JP2016518821A - 3−ヒドロキシプロピオン酸の回収 - Google Patents

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Abstract

3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩を含む発酵ブロスから3−ヒドロキシプロピオン酸が豊富な組成物を回収する方法であって、(a)約2〜約8のpHを有し、3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩、を含む発酵ブロスを提供する工程と、(b)前記発酵ブロスを酸性化する工程と、(c)前記全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度を低減化する工程と、(d)生じた前記イオン低減化水溶液を蒸留する工程と、(e)生成物を回収する工程と、を含む方法。

Description

本発明は、発酵ブロスからの3−ヒドロキシプロピオン酸の回収に関する。より詳しくは、本発明は、処理工程による発酵ブロスからの3−ヒドロキシプロピオン酸の回収に関する。
ヒドロキシカルボン酸モノマーは、多くの用途で有用であり、多数の経路によって調製され得る。製造方法の1つには、選択される発酵体及び他の要因に応じて、多数の発酵生成物を生成し得る発酵を使用するものが含まれる。例えば、米国特許第8,337,663号を参照のこと。
特に、3−ヒドロキシプロピオン酸(「3HP」)は、多くの工業用途で有用な所望の物質である。特定の工業用途に好適な濃度及び所望の純度で、3HPを効率的に回収することが困難であることが分かっている。特に、3HPを効率的に回収するのを目的とした処理工程は、その後のプロセスで使用するのに適切な濃度の3HPを含有しないか、若しくは不要な不純物の導入を引き起こし得る溶液を回収することにつながり得る。例えば、望ましくない濃度のアクリル酸を形成してしまう3HPの脱水反応を伴うことなしに所望の濃度で3HPを回収することは困難である。
これは、商業的に実行可能な規模で3HPを回収する際には、特に当てはまる。研究室の実験台で使用するのに好適な分離及び系は、商業生産レベルでの使用においては実行可能ではなく、規模の拡大のもとで異なる技術を導入することで、新たな困難及び期待しない結果を引き起こし得る。本発明は、3HPの回収において有利なプロセスを提供する。
具体的に、3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩を含む発酵ブロスから3−ヒドロキシプロピオン酸が豊富な組成物を回収する方法が提供される。この方法は、
(a)約2〜約8のpHを有する発酵ブロスを提供する工程であって、発酵ブロスは、
3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩、及び
全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度、を含む、工程と、
(b)発酵ブロスを酸性化し、約1〜約3までpHを低減させて、3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水溶液を形成する工程と、
(c)水溶液の全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度を低減させて、3−ヒドロキシプロピオン酸を含むイオン低減化水溶液を生成する工程と、
(d)イオン低減化水溶液に真空及び熱を加えて、約1〜3のpHでイオン低減化水溶液を蒸留し、3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水性蒸留生成物を形成する工程と、
(e)少なくとも30重量%の水性蒸留生成物の濃度で3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水性蒸留生成物を回収する工程と、を含み、蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり、5重量部未満のアクリル酸を含む。
いくつかの態様において、発酵ブロスは、少なくとも50ppmの硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度、例えば、少なくとも100ppm、少なくとも200ppm、又は少なくとも400ppmの硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度を含む。いくつかの態様において、発酵ブロスは、少なくとも4,000ppmの硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度を含む。
いくつかの態様において、工程(c)からのイオン低減下水溶液の硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度は、15,000ppm未満であり、例えば、10,000ppm未満、5,000ppm未満、3,000ppm未満、2,500ppm未満、2,000ppm未満、1,500ppm未満の硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度であり、特に、イオンレベルが低いことが望ましい場合には、1,000ppm未満の硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度である。
本出願に組み込まれ、一部分を構成する添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示し、実施形態の説明とともに本発明の原理を説明するために供される。図面の簡単な説明は、以下のとおりである:
本発明の方法の一実施形態のプロセスフロー図である。 実施例11で記載される処理工程を示すプロセスフロー図である。 実施例12で記載される処理工程を示すプロセスフロー図である。 60重量%の3HPを含有するイオン低減化水溶液を供給する蒸留系に水蒸気を加える効果を示すグラフである。
以下で記載される本発明の実施形態は、本発明を網羅するか、又は以下の詳細な説明に開示される正確な形態を制限することを意図しない。選択され、記載される実施形態の目的は、本発明の原理及び実施において当業者による容認及び理解を容易とするためである。
3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩は、既知の発酵技術を使用して、発酵プロセスによって生成される。本議論の目的において、3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又は塩(及び、「3HP(及びその塩)」などと同様の記述)は、3−ヒドロキシプロピオン酸化合物が、酸形態又は塩形態、若しくは酸形態又は塩形態の混合物のいずれかで存在することを意味する。塩形態は、1つ以上の対イオンを含み得る。
本プロセスの工程(a)において、約2〜約8のpHを有し、3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩、及び典型的には少なくとも100ppm、例えば、少なくとも約200ppm、少なくとも400ppm、及びいくつかの例では、少なくとも約4,000ppmの硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度を含む、発酵ブロスが提供される。一実施形態において、発酵ブロスは、工程(a)において約2〜約5のpHを有する。別の実施形態において、発酵ブロスは、工程(a)において約2.5〜約4.5のpHを有する。発酵ブロスのpHレベルを低下させることは、低pHにおいて商業的に容認可能な速度で発酵することができる特定の発酵体において有利である。
一実施形態において、工程(a)の発酵ブロス中の3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度は、ブロス1リットル当たり約30〜約200グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量である。別の実施形態において、工程(a)の発酵ブロス中の3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度は、ブロス1リットル当たり約60〜約150グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量である。別の実施形態において、工程(a)の発酵ブロス中の3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度は、ブロス1リットル当たり約70〜約130グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量である。
