JP2016225038A - 導電積層体、導電積層体の製造方法及び電磁波シールド部材 - Google Patents

導電積層体、導電積層体の製造方法及び電磁波シールド部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2016225038A
JP2016225038A JP2015107636A JP2015107636A JP2016225038A JP 2016225038 A JP2016225038 A JP 2016225038A JP 2015107636 A JP2015107636 A JP 2015107636A JP 2015107636 A JP2015107636 A JP 2015107636A JP 2016225038 A JP2016225038 A JP 2016225038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
conductive laminate
coating composition
conductive layer
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015107636A
Other languages
English (en)
Inventor
長谷川 貴志
Takashi Hasegawa
貴志 長谷川
裕 永田
Yutaka Nagata
裕 永田
達也 大堀
Tatsuya Ohori
達也 大堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Chemtex Corp
Original Assignee
Nagase Chemtex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase Chemtex Corp filed Critical Nagase Chemtex Corp
Priority to JP2015107636A priority Critical patent/JP2016225038A/ja
Publication of JP2016225038A publication Critical patent/JP2016225038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

【課題】立体形状を有しながらも高い導電性を発現する導電積層体を提供すること。
【解決手段】熱可塑性樹脂基材と、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて形成された導電層とを備えた導電積層体であって、導電層が形成された後に立体形状に成型されたものであり、2倍の延伸倍率で成型した際の導電層の表面抵抗率が10Ω/□以下であることを特徴とする導電積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電積層体、導電積層体の製造方法及び電磁波シールド部材に関する。
従来、立体形状の導電積層体を得る方法として、基材となるフィルムを立体形状にプレス成型した後に導電性コーティング組成物を用いた浸漬やスプレー等によって導電層を形成する方法が用いられてきた。しかしながら、この方法では、導電性コーティング組成物の使用量が多くなる、立体形状の基材に導電性コーティング組成物を均一に塗布することが困難である、コストが高くなるといった問題があった。そこで、これらの問題を解消するため、基材上に導電層を形成した後にプレス成型を行う方法が用いられるようになってきた。この方法では、導電性、延伸追従性、立体成型性に優れた導電性コーティング組成物の開発が望まれている。
このような導電性コーティング組成物として、例えば特許文献1には、カーボンナノチューブ(CNT)と熱可塑性樹脂とを含む塗工液が提案されている。しかしながら、この塗工液は、CNTが柔軟性に富むため立体成型性には優れるものの、導電性が低く、高い導電性が要求される用途に用いることができないという問題があった。
一方、高い導電性を示す導電材料としては銀粒子があるが、銀粒子を含む導電性コーティング組成物を用いて導電層を形成した後に延伸した場合、導電性が著しく低下するという問題があった。
国際公開第2014/050440号公報
本発明は、立体形状を有しながらも高い導電性を発現する導電積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂基材と、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて形成された導電層とを備えた導電積層体であって、導電層が形成された後に立体形状に成型されたものが、立体形状を有しながらも高い導電性を発現することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の導電積層体は、
熱可塑性樹脂基材と、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて形成された導電層とを備えた導電積層体であって、
導電層が形成された後に立体形状に成型されたものであり、
2倍の延伸倍率で成型した際の導電層の表面抵抗率が10Ω/□以下であることを特徴とする。
本発明の導電積層体において、導電材料が銀粒子であることが好ましい。
本発明の導電積層体において、熱硬化性バインダー樹脂がエポキシ基を含有する化合物であり、導電性コーティング組成物が硬化剤及び硬化促進剤をさらに含むことが好ましい。
本発明の導電積層体において、エポキシ基を含有する化合物の重量平均分子量が500未満であることが好ましい。
本発明の導電積層体において、エポキシ基を含有する化合物が脂環式エポキシ化合物又は芳香族エポキシ化合物であることが好ましい。
本発明の導電積層体の製造方法は、
