JP2016528355A - エポキシ樹脂用の硬化剤としてのポリプロピレンイミンの使用 - Google Patents

エポキシ樹脂用の硬化剤としてのポリプロピレンイミンの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、本質的に直鎖状のポリプロピレンイミンの、エポキシ樹脂用の硬化剤としての使用、ならびに相応の硬化性組成物、前記組成物の硬化法、および前記組成物から得られる硬化されたエポキシ樹脂に関する。

Description

本発明は、本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)の、エポキシ樹脂用の硬化剤としての使用、ならびに1種以上のエポキシ樹脂および本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)を含む硬化性組成物に関する。更に、本発明は、前記硬化性組成物の硬化法および前記硬化性組成物の硬化によって得られる硬化されたエポキシ樹脂に関する。
エポキシ樹脂は一般的に知られており、その靭性、可撓性、付着性および化学的安定性に基づき表面コーティング用の材料として、接着剤として、そして成形および積層のために使用される。特に炭素繊維強化またはガラス繊維強化された複合材料の製造のためにエポキシ樹脂は使用される。
エポキシド材料は、ポリエーテル類に属しており、例えばエピクロロヒドリンとジオール、例えばビスフェノールAのような芳香族ジオールとの縮合によって製造することができる。これらのエポキシ樹脂は、引き続き硬化剤、典型的にはポリアミンとの反応によって硬化される。
少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ化合物から出発して、例えば2つのアミノ基を有するアミノ化合物を用いて、重付加反応(連鎖延長)による硬化を行うことができる。高い反応性を有するアミノ化合物は、一般的に、硬化が望まれる直前にはじめて添加される。従って、そのような系は、いわゆる2成分(2K)系である。
基本的に、アミン系硬化剤は、その化学構造に応じて、脂肪族型、脂環式型、または芳香族型に分類される。更に、第一級、第二級または第三級のいずれかでありうるアミノ基の置換度をもとにした分類も可能である。ただし、第三級アミンの場合は、エポキシ樹脂の触媒的な硬化メカニズムが想定されるのに対して、第二級アミンおよび第一級アミンの場合は、それぞれ化学量論的な硬化反応によりポリマーネットワークが構成されることが基礎となる。
一般的に分かっていることは、第一級アミン硬化剤の範囲内で脂肪族アミンがエポキシ硬化において最高の反応性を示すということである。脂環式アミンは通常は幾らかよりゆっくりと反応するのに対して、芳香族アミン(アミノ基が芳香族環の1つの炭素原子に直接的に結合されているアミン)は、はるかにずっと低い反応性を示す。
これらの知られている反応性の差異は、エポキシ樹脂の硬化に際して、加工時間および硬化されたエポキシ樹脂の機械的特性を要求に応じて調整しうるために利用される。
例えば10分以内の硬化時間を有する即硬性の系、例えば接着剤、床用コーティングおよび特定のレジントランスファー成形(RTM)用途のためには、しばしば短鎖脂肪族アミンが使用されるのに対して、大表面積の複合材料の製造に際しては、型を均等に充填するとともに、強化繊維の十分な含浸を保証しうるために、より長い可使時間(ポットライフ)が必要とされる。ここでは、主として脂環式アミン、例えばイソホロンジアミン(IPDA)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(Dicykan)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン(Dimethyldicykan)、水素化ビスアニリンA(2,2−ジ(4−アミノシクロヘキシル)プロパン)、水素化トルエンジアミン(例えば2,4−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサンまたは2,6−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(1,3−BAC)が使用される。より一層長い硬化時間は、芳香族ポリアミン、例えばフェニレンジアミン(オルト、メタもしくはパラ)、ビスアニリンA、トルエンジアミン(例えば2,4−トルエンジアミンもしくは2,6−トルエンジアミン)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエンまたは2,6−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエン(DETDA 80)の使用によって達成することができた。
特に床用コーティングで使用する場合に、エポキシ樹脂と共に高すぎる初期粘度を有することなく室温で既に素早く硬化するとともに、優れた機械的特性を有するコーティングをもたらす硬化剤が必要とされる。好ましくは、前記コーティングは、数時間内に既に初期耐水性に到達する。
典型的には、これらの用途のためには、トリエチレンテトラミン(TETA)またはポリエーテルアミンD−230(平均分子量230を有するポリプロピレングリコールを基礎とする二官能性の第一級ポリエーテルアミン(D230))のような硬化剤が使用される。これらの硬化剤での欠点は、特に、それらが比較的高い揮発性を有し、その揮発性によって、加工の間にも不利益を受け、エポキシ樹脂との反応が不完全な場合には、更に後になってからも不利益を受けることである。
Wanら(Thermochimica Acta(2011),第519巻,第72頁〜第82頁)は、とりわけ、エポキシ樹脂の硬化に際して、樹枝状のポリプロピレンイミン、すなわち式(HN−CH−CH−CH−)N−CH−CH−N(−CH−CH−CH−NHを有するEDA−dendr−(NHを使用することを記載している。
望ましいと考えられるのは、トリエチレンテトラミン(TETA)またはD230と同様に優れた特性を有するが、低い揮発性を有するエポキシ樹脂用のアミン系硬化剤である。
従って、本発明の基礎を成す課題とみなすことができるのは、硬化性エポキシ樹脂組成物について比較的低い初期粘度を可能にするとともに、硬化されたエポキシ樹脂について良好な構造特性(例えばガラス転移温度(Tg)、可撓性、破断強さおよびショアD硬度)を可能にし、同時に比較的低い揮発性を有する、エポキシ樹脂用の即硬性のアミン系硬化剤を提供することである。好ましくは、そのような硬化剤が比較的短い時間内であっても、硬化しているエポキシ樹脂の初期耐水性をもたらすことが望ましい。
それに応じて、本発明は、本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)の、エポキシ樹脂用の硬化剤としての使用だけでなく、硬化性組成物であって、該組成物が樹脂成分および硬化剤成分を含み、その際、前記樹脂成分は1種以上のエポキシ樹脂を含み、かつ前記硬化剤成分は本質的に直鎖状であるポリプロピレンイミン(PPI)を含むことを特徴とする硬化性組成物に関する。
本発明の範囲においては、ポリプロピレンイミン(PPI)は、ポリプロピレンポリアミンともみなすことができる。本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、1分子当たりに、平均して少なくとも5個の窒素原子を、第一級アミノ基、第二級アミノ基または第三級アミノ基の形で有する。
