関連出願の相互参照
本出願は、2013年2月12日および2013年3月15日にそれぞれ出願された米国仮出願第61/763,896号および第61/794,254号の利益を主張しており、これらの仮出願の開示は、その全体が、参照によって本明細書に組み入れられる。
本明細書には、診断目的のための呼気放出物の分析のためのデバイスおよび方法が、記載されている。より詳しくは、人の息からのたとえば呼気終末ガスなどの呼吸サイクルの関連部分をサンプリングし分析するためのデバイスおよび方法が記載されている。このデバイスおよび方法は、たとえば、診断、モニタリングまたはスクリーニング目的のために、または、治療処置との関連で、ガス分析と根底にある病理学的条件とを相関させるために用いられ得る。
身体および血流において生成されるまたは身体および血流に侵入する一定の代謝物質および化学物質は、呼気の中に排出される。身体または血流におけるレベルは、それを呼気において測定することによって、決定され得る。たとえば、呼気中の一酸化炭素(CO)レベルは、血液疾患および条件、代謝異常、ならびに環境的および行動上の問題などの、根底にある異常を検出しモニタするために、測定され得る。たとえば、呼気終末COは、血液COとの相関され得るのであるが、血液COは、溶血、喫煙または吸入中毒を示し得る。呼気終末COを測定するためには、患者から排出される呼気から非侵襲的に、息を吐き出す最後における呼気の部分を捕捉することによって、肺胞気が収集され得る。捕捉された呼気終末ガスは、次に、そのCO濃度について分析され得るが、それにより、非侵襲的測定が完了する。典型的には、呼気終末ガスレベルと身体または血液における代謝物または化学物質のレベルとの間には、たとえば、1:1という比率の、または他の比率の相関が存在する。
典型的には、しかし常にではないが、呼気モニタリング・センサおよびガス分析センサという2つのタイプのセンサが用いられる。呼気モニタリングに関しては、呼吸パターンの適切な部分を正確に目的として収集するために、典型的には、赤外CO2センサなどのリアルタイムまたはほぼ瞬時のセンシング技術が、呼吸パターンの測定に用いられる。あるいは、気道圧センサ、フロー・センサ、酸素ガス・センサ、胸部インピーダンス・センサ、音響センサ、振動センサ、ならびに横隔膜運動および神経支配センサなどの他のセンサである。ガス組成分析に関しては、要求される臨床的精度を充足するため、この目的を満たす利用可能なセンサは、典型的に、1回の呼吸の継続時間よりも著しく長い実質的な信号応答時間を要求する。したがって、正確なシステムにおいては、ガス分析ステップは、呼吸パターン・モニタリングおよびガス・サンプル収集ステップの後に生じ得る。
従来型の呼気分析システムには、いくつかの深刻な制約が存在し得る。特に、第1の制約においては、不規則な呼吸パターンに起因して、適切な呼気終末ガス・サンプルを取得して分析することは、しばしば問題を含み、いくつかの場合には、不可能である。特定の呼気がその呼気フェーズにおいて有効な肺胞ガス組成から構成される「正常な」呼気であるかどうかは、一連の呼気の後まで、または、ある実質的な継続時間の呼吸が分析されるまで、判断不可能である。J. S. GRAVENSTEIN、MICHAEL B. JAFFE、NIKOLAUS GRAVENSTEINによる「カプノグラフィ」には、呼気分析が有益であり得るが根底にある不規則性のために完了され得ない多数のパラダイムについての記載がある。この書籍において示されている分析のほとんどは、「人工物のない」波形を想定しているのであるが、著者たちは、特に病を得た患者、挿管されている患者、およびそれ以外の一般的に生じる臨床的な事象においては、これが稀な場合であることを認めている。さらに、呼気分析に関係する臨床的試みでは、典型的に、不規則な、異常な、または予測不可能な呼吸パターンを有する患者を排除しなければならない。メドトロニック社によるカプノグラフィ・ブローシュアMIN3012492−001/CAT21300−001569には、どれもが疾病、気道閉塞、呼吸停止、不十分な呼吸などの結果として臨床の現場で日常的に生じる一連のカプノグラフィ波形が表示されている。これらの条件の多くは、呼気の化学的組成の詳細な測定を、困難、不正確、または不可能にし得る。さらに、当業者にとっては明らかであるように、CO、H2および一酸化窒素などのガスの分析は、上述した参考文献のほとんどの主題であるCO2濃度の測定よりも、はるかに複雑であり得る。これは、CO2濃度が信頼性をもって得られないときには、他のどのガスの濃度測定もやはり取得不可能である可能性が高いことを意味する。
第2の制約においては、(A)1つの個別的な呼気だけを測定することによって、別の呼気に含まれる潜在的に非常に有益な情報を逃すことにより、または、(B)チャンバの中の一連の呼気内部のすべての呼気を定量的に混合することによって、重要な呼気に含まれる情報を希釈することにより、従来型の呼気分析デバイスが、重要な情報を逃し得るということが認識されてきている。これらのシステムは、また、一連の呼気内部のすべての呼気を測定する場合には、有効な呼気および無効な呼気が混合されてしまうことで結果の精度を潜在的に低下させるという点でも、制約を有し得る。
複数の発行された米国特許と公開された特許出願とが、呼気分析における技術の現状について論じている。米国特許第6,544,190B1号は、記載されているシステムが「過度の呼気変動性のために検査が信頼できなくなる蓋然性が高いときに検査データを拒絶する手段を提供する」ことを開示している。メドトロニック社の出願第11/588,990号である公開番号第US2008/0009762A1号は、カプノグラフィ曲線の形状への非線形適合を提供することによってカプノグラフィ・データを分析するアルゴリズムを記載しているが、呼気の根底にある化学的分析に関しては、まったく扱っていない。同様に、(オリディオンに対して発行された)米国特許第6,428,483号は、波形の角度、遷移点、およびそれ以外の特性について考察するカプノグラフィ波形分析システムを記載しているが、それは、一度に1つの呼気に対してリアルタイムに作用し、格納機構を有していない。次に、米国特許第6,733,463号は、呼気流量の制御を試みる一酸化窒素測定システムを記載しているが、これもまた、可変なフローおよび速度特性を有する呼気には適用不可能である。米国特許第8,021,308号は、呼気と吸気との間の遷移点を見つけ、次に呼気のその部分をリアルタイムで分析することによって、呼気の終末部分を分離する方法を記載している。この発明は、呼吸速度に基づく調節可能な分析方法論を有しているが、(呼気終末などの)現在の呼気の遷移点または部分を識別することに限定されており、格納された体積をサブサンプリングする手段、すなわち、開始するおよび終了するサンプリング点の事後的な適用を提供することはない。さらに、それは、複数の完全な呼気を格納する手段を提供しない。米国特許第6,582,376号は、肺胞呼気分析のための測定システムを記載しており、閾値に基づいて呼気の一部を格納するためのサンプル体積を提供するが、個別的な呼気の別々の識別は不可能である。
本明細書には、個別的なおよび/または複数の呼気から一連の呼気および/または部分の物理的レジストリを編成し、そのレジストリの内部で呼気タイプおよび呼気部分タイプを特徴付け、そのレジストリの内部で複数の異なる部分を編成し、所望の呼気および/または所望の呼気部分に対して、リアルタイムで、またはある時間間隔が経過した後で、所望の分析を行うことによって、呼気におけるガス、粒子およびそれ以外の物質を分析する方法、システムおよびデバイスが記載されている。
従来型の技術水準によるアプローチに付随する問題に対処するために、より強力で有用なガス分析技術では、いくつかの変形例において、呼気ストレージと呼気情報レジストリとを用いる。たとえば、いくつかの変形例では、呼気分析器は、一連の呼気を分析し、その一連の呼気から複数のサンプルとサブサンプルとを収集し得るのであるが、その一連の呼気の呼吸パターンおよび呼気タイプが分析され情報がレジストリに編成された後で、システムは、その一連の呼気における呼気タイプの特徴付けおよび比較にすべて基づき、さらなる分析のためにサンプルを相互に組み合わせたり、さらなる分析のためにそれらを異なる方法で組み合わせるかつ/もしくは分離したり、または、個別的な異なるタイプの分析のためにそれらを区別したりすることがあり得る。
第1の変形例では、呼気または一連の呼気からのガスが患者から引き出され、ガスの各部分の呼気タイプおよび呼気部分タイプが、高速、瞬間的またはほぼ瞬間的であることが好ましいが常にそうであるとは限らない呼吸センサと必要なアルゴリズムとからの呼吸信号を用いて分析して、定義される。呼吸信号は、呼気サイクルにおけるタイミング・マーカの表示を含み、たとえば、カプノグラフィにおけるように呼吸ガスのタイプまたは複数のガスのタイプにチューニングされたIRセンサを用いて、取得され得る。呼気ガスそれ自体は、呼気の異なる部分からのガスの構成部分の間での、および呼気の間での混合を減少させるために断面積の小さな流路を有するサンプル収集コンパートメントの中に、捕捉され得る。異なる構成部分は、呼吸信号に基づいて、レジストリとしてカタログ化され得る。所望の部分は、関心対象であるガスのレベルを決定するために、分析され得る。
第2の変形例では、呼気ガスが、ガスの構成部分の間での混合を減少させるために断面積の小さな流路をそれぞれが備えた複数の異なるサンプル収集コンパートメントの中に捕捉される。複数の異なるコンパートメントの複数の異なる構成部分は、呼吸信号を用いて、レジストリとしてカタログ化され得る。所望の部分が、関心対象である異なるガスのレベルを決定するために、複数の異なるセンサ・タイプによって、分析され得る。
第3の変形例では、呼気ガスが、ガスの構成部分の間での混合を減少させるために断面積の小さな流路を備えたサンプル収集コンパートメントの中に捕捉される。複数の異なる構成部分は、レジストリとしてカタログ化され得る。所望の部分が、問題である様々なガスのレベルを決定するために、様々な異なるセンサによって、分析され得る。
第4の変形例では、呼気ガスが、ガスの構成部分の間での混合を減少させるために断面積の小さな流路をそれぞれが備えた複数の異なるサンプル収集コンパートメントの中に捕捉される。複数の異なるコンパートメントの複数の異なる構成部分は、レジストリとしてカタログ化され得る。所望の部分が、問題である気質のレベルを決定するために、分析され得る。
追加的な変形例では、周囲ガスまたは不活性ガスなどの適切なガスが、部分を分離するのを助けるために、サンプル・コンパートメントにおけるガスの異なる構成部分の間に挿入される。他の変形例では、呼気終末部分などの呼気の特定の部分が、複数の呼気から収集されて照合され、分析される。他の変形例では、フロー・ポンプ、サンプル収集コンパートメント、および気質分析センサが記載されている。
いくつかの変形例では、呼気ガス捕捉デバイスは分析センサを含んでおらず、ガスが捕捉された後で、サンプル・コンパートメントがセンサに輸送される。たとえば、ガスは患者のベッドサイド、医師のオフィスまたは遠隔的に家庭もしくは野外で捕捉され、分析のために実験室に輸送され得る。他の変形例では、呼気の異なる部分が、適切な分析のために、レジストリにおいて編成され得る。たとえば、上部気道の被検体、中間気道の被検体、下部気道の被検体、肺胞被検体、またはこれらの組合せが、所望の診断検査に応じて、関心対象のサンプルを含み得る。システムがユーザによって完全にプログラム可能であり得ることにより、ユーザは、試みられている分析のタイプを入力することができ、システムは、次に、必要なサンプルを収集し編成し分析するために、必要な制御システムおよびアルゴリズムを実行する。他の変形例では、被験者は、ユーザまたはシステムによって、呼気サンプルが収集されつつある間、一定の呼吸法を実行するように命令され得る。たとえば、ユーザは、呼吸を停止すること、深い呼気、浅い呼気、通常の1回呼吸量の呼気、またはこれらの組合せを提示することができる。これは、問題の疾病を示す被検物が一定の呼気タイプにおいて最も顕著である場合に、システムの分解能を向上させ得る。システムは、実際に提示された呼気を測定し、予測される呼吸パターン信号と比較することに基づき、各サンプルを確認して受け入れるか、または拒絶し得る。あるいは、被検者が、たとえば、彼または彼女がトレーサ要素または誘発エージェントを吸い込むまたは注入するように命令され、呼気において結果的に生じる被検物が結果として変化し、根底にある病理もしくは疾病または問題となっている症候群を示すような挑戦法の対象となり得る。本開示において記載されているシステムは、協力的な被検者だけではなくて非協力的な被験者からサンプルを取得することを含み得る。
第5の変形例では、呼気サンプリングおよび分析装置は、異なる呼気部分の始点と終点とを決定するためにガスパラメータを検出するセンサと、人の呼気から少なくとも1つのガス・サンプルを引き出すポンプと、呼気部分を別々の物理的位置にそれぞれ格納するサンプル・コンパートメントとを含む。
第6の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置が、格納された呼気部分のそれぞれをあるパラメータに関して別々に分析する分析器をさらに含む。
第7の変形例では、第5の変形例のサンプル・コンパートメントが、毛細チャネルを備えており、その毛細チャネルでは、異なる呼気部分がチャネルの容積の一区間を占め、それらの区間は端部から端部である。
第8の変形例では、第5の変形例の別々の物理的位置が別々のサンプル容器を備えており、この装置は、異なる呼気部分を別々のサンプル容器の中へ進路を変えるためのマニホルドシステムをさらに備えている。
第9の変形例では、第8の変形例の各サンプル容器は、それぞれのバイパス管とそれぞれのセンサとを備えている。
第10の変形例では、第8の変形例の各サンプル容器は、それぞれのセンサを備えており、この装置は、すべてのサンプル容器のために1つのバイパス管を備えている。
第11の変形例では、第8の変形例の呼気分析装置は、すべてのサンプル容器のために1つのセンサを備えており、すべてのサンプル容器のために1つのバイパス管を備えている。
第12の変形例では、第5の変形例の呼気部分は、単一の呼気からのものである。
第13の変形例では、第5の変形例の呼気部分は、様々な呼気からのものである。
第14の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置は、第1のパラメータに関して1つまたは複数の呼気部分を分析する分析器を含む。
第15の変形例では、第14の分析器は、第2のパラメータに関して別の1つまたは複数の呼気部分を分析する。
第16の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置は、呼気部分を一緒に分析する分析器を含む。
第17の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置は、呼気部分を別々に分析する分析器を含む。
第18の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置は、呼吸パターン特性の測定値を受け取ることによって所望の呼気部分を識別するためのプロセッサを含んでおり、サンプル・コンパートメントは、呼気の所望の部分からガスを受け取る。
第19の変形例では、呼気サンプリングおよび分析装置は、呼気の開始と終了とを識別することにより呼気パターンを様々な呼気部分に分割して、様々な呼気部分の開始および終了を識別するセンサと、人の呼気から少なくとも1つのサンプル管の中へガス・サンプルを引き出す真空ポンプであって、このサンプル管は少なくとも1つの呼気および少なくとも1つの呼気部分からのガスを含む、真空ポンプと、呼気の開始と終了とに対応し、呼気部分の開始と終了とに対応するサンプル管におけるガスの位置を識別するためのコンピュータとを含む。
第20の変形例では、第19の変形例の呼気分析装置は、格納された呼気サンプルを、あるパラメータに関して分析する分析器を含む。
第21の変形例では、呼気サンプリング装置は、その内部での患者によって吐き出された呼気の混合を防止するように構成されたサンプリング・チューブと、サンプリング・チューブに結合されており患者によって吐き出された呼気をサンプリング・チューブの内部で捕捉するように共に動作可能な入口弁および出口弁と、サンプリング・チューブに流体的に結合されており患者によって吐き出された呼気を直接に受け取るように動作可能である入口チューブとを含んでおり、さらに、入口弁は、サンプリング・チューブを入口チューブから分離させるように動作可能である。
第22の変形例では、第21の変形例の呼気サンプリング装置は、吐き出された呼気の部分の格納チューブにおける位置を決定するためのプロセッサを含む。
第23の変形例では、第21の変形例の呼気サンプリング装置は、サンプリング・チューブにおける吐き出された呼気の1つまたは複数のパラメータを決定するためのインフロー・センサを含む。
第24の変形例では、第23の変形例のインフロー・センサは、流量センサ、MEMS流体センサ、光学ベンチ、および質量分析計からなる群から選択された1つまたは複数を含む。
第25の変形例では、第23の変形例のプロセッサは、サンプリング・チューブにおける吐き出された呼気のパラメータの記録を参照することによって、その部分の位置を決定するのであるが、この記録は、インフロー・センサによって決定された1つまたは複数のパラメータを含む。
第26の変形例では、第25の変形例の1つまたは複数のパラメータは、吐き出されてサンプリング・チューブに入る呼気の時間プロファイル、吐き出された呼気の流量プロファイル、サンプリング・チューブに結合されたポンプのポンプ速度プロファイル、吐き出された呼気の圧力プロファイル、吐き出された呼気の二酸化炭素濃度プロファイル、および吐き出された呼気の温度プロファイルからなる群から選択された1つまたは複数を含む。
第27の変形例では、第21の変形例の呼気サンプリング装置は、吐き出された呼気の部分の特性を、それがサンプリング・チューブにおいて捕捉された後で決定するための分析システムを含む。
第28の変形例では、第27の変形例の分析システムは、1つまたは複数の格納容器を含み、この1つまたは複数の格納容器は、サンプリング・チューブに流体的に結合されており、出口弁は、サンプリング・チューブを1つまたは複数の格納容器から分離するように動作可能である。
第29の変形例では、第27の分析システムは、吐き出された呼気の部分をベントするためのエキゾーストを含む。
第30の変形例では、第27の変形例の分析システムは、麻酔ガス、有毒ガス、アルコール使用に起因する代謝ガス、薬物使用に起因する代謝ガス、疾病に起因する代謝ガス、および水素からなる群から選択された1つまたは複数のガスの特性を分析する。
第31の変形例では、第21の変形例の呼気サンプリング装置は、サンプリング・チューブに流体的に結合されたポンプを含み、出口弁は、サンプリング・チューブをポンプから分離させるように動作可能である。
第32の変形例では、第31の変形例のポンプは、可変速度を有する。
第33の変形例では、第31の変形例のポンプは、可逆的なフロー方向を有する。
第34の変形例では、第21の変形例のサンプリング・チューブは、毛細チューブを有する。
第35の変形例では、第21の変形例のサンプリング・チューブは、複数の吐き出された呼気を格納するように構成されている。
第36の変形例では、第35の変形例の複数の吐き出された呼気は、複数の患者によって吐き出される。
第37の変形例では、1つまたは複数の呼気を分析する方法は、その内部での呼気の混合を防止するように構成されたサンプリング・チューブに、1つまたは複数の呼気を格納するステップと、サンプリング・チューブに格納された呼気の1つまたは複数の特性を記録するステップと、サンプリング・チューブに格納された呼気の1つまたは複数のセグメントを、呼気の記録されている特性に基づいて識別するステップと、1つまたは複数のセグメントをサンプリング・チューブから抽出するステップと、1つまたは複数のセグメントを分析するステップとを含む。
第38の変形例では、第37の変形例の呼気の1つまたは複数の特性を記録するステップは、インフロー・センサを用いて1つまたは複数の特性を決定するステップを含む。
第39の変形例では、第38のインフロー・センサは、吐き出されてサンプリング・チューブに入る呼気の時間プロファイル、吐き出された呼気の流量プロファイル、サンプリング・チューブに結合されたポンプのポンプ速度プロファイル、吐き出された呼気の圧力プロファイル、吐き出された呼気の二酸化炭素濃度プロファイル、および吐き出された呼気の温度プロファイルからなる群から選択された1つまたは複数を決定するように構成されている。
第40の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを抽出するステップは、不所望のセグメントを排出するステップを含む。
第41の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを抽出するステップは、1つまたは複数のセグメントを1つまたは複数の格納容器に格納するステップを含む。