本プロセスの工程(b)において、発酵ブロスは、酸性化されて約1〜約3までpHが低下し、3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水溶液が形成される。3−ヒドロキシプロピオン酸が酸形態にあり、3−ヒドロキシプロピオン酸の回収において有益である際、3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水溶液のpHを低減させることで処理上の利点が提供されることが分かっている。一実施形態において、工程(b)において、発酵ブロスのpHを約1.5〜約2.5まで低下し、いくつかの態様においては、pH 1.5〜pH 2.0まで低下する。
発酵プロセス中、様々な成分を発酵ブロスに加えることで、好ましい栄養及びpH条件を達成及び維持して、特定の有機体が発酵を実行することを支持する。発酵完了後、除去することが望ましい様々なイオン種が存在している。特定のイオンの除去は、不溶性及び/又は易分離性化合物の形成を通して、酸性化工程において促進される。例えば、発酵ブロス中に存在する不要なカルシウムは、HPO又はカルシウムと不溶性及び/又は易分離性である化合物を形成する他の酸性化合物を加えることでpHを低下させて除去される。結果として生じる分離性化合物は石膏となるため、HSOを加えることが好ましい。不溶性及び/又は易分離性化合物は、遠心分離、ベルトフィルター、ドラムフィルター、又はメンブレンフィルター、又は他の適切な分離技術の使用などの従来の技術によって除去される。
本発明の一実施形態において、除去される石膏又は類似物質中に存在する生体物質の量は、本生成物の最終用途において好適な量を下回るため、発酵プロセスからの細胞は、酸を加える前に発酵ブロスから除去されるのが好ましい。あるいは、細胞は、酸性化工程(b)の後に、酸性化工程中に形成され得る不溶性及び/又は易分離性化合物の除去とともに除去され得る。
本プロセスの工程(c)において、水溶液の硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度は低減される。典型的には、工程(c)で生成されるイオン低減化水溶液の硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度は、15,000pp未満である。これらの工程をこの順番で実行することで、最終的に回収した蒸留生成物中の不要な副生成物及び不純物の量が低減することが分かっているため、蒸留前に水溶液のイオン含有量を低減するのは有利である。特に、蒸留前に水溶液のイオン含有量を低減することで、3−ヒドロキシプロピオン酸の回収プロセスに続く工程で形成されるアクリル酸の量を有利に低減し、イオン低減化水溶液の沸点も低減させ、3HPの回収に必要なエネルギーを低減させる。一実施形態において、硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度は、約10,000ppm未満、約5,000ppm未満、3,000ppm未満、2,500ppm未満、2,000ppm未満、1,500ppm未満まで低減され、特に、イオンレベルが低いことが望ましい場合、工程(c)において、硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度は、1,000ppm未満の濃度である。一実施形態において、水溶液の硫酸イオン及びリン酸イオン全濃度を低減させる工程(c)は、イオン交換体を使用して実行される。一実施形態において、イオン交換体は、陰イオン交換樹脂を含む。一実施形態において、水溶液中の正帯電イオンの量は、陽イオン交換樹脂を含むイオン交換体を使用することで低減される。本発明の一実施形態において、陰イオンの低減によって水溶液のpHが上昇する傾向があり、これは、水溶液中の陽イオンの量を低減することによるpHの低下によって少なくとも部分的に相殺されるのが好ましい。本発明の一実施形態において、工程(d)で蒸留される水溶液のpHは、イオン低減化工程(c)中に調整される。
本プロセスの工程(d)において、イオン低減化水溶液は、イオン低減化水溶液に真空及び熱を加えることで蒸留され、3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水性蒸留生成物が形成される。回収プロセスにおいて不要な副生成物が形成する可能性が低減するため、真空及び標準的な圧力で行われる蒸留プロセスにおいて必要とされるよりも低いレベルの熱を加えることを含む、「より穏やかな」蒸留技術を使用することが有利である。実施形態において、蒸留工程(d)は、イオン低減化水溶液を約100℃〜約200℃、又は約120℃〜約180℃、又は約130℃〜約170℃、又は約130℃〜約150℃の温度まで加熱する工程を含む。実施形態において、蒸留工程(d)は、約0.5〜約50mm Hgの絶対圧力下、又は約5〜約40mm Hgの絶対圧力下、約10〜約35mm Hgの絶対圧力下で行われる。
イオン低減化水溶液を比較的短時間で高温に曝露させて蒸留することは、回収プロセスにおいて不要な副反応物を形成する可能性を減少させるのにも有利である。実施形態において、蒸留工程(d)は、イオン低減化水溶液を100℃を超える温度で5分間未満、又は120℃を超える温度で3分間未満、又は130℃を超える温度で2分間未満加熱することで実行される。
実施形態において、蒸留工程(d)は、滞留時間の短い蒸留技術によって実行され得る。実施形態において、蒸留工程(d)は、ワイパー式薄膜蒸発装置、薄膜上昇式蒸発装置、薄膜蒸発装置、(遠心分離)分子蒸留装置、薄膜降下式蒸留装置、又はこれらの組み合わせから選択される装置によって実行される。米国特許第7,560,579号における、かかる装置の一般的な議論を参照のこと。
工程(d)の蒸留前のイオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、最終濃縮生成物における不要な副生成物又は他の不純物の1つ以上の存在に影響を及ぼし得る。一実施形態において、蒸留工程(d)前のイオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約20重量%〜約80重量%である。別の実施形態において、蒸留工程(d)前のイオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約25重量%〜約70重量%である。別の実施形態において、蒸留工程(d)前のイオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約30重量%〜約60重量%である。
本発明の一実施形態において、蒸留工程(d)は、約30重量%〜約60重量%の3−ヒドロキシプロピオン酸濃度において、約20〜約35mm Hgの絶対圧力下、及び約130℃〜約150℃で実行されるのが好ましい。
本プロセスの工程(e)において、水性蒸留生成物は、典型的には少なくとも30重量%の濃度の3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水性蒸留生成物が回収され、この蒸留生成物は、典型的には3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり5重量部未満のアクリル酸を含む。実施形態において、3−ヒドロキシプロピオン酸は、工程(e)において、少なくとも約35重量%の水性蒸留生成物濃度、又は少なくとも40重量%の水性蒸留生成物濃度で回収される。実施形態において、工程(e)で回収される水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約3重量部未満、又は3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約1重量部未満、又は3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり0.5重量部未満のアクリル酸を含有する。
本発明の実施形態において、工程(e)で回収される3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水性蒸留生成物中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約30重量%〜約80重量%;又は約30重量%〜約70重量%;又は約30重量%〜約60重量%である。
3−ヒドロキシプロピオン酸は、保管中に経時的に反応し、例えば、ダイマー及びトリマーを形成する傾向がある。工程(e)で回収される3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、回収濃度の測定値を変化させる3−ヒドロキシプロピオン酸の反応を引き起こし得る保管前、回収プロセスの完了直後に測定される。