本発明の範囲においては、ポリプロピレンイミン(PPI)という概念は、ポリプロピレンイミン−ホモポリマーだけに関連するのみならず、N−CH−CH−CH−NまたはN−CH−CH(CH)−Nの構造要素の他にも別のアルキレンジアミン構造要素、例えばN−CH−CH−N、N−(CH−N、N−(CH−NまたはN−(CH−Nの構造要素を有し、その際、前記N−CH−CH−CH−NおよびN−CH−CH(CH)−Nの構造要素は、全てのアルキレンジアミン構造要素に対して、過半数のモル割合を占め、好ましくは少なくとも60モル%を占め、特に少なくとも70モル%を占めるポリアルキレンイミンにも関連する。特定の一実施形態においては、本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、N−CH−CH−CH−NまたはN−CH−CH(CH)−Nの構造要素だけしか有さず、特にN−CH−CH−CH−Nの構造要素だけしか有さない。
基本的に、ポリプロピレンイミン(PPI)は直鎖状または分枝鎖状であってよく、その際、その分岐によって第三級アミノ基が形成される。分岐は、アルキレンアミノ基そのものであってよいが(例えば−(CH−NH基)、複数のアルキレンジアミンの構造要素からなり、それ自体がまた分岐していてよい、より長い分岐であってもよい(例えば−(CH−N(CHCHCHNH基)。分岐度(DB)は、例えば13C−NMR分光分析法または15N−NMR分光分析法によって測定することができる。フレシェによる近似によれば、前記分岐度は、以下のように定められる:
DB=(D+T)/(D+T+L)
[式中、D(「dendritisch(樹枝状)」)は、第三級アミノ基の割合に相当し、L(「linerar(直鎖状)」は、第二級アミノ基の割合に相当し、T(「terminal(末端)」は、第一級アミノ基の割合に相当する]。しかしながら、この近似は、分岐したポリマーのフォーカル基は含まないとともに、また高い重合度についてしか当てはまらない。その比率の適切な説明はオリゴマーの範囲でも、フレイによるDBの定義をもとに可能である。それによれば、
DBHF=2D/(2D+L)
が当てはまる。本発明の範囲においては、CH基は、分岐とはみなされない。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、僅かだけしか分岐を有さないか、または全く分岐を有さず、つまりは本質的に直鎖状であるか、または直鎖状である。本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)は、好ましくは、0.3以下の、特に0.1以下の、殊に好ましくは0.05以下のDBHFを有するポリプロピレンイミン(PPI)である。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、好ましくは、プロパンジアミンを、場合により少なくとも1種の更なるジアミンと一緒に触媒的にアミノ間重合(poly−Transaminierung)することによって製造される。
プロパンジアミンのための例は、プロパン−1,2−ジアミンおよびプロパン−1,3−ジアミンならびにそれらの混合物である。特に、プロパン−1,3−ジアミンのアミノ間重合が好ましい。
場合により、40モル%までの、特に30モル%までのプロパンジアミンが、1種以上の脂肪族ジアミン(更なるジアミン)によって置き換えられてよい。
そのような更なるジアミンは、好ましくは、直鎖状の、分枝鎖状のまたは環状の脂肪族ジアミンである。そのような更なるジアミンのための例は、エチレンジアミン、ブチレンジアミン(例えば1,4−ブチレンジアミンもしくは1,2−ブチレンジアミン)、ジアミノペンタン(例えば1,5−ジアミノペンタンもしくは1,2−ジアミノペンタン)、ジアミノヘキサン(例えば1,6−ジアミノヘキサン、1,2−ジアミノヘキサンもしくは1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン)、ジアミノヘプタン(例えば1,7−ジアミノヘプタンもしくは1,2−ジアミノヘプタン)、ジアミノオクタン(例えば1,8−ジアミノオクタンもしくは1,2−ジアミノオクタン)、ジアミノノナン(例えば1,9−ジアミノノナンもしくは1,2−ジアミノノナン)、ジアミノデカン(例えば1,10−ジアミノデカンもしくは1,2−ジアミノデカン)、ジアミノウンデカン(例えば1,11−ジアミノウンデカンもしくは1,2−ジアミノウンデカン)、ジアミノドデカン(例えば1,12−ジアミノドデカンもしくは1,2−ジアミノドデカン、その際、相応のα,ω−ジアミンは、その1,2−異性体に対して有利である)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、ポリエーテルアミンおよび3−(メチルアミノ)プロピルアミンである。有利には1,2−エチレンジアミンおよび1,4−ブタンジアミンである。
特に有利には、本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、プロパンジアミン、好ましくはプロパン−1,3−ジアミンの、更なるジアミンを用いない触媒的なアミノ間重合によって製造される。
それに応じて、本発明の好ましい一実施形態においては、本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)は、プロパンジアミン構造要素(N−CH−CH−CH−NまたはN−CH−CH(CH)−Nの構造要素)だけから、特に有利にはプロパン−1,3−ジアミン構造要素(N−CH−CH−CH−Nの構造要素)だけから構成されている。
プロパンジアミンと、任意に1種以上の更なるジアミンのアミノ間重合のために適した触媒は、特に、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtからなる群から選択される、好ましくはCo、Ni、Ru、CuおよびPdからなる群から選択される、特に有利にはCo、NiおよびCuからなる群から選択される1種以上の遷移金属を含有する不均一系触媒である。
プロパンジアミンの、任意に1種以上の更なるジアミンと一緒でのアミノ間重合は、水素の存在下で、例えば1バールから400バールまでの、好ましくは1バールから200バールまでの、特に1バールから100バールまでの水素分圧下で行うことができる。
プロパンジアミンの、任意に1種以上の更なるジアミンと一緒でのアミノ間重合は、50℃から200℃の範囲の温度で、好ましくは90℃から180℃の範囲の温度で、特に120℃から160℃の範囲の温度で行うことができる。
