JP2016521260A - 酸化型アルカリ性生物学的除染ゲル及び前記ゲルを用いた表面の生物学的除染法 - Google Patents

酸化型アルカリ性生物学的除染ゲル及び前記ゲルを用いた表面の生物学的除染法 Download PDF

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Abstract

本発明は、生物学的除染ゲルであって、ゲルの重量に比較して、5〜30重量%の、好ましくは5〜25重量%の、及びさらに好ましくは8〜20重量%の、少なくとも1つの無機増粘剤と;アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、及びそれらの混合物から選択される無機塩基と、塩基性媒体中で安定でありかつ過マンガン酸塩、過硫酸塩、オゾン、次亜塩素酸塩、及びそれの混合物から選択される、酸化剤との組合せからなる、活性生物学的除染剤であって、該無機塩基がゲル1L当たり0.05〜10molの量、好ましくはゲル1L当たり0.1〜5molの量で存在し、かつ塩基性媒体中で安定な前記酸化剤が、ゲル1L当たり0.05〜5mol、好ましくはゲル1L当たり0.1〜2molの量で存在する、該活性生物学的除染剤と;任意選択で、ゲルの重量に比較して、0.1〜2重量%を構成する、少なくとも1つの界面活性剤と;及び、残りの溶媒とを含む、コロイド溶液からなり、かつゲルが高吸収性ポリマーを含有しない、該生物学的除染ゲルに関する。本発明はまた、前記ゲルを用いた生物学的除染法にも関する。

Description

本発明の目的物は、表面の除染に使用し得る生物学的除染のための酸化型アルカリ性ゲルである。
本発明はさらに、このゲルを用いる、表面の生物学的除染のための方法に関する。
本発明は、生物学的作用因子によって汚染された(polluted,contaminated)表面の除染に適用される。
本発明の方法は、金属表面、プラスチック表面、ガラス質材料表面、セメント物質例えばスラリー、モルタル、及びコンクリートの表面;煉瓦表面;漆喰表面;セラミックスの表面;及び天然石又は人工石の表面などの、あらゆる種類の表面にも適用され得る。これらの表面は、塗装されていても塗装されていなくてもよい。
本発明の技術分野は、特に生物種及びとりわけ毒性の生物種、例えば:内生胞子、毒素、ウイルスのタイプ、表面上での存在が望ましくないこうした種を、これらの表面から除去するという観点で、上記生物種により汚染された表面の生物学的除染の分野である。
数十年以来の、化学テロ行為及びより最近の生物学的行為の連続、例えば1995年の東京地下鉄でのサリンガスによる攻撃、及び2001年米国でのアメリカ合衆国郵便公社の炭疽菌入り手紙爆弾は、多くの国家に、生物学的、化学的、又は放射性の薬剤を用いる、可能性のあるテロ攻撃の結果に対し効率的に対処するための戦略的手段、いわゆる「事後」介入手段を開発するよう駆り立ててきた。
本質的に20世紀初頭の化学の特性は、脅威因子が、より大きい衝撃を与え、適用が簡単で、かつ特に身体に最初の症状が現れる以前には検出不可能である兵器に向けて進化してきたことである。
それ故、現在、懸念はむしろ生物型のテロ攻撃、特に、容易に播種され得、かつ重大な罹患率及び死亡率をもたらす、クラスAの接触感染性の生物学的作用因子を用いたものに向けられている。Bacillus anthracis(炭疽菌(anthrax若しくはcharbon))又はさらに細菌Yersinia pestis(ペスト菌(plague))などの病原性生物種は、使用される可能性が最も高い作用因子と考えられる。
かかる事象を想定すれば、当局にとり優先すべき事項は、換気ダクト及び排水ダクトなどの、技術的設備及び装置を介した毒性種の伝播を避けるため、及び毒性種に暴露されるリスクを何ら残すことなく可能な限り迅速に建造物をその使用に向けて復旧させるため、暴露された、特に一般インフラを迅速に除染することにより、一般市民に対する攻撃の影響を制限することである。
この除染は2つの連続した工程を通る:
−可能な場合には、毒性種を中和すること、又はさらに破壊すること、
−毒性種を、その除去を可能にする固体又は液体相へ向けて移動させること。
一般に、生物学的汚染により汚染された物質のための衛生技術は、殺菌剤を含有する液体を汚染された表面と接触させることからなる。殺菌性溶液の適用は、一般に、噴霧することによるか、又はブラッシングなどの機械的効果と組合せて若しくは組合せずに洗浄することにより達成される。
これらの技術の概要は、特許文献1及び特許文献2に示されている。
そこには特に、ゲルとして発売される除染製品が、固体廃棄物を発生し、それ故、広い表面及び複雑なジオメトリをもつ部屋を除菌するのに、液体溶液を使用することなく実施する可能性を与えることが示されている。
これらのゲルは、一般に、除染されるべき表面上にそれらを噴霧することにより適用される。
ゲルと除染されるべき表面との、溶媒の蒸発時間に等しい一定の接触時間の接触の後、得られた乾燥廃棄物はブラッシング及び/又は吸引により除去される。これらの方法の主な利点は、それらが広い表面及び平坦ではないジオメトリを処理できることである。
そこで、特許文献3は、汚染領域の化学的又は生物学的除染のための、酸化剤を含有するゲル組成物を記載する。この組成物は、酸化剤の溶液にコロイドとして増粘剤又はゲル化剤を添加して、粘稠なコロイド状ゲルを生成することにより調製される。
この溶液は、水性又は有機溶液であってもよい。
増粘剤又はゲル化剤は、シリカ、アルミナ、アルミノケイ酸塩、シリカ及びアルミナの混合物、及びスメクタイトなどのクレーから選択され得る。
酸化剤は、特に次亜塩素酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、又は過酸化水素である。
ゲルは、pH12以上の塩基性であり得ることが言及されているが、かかるpHを得るために添加される塩基の性質については、詳細は示されていない。
これらのゲルは、細菌、真菌、ウイルス、及び芽胞のような微生物などの生物学的作用因子、又は神経毒ガスなどの化学的作用因子を除去するために使用され得ることが示されている。
ゲルは次に、処理されるべき表面上に噴霧され、次いで乾燥後の吸引により回収される。
ペルオキシ一硫酸カリウム及び15%のシリカCab−O−Sil(登録商標)EH−5をゲル化剤として含有する酸化性ゲルは、ゲルを乾燥させるのに必要な時間内で、化学的作用因子「マスタード」、「VX」、及び「GD」を破壊すること、並びに炭疽菌のシミュレータであるBacillus globigii(BG)もまたこのゲルにより部分的に破壊されることが明記されている。
ローレンス・リバーモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)により、L−Gel 115及びL−Gel 200などのL−Gelの名称で開発されたゲル状製剤は、特許文献3で開発された製剤と類似しており、いわゆる「L−Gel」法を用いて適用される。この方法は、Bacillus globigiiの芽胞による汚染などの生物学的汚染に対し、ある程度の有効性があると考えられる[非特許文献1]。
これらのいわゆる「L−Gel」は、有機溶媒及びシリカ充填剤がそれに添加された、酸化性酸性溶液から製剤される。次いでゲルは、処理されるべき表面上に噴霧され、次に乾燥後に吸引により回収される。この方法の重要なポイントの中でも、その化学的安定性がしばしば時間で非常に制限される強力な酸化剤の存在が、最初に登場する。
さらに、ゲル(即ち[特許文献3]のゲル又は「L−Gel」)が壁又は天井に適用される場合は特に、垂れ流れることを回避する目的で、ゲルは、[特許文献3]では125μmを超えない厚さの、非常に薄いフィルムとして適用される。この結果は、処理の効率が完全でない場合、生体毒素及び酸化化合物などの化学種の大気中への散布を引き起し得る粉末状の乾燥廃棄物となる。
この方法の性能は、エアロゾルとして炭疽菌の芽胞による汚染(試料0.16m当たり10及び10個の芽胞)について測定され、4桁を超える汚染の減少は可能にしないことを示している[非特許文献1]。
さらに放射能除染の範囲内では、乾燥廃棄物の粉末特性に関連する問題を取除くこと、またゲルを適用する方法の効率を増大することを可能にするゲル化製剤が、特許文献4及び5の主題となってきた。
これらの文献は、噴霧されるように、そして次に破砕されることにより乾燥するとともに、放射性汚染物を非粉末の吸引可能なフレークであって、直ちにコンディショニングされかつ貯蔵され得る、該フレークとして捕捉しかつ封じ込めるように、特別に製剤された無機コロイドゲル、いわゆる「吸引可能なゲル」を記載している。
特許文献4は、無機増粘剤、一般にはシリカ又はアルミナと、例えば無機酸又はソーダ若しくはカリなどの塩基である活性処理剤と、及び任意選択で、Ce(IV)、Co(III)、又はAg(II)などの、強酸性媒体中で1.4Vを超える正常な酸化還元電位Eを有する酸化剤とを含んでなる、コロイド溶液からなるゲルを記載している。
特許文献5は、有機増粘剤、一般にはシリカ又はアルミナと、界面活性剤と、無機酸又は塩基と、及び任意選択で、Ce(IV)、Co(III)、又はAg(II)などの、強酸性媒体中で1.4Vを超える正常な酸化還元電位Eを有する酸化剤とを含んでなる、コロイド溶液からなるゲルを記載している。
これらの無機コロイド状ゲルは、その組成に入っている様々な成分の故に、垂直な表面であっても垂れ流れることなく、汚染表面上に噴霧されるよう、そしてこの表面に付着されるようにする、流動性を有する。
したがってこのことは、基材の機械的特性を何ら変えることなしに、汚染物質と活性除染剤との間の長時間の接触を可能にする。
その噴霧後、ゲルは乾燥し、破砕し、「フレーク」と称される乾燥残渣を基体に接着して発生し、これらは次に、又は直ちにコンディショニングされるよう、ブラッシング又は吸引により排出される。
これらの吸引可能なゲルを適用する方法は、それ故、ドライルートによる除染法であり、何ら液体排出物を発生せず、かつ乾燥固体残渣を殆ど発生しない。実際、これらの乾燥固体残渣は、平均して、最初に噴霧されたゲルの質量の四分の一に相当するにすぎない。さらに、これらの方法は、噴霧及びその後の乾燥残渣の吸引による適用の容易さを理由に、またゲルの乾燥中は作業員の存在が不要であることを理由に、作業員が放射性汚染物質に暴露される時間を制限する。
特許文献4及び5に記載されたゲルは、しかしながら表面の放射能除染、特に原子力施設の解体の範囲内を意図しており、決して表面の生物学的除染に適応される又は適応され得るものではない。
特許文献1及び特許文献2は、「吸引可能な」生物学的除染ゲル、及びこのゲルを用いることにより表面を生物学的に除染する方法に関する。
このゲルは、少なくとも1つの無機増粘剤と、少なくとも1つの生物学的除染剤と、少なくとも1つの高吸水性ポリマーと、及び少なくとも1つの界面活性剤とを含んでなるコロイド溶液により生成される。
ポリ(アクリル酸ナトリウム)などの高吸水性ポリマーは、多孔質材料、例えばモルタル上でのゲルの効率を改善させる。
しかしながら、このゲル及び特にこれらの文献の実施例に記載された、アルミナと、ソーダと、界面活性剤と、及びポリ(アクリル酸ナトリウム)である高吸水性ポリマーとを含んでなるゲルは、少なくとも6ログまで及びより正確には6と8ログの間を含んでなる生物学的除染を要求する、NRBC除染の分野で市場に出すことを目指すには充分有効とはいえない。
ポリ(アクリル酸ナトリウム)などの高吸水性ポリマーは、多孔質材料、例えばモルタル上でのゲルの効率を改善させる。
しかしながらこの文献のゲルは、例えば数週間という非常に短い貯蔵寿命を有する。
この短い貯蔵寿命は特に、ゲルがNRBC除染に使用される場合は厄介である。実際、かかる使用には、ゲルは数か月間にわたり貯蔵可能でなければならず、これはさらに3年に及び得、また事後介入の場合には直ちに使用可能でなければならない。
それ故、上記を考慮すれば、活性生物除染剤の効率が改善された生物学的除染ゲル、言い換えれば、先行技術の除染ゲルに比較して殺生物活性が強化されたものであり、かつ特許文献1及び特許文献2に記載されたゲルに比較して特に長期間の安定性及び貯蔵寿命が増大されたものにニーズがある。
とりわけ、NRBC除染に使用できるようその貯蔵寿命が充分に長く、かつ「事後」介入の場合に直ちにゲルが利用可能なよう長期間の貯蔵後でもその特性が無傷のままである、生物学的除染ゲルにニーズがある。
活性剤の効率、安定性、及び貯蔵寿命という面でのこうした改善は、その流動性又は他の特性などの、ゲルの別の物理化学的特性に影響を及ぼすことなしに獲得されるべきである。とりわけ、ゲルは、上記で既に議論ずみの除染法における、かかるゲルの適用に関連した全ての利点を備えた、吸引可能なゲルの特性の全てをもつべきである。
この生物学的除染ゲルは、生物学的汚染物を散布することなく除去することが容易である非粉末の乾燥廃棄物を生じるべきであり、多様な表面をその形状、そのジオメトリ、そのサイズ、及びその性質にかかわらず、同じ効率で処理することを可能にするべきである。
さらに、このゲルは、その最終用途を考慮して、何ら処理表面の化学的、機械的、又は物理的変化を発生するべきではない。
仏国特許出願公開第2962046号明細書 国際公開第2012/001046号パンフレット 米国特許第6455751号明細書 仏国特許出願公開第2827530号明細書 仏国特許出願公開第2891470号明細書
HARPER B., LARSEN L.,「選択された市販の表面材料上の生物学的作用因子のための除染技術の比較(A Comparison of decontamination technologies for biological agents on selected commercial surface materials)」、生物兵器改良型応答プログラム(Biological weapons improved response program)、2001年4月.
