JP2016218205A - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焦点検出が不可能なDef領域でもフォーカスレンズの駆動方向を判断することで、より高速な焦点検出を実現する撮像装置を提供する。
【解決手段】デフォーカス量が異なる複数の画像から輝度情報を取得する輝度情報取得手段と、輝度情報に基づいて画像の合焦状態を示すボケ評価値を算出する評価値算出手段と、ボケ評価値を用いてレンズ駆動情報を算出する駆動情報算出手段と、レンズ駆動情報の信頼性を判定する信頼性判定手段と、信頼性に応じて画像デフォーカス間隔を変更する変更手段とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】デフォーカス量が異なる複数の画像から輝度情報を取得する輝度情報取得手段と、輝度情報に基づいて画像の合焦状態を示すボケ評価値を算出する評価値算出手段と、ボケ評価値を用いてレンズ駆動情報を算出する駆動情報算出手段と、レンズ駆動情報の信頼性を判定する信頼性判定手段と、信頼性に応じて画像デフォーカス間隔を変更する変更手段とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、撮像装置およびその制御方法に関する。
近年、焦点検出および焦点調節方式として、Depth From Defocus法(以下DFD法)と呼ばれる技術が知られている。DFD法は、所定のデフォーカス量だけ異なる2つの画像に対して演算処理を行うことで得られるボケ評価値から、現在のデフォーカス量を検出する方法である。このDFD法では、ボケ評価値とフォーカスレンズ位置の相関関係をテーブルとして記憶し、ボケ評価値を用いてテーブルを参照することによりデフォーカス量を求めることができる。しかし、このDFD法は、ボケ評価値の算出においてノイズの影響を大きく受けるため、正確なボケ評価値が算出できず焦点検出が破綻してしまう。そこで、特許文献1は、ノイズの多い領域を除外することで、良好な焦点検出を行うことが可能な撮像装置を開示している。
しかしながら、特許文献1の撮像装置では、ノイズの多い領域を除外するために、焦点検出可能なDef領域を限定している。そのため、輝度情報のボケが許容値内の場合は、焦点検出可能なDef領域とし、輝度情報のボケが大きい場合は、焦点検出が不可能なDef領域としている。したがって、焦点検出が不可能なDef領域では、レンズを駆動する方向が判定できないため、サーチ駆動を行う必要がある。これにより、焦点検出を終えるまでの時間が長くなってしまう。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、焦点検出が不可能なDef領域でもフォーカスレンズの駆動方向を判断することで、より高速な焦点検出を実現する撮像装置を提供することを目的とする。
デフォーカス量が異なる複数の画像から輝度情報を取得する輝度情報取得手段と、前記輝度情報に基づいて画像の合焦状態を示すボケ評価値を算出する評価値算出手段と、前記ボケ評価値を用いてレンズ駆動情報を算出する駆動情報算出手段と、前記レンズ駆動情報の信頼性を判定する信頼性判定手段と、前記信頼性に応じて画像デフォーカス間隔を変更する変更手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、焦点検出が不可能なDef領域でもフォーカスレンズの駆動方向を判断することで、より高速な焦点検出を実現する撮像装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る焦点調節装置を適用した撮像装置として、デジタルカメラの構成例を示すブロック図である。本実施形態のデジタルカメラは、交換レンズ式一眼レフカメラであり、レンズユニット100とカメラ本体120とを有する。レンズユニット100は、図中央の点線で示されるマウントMを介して、カメラ本体120と着脱可能に接続される。レンズユニット100は、第1レンズ群101、絞り兼用シャッタ102、第2レンズ群103、フォーカスレンズ群104(以下、フォーカスレンズという)、および、レンズユニット制御部119を有する。
図1は、本実施形態に係る焦点調節装置を適用した撮像装置として、デジタルカメラの構成例を示すブロック図である。本実施形態のデジタルカメラは、交換レンズ式一眼レフカメラであり、レンズユニット100とカメラ本体120とを有する。レンズユニット100は、図中央の点線で示されるマウントMを介して、カメラ本体120と着脱可能に接続される。レンズユニット100は、第1レンズ群101、絞り兼用シャッタ102、第2レンズ群103、フォーカスレンズ群104(以下、フォーカスレンズという)、および、レンズユニット制御部119を有する。
第1レンズ群101は、レンズユニット100の先端に配置され、光軸方向OAに進退可能に保持される。絞り兼用シャッタ102は、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行う。また、静止画撮影時には露光秒時調節用シャッタとして機能する。絞り兼用シャッタ102および第2レンズ群103は、一体として光軸方向OAに進退可能であり、第1レンズ群101の進退動作との連動によりズーム機能を実現する。フォーカスレンズ104は、光軸方向の進退移動により焦点調節を行う。
レンズユニット制御部119は、ズームアクチュエータ111、絞りシャッタアクチュエータ112、フォーカスアクチュエータ113、ズーム駆動部114を有する。さらに、絞りシャッタ駆動部115、フォーカス駆動部116、レンズMPU(Micro Processing Unit)117、レンズメモリ118を有する。
ズームアクチュエータ111は、第1レンズ群101や第2レンズ群103を光軸方向OAに進退駆動し、ズーム操作を行う。絞りシャッタアクチュエータ112は、絞り兼用シャッタ102の開口径を制御して撮影光量を調節する。また、静止画撮影時の露光時間制御を行う。フォーカスアクチュエータ113は、フォーカスレンズ104を光軸方向OAに進退駆動して焦点調節を行い、フォーカスレンズ104の現在位置を検出する位置検出部としての機能を備えている。
ズーム駆動部114は、撮影者のズーム操作に応じてズームアクチュエータ111を駆動する。シャッタ駆動部115は、絞りシャッタアクチュエータ112を駆動制御して絞り兼用シャッタ102の開口を制御する。フォーカス駆動部116は、焦点検出結果に基づいてフォーカスアクチュエータ113を駆動制御し、フォーカスレンズ104を光軸方向OAに進退駆動して焦点調節を行う。
レンズMPU117は、撮影光学系に係る全ての演算と制御を行い、ズーム駆動部114、シャッタ駆動部115、フォーカス駆動部116、レンズメモリ118を制御する。また、レンズMPU117は、現在のレンズ位置を検出し、カメラMPU125からの要求に対してレンズ位置情報を通知する。レンズメモリ118は、自動焦点調節に必要な光学情報を記憶する。
カメラ本体120は、光学的ローパスフィルタ121、撮像素子122、カメラ本体制御部131を有する。光学的ローパスフィルタ121は、撮影画像の偽色やモアレを軽減する。撮像素子122は、C−MOSセンサとその周辺部で構成される。そして、C−MOSセンサは、横方向にM画素、縦方向にN画素の受光ピクセル上に1つの光電変換素子が配置された画素配列を有する。また、撮像素子122は、画素配列の各画素の独立な出力が可能なように構成される。
カメラ本体制御部131は、撮像素子駆動部123、画像処理部124、カメラMPU125、表示部126、操作スイッチ群127、メモリ128、第1の焦点検出部129、第2の焦点検出部130を有する。撮像素子駆動部123は、撮像素子122の動作を制御するとともに、取得した画像信号をA(アナログ)/D(デジタル)変換してカメラMPU125に送信する。画像処理部124は、撮像素子122が取得した画像のγ変換、カラー補間、JPEG圧縮などを行う。
