JP2016220959A - 医療用固定材 - Google Patents

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Mitsuhiko Ota
光彦 太田
池田 亨
Toru Ikeda
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Abstract

【課題】 人体の骨折や脱臼、捻挫などの治療または予防を目的とした医療用固定材であって、通気性がよく、患者の皮膚表面にかぶれや痒みを生じさせることを抑制するとともに、触感的な不快感を生じさせることを抑制し、さらには、医療用固定材を用いて患部を固定しながら治療機器を用いて骨折や脱臼、捻挫などの回復を促すことができる医療用固定材を提供する。【解決手段】 医療用固定材1は、樹脂層2と緩衝材層3とが積層されて成る。樹脂層2は、厚み方向に貫通した複数の第1貫通孔11aが設けられた、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂から成る層である。緩衝材層3は、複数の第1貫通孔11aにそれぞれ連通するように厚み方向に貫通した複数の第2貫通孔11bが設けられた、布、多孔材料、およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる緩衝材から成る層である。【選択図】 図1

Description

本発明は、人体の骨折や脱臼、捻挫などの治療または予防を目的とした医療用固定材に関する。
従来、骨折や脱臼、捻挫などを生じた部位などの患部を動かさないように固定するために、硬直包帯が用いられている。一般的な硬直包帯は、ガーゼ生地に石膏末を含ませたギブス包帯であって、これを使用する際は、まず、患部に副木を当ててその上からガーゼ包帯を巻き、更にその上から、水で濡らしたギブス包帯を巻き付けて、当該ギブス包帯に含ませた石膏を硬化させることにより、患部を固定するギブス(石膏型)を成形するようになっている。
このようなギブス包帯は、水に溶けた石膏が硬化して石膏型となるまでに長時間を要し、その硬化中に発熱を伴う。また、石膏型は、重くて、通気性も悪く、石膏が患者の皮膚の水分を過剰に吸収して、皮膚表面にかぶれや痒みを生じさせることもあるので、患者に与える負担が大きいし、石膏粉で衣服などを汚すおそれがある。さらに、石膏型は、X線を透過しにくいため、患部のレントゲン撮影ができないという問題もある。
ギブス包帯の上記問題点を解決する硬直包帯として、特許文献1,2には、熱可塑性樹脂組成物によって帯状の無結節ネットに成形されて成る硬直包帯が開示されている。このような熱可塑性樹脂を用いた硬直包帯は、これを熱湯に浸すか、あるいはヘアドライヤーの熱風を吹き付けて加熱し軟化させてから、患部に巻き付け、その上から手で軽く押圧して、包帯全体を患部にフィットした形に成形すると同時に、包帯の巻き重ね部分を自己接着させて一体化形状に成形した後、これを冷却硬化させて、患部を固定する硬直型とするようになっている。
また、医療分野においては、硬直包帯以外にも、骨折や脱臼、捻挫などの治療または予防を目的として様々な医療用固定材が用いられている。硬直包帯以外の医療用固定材としては、たとえば、特許文献3に開示されるような光硬化性樹脂から成るシート体を用いたものが提案されている。
特開2001−112814号公報 登録実用新案第3051373号公報 特開2009−273875号公報
特許文献1,2に開示されるような硬直包帯は、患部を固定するための十分な強度を確保するためには、幾重にも患部に巻き付ける必要があり、結局のところ、通気性が悪く、硬直包帯で被覆された患者の皮膚表面にかぶれや痒みを生じさせることもあり、患者に不快感を生じさせる。
また、特許文献3に開示されるような光硬化性樹脂から成るシート体を用いた医療用固定材は、患部を固定するための十分な強度を確保しようとすると、光硬化性樹脂から成るシート体自体に、硬化後の高強度化が必要である。このような高強度のシート体が患部に直接的に接触すると、触感的な不快感を患者に生じさせてしまうので、従来の光硬化性樹脂から成るシート体を用いた医療用固定材では、シート体と患部との間に緩衝材のような別部材を用いる必要がある。
また、近年、骨折などの回復を促す治療機器として、超音波骨折治療器や骨電気刺激装置が市販されている。このような治療機器は、パッドを患部に接触させて治療を行うものである。上記従来の硬直包帯や医療用固定材を用いて患部を固定すると、その固定中には、治療機器のパッドを患部に接触させることができず、医療用固定材を用いて患部を固定しながら治療機器を用いて骨折や脱臼、捻挫などの回復を促すことができない。
本発明の目的は、人体の骨折や脱臼、捻挫などの治療または予防を目的とした医療用固定材であって、通気性がよく、患者の皮膚表面にかぶれや痒みを生じさせることを抑制するとともに、触感的な不快感を生じさせることを抑制し、さらには、医療用固定材を用いて患部を固定しながら治療機器を用いて骨折や脱臼、捻挫などの回復を促すことができる医療用固定材を提供することである。
