JP2016216556A - ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂が本来備える優れた透明性を維持しつつ、所望の衝撃強度と共に、優れた表面硬度を有する組成物及びそれからなる成形品の提供。【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)45〜55重量%及びポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂(B)55〜45重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、リン系酸化防止剤(C)0.02〜2重量部を含有してなる、熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形品。【選択図】なし

Description

本発明は、透明性と表面硬度に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は透明性を有し、機械的強度、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であることから、電気電子分野や自動車分野等広く工業的に利用されている。
近年、スマートフォン等の携帯端末においては、その携帯端末製品を持ち歩きすることから製品筐体の強度が要望されている。又、端末製品を保護する目的で製品カバーが使用されている。それら製品筐体や製品カバーは持ち歩きする際等に他の製品と接触したり衝突したりすることにより、製品筐体又は製品カバー表面に傷が付く場合があり、上記強度に加えて表面硬度の改良が要望されることも多い。この点、従来のポリカーボネート樹脂組成物は、表面硬度が不十分であり、得られた成形品に他製品が接触したり衝突すると、成形品表面が傷つき、ひいては製品の意匠性を著しく損なうといった不具合に繋がりやすいという問題点があった。
従来、ポリカーボネート樹脂組成物の表面硬度を向上させる手段として、ポリカーボネート樹脂に(メタ)アクリレート共重合体を含有させる方法が複数知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂に芳香族(メタ)アクリレート単位とメチル(メタ)アクリレート単位からなる(メタ)アクリレート共重合体を含有してなるポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。特許文献2には、ポリカーボネート樹脂にアルキル(メタ)アクリレート単量体、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体から選ばれた1種以上をグラフト重合してなる硬質グラフト重合体及びゴム変性重合体を含有してなるポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。しかしながら、特許文献1は透明性に劣り、特許文献2は衝撃強度を十分に達成できるものではなく、さらなる改良の余地があった。
特願2013−524640号公報 特願2011−75073号公報
本発明は、前述の諸問題を解決した、すなわち、ポリカーボネート樹脂組成物が本来有する優れた透明性を損なう事なく、所望の剛性感を有し、優れた表面硬度を備えたポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリカーボネート樹脂に特定のポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂を配合する事により、驚くべきことに、ポリカーボネート樹脂本来の透明性を損なう事なく、所望の衝撃強度を有し、かつ表面硬度を著しく改善できることを新規に知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)45〜55重量%及びポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂(B)55〜45重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、リン系酸化防止剤(C)0.02〜2重量部を含有してなることを特徴とする、ポリカーボネート樹脂組成物、およびそれからなる成形品を提供するものである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂が本来備える優れた透明性を維持しつつ、所望の衝撃強度を有すると共に表面硬度をも飛躍的に向上させることができる。また、本発明の樹脂組成物から得られた成形品へ外部力が印加された場合に当該成形品が傷つき製品の意匠性を大幅に低下させるといった不具合の発生が可及的に抑えられる。本発明は、例えば、携帯端末など電気電子用部品やそのカバーケースへの適用が可能である。
以下、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは当業者が本発明を充分に理解するために以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性、強度の面より通常10000〜100000、より好ましくは12000〜30000、さらに好ましくは14000〜26000の範囲である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
ポリカーボネート樹脂(A)の配合量は、45〜55重量%である。55重量%を越えると曲げ剛性に劣り、45重量%未満では表面硬度に劣ることから好ましくない。より好ましい配合量は、48〜52重量%である。
本発明にて使用されるポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂(B)は、特許第3432830号公報に開示されている。これからなる成形品は単独で使用された場合であっても、透明性を有し、対応力亀裂性を持ち、又、強度、剛性、耐衝撃性及び加水分解抵抗性を含む優れた物理学的性質を有している。
ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂はテレフタル酸及び/またはその誘導体90〜40モル%、好ましくは85〜52モル%、さらに好ましくは83〜53モル%と、追加の二塩基酸10〜60モル%、好ましくは15〜48モル%、さらに好ましくは17〜48モル%からの反復単位を含んでおり、かつグリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノールからの反復単位を含んでいるものを用いることが出来る。