カメラMPU125は、カメラ本体120に係る全ての演算と制御を行う。これにより、撮像素子駆動部123、画像処理部124、表示部126、操作SW127、メモリ128、第1の焦点検出部129、第2の焦点検出部130を制御する。カメラMPU125は、マウントMの信号線を介してレンズMPU117と接続されている。これにより、レンズMPU117に対してレンズ位置の取得や所定の駆動量でのレンズ駆動要求を発行する。また、レンズユニット100に固有の光学情報を取得する。
また、カメラMPU125には、カメラ動作を制御するプログラムを格納したROM125a、変数を記憶するRAM125bが内蔵されている。さらに、パラメータを記憶するEEPROM125cが内蔵されている。さらに、カメラMPU125は、ROM125aに格納したプログラムをロードして実行することで焦点検出処理を実行する。また、カメラMPU125は、撮像面位相差AFにおいて、焦点検出位置の像高が大きい場合、ケラレの影響が大きく信頼度が低下するため補正を行う。
次に、表示部126はLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、カメラの撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像と撮影後の確認用画像、焦点検出時の合焦状態表示画像などを表示する。操作スイッチ群127は、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮影モード選択スイッチ等から構成される。本実施形態のメモリ128は、着脱可能なフラッシュメモリで、撮影済み画像を記録する。また、レリーズスイッチは、第1ストローク(以下SW1)と第2ストローク(以下SW2)との二段スイッチにより構成される。SW1は、撮影動作に先立って行われるAE(自動露出)処理を開始させる指示信号を発生させる。そして、SW2は、AF(自動焦点調節)の露光動作を開始させる指示信号を発生させる。
第1の焦点検出部129は、コントラスト検知方式や撮像素子122を用いた位相差検知方式で焦点検出を行う。具体的には、第1の焦点検出部129は、撮像光学系の一対の瞳領域を通過する光束により焦点検出用画素に形成される一対の像(以下A像、B像と呼ぶ)のずれ量に基づいて撮像面位相差AFを行う。本実施形態に係る撮像素子122は、撮像面位相差AFを行う焦点検出用画素のうち、A像用の焦点検出画素を水平方向に規則的に配列する。そして、これらの画素群で取得した被写体像がA像である。また、B像用の焦点検出画素も水平方向に規則的に配列し、これらの画素群で取得した被写体像がB像である。
上述のように、A像、B像の各焦点検出画素が配置されている方向(水平方向)、すなわち撮像面位相差AFが評価する方向を、第1の方向と定義する。なお、第1の焦点検出部129が行う第1の焦点検出方法は、撮像面位相差AFに限られず、コントラストAFでもよい。また、第1の焦点検出部129で行うAF方式を、第1の焦点検出とする。
次に、第2の焦点検出部(評価値算出手段)130は、画像処理部124で得られた画像情報から算出されるボケ評価値Cに基づく第2の焦点検出方法により第2の焦点検出を行う。第2の焦点検出方法は、Depth From Defocus法(以下DFD)と呼ばれる方法を用いており、所定のデフォーカス量だけ異なる2つの画像に対して演算処理を行うことでボケ評価値Cを算出する。なお、ボケ評価値Cの具体的な算出方法については後述する。
まず、DFDに用いる所定のデフォーカス量だけ異なる2つの画像を得るためには、撮像画像のボケ状態に影響を与える、フォーカスレンズの位置、絞り量、焦点距離などの撮影パラメータをカメラMPU125の制御で変更して撮影を行う。撮影パラメータの変更は、1つ以上のパラメータの変更であれば、どのパラメータを変更してもよい。なお、本実施形態では、フォーカスレンズの位置のみを変更する場合について説明する。
次に、本実施形態に係るボケ評価値Cとは、撮像画像のボケ状態を示す値であり、撮影光学系の点像強度分布関数の分散と相関をもつ値である。ここで、点像強度分布関数とは、点像がレンズを通過したあとの広がり具合の関数のことである。また、撮影光学系の点像強度分布関数の分散は、フォーカスレンズ位置と相関をもっている。以上のことから、ボケ評価値Cとフォーカスレンズ位置には相関関係がある。
なお、本実施形態に係る撮像装置は、第1の焦点検出と第2の焦点検出を行うことが可能だが、第1の焦点検出部129を有することは必須ではない。すなわち、第2の焦点検出処理のみで合焦動作を実行し、位相差AF検出方式の焦点検出を行わないものとしてもよい。
次に、図2を参照して、図1のカメラMPU125及び第2の焦点検出部130により算出されるボケ評価値Cの算出方法について説明する。図2は、本発明のボケ評価値Cを算出する第2の焦点検出部のブロック図である。なお、図1と同様の部分は同じ符号を付して示す。第2の焦点検出部130では、画像信号からボケ評価値Cを算出する。上述のように、ボケ評価値Cの算出には、所定のデフォーカス量だけ異なる2つの画像信号を用いる。本実施形態の構成では、撮像素子が1つしかないため、所定のデフォーカス量だけ異なる2つの画像を順番に撮像する必要がある。ここで、先に撮像される画像を画像1、後に撮像される画像を画像2とする。
まず、画像1の輝度信号を取得するために、撮像素子駆動部123でA/D変換された画像信号がカメラMPU125に送信され、画像1の画像信号がRAM125bに格納される。次に、画像1の画像信号が、第2の焦点検出部130に入力されると、AF評価用信号処理部201(輝度情報取得手段)で、輝度信号Y(輝度情報)に変換される。そして、輝度信号Yに対して低輝度成分を強調して高輝度成分を抑圧するガンマ補正処理が施される。
次に、ガンマ補正処理された輝度信号Yは、赤の輝度信号(以下RY)、緑の輝度信号(以下GY)、青の輝度信号(以下BY)の3色の輝度信号と、RY,GY,BYを所定の重みづけし加算することにより計算されたY信号を含む。なお、赤、緑、青の各色をそれぞれR、G、Bと呼ぶ。ただし、AF評価用信号処理部201の出力信号である画像1の輝度信号Yは、ノイズ低減や精度向上を目的として、RY、GY、BY、Y信号のどれか一つを用いてもよい。また、複数の輝度信号を組み合わせて複数のボケ評価値Cを算出してもよい。
次に、画像1とデフォーカス量だけ異なる画像2の輝度信号を取得するため、フォーカスレンズ104を所定量だけ駆動させ、撮像素子上に結像される像のボケ状態を変更する。ボケ状態を変更して撮像された画像2の画像信号は、RAM125bに格納され、第2の焦点検出部130を通して画像1と同様の処理を行って輝度信号Yとなる。以下、ガンマ補正された画像1、画像2の輝度信号Yのことを、それぞれ画像1の輝度信号G1(202)、画像2の輝度信号G2(203)とする。
輝度信号G1(202)、G2(203)は、それぞれ領域設定215によって設定される横方向M画素、縦方向N画素のAF評価範囲から切り出されて、より小さい範囲の領域に設定される。具体的には、AF評価範囲の大きさを横方向M画素、縦方向N画素とすると、MとNにそれぞれフィルタのタップ数(以下、Tap)を考慮した項を足し合わせて、横方向M+Tap画素、縦方向N+Tap画素に領域設定される。輝度信号G1(202)、G2(203)は、横方向、縦方向に値をもつM+Tap行、N+Tap列の2次元の信号であるため、それぞれG1(i,j)、G2(i,j)のように表す。ただしi=1〜M+Tap、j=1〜N+Tapとする。
