JP2016224080A - 光コンバイナ、投影型虚像視ディスプレイ、設計プログラムおよび設計方法 - Google Patents

光コンバイナ、投影型虚像視ディスプレイ、設計プログラムおよび設計方法 Download PDF

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保士 富田
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保士 富田
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Abstract

【課題】二重像をより一層低減することの可能な光コンバイナ、投影型虚像視ディスプレイ、光コンバイナの設計プログラムおよび光コンバイナの設計方法を提供する。【解決手段】光コンバイナは、互いに対向する第1界面および第2界面を備えている。第1界面および第2界面は、表示光の虚像から発せられた1本の光線が第1界面に斜めに入射することにより第1界面で反射されるとともに、第1界面を屈折透過して第2界面で反射されたのち、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して観察者の網膜位置で重なり合って結像するように構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば合わせガラスなどで構成された光コンバイナ、投影型虚像視ディスプレイ、設計プログラムおよび設計方法に関する。
近年、乗用車のフロントガラスには、従来の強化ガラスに替わり、合わせガラスが使用されている。このフロントガラスを半透明ミラー(光コンバイナ)とする虚像視ヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display:HUD)が普及し始めている。虚像視HUDでは、プロジェクタからの投射画像が、合わせガラスの2つの界面で反射するので、一般的には、二重像が発生する。そこで、貼り合わされた2枚のガラスの間にある中間層に対して適当な楔角を与えることにより二重像を補正することが、例えば特許文献1で提案されている。
特表2011−505330号
J.P. Acloque: Doppelbilder als storender optischer Fehler der Windschutzsheibe (Double image as interfering optical errors in windshields) (Z. Glastechn. Ber. 193 (1970) PP. 193-198)
特許文献1では、非特許文献1の理論に従って、二重像角を算出する方法が引用されている。しかし、特許文献1に記載の方法で算出した二重像角に対応した楔角を中間層に与えた場合であっても、実際に自動車に搭載された虚像視HUDにおいて、二重像が発生することを本出願人は発見した。これは、特許文献1に記載の理論では二重像が十分に解消されないことを意味している。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、二重像をより一層低減することの可能な光コンバイナ、投影型虚像視ディスプレイ、設計プログラムおよび設計方法を提供することにある。
本発明の一実施の形態に係る光コンバイナは、互いに対向する第1界面および第2界面を備えている。第1界面および第2界面は、表示光の虚像から発せられた1本の光線が第1界面に斜めに入射することにより第1界面で反射されるとともに、第1界面を屈折透過して第2界面で反射されたのち、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して観察者の網膜位置で重なり合って結像するように構成されている。
本発明の一実施の形態に係る投影型虚像視ディスプレイは、光コンバイナと、光コンバイナに対して斜めから表示光を照射する投射装置とを備えている。光コンバイナは、互いに対向する第1界面および第2界面を有している。第1界面および第2界面は、表示光の虚像から発せられた1本の光線が第1界面に斜めに入射することにより第1界面で反射されるとともに、第1界面を屈折透過して第2界面で反射されたのち、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して観察者の網膜位置で重なり合って結像するように構成されている。
本発明の一実施の形態に係る設計プログラムは、互いに対向する第1界面および第2界面を備えた光コンバイナの設計プログラムである。この設計プログラムは、「表示光の虚像から発せられた1本の光線が第1界面に斜めに入射することにより第1界面で反射されるとともに、第1界面を屈折透過して第2界面で反射されたのち、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して観察者の網膜位置で重なり合って結像するための第1界面および第2界面の条件を導出すること」をコンピュータに実行させる。
本発明の一実施の形態に係る設計方法は、互いに対向する第1界面および第2界面を備えた光コンバイナの設計方法である。この設計方法は、「表示光の虚像から発せられた1本の光線が第1界面に斜めに入射することにより第1界面で反射されるとともに、第1界面を屈折透過して第2界面で反射されたのち、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して観察者の網膜位置で重なり合って結像するための第1界面および第2界面の条件を導出すること」を含む。
本発明の一実施の形態に係る光コンバイナおよび投影型虚像視ディスプレイでは、表示光の虚像から発せられた1本の光線が第1界面に斜めに入射することにより第1界面で反射されるとともに、第1界面を屈折透過して第2界面で反射されたのち、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して観察者の網膜位置で重なり合って結像する。これにより、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズ位置で結像する場合と比べて、観察者が観察する二重像の間隔が小さくなる。
