本発明は、通信分野に関し、特に媒体アクセス制御(MAC:Media Access Control)層エンティティの処理方法、ユーザ装置及び通信システムに関する。
LTE−Aシステムでは、ユーザ装置(端末とも称される)は主にエアーインタフェースを介して基地局と通信する。エアーインタフェースプロトコルは、制御プレーンとデータプレーンに分けられる。そのうち、制御プレーンは主にエアーインタフェースの制御情報を生成、伝送するために用いられ、ユーザプレーンは主にユーザデータを伝送するために用いられる。
図1はユーザ装置と基地局との間の制御プレーンプロトコルの構成を示す図であり、図2はユーザ装置と基地局との間のユーザプレーンプロトコルの構成を示す図である。図1及び図2に示すように、ユーザプレーンでも制御プレーンでも、ユーザ装置側では対応するMAC層が存在する。実際には、装置を具体的に実施する際に、MAC層はユーザプレーンと制御プレーンにより共有される。
図3はユーザ装置側のMAC層の構成を示す図である。図3に示すように、最も右側の制御モジュールは、MAC層における他の全てのエンティティを制御する。右下側のランダムアクセス制御(Random Access Control)モジュールは、ランダムアクセスプロセスを制御する。左下側のハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)モジュールは、アップリンク及びダウンリンクのHARQ動作を行う。中央の(逆)多重化((De-)Multiplexing)モジュールは、デュアルコネクティビティであり、ダウンリンクにおいてMACプロトコルデータユニット(PDU:Protocol Data Unit)に対する逆多重化を行い、逆多重化が完了した後で関連するデータを対応するダウンリンクCCCHチャネル、ダウンリンクDCCHチャネル及びダウンリンクDTCHチャネルに伝送し、アップリンクにおいてアップリンクCCCHチャネル、アップリンクDCCHチャネル及びアップリンクDTCHチャネルからのデータ及びMAC層制御情報要素を多重化し、MAC PDUを生成する。最も左側の逆多重化(De Multiplexing)モジュールは、ダウンリンクのみについて、MCHから伝送されたデータを逆多重化し、MCCH及びMTCHチャネルにそれぞれ伝送する。最も上の論理チャネル優先順位付け(Logical Channel Prioritization)モジュールは、アップリンクチャネルのみについて、所定の優先順位付けルールに従って、異なる論理チャネルからのデータ及びMAC層制御情報要素に対して異なる優先順位を用いて処理を行う。
従来のLTE−A CAシステムでは、MAC層に対する主な動作は、2つ、即ち再構成及びリセットがある。再構成プロセスでは、MAC層の関連構成は増加、変更、又は削除される。そのうち、再構成プロセスでは、セカンダリセルが増加された場合は、MAC層は対応するHARQエンティティを初期化する必要があり、これは、各セカンダリセルは異なるHARQエンティティを必要とするからである。セカンダリセルが除去された場合、対応するHARQエンティティも除去されるべきであり、これは、このHARQエンティティが除去されないと、ユーザ装置のリソースを占有するからである。MAC層のリセットプロセスでは、MAC層のタイマを停止し、全ての関連プロセスをキャンセルすること等の動作があり、その目的は、MAC層の設定を初期の既知の状態に位置させるためである。しかし、リセットプロセスでは、MAC層の他のエンティティを、HARQエンティティのように初期化、或いは除去する動作がない。即ち、MAC層のHARQエンティティ以外のエンティティは、MAC層がリセットされた後にも依然として存在している。MAC層全体として、MAC層がリセットされた後にも、MACエンティティ全体は依然として存在している。
LTE−Aシステムでは、ユーザ装置は2つの状態、即ち接続状態及びアイドル状態を有する。接続状態では、ユーザ装置がネットワーク側との間で専用データを送受信でき、アイドル状態では、ユーザ装置がネットワーク側からブロードキャスト又はマルチキャストデータを受信することしかできない。アイドル状態から接続状態に変換する場合、ネットワーク側はユーザ装置に多くの専用無線リソースを構成する必要があり、ユーザ装置自身も接続状態のために専用リソースを構成し、例えば関連するエンティティを確立し、関連するタイマを起動する必要がある。一方、接続状態からアイドル状態に変換する場合、これらの全ての無線リソース及びユーザ装置の専用リソースを解放する必要がある。
[非特許文献1]には、接続状態から離れる場合のユーザ装置の動作を定義し、該動作は、MACエンティティをリセットすること、T320、T324及びT330以外の全ての動作しているタイマを停止すること、無線ベアラが既に確立された全ての無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)エンティティ、並びにMAC構成及び関連するパケットデータ収束プロトコル(PDCP:Packet Data Converge Protocol)エンティティ等を含む全ての無線リソースを解放することを含む。ユーザ装置が接続状態から離れる場合、MAC層におけるHARQエンティティ以外の他のエンティティが解放、或いは除去されていないことが分かった。
一方、従来のLTE−Aシステムでは、主にマクロセル(Macro Cell)が配置されている。将来のトラフィックの増加に伴い、システムのペイロード・ブリッジング又はカバレッジの拡張を図るため、スモールセル(small cell)(例えばマイクロセル(Micro Cell)、ピコセル(Pico Cell)、フェムトセル(Femto Cell)又はリモート無線ヘッド(RRH)等)をさらに配置する可能性がある。スモールセルは、カバーエリアが比較的に小さいが、数が比較的に多い。
しかし、本発明の発明者の発見によれば、スモールセルの配置のみを行い、制御を最適化しないと、ハンドオーバの回数が多いこと、ドロップ(drop)率が増加すること、及び制御シグナリングの負荷が増加することなどの問題点がある。また、従来のプロトコルの定義によると、MACエンティティはいずれも削除、除去されない。2つ以上のコネクティビティが存在する場合にMACエンティティは如何に確立、削除されるかについて、従来技術では検討されていない。従って、制御を最適化しないと、ユーザ装置の無駄なリソースの低減を確保できないため、ユーザ装置の処理能力を効率的に向上できない。
なお、背景技術に関する上記の説明は、単なる本発明の技術案をより明確、完全に説明するためのものであり、当業者を理解させるために説明するものであり。これら技術案が本発明の背景技術の部分に説明されているから当業者にとって周知の技術であると解釈してはならない。
以下は、本発明及び周知技術を理解するための文献を列記し、これらの文献を本明細書に説明するように援用する。
[非特許文献1]:3GPP TS 36.331 V11.3.0(2013-03) Radio Resource Control (RRC) specification.(Release 11)
[非特許文献2]:3GPP TS 36.321 V11.2.0(2013-03). Medium Access Control (MAC) protocol specification (Release 11)
[非特許文献3]:3GPP TS 36.300 V11.5.0(2013-03) Overall description (Stage 2).(Release 11)
本発明の実施例は、MACエンティティを合理的に確立し、或いは削除し、ユーザ装置のリソースを効率的に管理する、MAC層エンティティの処理方法、ユーザ装置及び通信システムを提供することを目的とする。
本発明の実施例の一の態様では、MAC(媒体アクセス制御)層エンティティの処理方法であって、ユーザ装置とネットワーク側との間に第1のコネクティビティ及び前記第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在するように、前記ユーザ装置が、前記第2のコネクティビティのために対応するMAC層エンティティを確立するステップ、を含み、前記第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、方法を提供する。
本発明の実施例の他の態様では、MAC(媒体アクセス制御)層エンティティの処理方法であって、ユーザ装置が第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放するステップを含み、前記ユーザ装置とネットワーク側との間に、第1のコネクティビティ及び前記第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する前記第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在し、前記第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、方法を提供する。
本発明の実施例の他の態様では、ユーザ装置であって、前記ユーザ装置とネットワーク側との間に第1のコネクティビティ及び前記第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティを確立するように、前記第2のコネクティビティのために対応するMAC(媒体アクセス制御)層エンティティを確立するコネクティビティ確立手段、を含み、前記第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、ユーザ装置を提供する。
本発明の実施例の他の態様では、ユーザ装置であって、第2のコネクティビティのMAC(媒体アクセス制御)層エンティティを解放するコネクティビティ解放手段を含み、前記ユーザ装置とネットワーク側との間に、第1のコネクティビティ及び前記第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する前記第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在し、前記第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、ユーザ装置を提供する。
本発明の実施例の他の態様では、上記のユーザ装置を含む、通信システムを提供する。
本発明の実施例の他の態様では、ユーザ装置においてプログラムを実行する際に、コンピュータに、上記のMAC層エンティティの処理方法を前記ユーザ装置において実行させる、コンピュータ読み取り可能なプログラムを提供する。
本発明の実施例の他の態様では、コンピュータに、上記のMAC層エンティティの処理方法をユーザ装置において実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを記憶する、記憶媒体を提供する。
本発明の実施例の有益な効果としては、デュアルコネクティビティ構成のMACエンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、制御を最適化した上でユーザ装置の無駄なリソースを低減できる。
下記の説明及び図面に示すように、本発明の特定の実施形態が詳細に開示され、本発明の原理を採用できる方式が示される。なお、本発明の実施形態の範囲はこれらに限定されない。本発明の実施形態は、添付される特許請求の範囲の要旨及び項目の範囲内において、変更されたもの、修正されたもの及び均等的なものを含む。
1つの実施形態に記載された特徴及び/又は示された特徴は、同一又は類似の方式で1つ又はさらに多くの他の実施形態で用いられてもよいし、他の実施形態における特徴と組み合わせてもよいし、他の実施形態における特徴に代わってもよい。
なお、本文では、用語「包括/含む」は、特徴、部材、ステップ又はコンポーネントが存在することを指し、一つ又は複数の他の特徴、部材、ステップ又はコンポーネントの存在又は付加を排除しない。
本発明の多くの態様は、以下の図面を参照しながら理解できる。図面における素子は比例に応じて記載されたものではなく、本発明の原理を示すためのものである。本発明の一部分を示す又は記載するため、図面における対応部分は拡大或いは縮小される可能性がある。
本発明の1つの図面及び1つの実施形態に記載された要素及び特徴は、1つ又はさらに多くの図面又は実施形態に示された要素及び特徴と組み合わせてもよい。また、図面において、類似の符号は複数の図面における対応する素子を示し、1つ以上の実施形態に用いられる対応素子を示してもよい。
ユーザ装置と基地局との間の制御プレーンプロトコルの構成を示す図である。
ユーザ装置と基地局との間のユーザプレーンプロトコルの構成を示す図である。
ユーザ装置側のMAC層の構成を示す図である。
アップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの構成を示す図である。
アップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの他の構成を示す図である。
アップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの構成を示す図である。
アップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの他の構成を示す図である。
本発明の実施例1のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例1の第2のコネクティビティのMAC層エンティティの構成を示す図である。
本発明の実施例1のMAC層エンティティの処理方法の他のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法の他のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例3のユーザ装置の構成を示す図である。
本発明の実施例3のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例5の通信システムの構成を示す図である。
図面を参照しながら、本発明の上記及び他の特徴を説明する。下記の説明及び図面に示すように、本発明の特定の実施形態が詳細に開示され、本発明の原理を採用できる実施形態の一部が示される。なお、本発明の実施形態の範囲はこれらに限定されない。本発明の実施形態は、添付される特許請求の範囲の要旨及び項目の範囲内において、変更されたもの、修正されたもの及び均等的なものを含む。
標準化団体では、マクロセルとスモールセルとが共存する場合に存在する複数の問題点を解決するために、デュアルコネクティビティ(Dual Connectivity)構造が提案された。デュアルコネクティビティ構造では、ユーザ装置(端末と称されてもよい)はネットワーク側と2つ又は複数のコネクティビティ(Connectivity)を同時に確立することができる。典型的には、1つのコネクティビティはユーザ装置とマクロセル基地局との間にあり、もう1つはユーザ装置とスモールセル基地局との間にあり、ここで第1のコネクティビティ(例えばマクロコネクティビティ)と第2のコネクティビティ(例えばスモールコネクティビティ)とそれぞれ称されてもよい。
