JP2016513138A - 塩素化プロパンの生成プロセス - Google Patents

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Abstract

塩素化プロパンの生成のためのプロセスが提供される。このプロセスは、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの塩素化を、塩化アルミニウムで、単独、または塩化第二鉄と組み合わせて、触媒することを含む。低強度条件がこのプロセスに適切であり、例えば周囲温度〜100℃の温度および周囲圧力〜200psigの圧力が使用され得る。低強度条件が使用されるにもかかわらず、塩化アルミニウムは、同様のプロセス条件下で単一の触媒として使用される場合、塩化第二鉄と比較して、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの少なくとも1.5倍高い変換率および/または生成率を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、塩素化プロパンの生成プロセスに関する。
ハイドロフルオロカーボン(HFC)生成物は、冷蔵、空調、泡膨張を含む多くの適用において、かつ医療用エアロゾルデバイスを含むエアロゾル生成物の高圧ガスとして広範に利用されている。HFCは、その前に使用されていたクロロフルオロカーボンおよびハイドロクロロフルオロカーボン生成物よりも気候に優しいということが証明されているが、現在ではこれらは明らかな地球温暖化係数(GWP)を示すということが分かっている。
現在のフルオロカーボン生成物へのより許容される代替物の模索は、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)生成物の出現をもたらした。その前身に対して、HFOは、HFCのものに比較して、より少ないまたは無のオゾン層への有害な影響、およびより低いGWPという形態で、大気にあまり影響を及ぼさないことが期待される。好都合なことに、HFOは低引火性および低毒性も示す。
HFOの環境的重要性、ひいては経済的重要性が大きくなるにつれて、その生成において利用される前駆体の需要も大きくなっている。多くの所望のHFO化合物、例えば、2,3,3,3−テトラフルオロプロプ−1−エン、または1,3,3,3−テトラフルオロプロプ−1−エン等は、典型的に、クロロカーボンの供給原料、特に高度塩素化プロパン、例えばペンタクロロプロパンを利用して生成され得る。
残念ながら、これらのペンタクロロプロパンは、許容されるプロセス条件を使用して、商業的に許容される位置選択性および収率で製造することが困難であると証明されている。例えば、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの生成のための従来のプロセス(米国特許第8,115,038号に開示されるもの等)は、所望のペンタクロロプロパン異性体に許容される選択性を提供するが、これは延長反応時間の後のみであり、これはこのプロセスを商業的応用に最適以下とし得る。
したがって、冷媒および他の商業的生成物の合成における供給原料として有用なクロロカーボン前駆体の生成のための改善されたプロセスを提供することが望ましい。より具体的には、かかるプロセスは、従来の方法に対してより少ない反応時間で所望の生成品と同様のまたはより高い位置選択性を提供する場合、当技術の現在の状態を超える改善を提供し得る。
本発明は、塩素化プロパンの生成のための効率的なプロセスを提供する。本プロセスは、単一の触媒、塩化アルミニウム、塩化第二鉄以外を使用する。驚くべきことに現在では、塩化アルミニウムは、塩化第二鉄よりも短い時間で、同等に高いまたはより良好な、出発物質の変換および/または選択性を所望の生成物に提供するということが分かっている。したがって時間の節約が提供される。穏和な反応条件も使用され、光熱費の節約も見られ得る。
一態様では、1,1,1,3−テトラクロロプロパンからの1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの生成のためのプロセスが提供される。このプロセスは、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの塩素化を、塩化アルミニウムで、単独で、または塩化第二鉄と組み合わせて、のいずれかで触媒することを含む。このプロセスは、溶剤の存在下で実行され得、好適な溶剤には、四塩化炭素、塩化スルフリル、1つ以上のテトラクロロプロパン、1つ以上のペンタクロロプロパン、1つ以上のヘキサクロロプロパン、または任意の数のこれらの組み合わせが挙げられる。
