以下、本実施の形態に係る照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置や接続形態、及び、工程(ステップ)や工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態において、より高輝度での点灯が可能な照明装置について説明する。具体的には、照明装置が点灯した状態において、照明装置が備える電池が高温状態に置かれることを回避することで、より高輝度での点灯が可能である照明装置について説明する。
まず、本実施の形態に係る照明装置1の構成について図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態における照明装置1の外観図である。図2は、本実施の形態における照明装置1の構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示されるように、照明装置1は、天井などの造営材に固定されて用いられる電球形の照明装置であり、照明装置1の周囲を照明する。照明装置1は、給電部10と、電池20と、点灯回路30と、発光部40と、抑制部50と、筺体60とを備える。なお、図1及び図2において、実線の矢印は、電力の流れを示し、白抜きの矢印は、熱の流れを示している。以降においても同様の表記を用いる。
給電部10は、照明装置1の外部の電源Pから電力を供給され、供給された電力を点灯回路30に供給する。具体的には、給電部10は、給電部10が有する接点(不図示)を介して電源Pから電力を供給される。また、給電部10は、点灯回路30に接続されており、電源Pから供給された電力を点灯回路30に供給する。このように給電部10は、照明装置1と電源Pとの電気的な接続を確保する。給電部10が電源Pから供給される電力は、例えば、AC100Vの交流電力である。
また、給電部10は、照明装置1が取り付けられる相手となる、造営材に設けられた器具に対して照明装置1を着脱可能に固定する。このように給電部10は、造営材と照明装置1との機械的な接続を確保する。
以降において、給電部10が口金であり、造営材に設けられた器具としての受金(ソケット)にねじ込まれることで、照明装置1と電源Pとの電気的な接続及び機械的な接続を確保する構成を例として説明する。なお、給電部10は、引っ掛けシーリング、又は、コンセントの差込プラグであってもよい。
電池20は、照明装置1を点灯させるための電力を点灯回路30及び発光部40に供給する電池である。電池20は、一次電池であってもよいし二次電池であってもよい。電池20は、二次電池である場合には、給電部10から電力の供給を受けて充電する。なお、電池20が入出力する電力は、直流電力であってもよいし交流電力であってもよい。電池20が交流電力を入力又は出力する場合には、電池20は、その内部に直流電力と交流電力とを相互に変換し、また、電圧を変換する変換器を有し、必要に応じて直流及び交流を切り替え、また、電圧の変換を行うものとする。
点灯回路30は、発光部40を発光させるための電源回路である。点灯回路30は、給電部10、電池20及び発光部40に接続されており、給電部10及び電池20から選択的に供給される電力を発光部40が発光するのに必要な電力に変換して発光部40に供給する。つまり、点灯回路30は、給電部10が供給する電力だけを発光部40に供給してもよいし、電池20が供給する電力だけを発光部40に供給してもよいし、給電部10及び電池20の両方が供給する電力を発光部40に供給してもよい。
例えば、点灯回路30は、給電部10から供給されるAC100Vの交流電力を、所定の電圧の直流電力に変換(AC/DC変換)して発光部40に供給する。また、例えば、点灯回路30は、電池20から供給される直流電力を、所定の電圧の直流電力に変換(DC/DC変換)して発光部40に供給する。
点灯回路30は、より具体的には、回路基板上に容量素子、抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等が実装されたもの(不図示)であり、発光部40に電力を供給する際には熱を発生させる。
なお、点灯回路30は、給電部10が電源Pから電力の供給を受けているとき、つまり通電状態においては給電部10から供給される電力に基づいて発光部40を発光させ、給電部10が電源Pから電力の供給を受けていないとき、つまり停電状態においては電池20から供給される電力に基づいて発光部40を発光させてもよい。このようにすれば、点灯回路30は、通電状態及び停電状態のどちらであっても発光部40を点灯させることができ、照明装置1が、防災用又は非常時用の照明装置として用いられることが可能となる。