通常、スモールコネクティビティに比べて、マクロコネクティビティはより強い機能を有し、より多くの制御機能を有することができる。例えば、制御プレーンの無線リソース制御機能はマクロコネクティビティのみに存在し、若しくはマクロコネクティビティにおける無線リソース制御機能はマクロコネクティビティの制御以外、スモールコネクティビティの一部の無線リソース制御機能をさらに有し、又はより多くのチャネルをキャリーし、例えばマクロコネクティビティがブロードキャストチャネル、ページングチャネルなどをキャリーしてもよく、又はより多くの種類の無線キャリアをキャリーし、例えばマクロコネクティビティで信号無線キャリア及びデータ無線キャリアをキャリーしてもよい。一方、スモールコネクティビティでデータ無線キャリアのみをキャリーしてもよい。
なお、本発明の第1のコネクティビティはユーザ装置とマクロセル基地局との間のものに限定されず、第2のコネクティビティもユーザ装置とスモールセル基地局との間のものに限定されない。例えば、第1のコネクティビティはユーザ装置とスモールセル基地局との間に存在してもよく、第2のコネクティビティはユーザ装置とマクロセル基地局との間に存在してもよい。この場合は、ユーザ装置とスモールセル基地局との間の第1のコネクティビティの機能は、ユーザ装置とマクロセル基地局との間の第2のコネクティビティの機能よりも強くてもよい。本発明はこれに限定されず、以下は、第1のコネクティビティがユーザ装置とマクロセル基地局との間にあり、第2のコネクティビティがユーザ装置とスモールセル基地局との間にあることを一例として、本発明を詳細に説明する。また、具体的に実施する際に、ユーザ装置とネットワークとの間に3つ以上のコネクティビティが存在する可能性あり、この場合は、1つだけのコネクティビティは第1のコネクティビティであり、他のコネクティビティはいずれも第2のコネクティビティである。本発明の内容は同様に複数のコネクティビティの場合にも適用してもよい。
各コネクティビティ内には、複数の層(例えば物理(PHY)層、MAC層、RLC層など)により制御プレーンの機能(主にエアーインタフェース制御シグナリングの生成及び伝送に関する)及びユーザプレーンの機能(主にエアーインタフェースユーザデータの伝送に関する)を果たす。デュアルコネクティビティ構造を実現するために、エアーインタフェースのプロトコルスタック構造は複数の選択肢がある。ユーザプレーン及び制御プレーンは同様な考え方で複数のプロトコルスタック構造の分析を行うことができるため、以下は、ユーザプレーンを一例として説明する。
図4はアップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの構成を示す図であり、PDCP層で分けられた場合のものを示している。図4に示すように、2つのコネクティビティにはいずれも分散型のPDCP層、RLC層、MAC層及びPHY層を有する。
図5はアップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの他の構成を示す図であり、RLC層で分けられた場合のものを示している。図5に示すように、2つのコネクティビティにはいずれも分散型のRLC層、MAC層及びPHY層を有する。しかし、ユーザ装置には集中型のPDCP層が有し、PDCP層は2つのコネクティビティにおけるRLC層に関連している。
図6はアップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの構成を示す図であり、MAC層で分けられた場合のものを示している。図6に示すように、2つのコネクティビティにはいずれも分散型のMAC層及びPHY層を有する。しかし、ユーザ装置には集中型のPDCP層及びRLC層が有し、RLC層は2つのコネクティビティにおけるMAC層に関連している。
図7はアップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの他の構成を示す図であり、PHY層で分けられた場合のものを示している。図7に示すように、2つのコネクティビティにはいずれも分散型のPHY層を有する。しかし、ユーザ装置には集中型のPDCP層、RLC層及びMAC層が有する。
図4乃至図6に示すように、図4乃至図6にはいずれも2つのMAC層エンティティが有し、そのうち1つはマクロコネクティビティにあり、もう1つはスモールコネクティビティにある。ユーザ装置とネットワーク側との間にこのようなデュアルコネクティビティを確立した場合、ユーザ装置が接続状態から離れ、或いは第2のコネクティビティを解放したとき、従来のプロトコルの定義によれば、いずれのMACエンティティも削除、除去されない。ユーザ装置がアイドル状態に変換した場合、2つのMACエンティティを維持する必要があるため、リソースを浪費するから、これを回避する必要がある。
<実施例1>
本発明の実施例はMAC(媒体アクセス制御)層エンティティの処理方法を提供する。図8は本発明の実施例1のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図8に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ801:ユーザ装置は、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが存在するように、第2のコネクティビティのために対応するMAC層エンティティを確立する。該デュアルコネクティビティは、第1のコネクティビティ及び、第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含む。第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。
1つの態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、制御モジュールをさらに含む。第2のコネクティビティのMAC層エンティティ及び第1のコネクティビティのMAC層エンティティは、それぞれ制御モジュールを用いて独立して制御されることで、完全に独立した分散型のMAC構造を形成する。
この態様では、2つのコネクティビティにおけるMAC層エンティティは完全に独立し、即ち各MAC層エンティティは共に自分の独立した制御モジュールを有する。例えば、第1のコネクティビティ(マクロコネクティビティ)のMAC層エンティティは従来プロトコルの構造(例えば図3に示す構造)を用いてもよく、第2のコネクティビティ(スモールコネクティビティ)のMAC層エンティティは図9に示す構造を用いてもよい。
図9は本発明の実施例1の第2のコネクティビティのMAC層エンティティの構成を示す図である。図9に示すように、(逆)多重化モジュール、論理チャネル優先順位付けモジュールは共に第2のコネクティビティのMAC層における制御モジュールにより制御され、その動作が第1のコネクティビティのMAC層から独立している。
また、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQ(ハイブリッド自動再送要求)モジュールをさらに含んでもよい。図9に示すように、HARQモジュール及びランダムアクセス制御モジュールも、第2のコネクティビティのMAC層における制御モジュールにより制御され、第1のコネクティビティのMAC層から独立している。
なお、本発明はこれに限定されず、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは他の実施形態をさらに有してもよい。本実施形態では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも制御モジュール、(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。これらのモジュールの具体的な構造又は実施は、従来技術を参照してもよい。
もう1つの態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティ及び第1のコネクティビティのMAC層エンティティは、共通の制御モジュールを用いて制御されることで、半独立した分散型のMAC構造を形成する。
この態様では、2つのコネクティビティにおけるMAC層エンティティは同一の制御モジュールにより制御されてもよい。このように、制御モジュールは、2つの(逆)多重化モジュール(各コネクティビティは1つに対応する)、2つの論理チャネル優先順位付けモジュール(各コネクティビティは1つに対応する)を制御する。
また、第2のコネクティビティに対応する物理チャネルが有する場合、このMAC層エンティティは、第2のコネクティビティに対応するランダムアクセス制御モジュール及び第2のコネクティビティに対応するHARQモジュールをさらに有する。それと共に、制御モジュールも、第2のコネクティビティに対応するランダムアクセス制御モジュール及び第2のコネクティビティに対応するHARQモジュールを制御する。
この態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは少なくとも(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。第2のコネクティビティに対応する(逆)多重化モジュール、論理チャネル優先順位付けモジュール、ランダムアクセス制御モジュール及びHARQモジュールも所定の構造に従って接続している。例えば、図9における構造に従って制御される。
これによって、デュアルコネクティビティ構造においてMAC層エンティティを合理的に確立することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理できる。
図10は本発明の実施例1のMAC層エンティティの処理方法の他のフローチャートであり、図10に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1001:ユーザ装置は、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが存在するように、第2のコネクティビティのために対応するMAC層エンティティを確立する。該デュアルコネクティビティは、第1のコネクティビティ及び第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含む。
ステップ1002:ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
本実施例では、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが存在する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信し、或いはユーザ装置が接続状態から離れるとき、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。なお、本発明の第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放するための条件はこれに限定されず、他の解放条件であってもよい。
1つの態様では、ユーザ装置はまず第2のコネクティビティを解放して、そして、接続状態から離れる動作を行う場合、従来のプロトコルの定義に従って、接続状態から離れる動作を行う、ここで、第2のコネクティビティを解放するプロセスでは、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放し、第2のコネクティビティに関連するタイマを停止し、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソース構成を解放することを含んでもよい。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放することを具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが完全に独立した分散型のMAC構造であり、即ち独立した制御モジュールを含む場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する際に、少なくとも第2のコネクティビティのMAC層エンティティの制御モジュール、(逆)多重化モジュール、論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
第2のコネクティビティを解放することをプロトコルで具体的に実現する際に、「第2のコネクティビティの解放」のプロセスで、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放し、第2のコネクティビティに関連するアイドル状態において動作するべきもの以外の全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソース構成を解放することを規定してもよい。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
このように、ユーザ装置は、基地局の接続解放メッセージを受信した場合、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求した場合、ユーザ装置がE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)システムからハンドオーバした場合、又は接続状態から離れることを要求する他の命令を受信した場合、該ユーザ装置がデュアルコネクティビティ構造を有するか否かを判断する。デュアルコネクティビティ構造を有する場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放して、従来のプロトコルの規定に従って接続状態から離れる動作を行う。該動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットし、T320、T325及びT330以外の全ての動作しているタイマを停止し、無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ、MAC層構成及び関連するPDCP層エンティティを含む第1のコネクティビティの全ての無線リソースを解放することを含む。また、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロス無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)のセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態になり、関連するプロトコルに従って関連動作を行う。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放することを具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが半独立した分散型のMAC構造を用い、即ち第1のコネクティビティのMAC層エンティティと制御モジュールを共有する場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放するプロセスでは、第2のコネクティビティにおける関連するMAC層エンティティを解放し、少なくとも(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