本発明の目的は、とりわけ、上記に列記されたニーズ及び要求を満たす生物学的除染ゲルを提供することである。
本発明の目的は、さらに、先行技術の生物学的除染ゲルの欠点、欠陥、制限、及び不都合をもたない除染ゲルであって、かつ先行技術の生物学的除染ゲル、特に特許文献1及び特許文献2の目的物であるゲルの問題を解決する、該除染ゲルを提供することである。
(発明の考察)
この目的、及びさらなる他の目的は、本発明により:
−ゲルの質量を基準として、5〜30質量%の、好ましくは5〜25質量%の、さらに好ましくは8〜20質量%の、少なくとも1つの無機増粘剤と;
−アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びそれらの混合物から選択される鉱塩基と、過マンガン酸塩、過硫酸塩、オゾン、次亜塩素酸塩、及びそれの混合物から選択される、塩基性媒体中で安定な酸化剤との組合せからなる、活性生物学的除染剤であって;ここで、鉱塩基はゲル1L当たり0.05〜10molの量、好ましくはゲル1L当たり0.1〜5molの量で存在し、かつ塩基性媒体中で安定な酸化剤は、ゲル1L当たり0.05〜5molの量、好ましくはゲル1L当たり0.1〜2molの量で存在する、該活性生物学的除染剤と;
−任意選択で、ゲルの質量を基準として、0.1〜2質量%の、少なくとも1つの界面活性剤と;
−及び溶媒のバランス(残り);
とを含んでなる、好ましくはこれらからなる、コロイド溶液からなり、
かつゲルが何ら高吸収性ポリマーを含有しない、生物学的除染ゲルを用いて達成される。
「溶媒のバランス」とは、溶媒がコロイド溶液中に常に存在すること、及び溶媒の量が、それが溶媒以外のコロイド溶液の成分の量に加えられたとき(これらの成分が、指定成分であるのか又は上記で任意で選択的に言及されたのか、或いはさらに、顔料などの別の言及された任意選択的な追加成分であるのか、又は言及されていないのか、に関わらず)、コロイド溶液の全成分の量が100質量%となるような量であることを意味する。
本発明によるゲルは、先行技術には決して記載されていない。
本発明によるゲルは、第1の基本的な特徴により、まず、それが特定の組合せ、即ちアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びそれらの混合物から選択される特定の鉱塩基と、過マンガン酸塩、過硫酸塩、オゾン、次亜塩素酸塩、及びそれの混合物から選択される、塩基性媒体中で安定な酸化剤である特定の殺生物性酸化剤との組合せからなる、活性生物学的除染剤を含有するという事実によって定義される。
かかる特定の組合せからなる、かかる活性生物学的除染剤は、先行技術には記載も示唆もされていない。
本発明によるゲルは、それ故、それが何ら高吸収性ポリマーを含有しないという事実によって定義される。
なおさら、特定の鉱塩基と、塩基性媒体中で安定な特定の酸化剤との、前記組合せからなる特定の活性生物学的除染剤を含んでなる生物学的除染ゲルは、先行技術には記載も示唆もされていない。
ソーダのようなアルカリ金属の水酸化物、又はアルカリ土類金属の水酸化物などの特定の鉱塩基と、次亜塩素酸ナトリウムのような次亜塩素酸塩などの特定の酸化剤との組合せからなる、特定の活性生物学的除染剤を含有する本発明によるゲルは、驚くべきことに、ソーダなどの鉱塩基のみからなる活性生物学的除染剤を含有する、特許文献1及び特許文献2のものなどのゲルに比較して、著しく強化された殺生物活性を有する。
アルカリ性水酸化物、例えばソーダ、又はアルカリ土類金属水酸化物などの特定の鉱塩基と、それ自体もまた殺生物活性を有する次亜塩素酸ナトリウムのような次亜塩素酸塩などの特定の酸化剤との組合せが、以下に説明されるように、真の相乗的な組合せであることが示され得る。
確かに、本発明によるゲルの活性生物学的除染剤は実際に、2つの活性生物学的除染化合物、2つの殺生物化合物、即ち、ソーダなどの鉱塩基である第1の活性殺生物化合物と、ブリーチ(次亜塩素酸ナトリウム)(「Javel」)などの酸化剤である第2の活性殺生物化合物とを含んでなる。ゲルをさらになお効果的にしているのは、この2つの活性化合物の組合せである。
ブリーチ(次亜塩素酸ナトリウム)(「Javel」)などの酸化剤は、単なる酸化化学種であるばかりでない;それはまた優れた殺生剤でもある。
さらになお驚いたことには、それ故増大された生物学的活性を有する本発明によるゲルが、しかしながらまた安定でもあり、かつ増大された長時間の安定性も有する。
実際、本発明者らは、特許文献1及び特許文献2の生物学的除染ゲルの弱い長時間の安定性が高吸収性ポリマーに起因することを示したが、その理由は、この高吸収性ポリマーがその貯蔵時にゲルのレオロジーを変え、そのことが、弱い接着のためにそれを垂直な表面上への噴霧及び適用に適さないものにするからである。
本発明者らはさらに、高吸収性ポリマーの存在下に酸化剤を使用することが、さらに特許文献1及び特許文献2の生物学的除染ゲルの長時間の安定性を、数日未満の長さへかなり低減することを示した(実施例参照)。
本発明によるゲル中に高吸収性ポリマーが存在しないことは、それ故、長時間の安定性をかなり改善する。
本発明のゲルは、それ故、その殺生物効率及びその長時間安定性の観点の双方から、先行技術の生物学的除染ゲル製剤、及び特に特許文献1及び特許文献2のゲル目的物におけるかなりの改善である。
本発明による生物学的除染ゲルにおいては、一方では除染活性の効率が改善され、また他方ではゲルの安定性が高吸収性ポリマーの添加なしに実施することにより増大される、と言える。
より厳密には、全く驚くべきことに、また特許文献1及び特許文献2の生物学的除染ゲルで得られた結果を考慮して予想され得ていたこととは異なり、本発明によるゲルは、特許文献1及び特許文献2のゲルに比較して例えば2〜3桁大きく、しかしながら長時間、即ち、例えば実施例の期間(実施例参照)にわたり変化することのない、殺生物活性を有する。
好ましくは、鉱塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びそれらの混合物から選択され、また塩基性媒体中で安定な酸化剤は、次亜塩素酸塩類、及びそれらの混合物から選択される。
さらに好ましい活性生物学的除染剤は、ソーダと次亜塩素酸ナトリウムとの組合せからなる。
この場合、ソーダはゲル1L当たり0.05〜10mol、好ましくはゲル1L当たり0.5〜5molの量で、また次亜塩素酸ナトリウムはゲル1L当たり0.05〜5mol、好ましくはゲル1L当たり0.1〜1.5molの量で存在する。
実際、次亜塩素酸ナトリウム(ブリーチ濃縮液、「Javel」濃縮液)を添加することにより、本発明によるゲルの殺生物攻撃力を強化し、それ故、その物理化学的特性又は流動性を基本的に変更することなく、ソーダのみを含有するゲル(図2)に比較してその生物学的除染係数を増大することが可能である。ソーダに関しては、それもまた良好な殺生剤である。さらに、それは次亜塩素酸ナトリウムの優れた安定剤であり、かつ殺生物機能を確保しながら次亜塩素酸塩イオン濃度の良好な保全を保証する。
要約すれば、本発明によるゲルは、それ故、上述の全てのニーズを満たし、上述の文献に記載されたものなどの、先行技術の生物学的除染ゲルの欠点、欠陥、制限、及び不都合をもつことはない。
本発明によるゲルは、したがって、先行技術の生物学的除染ゲルによって示された問題を、それらの欠点をもつことなく解決するが、一方ではこれらのゲルの全ての既知の有利な特性、特にその「吸引可能」(「aspirable」、「suckable」)な性質は保持している。
本発明によるゲルは、コロイド溶液であり、そのことは本発明によるゲルが、増粘剤の無機、鉱物固体粒子を含有しており、その基本一次粒子が一般に2〜200nmのサイズを有することを意味する。
増粘剤の適用は一般に、かつ専ら、何ら有機増粘剤なしに無機剤であることから、本発明によるゲルの有機物質の含量は、一般に4質量%未満、好ましくは2質量%未満であり、このことは本発明によるゲルのさらにもう1つの利点である。
これらの無機、鉱物、固体粒子は、増粘剤の役割を果たし、溶液、例えば水溶液のゲル化を可能にし、したがって、処理、除染されるべき表面へ、そのジオメトリ、その形状、そのサイズにかかわらず、また除去されるべき汚染物質の場所がどこに検出されようとも付着可能にする。
有利なことに、無機増粘剤は、アルミナなどの金属酸化物、シリカ以外のメタロイド酸化物、金属の水酸化物、メタロイドの水酸化物、金属のオキシ水酸化物、メタロイドのオキシ水酸化物、アルミノケイ酸塩、スメクタイトなどのクレー、及びそれらの混合物から選択され得る;これらの増粘剤は、塩基性媒体中で安定である。
とりわけ、無機増粘剤はアルミナ類(Al)から選択され得る。
無機増粘剤は、単一のアルミナ、又はそれらの混合物、即ち2つ以上の異なるアルミナの混合物(Al/Al混合物)を含んでなっていてもよい。
アルミナは、か焼アルミナ、粉砕されたか焼アルミナ、及びそれらの混合物から選択され得る。
一例として、微細な焼成アルミナでありかつBET比表面積100m/gを有する「Aeroxide Alu C」という商品名でEVONIK INDUSTRIESにより販売される製品が挙げられる。
有利には、本発明によれば、増粘剤は1つ又はいくつかのアルミナからなる。この、又はこれらのアルミナは、一般にゲルの質量を基準として5〜30質量%に相当する。
この場合、アルミナ(複数又は単数)は、好ましくはゲルの全質量を基準として8〜17質量%の濃度である(20℃と50℃の間を含んでなる温度、及び20%と60%の間を含んでなる相対湿度において、平均して30分から5時間でのゲルの乾燥を確保する目的で)。
鉱物増粘剤の性質は、特にそれが1つ以上のアルミナで構成される場合、本発明によるゲルの乾燥、及び得られる残渣の粒子サイズに予想外に影響を及ぼす。
実際、乾燥ゲルは、制御された大きさの粒子として、より具体的にはミリメートルの固体フレークとして生じ、その大きさは、本発明の前述の組成物により、特に増粘剤が1つ以上のアルミナで構成される場合、一般に1〜10mm、好ましくは2〜5mmの範囲である。
粒子のサイズが一般にその最大寸法に相当することが明記されよう。
本発明によるゲルは、上記に定義した通りの活性生物学的除染剤を含有する。
殺生物剤としても記載され得る生物学的除染剤とは、生物種及び特に毒性生物種と接触させた場合、それを不活性化又は殺生可能な薬剤を意味する。
生物種とは、細菌、真菌、酵母、ウイルス、毒素、芽胞、特にBacillus anthractisの芽胞、プリオン、及び原生動物などの、あらゆるタイプの微生物を意味する。
本発明のゲルにより除去、破壊、不活性化される生物種は、本質的に、例えばBacillus anthracisの芽胞などの病原性の芽胞、例えばYersinia pestis細菌などの細菌、例えばボツリヌス毒素(botulinic toxin)又はリシンなどの毒素、及び例えばワクシニアウイルス又は出血熱ウイルス(例えばエボラ型)などのウイルスといった生体毒物種である。
活性生物学的除染剤は、ゲルの乾燥時間に適合した、生物種、特に生体毒物種の除去能力を保証するため、また例えば、20℃と50℃の間を含んでなる温度における、及び20%と60%の間を含んでなる相対湿度における、平均して30分から5時間の、ゲルの乾燥を確保するため、上述の濃度において使用される。
本発明のゲルとしては、塩基性ゲルであり、除染活性に加えて脱脂作用を有するものであることに注目されるべきである。
ゲルの乾燥に対して最も不利な気象条件下を含めて、完全な効率を得る目的で、本発明のゲルは広い濃度範囲の塩基性生物学的除染剤を有し得る。
実際、一般に殺生物剤の役割を果たすNaOH又はKOHなどの塩基性生物学的除染剤の濃度を増すことは、例えばBacillus thuringensisの芽胞(Bacillus anthracisの芽胞と類似)などの生物種の破壊速度をかなり増大する可能性を与える。
鉱塩基は、20℃と50℃の間を含んでなる温度において、20%と60%の間を含んでなる相対湿度で、平均して30分から5時間のゲルの乾燥を確保するため、上記で定義された濃度において使用される。
セメントマトリックスの処理の場合、例えばソーダ又はカリの使用により誘導されるゲルの塩基性pHは、材料の保全性にも、しかしまた表面上のゲルの保全性にも、またそれ故この方法の効率にも有害な、除染されるべき材料とゲルとの間の酸塩基反応を回避する可能性を与える。
水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの吸湿性もまた、ゲルの乾燥現象を減速させるのにかなり有利である。例えば殺生物溶液を含有する本発明によるゲルと、生物学的汚染物との間の接触時間は、これによりかなり増大される。
実際、水相の蒸発プロセスと、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの結晶からの吸水のためのプロセスとの間の競合は、ゲルの乾燥キネティクスを有利に修正する。
