JP2016502155A - 少なくとも安定ゾーンを有する眼用レンズ - Google Patents

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Abstract

眼用レンズであって、光学的関心ゾーンを含む第1の面を有し、光学的関心ゾーンは少なくとも、− 遠方視制御点(FV)と、− 近方視制御点(NV)と、− 光学的関心ゾーンの一端から始まり、遠方視及び近方視制御点を通り、光学的関心ゾーンの反対端で終わる主線(M)とを含み、主線(M)は、平均球面の連続的増加の第1の部分(S1)を一端に、かつ他端に平均球面の連続的増加の第2の部分(S2)を含み、第1及び第2の部分は安定化平均球面の第3の部分(S3)により分離される、眼用レンズ。

Description

本発明は、光学的関心ゾーンを含む第1の面を有する眼用レンズと装着者へ眼用レンズを提供する方法とに関する。
本発明の背景の論述は本発明の情況について説明するために本明細書に含まれる。参照される文献のいずれも請求項のいずれかの優先日の時点で既に公表された、既知であった、又は一般的知識の一部であったことを認めるものではない。
眼用レンズは通常、プラスチック又はガラス材料で作られ、所要矯正処方を提供するために互いに協働する2つの対向面を有する。これらの面の一方の位置決め又は形状が他方に対し不正確であると光学誤差が現われ得る。
所要矯正処方要件に対する眼用レンズの製造は通常、半製品レンズ又はレンズブランクの面を機械加工する工程を含む。通常、半製品レンズは仕上げ面、例えば前面と未仕上げ面、例えば後面とを有する。レンズの後面を機械加工して材料を除去することにより、所望矯正処方の、前面に対する後面の所要形状及び位置決めが生成され得る。
位置ずれが図1に示すようにレンズの前面と後面間に存在すれば、望ましくない非点収差が遠方視及び近方視制御点を含むレンズ上の至る所に生成される。特に、装着者の遠方視制御点では、処方非点収差に関するISO標準公差を満たすのは困難である。
眼用レンズを作製する多くの従来の製造研究所は、ハイエンド装置に利用可能である設備ほど高くはない前面と後面間の位置合せ精度を有する標準的設備を使用する。図1aに示すように、前面と後面は、それらのZ軸が一致しそれぞれのX、Y軸が互いに対し回転されていなければ位置合わせされている。図1b〜図1dは、2つのレンズ面間の位置ずれが、Txの値を有するX軸に沿った平行移動(図1c参照)、Tyの値を有するY軸に沿った平行移動(図1d参照)、及び/又はRzの角度を有するZ軸のまわりの回転(図1b参照)に起因し得ることを示す。
レンズの2面間の位置決め誤差に対する製造光学レンズの光学機能の感度は、いくつかある特徴の中で特に仕上げ面の設計のタイプに依存する。
眼用レンズの光学設計の複雑性は近年増加を有しており、特に、光学設計は装着者の様々なパラメータに応じてますますカスタム化されている。このようなカスタム化は様々なタイプの半製品レンズブランクの数の増加につながり得る。多くのタイプの半製品レンズブランクの製造と保管は眼用レンズの全体コストを引き上げる。
要求される半製品レンズのタイプの数を低減しようとして、全仕上げ面にわたる球面度数の連続的段階的変化を含む仕上げ面を有する半製品レンズブランクを製造するアイデアも考えられている。このような半製品レンズは任意のタイプの光学機能へ適合化されることになり、光学機能は対向面の設計を適合化することにより提供される。
しかし、本発明者らは、仕上げ面のこのような設計が製造方法を位置決め誤差に対して非常に敏感にすることを観測した。換言すれば、対向面を製造する際、2つの対向面間の位置の小さな誤差が製造光学レンズの全体光学機能に大きな影響を及ぼし得る。
ISO8980−2などの適用可能な製造規格によると、完成レンズは遠方視制御点において0.12Dの非点収差公差を有する。この要件は、すべての潜在的誤差要因が考慮された後に満たされなければならない。位置ずれは、ただ1つのこのような潜在的誤差要因である。累進レンズを製造する従来の研究所では、従来のレンズ仕上げ方法を著しく変更することなく位置合せ精度を最小化することが困難である。その結果、最終レンズの収率は、仕上げ面全体にわたる球面度数の連続的段階的変化を有する半製品レンズブランクを使用する際に著しく低減される。
本発明の目的は、このような欠点を提示しない眼用レンズ、特に、レンズの2面間に起こり得る位置決め誤差に対してより頑強な眼用レンズを提供することである。
本発明による眼用レンズは光学的関心ゾーンを含む第1の面を有し、光学的関心ゾーンは少なくとも、
− 遠方視制御点と、
− 近方視制御点と、
− 光学的関心ゾーンの一端から始まり、遠方視及び近方視制御点を通り、光学的関心ゾーンの反対端で終わる主線(main line)と
を含み、主線は、平均球面(mean sphere)の連続的増加の第1の部分を一端に、他端に平均球面の連続的増加の第2の部分を含み、第1及び第2の部分は安定化平均球面(stabilized mean sphere)の第3の部分により分離される。
有利には、安定化平均球面の部分を連続的増加の2つの部分間に有することで、眼用レンズの全体光学機能を眼用レンズの2つの対向面間の位置決め誤差に対してより頑強にする。