(a)熱可塑性樹脂基材上に、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて導電層を形成し、導電積層体を得る工程、及び、
(b)工程(a)で得られた導電積層体を立体形状に成型する工程
を含むことを特徴とする。
本発明の導電積層体の製造方法は、工程(a)において30〜120℃、0.1〜30分間の条件下で導電層を形成し、工程(b)において150℃以下、0.1〜60分間の条件下で導電積層体を立体形状に成型することが好ましい。
本発明の電磁波シールド部材は、本発明の導電積層体を備えたことを特徴とする。
本発明の導電積層体は、熱可塑性樹脂基材と、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて形成された導電層とを備えた導電積層体であって、導電層が形成された後に立体形状に成型されたものであるため、立体形状を有しながらも高い導電性を発現する。
本発明の導電積層体の製造方法によれば、本発明の導電積層体を好適に製造することができる。
本発明の電磁波シールド部材は、立体形状を有しながらも高い導電性を発現する本発明の導電積層体を備えるため、電磁波シールド性能に優れる。
<<導電積層体>>
本発明の導電積層体は、熱可塑性樹脂基材と、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて形成された導電層とを備えた導電積層体であって、導電層が形成された後に立体形状に成型されたものであり、2倍の延伸倍率で成型した際の導電層の表面抵抗率が10Ω/□以下であることを特徴とする。
<熱可塑性樹脂基材>
熱可塑性樹脂基材の材質としては、熱可塑性樹脂である限り特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
熱可塑性樹脂基材の厚みは、特に限定されないが、10〜10000μmであることが好ましく、25〜5000μmであることがより好ましい。また、熱可塑性樹脂基材の全光線透過率は、特に限定されないが、60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
<導電層>
導電層は、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて形成される。まず、導電性コーティング組成物に含まれる各成分について説明する。
(導電材料)
導電材料は、導電層に導電性を付与するための配合物である。導電材料としては、特に限定されないが、例えば、無機粒子、導電性高分子、金属ナノワイヤ等が挙げられる。これらの導電材料は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
無機粒子としては、特に限定されず、例えば、金粒子、銀粒子、銅粒子等の金属粒子、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等の金属酸化物粒子等が挙げられる。これらの中では、導電性の観点から、銀粒子が好ましい。これらの無機粒子は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。なお、無機粒子としては、粉末のみならず、ペースト状のものを用いても良い。
無機粒子の粒径は、特に限定されないが、1〜100μmが好ましく、5〜90μmがより好ましい。粒径が1μm未満であると、無機粒子間で導通をとることが困難となり、高い導電性を維持できないことがあり、100μmを超えると、成型性に悪影響が出ることがある。
導電性高分子としては特に限定されず、従来公知の導電性高分子を用いることができ、具体例としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、及びこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。中でも、チオフェン環を分子内に含むことで導電性が高い分子ができやすい点で、分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性高分子が好ましい。導電性高分子は、ポリ陰イオン等のドーパントと複合体を形成していてもよい。
分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性高分子の中でも、導電性や化学的安定性に極めて優れている点で、ポリ(3,4−二置換チオフェン)がより好ましい。また、導電性コーティング組成物がポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオン(ドーパント)との複合体を含有する場合、低温かつ短時間で導電層を形成することができ、生産性にも優れることとなる。なお、ポリ陰イオンは導電性高分子のドーパントであり、その内容については後述する。
ポリ(3,4−二置換チオフェン)としては、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)又はポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)又はポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)としては、以下の式(I):
Figure 2016225038
で示される反復構造単位からなる陽イオン形態のポリチオフェンが好ましい。
ここで、R及びRは相互に独立して水素原子又はC1−4のアルキル基を表すか、又は、R及びRが結合している場合にはC1−4のアルキレン基を表す。C1−4のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、R及びRが結合している場合、C1−4のアルキレン基としては、特に限定されないが、例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−メチル−1,2−エチレン基、1−エチル−1,2−エチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。これらの中では、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が好ましく、1,2−エチレン基がより好ましい。C1−4のアルキル基、及び、C1−4のアルキレン基は、その水素の一部が置換されていても良い。C1−4のアルキレン基を有するポリチオフェンとしては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
