JP2016225441A - 磁性素子 - Google Patents

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【課題】ポット形のインダクタ等のようにコイルを磁性体で覆う形状の磁性素子において、冷却性能に優れ、発熱を抑えることができる磁性素子を提供する。【解決手段】磁性素子であるインダクタ1は、巻線を巻回してなるコイル5と、コイル5が内部に配置され、コイル5によって生じる磁束を通す磁性体2とを備え、磁性体2は、コイル5の外径側を覆う磁性体外径部に、磁性素子を空冷するための空冷部を有し、この空冷部は磁性体外径部を貫通する孔構造であるスリット7からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、磁性体の周囲にコイルを巻回した磁性素子であって、インダクタ、トランス、アンテナ(バーアンテナ)、チョークコイル、フィルタ、センサ等として電気機器あるいは電子機器に使用される磁性素子に関する。特に、コイル周囲を磁性体で囲んだポット形インダクタに関する。
近年、電気・電子機器の高周波数化、大電流化が進む中で、磁性素子にも同様の対応が求められているが、現在磁性体として主流のフェライト材料では材料特性そのものが限界にきており、新たな磁性体材料が模索されている。例えば、フェライト材料は、センダストやアモルファスなどの圧縮成形磁性材料やアモルファス箔帯等に置き換えられつつある。しかし、上記圧縮成形磁性材料は成形性が悪く、焼成後の機械的強度も低い。また、上記アモルファス箔帯は巻線・切断・ギャップ形成から製造コストが高くなる。このため、これら磁性材料の実用化が遅れている。
成形性の悪い磁性粉末を使用してバリエーションのある形状や特性を有する小型で安価な磁性コア部品の製造方法を提供するものとして特許文献1が提案されている。特許文献1では、射出成形に用いる樹脂組成物に含まれる磁性粉末を絶縁材で被覆し、圧縮成形磁性体および圧粉磁石成形体のいずれかを上記樹脂組成物中にインサート成形し、圧縮成形磁性体あるいは圧粉磁石成形体が射出成形温度よりも低い融点を持つ結着剤を含有する、所定の磁気特性を有するコア部品を射出成形により製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特許第4763609号公報
磁性素子は、磁束漏れを小さくすることや、その体格を小さくすることが要求されている。例えば、開磁路のドラム形コアに対して、閉磁路となるポット形インダクタは、磁束漏れが小さく、体格も小さくすることができる。これは、ポット形インダクタが、コイルを覆うように磁路を設けていること、および、コイル内径側の磁性体の半径に比べてコイル外径側の磁性体の肉厚が薄くなること等による。上記特許文献1では、種々の形状を実現できるため、コイルを覆うような磁性体形状も形成可能である。
しかしながら、このような閉磁路となるポット形インダクタでは、コイルとコアの隙間に樹脂を充填しない場合、コイル周辺に空気の流れがほとんど発生しないため、冷却面で不利となる。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、ポット形のインダクタ等のようにコイルを磁性体で覆う形状の磁性素子において、冷却性能に優れ、発熱を抑えることができる磁性素子の提供を目的とする。
本発明の磁性素子は、巻線を巻回してなるコイルと、該コイルが内部に配置され、該コイルによって生じる磁束を通す磁性体とを備えた磁性素子であって、上記磁性体は、上記コイルの外径側を覆う磁性体外径部に、該磁性素子を空冷するための空冷部を有し、該空冷部は該磁性体外径部を貫通する孔構造、または、該磁性体外径部の外周部に設けられた凹凸構造からなることを特徴とする。