さらに、本発明による眼用レンズは、特に眼用レンズの前面が逆進性である場合に、従来の累進眼用レンズと比較して眼用レンズ全体の歪みを低減できるようにする。
本発明による眼用レンズの累進性は従来技術の眼用レンズより滑らかであるため、及び本発明による眼用レンズの加入度度数(addition power)は前面と後面間で分担されるため、いずれの面も片側設計眼用レンズほど著しくは突出しない。
本発明による眼用レンズは、累進性がより滑らかであるため、従来技術の眼用レンズより製造するのが容易である。単独で又は組み合わせで考えられ得る別の実施形態によると、
− 安定化平均球面の第3の部分は少なくとも遠方視制御点又は近方視制御点を含み、及び/又は
− 光学的関心ゾーンはさらに、第3の部分を含むとともに少なくとも第3の部分内の主線の方向に垂直な方向に安定化平均球面値を有する安定化平均球面のゾーンを含み、及び/又は
− 第1及び第2の部分の平均球面の連続的増加は厳密に単調増加であり、及び/又は
− 主線は平均球面の連続的増加の第4の部分と安定化平均球面の第5の部分とを含み、第1〜第5の部分は、平均球面の連続的増加の2つの部分が安定化平均球面のゾーンにより分離されるように主経線に沿って分散され、及び/又は
− 第3の部分は少なくとも遠方視制御点を含み、第5の部分は少なくとも近方視制御点を含み、及び/又は
− 光学的関心ゾーンは、少なくとも10mmの距離の主線に沿った遠方視制御点から、及び少なくとも8mmの距離の近方視制御点から延び、及び/又は
− 安定化平均球面の部分は4mm以上の長さを有し、その部分内の平均球面の変動はその部分にわたる平均球面の平均値から±0.06D以下であり、平均球面の連続的増加の部分は厳密に0.03D/mmより大きな勾配を有し、及び/又は
− 光学的関心ゾーンの平均球面は光学的関心ゾーンの上部から光学的関心ゾーンの底部へ増加し、及び/又は
− 平均球面は平均球面の連続的増加の部分内の主線に沿って線型に増加し、及び/又は
− 眼用レンズは、光学レンズの第1の面の反対側に第2の面を含み、第2の面は未仕上げ面であり、及び/又は
− 眼用レンズは、光学レンズの第1の面の反対側に第2の面を含み、第1の面及び第2の面は装着者の処方を提供するように配置される。
本発明はさらに、装着者へ眼用レンズを提供する方法に関する。本方法は、
− 少なくとも装着者の処方を含む装着者データが提供される装着者データ提供工程と、
− 本発明に従って眼用レンズが提供される眼用レンズブランク提供工程と、
− 眼用レンズが少なくとも装着者データに従って機械加工される製造工程と
を含む。
別の態様によると、本発明は、プロセッサにアクセス可能な1つ又は複数の格納された一連の命令であって、プロセッサにより実行されるとプロセッサに本発明による方法の工程を実行させる1つ又は複数の格納された一連の命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
本発明はさらに、本発明によるコンピュータプログラム製品の1つ又は複数の一連の命令を担持するコンピュータ可読媒体に関する。
さらに、本発明はコンピュータに本発明の方法を実行させるプログラムに関する。
本発明はまた、その上に記録されたプログラムであってコンピュータに本発明の方法を実行させるプログラムを有するコンピュータ可読記憶媒体に関する。
本発明はさらに、1つ又は複数の一連の命令を格納し本発明による方法の工程の少なくとも1つを行うように適応化されたプロセッサを含む装置に関する。
特記しない限り、以下の論述から明らかなように、本明細書を通して、「計算する」などの用語を使用する論述は、コンピュータシステムのレジスタ及び/又はメモリ内の電子的量などの物理量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ、又は他のこのような情報記憶装置、送信装置、又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに操作及び/又は変換するコンピュータ又はコンピュータシステム又は同様の電子計算装置の動作及び/又は処理を指すことが理解される。
本発明の実施形態は本明細書における動作を行う装置を含み得る。この装置は、所望の目的のために特に構築され得る、又はコンピュータ内に格納されたコンピュータプログラムにより選択的に活性化又は再構成される汎用コンピュータ又はディジタル信号処理装置(DSP:Digital Signal Processor)を含み得る。このようなコンピュータプログラムは、限定しないが、フロッピーディスク(登録商標)、光ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、読み出し専用メモリ(ROM:read−only memories)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memories)、電気的プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM:electrically programmable read−only memories)、電気的消去可能及びプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM:electrically erasable and programmable read only memories)、磁気又は光カード、又は電子的命令を格納するのに好適でありかつコンピュータシステムバスに結合できる任意の他のタイプの媒体を含む任意のタイプのディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体内に格納され得る。
