JP2016223557A - バルブステムシール - Google Patents

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Takuya Fujii
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Abstract

【課題】シールリップに加わる背圧の低減を図りつつ背圧に基づくバルブステムに対する摺動抵抗の増大の防止を図ることができるバルブステムシールを提供する。
【解決手段】バルブステムシール1は、軸線xを中心とする環状の補強環10と、弾性体から形成されている軸線xを中心とする環状の弾性体部20とを備えている。弾性体部20のシール部21は、シール基部23と、バルブステム52に当接するシールリップ24と、軸線x方向においてシールリップ24から離間して配設されている環状の背圧リップ25と、軸線x方向においてシールリップ24と背圧リップ25との間に配設されている環状の突起26とを有している。背圧リップ25には軸線x方向において背圧リップ25を貫通する背圧リップ溝30が少なくとも1つ形成されており、突起26には軸線x方向において突起26を貫通する突起溝26aが少なくとも1つ形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、バルブステムシールに関し、特に、自動車の内燃機関におけるバルブにおいて用いられるバルブステムシールに関する。
従来から、内燃機関において、カム側とシリンダ側との間を往復動するバルブのバルブステムとバルブガイドとの間の空間の密封を図るためにバルブステムシールが用いられている。バルブステムシールは、バルブガイドとバルブステムとの間にバルブステムの摺動を円滑に行わせるための潤滑油を供給しつつ、白煙発生等の不具合を防止するためこの潤滑油の供給量を制御してポートやシリンダへの潤滑油の流入の防止を図っている。図5は、従来のバルブステムシールを取り付け状態において示す部分断面図である。図5に示すように、従来のバルブステムシール100は、補強環101と、補強環101に一体的に形成されている弾性体から成る弾性体部102とを備え、弾性体部102は、バルブステム110に対してバルブステム110が摺動自在に接触するシールリップ103と、シールリップ103よりシリンダ側に配設された背圧リップ104とを備えている。また、従来のバルブステムシール100は、シールリップ103と背圧リップ104との間に、環状の突起105を有している。突起105には、周方向に等角度間隔に切欠きが形成されている。
バルブステムシール100は、弾性体部102の嵌合部106がバルブガイド111と補強環101との間で圧縮されて、バルブガイド111に嵌着され、シールリップ103がバルブステム110に接触して上述のように潤滑油の供給量を制御する。また、背圧リップ104は、排気ガスに基づくシリンダ側からの圧力(以下、背圧という。)を受けてシールリップ103に加わる背圧を低減し、シールリップ103の背圧による変形を抑制して、シールリップ103による潤滑油の供給量の安定化を図っている。また、突起105は、バルブステム110に当接してバルブステム110の偏心を抑制し、シールリップ103による潤滑油の供給量の安定化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−42301号公報
上述のように従来のバルブステムシール100においては、背圧リップ104を設けることで背圧がシールリップ103に加わることを抑制している。しかしながら、近年、内燃機関の更なる低燃費化の要求により、エンジンの小型化、ターボチャージャの搭載等によって排気圧が増加する傾向にあり、背圧が高くなる傾向にあり、このため、従来のバルブステムシール100は、背圧リップ104が高い背圧を受けて、バルブステム110に強く押し付けられ、背圧リップ104によるバルブステム110の摺動抵抗が大きくなってしまう場合がある。このため、従来のバルブステムシール100においては、背圧リップ104によるバルブステムシール100の摺動抵抗が増大し、内燃機関の負荷が増大し、内燃機関の燃費が悪化することが懸念されている。