本発明は、人体の患部に巻き付けられて該患部を固定するために用いられる、シート状の医療用固定材であって、
厚み方向に貫通した複数の第1貫通孔が設けられた、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂から成る第1層と、
前記第1層に積層され、前記複数の第1貫通孔にそれぞれ連通するように厚み方向に貫通した複数の第2貫通孔が設けられた、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成る第2層と、を含むことを特徴とする医療用固定材である。
また本発明の医療用固定材において、前記樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂から選ばれることを特徴とする。
また本発明の医療用固定材において、前記ゴム状弾性を有する材料は、シリコンゴムまたはポリウレタンであることを特徴とする。
また本発明の医療用固定材において、前記樹脂は、硬化状態の曲げ強さが50〜250MPaであることを特徴とする。
本発明によれば、医療用固定材は、シート状であり、第1層と第2層とが積層された積層構造を有する。第1層は、厚み方向に貫通した複数の第1貫通孔が設けられた、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂から成る層である。第2層は、複数の第1貫通孔にそれぞれ連通するように厚み方向に貫通した複数の第2貫通孔が設けられた、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成る層である。
上記のように構成された医療用固定材は、第1層の厚み方向に貫通した複数の第1貫通孔と、前記複数の第1貫通孔にそれぞれ連通するように第2層の厚み方向に貫通した複数の第2貫通孔と、を有するので、医療用固定材を患部に巻き付けて患部を固定しているときの通気性がよく、患者の皮膚表面にかぶれや痒みなどの不快感を生じさせることを抑制することができる。さらに、医療用固定材を用いて患部を固定しながら、第1貫通孔および第2貫通孔から露出した患者の皮膚表面に、超音波骨折治療器などの治療機器のパッドを直接的に接触させることができ、治療機器による骨折などの回復を促すことができる。
さらに、本発明の医療用固定材は、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂から成る第1層を有する。第1層を構成する樹脂が軟化状態で医療用固定材を患部に巻き付け、その上から手の平などを使って押圧し、医療用固定材を患部にフィットした形に成形させた後、予め定める条件下で樹脂を硬化状態へと変化させることによって、患部を固定することができる。なお、医療用固定材を患部に巻き付けるときには、硬直包帯のように幾重にも巻き付けるのではなく、医療用固定材の周方向両端部間に予め定める長さの隙間が生じるように巻き付けることで、患部を固定するときの固定力を十分に確保することができる。医療用固定材を患部に巻き付けるときの前記隙間は、医療用固定材を装着したときに脱落しない長さに適宜設定される。
また、本発明の医療用固定材は、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成る第2層を有する。この第2層が患部に接触する側となるように医療用固定材を患部に巻き付けて、患部を固定する。第2層は、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成るので、第2層が患部に接触する側となるように医療用固定材を患部に巻き付けて患部を固定するときに、この第2層が硬化状態の第1層と患部との間の緩衝材としての機能を果たし、触感的な不快感を患者に生じさせることを抑制することができる。
また本発明によれば、第1層を構成する、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂によって実現することができる。
また本発明によれば、第2層を構成するゴム状弾性を有する材料が、シリコンゴムまたはポリウレタンである。シリコンゴムおよびポリウレタンは、撥水性を有する材料であるので、医療用固定材を装着したまま、たとえばお風呂に入浴するなどして、医療用固定材が水に濡れたとしても、速乾性に優れたものとなる。
また本発明によれば、第1層を構成する樹脂は、硬化状態の曲げ強さが50〜250MPaである。このような曲げ強さを有する樹脂によって第1層が構成されることによって、医療用固定材を用いて患部を固定しているときの固定力を、強いものとすることができる。
本発明の第1実施形態に係る医療用固定材1の構成を示す斜視図である。 図1に示す医療用固定材1を切断面線A−Aから見た断面図である。 医療用固定材1の使用例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る医療用固定材1Aの構成を示す斜視図である。 図4に示す医療用固定材1Aを切断面線A−Aから見た断面図である。 医療用固定材1Aの使用例を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る医療用固定材1の構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す医療用固定材1を切断面線A−Aから見た断面図である。図3は、医療用固定材1の使用例を示す斜視図である。