発光部40は、発光素子を有する発光モジュールであり、白色などの所定の色の光を放出することで発光する。発光部40は、点灯回路30に電気的に接続されており、点灯回路30から供給される電力により発光する。つまり、発光部40は、給電部10及び電池20から選択的に供給される電力に基づいて発光する。
また、発光部40は、発光する際に熱を発生させる。発光部40が発生させる熱は、点灯回路30が発生させる熱より大きい。発光素子は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。
抑制部50は、発光部40による発光により発生する熱が電池20へ伝わることを抑制する。また、抑制部50は、発光部40が発光するときに点灯回路30により発生する熱が電池20へ伝わることを抑制する。
発光部40が発光するときに発光部40及び点灯回路30が発生させる熱は、機械的な接続を通じて電池20に伝えられる。抑制部50は、このように電池20に伝えられる熱の量を小さくすることで、電池20が高温状態に置かれることを回避する。
例えば、抑制部50は、筺体60に設けられるくびれ部、断熱部材、放熱部材若しくは延出部、又は、電池20の配置位置などにより電池20に伝えられる熱の量を小さくする。これらの具体的な構成については、以降で詳しく説明する。
筺体60は、照明装置1の筺体である。筺体60は、特に断らない限り、その内部に照明装置1の構成要素を収容し、照明装置1の外郭をなす。発光部40及び点灯回路30が発生させる熱の一部は、筺体60に伝わり、さらに、筺体60の外部に放熱されることで照明装置1が冷却される。
以降に置いて、抑制部50の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
図3Aは、本実施の形態における抑制部50としてのくびれ部51を備える照明装置2を示す外観図である。図3Aに示される照明装置2は、照明装置1の抑制部50をより具体的に示した構成の一例である。
図3Aに示されるように、照明装置2は、くびれ部51を、抑制部50として備える。また、筺体60は、電池20、抑制部50及び発光部40を、この順で配置された状態で収容している。
くびれ部51は、筺体60を、電池20を収容する筺体部P1と、発光部40及び点灯回路30を収容する筺体部P2とに分断する位置に形成された棒体である。この位置は、筺体60を筺体部P1と筺体部P2とに分断する位置であるともいえる。言い換えれば、くびれ部51は、発光部40から点灯回路30に熱が流れる経路(以降、「熱流経路」という)における、熱流方向に垂直な面における断面積が小さい部分である。ここで、熱流方向とは紙面上の下から上へ向かう方向である。なお、筺体部P1は第一筐体部に相当し、筺体部P2は第二筐体部に相当する。
具体的には、くびれ部51の太さW1は、筺体部P1の太さW0より小さい。なお、筺体60及び棒体の熱流経路に垂直な面における断面が円である場合には、上記でいう「太さ」を「直径」と読み替えてもよい。
くびれ部51は、筺体部P1と筺体部P2とを電気的に接続している。くびれ部51は、給電部10及び電池20のそれぞれと点灯回路30とを電気的に接続する導線を内部に有している。
また、くびれ部51は、筺体部P1と筺体部P2とを機械的に接続している。つまり、発光部40及び点灯回路30が発生させる熱は、くびれ部51を通じて電池20に伝えられる。しかしながら、くびれ部51の太さW1が筺体部P1及びP2の太さより小さいことから、電池20に伝えられる熱の量は、くびれ部51が存在しない場合に比べて小さく抑えられる。
なお、照明装置2は、くびれ部51を複数備えてもよい。くびれ部51を複数備える照明装置について、以下で説明する。
図3Bは、本実施の形態における抑制部50としてのくびれ部51A及び51Bを備える照明装置2Aを示す外観図である。図3Bに示される照明装置2Aは、照明装置1の抑制部50をより具体的に示した構成の一例である。
図3Bに示されるように、照明装置2Aは、くびれ部51A及び51Bを、抑制部50として備える。くびれ部51Aと51Bとの太さは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。くびれ部51A及び51Bのそれぞれは、くびれ部51と同様の機能を有する。このように、照明装置2Aは、くびれ部を2つ有するので、照明装置2より機械的強度が高い。