輝度信号G1(202)は、BPF部204に入力されて特定の周波数成分が抽出され、信号S1として出力される。ここで、特定の周波数成分の抽出には、被写体のDC成分や高周波成分などの除外も含まれる。ここで、BPF部204で行われる演算について説明する。BPF部204では、まず輝度信号G1(202)に対して、2次元フィルタ(BPF)の畳み込み演算が行われる。畳み込み演算によりS1(i,j)は、式(1)に示すように求められる。
畳み込み演算の結果には、2次元フィルタ(BPF)のサイズによって、正しくないデータが一部出力される。この正しく出力されない一部のデータのことをフィルタのタップと呼び、行方向のタップの数(Tap)はフィルタの行方向の要素数−1で求められる。同様に列方向のTapはフィルタの列方向の要素数−1で求められる。
以上のように、正しいデータのみを出力するために畳み込み演算の結果であるS1(i,j)からTap分の信号を除外した信号S1(i’,j’)が、BPF部204の出力信号となる。ただし、i’=1〜M、j’=1〜Nとする。なお、式(1)で使用するBPFの一例としては、式(3)のような2次元フィルタを用いればよい。ただし、BPFの要素数やその値は、抽出したい周波数帯域に応じて変更してもよい。
次に、二乗演算部206と領域内積分部208により周波数空間における画像信号のパワーPを求める。画像信号のパワーPは、パーシバルの定理と呼ばれる式を用いて周波数空間上の計算を実空間における計算により求める。ここで、パーシバルの定理とは、関数の平方の総和(積分)がそのフーリエ変換の平方の総和(積分)と等しい、とする定理である。パーシバルの定理は、式(4)のように表され、波形s(x)が持つ全エネルギーの全実空間xについての総和と、その波形のエネルギーのフーリエ変換S(f)の全周波数成分fについての総和とが等しいことを意味する。
以下、周波数空間における画像信号のパワーをPとし、画像1のパワーPをパワーP1、画像2のパワーPをパワーP2とする。まず、パワーP1、P2を求めるために二乗演算を行う。具体的には、二乗演算部206でBPF部204の出力信号S1に対して式(5)に示す二乗演算を行い、信号T1を生成する。同様に、二乗演算部207でBPF部205の出力信号S2に対して式(6)に示す二乗演算を行い、信号T2を生成する。
次に、領域内積分部208で、二乗演算部206の出力信号に対して、AF評価範囲の大きさである横方向M、縦方向Nの領域の積分演算を行う。領域内積分部208の出力信号をパワーP1とすると、式(7)のようにパワーP1は求められる。同様に、領域内積分部209の出力信号をパワーP2とすると、式(8)のようにパワーP2は求められる。
ただし、積分領域は主被写体の位置や、主被写体以外の被写体の位置などに応じて、領域を狭くするか、または複数に分けてもよい。また、演算部212による演算の後に行ってもよい。
以上のように、二乗演算部206と領域内積分部208を通してパワーP1が生成され、二乗演算部207と領域内積分部209を通して、パワーP2が生成される。ここで、パワーPの値と、フォーカスレンズ位置の関係を、図3(A)に示す。図3(A)のように、パワーPは合焦位置で最大値となる。これは、合焦位置が最も画像のコントラストがはっきりしているため、画像信号のパワーPが最も強い状態となるからである。一方、合焦から無限側や至近側に向かって、画像がボケるにつれ、パワーPは徐々に小さい値となる。
差分演算部210では、領域内積分部208、209の出力信号パワーP1、P2の差分P2−P1を演算する。2つの画像のボケ具合が大きく異なるときは、差分P2−P1が大きい値となる。一方、2つの画像のボケ具合にほとんど差がないときは、差分P2−P1は小さい値となる。積分演算部211では、領域内積分部208、209の出力信号パワーP1、P2の和P1+P2を演算する。ボケ評価値演算部212では、差分演算部210の出力結果を積分演算部211の出力結果で規格化することにより、式(9)に示すようにボケ評価値Cを演算する。
また、式(9)を、式(10)に示すように(P1+P2)/2のように変更して、P1とP2の平均値で規格化してもよい。
また、焦点検出を行いやすくするために式(10)の右辺に係数をつけてもよい。なお、本実施形態では、簡易的にボケ評価値Cを求める式(9)を用いて説明する。
図2のAF制御部1251は、ボケ評価値Cを取り込み、フォーカス駆動部116を通じて、焦点検出結果に基づいてフォーカスアクチュエータ113を制御し、フォーカスレンズ104を進退駆動してAF制御を行う。以上のような手順で、第2の焦点検出部130は、算出されたボケ評価値Cによりフォーカスレンズ104を駆動して第2の焦点検出を行う。
以下、図2、図4を用いて、本実施形態に係る撮像装置の合焦動作(AF動作)について説明する。本実施形態において、撮影装置は2種類の焦点検出方法を有しており、それぞれを必要に応じて使い分ける。上述のように、第1の焦点検出方法は、コントラスト検知方式や撮像画素を用いた位相差検知方式での焦点検出方法であり、第2の焦点検出方法はDFD法を用いた焦点検出方法である。
次に、図4は、本実施形態に係る撮像装置のAF動作のフローチャートである。まず、ステップS400において、AF動作を開始する。そして、ステップS401において、領域設定部215は、被写体に対する焦点調節を行うためのAF評価範囲を設定する。ステップS401において、画像内に1つの測距領域が設定される。なお、この処理に関する制御プログラムは、カメラMPU125によって実行される。
ここで、AF評価範囲とは、AF動作によって焦点調節するための画像信号を評価する範囲である。なお、ここで設定されるAF評価範囲は、第1の焦点検出を行うための範囲(第1のAF評価範囲)であり、第2の焦点検出を行うための範囲(第2のAF評価範囲)はステップS401で設定してもしなくてもよい。また、第2のAF評価範囲も共に設定する場合は、第1のAF評価範囲と同じでなくてもよい。
次に、ステップS402において、撮像素子122への露光を行う。これにより、第1の焦点検出や第2の焦点検出に用いる出力信号を得るだけでなく、各焦点検出部用の焦点検出領域を含む近傍の被写体の情報を得ることができる。また、第1の焦点検出や第2の焦点検出は、必要な焦点調節精度に合わせて、撮像画素の出力信号の数を間引いて用いてもよい。また、露光はフォーカスレンズ104の駆動している最中に行ってもよいし、止まっている間に行ってもよい。そして、ステップS403において焦点検出方法の決定を行う。
次に、ステップS404において、第2の焦点検出を行うか否かを判定する。本実施形態のように2つの焦点検出方法を有する場合、より最適な焦点検出方法を選択する。焦点検出方法の選択は、焦点検出の精度と、合焦に至るまでに経過する時間とを鑑みて行う。以下、合焦に至るまでに経過する時間を合焦時間とする。
ここで、第1の焦点検出結果に基づく合焦位置と、第2の焦点検出結果に基づく合焦位置の、それぞれ焦点検出の精度について説明する。一般に撮影画像を観賞している人が最も合焦していると感じるボケ状態が望ましいとされているが、このボケ状態は1方向だけではなく、上下左右など複数の方向の画像のコントラストの状況により決定される。つまり、撮影画像を観賞している人が最も合焦していると感じるボケ状態のピント状態を得るためには、1方向のボケ状態の評価だけでは精度が不十分である。
そして、第1の焦点検出方法では、第1の方向のボケ状態しか評価していないため精度が不十分である。これに対して、第2の焦点検出方法では2次元的なエッジのパワー情報をボケ評価値Cとしているため、検出レンズ駆動量は実際の絵のピント状態の評価とほぼ等しくなる。このように、第1の焦点検出方法よりも第2の焦点検出方法による検出レンズ駆動量の方が精度がよい。