上記に示したように、各工程(a)〜(e)の特定の実施形態の組み合わせが更に考えられる。例えば(様々な特定の実施形態において考えられる組み合わせを制限することなく)、本発明の特に有利な実施形態において、方法は工程を含み、工程(c)において全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度が約5,000ppm未満まで低減され;工程(d)の水性蒸留生成物中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約30重量%〜約60重量%であり;工程(e)において回収される水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約1重量部未満のアクリル酸を含有する。本発明の別の特に有利な実施形態において、方法は工程を含み、工程(c)において全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度は、約3,000ppm未満まで低減され;工程(d)において水性蒸留生成物中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約30重量%〜約60重量%であり;工程(e)において回収される水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約0.5重量部未満のアクリル酸を含有する。
本発明の別の特に有利な実施形態において、方法は工程を含み、
工程(c)において、全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度は、約3,000ppm未満まで低減され、
工程(d)の蒸留前のイオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約30重量%〜約60重量%であり、
蒸留工程(d)は、イオン低減化水溶液を約130℃〜約150℃の温度まで加熱する工程を含み、
蒸留工程(d)は、約10〜約35mm Hgの絶対圧力下で行われ、
工程(e)において回収される水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約0.5重量部未満のアクリル酸を含有する。
本発明の一実施形態において、方法は、更に新たな工程:
(f)蒸留工程(d)から蒸留塔底流を回収する工程であって、この蒸留塔底流は、工程(c)のイオン低減化水溶液中に存在する3−ヒドロキシプロピオン酸の全量に対して約5%〜約20%の3−ヒドロキシプロピオン酸を含み;
(g)蒸留塔底流に真空及び熱を加える工程;及び
(h)3−ヒドロキシプロピオン酸を含む第2の水性蒸留生成物を回収する工程であって、第2の水性蒸留生成物は、第2の水性蒸留生成物中に存在する3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部あたり約3重量未満のアクリル酸を含む;
を含む。
この実施形態は、全イオン低減化水溶液に厳しい蒸留条件を適用する必要なしに水性蒸留生成物から3−ヒドロキシプロピオン酸の回収を向上させる。更には、1段階の蒸留工程のみが実施されるようなプロセスと比較して、蒸留されるイオン低減化水溶液からより多くの全3−ヒドロキシプロピオン酸が回収される。一実施形態において、工程(g)前に、蒸留塔底流に水が加えられる。この実施形態によって、第2蒸留工程による3−ヒドロキシプロピオン酸の回収がより容易になり、3−ヒドロキシプロピオン酸の全体的な回収が向上する。
工程(d)で蒸留されるイオン低減化水溶液中に存在する水の大部分は、工程(e)で回収される3−ヒドロキシプロピオン酸とともに除去されるため、初期の蒸留塔底流は比較的3−ヒドロキシプロピオン酸が多いことに留意すべきである。蒸留塔底流を水で希釈することは、第2蒸留中の不要な副反応物又は不純物の形成を低減するのに役立ち、更に第2蒸留操作の効率的な性能を助ける。
本発明の別の実施形態において、方法は、酸性化工程(b)の前に、約60℃〜約100℃のブロス温度で発酵ブロス中に存在する液体の一部分を蒸発させることで、工程(a)の発酵ブロス中の3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度をブロス1リットル当たり約100〜約500グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量まで増加させる追加工程(i)を更に含む。一実施形態において、発酵ブロス中の3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度は、ブロス1リットル当たり約250〜約400グラム、いくつかの態様においては140〜400グラム、150〜350グラム、200〜330グラム、220〜320グラム、又は230〜300グラム、220〜320グラム、又は230〜300グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量まで増加される。
このように低い熱上昇で3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度が増加するのは、経済的なプロセスを提供するだけでなく、不要な副生成物又は不純物の侵入を低減するのにも特に有利である。一実施形態において、約70℃〜約90℃のブロス温度で、液体の蒸発が行われる。一実施形態において、約250〜約300Torrの圧力下で液体の蒸発が行われる。
本発明の別の実施形態において、方法は、蒸留工程(d)の前に、約60℃〜約100℃の溶液温度でイオン低減化水溶液中に存在する液体の一部分を蒸発させることで、工程(c)のイオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度を30重量%〜約70重量%まで増加させる新たな工程(j)を更に含む。上述するように、このように低い熱上昇で3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度が増加するのは、経済的なプロセスを提供するだけでなく、不要な副生成物又は不純物の侵入を低減するのにも特に有利である。一実施形態において、約70℃〜約90℃の溶液温度で、液体の蒸発が行われる。一実施形態において、約250〜約300Torrの圧力下で液体の蒸発が行われる。
一実施形態において、本方法は、上記で議論される工程(i)及び(j)の両方を含む。
本発明の別の実施形態において、方法は、工程(c)の前に、発酵ブロス中に存在する微生物細胞の量を低減する新たな工程(k)を更に含む。一実施形態において、酸性化工程(b)の前に低減化工程(k)が行われる。一実施形態において、低減化工程(k)は、遠心分離、ベルトフィルター、ドラムフィルター、メンブレンフィルターから選択される分離装置を使用することで実行される。
図1は、本発明の方法の一実施形態のプロセスフロー図である。図示されているように、発酵ブロスが提供され、細胞は除去される。第1蒸発工程で水が除去され、発酵ブロスは酸性化されて3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水溶液が形成される。石膏が除去され、水溶液の全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度は、イオン交換体を使用して低減される。3−ヒドロキシプロピオン酸を含むイオン低減化水溶液は、第2蒸発工程を行って水が除去され、イオン低減化水溶液は2段階の蒸留工程が行われる。
上述される第1蒸発工程において、3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度は、第1蒸発工程の完了後、典型的には350グラム未満の3−ヒドロキシプロピオン酸当量/Lである。
本発明の例示的な実施形態は、本発明の原理及び実施を図示する以下の実施例に関して記載される。
以下の分析方法及びサンプル調製を、以下の実施例で使用した。
3HPの分析方法
サンプル中の3−ヒドロキシプロピオン酸(3HP)、アクリル酸、及び様々な他の有機酸、アルコール、及び糖を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して分析する。HPLC法は、210nmにおける屈折率(RI)検出及び紫外線(UV)検出とともに、2種のAminex HPX−87Hカラム(BioRad)を組み合わせて使用する。RI検出器でアルコール及び糖の定量を行い、UV検出器で全有機酸において行う。標準物質及びサンプルは、移動相で希釈してメスフラスコ中で質量によって調製する。内部標準物質は使用しない。結果を重量%で算出した。
HPLCは、ポンプ、オートサンプラー、溶媒インラインガス装置、及びカラムヒーターを備えるWaters Alliance 2695モジュラー型高速液体クロマトグラフィー系である。RI検出器はWaters 2410 Refractive Index Detectorであり、UV検出器はWaters 2487 Dual Wavelength Ultraviolet Detectorである。カラムは、HPX−87H 300×7.8mmカラム(Biorad)であり、Security Guardカートリッジホルダー(Phenomenex)及びCarbo H+ガードカートリッジ(Phenomenex)とともに使用する。
0.45マイクロメートルのフィルターで濾過した高純度水中10mMのHSOのイソクラチック移動相(アジ化ナトリウム含有(0.005%))を、0.5mL/分の流速で使用する。カラム温度は55℃である。サンプル注入量は20μLである。各運転時間は60分間である。屈折率検出器の内部温度は、35℃である。18メガオームを超える超純水を使用する。