本実施形態の医療用固定材1は、シート状であり、人体の骨折や脱臼、捻挫などの治療または予防に用いられ、骨折や脱臼、捻挫などを生じた部位などの患部に巻き付けられて患部を動かさないように固定するためのものである。
医療用固定材1の形状は、特に限定されるものではなく、たとえば矩形板状である。また、医療用固定材1の大きさについても、特に限定されるものではなく、たとえば人体の下肢、上肢および体幹などの大きさに応じて複数種類の大きさを準備しておけばよい。なお、医療用固定材1の厚みは、たとえば、0.5〜4.0mmである。
医療用固定材1は、第1層である樹脂層2と、第2層である緩衝材層3とが積層された積層構造を有する。樹脂層2と緩衝材層3とは、接着層4を介して積層される。接着層4は、従来公知の接着剤によって構成され、樹脂層2と緩衝材層3とを接着する。接着剤としては、たとえば、酢酸ビニル樹脂を主成分とする水性系接着剤、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられる。
樹脂層2は、厚み方向に貫通した複数の第1貫通孔11aが設けられた、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂から成る層である。
樹脂層2に設けられる複数の第1貫通孔11aの形状、大きさ、および個数については、特に限定されるものではなく、図1に示す例では、各第1貫通孔11aは平面視で三角形状に形成される。各第1貫通孔11aの形状、大きさは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。なお、各第1貫通孔11aの大きさは、超音波骨折治療器などの治療機器のパッドが内接または挿通可能な大きさであることが好ましい。また、複数の第1貫通孔11aは、樹脂層2の平面視で、樹脂層2の全面積に対して第1貫通孔11aの合計面積が30〜55%となるように形成されることが好ましい。これによって、医療用固定材1を患部に巻き付けて患部を固定しているときの通気性を良好に保持することができるとともに、医療用固定材1の患部を固定する固定力を十分に確保することができる。
樹脂層2を構成する、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂から選ばれる。
熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度または軟化点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形でき、軟化点以下に冷却することで軟化状態から硬化状態へと変化する樹脂である。軟化点50〜100℃の熱可塑性樹脂が好適である。熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アクリル樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂は、加熱することで軟化状態から硬化状態へと変化する樹脂である。熱硬化性樹脂としては、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリイミドなどが挙げられる。なお、熱硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂層2に、従来公知の熱硬化性樹脂用の硬化剤が添加される。
光硬化性樹脂は、光を照射することで軟化状態から硬化状態へと変化する樹脂である。光硬化性樹脂としては、従来公知のものを挙げることができ、たとえば、イソシアネート基を2つ有するジイソシアネート化合物とアクリル酸エステルから得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、400〜700nmの光を吸収する光重合開始剤とを含むもの、イソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネートと活性水素基を有する(メタ)アクリル酸誘導体によって得られるウレタン系(メタ)アクリル酸誘導体オリゴマーと、400〜700nmの光を吸収する光重合開始剤とを含むもの、が挙げられる。
また、樹脂層2を構成する樹脂は、硬化状態の曲げ強さが50〜250MPaであることが好ましく、さらに、硬化状態の引張り強さが20〜120MPaであることがより好ましい。このような曲げ強さ、引張り強さを有する樹脂によって樹脂層2が構成されることによって、医療用固定材1を用いて患部を固定しているときの固定力を、強いものとすることができる。なお、樹脂層2を構成する樹脂の、硬化状態の曲げ強さは、JIS K6911:2006に準拠して測定され、硬化状態の引張り強さは、JIS R3453:2006に準拠して測定される。