第42の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを抽出するステップは、可逆フローを備えたポンプを用いて、不所望のセグメントをサンプリング・チューブに戻すステップを含む。
第43の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを分析するステップは、麻酔ガス、有毒ガス、アルコール使用に起因する代謝ガス、薬物使用に起因する代謝ガス、疾病に起因する代謝ガス、および水素からなる群から選択された1つまたは複数のガスの特性を分析するステップを含む。
第44の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを分析するステップは、複数の呼気からの呼気セグメント、1つまたは複数の呼気の呼気終末濃度、および1つまたは複数の肺胞濃度からなる群から選択された少なくとも1つを分析するステップを含む。
第45の変形例では、第37の変形例における1つまたは複数の呼気を格納するステップは、1つまたは複数の呼気を毛細管に格納するステップを含む。
第46の変形例では、第37の変形例における1つまたは複数の呼気を格納するステップは、複数の患者からの複数の呼気を格納するステップを含む。
第47の変形例では、第37の変形例における1つまたは複数の呼気を格納するステップは、ポンプを用いて呼気をサンプリング・チューブの中に引き込むステップを含む。
第48の変形例では、第37の変形例のポンプは可変流量を有する。
第49の変形例では、呼気サンプリング装置は、吐き出されたガスがその内部で混合することを防止するように構成されたサンプリング・チューブと、サンプリング・チューブに結合されており吐き出された呼気をサンプリング・チューブの内部に捕捉するように構成された第1および第2の弁とを含む。
第50の変形例では、1つまたは複数の呼気を分析する方法が、1つまたは複数の呼気の1つまたは複数の構成部分を識別するステップと、1つまたは複数の呼気を、その1つまたは複数の構成部分が混合されないように格納するステップと、1つまたは複数の構成部分の少なくとも1つを分析のために識別するステップと、1つまたは複数の構成部分の少なくとも1つを分析するステップとを含む。
第51の変形例では、呼気を分析する方法が、呼気の1つまたは複数の構成部分が混合されないように呼気を格納するステップと、1つまたは複数の構成部分の少なくとも1つを分析するステップとを含む。
本明細書に開示されている変形例は、以下の長所を有し得る。第1に、呼気または複数の呼気が、各呼気および各呼気の各部分に対する正確なタイミングおよび呼気タイプ情報を維持しながら、物理的に格納され得る。これにより、(1つまたは複数の)呼気のいずれかの部分が、関心対象である化学的組成に関して、独立に分析されることが可能になる。また、これにより、呼気または呼気部分が、その呼気タイプを閾値に対して、および、一連の呼気における他の呼気タイプに対して比較し対照させた後で、分析のために選択されることが可能になる。また、これにより、異なる呼気タイプが、異なるタイプの組成分析のために求められ選択されることが可能になる。第2に、本明細書における変形例では、適したサイズの格納装置および適切な分離弁、ガスの空気ルーティング、ならびに正確な弁制御を選択することにより、たとえば呼気終末サンプルなどの呼気サンプルと、周囲もしくは呼気の他の部分または他の呼気とが不所望な混合を生じることが回避される。第3に、本明細書における変形例は、関心対称のガスの相対濃度を維持するために必要なものとして不活性ガスを追加することを含む。これは、収集された呼気の全体的な体積が、装置の周囲を効果的に移動されるまたは測定されるには小さすぎるとき、また、格納されたサンプルの中に周囲の空気が混入するのを防止するには小さすぎるときに、有益であり得る。第4に、本明細書における変形例は、入来する呼気ガスを可変速度で収集するためにガスサンプリングの流量を変動させることを含む。なお、この点については、本出願の譲受人に譲渡されている米国特許出願第13/722,950号においてより詳細に説明されている。この米国特許出願における開示は、その全体が、参照によって本明細書に組み入れられる。
別のこととして、呼吸信号の導出は、特定の呼気部分の体積の増加、呼気のより小さな部分をサンプリングすることによる精度の改善、呼気終末濃度、肺胞濃度など、特定の目的を達成するために呼気のセグメント化を決定するための呼気波形の分析のための様々なアルゴリズムを用いて、成し遂げられ得る。これらのアルゴリズムは、1つまたは複数の追加的な呼気の形状および個数に従属する1つの呼気に対するタイムマーカのための判断に影響し得る。これは、特に、たとえば複数の呼気が収集される必要がある既知の病理に対する特定の呼吸パターンが識別される場合に、そうであり得る。サンプリング周期の間に収集された呼気のそれぞれに対してタイムマーカを識別するためのアルゴリズムは、新たな呼気が流入するときに、事後的に調節され得る。次に、呼吸信号から識別されたタイムマーカは、センサによって測定可能であるのに十分な体積を取得するため、相互にグループ化すべき呼気部分を正しく識別するのに、用いられ得る。
ある変形例による、分析器の動作の基本シーケンスの流れ図であり、呼気サンプルのセグメント化は、サンプルのモニタリングおよび捕捉と直列的に生じている。
ある変形例による、分析器の動作の基本シーケンスの流れ図であり、呼気サンプルのセグメント化は、サンプルのモニタリングおよび捕捉と並列的に生じている。
ある変形例による、呼気から引き出されつつあるガスに対して行われる二酸化炭素測定に基づく典型的な呼気モニタリング波形の図解である。
ある変形例による、近位気道において行われる気道圧測定に基づく典型的な呼気モニタリング波形の図解である。
ある変形例による、たとえば複数の呼気を分析するため、そして複数の物質に関して、別々のガス・サンプルのレジストリを編成することができる例示的な分析器の概略図である。
ある変形例による、図5に示されている機器による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、3つの一定の呼気タイプが、求められ、識別され、捕捉され、分析される。
ある変形例による、図5に示されている機器による分析のために考察される別の一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、3つの異なるタイプの呼気が、求められ、識別され、捕捉され、分析される。
ある変形例による、たとえば複数の物質を分析するため、1つまたは複数の呼気からのガス・サンプルのレジストリを編成することができる別の例示的な分析器の概略図である。
ある変形例による、図8に示されている機器による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、ある一定の呼気タイプが、求められ、識別され、捕捉され、分析される。
ある変形例による、図8に記載されている分析器のサンプル収集部の空気圧の概略図であり、複数の呼気の呼気終末部分がサンプル・コンパートメントに格納されている。
ある変形例による、図8に記載されている分析器のサンプル収集部の空気圧の概略図であり、複数の呼気の呼気終末部分がサンプル・コンパートメントに格納され、不活性または非呼気終末ガスによって分離されている。
ある変形例による、たとえば複数の異なるサンプルの分析または比較に最も適したサンプルを選択するために、別々のサンプル・コンパートメントにおける1つまたは複数の呼気からガス・サンプルのレジストリを編成することができる別の例示的な分析器の概略図である。
ある変形例による、図11に示されている機器による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、ある一定の呼気タイプが、分析のために、求められ、識別され、捕捉され、そして比較される。
ある変形例による、たとえばサンプルの分析に最も適した部分を選択するために、別々のサンプル・コンパートメントにおける1つまたは複数の呼気からガス・サンプルのレジストリを編成することができる別の例示的な分析器の概略図である。
ある変形例による、図13に示されている器具による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、ある一定の呼気タイプが、求められ、識別され、サンプル・レジストリに配置される。
ある変形例による、図13に記載されている分析器のサンプル収集部の空気圧の概略図であり、複数の呼気の呼気終末部分がサンプル・コンパートメントに格納され、編成されている。
ある変形例による、図13に示されている器具による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、複数の呼気タイプが、以後の分析のために、識別され、サンプル・レジストリに配置される。
ある変形例による、図16に記載されている呼気のサンプルの空気圧の概略図であり、その呼気終末部分を含む複数の呼気がサンプル・コンパートメントに格納され、編成されている。
ある変形例による、呼気ガス・サンプルの収集およびセグメント化の例を記載する空気圧の概略図であり、図16に示されている一連の呼気を考察している。
ある変形例による、図18における例の図解であり、選択された呼気の選択された部分が、以後の組成分析が行われる二次格納サンプル・チューブに送られる。
ある変形例による、サンプル・チューブ、ポンプ、二次サンプル・ステージング・チューブおよび組成センサを直列的に備えているシステムの例を記載している空気圧の概略図であり、呼気ガスの部分がサンプル・チューブにおいて編成され、図16に示されている一連の呼気を考察している。
ある変形例による、図20における例の図解であり、選択された呼気の選択された部分が、以後の組成分析が行われる二次格納サンプル・チューブに送られる。
ある変形例による、図20に記載されているシステムへの別設定の図解であり、患者の吐き出したフローからなどの呼気ガスが別の手段によってサンプル・チューブの中に強制され、サンプル・ガスは、ポンプの使用によって、ステージング・チューブおよび/またはセンサにポンプ移動される。
ある変形例による、サンプル・チューブ、バイパス・チューブ、サンプル・プッシュ・チューブ、二次ステージング・チューブ、および捕捉されるべきかまたは放出されるべきかを判断するために呼気または呼気部分をカテゴリ化する時間を提供する遅延チューブを備えた装置の別構成を記載している空気圧の概略図である。
ある変形例による、複数のガス組成分析器、および関連するサンプル・ステージング・チューブ、ならびに捕捉されるべきかまたは放出されるべきかを判断するために呼気または呼気部分をカテゴリ化する時間を提供する遅延チューブを備えた装置の別構成を記載している空気圧の概略図である。
ある変形例による、図20に記載されているものと類似のシステムの一例を記載している空気圧の概略図であるが、このシステムは、複数のガス組成分析器、および関連する二次格納チューブを備えている。
ある変形例による、図25に記載されているシステムを示しており、サンプルが、サンプル・チューブから二次ステージング・チューブに運ばれる。
ある変形例による、あるバージョンの全体システムのタイミング図であって、サンプル格納チューブが重畳されている異なるタイプの呼気のタイミングを示す。
ある変形例による、図24に記載されているシステムへの別構成を記載している空気圧の概略図であるが、ポンプが、サンプルを患者から引き出し、サンプルを様々なサンプル・チューブおよび気質組成センサに送り、ポンプは、ぜん動タイプのポンプであって、ガス経路におけるガス構成物の編成はポンプによって混乱されない。
本明細書には、呼気ガス・サンプル・レジストリを作成し、所望のモニタリング、スクリーニングまたは診断目的のために、作成されたレジストリにおける気体を分析するためのデバイスおよび方法が記載されている。示されている実施形態では、例示目的のために、患者の呼気サンプルが、真空の適用により、患者から器具の中へ引き込まれる様子が示されている。しかし、本開示は、真空を適用することなく器具が呼気を収集するために、患者が器具の中に向かって呼吸をする場合にも適用される。
いくつかの変形例では、呼気の異なる構成部分とそれぞれの期間とを識別するために、1つまたは複数の呼吸パラメータが測定され、識別された期間を用いてサンプリング・チューブにおける吐き出された呼気の一部を捕捉するために、空気圧システムが用いられる。いくつかの変形例では、1つまたは複数の弁および/またはたとえば真空ポンプなどのフロー制御機構が、サンプリング・チューブの中に引き込まれる気体の流量を調整するのに用いられる。いくつかの変形例では、呼気の捕捉された部分が、患者の生理学的な状態の指標を求めて、分析される。
測定される呼吸パラメータは、二酸化炭素、酸素、気道圧、気道温度、呼気流量、胸部インピーダンス、横隔膜運動もしくは神経支配、呼吸音、または呼吸振動の中の1つまたは複数を含み得る。呼気の一部の時間間隔を識別することは、その時間間隔の始点、中間点および終点を実質的に識別することを含み得る。
診断用の気体サンプルは、たとえば、溶血などの血流における生理学的状態を診断しようと試みるときなどに、呼気終末周期から採取され得る。説明目的のために、呼気終末の一酸化炭素を測定するために呼気終末気体をサンプリングするための例示的な変形例が、以下に与えられているが、この原理は、他の診断目的にも適用される。
図1は、ある変形例によるデバイスの動作の基本シーケンスを記載している。第1のモジュールまたはアルゴリズム100は、呼気モニタリングおよび検出機能を実行する。このモジュールでは、人の呼吸パターンが、典型的には、瞬時またはほぼ瞬時センサを用いて、モニタされる。呼吸パターン情報は、呼気および一連の呼気における呼気部分に関して、すべての関連するおよび有用な情報を提供する。この情報は、呼気と呼気部分とをカテゴリ化し典型的に表すために用いられ、時間ベースで、異なる呼気および呼気部分と関連するタイミングを定義する。第2のモジュールまたはアルゴリズム104は、呼気サンプル捕捉機能を実行するのであるが、この機能は、呼気モニタリングおよび検出モジュールと並列的に生じ得る。このモジュールでは、収集された気体は、その構成部分にセグメント化され、構成部分が物理的に分離され、または時間もしくは位置識別を用いて識別される。第3のモジュールまたはアルゴリズム106は、呼気モニタリングおよび検出モジュールからの情報に基づいて呼気タイプの特徴付けを実行し、各呼気および各呼気部分を、各呼気および部分に関する関連の情報と共に、レジストリの中でカタログ化する。この特徴付けは、予めもしくはリアルタイムで、または、ユーザによって、自動的にもしくは準自動的に定義され得る基準を用いて、なされ得る。たとえば、予め定義された基準は、デバイスのソフトウェアに記憶されている絶対的なまたは相対的な閾値であり得る。あるいは、ユーザが、実行されている特定のテストと関係するある一定の情報を入力することがあり得るし、システムが、基準を定義するためにその情報を用いることがあり得る。あるいは、システムが、一般的な条件に基づいて、または、何らかの呼吸パターンがより高い蓋然性で生じ得る既知のもしくは識別されている患者の病理状態に基づいて、リアルタイムで基準を自動的に確立することがあり得る。あるいは、上述した技術の組合せが、用いられ得る。このモジュールでは、ソフトウェア・アルゴリズムが、どの呼気もしくはどの複数の呼気が、または、どの呼気部分もしくはどの複数の呼気部分が分析されるのか、そして、何の分析のために分析されるのか、を決定する。最後に、第4のモジュールまたはアルゴリズム108では、1つまたは複数のサンプルが、その格納位置から、1回または複数回の組成分析のために、関連するセンサに転送される。
図2は、ある変形例に従い、モジュール100、104および106が、並列的にもしくは実質的に並列的に、または部分的に並列的に生じ得るデバイスの別の一連の動作を、概略的に記載している。
図3は、ある変形例に従い、鼻などの人の気道から引き出された呼気において測定された二酸化炭素(CO2)信号の全体からの典型的な呼吸パターンを、時間の関数としてグラフとして記載しており、横軸は時間Tを、縦軸はCO2レベル50を表している。呼気相Eの間は、CO2が排出され、したがって、CO2レベルは上昇する。吸気相Iの間は、周囲の空気が鼻を占領し、したがって、測定されるCO2は実質的にゼロまで減少する。呼気のCO2曲線には、人の呼吸パターン、年齢、どのように呼吸をするのか、およびいずれかの潜在的な急性のまたは慢性の健康状態に基づき、呼気のCO2曲線には、様々な形状が存在し得る。古典的な曲線は、呼気相の間、以下のようなサブポーションを示し得る。すなわち、(1)この気体はCO2が含まれない近位の気道からの気体に過ぎないことがあり得ることにより僅かなCO2を含むまたはCO2を含まない、呼気終末前の気体PETGの開始部分、(2)ゼロから肺の遠位セグメントにおけるCO2レベルまで急速に上昇するCO2を含む呼気終末前の気体PETGの中間部分、(3)その吐き出された呼気に対する肺胞から届くCO2を表すCO2のプラトーまたはレベル・オフを示している呼気終末ガスETGの終端部、(4)呼気周期の最端部における潜在的に一定のピーク・レベル、および(5)吸気ガス(IG)の吸気部分である。しかし、この古典的曲線とは異なる多くの別の曲線があり得る。ピークCO2レベルは、呼気終末周期の間は典型的に4〜6%であり、吸気周期の間はゼロに近いまたはゼロに等しい。
いくつかの変形例では、吐き出された呼気におけるCO2レベルは、呼気の周期の継続時間を決定するのに用いられる。さらなる変形例では、呼気の周期の継続時間は、その周期の開始および終了によって特徴付けられ得る。いくつかの変形例では、CO2レベルは、呼気の周期の継続時間の開始または終了を決定するのに用いられる。いくつかの例は、吸気時間TIと、呼気時間TEと、呼気終末前時間TPETと、呼気終末時間TETと、呼気後時間TPEとを含む。他の変形例では、CO2レベルの1階導関数が、呼気の周期の開始または終了を決定するのに用いられる。さらに別の変形例では、CO2レベルの2階導関数が、呼気の周期の開始または終了を決定するのに用いられる。いくつかの変形例では、CO2レベルおよびCO2レベルの時間導関数の組合せが、呼気の周期の開始または終了を決定するのに用いられ得る。いくつかの変形例では、呼気終末周期の開始は、CO2レベルの1階導関数における急な減少など、吐き出された呼気のCO2レベルの1階導関数の変化によって決定され得る。いくつかの変形例では、CO2レベルの1階導関数の減少は、10%超の減少である。いくつかの変形例では、CO2レベルの1階導関数の減少は、25%超の減少である。いくつかの変形例では、導関数は、ゼロに近づくまたはゼロになり、非常に僅かな変化率またはピーク・プラトーをそれぞれ示す。他の変形例では、呼気終末周期の開始は、CO2レベルの大きな2階導関数によって決定され得る。いくつかの変形例では、呼気終末周期の終了は、最大のCO2レベルによって決定され得るが、この最大のCO2レベルは、CO2レベルの1階導関数が符号を変更することによって検出または確認され得るのであって、これは、この導関数が、CO2レベルがそのピーク値から減少することと関連する負の値になると、生じる。さらなる変形例では、最初の周期の開始は、CO2レベルの1階導関数の急な増加によって、決定され得る。他の変形例では、最初の周期の開始は、CO2レベルがゼロのCO2レベルから増加することによって、決定され得る。いくつかの変形例では、中間周期の終了は、CO2レベルの1階導関数が突然に減少するなど、吐き出された呼気のCO2レベルの1階導関数の変化によって、決定され得る。いくつかの変形例では、CO2レベル、その1階導関数、またはその2階導関数は、1つまたは複数の周期の開始および終了を決定するのに用いられ得る。別の変形例では、CO2波形の形状を分析するのに、パターン一致アルゴリズムが、用いられ得る。他の呼気から生じるガスが、呼吸曲線を測定するために、CO2の代わりに用いられることがあり得る。たとえば、呼気よりも吸気の間の方がより高い酸素濃度を示し得る酸素を、測定することが可能である。呼吸パターンは高速応答COセンサによって瞬時にまたは実質的に瞬時に測定され得る、ということも考えられる。この場合、図1を参照すると、センサ10は、呼吸パターンを示し呼気終末COレベルも測定する高速応答COセンサであり得る。以後で説明される様々な呼気の認定および不認定の変形例を適用した後で、認定された呼気のCOレベルが、結論として報告され得る。