次に、合焦時間について説明する。第1の焦点検出と第2の焦点検出の合焦時間は、様々な条件によって異なる。精度の良い第2の焦点検出結果を用いても、第1の焦点検出に比べて第2の焦点検出の合焦時間が長過ぎる場合は、第2の焦点検出を中止し第1の焦点検出結果を採用してもよい。すなわち、第2の焦点検出結果のみを用いてもよいし、第1の焦点検出結果と第2の焦点検出結果の両方を用いてもよい。また、両方を用いてその焦点検出結果を比較し合焦状態の修整を行ってもよい。また、第1の焦点検出と第2の焦点検出のどちらを選択するか決定するために、AF動作開始時からの経過時間を閾値として採用してもよい。
次に、ステップS404において、第2の焦点検出を行う場合(ステップS404)(Yes)は、ステップS405へ進む。一方、第2の焦点検出を行わない場合(ステップS404)(No)は、ステップS411へ進み第1の焦点検出および合焦処理を行う。
次に、ステップS405において露光の回数を判定する。露光回数が2回以上の場合はステップS406へ進む(ステップS405)(Yes)。一方、そして、露光回数が2回以上でない場合(ステップS405)(No)、ステップS413に進む。なお、ステップS413の処理については後述する。
次に、ステップS406において、第2の焦点検出部130による焦点検出と第2の焦点検出結果の信頼性判定を行う。ここで、第2の焦点検出部(駆動情報算出手段)130により算出されるフォーカスレンズの駆動方向のことを検出レンズ駆動方向とし、フォーカスレンズ駆動量のことを検出レンズ駆動量とする。また、検出レンズ駆動方向と検出レンズ駆動量を合わせて検出レンズ駆動情報とする。なお、ステップS406の第2の焦点検出方法や信頼性判定方法については、図6を用いて後述する。
ここで、第2の焦点検出に用いるボケ評価値Cの算出には、画像1と画像2の輝度信号Yを用いる。そのため、露光回数が1回以下の場合(ステップS405)(No)、第2のデフォーカス量が算出できない。したがって、もう1回以上露光を繰り返すためにステップS413を実行した後にステップS402に処理が戻る。
ここで、図6を用いて第2の焦点検出方法と信頼性判定方法について説明する。図6は、図4のステップS406で実行される第2の焦点検出部130による焦点検出と信頼性判定処理動作のフローチャートである。また、焦点検出部130により検出されたフォーカスレンズ104の位置と区別するために、実際のフォーカスレンズ104の位置を真のレンズ位置とする。
まず、ステップS600において、第2の焦点検出部130によるAF動作を開始する。そして、ステップS601において、領域設定部215は被写体に対して第2のAF評価範囲を設定する。なお、ステップS601では、画像内に1つの測距領域が設定される。第2のAF評価範囲は、第2の焦点検出部130によって焦点調節するための画像信号を評価する範囲である。なお、図4のステップS401において第2のAF評価範囲が設定されている場合には、ステップS601で第2のAF評価範囲設定を行わずにステップS602へ進む。次に、ステップS602において、画像1、画像2の輝度信号Yを用いて、ボケ評価値Cを算出する。
次に、ステップS603において、算出されたボケ評価値Cから、検出レンズ駆動量を算出する。ここで、ボケ評価値Cと検出レンズ駆動量の相関関係について図7(A)を用いて説明する。図7(A)は、ボケ評価値Cと検出レンズ駆動量の関係を示す図である。図7(A)の至近端、無限端とはフォーカスレンズ104の駆動の限界位置の両端(以下、至近端と無限端)を表している。図7(A)の第3のDef範囲とは、検出レンズ駆動量と検出レンズ駆動方向共に信頼性があるフォーカスレンズ104の位置の範囲を指す。
ここで、第3のDef範囲について図5(A)を用いて説明する。図5(A)は、検出Def情報の信頼性と、真のレンズ位置の関係を示す図である。図5(A)の至近端、無限端とは、フォーカスレンズ104の駆動の限界位置の両端を表しており、合焦となるフォーカスレンズの位置を、合焦位置として示す。以下、検出レンズ駆動量と検出レンズ駆動方向の信頼性が共にないフォーカスレンズ104の位置の範囲を第1のDef範囲とする。
また、検出レンズ駆動量の信頼性がなく、かつ検出レンズ駆動方向の信頼性があるフォーカスレンズ104の位置の範囲を第2のDef範囲とする。図5に示すように、第3のDef範囲は合焦位置を含んだ範囲で、第1のDef範囲と第2のDef範囲は合焦位置を含んでいない範囲である。また、検出駆動方向の信頼性がある範囲は、第2のDef範囲と第3のDef範囲を合わせた範囲である。
また、図5(A)は、第1のDef範囲と第2のDef範囲が明確に分かれている場合を示す。しかし、実際は図5(B)に示すように、第1のDef範囲と第2のDef範囲が入り混じり、至近端や無限端から合焦位置方向に徐々にレンズ駆動する際に、検出レンズ駆動方向の信頼性がありになったり、信頼性がなしになったりする場合がある。
ここで、図7(A)を用いたボケ評価値Cと真のレンズ位置の相関関係についての説明に戻る。図7(A)に示すように、第3のDef範囲内に関しては、ボケ評価値Cと真のレンズ位置は1対1の対応関係にある。この1対1の対応関係のうち、C=0に対応するフォーカスレンズの位置が合焦位置となる。この理由を、図3(A)と式(9)を用いて説明する。
ボケ評価値Cは、式(9)に示すように、真のレンズ位置が所定のデフォーカス量だけ異なる2つの画像のパワーP1、P2の差分を和で除して求めている。ここで、図3(A)に示すように、画像1と画像2のフォーカスレンズ104の位置をそれぞれL1’、L2’とし、L1’、L2’は合焦位置近傍ではないとする。また、L1’、L2’に対応する画像のパワーをP1’、P2’とし、L2’−L1’は第2の焦点検出を行うために必要な所定のデフォーカス量であるとする。このようにP1’<P2’のとき、式(9)に代入するとC>0となるので、C=0のときが合焦位置と分かる。
同様に、合焦位置を挟んで画像1と画像2が得られた場合の画像1と画像2の真のレンズ位置をそれぞれL1、L2とする。L1、L2に対応する画像のパワーをP1、P2とし、L2−L1は第2の焦点検出を行うために必要な所定のデフォーカス量であるとする。上述のようにパワーPは合焦位置で最大値をとるので、L1,L2のように合焦位置を挟んだ位置に画像1と画像2のフォーカスレンズがある場合、1箇所だけパワーP1とパワーP2の値が同じ値をとる。そして、P1=P2のとき、式(9)に代入するとC=0となるので、C=0のときが合焦位置と分かる。
ここで、図6のステップS603に戻り、図7(A)を用いて検出レンズ駆動量の算出方法について説明する。例えば、ステップS602で算出されたボケ評価値がCaである場合は、相関関係より検出レンズ駆動量Laが得られる。この図7(A)に示すような相関関係は、テーブル(相関関係テーブル)としてROM125aに記憶されている。そして、算出されたボケ評価値Cを用いて、相関関係テーブルを参照することにより検出レンズ駆動量を求める(ステップS603)。なお、算出したボケ評価値Cに対応する値が、相関関係テーブルになかった場合は、相関関係テーブルに対して補完演算を行って検出レンズ駆動量を求めてもよい。
なお、図3では合焦位置から至近側と無限側にほぼ左右対称な例を挙げたが、実際のレンズは左右対称になっていない。そのため、P1=P2のときでも合焦位置からずれてしまうが、このずれ量はレンズの設計値からわかるため、ずれ量分だけ相関関係テーブルを事前にオフセットすればよい。
次に、ステップS604においてステップS603で算出された検出レンズ駆動量の信頼性を判定する(信頼性判断)。検出レンズ駆動量の信頼性について図7(B)を用いて説明する。図7(B)は、ボケ評価値Cと検出レンズ駆動量の関係を示す図である。図7(B)の至近端Ls、無限端Lm、はフォーカスレンズ104の駆動可能な限界の位置を表しており、Lgは合焦位置である。