第2のコネクティビティを解放することをプロトコルで具体的に実現する際に、「MAC再構成」のプロセスで、1つのコネクティビティを解放する際に、ユーザ装置が、解放されるコネクティビティのために、少なくとも対応する(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する。そして、「第2のコネクティビティの解放」のプロセスでは、第2のコネクティビティに関連するアイドル状態において動作するべきもの以外の全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソース構成を解放することを規定する。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
このように、ユーザ装置は、基地局の接続解放メッセージを受信した場合、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求した場合、ユーザ装置がE−UTRAシステムからハンドオーバした場合、又は接続状態から離れることを要求する他の命令を受信した場合、該ユーザ装置がデュアルコネクティビティ構造を有するか否かを判断する。デュアルコネクティビティ構造を有する場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放して、従来のプロトコルの規定に従って接続状態から離れる動作を行う。該動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットし、T320、T325及びT330以外の全ての動作しているタイマを停止し、無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ、MAC層構成及び関連するPDCP層エンティティを含む第1のコネクティビティの全ての無線リソースを解放することを含む。また、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロスRATのセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態になり、関連するプロトコルに従って関連動作を行う。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放すると同時に、接続状態から離れる動作を行ってもよい。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放することを具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが完全に独立した分散型のMAC構造であり、即ち独立した制御モジュールを含む場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放する必要があり、少なくとも第2のコネクティビティのMAC層エンティティの制御モジュール、(逆)多重化モジュール、論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティが半独立した分散型のMAC構造であり、即ち第1のコネクティビティのエンティティと制御モジュールを共有する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティ、例えば(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
この態様をプロトコルで具体的に実現する際に、従来の「端末が接続から離れる動作」プロセスの開始部分で、デュアルコネクティビティ構造を有するか否かを判断する。デュアルコネクティビティを有する場合、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放し、第2のコネクティビティの解放の他の動作及び接続状態から離れる動作を同時に行う。該動作は、第1のコネクティビティに対応するMAC層エンティティをリセットし、2つのコネクティビティに対応するアイドル状態において動作するべきタイマ以外の全てのタイマを同時に停止し、2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放することを含む。2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースは、第1のコネクティビティのMAC層構成、2つのコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む。そして、接続状態から離れる場合の後続の動作を行う。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
このように、ユーザ装置は、基地局の接続解放メッセージを受信した場合、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求した場合、ユーザ装置がE−UTRAシステムからハンドオーバした場合、又は接続状態から離れることを要求する他の命令を受信した場合、該ユーザ装置がデュアルコネクティビティ構造を有するか否かを判断する。デュアルコネクティビティ構造を有する場合、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放して、そして、第1のコネクティビティに対応するMAC層エンティティをリセットして、そして、2つのコネクティビティに対応する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の全てのタイマを同時に停止し、2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放する。2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースは、第1のコネクティビティのMAC層構成、2つのコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む。そして、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロス無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)のセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態になり、関連するプロトコルに従って関連動作を行う。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。ここで、該第2のコネクティビティを解放するための指示は、基地局からのものであってもよいし、ユーザ装置の内部からのものであってもよく、例えばユーザ装置の他の動作により第2のコネクティビティの解放を起こしてもよい。
具体的に実施する際に、該方法は、第2のコネクティビティに関連するタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが全て確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放するステップをさらに含んでもよい。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティの解放を具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが完全に独立した分散型のMAC構造を用い、即ち独立した制御モジュールを含む場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティの制御モジュール、(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティが半独立した分散型のMAC構造を用い、即ち第1のコネクティビティのMAC層エンティティと制御モジュールを共有する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティ、例えば(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
上記実施例によれば、デュアルコネクティビティ構造で、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理でき、制御を最適化して無駄なリソースを低減できる。
<実施例2>
本発明の実施例はMAC層エンティティの処理方法を提供し、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが既に存在している場合に、MAC層エンティティの解放を説明する。実施例1と同様な内容についてその説明が省略される。
図11は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図11に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1101:ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
ユーザ装置とネットワーク側との間に、第1のコネクティビティ及び第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。
本実施例では、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが存在する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、又はユーザ装置が接続状態から離れる場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。なお、本発明の第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する条件はこれに限定されず、他の解放条件であってもよい。
1つの態様では、ユーザ装置は、まず第2のコネクティビティを解放して、従来のプロトコルに規定された接続状態から離れる動作を行ってもよい。図12は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法の他のフローチャートであり、図12に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1201:ユーザ装置は、接続状態から離れる場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
ステップ1202:ユーザ装置は、第2のコネクティビティに関連する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放する。
ここで、ステップ1201及びステップ1202における関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
ステップ1203:ユーザ装置は、従来のプロトコルに規定された接続状態から離れる動作を行う。該動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットし、T320、T325及びT330以外の全ての動作しているタイマを停止し、無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ、MAC層構成及び関連するPDCP層エンティティなどを含む第1のコネクティビティの全ての無線リソースを解放することを含む。
具体的に実施する際に、該方法は、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続状態から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロスRATのセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態に入るステップをさらに含んでもよい。
具体的には、ステップ1201においてユーザ装置が接続状態から離れる場合、ユーザ装置が基地局の接続解放メッセージを受信すること、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求すること、ユーザ装置がE−UTRAシステムからハンドオーバすること、又はユーザ装置が接続状態から離れることを要求する他の命令を受信することをさらに含んでもよい。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放すると同時に、接続状態から離れる動作を行ってもよい。図13は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図13に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1301:ユーザ装置は、接続状態から離れる場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
ステップ1302:ユーザ装置は、接続状態から離れる動作を行う。該接続状態から離れる動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットすること、第1のコネクティビティ及び第2のコネクティビティに対応する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の他のタイマを停止すること、及び2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放することなどを含む。
具体的に実施する際に、該方法は、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロスRATのセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態に入ることをさらに含んでもよい。
具体的には、ステップ1301においてユーザ装置が接続状態から離れる場合、ユーザ装置が基地局の接続解放メッセージを受信すること、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求すること、ユーザ装置がE−UTRAシステムからハンドオーバすること、又はユーザ装置が接続状態から離れることを要求する他の命令を受信することをさらに含んでもよい。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。図14は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図14に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1401:ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信する。