このように、従来のバルブステムシールにおいては、シールリップに加わる背圧の低減を図りつつ、背圧に基づくバルブステムに対する摺動抵抗の増大の防止を図ることができる構造が求められていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シールリップに加わる背圧の低減を図りつつ、背圧に基づくバルブステムに対する摺動抵抗の増大の防止を図ることができるバルブステムシールを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るバルブステムシールによれば、軸線を中心とする環状の補強環と、前記補強環に取り付けられている弾性体から形成されている前記軸線を中心とする環状の弾性体部とを備え、前記弾性体部は、バルブステムに当接する環状のシールリップと、前記軸線方向において前記シールリップから離間して配設されている環状の背圧リップと、前記軸線方向において前記シールリップと前記背圧リップとの間に配設されている環状の突起とを有しており、前記突起には、前記軸線方向において前記突起を貫通する溝である突起溝が少なくとも1つ形成されており、前記背圧リップには、前記軸線方向において前記背圧リップを貫通する溝である背圧リップ溝が少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係るバルブステムシールにおいては、前記突起溝と前記背圧リップ溝とは、前記軸線方向における投影が互いに重なる。
本発明の一態様に係るバルブステムシールにおいては、前記突起溝と前記背圧リップ溝とは、前記軸線方向における投影が互いに重ならない。
本発明の一態様に係るバルブステムシールにおいては、前記突起には、前記突起溝が複数等角度間隔で形成されており、前記背圧リップには、前記背圧リップ溝が複数等角度間隔で形成されている。
本発明の一態様に係るバルブステムシールにおいては、前記背圧リップは、前記バルブステムに当接する。
本発明の一態様に係るバルブステムシールにおいては、前記背圧リップは、前記軸線方向に挿通される前記バルブステムとの間に環状の隙間を形成するように形成されている。
本発明に係るバルブステムシールによれば、シールリップに加わる背圧の低減を図りつつ、背圧に基づくバルブステムに対する摺動抵抗の増大の防止を図ることができる。
本発明の実施の形態に係るバルブステムシールの概略構造を示すための軸線に沿う断面図である。 図1に示すバルブステムシールにおける背圧リップの背圧リップ溝と突起の突起溝との間の周方向における位置関係を示すための図であり、軸線方向に向かって見た際のバルブステムシールにおける背圧リップ溝と突起溝のみを示した図である。 本発明の実施の形態に係るバルブステムシールの変形例の概略構造を示すための軸線に沿う断面図である。 図3に示すバルブステムシールにおいて背圧リップの背圧リップ溝と突起の突起溝との間の周方向における位置関係を示すための図であり、軸線方向に向かって見た際のバルブステムシールにおける背圧リップ溝と突起溝のみを示した図である。 従来のバルブステムシールを取り付け状態において示す部分断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るバルブステムシールの概略構造を示すための軸線に沿う断面図である。本発明の実施の形態に係るバルブステムシールは、自動車の内燃機関の動弁系において使用され、シリンダとポートとの間を連通及び遮断するためのバルブのバルブステムと、このバルブステムが挿通される一端がカム側に臨み他端がシリンダ側に臨むバルブガイドとの間の密封を図るものである。以下、説明の便宜上、図面において符号A側をカム側、符号B側をシリンダ側とする。また、軸線xに直交する方向(以下、径方向ともいう。)において、軸線xに向かう方向を内周側とし(図1の矢印aの方向)、軸線xから遠ざかる方向を外周側とする(図1の矢印bの方向)。
図1に示すように、本実施の形態に係るバルブステムシール1は、軸線xを中心とする環状の金属製の補強環10と、補強環10に取り付けられている弾性体から形成されている軸線xを中心とする環状の弾性体部20とを備えている。バルブステムシール1は、使用状態において、バルブガイド51のカム側Aの端部に嵌着され、バルブステム52が挿通される。バルブステムシール1は、バルブガイド51とバルブステム52との間へのカム側Aからの潤滑油の供給量を制御しつつ、カム側Aとシリンダ側Bとの間において、バルブガイド51とバルブステム52との間の隙間の密封を図る。
弾性体部20の弾性体は、例えば、フッ素ゴムやアクリルゴム等のゴム材である。補強環10は、例えばプレス加工や鍛造によって製造されており、弾性体部20は成形型を用いて架橋(加硫)成形によって成形される。この架橋成形の際に、補強環10は成形型の中に配置されており、弾性体部20が架橋接着により補強環10に接着され、弾性体部20が補強環10と一体的に成形される。
補強環10は、図1に示すように、軸線xに沿う断面の形状(以下、断面形状ともいう。)が略L字状の形状を呈しており、軸線x方向に延びる円筒状の部分である円筒部11と、円筒部11のカム側Aの端部から軸線xに向かって延びる中空円盤状の部分であるフランジ部12とを有している。
弾性体部20は、シール部21と、嵌合部22とを一体に有している。シール部21は、軸線x方向に延びる環状のシール基部23と、後述するように挿通されるバルブステム52に当接するシールリップ24と、軸線x方向においてシールリップ24から離間して配設されている環状の背圧リップ25と、軸線x方向においてシールリップ24と背圧リップ25との間に配設されている環状の突起26とを有している。