プロパンジアミンの、任意に1種以上の更なるジアミンと一緒でのアミノ間重合は、1バールから400バールまでの範囲の圧力で、1バールから200バールまでの範囲の圧力で、1バールから100バールまでの範囲の圧力で行うことができる。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、DIN 53240により測定される、好ましくは100mg KOH/g以下の、特に50mg KOH/g以下の、殊に有利には5mg KOH/g以下の、特に2mg KOH/g以下のヒドロキシル価を有する。特に有利には、本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、0mg KOH/gの、もしくはほぼ0mg KOH/gのヒドロキシル価を有し、つまりは前記ポリプロピレンイミン(PPI)は、ヒドロキシル基を含まないか、または本質的に含まない。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、好ましくは10mg KOH/gから1000mg KOH/gまでの範囲の、好ましくは80mg KOH/gから800mg KOH/gまでの範囲の、特に有利には100mg KOH/gから500mg KOH/gまでの範囲の、第一級アミンについてのアミン価を有する。第一級アミンについてのアミン価は、規格ASTM D2074−07に従って測定される。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、好ましくは100mg KOH/gから2000mg KOH/gまでの範囲の、好ましくは200mg KOH/gから1500mg KOH/gまでの範囲の、特に有利には300mg KOH/gから1000mg KOH/gまでの範囲の、第二級アミンについてのアミン価を有する。第二級アミンについてのアミン価は、規格ASTM D2074−07に従って測定される。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、好ましくは0mg KOH/gから200mg KOH/gまでの範囲の、好ましくは2mg KOH/gから100mg KOH/gまでの範囲の、特に有利には5mg KOH/gから50mg KOH/gまでの範囲の、第三級アミンについてのアミン価を有する。第三級アミンについてのアミン価は、規格ASTM D2074−07に従って測定される。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、好ましくは、10mg KOH/gから1000mg KOH/gまでの範囲の、好ましくは80mg KOH/gから800mg KOH/gまでの範囲の、特に有利には100mg KOH/gから500mg KOH/gまでの範囲の、第一級アミンについてのアミン価と、100mg/KOH/gから2000mg KOH/gまでの範囲の、好ましくは200mg KOH/gから1500mg KOH/gまでの範囲の、特に有利には300mg KOH/gから1000mg KOH/gまでの範囲の、第二級アミンについてのアミン価と、0mg KOH/gから200mg KOH/gまでの範囲の、好ましくは2mg/KOH/gから100mg KOH/gまでの範囲の、特に有利には5mg KOH/gから50mg KOH/gまでの範囲の、第三級アミンについてのアミン価と、を有する。第一級、第二級、および第三級アミンについてのアミン価は、規格ASTM D2074−07に従って測定される。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、第三級アミノ基については、本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)中の窒素の全量に対して、好ましくは0モル%から2モル%までの範囲の割合を有する。第三級アミノ基は、通常は、ポリプロピレンイミン(PPI)の製造に際して、分岐の形成または環形成の結果をもたらす。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、好ましくは250g/モルから5000g/モルまでの範囲の、特に有利には250g/モルから1000g/モルまでの範囲の、殊に有利には250g/モルから500g/モルまでの範囲の数平均分子量Mを有し、前記分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定できる。好ましくは、本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、1.1から20までの範囲の、特に有利には1.1から10までの範囲の、特に1.2から5までの範囲の分子量分布M/M(多分散性指数(PDI)、その際、Mは、質量平均分子量である)を有する。
本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、好ましくは、25℃で、最高で0.1Paの、特に有利には最高で0.02Paの、特に最高で0.005Paの蒸気圧を有する。そのため、同等の硬化剤、例えばトリエチレンテトラミン(TETA)よりも明らかに低い揮発性を有する。
ジアミンのアミノ間重合に代えて、本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)は、(i)プロパノールアミンの、任意に1種以上の更なるアミノアルコールと一緒での触媒的な重縮合によって、または(ii)プロパンジオールとプロパンジアミンとの、1種以上の更なるジアミンおよび/または更なるジオールと一緒での触媒的な共重縮合によって製造することもできる。その場合に、前記更なるアミノアルコールおよび前記更なるジアミンまたは更なるジオールは、脂肪族化合物である。アミノプロパノールのための例は、3−アミノプロパン−1−オールおよび2−アミノプロパン−1−オールならびにそれらの混合物であり、その際、3−アミノプロパン−1−オールが有利である。その場合に、任意に40モル%までの、好ましくは30モル%までのアミノプロパノール(触媒的な重縮合(i)の場合)またはプロパンジアミンとプロパンジオールとからの合計(触媒的な共重縮合(ii)の場合)は、少なくとも1つの第一級または第二級のアミノ基と少なくとも1つのOH基を有する1種以上の更なる脂肪族アミノアルコール(触媒的な重縮合(i)の場合)によって、または1種以上の更なる脂肪族ジオールおよび/または1種以上の更なる脂肪族ジアミン(触媒的な共重縮合(ii)の場合)によって置き換えられてよい。前記重縮合(i)および共重縮合(ii)は、水素の存在下で、例えば1バールから100バールまでの範囲の水素分圧で実施することができる。それらの縮合は、20℃から250℃までの範囲の温度で、好ましくは少なくとも100℃の温度で、好ましくは最高200℃の温度で行うことができる。前記重縮合(i)または共重縮合(ii)で生ずる水は、好ましくは反応の間に、例えば蒸留によって除去することができる。前記重縮合(i)または共重縮合(ii)のためには、好ましくは均一系触媒が使用される。前記重縮合(i)または共重縮合(ii)のために適した均一系触媒は、例えば、1種以上の異なる遷移金属を含む、好ましくは元素の周期律表の第8族、第9族および第10族の少なくとも1種の元素、特に有利にはルテニウムまたはイリジウムを含む遷移金属錯体である。その場合に、相応する遷移金属は、有利には遷移金属錯体の形で存在する。その場合に、適切な配位子は、例えばアルキル置換またはアルキレン置換されたホスフィン、アルキル基もしくはアリール基で置換されるとともにアリーレン基もしくはアルキレン基を介して橋かけされた多座のホスフィン、窒素含有の複素環式のカルベン、シクロペンタンジエニル、ペンタメチルシクロペンタンジエニル、アリール基、オレフィン配位子、ヒドリド、ハライド、カルボキシオキシラート、アルコキシラート、カルボニル、ヒドロキシド、トリアルキルアミン、ジアルキルアミン、モノアルキルアミン、窒素含有の芳香族化合物、例えばピリジンもしくはピロリジンならびに多座のアミンである。その場合に、遷移金属錯体は、1種以上の異なる配位子を含んでよい。