ここで、該指示は、基地局からのものであってもよいし、ユーザ装置の内部からのものであってもよく、例えばユーザ装置の他の動作により第2のコネクティビティの解放を起こしてもよい。
ステップ1402:ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
具体的に実施する際に、該方法は、第2のコネクティビティに関連する全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが全て確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放するステップをさらに含んでもよい。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティの解放を具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが完全に独立した分散型のMAC構造を用い、即ち独立した制御モジュールを含む場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティの制御モジュール、(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティが半独立した分散型のMAC構造を用い、即ち第1のコネクティビティのMAC層エンティティと制御モジュールを共有する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティ、例えば(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
この態様では、ユーザ装置は、接続状態から離れることの指示をさらに受信した場合、第2のコネクティビティの解放をさらに起こしてもよい。第2のコネクティビティの解放動作及び接続状態から離れる動作は2つの実施形態があり、第2のコネクティビティを解放してから従来のプロトコルの規定に従って接続状態から離れる動作を実行すること、又は第2のコネクティビティMAC層エンティティを解放してから接続状態から離れる動作を実行することがある。具体的な実施は、図12及び図13に示す2つの態様を参照してもよい。
本実施例では、ユーザ装置は、デュアルコネクティビティを有するか否かをさらに判断してもよい。図15は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図15に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1501:ユーザ装置は、第1のコネクティビティ及び前記第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在するか否かを判断する。
ステップ1502:デュアルコネクティビティが存在すると判断された場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
具体的に実施する際に、ステップ1502に、他のMAC層エンティティの解放条件、例えば上記の実施形態における「接続状態から離れる場合」又は「第2のコネクティビティを解放することを受信した場合」などをさらに追加してもよい。なお、本発明はこれに限定されず、実際の状況に応じて具体的な解放条件を決定してもよい。
上記実施例によれば、デュアルコネクティビティ構造で、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理でき、制御を最適化して無駄なリソースを低減できる。
<実施例3>
本発明の実施例は、実施例1に記載のMAC層エンティティの処理方法に対応するユーザ装置を提供し、同様な内容についてその説明が省略される。
図16は本発明の実施例3のユーザ装置の構成を示す図である。図16に示すように、ユーザ装置1600は、コネクティビティ確立部1601を含む。ユーザ装置1600の他の部分は従来技術を参照してもよく、ここでその説明が省略される。
コネクティビティ確立部1601は、ユーザ装置とネットワーク側との間に第1のコネクティビティ及び第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティを確立するように、第2のコネクティビティのために対応するMAC層エンティティを確立する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。
1つの態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、制御モジュールをさらに含み、第2のコネクティビティのMAC層エンティティ及び第1のコネクティビティのMAC層エンティティは、それぞれ制御モジュールを用いて独立して制御されることによって、完全に独立した分散型のMAC構造を形成した。
もう1つの態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティ及び第1のコネクティビティのMAC層エンティティは、共通の制御モジュールを用いて制御されることによって、半独立した分散型のMAC構造を形成した。
具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含んでもよい。なお、本発明はこれに限定されず、実際の状況に応じて具体的な構造を決定してもよい。
図17は本発明の実施例3のユーザ装置の他の構成を示す図である。図17に示すように、ユーザ装置1700は、上述したように、コネクティビティ確立部1601を含む。
図17に示すように、ユーザ装置1700は、コネクティビティ解放部1702をさらに含んでもよい。コネクティビティ解放部1702は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。例えば、ユーザ装置1700は、接続状態から離れる場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放してもよいし、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放してもよいが、本発明はこれに限定されない。
上記実施例によれば、デュアルコネクティビティ構造で、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理でき、制御を最適化して無駄なリソースを低減できる。
<実施例4>
本発明の実施例は、実施例2に記載のMAC層エンティティの処理方法に対応するユーザ装置を提供し、同様な内容についてその説明が省略される。
図18は本発明の実施例4のユーザ装置の構成を示す図である。図18に示すように、ユーザ装置1800は、コネクティビティ解放部1801を含む。ユーザ装置1800の他の部分は、従来技術を参照してもよく、ここでその説明が省略される。
コネクティビティ解放部1801は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。ユーザ装置とネットワーク側との間に、第1のコネクティビティ及び第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。
1つの態様では、ユーザ装置はまず第2のコネクティビティを解放して、従来のプロトコルの規定に従って接続状態から離れる動作を行ってもよい。図19は本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図であり、図19に示すように、ユーザ装置1900は、上述したように、コネクティビティ解放部1801を含む。
図19に示すように、ユーザ装置1900は、リソース解放部1902をさらに含んでもよい。リソース解放部1902は、第2のコネクティビティに関連する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放する。
図19に示すように、ユーザ装置1900は、離れ動作部1903をさらに含んでもよい。離れ動作部1903は、接続状態から離れる動作を行い、従来のプロトコルの規定に従って動作を行ってもよい。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放すると同時に、接続状態から離れる動作を行ってもよい。図20は本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図であり、図20に示すように、ユーザ装置2000は、上述したように、コネクティビティ解放部1801を含む。
図20に示すように、ユーザ装置2000は、接続状態から離れる動作を行う離れ動作部2002をさらに含んでもよい。接続状態から離れる動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットすること、第1のコネクティビティ及び第2のコネクティビティに対応する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の他のタイマを停止すること、及び2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放することを含む。
図20に示すように、ユーザ装置2000は、情報通知部2003及び状態変換部2004をさらに含んでもよい。情報通知部2003は、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知する。状態変換部2004は、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロスRATのセルを選択することではない場合、該ユーザ装置がアイドル状態になるようにする。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放してもよい。図21は本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図であり、図21に示すように、ユーザ装置2100は、上述したように、コネクティビティ解放部1801を含む。
図21に示すように、ユーザ装置2100は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信する指令受信部2102、をさらに含んでもよい。該指示は、基地局からのものであってもよし、ユーザ装置の内部からのものであってもよく、例えば、ユーザ装置の他の動作により第2のコネクティビティの解放を起こす。
具体的に実施する際に、コネクティビティ解放部は、第2のコネクティビティに関連する全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放してもよい。実際の状況に応じて具体的な機能を決定してもよい。
図22は本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図であり、図22に示すように、ユーザ装置2200は、上述したように、コネクティビティ解放部1801を含む。
図22に示すように、ユーザ装置2200は、ユーザ装置が第1のコネクティビティ及び第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティを有するか否かを判断するコネクティビティ判断部2202、をさらに含んでもよい。デュアルコネクティビティを有するとコネクティビティ判断部2202により判断された場合、コネクティビティ解放部1801は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
上記実施例によれば、デュアルコネクティビティ構造で、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理でき、制御を最適化して無駄なリソースを低減できる。
<実施例5>
本発明の実施例は、通信システムを提供し、該通信システムは実施例3に記載のユーザ装置、又は実施例4に記載のユーザ装置を含む。
図23は本発明の実施例5の通信システムの構成を示す図である。図23に示すように、該通信システムはユーザ装置2301を含み、ユーザ装置2301はデュアルコネクティビティを介してマクロセル基地局2302又はスモールセル基地局2303と通信する。
本発明の実施例は、ユーザ装置においてプログラムを実行する際に、コンピュータに、上記の実施例1又は2に記載のMAC層エンティティの処理方法を該ユーザ装置において実行させる、コンピュータ読み取り可能なプログラム、をさらに提供する。
本発明の実施例は、コンピュータに、上記の実施例1又は2に記載のMAC層エンティティの処理方法をユーザ装置において実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを記憶する記憶媒体、をさらに提供する。
本発明の以上の装置及び方法は、ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアを結合して実現されてもよい。本発明はコンピュータが読み取り可能なプログラムに関し、該プログラムはロジック部により実行される時に、該ロジック部に上述した装置又は構成要件を実現させる、或いは該ロジック部に上述した各種の方法又はステップを実現させることができる。本発明は上記のプログラムを記憶するための記憶媒体、例えばハードディスク、ディスク、光ディスク、DVD、フラッシュメモリ等に関する。
一つ以上の機能ブロックおよび/または添付の図面内の機能ブロックの一つ以上の組合せは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートとして実現されてもよいアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理装置、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の適切な組み合わせが挙げられる。これらはまた、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせとして、コンピューティング機器の組み合わせとして通信DSPと組み合わせて、または任意の他のそのような構成における1つまたは複数のマイクロプロセッサ、複数のプロセッサを実現することができる。
以上、具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明しているが、上記の説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び原理を離脱しない限り、本発明に対して各種の変形及び修正を行ってもよく、これらの変形及び修正も本発明の範囲に属する。
本発明は、通信分野に関し、特に媒体アクセス制御(MAC:Media Access Control)層エンティティの処理方法、ユーザ装置及び通信システムに関する。