10mMのHSO中に、グルコース(0.1g/L)、リンゴ酸(0.1g/L)、ピルビン酸(0.1g/L)、アラビトール(0.1g/L)、コハク酸(0.1g/L)、乳酸(0.1g/L)、グリセロール(0.1g/L)、及びアクリル酸(0.1g/L)を含有する標準原液1を調製する。この原液を冷凍庫で保管し、10mMのHSOで10:1に希釈し、HPLC分析用の検量線用標準溶液1を調製した。3HP標準溶液(5g/L)を、10mMのHSO溶液で調製する。これは、HPLC分析用の検量線用3HP標準溶液である。
サンプル調製において、0.25グラムのサンプルを25mLのメスフラスコ中に測り入れ、10mMの硫酸で希釈し、0.45マイクロメートルのナイロンシリンジフィルターで濾過する。屈折率(RID)ピーク領域を使用して、グリセロール及び糖を含むアルコールの重量%を算出する。UVピーク領域を使用して、有機酸の重量%を算出する。
誘導結合プラズマ原子発光(ICP)分析によって、硫黄元素及びリン元素を測定することでリン酸イオン及び硫酸イオンを決定する。Spectro Arcos FHS12器具を使用して分析を行った。全ての硫黄及びリンは、それぞれ硫酸イオン及びリン酸イオンの形態であると考えられる。
実施例1〜8における基本手順
3HP発酵ブロス
発酵によって酵母中のグルコースから生成される3HPブロスを、処理工程において開始物質として使用する。発酵ブロスは、37g/Lの3HPに加えて、未発酵糖などの他の発酵副生成物、乳酸、ピルビン酸、コハク酸などの他の有機酸及びその塩を含有する。主な構成要素のいくつかを以下の表1で示す。ベンチトップ型の遠心分離機(2200×gで5分間)を使用して、ブロスから酵母バイオマスも取り除き、その後上澄をデカンテーションする。
Figure 2016518821
酸性化
ブロス溶液のpHが2〜2.5になるまで、濃縮HSOを加えてブロス中のカルシウムを除去する。ベンチトップ型遠心分離機(2200×gで5分間)を使用し、析出した石膏を除去した後、上澄をデカンテーションする。
イオン交換(脱塩)
陽イオン及び陰イオン交換を使用して、酸性化した発酵ブロスを脱塩する。陽イオン交換は、Rohm and Hassから入手可能なAMBERLITE IR120強酸性陽イオン交換樹脂を使用して行う。約200mLのカラム床体積を有し、内径が1”のカラムに樹脂を担持させる。カラムは、カラムに200mLの1M HClを流し、続けて、溶出液のpHが5を超えるまで脱イオン水を流すことで、カラムを調整する。陽イオンカラムを使用して、カルシウム、ナトリウム、カリウム、鉄及びマグネシウムの量を低減させる。溶出流におけるpHの上昇によって漏出条件(陽イオン樹脂の収容量を超える)に達したことが示されるまで、3HPブロスをカラムに流す。担持するイオンに応じて、1〜10Lのブロスをカラムに流す。
次に、陽イオン交換からの溶出液を陰イオン交換カラムに流す。陰イオン交換樹脂は、Dow Chemical Companyから入手可能なDOWEX MARATHON WBA弱塩基陰イオン交換樹脂である。約200mLのカラム床体積を有し、内径が1”のカラムに樹脂を担持させる。カラムは、カラムに200mLの1M NaOHを流し、続けて、溶出液のpHが8を下回るまで脱イオン水を流すことで、カラムを調整する。陰イオンカラムを使用して、硫酸イオン、リン酸イオン及び塩化物イオンの量を低減させる。溶出流におけるpHの低下によって漏出条件(陰イオン樹脂の収容量を超える)に達したことが示されるまで、3HP陽イオン交換溶出液をカラムに流す。担持するイオンに応じて、0.5〜2Lのブロスをカラムに流す。
蒸発/濃縮
回転式蒸発装置を使用して550〜650g/Lの3HP濃度まで材料を濃縮する。圧力を50Torrに設定し、材料がより濃縮されるように温度を40〜60℃に上昇させた。濃縮工程は、脱塩工程前及び/又は脱塩工程後に行われ得る。
蒸留
短工程ワイパー式薄膜蒸発装置(KDL4型、UIC製)を使用して、蒸留を実行した。ユニットの上部から加熱表面に材料を供給する。総表面積が0.043mである蒸発装置は、ジャケット付きホウケイ酸ガラスシリンダであり、温度を制御するために熱油を使用する。加熱表面内部には、供給材料を分配するためのテフロン(登録商標)ローラーを使用する。4〜7mL/分の供給速度において、滞留時間又は供給材料と加熱表面との接触時間は、約30〜60秒である。加熱表面の中央に位置する内部凝縮器は、受けフラスコに回収される留出液層を凝縮するのに使用する。不揮発性である塔底を別の受けフラスコに回収する。供給速度は、蠕動ポンプで調節する。供給速度は、経時的に供給フラスコを秤量することで測定する。典型的な供給重量は、約50〜100gである。以下の実施例において、供給速度、ジャケット温度、及び真空圧は制御されている。全ての圧力は、絶対圧力である。特に指定のない限り、報告される蒸留温度はジャケット温度である。
(実施例1(比較例))
本実施例は、蒸留に供給する3HPのイオン低減化水溶液において、硫酸塩とリン酸塩とを合わせた濃度が高い(例えば、100,000ppmを超える)ことが影響を及ぼし、回収した留出液が高含有量のアクリル酸(例えば、3HP 100部当たり30部を超えるアクリル酸)を示している。
基本手順において上述されるとおりに3HPブロスを調製する。発酵ブロスはpH 4を有し、37g/Lの3HP、5927ppmのカルシウム、243ppmの硫酸塩、及び8946ppmのリン酸塩を含有する。発酵ブロスは、遠心分離によって細胞分離を行う。次に、ブロスを濃硫酸でpH 2まで酸性化した後、遠心分離を使用して清澄化して石膏及び未溶解固体を除去する。酸性化し、清澄化したブロスのカルシウム濃度は、524ppmである。陽イオン及び陰イオン交換カラムを使用して、ブロスを脱塩する。35g/Lに近い濃度の3HPで、硫酸塩濃度を1583ppmまで低減し、リン酸塩濃度を5998ppmまで低減する。次に、生じた3HP溶液を蒸発させて638g/Lまで濃縮し、硫酸塩濃度を33466ppmまで、及びリン酸塩濃度を95473ppmまで増加させる。
次に、ワイパー式薄膜蒸発装置(WFE)を使用して3HPのイオン低減化水溶液を蒸留する。蒸留条件を表1−1に示し、これは、蒸留供給物、条件及びアクリル酸形態における関係をまとめてもいる。
Figure 2016518821
(実施例2)
本実施例は、蒸留に供給する3HPのイオン低減化水溶液中の硫酸塩とリン酸塩とを合わせた濃度を低下させる(例えば、15,000ppm未満)ことが影響して、回収した留出液が低アクリル酸形成(例えば、3HP 100部当たり3部未満のアクリル酸)であることを示している。
基本手順において上述されるとおりに3HPブロスを調製する。発酵ブロスはpH 4を有し、37g/Lの3HP、4409ppmのカルシウム、224ppmの硫酸塩、及び7654ppmのリン酸塩を含有する。発酵ブロスは、遠心分離によって細胞分離を行う。次に、ブロスを濃硫酸でpH 2まで酸性化した後、遠心分離を使用して清澄化する。酸性化及び清澄化したブロスのカルシウム濃度は、427ppmである。陽イオン及び陰イオン交換カラムを使用して、ブロスを脱塩する。次に、生じた3HP溶液を蒸発させて約600g/Lの3HPまで濃縮して、硫酸塩濃度30025ppm、リン酸塩濃度22241ppmとなる。再度陽イオン及び陰イオン交換カラムに流すことで、濃縮溶液を脱塩する。生じた濃縮溶液は、硫酸塩濃度1972ppm及びリン酸塩濃度11477ppmで3HP濃度556g/Lを有する。
次に、ワイパー式薄膜蒸発装置(WFE)を使用して調製したブロスを蒸留する。蒸留条件を表2−1に示し、これは、蒸留供給物、条件及びアクリル酸形態における関係をまとめてもいる。
Figure 2016518821
(実施例3)
本実施例は、細胞除去、酸性化、イオン交換及び蒸留のプロセスを経る大規模での3HPの回収を示している。3HPのイオン低減化水溶液は、硫酸塩とリン酸塩とを合わせた濃度が低い(例えば、2000ppm未満)。
基本手順において上述されるとおりに3HPを調製する。0.1マイクロメートルの孔径を有するセラミック膜を使用して、膜濾過によって発酵ブロスを細胞分離する。ブロスを濃硫酸でpH 2.6まで酸性化した後、フィルターを使用して清澄化する。陽イオン及び陰イオン交換カラムを使用してブロスを脱塩した後、蒸発によって、3HPのモノマーが37.2%となるまで濃縮する。1088ppmのリン酸塩濃度及び459ppmの硫酸塩濃度を有するイオン低減化水溶液を、蒸留のために薄膜上昇式蒸発装置(RFE)に供給する。
RFEは、蒸気ジャケットを備える単管式(1.5”×20’)である。供給物を管底に圧送し、そこで3HP、水及び他の揮発性構成要素を気化し、外部凝縮器に移し、そこで留出液流を凝縮し、収集する。不揮発性物質はRFEの塔頂部に流れ、塔底残留物として別々に収集される。本実施例において、供給速度を75g/分に設定すると、加熱管における滞留時間は約90秒となる。真空圧力を27Torrに設定し、水蒸気圧を75psigに設定すると、RFEの壁温度は160℃となる。
Figure 2016518821
このデータは、蒸留に供給するイオン低減化水溶液の硫酸塩とリン酸塩とを合わせた濃度が低い場合、非常にアクリル酸含有率が低い(3HP 100部当たり1部未満更に0.5部未満)3HPが回収可能であることを示している。
(実施例4)
