JP2016503426A - 殺虫剤抵抗性有害生物に対するポリフルオロベンジル部分を含む化合物の使用 - Google Patents

殺虫剤抵抗性有害生物に対するポリフルオロベンジル部分を含む化合物の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は昆虫防除の技術分野にあり、カおよびトコジラミなどの殺虫剤抵抗性有害生物を防除するためのポリフルオロベンジル部分を含む化合物の使用に関する。

Description

本発明は昆虫防除の技術分野にあり、カおよびトコジラミなどの殺虫剤抵抗性有害生物を防除するためのポリフルオロベンジル部分を含む化合物の使用に関する。
(カおよびトコジラミを含む)媒介生物防除のために使用されている今日の主要な殺虫剤は、4種の化学物質クラス:ピレスロイド、有機塩素(DDTを含む)、有機リンおよびカルバメートに関する。ピレスロイドの使用が、その迅速的かつ耐久性の効果ならびに低い毒性および費用のために他の3つのクラスの使用をはるかに超えている。しかしながら、近年、ピレスロイドに対する抵抗性が報告されており、これが世界保健機関にとっての主な懸念事項を引き起こしており、出現する抵抗性にどのように取り組むのかという解決策が将来の媒介生物防除管理にとって非常に重要とみなされている(例えば、http://www.who.int/malaria/world_malaria_report_2011/WMR2011_chapter4.pdf参照)。
標的部位抵抗性および代謝抵抗性という、殺虫剤抵抗性の2つの主要な機構が同定された。標的部位抵抗性は、カ集団において殺虫剤の作用部位が修飾され、結果として殺虫剤がもはや有効に結合せず、それゆえに昆虫が殺虫剤によって影響されない、またはあまり影響されない場合に生じる。標的部位抵抗性変異は、有機リンおよびカルバメートの分子標的であるアセチルコリンエステラーゼ、ノックダウン抵抗性(kdr)として知られている電位開口型ナトリウムチャネル(ピレスロイドおよびDDTについて)、またはディルドリン抵抗性(Rdl)として知られているGABA受容体(ディルドリンについて)に影響を及ぼし得る。代謝抵抗性は、解毒酵素系(エステラーゼ、モノオキシゲナーゼまたはグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)など)のレベル上昇または活性修飾によって殺虫剤がその意図した作用部位に達するのが妨げられる場合に生じる。両抵抗性機構が同じ媒介生物集団に見出され、しばしば同じ媒介生物に見出され得る。しかしながら、代謝抵抗性がより強力な抵抗性機構であるように思われるので、より大きな懸念となっている。
ピレスロイドは、α−シペルメトリン、ビフェントリン、シフルトリン、ペルメトリン、デルタメトリン、λ−シハロトリンおよびエトフェンプロックスの形態で、マラリア媒介生物または屋内残留噴霧(Indoor Residuals Spray)(IRS)と長期残効型殺虫剤処理蚊帳(Long Lasting Insecticidal Mosquito Net)(LLIN)の両方に対するWHO推奨を得た唯一の殺虫剤である。ピレスロイドは、ヒトに対するその比較的低い毒性、急速なノックダウン効果、比較的長寿命(IRSとして使用した場合3〜6カ月の持続期間)、および低コストのために、ここ数十年間にわたって農業および公衆衛生用途に選択される化学物質クラスであった。しかしながら、農業用途および媒介生物防除へのピレスロイドの大規模な使用が、主要なマラリアおよびデング熱媒介生物における抵抗性の発達をもたらした。強力な抵抗性が、例えば、ガンビアハマダラカ(Anopheles gambiae)Tiassale(南コートジボワール)系統(Constant V.A.Ediら、Emerging Infectious Diseases、第18巻、第9号、2012年9月)に関してのピレスロイドデルタメトリン(およびペルメトリン)について報告されている。ピレスロイド抵抗性はまた、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)ケイマン島系統に関してのペルメトリン、デルタメトリンおよびλ−シハロトリン(Angela F.Harrisら、Am.J.Trop.Med.Hyg.、83(2)、2010)ならびに特定のハマダラカ属の系統についてのα−シペルメトリン、ペルメトリンおよびλ−シハロトリン(Win Van Bortel、Malaria Journal、2008、7:102)についても報告された。
トコジラミ侵襲の復活が最近10年間にわたって起こっているので、トコジラミ防除は(再度)主要な仕事になっている。この点については、これらの昆虫がデルタメトリンおよびβ−シフルトリンなどのピレスロイドに対する抵抗性を発達させていることも報告されている(Zach N.Adelmanら、PloS ONE、2011年10月、第6巻、10号)。
カおよびトコジラミの特定のピレスロイドに対する抵抗性出現により、媒介生物およびトコジラミ防除管理のための代替解決策および戦略が継続的に必要とされている。ここで、驚くべきことに、本発明により、トランスフルトリン、メトフルトリン、モンフルオロトリン(Momfluorothrin)、メペルフルトリン(Meperfluthrin)、ジメフルトリン(Dimefluthrin)、フェンフルトリン(Fenfluthrin)、プロフルトリン(Profluthrin)、テフルトリン(Tefluthrin)またはヘプタフルトリン(Heptafluthrin)などのポリフルオロベンジル部分を含む化合物が、カおよびトコジラミなどの殺虫剤抵抗性有害生物の防除に有用であることが分かった。
トランスフルトリン(IUPAC名:(1R,3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチルエステル)は、ハエ、カおよびガに対する消費者使用について主に知られているピレスロイド殺虫剤である。この化学物質は揮発性物質であり、接触および吸入剤として作用する。
ドイツ特許第19947146A1号明細書は、昆虫を防除するためのトランスフルトリン含浸布地担体の使用を開示している。表1は、ネッタイシマカ(感受性)およびネッタイイエカ(Culex quingefasciatus)(DDT抵抗性)に対するトランスフルトリンの殺虫活性を示している。ドイツ特許第19947146A1号明細書は、殺虫剤抵抗性ネッタイシマカに対するトランスフルトリンまたはメトフルトリン単独(追加の殺虫剤を用いない)での使用を開示しておらず、またピレスロイド、カルバメートおよび有機リンからなる群から選択される少なくとも1種の殺虫剤に対して抵抗性の殺虫剤抵抗性カを防除するためのトランスフルトリンまたはメトフルトリンの使用も開示していない。
欧州特許第2201841A1号明細書は、トランスフルトリン、チアクロプリドまたはアセタミピリドと追加の殺虫剤および/または殺真菌剤による相乗的組み合わせを開示している。この組み合わせが、ヤブカ属の種、ハマダラカ属の種またはイエカ属の種に対しても活性であることが言及されている。しかしながら、この参考文献は、トランスフルトリンまたはメトフルトリン単独(追加の殺虫剤を用いない)で使用して殺虫剤抵抗性カおよび/またはトコジラミを防除することができることを開示していない。