本発明の一実施の形態に係る設計プログラムおよび設計方法では、表示光の虚像から発せられた1本の光線が第1界面に斜めに入射することにより第1界面で反射されるとともに、第1界面を屈折透過して第2界面で反射されたのち、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して観察者の網膜位置で重なり合って結像するための第1界面および第2界面の条件が導出される。これにより、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズ位置で結像する場合と比べて、観察者が観察する二重像の間隔が小さくなる。
本発明の一実施の形態に係る光コンバイナ、投影型虚像視ディスプレイ、設計プログラムおよび設計方法によれば、第1界面での反射光および第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズ位置で結像する場合と比べて、観察者が観察する二重像の間隔を小さくすることができるようにしたので、二重像をより一層低減することができる。
本発明の一実施の形態に係る光コンバイナの断面構成例を表す図である。 図1の光コンバイナの断面構成の一変形例を表す図である。 光コンバイナ1の機能について説明するための図である。 有限虚像ディスプレイ2の概略構成例を表す図である。 有限虚像ディスプレイ2の概略構成例を表す図である。 有限虚像ディスプレイにおいて、二重像が発生する原理を説明する図である。 図5の一部を拡大して表すグラフ図である。 光線傾角ξの一例を表す図である。 光線傾角ξに対する二重像高さyをプロットした図である。 曲率半径の大きな球面を平面で近似した合わせガラスに楔角を与えることにより発生する射出光線の傾き角を説明するための図である。 偏芯量DCYに対する二重像高さyの一例を表す図である。 光線傾角ξに対する二重像高さyの一例を表す図である。 楔角のdδに対する光線傾角ξの変化dξの関係dξ/dδと、入射角φとの関係の一例を表す図である。 入射角φを60°±10°の範囲で変化させたときの光線傾角ξおよび二重像高さyの関係を表した図である。 入射角φを60°±10°の範囲で変化させたときの光線傾角ξおよび二重像視野角ηの関係を表す図である。 入射角φを60°±10°の範囲で変化させたときの光線傾角ξおよび二重像視野角ηの関係を表す図である。 入射角φを60°±10°の範囲で変化させたときの光線傾角ξおよび二重像視野角ηの関係を表す図である。 設計プログラムを備えた情報処理装置の概略構成例を表す図である。 特許文献1の記載の発明の概略構成例を表す図である。 図1の光コンバイナの断面構成の一変形例を表す図である。 図1の光コンバイナの断面構成の一変形例を表す図である。
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。
<1.実施の形態>
[構成]
本技術の一実施の形態に係る光コンバイナ1およびそれを備えた有限虚像ディスプレイ2の構成について説明する。光コンバイナ1は、本技術の「光コンバイナ」の一具体例に対応する。有限虚像ディスプレイ2は、本技術の「投影型虚像ディスプレイ」の一具体例に対応する。
(光コンバイナ1)
図1は、光コンバイナ1の断面構成例を表したものである。光コンバイナ1は、第1界面1Aを有する第1光透過層11と、第2界面1Bを有する第2光透過層12と、第1光透過層11および第2光透過層12に挟まれた中間層13とを備えている。第1光透過層11は、本技術の「第1光透過層」の一具体例に対応する。第2光透過層12は、本技術の「第2光透過層」の一具体例に対応する。中間層13は、本技術の「中間層」の一具体例に対応する。
第1光透過層11および第2光透過層12は、可視光を透過する板状部材であり、例えば、平坦なガラス板、平坦な樹脂板、または、平坦な樹脂フィルムによって構成されている。なお、第1光透過層11および第2光透過層12は、例えば、図2に示したように、湾曲したガラス板、湾曲した樹脂板、または、湾曲した樹脂フィルムによって構成されていてもよい。
中間層13は、第1界面1Aおよび第2界面1Bによる楔角δを形成するためのものである。楔角δは、第1界面1Aおよび第2界面1Bでの反射光によって形成され得る二重像の低減もしくは解消を行うためのものである。中間層13は、例えば、第1界面1Aと平行な界面、および第2界面1Bと平行な界面を有している。中間層13が平坦なガラス板、平坦な樹脂板、または、平坦な樹脂フィルムによって構成されている場合には、第1界面1Aと平行な界面と、第2界面1Bと平行な界面とにより、楔角δが形成されている。中間層13が湾曲したガラス板、湾曲した樹脂板、または、湾曲した樹脂フィルムによって構成されている場合には、第1界面1Aと平行な界面の接線と、第2界面1Bと平行な界面の接線とにより、楔角δが形成されている。
図3は、光コンバイナ1の機能について説明するためのものである。光コンバイナ1は、投射装置の表示光の虚像Iv1の光を、光コンバイナ1の背後の景色と共に、観察者に視認させるためのものである。光コンバイナ1において、第1界面1Aおよび第2界面1Bは、表示光(入射光線L1)に対して反射面として機能する一方で、光コンバイナ1の背後から入射する外光に対して透過面として機能する。また、光コンバイナ1において、第1界面1Aおよび第2界面1Bは、第1界面1Aおよび第2界面1Bでの反射光によって、光コンバイナ1の背後に虚像Iv2,Iv3を形成する。虚像Iv1は、後述のプロジェクタ3から射出された入射光線L1によって生成される。虚像Iv1の光が入射角φ(0°<φ<90°)で第1界面1Aに入射する。虚像Iv2は、入射角φで第1界面1Aに入射した虚像Iv1の光の、第1界面1Aでの反射光線L2によって生成される。虚像Iv3は、入射角φで第1界面1Aに入射した虚像Iv1の光の、第2界面1Bでの反射光線L3によって生成される。虚像Iv2,Iv3は、概ね同一の位置に生成される。