本明細書に提示される処理と表示は、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的には関連付けられない。様々な汎用システムが本明細書の教示に従ってプログラムと共に使用され得る、又は様々な汎用システムは所望の方法を実行するようにより専用化された装置を構築するのに好都合であることが分かり得る。多種多様のこれらのシステムの所望の構造は以下の説明から分かる。加えて、本発明の実施形態はいかなる特定のプログラミング言語も参照して記述されない。本明細書に記載される本発明の教示を実施するために様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解される。
本発明の実施形態について、一例として、以下の添付図面を参照し次に説明する。
眼用レンズの前面と後面間の位置ずれを描写する。 眼用レンズの前面と後面間の位置ずれを描写する。 眼用レンズの前面と後面間の位置ずれを描写する。 眼用レンズの前面と後面間の位置ずれを描写する。 TABO規定におけるレンズの非点収差軸γを示す。 非球面を特徴付けるために使用される規定における円筒軸γAXを示す。 任意軸に沿った局所球面を示す。 ガウス公式による局所球面値の変動の例示である。 マイクロマーキングを有する面とマイクロマーキングを有しない面それぞれに対するマイクロマーキングに関して定義された基準点を示す。 マイクロマーキングを有する面とマイクロマーキングを有しない面それぞれに対するマイクロマーキングに関して定義された基準点を示す。 眼とレンズの光学系を図式的に示す。 眼とレンズの光学系を図式的に示す。 眼の回転中心からの光線追跡を示す。 レンズの視野ゾーンを示す。 レンズの視野ゾーンを示す。 本発明によるレンズの一般的プロファイル図である。 従来技術の眼用レンズの第1の面に関する、遠方視制御点における平均球面値からの平均球面値、最小球面値、及び最大球面値の主経線に沿った偏差のプロファイルを示す。 遠方視制御点及び円筒それぞれにおける平均球面値からの平均球面値の偏差の図14aに関連する第1のレンズ面全体のマップである。 遠方視制御点及び円筒それぞれにおける平均球面値からの平均球面値の偏差の図14aに関連する第1のレンズ面全体のマップである。 本発明の実施形態による眼用レンズの第1の面に関する、遠方視制御点における平均球面値からの平均球面値、最小球面値、及び最大球面値の主経線に沿った偏差のプロファイルを示す。 遠方視制御点及び円筒それぞれにおける平均球面値からの平均球面値の偏差の図15aに関連する第1のレンズ面全体のマップである。 遠方視制御点及び円筒それぞれにおける平均球面値からの平均球面値の偏差の図15aに関連する第1のレンズ面全体のマップである。 本発明の実施形態による眼用レンズの第1の面に関する、遠方視制御点における平均球面値からの平均球面値、最小球面値、及び最大球面値の主経線に沿った偏差のプロファイルを示す。 遠方視制御点及び円筒それぞれにおける平均球面値からの平均球面値の偏差の図16aに関連する第1のレンズ面全体のマップである。 遠方視制御点及び円筒それぞれにおける平均球面値からの平均球面値の偏差の図16aに関連する第1のレンズ面全体のマップである。 本発明の一実施形態による眼用レンズの第1の面に関する、遠方視制御点における平均球面値からの平均球面値の主経線に沿った偏差のプロファイルを示す。 レンズ製造者により印加される一時的マーキングを有するレンズを示す。 光学的関心ゾーンと、本発明による光学レンズの遠方視ゾーン及び近方視ゾーンとを示す。
表1及び2は、眼用レンズの2面の位置ずれの影響の比較対照表である。
添付図面内の要素は簡略化と明確化のために示され必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、添付図面内の要素のいくつかの寸法は、本発明のいくつかの実施形態の理解を深めるのを支援するために他の要素に対して誇張されることがある。
本発明の文脈では、用語「眼用レンズ」は、未切断レンズ、半製品レンズ、又は装着者に適合化された眼鏡レンズを指し得る。
累進レンズは、少なくとも1つ、好ましくは2つの非回転対称非球面、例えばこれらに限定しないが累進面、逆進面、トーリック又は非トーリック面を含む。
知られているように、最小曲率CURVminは次式により非球面上の任意の点において定義される。
Figure 2016502155
ここで、Rmaxはメートルで表される局所最大曲率半径であり、CURVminはジオプターで表される。
同様に、最大曲率CURVmaxは、次式により非球面上の任意の点において定義され得る。
Figure 2016502155
ここで、Rminはメートルで表される局所最小曲率半径であり、CURVmaxはジオプターで表される。
