JP2016215303A - ロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、および監視コンソール - Google Patents

ロボットシステム、ロボットシステムの制御方法、および監視コンソール Download PDF

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Abstract

【課題】監視者が作業環境を確実に監視できる状態でロボット操作〜許可操作に基づく実際のロボット動作が実行されるように制御する。【解決手段】制御装置20は、ロボット操作装置3、ロボット動作許可装置4からそれぞれ受信した動作信号と許可信号に応じて、ロボット駆動部を介して制御される動作信号の指示に対応したロボットアーム1の動作を許可または禁止する。位置検出装置8によって、作業者(71)および監視者(72)の位置を検出する。条件記憶部43には、作業者および監視者の位置関係と、ロボットアーム1の動作を許可または禁止する制御情報と、を関連づけて格納する。制御装置20は、許可信号を受信し、作業者および監視者の位置の関係と、ロボットアーム1の動作を許可する制御情報に該当する場合に、許可信号の有効受信と判定し、ロボットアーム1の動作を許可する。【選択図】図3

Description

本発明は、ロボットアームの動作を禁止または許可する制御装置を含むロボットシステム、およびその制御方法に関するものである。
産業用ロボットなどのロボット装置の教示(プログラミング)では、ロボットアームに新規動作を教示したり、教示済みの動作の一部を修正したりする作業が行われる。従って、教示後の自動運転とは異なり、教示中、あるいは教示した動作の確認を行う際に、作業者がロボットの可動範囲内、例えばロボットアームの各部、あるいは先端部が到達しうる範囲内で作業を行う場合がある。
ロボットアームの教示作業中に、作業者がロボットの可動範囲でロボット操作を行うのは、例えばロボットアームのごく近傍からロボット各部の動作を確認し、所期の動作が行われているかどうか確認する必要があるためである。
このように、作業者がロボットの可動範囲内に入って作業する場合、この可動範囲内は、ロボットと作業者が接触する可能性があり、作業者の保護状態を充分確保する必要がある。
作業者がロボットの可動範囲内で作業を行う場合には、例えば、ロボットの可動範囲外かつ装置を視認可能な位置に監視者を配置することが推奨されている(下記の非特許文献1)。その場合、監視者は、可動範囲内の状況を監視し、異常が発生した際にはロボットの可動範囲外に設置された非常停止スイッチによりロボットを停止し、場合によっては、作業者の救助などを行う。こうした作業ルールによって、作業者ないし関係者の保護状態は形成されるものの、より確実に作業者ないし関係者を保護できるシステムが望まれている。
一方で、ロボット装置によって、ロボット装置の設置環境の(半)自動監視を行うシステムも提案されている(例えば下記の特許文献1)。例えば建物の周りなどを巡回する警備ロボットが異常を検知した際に監視センターにいる監視員にその旨を報知し、異常の対処を促すものである。このような従来技術は、上記のロボットの可動範囲と、可動範囲内の作業者の監視に利用できる可能性がある。
特開2008−242968号公報
中央労働災害防止協会「産業用ロボットの安全必携」
特許文献1に記載の技術では、異常が発生した旨、監視者への報知を行うことになる。従って、このような構成では、監視者が非常停止スイッチをすぐに操作できる状態になければ監視者の対応が遅れる可能性がある。また、作業環境を監視するには、監視ロボットにセンサやカメラなどの手段を設けて異常発生を検出できるようにする必要があり、動作の信頼性を高めるのはそれ程容易ではない。
そもそも、上記のような作業者および監視者の連携作業の方式は、例えば、作業者やロボットの異常に対して速やかに対応できるよう考えられたものである。即ち、作業者および監視者の各々固有の意志や判断に基づき、その両者の連携によって、作業者の保護状態を確保しながら、スムーズにロボット作業を行えるようにすることが目的とされている。従って、特許文献1のような構成でロボット可動範囲の監視処理に自動検出処理などを介在させると、却って作業者および監視者の連携性を低下させるおそれがある。
ここで、作業者および監視者の固有の意志や判断に基づき、両者の連携によってロボット作業を行う手法として、例えば監視者が特定操作を介して作業者のロボット操作ないしそれに対応する動作を許可する方式が考えられる。例えば、作業者がロボット操作を行った時、発光(や音声)表示などによって監視者に報知する。そして、監視者が当該のロボット動作を行っても良いと判断した時に、許可ボタン操作などの特定操作を行い、当該のロボット操作ないしそれに対応する動作を許可する。
このような作業者のロボット操作〜監視者の許可操作のハンドシェイクによって例えば作業者とロボットアームの干渉などの問題を生じることなく、確実に教示作業を進めることができる。しかしながら、このような方式において支障なく確実に教示作業を行えるようにするには、監視者が的確に、また注意深く作業環境を監視していることが担保されなければならない。
例えば、上記のようなロボット操作〜許可操作のハンドシェイク方式では、作業者のロボット操作を発光(や音声)表示などによって監視者に報知する構成が必要と考えられる。しかしながら、このようなロボット操作の報知手段を設ける場合には、例えばロボット操作を報知する発光表示にのみに反応するような作業状況に陥り、作業環境の監視が疎かになる可能性がある。
本発明の課題は、ロボット可動範囲内における作業者の保護状態を確保し、作業者および監視者の操作の連携性を高め、効率よくロボットを用いた作業を行うことができるようにすることにある。例えば、監視者がロボット操作および対応するロボット動作を許可する方式において、監視者が作業環境を確実に監視できる状態でロボット操作〜許可操作に基づく実際のロボット動作が実行されるように制御することにある。
上記課題を解決するため、例えばロボットシステムにおいて、ロボットアームの動作を制御するロボット駆動部と、第1の操作者の操作に従って前記ロボットアームの動作を指示する動作信号を送信する第1の操作部と、第2の操作者の許可操作に従って前記ロボットアームの動作を許可する許可信号を送信する第2の操作部と、前記動作信号と前記許可信号を受信し、受信した前記動作信号と前記許可信号に応じて、前記ロボット駆動部を介して制御される前記動作信号の指示に対応した前記ロボットアームの動作を許可または禁止する制御装置と、前記第1の操作者および第2の操作者の位置を検出する位置検出装置と、前記第1の操作者および第2の操作者の位置関係と、前記ロボットアームの動作を許可または禁止する制御情報と、を関連づけて格納する記憶装置と、を備え、前記制御装置は、前記許可信号を受信した場合、前記位置検出装置で検出した前記第1の操作者および第2の操作者の位置関係が、前記ロボットアームの動作を許可する制御情報に該当する場合に、許可信号の有効受信と判定する制御部を含み、前記制御部の有効受信判定に基づき、前記ロボット駆動部を介して制御される前記動作信号の指示に対応した前記ロボットアームの動作を許可する制御を行う構成を特徴とする。
以上の構成によって、作業者と監視者の位置関係が確実に監視者がロボットの可動範囲ないし作業者の状態を監視できる場合にロボットアームの動作を許可する制御を行うことができる。このため、ロボットの可動範囲における作業者の保護状態を確保し、作業者および監視者の操作の連携性を高め、効率よくロボットを用いた作業を行うことができる、という優れた効果がある。
本発明を実施可能なロボットシステムの全体構成を示す説明図である。 本発明の実施例1に係るロボット操作装置の操作面の一例を示した説明図である。 本発明の実施例1に係るロボットシステムの機能的な構成を示したブロック図である。 本発明の実施例1に係る制御信号を示した説明図である。 本発明の実施例1に係るロボット操作、制御信号およびロボット動作の関係を示したタイミング図である。 本発明の実施例1に係るロボットシステムの機能的な構成を示したブロック図である。 本発明の実施例2に係る制御時間を示した説明図である。 本発明の実施例2に係るロボット操作、制御信号およびロボット動作の関係を示したタイミング図である。 本発明の実施例2に係るロボット操作、制御信号およびロボット動作の異なる関係を示したタイミング図である。 本発明の実施例2に係るロボット操作、制御信号およびロボット動作のさらに異なる関係を示したタイミング図である。 本発明の実施例3に係るロボット操作、制御信号およびロボット動作の関係を示したタイミング図である。 本発明の実施例3に係るロボット操作、制御信号およびロボット動作のさらに異なる関係を示したタイミング図である。 本発明の実施例3に係る制御時間を示した説明図である。 図1のロボットシステムの制御系の一例を示したブロック図である。 本発明の実施例1における制御手順を示したフローチャート図である。 本発明の実施例2における制御手順を示したフローチャート図である。 本発明の実施例2における制御手順を示したフローチャート図である。 本発明に係るロボットシステムの非常停止制御を示したフローチャート図である。 本発明に係るロボットシステムにおいて、許可信号を利用するモード、または同信号を利用しないモードを選択する制御手順を示したフローチャート図である。 本発明の実施例1〜5に係るロボットシステムの全体構成を示す説明図である。 本発明の実施例5に係るロボットシステムの機能的な構成を示したブロック図である。 本発明の実施例1〜5に係る監視者および作業者の作業領域を示す説明図である。 (a)、(b)は本発明の実施例1〜5に係る条件記憶部のテーブルメモリの異なる構成例をそれぞれ示した説明図である。 本発明の実施例1〜5において、許可操作が行われた時に制御装置の制御部が実行する制御手順を示したフローチャート図である。
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
本発明を適用可能なロボットシステムの構成の一例を図1に示す。本実施例のロボットシステムは、ロボットアーム1、ロボット制御装置2、ロボット操作装置3、ロボット動作許可装置4から構成される。
本実施例の場合、ロボット装置は、ロボット操作装置3を操作する作業者(第1の操作者)71とロボット動作許可装置4を操作する監視者(第2の操作者)72の少なくとも2人の操作者の連携によって利用される。例えば、本ロボットシステムは、前述のように、作業者71が可動範囲6内でロボット操作装置3を用いて行うロボットアーム1の教示作業を行う場合、可動範囲6の外側から監視者72が監視することができるよう構成されている。
ロボット操作装置3は、ティーチングペンダントなどと呼ばれるユーザーインターフェースで、例えばロボットアーム1の可動範囲6内で作業者71により持ち運び可能に構成される。ロボット動作許可装置4は、可動範囲6の外側に固定的に配置されるか、あるいはロボット操作装置3同様の可搬構成で、可動範囲6の外側を移動可能な監視者72により操作される。
ロボット制御装置2には、ロボットアーム1、ロボット操作装置3、ロボット動作許可装置4が接続されている。これら各装置間の通信は有線接続(例えば有線シリアルバスやパラレルバスによる有線接続)、あるいは無線接続など任意の通信方式によって行うことができる。例えば、ネットワーク通信方式などを利用する場合、有線接続ではIEEE802.3、無線接続ではIEEE802.11、802.15のような通信方式を利用することができる。
ロボットアーム1は、例えば垂直多関節型や、パラレルリンク型など任意のハードウェアアーキテクチャによって構成することができる。ロボットアーム1に設けられた複数の関節は、例えばサーボモータなどによる駆動源によってそれぞれ駆動される。ロボットアーム1は、ロボット制御装置2からの動作命令を受信し、受信した動作命令に応じて各関節の駆動源を動作させ、動作命令に対応する位置姿勢をとるよう制御される。
ロボット制御装置2は、ロボット操作装置3とロボット動作許可装置4から送信された信号を解釈し、ロボットアーム1に送信する動作命令を生成する。
ロボット操作装置3は、例えばティーチングペンダントなどと呼ばれるユーザーインターフェースであり、作業者71によって操作される。図2はロボット操作装置3の操作面の構成例を示している。
図2に示すように、ロボット操作装置3は、LCDパネル(あるいはタッチパネル)などから構成された表示器314と、以下に示すようなボタン群を有する。
サーボボタン311はロボットアーム1の動力を有効化または無効化するために用いられる。特に、ロボットアーム1の駆動にサーボ制御系が用いられている場合、サーボボタン311はロボットアーム1をサーボON(動力を有効化)、またはサーボOFF(動力を無効化)するために用いられる。具体的には、サーボボタン311の操作によって、ロボットアーム1の各関節を制御するサーボ制御回路にサーボON(またはサーボOFF)を指示する動作信号をロボット制御装置2に送信するために用いられる。また、非常停止スイッチ313は、非常停止操作部の一例であって、緊急時に直ちにロボットアーム1の動作を停止させる動作信号をロボット制御装置2に送信するために用いられる。