第1界面1Aおよび第2界面1Bは、虚像Iv1から発せられた1本の光線が第1界面1Aに斜めに入射することにより第1界面1Aで反射されるとともに、上述の1本の光線が第1界面1Aを屈折透過して第2界面1Bで反射されるように構成されている。第1界面1Aおよび第2界面1Bは、さらに、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4を介して観察者の網膜5の位置で重なり合って結像するように構成されている。第1界面1Aおよび第2界面1Bは、さらに、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4を介して観察者の網膜5の位置で目の解像度以下に結像するように構成されていることが好ましい。このとき、第1界面1Aおよび第2界面1Bは、楔角δが一定値となるように構成されていることが好ましい。なお、第1界面1Aおよび第2界面1Bは、楔角δが面内で連続的に異なるように構成されていてもよい。さらに、第1界面1Aおよび第2界面1Bのなす角である楔角δが、上述の1本の光線の、第1界面1Aへの入射角φが所定の範囲内となっているときに二重像視野角ηが所望の範囲内となるように設定されていることが好ましい。二重像視野角ηについては、後に詳述する。
なお、図3において、第2界面1Bでの反射光線L3’は、第2界面1Bが第1界面1Aと平行となっており、楔角δが存在しない場合に、第2界面1Bに入射光線L1が入射したときの、第2界面1Bでの反射光である。反射光線L3’は、網膜5において、反射光線L2とは異なる場所に入射している。さらに、反射光線L3’によって生成される虚像Iv4は、虚像Iv2とは異なる場所に位置している。そのため、反射光線L2および反射光線L3’は、網膜5の位置において重なり合って結像せず、網膜5には二重像が発生する。
(有限虚像ディスプレイ2)
図4Aは、光コンバイナ1を備えた有限虚像ディスプレイ2の概略構成例を表したものである。図4Aでは、光コンバイナ1が、例えば、自動車のフロントガラスの全体または一部を構成している。なお、光コンバイナ1が、例えば、自動車のフロントガラスに貼り付けるのに適したシートで構成されていてもよい。つまり、有限虚像ディスプレイ2が、ヘッドアップディスプレイとして構成されている。有限虚像ディスプレイ2は、光コンバイナ1と、光コンバイナ1に対して斜めから入射光線L1を照射するプロジェクタ3とを備えている。プロジェクタ3は、本技術の「投射装置」の一具体例に対応する。有限虚像ディスプレイ2において、光コンバイナ1は、観察者側の第1界面1Aと、観察者とは反対側の第2界面1Bとを有している。つまり、有限虚像ディスプレイ2において、光コンバイナ1は、観察者側に第1光透過層11を有しており、観察者とは反対側に第2光透過層12を有している。ここで、有限虚像ディスプレイとは、観察者が観察面Oを有限の距離に見ること、すなわち投射装置の入射光線L1の虚像Iv1が観察者から有限距離にあることを意味する。ここでいう有限距離とは10m以下を言い、それ以上の距離は無限距離と同等に扱うことが多い。
(有限虚像ディスプレイ7)
図4Bは、光コンバイナ1を備えた有限虚像ディスプレイ7の概略構成例を表したものである。図4Bでは、光コンバイナ7が、例えば、眼鏡のフレーム部8の窓部8Aの全体または一部を構成している。つまり、有限虚像ディスプレイ7が、ヘッドマウントディスプレイとして構成されている。有限虚像ディスプレイ7は、光コンバイナ1と、光コンバイナ1に対して斜めから入射光線L1を照射するプロジェクタ3と、光コンバイナ1およびプロジェクタ3を支持するフレーム部8とを備えている。フレーム部8は、観察者6の瞳のレンズ4と対向する位置に窓部8Aを有している。光コンバイナ1は、窓部8Aに取り付けられている。有限虚像ディスプレイ7において、光コンバイナ1は、観察者側の第1界面1Aと、観察者とは反対側の第2界面1Bとを有している。つまり、有限虚像ディスプレイ7において、光コンバイナ1は、観察者側に第1光透過層11を有しており、観察者とは反対側に第2光透過層12を有している。
(二重像の発生原理)
図5は、有限虚像ディスプレイ2,7において、二重像が発生する原理を説明したものである。図6は、図5の一部を拡大して表したものである。図5には、自動車の車軸を含む、有限虚像ディスプレイ2,7の垂直断面内における有限虚像ディスプレイ2,7の全光学系が、観察者の瞳のレンズ4および観察者の網膜5と共に表されている。網膜5は、瞳の奥に配置されており、瞳とは別体で設けられている。なお、以下では、瞳のレンズ4の光軸AXが自動車の車軸、または、窓部8Aの法線と平行となっているものとする。
投射装置の表示光の虚像Iv2が生成される位置と網膜5との距離を虚像撮影距離Lとする。虚像Iv2が生成される位置と焦点距離fの瞳のレンズ4と距離を虚像距離a’とする。瞳のレンズ4と網膜5との距離をレンズ像面間距離b’とする。このとき、レンズの結像公式により、以下の式(1)が成り立つ。なお、a’+b’=Lである。第1界面1Aでの反射光線L2の光軸を瞳のレンズ4の光軸AXに合わせたとき、虚像Iv2の実像が瞳のレンズ4の光軸AX上であって、かつ瞳のレンズ4からレンズ像面間距離b’だけ離れた箇所(つまり、網膜5上)に生成される。
Figure 2016224080
ここで楔角δが設けられていない曲面の光コンバイナ1を考える。すなわち、入射光線L1(虚像Iv1の光)の、第1界面1Aへの入射点Pにおいて、第1界面1Aは、図5中のOを曲率中心とする半径Rの球面となっているとする。また、入射光線L1(虚像Iv1の光)の、第2界面1Bへの入射点Qにおいて、第2界面1Bは、図5中のOを曲率中心とする半径(半径R+板厚t)の球面となっているとする。このとき、入射点Pにおける屈折角θは、スネルの法則から、以下の式(2)で与えられる。なお、式(2)中のnは、光コンバイナ1の屈折率である。
Figure 2016224080