ドーパントは特に限定されないが、ポリ陰イオンが好ましい。ポリ陰イオンは、ポリチオフェン(誘導体)とイオン対をなすことにより複合体を形成し、ポリチオフェン(誘導体)を水中に安定に分散させることができる。ポリ陰イオンとしては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸ポリマー類(例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸等)、スルホン酸ポリマー類(例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸等)等が挙げられる。これらのカルボン酸ポリマー類及びスルホン酸ポリマー類はまた、ビニルカルボン酸類及びビニルスルホン酸類と他の重合可能なモノマー類、例えば、アクリレート類、スチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物との共重合体であっても良い。これらの中では、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。
導電性高分子とポリ陰イオンとの複合体としては、透明性及び導電性に特に優れることから、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体であることが好ましい。
金属ナノワイヤの材質としては、金属単体や金属含有化合物が挙げられる。金属単体としては、特に限定されないが、例えば、銀、銅、金、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金等が挙げられ、金属含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、これらの金属を含むものが挙げられる。これらの金属ナノワイヤは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。金属ナノワイヤは、銀ナノワイヤ、銅ナノワイヤ及び金ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。その理由は、他の金属ナノワイヤと比べて自由電子濃度が高く、導電性が高いためである。
導電性コーティング組成物における導電材料の含有量は特に限定されないが、例えば、導電材料として銀粒子を用いる場合、導電性コーティング組成物の固形分中、10〜90重量%であることが好ましく、20〜80重量%であることがより好ましい。銀粒子の含有量が10重量%未満であると、延伸後に十分な膜厚を得られず、導電性が不十分となることがあり、90重量%を超えると、延伸追従性が不十分となることがある。
(熱硬化性バインダー樹脂)
熱硬化性バインダー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ基を含有する化合物、イソシアネート樹脂、メラミン樹脂、シリケート樹脂等が挙げられる。これらの中では、延伸追従性に優れることから、エポキシ基を含有する化合物が好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
エポキシ基を含有する化合物と、後述する硬化剤とを含有する導電性コーティング組成物を用いて形成された半硬化(Bステージ)状態の導電層では、網目構造が形成され、熱収縮及び硬化収縮が起こる。この熱収縮及び硬化収縮により、導電材料同士の配列が促され、導電経路が形成されるため、高い導電性が発現すると考えられる。また、網目構造により延伸後も導電材料同士の配列が保たれるため、導電性を維持することができると考えられる。
エポキシ基を含有する化合物としては、特に限定されないが、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物等が挙げられる。ここで、脂肪族エポキシ化合物は、直鎖・分岐構造を有していても良い。
脂環式エポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキセン−m−ジオキサン、ε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
芳香族エポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、レゾルシノールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジグリシジル−o−フタレート、ジグリシジルテレフタレート等が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ化合物;ダイマー酸等の多価カルボン酸とその無水物を原料とするグリシジルエステル型エポキシ化合物;脂肪族アミンを原料とするグリシジルアミン型エポキシ化合物等が挙げられる。
エポキシ基を含有する化合物は、効率よく硬化反応が進み、十分な網目構造が形成されやすく、熱収縮及び硬化収縮が起こりやすいことから、脂環式エポキシ化合物又は芳香族エポキシ化合物が好ましい。エポキシ基を含有する化合物は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