なお、照明装置は、くびれ部を3つ以上備えてもよい。また、その場合、くびれ部のそれぞれの太さは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。くびれ部の数が多いほど、機械的強度が増大するとともに、電池20に伝えられる熱の量が増大する。そのため、くびれ部の数は、電池20の種別、発光部40の発光輝度、又は、筺体60の材質などにより適切に定められることが望ましい。
上記のように、照明装置2及び2Aは、熱流経路の断面積を小さくすることで電池20に伝えられる熱の量を削減することによって、電池20が高温状態に置かれることを回避する。これにより、照明装置2及び2Aは、より高輝度での点灯が可能である。
図4Aは、本実施の形態における抑制部50としての断熱部材52を備える照明装置3を示す外観図である。図4Aに示される照明装置3は、照明装置1の抑制部50をより具体的に示した構成の一例である。
図4Aに示されるように、照明装置3は、断熱部材52を、抑制部50として備える。
断熱部材52は、筺体60を、電池20を収容する筺体部P1と、発光部40及び点灯回路30を収容する筺体部P2とに分断する位置に設けられる断熱部材である。言い換えれば、断熱部材52は、上記位置において筺体60内の空間をすきまなく分断する断熱部材である。断熱部材52は、筺体部P1及びP2を構成する材料より熱伝導率が小さい材料により構成されている。例えば、筺体部P1及びP2がアルミニウム製である場合、断熱部材52は樹脂製とすることができる。
断熱部材52は、筺体部P1と筺体部P2とを分断するような形状であればどのような形状であってもよい。例えば、断熱部材52は、図4Aに示されるように、筺体部P1と筺体部P2とを分断するような板状とする。
断熱部材52は、筺体部P1と筺体部P2とを機械的に接続している。つまり、発光部40及び点灯回路30が発生させる熱は、断熱部材52を通じて電池20に伝えられる。しかしながら、断熱部材52の熱伝導率が、筺体部P1及びP2の熱伝導率より小さいので、電池20に伝えられる熱の量は、断熱部材52を備えない場合と比べて小さく抑えられる。
なお、照明装置3は、断熱部材52の代わりに、発光部40及び点灯回路30が発生させる熱を積極的に外部に放熱することで、その熱が電池20に伝えられることを抑制する放熱部材を備えてもよい。その場合、断熱部材52は、外部への放熱性が高い材料又は形状で構成されることを要する。
なお、断熱部材52の他の形状について以下で説明する。
図4Bは、本実施の形態における抑制部50としての断熱部材52Aを備える照明装置3Aを示す外観図である。
図4Bに示されるように、照明装置3Aは、断熱部材52Aを、抑制部50として備える。断熱部材52Aは、断熱部材52と同様、熱伝導率が小さい材料で構成されている。また、断熱部材52Aは、電池20を包囲するように配置されている。
照明装置3Aは、断熱部材52Aによって、電池20に伝えられる熱の量を小さく抑えることができる。
上記のように、照明装置3及び3Aは、熱流経路に熱伝導度が比較的小さい材料を用いることで電池20に伝えられる熱の量を削減することによって、電池20が高温状態に置かれることを回避する。これにより、照明装置3及び3Aは、より高輝度での点灯が可能である。
図5は、本実施の形態における抑制部50としての延出部53を備える照明装置4を示す外観図である。図5に示される照明装置4は、照明装置1の抑制部50をより具体的に示した構成の一例である。
図5に示されるように、照明装置4は、延出部53を、抑制部50として備える。
延出部53は、点灯回路30及び発光部40から電池20に至る熱流経路を従来の照明装置より長くするために設けられる。延出部53は、点灯回路30及び発光部40が発生させる熱を電池20に伝えるが、その熱の一部をその熱流経路の途上で空気中に放熱する。これにより、電池20に伝えられる熱の量を小さくする。
なお、延出部53が照明装置4の外部と接する面は、延出部53と異なる部分より高い放熱性を有するように構成してもよい。このようにすれば、熱流経路の途上で外部に放出される熱の量がさらに増加し、電池20に伝えられる熱の量がさらに削減される。
なお、電池20の配置場所を調整することで、延出部53と同様の効果を得ることも可能である。
図6は、本実施の形態における照明装置1等の電池20の配置箇所の別構成を示す外観図である。図6に示される電池20は、給電部10としての口金の内部に配置される。このようにすることで、発光部40及び点灯回路30から電池20への熱流経路を長くすることができ、上記の延出部53と同様に、電池20に伝えられる熱の量を小さくする効果が得られる。