低強度条件がこのプロセスに適切であり、周囲温度〜100℃の温度および周囲圧力〜200psigの圧力が使用され得る。そうであるにもかかわらず、塩化アルミニウムは、同様のプロセス条件下で単一の触媒として使用される場合、塩化第二鉄と比較して、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの少なくとも1.5倍、もしくは2倍、もしくは3倍、もしくは4倍、もしくは5倍、もしくはさらには6倍以上の変換率および/または生成率を提供する。いくつかの実施形態では、例えば1,1,1,3−テトラクロロプロパンの少なくとも80%、またはさらには100%の変換が、360gr/L/分を超える生成率で提供される。これらおよび他の実施形態では、360gr/L/分を超える生成率で、少なくとも75%または少なくとも90%の1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの収率が提供され得る。少なくとも1000gr/時間/Lの生成率も見られ得る。
1,1,1,3−テトラクロロプロパンは、原位置で、例えばエチレンと四塩化炭素との反応を介して調製され得る。この反応において塩化第二鉄は、商業的生成に十分な選択性を提供し、単独で使用され得るが、この反応は触媒され得、この場合、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、ヨウ素、塩化チタン、五塩化アンチモン、三塩化ホウ素、1つ以上のハロゲン化ランタン、1つ以上の金属トリフラート、またはこれらの組み合わせを含む、ルイス酸触媒が好適である。
いくつかの実施形態では、このプロセスによって生成された1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンは、脱塩化水素され、1,1,2,3−テトラクロロプロペンを提供し得る。この脱塩化水素は触媒的にまたは腐食剤を使用して行われ得る。触媒的に行われる場合、ここでもルイス酸触媒が好適である。
一実施形態に従う、プロセスの模式図を示す。
本明細書は、本発明をより良好に定義し、本発明の実践において当業者を導くために、特定の定義および方法を提供する。特定の用語または語句の定義の提供または提供の欠如は、任意の具体的な重要性またはその欠如を暗示するよう意図するものではない。むしろ、別様が述べられない限り、用語は関連技術の当業者による従来の用法に従って理解されるべきである。
「第1の」、「第2の」等の用語は、本明細書で使用される場合、順、量、または重要性を述べるものでなく、むしろ、ある要素を別の要素から区別するために使用される。同様に、「a」および「an」という用語は量の限定を述べるものでなく、むしろ指される物品の少なくとも1つの存在を述べ、「前」、「後ろ」、「下」、および/または「上」という用語は、別様が述べられない限り、説明の利便性のために使用されるだけであり、1つの位置または空間的配向に限定されない。
範囲が開示される場合、同じ構成要素または特性に向けられる全ての範囲の終点は、包含的であり、独立して組み合わせ可能である(例えば「最大25重量%またはより具体的には5重量%〜20重量%」という範囲は、「5重量%〜25重量%」等の範囲の終点およびすべての中間値を包含する)。本明細書で使用される場合、変換パーセント(%)は、反応物質のモルまたは質量流量の変化に対する反応器内での流入流量の比率を示すよう意図され、一方で選択性パーセント(%)は、生成物のモル流量の変化に対する反応器内での反応物質のモル流量の変化の比率を意味する。
本明細書を通した、「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への言及は、一実施形態との関連で記載される特定の特性、構造、または特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通した様々な場所での「一実施形態では(in one embodiment)」または「一実施形態では(in an embodiment)」という語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特性、構造、または特徴は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式で組み合わされ得る。
本明細書で使用される場合、「変換率」という語句は、単位時間当たりの変換を示すよう意図される。「生成率」という用語は、時間の単位(時間)および反応器体積(cm)の両方で割った、重量またはモルにおいて生成された生成物を示すよう意図される。