面が局所的に球状である場合は局所最小曲率半径Rminと局所最大曲率半径Rmaxは同じであり、したがって最小曲率CURVminと最大曲率CURVmaxもまた同一であることが分かる。面が非球面である場合、局所最小曲率半径Rminと局所最大曲率半径Rmaxは異なる。
これらの最小曲率CURVminと最大曲率CURVmaxの式から、SPHminとSPHmaxと標記される最小球面と最大球面が、考察される面の種類に従って導出され得る。
考察される面が目標物側面(前面とも称する)である場合、式は次のようになる。
Figure 2016502155
ここで、nはレンズの構成材料の指標である。
考察される面が眼球側面(後面とも称する)であれば、式は次のようになる。
Figure 2016502155
ここで、nはレンズの構成材料の指標である。
よく知られているように、非球面上の任意の点における平均球面SPHmeanもまた、次のように定義され得る。
Figure 2016502155
したがって、平均球面の式は考察される面に依存する。
− 面が目標物側面であれば、
Figure 2016502155
− 面が眼球側面であれば、
Figure 2016502155
− 円筒CYLもまた次式により定義される。
CYL=|SPHmax−SPHmin
レンズの任意の非球面の特性は局所平均球面と円筒により表され得る。
非球面については、局所円筒軸γAXがさらに定義され得る。図2は、TABO規定において定義される非点収差軸γを示す。図3は、非球面を特徴付けるように定義された規定における円筒軸γAXを示す。
円筒軸γAXは、基準軸に対する及び選択された回転方向における最大曲率CURVmaxの配向の角度である。上に定義された規則では、装着者を見て、基準軸は水平であり(この基準軸の角度は0°)、回転方向は各眼の反時計回りである(0°≦γAX≦180°)。したがって、+45°の円筒軸γAXの軸値は、装着者を見て斜めに配向された軸を表し、右上象限から左下象限まで延びる。
加えて、局所円筒軸γAXの値の知識に基づき、ガウス公式は、図3で定義された基準における所与の角度である任意の軸θに沿った局所球面SPHを表せるようにする。軸θを図4に示す。
SPH(θ)=SPHmaxcos(θ−γAX)+SPHminsin(θ−γAX
予想通り、ガウス公式を使用すると、SPH(γAX)=SPHmax、及びSPH(γAX+90°)=SPHminである。
図5は、対象面の点の例のこのような変動の図である。これは曲線22である(この図で描写された他の曲線の説明については以下に記載する。)。この具体的なケースでは、最大球面は7.0δ、最小球面は5.0δ、γAX=65°である。
ガウス公式はまた、次のように各軸に沿った曲率CURVが水平軸と角度eをなすように曲率で表される。
CURV(θ)=CURVmaxcos(θ−γAX)+CURVminsin(θ−γAX
したがって、面は、最大球面SPHmax、最小球面SPHmin、円筒軸γAXにより構成されるトリプレットにより局所的に定義され得る。又は、トリプレットは、平均球面SPHmean、円筒CYL、円筒軸γAXにより構成され得る。
レンズがその非球面の1つを参照することにより特徴付けられる場合はいつでも、基準はマイクロマーキングを有する面とマイクロマーキングを有しない面それぞれに対し、図6と図7に示すマイクロマーキングに関して定義される。
累進レンズは統合規格ISO8980−2により義務付けられたマイクロマーキングを含む。図18に概略的に表されるように、例えば遠方視と近方視用などのレンズ上のジオプター測定位置(時には制御点と呼ばれる)、プリズム基準点とフィッティング十字を示す一時的マーキングがレンズの面に印可され得る。用語遠方視制御点及び近方視制御点により本明細書で参照されるものは、レンズ製造者により提供されるFV及びNV一時的マーキングそれぞれの、レンズの第1の面上の正射影に含まれる点の任意の1つであり得ることを理解すべきである。一時的マーキングが存在しない又は消去されている場合、当業者は実装図と恒久的マイクロマーキングを使用することによりレンズ上にこのような制御点を配置することが常に可能である。
マイクロマーキングはまた、レンズの両面の基準を定義できるようにする。
図6は、マイクロマーキングを有する面の基準を示す。面の中心(x=0,y=0)は、面に対する法線Nが2つのマイクロマーキングを結ぶ線分の中心と交差する面の点である。MGは2つのマイクロマーキングにより定義される共線ユニタリベクトルである。基準のベクトルZはユニタリ法線(Z=N)に等しく、基準のベクトルYはZとMGとのベクトル積に等しく、基準のベクトルXはYとZとのベクトル積に等しい。したがって、{X,Y,Z}は正規直交三面体を形成する。基準の中心は面の中心x=0mm、y=0mmである。図3に示すように、X軸は水平軸であり、Y軸は垂直軸である。
図7に、マイクロマーキングを有する面に対向する面の基準を示す。第2の面の中心(x=0,y=0)は、第1の面上の2つのマイクロマーキングを結ぶ線分の中心と交差する法線Nが第2の面と交差する点である。第2の面の基準は第1の面の基準と同じ方法で構築される、すなわち、ベクトルZは第2の面のユニタリ法線に等しく、ベクトルYはZとMGとのベクトル積に等しく、ベクトルXはYとZとのベクトル積に等しい。第1の面に関しては、図3に示すように、X軸は水平軸でありY軸は垂直軸である。面の基準の中心もまたx=0mm、y=0mmである。