図4は、ある変形例に従った、測定された気道圧の視点からの、典型的な呼吸信号の図解であり、気道圧74が垂直軸上に、時間Tが水平軸上に、示されている。気道圧は、吸気フェーズの間は負の圧力を、呼気フェーズの間は正の圧力を、示している。典型的に、安静時の呼吸の間には、ピークの呼気圧力は、吸気フェーズの中間と呼気終末周期の開始とに対応し得る。図3および図4では、TI、TE、TPET、TET、およびTPEは、それぞれが、吸気時間、呼気時間、呼気終末前の時間、呼気終末時間、および呼気時間後を表す。吸気ポーズも存在することがあり得るが(図示せず)、この吸気ポーズでは、吸気の間の肺の筋肉の運動が、呼気周期が開始する前に、休止される。鼻孔の入口で測定されるときに、ピークの吸気圧力は、静かな呼吸の間は−1から−4CWPであり得るし、より深い呼吸の間は−15CWPに至り得るのであり、ピークの呼気圧力は、静かな呼吸の間は+0.5から+2.0であり得るし、より深い呼吸の間は+10CWPに至り得る。気道圧は、サンプリング・カニューレ内の副腔を用いてカニューレの長さを伸長させて測定することも、サンプリング・カニューレにT字官で接続することによって、もしくは、感知用トランスジューサを患者の気道に配置することによって測定することもできる。
いくつかの変形例では、気道圧は、呼吸周期の開始または終了を決定するのに用いられる。他の変形例では、気道圧の1階時間導関数が、呼吸周期の開始または終了を決定するのに用いられる。さらに他の変形例では、気道圧の2階時間導関数が、呼吸周期の開始または終了を決定するのに用いられる。いくつかの変形例では、気道圧および気道圧の時間導関数が、呼吸周期の開始または終了を決定するのに用いられ得る。いくつかの変形例では、呼気終末周期の開始が、最大気道圧によって、すなわち、気道圧の1階導関数のゼロ点によって決定される。いくつかの変形例では、呼気終末周期の終了が、気道圧のゼロ点によって決定され得る。いくつかの変形例では、気道圧、その1階時間導関数、またはその2階時間導関数が、1つまたは複数の周期の開始と終了とを決定するのに用いられ得る。いくつかの変形例では、パターン一致アルゴリズムが、呼吸の関連する時間マーカを識別するのに用いられ得る。
いくつかの変形例では、呼吸センサが、時間経過に伴う人の呼吸をモニタし、呼吸パターンの特性である連続的に更新される値を決定することによって、呼吸パターンの傾向を把握する。たとえば、呼吸信号の正の値のピークが、各呼吸に対して測定および更新され得る。ピーク値は、以前のピーク値と比較され得る。ピーク値は、以前の複数回の呼吸にわたって平均化され得る。同様に、呼気時間など、時間に関する呼吸態様の傾向が、把握され得る。呼吸に関しており通常の呼吸ではない様々な事象が識別され得るのであるが、これらの通常でない呼吸事象を不注意にも決定ステップに含めないために、例外アルゴリズムが存在し得る。たとえば、くしゃみ、咳、連続した呼吸、または完全でない呼吸に関する特徴的な波形は、前もってまたは特定の患者のモニタリングに基づいて定義され得るのであって、呼吸センサによって検出されると、適切な決定アルゴリズムから除外される。
図5は、吐き出された呼気を捕捉するためのデバイスのある変形例の概略的な図解であり、複数のサンプル収集チューブと複数のサンプル組成分析器とを備えている。空気流路314、空気接続316、および電気接続318が示されている。このシステムは、サンプリング・カニューレ1と、サンプル収集および分析器具2とを含む。ガスは、たとえば、サンプリング・カニューレ1とフロー生成器12とを用いて、患者から引き出され得る。フロー生成器の流量は、たとえば、呼吸流量計のように配列された圧力センサ・アレイ16および28などのフロー・トランスジューサによって、測定され得る。測定された流量は、フロー生成器の流量を制御する閉ループフィードバック制御として、用いられ得る。カプノメータ10または圧力センサ16などの呼吸センサが、呼吸パターンをリアルタイムで測定するのに用いられる。たとえば、図6に示されている呼気A’、B’およびC’からのような、呼気の所望部分からのガスまたは被検物は、格納収集コンパートメントA、BおよびCにおいて捕捉され分離される。格納コンパートメントに入るガスは、VA1、VB1およびVC1をそれぞれ用いるコンパートメントA、BおよびCのためのコンパートメント入口弁など、少なくとも1つの弁によって制御される。たとえば、弁VA1を用いて示されているように、共通ポートCは、常に開いており、出口ポートは、「A」にあって、格納コンパートメントにおいてガスを収集および分離するか、または、「B」にあって、格納コンパートメントをバイパスする。分析のために捕捉されていないガスは、バイパス管路1000、2000および3000を経由して、格納コンパートメントから遠ざかる方向に運ばれる。捕捉されたガスは、格納コンパートメントA、BまたはCから、COセンサ、H2センサ、NOセンサ、ならびに他のガスおよび非ガス・センサなどのガス組成分析器SA、SBおよびSCを通過して送られる。サンプル・コンパートメントをさらに分離するように制御される格納コンパートメントの出口弁VA2、VB2およびVC2、ならびにガス分析器SA、SBおよびSCとフロー生成器12との間にあって排出されるガスを方向付ける、または、ガス分析器を通じて、捕捉されたサンプルを引き込むのに用いられる弁VA3、VB3およびVC3が存在し得る。マイクロプロセッサ24を有する制御システム22は関連するアルゴリズムでシステムを制御し、ユーザインタフェース30はユーザがシステムと対話することを可能にする。周囲入口32は、システムが不所望のガスを排出するために、または、基準測定のために、提供される。入口弁VIは、ガス入口ソースを制御するために提供される。フロー生成器は、ダイヤフラム・ポンプなど、真空もしくは圧力ポンプであり得るし、または、真空源、正の圧力ソースからのベンチュリ管またはシリンジ・ポンプなど、別のタイプのフロー生成デバイスであり得る。ガスのルーティングを管理する弁は、示されているように3ウェイ2ポジション弁という配列であり得るし、または、4ウェイ3ポジション弁という配列であり得る。カプノメータは、もし用いられる場合には、赤外線(IR)を用いて呼吸パターンを瞬時に測定する。あるいは、IRセンサが、O2など、他のガスまたは複数のガス・タイプのために、調整され得る。ガスまたは被検物組成分析器のいくつかの例は、反応時間を有する電気化学センサ、ガス・クロマトグラファ、質量分析計、またはIRなどの高速応答時間センサである。サンプル格納コンパートメントは、断面積を減少させることにより、管路の長さ方向に沿ったガス分子の相互作用を減少させるために、内径が小さく比較的長さが長いチューブまたは管路であり得る。サンプリング・カニューレは、たとえばシリコーン、ウレタンまたはウレタン・ブレンドの熱硬化プラスチック、または、たとえばPVC、C−FLEXなどの熱可塑性プラスチックなどの、いずれかの軟質で耐ねじれ性のプラスチックで構築され得る。他の材料も用いられ得るのであって、上述のリストは例示であり限定的ではないものと読まれるべきである。カニューレはある範囲の内径を有し得るのであるが、いくつかの変形例では、カニューレは、呼気ガスが、部分を超えた混合を減少させることができるように呼気部分の間に定義可能な境界を有する円柱状の行動に従うように、0.080インチ(0.2032CM)未満の直径を有する。いくつかの変形例では、内径は、0.25インチ(0.635CM)、0.30インチ(0.762CM)、0.35インチ(0.889CM)、0.40インチ(1.016CM)、および0.45インチ(1.143CM)を含む、0.20インチ(0.508CM)と0.50インチ(1.27CM)との間である。他の変形例では、内径は、上述の内径と異なり得るが、ガスの混合を防止するように構成され得る。別の実施形態では、サンプリング・カニューレではなくて、マウスピースまたは他の管路が提供され得る。
本明細書で用いられているように、サンプル・コンパートメントは、ガスがコンパートメントに格納されているときには、ガスの時間感知性の特性が保存されるときに、「混合を防止」する。たとえば、ガスのパラメータが呼気の間に変動する場合には、サンプル・コンパートメントは、呼気の関連するタイミングに関してパラメータの変動を保存するときには、混合を防止する。このようにして、サンプリング・チューブは、ガスの部分を、別々の物理的位置に保持すると考えられ得る。しかし、「別々の物理的位置」という用語は、そのようなサンプル・コンパートメントには限定されない。後述されるように、別々の物理的位置は、別々のサンプリング容器を含み得る。このようにして、ガス部分の配置は、混合を防止するように構成されたサンプル・コンパートメントの内部の位置またはそれが格納されている別々のサンプリング容器であり得る。
図6は、ある変形例に従った、たとえば、カプノメトリ50に関し、また、システムによってモニタされている一連の呼気B1からB24に関しての、時間Tに対する呼吸パラメータ信号の図解である。この例では、システムは、患者の通常の1回換気量を表す通常の呼気を捕捉し分析することを試みる。呼吸信号の1回換気量ピーク値301および1回換気量のベースライン値302など、呼吸タイプの閾値が、確立され得る。たとえば、通常の1回換気量の呼吸は、実際のピーク信号振幅または呼吸と閾値301とを比較することによって決定され得るのであるが、たとえば10%など、ある一定のパーセンテージの範囲内であれば、それは、通常の1回換気量の呼吸として分類され得る。継続時間閾値は、吸気時間TI、呼吸周期時間TBP、呼気時間TEまたは呼気終末時間TETなど、例における呼気B13において、306、304、308および310それぞれとして示されている呼気を選択するのに用いられ得る。閾値は、前もって、または、検査の最中に、決定され得る。示されている例では、患者は、呼気B2とB15との間で、呼吸振幅およびベースラインが一貫していないという点で、いくぶん異常な呼吸をしている。閾値は、1つまたは複数の周波数パラメータ、1つまたは複数の振幅パラメータおよび1つまたは複数のリターン・ベースライン・パラメータに対して、決定され得る。図1のモジュール3 106によって判断されるように、呼吸がこれらの基準を満たしていない場合には、それらの呼吸は、分析のためには、廃棄される。示されている例において、呼気17、18および19の呼気終末サンプルA’、B’およびC’は、システムによって設定された基準を満たしており、これらの呼気は、分析がなされるサンプルとして指定される。
図7は、ある変形例に従った、別の一連の呼気B1からB19の図解である。この一連の呼気では、様々な人工物およびおかしな呼吸タイプが例示されている。呼気B1と呼気B3との間では、高周波ノイズが、呼吸信号上に生じている。呼気B3と呼気B7との間では、呼吸スタッキングが生じている。呼気11は部分呼気であり、呼気B14は通常の呼気よりも大きい。この例示的な場合には、3つの異なる分析が望まれる。すなわち、保持された吸気の後の呼気終末ガスがその特定の分析のために望まれる第1の分析、通常よりも深い呼吸からの呼気終末ガスがその分析のために望まれる第2の分析、および定常呼吸条件の最中における通常の1回換気量の呼吸がその分析のために望まれる第3の分析である。呼気B9、B14およびB17は、これら3つの分析それぞれのために選択され、これらの呼気からのサンプルA’、B’およびC’がシステムによって捕捉される。呼吸レジストリ・データベースは、呼吸分析モジュールにおいて適切なガス・サンプルを図5のA、BおよびCなどのサンプル・コンパートメントと適切なセンサSA、SBおよびSCに送るのに用いられるすべての必要な情報を含む。
図8は、ある変形例に従った、1つのサンプル・チューブと複数のセンサとを備えた呼吸サンプル分析レジストリ・システム102のあるバージョンのシステム図である。このシステムは、1つまたは複数のサンプルを収集するのに用いられるサンプル・チューブ18と、複数のセンサおよび/または異なるタイプのセンサSA、SBおよびSCのセンサ・アレイと、不所望なガスがサンプル・チューブにおけるガスをバイパスすることを可能にするバイパス・チューブ20と、サンプルを適切なセンサにプッシュするプッシュ・チューブ21とを含む。患者からのガスは、カニューレ1によってまたは別のタイプの管路によって、引き出され、周期空気は、システムからの排出または基準測定のために、管路32を通過して引き入れられる。不活性ガス貯留槽510は、ガス・サンプルを分離するために、または、基準測定のために、含まれ得る。図解されていないが、キャリブレーション・ガスまたは物質もまた、含まれ得る。追加的なセンサ26が、ガス流量を測定するために、または、冗長呼吸信号センサとして、含まれ得る。必要とされないガスは、ポート33から排出され得るし、分析されたガスは、ポート29から排出され得る。この例では、様々な呼吸、様々な呼吸の特定の部分または1つまたは複数の呼吸の様々な部分からのガスが、サンプル・チューブにおいて捕捉される。サンプル・チューブ内部の各サンプルの位置は、呼吸パターンセンサ10およびオプションであるセンサ26の信号、システム全体でのガスの流速、およびシステムのタイミングの詳細から既知である。呼吸レジストリ情報の検討の後で、システムは、どのサンプルを分析すべきかを決定し、それらのサンプルがどこに配置されているかを正確に知っているから、それらのサンプルを所望のセンサに送ることができる。
図9は、ある変形例に従った、時間経過に伴う一連の呼気B1からB19の図解であり、これらは、カプノメトリなどの呼吸信号パラメータに基づいている。たとえば、図8に記載されているシステムが、通常の1回換気量の呼吸の呼気終末ガスにおける3つの異なる物質を分析するために選択される場合には、サンプル捕捉アルゴリズムが、呼気B8、B10、B13、B16、B17およびB18の呼気終末サンプルA’、B’、C’、D’、E’およびF’を収集して、収集されたサンプルを個別のセンサに送る。
図10Aは、ある変形例に従った、図8に示されているサンプル・チューブ18の空気圧概略図であり、図9に示されている一連の呼気を考察している。呼気終末サンプルA’、B’、C’、D’、E’およびF’は、サンプル・チューブにおいて、それらの既知の位置を用いて、捕捉される。次に、たとえば、サンプルA’およびB’は第1の物質の分析のためにセンサSAに送られ、サンプルC’およびD’は第2の物質の分析のためにセンサSBに送られ、サンプルE’およびF’は第3の物質の分析のためにセンサSCに送られる。この例では、3つの分析、1分析当たり2つの呼気終末サンプル、および通常の1回換気量の呼吸が記載されているが、これらは例示に過ぎないのであって、分析の数、1分析当たりのサンプル数、呼吸の部分、呼吸のタイプについては、任意のものが考察される。図10Bは、ある変形例に従った、図10Aにおける例に対する別の例を記載しており、この場合には、N2のような不活性ガスなどであるガスAG、または、周囲空気など分析が行われる物質を含まないガスが、サンプルを分離するのに役立つように、サンプル・チューブの中の複数のサンプルの間に挿入される。このオプションである変形例は、本明細書の全体で示されている別のシステムを通じて、用いられ得る。
図11は、ある変形例に従った、複数のサンプル・チューブX、YおよびZ、ならびにガス組成センサ14で構成される別の呼気分析レジストリ・システム402の概略図である。異なる呼気からの、または、1つまたは複数の呼気の異なる部分からのガスが、サンプル・チューブX、YおよびZの中に捕捉されている。各サンプル・チューブにおける構成ガス部分は、既知である。サンプル・チューブにおけるサンプルは、入口および出口弁VX1、VY1、VZ1、VX2、VY2およびVZ2によって、それぞれ分離されている。組成センサ14への入口は、ポート33を通過して不所望のガスを排気し得るまたはガスもしくは被検物をセンサ14に提供し得る弁V11によって、制御される。システムが捕捉するまたは分析することを望まないガスは、バイパス・チューブ20を通過して、サンプル・チューブをバイパスし得る。サンプルが捕捉され分離された後で、そして、呼気タイプおよび位置情報がレジストリの中に完全に記録された後で、たとえばコンパートメントXの中のサンプルをセンサ14に進ませるために、弁を切り換え、周囲ポート32を通過して引き込まれた周囲の空気を用いて、バイパス・チューブ20を通過し、ポンプ12を通過し、プッシュ・チューブ21を通過してサンプルをプッシュすることによって、サンプルを分析のためにセンサに送ることができる。各サンプル・チューブにおける各サンプルは、同様にして、センサによって分析され得る。比較および平均化のために3つの類似の呼気からサンプルを取ることが可能であるし、または、複数の異なる診断目的のために異なるタイプの呼気からサンプルを取ることが可能である。
図12は、ある変形例に従って、図11におけるシステムによる分析のために考察される一連の呼気B1〜B11を示している。この場合には、3つの通常の呼気からの呼気終末ガスが、分析のために求められ、結果的に、呼気B4、B8およびB10からサンプルX’、Y’およびZ’が捕捉され、これらが図11のサンプル・コンパートメントX、YおよびZに登録される。あるいは、システムを、他のサンプリングおよび分析のためにプログラムすることも可能である。
図13は、ある変形例に従った、1つのサンプル・チューブ18と、1つの組成センサ14とで構成される別の呼気分析レジストリ・システム504の概略図である。呼気または一連の呼気からのガスが、サンプル・チューブ18に格納される。システムが格納することを望まないガスは、バイパス・チューブ20を通過して格納チューブをバイパスし、排気ポート27から外に出る。既に説明されたように、サンプル・チューブに格納されているガスは、呼気タイプ、呼気部分、およびサンプル・チューブでの位置に関して、サンプル・レジストリにおいて特徴付けられている。図14および図15に示されているこのシステムの実装例では、ある変形例に従って、基準を満たしており一連の呼気からの選択された呼気からの呼気終末サンプルが、サンプル・チューブに収集される。たとえば、呼気B2、B3、B7、B8、B9、B10、B13、B14、B15、B16、B17およびB18の呼気終末は、一定の初期基準を満たし、サンプル・チューブ18において捕捉され、サンプル19のレジストリを作成する。これらの呼気の他の部分および他の呼気が、それら全体として、システムを通過しバイパス・チューブ20を通過して排出される。一連の呼気全体の分析の後で、呼気B18からの呼気終末サンプルが分析のために選択され、サンプル・チューブ・ガスは、周囲入口32からのプッシュ・チューブ21における周囲空気によって押され、分析に関しては排除されるガスは、システムを通過して一掃排出ポート33から排出され、呼気B18からのサンプルは、組成センサ14を通過して送られるということが、たとえば決定され得る。あるいは、サンプル・チューブに収集されたすべてのサンプルが、分析のために、センサ14に送られることもあり得る。図13のシステムの別の実装例では、一連の呼気B1からB10からのすべての呼気は、図16および図17に記載されているように、サンプル・チューブに格納され得る。図16では、ある変形例に従い、一連の呼気は、上側のグラフにおけるカプノメトリ・センサおよび下側のグラフにおける気道圧力センサによって特徴付けられることにより、各呼気のタイプが完全でおよび正確に特徴付けられ得るのであって、各呼気の構成部分は、時間の関数として、そしてさらにサンプル・チューブにおける位置の関数として正確に定義され得る。図17では、図13のシステムのサンプル・チューブが、ある変形例に従い、概略的に示されている。図17に示されているように、各呼気B9からB1の各呼気部分の位置は、上述されたように、入手可能な情報に基づいて、サンプル・チューブにおいて既知であり得る。レジストリ19における呼気タイプ情報に基づき、システム・アルゴリズムは、どの呼気のどの呼気部分が分析のために選択されるか、どの時点で、ポート33を通じて不所望のガスがシステムから排出され、選択された部分がガス組成センサ14に送られるのか、について決定する。いくつかの実施形態では、追加的なストレージが排出ポートの出力部に提供されることがあり得るのであって、以後の再サンプリングのための順方向および逆方向の移動を可能にする。
図18および図19は、第1のサンプル・チューブと、弁V4と弁V5との間にサンプル・ステージングのための二次エリアとが存在する変形例を記載している。この構成では、複数のシーケンシャルな呼気が、図18に示されているように、一次サンプル・チューブ18に格納され得るのであるが、その次に、レジストリ情報およびシステム・アルゴリズムに基づいて、様々な呼気の終末部分などの所望の部分が、プッシュ・チューブ21における周囲空気によって、他のガスが弁V4のポートBにおいてシステムの外へ排出される間に、弁V4と弁V5との間の二次ステージング・チューブに送られる。二次チューブに送られた後の分析のために選択されるガス部分は、図19に示されているが、呼気B4、B6、B7およびB8からのサンプルを含んでおり、これらは、次に、分析のために、組成センサ14に送られる。分析に関して拒絶された他のサンプルB5は、弁V4のポートBから外へ排出され得る。