国際公開第2011/003845A2号パンフレットは、クロルフェナピル、ピレスロイド(例えば、トランスフルトリンまたはメトフルトリン)および蚊帳などの基質を含浸するための特別なアクリレートバインダーを含む組成物を開示している。22頁の表3は、ピレスロイド抵抗性ネッタイシマカおよびピレスロイド抵抗性バンビアハマダラカに対する、本発明による組成物を含浸した蚊帳の殺虫活性を示している。この参考文献も、トランスフルトリンまたはメトフルトリン単独(追加の殺虫剤を用いない)で使用して殺虫剤抵抗性カを防除することができることを開示していない。
要約すると、トランスフルトリンは、媒介生物抵抗性管理用途に有用であることが知られていない。特に、トランスフルトリン(特に単独でおよび追加の殺虫剤と組み合わせない)を、少なくとも1種のピレスロイド化合物に対する抵抗性を発達させたカおよび/またはトコジラミなどの殺虫剤抵抗性有害生物に対して使用することができることは知られていない。オオタバコガ(Helicoverpa armigera)の代謝抵抗性系統に対するトランスフルトリンなどの種々のピレスロイド構造の有効性が記載された(Jianguo Tanら、Pest Management Science;63:960〜968、2007)。しかしながら、Jianguo Tanらは、オオタバコガにおける抵抗性機構を論じているのであって、カおよびトコジラミについて論じているのではないので、本発明に関連しない。
メトフルトリン(IUPAC名:2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル2,2−ジメチル−3−(プロパ−1−エン−1−イル)シクロプロパンカルボキシレート)は、トランスフルトリンなどの家庭用殺虫剤としての使用について知られているピレスロイド殺虫剤である。メトフルトリンは、媒介生物抵抗性管理に有用であることが知られていない。特に、メトフルトリンを、少なくとも1種のピレスロイド化合物に対する抵抗性を発達させたカおよび/またはトコジラミなどの殺虫剤抵抗性有害生物に対して使用することができることは知られていない。トランスフルトリン、メトフルトリンおよびテフルトリン(IUPAC名:2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル−Z−(1RS,3RS)−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)はまた、Pesticide Manual、第15版(2011)、the British Crop Protection Council、ロンドンにも記載されている。
ジメフルトリン(IUPAC名:2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル(1RS,3RS,1RS,3SR)2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロパ−1−エニル)シクロプロパンカルボキシレート)は、ポリフルオロベンジル部分を含む別のピレスロイド殺虫剤であり、家庭用および公衆衛生殺虫剤としての使用について知られている(欧州特許第01004569A1号明細書も参照)。フェンフルトリン(IUPAC名:2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル(1R,3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートまたは2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル(1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)およびプロフルトリン(IUPAC名:2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル(EZ)−(1RS,3RS;1RS,3SR)−2,2−ジメチル−3−プロパ−1−エニルシクロプロパンカルボキシレートまたは2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル(EZ)−(1RS)−シス−トランス−2,2−ジメチル−3−プロパ−1−エニルシクロプロパンカルボキシレート)もポリフルオロベンジル部分を有する既知のピレスロイド化合物である。
モンフルオロトリン(IUPAC名:2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル3−(2−シアノ−1−プロペン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート)、メペルフルトリン(IUPAC名:2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル(1R,3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート;中国特許出願第200910111805号明細書も参照、ヘプタフルトリン(IUPAC名:2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)フェニル]メチル2,2−ジメチル−3−(3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン−1−イル)シクロプロパンカルボキシレート;国際公開第2010/043122A1号パンフレットも参照)は、ポリフルオロベンジル部分を含む他のピレスロイド殺虫剤である。
ドイツ特許第19947146A1号明細書 欧州特許第2201841A1号明細書 国際公開第2011/003845A2号パンフレット 欧州特許第01004569A1号明細書 中国特許出願第200910111805号明細書 国際公開第2010/043122A1号パンフレット
http://www.who.int/malaria/world_malaria_report_2011/WMR2011_chapter4.pdf Constant V.A.Ediら、Emerging Infectious Diseases、第18巻、第9号、2012年9月 Angela F.Harrisら、Am.J.Trop.Med.Hyg.、83(2)、2010 Win Van Bortel、Malaria Journal、2008、7:102 Zach N.Adelmanら、PloS ONE、2011年10月、第6巻、10号 Jianguo Tanら、Pest Management Science;63:960〜968、2007 Pesticide Manual、第15版(2011)、the British Crop Protection Council、ロンドン
殺虫剤抵抗性カおよび/またはトコジラミを防除するために本発明により使用される殺虫性化合物は、ポリフルオロベンジル(好ましくは、テトラフルオロベンジルまたはペンタフルオロベンジル、より好ましくはテトラフルオロベンジル)部分を含み、好ましくはトランスフルトリン、メトフルトリン、モンフルオロトリン、メペルフルトリン、ジメフルトリン、フェンフルトリン、プロフルトリン、テフルトリンおよびヘプタフルトリンからなる群(より好ましくは、トランスフルトリン、メトフルトリンおよびモンフルオロトリン、さらにより好ましくはトランスフルトリンおよびメトフルトリン、最も好ましくはトランスフルトリン)から選択される。これらの化合物(全てのその好ましい定義を含む)を、本明細書において「有効成分」、「活性化合物」あるいは「ポリフルオロベンジル部分を含む(殺虫性)化合物」とも呼ぶ。