本発明によれば、本発明によるゲルは、特許文献1及び特許文献2に記載されゲルとは異なり、何ら高吸収性ポリマーを含有せず、言い換えれば本発明によるゲルは、高吸収性ポリマーフリーである。
「SAP」とも呼ばれる「高吸収性ポリマー」とは、一般に、乾燥状態において、その水性液体重量、とりわけ水、及び特に蒸留水の重量の、少なくとも10倍、又は好ましくは少なくとも20倍を自発的に吸収できるポリマーを意味する。かかる高吸収性ポリマーは、既に述べた特許文献1及び特許文献2において詳細に記載された。
ゲルはまた、任意選択的に、好ましくは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーのような、配列されたブロックコポリマー、及びエトキシル化脂肪酸;及びそれらの混合物などの、非イオン性界面活性剤から選択される界面活性剤又は界面活性剤の混合物も含有し得る。
このタイプのゲル用には、界面活性剤は、好ましくは「Pluronic(登録商標)」の名称でBASFにより市販されているブロックコポリマーである。例えば、Pluronic(登録商標)PE6200を使用し得る。
Pluronic(登録商標)は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーである。
これらの界面活性剤は、ゲルのレオロジー(流動)特性、特に製品の揺変性及び回復時間に影響を及ぼして、垂れ流れの発生を回避しながら、床、壁若しくは天井の双方に噴霧可能にする。
界面活性剤はさらに、乾燥廃棄物の付着を制御し、かつ乾燥残渣のフレークのサイズを制御して、廃棄物の非発塵性を保証する可能性を与える。これらの界面活性剤は、最終的に、ゲルのブリージング現象を長時間にわたり制御する可能性を与え、したがってそれ故、貯蔵後に噴霧されるその能力を改善する。
本発明による溶媒は、一般に水、有機溶媒、及びそれらの混合物から選択される。
好ましい溶媒は、水であり、この場合、溶媒は水からなり、100%の水を含んでなる。
有利には、本発明によるゲルは、少なくとも1つの鉱物顔料、例えば酸化鉄をさらに含んでなっていてもよい。
一般に、コロイド溶液は、ゲルの質量を基準として、0.01〜10質量%の、好ましくは0.1〜5質量%の、前記少なくとも1つの鉱物顔料を含んでなっていてもよい。
本発明の除染ゲルへ取込まれる鉱物顔料については、何ら制限はない。
一般に、鉱物顔料は、ゲルが含有する活性除染剤を特に考慮して、ゲル中で安定である鉱物顔料から選択される。
安定な顔料とは、一般に、顔料が最低6か月間のゲルの貯蔵中に、その色に長時間何ら固定した変化を示さないことを意味する。
この顔料の色に関しては何ら制限がなく、それは一般に顔料がゲルに与えることになる色である。顔料は、黒色、赤色、青色、緑色、黄色、橙色、紫色、茶色など、及びさらに白色のものでもよい。
一般に、ゲルはそれ故、それが含有する顔料の色と同じ色を有する。しかしながら、ゲルは、例えば顔料が除染活性剤と反応する場合、ゲルが含有する顔料の色とは異なる色を有することは可能であるが、このことは望ましくはない。
顔料は、特にそれが白色である場合、一般に無機増粘剤とは異なる。
有利には、鉱物顔料は、その上にゲルが適用される除染されるべき表面の色とは異なる色をゲル(即ち乾燥前の、上記に定義されたような湿った状態のゲル)に与えるよう選択される。
有利には、鉱物顔料は超微粉砕された顔料であり、鉱物顔料の平均粒子サイズは0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmであってもよい。
顔料が超微粉砕されるという事実により、それ故鉱物顔料が一般にアルミナ集合体などの無機増粘剤のものと同じマイクロメートルサイズをもつことから、それがゲルの流動性及び噴霧能力(「噴霧性(sprayability)」)を変更することを回避できる。
有利には、鉱物顔料は金属(複数の金属)及び/又はメタロイド(複数)の酸化物、金属(複数の金属)及び/又はメタロイド(複数)の水酸化物、金属(複数の金属)及び/又はメタロイド(複数)のオキシ水酸化物、金属(複数の金属)のフェロシアン化物及びフェリシアン化物、金属(複数の金属)のアルミン酸塩、及びそれらの混合物から選択される。
好ましくは、鉱物顔料は酸化鉄、好ましくは超微粉砕されたもの、及びそれらの混合物から選択される。
酸化鉄は、種々の色を有し得る;それらは例えば黄色、赤色、紫色、橙色、茶色、又は黒色でよい。
実際、酸化鉄顔料は、良好なカバリングパワーと、酸及び塩基に対する大きな抵抗性とを有するものとして認識される。
酸化鉄は、除染ゲルへ取入れるために、安定性及び染着力の面で最良の性能を有する。したがって、0.1質量%、又はさらに0.01質量%の酸化鉄含量は、ゲルをその特性を変更することなく強力に着色するのに充分である。
このことは上記で既に示した通り、酸化鉄顔料が好ましくは超微粉砕されるという事実により、鉱物顔料がそのためマイクロメートルサイズ、即ち一般にアルミナ集合体などの無機増粘剤のものであるサイズをもつことから、それがゲルの流動性及び噴霧能力(「噴霧性(sprayability)」)を変更することを回避できる。
超微粉砕された酸化鉄は、Rockwood(登録商標)から商品名Ferroxide(登録商標)で市販されている。
中でも、平均粒子サイズ0.1μmの超微粉砕赤色酸化鉄であるFerroxide(登録商標)212M、及び平均粒子サイズ0.5μmの超微粉砕赤色酸化鉄であるFerroxide(登録商標)228Mが挙げられる。
酸化鉄に加えて及び/又はその代りに、ゲルのpHに依存して、金属又はメタロイドの、他の有色の酸化物又は水酸化物が本発明によるゲルへ取込まれてもよく、特に、橙色である酸化バナジウム(V)、黒色である酸化マンガン(MnO)、青又は緑色の酸化コバルト、及び希土類酸化物が挙げられる。しかしながら、酸化鉄は上記に明記された理由から好ましい。
オキシ水酸化物の中からは、針鉄鉱、即ち、濃く色づけされた、鉄のオキシ水酸化物FeOOHを挙げてもよい。
金属フェロシアン化物の例としては、プルシアンブルー、即ちフェロシアン化第二鉄が挙げられてよく、又はアルミン酸塩の例としては、コバルトブルー、即ちアルミン酸コバルトが挙げられてよい。
本発明のゲルへの鉱物顔料の取込みは、湿ったゲルそして乾燥残渣を、その上にゲルが適用される基材に関わらず見やすくする可能性を与える。
驚くべきことに、本発明のゲルに取込まれ得る、鉱物顔料である特定の着色物質は、本発明による除染ゲルの除染及び物理化学的特性に影響を及ぼさず、それ(該除染ゲル)は何ら無機顔料のないゲルと同様に、噴霧可能であり、乾燥後に吸引できるものであり、かつ広範囲の生物学的汚染物及び基材に対し多くの状況において使用され得ることが示された。
言い換えれば、噴霧及び吸引され得る本発明による生物学的除染ゲルを着色するために使用され得たかもしれない全ての着色剤及び顔料の中で、鉱物顔料だけが、より特定的には金属(複数の金属)及び/又はメタロイド(複数)の酸化物、金属(複数の金属)及び/又はメタロイド(複数)の水酸化物、金属(複数の金属)及び/又はメタロイド(複数)のオキシ水酸化物、金属のフェロシアン化物及びフェリシアン化物、金属(複数の金属)のアルミン酸塩、及びそれらの混合物を主成分とする顔料;及びさらにより特定的には超微粉砕された酸化鉄を主成分とする顔料が、本発明による酸化型アルカリ性除染ゲルの製剤に適合すること、即ち本発明によるゲルの要求される特性とそれにより保証される利点に何ら影響を及ぼさなかったことが示された。
驚くべきことに、鉱物顔料のみが、より特定的には酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物、フェロシアン化物、フェリシアン化物、及びアルミン酸塩を主成分とする顔料、なおより特定的には、超微粉砕された酸化鉄は、良好な着色力と長時間にわたる着色の保存を提供するが、しかしながら本発明により製剤された酸化型アルカリ性ゲルの特性(上記参照)を特に変更することはない。
本発明のゲルに鉱物顔料を任意選択的に添加することは、多くの面で、特に、媒体(media)が限られ又は見通しが悪い緊急事態にある、とりわけNRBCカバーオールを着けている作業者のために、被災地における使用に関して、その適用を容易にしかつ改善する可能性を与える。
本発明によるゲル中に鉱物顔料が任意選択的に存在することは、噴霧後の湿ったゲルに覆われた領域を確実によく見えるようにするばかりでなく、除染された支持体上の乾燥フレークもまた確実に良く見えるようにする。
本発明によるゲル中の顔料の任意選択的な取込みの別の付加的な利点は、そのことで乾燥した領域、即ち乾燥ゲルフレークで覆われた領域を、まだ湿っているゲル領域から容易に区別する可能性が与えられることである。
このことは、当然ながら、顔料が白色顔料でない場合に、ゲルの乾燥中の脱色によって可能である。
したがって、ゲルの作用が完了すること、及び基材上にそれが残留している間の持続時間がゲルを完全に乾燥させるのに充分であったことを、例えこの持続時間がランダムであって、かつ気象条件、即ち特に温度、相対湿度、及び換気に依存して変わる場合でも、容易にかつ確実に、視覚的に確認することが可能である。
本発明はさらに、表面上に検出される少なくとも1つの生物種に汚染された固体基材の
前記表面を生物学的に除染するための方法であって、これにおいて少なくとも1つのサイ
クルが、以下の連続的な工程:
a)本発明による上記記載のゲルが前記表面上に適用される工程;
b)少なくとも、ゲルが生物種を破壊、及び/又は不活性化、及び/又は吸収するため、及びゲルが乾燥して前記生物種を含有し得る非粉末性固体残渣を形成するのに充分な時間にわたり、ゲルが表面上に維持される工程;
c)前記生物種を含有し得る乾燥固体残渣が除去される工程、
を含んで実施される、該方法に関する。
一般に、固体残渣は何ら生きた生物種を含有しない。
破壊され、「殺された」生物学的汚染物は、乾燥ゲルフレークによって回収される。
有利には、基材は、金属及び合金、例えばステンレス鋼;塗装鋼板;プラスチック材料又はゴムなどのポリマー、例えばポリ(塩化ビニル)若しくはPVC、ポリプロピレン若しくはPP、ポリエチレン若しくはPE、特に高密度ポリエチレン若しくはHDPE、ポリ(メタクリル酸メチル)若しくはPMMA、ポリ(フッ化ビニリデン)若しくはPVDF、ポリカーボネート若しくはPC;ガラス;セメント;モルタル及びコンクリート;漆喰;煉瓦;天然若しくは人工の石;セラミックス、から選択される少なくとも1つの材料から作製される。
有利には、生物種は、上記で既に列記された毒性生物種から選択される。
有利には、ゲルは、除染されるべき表面上に、1mの表面当たり100g〜2,000gのゲル、好ましくは1mの表面当たり500g〜1,500gのゲル、さらに好ましくは1mの表面当たり600g〜1,000gのゲルの量において適用され、これは一般に、表面上に被着された0.5mmと2mmの間を含んでなるゲル厚に相当する。
有利には、ゲルは、噴霧によるか、ブラシを用いるか、又はコテを用いて固体表面上に適用される。
有利には、(工程b)において)、乾燥は1℃〜50℃、好ましくは15℃〜25℃の温度において、かつ20%〜80%、好ましくは20〜70%の相対湿度下に実施される。
有利には、ゲルは2〜72時間、好ましくは2〜48時間、さらに好ましくは3〜24時間にわたり、表面上に維持される。
有利には、乾燥固体残渣は、粒子、例えば1〜10mm、好ましくは2〜5mmのサイズのフレークとして生じる。
有利には、乾燥固体残渣は、ブラッシング及び/又は吸引により、固体表面から除去される。
有利には、上記記載のサイクルは、全てのサイクルの間同一のゲルを用いることにより、又は1回又は複数回のサイクルの間異なるゲルを用いることにより、例えば1〜10回反復され得る。
有利には、工程b)の間に、ゲルは、完全乾燥に先立ち、生物学的除染剤の溶液を用いて、好ましくは工程a)の間に適用されたゲルの生物学的活性剤の、このゲルの溶媒中にある溶液を用いて再湿潤化される。
工程b)の間に、ゲルは完全乾燥に先立ち、上記で既に記載された生物学的除染ゲル中に含有される殺生物溶液を用いて再湿潤化されてもよく、このことはその後一般に、表面へのゲルの適用の繰り返しを避け、かつ試薬の節約及び廃棄物の量の制限をもたらす。この再湿潤化の操作は反復されてもよい。
要約すると、本発明による方法及びゲルは、中でも、以下の有利な特性を有する:
−噴霧によるゲルの適用、
−壁への付着性、
−ゲルの乾燥段階の終わりに最大の除染効率が得られること。
一般に乾燥時間は、不活性化に必要な持続時間より長いか又は等しいことが確保される。
−非常に広い範囲の材料の、乾燥経路による処理、
−処理の終わりに、何ら材料の機械的又は物理的変化がないこと、