本実施例は、実施例3における第1蒸留による塔底残留物を蒸留することで、更なる3HPが回収され得ることを示している。
実施例3で収集された塔底残留物を、基本手順で記載されるようなワイパー式薄膜蒸発装置を使用して蒸留する。この塔底流は、実施例3においてRFEに供給されるイオン低減化3HP水溶液と比較して、5〜6倍硫酸塩及びリン酸塩が濃縮されており、より多くの揮発性の水及び3HPが留出物流で収集される。5g/分の速度、1Torrの圧力及び180℃のジャケット温度で材料をWFEに供給する。収集された第2留出液流は、507g/Lの3HP及び12.9g/Lのアクリル酸(3HP 100部当たり2.5部のアクリル酸)を含有する。3HPの全回収率は、イオン低減化水溶液に対して、77%(RFEのみの蒸留)から84%(RFEとWFEの併用)まで上昇する。
(実施例5)
本実施例は、蒸留時間、温度、3HP濃度、及び陰イオン濃度がアクリル酸を多量に作成することなく使用され得る蒸留時間に及ぼす効果を示している。
本実施例において、3HPブロスは基本手順に記載されるような蒸発/濃縮工程によって調製される。基本手順のイオン交換工程に従い、イオン低減化水溶液における3HP濃度は30重量%である。2つの異なる条件でイオン交換工程を実行する。1つ目の条件において、硫酸塩及びリン酸塩の全濃度を3,000ppmまで低減し、2つ目の条件において、10,000ppmまで低減する。次に、基本手順の蒸発/濃度工程に記載されるとおり、異なるレベルまで材料を濃縮し、異なる3種のレベルの3HP濃度とした。
表5−1は、典型的なパラメータであって、3HPの濃度、蒸留に供給するイオン低減化水溶液中の硫酸塩とリン酸塩を合わせたレベル、及び留出液中100部の3HP当たり1部未満のアクリル酸の形成をもたらすと考えられる蒸留において高温下での時間を示している。
Figure 2016518821
低濃度の3HPの下で蒸留を実行することによって、アクリル酸の比率が低減する。更には、低濃度の3HPの下でイオン低減化水溶液の沸点が低減するため、回収率を比較するために実行され得る蒸留温度が低下する。これらが低温であることに加えて、アクリル酸が形成される速度も低下する。
(実施例6)
本実施例は、蒸留において温度がアクリル酸の形成に及ぼす影響を示している。
3HPブロスは基本手順において上述されるとおりに調製される。発酵ブロスはpH 4であり、37g/Lの3HPを有する。発酵ブロスは、遠心分離によって細胞分離を行う。3HPの濃度が220g/Lに達し、2383ppmの硫酸塩濃度及び7276ppmのリン酸塩濃度となるまでブロスを蒸発させる。本実施例においては、酸性化は行わない。陽イオン交換樹脂の容量を増加し、酸性化によって除去されるであろうカルシウムイオンを除去することで、ブロスを酸性化するのと同様の結果が得られる。次に、ブロスをイオン交換によって脱塩し、硫酸塩濃度を461ppm及びリン酸塩濃度を124ppmまで低減する。次に、3HP溶液を577g/Lの3HP、1755ppmの硫酸塩及び472ppmのリン酸塩となるまで濃縮する。
次に、薄膜エバポレーター(WFE)を使用して、調製したブロスを蒸留する。蒸留条件を表6−1に示し、これは、蒸留供給物、条件及びアクリル酸形成における関係をまとめてもいる。
Figure 2016518821
この結果は、180℃未満の温度(例えば、160℃及び170℃)によって、3HP100部当たり0.5部未満のアクリル酸が形成されることを示す。
(実施例7)
本実施例は実施例4と同様であり、第2留出液流で形成されるアクリル酸の量は、第2蒸留の供給物に更に水を加えることで、実施例4と比べて低下することを示している。
実施例3で生成した塔底残留物に水を加え、水濃度を20重量%まで増加させる。希釈流を5g/分でWFE蒸留に供給する。160℃及び20TorrでWFEを作動する。生じた第2留出液は、3HP 100部当たり1.1部のアクリル酸を有する。
(実施例8(比較例))
本実施例は、長時間熱に曝すことでどのようにして多量のアクリル酸が生成されるかを示している。
本実施例において、最終WFE蒸留を除いて、実施例6で調製され、使用されるものと同じ3HPブロスを使用する。代わりに、500mLの丸底フラスコを使用して、バッチ蒸留実験装置を設置し、材料を保持する。フラスコを電気加熱マントル中に載置して熱を供給する。フラスコの上で、凝縮器(水冷式)にアダプターを連結し、水蒸気を冷却し別の留出液収集フラスコに収集する。サーモメーターをアダプターに設置し、凝縮器に入る直前の水蒸気の温度を測定する。装置を20Torrに設定された真空ポンプに連結する。
200gの調製したブロスをフラスコに加え、加熱マントルの電源を入れる。約150℃の液温に到達するまで約2時間かけて加熱する。その時、留出液収集フラスコ中で凝縮物の収集を開始し、水蒸気温度は140℃に達する。蒸留を30分間続け、真空を止めて加熱マントルを取り外す。83.6gの留出液が収集され、116.5gの塔底物が収集される。表8−1は、3種の組成物の流れを示している。
Figure 2016518821
(実施例9)
発酵:図1を参照すると、本実施例は、3HP及び/又はその塩を含有する発酵ブロスを生成する大規模な発酵プロセスを示している。
3HP生成酵母株を発酵に使用し、3HP及び/又はその塩を生成する。発酵槽を指定の培地(表9−1、9−2及び9−3参照)で成長したバイオマスで接種する。10,000リットル(L)の好気性シード発酵装置中で、3HP生成酵母株を増殖(すなわち、成長)させる。生じた酵母生成株を1,000,000リットルの生成物発酵装置に接種し、0.1g/Lの初期細胞乾燥重量を提供する。接種時の発酵培地を表9−1で概説する。発酵中、30%のCa(OH)(ライム)の水性懸濁液を加えて、pHを4.0に制御する。生成物発酵装置は、0.1VVM(噴霧される空気の基準容積/発酵装置の容積/分)で空気と共に噴霧される。酸素摂取速度(OUR)が14mmol(Lh)となるように、製造発酵装置を撹拌する。細胞が十分な濃度になった後、残留物の発酵中に酸素制限が達成され、続けて維持されるように(例えば、0.1MPa(1気圧)で、約10%未満の空気飽和である溶存酸素)、発酵を操作する。発酵中の溶存酸素は、Mettler Toledo INPRO(登録商標)6800センサ(Mettler−Toledo GmbH(Urdorf,Switzerland))を使用して測定する。
Figure 2016518821
Figure 2016518821
Figure 2016518821
接種時及び発酵終了時の細胞濃度は、乾燥細胞質量と光学濃度との間で確立した換算係数を使用した光学密度測定から得る。光学密度は、分光光度計(Genesys20モデル)(Thermo Scientific)を使用して、600nmの波長(経路長:1cm)で測定する。他に明記されていない限り、実験的に導かれる換算係数は2.3であり、1g乾燥細胞質量当たりのOD600単位を使用して細胞乾燥重量を概算する。
当業者に既知の方法を使用して、OURを算出する。本実施例において、酸素、窒素及びCO値は、質量分析計(Thermo Scientific)で測定する。
バッチを終了し、40時間のバッチ時間でサンプルを採取し、OD600でバイオマス成長を分析する。屈折率検出器を備える高速液体クロマトグラフィーによってグルコース及び3HPを測定する。最終3−ヒドロキシプロピオン酸当量(発酵ブロスに含まれる3HP及び/又はその塩に対する)濃度は、80g/Lであり、3HPの容積生産性が2g/(L時間)であり、グルコース1グラム当たり0.75gの3−ヒドロキシプロピオン酸当量であり、細胞乾燥重量が7〜10g/Lであるのと同等である。ブロス中の最終硫酸塩濃度は300ppmであり、最終リン酸塩濃度は200ppmである。場合によっては、適切な有機体及び発酵パラメータとともに、最終3HP当量濃度は、少なくとも100g/リットル(L)であってよく、3HPの容積生産性は2.5g(L時間)であってよく、グルコース1グラム当たり少なくとも0.75gの3−ヒドロキシプロピオン酸当量(場合によっては、グルコース1グラム当たり少なくとも0.77gの3−ヒドロキシプロピオン酸当量)の収量であってよく、最終細胞乾燥重量は、10g/L未満(好ましくは5g/L未満)である。
(実施例10)
本実施例は、細胞除去、蒸発、酸性化、清澄化、及びイオン交換を使用した、実施例9の発酵から生成される3HP及びその塩の処理を示す。
細胞除去:図1の工程2を参照すると、実施例9からの発酵ブロスを入手し、283m/時の合計速度で数種の遠心分離機に供給する。各遠心分離機は、分離板型構造を有しており、3HP及び/又はその塩を含有する細胞を含まない発酵ブロスが、そこを通って生成物排出部まで通過する。細胞濃縮塔底流には、存在する液体に対して40〜50体積パーセントの細胞が含まれ、各遠心分離機において噴射ノズルから排出される。高比率の3HP(及び/又はその塩)が最終的に細胞濃縮排出流に入るため、排出物の40体積パーセント未満となるまで細胞を濃縮することは、全回収プロセスによる3HPの回収率を低下させる。細胞を50%を超えるまで濃縮することで、典型的には、細胞濃縮流を非常に粘着性とし、取り扱いが困難となる。全回収プロセスからの3HPの回収率を向上させるために、更なる水(細胞濃縮流の2〜3倍の体積)を濃縮流と混合し、希釈して容積が調整された細胞濃縮流を別の遠心分離器の入り口に供給する。更に、無細胞3HP含有ブロスを排出し、細胞を再び40〜50体積%まで濃縮し、遠心分離機の噴射ノズルから排出する。更に3HPの回収率を向上するために、第2段階の遠心分離からの細胞濃縮排出物を、水(2〜3倍の体積)で希釈し、第3段階の遠心分離を続ける。3種の無細胞3HP含有ブロス流を混和した後、更なる処理に繰り越す。