エポキシ基を含有する化合物の重量平均分子量は、特に限定されないが、500未満であることが好ましく、400未満であることがより好ましい。重量平均分子量が500以上であると、反応性が低く十分な網目構造が形成されないため、熱収縮及び硬化収縮が起こらず、高い導電性が発現しないことがある。重量平均分子量の下限は、特に限定されないが、例えば、80である。なお、本明細書において、重量平均分子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)にて測定した値である。
エポキシ基を含有する化合物のエポキシ当量は、特に限定されないが、100〜1000g/eqであることが好ましく、120〜500g/eqであることがより好ましい。エポキシ当量が100g/eq未満であると、反応性が高くなり過ぎ、半硬化状態での延伸が困難となることがあり、1000g/eqを超えると、反応性が低く十分な網目構造が形成されないため、熱収縮及び硬化収縮が起こらず、高い導電性が発現しないことがある。
熱硬化性バインダー樹脂の含有量は、特に限定されないが、導電材料100重量部に対して、10〜150重量部であることが好ましく、20〜100重量部であることがより好ましい。含有量が10重量部未満であると、成型性が悪くなることがあり、150重量部を超えると、導電材料が相対的に少なくなる影響で高い導電性が維持できなくなることがある。
(任意成分)
導電性コーティング組成物は、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂以外に、本発明の目的を損なわない範囲内で、任意に他の成分を含有していても良い。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、硬化剤、硬化促進剤、熱可塑性樹脂、導電性向上剤、溶媒、架橋剤、触媒、界面活性剤及び/又はレベリング剤、水溶性酸化防止剤、消泡剤、レオロジーコントロール剤、増粘剤、中和剤等が挙げられる。
導電性コーティング組成物は、網目構造が形成されやすいことから、硬化剤をさらに含むことが好ましい。硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾール、三フッ化ホウ素−アミン錯体、グアニジン誘導体、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンにより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドとから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールフェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトールクレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
導電性コーティング組成物が硬化剤を含有する場合、その含有量は、硬化剤の種類や、熱硬化性バインダー樹脂としてエポキシ基を含有する化合物を配合する場合はそのエポキシ当量により異なり得るので、一概に規定することはできないが、各種硬化剤の配合規定を考慮して適宜設定すれば良い。
導電性コーティング組成物は、反応性向上の観点から、硬化促進剤をさらに含むことが好ましい。硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、有機リン化合物、イミダゾール、第3級アミン、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
導電性コーティング組成物が硬化促進剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、導電性コーティング組成物中、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.1〜7重量%であることがより好ましい。含有量が0.01重量%未満であると、反応性が低く十分な網目構造が形成されないため、硬化収縮が起こらず、高い導電性が発現しないことがあり、10重量%を超えると、反応性が高過ぎるため半硬化状態での延伸が困難となることがある。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中では、熱硬化性バインダー樹脂により形成された網目構造を補強し、成型性を高くすることから、特に、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂が好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
導電性コーティング組成物が熱可塑性樹脂を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、導電性コーティング組成物中、20重量%以下であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。含有量が20重量%を超えると、熱硬化性バインダー樹脂の網目構造の形成を阻害し、十分な導電性が得られなくなることがある。
導電性コーティング組成物に導電材料として導電性高分子を配合する場合、導電性向上剤を配合しても良い。導電性向上剤を配合することにより、導電層の導電性を向上させることができる。導電性向上剤としては、特に限定されないが、例えば、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン等のアミド化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、カテコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のヒドロキシル基含有化合物;イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、オルト酢酸メチル、オルトギ酸エチル等のカルボニル基含有化合物;ジメチルスルホキシド等のスルホ基を有する化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