−変動する気象条件下でこの方法を適用すること、
−廃棄物の体積の減少、
−乾燥廃棄物の回収の容易さ、
−汚染物に対する作業者の暴露が低いこと。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な記載を読めばさらに明らかとなるが、この記載は、添付の図面に関連して、例示するのもであって限定するものとして作成されるものではない。
固体材料の除染のための本発明による方法の主要工程を例示する、概略断面図である。 Bacillus thuringiensis(Bacillus anthracisに類似の、炭疽(anthrax又はcharbon)の原因細菌)の10個の芽胞で初期汚染され、そして次に、除染されなかったもの(図2A)、或いは水を用いた不活性ゲルで(図2B)、又は古い製剤(即ち、ソーダを用いSAPを用いない、ゲルGB69)で(図2C)、又は本発明によるゲルGB79(図2D)で除染された、ステンレス鋼支持体に由来する試料がその中で培養された、ペトリ皿の写真である。 清浄か、又は汚されたか(モンモリロナイトクレー、エンジンオイル15W40、及びエタノールの混合物(使用された汚れた支持体に似る)により)、Bacilus thuringiensisの芽胞で汚染されたか、のいずれかのステンレス鋼上での種々のゲルの、除染係数(log10)により表示される殺生物効率を比較するグラフであり、即ち左から右へ、水を用いた不活性ゲルであるGB70、清浄支持体上;ソーダを用いたゲルであるGB69、汚染された清浄支持体上;GB69、汚染された汚れた支持体上;ソーダ及びブリーチ(「Javel」)を用いたゲルである本発明によるゲルGB79、汚染された清浄支持体上;ソーダ及びブリーチを用いたゲルである本発明によるゲルGB79、汚染された汚れた支持体上。 ステンレス鋼支持体上、又はRATPにより提供されるセラミックタイルである支持体上の、高吸収性ポリマー(SAP)を用いない(GB79)か、又は用いる(GBC01)ゲルの、除染係数(log10)によって表された殺生物効率を比較するグラフであり;即ち左から右へ、ゲルGB79、及び次にゲルGBC01。 せん断速度(s−1)に対する粘度(Pa.s)を、ゲルGB69(◆)(曲線A)、GB79(■)(曲線B)、新しいゲルとも称される調製されたばかりの新鮮なGBC01(▲)(曲線C)、及び古いゲルとも称される1か月以上保存されていたGBC01(X)(曲線D)について示すグラフである。 変形に対するせん断力(Pa)を、新しいゲルGBC01(曲線1)、古いゲルGBC01(曲線2);ゲルGB69(曲線3);及びゲルGB79(曲線4)について示すグラフである。 種々の材料、即ち左から右へ:ガラス支持体(VERRE支持体と称される)、ステンレス鋼支持体(INOX支持体と称される)、RATPにより提供されるセラミックタイル(RATP支持体と称される)、モルタル支持体(MORTIER支持体と称される)、PVC支持体(ポリ塩化ビニル)、及びPVDF支持体(ポリフッ化ビニリデン)、の清浄な支持体上の、ソーダ及びブリーチを用いた本発明によるゲルであるゲルGB79の、除染係数(log10)によって表された殺生物効率を示すグラフである。このグラフでは、各支持体について、支持体について得られた除染係数(左のバー)に加えて、乾燥残渣であるフレークにおいて得られた除染計数(右のバー)もまたプロットされている。 異なる材料の清浄な支持体上の、ブリーチ及びソーダを用いた本発明によるゲルである、ゲルGB79を乾燥した後に得られた、乾燥残渣であるフレーク中の、B.t.(Bacillus thuringiensis)の芽胞の数で表された、検出可能な生物学的活性を示すグラフであり、即ち、左から右へ:ガラス支持体(VERRE支持体と称される)、ステンレス鋼支持体(INOX支持体と称される)、モルタル支持体(MORTIER支持体と称される)、PVC支持体(ポリ塩化ビニル)、及びPVDF支持体(ポリフッ化ビニリデン)、RATPにより提供されるセラミックタイルである支持体、及び最後に、RATPにより提供されるセラミックタイルである支持体であって、フレークは微粉砕されている。 このグラフでは各支持体について、支持体上に最初に被着された芽胞数(初期汚染)(左のバー)、及びフレーク中の芽胞数(未粉砕、又は後者の場合には粉砕された)(右のバー)がプロットされている。 水を用いた不活性ゲルGB70bisの、及び本発明によるゲルGB79の、Bacillus thuringiensisの芽胞に対する作用キネティクスを示すグラフである。ゲルは、RATPにより提供されるセラミックタイル上に適用される。 横座標には乾燥時間(分)が、縦座標には除染係数(log10)がプロットされている。 曲線1は、ゲルGB70bisに、曲線2は、ゲルGB70bisのフレークに、曲線3は、ゲルGB79に、また曲線4は、ゲルGB79のフレークに関係する。 制御された雰囲気(温度:25℃;相対湿度:50%;秤の扉の開口:3cm;ゲル厚:0.5mm)下での、ゲルGB69及び本発明によるゲルGB79の、乾燥キネティクスを示すグラフである。 横座標には、乾燥時間(分)、縦座標には質量損失(%)がプロットされている。 曲線1は、ゲルGB69の乾燥キネティクスを、曲線2は、ゲルGB79の乾燥キネティクスを表す。 制御された雰囲気(温度:25℃;相対湿度:50%;秤の扉の開口:3cm;ゲル厚:0.5mm)下での、ソーダを用いたゲルGB69と、ブリーチ及びソーダを用いた本発明によるGB79(右側)を用いた殺生物ゲルとの、破砕を比較するグラフである。 左のスケールは、フレークの数を示し、右のスケールは、フレークの面積を示す(mm)。 各ゲルについて、フレークの平均面積(mm)(左のバー)、フレークの数(中央のバー)、及び面積中央値(mm)(右のバー)がプロットされている。 その一部分は本発明のゲルGB79によって処理されており、その一部分はこのゲルで処理さていない空白のままである、ステンレス鋼支持体に沿った、光学式粗さ計を用いて得られた、3Dマッピング及びプロファイルを示す。 図12Aは、本発明によるゲルで処理された支持体の部分の3Dマッピングを表し、図12Bは、このゲルで処理されていない支持体の部分の3Dマッピングを表す。 図12Cでは、境界線前の左部分のプロファイルは、本発明によるゲルで処理された支持体の部分のプロファイルであり、境界線後の右部分のプロファイルは、本発明によるゲルで処理されていない支持体の部分のプロファイルである。 種々の鉱物材料、即ち、ステンレス鋼製(曲線1「INOX」)、銅(曲線2)、鉛(曲線3)、塗装鋼板(曲線4)、ガラス(曲線5)、及びセラミック製(RATPにより提供されるセラミック:曲線6「RATP」)の支持体の表面の、光学式粗さ計を用いて測定された平均粗さ(μm)を示すグラフである。 これらの各表面は、それについて測定が行われた3つの領域を含む:第1の領域は、水を用いた不活性ゲルGB70bisで処理され、第2の領域は、未処理であり(グラフではφで示される)、そして第3の領域は、本発明による活性ゲルGB79で処理される。 種々のプラスチック有機材料、即ち、高密度ポリエチレン(HDPE)製(曲線1)、ポリカーボネート(PC)製(曲線2)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)製(曲線3)、ポリプロピレン(PP)製(曲線4)、ポリウレタン(PU)製(曲線5)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)製、及びゴム製(曲線7)の支持体の表面の、光学式粗さ計を用いて測定された平均粗さ(μm)を示すグラフである。 これらの各表面は、それについて測定が行われた3つの領域を含む:第1の領域は、水を用いた不活性ゲルGB70bisで処理され、第2の領域は、未処理であり(グラフではφによって示される)、そして第3の領域は、本発明による活性ゲルGB79で処理される。 Bacillus thuringiensisの芽胞で汚染された、RATPにより提供されたセラミックタイルである支持体上の、本発明による新鮮なゲルGB79(左の3つのバー)、及び3か月の貯蔵後(右の3つのバー)の、殺生効率を示すグラフである。 左のスケールは、計数されたBacillus thuringiensisの芽胞を示す。 各ゲルについて、左から右に、最初に被着された(初期汚染)、支持体上に検出された、及びフレーク中に検出された、芽胞数がプロットされている。 本発明によるゲルGB79中の(◆)(曲線1)、冷蔵庫で保存されたブリーチ中の(▲)(曲線2)、及び実験室に保存されたブリーチ中の(X)(曲線3)、有効塩素のパーセントの経時変化を示すグラフである。 縦座標には、有効塩素%(%.a.c.)がプロットされ、横座標には貯蔵の日数がプロットされている。 ソーダを用いたゲルGB69(左)及び本発明によるゲルGB79(右)の、ブリージングを示すグラフである。 左のスケールは、ブリージング(質量%)を示す。 各ゲルにつき、T0における(一番左のバー)、また1か月、2か月、及び3か月の貯蔵期間について、ブリージングがプロットされている。 リシンに対する本発明のゲルGB79の効率を試験するために追従された操作手順を示す図である。 細胞に対するリシンの効果、及びリシンに対する本発明によるゲルGB79の効果を示す、細胞毒性試験の結果を示すグラフ(細胞毒性曲線)である。この細胞毒性は、これらの細胞によって生合成されるタンパク質を測定することにより評価される。細胞毒性が大きいほど、生合成は低い。 これらの細胞に対する、液体リシンの(曲線A、直線、点●)、室温で蒸発後の「乾燥」リシンの(曲線B、点線、点■)、本発明によるゲルGB79を乾燥リシン上に適用し、かつ乾燥させた後のリシンの(曲線C、破線、点▲)、乾燥ゲルフレーク中に存在するリシンの(点◆)、効果を試験した。 縦座標には、タンパク質生合成(対照の%)、及び横座標にはlogリシン(M)がプロットされている。 添付書類1に記載された細胞毒性試験の原理を示す図である。 代表的な細胞毒性曲線を示す図である。 縦軸には、タンパク質合成(対照の%)がプロットされており、横軸には、logリシン(M)がプロットされている。
本発明のゲルは、室温で容易に調製され得る。
例えば、本発明によるゲルは、無機増粘剤、例えばアルミナ及び/又はシリカを、活性生物学的除染剤(無機塩基と酸化剤との組合せから生成される)、可能な界面活性剤、及び任意選択で顔料を含有する溶液に、好ましくは徐々に添加することにより調製され得る。この溶液は、例えば、まず酸化剤の溶液、例えば脱塩水中の次亜塩素酸ナトリウムの溶液を調製すること、そして次に、この酸化剤の溶液と、鉱塩基、任意選択的に界面活性剤、及び任意選択的に顔料とを混合することにより調製され得る。この混合物は機械的に、例えば3枚羽根のプロペラを具備した機械的撹拌機によって撹拌することにより実現され得る。回転の速度は、例えば200rpmであり、かつ撹拌時間は、例えば3〜5分間である。
活性生物学的除染混合物と、任意選択で界面活性剤と、及び任意選択で顔料とを含有する溶液への、無機増粘剤の添加は、単純に増粘剤を前記溶液中へ添加することにより達成され得る。無機増粘剤の添加中、活性生物学的除染混合物と、任意選択で界面活性剤と、及び任意選択で顔料とを含有する溶液は、一般に機械的撹拌を用いて維持される。
この撹拌は、例えば3枚羽根のプロペラを具備した機械的撹拌機によって達成され得る。
撹拌速度は、一般に溶液の粘度が増大するにつれて徐々に増大され、最終的に、例えば400回転/分と600回転/分の間を含んでなる撹拌速度を、何ら突き出ることなしに達成する。
鉱物増粘剤の添加終了後、撹拌をさらに例えば2〜5分間継続して、完全に均一なゲルを得るようにする。
本発明のゲルを調製するための別の方法を、上述のものとは異なる順序でゲルの成分を追加することにより適用し得ることは全く明らかである。
一般に、本発明によるゲルは、除染されるべき表面上に、ある距離で(例えば1〜5mの距離で)、又は接近して(例えば、1m未満、好ましくは50〜80cmの距離で)噴霧することを可能にするため、1,000s−1のせん断速度下で200mPa.s未満の粘度を有するべきである。粘度回復のための時間は、一般に、1秒間に制限されるべきであり、かつ低せん断下の粘度を10Pa.sより大きくして、壁を垂れ流れることのないようにする。
本発明によるゲルの任意選択の界面活性剤は、好ましくは特に本発明のゲルの流動性に影響を及ぼすことに留意されるべきである。界面活性剤は特に、本発明によるゲルが噴霧によって適用され得、かつ垂直な表面及び天井の処理中に広がる又は流れるリスクを避ける可能性を与える。この界面活性剤はまた、ゲルの貯蔵の間に見られるブリージング現象の制限も可能にする。