入射点Qで反射された光(反射光線L3)の、第1界面1Aでの射出点を前面射出点Eとするとき、入射点Pと前面射出点Eとを結ぶ弦PEの長さは、2ttanθで近似される。このとき、曲率中心Oから弦PEを見込む角ξ0は、以下の式(3)で与えられる。
Figure 2016224080
入射点Qと曲率中心Oとを結ぶ直線QOに関して、第1界面1Aへ入射する光線(入射光線L1)と、第2界面1Bで反射して射出点Eから射出する光線(反射光線L3)とはミラー対称な光路をたどり、前面射出点Eからの射出光線L4は、瞳のレンズ4の光軸AX(第1界面1Aで反射して射出点Pから射出する光線(反射光線L2))に対して角度ξ0だけ下向きに進行する。
ここで、反射光線L2を基準としたときの反射光線L3の光線傾角を示す式(3)は、J.P.Acloqueによって算出された式と一致する。しかし、式(3)の光線傾角ξ0が二重像角と一致するのは無限虚像の場合であり、有限虚像の場合には一致せず、虚像距離a’に依存する。
そこで、再び図5、図6を用いて、楔角δが設けられた曲面の光コンバイナ1を仮定して、二重像高さyをレンズ像面間距離b’で除した角を二重像視野角ηとして、任意の光線傾角ξと二重像視野角ηの関係を求める。
まず、前面射出点Eと光軸AXとの距離を光軸高さhとすると、光軸高さhは、以下の式(4)で近似される。光軸高さhは、本発明の「距離h」の一具体例に対応する。
Figure 2016224080
次に、瞳のレンズ4による、前面射出点Eからの射出光線(反射光線L3)の像E’は、前面射出点Eと瞳のレンズ4との距離をaとすると、レンズの公式(以下の式(5))により決まる距離bの位置に現れる。このとき、像E’の高さh’は、以下の式(6)により計算される。
Figure 2016224080
Figure 2016224080
次に、任意の光線傾角をξとしたとき、光線傾角ξの光の光軸が通過する、瞳のレンズ4の表面上の点を通過点Gとし、通過点Gと光軸AXとの距離を光軸高さh’’とする。光線傾角ξは、本発明の「光線傾角ξ」の一具体例に対応する。このとき、光軸高さh’’は、以下の式(7)で与えられる。
Figure 2016224080
ここで、通過点Gと像E’の端部とを結ぶ直線が通過する、網膜5上の点と、光軸AXとの距離を二重像高さyとすると、光軸高さh、h‘、h’’を用いて、二重像高さyは、以下の式(8)により計算される。
Figure 2016224080
式(8)は、式(6)と式(7)を用いて式(9)と記載できる。
Figure 2016224080
ここで、式(9)中の光軸高さhは、以下の式(10)で表される。光軸高さhは、画像光L1の第1界面1Aへの入射角φをパラメタとする関数となっている。
Figure 2016224080
結果として、二重像視野角ηは、式(9)の二重像高さyをレンズ像面間距離b’で除することにより得られる。このようにして、以下の式(11)に示したように、任意の光線傾角ξと二重像視野角ηの関係が得られる。二重像視野角ηは、光軸高さhおよび光線傾角ξをパラメタとする関数となっている。二重像視野角ηは、本発明の「二重像視野角η」の一具体例に対応する。
Figure 2016224080
次に、光コンバイナ1の楔角δと光線傾角ξの変化Δξの関係を求める。図7は、第1光透過層11および第2光透過層12が楔角δで互いに対向しているときの光線傾角ξの一例を表したものである。図7において、初等幾何学を用いて、曲率半径の大きな球面を平面で近似し、第1光透過層11および第2光透過層12に楔角δを与えたときの光線傾角ξは、以下の式(12)で示した楔角Δξだけ変化する。ここで、屈折角θは、光コンバイナ1の屈折率をnとしたとき、入射角φに対応する屈折角としている。
Figure 2016224080
よって、式(11)中の光線傾角ξは、前記の式(3)の光線傾角ξ0と、楔角δがあるときの式(12)の光線傾角の変化Δξとの和で表される。つまり、光線傾角ξは、入射角φ、ならびに第1界面1Aおよび第2界面1Bの楔角δをパラメタとする関数となっている。楔角δは、入射角φが所定の範囲内となっているときに、二重像視野角ηが所望の範囲内となるように設定される。
理想的には、楔角δは、入射角φが固定で、二重像視野角ηがゼロとなるように設定されることが望ましい。
ここで、式(11)を式(3)と比較すると、式(11)には、光軸高さhを含む項が存在し、式(3)には、光軸高さhを含む項が存在しない。ここで虚像距離a’が非常に大きい場合、式(11)は、光軸高さhを含む項が無視できて、かつ光線傾角ξがξ0となり、J.P.Acloqueによって算出された二重像角の式に等価な式(3)に漸近することがわかる。すなわち、光軸高さhを含む項が存在する式(11)は、虚像距離a’が非常に大きい極限でJ.P.Acloqueの式を包含する式であり、任意の虚像位置に対して二重像視野角ηを与える一般式であると言える。
(数値例)
式(11)は、虚像距離a’が非常に大きい場合を除き、二重像視野角ηが光軸高さhに依存することを示している。現実の半径Rや板厚tの大きさによっては、むしろ、光軸高さhに依存する二重像視野角ηの成分がより大きくなる可能性がある。そこで、実際の光コンバイナ1の典型的な数値例に基づいて本発明を説明する。
光コンバイナ1において、曲率半径(半径R)を15000mm、板厚tを4mm、屈折率nを1.5168とした。また、光コンバイナ1への入射角φを60°、虚像撮影距離Lを2500mm、距離aを878mmとした。また、瞳のレンズ4の代わりに、焦点距離fのレンズを用意した。
図8は、式(11)より求めた光線傾角ξに対する二重像高さyをプロットしたものである。図7の横軸は、光線傾角ξを分単位で表したものである。図8の縦軸は、二重像高さyをmm単位で表したものである。プロット直線の右端の横軸座標は、1.28’であり、曲率中心Oを共有する、楔角δのない曲率半径15000mmおよび曲率半径15004mmの光コンバイナ1に、式(3)を適用して求めた光線傾角ξ0に対応している。光線傾角ξがξ0となっているとき、二重像高さyが0.07mmであることが図7から読み取れる。このとき、レンズ像面間距離b’が51mmとなっているので、二重像視野角η(=y/b’)は、4.7’である。一方、光線傾角ξ=−6’程度となるように、第1光透過層11および第2光透過層12の球面に楔角δをつけると、二重像高さyが0mmとなり、二重像視野角ηを完全に補正する(つまり、ゼロにする)ことができることがわかる。従来例の光線傾角ξが0となるように楔角δを設定した場合の二重像視野角補正量は、本発明の光線傾角ξが−6’程度となるように楔角δを設定した場合の補正量の1/6程度しかない。