溶媒としては、特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテルアセテート類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン(o−、m−、あるいはp−キシレン)、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類:酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類:ハロゲン類、アセトニトリル、水とこれらの有機溶媒との混合溶媒(含水有機溶媒)、2種以上の有機溶媒の混合溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
溶媒は、導電性コーティング組成物を用いて形成する導電層中には残留しないことが好ましい。なお、本明細書においては、導電性コーティング組成物の全ての成分を完全に溶解させるもの(即ち、「溶媒」)と、不溶成分を分散させるもの(即ち、「分散媒」)とを特に区別せずに、いずれも「溶媒」と記載する。
架橋剤を配合することにより熱硬化性バインダー樹脂を架橋させることができ、導電層の強度をさらに向上させることができる。架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、メラミン系、ポリカルボジイミド系、ポリオキサゾリン系、ポリエポキシ系、ポリイソシアネート系、ポリアクリレート系等の架橋剤が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性コーティング組成物が架橋剤を含有する場合、その含有量は特に限定されないが、導電性コーティング組成物中30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましい。
導電性コーティング組成物が熱硬化性バインダー樹脂及び架橋剤を含有する場合、熱硬化性バインダー樹脂を架橋させるための触媒としては、特に限定されず、例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤等が挙げられる。
界面活性剤及び/又はレベリング剤を配合することにより、導電性コーティング組成物のレベリング性を向上させることができ、このような導電性コーティング組成物を用いることで均一な導電層を形成することができる。
界面活性剤としては、レベリング性向上効果を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸等のフッ素系化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩等のカルボン酸;リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、レベリング性向上効果が顕著に得られることからはシロキサン系化合物及びフッ素系化合物が好ましい。
レベリング剤としては、特に限定されず、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体等のポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。これらのレベリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのレベリング剤の中では、導電性コーティング組成物に配合した際に分散安定性に優れることから、シロキサン系化合物、フッ素系化合物が好ましい。
導電性コーティング組成物に水溶性酸化防止剤を配合することにより、導電層の耐熱性、耐湿熱性を向上させることができる。水溶性酸化防止剤としては、特に限定されず、還元性の水溶性酸化防止剤、非還元性の水溶性酸化防止剤等が挙げられる。
増粘剤を導電性コーティング組成物に配合することにより、導電性コーティング組成物の粘度やレオロジー特性を調整することができる。増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸系樹脂、セルロースエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
導電性コーティング組成物を用いて導電層を形成する方法としては、特に限定されないが、導電性コーティング組成物を熱可塑性樹脂基材上に塗布した後、加熱処理、光照射処理等する方法等が挙げられる。導電性コーティング組成物を熱可塑性樹脂基材上に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等を用いることができる。
導電性コーティング組成物を熱可塑性樹脂基材上に塗布する際には、あらかじめ熱可塑性樹脂基材上にプライマー層等の層を形成し、その層上に導電性コーティング組成物を塗布しても良い。また、必要に応じて、あらかじめ熱可塑性樹脂基材の表面に表面処理を施した後に導電性コーティング組成物を塗布しても良い。表面処理としては、特に限定されないが、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、イトロ処理、火炎処理等が挙げられる。
熱可塑性樹脂基材上に塗布された導電性コーティング組成物を加熱処理、光照射処理等することにより、熱可塑性樹脂基材上に導電層を形成することができる。加熱処理は、特に限定されず公知の方法により行えば良く、例えば、送風オーブン、赤外線オーブン、真空オーブン等を用いて行えば良い。なお、導電性コーティング組成物が溶媒を含有する場合、溶媒は、加熱処理により除去される。