また、樹脂層2を構成する樹脂は、前述した熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂から選ばれる樹脂と炭素繊維とが複合化されて成る炭素繊維強化樹脂であってもよい。炭素繊維強化樹脂は、炭素繊維を強化材とし樹脂をマトリクスとする複合材料である。このような、炭素繊維強化樹脂によって樹脂層2が構成されることによって、医療用固定材1を用いて患部を固定しているときの固定力を、強いものとすることができる。
緩衝材層3は、樹脂層2に接着層4を介して積層され、樹脂層2に設けられた複数の第1貫通孔11aにそれぞれ連通するように厚み方向に貫通した複数の第2貫通孔11bが設けられた層であり、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成る。
緩衝材層3は、医療用固定材1が患部に巻き付けられて患部を固定する際に、患部に接触する側となる。緩衝材層3が患部に接触する側となるように医療用固定材1を患部に巻き付けて患部を固定するときに、この緩衝材層3が硬化状態の樹脂層2と患部との間の緩衝材としての機能を果たす。
緩衝材層3に設けられる複数の第2貫通孔11bの形状、大きさ、および個数は、樹脂層2に設けられる第1貫通孔11aと同じであり、図1に示す例では、各第2貫通孔11bは平面視で三角形状に形成される。各第2貫通孔11bの形状、大きさは、第1貫通孔11aと同様に、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。なお、各第2貫通孔11bの大きさは、第1貫通孔11aと同様に、超音波骨折治療器などの治療機器のパッドが挿通可能な大きさであることが好ましい。また、複数の第2貫通孔11bは、緩衝材層3の平面視で、緩衝材層3の全面積に対して第2貫通孔11bの合計面積が30〜55%となるように形成されることが好ましい。これによって、医療用固定材1を患部に巻き付けて患部を固定しているときの通気性を良好に保持することができるとともに、医療用固定材1の患部を固定する固定力を十分に確保することができる。
緩衝材層3を構成する材料は、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる。布としては、たとえば、絹または木綿のいずれかの繊維から成るガーゼ、繊維を織らずに絡み合わせたシート状の不織布などが挙げられる。多孔材料は、複数の気孔が形成された材料である。多孔材料としては、たとえば、ポリウレタンを発泡成形することで得られる発泡ポリウレタン、天然スポンジなどが挙げられる。
ゴム状弾性を有する材料としては、たとえば、シリコンゴム、ブタジエン−スチレンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、クロロプレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリウレタンなどが挙げられる。これらの中でも、シリコンゴム、ポリウレタンが好ましい。シリコンゴムおよびポリウレタンは、撥水性を有する材料であるので、医療用固定材1を装着したまま、たとえばお風呂に入浴するなどして、医療用固定材1が水に濡れたとしても、速乾性に優れたものとなる。
以上のように構成される医療用固定材1は、樹脂層2の厚み方向に貫通した複数の第1貫通孔11aと、前記複数の第1貫通孔11aにそれぞれ連通するように緩衝材層3の厚み方向に貫通した複数の第2貫通孔11bと、を有するので、医療用固定材1を患部に巻き付けて患部を固定しているときの通気性がよく、患者の皮膚表面にかぶれや痒みなどの不快感を生じさせることを抑制することができる。
さらに、医療用固定材1を用いて患部を固定しながら、第1貫通孔11aおよび第2貫通孔11bから露出した患者の皮膚表面に、超音波骨折治療器などの治療機器のパッドを直接的に接触させることができ、治療機器による骨折などの回復を促すことができる。
さらに、本実施形態の医療用固定材1は、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂から成る樹脂層3を有する。樹脂層3を構成する樹脂が軟化状態で医療用固定材1を患部に巻き付け、その上から手の平などを使って押圧し、医療用固定材1を患部にフィットした形に成形させた後、予め定める条件下で樹脂を硬化状態へと変化させることによって、患部を固定することができる。
樹脂層3を構成する樹脂が熱可塑性樹脂である場合、ヘアドライヤーなどの熱風で熱可塑性樹脂を加熱軟化させるか、あるいは湯に浸して熱可塑性樹脂を加熱軟化させた状態で医療用固定材1を患部に巻き付け、その上から手の平などを使って押圧し、医療用固定材1を患部にフィットした形に成形させた後、冷却することで熱可塑性樹脂を硬化状態へと変化させ、患部を固定する。
樹脂層3を構成する樹脂が熱硬化性樹脂である場合、医療用固定材1を患部に巻き付け、その上から手の平などを使って押圧し、医療用固定材1を患部にフィットした形に成形させた後、加熱することで熱硬化性樹脂を硬化状態へと変化させ、患部を固定する。