本発明は、塩素化プロパンの生成のための効率的なプロセスを提供する。より具体的には、本プロセスでは、1,1,1,3−テトラクロロプロパンが塩化アルミニウムの存在下で塩素化され、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンを提供する。塩化アルミニウムは単独でまたは塩化第二鉄との組み合わせで使用され得るが、塩化第二鉄は1,1,1,3−テトラクロロプロパンの塩素化を非効率的に触媒するため、単独で使用される塩化第二鉄は本発明の範囲内ではない。
より具体的には、塩化第二鉄がほぼ500%/時間の1,1,1,3−四塩化物の変換率を提供し得る一方で、塩化アルミニウムは、500%/時間を超える、または600%/時間を超える、または750%/時間を超える、または1000%/時間を超える、または1500%/時間を超える、または2000%/時間を超える、または2500%/時間を超える、または3000%/時間を超える、またはさらには3300%/時間を超える変換率を提供し得る。さらに、塩化第二鉄がほぼ350%の生成率を提供し得る一方で、塩化アルミニウムは350%を超える、または400%を超える、または500%を超える、または600%を超える、または700%を超える、または800%を超える、または900%を超える、または1000%を超える、または1500%を超える、またはさらには2000%を超える、1,1,1,3−テトラクロロプロパンからの1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの生成率を提供し得る。
別の言い方をすると、塩化アルミニウムは同じプロセス条件下で、塩化第二鉄よりも、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、またはさらには6倍を超える1,1,1,3−テトラクロロプロパンの生成率を提供し得る。
現在では、驚くべきことに、塩化アルミニウムがアルカンの塩素化のための複数触媒システムの構成要素として使用されてきたにもかかわらず、かかる反応において単独では使用されてこなかったということが分かっている。特に塩化アルミニウムは、少なくとも1つの他の触媒、多くの場合ヨウ素と慣習的に利用されている。対照的に、現在本発明人は、塩化アルミニウムがイオン性塩素化触媒として使用され得、1,1,1,2−テトラクロロプロパンを高い変換率および/または生成率で1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンに転換させる作用をするということを発見した。
いくつかの実施形態では、例えば、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの少なくとも80%またはさらには100%の変換が、360gr/L/分を超える生成率で提供される。これらおよび他の実施形態では、少なくとも75%または少なくとも90%の1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの収率が、360gr/L/分を超える生成率で提供され得る。少なくとも1000gr/時間/Lの生成率も見られ得る。
出発物質である1,1,1,3−テトラクロロプロパンが2つ目の炭素原子上に塩素を有さないことを考慮すると、これらは予想外かつ驚くべき結果である。つまり、AlCl等の、FeClよりも強いルイス酸触媒は、1,2−ジクロロプロパン等の塩素化アルカンの塩素化を触媒し、より高度の塩素化アルカンを生成することに効果的であることが示されてきた一方で、塩素原子の添加は、そこに付着した塩素原子(複数可)をすでに有する炭素上に優先的に生じることのみが示されている。この場合、塩素は事前に塩素化していない炭素に添加され、所望の最終生成物である1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンを、本明細書に開示される驚くべき収率および生成率で提供する。
塩化アルミニウム単独の使用によって提供される優れた変換率および生成率を超える改善は、想像することが困難であり得るが、漸進的な改善が可能である。塩化アルミニウムとの組み合わせでの塩化第二鉄の使用は、プロセスに有害に影響することが予想されないため、これは、そうすることが便利および/または別様で望ましい場合にかかる組み合わせで使用され得、この場合、前述の漸進的改善が見られ得る。
1,1,1,3−テトラクロロプロパンの塩素化は、塩素化剤を使用して実行され得、これらのうちのいくつかは当業者に既知である。例えば、好適な塩素化剤には、塩素、および/または塩化スルフリル(SOCl)が挙げられるが、これらに限定されない。塩素化剤の組み合わせも使用され得る。Clおよび塩化スルフリルのいずれかまたは両方は、前述のルイス酸触媒の使用によって支援される場合、特に効果的であり得るが、塩化スルフリルは、所望の場合、プロセスのための溶剤として作用するという利益も提供し得る。