加熱処理により導電層を形成する際の条件としては、特に限定されないが、30〜120℃、0.1〜30分間の条件が好ましく、40〜110℃、1〜20分間の条件がより好ましい。温度が30℃未満であると、硬化反応が不十分で高い導電性が得られないことがあり、120℃を超えると、硬化反応が進み過ぎ、成型性が悪くなることや熱可塑性樹脂基材が劣化することがある。また、時間が0.1分間未満であると、硬化反応が不十分で高い導電性が得られないことがあり、30分間を超えると、硬化反応が進み過ぎ、成型性が悪くなることや熱可塑性樹脂基材が劣化することがある。
光照射処理には、特に限定されないが、主に、紫外線、可視光、電子線、電離放射線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から発する紫外線等を使用することができる。ここで、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm程度である。
本発明の導電積層体において、製造直後の導電層の表面抵抗率(以下、初期表面抵抗率ともいう)は、特に限定されないが、50Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがより好ましい。初期表面抵抗率が50Ω/□を超えると、2倍の延伸倍率で成型した際の導電層の表面抵抗率が10Ω/□以下とならないことがある。なお、初期表面抵抗率は小さければ小さい程好ましいため、その下限は特に限定されないが、例えば、0.01Ω/□である。
本発明の導電積層体は、導電層が形成された後に立体形状に成型されたものである。導電積層体を立体形状に成型する方法としては、特に限定されないが、例えば、加熱成型、真空成型、プレス成型、圧空成型、吹き込み成型等が挙げられる。また、導電性コーティング組成物を完全に硬化させた後に立体形状に成型しても良いが、導電性コーティング組成物が半硬化した状態で立体形状に成型することが好ましい。半硬化した状態で成型することにより、完全に硬化した状態で成型した場合と比較して、導電積層体が優れた成型性と延伸追従性とを発現し、延伸前後において高い導電性を発現するためである。立体形状としては、特に限定されないが、例えば、立方体、直方体、球、半球、円柱、三角柱等が挙げられる。
導電積層体を立体形状に成型する際の条件としては、特に限定されないが、150℃以下、0.1〜60分間の条件が好ましく、50〜150℃、0.5〜30分間の条件がより好ましい。温度が150℃を超えると、用いる熱可塑性樹脂基材の材質が限定され、例えば、PETフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム等の一般に透明電極フィルムに用いられる材質からなる熱可塑性樹脂基材を用いることが出来なくなることがある。また、時間が0.1分間未満であると、熱可塑性樹脂基材を十分に延伸できなくなることがあり、60分間を超えると、長時間高温条件に曝される影響で導電性が悪くなることがある。
本発明の導電積層体について、2倍の延伸倍率で成型した際の導電層の表面抵抗率(以下、延伸後表面抵抗率ともいう)は、10Ω/□以下である限り特に限定されないが、8Ω/□以下であることが好ましく、5Ω/□以下であることがより好ましい。延伸後表面抵抗率が10Ω/□を超えると、十分な電磁波シールド性能が得られなくなることがある。なお、延伸後表面抵抗率は小さければ小さい程好ましいため、その下限は特に限定されないが、例えば、0.1Ω/□である。
本発明の導電積層体の全光線透過率は、特に限定されないが、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。一方、上限は100%である。
本発明の導電積層体の用途は、導電性が要求される用途であれば特に限定されないが、例えば、電磁波シールド部材、ノイズカット、帯電防止材、透明電極等が挙げられる。これらの用途の中では、高い延伸追従性が要求されるため、電磁波シールド部材が好ましい。
<<導電積層体の製造方法>>
本発明の導電積層体の製造方法は、
(a)熱可塑性樹脂基材上に、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて導電層を形成し、導電積層体を得る工程、及び、
(b)工程(a)で得られた導電積層体を立体形状に成型する工程
を含むことを特徴とする。
<工程(a)>
本工程では、熱可塑性樹脂基材上に、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて導電層を形成し、導電積層体を得る。熱可塑性樹脂基材、導電性コーティング組成物、及び、導電性コーティング組成物を用いて導電層を形成する方法については、いずれも上述した通りである。
<工程(b)>
本工程では、工程(a)で得られた導電積層体を立体形状に成型する。導電積層体を立体形状に成型する方法については、上述した通りである。
<<電磁波シールド部材>>
本発明の電磁波シールド部材は、本発明の導電積層体を備えたことを特徴とする。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
1.使用材料
1−1.熱可塑性樹脂基材
・A−PETフィルム(笠井産業株式会社製)
1−2.導電材料
・銀粒子(福田金属箔粉工業株式会社製、AgC−239、D50平均粒径2〜15um)
・導電性高分子PEDOT/PSS(ヘレウス社製、PH−1000)
・カーボンナノチューブ(CNT)(株式会社名城ナノカーボン製、MWNT分散ペーストM−5H、CNT濃度5%)
1−3.熱硬化性バインダー樹脂
・芳香族エポキシ化合物(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX−146、分子量225)
・脂環式エポキシ化合物(株式会社ダイセル製、セロキサイド2081−P、分子量366)
・脂肪族エポキシ化合物(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX−171、分子量971)
・脂肪族エポキシ化合物(ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX−861、分子量1102)
1−4.熱可塑性樹脂