同様に、半仕上げレンズブランク上では、規格ISO10322−2はマイクロマーキングが印可されることを要求する。したがって、上述のような基準だけでなく半仕上げレンズブランクの非球面の中心が判断され得る。
さらに、累進多焦点レンズはまた、レンズを装着する人の状況を考慮して、光学特性により定義され得る。
図8と図9は、目とレンズの光学系の概略図であり、したがって本明細書で使用される定義を示す。より正確には、図8は、注視方向を定義するために使用されるパラメータα、βを示すこのような系の斜視図を表す。図9は、装着者の頭の前後軸に平行な鉛直面であって、パラメータβが0に等しいときの眼の回転中心を通る鉛直面の図である。
眼の回転中心はQ’と標記される。図9に鎖線で示された軸Q’Fは、眼の回転中心を通り装着者の前に延びる水平軸である、すなわち主注視視野に対応する軸Q’Fである。この軸は、眼鏡屋によるフレーム内のレンズの位置決めを可能にするためにレンズ上に存在するフィッティング十字(fitting cross)と呼ばれる点上のレンズの非球面と交わる。レンズの裏面と軸Q’Fの交点が点Oである。裏面に位置する場合、Oはフィッティング十字になりえる。中心Q’と半径q’の頂点球(apex sphere)は水平軸の一点でレンズの裏面と接する。例として、25.5mmの半径q’の値は標準値に対応し、レンズを装着する際に満足な結果を与える。
所与の注視方向(図8上の実線により表される)は、Q’のまわりの回転における眼の位置と頂点球の点Jとに対応する、角度βは軸Q’Fと軸Q’Fを含む水平面上の直線Q’Jの投影との成す角度であり、この角度は図8上の図式上に現われる。角度αは、軸Q’Jと軸Q’Fを含む水平面上の直線Q’Jの投影との成す角度であり、この角度は図8と図9の図式上に現われる。したがって、所与の注視視野(gaze view)は頂点球の点J又は組(α,β)に対応する。下向き注視角の値が正になればなるほど注視はより下向きとなり、同値が負になればなるほど注視視野は上向きとなる。
所与の注視方向において、所与の物体距離に位置する物体空間内の点Mの像は、最小距離JSと最大距離JT(サジタル(sagittal)局所焦点距離と接線方向(tangential)局所焦点距離)に対応する2点SとTとの間に形成される。無限大における物体空間内の点の像は点F’に形成される。距離Dはレンズの後側正面に対応する。
エルゴラマ(ergorama)は、物点の標準距離と各注視方向とを関連付ける関数である。通常、主注視方向に従う遠方視において物点は無限大にある。鼻側方向に絶対値で35°程度の角度αと5°程度の角度βとにほぼ対応する注視方向に従う近方視では物体距離は30〜50cm程度である。エルゴラマの考えられる定義に関する詳細については、米国特許第A−6,318,859号明細書を考慮し得る。この文書は、エルゴラマ、その定義、そのモデリング方法について説明している。本発明の方法に関しては、点は無限遠にあっても、無くてもよい。エルゴラマは装着者の屈折異常に応じ得る。
これらの要素を使用して、各注視方向における装着者屈折力及び非点収差を定義することが可能である。エルゴラマにより与えられる物体距離における物点Mには、注視方向(α,β)が考慮される。物体近接度(object proximity)ProxOは、頂点球の点Mと点J間の距離MJの逆数として物体空間内の対応する光線上の点Mに対して定義される。
ProxO=1/MJ
これにより、物体近接度を、エルゴラマの判断に使用されるこの頂点球のすべての点の薄肉レンズ近似内で計算することができるようになる。実際のレンズについては、物体近接度は、対応する光線上の物点とレンズの前面間の距離の逆数として考えることができる。
同じ注視方向(α,β)については、所与の物体近接度を有する点Mの像は、最小焦点距離と最大焦点距離(サジタル焦点距離と接線方向焦点距離)にそれぞれ対応する2点SとTとの間に形成される。量ProxIは点Mの像近接度と呼ばれる:
Figure 2016502155
したがって、薄肉レンズの場合との類推により、所与の注視方向と所与の物体近接度に対して(すなわち、対応する光線上の物体空間の点に対して)、像近接度と物体近接度の合計としての屈折力Puiを定義することができる。
Pui=ProxO+ProxI
同じ表記により、非点収差Astは、あらゆる注視方向と所与の物体近接度に対して次のように定義される。
Figure 2016502155
この定義は、レンズにより生成される光線ビームの非点収差に対応する。上記定義は主注視方向における非点収差の古典的値を与えることに注意すべきである。通常は軸と呼ばれる非点収差角度は角度γである。角度γは眼にリンクされた座標系{Q’,xm,ym,zm}において測定される。角度γは、像S又はTが面{Q’,zm,ym}内の方向zmに関して使用される規定に依存して形成される角度に対応する。