本発明による硬化性組成物は、本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)に加えて、なおも更なるポリアミン、特に脂肪族ポリアミンおよび脂環式ポリアミンを、硬化剤成分の一成分として含有しうる。好ましくは、前記本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)は、硬化性組成物中のアミン系硬化剤の全量に対して、少なくとも50質量%、特に有利には少なくとも80質量%、殊に有利には少なくとも90質量%を占める。有利な一実施形態においては、前記硬化性組成物は、前記本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)以外に、更なるアミン系硬化剤を含有しない。アミン系硬化剤とは、本発明の範囲においては、2以上のNH官能価(NH官能基)を有するアミンを表すべきである(従って、例えば第一級モノアミンは、2のNH官能価を有し、第一級ジアミンは、4のNH官能価を有し、そして3つの第二級アミノ基を有するアミンは、3のNH官能価を有する)。
本発明によるエポキシ樹脂は、2〜10の、有利には2〜6の、殊に有利には2〜4の、特に2つのエポキシ基を有する。エポキシ基は、特に、アルコール基とエピクロロヒドリンとの反応に際して生ずるようなグリシジルエーテル基である。前記エポキシ樹脂は、一般に1000g/モル未満の平均分子量(M)を有する低分子化合物であるか、またはより高分子の化合物(ポリマー)であってよい。そのようなポリマーのエポキシ樹脂は、有利には2〜25単位の、特に有利には2〜10単位のオリゴマー化度を有する。それは、脂肪族化合物であっても、脂環式化合物であっても、または芳香族基を有する化合物であってもよい。特に、前記エポキシ樹脂は、2つの芳香族環もしくは脂肪族6員環を有する化合物またはそれらのオリゴマーである。技術的に重要なものは、エピクロロヒドリンと、少なくとも2つの反応性水素原子を有する化合物、特にポリオールとの反応によって得られるエポキシ樹脂である。特に重要なのは、エピクロロヒドリンと、少なくとも2つのヒドロキシル基、好ましくは2つのヒドロキシル基および2つの芳香族環もしくは脂肪族6員環を含む化合物との反応によって得られるエポキシ樹脂である。そのような化合物としては、特にビスフェノールAおよびビスフェノールFが挙げられるだけでなく、水素化されたビスフェノールAおよびビスフェノールFも挙げられ、相応するエポキシ樹脂は、ビスフェノールAもしくはビスフェノールFのジグリシジルエーテル、または水素化されたビスフェノールAもしくはビスフェノールFのジグリシジルエーテルである。本発明によるエポキシ樹脂としては、通常は、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル(DGEBA)が使用される。本発明による適切なエポキシ樹脂は、テトラグリシジル−メチレンジアニリン(TGMDA)およびトリグリシジルアミノフェノールまたはそれらの混合物である。エピクロロヒドリンと更なるフェノール類、例えばクレゾールまたはフェノール−アルデヒド付加物、例えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、特にノボラックとの反応生成物も該当する。エピクロロヒドリンから誘導されたものでないエポキシ樹脂も適している。例えばグリシジル(メタ)アクリレートとの反応によってエポキシ基を含むエポキシ樹脂が該当する。好ましくは、本発明によれば、室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂またはその混合物が使用される。エポキシ当量(EEW)は、エポキシ基1モル当たりの、エポキシ樹脂の平均質量(g)を示す。
好ましくは、本発明による硬化性組成物は、その少なくとも50質量%がエポキシ樹脂からなる。
本発明の具体的な一つの実施形態は、硬化性組成物であって、樹脂成分および硬化剤成分を含み、前記樹脂成分が1種以上のエポキシ樹脂および1種以上の反応性希釈剤を含み、かつ前記硬化剤成分が本質的に直鎖状であるポリプロピレンイミン(PPI)を含むことを特徴とする前記硬化性組成物に関する。
本発明の意味における反応性希釈剤は、硬化性組成物の初期粘度を低下させるとともに、該硬化性組成物の硬化の過程において、エポキシ樹脂と硬化剤とから形成されるネットワークと化学結合を生ずる化合物である。本発明の意味における好ましい反応性希釈剤は、1つ以上のエポキシ基を有する、好ましくは2つのエポキシ基を有する低分子有機化合物、好ましくは脂肪族化合物だけでなく、環状カーボネート、特に3個〜10個の炭素原子を有する環状カーボネート、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートまたはビニレンカーボネートである。
本発明による反応性希釈剤は、好ましくは、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,4−ブタンジオールビスグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールビスグリシジルエーテル(HDDE)、グリシジルネオデカノエート、グリシジルバーサテート(Glycidylversatat)、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、p−t−ブチルグリシドエーテル、ブチルグリシドエーテル、C〜C10−アルキルグリシジルエーテル、C12〜C14−アルキルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシドエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシドエーテル、フェニルグリシドエーテル、o−クレシルグリシドエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシドエーテル、トリメチロールプロパントリグリシドエーテル(TMP)、グリセリントリグリシドエーテル、トリグリシジルパラアミノフェノール(TGPAP)、ジビニルベンジルジオキシドおよびジシクロペンタジエンジエポキシドからなる群から選択される。前記反応性希釈剤は、特に好ましくは、1,4−ブタンジオールビスグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールビスグリシジルエーテル(HDDE)、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、C〜C10−アルキルグリシジルエーテル、C12〜C14−アルキルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、p−t−ブチルグリシドエーテル、ブチルグリシドエーテル、ノニルフェニルグリシドエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシドエーテル、フェニルグリシドエーテル、o−クレシルグリシドエーテル、トリメチロールプロパントリグリシドエーテル(TMP)、グリセリントリグリシドエーテル、ジビニルベンジルジオキシドおよびジシクロペンタジエンジエポキシドからなる群から選択される。前記反応性希釈剤は、特に、1,4−ブタンジオールビスグリシジルエーテル、C〜C10−アルキルモノグリシジルエーテル、C12〜C14−アルキルモノグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールビスグリシジルエーテル(HDDE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシドエーテル(TMP)、グリセリントリグリシドエーテルおよびジシクロペンタジエンジエポキシドからなる群から選択される。