・ウレタン樹脂(東洋紡株式会社製、バイロンUR6100)
・ポリエステル樹脂(高松油脂株式会社製、ペスレジンS−250)
・アクリル樹脂(日本カーバイド工業株式会社製、ニッセツAGU−3)
・アクリル樹脂(三井化学株式会社製、アルマテックスK−271)
・ウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックス150)
1−5.硬化剤
・ノボラック型フェノール樹脂(DIC株式会社製、TD2093)
1−6.硬化促進剤
・1,2−ジメチルイミダゾール(四国化成株式会社製、1.2DMZ)
1−7.溶媒
・メチルエチルケトン(MEK)(和光純薬工業株式会社製)
・エチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)
・エタノール(和光純薬工業株式会社製)
2.評価方法
2−1.膜外観
立体形状に成型した導電積層体の導電層を目視観察し、以下基準により膜外観を評価した。
良好:導電層に割れが発生せず、膜厚も均一である。
不良:導電層に割れが発生したり、膜厚が不均一である。
2−2.表面抵抗率
導電積層体の製造直後の膜厚と導電層の表面抵抗率(初期表面抵抗率)とを測定した。ここで、膜厚はデジマチックマイクロメータ(株式会社ミツトヨ製)を用いて、表面抵抗率は抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスターGP MCP−T600)とESPプローブとを用いて、それぞれ測定した。
その後、導電積層体をステンレスカップ上に静置し、120℃に熱した金属製の重りを導電積層体に押し当てることにより、延伸倍率が2倍となるまで導電積層体を延伸した。重りが60℃以下となった後に導電積層体を離型し、延伸後の膜厚と導電層の表面抵抗率(延伸後表面抵抗率)とを測定した。
なお、延伸倍率は、下記式により算出される。
延伸倍率=製造直後の膜厚/延伸後の膜厚
2−3.成型性
2−2.にて金属製の重りを導電積層体に押し当てる際に腕にかかる抵抗を官能評価し、下記5段階で評価した。
5:抵抗は無く、腕の重みだけで導電積層体を延伸することができた。
4:わずかに抵抗を感じたものの、腕の重みだけで無理なく導電積層体を延伸することができた。
3:少し抵抗を感じたため、腕に力をかけることにより導電積層体を延伸した。
2:大きな抵抗を感じたため、腕に自重をかけ導電積層体を延伸した。
1:抵抗が大き過ぎ、延伸することは困難であった。
(実施例1〜4、比較例1〜7)
下記表1に記載した重量比で各成分を混合し、導電性コーティング組成物を作製した。熱可塑性樹脂基材としてのA−PETフィルムにバーコート法にて導電性コーティング組成物を塗布し、送風乾燥機を用いて100℃で10分間加熱処理することにより、導電層を形成し、導電積層体を得た。ここで、上述した方法により、初期表面抵抗率、延伸後表面抵抗率及び成型性を測定した。得られた導電積層体を加熱したステンレスカップを用いて120℃で15分間加熱処理することにより、立体形状に成型した。得られた導電積層体について、上述した方法により、膜外観を評価した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2016225038

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂基材と、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて形成された導電層とを備えた導電積層体であって、
    導電層が形成された後に立体形状に成型されたものであり、
    2倍の延伸倍率で成型した際の導電層の表面抵抗率が10Ω/□以下であることを特徴とする導電積層体。
  2. 導電材料が銀粒子である、請求項1に記載の導電積層体。
  3. 熱硬化性バインダー樹脂がエポキシ基を含有する化合物であり、
    導電性コーティング組成物が硬化剤及び硬化促進剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の導電積層体。
  4. エポキシ基を含有する化合物の重量平均分子量が500未満である、請求項3に記載の導電積層体。
  5. エポキシ基を含有する化合物が脂環式エポキシ化合物又は芳香族エポキシ化合物である、請求項3又は4に記載の導電積層体。
  6. (a)熱可塑性樹脂基材上に、導電材料及び熱硬化性バインダー樹脂を含有する導電性コーティング組成物を用いて導電層を形成し、導電積層体を得る工程、及び、
    (b)工程(a)で得られた導電積層体を立体形状に成型する工程
    を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電積層体の製造方法。
  7. 工程(a)において30〜120℃、0.1〜30分間の条件下で導電層を形成し、工程(b)において150℃以下、0.1〜60分間の条件下で導電積層体を立体形状に成型する、請求項6に記載の導電積層体の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電積層体を備えたことを特徴とする電磁波シールド部材。
JP2015107636A 2015-05-27 2015-05-27 導電積層体、導電積層体の製造方法及び電磁波シールド部材 Pending JP2016225038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015107636A JP2016225038A (ja) 2015-05-27 2015-05-27 導電積層体、導電積層体の製造方法及び電磁波シールド部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015107636A JP2016225038A (ja) 2015-05-27 2015-05-27 導電積層体、導電積層体の製造方法及び電磁波シールド部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016225038A true JP2016225038A (ja) 2016-12-28