LTE−Aシステムでは、ユーザ装置(端末とも称される)は主にエアーインタフェースを介して基地局と通信する。エアーインタフェースプロトコルは、制御プレーンとデータプレーン(ユーザプレーンと称されてもよい)に分けられる。そのうち、制御プレーンは主にエアーインタフェースの制御情報を生成、伝送するために用いられ、ユーザプレーンは主にユーザデータを伝送するために用いられる。
図1はユーザ装置と基地局との間の制御プレーンプロトコルの構成を示す図であり、図2はユーザ装置と基地局との間のユーザプレーンプロトコルの構成を示す図である。図1及び図2に示すように、ユーザプレーンでも制御プレーンでも、ユーザ装置側では対応するMAC層が存在する。実際には、装置を具体的に実施する際に、MAC層はユーザプレーンと制御プレーンにより共有される。
図3はユーザ装置側のMAC層の構成を示す図である。図3に示すように、最も右側の制御モジュールは、MAC層における他の全てのエンティティを制御する。右下側のランダムアクセス制御(Random Access Control)モジュールは、ランダムアクセスプロセスを制御する。左下側のハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)モジュールは、アップリンク及びダウンリンクのHARQ動作を行う。中央の(逆)多重化((De-)Multiplexing)モジュールは、デュアルコネクティビティであり、ダウンリンクにおいてMACプロトコルデータユニット(PDU:Protocol Data Unit)に対する逆多重化を行い、逆多重化が完了した後で関連するデータを対応するダウンリンクCCCHチャネル、ダウンリンクDCCHチャネル及びダウンリンクDTCHチャネルに伝送し、アップリンクにおいてアップリンクCCCHチャネル、アップリンクDCCHチャネル及びアップリンクDTCHチャネルからのデータ及びMAC層制御情報要素を多重化し、MAC PDUを生成する。最も左側の逆多重化(De Multiplexing)モジュールは、ダウンリンクのみについて、MCHから伝送されたデータを逆多重化し、MCCH及びMTCHチャネルにそれぞれ伝送する。最も上の論理チャネル優先順位付け(Logical Channel Prioritization)モジュールは、アップリンクチャネルのみについて、所定の優先順位付けルールに従って、異なる論理チャネルからのデータ及びMAC層制御情報要素に対して異なる優先順位を用いて処理を行う。
従来のLTE−A CAシステムでは、MAC層に対する主な動作は、2つ、即ち再構成及びリセットがある。再構成プロセスでは、MAC層の関連構成は増加、変更、又は削除される。そのうち、再構成プロセスでは、セカンダリセルが増加された場合は、MAC層は対応するHARQエンティティを初期化する必要があり、これは、各セカンダリセルは異なるHARQエンティティを必要とするからである。セカンダリセルが除去された場合、対応するHARQエンティティも除去されるべきであり、これは、このHARQエンティティが除去されないと、ユーザ装置のリソースを占有するからである。MAC層のリセットプロセスでは、MAC層のタイマを停止し、全ての関連プロセスをキャンセルすること等の動作があり、その目的は、MAC層の設定を初期の既知の状態に位置させるためである。しかし、リセットプロセスでは、MAC層の他のエンティティを、HARQエンティティのように初期化、或いは除去する動作がない。即ち、MAC層のHARQエンティティ以外のエンティティは、MAC層がリセットされた後にも依然として存在している。MAC層全体として、MAC層がリセットされた後にも、MACエンティティ全体は依然として存在している。
LTE−Aシステムでは、ユーザ装置は2つの状態、即ち接続状態及びアイドル状態を有する。接続状態では、ユーザ装置がネットワーク側との間で専用データを送受信でき、アイドル状態では、ユーザ装置がネットワーク側からブロードキャスト又はマルチキャストデータを受信することしかできない。アイドル状態から接続状態に変換する場合、ネットワーク側はユーザ装置に多くの専用無線リソースを構成する必要があり、ユーザ装置自身も接続状態のために専用リソースを構成し、例えば関連するエンティティを確立し、関連するタイマを起動する必要がある。一方、接続状態からアイドル状態に変換する場合、これらの全ての無線リソース及びユーザ装置の専用リソースを解放する必要がある。
[非特許文献1]には、接続状態から離れる場合のユーザ装置の動作を定義し、該動作は、MACエンティティをリセットすること、T320、T324及びT330以外の全ての動作しているタイマを停止すること、無線ベアラが既に確立された全ての無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)エンティティ、並びにMAC構成及び関連するパケットデータ収束プロトコル(PDCP:Packet Data Converge Protocol)エンティティ等を含む全ての無線リソースを解放することを含む。ユーザ装置が接続状態から離れる場合、MAC層におけるHARQエンティティ以外の他のエンティティが解放、或いは除去されていないことが分かった。
一方、従来のLTE−Aシステムでは、主にマクロセル(Macro Cell)が配置されている。将来のトラフィックの増加に伴い、システムのペイロード・ブリッジング又はカバレッジの拡張を図るため、スモールセル(small cell)(例えばマイクロセル(Micro Cell)、ピコセル(Pico Cell)、フェムトセル(Femto Cell)又はリモート無線ヘッド(RRH)等)をさらに配置する可能性がある。スモールセルは、カバーエリアが比較的に小さいが、数が比較的に多い。
しかし、本発明の発明者の発見によれば、スモールセルの配置のみを行い、制御を最適化しないと、ハンドオーバの回数が多いこと、ドロップ(drop)率が増加すること、及び制御シグナリングの負荷が増加することなどの問題点がある。また、従来のプロトコルの定義によると、MACエンティティはいずれも削除、除去されない。2つ以上のコネクティビティが存在する場合にMACエンティティは如何に確立、削除されるかについて、従来技術では検討されていない。従って、制御を最適化しないと、ユーザ装置の無駄なリソースの低減を確保できないため、ユーザ装置の処理能力を効率的に向上できない。
なお、背景技術に関する上記の説明は、単なる本発明の技術案をより明確、完全に説明するためのものであり、当業者を理解させるために説明するものであり。これら技術案が本発明の背景技術の部分に説明されているから当業者にとって周知の技術であると解釈してはならない。
以下は、本発明及び周知技術を理解するための文献を列記し、これらの文献を本明細書に説明するように援用する。
[非特許文献1]:3GPP TS 36.331 V11.3.0(2013-03)
Radio Resource Control (RRC) specification.(Release 11)
[非特許文献2]:3GPP TS 36.321 V11.2.0(2013-03).
Medium Access Control (MAC) protocol specification (Release 11)
[非特許文献3]:3GPP TS 36.300 V11.5.0(2013-03)
Overall description (Stage 2).(Release 11)
本発明の実施例は、MACエンティティを合理的に確立し、或いは削除し、ユーザ装置のリソースを効率的に管理する、MAC層エンティティの処理方法、ユーザ装置及び通信システムを提供することを目的とする。
本発明の実施例の一の態様では、MAC(媒体アクセス制御)層エンティティの処理方法であって、ユーザ装置とネットワーク側との間に第1のコネクティビティ及び前記第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在するように、前記ユーザ装置が、前記第2のコネクティビティのために対応するMAC層エンティティを確立するステップ、を含み、前記第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、方法を提供する。
本発明の実施例の他の態様では、MAC(媒体アクセス制御)層エンティティの処理方法であって、ユーザ装置が第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放するステップを含み、前記ユーザ装置とネットワーク側との間に、第1のコネクティビティ及び前記第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する前記第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在し、前記第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、方法を提供する。
本発明の実施例の他の態様では、ユーザ装置であって、前記ユーザ装置とネットワーク側との間に第1のコネクティビティ及び前記第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティを確立するように、前記第2のコネクティビティのために対応するMAC(媒体アクセス制御)層エンティティを確立するコネクティビティ確立手段、を含み、前記第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、ユーザ装置を提供する。
本発明の実施例の他の態様では、ユーザ装置であって、第2のコネクティビティのMAC(媒体アクセス制御)層エンティティを解放するコネクティビティ解放手段を含み、前記ユーザ装置とネットワーク側との間に、第1のコネクティビティ及び前記第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する前記第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在し、前記第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、ユーザ装置を提供する。
本発明の実施例の他の態様では、上記のユーザ装置を含む、通信システムを提供する。
本発明の実施例の他の態様では、ユーザ装置においてプログラムを実行する際に、コンピュータに、上記のMAC層エンティティの処理方法を前記ユーザ装置において実行させる、コンピュータ読み取り可能なプログラムを提供する。
本発明の実施例の他の態様では、コンピュータに、上記のMAC層エンティティの処理方法をユーザ装置において実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを記憶する、記憶媒体を提供する。
本発明の実施例の有益な効果としては、デュアルコネクティビティ構成のMACエンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、制御を最適化した上でユーザ装置の無駄なリソースを低減できる。
下記の説明及び図面に示すように、本発明の特定の実施形態が詳細に開示され、本発明の原理を採用できる方式が示される。なお、本発明の実施形態の範囲はこれらに限定されない。本発明の実施形態は、添付される特許請求の範囲の要旨及び項目の範囲内において、変更されたもの、修正されたもの及び均等的なものを含む。
1つの実施形態に記載された特徴及び/又は示された特徴は、同一又は類似の方式で1つ又はさらに多くの他の実施形態で用いられてもよいし、他の実施形態における特徴と組み合わせてもよいし、他の実施形態における特徴に代わってもよい。
なお、本文では、用語「包括/含む」は、特徴、部材、ステップ又はコンポーネントが存在することを指し、一つ又は複数の他の特徴、部材、ステップ又はコンポーネントの存在又は付加を排除しない。
本発明の多くの態様は、以下の図面を参照しながら理解できる。図面における素子は比例に応じて記載されたものではなく、本発明の原理を示すためのものである。本発明の一部分を示す又は記載するため、図面における対応部分は拡大或いは縮小される可能性がある。
本発明の1つの図面及び1つの実施形態に記載された要素及び特徴は、1つ又はさらに多くの図面又は実施形態に示された要素及び特徴と組み合わせてもよい。また、図面において、類似の符号は複数の図面における対応する素子を示し、1つ以上の実施形態に用いられる対応素子を示してもよい。
ユーザ装置と基地局との間の制御プレーンプロトコルの構成を示す図である。
ユーザ装置と基地局との間のユーザプレーンプロトコルの構成を示す図である。
ユーザ装置側のMAC層の構成を示す図である。
アップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの構成を示す図である。
アップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの他の構成を示す図である。
アップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの構成を示す図である。
アップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの他の構成を示す図である。
本発明の実施例1のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例1の第2のコネクティビティのMAC層エンティティの構成を示す図である。
本発明の実施例1のMAC層エンティティの処理方法の他のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法の他のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートである。
本発明の実施例3のユーザ装置の構成を示す図である。
本発明の実施例3のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図である。
本発明の実施例5の通信システムの構成を示す図である。
図面を参照しながら、本発明の上記及び他の特徴を説明する。下記の説明及び図面に示すように、本発明の特定の実施形態が詳細に開示され、本発明の原理を採用できる実施形態の一部が示される。なお、本発明の実施形態の範囲はこれらに限定されない。本発明の実施形態は、添付される特許請求の範囲の要旨及び項目の範囲内において、変更されたもの、修正されたもの及び均等的なものを含む。
標準化団体では、マクロセルとスモールセルとが共存する場合に存在する複数の問題点を解決するために、デュアルコネクティビティ(Dual Connectivity)構造が提案された。デュアルコネクティビティ構造では、ユーザ装置(端末と称されてもよい)はネットワーク側と2つ又は複数のコネクティビティ(Connectivity)を同時に確立することができる。典型的には、1つのコネクティビティはユーザ装置とマクロセル基地局との間にあり、もう1つはユーザ装置とスモールセル基地局との間にあり、ここで第1のコネクティビティ(例えばマクロコネクティビティ)と第2のコネクティビティ(例えばスモールコネクティビティ)とそれぞれ称されてもよい。