ジョグボタン312は、ロボット制御装置2に対してロボットアーム1に指示すべき動作の内容を指示する動作信号を送るために用いられるボタン群であり、ロボットアーム1を動作させる方向や方法ごとにボタンが割り当てられている。例えば、図2の例では、ジョグボタン312として、+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向、+Z方向、−Z方向のような機能表示を有する(この例では6個の)ボタンが配置されている。この例では、ジョグボタン312の各ボタンにロボットアーム1が動作する方向ごとに操作機能が割り当てられている。
また、ロボットアーム1の関節軸ごとにボタンを割り当てるような操作方式を採用することもできる。例えば、ロボットアーム1が6軸ロボットであれば、関節軸ごとの動作方向を割り当てたボタンをジョグボタン312として用意してもよい。その場合、ボタンの機能表示は+J1、−J1、+J2、−J2、+J3、−J3、+J4、−J4、+J5、−J5、+J6、−J6のようなものとなる。その他に、ロボットアーム1の基台の回転軸の動作を割り当てることもできる他、ロボット操作装置3に機能切換ボタン(不図示)を備え、この機能切換ボタンによって割り当てる動作指示を切り替えてもよい。
いずれにしても、図2の表示はあくまでも概念的な表示であって、ロボットアーム1を動作させるための動作信号を発生させるためにロボット操作装置3に配置するボタンの構成は当業者が任意に変更してよい。
再び図1において、ロボット動作許可装置4は、作業者71がロボット操作装置3を用いてロボットアーム1を動作させる際に監視者72によって操作され、ロボット動作を許可する許可信号をロボット制御装置2に送信するために用いられる。このような作業者71との連携操作のため、図1のロボット動作許可装置4には、許可ボタン40およびモニタ表示器7が設けられる。
上記のロボット操作装置3は、作業者71(第1の操作者)の操作に従ってロボットアーム1の動作を指示する動作信号を送信する第1の操作部を構成する。また、許可ボタン40およびロボット動作許可装置4が監視者72(第2の操作者)の操作に従ってロボットアーム1の動作を許可する許可信号を送信する第2の操作部を構成する。
許可ボタン40は、押しボタンスイッチや、静電スイッチのような、操作している時にON、操作していないときにOFFとなる操作方式(例えばモーメンタ操作方式)で構成するのが好ましい。モニタ表示器7は、例えば作業者71がロボット操作装置3で図2に示したようなサーボボタン311やジョグボタン312の任意の1つを操作した場合に、その操作タイミングによって点灯(ないし点滅)表示するような簡単なインジケータであってよい。あるいは、ロボット操作装置3の操作面を模した表示などを用いて、ロボット操作装置3における操作内容を刻々と表示するような表示方式を用いてもよい。いずれにしても、モニタ表示器7の表示状態は、ロボット操作装置3の操作状態に応じてロボット制御装置2によって制御される。
本実施例のロボット動作許可装置4には、非常停止操作部として非常停止スイッチ5を設けている。この非常停止スイッチ5は、ロボット操作装置3の非常停止スイッチ313と同様に緊急時に直ちにロボットアーム1の動作を停止させる動作信号をロボット制御装置2に送信するために用いられる。なお、非常停止スイッチ5は公知の機器配置においても例えばロボットアーム1の可動範囲6の外側などに監視者72によって操作できるように配置される場合がある。従って、非常停止スイッチ5は必ずしもロボット動作許可装置4の一部として構成する必要はない。その場合、モニタ表示器7と許可ボタン40を有するロボット動作許可装置4を、(例えば設置済みの)非常停止スイッチ5の近傍に配置するような構成を採用してもよい。ここで、非常停止スイッチ5の「近傍」とは、例えば監視者72が両手をそれぞれ用いてロボット動作許可装置4と非常停止スイッチ5にアクセスでき、必要なタイミングで許可信号や非常停止を指令する動作信号を速やかに送信できるような配置をいう。
非常停止スイッチ5は、例えばいわゆるキノコ型スイッチの構成であり、一度操作するとボタンが押しこまれ、その操作状態(非常停止の指令状態)が維持される。この非常停止スイッチ5の操作状態が形成されると、ロボット制御装置2は直ちにロボットアーム1の動作を(非常)停止させる。
図1において、ロボットアーム1の可動範囲6は、ロボットアーム1の各部(各関節で接続された各リンク、先端や関節の角部など)が到達しうる範囲を意味する。図1では、可動範囲6は簡単な円形の表示によって示してあるが、実際には3次元の空間範囲に相当する。そして、ロボットアーム1の各部(その先端や関節のような角部)の構成によっては、必ずしも例えば球形の空間範囲とは限らず、複雑な形状となっている場合がある。
いずれにしても、可動範囲6は、ロボットアーム1の任意の部位が物理的に空間を占める場合があり、例えば作業者71とロボットアーム1が干渉(例えば衝突)するような場合は、その事象はこの可動範囲6の内側で発生する。従って、作業者71ないし監視者72(あるいは他の関係者)の保護状態を確保するため、可動範囲6を囲うように不図示の防護柵を設置してもよい。
ここで、作業者71および監視者72の役割について説明する。例えばロボットアーム1の教示作業や動作確認を行う際、作業者71は、ロボット操作装置3を操作してロボットアーム1を動作させる。この時、作業者71は、このロボット操作装置3の操作を、例えば必要に応じて可動範囲6に出入りしながら、可動範囲6の中または外で行う。可動範囲6の中でロボット操作装置3の操作を行うのは、作業者71がロボットアーム1のごく近傍から各部の動作を確認し、例えばロボット操作装置3を介した教示操作によって指示した所期の動作が行われているかどうか確認するためである。この時、場合によっては、例えば、作業者71はロボットアーム1の一部や、ロボットアーム1で操作しているワークなどに手足や顔の一部を近付けるなどして、ロボットアーム1の動作を確認することがある。
一方、監視者72は、可動範囲6の外で、かつロボットアーム1および作業者71の状態を視認できる位置で、ロボット動作許可装置4、および非常停止スイッチ5を操作する。ここで、例えば作業者71がロボット操作装置3でなんらかのロボットアーム1の操作を行い動作信号を発生させたとする。これに同期して、ロボット制御装置2は、監視者72がその旨を視認できるようモニタ表示器7を作業者71の操作状態に対応する表示状態に制御する。例えばモニタ表示器7をインジケータランプなどから構成した場合は、ロボット操作装置3におけるボタン操作期間の間、同期してモニタ表示器7を点灯させる。
本実施例では、基本的に、ロボット制御装置2は、作業者71がロボット操作装置3を操作しても、監視者72がロボット動作許可装置4の許可ボタン40を操作して許可信号を発生しない限り、実際にロボットアーム1を動作させないように制御する。ただし、後述するように一部のロボット動作については、作業者71の操作性(操作感覚)などを考慮して、ロボット制御装置2は、許可ボタン40の操作を待たずにロボット操作装置3の操作に対応するロボット動作を開始させる制御を行うことができる。
作業者71がロボット操作装置3を操作し、動作信号を発生させると、上記のようにモニタ表示器7で対応する表示が行われるので、監視者72は当該の操作を認識できる。ここで、監視者72は、可動範囲6の外側からロボットアーム1および作業者71の状態を確認し、ロボットアーム1を動作させてもよい、と判断できた場合に許可ボタン40を操作してロボット動作許可装置4からロボット制御装置2に許可信号を送信させる。
後述する一部のロボット制御を除けば、動作許可装置4から上記の許可信号を受信することを条件として、ロボット制御装置2はロボット操作装置3の操作に応じて発生された動作信号に対応するロボット動作をロボットアーム1に実行させる。逆にいえば、ロボット制御装置2はロボット操作装置3から動作信号を受信しても、動作信号、および許可信号の双方を受信しなかった場合は、動作信号に対応したロボット動作を禁止するよう制御する。
図14にロボット制御装置2の制御系の構成例を概略的に示す。この制御系は、汎用マイクロプロセッサなどから成るCPU201、ROM202、RAM203、外部記憶装置204、インターフェース205、207、208、ネットワークインターフェース206などから構成される。また、後述の経過時間などに係る制御を行うため、制御系にはRTC209(リアルタイムクロック)が設けられている。
ROM202は、例えば後述するアクセス制御プログラムと制御データを格納するために用いることができる。なお、ROM202に格納したアクセス制御プログラムと制御データを後から更新(アップデート)できるよう、そのための記憶領域はE(E)PROMなどの記憶デバイスによって構成されていてもよい。RAM203は、DRAM素子などから構成され、CPU201が各種の制御、処理を実行するためのワークエリアとして用いられる。後述のロボット制御に係る機能は、CPU201が本実施例のアクセス制御プログラムを実行することにより実現される。なお、図14に示したCPU(201)を中心としたハードウェアと同等の構成は、例えばロボット操作装置3の制御系などとしても用いることができる。
外部記憶装置204は、例えばSSDやHDDのディスク装置で構成される。外部記憶装置204は、ロボット制御プログラムや教示点データ、あるいは後述するアクセス制御プログラムなどをファイル形式で格納することができる。なお、外部記憶装置204は、着脱式の各種光ディスクのような記録媒体、あるいは、着脱式のSSDやHDDのディスク装置、着脱式のフラッシュメモリから構成されていてもよい。このような各種の着脱式のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、本発明の一部を構成するアクセス制御プログラムをROM202(E(E)PROM領域)にインストールしたりアップデートするために用いることができる。この場合、各種の着脱式のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明を構成する制御プログラムを格納しており、記録媒体それ自体も本発明を構成することになる。
上述のように、CPU201がROM202(あるいは外部記憶装置204)に格納された各ロボット制御プログラム、ファームウェア、アクセス制御プログラムを実行する。これにより、上述のロボット制御装置2の各機能ブロックが実現される。
また、図14において、ロボット制御装置2は、インターフェース205、207、208を有し、インターフェース205、207、208を介してそれぞれロボット操作装置3、ロボットアーム1、ロボット動作許可装置4と通信する。これらのインターフェース205、207、208は、上述のような任意の通信インターフェース(例えばパラレルないしシリアル通信インターフェース)により構成される。CPU201は、ロボット操作装置3の操作からの動作信号、およびロボット動作許可装置4(非常停止スイッチ5)からの許可信号(あるいは非常停止信号)はインターフェース207、208をそれぞれ介して受信することができる。なお、インターフェース207、208は、後述の図3、図6などに示した機能構成ではインターフェース21に対応する。
インターフェース205は、後述の図3、図6などに示したインターフェース23に対応し、ロボットアーム1のロボット駆動部(11)と通信するために用いられる。CPU201は、インターフェース205を介して所定の信号形式によって制御信号を送信することにより、ロボット操作装置3からの動作信号、あるいは教示済みのロボットプログラムなどに応じたロボット動作をロボットアーム1に実行させることができる。
ネットワークインターフェース(NIF)206は、他の制御端末(不図示)や、他のロボット制御装置、ネットワーク上のサーバなどと通信するために用いられる。このネットワークインターフェース206では、有線、無線接続によるネットワーク通信方式、例えば有線接続ではIEEE802.3、無線接続ではIEEE802.11、802.15のような通信方式を用いることができる。なお、ロボット操作装置3、ロボットアーム1、ロボット動作許可装置4などとの通信は、全てネットワークインターフェース206を経由して行うようにしてもよい。
図1のようなロボットシステムを、例えば図14のような制御系を用いて構成した場合、図3のような機能構成を実施することができる。図3の例では、作業者71、および監視者72の(現在の)位置を検出する位置検出装置8が設けられている。そして、ロボット制御装置2は、位置検出装置8の出力に応じて、監視者72の操作により発生される許可信号の取り扱いを制御する。これにより、作業者71の操作により発生される動作信号に応じたロボットアーム1の動作を許可または禁止するよう制御する。例えば、監視者72が、作業者71ないし可動範囲6内の状況を確実に監視し、把握できるような位置関係にある場合のみ、作業者71の操作により発生される動作信号に応じたロボットアーム1の動作が行われるよう制御する。