図20および図21は、第1のサンプル・チューブ18と、弁V4と弁V5との間にサンプル・ステージングのための二次チューブとが存在する変形例を記載している。この構成では、一連のシーケンシャルな呼気などの複数の完全な呼気が、図20に示されているように、一次サンプル・チューブに格納され得るのであるが、その次に、レジストリ情報およびシステム・アルゴリズムに基づいて、様々な呼気の終末部分などの所望の部分が、弁VIを通過して入ってくる周囲空気によって、他のガスが弁V4のポートAにおいてシステムの外へ排出される間に、サンプル・チューブの中から、弁V4と弁V5との間の二次ステージング・チューブに送られる。二次チューブに送られた後の分析のために選択されるガス部分は、呼気B1、B2およびB3の終末部分として、図21に示されており、これらは、次に、分析のために、組成センサ14に送られる。呼気終末サンプルを分析することがこの例において再び示されているが、これはやはり例示であって、測定されることが望まれる呼気部分は、関心対象である根底にある状態を診断するために呼気の最も関連する部分を測定することの必要に応じて、呼吸サイクルの中の任意の場所にあり得ることが、注意されるべきである。図18および図20のシステムは患者からサンプルを引き出すためのポンプの使用を記載しているが、それとは異なる態様が図22に示されているように、呼気サンプルB1、B2およびB3は、ある変形例に従って、患者PTからの呼気の力を経由してサンプル・チューブ18の中に提供され得る。次に、サンプルの収集およびレジストリのルーチンが実行された後で、ポンプ12が、ガス・サンプルであるB1、B2およびB3を、V4の排出ポートAから外へ、または、V4とV5との間のステージング・チューブおよび最終的にはセンサ14へ、運ぶことができる。
図23は、呼気からの呼気終末ガス・サンプルがサンプル・チューブ18の中にルーティングされ、他方で、呼気の他の部分はサンプル・チューブを回避しバイパス・チューブ20を通過してルーティングされる変形例を記載している。やはり、レジストリ情報およびシステム・アルゴリズムに基づいて、廃棄されると決定されたサンプルは、VIから引き込まれたプッシュ・チューブ21における周囲空気によって、弁V4の排出ポートBを通過して送られ、他方で、選択された1つまたは複数のサンプルは、V4とV5との間の二次チューブに、そして最終的には組成センサ14に運ばれる。示されている例では、呼吸信号センサ10とサンプル・チューブの入口弁V1との間に位置決めされた遅延チューブ510が存在し得るが、それによって、システムのアルゴリズムは、サンプル・チューブ18において呼気サンプルを収集すべきか、または、バイパス・チューブ20を通過してサンプルを廃棄すべきかを決める十分な時間を有することになる。示されている例では、呼気B4、B5およびB8からの呼気終末サンプルが測定のために収集され、他の呼気は廃棄される。
図24は、ある変形例を示しているのであるが、この変形例では、選択された呼気からの呼気終末サンプルが、呼気レジストリ情報に基づいて、1つまたは複数のサンプル・チューブに格納され、他方で、呼気または呼気の部分が弁V8のポートAを通じて排出される。たとえば、ある呼気部分が、センサSCOによるCO分析のために、弁V4と弁V5との間のコンパートメントに転送され、別の呼気部分が、センサSH2によるH2の分析のために弁V6と弁V7との間のコンパートメントに転送され、別の呼気部分が、センサSOによる何らかの他の被検物の分析のために弁V8と弁V9との間のコンパートメントに転送される。組成分析の前に干渉を生じる化合物をフィルタで除去するために、プレセンサ・フィルタ512が、1つまたは複数の組成センサの前に提供され得る。そのようなフィルタは、アルデヒド、アルコール、ケトン、水素またはそれ以外の干渉を生じる物質を、除去し得る。この例では、遅延チューブ510が含まれていることにより、サンプルを廃棄するのかまたは保持するのかを決定し得る前に、さらに、保持しているサンプルをどの組成センサにルーティングすべきかを決定するために、呼気タイプ情報を分析するためのおよび呼気レジストリにおける情報を照会するための十分な時間が存在する。典型的には、遅延チューブは、1秒〜10秒を導入する。あるいは、遅延チューブが60秒までの遅延を導入することがあり得るが、それにより、サンプルを分析するのかまたは破棄するのかを決定する前に、多くの呼気からの情報が、この場合は遅延チューブ510の内部にあるレジストリに、カタログ化される。
図25および図26はある変形例を記載しているが、この変形例では、ガスが、一連の複数の呼気からサンプル・チューブ18の中に引き出され、サンプル・レジストリが作成され、次に、たとえば呼気終末部分などの呼気部分が、二次格納チューブに、そして最終的には組成センサに送られ、他方で、変形例に従って、残っているガスは、弁V8のポートAから排出される。特に、呼気B1、B2およびB3は、それら全体が、サンプル・チューブ18に入り、レジストリにカタログ化される。システムが分析のための動作の方針を決定すると、選択された呼気の要求される部分が、センサSCO、SH2およびSOに送られる。サンプルは、組成分析を実行することが必要な場合には、弁V4と弁V5、弁V6と弁V7、および弁V8と弁V9との間の二次格納コンパートメントに格納され得るのであるが、複数の呼気の部分が収集され分析の前に格納されることが必要な場合、最小限の体積が必要とされている場合、または複数の呼気にわたる平均化が望まれる場合が、そのような場合であり得る。
図27は、サンプル格納チューブの空気圧概略図の下に、異なるタイプの呼気のタイミング・トレーシングが重ね合わせられている変形例を示す。この図は、格納容積、3つの弁およびポンプを備えたシステムのある実装例を示しており、それに加えて、上部のトレーシングにおけるCO2濃度に基づく呼気波形の仮想的な一連のタイプも示されている。同様の波形は、瞬間的な流量、圧力を測定することによって、または、他の手段によって取得され得る。いくつかの情報が、呼気の物理的格納と共に格納され得るのであって、それが、呼気部分の事後的な識別を可能にする。複合的な仮想的な呼気は、8つの異なる呼気タイプを含む。(ラベルXが付された)呼気B1は、通常の健康な呼気を表し得る。(ラベルYが付された)呼気B2は、ぜんそくの呼気またはそれ以外の呼吸障害を表し得る。呼気B2と呼気B3との間には、非呼吸的な活動の短いバーストが存在し得るが、これについては、考察されないことがあり得る。呼気B3は著しく小さな振幅を有するが、これは、劇的に低下された循環と小さな呼気体積の結果であり得る。呼気B4、B5、B6およびB7は、浅く速い呼吸を伴う過呼吸を表し得る。最後になるが、(ラベルZが付された)最後の呼気B8は、無呼吸事象の後の呼気の結果であり得るのであって、通常の呼吸とは非常に異なる根底にあるガス濃度を伴っている。吐き出されたガスは、ポンプなしで、または、ポンプを用いることによって、格納容積に格納され得る。弁V1は、格納容積への入口を開放する。弁V2は格納容積の出口を閉鎖する。格納容積チューブの長さは、与えられている臨床的パラダイムのために収集されることが必要である呼気の個数に依存する。ポンプを用いない格納容積の容積、内径および長さは限定されており、呼気波形の歪みを生じさせ、ガスの混合を増加させる。しかし、複数のサンプルがポンプを動作させられない場所で採取されなければならない場合には、または、(大規模な緊急状況における場合にそうであるように)複数のサンプルが複数の患者から並列的に収集されてシーケンシャルに分析されなければならない場合には、これは、容認可能な精度損失であり得る。以下の説明では、サンプル収集周期の間にポンプを動作させることを含むが、ポンプの動作はサンプル収集と必ずしも結合されていないことが理解されるべきである。患者が格納チューブの中に呼吸をすると、ポンプは、吐き出された呼気をサンプル容積の中へ引き出すことの助けになる。ポンプ速度は、予測される呼吸速度と一致するように選択されることが可能であり、呼吸速度の変化に応答して変動され得る。サンプルが収集された後で、弁V3とポンプ動作との組合せ(弁V1および弁V2によって、空気または不活性ガスが格納サンプルから入り込み流れることが可能になることがその後に続く)が、格納されている呼気の関係する部分を選択的に選ぶのに用いられる。弁V3は3ウェイ弁であり、図28に記載されているように、排気(または、以後の分析のための他のストレージ)に接続された第1の出口、および一連のセンサに接続された第2の出口を備えている。コンピュータ駆動アルゴリズムが、根底にある格納されている波形の急峻なセグメント化を可能にする速度で、「排気」から「分析」に弁V3を選択的に切り換え得る。
分析のいくつかの例が、図27に示されており、以下で説明される。分析AA:測定の主な目的の1つが、(H2濃度を測定する場合のように)解析される終末呼気の体積を最適化することである場合には、終末呼気の関連する部分が、XおよびYのラベルが付されている呼気B1およびB2から、相互にグループ化され得る。仮想的な呼気B8の最後のセクション(右側の、Zのラベルが付されている)は、無呼吸または別の臨床的状態の結果であり得るが、これは、通常は分析において考察されないものであり、いくらかの精度を犠牲にして測定のために利用可能な全体的なガス体積を増加させるために、含ませることが必要となり得る。呼気の部分Zを導入することによって精度は低下し得るが、その理由は呼気終末部分よりも多くが考察されるからであり、また、呼気は予測される濃度で安定することはないが、その理由はこれが無呼吸と関係する呼気であって不自然なCO2およびCO含有量を伴うからである。分析BB:測定の主な目的の1つが精度を最適化することである場合には、呼気B1、B2およびB3が考察されるが、呼気B8は考察され得ないのであり、その理由は、最初の3つが調査対象であるガスの濃度についてより安定し得るからである。これは、百万分の1の精度が望まれる呼気終末CO濃度を測定するときに、そうであり得る。最小限の品質基準に合致する任意の呼気が用いられ得るのであって、その呼気終末部分の全体が理想に満たない場合であっても、それよりも短い部分が用いられる。アルゴリズムが、分析に、どの呼気をどのくらい含めるのかを決定する。分析CC:過呼吸事象の間、特に、そのような事象が慢性的な臨床条件と関係する場合に、重症度と残存ガス濃度とを計測することは、臨床的な関心であり得る。呼気B4、B5、B6およびB7は、この条件に関して認識され分析される唯一の呼気であり得る。分析DD:CO2がある一定の閾値に到達するときに、ガスの肺胞濃度を考察して、それを、より高度な分析のための他のタイプの測定値と比較することが望まれることがあり得るが、その場合には、呼気B1、B2およびB8の「より幅の広い」部分が最終的に分析される。
図28は、ある変形例に従った、図24に記載されているシステムへの別の構成を記載する空気概略図であって、ポンプ12’が患者PTからサンプルを引き出し、そのサンプルを様々なサンプル・チューブA、BおよびCと組成センサSA、SBおよびSCとに送るのであるが、このポンプは、ガス経路におけるガス構成要素の編成がポンプによって混乱されないようなぜん動タイプのポンプであり得る。この図は、分析システムのある変形例を示しており、複数の被検物感知手段を含み得る。弁2および3、ならびにポンプは、上述した図27と同じである。弁V4、V6およびV8は、それぞれが特定の被検物の感知手段に付属している別々のサンプル・チャンバA、BおよびCにそれぞれ接続されている。センサSA、SBおよびSCのそれぞれは、単一のガスまたは複数の被検物濃度感知手段であり得る。弁V8のポートAにおける排気は、追加的な感知または格納手段に接続され得る。ポンプは、格納容積の2方向への移動とインクリメンタルな分析を可能にするために、双方向的であり得る。たとえば、最初に精度を最適化するために、2段のアルゴリズムが用いられ得るが、呼気1、2および8それぞれの特定の部分X、YおよびZによって十分でないガス体積が選択された場合には、Xよりも前、Yよりも前およびZよりも前に格納容積の追加的なサンプルが、サンプル・チャンバAに追加されセンサSAに提供され得る。この場合には、より多くの体積が利用可能になり得るが、呼気終末部分だけが捕捉されたことの信頼度は、低くなり得る。最後に、調和解析、ウェーブレットおよび一連の他の信号解析ツールを含む非線形アルゴリズムが、格納された呼気パラメータを表す波形に適応的に適用され得るのであって、それにより、呼気のどの部分が分析されるべきかが決定される。リアルタイムの分析または単一の呼気の分析を提供するシステムでは、患者の安定性、呼吸パターンの規則性などについての推定が行われ得る。複数の呼気についての完全な格納を用いると、最良の呼気が、事実に従い選択され分析され得るが、必要な場合には、追加的な呼気または呼気の追加的な部分が、精度、ガス体積またはそれ以外の最適化されるべきパラメータを増加させるために、元のサブサンプルに追加され得る。
図27および図28におけるシステムは、1つまたは複数の呼気を格納するために1つまたは複数の弁を備えた長い毛細チューブ18’を含み得るが、この1つまたは複数の呼気は、以後のオフラインでの化学的分析のために部分ごとのリトリーブが可能である。いくつかの実装例は、(単一または複数の呼気格納のための)長い毛細チューブを含み得るのであって、この毛細管は、オプションとして、(フローの反転が可能な)ポンプと、吐き出されたガスのフローを1つまたは複数のセンサにルーティングする1つまたは複数の弁とに動作的に結合されている。さらに、吐き出されたガスがチューブ18’に入るまたはチューブ18’を出るときには、その流量およびそれ以外の流体的パラメータが、フロー通過センサによって(流量、CO2濃度、温度などについて)測定され得る。また、ポンプにおけるガスの排気は、用いられる場合には、フロー通過センサによっても測定され得る。
本開示のいくつかの変形例は、1つまたは複数の呼気の格納に関し、タイムマーカを備えているのであるが、これは、吐き出される際に、1つまたは複数の呼気が格納チューブに線形にロードされ、流量、圧力、CO2濃度などを含み得る詳細なタイミング情報が呼気の各物理的位置に対して保存されるコンピュータのシフト・レジスタに類似し得る。格納されている呼気の任意の部分が、複数の呼気の同じ部分を含めて、1組のセンサの中に順方向にロードされ得る。たとえば、ある一定のガスの呼気終末濃度が重要な測定値(すなわち、水素)である場合には、複数の呼気から呼気終末濃度の複数の読取値を取得して、それらを収集し、そして燃料セル・センサを用いてそれらを分析することが必要になり得る。複数のサンプルを収集することが必要であり得る理由は、燃料セル・センサは最小体積のテスト・ガスを要し、また、燃料セルは定常状態に到達するために著しい積算時間を要するからである。これは、質量分析計を含む多数の他のセンサ・タイプについても、真実であり得る。さらに、各呼気は、患者が疾病の存在に起因して呼吸が乱れている場合は特に、異なる形態を有し得る。その場合には、呼気の正しい部分がサンプリングされていることを確認するために、各呼気を別々に分析し、呼気終末部分だけを選択する(または、呼気が十分に画定されていない場合にはいずれの部分も選択しない)ことが必要となり得る。
このプロセスは、別々に保存されているタイミング情報と共に、1つまたは複数の呼気を格納チューブの中に収集すること、そして次に、ポンプとおよび弁の組合せを行うことを通じて、関連する部分だけを1つまたは複数の呼気から1つまたは複数のセンサにルーティングすることを、必然的に伴う。毛細チューブの内径に、特別な注意が払われなければならないのであるが、この内径は、乱流および混合が生じることなく吐き出されたガスが適切に内部を流れることを許容するのに十分なだけ大きく、他方で、ガスの混合を防止するのに十分なほど小さいことが保証されているのである。これは、また、ポンプ速度の選択にも適用されるのであって、ポンプ速度は、ある範囲の呼気を許容するように固定であるか、または、呼気間の差異に対応するように可変でもあり得るが、この点は、米国特許出願第13/722,950に記載されている。なお、この米国特許出願は、本出願の譲受人に譲渡されており、この米国特許出願の開示内容は、その全体が、参照によって本明細書に組み入れられる。ポンプ速度に関する情報は、後で、格納チューブにおいてガスを「再サンプリングする」ために用いられ得る。このプロセスは、調節可能なサンプリング・レートを用いるサンプリング装置で、アナログ信号をデジタル的にサンプリングするのと非常に類似している。ある再サンプリング方法は、正確なサンプリング点を選択するために「チャープ」変換を用いることを含む。
本開示は、(1つまたは複数の)呼気格納コンパートメントおよび(1つまたは複数の)分析センサが同じデバイスに存在するような変形例について主に記載しているが、格納コンパートメントおよび分析センサは別々であり得ることが理解されるべきである。たとえば、ガスは、混合を防止するように構成されたコンパートメントに、戸外で捕捉され得る。コンパートメントは、(たとえば、真空ポンプなどの)フロー機構および(たとえば、カプノメータおよびソフトウェアなどの)呼気の特定の部分を判断し記録するための機構と関連する場合もまたは関連しない場合もあり得る。その次に、格納されたガスは、実行される分析のために、実験室に運ばれ得る。実行される分析は、呼気の特定の構成要素を測定すること、および/または、(たとえば、呼気終末部分など)呼気の特定の部分の開始および終了を決定することなど、本明細書で上述された分析のいくつかまたは全部を含み得る。
センサは、燃料セル、MEMS流体センサ、光ベンチ、ガス分光計、質量分析計、およびいずれかの他のタイプのセンサを含み得る。分析されるガスは、吐き出された呼気、麻酔ガス、不所望の吸い込まれたガス(すなわち、毒物、生化学的兵器)または代謝プロセス(アルコール、薬物、疾病など)に起因するガスに伝統的に存在する任意の標準的なガスを含み得る。
ナノチューブ・センサ技術など、新たに誕生しつつある技術が、要求される精度をもってリアルタイムでガス組成物を測定するのに十分に正確であることが判明し得るということも考えられる。したがって、変形例の多くが、本明細書では、呼吸パターン感知センサおよびステップと、ガス組成センサおよびステップとを別々に説明しているが、呼吸感知のステップおよびガス組成分析のステップは、同じセンサによって、潜在的に同時に、実行されることが可能である。そのような装置では、本明細書に記載されている呼気情報レジストリの変形例が、有益であり得るだろう。
本明細書で用いられている呼気終末という用語は、呼気周期の終了時でのまたは終了に近い時点での吐き出された呼気の部分を指すものと理解され得るのであって、典型的には、人からデッドスペースが吐き出された後であり得る。明細書の全体で例示されている呼気終末ガスにおいてCOなどのガスを測定することに加えて、微粒子およびそれ以外の化学物質などガスでないものも同じ態様で測定されると考えられる。
本発明の変形例に関する上述の記載において、図面に記載されている動作のシーケンスは、可能性のあるすべての順列として組み合わされることが可能である、ということが注意されるべきである。さらに、例ではETCO測定を記載しているが、それらは、たとえば水素など、他のガスに適用し得る。明細書全体に提供されている例は本発明の原理を例証するものであって、当業者によれば、様々な修正、改変および組合せを、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、行い得る。本明細書に開示されている様々な呼気測定およびサンプリング・デバイスの任意の変形例は、任意の他の呼気測定およびサンプリング・デバイスまたは本明細書に開示されている呼気測定およびサンプリング・デバイスの組合せの特徴を含み得る。したがって、添付の特許請求の範囲による以外に、本発明が限定されることは意図されていない。上述された変形例のすべてに関して、方法のステップは、シーケンシャルに実行されることは必要ではない。
関連出願の相互参照
本出願は、2013年2月12日および2013年3月15日にそれぞれ出願された米国仮出願第61/763,896号および第61/794,254号の利益を主張しており、これらの仮出願の開示は、その全体が、参照によって本明細書に組み入れられる。
本明細書には、診断目的のための呼気放出物の分析のためのデバイスおよび方法が、記載されている。より詳しくは、人の息からのたとえば呼気終末ガスなどの呼吸サイクルの関連部分をサンプリングし分析するためのデバイスおよび方法が記載されている。このデバイスおよび方法は、たとえば、診断、モニタリングまたはスクリーニング目的のために、または、治療処置との関連で、ガス分析と根底にある病理学的条件とを相関させるために用いられ得る。
身体および血流において生成されるまたは身体および血流に侵入する一定の代謝物質および化学物質は、呼気の中に排出される。身体または血流におけるレベルは、それを呼気において測定することによって、決定され得る。たとえば、呼気中の一酸化炭素(CO)レベルは、血液疾患および条件、代謝異常、ならびに環境的および行動上の問題などの、根底にある異常を検出しモニタするために、測定され得る。たとえば、呼気終末COは、血液COとの相関され得るのであるが、血液COは、溶血、喫煙または吸入中毒を示し得る。呼気終末COを測定するためには、患者から排出される呼気から非侵襲的に、息を吐き出す最後における呼気の部分を捕捉することによって、肺胞気が収集され得る。捕捉された呼気終末ガスは、次に、そのCO濃度について分析され得るが、それにより、非侵襲的測定が完了する。典型的には、呼気終末ガスレベルと身体または血液における代謝物または化学物質のレベルとの間には、たとえば、1:1という比率の、または他の比率の相関が存在する。