通常、スモールコネクティビティに比べて、マクロコネクティビティはより強い機能を有し、より多くの制御機能を有することができる。例えば、制御プレーンの無線リソース制御機能はマクロコネクティビティのみに存在し、若しくはマクロコネクティビティにおける無線リソース制御機能はマクロコネクティビティの制御以外、スモールコネクティビティの一部の無線リソース制御機能をさらに有し、又はより多くのチャネルをキャリーし、例えばマクロコネクティビティがブロードキャストチャネル、ページングチャネルなどをキャリーしてもよく、又はより多くの種類の無線キャリアをキャリーし、例えばマクロコネクティビティで信号無線キャリア及びデータ無線キャリアをキャリーしてもよい。一方、スモールコネクティビティでデータ無線キャリアのみをキャリーしてもよい。
なお、本発明の第1のコネクティビティはユーザ装置とマクロセル基地局との間のものに限定されず、第2のコネクティビティもユーザ装置とスモールセル基地局との間のものに限定されない。例えば、第1のコネクティビティはユーザ装置とスモールセル基地局との間に存在してもよく、第2のコネクティビティはユーザ装置とマクロセル基地局との間に存在してもよい。この場合は、ユーザ装置とスモールセル基地局との間の第1のコネクティビティの機能は、ユーザ装置とマクロセル基地局との間の第2のコネクティビティの機能よりも強くてもよい。本発明はこれに限定されず、以下は、第1のコネクティビティがユーザ装置とマクロセル基地局との間にあり、第2のコネクティビティがユーザ装置とスモールセル基地局との間にあることを一例として、本発明を詳細に説明する。また、具体的に実施する際に、ユーザ装置とネットワークとの間に3つ以上のコネクティビティが存在する可能性あり、この場合は、1つだけのコネクティビティは第1のコネクティビティであり、他のコネクティビティはいずれも第2のコネクティビティである。本発明の内容は同様に複数のコネクティビティの場合にも適用してもよい。
各コネクティビティ内には、複数の層(例えば物理(PHY)層、MAC層、RLC層など)により制御プレーンの機能(主にエアーインタフェース制御シグナリングの生成及び伝送に関する)及びユーザプレーンの機能(主にエアーインタフェースユーザデータの伝送に関する)を果たす。デュアルコネクティビティ構造を実現するために、エアーインタフェースのプロトコルスタック構造は複数の選択肢がある。ユーザプレーン及び制御プレーンは同様な考え方で複数のプロトコルスタック構造の分析を行うことができるため、以下は、ユーザプレーンを一例として説明する。
図4はアップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの構成を示す図であり、PDCP層で分けられた場合のものを示している。図4に示すように、2つのコネクティビティにはいずれも分散型のPDCP層、RLC層、MAC層及びPHY層を有する。
図5はアップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの他の構成を示す図であり、RLC層で分けられた場合のものを示している。図5に示すように、2つのコネクティビティにはいずれも分散型のRLC層、MAC層及びPHY層を有する。しかし、ユーザ装置には集中型のPDCP層が有し、PDCP層は2つのコネクティビティにおけるRLC層に関連している。
図6はアップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの構成を示す図であり、MAC層で分けられた場合のものを示している。図6に示すように、2つのコネクティビティにはいずれも分散型のMAC層及びPHY層を有する。しかし、ユーザ装置には集中型のPDCP層及びRLC層が有し、RLC層は2つのコネクティビティにおけるMAC層に関連している。
図7はアップリンクのユーザ装置側のユーザプレーンプロトコルスタックの他の構成を示す図であり、PHY層で分けられた場合のものを示している。図7に示すように、2つのコネクティビティにはいずれも分散型のPHY層を有する。しかし、ユーザ装置には集中型のPDCP層、RLC層及びMAC層が有する。
図4乃至図6に示すように、図4乃至図6にはいずれも2つのMAC層エンティティが有し、そのうち1つはマクロコネクティビティにあり、もう1つはスモールコネクティビティにある。ユーザ装置とネットワーク側との間にこのようなデュアルコネクティビティを確立した場合、ユーザ装置が接続状態から離れ、或いは第2のコネクティビティを解放したとき、従来のプロトコルの定義によれば、いずれのMACエンティティも削除、除去されない。ユーザ装置がアイドル状態に変換した場合、2つのMACエンティティを維持する必要があるため、リソースを浪費するから、これを回避する必要がある。
<実施例1>
本発明の実施例はMAC(媒体アクセス制御)層エンティティの処理方法を提供する。図8は本発明の実施例1のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図8に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ801:ユーザ装置は、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが存在するように、第2のコネクティビティのために対応するMAC層エンティティを確立する。該デュアルコネクティビティは、第1のコネクティビティ及び、第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含む。第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。
1つの態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、制御モジュールをさらに含む。第2のコネクティビティのMAC層エンティティ及び第1のコネクティビティのMAC層エンティティは、それぞれ制御モジュールを用いて独立して制御されることで、完全に独立した分散型のMAC構造を形成する。
この態様では、2つのコネクティビティにおけるMAC層エンティティは完全に独立し、即ち各MAC層エンティティは共に自分の独立した制御モジュールを有する。例えば、第1のコネクティビティ(マクロコネクティビティ)のMAC層エンティティは従来プロトコルの構造(例えば図3に示す構造)を用いてもよく、第2のコネクティビティ(スモールコネクティビティ)のMAC層エンティティは図9に示す構造を用いてもよい。
図9は本発明の実施例1の第2のコネクティビティのMAC層エンティティの構成を示す図である。図9に示すように、(逆)多重化モジュール、論理チャネル優先順位付けモジュールは共に第2のコネクティビティのMAC層における制御モジュールにより制御され、その動作が第1のコネクティビティのMAC層から独立している。
また、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQ(ハイブリッド自動再送要求)モジュールをさらに含んでもよい。図9に示すように、HARQモジュール及びランダムアクセス制御モジュールも、第2のコネクティビティのMAC層における制御モジュールにより制御され、第1のコネクティビティのMAC層から独立している。
なお、本発明はこれに限定されず、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは他の実施形態をさらに有してもよい。本実施形態では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも制御モジュール、(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。これらのモジュールの具体的な構造又は実施は、従来技術を参照してもよい。
もう1つの態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティ及び第1のコネクティビティのMAC層エンティティは、共通の制御モジュールを用いて制御されることで、半独立した分散型のMAC構造を形成する。
この態様では、2つのコネクティビティにおけるMAC層エンティティは同一の制御モジュールにより制御されてもよい。このように、制御モジュールは、2つの(逆)多重化モジュール(各コネクティビティは1つに対応する)、2つの論理チャネル優先順位付けモジュール(各コネクティビティは1つに対応する)を制御する。
また、第2のコネクティビティに対応する物理チャネルが有する場合、このMAC層エンティティは、第2のコネクティビティに対応するランダムアクセス制御モジュール及び第2のコネクティビティに対応するHARQモジュールをさらに有する。それと共に、制御モジュールも、第2のコネクティビティに対応するランダムアクセス制御モジュール及び第2のコネクティビティに対応するHARQモジュールを制御する。
この態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは少なくとも(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。第2のコネクティビティに対応する(逆)多重化モジュール、論理チャネル優先順位付けモジュール、ランダムアクセス制御モジュール及びHARQモジュールも所定の構造に従って接続している。例えば、図9における構造に従って制御される。
これによって、デュアルコネクティビティ構造においてMAC層エンティティを合理的に確立することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理できる。
図10は本発明の実施例1のMAC層エンティティの処理方法の他のフローチャートであり、図10に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1001:ユーザ装置は、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが存在するように、第2のコネクティビティのために対応するMAC層エンティティを確立する。該デュアルコネクティビティは、第1のコネクティビティ及び第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含む。
ステップ1002:ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
本実施例では、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが存在する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信し、或いはユーザ装置が接続状態から離れるとき、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。なお、本発明の第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放するための条件はこれに限定されず、他の解放条件であってもよい。
1つの態様では、ユーザ装置はまず第2のコネクティビティを解放して、そして、接続状態から離れる動作を行う場合、従来のプロトコルの定義に従って、接続状態から離れる動作を行う、ここで、第2のコネクティビティを解放するプロセスでは、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放し、第2のコネクティビティに関連するタイマを停止し、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソース構成を解放することを含んでもよい。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放することを具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが完全に独立した分散型のMAC構造であり、即ち独立した制御モジュールを含む場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する際に、少なくとも第2のコネクティビティのMAC層エンティティの制御モジュール、(逆)多重化モジュール、論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
第2のコネクティビティを解放することをプロトコルで具体的に実現する際に、「第2のコネクティビティの解放」のプロセスで、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放し、第2のコネクティビティに関連するアイドル状態において動作するべきもの以外の全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソース構成を解放することを規定してもよい。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
このように、ユーザ装置は、基地局の接続解放メッセージを受信した場合、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求した場合、ユーザ装置がE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)システムからハンドオーバした場合、又は接続状態から離れることを要求する他の命令を受信した場合、該ユーザ装置がデュアルコネクティビティ構造を有するか否かを判断する。デュアルコネクティビティ構造を有する場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放して、従来のプロトコルの規定に従って接続状態から離れる動作を行う。該動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットし、T320、T325及びT330以外の全ての動作しているタイマを停止し、無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ、MAC層構成及び関連するPDCP層エンティティを含む第1のコネクティビティの全ての無線リソースを解放することを含む。また、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロス無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)のセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態になり、関連するプロトコルに従って関連動作を行う。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放することを具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが半独立した分散型のMAC構造を用い、即ち第1のコネクティビティのMAC層エンティティと制御モジュールを共有する場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放するプロセスでは、第2のコネクティビティにおける関連するMAC層エンティティを解放し、少なくとも(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