図7(B)では、ボケ評価値Cと検出レンズ駆動量の関係のプロット範囲を図7(A)よりも広げて至近端から無限端までを示している。図7(B)に示すように、ボケ評価値Cと検出レンズ駆動量が、1対1の対応関係となる部分と1対1の対応関係とならない部分(以下、非1対1対応)がある。図7(B)に示すLxからLyの間は1対1の対応関係で、LsからLxの間とLyからLmの間は非1対1対応の関係である。ここで、非1対1対応の関係とは、ひとつのボケ評価値Cxを用いて相関関係テーブルに照らしたときに、Ls、Lxの2つの検出レンズ駆動量が算出される関係である。
また、図7(B)では、非1対1対応の領域に関しては、S/N比(信号対ノイズ比)の低化が原因で0クロスが生じるが、0クロスを生じない例を挙げている。また、評価値Cとフォーカスレンズ位置が非1対1の対応関係になる部分が生じる原因は、図3に示すパワーPの変化を表わす曲線の形状と、式(9)に示すボケ評価値Cの演算方法による。
上述のように、図3(A)に示すパワーPのグラフ形状は合焦位置で最大値をとり、合焦から無限側や至近側に向かって、画像がボケるにつれてパワーPの値は減少する。したがって、パワーPの傾きは合焦位置で0となり、合焦から無限側や至近側に向かって、画像がボケるにつれ傾きが増加する。そして、無限端や至近端が近づくと再び傾きが0に近づいていく。また、式(9)の右辺の分子P2−P1の傾向も、パワーPの傾きと同様に、合焦からボケるにつれ増加し、無限端や至近端が近づくと再び0に近づいていく。すなわち、式(9)の右辺の分子の影響で、式(9)の左辺であるCの傾向は0から増加し、再び減少するような傾向となる。
一方、式(9)の右辺の分母のP1+P2の値は、合焦からボケるにつれ、徐々に減少していく。すなわち、分母の影響でパワーPは規格化され、式(9)の左辺であるCの傾向は合焦近傍では小さい値をもち、画像がボケるにつれて大きい値となる傾向となる。よって、この式(9)を用いてボケ評価値Cを算出し、このボケ評価値Cの絶対値(以下|C|)は合焦位置から離れるにつれて増加し、あるところから減少するため、ボケ評価値Cとフォーカスレンズ位置が非1対1の対応関係になる部分が生じる。
ここで、図7(A)に戻り、検出レンズ駆動量の信頼性判定に関する説明をする。ボケ評価値CxがステップS602で算出されたとき、相関関係テーブルに照らすだけではLs、Lxのうちどちらが正しいフォーカスレンズ位置か判定できない。そのため、1対1の対応関係が成立しない場合は、ステップS603で間違った検出レンズ駆動量を算出する可能性がある。そこで、ボケ評価値がCxからCyの間以外の値をとる場合は、信頼性のないボケ評価値Cと言える。第3のDef範囲内に関しては、1対1対応の関係が成立しているため、ボケ評価値CがCyからCxの間の値をとる。
ステップS604では、検出レンズ駆動量の信頼性の有無を、パワーPの値を用いて判定する。信頼性判定には、パワーP1とP2どちらか一方を用いてもよいし、両方を用いてもよい。ここで、図3(A)を用いて検出レンズ駆動量の信頼性算出方法について説明する。
図3(A)の縦軸である画像のパワーPは、被写体のコントラストによって異なる値をとるが、撮像画像の明暗差(最大出力値―最小出力値)で規格化を行えば、どのようなコントラストの被写体を撮影してもパワーPのグラフ形状は概ね一致する。そこで、明暗差で規格化したパワーP(信頼性評価値)の値が所定の閾値以上の値を取る場合には、検出レンズ駆動量は信頼性ありと判定する。他方、閾値未満の場合には、検出レンズ駆動量は信頼性なしと判定する。
また、より簡単に明暗差によるパワーPの規格化を行わずに信頼性判定を行ってもよい。以下の判定方法で用いる閾値のうち、P2−P1に対して用いる閾値をP差分閾値、パワーPに対して用いる閾値をP閾値と呼ぶ。具体的には、P2−P1が所定のP差分閾値以下の値を取り、かつパワーPがP閾値以上の場合には検出レンズ駆動量は信頼性ありと判定する。そして、P2−P1が所定のP差分閾値以下の値をとり、かつパワーPがP閾値以下の場合には検出レンズ駆動量は信頼性なしと判定する。
図3(A)に示すように、無限端や至近端付近のように画像のコントラストが大きく減ってしまったボケ状態(以下大ボケ状態)の画像1と画像2には、パワーPの差がほとんどなくなる。そこで、パワーPの差に対して差分閾値を設ける。ただし、合焦位置近傍の場合もパワーPの差は小さくなるので、P閾値をさらに設け、P閾値以下の場合は大ボケ状態と判断する。
また、P2−P1が所定のP差分閾値以下の値をとる回数が所定回数以下の場合は、検出レンズ駆動量は信頼性ありと判定し、P2−P1が所定のP差分閾値以下の値をとる回数が所定回数以下の場合は、検出レンズ駆動量は信頼性なしと判定してもよい。図3(A)に示すように、大ボケ状態のときは画像1と画像2のパワーPの差が無くなった状態が連続し、P2−P1≒0となるのは合焦近傍のみであるからである。
ここで、図6の説明に戻る。次に、ステップS605で、検出レンズ駆動方向の信頼性を判定する。検出レンズ駆動方向の信頼性があるDef範囲は、図5に示すように、第3のDef範囲よりも、第2のDef範囲ぶんだけ広範囲になっている。つまり、ステップS605で検出レンズ駆動方向の信頼性を判定することは、現在のフォーカスレンズ104の位置が第2のDef範囲内にあるか否かを判定することである。
ここで、検出レンズ駆動方向の信頼性について、図8(A)を用いて説明する。図8(A)は、検出レンズ駆動量と真のレンズ位置の対応関係を示す図である。図8(A)の至近端、無限端とはフォーカスレンズ104の駆動の限界位置の両端を表している。また、第1、第2、第3のDef範囲の関係は、第1のDef範囲と第2のDef範囲が入り混じっている場合を示している。また本実施形態において、図8(A)は、第3のDef範囲で検出レンズ駆動量と真のレンズ位置が同じ符号となるように、符号を設定するものとする。
検出レンズ駆動方向の信頼性判定は、検出レンズ駆動量の符号を用いて行う。図8(A)に示す第3のDef範囲では、検出レンズ駆動量が正の場合も負の場合も、真のレンズ位置との符号は一致している。このように検出レンズ駆動量と真のレンズ位置の符号が一致している場合は、検出レンズ駆動方向の信頼性がある。つまり、図5(A)に示すように、検出レンズ駆動方向の信頼性がある場合とは、検出レンズ駆動量の符号が信頼できる場合である。第2のDef範囲にある場合は、検出レンズ駆動量は信頼できないが符号が信頼できるため、フォーカスレンズ104を合焦位置に近づける方向に、正しく駆動することができる。
一方、図8(A)に示す第1または第2のDef範囲では、0クロスが発生しており、検出レンズ駆動量の符号が真のレンズ位置の符号と一致していない箇所がある。このように検出レンズ駆動量と真のレンズ位置の符号が一致しない場合は、検出レンズ駆動方向の信頼性がない。以上、検出レンズ駆動方向の信頼性について述べたが、その信頼性判定は、閾値を設定することにより行う。
ここで、検出レンズ駆動量に0クロスが発生する原因について、図3(A)を用いて説明する。図3(A)は、パワーPの値とフォーカスレンズ位置の関係を示す図である。図3(A)に示すように、画像1と画像2のフォーカスレンズ104の位置を、それぞれL1’’、L2’’とし、L1’’、L2’’は合焦位置近傍ではないとする。また、L1’’、L2’’に対応するパワーPの値をP1’’、P2’’とする。
上述のように、合焦から無限側や至近側に向かって、焦点がボケるにつれて、パワーPは徐々に小さい値をとる。したがって、P2’’−P1’’の大きさと、P2’−P1’の大きさを比較すると、P2’’−P1’’のほうが小さい。すなわち、無限端や至近端に向かって、焦点がボケるにつれて画像1と画像2のパワーPの差は小さくなる。したがって、大ボケ状態では、S/N比の低化が原因で、画像1と画像2のパワーの値が限りなく近くなる場合や、または大小関係が反転してしまう場合がある。