特に好ましい実施形態では、有効成分を単独で(いかなる追加の殺虫剤も用いないで;好ましくはポリフルオロベンジル部分を含む2種の異なる殺虫性化合物の組み合わせでもない)使用して殺虫剤抵抗性カ(および特に、ピレスロイド抵抗性カ)を防除し、また単独で使用して殺虫剤抵抗性(および特に、ピレスロイド抵抗性)トコジラミを防除する。本発明の最も好ましい実施形態では、トランスフルトリン単独のみ(追加の殺虫剤を用いないで)を使用して殺虫剤抵抗性(特に、ピレスロイド抵抗性)カを防除し、また単独で使用して殺虫剤抵抗性(特に、ピレスロイド抵抗性)トコジラミを防除する。
「殺虫剤抵抗性カ」という用語は、ピレスロイド、有機リンおよびカルバメートからなる群から選択される少なくとも1種の殺虫剤に対して抵抗性であるカを意味する。好ましい定義では、「殺虫剤抵抗性カ」という用語は、ピレスロイド(ポリフルオロベンジル部分を含まないピレスロイドおよび好ましくはテトラフルオロベンジル部分もペンタフルオロベンジル部分も含まないピレスロイド、より好ましくはテトラフルオロベンジル部分を含まないピレスロイド)、有機リンおよびカルバメート(好ましくは、ピレスロイド)からなる群から選択される少なくとも1種の殺虫剤に対して抵抗性であるが、同時に、DDTなどの有機塩素に対しては抵抗性ではないカを指す。この点について、ピレスロイドは、より好ましくは、アクリナトリン、アレトリン(d−シス−トランス、d−トランス)、β−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオアレトリン−S−シクロペンチル−異性体、ビオエタノメトリン(Bioethanomethrin)、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン(Chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(Clocythrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(α−、β−、θ−、ζ−)、シフェノトリン、デルタメトリン、エンペントリン(1R−異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンピリトリン(Fenpyrithrin)、フェンバレレート、フルブロシトリネート(Flubrocythrinate)、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス(Fubfenprox)、γ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン(Kadethrin)、λ−シハロトリン、ペルメトリン(シス−、トランス−)、フェノトリン(1R−トランス異性体)、プラレトリン、プロトリフェンブト(Protrifenbute)、ピレスメトリン、レスメトリン、RU15525、シラフルオフェン、τ−フルバリネート、テラレトリン(Terallethrin)、テトラメトリン(1R−異性体)、トラロメトリン、ZXI8901およびピレトリン(除虫菊)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を指す。
有機リンは、好ましくはアセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル、−エチル)、ブロモホス−エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス(Butathiofos)、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ジアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファンファー、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロピルO−サリチレート、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ(Phosphocarb)、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトアート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン、キナルホス、セブホス(Sebufos)、スルホテップ、スルプロホス、テブピリムホス(Tebupirimfos)、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホンおよびバミドチオンからなる群から選択される化合物を指す。より好ましい実施形態では、有機リンという用語は、アセフェート、クロルピリホス、ジメトエート、ジアジノン、マラチオン、メタミドホス、モノクロトホス、パラチオン−メチル、プロフェノホスおよびテルブホスからなる群から選択される化合物を指す。
カルバメートは、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブテカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート(Formetanate)、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム−ナトリウム、メチオカルブ、メトミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブおよびトリアザメートからなる群から選択される化合物を指す。より好ましい実施形態では、「カルバメート」という用語は、アルジカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノブカルブ、メチオカルブ、メトミル、オキサミル、チオジカルブおよびトリアザメートからなる群から選択される化合物を指す。
「殺虫剤抵抗性トコジラミ」という用語はさらに、ピレスロイド、有機塩素(DDTを含む)、有機リンおよびカルバメートからなる群から選択される少なくとも1種の殺虫剤に対して抵抗性であるトコジラミを意味する。好ましいピレスロイド、有機リンおよびカルバメートは、「殺虫剤抵抗性カ」という用語について上で定義されるのと同じである。この点について、有機塩素は、好ましくはDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)、クロルデン、エンドスルファン、ディルドリンおよびリンデン、より好ましくはDDT単独から選択される化合物を指す。
本発明のより好ましい実施形態では、本発明の有効成分を使用して、殺虫剤抵抗性有害生物、好ましくは少なくとも1種のピレスロイド殺虫剤に対して抵抗性であるカおよび/またはトコジラミを防除する。この点について、ピレスロイド抵抗性は上に定義されるような1種のピレスロイドに対するものである。より好ましい実施形態では、「ピレスロイド」という用語は、α−シペルメトリン、ビフェントリン、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、D−Dトランス−シフェノトリンエスフェンバレレート、エトフェンプロックス、λ−シハロトリン、ペルメトリン、ピレトリン(除虫菊)、フェノトリンおよびζ−シペルメトリンからなる群から選択される化合物を指す。好ましい実施形態では、ピレスロイド抵抗性が、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、λ−シハロトリン、ペルメトリンからなる群から選択される少なくとも1種のピレスロイドに関して存在する。より好ましい実施形態では、ピレスロイド抵抗性が、シフルトリン、シペルメトリン、ペルメトリンからなる群から選択される少なくとも1種のピレスロイドに関して;より好ましくは少なくともシペルメトリンに対して存在する。