上記磁性体は、上記コイルの内径側に配置される圧縮成形磁性体と、上記コイルの外径側に配置される射出成形磁性体とを結合してなり、上記圧縮成形磁性体が上記磁性体表面に露出しており、上記磁性体外径部が該射出成形磁性体からなることを特徴とする。また、上記射出成形磁性体は、上記コイルの軸方向に2分割された磁性体を相互に結合させた結合体であることを特徴とする。
上記空冷部として上記孔構造を有し、上記2分割された磁性体において、それぞれの上記磁性体外径部の内径側に、これらの結合時に嵌合する相補的な凹凸形状を有することを特徴とする。また、上記空冷部として上記孔構造を有し、上記2分割された磁性体の結合部位置の、該磁性体外径部の外周部にフランジ部を有することを特徴とする。
上記空冷部として上記孔構造を有し、該孔構造から上記コイルの端子を外部に取り出すことを特徴とする。
本発明の磁性素子は、コイルを磁性体内部に配置してなり、コイルの外径側を覆う磁性体外径部に、該磁性素子を空冷するための空冷部を有し、この空冷部が該磁性体外径部を貫通する孔構造(スリットや窓)であるので、磁性素子内部と外部とを繋ぐ空気の流れを発生させることができ、冷却性能の向上が図れる。また、この空冷部が、磁性体外径部の外周部に設けられた凹凸構造であるので、表面積が増加や、周囲の空気の流れに沿わせることで、この外周部の冷却性能の向上が図れる。これらの結果、発熱を抑制でき、磁性素子であるインダクタ等の体格を小さくできる。
上記磁性体は、コイルの内径側に配置される圧縮成形磁性体と、コイルの外径側に配置される射出成形磁性体とを結合してなり、圧縮成形磁性体が表面に露出しており、磁性体外径部が該射出成形磁性体からなるので、鉄損による発熱が大なる箇所または放熱性の悪い箇所であるコイル内径側の熱伝導性を向上できる。
上記射出成形磁性体はコイルの軸方向に2分割された磁性体を相互に結合させた結合体であるので、磁性体(分割体)を形成後に、コイルを挿入して分割体を結合することで磁性素子を製造できる。このため、インサート成形により製造する場合に比較して、製造設備費の低減、生産性の向上、製造コストの低減などが図れる。
上記空冷部として孔構造を有し、(1)2分割された磁性体において、それぞれの磁性体外径部の内径側に、これらの結合時に嵌合する相補的な凹凸形状を有するので、または、(2)2分割された磁性体の結合部位置(コイル挿入側端面)の該磁性体外径部の外周部にフランジ部を有するので、スリットや窓などの孔構造を設けたことにより磁性体外径部が外径方向へ開くことを抑制できる。また、例えば、(1)の凹凸形状として、コイル挿入側端面上の任意の軸を中心に180度回転させて相互にかみ合うような凹凸形状を持たせることで、結合時の位置決めができる。
上記空冷部として孔構造を有し、該孔構造からコイルの端子を外部に取り出すので、スリットや窓などの孔構造が、コイル端子取り出し口を兼ねることになり、コイルの取り回しの自由度が上がる。すなわち、いずれの孔からもコイル端子を取り出せるので、別途取り出し口を設定する必要がない。
ポット形インダクタの一例である。 ポット型インダクタの他の例である。 図1のインダクタにおける磁性体を示す図である。 図2のインダクタにおける磁性体を示す図である。 磁性体外径部のみの他の例(複数スリット)である。 磁性体外径部のみの他の例(複数スリットとフランジ部)である。 磁性体外径部のみの他の例(相補的な凹凸形状)である。 磁性体外径部のみの他の例(外周部凹凸構造)である。
本発明の磁性素子は、コイルが磁性体内部に配置されているポット形の磁性素子(インダクタ)に好適である。一般にポット形のインダクタは、(1)コイルを覆うように磁路を設けるため漏れ磁束を小さくできる、(2)コイル内径側の磁性体の半径に比べてコイル外径側の磁性体の肉厚が薄くなるため、磁性体の形状を小さくできる等の利点がある。しかし、ポット形のインダクタは、上述のとおり、冷却性能が十分とはいえない。そこで、本発明では、コイルの外径側を覆う磁性体外径部に、該磁性素子を空冷するための空冷部を設けて、冷却性能の向上を図っている。