ロボットアーム1、ロボット制御装置2、ロボット操作装置3、ロボット動作許可装置4、および(ロボット動作許可装置4側の)非常停止スイッチ5を機能ブロックとして示してある。図3に示した各機能ブロックは以下のように構成されている。
図3において、ロボット制御装置2は、制御部22と、インターフェース21、23を備えている。インターフェース21は1ブロックで示してあるが、図14のインターフェース207、208に相当し、インターフェース23は図14のインターフェース205に相当する。
ロボット制御装置2の制御部22は、機能的にはCPU201のハードウェアおよびソフトウェアにより構成される。例えば、制御部22は図14のCPU201のハードウェアと、CPU201により実行される後述の制御プログラムによって実現される制御の機能表現に相当する。
図3では、ロボット操作装置3の主な機能は、動作信号送信部31によって示されている。動作信号送信部31は、図2のサーボボタン311やジョグボタン312の操作に応じてロボットアーム1の特定のロボット動作(サーボON/OFFを含む)を指定する動作信号を発生し、ロボット制御装置2に送信する。
また、ロボット動作許可装置4の主な機能は、許可信号送信部41によって示されている。図3では、ロボット動作許可装置4側の非常停止スイッチ5の機能はロボット動作許可装置4とは独立した図示になっており、停止信号送信部51により示されている。許可信号送信部41は、許可ボタン40の操作に応じてロボットアーム1のロボット動作を許可する許可信号を送信する。また、停止信号送信部51は、非常停止スイッチ5の操作に応じてロボットアーム1を非常停止させ信号を発生させる。
ロボットアーム1は、ロボット駆動部11を有する。ロボット駆動部11は、ロボット制御装置2から送信されたロボット制御信号に基づき、各関節部の駆動源を制御し、これによりロボットアーム1がロボット制御信号の指令に対応した動作を行うよう制御される。ロボットアーム1の駆動源がサーボモータにより構成される場合、ロボット駆動部11にはサーボコントローラ(不図示)が設けられる。その場合、ロボット制御信号に応じてロボットアーム1の各関節部の駆動源を制御し、ロボット制御信号の指令に対応した動作が行われるよう制御される。また、たとえば、受信したロボット制御信号がサーボONを指示信号であれば、サーボコントローラはサーボON状態に制御される。
図3の機能表現に示すように本実施例のロボット装置は、ロボットアーム1の動作を制御するロボット駆動部11を含む。また、作業者71(第1の操作者)の操作に従ってロボットアーム1の動作を指示する動作信号を送信する動作信号送信部31を有する。さらに、監視者72(第2の操作者)の操作に従ってロボットアーム1の動作を許可する許可信号を送信する許可信号送信部41を有する。
ロボット制御装置2は、上記の動作信号と許可信号を受信し、受信した動作信号と許可信号の状態に応じて、ロボット駆動部11を介して制御される上記動作信号の指示に対応したロボットアームの動作を制御する。特に、この制御装置は動作信号送信部31から動作信号を受信する(第1の受信工程)とともに、許可信号送信部41から許可信号を受信する(第2の受信工程)。
そして、以下に示す本実施例の基本的な制御方法は、ロボット制御装置2が、上記の動作信号および許可信号の双方を受信しなかった場合、該動作信号の指示に対応したロボットアーム1の動作を禁止する制御工程を含む。
特に、本実施例では、ロボット制御装置2は、ロボット動作許可装置4から許可信号を受信した時、位置検出装置8および条件記憶部43を用いた制御を行う。
条件記憶部43(記憶装置)には、作業者71(第1の操作者)および監視者72(第2の操作者)の位置関係と、ロボットアーム1の動作を許可または禁止する制御情報と、を関連づけて格納しておく。そして、位置検出装置8によって検出した作業者71(第1の操作者)および監視者72(第2の操作者)の位置関係が、条件記憶部43にロボットアームの動作を許可する制御情報と関連づけられた位置関係に該当する場合、許可信号の有効受信と判定する。この許可信号の有効受信判定に応じて、初めて動作信号の指示に対応したロボットアーム1の動作が許可される。
なお、広義の意味合いにおいては、ロボット制御装置2(特に制御部22)、およびロボット動作許可装置4は本ロボットシステムの主たる制御装置20を構成するものである。また、ロボット動作許可装置4は、監視者72が操作する操作装置としての意味合いを持ち、別名では、監視コンソール、監視ターミナル、などと呼んでも差し支えない。
位置検出装置8は、作業者71の位置を検出する位置検出部81、監視者72の位置を検出する位置検出部82、これらの位置検出部(81、82)の位置情報(位置信号)をそれぞれロボット制御装置2に送信する位置情報送信部83、84を含む。
条件記憶部43には、作業者71(第1の操作者)および監視者72(第2の操作者)の位置関係と、ロボットアーム1の動作を許可または禁止する制御情報と、を関連づけて、例えばテーブルメモリの形式で格納しておく。この条件記憶部43の記憶内容の一例については、後述する。条件記憶部43は、任意の記憶装置を用いて実装できる。例えば図14の構成においては、条件記憶部43はROM202、RAM203、外部記憶装置204のいずれを用いて構成してもよい。例えば、システムの仕様によっては、条件記憶部43の記憶内容をROM202中に固定的にROM化しておくことができる。また、条件記憶部43の記憶内容をファイル形式で外部記憶装置204に格納しておき、システム初期化時などに読み出し、RAM203に展開して利用するようにしてもよい。このような構成により、後のシステム更新などによって条件記憶部43の記憶内容の変更する必要が生じた場合にも対応できる。
位置検出装置8の位置検出部81、82は、例えば図20に示すように配置することができる。図20は図1と同等の様式で位置検出部81、82の配置形態の一例を示している。図20の例では、位置検出部81、82は、例えば作業者71および監視者72の体重などによる変形を介してこれらの現在の位置を検出する感圧マットなどにより構成する。例えば感圧マットなどにより構成された位置検出部81、82は、作業者71および監視者72の作業領域に敷設(配置)する。例えば、図20の例では、位置検出部81は可動範囲6(この例では矩形範囲)の内側に、また位置検出部82は可動範囲6の外側を取り囲むように配置している。
また、位置検出部81、82は、例えば超音波、電磁波、静電容量などの媒体の変化を介して第1の操作者および第2の操作者の位置をそれぞれ検出する人感センサなどから構成することもできる。
ロボットアーム1の可動範囲6は、例えば防護冊や(強化)ガラス(あるいは透明樹脂)板などから成る窓により囲っておくことができる。作業者71は、ロボット操作装置3を携帯して、可動範囲6の内側の作業を進めやすい位置に自由に移動しながら教示作業を行う。
一方、監視者72も、それが可搬形態で構成されていれば、ロボット動作許可装置4(監視コンソール)を携帯して可動範囲6を取り囲む外側の範囲を自由に移動しながら監視作業を行うことができる。
作業者71がロボット操作装置3でロボットアーム1を動作させる操作を行うと、ロボット制御装置2はモニタ表示器7によってその旨を監視者72に通知する。監視者72は、作業者71や可動範囲6内の状況を確認し、当該の動作を行ってよいと判断した場合、許可ボタン40を操作してロボット制御装置2に許可信号を送信する。
ここで、例えば、本システムの操作規約や装置の取扱マニュアルにおいて、監視者72は、予め可動範囲6内の状態を目視した上、可動範囲6内の環境に異常が無いことを確認した上で、許可ボタン40を操作して許可信号を送信することを推奨しておく。
しかしながら、本実施例のようなロボット操作〜許可操作のハンドシェイクによる方式では、モニタ表示器7を設ける方が望ましいが、前述のように監視者72がただモニタ表示器7の表示に反応するような状況に陥り、監視が疎かになる可能性もある。モニタ表示器7の表示のみを注視し(可動範囲6内の監視なしに)、動作信号受信に相当する表示状態のみに反応して監視者72が許可ボタン40の操作を繰り返すような操作状況は決して望ましくない。
そこで、本実施例では、例えば監視者72が、可動範囲6(のロボットアーム1や作業者71)の状態が十分に確認できる状態にある場合にのみ、監視者72の許可ボタン40の操作に応じて許可信号を送信できるよう制御する。
具体的には、可動範囲6(のロボットアーム1や作業者71)の状態を十分に確認できるか否かは、例えば、位置検出装置8によって検出した作業者71ないし監視者72の(現在の)位置関係を介して検出することができる。そして、監視者72が許可ボタン40の操作により送信した場合、ロボット制御装置2は、位置検出装置8によって検出した作業者71ないし監視者72の(現在の)位置関係に基づき条件記憶部43を参照する。そして、両者の位置関係が、例えば可動範囲6(のロボットアーム1や作業者71)の状態を監視者72が十分に確認できる位置関係になっている場合にのみ許可信号の「有効受信」事象を生成する。本実施例では、この許可信号の有効受信の事象が生じた場合のみ、ロボット制御装置2が、作業者71のロボット操作に応じたロボットアーム1の動作を許可する。
条件記憶部43には、作業者71(第1の操作者)および監視者72(第2の操作者)の位置関係と、ロボットアーム1の動作を許可または禁止する制御情報と、を関連づけてメモリテーブルを記憶装置に格納しておく。
例えば作業者71および監視者72の位置関係が監視者72が作業者71の状態を注意深く確認できるような位置関係(例えば作業者が見える位置関係)には、ロボットアーム1の動作を許可する制御情報を関連づけて記憶させる。逆に、監視者72が作業者71の状態を適切に監視できないような位置関係には、ロボットアーム1の動作を禁止する制御情報を関連づけて記憶させる。
そして、作業者71ないし監視者72の現在の位置を検出し、両者の位置関係からメモリテーブルの制御情報を参照することにより、その時点においてロボットアーム1の動作を許可してよいか、あるいは禁止すべきかを決定することができる。
位置検出部81、82で検出する作業者71および監視者72の位置関係と、条件記憶部43の制御情報の対応例としては、以下のような構成が考えられる。
図22は、図20のような位置検出部81、82の配置において設定可能な位置検出部81、82の検出区画の一例を示している。この例では、位置検出部81、82の検出区画は、4つの矩形に分割されている。即ち、位置検出部81の検出区画は検出区画A、B、C、Dに分割され、位置検出部82の検出区画は検出区画E、F、G、Hに分割されている。
ここで、図22のような検出区画配置においては、ロボットアーム1(図20)の設置位置は、可動範囲6の中心、即ち検出区画E、F、G、Hの中心に相当する。このような配置において、例えば作業者71および監視者72がそれぞれ4つの検出区画のロボットアーム1の位置を通る対角線上に位置する区画に位置する場合を考える。このような位置関係では、監視者72はロボットアーム1を視認できても、ロボットアーム1に遮られて作業者71の状況を充分視認できない可能性がある。
逆に、作業者71および監視者72のそれぞれ位置する区画が、上記の4つの検出区画のロボットアーム1の位置を通る対角線上に位置する区画でなければ、監視者72が作業者71の状態を注意深く確認できると考えられる。あるいは、より厳格に、監視者72の作業者71に対する注視がロボットアーム1によって少しでも遮られることのないようにしたい場合も考えられる。例えば、4分割された区画全体の同じ角部に位置する検出区画、即ち、区画の2辺を介して隣接する検出区画に作業者71および監視者72が居る位置関係を監視者72が作業者71の状態を注意深く確認できる、とする考えもあり得る。
そこで、この場合、条件記憶部43に記憶させる内容は、例えば図23(a)、(b)のようなものになる。図23(a)、(b)は、例えばテーブルメモリの形式で条件記憶部43に記憶させる内容を模式的に示している。図23(a)、(b)の記憶構造は、例えば2次元配列のメモリで、位置検出部81、82の検出区画E、F、G、H、およびA、B、C、Dが特定のメモリアドレス間隔に対応づけられている。従って、ロボット制御装置2の制御部22は、作業者71および監視者72を検出した検出区画E、F、G、H、およびA、B、C、Dのいずれかの組合せ、即ち両者の「位置関係」に基づき、条件記憶部43の制御情報の値を参照することができる。
図23(a)の例では、作業者71および監視者72のそれぞれ位置する区画が、(区画の1辺を介して)隣接する位置関係について、ロボットアーム1の動作を許可する制御情報(430:図中の「○」)を関連づけて記憶させている。図23(a)において、この位置関係に相当する区画の組合せは、図22との比較から明らかなように、検出区画EとA、EとB、EとC、FとA、FとB、FとD、GとA、GとC、GとD、HとB、HとB、HとDである。また、図23(a)では、作業者71および監視者72がそれぞれ4つの検出区画の対角線上に位置する区画に居る位置関係に関しては、ロボットアーム1の動作を許可する制御情報(431:図中の「X」)を関連づけて記憶させている。図23(a)において、この位置関係に相当する区画の組合せは、図22との比較から明らかなように、検出区画EとD、FとC、GとB、HとAである。