これにより調製された本発明のゲルは、次に、固体材料からなる基材(3)の除染されるべき固体表面(2)上に、言い換えれば、生物学的汚染(4)に暴露されている表面(2)上に適用される(1)(図1A);この生物学的汚染(4)は、上記で既に定義された生物種の1つ以上から構成され得る。
恐らくはアルミニウムタイプの軽金属合金を除いて、除染されるべき表面(2)を形成する材料については、何ら制限はなく、実際、本発明によるゲルは、たとえ脆弱性の材料であってもあらゆる種類の材料を、何ら損傷することなく処理する可能性を与える。
本発明によるゲルは、処理される材料の何らの変化、侵食、化学的、機械的、又は物理的攻撃も生じない。本発明によるゲルは、それ故、処理された材料の完全性を何ら損なわず、さらにそれらが再利用されるようにする。したがって、軍事設備などの感受性の高いハードウェアは保存され、かつその除染後に再利用され得る一方、本発明のゲルで処理されたモニュメントは全く劣化せず、その視覚的及び構造的な完全性が保存される。
基材(3)のこの材料は、それ故、金属又は合金、例えばステンレス鋼、ポリマー例えばプラスチック材料又はゴムから選択されてもよく、中でもPVC、PP、PE特にHDPE、PMMA、PVDF、PC、ガラス、セメント、モルタル及びコンクリート、漆喰、煉瓦、天然又は人工の石、セラミックスが挙げられる。
全ての場合に(実施例4及び図7参照)、材料にかかわらず、本発明のゲルによる除染効率は完全である。
処理された表面は、塗装されても塗装されていなくてもよい。
また、除染されるべき表面の形状、ジオメトリ、及びサイズに制限はなく、本発明によるゲル及びそれを適用する方法は、大きいサイズの、複雑なジオメトリの、例えば空洞(凹所)、角、隅を有する表面の処理を可能にする。
本発明によるゲルは、床などの水平な表面ばかりでなく、壁などの垂直な表面、又は天井などの傾斜若しくは張り出している表面の効率的な処理も保証する。
溶液などの液体を適用する既存の生物学的除染法に比較して、ゲルを適用する本発明の除染法は、可搬型でない、かつ屋外に埋設された、大きい表面をもつ物質を処理するのに特に有利である。実際、本発明による方法は、ゲルを適用することを理由に、環境への化学溶液の広がり、及び汚染種の分散を回避しながら、インシトゥの除染を可能にする。
本発明によるゲルは、当業者に公知のあらゆる適用法により、処理されるべき表面上に適用されてよい。
通常の方法は、例えばスプレーガンを用いた噴霧か、又はブラシ若しくはコテによる塗布である。
本発明のゲルを噴霧により、処理されるべき表面に適用するためには、コロイド溶液は、例えば低圧ポンプ、例えば7バール、即ち約7×10パスカル以下の圧力を適用するポンプによって運ばれ得る。
表面上へのゲルジェットのバースティングは、例えばフラットジェットノズル又はラウンドジェットノズルによって得られてもよい。
ポンプとノズルの間の距離は、任意の距離であってよく、例えば1〜50m、特に1〜25mであってもよい。
本発明によるゲルの充分に短い粘度回復時間は、噴霧されたゲルがあらゆる表面、例えば壁に付着することを可能にする。
処理されるべき表面上に被着されるゲルの量は、一般に100〜2,000g/m、好ましくは500〜1,500g/m、さらに好ましくは600〜1,000g/mである。
単位面積当たりに被着されたゲルの量、したがって被着されたゲルの厚さは、乾燥速度に影響を及ぼす。
したがって、厚さ0.5mm〜2mmのゲル層であるフィルムが、処理されるべき表面上噴霧されると、ゲルと材料との間の有効な接触時間は、それ故その乾燥時間に等しく、その間に、ゲル中に含有される活性成分が汚染と相互作用することになる。
さらに、驚くべきことに、被着されたゲルの量は、それが上述の範囲内にある場合、及びとりわけ500g/mを超える場合、特に500〜1,500g/mの範囲内である場合、これは500g/mを超える被着されたゲルの量について、例えば500μmを超える最小被着ゲル厚に相当し、ゲルの乾燥後に、例えば1〜10mm、好ましくは2〜5mmサイズの吸引可能である(aspirable、suckable)ミリメートルフレークとして、ゲルの破砕を得る可能性を与えたことが示された。
被着されたゲルの量、及びしたがって被着されたゲルの厚さ、好ましくは500g/m(即ち500μm)超は、乾燥後に形成される乾燥残渣のサイズに影響与える本質的なパラメータであり、かつそれはミリメートルサイズの乾燥残渣であって粉末化されない残渣の形成を保証するものであり、かかる残渣は、機械的方法及び好ましくは吸引により容易に除去される。
しかしながら、低濃度の界面活性剤により、ゲルの乾燥が改善され、かつ乾燥残渣の単分散サイズでの均一な破砕現象と、支持体からの乾燥残渣の剥離性の増大とがもたらされることにも留意されるべきである。
ゲルは次に、処理されるべき表面上に、その乾燥に必要な全時間にわたり保持される。本発明による方法の活性相とみなされ得る、この乾燥工程の間に、ゲル中に含有された溶媒、即ちゲル中に含有された水は、乾燥固体残渣が得られるまで蒸発する。
乾燥時間は、上記に示したその構成成分の濃度範囲において、ゲルの組成に依存するが、また既に明記したように、単位面積当たりの被着ゲルの量、即ち被着ゲルの厚さにも依存する。
乾燥時間はまた、固体表面がその中に存在する、気象条件、即ち温度、換気、及び大気の相対湿度にも依存する。
本発明による方法は、極めて広い気象条件下で、即ち1〜50℃の温度Tにおいて、かつ20%〜80%の相対湿度RHにおいて適用され得る。
それ故、本発明によるゲルの乾燥時間は、1〜50℃の温度Tにおいて、かつ20〜80%の相対湿度RHにおいて、一般に1〜24時間である。
本発明によるゲルの製剤は、特に「Pluronics(登録商標)」などの界面活性剤を含有する場合、一般に、材料を汚染している汚染種を不活性化及び/又は吸収するのに必要、必須である接触時間(殺生物剤などの除染剤と、除染されるべき生物種、特に生体毒物種との間の)に実質的に等しい乾燥時間を保証することに注目されるべきである。言い換えれば、ゲルの製剤は、生物学的汚染種の不活性化時間に他ならない、かつ生物学的汚染の阻害キネティクスに適合する、乾燥時間を保証する。
一般に用いられる鉱物充填剤の比表面積は、一般に50m/g〜300m/g、好ましくは100m/gであり、かつ本発明によるゲルの吸収力は、処理されるべき表面を構成する材料の不安定な汚染(表面汚染)を捕捉する可能性を与える。
必要であれば、汚染生物種はゲル相において不活性化される。ゲルの乾燥後、不活性化された汚染物は、以下に記載される乾燥ゲル残渣の回収の間に除去される(取除かれる)。
ゲルの乾燥の終わりに、ゲルは均一に破砕されて、例えば1〜10mm、好ましくは2〜5mmのサイズの、非粉末の固体乾燥残渣を、一般に固体フレークとして生じる(5)(図1B)。
乾燥残渣は、不活性化された汚染種(6)を含有し得る。
乾燥の終わりに得られるフレーク(5)などの乾燥残渣は、除染された材料の表面(2)に対し低い付着性を有する。結果として、ゲルの乾燥後に得られる乾燥残渣は、簡単なブラッシング及び/又は吸引により容易に回収され得る。しかしながら、乾燥残渣はまた、ガスジェット、例えば圧縮空気ジェットを用いて除去されてもよい。
したがって、すすぎは必要なく、本発明による方法は何ら二次排出液を発生しない。
これにより本発明による方法は、第1に、溶液を用いた洗浄による除染法に比較して、化学試薬の有意な削減を達成する。次に、廃棄物は、直接吸引可能である乾燥残渣として得られることから、水又は液体を用いたすすぎの作業が避けられる。当然ながら、このことは、生じる排出液の量の減少につながるが、また処理施設及び流出の面でも著しい簡素化につながる。
本発明によるゲルの成分の大半が鉱物であること、及び生じる廃棄物の量が少ないことを理由に、乾燥廃棄物は何ら前もって処理することなく、貯蔵されるか、又は排出施設に向けられてもよい。
一例として、最新の場合、処理表面1m当たり1,000gのゲルが適用される場合、生じる廃棄物は1m当たり300グラム未満である。
本発明は次に、例示として示され、かつ限定するものではない、以下のサンプルを参照して記載される。
実施例1:
この実施例では、以下の実施例2〜9で調べたゲルが記載される。
これらのゲルは、以下の通りである:
−GB70と称される、本発明に準拠しない比較用ゲル:これは、水及びアルミナを含んでなる、水を用いた不活性鉱物ゲルである。
−GB70bisと称される、本発明に準拠しない比較用ゲル:これは、GB70と同様、水及びアルミナを含んでなるが、その粘度が活性ゲルのそれに近い、水を用いた活性鉱物ゲルである。
−GB69と称される、本発明に準拠しない比較用ゲル:これは、水、1Mソーダ、アルミナ、界面活性剤、及び超微粉砕赤色酸化鉄を含んでなる、アルカリ性活性鉱物ゲルである。
−GBC01と称される、本発明に準拠しない比較用ゲル:これは、水、ソーダ1M、次亜塩素酸ナトリウム、アルミナ、界面活性剤、超微粉砕赤色酸化鉄、及び高吸収性ポリマーを含んでなる、酸化型アルカリ性活性鉱物ゲルである。
−GB79と称される、本発明に準拠するゲル:これは、水、ソーダ1M、次亜塩素酸ナトリウム、アルミナ、界面活性剤、超微粉砕赤色酸化鉄を含んでなり、かつ何ら高吸収性ポリマーを含まない、酸化型アルカリ性活性鉱物ゲルである。
アルミナは、比面積100m/g(BET)の、EVONIK INDUSTRIESにより市販されるアルミナAeroxide(登録商標)Alu Cであり、界面活性剤は、BASFにより市販される界面活性剤Pluronic(登録商標)PE6200であり、ソーダは、SIGMA−ALDRICHにより市販されるソーダ1Mであり、次亜塩素酸ナトリウムは、SIGMA−ALDRICHにより市販される、有効塩素10〜15%の次亜塩素酸ナトリウムであり、高吸収性ポリマーは、住友精化により製造される高吸収性ポリマー、Aquakeep(登録商標)であり、かつ赤色酸化鉄は、商品名Ferroxide(登録商標)212Mで、ROCKWOOD PIGMENTS LTDから入手可能な、式Feの超微粉砕赤色酸化鉄である。
GB79と称される、本発明によるゲルは、以下の方法で調製される:次亜塩素酸ナトリウム溶液を、脱塩水で50%に希釈する。この溶液、界面活性剤、酸化鉄、及びソーダを、次に3枚羽根の撹拌機を具備した機械的撹拌機により、200回転/分の速度で3〜5分間混合する。アルミナは次に、粘度の上昇につれて撹拌速度を徐々に増大することにより、反応混合物へ徐々に添加して、約400〜600回転/分を、何ら突き出ることなく達成する。ゲルは次に、撹拌しながら5分間維持される。
他のゲルは、同様の方法により調製される。
調べた種々のゲルの組成を、以下の表1に示す。
実施例2:
この実施例では、本発明によるソーダ−ブリーチゲルGB79の殺生物効率における改良が、ソーダのみを含有する比較用ゲルGB69と比較して示される。
この実施例では、これらのゲル双方の殺生物効率を比較するため、実験は、L2微生物実験室において無菌条件下に、即ちクリーンベンチにおいて、Bacillus anthracis、即ちBacillus thuringiensis(B.t.)の芽胞に対し行われる。
種々のステンレス鋼支持体を浄化し、オートクレーブ内へ移す、
それらのうち2つは、使用された材料をできるだけ正確に再現しようとする目的で、人為的に汚され、汚染される。この汚れ、汚染は、1%のクレー(商品名「Aluminum Pillared Clay」でSIGMA−ALDRICHから市販されるモンモリロナイト)と、10%のエンジンオイル15W40と、及びバランス用エタノールとの混合物により形成される。
次に、全ての支持体を、1mL当たり2×10個のBacillus thuringiensis(B.t.)芽胞を用いた100μLの液体の被着、即ち2×10個のB.t.芽胞の被着により汚染し、これらを完全に乾燥させる(約30分)。
次いで、試験されるべきゲルを、適用されたゲル厚が0.7mmであるよう、支持体の表面積によって計算された体積に従って適用する。そこで支持体を閉じたペトリ皿中に置き、ゲルが完全に乾燥するまで(実験室の温度に依存して3〜5時間)乾燥させる。
次に、ブラッシングにより、フレークをファルコンチューブ内の、既知の量の栄養培地、Luria−Broth(LB)中に回収する。また支持体も、ファルコンチューブ内の、既知の体積のLB中に置く。次にファルコンチューブ全体をボルテックスし、次いで撹拌しながら30℃のインキュベータ内に1時間配置する。
続いて、フレークを含有するファルコンチューブを遠心分離する(4,500rpm、3分)。
次に、各チューブにつき、一連の、十分の一希釈を上清から作製する。最終的に、各希釈範囲のチューブの各々から1mLをサンプリングする。試料を次に、空の無菌のペトリ皿の底に被着させる。次いでLB寒天培地を皿に注入する(バルク播種)。これらの皿を、次に30℃のインキュベータ内に24時間置く。次に皿中のコロニーを1つずつ、そして各試料(一連の希釈がそこから作製された、支持体又はフレーク)について数え、生きた芽胞の平均値を計算する。最後に、種々の希釈を考慮して、支持体上又はフレーク中に存在する生きた芽胞の総数を得る。次いで、除染係数を、数千の殺された芽胞の減少(低減)を測定することにより計算する(log10)。