典型的には、しかし常にではないが、呼気モニタリング・センサおよびガス分析センサという2つのタイプのセンサが用いられる。呼気モニタリングに関しては、呼吸パターンの適切な部分を正確に目的として収集するために、典型的には、赤外CO2センサなどのリアルタイムまたはほぼ瞬時のセンシング技術が、呼吸パターンの測定に用いられる。あるいは、気道圧センサ、フロー・センサ、酸素ガス・センサ、胸部インピーダンス・センサ、音響センサ、振動センサ、ならびに横隔膜運動および神経支配センサなどの他のセンサである。ガス組成分析に関しては、要求される臨床的精度を充足するため、この目的を満たす利用可能なセンサは、典型的に、1回の呼吸の継続時間よりも著しく長い実質的な信号応答時間を要求する。したがって、正確なシステムにおいては、ガス分析ステップは、呼吸パターン・モニタリングおよびガス・サンプル収集ステップの後に生じ得る。
従来型の呼気分析システムには、いくつかの深刻な制約が存在し得る。特に、第1の制約においては、不規則な呼吸パターンに起因して、適切な呼気終末ガス・サンプルを取得して分析することは、しばしば問題を含み、いくつかの場合には、不可能である。特定の呼気がその呼気フェーズにおいて有効な肺胞ガス組成から構成される「正常な」呼気であるかどうかは、一連の呼気の後まで、または、ある実質的な継続時間の呼吸が分析されるまで、判断不可能である。J. S. GRAVENSTEIN、MICHAEL B. JAFFE、NIKOLAUS GRAVENSTEINによる「カプノグラフィ」には、呼気分析が有益であり得るが根底にある不規則性のために完了され得ない多数のパラダイムについての記載がある。この書籍において示されている分析のほとんどは、「人工物のない」波形を想定しているのであるが、著者たちは、特に病を得た患者、挿管されている患者、およびそれ以外の一般的に生じる臨床的な事象においては、これが稀な場合であることを認めている。さらに、呼気分析に関係する臨床的試みでは、典型的に、不規則な、異常な、または予測不可能な呼吸パターンを有する患者を排除しなければならない。メドトロニック社によるカプノグラフィ・ブローシュアMIN3012492−001/CAT21300−001569には、どれもが疾病、気道閉塞、呼吸停止、不十分な呼吸などの結果として臨床の現場で日常的に生じる一連のカプノグラフィ波形が表示されている。これらの条件の多くは、呼気の化学的組成の詳細な測定を、困難、不正確、または不可能にし得る。さらに、当業者にとっては明らかであるように、CO、H2および一酸化窒素などのガスの分析は、上述した参考文献のほとんどの主題であるCO2濃度の測定よりも、はるかに複雑であり得る。これは、CO2濃度が信頼性をもって得られないときには、他のどのガスの濃度測定もやはり取得不可能である可能性が高いことを意味する。
第2の制約においては、(A)1つの個別的な呼気だけを測定することによって、別の呼気に含まれる潜在的に非常に有益な情報を逃すことにより、または、(B)チャンバの中の一連の呼気内部のすべての呼気を定量的に混合することによって、重要な呼気に含まれる情報を希釈することにより、従来型の呼気分析デバイスが、重要な情報を逃し得るということが認識されてきている。これらのシステムは、また、一連の呼気内部のすべての呼気を測定する場合には、有効な呼気および無効な呼気が混合されてしまうことで結果の精度を潜在的に低下させるという点でも、制約を有し得る。
複数の発行された米国特許と公開された特許出願とが、呼気分析における技術の現状について論じている。米国特許第6,544,190B1号は、記載されているシステムが「過度の呼気変動性のために検査が信頼できなくなる蓋然性が高いときに検査データを拒絶する手段を提供する」ことを開示している。メドトロニック社の出願第11/588,990号である公開番号第US2008/0009762A1号は、カプノグラフィ曲線の形状への非線形適合を提供することによってカプノグラフィ・データを分析するアルゴリズムを記載しているが、呼気の根底にある化学的分析に関しては、まったく扱っていない。同様に、(オリディオンに対して発行された)米国特許第6,428,483号は、波形の角度、遷移点、およびそれ以外の特性について考察するカプノグラフィ波形分析システムを記載しているが、それは、一度に1つの呼気に対してリアルタイムに作用し、格納機構を有していない。次に、米国特許第6,733,463号は、呼気流量の制御を試みる一酸化窒素測定システムを記載しているが、これもまた、可変なフローおよび速度特性を有する呼気には適用不可能である。米国特許第8,021,308号は、呼気と吸気との間の遷移点を見つけ、次に呼気のその部分をリアルタイムで分析することによって、呼気の終末部分を分離する方法を記載している。この発明は、呼吸速度に基づく調節可能な分析方法論を有しているが、(呼気終末などの)現在の呼気の遷移点または部分を識別することに限定されており、格納された体積をサブサンプリングする手段、すなわち、開始するおよび終了するサンプリング点の事後的な適用を提供することはない。さらに、それは、複数の完全な呼気を格納する手段を提供しない。米国特許第6,582,376号は、肺胞呼気分析のための測定システムを記載しており、閾値に基づいて呼気の一部を格納するためのサンプル体積を提供するが、個別的な呼気の別々の識別は不可能である。
本明細書には、個別的なおよび/または複数の呼気から一連の呼気および/または部分の物理的レジストリを編成し、そのレジストリの内部で呼気タイプおよび呼気部分タイプを特徴付け、そのレジストリの内部で複数の異なる部分を編成し、所望の呼気および/または所望の呼気部分に対して、リアルタイムで、またはある時間間隔が経過した後で、所望の分析を行うことによって、呼気におけるガス、粒子およびそれ以外の物質を分析する方法、システムおよびデバイスが記載されている。
従来型の技術水準によるアプローチに付随する問題に対処するために、より強力で有用なガス分析技術では、いくつかの変形例において、呼気ストレージと呼気情報レジストリとを用いる。たとえば、いくつかの変形例では、呼気分析器は、一連の呼気を分析し、その一連の呼気から複数のサンプルとサブサンプルとを収集し得るのであるが、その一連の呼気の呼吸パターンおよび呼気タイプが分析され情報がレジストリに編成された後で、システムは、その一連の呼気における呼気タイプの特徴付けおよび比較にすべて基づき、さらなる分析のためにサンプルを相互に組み合わせたり、さらなる分析のためにそれらを異なる方法で組み合わせるかつ/もしくは分離したり、または、個別的な異なるタイプの分析のためにそれらを区別したりすることがあり得る。
第1の変形例では、呼気または一連の呼気からのガスが患者から引き出され、ガスの各部分の呼気タイプおよび呼気部分タイプが、高速、瞬間的またはほぼ瞬間的であることが好ましいが常にそうであるとは限らない呼吸センサと必要なアルゴリズムとからの呼吸信号を用いて分析して、定義される。呼吸信号は、呼気サイクルにおけるタイミング・マーカの表示を含み、たとえば、カプノグラフィにおけるように呼吸ガスのタイプまたは複数のガスのタイプにチューニングされたIRセンサを用いて、取得され得る。呼気ガスそれ自体は、呼気の異なる部分からのガスの構成部分の間での、および呼気の間での混合を減少させるために断面積の小さな流路を有するサンプル収集コンパートメントの中に、捕捉され得る。異なる構成部分は、呼吸信号に基づいて、レジストリとしてカタログ化され得る。所望の部分は、関心対象であるガスのレベルを決定するために、分析され得る。
第2の変形例では、呼気ガスが、ガスの構成部分の間での混合を減少させるために断面積の小さな流路をそれぞれが備えた複数の異なるサンプル収集コンパートメントの中に捕捉される。複数の異なるコンパートメントの複数の異なる構成部分は、呼吸信号を用いて、レジストリとしてカタログ化され得る。所望の部分が、関心対象である異なるガスのレベルを決定するために、複数の異なるセンサ・タイプによって、分析され得る。
第3の変形例では、呼気ガスが、ガスの構成部分の間での混合を減少させるために断面積の小さな流路を備えたサンプル収集コンパートメントの中に捕捉される。複数の異なる構成部分は、レジストリとしてカタログ化され得る。所望の部分が、問題である様々なガスのレベルを決定するために、様々な異なるセンサによって、分析され得る。
第4の変形例では、呼気ガスが、ガスの構成部分の間での混合を減少させるために断面積の小さな流路をそれぞれが備えた複数の異なるサンプル収集コンパートメントの中に捕捉される。複数の異なるコンパートメントの複数の異なる構成部分は、レジストリとしてカタログ化され得る。所望の部分が、問題である気質のレベルを決定するために、分析され得る。
追加的な変形例では、周囲ガスまたは不活性ガスなどの適切なガスが、部分を分離するのを助けるために、サンプル・コンパートメントにおけるガスの異なる構成部分の間に挿入される。他の変形例では、呼気終末部分などの呼気の特定の部分が、複数の呼気から収集されて照合され、分析される。他の変形例では、フロー・ポンプ、サンプル収集コンパートメント、および気質分析センサが記載されている。
いくつかの変形例では、呼気ガス捕捉デバイスは分析センサを含んでおらず、ガスが捕捉された後で、サンプル・コンパートメントがセンサに輸送される。たとえば、ガスは患者のベッドサイド、医師のオフィスまたは遠隔的に家庭もしくは野外で捕捉され、分析のために実験室に輸送され得る。他の変形例では、呼気の異なる部分が、適切な分析のために、レジストリにおいて編成され得る。たとえば、上部気道の被検体、中間気道の被検体、下部気道の被検体、肺胞被検体、またはこれらの組合せが、所望の診断検査に応じて、関心対象のサンプルを含み得る。システムがユーザによって完全にプログラム可能であり得ることにより、ユーザは、試みられている分析のタイプを入力することができ、システムは、次に、必要なサンプルを収集し編成し分析するために、必要な制御システムおよびアルゴリズムを実行する。他の変形例では、被験者は、ユーザまたはシステムによって、呼気サンプルが収集されつつある間、一定の呼吸法を実行するように命令され得る。たとえば、ユーザは、呼吸を停止すること、深い呼気、浅い呼気、通常の1回呼吸量の呼気、またはこれらの組合せを提示することができる。これは、問題の疾病を示す被検物が一定の呼気タイプにおいて最も顕著である場合に、システムの分解能を向上させ得る。システムは、実際に提示された呼気を測定し、予測される呼吸パターン信号と比較することに基づき、各サンプルを確認して受け入れるか、または拒絶し得る。あるいは、被検者が、たとえば、彼または彼女がトレーサ要素または誘発エージェントを吸い込むまたは注入するように命令され、呼気において結果的に生じる被検物が結果として変化し、根底にある病理もしくは疾病または問題となっている症候群を示すような挑戦法の対象となり得る。本開示において記載されているシステムは、協力的な被検者だけではなくて非協力的な被験者からサンプルを取得することを含み得る。
第5の変形例では、呼気サンプリングおよび分析装置は、異なる呼気部分の始点と終点とを決定するためにガスパラメータを検出するセンサと、人の呼気から少なくとも1つのガス・サンプルを引き出すポンプと、呼気部分を別々の物理的位置にそれぞれ格納するサンプル・コンパートメントとを含む。
第6の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置が、格納された呼気部分のそれぞれをあるパラメータに関して別々に分析する分析器をさらに含む。
第7の変形例では、第5の変形例のサンプル・コンパートメントが、毛細チャネルを備えており、その毛細チャネルでは、異なる呼気部分がチャネルの容積の一区間を占め、それらの区間は端部から端部である。
第8の変形例では、第5の変形例の別々の物理的位置が別々のサンプル容器を備えており、この装置は、異なる呼気部分を別々のサンプル容器の中へ進路を変えるためのマニホルドシステムをさらに備えている。
第9の変形例では、第8の変形例の各サンプル容器は、それぞれのバイパス管とそれぞれのセンサとを備えている。
第10の変形例では、第8の変形例の各サンプル容器は、それぞれのセンサを備えており、この装置は、すべてのサンプル容器のために1つのバイパス管を備えている。
第11の変形例では、第8の変形例の呼気分析装置は、すべてのサンプル容器のために1つのセンサを備えており、すべてのサンプル容器のために1つのバイパス管を備えている。
第12の変形例では、第5の変形例の呼気部分は、単一の呼気からのものである。
第13の変形例では、第5の変形例の呼気部分は、様々な呼気からのものである。
第14の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置は、第1のパラメータに関して1つまたは複数の呼気部分を分析する分析器を含む。
第15の変形例では、第14の分析器は、第2のパラメータに関して別の1つまたは複数の呼気部分を分析する。
第16の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置は、呼気部分を一緒に分析する分析器を含む。
第17の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置は、呼気部分を別々に分析する分析器を含む。
第18の変形例では、第5の変形例の呼気分析装置は、呼吸パターン特性の測定値を受け取ることによって所望の呼気部分を識別するためのプロセッサを含んでおり、サンプル・コンパートメントは、呼気の所望の部分からガスを受け取る。
第19の変形例では、呼気サンプリングおよび分析装置は、呼気の開始と終了とを識別することにより呼気パターンを様々な呼気部分に分割して、様々な呼気部分の開始および終了を識別するセンサと、人の呼気から少なくとも1つのサンプル管の中へガス・サンプルを引き出す真空ポンプであって、このサンプル管は少なくとも1つの呼気および少なくとも1つの呼気部分からのガスを含む、真空ポンプと、呼気の開始と終了とに対応し、呼気部分の開始と終了とに対応するサンプル管におけるガスの位置を識別するためのコンピュータとを含む。
第20の変形例では、第19の変形例の呼気分析装置は、格納された呼気サンプルを、あるパラメータに関して分析する分析器を含む。
第21の変形例では、呼気サンプリング装置は、その内部での患者によって吐き出された呼気の混合を防止するように構成されたサンプリング・チューブと、サンプリング・チューブに結合されており患者によって吐き出された呼気をサンプリング・チューブの内部で捕捉するように共に動作可能な入口弁および出口弁と、サンプリング・チューブに流体的に結合されており患者によって吐き出された呼気を直接に受け取るように動作可能である入口チューブとを含んでおり、さらに、入口弁は、サンプリング・チューブを入口チューブから分離させるように動作可能である。
第22の変形例では、第21の変形例の呼気サンプリング装置は、吐き出された呼気の部分の格納チューブにおける位置を決定するためのプロセッサを含む。
第23の変形例では、第21の変形例の呼気サンプリング装置は、サンプリング・チューブにおける吐き出された呼気の1つまたは複数のパラメータを決定するためのインフロー・センサを含む。
第24の変形例では、第23の変形例のインフロー・センサは、流量センサ、MEMS流体センサ、光学ベンチ、および質量分析計からなる群から選択された1つまたは複数を含む。
第25の変形例では、第23の変形例のプロセッサは、サンプリング・チューブにおける吐き出された呼気のパラメータの記録を参照することによって、その部分の位置を決定するのであるが、この記録は、インフロー・センサによって決定された1つまたは複数のパラメータを含む。
第26の変形例では、第25の変形例の1つまたは複数のパラメータは、吐き出されてサンプリング・チューブに入る呼気の時間プロファイル、吐き出された呼気の流量プロファイル、サンプリング・チューブに結合されたポンプのポンプ速度プロファイル、吐き出された呼気の圧力プロファイル、吐き出された呼気の二酸化炭素濃度プロファイル、および吐き出された呼気の温度プロファイルからなる群から選択された1つまたは複数を含む。
第27の変形例では、第21の変形例の呼気サンプリング装置は、吐き出された呼気の部分の特性を、それがサンプリング・チューブにおいて捕捉された後で決定するための分析システムを含む。
第28の変形例では、第27の変形例の分析システムは、1つまたは複数の格納容器を含み、この1つまたは複数の格納容器は、サンプリング・チューブに流体的に結合されており、出口弁は、サンプリング・チューブを1つまたは複数の格納容器から分離するように動作可能である。
第29の変形例では、第27の分析システムは、吐き出された呼気の部分をベントするためのエキゾーストを含む。
第30の変形例では、第27の変形例の分析システムは、麻酔ガス、有毒ガス、アルコール使用に起因する代謝ガス、薬物使用に起因する代謝ガス、疾病に起因する代謝ガス、および水素からなる群から選択された1つまたは複数のガスの特性を分析する。
第31の変形例では、第21の変形例の呼気サンプリング装置は、サンプリング・チューブに流体的に結合されたポンプを含み、出口弁は、サンプリング・チューブをポンプから分離させるように動作可能である。
第32の変形例では、第31の変形例のポンプは、可変速度を有する。
第33の変形例では、第31の変形例のポンプは、可逆的なフロー方向を有する。
第34の変形例では、第21の変形例のサンプリング・チューブは、毛細チューブを有する。
第35の変形例では、第21の変形例のサンプリング・チューブは、複数の吐き出された呼気を格納するように構成されている。
第36の変形例では、第35の変形例の複数の吐き出された呼気は、複数の患者によって吐き出される。
第37の変形例では、1つまたは複数の呼気を分析する方法は、その内部での呼気の混合を防止するように構成されたサンプリング・チューブに、1つまたは複数の呼気を格納するステップと、サンプリング・チューブに格納された呼気の1つまたは複数の特性を記録するステップと、サンプリング・チューブに格納された呼気の1つまたは複数のセグメントを、呼気の記録されている特性に基づいて識別するステップと、1つまたは複数のセグメントをサンプリング・チューブから抽出するステップと、1つまたは複数のセグメントを分析するステップとを含む。
第38の変形例では、第37の変形例の呼気の1つまたは複数の特性を記録するステップは、インフロー・センサを用いて1つまたは複数の特性を決定するステップを含む。
第39の変形例では、第38のインフロー・センサは、吐き出されてサンプリング・チューブに入る呼気の時間プロファイル、吐き出された呼気の流量プロファイル、サンプリング・チューブに結合されたポンプのポンプ速度プロファイル、吐き出された呼気の圧力プロファイル、吐き出された呼気の二酸化炭素濃度プロファイル、および吐き出された呼気の温度プロファイルからなる群から選択された1つまたは複数を決定するように構成されている。
第40の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを抽出するステップは、不所望のセグメントを排出するステップを含む。
第41の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを抽出するステップは、1つまたは複数のセグメントを1つまたは複数の格納容器に格納するステップを含む。
第42の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを抽出するステップは、可逆フローを備えたポンプを用いて、不所望のセグメントをサンプリング・チューブに戻すステップを含む。
第43の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを分析するステップは、麻酔ガス、有毒ガス、アルコール使用に起因する代謝ガス、薬物使用に起因する代謝ガス、疾病に起因する代謝ガス、および水素からなる群から選択された1つまたは複数のガスの特性を分析するステップを含む。
第44の変形例では、第37の変形例における呼気の1つまたは複数のセグメントを分析するステップは、複数の呼気からの呼気セグメント、1つまたは複数の呼気の呼気終末濃度、および1つまたは複数の肺胞濃度からなる群から選択された少なくとも1つを分析するステップを含む。
第45の変形例では、第37の変形例における1つまたは複数の呼気を格納するステップは、1つまたは複数の呼気を毛細管に格納するステップを含む。
第46の変形例では、第37の変形例における1つまたは複数の呼気を格納するステップは、複数の患者からの複数の呼気を格納するステップを含む。
第47の変形例では、第37の変形例における1つまたは複数の呼気を格納するステップは、ポンプを用いて呼気をサンプリング・チューブの中に引き込むステップを含む。
第48の変形例では、第37の変形例のポンプは可変流量を有する。
第49の変形例では、呼気サンプリング装置は、吐き出されたガスがその内部で混合することを防止するように構成されたサンプリング・チューブと、サンプリング・チューブに結合されており吐き出された呼気をサンプリング・チューブの内部に捕捉するように構成された第1および第2の弁とを含む。