本発明の具体的な一実施形態においては、前記反応性希釈剤は、2つ以上のエポキシ基、好ましくは2つのエポキシ基を有する低分子有機化合物、例えば1,4−ブタンジオールビスグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールビスグリシジルエーテル(HDDE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシドエーテル、トリメチロールプロパントリグリシドエーテル(TMP)、グリセリントリグリシドエーテル、トリグリシジルパラアミノフェノール(TGPAP)、ジビニルベンジルジオキシドまたはジシクロペンタジエンジエポキシド、好ましくは1,4−ブタンジオールビスグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールビスグリシジルエーテル(HDDE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシドエーテル(TMP)、グリセリントリグリシドエーテル、ジビニルベンジルジオキシドまたはジシクロペンタジエンジエポキシド、特に1,4−ブタンジオールビスグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールビスグリシジルエーテル(HDDE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシドエーテル(TMP)、グリセリントリグリシドエーテルまたはジシクロペンタジエンジエポキシドである。具体的な一実施形態においては、前記反応性希釈剤は、2つ以上のエポキシ基、好ましくは2つのエポキシ基を有する低分子の脂肪族化合物である。
本発明の具体的な一実施形態においては、前記反応性希釈剤は、1つのエポキシ基を有する低分子有機化合物、例えばグリシジルネオデカノエート、グリシジルバーサテート、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、p−t−ブチルグリシドエーテル、ブチルグリシドエーテル、C〜C10−アルキルグリシジルエーテル、C12〜C14−アルキルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシドエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシドエーテル、フェニルグリシドエーテルまたはo−クレシルグリシドエーテル、好ましくは2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、p−t−ブチルグリシドエーテル、ブチルグリシドエーテル、C〜C10−アルキルグリシジルエーテル、C12〜C14−アルキルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシドエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシドエーテル、フェニルグリシドエーテルまたはo−クレシルグリシドエーテル、特にC〜C10−アルキルグリシジルエーテルまたはC12〜C14−アルキルグリシジルエーテルである。具体的な一実施形態においては、前記反応性希釈剤は、1つのエポキシ基を有する低分子の脂肪族化合物である。
本発明の具体的な一実施形態においては、前記反応性希釈剤は、3個〜10個の炭素原子を有する環状カーボネート、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートまたはビニレンカーボネート、好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはビニレンカーボネートである。
本発明による反応性希釈剤は、硬化性組成物の樹脂成分(エポキシ樹脂と場合により使用される反応性希釈剤)に対して、好ましくは30質量%までの、特に有利には25質量%までの、特に1質量%から20質量%までの割合を占める。本発明による反応性希釈剤は、硬化性組成物全体に対して、好ましくは25質量%までの、特に有利には20質量%までの、特に1質量%から15質量%までの割合を占める。
好ましくは、本発明による硬化性組成物では、樹脂成分の化合物(その都度の反応性基を有する任意の反応性希釈剤を含むエポキシ樹脂)およびアミン系硬化剤を、樹脂成分の化合物の反応性基(エポキシ基および、例えば任意のカーボネート基)に基づいて、およびNH官能基に基づいて、ほぼ化学量論比で使用される。樹脂成分の化合物の反応性基の、NH官能基に対する特に適切な比率は、例えば1:0.8〜1:1.2である。樹脂成分の化合物の反応性基は、硬化条件下で1種以上のアミノ硬化剤のアミノ基と化学反応する反応性基である。
本発明による硬化性組成物は、例えば不活性希釈剤、硬化促進剤、強化繊維(特にガラス繊維もしくは炭素繊維)、顔料、染料、充填剤、離型剤、靭性を高める剤(強靱化剤(toughener))、流動化剤、抑泡剤(anti−foamer)、防炎剤または増粘剤のような更なる添加剤も含みうる。そのような添加剤は、通常は、機能的な量で添加される。つまり、例えば顔料は、組成物に望まれる色に導く量で添加される。通常、本発明による組成物は、硬化性組成物全体に対して、0質量%から50質量%までの、有利には0質量%〜20質量%の、例えば2質量%〜20質量%の全ての添加剤の総和を含む。添加剤とは、本発明の範囲においては、エポキシ化合物でもアミン系硬化剤でもない、硬化性組成物に添加されるあらゆるものを表す。
また、本発明は、本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)の、硬化性組成物におけるエポキシ樹脂用の硬化剤としての、特にコーティングの製造のための、特に初期耐水性を有する床用コーティングの製造のための使用に関する。
好ましくは、本発明は、本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)の、1種以上の反応性希釈剤を有する硬化性組成物におけるエポキシ樹脂用の硬化剤としての使用に関する。
本発明の他の主題は、本発明による硬化性組成物からの硬化されたエポキシ樹脂の製造方法である。そのような硬化されたエポキシ樹脂の本発明による製造方法においては、複数の成分(エポキシ樹脂、本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)および場合により、例えば添加剤のような更なる成分)を任意の順序で互いに接触させ、混合し、その後に用途のために使用可能な温度で硬化される。有利には、前記硬化は、少なくとも0℃の、特に有利には少なくとも10℃の温度で行われる。
具体的な一実施形態においては、硬化されたエポキシ樹脂は、更に、例えば硬化の範囲内で、または任意の下流のアニーリングの範囲内で、熱的な後処理を受ける。
前記硬化は、常圧で、かつ250℃未満の温度で、特に210℃未満の温度で、好ましくは185℃未満の温度で、特に0℃〜210℃の温度範囲で、殊に有利には10℃〜185℃の温度範囲で行うことができる。
前記硬化は、例えば工具内で、形状安定性が達成されて、該工具から工作物を取り出すことができるまで行われる。前記工作物の残留応力の解放のための、および/または硬化されたエポキシ樹脂の架橋の補完のための後続のプロセスはアニーリングと呼ばれる。基本的に、前記アニーリングプロセスを、前記工具から工作物を取り出す前にも、例えば架橋の補完のために実施することも可能である。前記アニーリングプロセスは、通常は、形状剛性の限界にある温度で行われる。通常は、120℃〜220℃の温度で、有利には150℃〜220℃の温度でアニーリングされる。通常は、硬化された工作物は、30分から240分までの時間にわたり前記アニーリング条件にさらされる。工作物の寸法に応じて、より長いアニーリング時間を適用することもできる。