図23(b)の場合は、作業者71および監視者72のそれぞれ位置する区画が、区画の2辺を介して隣接する(同じ角部に位置する)位置関係について、ロボットアーム1の動作を許可する制御情報(430:図中の「○」)を関連づけて記憶させている。図23(a)において、この位置関係に相当する区画の組合せは、図22との比較から明らかなように、検出区画EとA、FとA、FとB、GとC、HとDである。そして、図23(b)の例では、これ以外の位置関係については、ロボットアーム1の動作を許可する制御情報(431:図中の「X」)を関連づけて記憶させている。図23(a)において、この位置関係に相当する区画の組合せは、図22との比較から明らかなように、検出区画EとB、EとC、EとD、FとA、FとC、FとD、GとA、GとB、GとD、HとA、HとB、HとCである。
図24は、許可ボタン40が操作された時に、制御部22(のCPU201)が位置検出装置8で検出した作業者71および監視者72の位置関係に基づき、条件記憶部43を参照して、ロボット動作を許可または禁止する制御手順の一例を示している。図24の制御手順はCPU201(図14)が実行可能な制御プログラムとして記述され、例えばROM202(同)や外部記憶装置204(同)に格納しておくことができる。この点は後述の実施例においても同様である。
なお、図24では、許可ボタン40が操作される前の段階、例えば作業者71がロボット操作装置3を操作して動作信号をロボット制御装置2に送信する段階に関しては図示を省略している。また、ロボット動作(図24のステップS614)において、動作信号および許可信号(の有効受信)のタイミングに応じて異なる制御を行うことができるが、これら図24で省略されている技術内容に関しては後述の実施例で説明する。
図24の処理は、作業者71がロボット操作装置3を操作して動作信号をロボット制御装置2に送信すると開始される。ステップS611において、CPU201は監視者72がロボット動作許可装置4の許可ボタン40を操作されるのを待つ。
ステップS611からS612への遷移は、監視者72がロボット動作許可装置4の許可ボタン40を操作し、許可信号送信部41から許可信号が送信されることにより生じる。
ステップS612において、CPUは位置検出装置8の位置情報送信部83、84から送信される位置検出部81、82で検出された作業者71、および監視者72の位置情報をインターフェース21を介して取り込む。そして、作業者71、および監視者72の位置関係を判定する。即ち、インターフェース21を介して取り込んだ作業者71、および監視者72の位置情報に基づき条件記憶部43(図23(a)あるいは(b))を参照する。
ステップS613では、条件記憶部43(図23(a)あるいは(b))に作業者71、および監視者72の位置関係に関連して、ロボットアーム1の動作を許可する制御情報(430:「○」)が格納されているか否かを判定する。このステップS613が肯定された場合にはステップS614に進み、否定された場合にはステップS615のエラー処理に移行する。
上記のように、監視者72が作業者71の状態を注意深く確認できると考えられる位置関係については、条件記憶部43(図23(a)あるいは(b))にロボットアーム1の動作を許可する制御情報(430:「○」)が格納されている。従って、条件記憶部43(図23(a)あるいは(b))の参照の結果、ロボットアーム1の動作を許可する制御情報(430:「○」)が格納されている場合、CPU201はステップS614において、許可信号の「有効受信」事象を生成する。そして、この許可信号の「有効受信」に基づき、作業者71がロボット操作装置3から送信した動作信号に対応したロボット動作を許可する。
一方、作業者71、および監視者72の位置関係が適切でない場合には、条件記憶部43(図23(a)あるいは(b))の参照の結果、ロボットアーム1の動作を禁止する制御情報(431:「X」)が読み出される。これにより、制御はステップS613からS615のエラー処理に遷移する。
ステップS615のエラー処理では、可視表示や音声出力によって、例えば監視者72に対して、監視位置が適切でないこと、あるいはさらに監視者72の適切な監視位置への移動を促す旨のエラー(ないし警告)情報を出力することができる。このように可視表示や音声出力によってエラー(ないし警告)情報を通知する通知手段は、例えばロボット動作許可装置4の操作面などに配置しておくことができる。あるいは、このようなエラー(ないし警告)情報は、作業者71が認知できるように構成しておいてもよい。従って、このようなエラー(ないし警告)情報の通知は、可動範囲6や監視者72の監視範囲が設置される居室内(の例えば壁面の上部など)に配置した表示スクリーンやスピーカを用いて行うようにしてもよい。
以上により、作業者71と監視者72の位置関係が、作業者71ないし可動範囲6内の状況が充分に確認できる位置関係である場合に限り、作業者71がロボット操作装置3を操作して送信した動作信号に対応したロボット動作を許可することができる。即ち、監視者72の監視条件を適切にコントロールすることができ、作業者71は監視者72の適切な監視の下、確実にロボット操作を行うことができる。
なお、以上では、便宜上、位置検出装置8の検出区画を図22、図23に示したような4等分の矩形分割とした例を示した。しかしながら、位置検出装置8の検出区画の分割態様、例えば検出区画の数や形状は、当業者においてシステムの仕様などに応じて任意に変更してよい。また、位置検出装置8は作業者71および監視者72の存在する位置のXY座標値を出力できるよう構成されていてもよい。その場合には、条件記憶部43は、作業者71および監視者72の存在するXY座標の値の範囲と、上述の制御情報を関連づけて記憶するテーブルメモリなどとして構成することができる。
また、図23(a)、(b)に示した作業者71と監視者72の位置関係の対応も一例に過ぎず、異なるシステムの仕様や作業環境に関する異なる技術思想によって任意に変更してよい。例えば、図23(a)、(b)では、作業者71と監視者72が、ロボットアーム1の位置を通る対角線上に位置する場合は、位置関係が適切ではないとして扱っている。しかしながら、ロボットアーム1の姿勢や状態をつぶさに監視できることが第一義であるようなシステム仕様であっても構わない。そのような場合には、図23(a)あるいは(b)において、ロボットアーム1の動作を許可または禁止する制御情報(430:「○」または431:「X」)を図示とは逆に配置した構成を採用することもできる。
次に、許可信号の有効受信判定に応じて行うロボット制御の基本構成につき説明する。基本的なハードウェア構成については、以上に説明したものと同様であるものとする。また、以下では煩雑さを避けるため、上述のように作業者71と監視者72の位置関係に応じて発生される許可信号の「有効受信」事象については殊更に詳しく言及しない。例えば、以下の説明において、文脈に応じて単に「許可信号を受信した場合」などと記載することがあるが、これは上述のようにして許可信号の「有効受信」判定が発生していることを意味する。この点については、後述の各実施例においても同様である。
図4は、本実施例のロボット制御装置2において用いられる主要な制御状態(ステート)を示している。図4の各状態(211〜214)は、制御部22(図3)ないしCPU201(図14)によって管理されるもので、ロボット操作装置3、ロボット許可信号送信部41(あるいは非常停止スイッチ5)の操作に応じた値(図4右側)を取る。具体的には、これらの制御ステートは、例えば図14のRAM203の予め確保された記憶領域(あるいはCPU201のレジスタ)にそれぞれ格納される。なお、理解を容易にするため、図中ではこれらの制御ステートは日本語によって表記してあるが、メモリ上では実際には予め定めた適当なバイナリコードや文字列などによるニーモニックにより表現される。
後述の制御を実現するため、図4では制御部22(CPU201)が管理する制御ステートは、例えばロボット操作装置3の信号状態211、ロボット動作許可装置4の信号状態212、指示内容213、サーボ状態214から構成される。これらの制御ステートは、例えば以下のように制御される。
ロボット操作装置3の信号状態211の制御ステートは、ロボット操作装置3から送信される動作信号の有無に相当する。信号状態211は、動作信号の内容に拘らず、動作信号の有無(ロボット操作装置3で操作が行われたか否か)に関する情報(ON/OFF)のみを記憶する。信号状態211は、初期状態では信号を受信していない状態を示す値(OFF)を持っている。サーボボタン311やジョグボタン312の操作に応じてロボット操作装置3から動作信号が送信されると、制御部22(CPU201)は信号状態211を動作信号の受信状態に対応する値(ON)に更新する。
また、ロボット操作装置3の信号状態211の制御ステートは、ロボット操作装置3の動作要求を表わす状態として制御される。上述のように、本実施例では、ロボット操作装置3が動作信号を送信してロボットアーム1の動作を要求すると、そのロボット動作はロボット動作許可装置4からの有効な許可信号の受信によって許可され、実行される制御を基本とする。このため、例えば、許可ボタン40の操作に応じて許可信号の有効受信事象が生じた場合には、制御部22(CPU201)は211を信号を受信していない状態を示す値(OFF)に戻すよう制御する。
ロボット動作許可装置4の信号状態212の制御ステートは、ロボット動作許可装置4から送信された信号の有無に対応する。信号状態212の初期値は信号を受信していない状態を示す値(OFF)である。ロボット動作許可装置4で許可ボタン40が操作され、許可信号の有効受信事象が生じると、制御部22(CPU201)はロボット動作許可装置の信号状態212を同信号を受信している状態を示す値(ON)となる。例えば許可ボタン40が上述のようにモーメンタリ操作方式である場合には、監視者72が許可ボタン40の操作をやめると、制御部22(CPU201)は許可信号を受信していない状態を示す値(OFF)に戻す。このようにロボット動作許可装置4の信号状態212の値は、ロボット動作許可装置4の(許可ボタン40の)操作に同期するよう制御される。
また、指示内容213のステートは、ロボット操作装置3(あるいは非常停止スイッチ5)で行われた(最新の)操作の内容に応じた値を持つよう制御部22(CPU201)によって更新される。指示内容213の初期値は、指示がない状態を示す値(適当な未定義値)に制御される。ロボット操作装置3でサーボボタン311が操作された場合、指示内容213の値は「サーボが操作されたことを示す値」(図4では「サーボON」と表記)に制御される。また、ロボット操作装置3でジョグボタン312が操作された場合、指示内容213の値は「ジョグボタンが操作されたことを示す値」に制御される。また、ジョグボタン312の操作が終了すると、指示内容213の値は例えばジョグボタンを押下する前の状態を示す値に制御される。また、指示内容213のステートは、非常停止スイッチ5(非常停止スイッチ313の場合も同様)が操作されると、強制的に指示内容の値は「非常停止スイッチが操作されたことを示す値」で直ちに上書きされる。指示内容213のステートは、基本的にはロボット操作装置3の「指示内容」を格納するために用いるものであるが、非常停止の場合はその操作の性質上、上記のように指示内容213の記憶領域を共用するように制御するのはむしろ合理的である。これにより、制御ステートを記憶するためのRAM203などの記憶領域を節減できる。
さらに、サーボ状態214のステートは、制御部22(CPU201)によりロボットアーム1のサーボ状態を保持するよう管理される。サーボ状態214は、ロボットアーム1がサーボON状態であれば「サーボON」、サーボOFFであれば「サーボOFF」の各値を持つよう制御部22(CPU201)により更新される。
本実施例の制御例を図5および図15に示す。図15は例えばCPU201により実行されるロボット制御手順を、また図5は図15の制御手順により行われるロボット制御のタイミングを示している。図15の制御手順はCPU201が実行可能な制御プログラムとして記述され、例えばROM202や外部記憶装置204に記憶させておくことができる。
本実施例のロボット装置はサーボ制御系を用いており、ロボットアーム1に何らかのロボット動作を行わせるには、サーボONの操作が必要である。ここで、ロボットアーム1に行わせるロボット動作は、例えばロボットアーム1の基準部位(例えば先端部)を+X方向に動作させるものとする。この操作は、作業者71がロボット操作装置3のジョグボタン312(+X)を用いて行う。このジョグ操作に先立って、サーボONの操作は作業者71がロボット操作装置3のサーボボタン311を操作することによって行う。
さらに、図15の制御手順は、ロボット操作装置3からロボットアーム1のサーボON操作、およびジョグ操作のいずれについても、監視者72の許可操作に応じて上述の許可信号の有効受信事象が生成されていることを必須条件とするよう構成されている。