したがって、装着条件における屈折力とレンズの非点収差の可能な定義は、B.Bourdoncleらによる論文“Ray tracing through progressive ophthalmic lenses”,1990 International Lens Design Conference,D.T.Moore ed.,Proc.Soc.Photo.Opt.Instrum.Eng.に記載されるように計算され得る。標準的装着条件は、特には+8°の装用時前傾角(pantoscopic angle)、12mmのレンズ−瞳距離、13.5mmの瞳−眼回転中心、及び0°のそり角(wrap angle)により定義される標準的装着者の眼に対するレンズの位置と理解されるべきである。装着時前傾角は、第一眼位における眼鏡レンズの光軸と眼の視軸間の垂直面内の角度であり、通常水平となるように取られる。そり角は、第一眼位における眼鏡レンズの光軸と眼の視軸間の水平面内の角度であり、通常水平となるように取られる。他の条件も使用され得る。装着条件は所与のレンズに対する光線追跡プログラムから計算され得る。さらに、屈折力及び非点収差は、処方が、装着条件で眼鏡を装着する装着者に関する基準点(すなわち、遠方視における制御点)において満たされる、又はフロントフォコメータ(frontofocometer)によって測定されるかのいずれかとなるように、計算され得る。
図10は、パラメータαとβが非零である構成の斜視図を表す。したがって、固定座標系{x,y,z}と目にリンクされた座標系{x,y,z}とを示すことにより眼の回転の影響を示すことができる。座標系{x,y,z}は点Q’にその原点を有する。軸xは軸Q’Oであり、レンズから目方向に向けられる。y軸は垂直であり、上方に向けられる。z軸は、座標系{x,y,z}が正規直交となるようにされる。座標系{x,yzm}は目にリンクされ、その中心は点Q’である。x軸は注視方向JQ’に対応する。したがって、主注視方向に関し、2つの座標系{x,y,z}と{x,y,z}は同じである。レンズの特性は、いくつかの異なる方法で、特に面において、及び光学的に表現し得ることが公知である。それゆえ、面特性評価は、光学的特性評価と等しい。ブランクの場合、面特性評価のみを使用し得る。光学的特性評価は、レンズが装用者の処方に機械加工されていることを必要とすることを理解する必要がある。対照的に、眼科用レンズの場合、特性評価は、面又は光学的な事項であり、両特性評価によって、2つの異なる視点から同じ物体を説明することができる。レンズの特性評価が光学的な事項であるときはいつでも、上述のエルゴラマ−眼−レンズ系を指す。簡単にするために、説明では用語「レンズ」を使用するが、これは、「エルゴラマ−眼−レンズ系」として理解する必要がある。面のそれぞれの項目の値はそれぞれの点に対して表し得る。点は、図3、図6及び図7に関して上に定義されたような座標系における横座標又は縦座標の助けを借りて配置される。
光学的なそれぞれの項目の値はそれぞれの視線方向に対して表し得る。注視方向は、その原点が眼の回転中心である座標系におけるそれらの下向きの度合いと方位角とにより与えられる。レンズが眼の前に適用される場合、フィッティング十字と呼ばれる点が瞳の前又は主注視方向の眼の回転中心Q’の前に配置される。主注視方向は、装着者が真直ぐ見ている状況に対応する。したがって、選択された座標系において、フィッティング十字は、フィッティング十字がレンズのどの面(裏面又は前面)に配置されたとしても0°の俯角αと0°の方位角βとに対応する。
図8〜10を参照してなされた上記説明は中心視に対してなされた。周辺視では、注視方向が固定されるので、瞳の中心が眼の回転中心の代わりと考えられ、周辺光線方向が注視方向の代わりと考えられる。周辺視を考慮する場合、角度αと角度βが注視方向の代わりに光線方向に対応する。
明細書の残りの部分では、「上」、「底」、「水平」、「垂直」、「の上」、「の下」、又は相対位置を示す他の単語のような用語が使用されることがある。これらの用語はレンズの装着条件において理解されるものとする。特に、レンズの「上側」部分は負の俯角α<0°に対応し、レンズの「下側」部分は正の俯角α>0°に対応する。同様に、レンズ又は半仕上げレンズブランクの面の「上側」部分はy軸に沿った正値(好適には、フィッティング十字におけるy_valueより上のy軸に沿った値)に対応し、レンズ又は半仕上げレンズブランクの面の「下側」部分は、図3、図6及び図7に関して上に定義されたような座標系におけるy軸に沿った負値(好適には、フィッティング十字におけるy_valueを下回るy軸に沿った値)に対応する。
レンズを通して見られる視野ゾーンは、図11と図12に概略的に示される。レンズは、レンズの上部にある遠方視ゾーン26と、レンズの下部にある近方視ゾーン28と、遠方視ゾーン26と近方視ゾーン28間のレンズの下部に位置する中間領域30とを含む。レンズはまた、3つのゾーンを通り、鼻側と側頭側を定義する主線32を有する。
経線と呼ばれるこの主線はレンズの上端と下端を結び、遠方視制御点、フィッティング十字、プリズム基準点、及び近方視制御点を連続的に通過する。
レンズは、レンズを通る装着者の主注視方向の走査が経線を定義するように、装着者の眼の前に配置される。この経線は、主注視方向とレンズの面との交差点の軌跡に対応する。図13に表すように、眼用レンズは第1の面F1と、第1の面F1に対向する第2の面F2とを含む。これらの2つの面間には、通常は均質である屈折透明媒体が構成される。レンズは、2つの面F1とF2が最終的形状を有する完成眼鏡であり得る。