いくつかの実施形態では、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンは脱塩化水素されて1,1,2,3−テトラクロロプロペンを提供し得、かかる実施形態では、このプロセスによって、例えば優れた1,1,1,3−テトラクロロプロパンの変換および1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンへの収率を介して、提供される利点は、1,1,2,3−テトラクロロプロペンの同様の有利な収率が見られるように、持続することが期待される。
1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの脱塩化水素は、触媒の存在下で、または触媒を伴わず、のいずれかで、液相または気相において実行され得る。触媒脱塩化水素は、液体腐食剤の使用を減少させるという利点を提供し、プロセスから無水HClを回収する潜在性を提供し、これは水性HClよりも高価な副生成物である。触媒の使用が望ましい場合、好適な脱塩化水素触媒には、上述のルイス酸触媒のいずれか、ならびに腐食剤の置換として塩化第二鉄が挙げられるが、これらに限定されない。
他の実施形態では、1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの脱塩化水素が液体腐食剤の存在下で行われ得る。蒸気相または溶液相ルイス酸触媒脱塩化水素は、有利なことに、腐食剤媒介脱塩化水素よりも高価な副生成物の形成をもたらすが、腐食剤媒介脱塩化水素反応は、反応物質の蒸発が必要としないため、経費の節約を提供し得る。液相反応において使用されるより低い反応温度は、気相反応との関連で使用されるより高い温度よりも、低い汚損率ももたらし得、反応器の寿命も液相脱塩化水素が利用される場合に最適化され得る。
当技術においては、多くの化学塩基が液体脱塩化水素に有用であることが既知であり、これらのうちのいくつかが使用され得る。例えば、好適な塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;リチウム、ルビジウム、およびセシウム、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。第四アンモニウム塩および第四ホスホニウム塩(例えば塩化ベンジルトリメチルアンモニウムまたは臭化ヘキサデシルトリブチルホスホニウム)等の相間移動触媒も、これらの化学塩基で脱塩化水素反応を改善するために添加され得る。
このプロセスにおいて利用される触媒のいずれかまたは全ては、まとめて、または活性炭、黒鉛、シリカ、アルミナ、ゼオライト、フッ化黒鉛、およびフッ化アルミナ等の基質との関連で、のいずれかで提供され得る。所望の触媒(複数可)またはその形式が何であれ、当業者であれば、その適切な形式および導入方法の判断方法を十分に認識している。例えば、多くの触媒は、典型的に、反応器帯域に別個の供給物として、または他の反応物質と共に溶液中に導入される。
利用される塩化アルミニウムおよび脱塩化水素所触媒の量(もしあれば)は、選択される具体的な触媒ならびに他の反応条件に依存し得る。一般的に、触媒の利用が望ましい本発明の実施形態では、反応プロセス条件または実現生成物に改善(例えば必要とされる温度の低減)を提供するために、十分な触媒が使用されるべきであるが、経済的実用性の理由のためにも、追加的な利益を提供し得る量よりも多くあるべきではない。
したがって、例示のみの目的のために、塩化アルミニウムの有用な濃度は、0.001重量%〜20重量%、または0.01重量%〜10重量%、または0.1重量%〜5重量%の範囲であり得、これらの間の全ての部分的範囲を包含し得る。脱塩化水素触媒が、脱塩化水素工程に利用される場合、有用な濃度は、70℃〜200℃の温度で、0.01重量%〜5重量%、または0.05重量%〜2重量%の範囲であり得る。相間移動触媒が利用される場合、有用な量は0.1重量%以下であり得る。化学塩基が脱塩化水素に利用される場合、これらの有用な濃度は、0.01〜20grモル/L、または0.1grモル/L〜15grモル/L、または1grモル/L〜10grモル/Lの範囲であり得、これらの間の全ての部分的範囲を包含し得る。それぞれの触媒/塩基の相対濃度は、場合によっては、供給物、例えば、1,1,1,3−テトラクロロプロパンまたは1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンに対するものである。