また、電気・電子機器の高周波数化、大電流化において、現在主流の圧縮成形法で得られるフェライト材料を用いた磁性素子は透磁率が優れており、インダクタンス値を得やすいが周波数特性や重畳電流特性に劣る。一方、アモルファス材料を含有する射出成形磁性材料を用いた磁性素子は、周波数特性や重畳電流特性に優れているが、透磁率が低い。また、大電流用の磁性素子は銅損による発熱に加えて、鉄損による発熱を無視できない。そこで、本発明の好ましい形態では、発熱しやすい個所または放熱しにくい個所であるコイル内径側の磁性体を熱伝導性に優れた圧縮成形磁性体(一部を外部に露出させる)とし、コイル外径側の磁性体を上記空冷部が配置された射出成形磁性体としたポット形ハイブリッドインダクタとすることで、発熱を抑制し放熱性に優れた構造を実現している。
本発明の磁性素子の一例を図1および図3に示す。図1(a)はポット形インダクタの軸方向断面図であり、図1(b)はこのインダクタの軸方向中心部分で分割された下半分の平面図である。また、図3(a)は磁性体の斜視図であり、図3(b)は該磁性体の軸方向中心部分で分割された下半分の斜視図である。
図1(a)および図1(b)に示すように、このインダクタ1は、巻線を巻回してなるコイル5と、コイル5が内部に配置され、該コイル5によって生じる磁束を通す磁性体2とを備えている。磁性体2は、コイル5の略全体を覆う形で配置されている。磁性体2は、例えば、後述の射出成形磁性体で構成される。また、磁性体2は、軸方向長さの中間線6で2分割形状とされており、これら分割体の結合体である(図3参照)。この2分割された磁性体は同形状であり、1つの金型での製造が可能である。
本発明では、このような構造のポット形インダクタ1において、磁性体2の外径部に、この外径部外周面からコイル5まで貫通した孔構造であるスリット7を有することを特徴としている。コイル5は、磁性体2を中間線6で分割した状態において、この磁性体2の内部に挿入するものであり、コイル5と磁性体2との隙間に樹脂等は充填されていない。スリット7により、インダクタの内部(コイル5の部分)と外部とを繋ぐ空気の流れを発生させることができ、冷却性能の向上が図れる。例えば、図1中の左側(上部)のスリット7から導入された空気が、コイル5の周囲を通り、図1中の右側(下部)のスリット7から排出されるような空気の流れも発生させ得る。
本発明の磁性素子の他の例を図2および図4に示す。図2(a)はポット形ハイブリッドインダクタの軸方向断面図であり、図2(b)は、このインダクタの軸方向中心部分で分割された下半分の平面図である。また、図4(a)は磁性体の斜視図であり、図4(b)は該磁性体の軸方向中心部分で分割された下半分の斜視図である。
図2(a)および図2(b)に示すように、このインダクタ1は、図1のものと同様に、巻線を巻回してなるコイル5と、コイル5が内部に配置され、該コイル5によって生じる磁束を通す磁性体2とを備えている。この形態では、磁性体2が、コイル5の内径側に配置される圧縮成形磁性体4と、コイル5の外径側に配置される射出成形磁性体3とを結合して構成されている。磁性体2において、圧縮成形磁性体4と射出成形磁性体3のいずれもが、軸方向長さの中間線6で2分割形状とされており、それぞれの分割体の結合体である。また、射出成形磁性体3のみが、軸方向長さの中間線6で2分割形状とされた分割体の結合体であってもよい(図4参照)。
この形態では、磁性体2の外径部(射出成形磁性体3)に、図1と同構造のスリット7を有しており、同様の効果が得られる。また、圧縮成形磁性体4の端面はインダクタ1の表面(上面および底面の中央部)に露出している。例えば、この露出している端面を基板などの冷却面に当接させる。これにより放熱が難しいコイル内径側の熱伝導を促進できる。