第1の面は光学的関心ゾーンを含み、光学的関心ゾーンは少なくとも、
− 遠方視制御点FVと、
− 近方視制御点NVと、
− 光学的関心ゾーンの一端から始まり、遠方視及び近方視制御点を通り、光学的関心ゾーンの反対端で終わる主線Mと
を含む。
図19に示すように、光学的関心ゾーンは、少なくとも10mmの距離Lの主線に沿った遠方視制御点から、及び少なくとも8mmの距離Lの近方視制御点から延び得る。
図14a、図15a、図16a、図17の図は、様々な眼用レンズの第1の面に関する遠方視制御点における球面値からの平均球面値(太線)と最小球面値及び最大球面値(点線)のプロファイルを示す。
図14aの図は従来技術の眼用レンズに対応する。図15a、図16a、図17の図は本発明による眼用レンズの例に対応する。
図14aに示すように、主線Mに沿った平均球面は安定ゾーン無しに連続的に増加する。
一方、図15aと図16aに示すように、主線Mは、平均球面の連続的増加の第1の部分S1を一端に、かつ他端に平均球面の連続的増加の第2の部分S2を含み、第1及び第2の部分は安定化平均球面の第3の部分S3により分離される。
本発明の一実施形態によると、安定化平均球面の部分は4mm以上の長さを有し、その部分内の平均球面の変動は、その部分にわたる平均球面の平均値から±0.06D以下、例えばその部分にわたる平均球面の平均値から±0.04D以下である。
平均球面の連続的増加の部分は、厳密に0.03D/mmより大きな(例えば、厳密に0.02D/mmより大きな)勾配を有する。
図15aに示すように安定ゾーンS3は遠方視制御点を含む。図16aに示すように安定ゾーンS3は近方視制御点を含む。
図17に表された別の実施形態によると、主線Mはさらに、平均球面の連続的増加の第4の部分S4と安定化平均球面の第5の部分S5を含み得、第1〜第5の部分は、平均球面の連続的増加の2つの部分が安定化平均球面のゾーンにより分離されるように、主経線に沿って分散される。好適には、第3の部分S3は少なくとも遠方視制御点FVを含み、第5の部分S5は少なくとも近方視制御点NVを含む。
図15a、図16a、図17に示すように、増加部分(S1、S2、S4)の連続的増加は、好適には厳密に単調で線形であり、光学的関心ゾーンの上部から光学的関心ゾーンの底部へ増加する。
図15bと図16bは、遠方視制御点における平均球面値からの平均球面値の偏差の図15aと図16aに関連する第1のレンズ面全体のマップである。これらのマップのそれぞれは対応レンズの周端部により制限され、レンズの後面の各点の平均球面値を示す。これらのマップ上に生成された線は、同じ平均球面値に対応する各レンズの後面の点を結んだ等球面線である。この値は、確かにこれらの線のジオプターで与えられる。
同様に、図15cと図16cは円筒マップである。その上に生成された線は、同じ円筒値に対応する各レンズの後面の点を結んだ等円筒線である。
図15bと図16bに現われるように、光学的関心ゾーンはさらに、第3の部分S3を含むとともに少なくとも第3の部分内の主線の方向に垂直な方向に安定化平均球面値を有する安定化平均球面のゾーンを含む。
図19に示すように、安定化平均球面のゾーンは基準幅「a」と基準高「b」により定義され得、FV又はNV制御点は、基準距離「a」と基準距離「b」により定義された安定化領域のそれぞれの部分を中心とする。
遠方視制御点を含む球状領域の第1の部分に関して、基準距離「a」は、製造方法に起因するレンズのX軸方向の位置ずれ誤差(Tx)の2倍より大きくなるように設定され得、基準距離「b」は製造方法に起因するレンズのY軸方向の位置ずれ誤差(Ty)の2倍より大きくなるように設定される。近方視制御点を含む球状領域の第2の部分に関して、基準距離「a」は位置ずれ誤差(Tx)の2倍より大きく、基準距離「b」は位置ずれ誤差(Ty)の2倍より大きい。
本発明者らは、本発明による眼用レンズのX及びY軸方向の位置ずれに対する感度を図14a、図14b、図14cに示された従来技術の眼用レンズと比較した。
本発明者らは、図14、図15、図16に表される面それぞれに対応する第1の面を有する標準設計により、処方plano/ADD 2.00に対応する眼用レンズをシミュレーションした。X及びY軸方向の様々な位置ずれが導入され、眼用レンズの最終光学機能へのこのような位置ずれの影響が評価された。
表1は、2つのタイプの眼用レンズO1とO2の遠方視制御点における屈折力の値を示す。O1は、図14に表されたような第1の面を有する従来技術の眼用レンズに対応する。O2は、図15に表されたような第1の面を有する本発明による眼用レンズに対応する。各眼用レンズはY軸方向の様々な位置ずれでシミュレーションされた。
Figure 2016502155
表2は、2つのタイプの眼用レンズO1とO3の近制御点における屈折力の値を示す。O1は、図14に表されたような第1の面を有する従来技術の眼用レンズに対応する。O3は、図16に表されたような第1の面を有する本発明による眼用レンズに対応する。各眼用レンズはX軸方向の様々な位置ずれでシミュレーションされた。
Figure 2016502155
表1と表2に示すように、本発明による眼用レンズは従来技術の眼用レンズより位置ずれに対して頑強である。したがって、本発明による眼用レンズはより容易に製造され得、位置ずれ問題に起因する不合格眼用レンズの率を低減し得る。さらに、近方及び遠方視制御点における補正という意味での装着者のニーズに、より正確に対応し得る。