プロセスが実行される反応条件は、有利なことに低強度である。つまり、低温度、例えば100℃未満、または90℃未満、または80℃未満、または70℃未満、または60℃未満、または50℃未満、またはさらには40℃という低温が利用され得、トリ、テトラ、および/またはペンタクロロアルカンへの所望の選択性がなお実現され得る。いくつかの実施形態では、周囲温度〜100℃、または40℃〜70℃、または55℃〜65℃の温度が利用され得る。同様に、周囲圧力がプロセスを実行することに好適であり、または200、または150、または100、または50、または40、または30、または20、またはさらには10psig以内の周囲圧力が好適である。
反応器占有率は、1,1,1,3−テトラクロロプロパンからの1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの生成のための従来のプロセスに対して有意に改善され、例えば、10分未満、または5分未満、または2分未満、または1分未満、または0.5分未満の反応器占有時間が可能である。反応器は、内部冷却コイルを伴うバッチまたは連続撹拌タンクオートクレーブ反応器等の、任意の好適な液相反応器であり得る。蒸気液体離脱タンクまたは槽が続く、シェルおよび多管交換器も使用され得る。
さらなる実施形態では、なおもさらなる利益、すなわち、反応副生成物の選択性、変換、または生成における改善、を提供するために、プロセスの1つ以上の反応条件が最適化され得る。特定の実施形態では、複数の反応条件が最適化され、生成される反応副生成物の選択性、変換、および生成における、なおもさらなる改善が見られ得る。
最適化され得るプロセスの反応条件は、例えば、製造フットプリントにおいて既存の器具および/または材料の利用を介して調節され得る、または低資源経費で得られ得る、利便的に調節される任意の反応条件を含む。かかる条件の例には、温度、圧力、流量、反応物質のモル比等が挙げられ得るが、これらに限定されない。
そうは言うものの、本明細書に記載されるそれぞれの工程で用いられる具体的な条件は重要ではなく、当業者によって容易に判断される。重要なことは、1,1,1,3−テトラクロロプロパンを含む供給ストリームが、塩化アルミニウムを、単独で、または塩化第二鉄との組み合わせで、のいずれかで使用することで、塩素化されて1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンを提供するということである。当業者は、それぞれの工程に好適な器具、ならびに塩素化、脱塩化水素分離、染色、および異性化工程が行われ得る具体的な条件を容易に判断することができるだろう。
かかるプロセスの一実施形態の模式図が図1に示される。図1に示されるように、プロセス100は、塩素化反応器102と、HCl精製ユニット104と、急冷/乾燥ユニット106と、分離ユニット108および110と、を組み込む。プロセス100の動作において、1,1,1,3−テトラクロロプロパンが塩化アルミニウムと共に塩素化反応器に提供される。
塩素化反応器102は、過剰塩素および副生成物HClを含むオーバーヘッドストリームを生成する。このオーバーヘッドストリームは、オーバーヘッドストリームおよび塩素を含むボトムストリームとしてHClを提供するために効果的な条件で動作する、HCl精製カラム104に提供され、このボトムストリームは塩素化反応器102へ再利用され得る。
塩素化反応器からのボトム生成物ストリームは、乾燥ユニット106において急冷および乾燥させ、水性相における塩化アルミニウムを除去する。塩素化反応器102からの乾燥させたストリームは、分離ユニット108に提供される。分離ユニット108は、未反応1,1,1,3−テトラクロロプロパンをオーバーヘッドストリームとして、ならびに1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンおよびより重い副生成物をボトムストリームとして、提供するために効果的な条件で動作する。
1,1,1,2,3を含む、分離ユニット108からのボトムストリームは、さらなる精製および実質的に純粋な1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンのそこからのオーバーヘッドストリームとしての提供のために、分離ユニット110に提供され得る。
次に本発明のいくつかの実施形態が以下の実施例において詳細に説明される。
実施例I:AlCl対FeClを使用した1,1,1,3−テトラクロロプロパンの塩素化