また、給電部10としての口金は、照明装置1等が造営材に取り付けられる際には、造営材に設けられる受金にねじ込まれる。よって、発光部40から伝えられる熱の一部は、給電部10としての口金、及び、受金を介して造営材に伝えられる。これにより、さらに、電池20に伝えられる熱の量を小さくする効果が得られる。
なお、電池20は、電池20の少なくとも一部が給電部10としての口金の内部に位置するように配置されてもよいし、口金の近傍の位置に配置されてもよい。このような配置であっても、上記の延出部53と同様に、電池20に伝えられる熱の量を小さくする効果が得られる。
上記のように、照明装置4は、熱流経路を長くすることで電池20に伝えられる熱の量を削減することによって、電池20が高温状態に置かれることを回避する。これにより、照明装置4は、より高輝度での点灯が可能である。
図7及び図8は、本実施の形態における抑制部50としての空隙部54を備える照明装置5を示す外観図である。
図7及び図8に示されるように、照明装置5は、電池20Aと、板体61とを備える。その他の構成要素は、これまでに説明した照明装置2等におけるものと同じである。
板体61は、筺体60と電池20Aとを機械的に接続する板体である。
電池20Aは、筺体60の外部に筺体60と空隙部54を隔てて配置される電池である。電池20Aは、電力線20Bにより点灯回路30と接続されており、電力線20Bを通じて電力を点灯回路30に供給する。電池20Aの形状はどのようなものであってもよい。照明装置5としての外形をなるべく小さくしながら電池20Aの体積を大きくすることを目的とする場合、電池20Aは、図7及び図8に示されるような円環形状が望ましい。電池20Aは、板体61により支持されることで、筺体60に対する相対位置が固定される。
照明装置5において、筺体60と電池20Aとの間の空隙部54が、抑制部50に相当する。つまり、発光部40及び点灯回路30と電池20Aとが空隙部54を隔てていることにより、発光部40及び点灯回路30が発生させる熱が電池20Aに伝えられることが抑制される。
なお、照明装置5は、使用状態においては、例えば造営材としての天井に埋設されることが想定される。その場合、図7に示されるように、天井71に設けられた埋設用凹部70に筺体60が収納され、板体61が天井71に当接するように配置されることが想定される。このようにすれば、外観を損ねることなく、電池20Aを筺体60外に備える照明装置5を造営材に設置し利用することができる。
以上のように本実施の形態における照明装置1等は、照明装置1等の外部から電力を供給される給電部10と、電池20と、給電部10及び電池20から選択的に供給される電力に基づいて発光する発光部40と、発光部40による発光により発生する熱が電池20へ伝わることを抑制する抑制部50とを備える。
これによれば、発光部40から電池20に伝えられる熱の量を抑制部50が削減することで、電池20が高温状態に置かれることが回避される。よって、照明装置1等は、より高輝度での点灯が可能である。
例えば、照明装置1等は、さらに、電池20、抑制部50及び発光部40を、この順に配置された状態で収容する筺体60を備える。
これによれば、抑制部50は、発光部40が発生される熱が筺体内において電池に伝えられる経路(熱流経路)の途上において、その熱の一部が電池に伝えられるのを抑制する。これにより、発光部40から電池に伝えられる熱の量が削減され、電池20が高温状態に置かれることが回避される。
例えば、抑制部50は、筺体60を、電池20を収容する筺体部P1と、発光部40を収容する筐体部P2とに分断する位置に形成されたくびれ部51である。
これによれば、照明装置3A等において発光部40から電池20に伝えられる熱を、抑制部50としてのくびれ部51により、具体的に削減することができる。くびれ部51は、熱流経路に垂直な方向における断面積が筺体の断面積より小さい。そのため、発光部40から電池20に伝えられる熱の量が制限されることにより、発光部40から電池20に伝えられる熱が削減される。
例えば、抑制部50は、筺体60内の空間を分断する断熱部材52である。
これによれば、照明装置3等において発光部40から電池20に伝えられる熱を、抑制部50としての断熱部材52により、具体的に削減することができる。特に、筺体内の空間が断熱部材52により、発光部40を含む空間と、電池20を含む空間とに分断されるので、熱が発光部40から電池20に伝えられることが抑制される。
例えば、抑制部50は、電池20を包囲する断熱部材52Aである。
これによれば、照明装置3Aにおいて発光部40から電池20に伝えられる熱を、抑制部50としての断熱部材52Aにより、具体的に削減することができる。特に、電池20が断熱部材52Aに包囲されているので、熱が発光部40から電池20に伝えられることが抑制される。