本発明の更なる主題は、本発明による硬化性組成物からの硬化されたエポキシ樹脂である。特に、本発明による硬化性組成物の硬化によって得られた、または得られる硬化されたエポキシ樹脂が本発明の主題である。特に、硬化されたエポキシ樹脂の製造のための本発明による方法によって得られた、または得られる硬化されたエポキシ樹脂が本発明の主題である。
本発明による硬化性組成物は、コーティング剤または含浸剤として、接着剤として、成形体および複合材料の製造のための、または埋め込み、結合もしくは成形体の固結のための注型材料として適している。前記硬化性組成物は、特にRTM法による成形体の製造のために適している。コーティング剤としては、例えば塗料が挙げられ、特に床用コーティングが挙げられる。特に、本発明による硬化性組成物を用いて、任意の基材上に、例えば金属製、プラスチック製または木材製の任意の基材上に耐引掻性の保護塗装を得ることができる。前記硬化性組成物は、エレクトロニクス用途における絶縁コーティングとしても、例えばワイヤおよびケーブル用の絶縁層としても適している。また、フォトレジストの製造のための使用も挙げられる。前記硬化性組成物は、補修用塗料としても、例えば配管を破壊することなく配管を補修する場合(現場硬化管(cure in place pipe)(CIPP)修復(rehabilitation))にも適している。前記硬化性組成物は、特に床の目塗りのために適している。前記硬化性組成物は、複合材料の製造のためにも適している。
複合材料(コンポジット)においては、異なる材料、例えばプラスチックと強化材料(例えばガラス繊維または炭素繊維)が互いに結合されている。
複合材料のための製造方法としては、予備含浸された繊維または繊維織布(例えばプリプレグ)の積層後の硬化、または押出成形、引抜成形(pultrusion)、ワインディング成形(winding)および含浸法もしくは射出法、例えば真空含浸成形(VARTM)、トランスファー成形(resin transfer molding、RTM)ならびに湿式圧縮法、例えばBMC(bulk mold compression)が挙げられる。
本発明の更なる主題は、本発明による硬化されたエポキシ樹脂製の成形体、本発明による硬化されたエポキシ樹脂を含有する複合材料、および本発明による硬化性組成物で含浸されている繊維に関する。本発明による複合材料は、本発明による硬化されたエポキシ樹脂の他に、好ましくはガラス繊維および/または炭素繊維を含有する。
本発明の更なる主題は、本発明による硬化されたエポキシ樹脂からのコーティング、有利には床用コーティングに関する。これは、特に初期耐水性のコーティングである。
ガラス転移温度(Tg)は、動的機械分析(DMA)によって、例えば規格DIN EN ISO 6721に準拠して測定でき、または示差熱量計(DSC)を用いて、例えば規格DIN 53765に準拠して測定できる。前記DMAでは、強制振動と所定の変形とによって、矩形の試験体にねじり荷重がかけられる。その際、温度は定義された勾配で高められ、貯蔵弾性率と損失弾性率が一定の時間間隔で記録される。貯蔵弾性率は粘弾性材料の剛性を表す。損失弾性率は、材料中に散逸される仕事量に比例している。動的応力と動的ひずみとの間の位相シフトは、位相角δによって特徴付けられる。ガラス転移温度は、種々の方法によって測定できる。ガラス転移温度は、δ曲線の極大値として、損失弾性率の極大値として、または貯蔵弾性率に対する正接法によって測定できる。示差熱量計を使用してガラス転移温度を測定する場合に、非常に少ない試料量(約10mg)がアルミニウム坩堝中で加熱され、参照坩堝へ向かう熱流が測定される。このサイクルが三回繰り返される。ガラス転移温度の測定は、2番目の測定と3番目の測定からの平均値として行われる。熱流曲線のTgの段階の評価は、変曲点によるか、半値幅によるか、または中点温度法によって定めることができる。
可使時間という概念とは、種々の樹脂/硬化剤の組み合わせおよび/または樹脂/硬化剤混合物の組み合わせの反応性を比較するために用いられる特性値を表すべきである。可使時間の測定は、積層系の反応性を温度測定により特徴付ける方法である。用途に応じて、そこで記載されるパラメーター(量、試験条件および測定方法)の違いを確立した。その際、可使時間は以下の通り測定される:エポキシ樹脂および硬化剤または硬化剤混合物を含有する硬化性組成物100gを、容器(通常は紙コップ)に充填する。この硬化性組成物中に、特定の時間間隔で温度を測定して記憶する温度センサを浸す。この硬化性組成物が固まったらすぐに、測定を終了し、かつ最高温度に達するまでの時間を突きとめる。硬化性組成物の反応性が低すぎる場合には、この測定をより高い温度で行う。可使時間以外に、常に試験温度も示されなければならない。
ゲル化時間は、DIN 16945に準拠して、硬化剤を反応混合物へと添加してから反応樹脂材料が液体状態からゲル状態へと移行する間の期間に関する手掛かりを与える。その場合に温度は重要な役割を担うため、ゲル化時間は、それぞれ予め決められた温度について測定される。動的機械法、特に回転粘度測定法を用いると、少ない試料量も擬等温的に調査でき、その全体の粘度推移または剛性推移を把握することができる。規格ASTM D 4473によれば、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’の間の減衰率tan−δが1である交点は、ゲル化点であり、かつ硬化剤を反応混合物へと添加してから該ゲル化点に達するまでの期間は、ゲル化時間である。こうして測定されたゲル化時間は、硬化速度のための尺度としてみなすことができる。
ショア硬度は、例えば硬化されたエポキシ樹脂のようなポリマーについての特性値であって、試験体中への侵入体(圧子)の侵入深さに対して直接的に関連した値であり、従って試験体の硬度についての尺度である。ショア硬度は、例えば規格DIN ISO 7619−1に従って測定される。ショアA法、ショアC法およびショアD法の間で区別される。圧子としては、バネ加重を受ける硬化鋼製の針が使用される。その場合に、バネ弾性力を有する圧子が試験体中に押し込まれ、その侵入深さがショア硬度の尺度を表す。ショアA硬度およびショアC硬度の測定のためには、0.79mm直径の端面と35°の頂角を有する円錐台体が使用される一方で、ショアD硬度試験では、圧子として0.1mmの半径と30°の頂角を有する球形先端を有する円錐台体が用いられる。ショア硬度特性値の測定のために、0ショア(2.5mmの侵入深さ)から100ショア(0mmの侵入深さ)までに至るスケールを採用した。その場合に、スケール値0は、最大限に可能な押し込みに相当する。すなわち、その材料は、圧子の侵入に全く抵抗を示さない。それに対して、スケール値100は、その侵入に対する材料の非常に高い抵抗に相当し、事実上、押し込みは生じない。ショア硬度の測定に際して、温度は決定的な役割を担うので、その測定は、23℃±2℃の制限された温度間隔で規格に合わせて実施せねばならない。
初期耐水性は、コーティングの特性であって、塗布から短時間後でさえも、該コーティングが損傷を受けることなく水と接触できる特性である。エポキシ樹脂およびアミン系硬化剤を基礎とするコーティングでは、その場合に、特にカルバメートが形成され、塗り立てのコーティングの表面上に白色の条痕または外被の形成が認められる。