(設計プログラムによる確認)
式(11)の導出には、楔角δによって光線傾角ξが変化してもf、光軸高さhが変化しない近似が使われている。そこで、実際に第1光透過層11および第2光透過層12に楔角δを与えたときの補正の効果を設計プログラムによって確認する。
Figure 2016224080
Figure 2016224080
表1は、光線追跡に用いたレンズのデータである。表2は、反射光線L3の虚像中心から高さ10-5mmだけ離れた物点より発する主光線の光線追跡結果を表したものである。表1において、「*」は、X軸周りの回転DLAの回転角であることを示している。表1において、「偏芯」は、第2界面1Bの第1界面1Aに対する(y軸方向の)偏芯DCYであり、第1光透過層11および第2光透過層12に楔角δを付けることと等価である。なお、第1界面1Aおよび第2界面1Bにおける反射の後では、Z軸が反転するように定義づけられている。そのため、厚みや仮想レンズの焦点距離にマイナス符号が付けられる。
−6mmの偏芯を与えたときに発生する球面ティルトにおいて、像面(8)の光軸高さhが0.004654mmとなり、二重像視野角ηは、実質的に0になる。なお、射出面(6)での光軸高さhが−2.776453mmで、近軸光線追跡の光線高さ−2.77mmにほぼ一致している。
図9は、曲率半径(半径R)の大きな球面を平面で近似した合わせガラスに楔角δを与えることにより発生する射出光線の傾き角を説明するためのものである。図10は、球面偏芯量に対する二重像高さyの一例を表したものである。図10の横軸は、球面に対する偏芯DCYをmm単位で表したものである。図10の縦軸は、二重像高さyをmm単位で表したものである。図11は、図10の横軸を以下の式(13)を用いて偏芯DCYを光線傾角ξに変換したもの(点プロット)と、式(11)により計算された結果(実線)を比較したものの一例を表したものである。
Figure 2016224080
偏芯量DCYと光線傾角ξとの関係は、上記の式(3)と、式(12)でδ=DCY/Rとしたものとの和で表される。
図11から、式(11)は、光線追跡プログラムで第1界面1Aおよび第2界面1Bに偏芯を与え、楔角δを発生させたものと良く一致することがわかる。
さて、楔角δに対する光線傾角ξの変化Δξは、入射角φによって、前述の式(12)に従って変化する。
図12は、楔角δのdδに対する光線傾角ξの変化dξの関係dξ/dδを、入射角φを横軸に一例として表したものである。入射角φが大きくなると、dξ/dδが増加し、入射角φが60°のとき、dξ/dδは5程度になる。
図13は、入射角φを60°±10°の範囲で変化させたときの光線傾角ξおよび二重像高さyの関係を、式(11)を用いたもの(実線)と、光線追跡プログラムを用いて得られたもの(点プロット)とで表したものである。図13から、入射角φが60°±10°の範囲において、式(11)を用いて得た結果と光線追跡プログラムを用いて得た結果が良く一致し、二重像視野角ηを補正する光線傾角ξが−6'付近であることがわかる。
図14A、図14B、図14Cは、入射角φを60°±10°の範囲で変化させたときの光線傾角ξおよび二重像視野角ηの関係を表したものである。図14Aは、虚像距離a’が2.5mのときの光線傾角ξおよび二重像視野角ηの関係を表したものである。図14Bは、虚像距離a’が5mのときの光線傾角ξおよび二重像視野角ηの関係を表したものである。図14Cは、虚像距離a’が10mのときの光線傾角ξおよび二重像視野角ηの関係を表したものである。図14Aから、虚像距離a’が2.5mのときには、二重像視野角ηを絶対値で1’以内にする光線傾角ξは、−7’程度であることがわかる。図14Bから、虚像距離a’が5mのときには、二重像視野角ηを絶対値で1’以内にする光線傾角ξは、−3.5’程度であることがわかる。図14Cから、虚像距離a’が10mのときには、二重像視野角ηを絶対値で1’以内にする光線傾角ξは、−2’程度であることがわかる。これらのことから、虚像距離a’が長い方が、小さい楔角δで効率的に二重像視野角ηを低減することができ、二重像視野角ηの補正に有利であることがわかる。
図15は、設計プログラム92Aを備えた情報処理装置9の概略構成例を表したものである。情報処理装置9は、制御部91と、設計プログラム92Aを記憶する記憶部92と、入力部93とを備えている。制御部91は、入力部93からの入力を受け付けたり、受け付けた入力内容に基づく処理を行う。制御部91は、また、記憶部92に記憶されている設計プログラム92Aが制御部91にロードされたときに、設計プログラム92Aに記述された一連の動作を実行する。設計プログラム92Aのロードされた制御部91(以下、単に「制御部91」と称する。)は、光コンバイナ1の第1界面1Aおよび第2界面1Bの条件を導出する。