樹脂層3を構成する樹脂が光硬化性樹脂である場合、医療用固定材1を患部に巻き付け、その上から手の平などを使って押圧し、医療用固定材1を患部にフィットした形に成形させた後、所定波長の光を照射することで光硬化性樹脂を硬化状態へと変化させ、患部を固定する。
なお、医療用固定材1を患部に巻き付けるときには、硬直包帯のように幾重にも巻き付けるのではなく、医療用固定材1の周方向両端部間に予め定める長さの隙間が生じるように巻き付けることで、患部を固定するときの固定力を十分に確保することができる。医療用固定材1を患部に巻き付けるときの前記隙間は、医療用固定材1を装着したときに脱落しない長さに適宜設定される。
また、本実施形態の医療用固定材1は、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成る緩衝材層3を有する。この緩衝材層3が患部に接触する側となるように医療用固定材1を患部に巻き付けて、患部を固定する。緩衝材層3は、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成るので、緩衝材層3が患部に接触する側となるように医療用固定材1を患部に巻き付けて患部を固定するときに、この緩衝材層3が硬化状態の樹脂層2と患部との間の緩衝材としての機能を果たし、触感的な不快感を患者に生じさせることを抑制することができる。
また、医療用固定材1は、図1〜図3に示すように、医療用固定材1を患部に巻き付けるときの周方向に直交する方向の両端部に、貫通孔が設けられていない貫通孔未形成領域12を有する。このような貫通孔未形成領域12を有することによって、医療用固定材1の患部を固定する固定力を向上させることができる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る医療用固定材1Aの構成を示す斜視図である。図5は、図4に示す医療用固定材1Aを切断面線A−Aから見た断面図である。図6は、医療用固定材1Aの使用例を示す斜視図である。
本実施形態の医療用固定材1Aは、第1貫通孔11Aaおよび第2貫通孔11Abの形状が前述の第1貫通孔11aおよび第2貫通孔11bと異なる以外は第1実施形態の医療用固定材1と同様に構成される。
医療用固定材1Aの形状は、特に限定されるものではなく、たとえば矩形板状である。また、医療用固定材1Aの大きさについても、特に限定されるものではなく、たとえば人体の下肢、上肢および体幹などの大きさに応じて複数種類の大きさを準備しておけばよい。なお、医療用固定材1Aの厚みは、たとえば、0.5〜4.0mmである。
医療用固定材1Aは、樹脂層2Aと緩衝材層3Aとが積層された積層構造を有する。樹脂層2Aと緩衝材層3Aとは、接着層4Aを介して積層される。接着層4Aは、前述した医療用固定材1の接着層4と同様に、従来公知の接着剤によって構成され、樹脂層2Aと緩衝材層3Aとを接着する。
樹脂層2Aは、厚み方向に貫通した複数の第1貫通孔11Aaが設けられた、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂から成る層である。
樹脂層2Aに設けられる複数の第1貫通孔11Aaの形状、大きさ、および個数については、特に限定されるものではなく、図4に示す例では、各第1貫通孔11Aaは平面視で円形状に形成される。各第1貫通孔11Aaの形状、大きさは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。なお、各第1貫通孔11Aaの大きさは、超音波骨折治療器などの治療機器のパッドが内接または挿通可能な大きさであることが好ましい。また、複数の第1貫通孔11Aaは、樹脂層2Aの平面視で、樹脂層2Aの全面積に対して第1貫通孔11Aaの合計面積が30〜55%となるように形成されることが好ましい。これによって、医療用固定材1Aを患部に巻き付けて患部を固定しているときの通気性を良好に保持することができるとともに、医療用固定材1Aの患部を固定する固定力を十分に確保することができる。
樹脂層2Aを構成する、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂は、前述した医療用固定材1の樹脂層2と同様に、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂から選ばれる。
また、樹脂層2Aを構成する樹脂は、前述の樹脂層2を構成する樹脂と同様に、硬化状態の曲げ強さが50〜250MPaであることが好ましく、さらに、硬化状態の引張り強さが20〜120MPaであることがより好ましい。このような曲げ強さ、引張り強さを有する樹脂によって樹脂層2Aが構成されることによって、医療用固定材1Aを用いて患部を固定しているときの固定力を、強いものとすることができる。
緩衝材層3Aは、樹脂層2Aに接着層4Aを介して積層され、樹脂層2Aに設けられた複数の第1貫通孔11Aaにそれぞれ連通するように厚み方向に貫通した複数の第2貫通孔11Abが設けられた層であり、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成る。