本発明の磁性素子の磁性体外径部(射出成形磁性体等)の他の例を図5〜図8に示す。図5〜図8は、(a)が磁性体外径部である射出成形磁性体の斜視図であり、(b)がこの射出成形磁性体の軸方向中心部分で分割された下半分の斜視図である。
図5に示す射出成形磁性体3は、円周方向に等配に少なくとも2か所以上(該図では8か所)のスリット7を有する。このスリット7により、上述のとおり、冷却効果の向上が図れる。また、スリット7の幅は、隣り合う柱部分の幅に比べて細くすることで、連続した磁路を設けるとともに上下方向の位置決めをコイルではなくコアによって行なうことができる。このため、磁路長の変化による特性の誤差を抑制できる。
図6に示す射出成形磁性体3は、図5と同様に、円周方向に等配に8か所のスリット7を有する。この形態では、2分割された射出成形磁性体3の結合部位置(コイル挿入側端面)の外周部にフランジ部8を有する。このフランジ部8により射出成形磁性体3が補強され、円周方向にスリットを設けたために射出成形磁性体が外径方向に開いてしまうことを抑制できる。また、必要に応じて、何箇所かコイル端子取り出し口のための切欠きを設けてもよい。
図7に示す射出成形磁性体3は、円周方向に等配に4か所のスリット7を有する。この形態では、2分割された状態において、それぞれの内径側に、これらの結合時に嵌合する相補的な凹凸形状3aと3bを有する。この凹凸形状は、2分割された射出成形磁性体3の結合部位置(コイル挿入側端面)の内径部に形成されており、これにより、当接させた分割体の周方向の位置決めができる。また、内径が凸になっている位置にスリット7を設けるによって、相互にかみ合わせたときに外周側に連続した磁性体が配置され、スリットを設けたために射出成形磁性体が外径方向に開いてしまうことを抑制できる。
図8に示す射出成形磁性体3は、円周方向に1か所のスリット7と、外周部に凹凸構造9を有する。外周部に空気の流れに沿った凹凸面を設けることで、この外周部の冷却性能の向上が図れる。該図に示す凹凸形状は、インダクタの軸方向と鉛直方向が一致するようにインダクタを配置する場合に好適な形状である。なお、凹凸形状は、冷却性能の向上が図れるものであればよく、該図に示すものに限定されない。
以上、図1〜図8を用いて本発明の磁性素子としてポット形インダクタを説明したが、本発明の磁性素子の各構造はこれに限定されるものではない。また、図1〜図8のいずれの場合においても、孔構造であるスリットをコイル端子取り出し口とすることで、コイルの取り回しの自由度が上がる。
本発明で使用できる圧縮成形磁性体は、例えば、鉄粉、窒化鉄粉等の純鉄系軟磁性材料、Fe−Si−Al合金(センダスト)粉末、スーパーセンダスト粉末、Ni−Fe合金(パーマロイ)粉末、Co−Fe合金粉末、Fe−Si−B系合金粉末等の鉄基合金系軟磁性材料、フェライト系磁性材料、アモルファス系磁性材料、微細結晶材料などの磁性材料を原料とできる。
フェライト系磁性材料としては、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、銅亜鉛フェライト、磁鉄鉱等のスピネル型結晶構造を有するスピネルフェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の六方晶フェライト、イットリウム鉄ガーネットなどのガーネットフェライトが挙げられる。これらフェライト系磁性材料の中でも透磁率が高く、高周波数領域での渦電流損失が小さい軟磁性フェライトであるスピネルフェライトが好ましい。また、アモルファス系磁性材料としては、鉄合金系、コバルト合金系、ニッケル合金系、これらの混合合金系アモルファスなどが挙げられる。
原料となる軟磁性金属粉末材料の粒子表面に絶縁被覆を形成する酸化物としては、Al23、Y23、MgO、ZrO2等の絶縁性金属または半金属の酸化物、ガラス、これらの混合物が挙げられる。絶縁被覆の形成方法としては、メカノフュージョン等の粉末コーティング法や、無電解メッキやゾル−ゲル法等の湿式薄膜作製法、またはスパッタリング等の乾式薄膜作製法等を用いることができる。