使用する洗浄水の量を低減するために、逆流洗浄系を用いる。水と第2段階の遠心分離を終えた細胞濃縮流とを混和し、第3段階の遠心分離に供給する。第3段階の遠心分離による無細胞排出物を使用して、第1段階の細胞濃縮排出物を希釈した後、第2段階の遠心分離に供給する。細胞分離後、3HP(及び/又はその塩)の濃度は、どの位洗浄水を使用するかに応じて、実施例9からの発酵ブロス中の3HP及び/又はその塩の開始濃度の90〜95%まで低下する。
蒸発:図1の工程3を参照すると、無細胞3HP含有混和ブロスを蒸発させて、3HP(及び/又はその塩)の濃度を増加させる。ブロスを機械的蒸気再圧縮(MVR)蒸発装置に供給し、ブロスから水を除去する。機械的蒸気再圧縮蒸発装置、及び蒸気圧縮を使用する他の種類の蒸発装置によって、液体材料から水が除去されるため、液体に含有される3HP(及びその塩)の量が濃縮される。蒸気などの温熱が容易に利用できる場合、温熱(真空を伴うか又は伴わない)を使用する蒸発装置も使用され得る。ブロスにおいて3HP当量を濃縮する蒸気などの源からの温熱を使用する蒸発装置の一例は、シェルインチューブ型蒸発装置(強制再循環及び薄膜落下式蒸発装置など)である。また、機械的蒸気再圧縮及び蒸気などの源からの温熱系の両方、又は被加熱流体(油など)を用いる蒸発装置が効果的に使用され得る。2段階のMVR蒸発を使用し、60〜80℃及び260〜300mm Hgで操作する。濃縮ブロスは、240g/Lの3HP当量で蒸発装置から出る。
細胞分離工程前に蒸発を使用して、発酵ブロスを濃縮することも可能である。細胞分離工程の前にブロスを濃縮することで、遠心分離機に供給するブロスの全容積が低減され、蒸発したブロスに少ない油圧ローディングがかけられる遠心分離単位を多く必要としない。細胞除去及び蒸発は、典型的には酸性化の前に実行される。発酵ブロス中の3HP及び/又はその塩の濃度及び細胞の不在は、酸性化及び石膏除去などの酸性化後の処理をより効果的にすると考えられている。
酸性化:図1の工程4を参照すると、蒸発による濃縮された3HP含有ブロスに硫酸を加えてpHを低下させ、3HPのカルシウム塩の大部分を遊離酸形態に変換する。形成されたCaSO(石膏としても既知である)は、溶液中から沈殿する。大型の撹拌バッチ反応器中、ブロス含有濃縮3HPに15〜25分間かけて硫酸をゆっくり加え、石膏析出物をゆっくりと形成する。濃縮ブロスのpHが1.7〜1.8に達するまで硫酸を加える。
酸性化工程は、バッチプロセス又はそれに連続プロセスとして実行可能である。連続して酸性化プロセスを行うことは、酸性化タンクを並べる必要性がなく、大量のブロス含有濃縮3HPを処理できる利点を有する。連続酸性化工程の一例として、115m/時のブロス流速において、酸性化タンクは、典型的には40mを超える容量を有し、典型的には少なくとも20分間の滞留時間を有する。硫酸の添加速度を、溶液のpHが1.6〜1.8となるように制御する。
石膏除去のための清澄化:図1の工程5を参照すると、石膏粒子含有酸性化3HPブロスを、次に、清澄化して石膏を除去する。酸性化工程と組み合わせ、清澄化工程によって、酸性化前のブロス中のカルシウムを95%超除去する。石膏を含有する酸性化3HPブロスのスラリーを、ベルトフィルター上に供給して石膏粒子を濾過する。濾液が塊及びフィルタに浸透するにつれて石膏の濾塊がフィルタ上に形成する。フィルターがブロスを引くのを助けるために、真空をかける。石膏塊は、残りの3HPブロスを含有する。したがって、3HPの回収率を向上するため、水を石膏塊に噴射し、濾過物としての塊からブロスを洗い流す。更に3HPの回収率を向上するため、追加の洗浄工程を実行し、濾過物を収集する。使用する洗浄水の量を低減するために、逆流洗浄系を用いる。新鮮な水を第2洗浄段階に適用する。その洗浄での濾過物を、第1洗浄段階に使用する。
石膏ケークの厚さは、典型的には1インチ又はそれより薄く、そのために濾過物は容易に塊及びフィルターに浸透できる。酸性化工程に供給する蒸発した発酵ブロス中の3HPの濃度が増加するにつれ、石膏塊中の3HPの浸透又は流速は減少する。表10−1は、酸性化に供給する3HP当量と、結果として生じるブロスがフィルターを通る流速との関係性を示している。典型的には、酸性化工程前の蒸発工程は、3HP当量に濃縮されたブロスを提供する方法で実行され、ここで、3HP当量濃度は350g/L未満であり、好ましくは330g/L未満である。
Figure 2016518821
表10−1から分かるとおり、酸性化直前のブロスの3HP当量濃度は、好ましくは330グラム未満の3HP当量/ブロス(リットル)である。
加圧濾過機又は遠心分離機などの他の濾過装置を使用して石膏の除去(すなわち、清澄化工程)を行うことができる。
イオン交換/脱塩:図1の工程6を参照すると、清澄化した3HPブロスは、次に、ブロス中に存在する全硫酸イオン及びリン酸イオンを低減させ、イオン低減化水溶液を生成するために処理される。ブロスを陽イオン交換カラムに通し、はじめに残りのカルシウム並びにカリウム及びマグネシウムなどの他の陽イオンを除去する。陽イオン樹脂の容量が消費されると、陽イオンの一部分が漏出しはじめ、溶出液とともに3HP含有溶液が流出する。これが起きた場合、水をカラムに供給しカラム中の残りの3HPを溶出する。次に、HCl溶液でカラムを再生し、水で濯いだ後、使用できる状態に戻す。
次に、陽イオンカラムからの3HP溶出液を陰イオンカラムに供給し、特にリン陰イオン及び硫酸陰イオンである陰イオンを除去する。硫酸塩及びリン酸塩濃度は、続く蒸留工程に影響を及ぼし得るため、イオン交換体の最終生成物中の硫酸塩及びリン酸塩の濃度を制御するのが望ましい。電荷密度のために、リン酸イオンが最初に漏出する傾向がある。硫酸塩レベルが漏出しはじめた場合には、水をカラムに供給して任意の残りの3HPを溶出させる。NaOH溶液でカラムを再生し、水で濯いだ後、使用できる状態に戻す。
上述の脱塩により入手可能な3HPを含むイオン低減化水溶液の特性を表10−2で示す。
Figure 2016518821
表10−2は、3,000ppm未満、ある場合には1,000ppm未満の全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度を有する3HP含有イオン低減化水溶液が、大規模で効果的に生成され得ることを示している。
(実施例11)
次に、図2を参照すると、本実施例において、実施例10からの3HP含有イオン低減化水溶液を3段階熱蒸気再圧縮系に供給する。ここで、0.39バールの圧力条件のもと、各段階は80℃〜85℃の温度を有し、21重量%の3HP(220g/Lの3HP)から62重量%の3HPまでイオン低減化水溶液の濃度を増加させる。脱塩蒸発プロセスで凝縮された水蒸気は、発酵に使用するために、及び/又は脱塩で流すために再生される。
次に、濃縮3HP含有溶液を2つの連続した蒸留カラムに供給する。これらのカラムにおいて、3HP及び水は留出液中に留出し、3HPのオリゴマー及び残りの糖などの不純物はカラムの底から出る。第1カラムは35mmHgの圧力及び135℃の内部温度で操作する。第2蒸留カラムに供給されるのは、第1蒸留工程からの未蒸発塔底部生成物である。第2カラムは3mmHgの圧力及び125℃の内部温度で操作する。蒸留カラムからの留出液を凝縮器中で冷水で凝縮し、3HPが60重量%の最終生成物とする。
本実施例(以下の実施例12と比較した際)は、実施例12と比較した際により低い資本及びエネルギーのコストを提供する。
(実施例12)
表3を参照すると、高いエネルギーコスト及び高い資本コストを負担してでも発酵ブロスから3HPの全回収率が高いことが望ましい場合には、実施例12が好ましい。実施例12は、実施例11と同じ単位操作を含むが、その操作の順序を変更して実施している。
本実施例において、実施例10からの3HP含有イオン低減化水溶液を3段階熱蒸気再圧縮系に供給する。これらのカラムにおいて、3HP及び水は留出液中に留出し、3HPのオリゴマー及び残りの糖などの不純物はカラムの底から出る。第1カラムは35mmHgの圧力及び135℃の内部温度で操作する。第2蒸留カラムに供給されるのは、第1蒸留工程からの未蒸発塔底部生成物である。第2カラムは3mmHgの圧力及び125℃〜150℃の温度で操作する。蒸留カラムからの留出液を凝縮器中で冷水で凝縮し、3HPが21重量%の最終生成物とする。実施例11と比較した際、3HPの濃度は、実施例12の蒸留カラムよりも低い。これによって、カラムを低温で操作することが可能となり、熱力学に影響を及ぼし、3HPの全回収率を上昇する。低濃度であることは、追加の水を蒸発して留出液としなくてはならず(エネルギーコストの上昇をもたらす)、大容量を蒸発するために全ユニットを大きくする必要があることを意味する。