緩衝材層3Aは、医療用固定材1Aが患部に巻き付けられて患部を固定する際に、患部に接触する側となる。緩衝材層3Aが患部に接触する側となるように医療用固定材1Aを患部に巻き付けて患部を固定するときに、この緩衝材層3Aが硬化状態の樹脂層2Aと患部との間の緩衝材としての機能を果たす。
緩衝材層3Aに設けられる複数の第2貫通孔11Abの形状、大きさ、および個数は、樹脂層2Aに設けられる第1貫通孔11Aaと同じであり、図4に示す例では、各第2貫通孔11Abは平面視で円形状に形成される。各第2貫通孔11Abの形状、大きさは、第1貫通孔11Aaと同様に、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。なお、各第2貫通孔11Abの大きさは、第1貫通孔11Aaと同様に、超音波骨折治療器などの治療機器のパッドが挿通可能な大きさであることが好ましい。また、複数の第2貫通孔11Abは、緩衝材層3Aの平面視で、緩衝材層3Aの全面積に対して第2貫通孔11Abの合計面積が30〜55%となるように形成されることが好ましい。これによって、医療用固定材1Aを患部に巻き付けて患部を固定しているときの通気性を良好に保持することができるとともに、医療用固定材1Aの患部を固定する固定力を十分に確保することができる。
緩衝材層3Aを構成する材料は、前述した医療用固定材1の緩衝材層3と同様に、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる。
以上のように構成される医療用固定材1Aは、樹脂層2Aの厚み方向に貫通した複数の第1貫通孔11Aaと、前記複数の第1貫通孔11Aaにそれぞれ連通するように緩衝材層3Aの厚み方向に貫通した複数の第2貫通孔11Abと、を有するので、医療用固定材1Aを患部に巻き付けて患部を固定しているときの通気性がよく、患者の皮膚表面にかぶれや痒みなどの不快感を生じさせることを抑制することができる。
さらに、医療用固定材1Aを用いて患部を固定しながら、第1貫通孔11Aaおよび第2貫通孔11Abから露出した患者の皮膚表面に、超音波骨折治療器などの治療機器のパッドを直接的に接触させることができ、治療機器による骨折などの回復を促すことができる。
さらに、本実施形態の医療用固定材1Aは、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂から成る樹脂層3Aを有する。樹脂層3Aを構成する樹脂が軟化状態で医療用固定材1Aを患部に巻き付け、その上から手の平などを使って押圧し、医療用固定材1Aを患部にフィットした形に成形させた後、予め定める条件下で樹脂を硬化状態へと変化させることによって、患部を固定することができる。
また、本実施形態の医療用固定材1Aは、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成る緩衝材層3Aを有する。この緩衝材層3Aが患部に接触する側となるように医療用固定材1Aを患部に巻き付けて、患部を固定する。緩衝材層3Aは、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成るので、緩衝材層3Aが患部に接触する側となるように医療用固定材1Aを患部に巻き付けて患部を固定するときに、この緩衝材層3Aが硬化状態の樹脂層2Aと患部との間の緩衝材としての機能を果たし、触感的な不快感を患者に生じさせることを抑制することができる。
また、医療用固定材1Aは、図4〜図6に示すように、医療用固定材1Aを患部に巻き付けるときの周方向に直交する方向の両端部に、貫通孔が設けられていない貫通孔未形成領域12Aを有する。このような貫通孔未形成領域12Aを有することによって、医療用固定材1Aの患部を固定する固定力を向上させることができる。
1,1A 医療用固定材
2,2A 樹脂層
3,3A 緩衝材層
4,4A 接着層
11a,11Aa 第1貫通孔
11b,11Ab 第2貫通孔

Claims (4)

  1. 人体の患部に巻き付けられて該患部を固定するために用いられる、シート状の医療用固定材であって、
    厚み方向に貫通した複数の第1貫通孔が設けられた、予め定める条件下で軟化状態から硬化状態へと変化する性質を有する樹脂から成る第1層と、
    前記第1層に積層され、前記複数の第1貫通孔にそれぞれ連通するように厚み方向に貫通した複数の第2貫通孔が設けられた、布、多孔材料およびゴム状弾性を有する材料から選ばれる材料から成る第2層と、を含むことを特徴とする医療用固定材。
  2. 前記樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の医療用固定材。
  3. 前記ゴム状弾性を有する材料は、シリコンゴムまたはポリウレタンであることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用固定材。
  4. 前記樹脂は、硬化状態の曲げ強さが50〜250MPaであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の医療用固定材。
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