクターに戻される前に、無細胞透過液を満たすために、Bビタミン等の追加の栄養素が追加されてもよい。ブロスのpHが、酢酸の活性炭への吸着を強化するように調整された場合、無細胞透過液のpHも再調整される必要がある。
リアクターは、細菌が更なる発酵のためにリアクターに戻され得るように、細菌を透過液から分離するための手段を提供する細胞リサイクルシステムと一体化されてもよい。細胞リサイクルモジュールは、細胞を保持しながら、ブロス透過液を連続して引き出すことができる。細胞リサイクルシステムは、細胞リサイクル膜及びディスクスタック型遠心分離機を含み得るが、これらに限定されない。
実施例
以下の実施例は、本発明を更に例示するが、当然のことながら、どのようにもその範囲を制限すると解釈されるべきではない。
本実施例は、4つのバイオリアクター(リアクター1〜4)の調製、播種、及び発酵を実証する。
2Lのバイオリアクターに、以下の成分を追加して、1.5Lの作業体積を作製した;1450mlのHO、37.5mlの1M KCl、3mlの1M NaCl、3mlの1M MgCl、3mlの1M CaCl、0.6mlの85%HPO、1.5mLのレサズリン(2g/L)、7.5mlの微量金属溶液、及び30mlのB−ビタミン原液。
撹拌を300rpmに切り替え、リアクターを37℃に加熱した。Nを200ml/分で少なくとも1時間にわたって散布した。次いで、入口ガスを、300rpmで50ml/分のRMGに切り替えた。NaS滴下を0.3ml/時間で開始した。ORPを−150mV〜−250mV内に調整した。Cr(II)を使用して、必要に応じて、特定の範囲内に値を維持するようにORPを調整した。塩基補正としてNHOH(5M)を使用した。
次いで、リアクターに200mlの活発に増殖するクロストリジウム・オートエタノゲナム培養物を播種した。培養物は、クロストリジウム・オートエタノゲナム株DSMZ23693を含んだ。
次いで、リアクター1〜4を以下に記載されるように発酵した。列記した値は、概算値であり、GC測定値間を約+/−0.5%前後する。