例えば、抑制部50は、熱の一部を筺体60外へ放熱する放熱部材である。
これによれば、照明装置1等において発光部40から電池20に伝えられる熱を、抑制部50としての放熱部材により、具体的に削減することができる。放熱部材は、上記熱の一部を筐体外の空気へ放出することにより、熱が発光部40から電池20に伝えられることを抑制する。
例えば、電池20は、少なくとも一部が給電部10の内部に位置するように配置されている。
これによれば、電池20が給電部10の内部又は近傍に配置されることで、電池20と発光部40との熱流経路の長さを長くするとともに、発光部40からの熱の一部を給電部10から造営材へ伝えることができる。これにより、発光部40から電池20に伝えられる熱の量が削減される。
例えば、照明装置5は、さらに、発光部40を収容する筺体60を備え、電池20Aは、筺体60の外部に筺体60と空隙部54を隔てて配置され、抑制部50は、空隙部54である。
これによれば、照明装置5において発光部40から電池20Aに伝えられる熱を、抑制部50としての電力線20B及び空隙部54により、具体的に削減することができる。照明装置6は、電力線20Bにより電池20Aと発光部40との電気的な接続を確保するとともに、機械的な接続を極力小さくする。また、空隙部54を介した熱の伝導は、実質的にはないと考えられる。これにより、発光部40から電池20Aに伝えられる熱の量が削減される。
例えば、照明装置1等は、さらに、(i)給電部10が外部から電力を供給されているときには給電部10が外部から供給された電力を発光部40に供給し、(ii)給電部10が外部から電力を供給されていないときには電池20が出力する電力を発光部40に供給する点灯回路30を備える。
これによれば、照明装置1等は、防災用又は非常時用の照明装置として用いられることが可能になる。外部からの電源供給がある通電状態においても、外部からの電源供給がない停電状態においても、発光部40を点灯させることができるからである。
例えば、抑制部50は、さらに、点灯回路30が発光部40に電力を供給することに伴って発生する熱が電池20へ伝わることを抑制する。
これによれば、照明装置1等は、発光部40が発光しているときに点灯回路30が発生させる熱が電池20に伝えられることを抑制することができる。これにより、電池20が高温状態に置かれることが回避される。
(実施の形態2)
本実施の形態において、より高輝度での点灯が可能な照明装置について説明する。具体的には、照明装置が高輝度で点灯したとしても、照明装置が備える電池が高温状態に置かれることを回避することで、より高輝度での点灯が可能である照明装置について説明する。特に、発光部等の熱源と電池との電気的接続を維持しながら、流れる熱の量を極力小さくする構成について説明する。
本実施の形態に係る照明装置は、いずれも、実施の形態1における照明装置1(図1及び図2)の具体的構成である。なお、実施の形態1における照明装置1等と同様の構成要素については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略することがある。
図9は、本実施の形態における抑制部50としての着脱機構55を備える照明装置6を示す外観図である。
図9に示されるように、照明装置6は、給電部10と、電池20と、点灯回路30と、発光部40と、抑制部50と、筺体60とを備える。照明装置6の上記構成要素は、実施の形態1における同名の構成要素と同じであるので詳細な説明を省略する。
照明装置6は、着脱機構55を、抑制部50として備える。
筺体60は、給電部10と電池20とを収容する筺体部P1と、点灯回路30及び発光部40を収容する筺体部P2とに分離可能な構造を有する。
着脱機構55は、筺体部P1と、筺体部P2とを着脱自在に接続する着脱機構であり、着脱機構55は、電池20と点灯回路30とを電気的に接続するための電極を備える。一方、筺体部P1と筺体部P2との熱の流れを極力抑えるため、電極以外の部分では接触しないように構成されることが望ましい。なお、着脱機構55は、コネクタに相当する。
より具体的には、着脱機構55は、口金11と受金11Aとを有する構成により実現され、口金11が受金11Aにねじ込まれることで、筺体部P1と筺体部P2とを着脱自在に接続する。そして、口金11と受金11Aとにそれぞれ設けられる、互いに対応する2つの接点(不図示)を通じて、給電部10又は電池20から点灯回路に電力が供給される。