本発明の別の好ましい実施形態では、有効成分を使用して多抵抗性カおよび/またはトコジラミを防除する。多抵抗性カは、標的部位抵抗性および代謝抵抗性などのいくつかの異なる抵抗性機構が同時に存在するカおよび/またはトコジラミを指す。異なる抵抗性機構が組み合わさって複数のクラスの製品に対する抵抗性をもたらし得る(IRAC刊行物:「Preventation and Management of Insecticide Resistance in Vectors of Public Health Importance」;第2版;2011)。
「殺虫剤抵抗性」という用語は、媒介生物が標準用量の殺虫剤によってはもはや死滅しない(媒介生物が殺虫剤にもはや感受性でない)または殺虫剤と接触することを回避してのける状況を記載するために使用される用語である。1.2;p.27;「Global Plan for Insecticide Resistance Management」、WHO2012参照。これに関連して、媒介生物という用語は、カおよび/またはトコジラミを指す。
例として、WHOは、カ媒介生物に対する屋内残留処理のための殺虫剤の標準用量をα−シペルメトリン20〜30mg/m2、ビフェントリン25〜50mg/m2、シフルトリン20〜50mg/m2、デルタメトリン20〜25mg/m2、エトフェンプロックス100〜300mg/m2、λ−シハロトリン20〜30mg/m2とすることを勧告した(http://www.who.int/whopes/Insecticides_IRS_Malaria_09.pdf)。WHOは、マラリア媒介生物防除のための蚊帳の殺虫剤製品処理の標準用量をα−シペルメトリン20〜40mg/m2、シフルトリン50mg/m2、デルタメトリン15〜25mg/m2、エトフェンプロックス200mg/m2、λ−シハロトリン10〜15mg/m2、ペルメトリン200〜500mg/m2とすることを勧告した(http://www.who.int/whopes/Insecticides_ITN_Malaria_ok3.pdf)。WHOは、カに対する空間噴霧のための標準用量を刊行物に記載されているものとすることを勧告した:http://www.who.int/whopes/Insecticides_for_space_spraying_Jul_2012.pdf。WHOは、トコジラミ防除のための殺虫剤用量を、例えば、デルタメトリンについては0.3〜0.5g/lまたはg/kg;シフルトリンについては0.4g/lまたはg/kg;シペルメトリンについては0.5〜2.0g/lまたはg/kg;ペルメトリンについては1.25g/lまたはg/kg等とすることを勧告した(Pesticides and their Application、WHO 2006; WHO/CDS/NTD/WHOPES/GCDPP/2006.1参照)。
殺虫剤抵抗性カおよび/またはトコジラミを「防除する」という用語は、(ヒトへの咬傷および媒介生物のヒトへの伝染を回避するために)殺虫剤抵抗性であるカおよび/またはトコジラミを死滅させるおよび/または忌避することができる能力を刺す。
本発明の好ましい実施形態では、殺虫剤抵抗性カがガンビアハマダラカ、アノフェレス・フネストス(Anopheles funestus)、ネッタイシマカおよびイエカ属の種からなる群から選択される。本発明の別の好ましい実施形態では、有効成分が、ガンビアハマダラカRSPH、ガンビアハマダラカTiassale、ガンビアハマダラカAkron、ガンビアハマダラカVK7、アノフェレス・フネストスFUMOZ−R、ネッタイシマカグランドケイマンおよびネッタイイエカP00系統からなる群から選択される殺虫剤抵抗性カに対して使用される。
ガンビアハマダラカRSPH系統は、 Malaria Research and Reference Reagent Resource Centerの試薬カタログ(www.MR4.org;MR4番号:MRA-334)に記載されている多抵抗性カ(標的部位および代謝抵抗性)である。
ガンビアハマダラカTiassale系統は、カルバメート、有機リンおよびピレスロイドの間で交差抵抗性を示す多抵抗性カ(標的および代謝抵抗性系統)であり、Constant V.A.Ediら、 Emerging Infectious Diseases;第18巻、第9号、2012年9月&Ludovic P Ahoua Alouら、Malaria Journal 9:167、2010に記載されている。
ガンビアハマダラカAkron系統は、多抵抗性カ(標的および代謝抵抗性系統)であり、Djouaka F Rousseauら、BMC Genomics、9:538;2008に記載されている。
ガンビアハマダラカVK7系統は、標的抵抗性カであり、Dabire Roch Kounbobrら、Malaria Journal、7:188、2008に記載されている。
アノフェレス・フネストスFUMOZ−R系統は、代謝抵抗性系統であり、Huntら、Med Vet Entomol.2005年9月;19(3):271〜5に記載されている。この論文では、アフリカにおける主要なマラリア媒介カの1つとしてのアノフェレス・フネストスが、南アフリカでピレスロイドおよびカルバメート殺虫剤に対する抵抗性を示したことが報告されている。
ネッタイシマカグランドケイマン系統は、標的抵抗性カであり、Angela F.Harris、Am.J.Tro.Med.Hyg.83(2)、2010に記載されている。
ネッタイイエカ(DDTに対する代謝抵抗性、P00系統)は、Texchem、Penang、マレーシアから入手した。
本発明の好ましい実施形態では、有効成分が媒介生物防除のために使用される。媒介生物防除は、媒介昆虫による病気(脳炎、ウエストナイルウイルス、デング熱、マラリア、リフトバレー熱、黄熱病など)の伝染の予防である。媒介生物防除法は、その適用性、費用および結果の持続可能性においてかなり異なる。本発明の好ましい実施形態では、媒介生物防除は、マラリアおよびデング熱媒介生物防除を指す。病気の伝染の予防に関連する媒介昆虫は、好ましくはカである。
別の好ましい実施形態では、本発明はまた、ピレスロイド抵抗性トコジラミを防除するための有効成分の使用に関する。より好ましい実施形態では、本発明の活性化合物を使用してピレスロイド抵抗性トコジラミを防除し、トコジラミが電位開口型ナトリウムチャネルαサブユニット遺伝子中にバリンからロイシンへの変異(V419L)および/またはロイシンからイソロイシンへの変異(L925I)を有する。本発明のより好ましい実施形態では、有効成分が殺虫剤抵抗性トコジラミ(ナンキンムシ(Cimex Lectularius))シンシナティ系統(CIN−1)に対して使用される(Fan Zhuら、Archives of Insect Biochemistry and Physiology、2010、第00巻、第0号、1〜13)。