Family

ID=57746670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015107636A Pending JP2016225038A (ja) 2015-05-27 2015-05-27 導電積層体、導電積層体の製造方法及び電磁波シールド部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016225038A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018092838A1 (ja) 2016-11-18 2018-05-24 住友化学株式会社 発泡成形体および発泡成形体の製造方法
JP2019176143A (ja) * 2018-03-26 2019-10-10 積水テクノ成型株式会社 樹脂成形体
KR20210055818A (ko) * 2019-11-07 2021-05-18 주식회사 포리스 플렉서블 emi 차폐필름

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018092838A1 (ja) 2016-11-18 2018-05-24 住友化学株式会社 発泡成形体および発泡成形体の製造方法
JP2019176143A (ja) * 2018-03-26 2019-10-10 積水テクノ成型株式会社 樹脂成形体
JP7279994B2 (ja) 2018-03-26 2023-05-23 積水テクノ成型株式会社 樹脂成形体
KR20210055818A (ko) * 2019-11-07 2021-05-18 주식회사 포리스 플렉서블 emi 차폐필름
KR102334589B1 (ko) * 2019-11-07 2021-12-07 주식회사 포리스 플렉서블 emi 차폐필름

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1857504B1 (en) Electroconductive-polymer solution, antistatic coating material, antistatic hard coating layer, optical filter, electroconductive coating film, antistatic pressure-sensitive adhesive, antistatic pressure-sensitive adhesive layer, protective material, and process for producing the same
JP5612767B2 (ja) 透明導電膜の製造方法およびそれにより製造された透明導電膜
JP4772347B2 (ja) 帯電防止塗料の製造方法および帯電防止性ハードコート層の製造方法
JP2019039019A (ja) 導電性組成物、帯電防止樹脂組成物および帯電防止樹脂皮膜
TW201527413A (zh) 導電性樹脂組成物及透明導電積層體
JP2006143922A (ja) 帯電防止塗料、帯電防止膜及び帯電防止フィルム、光学フィルタ、光情報記録媒体
JP2016132679A (ja) 導電層形成用組成物、導電積層体、電磁波シールド部材及び立体形状を有する導電積層体の製造方法
JP2012186222A (ja) 成型用電磁波シールドシート及び電磁波シールド成型体
JP2016225038A (ja) 導電積層体、導電積層体の製造方法及び電磁波シールド部材
WO2016021670A1 (ja) 透明導電体、液晶表示装置及び透明導電体の製造方法
WO2014132794A1 (ja) めっき用プライマー組成物、めっき物の製造方法及びめっき物
JP6607832B2 (ja) 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法
KR20180097461A (ko) 투명 도전막, 투명 도전 적층체, 입체 형상 디스플레이 및 수지 조성물
JP6337386B1 (ja) 積層体及びディスプレイ
JP2019189858A (ja) 透明導電塗料
JP6858654B2 (ja) 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法
JP2018115269A (ja) 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法
JP5026053B2 (ja) 導電性高分子溶液の製造方法
JP2019137815A (ja) 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法
JP2013174003A (ja) 電解メッキ用プライマー組成物、メッキ物の製造方法及びメッキ物
Han et al. Controlled surface oxidation of multi-layered graphene anode to increase hole injection efficiency in organic electronic devices
JP6548329B2 (ja) アルコール含有導電性高分子分散液及び導電性フィルムの製造方法
JP6504843B2 (ja) 導電性高分子組成物および剥離フィルム
JP2019116537A (ja) 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法
JP7519894B2 (ja) 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性積層体