なお、着脱機構55を介して筺体部P1から筺体部P2に流れる電力は、交流電力であってもよいし直流電力であってもよい。
交流電源とする場合、給電部10が電源Pから供給された交流電力、及び、電池20から供給される交流電力の少なくとも一方が、口金11及び受金11Aを介して点灯回路30に供給される。
直流電力とする場合、給電部10が電源Pから供給された交流電力がAC/DC変換器(不図示)により変換された直流電力、及び、電池20から供給される直流電力の少なくとも一方が、口金11及び受金11Aを介して点灯回路30に供給される。
図10は、本実施の形態における抑制部50としての着脱機構56を備える照明装置7を示す外観図である。
図10に示されるように、照明装置7は、着脱機構56を、抑制部50として備える。また、照明装置7は、点灯回路30Aを備える。
着脱機構56は、照明装置7のうち電池20を収容する筺体部P1と、発光部40及び点灯回路30を収容する筺体部P2とを着脱自在に接続する着脱機構である。着脱機構55は、電池20と点灯回路30Aとを電気的に接続するための電極を備える。一方、筺体部P1と筺体部P2との熱の流れを極力抑えるため、電極以外の部分では接触しないように構成されることが望ましい。
より具体的には、着脱機構56は、筺体部P1側に4つの端子81A、82A、83A及び84Aを備え、これらのそれぞれに対応するように、筺体部P2側に4つの端子81、82、83及び84を備える。端子81A及び81、並びに、端子82A及び82には、給電部10を通じて電源Pから交流電力が供給される。端子83A及び83、並びに、端子84A及び84には、電池20から直流電力が供給される。
点灯回路30Aは、実施の形態1における点灯回路30と同様の機能を有するが、交流電力と直流電力との両方の供給を受けることができ、供給された電力を所定の電圧の直流電力に変換(DC/DC変換)して発光部40に供給する。
点灯回路30Aは、端子81及び82から交流電力が供給された場合には、所定の電圧の直流電力に変換(AC/DC変換)して発光部40に供給する。また、点灯回路30Aは、端子83及び84から直流電力が供給された場合には、所定の電圧の直流電力に変換(DC/DC変換)して発光部40に供給する。
上記のように、照明装置6及び7は、着脱機構55又は56により、発光部40及び点灯回路30(又は30A)から電池20への熱伝導を抑制することで、電池20が高温状態に置かれることを回避する。これにより、照明装置6及び7は、より高輝度での点灯が可能である。
なお、発光部40が、LEDのように長寿命の発光素子である場合には照明装置6及び7の構成の有用性が高い。例えばLEDは一般に10年程度の使用が可能とされている。一方、電池の寿命は3〜4年というようにLEDの使用可能期間より短いのが一般的である。そこで、電池の寿命を超えたときに電池を収容する筺体部P1だけを交換することで、電池の寿命を超えて筺体部P2を使用し続けることが可能となる。
なお、照明装置6及び7において、給電部及び電池は、上記と異なる構成をとることも可能である。以下で具体的に説明する。
図11は、本実施の形態における照明装置の給電部12の別構成を示す外観図である。
図11に示される給電部12は、造営材に設けられた引掛シーリングと掛かり合うことで照明装置を着脱可能に固定する引掛栓刃である。この構成においても、上記と同様に、電池20が高温状態に置かれることを回避し、照明装置によるより高輝度での点灯が可能である。
図12は、本実施の形態における照明装置の電池23の別構成を示す外観図である。
図12に示される電池23は、交換が可能な一次電池であり、電池ボックス23Aに挿入されている。電池23は、電池残量が少なくなった場合、又は、劣化若しくは故障した場合などに交換される。このようにすることで、電池の寿命を超えて筺体部P1及びP2を使用し続けることが可能となる。
なお、上記の各照明装置では、抑制部50を設ける都合上、発光部40が発する光を外部に出射する出射領域が狭められる可能性がある。この場合には、照明装置が外部に照射する光の量が制限される可能性がある。これを回避するための照明装置の構成を以下で説明する。
図13は、本実施の形態における拡散板90及び導光板91を備える照明装置8を示す外観図である。照明装置8は、抑制部50を備えることで発光領域が制限されることを小さくする照明装置である。
図13に示されるように、照明装置8は、給電部12と、電池20と、点灯回路30と、発光部40と、抑制部50と、拡散板90と、導光板91とを備える。なお、実施の形態1及び本実施の形態で既に説明した構成要素と同一の構成要素は、同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