当業者であれば、カおよび/またはトコジラミなどの殺虫剤抵抗性有害生物を防除するための有効成分の施用量が、製剤型、施用形態、処理する対象/表面等などの種々の因子に依存することを十分に認識している。しかしながら、一般的な手引きとして、殺虫剤抵抗性カを防除するための有効成分の施用量は、好ましくは少なくとも5mg/m2、より好ましくは少なくとも15mg/m2、最も好ましくは少なくとも25mg/m2である。殺虫剤抵抗性トコジラミの防除に関して、施用量は、好ましくは少なくとも100mg/lまたはmg/kg、より好ましくは300mg/lまたはmg/kgである。
本発明の別の好ましい実施形態では、有効成分を屋内残留噴霧、殺虫剤処理蚊帳、長期残効型殺虫剤処理蚊帳、空間噴霧および/または空間忌避剤に使用して殺虫剤抵抗性カを防除することもできることが分かった。
本発明による屋内残留噴霧(IRS)は、その表面に着地および休息する成虫媒介カを死滅させるために家および家畜小屋の壁および屋根に施用される製剤を指す。このような噴霧の主要な効果は、媒介カがもはやある人から別の人に病気を伝染させることができなくなるように媒介カの寿命を減少させ、かつ媒介カの密度を低下させることによって、マラリア(およびデング熱)伝染を削減することに向かう。
殺虫剤処理蚊帳(ITN)は、媒介生物防除に有用な殺虫剤を含浸した蚊帳である。しかしながら、ピレスロイド殺虫剤のみがITNへの使用を承認されている。利用可能ないくつかの種類の蚊帳がある。蚊帳は大きさ、材料および/または処理によって異なり得る。ほとんどの蚊帳はポリエステル製であるが、綿、ポリエチレンまたはポリプロピレンも入手可能である。以前は、蚊帳を6〜12カ月毎に、蚊帳を洗浄する場合にはより頻繁に再処理しなければならなかった。蚊帳を水と殺虫剤の混合物に単純に浸漬し、日陰で乾燥させることによって、蚊帳を再処理していた。WHOは、再処理のための種々の製剤を推奨している(http://www.who.int/whopes/Insecticides_ITN_Malaria_ok3.pdf参照)、頻繁な再処理の必要性が、ITNの風土病国での広範な使用の主な障壁であった。殺虫剤の追加の費用およびその重要性についての理解の欠如が、ほとんどのアフリカ諸国において極めて低い処理率をもたらした。より最近では、いくつかの企業が、少なくとも3年間殺虫剤の有効レベルを維持する長期残効型殺虫剤処理蚊帳(LLIN)を開発している。
長期残効型殺虫剤処理蚊帳(LLIN)は、殺虫剤を繊維に結合させるまたは組み込む工程によって工場レベルで処理された蚊帳である。WHOは、有効性を増加させるために、LLINをポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンとデルタメトリン、α−シペルメトリン、ペルメトリンおよびPBOなどの化合物から製造するよう勧告した(http://www.who.int/whopes/Long_lasting_insecticidal_nets_Jul_2012.pdf)。本発明の別の実施形態では、有効成分が埋め込まれたポリプロピレン製のITNおよびLLINが好ましい。特に、国際公開第2009/121580A2号パンフレット、国際公開第2011/128380A1号パンフレット、国際公開第2011/141260A1号パンフレットに記載されているようなLLINである。
空間噴霧は、直径50μm未満の何億もの小液滴の形態で空気中に分散され得る液体殺虫性製剤である。これらは液滴が空気中に残っている間有効であるに過ぎない。空間噴霧は主に温熱霧または寒冷霧として施用される。
空間忌避剤または領域忌避剤(抑制物質としても知られている)は、指定領域または「安全地帯」(例えば、潜在的なヒト宿主によって占められる空間)中の通常の行動パターンを撹乱して、その空間を昆虫にとって不適当にすることによって、蒸気相でヒトと媒介生物の接触を防ぐよう働く化学物質として定義される。
本発明の別の好ましい実施形態によると、有効成分が基材と一緒に使用される。
本発明の好ましい実施形態では、有効成分を、熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂などのポリマー;植物系材料;コーティング/含浸溶液および/またはこれらの混合物からなる群から選択される適当な基材と共に使用して殺虫剤抵抗性有害生物を防除することができることが分かった。
本発明によると、ポリマーには、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂などの合成ポリマーが含まれる。熱軟化性プラスチックとしても知られている熱硬化性樹脂は、加熱すると液体に変わり、十分に冷却すると剛性状態に凍るポリマーである。ほとんどの熱可塑性樹脂は、その鎖が弱いファンデルワールス力(例えば、ポリエチレン);強い双極子−双極子相互作用および水素結合(例えば、ナイロン)、または芳香環のスタッキング(例えば、ポリスチレン)を通して会合した高分子量ポリマーである。熱可塑性ポリマーは、再溶融および再成形することができるという点で、熱硬化性ポリマー(例えば、フェノール樹脂、エポキシド)とは異なる。多くの熱可塑性材料は付加ポリマー、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのビニル連鎖ポリマーであり;他は、ポリアミドまたはポリエステルなどの縮合または他の形態の重付加重合の生成である。熱可塑性樹脂およびゴムポリマーなどのポリマーは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリル(PMMA)、セルロイド、酢酸セルロース、環状オレフィン共重合体(COC)、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、フッ素樹脂(FEP、PFA、CTFE、ECTFE、ETFEを沿わせたPTFE)、イオノマー、液晶ポリマー(LCP)、ポリオキシメチレン(POMまたはアセタール)、ポリアクリレート(アクリル)、ポリアクリロニトリル(PANまたはアクリロニトリル)、ポリアミド(PAまたはナイロン)、ポリアミド−イミド(PAI)、ポリアリールエーテルケトン(PAEKまたはケトン)、ポリブタジエン(PBD)、ポリブチレン(PB)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリカーボネート(PC)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリケトン(PK)、ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、塩素化ポリエチレン(CPE)、ポリイミド(PI)、ポリ乳酸(PLA)、ポリメチルペンテン(PMP
)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSU)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリウレタン(PU)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、スチレン−アクリロニトリル(SAN)からなる群から選択され得る。