図15の制御ループは、作業者71のロボット操作装置3によるロボット操作を検出するステップS111、S114を有する。ステップS111では、CPU201は作業者71がロボット操作装置3のサーボボタン311によるサーボON操作を行ったか否かを判定する。また、ステップS114では、CPU201は作業者71がロボット操作装置3のジョグボタン312によりジョグ操作を行ったか否かを判定する。
作業者71がロボット操作装置3で上記のいずれかの操作を行うと、各ロボット操作を指令する動作信号がロボット制御装置2に送信される。もし上記の操作がいずれかも行われなかった場合は、ステップS111、S114をループしつつ待機する。作業者71がロボット操作装置3で上記のいずれかの操作を行い、各ロボット操作を指令する動作信号がロボット制御装置2に送信されると、ステップS112またはS115で監視者72のロボット動作許可装置4による許可操作の有無を検出する。
ステップS112、S115では、CPU201は監視者72がロボット動作許可装置4の許可ボタン40を押下し、許可信号を受信したか否かを判定する。そして、ステップS112、S115で許可信号を受信している場合に限り、対応するロボットアーム1のロボット駆動部11に指令を送り、対応するロボット動作(ステップS113、S116)を実行させる。ここでステップS113で許可される動作はサーボON、ステップS116で許可される動作はジョグ操作によって行われるロボット動作である。
図15の制御はステップS112、S115で許可操作が行われなかった場合はステップS111、ステップS114のループに復帰し、ステップS112、S115で許可操作が行われるのを待ってそれぞれ当該のロボット制御が行われるよう構成されている。
図15のような制御手順によって、図5に示すようにロボット制御が実行される。図5の左端部には括弧書きにより上記の構成部材の参照符号を示してある。図5の例では作業者71はサーボON操作(S1)行った後、ジョグ操作(S4)を実施している。そして、CPU201は監視者72が許可ボタン40を操作して、その結果、許可信号の有効受信が生じる(S2,S5)のを条件として、対応するサーボON(S3)、および対応するロボット動作(S6)をロボットアーム1に行わせるよう制御する。
図4の制御ステートとの関連でより詳細に説明すると、図5の制御は以下のように行われる。
作業者71がロボット操作装置3に設けられたサーボボタン311を操作する(S1)と、このロボット操作によって動作信号送信部31から、インターフェース21にロボットアーム1の動作を指示する動作信号が送信される。この動作信号を受信すると、CPU201はロボット操作装置3の信号状態211を「ON」、指示内容213を「サーボON」に更新する。上述のようにこの段階では、まだ実際にはCPU201は対応するサーボONの制御を実行しない。
上記のロボット操作の様子はロボット動作許可装置4のモニタ表示器7によって同期表示される。このモニタ表示を視認し、あるいはさらに可動範囲6の状況を確認した上で、当該のロボット操作を許可してよいと判断すると、監視者72はロボット動作許可装置4の許可ボタン40を操作する(S2)。これに応じて、許可信号送信部41からロボットアーム1の動作を許可する許可信号がロボット制御装置2に送信される。
CPU201は、この許可信号の受信が、上述のようにして位置検出装置8で検出した作業者71および監視者72の位置関係に応じて「有効受信」であるものと判定すると、ロボット動作許可装置4の信号状態212の制御ステートを「ON」に更新する。ここでCPU201はロボット操作装置3の信号状態211とロボット動作許可装置4の信号状態212が「ON」であることを確認すると、当該のロボット動作を許可する。ここではロボット操作装置3の信号状態211を「OFF」に復帰させ、指示内容213(サーボON)をロボットアーム1のロボット駆動部11に送信する。その後、指示内容213を「指示無し」、サーボ状態214のステートの値を現在の状態に対応する「ON」にする。ロボットアーム1のロボット駆動部11は、上記の制御によりサーボコントローラをサーボONの状態に制御する(S3)。以上のようにして、ロボット操作装置3からロボットアーム1のサーボをONすることができる。
続いて、作業者71は、ロボット操作装置3に設けられたジョグボタン312(例えば+X)を操作する(S4)。この操作によって動作信号送信部31からロボットアーム1の動作を指示する動作信号が送信される。ロボット制御装置2が受信すると、CPU201はロボット操作装置の信号状態211を「ON」、指示内容213を「ジョグ+X」にする。上述のようにこの段階では、まだ実際にはCPU201は対応するジョグ動作の制御を実行しない。
ジョグ操作の様子に関しても、ロボット動作許可装置4のモニタ表示器7によって同期表示が行われる。このモニタ表示を視認し、あるいはさらに可動範囲6の状況を確認した上で、当該のロボット操作を許可してよいと判断すると、監視者72はロボット動作許可装置4の許可ボタン40を操作する(S5)。これに応じて、許可信号送信部41からロボットアーム1の動作を許可するロボット制御装置2に許可信号が送信される。
これに応じて、CPU201が、この許可信号の受信を、上述同様に「有効受信」と判定すると、ロボット動作許可装置4の信号状態212を「ON」にする。そして、CPU201はロボット操作装置3の信号状態211が「ON」かつ、ロボット動作許可装置4の信号状態212が「ON」かつ、サーボ状態214が「ON」であることを確認すると当該のロボット動作を許可する。ここではロボット操作装置信号状態211を「OFF」とし、指示内容213(ジョグ+X)をインターフェース23を介してロボットアーム1に送信し、指示内容213を「指示無し」に復帰させる。これにより、ロボットアーム1のロボット駆動部11にアームの基準部位を+X方向に動かす命令が送信される(S6)。以上のようにして、ロボット操作装置3のジョグ操作に応じてロボットアーム1を(+X方向に)動作させることができる。
以上のように、本実施例のロボット装置は、ロボットアーム1の動作を制御するロボット駆動部11を含む。また、作業者71(第1の操作者)の操作に従ってロボットアーム1の動作を指示する動作信号を送信する動作信号送信部31を有する。さらに、監視者72(第2の操作者)の操作に従ってロボットアーム1の動作を許可する許可信号を送信する許可信号送信部41を有する。
また、上記のロボット制御装置2ないし制御部22(具体的にはCPU201のハードウェアおよびソフトウェアにより構成される)は本ロボット装置の主たる制御装置を構成する。この制御装置は、上記の動作信号と許可信号を受信し、受信した動作信号と許可信号の状態に応じて、ロボット駆動部11を介して制御される上記動作信号の指示に対応したロボットアームの動作を許可または禁止する。
特に、この制御装置は動作信号送信部31から動作信号を受信する(第1の受信工程)とともに、許可信号送信部41から許可信号を受信する(第2の受信工程)。また、この制御装置は許可信号を受信した場合は、位置検出装置8で検出した作業者71および監視者72の位置関係に応じて、「有効受信」であったか否かを判定し、許可信号を「有効受信」している場合のみ、動作信号に応じたロボットアームの動作を許可する。
また、本実施例の基本的な制御方法は、上記の制御装置が、上記の動作信号および(有効な)許可信号の双方を受信しなかった場合、該動作信号の指示に対応したロボットアーム1の動作を禁止する制御工程を含む。
例えば、本実施例では、作業者71がロボット操作装置3でロボット操作を行った時、監視者72当該のロボット操作(動作)を許可してよい、と判断し、許可ボタン40の操作を行って初めて当該のロボット操作(動作)を実行させるよう制御する。監視者72は、例えば作業者71ないし可動範囲6内の状況を確認して、作業者71の保護状態が保たれている、あるいはさらに非常停止スイッチ5を速やかに操作可能である状態のとき(に限り)、許可ボタン40操作の判断を下す。
このため、本実施例によれば、ロボット可動範囲内における作業者の保護状態を確保しつつ、効率よくロボットを用いた作業を行うことができる。また、本実施例では、位置検出装置8で検出した作業者71および監視者72の位置関係に応じて許可信号の受信が「有効」であるか否かを判定するようにしている。このため、作業者71と監視者72の位置関係が、作業者71ないし可動範囲6内の状況が充分に確認できる位置関係である場合に限り、作業者71がロボット操作装置3を操作して送信した動作信号に対応したロボット動作を許可することができる。
さらに、本実施例では、ロボット動作許可装置4に作業者71の操作を同期表示するモニタ表示器7を設けているため、作業者および監視者の操作の連携性を高め、効率よくロボットを用いた作業を行うことができる。
なお、ロボット操作装置3の非常停止スイッチ313またはロボット動作許可装置4側の非常停止スイッチ5による非常停止操作は、図18に示すような制御手順をCPU201が実行すべき割り込みルーチンなどとして用意しておくことにより実現できる。
図18のステップS411は、ロボット操作装置3の非常停止スイッチ313またはロボット動作許可装置4側の非常停止スイッチ5による非常停止操作の検出処理を示している。この非常停止操作の検出は例えばハードウェア割り込みなどの形式で実装でき、当該の非常停止操作が行われると割り込みが発生して、CPU201の制御はステップS412に遷移する。作業者71および監視者72は、いずれも非常停止スイッチ313、または5を介してこの非常停止操作を行うことができる。これらの非常停止スイッチの操作が行われると、ロボット操作装置3またはロボット動作許可装置4からロボット制御装置2に非常停止信号が送信される。この割り込み制御は、現在実行されているどのようなロボット制御に対しても優先して無条件で実行される。そして、ステップS412では、ロボットアーム1のロボット駆動部11に対して実行中のロボット動作を全て停止させ、サーボOFF状態とする旨の(非常停止)信号を送信する。
図18のような非常停止ルーチンを用意しておくことにより、監視者72、作業者71のいずれも緊急事態の発生に応じて非常停止スイッチ313、または非常停止スイッチ5を用いてロボットアーム1の動作を無条件で非常停止させることができる。これにより、作業者71(あるいはさらに監視者72や関係者)の保護状態を確保することができる。
上記の実施例1では、作業者71がロボット操作装置3でロボット操作を行っても、それによりロボット制御装置2に送信される動作信号に対応するロボット動作は監視者72が許可ボタン40によって許可操作を行ったタイミングで初めて発生する。
即ち、作業者71のロボット操作に対応する事象(ロボット動作)は、操作後、直ちに実行されることはなく、某かのタイムラグを挟んで発生することになる。サーボボタン311によるサーボONのような実際の動きを伴わないロボット操作については、このようなロボット制御でもそれ程問題にならない可能性がある。しかしながら、ロボット操作装置3のジョグ操作のような実際の動きを伴うロボット操作は、例えばロボットアーム1の教示操作中であればなおのこと、実施例1のようなロボット制御は作業者71に違和感を感じさせる可能性がある。少なくとも、作業者71の操作感覚としては、ロボット操作に対するロボット動作のレスポンスの遅れ、として知覚されると考えられる。
そこで、本実施例では、サーボON操作と、ジョグ操作で(有効な)許可信号の取り扱いを差別化する。即ち、少なくともジョグ操作については(有効な)許可信号(有効な許可操作)を待たずに対応するロボット動作を開始させるよう制御する。ただし監視者72の許可なくジョグ操作に対応するロボット動作を実行させる訳ではなく、許可信号(許可操作)がなくジョグ操作(動作)を実行できる「自由操作時間」の制限を設ける。そしてこの自由操作時間内に監視者72の許可操作が行われなかった場合には一旦開始したジョグ操作(動作)を停止させる。
また、作業者71のサーボON操作については、その後行われる監視者72の許可操作に関して猶予時間を設け、このサーボON操作後、猶予時間内に監視者72の許可操作が行われた場合に限りサーボONを実行する。また、サーボON操作後、猶予時間内に監視者72の許可操作が行われなかった場合には当該のサーボON操作を無効とし、サーボONは実行しない。
上記の自由操作時間と猶予時間の長さについては、それぞれ異なる時間長を採用してもよいが、本実施例では、自由操作時間および猶予時間は同じ1(秒)の設定を用いる。なお、本実施例でいう「自由操作時間」は、その時間内は監視者72の許可操作を待つ、という意味では猶予時間の1類型と考えることもできる。しかしながら、自由操作時間を作用させるジョグ操作(動作)に関しては、ロボット操作に対応するロボット動作は直ちに開始させる、という点が異なる。このため、本実施例ではサーボON操作とジョグ操作に作用させる時間に猶予時間、自由操作時間、という異なる用語を用いることにした。