拡散板90は、発光部40から入射される光を拡散する。拡散板90が拡散した光の一部は、照明装置8の外部であり紙面上の下方へ進行することで照明装置8の下方を照明する。また、拡散板90が拡散した光の別の一部は、導光板91に進入する。
導光板91は、拡散板から進入した光を内部に取り入れ、取り入れた光を導光板91の表面から出射する。導光板91の表面から出射された光は、照明装置8の、紙面上の左右方向を照明する。
このようにすることで、照明装置8が抑制部50を備える場合であっても、照明装置8の外郭のほぼ全域を出射領域とすることができる。
なお、照明装置6等は、発光部40を収容する筺体部とは別体の筺体部に電池20を収容する構成である。これらと同じように、発光部40を収容する筺体部の外部に電池20の配置する構成の2つの例を以下で説明する。第一の例は、電池モジュールを用いた構成であり、第二の例は、一般に照明装置とともに使用される壁スイッチを用いた構成である。
図14A及び図14Bは、本実施の形態における外部の電池21と接続される照明装置9を示す外観図である。
図14A及び図14Bに示されるように、照明装置9は、コネクタ93を備える。また、照明装置9は、筺体60内に電池を備えず、コネクタ93を介して外部の電池21から電力を供給される。
コネクタ93は、外部の電池21に電気的に接続されるコネクタである。コネクタ93は、電池21に取り付けられているコネクタ93Aと対応する形状を有しており、コネクタ93Aと着脱自在に接続される。コネクタ93は内部に接点(不図示)を有しており、コネクタ93Aの内部の接点(不図示)を通じて照明装置9に電力を供給する。
図14Aには、コネクタ93とコネクタ93Aとが接続されていない、つまり分離している状態が示されており、図14Bには、コネクタ93Aがコネクタ93に接続された状態が示されている。図14Bにおいて、電池21は、筺体60と空隙部57を隔てて配置されている。この場合、空隙部57が抑制部50に相当する。
なお、コネクタ93及び93Aは、既存の規格により定められる形状のものであってもよいし、専用の形状のものであってもよい。例えば、コネクタ93及び93Aは、USB(Universal Serial Bus)規格に従うものを採用することができる。なお、この場合、少なくともUSBのバスパワーが供給される接点があればよい。USB規格に従うものを用いれば、すでに普及している携帯端末用のUSBバッテリなどを電池21として利用できる点で有用である。
以上のように、本実施の形態における照明装置6等は、照明装置6等の外部から電力を供給される給電部10と、電池20と、給電部10及び電池20から選択的に供給される電力に基づいて発光する発光部40と、発光部40による発光により発生する熱が電池20へ伝わることを抑制する抑制部50と、電池20、抑制部50及び発光部40を、この順に配置された状態で収容する筺体とを備え、筺体は、給電部10と電池20とを収容する筺体部P1と、発光部40を収容する筺体部P2とに分離可能な構造を有し、抑制部50は、筺体部P1と筺体部P2とを電気的に接続するコネクタである。
これによれば、発光部40から電池20に伝えられる熱の量を抑制部50が削減することで、電池20が高温状態に置かれることが回避される。よって、照明装置6等は、より高輝度での点灯が可能である。
また、照明装置6等において発光部40から電池20に伝えられる熱を、抑制部50としての着脱機構55により、具体的に削減することができる。照明装置6等は、着脱機構55により、筐体部P1と筐体部P2との電気的な接続を確保するとともに、機械的な接続を極力小さくすることができる。これにより、発光部40から電池20に伝えられる熱の量が削減される。
(その他の実施の形態)
上記各実施の形態における照明装置について、他の実施の形態を説明する。
図15は、照明装置100nの外観構成の一例を示す図である。
照明装置100nは、上記各実施の形態の照明装置1等の機能構成を備えるとともに、グローブ183、筺体181、給電部102、および複数の突起182とを備えた電球形LEDランプとして構成されている。
筺体181は、略筒状に形成され、電池20及び点灯回路30等を囲う。
グローブ183は、開口部を有する中空の略半球状に形成された、発光部40を覆う透光性カバーである。グローブ183は、グローブ183の開口部と筺体181の開口部とが当接するように、筺体181に取り付けられている。発光部40から放出される光は、グローブ183を介して照明装置100nの外部に放たれる。