第2のコネクティビティを解放することをプロトコルで具体的に実現する際に、「MAC再構成」のプロセスで、1つのコネクティビティを解放する際に、ユーザ装置が、解放されるコネクティビティのために、少なくとも対応する(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する。そして、「第2のコネクティビティの解放」のプロセスでは、第2のコネクティビティに関連するアイドル状態において動作するべきもの以外の全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソース構成を解放することを規定する。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
このように、ユーザ装置は、基地局の接続解放メッセージを受信した場合、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求した場合、ユーザ装置がE−UTRAシステムからハンドオーバした場合、又は接続状態から離れることを要求する他の命令を受信した場合、該ユーザ装置がデュアルコネクティビティ構造を有するか否かを判断する。デュアルコネクティビティ構造を有する場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放して、従来のプロトコルの規定に従って接続状態から離れる動作を行う。該動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットし、T320、T325及びT330以外の全ての動作しているタイマを停止し、無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ、MAC層構成及び関連するPDCP層エンティティを含む第1のコネクティビティの全ての無線リソースを解放することを含む。また、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロスRATのセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態になり、関連するプロトコルに従って関連動作を行う。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放すると同時に、接続状態から離れる動作を行ってもよい。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放することを具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが完全に独立した分散型のMAC構造であり、即ち独立した制御モジュールを含む場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放する必要があり、少なくとも第2のコネクティビティのMAC層エンティティの制御モジュール、(逆)多重化モジュール、論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティが半独立した分散型のMAC構造であり、即ち第1のコネクティビティのエンティティと制御モジュールを共有する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティ、例えば(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
この態様をプロトコルで具体的に実現する際に、従来の「端末が接続から離れる動作」プロセスの開始部分で、デュアルコネクティビティ構造を有するか否かを判断する。デュアルコネクティビティを有する場合、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放し、第2のコネクティビティの解放の他の動作及び接続状態から離れる動作を同時に行う。該動作は、第1のコネクティビティに対応するMAC層エンティティをリセットし、2つのコネクティビティに対応するアイドル状態において動作するべきタイマ以外の全てのタイマを同時に停止し、2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放することを含む。2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースは、第1のコネクティビティのMAC層構成、2つのコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む。そして、接続状態から離れる場合の後続の動作を行う。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
このように、ユーザ装置は、基地局の接続解放メッセージを受信した場合、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求した場合、ユーザ装置がE−UTRAシステムからハンドオーバした場合、又は接続状態から離れることを要求する他の命令を受信した場合、該ユーザ装置がデュアルコネクティビティ構造を有するか否かを判断する。デュアルコネクティビティ構造を有する場合、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放して、そして、第1のコネクティビティに対応するMAC層エンティティをリセットして、そして、2つのコネクティビティに対応する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の全てのタイマを同時に停止し、2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放する。2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースは、第1のコネクティビティのMAC層構成、2つのコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む。そして、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロス無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)のセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態になり、関連するプロトコルに従って関連動作を行う。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。ここで、該第2のコネクティビティを解放するための指示は、基地局からのものであってもよいし、ユーザ装置の内部からのものであってもよく、例えばユーザ装置の他の動作により第2のコネクティビティの解放を起こしてもよい。
具体的に実施する際に、該方法は、第2のコネクティビティに関連するタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが全て確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放するステップをさらに含んでもよい。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティの解放を具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが完全に独立した分散型のMAC構造を用い、即ち独立した制御モジュールを含む場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティの制御モジュール、(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティが半独立した分散型のMAC構造を用い、即ち第1のコネクティビティのMAC層エンティティと制御モジュールを共有する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティ、例えば(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
上記実施例によれば、デュアルコネクティビティ構造で、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理でき、制御を最適化して無駄なリソースを低減できる。
<実施例2>
本発明の実施例はMAC層エンティティの処理方法を提供し、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが既に存在している場合に、MAC層エンティティの解放を説明する。実施例1と同様な内容についてその説明が省略される。
図11は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図11に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1101:ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
ユーザ装置とネットワーク側との間に、第1のコネクティビティ及び第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。
本実施例では、ユーザ装置とネットワーク側との間にデュアルコネクティビティが存在する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、又はユーザ装置が接続状態から離れる場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。なお、本発明の第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する条件はこれに限定されず、他の解放条件であってもよい。
1つの態様では、ユーザ装置は、まず第2のコネクティビティを解放して、従来のプロトコルに規定された接続状態から離れる動作を行ってもよい。図12は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法の他のフローチャートであり、図12に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1201:ユーザ装置は、接続状態から離れる場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
ステップ1202:ユーザ装置は、第2のコネクティビティに関連する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放する。
ここで、ステップ1201及びステップ1202における関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
ステップ1203:ユーザ装置は、従来のプロトコルに規定された接続状態から離れる動作を行う。該動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットし、T320、T325及びT330以外の全ての動作しているタイマを停止し、無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ、MAC層構成及び関連するPDCP層エンティティなどを含む第1のコネクティビティの全ての無線リソースを解放することを含む。
具体的に実施する際に、該方法は、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続状態から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロスRATのセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態に入るステップをさらに含んでもよい。
具体的には、ステップ1201においてユーザ装置が接続状態から離れる場合、ユーザ装置が基地局の接続解放メッセージを受信すること、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求すること、ユーザ装置がE−UTRAシステムからハンドオーバすること、又はユーザ装置が接続状態から離れることを要求する他の命令を受信することをさらに含んでもよい。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放すると同時に、接続状態から離れる動作を行ってもよい。図13は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図13に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1301:ユーザ装置は、接続状態から離れる場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
ステップ1302:ユーザ装置は、接続状態から離れる動作を行う。該接続状態から離れる動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットすること、第1のコネクティビティ及び第2のコネクティビティに対応する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の他のタイマを停止すること、及び2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放することなどを含む。
具体的に実施する際に、該方法は、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知し、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロスRATのセルを選択することではない場合、該ユーザ装置はアイドル状態に入ることをさらに含んでもよい。
具体的には、ステップ1301においてユーザ装置が接続状態から離れる場合、ユーザ装置が基地局の接続解放メッセージを受信すること、ユーザ装置の上位層が接続解放を要求すること、ユーザ装置がE−UTRAシステムからハンドオーバすること、又はユーザ装置が接続状態から離れることを要求する他の命令を受信することをさらに含んでもよい。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。図14は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図14に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1401:ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信する。