第50の変形例では、1つまたは複数の呼気を分析する方法が、1つまたは複数の呼気の1つまたは複数の構成部分を識別するステップと、1つまたは複数の呼気を、その1つまたは複数の構成部分が混合されないように格納するステップと、1つまたは複数の構成部分の少なくとも1つを分析のために識別するステップと、1つまたは複数の構成部分の少なくとも1つを分析するステップとを含む。
第51の変形例では、呼気を分析する方法が、呼気の1つまたは複数の構成部分が混合されないように呼気を格納するステップと、1つまたは複数の構成部分の少なくとも1つを分析するステップとを含む。以上より、本発明の一実施の形態は、異なる呼気部分の始点と終点とを決定するためにガスパラメータを検出するセンサと、人の呼気から少なくとも1つのガス・サンプルを引き出すポンプと、呼気部分を別々の物理的位置にそれぞれ格納するサンプル・コンパートメントと、を備えている呼気サンプリングおよび分析装置である。また、呼気分析装置は、前記格納された呼気部分のそれぞれを、あるパラメータに関して別々に分析する分析器をさらに備えていても良い。また、呼気分析装置では、前記サンプル・コンパートメントは毛細チャネルを備えており、前記毛細チャネルでは、前記異なる呼気部分が前記チャネルの容積の一区間を占め、前記区間は端部から端部であっても良い。また、呼気分析装置では、前記別々の物理的位置が別々のサンプル容器を備えており、前記異なる呼気部分を前記別々のサンプル容器の中へ進路を変えるためのマニホルドシステムをさらに備えていても良い。また、呼気分析装置では、前記各サンプル容器はそれぞれのバイパス管とそれぞれのセンサとを備えていても良い。また、呼気分析装置では、前記各サンプル容器はそれぞれのセンサを備えており、すべてのサンプル容器のために1つのバイパス管を備えていても良い。また、呼気分析装置は、すべてのサンプル容器のために1つのセンサを備えており、すべてのサンプル容器のために1つのバイパス管を備えていても良い。また、呼気分析装置では、前記呼気部分は単一の呼気からのものでも良い。また、呼気分析装置では、前記呼気部分は様々な呼気からのものでも良い。また、呼気分析装置は、第1のパラメータに関して1つまたは複数の呼気部分を分析する分析器をさらに備えていても良い。また、呼気分析装置では、前記分析器は、第2のパラメータに関して別の1つまたは複数の呼気部分を分析しても良い。また、呼気分析装置は、前記呼気部分を一緒に分析する分析器をさらに備えていても良い。また、呼気分析装置は、前記呼気部分を別々に分析する分析器をさらに備えていても良い。また、呼気分析装置は、呼吸パターン特性の測定値を受け取ることによって所望の呼気部分を識別するためのプロセッサをさらに備えており、前記サンプル・コンパートメントは前記呼気の前記所望の部分からガスを受け取っても良い。また、別の実施の形態に係る呼気サンプリングおよび分析装置は、呼気の開始と終了とを識別することにより呼気パターンを様々な呼気部分に分割して、様々な呼気部分の開始および終了を識別するセンサと、人の呼気から少なくとも1つのサンプル管の中へガス・サンプルを引き出す真空ポンプであって、前記サンプル管は少なくとも1つの呼気および少なくとも1つの呼気部分からのガスを含む、真空ポンプと、前記呼気の前記開始と前記終了とに対応し、かつ前記呼気部分の前記開始と前記終了とに対応する前記サンプル管におけるガスの位置を識別するためのコンピュータと、を備えている。また、呼気分析装置は、格納された呼気サンプルを、あるパラメータに関して分析する分析器をさらに備えていても良い。また、一実施の形態に係る方法は、1つまたは複数の呼気を分析する方法であって、前記1つまたは複数の呼気の1つまたは複数の構成部分を識別するステップと、前記1つまたは複数の呼気を、前記1つまたは複数の構成部分が混合されないように格納するステップと、前記1つまたは複数の構成部分の少なくとも1つを分析のために識別するステップと、前記1つまたは複数の構成部分の少なくとも1つを分析するステップと、を含む方法である。また、別の実施の形態に係る方法は、呼気を分析する方法であって、前記呼気の1つまたは複数の構成部分が混合されないように前記呼気を格納するステップと、前記1つまたは複数の構成部分の少なくとも1つを分析するステップと、を含む方法である。
本明細書に開示されている変形例は、以下の長所を有し得る。第1に、呼気または複数の呼気が、各呼気および各呼気の各部分に対する正確なタイミングおよび呼気タイプ情報を維持しながら、物理的に格納され得る。これにより、(1つまたは複数の)呼気のいずれかの部分が、関心対象である化学的組成に関して、独立に分析されることが可能になる。また、これにより、呼気または呼気部分が、その呼気タイプを閾値に対して、および、一連の呼気における他の呼気タイプに対して比較し対照させた後で、分析のために選択されることが可能になる。また、これにより、異なる呼気タイプが、異なるタイプの組成分析のために求められ選択されることが可能になる。第2に、本明細書における変形例では、適したサイズの格納装置および適切な分離弁、ガスの空気ルーティング、ならびに正確な弁制御を選択することにより、たとえば呼気終末サンプルなどの呼気サンプルと、周囲もしくは呼気の他の部分または他の呼気とが不所望な混合を生じることが回避される。第3に、本明細書における変形例は、関心対称のガスの相対濃度を維持するために必要なものとして不活性ガスを追加することを含む。これは、収集された呼気の全体的な体積が、装置の周囲を効果的に移動されるまたは測定されるには小さすぎるとき、また、格納されたサンプルの中に周囲の空気が混入するのを防止するには小さすぎるときに、有益であり得る。第4に、本明細書における変形例は、入来する呼気ガスを可変速度で収集するためにガスサンプリングの流量を変動させることを含む。なお、この点については、本出願の譲受人に譲渡されている米国特許出願第13/722,950号においてより詳細に説明されている。この米国特許出願における開示は、その全体が、参照によって本明細書に組み入れられる。
別のこととして、呼吸信号の導出は、特定の呼気部分の体積の増加、呼気のより小さな部分をサンプリングすることによる精度の改善、呼気終末濃度、肺胞濃度など、特定の目的を達成するために呼気のセグメント化を決定するための呼気波形の分析のための様々なアルゴリズムを用いて、成し遂げられ得る。これらのアルゴリズムは、1つまたは複数の追加的な呼気の形状および個数に従属する1つの呼気に対するタイムマーカのための判断に影響し得る。これは、特に、たとえば複数の呼気が収集される必要がある既知の病理に対する特定の呼吸パターンが識別される場合に、そうであり得る。サンプリング周期の間に収集された呼気のそれぞれに対してタイムマーカを識別するためのアルゴリズムは、新たな呼気が流入するときに、事後的に調節され得る。次に、呼吸信号から識別されたタイムマーカは、センサによって測定可能であるのに十分な体積を取得するため、相互にグループ化すべき呼気部分を正しく識別するのに、用いられ得る。
ある変形例による、分析器の動作の基本シーケンスの流れ図であり、呼気サンプルのセグメント化は、サンプルのモニタリングおよび捕捉と直列的に生じている。
ある変形例による、分析器の動作の基本シーケンスの流れ図であり、呼気サンプルのセグメント化は、サンプルのモニタリングおよび捕捉と並列的に生じている。
ある変形例による、呼気から引き出されつつあるガスに対して行われる二酸化炭素測定に基づく典型的な呼気モニタリング波形の図解である。
ある変形例による、近位気道において行われる気道圧測定に基づく典型的な呼気モニタリング波形の図解である。
ある変形例による、たとえば複数の呼気を分析するため、そして複数の物質に関して、別々のガス・サンプルのレジストリを編成することができる例示的な分析器の概略図である。
ある変形例による、図5に示されている機器による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、3つの一定の呼気タイプが、求められ、識別され、捕捉され、分析される。
ある変形例による、図5に示されている機器による分析のために考察される別の一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、3つの異なるタイプの呼気が、求められ、識別され、捕捉され、分析される。
ある変形例による、たとえば複数の物質を分析するため、1つまたは複数の呼気からのガス・サンプルのレジストリを編成することができる別の例示的な分析器の概略図である。
ある変形例による、図8に示されている機器による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、ある一定の呼気タイプが、求められ、識別され、捕捉され、分析される。
ある変形例による、図8に記載されている分析器のサンプル収集部の空気圧の概略図であり、複数の呼気の呼気終末部分がサンプル・コンパートメントに格納されている。
ある変形例による、図8に記載されている分析器のサンプル収集部の空気圧の概略図であり、複数の呼気の呼気終末部分がサンプル・コンパートメントに格納され、不活性または非呼気終末ガスによって分離されている。
ある変形例による、たとえば複数の異なるサンプルの分析または比較に最も適したサンプルを選択するために、別々のサンプル・コンパートメントにおける1つまたは複数の呼気からガス・サンプルのレジストリを編成することができる別の例示的な分析器の概略図である。
ある変形例による、図11に示されている機器による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、ある一定の呼気タイプが、分析のために、求められ、識別され、捕捉され、そして比較される。
ある変形例による、たとえばサンプルの分析に最も適した部分を選択するために、別々のサンプル・コンパートメントにおける1つまたは複数の呼気からガス・サンプルのレジストリを編成することができる別の例示的な分析器の概略図である。
ある変形例による、図13に示されている器具による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、ある一定の呼気タイプが、求められ、識別され、サンプル・レジストリに配置される。
ある変形例による、図13に記載されている分析器のサンプル収集部の空気圧の概略図であり、複数の呼気の呼気終末部分がサンプル・コンパートメントに格納され、編成されている。
ある変形例による、図13に示されている器具による分析のために考察される一連の呼気のカプノメトリ・プロットであり、複数の呼気タイプが、以後の分析のために、識別され、サンプル・レジストリに配置される。
ある変形例による、図16に記載されている呼気のサンプルの空気圧の概略図であり、その呼気終末部分を含む複数の呼気がサンプル・コンパートメントに格納され、編成されている。
ある変形例による、呼気ガス・サンプルの収集およびセグメント化の例を記載する空気圧の概略図であり、図16に示されている一連の呼気を考察している。
ある変形例による、図18における例の図解であり、選択された呼気の選択された部分が、以後の組成分析が行われる二次格納サンプル・チューブに送られる。
ある変形例による、サンプル・チューブ、ポンプ、二次サンプル・ステージング・チューブおよび組成センサを直列的に備えているシステムの例を記載している空気圧の概略図であり、呼気ガスの部分がサンプル・チューブにおいて編成され、図16に示されている一連の呼気を考察している。
ある変形例による、図20における例の図解であり、選択された呼気の選択された部分が、以後の組成分析が行われる二次格納サンプル・チューブに送られる。
ある変形例による、図20に記載されているシステムへの別設定の図解であり、患者の吐き出したフローからなどの呼気ガスが別の手段によってサンプル・チューブの中に強制され、サンプル・ガスは、ポンプの使用によって、ステージング・チューブおよび/またはセンサにポンプ移動される。
ある変形例による、サンプル・チューブ、バイパス・チューブ、サンプル・プッシュ・チューブ、二次ステージング・チューブ、および捕捉されるべきかまたは放出されるべきかを判断するために呼気または呼気部分をカテゴリ化する時間を提供する遅延チューブを備えた装置の別構成を記載している空気圧の概略図である。
ある変形例による、複数のガス組成分析器、および関連するサンプル・ステージング・チューブ、ならびに捕捉されるべきかまたは放出されるべきかを判断するために呼気または呼気部分をカテゴリ化する時間を提供する遅延チューブを備えた装置の別構成を記載している空気圧の概略図である。
ある変形例による、図20に記載されているものと類似のシステムの一例を記載している空気圧の概略図であるが、このシステムは、複数のガス組成分析器、および関連する二次格納チューブを備えている。
ある変形例による、図25に記載されているシステムを示しており、サンプルが、サンプル・チューブから二次ステージング・チューブに運ばれる。
ある変形例による、あるバージョンの全体システムのタイミング図であって、サンプル格納チューブが重畳されている異なるタイプの呼気のタイミングを示す。
ある変形例による、図24に記載されているシステムへの別構成を記載している空気圧の概略図であるが、ポンプが、サンプルを患者から引き出し、サンプルを様々なサンプル・チューブおよび気質組成センサに送り、ポンプは、ぜん動タイプのポンプであって、ガス経路におけるガス構成物の編成はポンプによって混乱されない。
本明細書には、呼気ガス・サンプル・レジストリを作成し、所望のモニタリング、スクリーニングまたは診断目的のために、作成されたレジストリにおける気体を分析するためのデバイスおよび方法が記載されている。示されている実施形態では、例示目的のために、患者の呼気サンプルが、真空の適用により、患者から器具の中へ引き込まれる様子が示されている。しかし、本開示は、真空を適用することなく器具が呼気を収集するために、患者が器具の中に向かって呼吸をする場合にも適用される。
いくつかの変形例では、呼気の異なる構成部分とそれぞれの期間とを識別するために、1つまたは複数の呼吸パラメータが測定され、識別された期間を用いてサンプリング・チューブにおける吐き出された呼気の一部を捕捉するために、空気圧システムが用いられる。いくつかの変形例では、1つまたは複数の弁および/またはたとえば真空ポンプなどのフロー制御機構が、サンプリング・チューブの中に引き込まれる気体の流量を調整するのに用いられる。いくつかの変形例では、呼気の捕捉された部分が、患者の生理学的な状態の指標を求めて、分析される。
測定される呼吸パラメータは、二酸化炭素、酸素、気道圧、気道温度、呼気流量、胸部インピーダンス、横隔膜運動もしくは神経支配、呼吸音、または呼吸振動の中の1つまたは複数を含み得る。呼気の一部の時間間隔を識別することは、その時間間隔の始点、中間点および終点を実質的に識別することを含み得る。
診断用の気体サンプルは、たとえば、溶血などの血流における生理学的状態を診断しようと試みるときなどに、呼気終末周期から採取され得る。説明目的のために、呼気終末の一酸化炭素を測定するために呼気終末気体をサンプリングするための例示的な変形例が、以下に与えられているが、この原理は、他の診断目的にも適用される。
図1は、ある変形例によるデバイスの動作の基本シーケンスを記載している。第1のモジュールまたはアルゴリズム100は、呼気モニタリングおよび検出機能を実行する。このモジュールでは、人の呼吸パターンが、典型的には、瞬時またはほぼ瞬時センサを用いて、モニタされる。呼吸パターン情報は、呼気および一連の呼気における呼気部分に関して、すべての関連するおよび有用な情報を提供する。この情報は、呼気と呼気部分とをカテゴリ化し典型的に表すために用いられ、時間ベースで、異なる呼気および呼気部分と関連するタイミングを定義する。第2のモジュールまたはアルゴリズム104は、呼気サンプル捕捉機能を実行するのであるが、この機能は、呼気モニタリングおよび検出モジュールと並列的に生じ得る。このモジュールでは、収集された気体は、その構成部分にセグメント化され、構成部分が物理的に分離され、または時間もしくは位置識別を用いて識別される。第3のモジュールまたはアルゴリズム106は、呼気モニタリングおよび検出モジュールからの情報に基づいて呼気タイプの特徴付けを実行し、各呼気および各呼気部分を、各呼気および部分に関する関連の情報と共に、レジストリの中でカタログ化する。この特徴付けは、予めもしくはリアルタイムで、または、ユーザによって、自動的にもしくは準自動的に定義され得る基準を用いて、なされ得る。たとえば、予め定義された基準は、デバイスのソフトウェアに記憶されている絶対的なまたは相対的な閾値であり得る。あるいは、ユーザが、実行されている特定のテストと関係するある一定の情報を入力することがあり得るし、システムが、基準を定義するためにその情報を用いることがあり得る。あるいは、システムが、一般的な条件に基づいて、または、何らかの呼吸パターンがより高い蓋然性で生じ得る既知のもしくは識別されている患者の病理状態に基づいて、リアルタイムで基準を自動的に確立することがあり得る。あるいは、上述した技術の組合せが、用いられ得る。このモジュールでは、ソフトウェア・アルゴリズムが、どの呼気もしくはどの複数の呼気が、または、どの呼気部分もしくはどの複数の呼気部分が分析されるのか、そして、何の分析のために分析されるのか、を決定する。最後に、第4のモジュールまたはアルゴリズム108では、1つまたは複数のサンプルが、その格納位置から、1回または複数回の組成分析のために、関連するセンサに転送される。
図2は、ある変形例に従い、モジュール100、104および106が、並列的にもしくは実質的に並列的に、または部分的に並列的に生じ得るデバイスの別の一連の動作を、概略的に記載している。
図3は、ある変形例に従い、鼻などの人の気道から引き出された呼気において測定された二酸化炭素(CO2)信号の全体からの典型的な呼吸パターンを、時間の関数としてグラフとして記載しており、横軸は時間Tを、縦軸はCO2レベル50を表している。呼気相Eの間は、CO2が排出され、したがって、CO2レベルは上昇する。吸気相Iの間は、周囲の空気が鼻を占領し、したがって、測定されるCO2は実質的にゼロまで減少する。呼気のCO2曲線には、人の呼吸パターン、年齢、どのように呼吸をするのか、およびいずれかの潜在的な急性のまたは慢性の健康状態に基づき、呼気のCO2曲線には、様々な形状が存在し得る。古典的な曲線は、呼気相の間、以下のようなサブポーションを示し得る。すなわち、(1)この気体はCO2が含まれない近位の気道からの気体に過ぎないことがあり得ることにより僅かなCO2を含むまたはCO2を含まない、呼気終末前の気体PETGの開始部分、(2)ゼロから肺の遠位セグメントにおけるCO2レベルまで急速に上昇するCO2を含む呼気終末前の気体PETGの中間部分、(3)その吐き出された呼気に対する肺胞から届くCO2を表すCO2のプラトーまたはレベル・オフを示している呼気終末ガスETGの終端部、(4)呼気周期の最端部における潜在的に一定のピーク・レベル、および(5)吸気ガス(IG)の吸気部分である。しかし、この古典的曲線とは異なる多くの別の曲線があり得る。ピークCO2レベルは、呼気終末周期の間は典型的に4〜6%であり、吸気周期の間はゼロに近いまたはゼロに等しい。
いくつかの変形例では、吐き出された呼気におけるCO2レベルは、呼気の周期の継続時間を決定するのに用いられる。さらなる変形例では、呼気の周期の継続時間は、その周期の開始および終了によって特徴付けられ得る。いくつかの変形例では、CO2レベルは、呼気の周期の継続時間の開始または終了を決定するのに用いられる。いくつかの例は、吸気時間TIと、呼気時間TEと、呼気終末前時間TPETと、呼気終末時間TETと、呼気後時間TPEとを含む。他の変形例では、CO2レベルの1階導関数が、呼気の周期の開始または終了を決定するのに用いられる。さらに別の変形例では、CO2レベルの2階導関数が、呼気の周期の開始または終了を決定するのに用いられる。いくつかの変形例では、CO2レベルおよびCO2レベルの時間導関数の組合せが、呼気の周期の開始または終了を決定するのに用いられ得る。いくつかの変形例では、呼気終末周期の開始は、CO2レベルの1階導関数における急な減少など、吐き出された呼気のCO2レベルの1階導関数の変化によって決定され得る。いくつかの変形例では、CO2レベルの1階導関数の減少は、10%超の減少である。いくつかの変形例では、CO2レベルの1階導関数の減少は、25%超の減少である。いくつかの変形例では、導関数は、ゼロに近づくまたはゼロになり、非常に僅かな変化率またはピーク・プラトーをそれぞれ示す。他の変形例では、呼気終末周期の開始は、CO2レベルの大きな2階導関数によって決定され得る。いくつかの変形例では、呼気終末周期の終了は、最大のCO2レベルによって決定され得るが、この最大のCO2レベルは、CO2レベルの1階導関数が符号を変更することによって検出または確認され得るのであって、これは、この導関数が、CO2レベルがそのピーク値から減少することと関連する負の値になると、生じる。さらなる変形例では、最初の周期の開始は、CO2レベルの1階導関数の急な増加によって、決定され得る。他の変形例では、最初の周期の開始は、CO2レベルがゼロのCO2レベルから増加することによって、決定され得る。いくつかの変形例では、中間周期の終了は、CO2レベルの1階導関数が突然に減少するなど、吐き出された呼気のCO2レベルの1階導関数の変化によって、決定され得る。いくつかの変形例では、CO2レベル、その1階導関数、またはその2階導関数は、1つまたは複数の周期の開始および終了を決定するのに用いられ得る。別の変形例では、CO2波形の形状を分析するのに、パターン一致アルゴリズムが、用いられ得る。他の呼気から生じるガスが、呼吸曲線を測定するために、CO2の代わりに用いられることがあり得る。たとえば、呼気よりも吸気の間の方がより高い酸素濃度を示し得る酸素を、測定することが可能である。呼吸パターンは高速応答COセンサによって瞬時にまたは実質的に瞬時に測定され得る、ということも考えられる。この場合、図1を参照すると、センサ10は、呼吸パターンを示し呼気終末COレベルも測定する高速応答COセンサであり得る。以後で説明される様々な呼気の認定および不認定の変形例を適用した後で、認定された呼気のCOレベルが、結論として報告され得る。