具体的には、図1に示すように、シールリップ24は、シール基部23からカム側Aに向かって延びており、カム側Aの端部において内周側には、軸線xを中心とする環状のリップ先端部24aが形成されている。リップ先端部24aは、軸線xに向かって突出しており、断面形状が内周側に向かって凸の楔形状の部分である。後述するように、使用状態において、シールリップ24はリップ先端部24aにおいてバルブステム52に当接する。
シールリップ24の外周側には、リップ先端部24aに対向してガータスプリング27が嵌着されており、ガータスプリング27は、シールリップ24を軸線xに向かう方向に付勢して、リップ先端部24aがバルブステム52の変位に対して追随するようにリップ先端部24aにバルブステムに対する緊迫力を与えている。
背圧リップ25は、図1に示すように、軸線x方向においてシリンダ側B側にシールリップ24から離間して配設されており、シール基部23のシリンダ側Bから軸線xに向かって延びる環状のリップである。より具体的には、背圧リップ25は、シール基部23のシリンダ側の端部から、内周方向且つシリンダ側Bに向かう方向に延びる軸線xを中心とする円錐筒状のリップである。背圧リップ25は、後述するように、使用状態においてバルブステム52に当接する。
また、背圧リップ25には、軸線x方向において背圧リップ25を貫通する溝である背圧リップ溝30が少なくとも1つ形成されている。具体的には、背圧リップ溝30は、軸線x方向に延びている、背圧リップ25の先端の内周側の部分である先端内周部25aの一部が切り欠かれて形成された部分であり、背圧リップ25の先端内周部25aが、周方向の一部分に亘ってカム側Aとシリンダ側Bとの間で取り除かれた部分である。
背圧リップ25は、上述のように少なくとも1つの背圧リップ溝30を有しており、本実施の形態においては、4つの背圧リップ溝30を有している。4つの背圧リップ溝30は、背圧リップ25において、周方向に等角度間隔で形成されている。また、後述するように、背圧リップ溝30は、周方向の幅が幅w1となっている。
このため、使用状態におけるバルブステムシール1においては、後述するように、バルブステム52に当接する背圧リップ25よりカム側Aの空間とこの背圧リップ25よりシリンダ側Bの空間とが、背圧リップ溝30を介して連通される。
突起26は、シールリップ24のシール基部23側に配設されており、シールリップ24の内周側の表面から軸線xに向かって突出している環状の突起である。突起26は、使用状態において、バルブステムの偏心を抑制するために、バルブステムを支持するための部分であり、バルブステムに当接する。突起26には、軸線x方向において突起26を貫通する溝である突起溝26aが少なくとも1つ形成されている。具体的には、突起溝26aは、軸線x方向に延びている、突起26の内周側の部分(先端部分)の一部が切り欠かれて形成された部分であり、突起26の先端部分が、周方向の一部分に亘ってカム側Aとシリンダ側Bとの間で取り除かれた部分である。なお、突起26は、使用状態において、軸線x方向に挿通されたバルブステム52(偏心していない状態におけるバルブステム52)に当接せず、バルブステム52が所定の範囲以上軸線xから偏心する際に、バルブステム52に当接するように形成されていてもよい。
突起26は、上述のように少なくとも1つの突起溝26aを有しており、本実施の形態においては、4つの突起溝26aを有している。4つの突起溝26aは、突起26において、周方向に等角度間隔で形成されている。また、後述するように、突起溝26aは、周方向の幅が幅w2となっている。
突起26は、上述のように、使用状態においてバルブステム52を支持するが、突起溝26aが形成されているため突起26のバルブステム52との当接面が減少されており、突起26のバルブステム52に対する摺動抵抗の低減が図られている。また、使用状態におけるバルブステムシール1においては、後述するように、バルブステム52に当接する突起26よりカム側Aの空間とこの突起26よりシリンダ側Bの空間とが、突起溝26aを介して連通される。
図2は、背圧リップ25の背圧リップ溝30と突起26の突起溝26aとの間の周方向における位置関係を示すための図であり、軸線x方向に向かって見た際のバルブステムシール1における背圧リップ溝30と突起溝26aのみを示した図である。図2に示すように、突起溝26aと背圧リップ溝30とは、軸線x方向における投影が互いに重なるよう配設されている。つまり、1つの背圧リップ溝30は、1つの突起溝26aと対応しており、各背圧リップ溝30は夫々、各突起溝26aに、軸線x方向における投影が互いに重なるよう配設されている。
