JP2016211657A - スプールバルブ - Google Patents

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正広 冨田
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Abstract

【課題】簡単な構成でありながら、スリーブとスプールとの嵌め合いクリアランスに噛み込む異物を強制的に排出できるようにし、コスト面と性能面との両面で資する有用な電磁弁(スプールバルブ)を提供する。
【解決手段】複数のポート71〜73を、スリーブ3に対し、出力ポート72、入力ポート71、ドレンポート73の順で軸方向に配列するとともに、入力ポート71とドレンポート73との間に、入力ポート71に連通する蓄圧室20を設け、入力ポート71と出力ポート72との連通時に、蓄圧室20に貯留された流体を入力ポート71側へ排出させることで、異物を強制的に排除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の圧力や流量を制御するために用いられるスプールバルブ、とりわけ、自動車用自動変速装置の油圧制御に好適なリニアソレノイド型電磁弁に関する。
〔従来の技術〕
スプールバルブを適用したリニアソレノイド型電磁弁としては、従来より種々の構成のものが実用に供されており、その代表的なものとして、例えば、特許文献1に記載されているリニアソレノイド型電磁弁が知られている。
この電磁弁は、基本構成として、入力ポート(給入ポート)、出力ポート(制御ポート)、ドレンポート(排出ポート)およびフィードバックポート等の各種ポートを有する筒状スリーブ(弁ハウジング)と、リニアソレノイドにより駆動されてスリーブ内を軸方向に摺動するスプール(弁体)とを備え、このスプールにリニアソレノイドによる電磁力および付勢部材(コイルバネ等の弾性体で構成され、以下、スプリングと総称する。)による付勢力(以下、取付荷重ともいう。)を作用させ、これらの両作用力をバランスさせることで、制御すべき対象流体(以下、オイルという。)の圧力調整を行う構造が採用されている。これにより、入力ポートに供給されるオイルの供給圧(以下、単に油圧ともいう。)は、このオイルが制御ポートから流出するときにはリニアソレノイドへの入力制御信号に対応した出力圧に調整される。
しかしながら、上述のごとき基本構成の電磁弁では、スプールがリニアソレノイドによって移動する際、スプールが各ポートのエッジ部分と面接触するため、給排出するオイル内に含まれる異物や製造工程で除去できなかった異物が、各ポートのエッジ部分とスプールとの間に噛み込み、スプールがスティックし、スプールのスムーズな摺動が阻害される恐れがある。とりわけ、流体供給源に連通する入力ポート側が高圧下に位置しているため、入力ポート側の異物噛み込み問題が顕在化している。
そこで、特許文献1に記載の電磁弁では、入力ポートのオイル内に異物が含まれていても、スプールのスティックを低減できるように、スプールにおいて、上記の入力ポートが対向する位置に異物溜め溝を設け、この溝に異物を溜めるという、異物除去手段が提案されている。
ところで、自動車用自動変速装置のごとく車両制御の中枢を担うシステムにおいては、その構成部品を含めて、年々より一層の高性能化(高精度化)が希求されている。そのため、かかるシステムを構築する構成部品側、とりわけ、主要部品をなす電磁弁に対し、如何にして高性能化を図っていくかが急務となっている。
〔従来技術の問題点〕
ところが、かかる要求に呼応していくためには、上述のごとき異物溜め溝による異物除去手段では未だ不十分であるとの指摘がなされている。
(1)つまり、性能面で高性能(高精度)が追求されればされるほど、スリーブとスプールとの油密性能や調心機能が厳しくなることにより、上述の異物除去手段が有効に機能しなくなるという危惧である。
(2)本発明者らの実験・研究によれば、次の2点が主たる要因をなしているとの結論に至った。
・第1に、異物溜め溝は、少なからず油密性能や調心機能を損なうことになるため、充分な容積の異物溜め溝を設けることが困難であるという点。
・第2に、スリーブとスプールとの公差(嵌め合いクリアランス)が厳しくなり、かかるクリアランスが如何に小さく設定されたとしても、入力ポートと隣接する他のポート間の圧力差等により異物溜め溝周辺においてスリーブとスプールとの微小隙間(つまり、嵌め合いクリアランス)に異物が噛み込んでしまう事象が生じ、かかる異物を入力ポートの連通状態が切り換わっただけ、例えば出力ポートとの間が遮断状態から連通状態へと切り換わっただけでは取り除くことができないという点。