この実施例では、目標が、本発明による殺生物ゲルGB79の殺生物効率を、比較用GB69ゲルと比較することであったため、ゲルGB70bis(水を用いた不活性ゲル)、GB69(比較用ゲル)、及びGB79(本発明によるゲル)を、上記に記載した方法に従って試験する。
この実験の結果は図3に例示され、ここでは、ステンレス鉱支持体対使用したゲル、について得られた除染係数が表示されている(また図2A、2B、2C、2Dも参照)。
このヒストグラムでは、比較用ゲルBG69が、何ら活性除染剤のないゲル、即ち水を用いたゲルGB70bisと同じ殺生物効率をもつように見える。一方、本発明によるゲルGB79は、清浄な支持体及び汚染された支持体の双方に対し、最低でも7ログの殺生物効率を有する。実際、最初に被着された2×10個の芽胞についての計数中に、残留する生きた芽胞は検出されなかった。殺生物活性が強化された、本発明のゲルを用いて処理されるべき表面上の除染は、それ故汚染された支持体に対しても効率的であり、これによりその強力な脱脂力が示される。
実施例3:
この実施例では、酸化剤と高吸収性ポリマーとの間の不適合性が示される。
特許文献1及び特許文献2の殺生物ゲル製剤においては、高吸収性ポリマーであるポリ(アクリル酸ナトリウム)が、モルタルなどの多孔質材料に対する殺生物ゲルの効率を改善する目的で加えられた。実際、このアジュバントは除染活性成分の長時間の放出を可能にする。しかしながら、このタイプのゲルのレオロジーは、非常にコンパクトになるという点で強く変更される。それ故、除染されるべき表面上では、接触が非常に悪くなる。
この実施例では、まず、ブリーチ及びソーダを含有する2つのゲルの殺生物効率が比較される。第1のゲルは、何ら高吸収性ポリマーなしに製剤された、本発明によるゲル(GB79)であり、第2は、吸収性ポリマーを含有する比較用ゲル(GBC01)であり、かつ30日以上貯蔵されたものである。
殺生物効率は、初期汚染が、GB79ゲルで処理された支持体では、被着された芽胞が2×10個であり、またゲルGBC01で処理された支持体では7.5×10個であることを除いて、実施例2と同じ方法によって正確に評価される。
ゲルで処理された支持体は、ステンレス鋼支持体(INOX支持体と称される)、及びパリ地下鉄駅の壁をコートしているタイプのセラミックタイルにより形成される支持体であり、これらはRATPにより提供される(RATP支持体と称される)。
図4に例示された結果は、高吸収性ポリマー(SAP)を含有するゲルの殺生物効率の低下を示し、これについてはしかしながら、支持体は汚染がやや低減されていた。
実際、何らSAPのない本発明によるゲル(GB79)では、INOX及びRATP支持体は、少なくとも7ログまで、即ち最初の被着量が除染される。
一方、SAPを含有するゲル(GBC01)では、支持体の除染は、初期汚染が低かったとことを認識しても、辛うじて5ログに達している。
全ての場合に、フレークは何ら検出可能な生きた芽胞を含有していなかったことにも注目されるべきである。
次に、何ら高吸収性ポリマーなしに製剤された本発明によるゲル(GB79)のレオロジー、及び吸収性ポリマーを含有する比較用ゲル(GBC01)のレオロジーを調べる。
さらに特定的には、ゲルGB69、GB79、新鮮なGBC01(調製されたばかりのもの)(新しいゲルとも称される)、及び1か月以上貯蔵されていた、古いゲルとも称されるGBC01の、限界応力及び粘度である。
せん断速度に対する粘度の測定は、LAMY RHEOLOGYからのRheomat(登録商標)RM100粘度計により行う。粘度計は、アンカー型MS−R3の測定システムを具備する。せん断速度1s−1で10秒間の前せん断の後、1s−1〜100s−1の範囲の15のせん断速度プラトーが、20秒ごとの粘度の測定を用いて実施される。
限界応力の測定は、レオメーターTA Instruments AR−1000により、「ベーン(Vane)」ジオメトリにおいて行われる。低いせん断速度(6.7×10−3−1)を一定の方法でゲルに適用して、それらを静止から変形させて、その流量閾値を測定する。
結果を図5及び図6に例示する。
図5では、せん断速度に対する粘度が対数目盛で例示されており、何ら高吸収性ポリマーのないゲルGB69及び本発明によるGB79の双方の曲線が、非常に近接かつ平行しているように見える。さらに、それらは直線的であり、そのことは限界応力をもつレオフルイディファイング(rheofluidifying)流体のレオロジー挙動に相当する。
他方で、SAPを含有する新鮮な及び貯蔵されたGBC01ゲルの双方については、曲線は直線ではなく(回帰係数参照)、このことは高吸収性ポリマーを用いない本発明によるゲルのそれよりも、理想的ではなくかつ予想がつかないレオロジー挙動を特徴づける。
図6は、各ゲルの変形に対するせん断力を例示する。どの場合にも、2つのスキームが示され得る。まず初めに、応力(ストレス)は直線的に増大し、材料は固体スキームの中にある(弾性変形)。次に、挙動における変化が観察され、応力は流動閾値に達し、材料は液体スキームへ移る(定常流れ)。限界応力は、流動閾値における応力、即ち、新しいゲルGBC01(曲線1)では106.5Pa、貯蔵されたGBC01ゲル(曲線2)では49.35Paに相当するが、その様相は標準プロファイルに準拠しておらず、かつその値、ゲルGB69(曲線3)で49.69Pa、及びGB79ゲル(曲線4)で39.13Paは、非常に疑問である。
この実施例は、それ故、高吸収性ポリマーが殺生物ゲルの効率を目に見えて改善することがない一方でその流動性を変え、実際、SAPを含有するゲルは、粘度の高いゲルであり、そのレオフルイディファイング挙動が、特に数日間の貯蔵後は予測がつきにくく、その後限界応力の測定は不能となることから、本発明による殺生物ゲルを用いて、ポリ(アクリル酸ナトリウム)などの高吸収性ポリマーの存在なしに実施できることを示す可能性を与える。
実施例4:
この実施例では、本発明によるゲルGB79の殺生物効率が、異なる材料から作製された種々の支持体に対し示される。
この実施例では、殺生物効率は、初期汚染が、2つのプラスチック支持体上では2×10個であること以外は全ての支持体上に被着された2×10個のB.t.芽胞であることを除いて、実施例2と同じ方法によって評価される。
さらに、支持体は全て清浄である。試験された種々の支持体は以下の通りである:ガラス支持体(VERRE支持体と称される)、ステンレス鋼支持体、RATPにより提供されるセラミックタイルからなる支持体、モルタル支持体、PVC(ポリ塩化ビニル))支持体、及びPVDF(ポリ(フッ化ビニリデン))支持体。
結果を図7に示す。それらは、非多孔質材料の支持体(VERRE、INOX、及びRATP支持体)では、支持体の除染が最低でも6〜7ログに達することを示す。
モルタルの支持体、及びプラスチック材料の支持体上では、ほぼ5ログの芽胞が殺される(実施例2で、ステンレス鋼支持体上では、ソーダを用いたゲルGB69では、除染が2ログに達しなかったことを思い出されたい)。乾燥残渣、即ちフレークについては、全ての場合、残留する芽胞は検出されない。
実施例5:
この実施例では、乾燥残渣であるフレーク中に、生きた芽胞がないことが証明される。
より正確には、この実施例では、残留する芽胞が実際にフレーク中に検出されないこと、即ち、それらはフレーク中に捕捉されかつLB培地中に移動することはないことから、生きた芽胞は、計数時に現れることなくフレーク中に閉じ込められることはない。
これを行うため、2つの清浄なRATP支持体上で、かつ実施例2で詳述された方法に常に従って(初期汚染が、この場合にはB.t.の10個の芽胞の被着であることを除いて)、本発明によるゲルGB79の乾燥が実施される。
乾燥の終わりに、最初の支持体上で、フレークは常法によりブラッシングによって既知の量のLB培地中に回収される。
第2の支持体上では、フレークはブラシされ、そして次に、LB培地と接触して配置させるため、最終的に乳鉢で粉砕される。方法の順序は、その後は常法である、即ち:30℃で1時間インキュベーション、「ボルテックス」、遠心分離、一連の希釈、皿の計数、30℃で24時間のインキュベーション(実施例2の方法を参照)。
これら一連のフレークの双方についての計数の結果は、図8に例示され、異なる清浄な材料に対する先の実験の結果と対比される。材料にかかわらず、フレーク中には生きた芽胞は検出されない。このことはまた、フレークが微粉砕された場合にも再度確認される(ヒストグラムの最後のバー)。
実施例6:
この実施例では、本発明によるGB79の作用キネティクスが示される。これを行うため、種々の実験をRATPセラミックから作製された10個の清浄な支持体上で実施した。
支持体の初期汚染は、支持体当たり10個のB.t.の芽胞である。
同じ実験を、水を用いたゲルGB70bisを用いて実施する。
ゲルを種々の支持体上に、時間T0=0分において適用する。
次に、乾燥相又はさらに破砕相にあるゲルを、0分、10分、20分、30分、及び1時間後に回収する。
各回収操作の間、ゲル及び支持体を、既知の量の培地中に回収した後、常法による処理、即ち、インキュベーション、ボルテックス、遠心分離、一連の希釈、皿の計数、30℃で24時間のインキュベーション(実施例2の方法を参照)に従う。
結果を図9に示す。本発明によるゲルGB79は、最初の10分間で3ログを超えて支持体を除染し、そして210分の完全乾燥時間の後、ゲルは少なくとも7ログの効率で除染するように見える。
これらの結果は、水を用いた不活性ゲルを用いて実施した、長時間何ら顕著な除染がない、同じ実験の間に得られた結果と比較され得る。
ゲルGB79のフレークについては、10分後、残留する芽胞はないように見える。このことは、再び実施例5の結果を立証する。実際、0から60分では、ゲルはまだ破砕されず、かつ湿っている。それ故、生きた芽胞の数を数える目的でそれを回収する間に、それを栄養培地LB中の均一な溶液中に戻すことは容易である。結果は再度、ゲルが完全にLB中の溶液であること、及びそこには何ら芽胞が検出されないこと、フレークによって形成された固体ネットワーク(これは、ひとたび完全な乾燥に達すると極めて溶けにくい)中にそれが閉じ込められることから、生きた芽胞が検出を逃れることはなく、それ故、回収されたフレークは汚染されていないことを示している。
実施例7:
この実施例では、本発明によるゲルGB79が噴霧による適用に特に良好に適合することが示される。
ゲルGB79のレオロジー研究は、その限界応力を測定する可能性を与え、それは39.13Paである(実施例3、図6参照)。
したがって、その活性成分がブリーチ及びソーダの混合物である、本発明によるゲルは、「吸引可能なゲル」、即ちゲルが、垂直の壁上の0.5〜2mmの厚さについて、重力の影響下に流れないようにするための、15〜20Paより高い限界応力という要求を満たす。
さらに、本発明によるゲルの粘度は(実施例3、図5参照)、噴霧を用いた適用により既に試験された、ソーダを用いたゲルGB69のそれに完全に類似しかつ非常に近接している。本発明によるゲルは、それ故レオロジーの観点から、「吸引可能なゲル」の要求仕様に準拠している。
実施例8:
この実施例では、本発明によるゲルが、乾燥及び破砕のキネティクスという面で、「吸引可能なゲル」として実際に定義され得ること、即ち、妥当な時間、例えば数時間内に乾燥し、かつ非粉末フレークを生じることにより破砕されることが示される。
「吸引可能なゲル」のこれら2つの特徴、及びさらに特定的には乾燥キネティクスは、乾燥環境の気象条件、即ち、温度、相対湿度、及び換気/通気に密に関係する。
この実施例では、GB69(ソーダを用いたゲル)及び本発明によるGB79(ブリーチ及びソーダを用いたゲル)の双方は、相次いで、気象チャンバーBinder(登録商標)(25℃及び相対湿度50%に調整された)に入れて乾燥される。
ゲルは、機械加工されたステンレス鋼ナセル(ボート)上に広げられ、ナセル内で0.5mmの調節された厚さが得られるようにする。
気象チャンバー内には、精密秤Sartorius(登録商標)が設置され、並びに、円形LEDランプ(VWR(登録商標))により囲まれたカメラMoticam(登録商標)が、秤の上部に配置される。秤及びMoticam(登録商標)カメラは、気象チャンバーの外部に置かれたコンピュータに接続され、制御された雰囲気における乾燥の間の、質量と、ゲルで充填されたナセルの画像とを、同時に獲得可能にする。
ゲルを含有するナセルがポジションスケールに置かれていること、及び、気象チャンバーの操作に関連する空気流を制限しながら、秤のチャンバー内の制御された雰囲気を維持する目的で3cmまで開かれている、ファンの反対側の扉を除いて、秤の全ての扉が閉められていることに注目されるべきである。