制御部91は、虚像Iv1から発せられた1本の光線が第1界面1Aに斜めに入射することにより第1界面1Aで反射されるとともに、上述の1本の光線が第1界面1Aを屈折透過して第2界面1Bで反射されるように、第1界面1Aおよび第2界面1Bの条件を導出する。制御部91は、さらに、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4を介して観察者の網膜5の位置で重なり合って結像するように、第1界面1Aおよび第2界面1B条件を導出する。制御部91は、さらに、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4を介して観察者の網膜5の位置で目の解像度以下に結像するように、第1界面1Aおよび第2界面1B条件を導出することが好ましい。このとき、制御部91は、楔角δが一定値となるように第1界面1Aおよび第2界面1Bの条件を導出することが好ましい。制御部91は、楔角δの値を導出する際に、上述の式(11)を用いる。二重像視野角ηは、光軸高さhおよび光線傾角ξをパラメタとする関数となっている。制御部91は、二重像視野角ηがゼロになるように楔角δを設定してもよい。なお、制御部91は、楔角δが面内で連続的に異なるように第1界面1Aおよび第2界面1Bの条件を導出してもよい。さらに、制御部91は、上述の1本の光線の、第1界面1Aへの入射角φが所定の範囲内となっているときに二重像視野角ηが所望の範囲内となるように楔角δの値を導出する。制御部91は、複数の入射角φが想定される場合に、最小二乗法を用いて二重像視野角ηが最小になる楔角δの値を導出してもよい。
[効果]
次に、特許文献1の記載の発明と対比しつつ、本発明の効果について説明する。
図16は、特許文献1の記載の発明の概略を表したものである。虚像Iv100からの光(入射光線L100)が第1界面100Aに斜めに入射することより第1界面100Aで反射されるとともに、虚像Iv100からの光(入射光線L100)が第1界面100Aを屈折透過して第2界面100Bで反射される。第1界面100Aでの反射光線L200および第2界面100Bでの反射光線L300’が観察者の瞳のレンズ4の位置で結像する。このとき、観察者には、反射光線L200および反射光線L300’によって生成される虚像Iv200および虚像Iv300が互いに異なる位置に生じているように見える。つまり、二重像が発生する。そこで、特許文献1では、二重像角ψがゼロとなるように、第2界面100Bを傾けて、楔角δを生じさせる。
結果として、特許文献1の記載の発明では、二重像角ψをゼロにしていることから、虚像Iv200,300が無限遠に生じることが前提となっている。しかし、ヘッドアップディスプレイの用途では、虚像Iv200,300の位置は、瞳のレンズ4の位置から、せいぜい、2.5m〜20mの範囲内にある。そのため、このように、虚像Iv200,300が瞳のレンズ4の位置から近距離の位置に生じる場合には、特許文献1の記載の発明では、楔角δの補正量が不十分となり、二重像が解消されない。
一方、本実施の形態では、虚像Iv1から発せられた1本の光線が第1界面1Aに斜めに入射することにより第1界面1Aで反射されるとともに、第1界面1Aを屈折透過して第2界面1bで反射されたのち、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4を介して観察者の網膜5の位置で重なり合って結像する。これにより、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4上で結像する場合と比べて、観察者が観察する二重像の間隔が小さくなる。その結果、特許文献1の記載の発明と比べて、二重像をより一層低減することができる。また、本実施の形態において、虚像Iv1から発せられた1本の光線が第1界面1Aに斜めに入射することにより第1界面1Aで反射されるとともに、第1界面1Aを屈折透過して第2界面1bで反射されたのち、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4を介して観察者の網膜5の位置で目の解像度以下に結像する場合には、二重像をほとんどなくすことができる。
<2.変形例>
以下に、上記実施の形態の光コンバイナ1の変形例について説明する。なお、以下では、上記実施の形態と共通の構成要素に対しては、上記実施の形態で付されていた符号と同一の符号が付される。また、上記実施の形態と異なる構成要素の説明を主に行い、上記実施の形態と共通の構成要素の説明については、適宜、省略するものとする。
図17は、光コンバイナ1の断面構成の一変形例を表したものである。本変形例では、中間層13が省略されており、光コンバイナ1は、第1光透過層11および第2光透過層12が一体に形成されたものと等価な光透過層14を備えている。つまり、光透過層14、第1界面1Aおよび第2界面1Bを有する単一の光透過層である。光透過層14は、本技術の「光透過層」の一具体例に対応する。
光透過層14は、可視光を透過する板状部材であり、例えば、平坦なガラス板、平坦な樹脂板、または、平坦な樹脂フィルムによって構成されている。なお、光透過層14は、例えば、図18に示したように、湾曲したガラス板、湾曲した樹脂板、または、湾曲した樹脂フィルムによって構成されていてもよい。光透過層14では、第1界面1Aおよび第2界面1Bによって楔角δが形成されている。
本変形例では、上記実施の形態と同様、虚像Iv1から発せられた1本の光線が第1界面1Aに斜めに入射することにより第1界面1Aで反射されるとともに、第1界面1Aを屈折透過して第2界面1bで反射されたのち、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4を介して観察者の網膜5の位置で重なり合って結像する。これにより、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4で結像する場合と比べて、観察者が観察する二重像の間隔が小さくなる。その結果、特許文献1の記載の発明と比べて、二重像をより一層低減することができる。また、本変形例において、虚像Iv1から発せられた1本の光線が第1界面1Aに斜めに入射することにより第1界面1Aで反射されるとともに、第1界面1Aを屈折透過して第2界面1bで反射されたのち、第1界面1Aでの反射光線L2および第2界面1Bでの反射光線L3が観察者の瞳のレンズ4を介して観察者の網膜5の位置で目の解像度以下に結像する場合には、二重像をほとんどなくすことができる。
1…光コンバイナ、1A…第1界面、1B…第2界面、2,7…有限虚像視ディスプレイ、3…プロジェクタ、4…レンズ、5…網膜、6…観察者、8…フレーム部、8A…窓部、9…情報処理装置、11…第1光透過層、12…第2光透過層、13…中間層、14…光透過層、91…制御部、92…記憶部、92A…設計ブログラム、93…入力部、Iv1,Iv2,Iv3,Iv4,Iv100,Iv200,Iv300…虚像、L1…入射光線、L2,L3,L3’…反射光線、O…観察面、δ…楔角。