特開2007−92768号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成でありながら、スリーブとスプールとの嵌め合いクリアランスに噛み込む異物を強制的に排出できるようにし、コスト面と性能面との両面で資する有用なスプールバルブを提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明(スプールバルブ)は、径方向に貫通する複数のポートとして、少なくとも、流体供給源と連通する入力ポート、制御対象へ流体を供給する出力ポート、およびドレンに連通するドレンポートを備える筒状スリーブと、このスリーブの内部に軸方向に摺動自在に配設され、軸方向の変位によって入力ポートと出力ポートとの間および出力ポートとドレンポートとの間の連通状態をそれぞれ制御するスプールと、このスプールを軸方向の一方向に駆動する駆動機構と、この駆動機構による駆動方向に抗する方向にスプールを付勢する付勢部材とを備えていることを基本構成としている。
そして、本発明のスプールバルブは、各ポートを、スリーブに対し、出力ポート、入力ポート、ドレンポートの順で軸方向に配列するとともに、入力ポートとドレンポートとの間に、入力ポートに連通する蓄圧室を設け、入力ポートと出力ポートとの連通時に、蓄圧室に貯留された流体を入力ポート側から出力ポート側へ排出させるようにしたことを特徴としている。
上記構成によれば、スリーブとスプールとの間に異物が噛み込んでしまった場合にも、蓄圧室に貯留された流体を入力ポート側から出力ポート側へ排出させることで強制的に除去することができ、性能面に優れたスプールバルブを提供することができる。
また、追設する蓄圧室もスリーブの内周側に環状凹部を形成するだけの簡単な構造で良く、高性能のスプールバルブを安価に提供することができる。
本発明のスプールバルブの適用例としての油圧制御用電磁弁の全体説明および本発明の第1実施形態の説明に供するもので、油圧制御用電磁弁の縦断面図である(実施例1)。 上記電磁弁の主要部を拡大して示すもので、図1におけるII-II線に沿う横断面図である(実施例1)。 上記電磁弁の通電時における動作説明に供するもので、(a)は電磁弁の主要部の縦断面図、(b)は電磁弁の流路構成を模式的に示す図である(実施例1)。 上記電磁弁の非通電時における動作説明に供するもので、(a)は電磁弁の主要部の縦断面図、(b)は電磁弁の流路構成を模式的に示す図である(実施例1)。 本発明のスプールバルブが油圧制御用電磁弁として適用される油圧システムの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例にしたがって詳細に説明する。なお、各図において、図中の同一符号は、同一または均等部分を示すものであり、原則として重複説明を省略する。
〔実施例1〕
本実施例では、スプールバルブの代表的な適用例として、特に、自動車用自動変速装置の油圧システムに賞用されている油圧制御用電磁弁(リニアソレノイド型電磁弁)を示しており、当該電磁弁の自動変速装置における位置付けを図5に基づいて概説する。
図5に示すように、自動変速装置における油圧システム100は、流体供給源をなすオイルポンプ101、マニュアルバルブ102、リニアソレノイド型電磁弁103、制御対象であるクラッチ機構104、および、油圧配管105等を含む。
オイルポンプ101は、エンジンまたは自動変速装置の油槽(ドレンをなす例えばオイルパン)106からフィルタ107を介してオイルを汲み上げ、油圧配管105を経由してマニュアルバルブ102に供給する。
マニュアルバルブ102は、図示しないセレクトレバーの操作により、P(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)のモードを選択する。
リニアソレノイド型電磁弁(以下、電磁弁と略称する。)103は、Dモードの選択時にクラッチ機構104へのオイルの供給油路の連通状態を制御し、オイルの供給圧を調整する。そして、電磁弁103は、スプール弁機構1と、これを駆動するアクチュエータとしてのリニアソレノイド2を備えており、例えば、油槽106中で軸線が水平になるように設置されることで車両に搭載される。
〔電磁弁103の基本構成〕
次に、電磁弁103の具体的な構造について、図1を参照しながら順次説明する。
なお、図1において、図の上方および下方が車両搭載時における天方向および地方向を示している。
電磁弁103は、前述したように、大別すると2つの構成要素、つまり、スプール弁機構1と、このスプール弁機構1を駆動するリニアソレノイド2とで構成されており、スプール弁機構1は、基本構成として、スリーブ3、スプール4、スプリング5、および、キャップ6を備えている。