また、図2に示すように、背圧リップ溝30は、周方向における幅が幅w1であり、突起溝26aは、周方向における幅が幅w2であり、背圧リップ溝30の周方向における幅w1は、突起溝26aの周方向における幅w2よりも小さく設定されている。また、背圧リップ溝30の径方向の幅は、突起溝26aの径方向の幅よりも小さくなっているが、背圧リップ溝30の径方向の幅は、突起溝26aの径方向の幅よりも大きくてもよく、また同じであってもよい。背圧リップ溝30の径方向の幅は、突起溝26aの径方向の幅よりも小さいものが好ましい。
図1に示すように、シール部21において、補強環10のフランジ部12の内周側の端部(端部12a)は、シール基部23の部位に位置するようになっている。つまり、背圧リップ25は、補強環10のフランジ部12よりもシリンダ側に位置している。
弾性体部20において、嵌合部22は、バルブステムシール1がバルブガイド51に嵌着されて固定されるために機能する部分であり、補強環10の円筒部11を内側から覆っている。バルブガイド51のカム側Aの端部が、嵌合部22の内側に圧入されると、嵌合部22は、図1に示すように、補強環10の円筒部11とバルブガイド51の外周面との間で圧縮されて径方向の力である嵌合力を所定の大きさ発生する。この嵌合力により、バルブステムシール1がバルブガイド51に嵌着されて固定される。嵌合部22の径方向の厚さは、この所定の嵌合力が発生するように所定の厚さに設定されている。嵌合部22は、軸線x方向の一部の範囲において周面が上記所定の厚さに設定されていてもよく、また、嵌合部22は、軸線x方向の全ての範囲において周面が上記所定の厚さに設定されていてもよい。
また、弾性体部20は、図1に示すように、補強環10のフランジ部12を覆うカバー部28を備え、カバー部28は、弾性体部20において、シール部21と嵌合部22とを接続している。シール部21、嵌合部22、及びカバー部28は、上述のように、同一の弾性体によって一体に形成されている。本実施の形態においては、カバー部28は、フランジ部12のカム側Aを覆うカム側カバー部28aと、フランジ部12のシリンダ側Bを覆うシリンダ側カバー部28bとを有している。シリンダ側カバー部28bは、バルブステムシール1がバルブガイド51に嵌着された際に、シリンダ側カバー部28bのシリンダ側Bに面する面がバルブガイド51の端面に当接し、バルブガイド51に対するバルブステムシール1の位置決めがなされるように、少なくとも一部において軸線x方向の厚さが設定されていてもよい。
次いで、上述の構成を有するバルブステムシール1の作用について説明する。
図1に示すように、バルブステムシール1の使用状態において、バルブのバルブステム52がシリンダ側Bからバルブガイド51のガイド孔51aに挿通され、バルブステムシール1に挿通されている。バルブステム52は、図示しないカムによって軸線x方向に往復駆動される。バルブステムシール1において、シールリップ24のリップ先端部24aは、バルブステム52の外周側の面である外周面52aにバルブステム52が摺動可能に当接しており、また、背圧リップ25は、バルブステム52の外周面52aにバルブステム52が摺動可能に当接している。また、バルブガイド51のガイド孔51aとバルブステム52の外周面52aとの間には環状の空間である空間gが形成されており、バルブステム52がバルブガイド51のガイド孔51aを移動又は摺動可能となっている。
バルブステムシール1のシールリップ24は、リップ先端部24aがバルブステム52の外周面52aに当接して、潤滑油が供給されるカム側Aから空間gの密封を図るが、リップ先端部24aは、所定量の潤滑油がリップ先端部24aから漏れ出て、この漏れ出た潤滑油が空間gに供給されるようになっている。リップ先端部24aからの潤滑油の所定の漏れ量は、空間gに油膜が形成され、バルブステム52がバルブガイド51のガイド孔51aに対して円滑に移動又は摺動可能になるような潤滑油の量である。シールリップ24は、このような適量の潤滑油がリップ先端部24aとバルブステム52の外周面52aとの間から漏れ出して空間gに供給されるように漏れ量が調整されている。
また、背圧リップ25は内周側の部分である先端内周部25aにおいて、バルブステム52の外周面52aに当接しており、シリンダ側Bからの背圧がシールリップ24に掛かることを抑制している。これにより、シールリップ24が背圧を受けて変形することが抑制され、シールリップ24による潤滑油の供給量(漏れ量)の安定化が図られている。
また、突起26は内周側の部分において、バルブステム52の外周面52aに当接してバルブステム52を支持しており、バルブステム52の偏心を抑制している。これにより、バルブステム52の偏心によってシールリップ24が変形することが抑制され、シールリップ24による潤滑油の供給量(漏れ量)の安定化が図られている。