圧縮成形磁性体は、粒子表面に絶縁被覆が形成された上記原料粉末単体、または上記原料粉末にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が配合された粉末を加圧成形して圧粉体とし、この圧粉体を焼成して製造できる。原料粉末の割合は、原料粉末と熱硬化性樹脂との合計量を100質量%として、96〜100質量%であることが好ましい。96質量%未満であると、原料粉末の配合割合が低下し、磁束密度や透磁率が低下するおそれがある。
原料粉末の平均粒子径は1〜150μmであることが好ましい。より好ましくは5〜100μmである。平均粒子径が1μmよりも小さくなると、加圧成形時の圧縮性(粉末の固まり易さを示す尺度)が低下し、焼成後の材料強度が著しく低下する。平均粒子径が150μmよりも大きくなると、高周波数領域での鉄損が大きくなり、磁気特性(周波数特性)が低下する。
圧縮成形は、上記原料粉末を金型内に充填し、所定の加圧力でプレス成形する方法を用いることができる。この圧粉体を焼成して焼成体を得る。なお、原料に非晶質合金粉末を用いる場合には、焼成温度を非晶質合金の結晶化開始温度より低温とする必要がある。また、熱硬化性樹脂が配合された粉末を用いる場合には、焼成温度を樹脂の硬化温度範囲とする必要がある。
本発明で使用できる射出成形磁性体は、上記圧縮成形磁性体の原料粉末に結着樹脂を配合して、この混合物を射出成形することにより得られる。射出成形がしやすいこと、射出成形後の形状維持が容易であること、複合磁性体の磁気特性に優れること等から、磁性粉末がアモルファス金属粉末であることが好ましい。アモルファス金属粉末は上述した鉄合金系、コバルト合金系、ニッケル合金系、これらの混合合金系アモルファスなどを使用できる。これらアモルファス金属粉末表面に上述した絶縁被覆が形成されている。
結着樹脂としては、射出成形が可能な熱可塑性樹脂を使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリフタールアミド、ポリアミド、これらの混合物が挙げられる。これらの中で、アモルファス金属粉末に混合したときの射出成形時の流動性に優れ、射出成形後の成形体の表面を樹脂層で覆うことができると共に、耐熱性などに優れるポリフェニレンサルファイド(PPS)がより好ましい。
原料粉末の割合は、原料粉末と熱可塑性樹脂との合計量を100質量%として、80〜95質量%であることが好ましい。80質量%未満であると磁気特性が得られず、95質量%をこえると射出成形性に劣るおそれがある。
射出成形は、例えば可動型および固定型が衝合された金型内に上記原料粉末を射出して成形する方法を用いることができる。射出成形条件としては熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)の場合、樹脂温度が290〜350℃、金型温度が100〜150℃であることが好ましい。
圧縮成形磁性体および射出成形磁性体は、上述した方法によりそれぞれ別々に作製して相互に結合される。それぞれの形状は、磁性体を分割して組み立て易い形状であると共に、圧縮成形、射出成形に適した形状とする。例えば、中心軸孔がない円筒磁性体を作製する場合には、コイル内径側となる円柱形状を圧縮成形による圧縮成形磁性体とし、コイル外径側を射出成形による射出成形磁性体として作製する。その後、射出成形磁性体の中心部に設けられた孔部に円柱形状の圧縮成形磁性体を挿入または嵌合することで円筒磁性体が得られる。また、圧縮成形磁性体を金型内に配置し、射出成形磁性体をインサート成形することにより、円筒磁性体を製造できる。