次に、蒸留したブロスを3段階熱蒸気再圧縮系に供給する。ここで、0.39バールの圧力条件のもと、各段階は80℃〜85℃の温度を有し、21重量%の3HPから60重量%の3HPまでイオン低減化水溶液の濃度を増加させる。脱塩蒸発プロセスで凝縮された水蒸気は、発酵に使用するために、及び/又は脱塩で流すために再生される。
(実施例13)
実施例11若しくは実施例12のいずれかの蒸留工程は、任意の水蒸気ストリッピングを加えることで改変し得る。水蒸気ストリッピングにおいて、水蒸気を蒸留カラムの底部に加えることで、3HPが蒸発できる付加的な質量とすることができる。これは、プロセスからの3HPの全回収率を増加させる効果を有するが、エネルギー使用量を増加し、回収した3HPの最終濃度を低減させる。水蒸気ストリッピングは、少なくとも40重量%の3HP(好ましくは少なくとも50重量%の3HP)を有する典型的には3HP含有イオン低減化水溶液とともに用いられる。
一例として、その使用を限定はしないが、図4は、ストリッピング水蒸気を加えることが、60重量%の3HPの供給による蒸留カラムにおける全回収率に及ぼす影響について図示している。図4は、蒸留系へ導入される水蒸気の供給速度が上昇すると(3HP含有溶液の供給速度と比較して)、留出液で回収される全3HPの割合が上昇することを示している。しかしながら、一般的には、水蒸気供給速度:3HP供給速度の比率が上昇すると、必要とされるエネルギー使用量は増加し、留出液における3HPの濃度は減少する。
水蒸気ストリッピングを有するか、有さない、実施例11及び12で得られるエネルギーコスト及び収量を以下の表13−1で列挙する。
Figure 2016518821
表13−1は、蒸留前に蒸発を使用する方法による3HPの相対的な回収率は、最初に3HPを蒸留した後に蒸発を使用して濃度を増加させる方法による回収率よりも若干低いことを示している。しかしながら、表13−1から分かるように、3HP含有イオン低減化水溶液の他の構成要素から3HPを分離するために蒸留工程を使用し、次に、蒸発を用いて3HPの濃度を増加させるシステムは、実施例11に記載されるような比較可能なシステムよりもより多くのエネルギーを用いる。
全特許、特許出願(仮出願を含む)、及び本明細書で引用される公報は、全ての目的において個別に組み込まれるように、参照として組み込まれる。特に指定のない場合、全ての部及びパーセントは重量で表され、全分子量は重量平均分子量である。先の詳細な説明は、理解を明確にするためにのみ提示してきた。そこからは不要な限定は理解されない。本発明は示された及び記載された正確な詳細に制限されることなく、当業者に明らかな改変は、特許請求の範囲に規定される発明に含まれる。

Claims (48)

  1. 3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩を含む発酵ブロスから3−ヒドロキシプロピオン酸が富化された組成物を回収する方法であって、
    (a)約2〜約8のpHを有する発酵ブロスを提供する工程であって、前記発酵ブロスは、
    3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩、及び
    全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度、を含む、工程と
    (b)前記発酵ブロスを酸性化し、約1〜約3までpHを低減させて、3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水溶液を形成する工程と、
    (c)前記水溶液の前記全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度を低減させて、3−ヒドロキシプロピオン酸を含むイオン低減化水溶液を生成する工程と、
    (d)前記イオン低減化水溶液に真空及び熱を加えて、約1〜3のpHで前記イオン低減化水溶液を蒸留し、3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水性蒸留生成物を形成する工程と、
    (e)少なくとも30重量%の前記水性蒸留生成物の濃度で、前記3−ヒドロキシプロピオン酸を含む水性蒸留生成物を回収する工程と、を含み、前記蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり、5重量部未満のアクリル酸を含む、方法。
  2. 前記発酵ブロスは、工程(a)において約2〜約5のpHを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記発酵ブロスは、工程(a)において約2.5〜約4.5のpHを有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記発酵ブロスのpHは、工程(b)において約1.5〜約2.5のpHに低下する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記3−ヒドロキシプロピオン酸は、前記水性蒸留生成物の重量に対して少なくとも約35重量%の濃度で、工程(e)において回収される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記3−ヒドロキシプロピオン酸は、前記水性蒸留生成物の重量に対して少なくとも約40重量%の濃度で、工程(e)において回収される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程(e)において回収される前記水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約3重量部未満のアクリル酸を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(e)において回収される前記水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約1重量部未満のアクリル酸を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程(e)において回収される前記水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約0.5重量部未満のアクリル酸を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記蒸留工程(d)は、イオン低減化水溶液を約100℃〜約200℃の温度まで加熱する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記蒸留工程(d)は、イオン低減化水溶液を約120℃〜約180℃の温度まで加熱する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記蒸留工程(d)は、イオン低減化水溶液を約130℃〜約170℃の温度まで加熱する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記蒸留工程(d)は、イオン低減化水溶液を約130℃〜約150℃の温度まで加熱する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記蒸留工程(d)は、約0.5〜約50mm Hgの絶対圧力下で行われる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記蒸留工程(d)は、約5〜約40mm Hgの絶対圧力下で行われる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記蒸留工程(d)は、約10〜約35mm Hgの絶対圧力下で行われる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記蒸留工程(d)は、5分未満の時間、100℃以上の温度でイオン低減化水溶液を加熱することで行われる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記蒸留工程(d)は、3分未満の時間、120℃以上の温度でイオン低減化水溶液を加熱することで行われる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記蒸留工程(d)は、2分未満の時間、130℃以上の温度でイオン低減化水溶液を加熱することで行われる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記イオン低減化水溶液の蒸留工程(d)は、ワイパー式薄膜蒸発装置、薄膜上昇式蒸発装置、薄膜蒸発装置、(遠心分離)分子蒸留装置、薄膜降下式蒸留装置、又はこれらの組合わせから選択される装置によって行われる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 工程(a)の前記発酵ブロスにおける3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度は、ブロス1リットル当たり約30〜約200グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 工程(a)の前記発酵ブロスにおける3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度は、ブロス1リットル当たり約60〜約150グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  23. 