背圧リップ25は、上述のように、バルブステム52の外周面52aに当接して背圧がシールリップ24に加わることを抑制しているが、背圧リップ25の当接は、バルブステム52に対する摺動抵抗となる。特に、背圧が大きい場合は、この大きな背圧により、背圧リップ25は強くバルブステム52に押し付けられ、バルブステム52に対する摺動抵抗が大きくなる。これに対し、背圧リップ25は、背圧リップ溝30を有しており、この背圧リップ溝30の部分においてバルブステム52の外周面に当接しておらず、背圧リップ25がバルブステム52に与える摺動抵抗の低減が図られている。
一方、背圧リップ25には背圧リップ溝30が設けられており、この背圧リップ溝30を介して、シリンダ側Bの空間からカム側Aの空間へバルブステム52に当接する背圧リップ25をガスが通り抜ける。このため、背圧リップ溝30を通過したガスによる背圧がシールリップ24に加わるが、背圧リップ溝30の幅w1は突起26の突起溝26aの幅w2よりも狭く、その幅は狭く、背圧リップ溝30はラビリンス効果を発揮し、ラビリンスシールを形成している。このため、背圧リップ溝30を通過したガスによってシールリップ24に加わる背圧が低減されている。
このように、背圧リップ25は、背圧リップ溝30を有することにより、バルブステム52に対する摺動抵抗を低減しつつ、シールリップ24に加わる背圧を低減することができる。
また、背圧が大きくなっていくと、背圧リップ25をバルブステム52に押し付ける押圧力が大きくなっていき、背圧リップ25が変形されていき、背圧リップ25のバルブステム52との当接部分はカム側Aに移動又は拡がっていく。背圧リップ25の押圧力が所定の値より大きくなると、背圧リップ25は、背圧リップ溝30のカム側A側の端部である端部31よりもカム側においてバルブステム52と当接する。このため、背圧が上記所定の値よりも大きくなると、背圧リップ25は、背圧リップ溝30による管通路を塞ぐように変形し、シリンダ側Bの空間からカム側Aの空間へのガスの通り抜けを遮断する。このとき、背圧リップ溝30のラビリンス効果は失われる。このように、背圧リップ25は、背圧が大きくなった際に、周方向において全面でバルブステム52の外周面52aに当接し、過度に高い背圧がシールリップ24に加わることを防止することができる。
なお、背圧リップ25の形状、例えば内周面の形状や、背圧リップ溝30の形状は、背圧リップ25の押圧力が大きくなっていき、背圧リップ25が変形されていくに従って、背圧リップ溝30の流路面積が減少していくように設計されていてもよい。
また、突起26は、上述のように、バルブステム52の外周面52aに当接してバルブステム52の偏心を抑制しているが、突起26の当接はバルブステム52に対する摺動抵抗となる。これに対し、背圧リップ25は、突起溝26aを有しており、この突起溝26aの部分においてバルブステム52の外周面52aに当接しておらず、突起26がバルブステム52に与える摺動抵抗の低減が図られている。
このように、本発明の実施の形態に係るバルブステムシール1によれば、シールリップ24に加わる背圧の減少を図りつつ、背圧に基づくバルブステム52に対する摺動抵抗の増大の防止を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係るバルブステムシール1の変形例について説明する。本変形例に係るバルブステムシール2においては、背圧リップ溝30と突起溝26aとの間の位置関係のみが、上記本発明の実施の形態に係るバルブステムシール1とは異なり、以下、同一及び類似する構成に対しては同一の符号を付してその説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係るバルブステムシール1の第1の変形例の概略構造を示すための軸線に沿う断面図である。また、図4は、図3に示すバルブステムシール2において、背圧リップ25の背圧リップ溝30と突起26の突起溝26aとの間の周方向における位置関係を示すための図であり、軸線x方向に向かって見た際のバルブステムシール1における背圧リップ溝30と突起溝26aのみを示した図である。
図3,4に示すように、本変形例に係るバルブステムシール2においては、突起溝26aと背圧リップ溝30とは、軸線x方向における投影が互いに重ならないように配設されている。つまり、各背圧リップ溝30は夫々、各突起溝26aに、軸線x方向における投影が互いに重ならないよう配設されている。
また、上述のバルブステムシール1と同様に、4つの背圧リップ溝30は、背圧リップ25において、周方向に等角度間隔で形成されており、また、4つの突起溝26aは、突起26において、周方向に等角度間隔で形成されている。各背圧リップ溝30は、例えば、軸線x方向における投影において、隣接する突起溝26aの周方向における中間に位置するように配設されている。