Claims (21)

  1. 互いに対向する第1界面および第2界面を備え、
    前記第1界面および前記第2界面は、表示光の虚像から発せられた1本の光線が前記第1界面に斜めに入射することにより前記第1界面で反射されるとともに、前記第1界面を屈折透過して前記第2界面で反射されたのち、前記第1界面での反射光および前記第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して前記観察者の網膜位置で重なり合って結像するように構成されている
    光コンバイナ。
  2. 二重像視野角ηが、距離hおよび光線傾角ξをパラメタとする関数となっており、
    前記距離hは、前記光線の前記第1界面への入射角φをパラメタとする関数となっており、
    前記光線傾角ξは、前記入射角φ、ならびに前記第1界面および前記第2界面の楔角δをパラメタとする関数となっており、
    前記楔角δは、前記入射角φが所定の範囲内となっているときに前記二重像視野角ηが所望の範囲内となるように設定されている
    請求項1に記載の光コンバイナ。
    前記二重像視野角η:前記観察者の網膜位置に形成される二重像間隔yを、前記観察者の瞳のレンズから前記観察者の網膜位置までの距離b'で除した角
    前記距離h:前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点と、前記第1界面での反射光の光軸との距離
    前記光線傾角ξ:前記射出点と前記光軸とのなす角度
  3. 前記二重像視野角ηが、以下の式で与えられる
    Figure 2016224080
    請求項2に記載の光コンバイナ。
    前記距離a:前記観察者の瞳のレンズからみた、前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点距離
    前記距離b:前記観察者の瞳のレンズからみた、前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点の像面距離
    前記距離f:前記観察者の瞳のレンズの焦点距離
    前記距離b': 前記観察者の瞳のレンズから前記観察者の網膜位置までの距離
  4. 前記第1界面および前記第2界面は、表示光の虚像から発せられた1本の光線が前記第1界面に斜めに入射することにより前記第1界面で反射されるとともに、前記第1界面を屈折透過して前記第2界面で反射されたのち、前記第1界面での反射光および前記第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して前記観察者の網膜位置で目の解像度以下に結像するように構成されている
    請求項3に記載の光コンバイナ。
  5. 前記第1界面および前記第2界面は、前記楔角δが一定値となるように、または、前記楔角δが、前記二重像視野角ηが所望の範囲内に収まる限りにおいて面内で連続的に異なるように構成されている
    請求項2に記載の光コンバイナ。
  6. 前記第1界面を有する第1光透過層と、
    前記第2界面を有する第2光透過層と、
    前記第1光透過層および前記第2光透過層に挟まれ、前記第1界面および前記第2界面による前記楔角δを形成する中間層と
    を備えた
    請求項5に記載の光コンバイナ。
  7. 前記第1界面および前記第2界面を有する単一の光透過層を備えた
    請求項5に記載の光コンバイナ。
  8. 当該光コンバイナは、自動車のフロントガラスである
    請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の光コンバイナ。
  9. 光コンバイナと、
    前記光コンバイナに対して斜めから表示光を照射する投射装置と
    を備え、
    前記光コンバイナは、互いに対向する第1界面および第2界面を有し、
    前記第1界面および前記第2界面は、前記表示光の虚像から発せられた1本の光線が前記第1界面に斜めに入射することにより前記第1界面で反射されるとともに、前記第1界面を屈折透過して前記第2界面で反射されたのち、前記第1界面での反射光および前記第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して前記観察者の網膜位置で重なり合って結像するように構成されている
    投影型虚像視ディスプレイ。
  10. 二重像視野角ηが、距離hおよび光線傾角ξをパラメタとする関数となっており、
    前記距離hは、前記光線の前記第1界面への入射角φをパラメタとする関数となっており、
    前記光線傾角ξは、前記入射角φ、ならびに前記第1界面および前記第2界面の楔角δをパラメタとする関数となっており、
    前記楔角δは、前記入射角φが所定の範囲内となっているときに前記二重像視野角ηが所望の範囲内となるように設定されている
    請求項9に記載の投影型虚像視ディスプレイ。
    前記二重像視野角η:前記観察者の網膜位置に形成される二重像間隔yを、前記観察者の瞳のレンズから前記観察者の網膜位置までの距離b'で除した角
    前記距離h:前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点と、前記第1界面での反射光の光軸との距離
    前記光線傾角ξ:前記射出点と前記光軸とのなす角度
  11. 前記二重像視野角ηが、以下の式で与えられる
    Figure 2016224080
    請求項10に記載の投影型虚像視ディスプレイ。
    前記距離a:前記観察者の瞳のレンズからみた、前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点距離