これより本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明は実施例に制限されるものではない。
実施例1
本質的に直鎖状のポリプロピレンイミン(PPI)の製造
1,3−プロパンジアミンの重合を、0.2Lのステンレス(1.4571)製の反応器(長さ0.5m、直径3.8cm)中で実施した。該反応器を、充実触媒(Vollkontakt)型のコバルト触媒(欧州特許出願公開第636409(A)号明細書(触媒Aの例)により製造した触媒)0.27kgで満たした。アップフロー方式で、1時間当たり0.12kgの1,3−プロパンジアミンおよび10NLの水素を、160℃および50バールの水素全圧で前記触媒に導通させた。触媒への負荷量は、触媒1リットルおよび1時間当たりで0.8kgであった。反応排出物を凝縮させ、1,3−プロパンジアミン、二量体および三量体を蒸発器において250℃および5ミリバールで蒸留によりポリマー混合物から分離した。この生成物から、アミン価を測定するとともに、サイズ排除クロマトグラフィーによって分子量MおよびMと同様に、多分散性指数(PDI)を測定した(第1表)。
第1表: 製造したポリプロピレンイミン(PPI)の特性決定
Figure 2016528355
比較例1
式(HN−CH−CH−CH−)N−CH−CH−N(−CH−CH−CH−NHを有する分岐したポリプロピレンイミン(PPI)(EDA−dendr−(NH)の製造
EDA−dendr−(NHは、アクリロニトリルとエチレンジアミンとを付加させ、引き続きニトリル基を水素化することによって、以下の反応式に相応して製造した:
Figure 2016528355
そのために、冷却器と滴下漏斗を備えた2Lのジャケット付容器中に、800gの水(44モル)中の60gのエチレンジアミン(1モル)を装入した。40℃の温度で、212gのアクリロニトリル(4モル)を3時間の時間にわたって計量供給した。反応を完全なものにするために、60℃に加熱し、更に53gのアクリロニトリル(1モル)を引き続き計量供給した。GC分析によって総転化率を確認した。過剰のアクリロニトリルを、100gの40%ジメチルアミン水溶液の添加によって捕らえた。そのバッチを撹拌しながら5℃へと冷却し、排出した。液体の2相混合物を分液漏斗中で分離した。上相から結晶化された固体(27g)を吸引分離し、水で洗浄し、気流で乾燥させた。下相を70℃で油浴中で溶融させ、1000gのエタノール(5%トルエンで変性)中に60℃で注いだ。約65℃に加熱することによって、該混合物は澄明となった。撹拌しながらゆっくりと15℃に冷却した後に、沈殿した固体(212g)を吸引分離し、僅かなエタノールで洗浄し、吸引乾燥させた。GC−MSによって、アクリロニトリルのエチレンジアミンへの4箇所での付加が確認された。得られた固体は、96%を上回る純度を有していた。
引き続き、300mLのオートクレーブ中で、43gのテトラニトリル(156ミリモル)を50gのTHF(690ミリモル)中に溶解させた。そこに10gのラネーコバルトを添加し、26gのアンモニア(1500ミリモル)を圧入した。それを水素で100バールにまで加圧し、70℃へと高温に熱した。1時間以内で圧力が一定になるまで水素化した。反応排出物を加圧濾過することで触媒を除去し、引き続き蒸留した(1ミリバール、250℃)。該生成物は、99%を上回る純度をもって単離できた。GC−MSによって、生成物の構造を確認した。
実施例2
硬化性組成物(反応樹脂材料)の製造および反応性プロファイルの調査
互いに比較されるべき配合物を、それぞれのアミン(トリエチレンテトラミン(TETA)(Huntsman)、D230(ポリエーテルアミンD230 BASF)、EDA−dendr−(NH(比較例1から)またはポリプロピレンイミン(PPI)(実施例1から))の化学量論量と、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルを基礎とするエポキシ樹脂(Epilox A19−03、Leuna Harze、EEW 182)とを混合することによって製造し、直ちに調査した。
脂環式アミンとエポキシ樹脂との反応性プロファイルの調査のためのレオロジー測定は、15mmのプレート直径および0.25mmの間隙距離を有する剪断応力制御型プレート−プレート式レオメーター(MCR 301、Anton Paar)で種々の温度で実施した。
調査1a) 製造されたばかりの反応樹脂材料の、定義された温度で10000mPa・sの粘度に至るために必要な時間の比較
該測定は、上述のレオメーター上で回転させて、種々の温度(23℃および75℃)で実施した。同時に、それぞれの混合物についての初期粘度(前記成分の混合後の2分から5分までの時間にわたり測定)をそれぞれの温度で測定した。結果を第2表にまとめる。
第2表: 10000mPa・sへの等温粘度上昇
Figure 2016528355
ポリプロピレンイミン(PPI)とトリエチレンテトラミン(TETA)は、同様の反応性プロファイルを示すが、D230は明らかにより低い反応性を有する。本発明によるポリプロピレンイミン(PPI)と比較して、分岐したEDA−dendr−(NHを使用した場合には、初期粘度は明らかにより高いとともに、特に低い温度では粘度上昇も明らかにより迅速である。それらは、例えば床用コーティング用途にとって関係のあるものである。
調査1b) ゲル化時間の比較
該測定は、上述のレオメーター上で振動させて、23℃または75℃の温度で実施した。損失弾性率(G’’)および貯蔵弾性率(G’)の交点からゲル化時間が得られる。測定結果を第3表にまとめる。
第3表: 等温ゲル化時間
Figure 2016528355
調査1c)可使時間の比較
それぞれ100gの反応樹脂材料を、紙コップ中で混ぜ合わせ、温度センサを取り付け、そして温度23℃で貯蔵した。試料の温度を、時間の関数としてプロットした。試料が最高温度に達した時間が可使時間である。それらの結果を第4表にまとめる。
第4表: 23℃での可使時間(括弧での表示はその場合に達成された最高温度である)
Figure 2016528355
実施例2
硬化性組成物(反応樹脂材料)の発熱プロファイルおよび硬化されたエポキシ樹脂(硬化されたデュロプラスト(熱硬化性樹脂))のガラス転移温度
化学量論的に使用されたアミン(トリエチレンテトラミン(TETA)(Huntsman)、D230(ポリエーテルアミンD230、BASF)、EDA−dendr−(NH(比較例1から)またはポリプロピレンイミン(PPI)(実施例1に相当する))とビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルを基礎とするエポキシ樹脂(Epilox A19−03、Leuna Harze、EEW 182)との硬化反応のDSC調査による立ち上がり温度(To)および発熱エネルギー(H)の測定ならびにガラス転移温度(Tg)の測定は、温度プログラム(0℃→5K/分で180℃→30分間180℃→20K/分で0℃→20K/分で220℃)でASTM D 3418に従って実施した。それぞれ2行程を実施した。測定結果を第5表にまとめる。示されているのは、温度プログラムの二番目の行程のTg測定(Tg−I)であり、更なる硬化ステップ(80℃で2時間、125℃で3時間)後のTg測定(Tg−II)である。
第5表: 発熱プロファイルおよびガラス転移温度
Figure 2016528355
より長い鎖長と、従ってより高い分子内可撓性にもかかわらず、ポリプロピレンイミン(PPI)は、比較的高いTgを示す。