ここで、該指示は、基地局からのものであってもよいし、ユーザ装置の内部からのものであってもよく、例えばユーザ装置の他の動作により第2のコネクティビティの解放を起こしてもよい。
ステップ1402:ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
具体的に実施する際に、該方法は、第2のコネクティビティに関連する全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが全て確立されたRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放するステップをさらに含んでもよい。ここで、関連するタイマの停止と関連するエンティティ(MAC層エンティティ、RLC層エンティティ、PDCP層エンティティ)の解放の時間順序は上述した前後順序に限定されず、実際に実施する際に具体的な状況に応じて調整してもよい。
第2のコネクティビティのMAC層エンティティの解放を具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティが完全に独立した分散型のMAC構造を用い、即ち独立した制御モジュールを含む場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティの制御モジュール、(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティが半独立した分散型のMAC構造を用い、即ち第1のコネクティビティのMAC層エンティティと制御モジュールを共有する場合、ユーザ装置は、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティ、例えば(逆)多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを解放する必要がある。ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含む場合、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに解放する。
この態様では、ユーザ装置は、接続状態から離れることの指示をさらに受信した場合、第2のコネクティビティの解放をさらに起こしてもよい。第2のコネクティビティの解放動作及び接続状態から離れる動作は2つの実施形態があり、第2のコネクティビティを解放してから従来のプロトコルの規定に従って接続状態から離れる動作を実行すること、又は第2のコネクティビティMAC層エンティティを解放してから接続状態から離れる動作を実行することがある。具体的な実施は、図12及び図13に示す2つの態様を参照してもよい。
本実施例では、ユーザ装置は、デュアルコネクティビティを有するか否かをさらに判断してもよい。図15は本発明の実施例2のMAC層エンティティの処理方法のフローチャートであり、図15に示すように、該方法は下記のステップを含む。
ステップ1501:ユーザ装置は、第1のコネクティビティ及び前記第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在するか否かを判断する。
ステップ1502:デュアルコネクティビティが存在すると判断された場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
具体的に実施する際に、ステップ1502に、他のMAC層エンティティの解放条件、例えば上記の実施形態における「接続状態から離れる場合」又は「第2のコネクティビティを解放することを受信した場合」などをさらに追加してもよい。なお、本発明はこれに限定されず、実際の状況に応じて具体的な解放条件を決定してもよい。
上記実施例によれば、デュアルコネクティビティ構造で、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理でき、制御を最適化して無駄なリソースを低減できる。
<実施例3>
本発明の実施例は、実施例1に記載のMAC層エンティティの処理方法に対応するユーザ装置を提供し、同様な内容についてその説明が省略される。
図16は本発明の実施例3のユーザ装置の構成を示す図である。図16に示すように、ユーザ装置1600は、コネクティビティ確立部1601を含む。ユーザ装置1600の他の部分は従来技術を参照してもよく、ここでその説明が省略される。
コネクティビティ確立部1601は、ユーザ装置とネットワーク側との間に第1のコネクティビティ及び第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティを確立するように、第2のコネクティビティのために対応するMAC層エンティティを確立する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。
1つの態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、制御モジュールをさらに含み、第2のコネクティビティのMAC層エンティティ及び第1のコネクティビティのMAC層エンティティは、それぞれ制御モジュールを用いて独立して制御されることによって、完全に独立した分散型のMAC構造を形成した。
もう1つの態様では、第2のコネクティビティのMAC層エンティティ及び第1のコネクティビティのMAC層エンティティは、共通の制御モジュールを用いて制御されることによって、半独立した分散型のMAC構造を形成した。
具体的に実施する際に、第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、ランダムアクセス制御モジュール及び/又はHARQモジュールをさらに含んでもよい。なお、本発明はこれに限定されず、実際の状況に応じて具体的な構造を決定してもよい。
図17は本発明の実施例3のユーザ装置の他の構成を示す図である。図17に示すように、ユーザ装置1700は、上述したように、コネクティビティ確立部1601を含む。
図17に示すように、ユーザ装置1700は、コネクティビティ解放部1702をさらに含んでもよい。コネクティビティ解放部1702は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。例えば、ユーザ装置1700は、接続状態から離れる場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放してもよいし、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放してもよいが、本発明はこれに限定されない。
上記実施例によれば、デュアルコネクティビティ構造で、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理でき、制御を最適化して無駄なリソースを低減できる。
<実施例4>
本発明の実施例は、実施例2に記載のMAC層エンティティの処理方法に対応するユーザ装置を提供し、同様な内容についてその説明が省略される。
図18は本発明の実施例4のユーザ装置の構成を示す図である。図18に示すように、ユーザ装置1800は、コネクティビティ解放部1801を含む。ユーザ装置1800の他の部分は、従来技術を参照してもよく、ここでその説明が省略される。
コネクティビティ解放部1801は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。ユーザ装置とネットワーク側との間に、第1のコネクティビティ及び第1のコネクティビティよりも弱い機能を有する第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティが存在する。第2のコネクティビティのMAC層エンティティは、少なくとも多重化又は逆多重化モジュール及び論理チャネル優先順位付けモジュールを含む。
1つの態様では、ユーザ装置はまず第2のコネクティビティを解放して、従来のプロトコルの規定に従って接続状態から離れる動作を行ってもよい。図19は本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図であり、図19に示すように、ユーザ装置1900は、上述したように、コネクティビティ解放部1801を含む。
図19に示すように、ユーザ装置1900は、リソース解放部1902をさらに含んでもよい。リソース解放部1902は、第2のコネクティビティに関連する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放する。
図19に示すように、ユーザ装置1900は、離れ動作部1903をさらに含んでもよい。離れ動作部1903は、接続状態から離れる動作を行い、従来のプロトコルの規定に従って動作を行ってもよい。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放すると同時に、接続状態から離れる動作を行ってもよい。図20は本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図であり、図20に示すように、ユーザ装置2000は、上述したように、コネクティビティ解放部1801を含む。
図20に示すように、ユーザ装置2000は、接続状態から離れる動作を行う離れ動作部2002をさらに含んでもよい。接続状態から離れる動作は、第1のコネクティビティのMAC層エンティティをリセットすること、第1のコネクティビティ及び第2のコネクティビティに対応する、アイドル状態において動作するべきタイマ以外の他のタイマを停止すること、及び2つのコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放することを含む。
図20に示すように、ユーザ装置2000は、情報通知部2003及び状態変換部2004をさらに含んでもよい。情報通知部2003は、RRC接続が解放されたこと及び原因を上位層に通知する。状態変換部2004は、RRC接続から離れた原因が「E−UTRAから移動する命令」が受信されたこと、又はタイマT311が動作している時にクロスRATのセルを選択することではない場合、該ユーザ装置がアイドル状態になるようにする。
もう1つの態様では、ユーザ装置は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信した場合、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放してもよい。図21は本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図であり、図21に示すように、ユーザ装置2100は、上述したように、コネクティビティ解放部1801を含む。
図21に示すように、ユーザ装置2100は、第2のコネクティビティを解放するための指示を受信する指令受信部2102、をさらに含んでもよい。該指示は、基地局からのものであってもよし、ユーザ装置の内部からのものであってもよく、例えば、ユーザ装置の他の動作により第2のコネクティビティの解放を起こす。
具体的に実施する際に、コネクティビティ解放部は、第2のコネクティビティに関連する全てのタイマを停止し、第2のコネクティビティにおける無線ベアラが既に確立された全てのRLC層エンティティ及び関連するPDCP層エンティティを含む第2のコネクティビティに関連する全ての無線リソースを解放してもよい。実際の状況に応じて具体的な機能を決定してもよい。
図22は本発明の実施例4のユーザ装置の他の構成を示す図であり、図22に示すように、ユーザ装置2200は、上述したように、コネクティビティ解放部1801を含む。
図22に示すように、ユーザ装置2200は、ユーザ装置が第1のコネクティビティ及び第2のコネクティビティを含むデュアルコネクティビティを有するか否かを判断するコネクティビティ判断部2202、をさらに含んでもよい。デュアルコネクティビティを有するとコネクティビティ判断部2202により判断された場合、コネクティビティ解放部1801は、第2のコネクティビティのMAC層エンティティを解放する。
上記実施例によれば、デュアルコネクティビティ構造で、第2のコネクティビティに対応するMAC層エンティティを合理的に確立し、或いは解放することで、ユーザ装置のリソースを効率的に管理でき、制御を最適化して無駄なリソースを低減できる。
<実施例5>
本発明の実施例は、通信システムを提供し、該通信システムは実施例3に記載のユーザ装置、又は実施例4に記載のユーザ装置を含む。
図23は本発明の実施例5の通信システムの構成を示す図である。図23に示すように、該通信システムはユーザ装置2301を含み、ユーザ装置2301はデュアルコネクティビティを介してマクロセル基地局2302又はスモールセル基地局2303と通信する。
本発明の実施例は、ユーザ装置においてプログラムを実行する際に、コンピュータに、上記の実施例1又は2に記載のMAC層エンティティの処理方法を該ユーザ装置において実行させる、コンピュータ読み取り可能なプログラム、をさらに提供する。
本発明の実施例は、コンピュータに、上記の実施例1又は2に記載のMAC層エンティティの処理方法をユーザ装置において実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを記憶する記憶媒体、をさらに提供する。
本発明の以上の装置及び方法は、ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアを結合して実現されてもよい。本発明はコンピュータが読み取り可能なプログラムに関し、該プログラムはロジック部により実行される時に、該ロジック部に上述した装置又は構成要件を実現させる、或いは該ロジック部に上述した各種の方法又はステップを実現させることができる。本発明は上記のプログラムを記憶するための記憶媒体、例えばハードディスク、ディスク、光ディスク、DVD、フラッシュメモリ等に関する。
一つ以上の機能ブロックおよび/または添付の図面内の機能ブロックの一つ以上の組合せは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートとして実現されてもよいアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理装置、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の適切な組み合わせが挙げられる。これらはまた、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせとして、コンピューティング機器の組み合わせとして通信DSPと組み合わせて、または任意の他のそのような構成における1つまたは複数のマイクロプロセッサ、複数のプロセッサを実現することができる。
以上、具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明しているが、上記の説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び原理を離脱しない限り、本発明に対して各種の変形及び修正を行ってもよく、これらの変形及び修正も本発明の範囲に属する。