スリーブ3は、全体として円筒状を呈しており、弁ハウジングを構成するもので、例えばアルミ合金のごとき非磁性金属材料で形成されている。そして、スリーブ3は、径方向に貫通する複数のポート7として、4つのオイルポート71〜74と1つの呼吸孔75を有している。
4つのオイルポート71〜74は、マニュアルバルブ102を介してオイルポンプ101に連通し給入ポートとも称せられる入力ポート71、クラッチ機構104へオイルを供給し制御ポートとも称せられる出力ポート72の他に、ドレン(油槽106)に連通し排出ポートとも称せられるドレンポート73、出力ポート72に連通するフィードバックポート74で構成されている。
なお、呼吸孔75は、スプリング5の収納室9を外部に開放し、収納室9の容積変動により室内圧力が変動するのを抑止するためのものである。
スプール4は、全体として円柱状を呈しており、弁ハウジングのスリーブ3と協働する弁体を構成するもので、例えばアルミ合金のごとき非磁性金属材料で形成されている。そして、スプール4は、スリーブ3の内部に軸方向に摺動自在に収容配設され、スリーブ3の内周面に対して所定の嵌め合いクリアランスを介して精度よく嵌合している。
スプール4は、複数のオイルポート7間を区画する複数のランド8を有している。図示例では、入力ポート71、ドレンポート73、および、フィードバックポート74にそれぞれ対応させて、入力ポート部ランド81、ドレンポート部ランド82、および、フィードバックポート部ランド83の3つのランドを備えている。
そして、スプール4は、スリーブ3との相対位置(軸方向の変位)によって各ポート71〜74間の連通状態、つまり、入力ポート71と出力ポート72との間および出力ポート72とドレンポート73との間の連通状態をそれぞれ制御する。
スプリング5は、スプール4を軸方向の一方(リニアソレノイド2側)へ押圧する付勢力を有し、リニアソレノイド2の電磁力とのバランス作用でスプール4の軸方向移動量を制限する付勢部材をなすもので、圧縮コイルスプリングで代表されている。このスプリング5は、スプール4とキャップ6との間に形成される収納室9に収容保持され、一端がスプール4のリニアソレノイド2と反対側の端面に当接し、他端がキャップ6に当接している。
キャップ6は、アジャストスクリュとも呼称される調節部材であり、ネジ調整機構10を介してスリーブ3の端部に装着されている。このネジ調整機構10の螺合量(軸方向の締付長さ)を変更することによってスリーブ3に対するキャップ6の軸方向位置を変え、スプリング5の付勢力(取付荷重)を無段階に調整(加減)することができる。
なお、駆動機構をなすリニアソレノイド2側の構造について補説すると、リニアソレノイド2は、基本構成として、ソレノイドコイル11、固定側コア12、プランジャ(可動側コア)13、および、シャフト14を備えている。
ソレノイドコイル11は、円筒状を呈しており、通電されると磁力を発生し、固定コア12を励磁することによって、鉄等の磁性体金属材料で円柱状に形成されているプランジャ13をスプリング5の付勢力に抗して駆動する。
シャフト14は、スプール4とプランジャ13との間に介装されている。スプリング5がスプール4をシャフト14側へ付勢することで、シャフト14の一端はスプール4の端面に当接し、シャフト14の他端はプランジャ13の端面に当接している。
〔実施例1の特徴〕
ここで、本発明においては、主として、スリーブ3のポート7とスプール4のランド8との具体的な組合せ機構に特徴を有している。当該機構の第1実施形態について、図1および図2を参照しながら更に詳説する。
スリーブ3は、前述のごとく、径方向に貫通する複数のポート7として、4つのオイルポート71〜74を有しており、各ポートは、スリーブ3の内周側において、スプール4の外周を囲繞するように開口する環状の溝15を伴っている。
そして、各ポートは、スリーブ3に対し、軸方向の左から右にかけて、出力ポート72、入力ポート71、フィードバックポート74、ドレンポート73の順で配列されている。
したがって、入力ポート71と出力ポート72とが隣接しており、入力ポート71を基準にして、出力ポート72の対向側(反対側)にフィードバックポート74およびドレンポート73が順次配置される関係にある。
更に、スリーブ3には、入力ポート71とドレンポート73側であるフィードバックポート74との間に蓄圧室20が設けられている。この蓄圧室20は、スリーブ3の内周側のみに開口する環状の凹部として形成されており、スプール4の外周を囲繞している。
一方、スプール4には、前述のごとく、スリーブ3の内周面に精度よく嵌合し、4つのオイルポート71〜74を区画しポート間の連通状態を制御するランド8として、3つのランド81〜83が設けられている。