本発明の別の好ましい実施形態では、有効成分がポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)からなる群から選択されるポリマーと一緒に使用される。トランスフルトリンおよび/またはメトフルトリンは、ポリマー材料の加工中に容易に添加することができる。熱可塑性樹脂などの一般的なポリマーの加工温度は130〜320℃の範囲にある(例えば、押出、コンパウンディング、フィルムブローイング、スピニング、カレンダリング、発泡等)ので、トランスフルトリンおよび/またはメトフルトリンも加工中に溶融し、冷却中にマトリックスポリマーと一緒に凝固して、所望の量の殺虫剤を含む均一な材料コンパウンドを与える。有効成分の添加は二段階プロセス、濃縮物(マスターバッチ)をポリマーと有効成分の混合を介して生成する、および加工中に追加のポリマーをさらに添加することによって有効成分をさらに希釈する第2の加工ステップ、によって行うこともできる。トランスフルトリンを含むポリマー(ポリプロピレン等など)の製造プロセスは、例えば、国際公開第97/29634号パンフレットにより詳細に記載された。
(それぞれの)ポリマー中の有効成分の濃度は、比較的広い濃度範囲(例えば、1重量%〜15重量%)内で変化し得る。濃度は、有効性、耐久性および毒性に関する要件が満たされるように施用の分野にしたがって選択されるべきである。
本発明によると、「熱硬化性」という用語は、不可逆的に硬化するポリマー材料である熱硬化性プラスチックを指す。硬化は、熱(一般的に200℃(392°F)より上)、化学反応(例えば、二液型エポキシ)、または電子ビーム処理などの照射を通して行われ得る。熱硬化性材料は、通常、硬化前には液体または展性であり、最終形態に成形されるよう設計される、または接着剤として使用される。他は、半導体および集積回路(IC)に使用される成形コンパウンドのように固体である。いったん硬化すると、熱硬化性樹脂を再加熱および溶融して液体形態に戻すことはできない。IUPAC推奨によると、熱硬化性ポリマーは、硬化によって不融性不溶解性ポリマーネットワークに不可逆的に変化する軟質固体または粘性状態のプレポリマーである。硬化は、熱もしくは適当な照射、または両方の作用によって誘導され得る。硬化した熱硬化性ポリマーを熱硬化性樹脂と呼ぶ。熱硬化性樹脂のいくつかの例には、ポリエステルファイバーガラス系(シート成形コンパウンドおよびバルク成形コンパウンド);加硫ゴム;ベークライト、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂;デュロプラスト(duroplast);尿素−ホルムアルデヒド発泡樹脂;メラミン樹脂;エポキシ樹脂;ポリイミド;シアネートエステルまたはポリシアヌレートがある。
「植物系天然材料」という用語は、セルロース系材料(紙/厚紙)、綿、サイザル麻、ジュート、木材、アマ、綿、竹、アサ、羊毛等のような天然由来の基質/繊維を指す。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または複合材料およびこれらの混合物(例えば、他の熱可塑性樹脂と混合した熱可塑性樹脂、例えば、植物系天然材料を含む熱可塑性樹脂)などのポリマーを製造するために、例えば、金属不活性化剤、過酸化物捕捉剤、塩基性共安定剤(basic costabilizer)、核化剤、可塑剤、潤滑剤、UV保護剤、乳化剤、顔料、粘度調整剤、触媒、流動調整剤、蛍光増白剤、帯電防止剤および発泡剤、ベンゾフラノンおよびインドリノン、蛍光可塑剤、離型剤、難燃性添加剤、相乗剤(synergist)、帯電防止剤(スルホネート塩など)、顔料ならびに有機および無機染料、ならびにエポキシ基または無水物基を含む化合物などの追加の添加剤を使用することができる。
本明細書で使用される「コーティング/含浸溶液」という用語は、後で噴霧されてコーティング、コーティングの一部を形成する、または含浸に使用される溶液を指すこととなっており、本明細書において議論されている有効成分ならびに他のコーティング/含浸溶液成分、例えば、それだけに限らないが、溶媒、ポリマー、油、脂肪、天然樹脂、表面活性剤、界面活性剤、乳化剤、安定剤、塩増粘剤、芳香剤、顔料および/または他の添加剤を含む。コーティング/含浸溶液は、好ましくは室温(25℃)で液体である。
本発明によると、「コーティング/含浸」という用語は、通常は基質(基材であってもよい)と呼ばれる対象の表面に施用される(好ましくは液体)溶液を指す、または対象が溶液に浸漬される。本発明の文脈において、コーティングまたは含浸(例えば、噴霧または溶液の形態)は、家の内側および外側のカを防除する/死滅させる/忌避するために、好ましくはサイザル麻、綿、羊毛、ジュートまたは他の植物性繊維製の壁フロアーマット、敷布団、袋地またはマットレスに施用される。
別の好ましい実施形態では、本発明の有効成分が、好ましくは50重量%(wt%)未満、好ましくは30重量%未満、より好ましくは20重量%未満、特に好ましくは15重量%未満の濃度で基材と共に使用される(有効成分と基材の組み合わせは100重量%に等しい)。
本発明のポリマーを、例えば、フィラメント、織物、チップ、ペレット、パール、フォーム、箔、ペレット、板、空気緩衝材、フィルム、ネット、プロファイル(profile)、シート、布地、ワイヤー、糸、テープ、ケーブルおよびパイプ裏張り、電子機器用のケーシング(例えば、スイッチ箱、航空機、冷蔵庫等)などの雑多な製品に加工することができる。さらなる例を本明細書において以下で示す。
有効成分を含むポリマーならびにこれらから製造された糸、繊維、フィラメント、マルチフィラメント、織物、織布、ネット等は、殺虫剤抵抗性カを防除する/死滅させるのに極めて有用である。このような製品の製造は、例えば、国際公開第2009/121580A2号パンフレット、国際公開第2011/128380A1号パンフレット、国際公開第2011/141260A1号パンフレットに詳細に記載されている。
本発明の有効成分を一緒に含むポリマーならびに植物基材を使用して布地を製造することもできる。本発明によると、「布地」という用語は、通常は糸またはヤーンと呼ばれる天然または人工の繊維のネットワークからなる可撓性織物である布地または布を指している。ヤーンは、羊毛、アマ、綿、アサまたはポリマーなどの他の材料などの植物系材料の原繊維を紡績して長いストランドを製造することによって製造される。布地は、繊維を合わせて織る、編む、かぎ針編みする、糸結びするまたはプレスすることによって形成される。このような製品を使用してITNをそれぞれ製造することもできる。LLIN。
議論した基材を用いて製造することができるまたはその上に本発明のコーティング/含浸溶液を施用することができるさらなる製品には、例えば、屋外カーペット、屋外家具、窓の日除け、カーテン、テーブル用の屋外カバー、および他の平坦な面、パティオデッキ、船体、フィルタリング、旗、バックパック、テント、ネット、蚊帳、風船、凧、帆およびパラシュートなどの輸送装置;技術的布地、例えば、ジオテキスタイル(盛土の補強)、農業用布地(agrotextile)(園芸用フィルムなどの作物保護用の布地)、保護布、電気絶縁、建築物用断熱材等が含まれる。
本発明の好ましい実施形態は、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)およびポリアミドからなる群から選択されるポリマーから製造されたITNおよび/またはLLIN(好ましくはLLIN)である。好ましくは、ITNおよび/またはLLIN(好ましくはLLIN)がポリプロピレンから製造される。好ましくは、国際公開第2009/121580A2号パンフレット、国際公開第2011/128380A1号パンフレットおよび国際公開第2011/141260A1号パンフレットに記載されているように。本発明の好ましい実施形態では、ITN、LLINが、少なくとも48本のフィラメント、より好ましくは少なくとも60本のフィラメント、最も好ましくは少なくとも100本のフィラメントを有するマルチフィラメントから製造される。