グローブボックス内で、100mLのParr反応器の底に、100mgのFeClまたはAlClのいずれかと塩化メチレン(45mL)を充填する。反応器を密閉し、撹拌(900rpm)を開始し、反応器をN(約140psig)で加圧し、通気する。塩素(N内に30%)を125psigの反応器圧力で35分間反応器に通過させる。ショットタンクに1,1,1,3−テトラクロロプロパン(1mL)および塩化メチレン(9mL)を充填する。その後塩素を止め、反応器を50℃に加熱し、反応器圧力を約125psigに調節する。ショットタンクが添加され、反応器から10分間2分毎に、その後30分および60分時点で試料採取する。試料をボックスから除去し、飽和水性炭酸水素ナトリウムで急冷する。有機層を分離する。重水素化クロロホルム内でのH NMR分光法による分析は、AlClの場合、2分後の第1の試料採取までに1,1,1,3−テトラクロロプロパンの完全変換を示す(表1を参照)。対照的に、FeClの場合、同様の変換を見るのに1時間以上かかる(表2を参照)。表1および2の両方において、1113が1,1,1,3−テトラクロロプロパンの省略として使用され、11123が1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの省略として使用され、111223が1,1,1,2,2,3−ヘキサクロロプロパンの省略として使用される。生成率は、1,1,1,3−テトラクロロプロパンの1.46g/mLの密度、使用され供給におけるCl%に規準化した1113の容積の1.2倍の反応器容積を想定して決定される。

Claims (15)

  1. 1,1,1,3−テトラクロロプロパンの塩素化を、塩化アルミニウムで、単独、または塩化第二鉄と組み合わせて、触媒することを含む、1,1,1,3−テトラクロロプロパンからの1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの生成のためのプロセス。
  2. 塩化アルミニウムが単独で使用される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記プロセスが溶剤の存在下で実行される、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記溶剤が、四塩化炭素、塩化スルフリル、1つ以上のテトラクロロプロパン、1つ以上のペンタクロロプロパン、1つ以上のヘキサクロロプロパン、または任意の数のこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記プロセスが周囲温度〜100℃の温度で実行される、請求項1または2に記載のプロセス。
  6. 周囲圧力〜200psigの圧力で実行される、請求項1または2に記載のプロセス。
  7. 前記1,1,1,3−テトラクロロプロパンの少なくとも80%の変換が、360gr/L/分を超える生成率で提供される、請求項1、2、5、または6に記載のプロセス。
  8. 360gr/L/分を超える生成率で、少なくとも75%の1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンの収率である、請求項1、2、5、または6に記載のプロセス。
  9. 前記1,1,1,3−テトラクロロプロパンが原位置で調製される、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記1,1,1,3−テトラクロロプロパンが、1つ以上のルイス酸触媒および任意でリン酸トリアルキルまたはアルキルアミンの存在下で、エチレンと四塩化炭素との反応によって調製される、請求項9に記載のプロセス。
  11. 前記ルイス酸が、塩化第二鉄、塩化クウプラウス(couprous)、塩化アルミニウム、塩化チタン、五塩化アンチモン、三塩化ホウ素、1つ以上のハロゲン化ランタン、1つ以上の金属トリフラート、またはこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載のプロセス。
  12. 1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンを含む生成物ストリームが、脱塩化水素されて1,1,2,3−テトラクロロプロペンを生成する、請求項1に記載のプロセス。
  13. 前記脱塩化水素が腐食剤を使用して行われる、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記脱塩化水素がルイス酸触媒を使用して触媒的に行われる、請求項12に記載のプロセス。
  15. 前記ルイス酸触媒が、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化チタン、五塩化アンチモン、三塩化ホウ素、1つ以上のハロゲン化ランタン、1つ以上の金属トリフラート、またはこれらの組み合わせを含む、請求項14に記載のプロセス。

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