以下、本実施例の構成および制御につき説明する。なお、以下では上述の実施例と同等の部材には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施例の制御を適用可能なロボット装置の構成は実施例1の図1に示したものと同じでよい。また、制御系の構成は図14に示したものと同じでよい。また、図4に示した制御状態(ステート)も本実施例において同様に用いられる。
さらに、本実施例においても、許可信号については、位置検出装置8で検出した作業者71および監視者72の位置関係に応じて許可信号の受信が「有効」であるか否かを判定する制御を行うことができる。
図6は本実施例におけるロボット装置を機能表現で示したブロック図である。図6では、位置検出装置8と条件記憶部43は図3と同様に設けられている。実施例1の図3との差異は、図6のロボット制御装置2のブロック内に時間計測部24が示されている点である。例えば、この時間計測部24は、図14に示した制御系の構成においてはRTC209によって構成することができる。あるいは時間計測部24はRTCチップのみならず、他の任意のタイマハードウェアで構成することもできる。要は、この時間計測部24によってCPU201が図7に示すような時間情報を計測することができるよう実装されていればよい。
図7は、時間計測部24を用いて計測される時間データを示している。本実施例で用いられる時間データは同図に示すように猶予時間241、経過時間242、自由操作時間243である。
このうち、猶予時間241は、作業者71がロボット操作装置3でロボット操作(本実施例ではサーボボタン311のサーボON操作)を行った後、ロボット動作許可装置4から許可ボタン40の操作に応じて送信される許可信号を受け付ける時間である。猶予時間241の時間情報は定数値(ただし設定操作によって変更できるようにしてもよい)で、本実施例では1(秒)としている。
経過時間242は、ロボット制御装置2がロボット操作装置3からロボット操作に応じて送信された動作信号を受信してからの経過時間を測定するタイマに相当する。このようなタイマ(経過時間242)は例えばRTC209の機能設定により実現でき、経過時間242の値は、時間の経過とともに随時更新される。例えば、経過時間242には、0.5秒経過した時点では「0.5」、10秒経過した時点では「10」のような値が格納されていることになる。
自由操作時間243は、上記のようにロボット動作許可装置4の許可操作を待たず、作業者71がロボット操作装置3でロボット操作(本実施例ではジョグ操作)を行った後、(ロボット動作許可装置4の許可操作なく)当該のロボット操作を行える時間である。同時にこの自由操作時間243は、当該のジョグ操作(ジョグ動作)開始後、ロボット動作許可装置4から許可ボタン40の操作に応じて送信される許可信号(ないしは上述の許可信号の「有効」受信事象)を受け付ける時間でもある。この自由操作時間243の時間情報は定数値(ただし設定操作によって変更できるようにしてもよい)で、本実施例では猶予時間241と同じ1(秒)としている。
次に本実施例のロボット制御について説明する。本実施例においてCPU201(図14)が実行するロボット制御手順は図16および図17に示す通りである。また、作業者71がロボット操作装置3を用いてロボットアーム1を+X方向に動作させる場合の制御例を図8〜図10に示す。
図16は猶予時間241(1(秒))を作用させるサーボON操作に係る制御手順を、図17は、自由操作時間243を作用させるジョグ操作に係る制御手順をそれぞれ示している。
図16と図17の制御は類似しており、制御要素としては経過時間242(タイマ)のリセット(S211、S311)ロボット操作装置3におけるサーボON操作(S212)、またはジョグ操作(S312)を含む。そして、サーボON操作(S212)、またはジョグ操作(S312)が行われると経過時間242(タイマ)をスタートさせる(S213、S313)。
その後、図16のサーボON操作の制御では、猶予時間241内にロボット動作許可装置4から(有効な)許可信号が送信されるのを条件(S214)としてサーボONを実行(S215)する。
これに対して、図17のジョグ操作の制御では、ロボット動作許可装置4から(有効な)許可信号が送信されるのを待たずに直ちにジョグ操作に対応するジョグ動作をロボットアーム1に実行させる(S313)。そして、自由操作時間243内にロボット動作許可装置4から(有効な)許可信号が送信されれば当該のジョグ動作を引き続き実行する(S316〜S315)。また、自由操作時間243内に(有効な)許可信号が送信されずに経過時間242(タイマ)がタイムアウトした場合には当該のジョグ動作を不許可(禁止)として停止させる(S316〜S317)。
図16、図17のような制御手順により、実行されるロボット制御を図8〜図10の例によって説明する。
図8は、猶予時間241、自由操作時間243内にロボット動作許可装置4から(有効な)許可信号が送信されて、ロボット操作装置3の操作に対応するロボット動作が実行される場合の例を示している。また、図9はサーボON操作に関してロボット動作許可装置4からの(有効な)許可信号送信が猶予時間241に間に合わなかった場合の例を示している。図10は同様にジョグ操作に関してロボット動作許可装置4からの(有効な)許可信号送信が自由操作時間243に間に合わなかった場合の例を示している。
図8において、作業者71は、ロボット操作装置3に設けられたサーボボタン311を操作する(S7)。これによりロボット制御装置2にロボットアーム1の動作を指示する信号が送信される。これに応じてCPU201はロボット操作装置3の信号状態211(図4)を「ON」、指示内容213を「サーボON」にする。監視制御部22は時間計測部24に、時間の計測を行う命令を送信し、時間計測部24は、経過時間242の値を随時更新する(図16のタイマスタート)。
モニタ表示器7の表示などを介して上記のサーボON操作を監視者72が認識し、図8の例では猶予時間241内にロボット動作許可装置4を操作しており、これにより、ロボット動作許可装置4からロボット制御装置2に許可信号が送信される(S8)。これに応じて、CPU201が、上述のようにしてこの許可信号の受信を「有効受信」と判定すると、ロボット動作許可装置4の信号状態212を「ON」に切り替える。CPU201はロボット動作許可装置4の信号状態212が「ON」になったことを条件としてロボット操作装置信号状態211を「OFF」、サーボ状態214を「ON」にし、指示内容213(サーボON)をロボットアーム1に送信する。以上のようにして、ロボット操作装置3からロボットアーム1がサーボONされる(S9)。
なお、サーボONを有効とした後、時間計測部24に対して計測を終了する信号を出し(図16のステップS211)、経過時間242の計測を終了する。これにより経過時間242の値は「0」にリセットされる。
一方、図9のように、サーボON操作(S13)の後、ロボット動作許可装置4の許可操作がなく経過時間242が猶予時間241より大きい値となった場合、CPU201はサーボON操作を許可しない。図9の例では、ロボット動作許可装置4の操作(S14)は猶予時間241より遅れており、この場合はCPU201はサーボONとせずサーボOFF状態を維持する。また、時間計測部24に対して計測を終了する信号を出し、経過時間242を0にリセットし時間の計測を終了する(図16のS211)。
以上のようにして、CPU201は、ロボット操作装置3のサーボON操作が行われてから一定の猶予時間241の内にロボット動作許可装置4の許可操作が行われたときのみ、ロボットアーム1のサーボONに制御する。
再び図8において、作業者71は、ロボット操作装置3に設けられたジョグボタン(+X)312を操作する(S10)。本実施例では、ジョグ操作については、直ちに該当のロボット動作を開始させる(S12)。ここでは、ロボットアーム1のロボット駆動部11にロボット操作装置3からの動作信号により指示されたロボット動作を指令する信号を送信する。また、ロボット操作装置3から動作信号を受信すると、ロボット操作装置3の信号状態211(図4)を「ON」、指示内容213の値を「ジョグ+X」にし、指示内容213(ジョグ+X)をロボットアーム1に送信する。これによりロボットアーム1は基準部位を+X方向にジョグ動作させる。また、指示内容213の送信に先立ち(あるいは同時に)、時間計測部24に、時間の計測を行う命令を送信し、経過時間242の値の更新を開始させる(図17のS311のタイマスタート)。
監視者72は、モニタ表示器7の表示などを介して上記のジョグ操作を認識することができる。例えば、図8の例では自由操作時間243内に監視者72がロボット動作許可装置4で許可操作を行い、許可信号を送信している(S11)。そしてロボット制御装置2がこの許可信号を受信し、CPU201がこの許可信号の受信を「有効受信」と判定すると、ロボット動作許可装置4の信号状態212を「ON」に切り替える。ロボット動作許可装置信号状態212が「ON」に切り替わった場合、CPU201は経過時間242の値を取得し、その値が、自由操作時間243内(と同じかそれより小さい値)であれば、当該のジョグ操作を連続的に許可する。例えば、CPU201は、ロボット操作装置3の信号状態211に応じた指示内容213(ジョグ+X)をロボットアーム1に送信し続ける。
この場合、ロボット操作装置3のジョグボタン312の操作によって、ロボットアーム1のジョグ動作が継続して行われる(S12〜)。作業者71がジョグボタン312の操作を終了すると、ロボットアーム1の動作が停止する。
一方、図10では、図8と同様にジョグ操作(S15)に応じて直ちにロボットアーム1のジョグ動作を開始させている。しかしながら、図10の例では、ジョグボタン312の操作(S15)によってロボットアーム1の動作を開始させた後、ロボット動作許可装置4の許可操作(S16)は自由操作時間243より間に合っていない。この場合、経過時間242は自由操作時間243より大きい値となっており、CPU201は図17の制御により一旦開始させたロボットアーム1のジョグ動作を強制終了させる。ここでは、ロボットアーム1のサーボOFFとし、結果としてロボットアーム1の動作は停止する(S17)。また、時間計測部24に対して計測を終了する信号を出し、経過時間242を0にリセットし時間の計測を終了する(図17のS311)。
以上のように、本実施例によれば、作業者71がロボット操作装置3のロボット操作に対して、監視者72が逐一、(有効な)許可信号送信することにより当該のロボット動作を実行させる点は上記実施例と同様である。ただし、ジョグ動作のように作業者71の操作性や操作感覚に影響を与えるロボット操作については、監視者72の許可操作を待たずに直ちに当該のロボット動作を開始させる。そして、自由操作時間243内に許可操作が行なわれれば引き続き当該のロボット動作を継続(許可)し、自由操作時間243内に許可操作が行なわれない(間に合わない)場合には当該のロボット動作を停止(それ以上不許可)させる。このため、ジョグ操作などに関して作業者71がタイムラグを感じさせず、作業者71の操作性や操作感覚を損なうことなくロボット作業を効率よく実施することができる。
また、本実施例のようにサーボONに係る猶予時間241、ジョグ操作(動作)に係る自由操作時間243を設定することにより、監視者72が許可操作を可及的速やかに実行するのを促す効果がある。例えば、サーボONに係る猶予時間241、ジョグ操作(動作)に係る自由操作時間243をそれぞれ1秒程度の短時間に設定しておくことにより、監視者72の作業集中度と許可操作の迅速性を高めることができる可能性がある。例えば、監視者72は猶予時間241や自由操作時間243に間に合うように許可操作を行うために、モニタ表示器7の表示と作業者71および可動範囲6内の状況に集中し、迅速に許可操作に関する判断を下すようになる。
上記実施例2のように、例えばRTC209(図14)のような時間計測部24(図6)を設けておくことにより、以下に示すようにロボットアーム1の動力維持時間を自動的に管理することもできる。本明細書ではロボットアーム1の制御はサーボ制御系によって行われ、この動力維持時間は例えばサーボONを維持するサーボON維持時間に該当する。なお、以下の説明では、サーボONの管理に係る制御についてのみ示すが、ジョグ操作(動作)に関しては実施例1および2と同様の制御を行うことができる。
本実施例のハードウェア的構成や、制御ステートの構成(図4)は上記の実施例2と同じでよい。また、本実施例においても、許可信号については、位置検出装置8で検出した作業者71および監視者72の位置関係に応じて許可信号の受信が「有効」であるか否かを判定する制御を行うことができる。
本実施例のサーボON状態の管理には、図13に示すような時間データを用いる。図13において、猶予時間241、および経過時間242の用途は上記の実施例2と同様である。本実施例では、これらの時間データに加えてサーボON維持時間244を用いる。
このサーボON維持時間244は、ロボットアーム1をサーボONに移行させてから、あるいは、ロボット操作装置3によるジョグ操作が終了してから、サーボONを維持する時間を設定する。本実施例では、サーボONに移行させてから、あるいは、ロボット操作装置3によるジョグ操作が終了してからサーボON維持時間244がタイムアウトした場合は、自動的にロボットアーム1をサーボON状態からサーボOFF状態に移行させる。