本発明の別の好ましい実施形態では、有効成分を、(既存の周囲温度を超える熱をさらに加えることなく)接触相および気相を介して、好ましくはポリオレフィン、ポリエステルおよび/またはポリアミドなどの基材と共に使用して殺虫剤抵抗性カおよび/またはトコジラミを防除する。接触相は、カおよび/またはトコジラミが基材上の本発明の有効成分と直接接触することを意味する一方、気相は、本発明の有効成分が基材から放出され、気相(蒸気相)を介してカおよび/またはトコジラミに接触する(およびこれらを防除する)ことを意味する。
本発明の別の実施形態は、本明細書に論じられる有効成分を使用することによって、殺虫剤抵抗性カを防除する方法を指す。
本発明によると、「ノックダウン」という用語は、短期間の飛翔を含む非協調的運動がまだ可能な、仰向けまたは横向きの動物の状態を記載するものである。
本発明によると、「死亡率」という用語は、仰向けまたは横向きの動物の不動状態を記載するものである。
実施例
1.ネッタイシマカに対するトランスフルトリンの有効性
溶媒:アセトン
適当な調製物を製造するために、トランスフルトリンをアセトンに溶解した。活性化合物溶液を施釉タイル上にピペットで載せ、乾燥させた後、ネッタイシマカ種(標的部位抵抗性系統:グランドケイマン)の成虫カを処理タイル上に載せた。暴露時間を30分とした。
処理表面との接触の0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間および24時間後、試験動物のノックダウン割合(%)を決定した。ここで、100%(効果)は全てのカが死滅したことを意味し;0%(効果)はカのいずれも死滅しなかったことを意味する。
Figure 2016503426
2.ガンビアハマダラカおよびアノフェレス・フネストスに対するトランスフルトリンの有効性
溶媒:アセトン
適当な調製物を製造するために、トランスフルトリンをアセトンに溶解した。活性化合物溶液を施釉タイル上にピペットで載せ、乾燥させた後、ガンビアハマダラカ(標的部位抵抗性および代謝抵抗性系統:RSPH)、ガンビアハマダラカ(標的部位抵抗性および代謝抵抗性系統: Tiassale)、ガンビアハマダラカ(標的部位抵抗性および代謝抵抗性系統:Akron)、ガンビアハマダラカ(標的部位抵抗性系統:VK7)およびアノフェレス・フネストス(代謝抵抗性系統FUMOZ−R)の種の成虫カを処理タイル上に載せた(各系統を別々のタイルで試験した)。暴露時間を30分とした。
処理表面との接触の0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間および24時間後、試験動物のノックダウン割合(%)を決定した。ここで、100%(効果)は全てのカが死滅したことを意味し;0%(効果)はカのいずれも死滅しなかったことを意味する。
Figure 2016503426
Figure 2016503426
Figure 2016503426
Figure 2016503426
Figure 2016503426
3.(接触相を介した)アノフェレス・フネストスに対するトランスフルトリンが埋め込まれた試料(顆粒、箔、ヤーンおよび織物)の有効性
180℃の温度でコンパウンディング押出機による押出を介して、1重量%のトランスフルトリンおよび2重量%のブメトリゾールを含むポリプロピレン顆粒(Basell、 PP Metocene HM 562 S)を製造した。国際公開第2011/128380A1号パンフレットに記載されている方法にしたがって、1重量%のトランスフルトリンを含むポリプロピレン箔(PP-Polymer Metocen HM562S (Basell))を製造した。
PP-Polymer Metocen HM562S(Basell)および1重量%のトランスフルトリンを含むマスターバッチから始めて、前記マスターバッチを、3ゾーンスクリュー(25D、Fa.Blaschke製)を有する30mm押出機を含むFDYスピニング−ドローイング装置ならびにPOYコイラー(SW46)および2つの冷却ゴデット(Oelikon Barmag製)と組み合わせたスピニング−ドローイング装置上で溶融紡糸することによって、1重量%のトランスフルトリンを含むポリプロピレンヤーン(PP-Polymer Metocen HM562S(Basell))を製造した。溶融紡糸中の温度は192〜233℃の間であった。
国際公開第2011/141260A1号パンフレットに記載されているように、1重量%のトランスフルトリンを含むポリプロピレン織物(PP-Polymer Metocen HM562S(Basell))を製造した。
標準的なWHOコーンを用いて、試料(顆粒、箔、ヤーンおよび織物)の3分の暴露時間で試験を行う。この短い暴露を守るために、5匹の昆虫のみのバッチを一度にコーンに導入した。4つのコーンを同じ試料に運用した。3分の暴露後、雌をプラスチックカップにグループ化した。60分後にノックダウン(KD)の割合を記録した。試験後、カを含むプラスチックカップに、砂糖水を供給した。24時間後に死亡率(MO)を記録した。
上記と同じコーン試験にしたがって、試料を一定回数の洗浄後にも試験した。試料(顆粒、箔、ヤーンおよび織物)をWHOPES指令(指令「Guidelines for laboratory and field testing of long-lasting insecticidal mosquito nets」、2005)により以下の通り洗浄した:各試料を、脱イオン水0.5lおよび試料の直前に添加し、脱イオン水に完全に溶解した2g/lの「Savon de Marseille」石鹸(pH10〜11、Le Chat、Henkel、フランス)を含む1lビーカーに導入した。試料の添加後、ビーカーを30℃の温水浴に直ちに導入し、155運動/分で10分間振盪した。次いで、試料をビーカーから取り出し、上記と同じ振盪条件で清潔な脱イオン水で一度に10分間2回すすいだ。その後、試料を室温で乾燥させ、洗浄の間に暗所において30℃で保管した。
試験の結果を表7に要約する。WHOPES指令「Guidelines for testing mosquito adulticides for indoor residual spraying and treatment of mosquito nets」(http://www.who.int/whopes/guidelines/en/参照)によると、以下の一方または両方が満たされる場合にWHO基準が満たされる:ノックダウン(KD)が1時間後に95%以上である;死亡率が24時間後に80%以上である。表7に示されるように、洗浄を行う前、全ての試料についてWHO基準が満たされている。数回の洗浄後にも(ポリプロピレンヤーンを除く)全ての試料についてWHO基準が満たされている。これは、トランスフルトリンをポリマー材料に埋め込んだ場合にも、トランスフルトリンが殺虫剤抵抗性カを防除するのに有用であるという明示である。
Figure 2016503426
4.(気相を介した)アノフェレス・フネストス(FUMOZ−R)に対するトランスフルトリンが埋め込まれた試料(顆粒、ヤーン、箔および織物)の有効性
試料を実施例3において上記のように製造した。以下の設定を用いて有効性試験を行った:
Figure 2016503426
20匹の雌のカ(アノフェレス・フネストスFUMOZ−R)を、吸引器を介してガラス皿と金網との間に導入した。