実施例3
硬化されたエポキシ樹脂(硬化されたデュロプラスト(熱硬化性樹脂))の機械的試験
アミン(トリエチレンテトラミン(TETA)(Huntsman)、D230(ポリエーテルアミンD230、BASF)またはポリプロピレンイミン(PPI)(実施例1に相当する))とビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルを基礎とするエポキシ樹脂(Epilox A19−03、Leuna Harze、EEW 182)とからのデュロプラスト(熱硬化性樹脂)の機械的特性の調査のために、前記2つの成分を高速ミキサー中で混合し(2000rpmで1分間)、真空(1ミリバール)を23℃で印加することによって脱ガスし、引き続き成形部材を完成させた。80℃で2時間硬化させ、引き続き125℃で3時間硬化させた。当該機械的試験は、ISO 527−2:1993およびISO 178:2006に従って実施した。更に、硬化された(80℃で2時間と、引き続いて125℃で3時間)成形部材(厚さ3mm)のショアD硬度を、23℃でデュロメーター(TI Shore試験スタンド、Sauter Messtechnik)によって測定した。結果を第6表にまとめる。
第6表: デュロプラスト(熱硬化性樹脂)の機械的特性およびショアD硬度
Figure 2016528355
ポリプロピレンイミン(PPI)で硬化されたエポキシ樹脂は、トリエチレンテトラミン(TETA)またはD230で硬化されたエポキシ樹脂と比較してより可撓性(より低い弾性率および曲げ弾性率)であるとみなされた。その際、D230と比べて同等の破断点伸びが達成される。
実施例4
デュロプラスト(熱硬化性樹脂)の初期耐水性
アミン(トリエチレンテトラミン(TETA)(Huntsman)、D230(ポリエーテルアミンD230、BASF)またはポリプロピレンイミン(PPI)(実施例1に相当する))とビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルを基礎とするエポキシ樹脂(Epilox A19−03、Leuna Harze、EEW 182)とからのデュロプラスト(熱硬化性樹脂)の初期耐水性の調査のために、前記2つの成分を化学量論比で高速ミキサー中で混合し(2000rpmで1分間)、幾つかの皿に注ぎ、そして23℃で人工気候室(60%の相対空気湿度)中で貯蔵した。規則的な時間間隔において、それぞれ1つの皿を取り出し、エポキシ樹脂の表面に2mlの蒸留水を加えた。前記エポキシ樹脂が水との接触に際してもはやカルバメートの形成を示さず、従って初期耐水性に至った時間を測定した。カルバメートの形成は、該エポキシ樹脂の表面上への外被または白色の条痕の形成をもとに確認することができる。それらの結果を、第7表にまとめる。
第7表: 種々の硬化剤を有するエポキシ樹脂組成物についての初期耐水性(t: 初期耐水性に達するまでの時間)
Figure 2016528355
ポリプロピレンイミンで硬化されたエポキシ樹脂の初期耐水性は、トリエチレンテトラミン(TETA)で硬化されたエポキシ樹脂に匹敵し、D230で硬化されたエポキシ樹脂の初期耐水性よりも明らかに良好である。

Claims (17)

  1. 硬化性組成物であって、該硬化性組成物が樹脂成分および硬化剤成分を含み、前記樹脂成分が1種以上のエポキシ樹脂を含み、かつ前記硬化剤成分が本質的に直鎖状であるポリプロピレンイミンを含む、前記硬化性組成物。
  2. 1種以上の反応性希釈剤を含有する、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記反応性希釈剤は、1つ以上のエポキシ基を有する低分子有機化合物または3個〜10個の炭素原子を有する環状カーボネートである、請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記ポリプロピレンイミンは、100g/モルから1000g/モルまでの範囲の数平均分子量Mを有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記ポリプロピレンイミンは、0.3以下の分岐度DBHFを有し、
    その際、DBHF=2D/(2D+L)であり、
    ここでDは、第三級アミノ基の割合に相当し、かつLは、第二級アミノ基の割合に相当する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記ポリプロピレンイミンは、10mg KOH/gから1000mg KOH/gまでの範囲の第一級アミンについてのアミン価と、100mg KOH/gから2000mg KOH/gまでの範囲の第二級アミンについてのアミン価と、0mg KOH/gから200mg KOH/gまでの範囲の第三級アミンについてのアミン価とを有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記ポリプロピレンイミンは、プロパンジアミンの触媒的なアミノ間重合によって製造されたものである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記ポリプロピレンイミンは、プロパンジアミンの構造要素だけから構成されている、請求項1から7までのいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記硬化性組成物の一方の成分であるエポキシ樹脂と任意の反応性希釈剤、および前記硬化性組成物の他方の成分であるアミン系硬化剤が、前記エポキシ樹脂と任意の反応性希釈剤の反応性基に基づいて、および前記アミン系硬化剤のNH官能基に基づいて、ほぼ化学量論比で使用されている、請求項1から8までのいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 前記1種以上のエポキシ樹脂は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、水素化されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよび水素化されたビスフェノールFのジグリシジルエーテルからなる群から選択される、請求項1から9までのいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. 本質的に直鎖状のポリプロピレンイミンの、硬化性組成物におけるエポキシ樹脂用の硬化剤としての使用。
  12. 硬化されたエポキシ樹脂の製造方法であって、請求項1から10までのいずれか1項に記載の硬化性組成物を準備し、引き続き、硬化させることを含む、前記製造方法。
  13. 硬化されたエポキシ樹脂であって、請求項12に記載の方法によって得られる前記エポキシ樹脂。
  14. 硬化されたエポキシ樹脂であって、請求項1から10までのいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化によって得られる前記エポキシ樹脂。
  15. 成形体であって、請求項13または14に記載の硬化されたエポキシ樹脂から成る前記成形体。
  16. 複合材料であって、請求項13または14に記載の硬化されたエポキシ樹脂と、1種以上の強化繊維とを含有する、前記複合材料。
  17. コーティングであって、請求項13または14に記載の硬化されたエポキシ樹脂を含有する前記コーティング。
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