このように、S/N比の低化により画像1と画像2のパワーの大小関係が反転すると、式(9)に代入してボケ評価値Cを算出した場合、ボケ評価値Cの符号が反転してしまう。そして、符号が反転したボケ評価値Cを相関関係テーブルに照らすと、符号が反転した検出レンズ駆動量が算出されてしまう。したがって、パワーPのS/N比の低化が原因で、検出レンズ駆動量の0クロスや符号の反転が発生する。
ここで、図8(A)を用いた検出レンズ駆動方向の信頼性判定方法の説明に戻る。図8(A)に示す第1の閾値と第2の閾値は、検出レンズ駆動方向の信頼性判定に用いる閾値である。第1の閾値は検出レンズ駆動量が正の領域に、第2の閾値は検出レンズ駆動量が負の領域にあるものとする。図6のステップS605において、検出レンズ駆動量が第1の閾値以上か、または第2の閾値以下の場合(ステップS605)(Yes)、検出レンズ駆動方向の信頼性なしと判定しステップS606へ進む。一方、検出レンズ駆動量が第1の閾値よりも小さく、かつ第2の閾値よりも大きい場合(ステップS605)(No)、検出レンズ駆動方向の信頼性ありと判定しステップS607へ進む。すなわち、検出レンズ駆動量に閾値を設けることにより、0クロスや符号が反転した検出レンズ駆動量が算出される場合や、検出レンズ駆動量と真のレンズ位置の符号が一致しない場合を避けることができる。
また、検出レンズ駆動量に対して第1の閾値と第2の閾値を設けて信頼性判定を行わず、パワーPに対して閾値を設けてもよい。具体的には、検出レンズ駆動方向の信頼性の有無を、パワーPの値を用いて判定する。信頼性判定には、パワーP1とP2のどちらか一方のパワーPを用いてもよいし、両方を用いてもよい。上述のように、図3(A)の縦軸である画像のパワーは、被写体のコントラストによって異なる値をとるが、撮像画像の明暗差(最大出力値―最小出力値)で規格化を行えば、どのようなコントラストの被写体を撮影してもパワーPのグラフ形状は概ね一致する。そこで、明暗差で規格化したパワーPの値が所定の閾値以上の値を取る場合には、検出レンズ駆動方向は信頼性ありと判定する。他方、閾値未満の場合は検出レンズ駆動方向は信頼性なしと判定する。
また、明暗差によるパワーPの規格化を行わずに信頼性判定を行ってもよい。以下の判定方法で用いる閾値のうち、P2−P1に対して用いる閾値をP差分閾値、パワーPに対して用いる閾値をP閾値とする。具体的には、P2−P1が所定のP差分閾値以下の値をとり、かつパワーPがP閾値以上の場合には検出レンズ駆動量は信頼性ありと判定する。そして、P2−P1が所定のP差分閾値以下の値をとり、かつパワーPがP閾値以下の場合には検出レンズ駆動方向は信頼性なしと判定する。上述のように大ボケ状態では、パワーPの差がほとんど無くなる。
そこで、パワーPの差に対して差分閾値を設ける。ただし、合焦位置近傍の場合もパワーPの差は小さくなるので、P閾値をさらに設け、P閾値以下の場合は大ボケ状態と判断する。また、P2−P1が所定のP差分閾値以下の値をとる回数が所定回数以下の場合は、検出レンズ駆動方向は信頼性ありと判定し、P2−P1が所定のP差分閾値以下の値をとる回数が所定回数以下の場合は、検出レンズ駆動方向の信頼性なしと判定してもよい。図3(A)に示すように、大ボケ状態のときは画像1と画像2のパワーPの差が無くなった状態が連続することを利用する。
ここで、図6の説明に戻る。以上のように、ステップS605で検出レンズ駆動方向の信頼性判定を終えると、ステップS606に進み、第2の焦点検出部による焦点検出と信頼性判定処理を終了する。本実施形態では、フォーカスレンズ104を所定の画像デフォーカス間隔だけ動かすことで得られる画像1、画像2のパワーPからボケ評価値Cを算出する。そして、ボケ評価値Cを用いて相関関係テーブルを参照して検出レンズ駆動量を算出している。そして、その際に、パワーPに対して閾値を設けることで検出レンズ駆動量や駆動方向の信頼性判定を可能としている。
また、本実施形態では、図6のようにステップS604で検出レンズ駆動量の信頼性判定を行ってから、ステップS605で検出レンズ駆動方向の信頼性判定を行う処理の流れになっているが、ステップS604とステップS605の順序は入れ替えてもよい。また、並行して信頼性判定を行ってもよい。
ここで、図4を用いた、本実施形態に係る撮像装置における合焦動作(AF動作)についての説明に戻る。上述のようにステップS406で検出レンズ駆動情報の算出とその信頼性判定を行った後、ステップS407へ進む。ステップS407においては、検出レンズ駆動方向の信頼性があるか否かを判定する。検出レンズ駆動方向の信頼性なしと判定された場合(ステップS407)(No)、ステップS414に進む。検出レンズ駆動方向の信頼性ありと判定された場合(ステップS407)(Yes)、ステップS408へ進む。なお、ステップS414の処理については後述する。
次に、ステップS408で、検出レンズ駆動量の信頼性があるか否かを判定する。ステップS408で検出レンズ駆動量の信頼性なしと判定された場合(ステップS408)(No)、処理はステップS415に進む。一方、検出レンズ駆動量の信頼性ありと判定された場合(ステップS408)(Yes)は、処理はステップS409へ進む。そして、ステップS409では、第4のレンズ制御を行う。ただし、第4のレンズ制御とは、フォーカスレンズ104の位置を合焦位置に近づけるために本ステップでカメラMPU125が行うフォーカスレンズ駆動の制御のことである。また、ステップS409では、合焦状態となるために、検出レンズ駆動量分だけフォーカスレンズ駆動を行い、合焦位置にフォーカスレンズ104を駆動し、処理はステップS410へ進む。なお、ステップS415の処理については後述する。
次に、ステップS410において、第1の焦点検出を行うか否かを判定する。本実施形態においては撮影装置が有する第1の焦点検出と第2の焦点検出のうち、最適な焦点検出方法を選択する。ステップS410で第1の焦点検出を行わない場合(ステップS410)(No)は、ステップS412に進み、カメラMPU125は合焦表示を行う。そして、合焦表示後に、本合焦動作を終了(ステップS416)する。一方、ステップS410で第1の焦点検出を行う場合(ステップS410)(Yes)は、ステップS411へ進み第1の焦点検出のためのフォーカスレンズ駆動、第1の焦点検出及び、合焦状態へのフォーカスレンズ駆動を行う。次に、ステップS412において、カメラMPU125は合焦表示を行い。そして、ステップS416において、本合焦動作を終了する。
ここで、ステップS413の処理について説明する。ステップS413においては、露光が2回未満しか行われず検出レンズ駆動量が算出できない場合(ステップS405)(No)に、第1のレンズ制御によるフォーカスレンズ駆動を行う。ここで、第1のレンズ制御とは、露光が2回未満しか行われず検出レンズ駆動量の算出ができない場合に、カメラMPU125が行うフォーカスレンズ駆動の制御のことである。
第1のレンズ制御では、事前に設定した方向に、所定の速度でフォーカスレンズ104を所定の間隔だけ異なる位置へ駆動する。レンズ駆動方向を至近方向に設定するのは、撮影者が焦点調節の対象とする被写体は至近側に存在することが多いためであるが、駆動方向は至近方向に限られない。
第1のレンズ制御における画像デフォーカス間隔は、検出レンズ駆動方向の信頼性と、フォーカスレンズ104の駆動可能な速度を考慮して、最適な画像デフォーカス間隔に決定される。なお、本実施形態では、フォーカスレンズ104を駆動する所定の間隔を、画像デフォーカス間隔とする。また、この画像デフォーカス間隔の幅は、第2の画像デフォーカス間隔や第3の画像デフォーカス間隔よりも大きくても小さくてもよい。なお、第2の画像デフォーカス間隔と第3の画像デフォーカス間隔については、後述する。