テレフタル酸の誘導体としては、テレフタル酸のジアルキルエステルジアリールエステル等が挙げられ、例えば、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート等を用いることが出来る。
追加の二塩基酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、スチルベンジカルボン酸等、またはこれらの2種以上の組み合わせを用いる事が出来る。シクロヘキサンジカルボン酸としては1、3−及び/又は1、4シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが出来る。追加の二塩基酸の代わりにメチルエステルのような低級アルキルエステルを使用することも出来る。
グリコール成分は、炭素数が好ましくは2〜20の1種又は、それ以上の追加の脂肪族または脂環式グリコールをさらに含むことが出来る。これらの他のグリコールはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び2、2、4、4−テトラメチルシクロブタンジオールからなる群から選ばれることが出来る。エチレングリコールが特に好ましい。
より詳しくは、酸成分としてジメチルテレフタレートを含み、グリコール成分として1,4−シクロヘキシレンジメタノール及び2,2,4,4−テトラメチルシクロブタンジオールを含むコポリエステル樹脂であることが望ましい。
又、このポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂としては、溶液100mL中にポリマー0.5gを含む60/40フェノール/テトラクロロエタン溶液中で測定したインヘレント粘度が0.4〜1.1dL/gであることが好ましい。
このポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂は、分枝剤を使用して合成されたものを用いる事も出来る。分枝剤としては例えば無水トリメリット酸、トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、トリメシン酸、ヘミメリット酸、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、 1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ジペンタエリトリトールなどを少量(1.5モル%未満)使用する事も出来る。
ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂は公知の溶融相または固相重合法を用いて容易に製造出来る。これらは回分法でも連続法でも製造出来る。これらの方法の例は米国特許第4,256,861号明細書、同第4,539,390号明細書及び同第2,901,466号明細書に開示されており、直接縮合による製造もエステル交換による製造も含む。
ポリ(1,4−シクロヘキシレンジエチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂の市販例としては、下記のイーストマン・ケイカル社製のトライタンシリーズ(例えば、耐熱99℃(HDT:0.45MPa)のグレード;TX1001:TX1000の射出成形用グレード、TX1500HF:TX1000の高流動グレード、TX2000:耐熱109℃(HDT:0.45MPa)のグレード、TX2001:TX2000の射出成形用グレードを挙げることが出来る。
本発明にて使用されるリン系酸化防止剤(C)としては、下記一般式1、2および3で表される化合物から選択された1種またはそれ以上からなる化合物が挙げられる。
一般式1
Figure 2016216556
(一般式1において、R1〜4は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で
置換されてもよいアリール基を示す。)
一般式2
Figure 2016216556
(一般式2において、R5、R6は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、a、bは整数0〜3を示す。)
一般式3
Figure 2016216556
(一般式3において、R7は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、cは0〜3の整数を示す。)
一般式1の化合物としてはクラリアントジャパン社製サンドスタブP−EPQが、一般式2の化合物としてはアデカ社製アデカスタブPEP−36が、また、一般式3の化合物としてはBASF社製のイルガフォス168等が商業的に入手可能なものとして挙げられる。
リン系酸化防止剤(C)の量は、(A)および(B)からなる樹脂成分100重量部あたり、0.02〜2重量部である。リン系酸化防止剤(C)の量が0.02重量部未満では、熱による黄変が大きく、光線透過率低下など熱安定性も劣るため好ましくない。また、リン系酸化防止剤(C)の量が2重量部を超えると添加剤自体の色目による黄変が大きい事から成形品色調面から好ましくない。リン系酸化防止剤(C)の量は、0.04〜1重量部が好適で、さらに好ましくは0.05〜0.2重量部である。この範囲では、光線透過率が低下せず、優れた熱安定性を示す。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に各種の樹脂、酸化防止剤、蛍光増白剤、顔料、染料、カーボンブラック、充填材、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、軟化材、展着剤(流動パラフィン、エポキシ化大豆油等)、難燃剤、有機金属塩等の添加剤、を配合しても良い。
各種の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、AS、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアリレート、樹脂等が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上で併用してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲においては、任意に変更乃至改変して実施することができる。なお、特に断りのない限り、実施例中の「%」及び「部」は、それぞれ重量基準に基づく「重量%」及び「重量部」を示す。
使用した原料の詳細は以下のとおりである。