リアクター1
図1は、リアクター1内で培養物によって消費されるCO、CO、及びHの量を示す。

リアクター2
図2は、リアクター2内の培養物によって消費されるCO、CO、及びHの量を示す。

リアクター3
図3は、リアクター3内で培養物によって消費されるCO、CO、及びHを示す。

リアクター4
図4は、リアクター4内で培養物によって消費されるCO、CO、及びHの量を示す。
全ての4つのリアクターにおいて、CO消費は、ガス供給組成が過剰水素を含むように変更されたときに実証された。リアクター3では、消費されたCOの量は、供給ガス中のCO体積の還元に続いて消費されたCOの量よりも大きかった。これは、過剰なHが基質中で利用可能であるときに、COが主要な炭素源として利用されたことを示す。
本実施例は、幅広い範囲にわたってHがCOと反応することを実証する。
クロストリジウム・オートエタノゲナムの培養物によるH、CO、及びCO消費を、標準的方法を用いて測定した。具体的には、質量流量制御器を用いてリアクター入口及び出口ガスの流量を測定し、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いてリアクター入口及び出口ガスの組成を測定した。ブロス/日のmmol/Lの単位で表されるH、CO、及びCOの消費の速度を、出口ガス流から計算した。Nは、入口ガス中のNが出口ガス中のNと等価であったように、培養物によって消費されなかった。培養物は、入口(供給)ガス中で利用可能なCO及び/または培養物によって生成されるCOを消費し得る。
図5は、COが所与の比率でHと反応したこと、並びに培養物がCO反応により生成されたCOだけではなく、Hが利用可能であった限り、供給ガス中に提供されたCOも消費したことを示す。図5は、COの純消費が達成されたことを実証する。COの純消費(負数)または産出(正数)をCO(負数)の消費で除し、その分数を百分率値に変換することによって、図5のy軸を計算した。消費されたCOの割合で除した消費されたHの割合の分率として、図5のx軸を計算した。
本実施例は、ガス状基質中のHの百分率の上昇が、発酵培養物によって生成されるエタノール:2,3−ブタンジオール(BDO)比を上昇させることを実証する。
図6は、クロストリジウム・オートエタノゲナムの発酵培養物の代謝産物を示す。20日目で、供給ガス中のHは、5%から34%に上昇し、供給ガス中のCOは、26%から20%に減少した。BDO生成は、4.3g/Lから0.9g/Lに急落し、エタノール:BDO比は上昇した。H利用は、15%から58%に上昇した。バイオマスは、0.7のD廃棄で減少した。
供給ガス中のHは、CO利用が高い場合、すなわち、溶解されたCOが少ない場合、かなりの程度(50%超)まで消費され得る。ATPバランスを使用して、HがCOを伴う補助基質であった場合、細胞増殖速度がより遅くなり得ることが予測された。ブロス中に溶解されたCOの濃度の直接的な結果としてBDO生成速度が減少したこと、並びに、BDO生成の速度がCOの消費と逆比例したように、ブロス中に溶解されたCOがCO分圧と比例した(または固定大気運転圧力で出口CO濃度に比例した)ことが観察された。D廃棄、リアクター内の細菌の滞留時間は、リアクター内の細菌の濃度を最適な値で維持するように調整され得る。より多くのHが消費されるため、D廃棄は、細胞膜を通してより多くのブロスをポンプで送り込むことによって減少させることができる。
本実施例は、反応したH/COの比率が産物生成に影響を与えることを実証する。具体的には、本実施例は、供給ガス中のH:CO比が上昇するにつれてバイオマス及びBDOが減少することを実証する。
図7は、実施例3に記載される実験と類似する一連の実験に対するデータ点を示す。y軸は、H及びCO消費の割合に対するバイオマス及びBDOに変換された炭素の割合の比率である。産物生成がH/CO消費比率に影響されない場合、傾向は、反応したH/COの上昇とともに減少しない(すなわち、水平傾向線が観察され得る)。
本明細書に引用される刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての参照文献は、各参照文献が、参照により組み込まれることが個別に及び具体的に示されていたもの、並びにその全体が本明細書に示されていたものと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。本明細書における任意の先行技術に対する言及は、その先行技術が、あらゆる国の試みの現場における共通の一般的知識の一部を形成することの承認ではなく、またそのように受け取られるべきではない。
本発明の記載に関連して(特に、以下の特許請求の範囲に関連して)、「a」及び「an」及び「the」という用語並びに同様の指示対象の使用は、別途本明細書に示されない限り、または文脈と明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を含むように解釈される。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」という用語は、別途記載のない限り、制約のない形態であると解釈される(すなわち、「含むが、これに限定されない」を意味する)。本明細書における値の範囲の記述は、別途本明細書で示されない限り、単に、その範囲内に収まる各々別々の値を個別に参照する簡単な方法として働くことが意図され、各別々の値は、それが個々に本明細書に引用されたように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、別途本明細書で示されない限りまたは文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書に提供されるあらゆる及び全ての例または例となる言語(例えば、「等(such as)」)の使用は、単に、本発明をより容易に理解することが意図され、別途特許請求されない限り、本発明の範囲に対する制限を提起しない。本明細書においていかなる言語も、本発明の実践に不可欠である任意の特許請求されない要素を示すものと解釈されるべきではない。
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載され、本発明を行うために本発明者らに既知の最良な様式を含む。それらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明の読解時に当業者に明らかになるであろう。本発明者らは、技術者らがそのような変形を適切に用いることを予期し、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されるようにではなく実践されることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法律で認められているように、本明細書に添付される特許請求の範囲に示される主題の全ての修正及び均等物を含む。その上、それらの全ての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが、別途本明細書で示されない限りまたは文脈と明確に矛盾しない限り、本明細書に包含される。

Claims (32)