次に、ステップS414の処理について説明する。ステップS414では、検出レンズ駆動方向の信頼性がない場合(ステップS407)(No)、第2のレンズ制御を行う。第2のレンズ制御とは、検出レンズ駆動方向の信頼性なしと判定された場合に、本ステップでカメラMPU125が行うフォーカスレンズ駆動の制御を行うことである。第2のレンズ制御では、フォーカスレンズ104の位置が所定の間隔だけ異なる位置で露光を行うことができるようにフォーカスレンズ駆動を行う。ここで、フォーカスレンズ駆動を行う際、第2のレンズ制御における画像デフォーカス間隔は、第2の画像デフォーカス間隔とする。ただし、第2の画像デフォーカス間隔は、後述する第3の画像デフォーカス間隔よりも広いものとする。
ここで、第2のレンズ制御における画像デフォーカス間隔を第3の画像デフォーカス間隔よりも広い第2の画像デフォーカス間隔とする理由について説明する。まずは、図3(A)と図3(B)を比較して、画像デフォーカス間隔が狭い場合と広い場合の違いについて説明する。図3(B)は、図3(A)よりも画像デフォーカス間隔を広げた場合のパワーPの値と真のレンズ位置の関係を示す。図3(B)において、図3(A)と同様に、合焦位置を挟んだ画像1と画像2のフォーカスレンズ104の位置をそれぞれL1、L2とし、L1、L2に対応する画像のパワーをP1、P2とする。また、合焦近傍ではない画像1と画像2のフォーカスレンズ104の位置をそれぞれL1’、L2’とし、L1’、L2’に対応する画像のパワーをP1’、P2’とする。また、L1’、L2’よりも大ボケ状態の画像1と画像2のフォーカスレンズ104の位置をそれぞれL1’’、L2’’とする。そして、L1’’、L2’’に対応する画像のパワーをP1’’、P2’’とする。
合焦位置を挟んで画像1と画像2を選んだ場合において、図3(A)、(B)のP2−P1の大きさを比較すると、共に0に近い値をとる。このように、合焦位置を挟んで画像1と画像2を選んだ場合、画像デフォーカス間隔を広げても、P2−P1の値に変化はない。一方、P2’−P1’の値を、図3(A)、(B)について比較すると画像デフォーカス間隔を広げた(B)の方が、P2’−P1’の値が大きい。同様に、P2’’−P1’’の値を、図3(A)、(B)について比較すると画像デフォーカス間隔を広げた(B)の方がP2’’−P1’’の値が大きい。このように、画像デフォーカス間隔を広げることにより、合焦近傍以外の場合、パワーPの差が大きくなる。
すなわち、図3(B)のように画像デフォーカス間隔を広げた場合、画像1と画像2のパワー差のS/N比が改善される。これにより、検出レンズ駆動量の0クロスや符号の反転を防ぐことができる。さらに、検出レンズ駆動方向に信頼性のある範囲を広げることができる。
次に、図8を用いて検出レンズ駆動方向に信頼性のある範囲が広がる場合ついて説明する。図8(A)は、検出レンズ駆動量と真のレンズ位置の対応関係を示す図であり、検出レンズ駆動量の符号の反転や0クロスが発生する場合を示している。図8(B)は、検出レンズ駆動量と真のレンズ位置の対応関係を示す図であり、検出レンズ駆動量の符号の反転や0クロスが発生しない場合を示している。なお、図8(B)は、図8(A)よりも画像デフォーカス間隔が広いものとする。
画像デフォーカス間隔が狭い場合は、図8(A)のように検出レンズ駆動量の符号の反転や0クロスが発生するが、画像デフォーカス間隔が広い場合は、図8(B)のように検出レンズ駆動量の符号の反転や0クロスが発生しない。したがって、画像デフォーカス間隔を広げることにより、図8(A)の第1または第2のDef範囲であるDef領域の検出レンズ駆動量が、図8(B)に示すようにすべて第1の閾値以上または第2の閾値以下となる。
さらに、第1のDef範囲と第2のDef範囲が変化を図5(B)、(C)を用いて説明する。図5(B)は、検出Def情報の信頼性と、真のレンズ位置の関係を示す図であり、第1のDef範囲と第2のDef範囲が入り混じる場合を示している。図5(C)は、検出Def情報の信頼性と、真のレンズ位置の関係を示す図であり、至近端から無限端に至るまで、第1のDef範囲が存在しない場合である。
画像デフォーカス間隔を広げることにより、図5(B)に示すような第1のDef範囲を含むDef範囲がなくなる。そして、図5(C)に示すように大ボケ状態において第2のDef範囲を広げることができる。以上のように、第1のDef範囲にいる場合、第2のDef範囲を広げることで、より高速に検出レンズ駆動量の信頼性ありの範囲に到達するようにレンズ駆動することができる。
ここまで、画像デフォーカス間隔は所定の値として説明したが、徐々に画像デフォーカス間隔を広げてもよい。具体的には、画像デフォーカス間隔を決定する為の信頼性算出(ステップS406)に用いる画像デフォーカス間隔(第1のデフォーカス間隔)よりも、次の画像デフォーカス間隔を広げる。画像デフォーカス間隔の広げかたについては、所定の値に限らず、加速度的に広げてもよい。
ただし、画像デフォーカス間隔を広げる場合は、所定の画像デフォーカス間隔を超えないようにする必要がある。画像デフォーカス間隔が広い場合、時間的に古い情報を用いることになるため、被写体が移動している場合などに信頼性判定にミスが生じる可能性がある。また、図5(C)に示すように、第1のDef範囲は、無限端から至近端まで全領域において必ずしも存在しない訳ではなく、第1のDef範囲が存在するか否か、またその範囲がどれくらいかは画像デフォーカス間隔の上限値の設定による。
次に、ステップS415の処理について説明する。ステップS415においては、第3のレンズ制御を行う。ここで、第3のレンズ制御とは、検出レンズ駆動方向の信頼性があり、かつ検出レンズ駆動量の信頼性がない場合に、カメラMPU125が行うフォーカスレンズ駆動の制御を行うことである。第3のレンズ制御では、フォーカスレンズ104の位置が所定の間隔だけ異なる位置で露光を行うことができるようにレンズ駆動を行う。フォーカスレンズ駆動を行う場合、第3のレンズ制御における画像デフォーカス間隔は、第3の画像デフォーカス間隔とする。ただし、第3の画像デフォーカス間隔は、第2の画像デフォーカス間隔よりも狭いものとする。
ここで、画像デフォーカス間隔を第2の画像デフォーカス間隔よりも狭い第3の画像デフォーカス間隔とする理由について図9を用いて説明する。図9は、検出レンズ駆動量と真のレンズ位置の対応関係を、広い画像デフォーカス間隔の場合と狭い画像デフォーカス間隔の場合を比較して示す図である。広い画像デフォーカス間隔を用いて検出レンズ駆動量を算出した場合の、検出レンズ駆動量と真のレンズ位置の対応関係を実線で示す。また、狭い画像デフォーカス間隔を用いて検出レンズ駆動量を算出した場合の、検出レンズ駆動量と真のレンズ位置の対応関係を点線で示す。
まず、フォーカスレンズがK1’、K2の位置にあるときに、画像デフォーカス間隔K2−K1’を用いて検出レンズ駆動量を算出した場合について説明する。上述のように、画像1と画像2のちょうど中間位置の検出レンズ駆動量が得られるので、広い画像デフォーカス間隔の場合には図9に示すようなDefAの位置の検出レンズ駆動量が算出できる。
一方、フォーカスレンズ104がK1、K2の位置にあるときに、画像デフォーカス間隔K2−K1を用いると、DefBの位置の検出レンズ駆動量が算出できる。ここで、DefBは第3のDef範囲に含まれているが、DefAは第1また第2のDef範囲に含まれている。すなわち、大ボケ状態から合焦位置に向かってフォーカスレンズ104を駆動したとき、同じ位置K2にフォーカスレンズ104が到達しても、画像デフォーカス間隔が異なることにより、第3のDef範囲に含まれる場合と含まれない場合がある。