図4は、ある変形例に従った、測定された気道圧の視点からの、典型的な呼吸信号の図解であり、気道圧74が垂直軸上に、時間Tが水平軸上に、示されている。気道圧は、吸気フェーズの間は負の圧力を、呼気フェーズの間は正の圧力を、示している。典型的に、安静時の呼吸の間には、ピークの呼気圧力は、吸気フェーズの中間と呼気終末周期の開始とに対応し得る。図3および図4では、TI、TE、TPET、TET、およびTPEは、それぞれが、吸気時間、呼気時間、呼気終末前の時間、呼気終末時間、および呼気時間後を表す。吸気ポーズも存在することがあり得るが(図示せず)、この吸気ポーズでは、吸気の間の肺の筋肉の運動が、呼気周期が開始する前に、休止される。鼻孔の入口で測定されるときに、ピークの吸気圧力は、静かな呼吸の間は−1から−4CWPであり得るし、より深い呼吸の間は−15CWPに至り得るのであり、ピークの呼気圧力は、静かな呼吸の間は+0.5から+2.0であり得るし、より深い呼吸の間は+10CWPに至り得る。気道圧は、サンプリング・カニューレ内の副腔を用いてカニューレの長さを伸長させて測定することも、サンプリング・カニューレにT字官で接続することによって、もしくは、感知用トランスジューサを患者の気道に配置することによって測定することもできる。
いくつかの変形例では、気道圧は、呼吸周期の開始または終了を決定するのに用いられる。他の変形例では、気道圧の1階時間導関数が、呼吸周期の開始または終了を決定するのに用いられる。さらに他の変形例では、気道圧の2階時間導関数が、呼吸周期の開始または終了を決定するのに用いられる。いくつかの変形例では、気道圧および気道圧の時間導関数が、呼吸周期の開始または終了を決定するのに用いられ得る。いくつかの変形例では、呼気終末周期の開始が、最大気道圧によって、すなわち、気道圧の1階導関数のゼロ点によって決定される。いくつかの変形例では、呼気終末周期の終了が、気道圧のゼロ点によって決定され得る。いくつかの変形例では、気道圧、その1階時間導関数、またはその2階時間導関数が、1つまたは複数の周期の開始と終了とを決定するのに用いられ得る。いくつかの変形例では、パターン一致アルゴリズムが、呼吸の関連する時間マーカを識別するのに用いられ得る。
いくつかの変形例では、呼吸センサが、時間経過に伴う人の呼吸をモニタし、呼吸パターンの特性である連続的に更新される値を決定することによって、呼吸パターンの傾向を把握する。たとえば、呼吸信号の正の値のピークが、各呼吸に対して測定および更新され得る。ピーク値は、以前のピーク値と比較され得る。ピーク値は、以前の複数回の呼吸にわたって平均化され得る。同様に、呼気時間など、時間に関する呼吸態様の傾向が、把握され得る。呼吸に関しており通常の呼吸ではない様々な事象が識別され得るのであるが、これらの通常でない呼吸事象を不注意にも決定ステップに含めないために、例外アルゴリズムが存在し得る。たとえば、くしゃみ、咳、連続した呼吸、または完全でない呼吸に関する特徴的な波形は、前もってまたは特定の患者のモニタリングに基づいて定義され得るのであって、呼吸センサによって検出されると、適切な決定アルゴリズムから除外される。
図5は、吐き出された呼気を捕捉するためのデバイスのある変形例の概略的な図解であり、複数のサンプル収集チューブと複数のサンプル組成分析器とを備えている。空気流路314、空気接続316、および電気接続318が示されている。このシステムは、サンプリング・カニューレ1と、サンプル収集および分析器具2とを含む。ガスは、たとえば、サンプリング・カニューレ1とフロー生成器12とを用いて、患者から引き出され得る。フロー生成器の流量は、たとえば、呼吸流量計のように配列された圧力センサ・アレイ16および28などのフロー・トランスジューサによって、測定され得る。測定された流量は、フロー生成器の流量を制御する閉ループフィードバック制御として、用いられ得る。カプノメータ10または圧力センサ16などの呼吸センサが、呼吸パターンをリアルタイムで測定するのに用いられる。たとえば、図6に示されている呼気A’、B’およびC’からのような、呼気の所望部分からのガスまたは被検物は、格納収集コンパートメントA、BおよびCにおいて捕捉され分離される。格納コンパートメントに入るガスは、VA1、VB1およびVC1をそれぞれ用いるコンパートメントA、BおよびCのためのコンパートメント入口弁など、少なくとも1つの弁によって制御される。たとえば、弁VA1を用いて示されているように、共通ポートCは、常に開いており、出口ポートは、「A」にあって、格納コンパートメントにおいてガスを収集および分離するか、または、「B」にあって、格納コンパートメントをバイパスする。分析のために捕捉されていないガスは、バイパス管路1000、2000および3000を経由して、格納コンパートメントから遠ざかる方向に運ばれる。捕捉されたガスは、格納コンパートメントA、BまたはCから、COセンサ、H2センサ、NOセンサ、ならびに他のガスおよび非ガス・センサなどのガス組成分析器SA、SBおよびSCを通過して送られる。サンプル・コンパートメントをさらに分離するように制御される格納コンパートメントの出口弁VA2、VB2およびVC2、ならびにガス分析器SA、SBおよびSCとフロー生成器12との間にあって排出されるガスを方向付ける、または、ガス分析器を通じて、捕捉されたサンプルを引き込むのに用いられる弁VA3、VB3およびVC3が存在し得る。マイクロプロセッサ24を有する制御システム22は関連するアルゴリズムでシステムを制御し、ユーザインタフェース30はユーザがシステムと対話することを可能にする。周囲入口32は、システムが不所望のガスを排出するために、または、基準測定のために、提供される。入口弁VIは、ガス入口ソースを制御するために提供される。フロー生成器は、ダイヤフラム・ポンプなど、真空もしくは圧力ポンプであり得るし、または、真空源、正の圧力ソースからのベンチュリ管またはシリンジ・ポンプなど、別のタイプのフロー生成デバイスであり得る。ガスのルーティングを管理する弁は、示されているように3ウェイ2ポジション弁という配列であり得るし、または、4ウェイ3ポジション弁という配列であり得る。カプノメータは、もし用いられる場合には、赤外線(IR)を用いて呼吸パターンを瞬時に測定する。あるいは、IRセンサが、O2など、他のガスまたは複数のガス・タイプのために、調整され得る。ガスまたは被検物組成分析器のいくつかの例は、反応時間を有する電気化学センサ、ガス・クロマトグラファ、質量分析計、またはIRなどの高速応答時間センサである。サンプル格納コンパートメントは、断面積を減少させることにより、管路の長さ方向に沿ったガス分子の相互作用を減少させるために、内径が小さく比較的長さが長いチューブまたは管路であり得る。サンプリング・カニューレは、たとえばシリコーン、ウレタンまたはウレタン・ブレンドの熱硬化プラスチック、または、たとえばPVC、C−FLEXなどの熱可塑性プラスチックなどの、いずれかの軟質で耐ねじれ性のプラスチックで構築され得る。他の材料も用いられ得るのであって、上述のリストは例示であり限定的ではないものと読まれるべきである。カニューレはある範囲の内径を有し得るのであるが、いくつかの変形例では、カニューレは、呼気ガスが、部分を超えた混合を減少させることができるように呼気部分の間に定義可能な境界を有する円柱状の行動に従うように、0.080インチ(0.2032CM)未満の直径を有する。いくつかの変形例では、内径は、0.25インチ(0.635CM)、0.30インチ(0.762CM)、0.35インチ(0.889CM)、0.40インチ(1.016CM)、および0.45インチ(1.143CM)を含む、0.20インチ(0.508CM)と0.50インチ(1.27CM)との間である。他の変形例では、内径は、上述の内径と異なり得るが、ガスの混合を防止するように構成され得る。別の実施形態では、サンプリング・カニューレではなくて、マウスピースまたは他の管路が提供され得る。
本明細書で用いられているように、サンプル・コンパートメントは、ガスがコンパートメントに格納されているときには、ガスの時間感知性の特性が保存されるときに、「混合を防止」する。たとえば、ガスのパラメータが呼気の間に変動する場合には、サンプル・コンパートメントは、呼気の関連するタイミングに関してパラメータの変動を保存するときには、混合を防止する。このようにして、サンプリング・チューブは、ガスの部分を、別々の物理的位置に保持すると考えられ得る。しかし、「別々の物理的位置」という用語は、そのようなサンプル・コンパートメントには限定されない。後述されるように、別々の物理的位置は、別々のサンプリング容器を含み得る。このようにして、ガス部分の配置は、混合を防止するように構成されたサンプル・コンパートメントの内部の位置またはそれが格納されている別々のサンプリング容器であり得る。
図6は、ある変形例に従った、たとえば、カプノメトリ50に関し、また、システムによってモニタされている一連の呼気B1からB24に関しての、時間Tに対する呼吸パラメータ信号の図解である。この例では、システムは、患者の通常の1回換気量を表す通常の呼気を捕捉し分析することを試みる。呼吸信号の1回換気量ピーク値301および1回換気量のベースライン値302など、呼吸タイプの閾値が、確立され得る。たとえば、通常の1回換気量の呼吸は、実際のピーク信号振幅または呼吸と閾値301とを比較することによって決定され得るのであるが、たとえば10%など、ある一定のパーセンテージの範囲内であれば、それは、通常の1回換気量の呼吸として分類され得る。継続時間閾値は、吸気時間TI、呼吸周期時間TBP、呼気時間TEまたは呼気終末時間TETなど、例における呼気B13において、306、304、308および310それぞれとして示されている呼気を選択するのに用いられ得る。閾値は、前もって、または、検査の最中に、決定され得る。示されている例では、患者は、呼気B2とB15との間で、呼吸振幅およびベースラインが一貫していないという点で、いくぶん異常な呼吸をしている。閾値は、1つまたは複数の周波数パラメータ、1つまたは複数の振幅パラメータおよび1つまたは複数のリターン・ベースライン・パラメータに対して、決定され得る。図1のモジュール3 106によって判断されるように、呼吸がこれらの基準を満たしていない場合には、それらの呼吸は、分析のためには、廃棄される。示されている例において、呼気17、18および19の呼気終末サンプルA’、B’およびC’は、システムによって設定された基準を満たしており、これらの呼気は、分析がなされるサンプルとして指定される。
図7は、ある変形例に従った、別の一連の呼気B1からB19の図解である。この一連の呼気では、様々な人工物およびおかしな呼吸タイプが例示されている。呼気B1と呼気B3との間では、高周波ノイズが、呼吸信号上に生じている。呼気B3と呼気B7との間では、呼吸スタッキングが生じている。呼気11は部分呼気であり、呼気B14は通常の呼気よりも大きい。この例示的な場合には、3つの異なる分析が望まれる。すなわち、保持された吸気の後の呼気終末ガスがその特定の分析のために望まれる第1の分析、通常よりも深い呼吸からの呼気終末ガスがその分析のために望まれる第2の分析、および定常呼吸条件の最中における通常の1回換気量の呼吸がその分析のために望まれる第3の分析である。呼気B9、B14およびB17は、これら3つの分析それぞれのために選択され、これらの呼気からのサンプルA’、B’およびC’がシステムによって捕捉される。呼吸レジストリ・データベースは、呼吸分析モジュールにおいて適切なガス・サンプルを図5のA、BおよびCなどのサンプル・コンパートメントと適切なセンサSA、SBおよびSCに送るのに用いられるすべての必要な情報を含む。
図8は、ある変形例に従った、1つのサンプル・チューブと複数のセンサとを備えた呼吸サンプル分析レジストリ・システム102のあるバージョンのシステム図である。このシステムは、1つまたは複数のサンプルを収集するのに用いられるサンプル・チューブ18と、複数のセンサおよび/または異なるタイプのセンサSA、SBおよびSCのセンサ・アレイと、不所望なガスがサンプル・チューブにおけるガスをバイパスすることを可能にするバイパス・チューブ20と、サンプルを適切なセンサにプッシュするプッシュ・チューブ21とを含む。患者からのガスは、カニューレ1によってまたは別のタイプの管路によって、引き出され、周期空気は、システムからの排出または基準測定のために、管路32を通過して引き入れられる。不活性ガス貯留槽510は、ガス・サンプルを分離するために、または、基準測定のために、含まれ得る。図解されていないが、キャリブレーション・ガスまたは物質もまた、含まれ得る。追加的なセンサ26が、ガス流量を測定するために、または、冗長呼吸信号センサとして、含まれ得る。必要とされないガスは、ポート33から排出され得るし、分析されたガスは、ポート29から排出され得る。この例では、様々な呼吸、様々な呼吸の特定の部分または1つまたは複数の呼吸の様々な部分からのガスが、サンプル・チューブにおいて捕捉される。サンプル・チューブ内部の各サンプルの位置は、呼吸パターンセンサ10およびオプションであるセンサ26の信号、システム全体でのガスの流速、およびシステムのタイミングの詳細から既知である。呼吸レジストリ情報の検討の後で、システムは、どのサンプルを分析すべきかを決定し、それらのサンプルがどこに配置されているかを正確に知っているから、それらのサンプルを所望のセンサに送ることができる。
図9は、ある変形例に従った、時間経過に伴う一連の呼気B1からB19の図解であり、これらは、カプノメトリなどの呼吸信号パラメータに基づいている。たとえば、図8に記載されているシステムが、通常の1回換気量の呼吸の呼気終末ガスにおける3つの異なる物質を分析するために選択される場合には、サンプル捕捉アルゴリズムが、呼気B8、B10、B13、B16、B17およびB18の呼気終末サンプルA’、B’、C’、D’、E’およびF’を収集して、収集されたサンプルを個別のセンサに送る。
図10Aは、ある変形例に従った、図8に示されているサンプル・チューブ18の空気圧概略図であり、図9に示されている一連の呼気を考察している。呼気終末サンプルA’、B’、C’、D’、E’およびF’は、サンプル・チューブにおいて、それらの既知の位置を用いて、捕捉される。次に、たとえば、サンプルA’およびB’は第1の物質の分析のためにセンサSAに送られ、サンプルC’およびD’は第2の物質の分析のためにセンサSBに送られ、サンプルE’およびF’は第3の物質の分析のためにセンサSCに送られる。この例では、3つの分析、1分析当たり2つの呼気終末サンプル、および通常の1回換気量の呼吸が記載されているが、これらは例示に過ぎないのであって、分析の数、1分析当たりのサンプル数、呼吸の部分、呼吸のタイプについては、任意のものが考察される。図10Bは、ある変形例に従った、図10Aにおける例に対する別の例を記載しており、この場合には、N2のような不活性ガスなどであるガスAG、または、周囲空気など分析が行われる物質を含まないガスが、サンプルを分離するのに役立つように、サンプル・チューブの中の複数のサンプルの間に挿入される。このオプションである変形例は、本明細書の全体で示されている別のシステムを通じて、用いられ得る。
図11は、ある変形例に従った、複数のサンプル・チューブX、YおよびZ、ならびにガス組成センサ14で構成される別の呼気分析レジストリ・システム402の概略図である。異なる呼気からの、または、1つまたは複数の呼気の異なる部分からのガスが、サンプル・チューブX、YおよびZの中に捕捉されている。各サンプル・チューブにおける構成ガス部分は、既知である。サンプル・チューブにおけるサンプルは、入口および出口弁VX1、VY1、VZ1、VX2、VY2およびVZ2によって、それぞれ分離されている。組成センサ14への入口は、ポート33を通過して不所望のガスを排気し得るまたはガスもしくは被検物をセンサ14に提供し得る弁V11によって、制御される。システムが捕捉するまたは分析することを望まないガスは、バイパス・チューブ20を通過して、サンプル・チューブをバイパスし得る。サンプルが捕捉され分離された後で、そして、呼気タイプおよび位置情報がレジストリの中に完全に記録された後で、たとえばコンパートメントXの中のサンプルをセンサ14に進ませるために、弁を切り換え、周囲ポート32を通過して引き込まれた周囲の空気を用いて、バイパス・チューブ20を通過し、ポンプ12を通過し、プッシュ・チューブ21を通過してサンプルをプッシュすることによって、サンプルを分析のためにセンサに送ることができる。各サンプル・チューブにおける各サンプルは、同様にして、センサによって分析され得る。比較および平均化のために3つの類似の呼気からサンプルを取ることが可能であるし、または、複数の異なる診断目的のために異なるタイプの呼気からサンプルを取ることが可能である。
図12は、ある変形例に従って、図11におけるシステムによる分析のために考察される一連の呼気B1〜B11を示している。この場合には、3つの通常の呼気からの呼気終末ガスが、分析のために求められ、結果的に、呼気B4、B8およびB10からサンプルX’、Y’およびZ’が捕捉され、これらが図11のサンプル・コンパートメントX、YおよびZに登録される。あるいは、システムを、他のサンプリングおよび分析のためにプログラムすることも可能である。
図13は、ある変形例に従った、1つのサンプル・チューブ18と、1つの組成センサ14とで構成される別の呼気分析レジストリ・システム504の概略図である。呼気または一連の呼気からのガスが、サンプル・チューブ18に格納される。システムが格納することを望まないガスは、バイパス・チューブ20を通過して格納チューブをバイパスし、排気ポート27から外に出る。既に説明されたように、サンプル・チューブに格納されているガスは、呼気タイプ、呼気部分、およびサンプル・チューブでの位置に関して、サンプル・レジストリにおいて特徴付けられている。図14および図15に示されているこのシステムの実装例では、ある変形例に従って、基準を満たしており一連の呼気からの選択された呼気からの呼気終末サンプルが、サンプル・チューブに収集される。たとえば、呼気B2、B3、B7、B8、B9、B10、B13、B14、B15、B16、B17およびB18の呼気終末は、一定の初期基準を満たし、サンプル・チューブ18において捕捉され、サンプル19のレジストリを作成する。これらの呼気の他の部分および他の呼気が、それら全体として、システムを通過しバイパス・チューブ20を通過して排出される。一連の呼気全体の分析の後で、呼気B18からの呼気終末サンプルが分析のために選択され、サンプル・チューブ・ガスは、周囲入口32からのプッシュ・チューブ21における周囲空気によって押され、分析に関しては排除されるガスは、システムを通過して一掃排出ポート33から排出され、呼気B18からのサンプルは、組成センサ14を通過して送られるということが、たとえば決定され得る。あるいは、サンプル・チューブに収集されたすべてのサンプルが、分析のために、センサ14に送られることもあり得る。図13のシステムの別の実装例では、一連の呼気B1からB10からのすべての呼気は、図16および図17に記載されているように、サンプル・チューブに格納され得る。図16では、ある変形例に従い、一連の呼気は、上側のグラフにおけるカプノメトリ・センサおよび下側のグラフにおける気道圧力センサによって特徴付けられることにより、各呼気のタイプが完全でおよび正確に特徴付けられ得るのであって、各呼気の構成部分は、時間の関数として、そしてさらにサンプル・チューブにおける位置の関数として正確に定義され得る。図17では、図13のシステムのサンプル・チューブが、ある変形例に従い、概略的に示されている。図17に示されているように、各呼気B9からB1の各呼気部分の位置は、上述されたように、入手可能な情報に基づいて、サンプル・チューブにおいて既知であり得る。レジストリ19における呼気タイプ情報に基づき、システム・アルゴリズムは、どの呼気のどの呼気部分が分析のために選択されるか、どの時点で、ポート33を通じて不所望のガスがシステムから排出され、選択された部分がガス組成センサ14に送られるのか、について決定する。いくつかの実施形態では、追加的なストレージが排出ポートの出力部に提供されることがあり得るのであって、以後の再サンプリングのための順方向および逆方向の移動を可能にする。