  1. ガス発酵における炭素捕捉を改善するためのプロセスであって、H及びCOを含むガス状基質を液体栄養培地中の細菌培養物に提供することと、前記培養物を発酵させることと、を含み、前記ガス状基質中の前記COの少なくとも一部が、前記培養物によって1つ以上の産物に変換される、前記プロセス。
  2. 前記培養物によって消費されるCOの量が、前記培養物によって生成されるCOの量を超えるか、またはそれと等しい、請求項1に記載の前記プロセス。
  3. 前記ガス状基質が、COを更に含む、請求項1に記載の前記プロセス。
  4. 前記ガス状基質中のH:CO比が、少なくとも1.5:1である、請求項3に記載の前記プロセス。
  5. 前記ガス状基質中のH:CO比が、少なくとも2:1である、請求項3に記載の前記プロセス。
  6. 前記ガス状基質中のH:CO:CO比が、少なくとも2:1:1である、請求項3に記載の前記プロセス。
  7. 前記培養物によるHの特異的取り込みが、前記培養物によるCOの特異的取り込みを超える、請求項3に記載の前記プロセス。
  8. 前記培養物によるH:COの特異的取り込み比が、少なくとも1.4:1である、請求項7に記載の前記プロセス。
  9. 前記培養物によるH:COの特異的取り込み比が、少なくとも2:1である、請求項7に記載の前記プロセス。
  10. 前記産物が、アルコール及び酸のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の前記プロセス。
  11. 前記産物が、エタノール、アセテート、及び2,3−ブタンジオールのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の前記プロセス。
  12. 前記細菌が、カルボキシド栄養性である、請求項1に記載の前記プロセス。
  13. 前記細菌が、クロストリジウム、ムーレラ、オキソバクター、ペプトストレプトコッカス、アセトバクテリウム、ユーバクテリウム、またはブチリバクテリウムのうちの1つ以上を含む、請求項12に記載の前記プロセス。
  14. 前記細菌が、クロストリジウム・オートエタノゲナムまたはクロストリジウム・リュングダリイを含む、請求項13に記載の前記プロセス。
  15. 前記細菌が、DSMZに寄託された受託番号DSM23693のクロストリジウム・オートエタノゲナムまたはそれ由来の細菌を含む、請求項14に記載の前記プロセス。
  16. 前記プロセスが、前記1つ以上の産物を回収することを更に含む、請求項1に記載の前記プロセス。
  17. ガス発酵によって1つ以上の産物を生成する方法であって、H及びCOを含むガス状基質を液体栄養培地中の細菌培養物に提供することと、前記培養物を発酵させることと、を含み、前記ガス状基質中の前記COの少なくとも一部が、前記培養物によって1つ以上の産物に変換される、前記方法。
  18. 前記培養物によって消費されるCOの量が、前記培養物によって生成されるCOの量を超えるか、またはそれと等しい、請求項17に記載の前記方法。
  19. 前記ガス状基質が、COを更に含む、請求項17に記載の前記方法。
  20. 前記ガス状基質中のH:CO比が、少なくとも1.5:1である、請求項19に記載の前記方法。
  21. 前記ガス状基質中のH:CO比が、少なくとも2:1である、請求項19に記載の前記方法。
  22. 前記ガス状基質中のH:CO:CO比が、少なくとも2:1:1である、請求項19に記載の前記方法。
  23. 前記培養物によるHの特異的取り込みが、前記培養物によるCOの特異的取り込みを超える、請求項19に記載の前記方法。
  24. 前記培養物によるH:COの特異的取り込み比が、少なくとも1.4:1である、請求項23に記載の前記方法。
  25. 前記培養物によるH:COの特異的取り込み比が、少なくとも2:1である、請求項23に記載の前記方法。
  26. 前記産物が、アルコール及び酸のうちの1つ以上を含む、請求項17に記載の前記方法。
  27. 前記産物が、エタノール、アセテート、及び2,3−ブタンジオールのうちの1つ以上を含む、請求項17に記載の前記方法。
  28. 前記細菌が、カルボキシド栄養性である、請求項17に記載の前記方法。
  29. 前記細菌が、クロストリジウム、ムーレラ、オキソバクター、ペプトストレプトコッカス、アセトバクテリウム、ユーバクテリウム、またはブチリバクテリウムのうちの1つ以上を含む、請求項28に記載の前記方法。
  30. 前記細菌が、クロストリジウム・オートエタノゲナムまたはクロストリジウム・リュングダリイを含む、請求項29に記載の前記プロセス。
  31. 前記細菌が、DSMZに寄託された受託番号DSM23693のクロストリジウム・オートエタノゲナムまたはそれ由来の細菌を含む、請求項30に記載の前記方法。
  32. 前記方法が、前記1つ以上の産物を回収することを更に含む、請求項17に記載の前記方法。
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