工程(a)の前記発酵ブロスにおける3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度は、ブロス1リットル当たり約70〜約130グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  24. 工程(c)による前記イオン低減化水溶液中の全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度は、約10,000ppm未満である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 工程(c)による前記イオン低減化水溶液中の全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度は、約5,000ppm未満である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  26. 工程(c)による前記イオン低減化水溶液中の全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度は、約3,000ppm未満である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記水溶液の全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度を低減させる前記工程(c)は、イオン交換体を使用することによって行われる、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記イオン交換体が、陰イオン交換樹脂を含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記工程(c)が、陽イオン交換樹脂を利用することによって陽イオンを低減することを更に含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記工程(d)の蒸留より前のイオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度が、約20重量%〜約80重量%である、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記工程(d)の蒸留より前のイオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度が、約25重量%〜約70重量%である、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記工程(d)の蒸留より前のイオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度が、約30重量%〜約60重量%である、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  33. 工程(c)において、全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度は、約5,000ppm未満まで低減され、
    工程(d)における蒸留前の前記イオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約30重量%〜約60重量%であり、
    工程(e)において回収される前記水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約1重量部未満のアクリル酸を含有する、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 工程(c)において、全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度は、約3,000ppm未満まで低減され;
    工程(d)における蒸留前の前記イオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約30重量%〜約60重量%であり、
    工程(e)において回収される前記水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約0.5重量部未満のアクリル酸を含有する、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
  35. (f)蒸留塔底流を蒸留工程(d)から回収する工程であって、前記蒸留塔底流は、工程(c)の前記イオン低減化水溶液中に存在する3−ヒドロキシプロピオン酸の総量の約5%〜約20%の3−ヒドロキシプロピオン酸を含む、工程と、
    (g)前記蒸留塔底流に真空及び熱を適用する工程と、
    (h)3−ヒドロキシプロピオン酸を含む第2の水性蒸留生成物を回収する工程であって、前記第2の水性蒸留生成物は、前記第2の水性蒸留生成物中に存在する3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約3重量未満のアクリル酸を含む、工程を更に含む、請求港1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 水が、工程(g)の前に、前記蒸留塔底流に添加される、請求項35に記載の方法。
  37. 酸性化工程(b)の前に、
    (i)約60℃〜約100℃のブロス温度で、前記発酵ブロス中に存在する前記液体の一部分を蒸発させることによって、工程(a)の前記発酵ブロス中の3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度をブロス1リットル当たり約100〜約500グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量まで増加させる工程、を更に含む、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記発酵ブロス中の3−ヒドロキシプロピオン酸及び/又はその塩の濃度は、ブロス1リットル当たり約250〜約400グラムの3−ヒドロキシプロピオン酸当量まで増加させる、請求項37に記載の方法。
  39. 前記液体の蒸発は、約70℃〜約90℃のブロス温度で行われる、請求項37又は38に記載の方法。
  40. 蒸留工程(d)前に、
    (j)約60℃〜約100℃の溶液温度で前記イオン低減化水溶液中に存在する前記液体の一部分を蒸発させることによって、工程(c)の前記イオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度を約30重量%〜約70重量%まで増加させる工程、を更に含む、請求項1〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記液体の蒸発は、約70℃〜約90℃の溶液温度で行われる、請求項40に記載の方法。
  42. 工程(c)の前の前記発酵ブロス中に存在する微生物細胞の量を低減化する工程(k)を更に含む、請求項1〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記低減化工程(k)は、前記酸性化工程(b)の前に行われる、請求項42に記載の方法。
  44. 前記低減化工程(k)は、遠心分離、ベルトフィルター、ドラムフィルター、メンブレンフィルターから選択される分離装置の使用によって行われる、請求項43に記載の方法。
  45. 工程(c)の前の3−ヒドロキシプロピオン酸を含む前記水溶液中に存在する石膏の量を低減する工程(l)を更に含む、請求項1〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記工程(l)は、遠心分離、ベルトフィルター、ドラムフィルター、メンブレンフィルターから選択される分離装置の使用によって行われる、請求項45に記載の方法。
  47. 工程(c)において、全硫酸イオン及びリン酸イオン濃度は、約3,000ppm未満まで低減され;
    蒸留工程(d)前の前記イオン低減化水溶液中の3−ヒドロキシプロピオン酸の濃度は、約30重量%〜約60重量%であり、
    前記蒸留工程(d)は、前記イオン低減化水溶液を約130℃〜約150℃の温度まで加熱する工程を含み;
    前記蒸留工程(d)は、約10〜約35mm Hgの絶対圧力下で行われ、
    工程(e)において回収される水性蒸留生成物は、3−ヒドロキシプロピオン酸100重量部当たり約0.5重量部未満のアクリル酸を含有する、請求港1〜46のいずれいか一項に記載の方法。
  48. 前記液体の蒸発は、約250〜約300Torrの圧力下で行われる、請求項37〜41のいずれか一項に記載の方法。
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