乾燥中の質量を記録することにより、それ故乾燥のキネティクスを例示する曲線をプロットすることが可能となり、一方、完全に乾燥したゲルの、画像加工用の1本のソフトウェアによる画像分析が、フレークの自動検出及びその計数、並びにその面積の計算も可能にする。
結果を、図10及び11に示す。
図10に示した結果は、温度及び相対湿度条件下で5時間(300分)以内に完全乾燥に達する、双方のゲル間で完全に平行した質量損失曲線を示す。実際、260〜300分以内に、ゲルGB69、及び本発明によるGB79は、それぞれ最初の質量の78%及び73%を喪失する。次亜塩素酸ナトリウムの製剤への添加は、それ故、ゲルの完全乾燥時間には何ら強い影響を与えず、本発明によるゲルGB79を用いた「吸引可能な」方法により、依然として広く適用可能である。
破砕については、その結果は図11にまとめられており、フレーク数は、次亜塩素酸ナトリウムを含有する本発明によるゲルGB79からのフレークについては、それほど重要ではないように見える。本発明によるこのゲルGB79では、フレークは平均して大きいが、しかしミリメートル大である(平均4mm)。このゲルは、ミリメートルサイズの非粉末性フレークを産生することから、それ故、目標とした適用に依然として適している。
実施例9:
この実施例では、本発明によるゲルGB79の無害性が、種々の材料について示される。
より正確には、この実施例では、本発明によるゲルが多くの材料に、その機械的又は物理的完全性を変えることなく適用され得ることが示される。
これを行うため、表面条件、及び特に種々の材料の粗さを、未処理表面、水を用いた不活性ゲルGB70bisがその上で乾燥した表面、又はさらに本発明のGB79による、酸化型アルカリ性ゲルを用いて処理された表面について比較する。
STIL(Sciences et Techniques Industrielles de la Lumiere)の粗さ計を用いて、側面像をプロットし、これらの異なる材料から作製された支持体である、部品の表面上の平均粗さを測定する。
各試験材料の表面は、3つの部分に分けられる:その上で、水を用いたゲルGB70bisを乾燥させた部分、2番目はその上に何も適用されず、3番目はその上でゲルGB79を乾燥させる。ひとたびゲルが完全に乾燥すれば、支持体からフレークを除去し、適切に浄化した後、粗さ計を用いて測定を行う。試験材料は、以下の通りである:ステンレス鋼、銅、鉛、塗装鋼板、ガラス、セラミック、RATP、HDPE(高密度ポリエチレン)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリ(メタクリル酸メチル))、PP(ポリプロピレン)、PU(ポリウレタン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、及びゴム。
結果を図12(A、B,C)、13、及び14に示す。
図12は、ステンレス鋼支持体の、光学式粗さ計を用いて得られた3Dマッピング及びプロファイルを例示する。酸化型アルカリ性ゲルで処理された部分(左の3Dマッピング(図12A))及び境界線前のプロファイルの左部分(図12C)と、そのまま残された未処理部分(右の3Dマッピング(図12B))及び境界線後のプロファイルの右部分(図12C)との間に、何ら(プロファイルの)粗さの変更がないことが分かる。
図13及び14は、全材料についての、光学式粗さ計によるこれらの測定の結果を、凝縮された方法で表している。これらの曲線を得るため、その表面が3つの領域、第1は水を用いた不活性ゲルで処理され、第2は未処理であり、そして最後は本発明のゲルで処理された、該領域を含む、試料の一部について平均粗さを測定した。材料全体について、肉眼では表面の変更は観察されない。種々の材料について、処理及び未処理の表面上の測定された粗さは、依然として比較的一定している。
実施例10:
この実施例では、本発明によるゲルGB79を保存した後の、殺生物活性の保存が評価される。
ゲルGB79の貯蔵後の殺生物活性の保存を評価する目的で、2つの異なる実験を行う。
第1の実験は、Bacillus thuringiensisの芽胞に対するゲルGB79の殺生物効率を、室温で、ゲルを光から防護することなく、3か月間貯蔵、保存した後に、実施例2で議論された方法に従って再評価すること、及びそれによって得られた結果を、新たに作製された同じゲルを用いて3か月早く得られたものと比較することからなる。この実験は、RATPにより提供されたセラミックタイルからなる支持体上で行なわれた。
第2は、貯蔵の間の、その分解速度を評価する目的で、ゲル中に存在する有効塩素のパーセントを測定することからなる。このため、新鮮なゲルを作製し、次いで光を避けて実験室中に貯蔵した。同じ方法で、市販の使用した次亜塩素酸ナトリウム溶液(10〜15%a.c.)を冷蔵庫内に、また実験室内で貯蔵する。定期的に、このゲル及び溶液の少量を回収し、蒸留水中に溶解する。次に次亜塩素酸ナトリウムを、常法により、チオ硫酸ナトリウムによる二ヨウ素(ヨウ化カリウムの添加によって形成される)の還元を用いた薬量決定により計量する。
B.t.の芽胞に対する試験の結果を、図15に示す。3か月の貯蔵の後、ゲルは新たに調製されたゲルと同様に活性のままである。
ゲル中の次亜塩素酸ナトリウムの薬量決定については、その結果は図16に示され、1か月を超える貯蔵の間、有効塩素(a.c.)のパーセントはわずかに影響を受けるように見える。実際、ゲル中の有効塩素のパーセントにわずかな減少が観察され、このことはそれが有意でないことを確認するためにモニターされるべきである。それにもかかわらず、ゲルを3か月貯蔵した後の、B.t.に対する殺生物効率を試験することによって得られた結果を考慮すれば、ゲル中の有効塩素のパーセントのこのわずかな減少は、強化された製剤の殺生物効率に影響を及ぼさないように見える。
この実施例は、本発明によるゲルが、必要があればその後に適用するために、その調製後に貯蔵され得ることを示している。
実施例11:
この実施例では、本発明によるゲルのブリージングが評価される。
実際、ゲルの貯蔵の場合に考慮することが重要である、その後の使用のためのもう1つの現象は、そのブリージング、即ち、長期間の貯蔵により引き起こされる沈降分離であり、それは任意選択的に、その使用前に生成物が再度ホモジナイズされることを必要とする。
この現象を評価するため、90gの本発明によるゲルGB79を、使用又はホモジナイズされることなく貯蔵する。上清の量を、長時間にわたり定期的に測定して、この現象を定量化する。同じ方法で、この測定をゲルGB69について行い、次亜塩素酸ナトリウムを製剤へ添加することの、ブリージングに対する強い影響の可能性を調べる。
結果を図17に示す。確かに、本発明によるゲルGB79もまた、3か月で3.3%の量までの、この現象の被害者ではあるが、しかしゲルGB69に対しては目に見えてより重大であり、3か月で5%を超えるブリージングに達する。
本発明によるブリーチ/ソーダゲルは、それ故、旧来の製剤のゲルよりも、貯蔵については同様又はさらに優れた能力を有する。
実施例1〜11の結論
上記で示した実施例については、本発明によるゲルは、次亜塩素酸ナトリウムの添加の故に、その製剤及びその生物学的除染の範囲内での適用の双方に関して、効率的な製品であるように見える。
実際、本発明によるゲルの殺生物活性は、炭疽菌芽胞のシミュレーションで、少なくとも6ログの除染係数に達する可能性を示す一方、貯蔵後の噴霧による使用には特許文献1及び特許文献2のゲルを不安定化させる、高吸収性ポリマーの添加を回避することから、生物学的除染剤としてソーダのみを含有するゲルに比較して強化されている。
さらに、本発明によるゲルは、粘度及びその限界応力が、水平又は垂直な壁に対する噴霧による適用に依然として適合しており、かつゲルは妥当な時間内に乾燥しかつ非粉末性のミリメートルフレークに破砕すること、また故意の生物学的攻撃の後の事後介入に適することから、いわゆる「吸引可能なゲル」の使用概念に従って、貯蔵されそして使用され得る。
以下に続く実施例12から15では、NRBC脅威の現実の生物学的作用因子に対するその効率を示すため、本発明によるゲルGB79を、実際の病原性生物学的作用因子に対し試験する。
この目的のため、本発明によるゲルGB76の効率を示すことを意図した試験を、リシン(毒素)、Bacilus anthracis(B.a.)(炭疽菌(anthrax若しくはcharbon))の芽胞、細菌Yersinia pestis(Y.p.)(ペスト菌)、及びワクシニアウイルスで汚染された支持体について行った。
実施例12:
この実施例では、本発明による殺生物ゲルGB79の、植物毒素型の病原性生物学的作用因子、リシンに対する除染効率が評価される。この毒素は、ヒマ種子の処理の副産物であり、生体においてタンパク質合成に役割を果たす細胞を阻害し、それによって死を引き起し得る。
リシンに対するゲルの効率は、汚染されたスライドガラス上で、10μLの種々のリシン溶液(多少濃縮された)につき試験した(図18参照)。
細胞毒性試験(以降の方法参照)は、ベロ細胞に対し行ない、殺生物ゲルを適用するか又は適用せずに、リシンの活性を検出した(リシンは細胞の多少のタンパク質形成を妨害する)。
これらの試験の結果を図19に示す。
点●を用いた、実線の曲線Aは、これらの細胞に対する種々の濃度の液体リシンの効果を示す。
点■を用いた、点線の曲線Bは、これらの細胞に対する種々の濃度の乾燥リシン(同様の試験スライド上で)の効果を示す。
点▲を用いた、破線の曲線Cは、リシンに対しゲルGB79を使用した後の、リシンの効果を示す。
ゲルが、ガラス上のリシンを効率的に不活性化できることが観察された(ゲルがリシン上に適用される場合、少なくとも1000倍:非致死性(及びそれ故タンパク質合成の損失はない)。
最後に、点◆は、フレークを表すが、しかし残念なことに、フレーク単独の(リシンなしの)残留毒性が細胞に対し有意な致死効果をもち、それ故、これらの結果はフレーク中の活性リシンの可能性を表していない。
実施例13:
この実施例では、本発明による殺生物ゲルGB79の効率を、Bacillus anthracis(B.a.)の芽胞、細菌Yersinia pestis(Y.p.)、又はさらにワクシニアウイルスで汚染された支持体について試験した。試験は、標準状態下で実施した。
用いた支持体は、5cm×5cmの、清浄なステンレス鋼(INOX)のクーポン、及びセラミックタイル(RATP)である。
標準状態下で行われる試験は、室温、即ち約20℃で、かつ40%の相対湿度において、清浄な材料に対し行なわれる試験である。
試験は、以下の手順に従って行われる:
1)100μLの細菌又はウイルス懸濁液を、小滴としてマイクロピペットを用いて被着させることにより支持体を汚染すること(これらは試験全体を通してペトリ皿中に水平に配置される);
2)汚染を乾燥すること;
3)本発明によるGB79ゲル約2〜3mLを、ピペットによりクーポン上に被着させ、それを無菌のプラスチックスプレッダーで広げること;
4)試験のために推奨される温度において、ゲルを乾燥させること。この試験は、ゲルの乾燥が完了するまで維持されねばならない。
5)ペトリ皿中の乾燥ゲル粒子を回収すること;
6)湿らせたスワブにより、支持体表面の全体からスワブ採取すること;
7)スワブを、2mLの、細菌では滅菌水中又はウイルスでは培地中に、ボルテックス撹拌により抽出すること;
8)抽出したスワブを、寒天培地上に塗抹すること(ワクシニア(vaccine)は「固体培地」上では培養できないことから、ウイルスではこの工程は行われない);
9)寒天接触により(ウイルスでは行われない)、スワブされた支持体の「インプリント」を作製すること;
10)乾燥ゲル粒子全体を、細菌では4mLの水中に、ウイルスでは2mLの培地中に再懸濁し、ボルテックス撹拌により抽出すること;
11)試験中に回収された懸濁液のそれぞれに含有される微生物を、試験される生物学的作用因子に適した培地の上/中で、培養することによって計数すること。
各試験につき、5個の支持体−試験用のクーポン又はタイル、並びに3個の支持体−対照用クーポン又はタイルが作製される。対照支持体は、ゲルによる除染及びそれに関連した全ての工程を除いて、試験支持体と同じ工程にかけられる。
したがって、工程番号1,2,6,7、及び11のみがそれらに適用される。この支持体はまた、ゲルの乾燥の間も、試験支持体と同じ条件にさらされる(特に、例えば温度、湿度測定、及び待ち時間条件)。
結果を表2に示す。微生物の検出限界を下回っていることから、病原体にかかわらず、支持体は完全に除染されているように見える。フレークについては、フレークが非常に少数の炭疽菌芽胞(初期被着された2.4×10個の芽胞に比較して)を含有する場合である、1つの場合を除いて、全ての場合に汚染されていない。これらの温度及び相対湿度の周囲条件下では、ゲルは開いたペトリ皿中で、MSS(微生物学的安全装置(Microbiological Safety Station))下の完全乾燥には、約4時間〜6時間を要することに注目されるべきである。