また、相互に結合される磁性体のうち少なくとも射出成形磁性体は、上記各図で示したように、コイルが挿入される軸方向に2分割された磁性体であることが好ましい。2分割の方法は、コイルを挿入できる2分割であればよく、軸方向に等分割であることが好ましい。等分割とすることにより金型点数を減らすことができる。接着剤を用いる場合、相互に密着できる無溶剤型のエポキシ系接着剤が好ましい。
圧縮成形磁性体および射出成形磁性体の好ましい材料の組み合わせとしては、圧縮成形磁性体がアモルファスまたは純鉄粉であり、射出成形磁性体がアモルファス金属粉末および熱可塑性樹脂であることが好ましい。より好ましくは、アモルファス金属がFe−Si−Cr系アモルファスであり、熱可塑性樹脂がポリフェニレンサルファイド(PPS)である。
本発明の磁性素子であるインダクタは、例えば、上記圧縮成形磁性体の周囲に巻線を巻回してコイルを形成し、インダクタ機能を持たせることができる。この磁性素子は電気・電子機器回路に組み込まれる。巻線としては銅エナメル線を使用することができ、その種類としてはウレタン線(UEW)、ホルマール線(PVF)、ポリエステル線(PEW)、ポリエステルイミド線(EIW)、ポリアミドイミド線(AIW)、ポリイミド線(PIW)、これらを組み合わせた二重被複線、または自己融着線、リッツ線等を使用できる。耐熱性に優れるポリアミドイミド線(AIW)、ポリイミド線(PIW)等が好ましい。銅エナメル線の断面形状としては丸線や角線を使用できる。特に、平角線の断面形状の短径側を圧縮成形磁性体の周囲に接して重ね巻きすることにより、巻線密度を向上させたコイルが得られる。また、コイルの巻き方としてはヘリカル巻を好ましく採用できる。
本発明の磁性素子は、二輪車を含む自動車や産業用機器および医療用機器の電源回路、フィルタ回路やスイッチング回路等に使用される磁性素子、例えばインダクタ、トランス、アンテナ、チョークコイル、フィルタなどとして使用できる。また、表面実装用部品として使用できる。
本発明の磁性素子は、冷却性能に優れ、発熱を抑えることができるので、各種の電気・電子機器用の磁性素子として好適に利用できる。
1 インダクタ
2 磁性体
3 射出成形磁性体
4 圧縮成形磁性体
5 コイル
6 中間線
7 スリット
8 フランジ部
9 凹凸構造

Claims (6)

  1. 巻線を巻回してなるコイルと、該コイルが内部に配置され、該コイルによって生じる磁束を通す磁性体とを備えた磁性素子であって、
    前記磁性体は、前記コイルの外径側を覆う磁性体外径部に、該磁性素子を空冷するための空冷部を有し、該空冷部は該磁性体外径部を貫通する孔構造、または、該磁性体外径部の外周部に設けられた凹凸構造からなることを特徴とする磁性素子。
  2. 前記磁性体は、前記コイルの内径側に配置される圧縮成形磁性体と、前記コイルの外径側に配置される射出成形磁性体とを結合してなり、前記圧縮成形磁性体が前記磁性体表面に露出しており、前記磁性体外径部が前記射出成形磁性体からなることを特徴とする請求項1記載の磁性素子。
  3. 前記射出成形磁性体は、前記コイルの軸方向に2分割された磁性体を相互に結合させた結合体であることを特徴とする請求項2記載の磁性素子。
  4. 前記空冷部として前記孔構造を有し、
    前記2分割された磁性体において、それぞれの前記磁性体外径部の内径側に、これらの結合時に嵌合する相補的な凹凸形状を有することを特徴とする請求項3記載の磁性素子。
  5. 前記空冷部として前記孔構造を有し、
    前記2分割された磁性体の結合部位置の、該磁性体外径部の外周部にフランジ部を有することを特徴とする請求項3または請求項4記載の磁性素子。
  6. 前記空冷部として前記孔構造を有し、該孔構造から前記コイルの端子を外部に取り出すことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の磁性素子。
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