    前記距離b:前記観察者の瞳のレンズからみた、前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点の像面距離
    前記距離f:前記観察者の瞳のレンズの焦点距離
    前記距離b': 前記観察者の瞳のレンズから前記観察者の網膜位置までの距離
  12. 前記第1界面および前記第2界面は、前記表示光の虚像から発せられた1本の光線が前記第1界面に斜めに入射することにより前記第1界面で反射されるとともに、前記第1界面を屈折透過して前記第2界面で反射されたのち、前記第1界面での反射光および前記第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して前記観察者の網膜位置で目の解像度以下に結像するように構成されている
    請求項11に記載の投影型虚像視ディスプレイ。
  13. 当該投影型虚像視ディスプレイは、ヘッドアップディスプレイまたはヘッドマウントディスプレイである
    請求項9ないし請求項12のいずれか一項に記載の投影型虚像視ディスプレイ。
  14. 前記光コンバイナは、自動車のフロントガラスである
    請求項9ないし請求項13のいずれか一項に記載の投影型虚像視ディスプレイ。
  15. 互いに対向する第1界面および第2界面を備えた光コンバイナの設計プログラムであって、
    表示光の虚像から発せられた1本の光線が前記第1界面に斜めに入射することにより前記第1界面で反射されるとともに、前記第1界面を屈折透過して前記第2界面で反射されたのち、前記第1界面での反射光および前記第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して前記観察者の網膜位置で重なり合って結像するための前記第1界面および前記第2界面の条件を導出すること
    をコンピュータに実行させる
    設計プログラム。
  16. 二重像視野角ηが、距離hおよび光線傾角ξをパラメタとする関数となっており、
    前記距離hは、前記光線の前記第1界面への入射角φをパラメタとする関数となっており、
    前記光線傾角ξは、前記入射角φ、ならびに前記第1界面および前記第2界面の楔角δをパラメタとする関数となっており、
    前記入射角φが所定の範囲内となっているときに前記二重像視野角ηが所望の範囲内となるように前記楔角δの値を導出すること
    をコンピュータに実行させる
    請求項15に記載の設計プログラム。
    前記二重像視野角η:前記観察者の網膜位置に形成される二重像間隔yを、前記観察者の瞳のレンズから前記観察者の網膜位置までの距離b'で除した角
    前記距離h:前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点と、前記第1界面での反射光の光軸との距離
    前記光線傾角ξ:前記射出点と前記光軸とのなす角度
  17. 前記二重像視野角ηが、以下の式で与えられる
    Figure 2016224080
    請求項16に記載の設計プログラム。
    前記距離a:前記観察者の瞳のレンズからみた、前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点距離
    前記距離b:前記観察者の瞳のレンズからみた、前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点の像面距離
    前記距離f:前記観察者の瞳のレンズの焦点距離
    前記距離b': 前記観察者の瞳のレンズから前記観察者の網膜位置までの距離
  18. 複数の前記入射角φが想定される場合に、最小二乗法を用いて前記二重像視野角ηが最小になる前記楔角δの値を導出すること
    をコンピュータに実行させる
    請求項17に記載の設計プログラム。
  19. 互いに対向する第1界面および第2界面を備えた光コンバイナの設計方法であって、
    表示光の虚像から発せられた1本の光線が前記第1界面に斜めに入射することにより前記第1界面で反射されるとともに、前記第1界面を屈折透過して前記第2界面で反射されたのち、前記第1界面での反射光および前記第2界面での反射光が観察者の瞳のレンズを介して前記観察者の網膜位置で重なり合って結像するように、前記第1界面および前記第2界面の条件を導出すること
    を含む
    設計方法。
  20. 二重像視野角ηが、距離hおよび光線傾角ξをパラメタとする関数となっており、
    前記距離hは、前記光線の前記第1界面への入射角φをパラメタとする関数となっており、
    前記光線傾角ξは、前記入射角φ、ならびに前記第1界面および前記第2界面の楔角δをパラメタとする関数となっており、
    前記入射角φが所定の範囲内となっているときに前記二重像視野角ηが所望の範囲内となるように前記楔角δの値を導出すること
    を含む
    請求項19に記載の設計方法。
    前記二重像視野角η:前記観察者の網膜位置に形成される二重像間隔yを、前記観察者の瞳のレンズから前記観察者の網膜位置までの距離b'で除した角
    前記距離h:前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点と、前記第1界面での反射光の光軸との距離
    前記光線傾角ξ:前記射出点と前記光軸とのなす角度
  21. 前記二重像視野角ηが、以下の式で与えられる
    Figure 2016224080
    請求項20に記載の設計方法。
    前記距離a:前記観察者の瞳のレンズからみた、前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点距離
    前記距離b:前記観察者の瞳のレンズからみた、前記第2界面での反射光の、前記第1界面での射出点の像面距離
    前記距離f:前記観察者の瞳のレンズの焦点距離
    前記距離b': 前記観察者の瞳のレンズから前記観察者の網膜位置までの距離
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