つまり、画像デフォーカス間隔を狭くすることで、第3のDef範囲に早く到達することが可能となり、焦点検出にかかる時間を短縮することができる。そこで、本実施形態では、検出レンズ駆動方向の信頼性ありと判定(ステップS407)(Yes)され、かつ検出レンズ駆動量の信頼性なしと判定(ステップS408)(No)された場合、第3の画像デフォーカス間隔を用いる。
以上、画像デフォーカス間隔を所定の値として説明したが、徐々に画像デフォーカス間隔を狭めてもよい。具体的には、画像デフォーカス間隔を決定する為の信頼性算出(ステップS406)に用いる画像デフォーカス間隔(第1の画像デフォーカス間隔)よりも、次の画像デフォーカス間隔を狭める。画像デフォーカス間隔の狭めかたは、所定の値に限らず、加速度的に狭めてもよい。
ただし、P2−P1のS/N比を考慮した所定の画像デフォーカス間隔の下限値を予め決定しておき、第3のレンズ制御では、所定の画像デフォーカス間隔の下限値に達するまで画像デフォーカス間隔を狭めるものとする。また、所定の画像デフォーカス間隔の下限値は、検出レンズ駆動量のS/N比を考慮して、最も精度よく焦点検出を行うことができるよう設定してもよい。
ここで図4を用いた、本実施形態に係る焦点調節装置を適用した撮像装置における合焦動作(AF動作)についての説明戻る。以上のようにステップS415では、第3のレンズ制御によってフォーカスレンズ104を駆動した後、処理はステップS402に戻る。以上で、本実施形態に係る撮像装置の合焦動作(AF動作)についての説明を終える。
また、上述したボケ評価値Cの算出方法として、BPF部205で抽出する周波数帯域の、中心近傍の周波数をωとしたときに、以下の式(11)のように、周波数の重みづけのための係数として1/ω^2をつけてもよい。これにより、複数のBPFを用いて複数のぼけ評価値Cを算出して比較する場合に、周波数の二乗で規格化することで複数のボケ評価値Cの値を一致させることができる。
また、検出レンズ駆動量を得るために2つの画像を用いるのではなく、3つの画像を用いてもよい。その場合は、3つの画像から複数のボケ評価値Cを算出したあとに複数のボケ評価値Cを重みづけして組み合わせて第2の焦点検出に用いてもよい。
以上、所定の画像デフォーカス間隔を露光回数や検出レンズ駆動量や駆動方向の信頼性判定結果に基づいて変更することにより、合焦するまでの時間を高速化することが可能である。
また本実施形態により、焦点検出が不可能なDef領域でもフォーカスレンズ104の駆動方向を判定することで、より高速な焦点検出を実現する撮像装置を提供することができる。
また、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
122 撮像素子
100 撮影光学系
129 第1の焦点検出部
130 第2の焦点検出部
125 カメラMPU
100 撮影光学系
129 第1の焦点検出部
130 第2の焦点検出部
125 カメラMPU
Claims (9)
- デフォーカス量が異なる複数の画像から輝度情報を取得する輝度情報取得手段と、
前記輝度情報に基づいて画像の合焦状態を示すボケ評価値を算出する評価値算出手段と、
前記ボケ評価値を用いてレンズ駆動情報を算出する駆動情報算出手段と、
前記レンズ駆動情報の信頼性を判定する信頼性判定手段と、
前記信頼性に応じて画像デフォーカス間隔を変更する変更手段とを有する
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記信頼性判定手段は、前記輝度情報から算出される信頼性評価値と所定の閾値との比較に基づいて、前記レンズ駆動情報の前記信頼性を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記レンズ駆動情報は、少なくともレンズ駆動量とレンズ駆動方向とを含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。 - 前記変更手段は、前記レンズ駆動方向の信頼性がないと判定された場合、前記ボケ評価値の算出に用いた第1の画像デフォーカス間隔よりも広い画像デフォーカス間隔を設定する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記変更手段は、前記レンズ駆動量の信頼性がないと判定された場合、前記第1の画像デフォーカス間隔よりも狭い画像デフォーカス間隔を設定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記駆動情報算出手段は、複数の前記ボケ評価値から算出したボケ評価値を用いて、前記レンズ駆動情報を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記信頼性判定手段は、前記レンズ駆動情報の示す前記検出レンズ駆動量の符号に基づいて前記レンズ駆動方向の信頼性を判定する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記信頼性判定手段は、前記ボケ評価値に基づいて合焦近傍であるか否かを判断し、合焦近傍である場合、前記レンズ駆動情報の信頼性があると判定する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。 - デフォーカス量が異なる複数の画像から輝度情報を取得する輝度情報取得工程と、
前記輝度情報に基づいて画像の合焦状態を示すボケ評価値を算出する評価値算出工程と、
前記ボケ評価値を用いてレンズ駆動情報を算出する駆動情報算出工程と、
前記レンズ駆動情報の信頼性を判定する信頼性判定工程と、
前記信頼性に応じて画像デフォーカス間隔を変更する変更工程とを有する
ことを特徴とする撮像装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015101730A JP2016218205A (ja) | 2015-05-19 | 2015-05-19 | 撮像装置およびその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015101730A JP2016218205A (ja) | 2015-05-19 | 2015-05-19 | 撮像装置およびその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016218205A true JP2016218205A (ja) | 2016-12-22 |
Family
ID=57578373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015101730A Pending JP2016218205A (ja) | 2015-05-19 | 2015-05-19 | 撮像装置およびその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016218205A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11893668B2 (en) | 2021-03-31 | 2024-02-06 | Leica Camera Ag | Imaging system and method for generating a final digital image via applying a profile to image information |
-
2015
- 2015-05-19 JP JP2015101730A patent/JP2016218205A/ja active Pending
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