本変形例に係るバルブステムシール2においては、各背圧リップ溝30は夫々、各突起溝26aに、軸線x方向における投影が互いに重ならないよう配設されているので、図3において矢印Fで示すように、背圧リップ溝30を通過して突起溝26aを介してリップ先端部24aに達するガスの流路が、直線状の流路となる上記バルブステムシール1とは異なり、屈曲した流路となり、流路を長くすることができる。このため、本変形例に係るバルブステムシール2においては、背圧リップ溝30を通過して突起溝26aを介してリップ先端部24aに達するガスの減圧効果を大きくすることができ、背圧リップ溝30のラビリンス効果を向上させることができる。
このように、本変形例に係るバルブステムシール2においては、上記バルブステムシール1の効果において、シールリップ24に加わる背圧の低減性能を向上させることができる。従って、本変形例に係るバルブステムシール2によれば、バルブステム52に対する摺動抵抗を低減しつつ、シールリップ24に加わる背圧をより低減することができる。
また、上記バルブステムシール1,2においては、背圧リップ25はバルブステム52に当接するものとしたが、背圧リップ25は、軸線x方向に挿通されるバルブステム52の外周面52aとの間に環状の狭幅な隙間を形成するように形成されていてもよい。つまり、背圧リップ25の内周側の端部における直径は、バルブステム52の直径よりも大きく形成されていてもよい。この場合、背圧リップ25とバルブステム52の外周面52aとの間に環状の隙間が形成され、この隙間がラビリンスシールを形成し、背圧がシールリップ24に加わることを抑制することができる。また、背圧リップ25には背圧リップ溝30が形成されているため、バルブステム52の偏心によりバルブステム52が背圧リップ25に当接したとしても、背圧リップ25におけるバルブステム52の摺動面を小さくすることができ、バルブステム52に対する摺動抵抗を低減することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は上記の実施の形態及び変形例に係るバルブステムシールに限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
1,2,100 バルブステムシール
10,101 補強環
11 円筒部
12 フランジ部
12a 端部
20,102 弾性体部
21 シール部
22,106 嵌合部
23 シール基部
24,103 シールリップ
24a リップ先端部
25,104 背圧リップ
25a 先端内周部
26,105 突起
26a 突起溝
27 ガータスプリング
28 カバー部
28a カム側カバー部
28b シリンダ側カバー部
30 背圧リップ溝
31 端部
51,111 バルブガイド
51a ガイド孔
52,110 バルブステム
52a 外周面

Claims (6)

  1. 軸線を中心とする環状の補強環と、
    前記補強環に取り付けられている弾性体から形成されている前記軸線を中心とする環状の弾性体部とを備え、
    前記弾性体部は、バルブステムに当接する環状のシールリップと、前記軸線方向において前記シールリップから離間して配設されている環状の背圧リップと、前記軸線方向において前記シールリップと前記背圧リップとの間に配設されている環状の突起とを有しており、
    前記突起には、前記軸線方向において前記突起を貫通する溝である突起溝が少なくとも1つ形成されており、
    前記背圧リップには、前記軸線方向において前記背圧リップを貫通する溝である背圧リップ溝が少なくとも1つ形成されていることを特徴とするバルブステムシール。
  2. 前記突起溝と前記背圧リップ溝とは、前記軸線方向における投影が互いに重なることを特徴とする請求項1記載のバルブステムシール。
  3. 前記突起溝と前記背圧リップ溝とは、前記軸線方向における投影が互いに重ならないことを特徴とする請求項1記載のバルブステムシール。
  4. 前記突起には、前記突起溝が複数等角度間隔で形成されており、前記背圧リップには、前記背圧リップ溝が複数等角度間隔で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のバルブステムシール。
  5. 前記背圧リップは、前記バルブステムに当接することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のバルブステムシール。
  6. 前記背圧リップは、前記軸線方向に挿通される前記バルブステムとの間に環状の隙間を形成するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のバルブステムシール。
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