図18および図19は、第1のサンプル・チューブと、弁V4と弁V5との間にサンプル・ステージングのための二次エリアとが存在する変形例を記載している。この構成では、複数のシーケンシャルな呼気が、図18に示されているように、一次サンプル・チューブ18に格納され得るのであるが、その次に、レジストリ情報およびシステム・アルゴリズムに基づいて、様々な呼気の終末部分などの所望の部分が、プッシュ・チューブ21における周囲空気によって、他のガスが弁V4のポートBにおいてシステムの外へ排出される間に、弁V4と弁V5との間の二次ステージング・チューブに送られる。二次チューブに送られた後の分析のために選択されるガス部分は、図19に示されているが、呼気B4、B6、B7およびB8からのサンプルを含んでおり、これらは、次に、分析のために、組成センサ14に送られる。分析に関して拒絶された他のサンプルB5は、弁V4のポートBから外へ排出され得る。
図20および図21は、第1のサンプル・チューブ18と、弁V4と弁V5との間にサンプル・ステージングのための二次チューブとが存在する変形例を記載している。この構成では、一連のシーケンシャルな呼気などの複数の完全な呼気が、図20に示されているように、一次サンプル・チューブに格納され得るのであるが、その次に、レジストリ情報およびシステム・アルゴリズムに基づいて、様々な呼気の終末部分などの所望の部分が、弁VIを通過して入ってくる周囲空気によって、他のガスが弁V4のポートAにおいてシステムの外へ排出される間に、サンプル・チューブの中から、弁V4と弁V5との間の二次ステージング・チューブに送られる。二次チューブに送られた後の分析のために選択されるガス部分は、呼気B1、B2およびB3の終末部分として、図21に示されており、これらは、次に、分析のために、組成センサ14に送られる。呼気終末サンプルを分析することがこの例において再び示されているが、これはやはり例示であって、測定されることが望まれる呼気部分は、関心対象である根底にある状態を診断するために呼気の最も関連する部分を測定することの必要に応じて、呼吸サイクルの中の任意の場所にあり得ることが、注意されるべきである。図18および図20のシステムは患者からサンプルを引き出すためのポンプの使用を記載しているが、それとは異なる態様が図22に示されているように、呼気サンプルB1、B2およびB3は、ある変形例に従って、患者PTからの呼気の力を経由してサンプル・チューブ18の中に提供され得る。次に、サンプルの収集およびレジストリのルーチンが実行された後で、ポンプ12が、ガス・サンプルであるB1、B2およびB3を、V4の排出ポートAから外へ、または、V4とV5との間のステージング・チューブおよび最終的にはセンサ14へ、運ぶことができる。
図23は、呼気からの呼気終末ガス・サンプルがサンプル・チューブ18の中にルーティングされ、他方で、呼気の他の部分はサンプル・チューブを回避しバイパス・チューブ20を通過してルーティングされる変形例を記載している。やはり、レジストリ情報およびシステム・アルゴリズムに基づいて、廃棄されると決定されたサンプルは、VIから引き込まれたプッシュ・チューブ21における周囲空気によって、弁V4の排出ポートBを通過して送られ、他方で、選択された1つまたは複数のサンプルは、V4とV5との間の二次チューブに、そして最終的には組成センサ14に運ばれる。示されている例では、呼吸信号センサ10とサンプル・チューブの入口弁V1との間に位置決めされた遅延チューブ510が存在し得るが、それによって、システムのアルゴリズムは、サンプル・チューブ18において呼気サンプルを収集すべきか、または、バイパス・チューブ20を通過してサンプルを廃棄すべきかを決める十分な時間を有することになる。示されている例では、呼気B4、B5およびB8からの呼気終末サンプルが測定のために収集され、他の呼気は廃棄される。
図24は、ある変形例を示しているのであるが、この変形例では、選択された呼気からの呼気終末サンプルが、呼気レジストリ情報に基づいて、1つまたは複数のサンプル・チューブに格納され、他方で、呼気または呼気の部分が弁V8のポートAを通じて排出される。たとえば、ある呼気部分が、センサSCOによるCO分析のために、弁V4と弁V5との間のコンパートメントに転送され、別の呼気部分が、センサSH2によるH2の分析のために弁V6と弁V7との間のコンパートメントに転送され、別の呼気部分が、センサSOによる何らかの他の被検物の分析のために弁V8と弁V9との間のコンパートメントに転送される。組成分析の前に干渉を生じる化合物をフィルタで除去するために、プレセンサ・フィルタ512が、1つまたは複数の組成センサの前に提供され得る。そのようなフィルタは、アルデヒド、アルコール、ケトン、水素またはそれ以外の干渉を生じる物質を、除去し得る。この例では、遅延チューブ510が含まれていることにより、サンプルを廃棄するのかまたは保持するのかを決定し得る前に、さらに、保持しているサンプルをどの組成センサにルーティングすべきかを決定するために、呼気タイプ情報を分析するためのおよび呼気レジストリにおける情報を照会するための十分な時間が存在する。典型的には、遅延チューブは、1秒〜10秒を導入する。あるいは、遅延チューブが60秒までの遅延を導入することがあり得るが、それにより、サンプルを分析するのかまたは破棄するのかを決定する前に、多くの呼気からの情報が、この場合は遅延チューブ510の内部にあるレジストリに、カタログ化される。
図25および図26はある変形例を記載しているが、この変形例では、ガスが、一連の複数の呼気からサンプル・チューブ18の中に引き出され、サンプル・レジストリが作成され、次に、たとえば呼気終末部分などの呼気部分が、二次格納チューブに、そして最終的には組成センサに送られ、他方で、変形例に従って、残っているガスは、弁V8のポートAから排出される。特に、呼気B1、B2およびB3は、それら全体が、サンプル・チューブ18に入り、レジストリにカタログ化される。システムが分析のための動作の方針を決定すると、選択された呼気の要求される部分が、センサSCO、SH2およびSOに送られる。サンプルは、組成分析を実行することが必要な場合には、弁V4と弁V5、弁V6と弁V7、および弁V8と弁V9との間の二次格納コンパートメントに格納され得るのであるが、複数の呼気の部分が収集され分析の前に格納されることが必要な場合、最小限の体積が必要とされている場合、または複数の呼気にわたる平均化が望まれる場合が、そのような場合であり得る。
図27は、サンプル格納チューブの空気圧概略図の下に、異なるタイプの呼気のタイミング・トレーシングが重ね合わせられている変形例を示す。この図は、格納容積、3つの弁およびポンプを備えたシステムのある実装例を示しており、それに加えて、上部のトレーシングにおけるCO2濃度に基づく呼気波形の仮想的な一連のタイプも示されている。同様の波形は、瞬間的な流量、圧力を測定することによって、または、他の手段によって取得され得る。いくつかの情報が、呼気の物理的格納と共に格納され得るのであって、それが、呼気部分の事後的な識別を可能にする。複合的な仮想的な呼気は、8つの異なる呼気タイプを含む。(ラベルXが付された)呼気B1は、通常の健康な呼気を表し得る。(ラベルYが付された)呼気B2は、ぜんそくの呼気またはそれ以外の呼吸障害を表し得る。呼気B2と呼気B3との間には、非呼吸的な活動の短いバーストが存在し得るが、これについては、考察されないことがあり得る。呼気B3は著しく小さな振幅を有するが、これは、劇的に低下された循環と小さな呼気体積の結果であり得る。呼気B4、B5、B6およびB7は、浅く速い呼吸を伴う過呼吸を表し得る。最後になるが、(ラベルZが付された)最後の呼気B8は、無呼吸事象の後の呼気の結果であり得るのであって、通常の呼吸とは非常に異なる根底にあるガス濃度を伴っている。吐き出されたガスは、ポンプなしで、または、ポンプを用いることによって、格納容積に格納され得る。弁V1は、格納容積への入口を開放する。弁V2は格納容積の出口を閉鎖する。格納容積チューブの長さは、与えられている臨床的パラダイムのために収集されることが必要である呼気の個数に依存する。ポンプを用いない格納容積の容積、内径および長さは限定されており、呼気波形の歪みを生じさせ、ガスの混合を増加させる。しかし、複数のサンプルがポンプを動作させられない場所で採取されなければならない場合には、または、(大規模な緊急状況における場合にそうであるように)複数のサンプルが複数の患者から並列的に収集されてシーケンシャルに分析されなければならない場合には、これは、容認可能な精度損失であり得る。以下の説明では、サンプル収集周期の間にポンプを動作させることを含むが、ポンプの動作はサンプル収集と必ずしも結合されていないことが理解されるべきである。患者が格納チューブの中に呼吸をすると、ポンプは、吐き出された呼気をサンプル容積の中へ引き出すことの助けになる。ポンプ速度は、予測される呼吸速度と一致するように選択されることが可能であり、呼吸速度の変化に応答して変動され得る。サンプルが収集された後で、弁V3とポンプ動作との組合せ(弁V1および弁V2によって、空気または不活性ガスが格納サンプルから入り込み流れることが可能になることがその後に続く)が、格納されている呼気の関係する部分を選択的に選ぶのに用いられる。弁V3は3ウェイ弁であり、図28に記載されているように、排気(または、以後の分析のための他のストレージ)に接続された第1の出口、および一連のセンサに接続された第2の出口を備えている。コンピュータ駆動アルゴリズムが、根底にある格納されている波形の急峻なセグメント化を可能にする速度で、「排気」から「分析」に弁V3を選択的に切り換え得る。
分析のいくつかの例が、図27に示されており、以下で説明される。分析AA:測定の主な目的の1つが、(H2濃度を測定する場合のように)解析される終末呼気の体積を最適化することである場合には、終末呼気の関連する部分が、XおよびYのラベルが付されている呼気B1およびB2から、相互にグループ化され得る。仮想的な呼気B8の最後のセクション(右側の、Zのラベルが付されている)は、無呼吸または別の臨床的状態の結果であり得るが、これは、通常は分析において考察されないものであり、いくらかの精度を犠牲にして測定のために利用可能な全体的なガス体積を増加させるために、含ませることが必要となり得る。呼気の部分Zを導入することによって精度は低下し得るが、その理由は呼気終末部分よりも多くが考察されるからであり、また、呼気は予測される濃度で安定することはないが、その理由はこれが無呼吸と関係する呼気であって不自然なCO2およびCO含有量を伴うからである。分析BB:測定の主な目的の1つが精度を最適化することである場合には、呼気B1、B2およびB3が考察されるが、呼気B8は考察され得ないのであり、その理由は、最初の3つが調査対象であるガスの濃度についてより安定し得るからである。これは、百万分の1の精度が望まれる呼気終末CO濃度を測定するときに、そうであり得る。最小限の品質基準に合致する任意の呼気が用いられ得るのであって、その呼気終末部分の全体が理想に満たない場合であっても、それよりも短い部分が用いられる。アルゴリズムが、分析に、どの呼気をどのくらい含めるのかを決定する。分析CC:過呼吸事象の間、特に、そのような事象が慢性的な臨床条件と関係する場合に、重症度と残存ガス濃度とを計測することは、臨床的な関心であり得る。呼気B4、B5、B6およびB7は、この条件に関して認識され分析される唯一の呼気であり得る。分析DD:CO2がある一定の閾値に到達するときに、ガスの肺胞濃度を考察して、それを、より高度な分析のための他のタイプの測定値と比較することが望まれることがあり得るが、その場合には、呼気B1、B2およびB8の「より幅の広い」部分が最終的に分析される。
図28は、ある変形例に従った、図24に記載されているシステムへの別の構成を記載する空気概略図であって、ポンプ12’が患者PTからサンプルを引き出し、そのサンプルを様々なサンプル・チューブA、BおよびCと組成センサSA、SBおよびSCとに送るのであるが、このポンプは、ガス経路におけるガス構成要素の編成がポンプによって混乱されないようなぜん動タイプのポンプであり得る。この図は、分析システムのある変形例を示しており、複数の被検物感知手段を含み得る。弁2および3、ならびにポンプは、上述した図27と同じである。弁V4、V6およびV8は、それぞれが特定の被検物の感知手段に付属している別々のサンプル・チャンバA、BおよびCにそれぞれ接続されている。センサSA、SBおよびSCのそれぞれは、単一のガスまたは複数の被検物濃度感知手段であり得る。弁V8のポートAにおける排気は、追加的な感知または格納手段に接続され得る。ポンプは、格納容積の2方向への移動とインクリメンタルな分析を可能にするために、双方向的であり得る。たとえば、最初に精度を最適化するために、2段のアルゴリズムが用いられ得るが、呼気1、2および8それぞれの特定の部分X、YおよびZによって十分でないガス体積が選択された場合には、Xよりも前、Yよりも前およびZよりも前に格納容積の追加的なサンプルが、サンプル・チャンバAに追加されセンサSAに提供され得る。この場合には、より多くの体積が利用可能になり得るが、呼気終末部分だけが捕捉されたことの信頼度は、低くなり得る。最後に、調和解析、ウェーブレットおよび一連の他の信号解析ツールを含む非線形アルゴリズムが、格納された呼気パラメータを表す波形に適応的に適用され得るのであって、それにより、呼気のどの部分が分析されるべきかが決定される。リアルタイムの分析または単一の呼気の分析を提供するシステムでは、患者の安定性、呼吸パターンの規則性などについての推定が行われ得る。複数の呼気についての完全な格納を用いると、最良の呼気が、事実に従い選択され分析され得るが、必要な場合には、追加的な呼気または呼気の追加的な部分が、精度、ガス体積またはそれ以外の最適化されるべきパラメータを増加させるために、元のサブサンプルに追加され得る。
図27および図28におけるシステムは、1つまたは複数の呼気を格納するために1つまたは複数の弁を備えた長い毛細チューブ18’を含み得るが、この1つまたは複数の呼気は、以後のオフラインでの化学的分析のために部分ごとのリトリーブが可能である。いくつかの実装例は、(単一または複数の呼気格納のための)長い毛細チューブを含み得るのであって、この毛細管は、オプションとして、(フローの反転が可能な)ポンプと、吐き出されたガスのフローを1つまたは複数のセンサにルーティングする1つまたは複数の弁とに動作的に結合されている。さらに、吐き出されたガスがチューブ18’に入るまたはチューブ18’を出るときには、その流量およびそれ以外の流体的パラメータが、フロー通過センサによって(流量、CO2濃度、温度などについて)測定され得る。また、ポンプにおけるガスの排気は、用いられる場合には、フロー通過センサによっても測定され得る。
本開示のいくつかの変形例は、1つまたは複数の呼気の格納に関し、タイムマーカを備えているのであるが、これは、吐き出される際に、1つまたは複数の呼気が格納チューブに線形にロードされ、流量、圧力、CO2濃度などを含み得る詳細なタイミング情報が呼気の各物理的位置に対して保存されるコンピュータのシフト・レジスタに類似し得る。格納されている呼気の任意の部分が、複数の呼気の同じ部分を含めて、1組のセンサの中に順方向にロードされ得る。たとえば、ある一定のガスの呼気終末濃度が重要な測定値(すなわち、水素)である場合には、複数の呼気から呼気終末濃度の複数の読取値を取得して、それらを収集し、そして燃料セル・センサを用いてそれらを分析することが必要になり得る。複数のサンプルを収集することが必要であり得る理由は、燃料セル・センサは最小体積のテスト・ガスを要し、また、燃料セルは定常状態に到達するために著しい積算時間を要するからである。これは、質量分析計を含む多数の他のセンサ・タイプについても、真実であり得る。さらに、各呼気は、患者が疾病の存在に起因して呼吸が乱れている場合は特に、異なる形態を有し得る。その場合には、呼気の正しい部分がサンプリングされていることを確認するために、各呼気を別々に分析し、呼気終末部分だけを選択する(または、呼気が十分に画定されていない場合にはいずれの部分も選択しない)ことが必要となり得る。
このプロセスは、別々に保存されているタイミング情報と共に、1つまたは複数の呼気を格納チューブの中に収集すること、そして次に、ポンプとおよび弁の組合せを行うことを通じて、関連する部分だけを1つまたは複数の呼気から1つまたは複数のセンサにルーティングすることを、必然的に伴う。毛細チューブの内径に、特別な注意が払われなければならないのであるが、この内径は、乱流および混合が生じることなく吐き出されたガスが適切に内部を流れることを許容するのに十分なだけ大きく、他方で、ガスの混合を防止するのに十分なほど小さいことが保証されているのである。これは、また、ポンプ速度の選択にも適用されるのであって、ポンプ速度は、ある範囲の呼気を許容するように固定であるか、または、呼気間の差異に対応するように可変でもあり得るが、この点は、米国特許出願第13/722,950に記載されている。なお、この米国特許出願は、本出願の譲受人に譲渡されており、この米国特許出願の開示内容は、その全体が、参照によって本明細書に組み入れられる。ポンプ速度に関する情報は、後で、格納チューブにおいてガスを「再サンプリングする」ために用いられ得る。このプロセスは、調節可能なサンプリング・レートを用いるサンプリング装置で、アナログ信号をデジタル的にサンプリングするのと非常に類似している。ある再サンプリング方法は、正確なサンプリング点を選択するために「チャープ」変換を用いることを含む。
本開示は、(1つまたは複数の)呼気格納コンパートメントおよび(1つまたは複数の)分析センサが同じデバイスに存在するような変形例について主に記載しているが、格納コンパートメントおよび分析センサは別々であり得ることが理解されるべきである。たとえば、ガスは、混合を防止するように構成されたコンパートメントに、戸外で捕捉され得る。コンパートメントは、(たとえば、真空ポンプなどの)フロー機構および(たとえば、カプノメータおよびソフトウェアなどの)呼気の特定の部分を判断し記録するための機構と関連する場合もまたは関連しない場合もあり得る。その次に、格納されたガスは、実行される分析のために、実験室に運ばれ得る。実行される分析は、呼気の特定の構成要素を測定すること、および/または、(たとえば、呼気終末部分など)呼気の特定の部分の開始および終了を決定することなど、本明細書で上述された分析のいくつかまたは全部を含み得る。
センサは、燃料セル、MEMS流体センサ、光ベンチ、ガス分光計、質量分析計、およびいずれかの他のタイプのセンサを含み得る。分析されるガスは、吐き出された呼気、麻酔ガス、不所望の吸い込まれたガス(すなわち、毒物、生化学的兵器)または代謝プロセス(アルコール、薬物、疾病など)に起因するガスに伝統的に存在する任意の標準的なガスを含み得る。
ナノチューブ・センサ技術など、新たに誕生しつつある技術が、要求される精度をもってリアルタイムでガス組成物を測定するのに十分に正確であることが判明し得るということも考えられる。したがって、変形例の多くが、本明細書では、呼吸パターン感知センサおよびステップと、ガス組成センサおよびステップとを別々に説明しているが、呼吸感知のステップおよびガス組成分析のステップは、同じセンサによって、潜在的に同時に、実行されることが可能である。そのような装置では、本明細書に記載されている呼気情報レジストリの変形例が、有益であり得るだろう。
本明細書で用いられている呼気終末という用語は、呼気周期の終了時でのまたは終了に近い時点での吐き出された呼気の部分を指すものと理解され得るのであって、典型的には、人からデッドスペースが吐き出された後であり得る。明細書の全体で例示されている呼気終末ガスにおいてCOなどのガスを測定することに加えて、微粒子およびそれ以外の化学物質などガスでないものも同じ態様で測定されると考えられる。
本発明の変形例に関する上述の記載において、図面に記載されている動作のシーケンスは、可能性のあるすべての順列として組み合わされることが可能である、ということが注意されるべきである。さらに、例ではETCO測定を記載しているが、それらは、たとえば水素など、他のガスに適用し得る。明細書全体に提供されている例は本発明の原理を例証するものであって、当業者によれば、様々な修正、改変および組合せを、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、行い得る。本明細書に開示されている様々な呼気測定およびサンプリング・デバイスの任意の変形例は、任意の他の呼気測定およびサンプリング・デバイスまたは本明細書に開示されている呼気測定およびサンプリング・デバイスの組合せの特徴を含み得る。したがって、添付の特許請求の範囲による以外に、本発明が限定されることは意図されていない。上述された変形例のすべてに関して、方法のステップは、シーケンシャルに実行されることは必要ではない。