1.ポリカーボネート樹脂(A):
ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−20、粘度平均分子量
19000、以下、「PC」と略記
2.ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル (B):
イーストマン・ケイカル社製 トライタンTX1001 以下、「PE」と略記
3.リン系酸化防止剤(C):
クラリアントジャパン社製P−EPQ 以下「AO」と略記
(ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの作成)
前述の各種配合成分を表1に示す配合比率にて、二軸押出機(神戸製鋼所製KTX37)を用いて、溶融温度260℃にて混練し、ポリカーボネート樹脂組成物を得た。得られたポリカーボネート樹脂組成物はポリカーボネート樹脂及び他原料の混合物を第一フィーダー(原料供給口)から押出機バレル内に供給し、樹脂を十分に、溶融混練を行い、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
(成形品の曲げ弾性率の評価)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ100〜120℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度260℃、射出圧力1600kg/cm2にてISO試験法に準じた厚み4mmの試験片を作成し、得られた試験片を用いてISO 178に準じ曲げ弾性率(剛性)を測定し、曲げ弾性率が1900MPa以上を良好とした。
(光線透過率、黄色度測定用試験片の作成方法)
得られた各種ペレットを100〜120℃で4時間乾燥した後に、射出成形機(日本製鋼所製J−100SAII)を用いて280℃、射出圧力1200Kg/cmにて色度、透過率および曇価率測定用試験片(90x50x3mm)を作成した。
(光線透過率、黄色度の評価方法)
村上色彩研究所製ヘーズメーターHM−150を用いて光線透過率を測定した。全光線透過率Ttが89.5%以上を良好とした。また、村上色彩研究所製CMS−35SPを用いて黄色度の測定を行った。黄色度YIが3以下を良好とした。結果を表1および表2に示した。
(表面硬度の評価方法)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ100〜120℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度260℃、射出圧力1600kg/cm2にて平板(90mm×150mm×3mm)を作成した。得られた試験片を用いてJIS K5600−5−4に準じ、東洋精機製鉛筆硬度測定機形式NPを用いて鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度はF以上を良好とした。
Figure 2016216556
実施例1〜3に示すように、本発明の構成要件を満足するものについては、要求性能を全て満たしていた。
一方、比較例1〜4に示すように、本発明の構成要件を満足しないものについては、それぞれ次のとおり欠点を有していた。
比較例1は、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂(PE)の配合量が規定量よりも少ない場合で、鉛筆硬度が不良となった。
比較例2は、リン系酸化防止剤(AO)が規定量よりも少ない場合で、黄色度が不良となった。
比較例3は、リン系酸化防止剤(AO)が規定量よりも多い場合で、黄色度が不良となった。
比較例4は、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂(PE)の配合量が規定量よりも多い場合で、曲げ弾性率が不良となった。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、詳細な説明を提供した。
したがって、詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂が本来備える優れた透明性を維持しつつ、所望の衝撃強度を有すると共に表面硬度をも飛躍的に向上させることができるものであり、その産業上の利用価値は極めて高い。例えば、携帯端末など電気電子用部品やそのカバーケースへの使用が可能であり、産業上極めて有用である。

Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)45〜55重量%及びポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂(B)55〜45重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、リン系酸化防止剤(C)0.02〜2重量部を含有してなることを特徴とする、ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 前記リン系酸化防止剤(C)の量が、前記樹脂成分100重量部あたり、0.05〜0.2重量部であることを特徴とする、請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 前記リン系酸化防止剤(C)が、下記一般式1、2および3で表される化合物から選択された一種以上の化合物であることを特徴とする、請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
    一般式1
    Figure 2016216556
    (一般式1において、R1〜4は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を示す。)
    一般式2
    Figure 2016216556
    (一般式2において、R5、R6は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、a、bは整数0〜3を示す。)
    一般式3
    Figure 2016216556
    (一般式3において、R7は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、cは0〜3の整数を示す。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
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