3分の暴露時間後、金網を張ったガラス皿を除去してカをプラスチックカップにグループ分けした。1時間後にノックダウン(KD)の割合を記録した。試験後、カを含むプラスチックカップに、砂糖水を供給した。24時間後に死亡率(MO)を記録した。各試験は2反復試験からなり、その平均値を計算した。
実施例3に記載される洗浄手順による2回および5回の洗浄後に試料を試験した。
Figure 2016503426
表8のデータは、基材に埋め込まれたトランスフルトリンが、アノフェレス・フネストスFUMOZの殺虫剤抵抗性カに対して気相を介してさえ有効であることを示している。データはまた、トランスフルトリンが数回の洗浄後でもまだ有効であることを示している。
5.トコジラミ(ナンキンムシ、シンシナティ系統(CIN−1))に対するトランスフルトリンの有効性
適当な調製物を製造するために、トランスフルトリンを種々の濃度(0.1mgトランスフルトリン/ml;0.01mgトランスフルトリン/mlおよび0.001mgトランスフルトリン/ml)でアセトンに溶解した。10匹のトコジラミ試験動物(ナンキンムシ、シンシナティ系統(CIN−1))を施釉タイル上に載せることによって有効性試験を行った。種々の濃度の調製溶液を、施釉タイル上のトコジラミにガラスノズルで噴霧した。噴霧後、トコジラミをプラスチックカップに移した。処理の5分、10分、15分、20分、0.5時間、1時間、2時間、4時間および24時間後、試験動物のノックダウン割合を決定した。
Figure 2016503426
表9は、トランスフルトリンが殺虫剤抵抗性トコジラミ系統に対しても有効であることを示している。
6.ガンビアハマダラカ、アノフェレス・フネストスおよびネッタイイエカに対するメトフルトリンの有効性
トランスフルトリンについて実施例2に概説したのと同様に、メトフルトリン有効性をガンビアハマダラカ(標的部位抵抗性および代謝抵抗性系統:RSPH)、アノフェレス・フネストス(代謝抵抗性系統FUMOZ−R)およびネッタイイエカ(DDTに対する代謝抵抗性;P00系統)に対して評価し、結果を表10〜12に示す。処理表面との接触の0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間および24時間後、試験動物のノックダウン割合(%)を表10〜12に示す。100%(効果)は全てのカが死滅したことを意味し;0%(効果)はカのいずれも死滅しなかったことを意味する。
Figure 2016503426
Figure 2016503426
Figure 2016503426
7.ガンビアハマダラカおよびアノフェレス・フネストスに対するモンフルオロトリンの有効性
トランスフルトリンについて実施例2で概説したのと同様に、メトフルトリン有効性をガンビアハマダラカ(標的部位抵抗性および代謝部位抵抗性系統:RSPH)、アノフェレス・フネストス(代謝抵抗性系統FUMOZ−R)に対して評価し、結果を表13〜12に示す。処理表面との接触の0.25時間、0.5時間、1時間、2時間および3時間後、試験動物のノックダウン割合(%)を表13〜14に示す。100%(効果)は全てのカが死滅したことを意味し;0%(効果)はカのいずれも死滅しなかったことを意味する。
Figure 2016503426
Figure 2016503426

Claims (15)

  1. 殺虫剤抵抗性カおよび/またはトコジラミを防除するためのポリフルオロベンジル部分を含む殺虫性化合物の使用であって、前記殺虫剤抵抗性カがピレスロイド、有機リンおよびカルバメートからなる群から選択される少なくとも1種の殺虫剤に抵抗性であることを特徴とし、かつポリフルオロベンジル部分を含む前記殺虫性化合物が単独で使用され、殺虫剤抵抗性カおよび/またはトコジラミを防除するための別の殺虫剤と組み合わせて使用されないことをさらに特徴とする、使用。
  2. ポリフルオロベンジル部分を含む前記化合物がトランスフルトリン、メトフルトリン、モンフルオロトリン、メペルフルトリン、ジメフルトリン、フェンフルトリン、プロフルトリン、テフルトリンおよびヘプタフルトリンからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
  3. ポリフルオロベンジル部分を含む前記化合物がトランスフルトリンおよびメトフルトリンからなる群から選択される、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記殺虫剤抵抗性カおよび/またはトコジラミがポリフルオロベンジル部分を含まない少なくとも1種のピレスロイド殺虫剤に対して抵抗性である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記ピレスロイドがα−シペルメトリン、ビフェントリン、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、D−Dトランス−シフェノトリンエスフェンバレレート、エトフェンプロックス、λ−シハロトリン、ペルメトリン、ピレトリン(除虫菊)、フェノトリンおよびζ−シペルメトリンからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記ピレスロイドがシフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、λ−シハロトリンおよびペルメトリンからなる群から選択される、請求項5に記載の使用。
  7. 前記殺虫剤抵抗性カがガンビアハマダラカ、アノフェレス・フネストス(Anopheles funestus)、ネッタイシマカおよびイエカ属の種からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記殺虫剤抵抗性カがガンビアハマダラカRSPH、ガンビアハマダラカTiassale、アノフェレス・フネストスFUMOZ−R、ガンビアハマダラカAkron、ガンビアハマダラカVK7およびネッタイシマカグランドケイマンからなる群から選択される、請求項7に記載の使用。
  9. 前記殺虫剤抵抗性トコジラミが電位開口型ナトリウムチャネルαサブユニット遺伝子中にバリンからロイシンへの変異(V419L)および/またはロイシンからイソロイシンへの変異(L925I)を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 媒介生物を防除するための、請求項1から8のいずれか一項に記載のポリフルオロベンジル部分を含む化合物の使用。
  11. 屋内残留噴霧、殺虫剤処理蚊帳、長期残効型殺虫剤処理蚊帳、空間噴霧および/または空間忌避剤のための、請求項10に記載のポリフルオロベンジル部分を含む化合物の使用。
  12. 基材と合わせた請求項1から11のいずれか一項に記載のポリフルオロベンジル部分を含む化合物の使用。
  13. 前記基材がポリマー、植物系材料、コーティング/含浸溶液および/またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の使用。
  14. 前記ポリマーがポリオレフィン、ポリエステルおよび/またはポリアミドであり、かつポリフルオロベンジル部分を含む前記化合物が殺虫剤処理蚊帳または長期残効型殺虫剤処理蚊帳のために前記ポリマーと一緒に使用される、請求項13に記載の使用。
  15. 前記基材と一緒にポリフルオロベンジル部分を含む前記化合物が接触相および気相を介して殺虫剤抵抗性カを防除する、請求項12から14のいずれか一項に記載の使用。
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