単に一例として記載された先の例示的実施形態であって、もっぱら添付の特許請求の範囲により判断される本発明の範囲を限定するように意図されていない先の例示的実施形態を参照することにより当業者は多くの修正形態及び変形形態を認識することになる。
特許請求の範囲において、用語「含む」は他の要素又は工程を排除せず、不定冠詞は複数の要素を排除しない。異なる特徴が相互に異なる従属請求項で列挙されるという単純な事実は、これらの特徴の組み合わせが有利には使用され得ないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。

Claims (15)

  1. 光学的関心ゾーンを含む第1の面を有する眼用レンズであって、前記光学的関心ゾーンは少なくとも、
    − 遠方視制御点(FV)と、
    − 近方視制御点(NV)と、
    − 前記光学的関心ゾーンの一端から始まり、前記遠方視及び近方視制御点を通り、前記光学的関心ゾーンの反対端で終わる主線(M)と
    を含み、前記主線(M)は、平均球面の連続的増加の第1の部分(S1)を一端に、かつ他端に平均球面の連続的増加の第2の部分(S2)を含み、前記第1及び第2の部分は安定化平均球面の第3の部分(S3)により分離される、眼用レンズ。
  2. 前記安定化平均球面の前記第3の部分(S3)は少なくとも前記遠方視制御点(FV)又は前記近方視制御点(NV)を含む、請求項1に記載の眼用レンズ。
  3. 前記光学的関心ゾーンはさらに、前記第3の部分(S3)を含むとともに少なくとも前記第3の部分(S3)内の前記主線の方向に垂直な方向に安定化手段球面値を有する安定化平均球面のゾーンを含む、請求項1又は2に記載の眼用レンズ。
  4. 前記第1及び第2の部分の平均球面の前記連続的増加は厳密に単調増加である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  5. 前記主線(M)は平均球面の連続的増加の第4の部分(S4)と安定化平均球面の第5の部分(S5)とを含み、前記第1〜第5の部分は、前記平均球面の連続的増加の2つの部分が安定化平均球面のゾーンにより分離されるように前記主経線に沿って分散される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  6. 前記第3の部分(S3)は少なくとも前記遠方視制御点(FV)を含み、前記第5の部分(S5)は少なくとも前記近方視制御点(NV)を含む、請求項5に記載の眼用レンズ。
  7. 前記光学的関心ゾーンは、少なくとも10mmの距離の前記主線に沿った前記遠方視制御点から、及び少なくとも8mmの距離の前記近方視制御点から延びる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  8. 安定化平均球面の部分は4mm以上の長さを有し、前記部分内の平均球面の変動は前記部分にわたる前記平均球面の平均値から±0.06D以下であり、平均球面の連続的増加の部分は厳密に0.03D/mmより大きな勾配を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  9. 前記光学的関心ゾーンの前記平均球面は前記光学的関心ゾーンの上部から前記光学的関心ゾーンの底部へ増加する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  10. 平均球面は平均球面の連続的増加の前記部分内の前記主線に沿って線型に増加する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  11. 前記眼用レンズは、前記光学レンズの前記第1の面の反対側に第2の面を含み、前記第2の面は未仕上げ面である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  12. 前記眼用レンズは前記光学レンズの前記第1の面の反対側に第2の面を含み、前記第1の面及び前記第2の面は装着者の処方を提供するように配置される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  13. 装着者へ眼用レンズを提供する方法であって、
    − 少なくとも前記装着者の処方を含む装着者データが提供される装着者データ提供工程と、
    − 請求項11に従って光学レンズが提供される眼用レンズブランク提供工程と、
    − 前記眼用レンズが少なくとも前記装着者データに従って機械加工される製造工程と
    を含む方法。
  14. プロセッサにアクセス可能な1つ又は複数の格納された一連の命令であって、前記プロセッサにより実行されると前記プロセッサに請求項13の工程を実行させる1つ又は複数の格納された一連の命令を含むコンピュータプログラム製品。
  15. 請求項14に記載のコンピュータプログラム製品の1つ又は複数の一連の命令を担持するコンピュータ可読媒体。
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