実施例14:
この実施例では、実施例13と同じ材料上で、本発明のゲルの殺生物効率が、二つの細菌株B.a.及びY.p.に対し、極端な条件の温度下、即ち、5℃及び50℃において評価される。方法は、ゲルの乾燥条件を除いて、先行実施例のものと同じであり、それらは以下の通りである:
− 5℃における試験には、ゲルの乾燥は、低温室において24時間行われる(支持体は、コールドチャンバーの汚染を避けるため、閉じた容器内に設置される)。次に、ゲルを完全に乾燥させるため、皿を室温でMSS下に置く(5℃では、閉じたチャンバー内で何らの換気なしにゲルを乾燥させるには、限りなく時間がかかることから)。
− 50℃における試験には、ペトリ皿中のクーポンは、ゲルの乾燥中はオーブン内に設置される。皿は、わずかに開いていた。
ゲルの適用に先立ち、支持体の汚染の乾燥が、室温でMSS下に達成されることに注目されるべきである。
結果を表3に示す。
5℃での乾燥条件については、支持体上及びフレーク側には、何ら残留汚染は検出されないことがわかる。低い温度条件に関連した、ゲルの乾燥の延長は、ゲルの除染能を強化する。50℃での乾燥条件については、ゲルは完全乾燥されるのに約3時間30分を要する。この温度においては、支持体側では、セラミック支持体上のわずかな残留汚染を除けば、除染はほぼクーポン全部に対し完全である。固体残渣側では、わずかな残留汚染が一定の場合に検出可能である。いずれにしても、細菌に関しては、支持体及びフレークは完全に正常である。より一層抵抗性がある微生物である芽胞に関しては、芽胞の消滅によるか、又はゲル相へのそれらの移動のいずれかにより、支持体の除染は充分満足がいく。
この実施例は、幅広い温度条件にわたり、ゲルが依然として有効であることを示す可能性を与える。これが高い温度にあろうと、低い温度にあろうと、支持体は全体的に非常に充分汚染されており、このことは、殆どの場合の10CFUを超える初期汚染に由来する。
実施例15:
この実施例では、本発明による殺生物ゲルの効率が、支持体の一層汚れた条件下で、Y.p.に対し示される。言い換えれば、この実施例では、本発明による生物学的除染ゲルGB79が、汚れた支持体に対して有効であることが示される。試験法は、支持体が、その表面に汚染物質を塗布する前にモンモリロナイト型の1%のクレーと、10%のエンジンオイル10W40と、及び89%のエタノールとの混合物により、予めブラシを用いて汚されることを除いて、実施例13のものと同様である。ペストを用いた汚染のみを試験した。
結果を表4に示す。本発明によるゲルの脱脂及び除染効果は、細菌性の生物学的汚染、及び支持体上の汚染を除去するのに充分であると見られる。
全ての実施例からの結論:
実施例12〜15について、しかしまた1〜11についても、本発明によるアルカリ性及び酸化型の生物学的除染ゲルは、偶発的な又は故意の生物学的散布の後の、種々のインフラ上に存在する病原性の生物学的汚染に対する、有効な道具であるように見える。
添付書類1.
細胞毒性試験法:
用いた細胞毒性試験は、図20及び21に例示される。ヒト細胞HeLaを、150cmの培養フラスコ上で、100U/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを含有するDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)培地中で、5%COを含有する雰囲気において、37℃で培養する。
細胞を、固体シンチレータボトムを備えた96ウェルプレートCytostar−T(Perkin−Elmer)に、ウェル当たり50,000個の細胞密度で植え付ける。細胞(150μLの完全DMEM:DMEM+10%のウシ胎児血清(FCS):中)を、マイクロプレートの各ウェルに添加する。次いで毒素(50μL)を加えた完全培地を、各ウェルに添加する。原則として、行ごとに異なるリシン濃度を使用する。20時間のインキュベーション後、培地(200μL)を除去し、10%FCS及び0.5μCi/mLの14C−ロイシン(GE)を含有する、何らロイシンを含まないDMED(Eurobio)で置換える。37℃で6時間のインキュベーション後、シンチレーションカウンターWallac1450microbeta triluxを用いてプレートを読み取ることにより、細胞による放射能の取込みを測定する(図20)。
これらの毒素はタンパク質合成を阻止することから、影響を受けた細胞はもはや放射標識ロイシンを取り込むことができない。一方、リシンで処理されないか、又は非常に低濃度(10−14〜10−16M)のリシンで処理された細胞は、なおタンパク質を合成し、それ故、放射標識アミノ酸を取り込む。細胞はウェルの底に充分近接して放射性元素を濃縮するため、このことはプレート中に含有されたシンチレータの励起を引き起し、シンチレーションカウンターによって検出される光子の放出をもたらす(1分当たりのカウントで測定、cpm)。これらのデータは、それ故、細胞によるタンパク質合成のパーセントとして表される。細胞毒性曲線は、このようにして線引きされ、そしてEC50が測定される(図21)。

Claims (21)

  1. 生物学的除染ゲルであって:
    −ゲルの質量を基準として、5〜30質量%の、好ましくは5〜25質量%の、さらに好ましくは8〜20質量%の、少なくとも1つの無機増粘剤と;
    −アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びそれらの混合物から選択される鉱塩基と、過マンガン酸塩、過硫酸塩、オゾン、次亜塩素酸塩、及びそれの混合物から選択される、塩基性媒体中で安定な酸化剤との組合せからなる、活性生物学的除染剤であって;ここで、前記鉱塩基はゲル1L当たり0.05〜10molの量、好ましくはゲル1L当たり0.1〜5molの量で存在し、かつ塩基性媒体中で安定な前記酸化剤は、ゲル1L当たり0.05〜5molの量、好ましくはゲル1L当たり0.1〜2molの量で存在する、該活性生物学的除染剤と;
    −任意選択で、ゲルの質量を基準として、0.1〜2質量%の、少なくとも1つの界面活性剤と;
    −及び溶媒のバランス;
    とを含んでなる、好ましくはこれらからなる、コロイド溶液からなり、
    かつ前記ゲルが何ら高吸収性ポリマーを含有しない、該生物学的除染ゲル。
  2. 前記鉱塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びそれらの混合物から選択され、かつ塩基性媒体中で安定な前記酸化剤が、次亜塩素酸塩類、及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載のゲル。
  3. 前記活性生物学的除染剤が、ソーダと次亜塩素酸ナトリウムとの組合せからなる、請求項2に記載のゲル。
  4. 前記無機増粘剤が、アルミナなどの金属酸化物、シリカ以外のメタロイド酸化物、金属の水酸化物、メタロイドの水酸化物、金属のオキシ水酸化物、メタロイドのオキシ水酸化物、アルミノケイ酸塩、スメクタイトなどのクレー、及びそれらの混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル。
  5. 前記無機増粘剤が1つ又はいくつかのアルミナからなる、請求項4に記載のゲル。
  6. 前記アルミナが、ゲルの全質量を基準として、5〜30質量%、好ましくは8〜17質量%に相当する、請求項5に記載のゲル。
  7. 前記界面活性剤が、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーのような、配列されたブロックコポリマー、及びエトキシル化脂肪酸;及びそれらの混合物などの、非イオン性界面活性剤から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲル。
  8. 前記溶媒が、水、有機溶媒、及びそれらの混合物から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のゲル。
  9. 少なくとも1つの鉱物顔料をさらに含んでなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のゲル。
  10. 表面上に検出される少なくとも1つの生物種に汚染された固体基材の前記表面の生物学的除染のための方法であって、これにおいて少なくとも1つのサイクルが、以下の連続的な工程:
    a)請求項1〜9のいずれか1項に記載のゲルが、前記表面上に適用される工程;
    b)少なくとも、ゲルが生物種を破壊、及び/又は不活性化、及び/又は吸収するため、及びゲルが乾燥して前記生物種を含有し得る非粉末性固体残渣を形成するのに充分な時間にわたり、ゲルが前記表面上に維持される工程;
    c)前記生物種を含有し得る乾燥固体残渣が除去される(取除かれる)工程、
    を含んで実施される、該方法。
  11. 前記基材が、金属及び合金、例えばステンレス鋼;塗装鋼板;プラスチック材料又はゴムなどのポリマー、例えばポリ(塩化ビニル)若しくはPVC、ポリプロピレン若しくはPP、ポリエチレン若しくはPE、特に高密度ポリエチレン若しくはHDPE、ポリ(メタクリル酸メチル)若しくはPMMA、ポリ(フッ化ビニリデン)若しくはPVDF、ポリカーボネート若しくはPC;ガラス、セメント;モルタル及びコンクリート;漆喰;煉瓦;天然若しくは人工の石;セラミックス、から選択される少なくとも1つの材料から作製される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記生物種が、細菌、真菌、酵母、ウイルス、毒素、芽胞、プリオン、及び原生動物から選択される、請求項10又は11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記生物種が、例えばBacillus anthracisの芽胞のような病原性芽胞、例えばボツリヌス毒素又はリシンなどの毒素、例えばYerscinia pestis細菌のような細菌、及び、ワクシニアウイルス又は例えばエボラ型の出血熱ウイルスのようなウイルスといった、生物毒性種から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ゲルが、前記表面上に、1mの表面当たり100g〜2,000gのゲル、好ましくは1mの表面当たり500g〜1,500gのゲル、さらに好ましくは1mの表面当たり600g〜1,000gのゲルの量において適用される、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記ゲルが、噴霧によるか、ブラシを用いるか、又はコテを用いて前記固体表面上に適用される、請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 工程b)の間、乾燥が1℃〜50℃、好ましくは15℃〜25℃の温度において、かつ20%〜80%、好ましくは20〜70%の相対湿度下に実施される、請求項10〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記ゲルが、2〜72時間、好ましくは2〜48時間、さらに好ましくは3〜24時間にわたり、前記表面上に維持される、請求項10〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記乾燥固体残渣が、粒子、例えばサイズ1〜10mm、好ましくは2〜5mmのフレークとして生じる、請求項10〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記乾燥固体残渣が、ブラッシング及び/又は吸引により、前記固体表面から除去される、請求項10〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 上記記載のサイクルが、全てのサイクルの間同一のゲルを用いることにより、若しくは1回又は複数回のサイクルの間異なるゲルを用いることにより、1〜10回反復される、請求項10〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 工程b)の間に、ゲルが、完全乾燥に先立ち、生物学的除染剤の溶液を用いて、好ましくは工程a)の間に適用されたゲルの生物学的活性剤の、このゲルの溶媒中にある溶液を用いて再湿潤化される、請求項10〜20のいずれか1項に記載の方法。
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