本実施例のサーボON状態の管理は単にサーボON維持時間244がタイムアウトしたらサーボOFFに移行させる容易な制御であるため、特にフローチャートは用意していない。以下では、図11および図12の例をフローチャート的に用いて制御を説明する。
図11および図12は、作業者71がロボット操作装置3を用いてロボットアーム1を+X方向に動作させる場合の制御例を示している。図11は作業者71がロボット操作装置3でサーボON操作(S18)を行なったがその後、ジョグ操作も含め次の操作を何も行わなかった場合の制御を示している。また、図12は作業者71がロボット操作装置3のジョグ操作(S20)を終えてから次の操作を何も行わなかった場合の制御を示している。
本実施例では、定数値として猶予時間241には1(秒)、サーボON維持時間244には例えば10(秒)が設定されているものとする。
図11の制御では、実施例2と同様の手順でロボットアーム1のサーボONが実施されている(S18)。ここでは、猶予時間241内に許可操作が行われ、サーボON状態が形成されている。サーボONする際は、CPU201がロボットアーム1に指示内容213(サーボON)を送信する。この時、同時に時間計測部24に対して、サーボONした後経過時間の計測を行う命令を送信する(タイマスタート)。これに応じて時間計測部24は経過時間242の値を随時更新する。
図11の例では、サーボON操作の後、作業者71は後続の操作を何も行っていない。このため、経過時間242の値が、サーボON維持時間244の値より大きくなると、CPU201は自動的にロボットアーム1にサーボをOFFする命令を送信し、ロボットアーム1をサーボOFF状態に移行させる(S19)。この例のように、ロボットアーム1のサーボがONになってから、ロボット操作装置3のジョグ操作をサーボON維持時間244を超えて行わなかった場合、ロボットアーム1をサーボOFF状態に移行させる。
また、本実施例では、同様の時間管理によって、ジョグ操作の後の制御は例えば図12のように行われる。図12では、実施例2と同様の手順で、+X方向にジョグ操作を行っている(S20)。そして、ロボット操作装置3によるジョグ操作を完了するとロボットアーム1の動作もここで終了する。これに呼応して、CPU201は時間計測部24に時間計測命令を送信する(タイマスタート)。これに応じて時間計測部24は経過時間242を「0」とした後、その値を随時更新する。そして経過時間242の値が、サーボON維持時間244の値より大きくなると、CPU201はロボットアーム1にサーボをOFFする命令を送信し、ロボットアーム1をサーボOFF状態に移行させる(S21)。このように、ロボットアーム1のサーボがONでロボット操作装置3のジョグ操作が行われた後、サーボON維持時間244だけ後続の操作が何も行われなかったとき、ロボットアーム1をサーボOFF状態に移行させる。
以上の制御を行うことにより、一旦ロボットアーム1がサーボONに制御された後、作業者の操作意志がない場合にはロボットアーム1を自動的にサーボOFF状態に移行させることができる。このようなサーボON維持時間244を用いた自動サーボOFF制御を行わない場合は、一旦ロボットアーム1がサーボONとされるとその状態が維持されることになる。このサーボON状態でロボット操作装置3のキーボードにうっかり触れるなどした場合には、ロボットアーム1が予期しない動作を実行してしまう可能性がある。これに対して本実施例のようなサーボON維持時間244を用いた自動サーボOFF制御を行うことにより、ロボット操作装置3の誤操作などによって不意なロボット動作が開始されるのを防止することができる。一方で、サーボON維持時間244を例えば10秒程度に設定しておくことにより、この期間であれば再度のサーボON操作を行うことなく、例えば次のジョグ操作を開始することができる。
以上、ロボットアーム1のサーボON/OFF制御と、ジョグ操作(ジョグ動作)を例に、監視者72の許可操作を条件としてこれらのロボット動作(ロボット制御)を許可(あるいは不許可/禁止)する制御の例を説明した。
しかしながら、監視者72の許可操作をロボット動作許可装置4の許可ボタン40によって行う制御は、ロボット装置の動作について常時行われるよう制御する必要はない。例えば、第1の制御モードとして、上記の許可操作を必須条件としてロボット動作(ロボット制御)を許可/禁止する許可装置使用モードと、当該の許可操作を必要(必須条件)としない第2の制御モードを用意する。そして、第1の制御モードまたは第2の制御モードを以下のようにして選択することができる。なお、以下では煩雑さを避けるため、上記の第1の制御モードまたは第2の制御モードのいずれを選択するかは、第1の制御モードは許可装置使用モードのON状態、第2の制御モードは許可装置使用モードのOFF状態に対応づけるものとする。
許可装置使用モードについて考えられる構成の1つは、例えば、許可装置使用モードを上記のロボット操作装置3からの手動操作に応じてON/OFFする構成である。このように手動操作により任意にON/OFF可能な許可装置使用モードを用意しておけば、ロボット装置をより柔軟に運用することができる。例えば作業者71がどうしても1人で教示作業を実施しなければならないような状況が生じたりしても、許可装置使用モードをOFFすることで対応が可能になる。
また、上記各実施例において、ジョグ操作(ジョグ動作)を例示しているのは、このロボット操作(動作)では、ジョグボタン(311)の連続押しによって、その連続操作中、継続(連続)的にロボットアーム1の動作が生じるからである。このようなロボット操作(動作)では、簡単な操作によりロボットアーム1に大きな運動(移動量)が生じることがあり、特に作業者71ないし関係者の充分な保護状態が確保できなければならない。従って、上述のように監視者72の(有効な)許可操作を条件としてジョグ操作に応じたジョグ動作を許可ないし禁止する制御を行うことによって作業者71ないし関係者の保護状態を充分に確保することができる。
一方で、ロボット操作装置3では、ジョグ操作のみならずステップ操作(あるいはインチング)のような操作モードが用意され、ボタンを連続操作するジョグ操作モードと切り換え可能に構成される場合がある。このステップ操作(あるいはインチング)モードでは、例えばロボット操作装置3のジョグボタン312の1押しで予め定められた微少量だけロボットアーム1を対応する方向に動作させるような制御が行われる。このようなステップ操作(あるいはインチング)モードは、例えばロボットアーム1の教示作業中、アームが初期の目標位置に近付いた時の微調整時などに利用されることがある。
しかしながら、ロボット操作装置3が上記のステップ操作(インチング)モード設定されている場合は、上記各実施例に示したような監視者72の許可操作を条件としてロボット動作(ロボット制御)を許可/禁止する制御は必ずしも適していない。例えばロボット操作装置3のステップ操作ごとに、アームを数mmないし数cm程度ステップ送りするような状況では、そのようなステップ操作ごとに監視者72の許可操作を必須とする制御では作業性が著しく低下する可能性がある。
そこで、上記のように許可装置使用モードを用意する構成では、同モードは手動操作によってON/OFFするだけではなく、ロボット操作装置3の操作モードによって、自動的にON/OFFするよう制御してもよい。ロボット操作装置3の操作モードが例えば上記のジョグ操作ないしステップ操作(インチング)モードのいずれであるかに応じて、自動的にON/OFFする。例えば、許可装置使用モードがジョグ操作モードのみで有効となり、ステップ操作(インチング)モードでは無効とするような制御を行うのである。即ち、ロボット装置の制御モード、例えばロボット操作装置3の操作モードに応じて許可装置使用モードを自動的にON/OFFする。このような制御によれば、手動操作を行わなくても必要なロボット装置の制御モードにおいて、許可装置使用モードを自動的に有効にでき、操作性を大きく向上することができる。
図19は、上記のように許可装置使用モードを使用するか否かを決定するための制御手順の一例を示している。この場合のハードウェア構成などについては、上記の各実施例と同様のものを用いることができ、図19の制御手順は上述と同様にCPU201の制御プログラムとして用意しておくことができる。
図19のステップS511は、CPU201が上述の許可装置使用モードを使用するか否かを判定する処理を示している。このステップS511の判定は、例えば上記のように手動操作によって許可装置使用モードをON/OFFする操作が行われたか否かの判定であってよい。また、このステップS511の判定は、例えば上記のようにロボット操作装置3の操作モードが、許可装置使用モードを有効ないし無効にすべきモードのいずれであるか、の判定であってもよい。この場合、許可装置使用モードを有効にするモードとしては、例えば上記のようにジョグ操作モードが、また、同モードを無効にすべきモードとしてはステップ操作(インチング)モードが考えられる。
ステップS511において、CPU201は上記のような判定処理を行い、許可装置使用モードを有効とする場合にはステップS512においてロボット動作許可装置4(ないし同装置を用いる許可装置使用モード)をイネーブルする。また、許可装置使用モードを無効とする場合にはステップS513においてロボット動作許可装置4(ないし同装置を用いる許可装置使用モード)をディスエーブルする。
以上のような制御を行うことによって、手動の設定操作に応じて、あるいはロボット装置の動作モードに応じて、許可装置使用モードをON/OFFすることができ、ロボット操作(動作)に必要に応じて監視者72の監視/許可操作を介在させることができる。このため、ロボット装置の作業性を損うことなく、また必要に応じて監視者72の監視/許可操作を介在させ、特に作業者や関係者の保護状態を良好に確保することができる。
なお、上記の許可装置(ロボット動作許可装置4)使用モードを利用するか否かを選択可能な構成の類型として、許可信号の「有効受信」事象(判定)の生成に作業者71および監視者72の位置関係を条件とするか否かをモード設定することも考えられる。
ここでは、便宜上、このモード設定は位置条件判定モード、と呼ぶ。即ち、位置条件判定モードがONであれば、位置検出装置8と条件記憶部43を用いて許可信号の「有効受信」事象の生成に、作業者71および監視者72の特定の位置関係を条件とする制御をCPU201に行わせる。また、位置条件判定モードがOFFであれば、CPU201は位置検出装置8と条件記憶部43を用いた制御を行わない。ロボット動作許可装置4で許可ボタン40が操作された場合、CPU201は、例えば、作業者71および監視者72の位置関係に拘らず、許可信号の「有効受信」事象を生成する。
当然ながら、この位置条件判定モードの設定は、上述の許可装置使用モードがONの場合のみ有効なものとして取り扱う。位置条件判定モードを制御するには、図19と同等の制御手順を用いることができる。即ち、CPU201に特定の操作に応じて(S511)、位置条件判定モードをイネーブル(S512)または、ディスエーブル(S513)する制御を行わせればよい。
また、図24の制御においては、例えばステップS613において、上記のようにして設定される位置条件判定モードの状態を参照すればよい。例えばステップS613において、位置条件判定モードがONであれば、実施例1で説明した通りの制御を行う。また、位置条件判定モードがOFFであれば作業者71と監視者72の位置条件に拘らずステップS613からステップS614に移行して許可信号の「有効受信」事象を生成すればよい。
以上の各実施例においては、例えば図3や図6のように、位置検出装置8をロボット制御装置2(のインターフェース21)に接続し、また、条件記憶部43がロボット制御装置2がブロック内に設けられているものとして図示した。
しかしながら、図21に示すように、位置検出装置8はロボット動作許可装置4(のインターフェース42)に接続し、また、条件記憶部43をロボット動作許可装置4内に配置する構成としてもよい。
以下、図21の機能構成を参照して本実施例の構成およびロボット制御につき説明する。なお、本実施例において、図21に示した構成以外については上述の各実施例で示した構成が通用するものとする。
図21では、監視コンソール、監視ターミナルなどに相当するロボット動作許可装置4の構成を図3や図6より詳細に示してある。ロボット動作許可装置4は、ロボット制御装置2とともに、前述同様に本ロボットシステムの制御装置20を構成する。
ロボット動作許可装置4のインターフェース42には、上述と同様の位置検出装置8が接続されている。また、上述と同様に構成された許可ボタン40およびモニタ表示器7はこのインターフェース42を介して接続されている。また、ロボット制御装置20とロボット動作許可装置4の通信もインターフェース42を介して行われる。
ロボット動作許可装置4の主要な制御部は送信制御部44であって、この送信制御部44には上述と同様の構成を有する条件記憶部43が接続されている。送信制御部44は、ロボット制御装置2の制御部22と同様に、例えば図14に示したようなCPU201、ROM202、RAM203…を中心とする制御系によって構成することができる。