給電部102は、口金として構成され、筺体181のグローブ183と反対側の開口部から露出するように、その筺体181に取り付けられている。
複数の突起182はそれぞれ略棒状に形成されている。これらの突起182の一端(基端)は、筺体181に回動自在に取り付けられている。
以上のように照明装置100nが構成されているため、通常時、つまり、天井などにとりつけられ、壁スイッチの操作に応じて照明装置100nを点灯または消灯させるときには、照明装置100nは、給電部102がソケットに嵌め込まれて使用される。また、停電時などの防災時には、照明装置100nをソケットから取り外して、ランタンとして使用することができる。
つまり、通常時には、複数の突起182のそれぞれの基端と反対側の端(先端)をグローブ183側に寄せ、複数の突起182のそれぞれを筺体181の側面に沿わせる。これにより、複数の突起182に邪魔されることなく照明装置100nをソケットに取り付けることができる。
一方、防災時には、照明装置100nをソケットから取り外し、複数の突起182のそれぞれの先端を給電部102側に寄せる。そして、それらの突起182の先端を例えばテーブル、床、または地面などに当接させれば、グローブ183を上に向けた状態で照明装置100nを安定して立てることができる。照明装置100nは、電池20からの電力によっても点灯するため、床などに立てられた状態で点灯することができる。したがって、照明装置100nをランタンとして使用することができる。
図16A〜図16Cは、照明装置の外観構成の他の例を示す図である。
照明装置100mは、上述の照明装置100nと同様に、照明装置1等としての機能を備えるとともに、グローブ183、筺体181、給電部102、および引掛け部184を備えた電球形LEDランプとして構成されている。
また、照明装置100mにおける筺体181は、図8Aおよび図8Bに示すように、第1の筺体181aと、第2の筺体181bと、第3の筺体181cとからなり、伸縮自在に構成されている。
第1の筺体181aは、略筒状に形成され、電池20及び点灯回路30等を囲う。
グローブ183は、グローブ183の開口部と第1の筺体181aの開口部とが当接するように、第1の筺体181aに取り付けられている。
第2の筺体181bおよび第3の筺体181cも、それぞれ略筒状に形成されている。第2の筺体181bの一方の開口部には、第3の筺体181cの一方の開口部が接続されている。第2の筺体181bの他方の開口部には、給電部102が露出するように取り付けられている。
このような第2の筺体181bは、図16Aに示すように、第3の筺体181cが第1の筺体181aの内部に挿入されて、第2の筺体181bの開口部が、第1の筺体181aの開口部に当接するように、第1の筺体181aに取り付けられる。
また、第2の筺体181bは、第1の筺体181aに対して移動化可能なように取り付けられている。つまり、第2の筺体181bは、図16Bに示すように、第1の筺体181aから引き離し可能であって、引き離されたときには、第3の筺体181cが、露出した状態で、第1の筺体181aと第2の筺体181bとをつなぐ。このように、筺体181は伸縮自在に構成されている。
また、引掛け部184は、略円弧状に形成され、その両端が第2の筺体181bに回動自在に取り付けられている。
以上のように照明装置100mが構成されているため、通常時、つまり、壁スイッチ200の操作に応じて照明装置100mを点灯または消灯させるときには、照明装置100mは、給電部102がソケットに嵌め込まれて使用される。また、停電時などの防災時には、照明装置100mをソケットから取り外して、懐中電灯またはランタンとして使用することができる。
つまり、通常時には、筺体181を縮めた状態で引掛け部184をグローブ183側に寄せる。これにより、引掛け部184に邪魔されることなく照明装置100mをソケットに取り付けることができる。
一方、防災時には、照明装置100mをソケットから取り外し、第2の筺体181bおよび第3の筺体181cを引き出して筺体181を延ばす。これにより、筺体181が握りやすくなるため、照明装置100mを懐中電灯として用いることができる。または、照明装置100mをソケットから取り外し、引掛け部184を給電部102側に寄せる。これにより、引掛け部184を例えばフックなどに引掛けて照明装置100mを吊るすことができ、照明装置100mをランタンとして使用することができる。
(その他)
以上、本発明に係る照明装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。