一方、ロボット操作装置3は、前述の各実施例と同様に作業者71(第1の操作者)の操作に従ってロボットアーム1の動作を指示する動作信号を送信する第1の操作部を構成する。作業者71のロボット操作装置3の操作の状態は、インターフェース42を介して送信制御部44に通知され、送信制御部44は通知されたロボット操作装置3の操作の状態をモニタ表示器7に表示させる。
前述の実施例と同様に、監視者72は、モニタ表示器7の表示によって、ロボット操作装置3から動作信号が送信されていることを認識する。そして、前述同様に、可動範囲6内を監視した上、許可ボタン40の許可操作を行う。
前述の各実施例では、許可ボタン40およびロボット動作許可装置4が監視者72(第2の操作者)の操作に従ってロボットアーム1の動作を許可する許可信号を送信する第2の操作部を構成していた。また、前述の各実施例では、ロボットシステムの制御装置20は、許可信号の有効受信を判定する制御部を含み、より詳細にはこの許可信号の有効受信を判定する制御部はロボット制御装置の制御部22によって構成されていた。前述の各実施例では、制御部22は、許可信号を受信した場合、位置検出装置8で検出した作業者71(第1の操作者)および監視者72(第2の操作者)の位置関係に基づき、条件記憶部43の制御情報を参照する。そして、制御部22は、作業者71(第1の操作者)および監視者72(第2の操作者)の位置関係が条件記憶部43に格納されているロボットアームの動作を許可する制御情報に該当する場合に、許可信号の有効受信と判定する。
これに対して、本実施例の場合は、許可ボタン40(のみ)が、監視者72(第2の操作者)の操作に従ってロボットアーム1の動作を許可する許可信号を送信する第2の操作部を構成する。
また、本実施例においても、ロボットシステムの制御装置20は、許可信号の有効受信を判定する制御部を含むが、より詳細にはこの許可信号の有効受信を判定する制御部はロボット動作許可装置4の送信制御部44によって構成されている。
そして、本実施例では、送信制御部44は、許可ボタン40から許可信号を受信した場合、位置検出装置8で検出した作業者71(第1の操作者)および監視者72(第2の操作者)の位置関係に基づき、条件記憶部43の制御情報を参照する。そして、送信制御部44は、作業者71(第1の操作者)および監視者72(第2の操作者)の位置関係が条件記憶部43に格納されているロボットアームの動作を許可する制御情報に該当する場合に、許可信号の有効受信と判定する。
このように、許可信号の有効受信を判定する(送信)制御部(44)は、監視コンソール、監視ターミナルなどに相当するロボット動作許可装置4の側に配置できる。許可ボタン40は、ロボットアーム1の動作を許可する許可信号を送信するための第2の操作部として機能することになる。
そして、本実施例では、ロボット動作許可装置4には、前述の許可信号送信部41に相当する構成として有効許可信号送信部41aが設けられている。本実施例では、許可ボタン40(第2の操作部)が操作された時、ロボット動作許可装置4側で許可信号の有効受信を判定し、許可信号の「有効受信」事象が生成された時(のみ)許可信号をロボット制御装置20に送信する。
本実施例(図21)の構成においても、許可ボタン40(第2の操作部)に関するロボット動作許可装置4の送信制御部44の制御は、例えば図24に示した制御手順により実現できる。また、条件記憶部43の制御情報の構成は、図23(a)、(b)に示した前述の構成と同じでよい。
例えば実施例1と同様に許可ボタン40(第2の操作部)が操作された時(図24のS611)、ロボット動作許可装置4の送信制御部44は、位置検出装置8で検出した作業者71と監視者72の位置から条件記憶部43を参照する。そして、作業者71と監視者72の位置関係と制御情報の関係を検出する(S612)。ここで、条件記憶部43の参照の結果、作業者71と監視者72の位置関係が、可動範囲6内の状況が充分に確認できる位置関係である場合に限り、許可ボタン40(第2の操作部)からの許可信号の「有効受信」事象が生成される(S613〜S614)。また、条件記憶部43の参照の結果、作業者71と監視者72の位置関係が適切でなければ、上述の各種通知手段を用いてエラー処理(S615)を行う。
以上のようにして、本実施例においても、ロボット動作許可装置4からロボット制御装置20に(有効)許可信号が送信され、作業者71がロボット操作装置3を操作して送信した動作信号に対応したロボット動作を許可することができる。即ち、本実施例においても、前述同様に、監視者72の監視条件を適切にコントロールすることができ、作業者71は監視者72の適切な監視の下、確実にロボット操作を行うことができる。
(変形例など)
以上の実施例によって示した種々の構成は、相互に矛盾しない限り任意の組合せで実施することができる。
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…ロボット、2…ロボット制御装置、3…ロボット操作装置、4…ロボット動作許可装置、5…非常停止スイッチ、6…可動範囲、11…ロボット駆動部、21…信号記憶部、22…監視制御部、24…時間計測部、31…動作信号送信部、40…許可ボタン、41…許可信号送信部、51…停止信号送信部、71…作業者、72…監視者、211…ロボット操作装置信号状態、212…ロボット動作許可装置信号状態、213…指示内容、214…サーボ状態、241…猶予時間、242…経過時間、243…サーボON維持時間、311…サーボボタン、312…ジョグボタン。

Claims (16)

  1. ロボットアームの動作を制御するロボット駆動部と、
    第1の操作者の操作に従って前記ロボットアームの動作を指示する動作信号を送信する第1の操作部と、
    第2の操作者の許可操作に従って前記ロボットアームの動作を許可する許可信号を送信する第2の操作部と、
    前記動作信号と前記許可信号を受信し、受信した前記動作信号と前記許可信号に応じて、前記ロボット駆動部を介して制御される前記動作信号の指示に対応した前記ロボットアームの動作を許可または禁止する制御装置と、
    前記第1の操作者および第2の操作者の位置を検出する位置検出装置と、
    前記第1の操作者および第2の操作者の位置関係と、前記ロボットアームの動作を許可または禁止する制御情報と、を関連づけて格納する記憶装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記許可信号を受信し、かつ、前記位置検出装置で検出した前記第1の操作者および第2の操作者の位置関係が、前記ロボットアームの動作を許可する制御情報に該当する場合に、許可信号の有効受信と判定する制御部を含み、前記制御部の有効受信判定に基づき、前記ロボット駆動部を介して制御される前記動作信号の指示に対応した前記ロボットアームの動作を許可する制御を行うことを特徴とするロボットシステム。
  2. 請求項1に記載のロボットシステムにおいて、前記制御装置は、前記動作信号を受信した後、所定の猶予時間内に前記有効受信判定が生じることを条件として前記ロボット駆動部を介して制御される前記動作信号の指示に対応した前記ロボットアームの動作を許可することを特徴とするロボットシステム。
  3. 請求項1に記載のロボットシステムにおいて、前記制御装置は、前記第1の操作部より前記ロボットアームの特定のロボット動作を指示する前記動作信号を受信した場合、当該の動作信号を受信した後、前記有効受信判定が生じていなくても直ちに当該の特定のロボット動作を許可し、その後、所定の自由操作時間が経過する前に前記有効受信判定が生じなかった場合、当該の特定のロボット動作を禁止することを特徴とするロボットシステム。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、前記第2の操作部が前記第1の操作部の操作状態を表示する表示装置を有することを特徴とするロボットシステム。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、前記制御装置は、前記ロボットアームの動力を有効化する指示に対応する前記動作信号を受信した場合、前記ロボット駆動部を介して当該の動作信号の受信に応じて前記ロボットアームの動力を有効化し、その後、前記ロボットアームの動作がない状態で所定の動力維持時間が経過した場合、前記ロボット駆動部を介して前記ロボットアームの動力を無効化することを特徴とするロボットシステム。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、前記第1の操作部は前記ロボットアームの可動範囲の内側で操作可能であり、前記第2の操作部は前記可動範囲の外側に配置されることを特徴とするロボットシステム。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、前記第1の操作部、または前記第2の操作部とともに前記ロボットアームの動作を非常停止させる非常停止操作部が設けられ、前記非常停止操作部が操作された場合、無条件で前記ロボットアームの動作を非常停止させることを特徴とするロボットシステム。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、前記制御装置が許可信号の前記有効受信判定を必須条件として、前記ロボット駆動部を介して制御される前記動作信号の指示に対応した前記ロボットアームの動作を許可する第1の制御モードと、前記制御装置が許可信号の前記有効受信判定を必須条件とせず、前記動作信号のみの受信に応じて前記動作信号の指示に対応した前記ロボットアームの動作を許可する第2の制御モードと、のいずれかの制御モードによって前記ロボット駆動部を介して前記ロボットアームの動作を制御することを特徴とするロボットシステム。
  9. 請求項8に記載のロボットシステムにおいて、手動操作に応じて前記第1または第2の制御モードを選択する設定手段を有することを特徴とするロボットシステム。
  10. 請求項8に記載のロボットシステムにおいて、前記第1の操作部の操作モードに応じて前記第1または第2の制御モードが選択することを特徴とするロボットシステム。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、前記位置検出装置は、前記第1の操作者および第2の操作者の作業領域に配置された感圧マットを介して検出した前記第1の操作者および第2の操作者の位置から前記第1の操作者および第2の操作者の位置関係を検出することを特徴とするロボットシステム。
  12. 請求項1から10のいずれか1項に記載のロボットシステムにおいて、前記位置検出装置は、前記第1の操作者および第2の操作者の位置をそれぞれ検出する人感センサを備え、前記人感センサを介して検出した前記第1の操作者および第2の操作者の位置から前記第1の操作者および第2の操作者の位置関係を検出することを特徴とするロボットシステム。
  13. 前記制御装置に請求項1から12のいずれか1項に記載の制御を行わせることを特徴とするロボットシステムの制御プログラム。
  14. 請求項13に記載のロボットシステムの制御プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  15. 請求項1から12のいずれか1項に記載のロボットシステムに用いられる監視コンソールであって、前記第2の操作部と、前記許可信号の有効受信を判定する制御部と、を備えたことを特徴とする監視コンソール。
  16. ロボットアームの動作を制御するロボット駆動部と、
    第1の操作者の操作に従って前記ロボットアームの動作を指示する動作信号を送信する第1の操作部と、
    第2の操作者の操作に従って前記ロボットアームの動作を許可する許可信号を送信する第2の操作部と、
    前記動作信号と前記許可信号に応じて、前記ロボット駆動部を介して制御される前記動作信号の指示に対応した前記ロボットアームの動作を許可または禁止する制御装置と、
    前記第1の操作者および第2の操作者の位置を検出する位置検出装置と、
    前記第1の操作者および第2の操作者の位置関係と、前記ロボットアームの動作を許可または禁止する制御情報と、を関連づけて格納する記憶装置と、
    を備えたロボットシステムの制御方法において、
    前記制御装置が前記第1の操作部から前記動作信号を受信する第1の受信工程と、
    前記制御装置が前記第2の操作部から前記許可信号を受信する第2の受信工程と、
    前記制御装置が、前記許可信号を受信し、かつ、前記位置検出装置で検出した前記第1の操作者および第2の操作者の位置関係が、前記ロボットアームの動作を許可する制御情報に該当する場合に、許可信号の有効受信と判定し、当該の有効受信判定に基づき、前記ロボット駆動部を介して制御される前記動作信号の指示に対応した前記ロボットアームの動作を許可する制御を行う制御工程と、
    を含むことを特徴とするロボットシステムの制御方法。
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