そして、各ランド81〜83は、スプール4に対し、軸方向の左から右にかけて、入力ポート部ランド81、フィードバックポート部ランド83、ドレンポート部ランド82の順で配列されている。
したがって、スリーブ3の内周面に対し、入力ポート部ランド81は、入力ポート71の環状溝15の軸方向両サイドに位置するランド部分と、フィードバックポート部ランド83は、フィードバックポート74の環状溝15のリニアソレノイド側に位置するランド部分と、ドレンポート部ランド82は、ドレンポート73の環状溝15の軸方向両サイドに位置するランド部分と、それぞれ摺動する構成になっている。
なお、3つのランド81〜83には、それぞれ環状の調心溝16、17、18が設けられている。また、出力ポート72とフィードバックポート74とは、本電磁弁103を装着する部位(例えば変速機ハウジング)Hの油圧経路19により連通され、出力ポート72から制御対象に送られる油圧の変動が抑制される構造になっている。
スリーブ3に設けられている蓄圧室20は、その軸方向両サイドのランド部分の軸方向長さの関係上、フィードバックポート74より入力ポート71側に寄せて設けられており、入力ポート71側に近接している。そして、スプール4の外周面との関係においては、蓄圧室20は、入力ポート部ランド81の外周面(調心溝16を挟んだ面)と実質的に対向する基本構成になっている。
したがって、蓄圧室20は、入力ポート71と連通しやすくなっているものの、スプール4の外周面とスリーブ3の内周面とが精度よく嵌合しているため、入力ポート部ランド8aの外周側に形成される僅かな隙間(嵌め合いクリアランス)を介して入力ポート71と連通することになる。本実施例では、この連通状態を促進するために、入力ポート部ランド81には、調心溝16の一部において、入力ポート71側に向けて軸方向に延伸する蓄圧室連通溝21を設けており、上記隙間(嵌め合いクリアランス)を局部的に拡大している。
〔電磁弁103の作用〕
次に、上記構成の電磁弁103の作用について説明する。
ここでは、本発明の中枢機能に関わる特筆すべき作用について、図3および図4をも参照しながら説明することとする。
リニアソレノイド2のソレノイドコイル11に通電がなされると、ソレノイドコイル11は、通電量に応じた磁力を発生してプランジャ13をスプリング5の付勢力に抗して図1の左方向に駆動する。これにより、プランジャ13は、シャフト14を介してスプール4を図1の左方向に駆動し始め、スプール4を最大で図3(a)に示す位置まで移動させる。
この図3(a)に示す状態では関係流路が次のように設定されている。
つまり、スリーブ3の入力ポート71と出力ポート72との間を区画している入力ポート部ランド81の有効軸方向幅(ランド幅)を大きくし、入力ポート71・出力ポート72間が実質的に遮断状態となるように、一方、この通電時には、制御対象(クラッチ機構104)の要求油圧が低い状況であることから、フィードバックポート部ランド83は、リニアソレノイド2側の開口面積を広げ(ランド幅を小さくし)、フィードバックポート74とドレンポート73とが実質的に流通状態(要するにドレン状態)となるように、設定されている。
したがって、かかる通電状態時における関係流路の抵抗を、大・中・小の3段階で比較すると、図3(b)に示すように、入力ポート71・出力ポート72間の流路抵抗を「R1」、フィードバックポート74・ドレンポート73間の流路抵抗を「R2」、蓄圧室20と入力ポート71またはフィードバックポート74との間の流路抵抗をそれぞれ「R3」または「R4」と呼ぶとき、「R1、R4」が「大」、「R3」が「中」、「R2」が「小」という関係になる。
そして、図3に示す通電状態時には、入力ポート71から出力ポート72へオイルが流出しにくくなる分、相対的に入力ポート71の油圧が高くなる。このために、入力ポート71にオイルとともに侵入した異物(例えば数10ミクロンの大きさのもの)が、油圧で嵌め合いクリアランス(隙間)に押付けられ、入力ポート71の軸方向両サイド(環状溝15のエッジ部分)で噛み込む事象が発生する。
本実施例では、スプール4が左側に最も移動したときにも、蓄圧室連通溝21を設けているため、入力ポート71と蓄圧室20間の流路抵抗R3が実質的に軽減され、「小」に近い「中」となる。
これにより、入力ポート71から蓄圧室20に対して図3(b)の矢印Xのごとくオイルが流れやすくなり、入力ポート71と蓄圧室20との油圧が直ちに均一化する。この均圧効果により、蓄圧室20側(フィードバックポート74側)での噛み込みを減らしながら、蓄圧室20内に高圧(入力ポート71と同圧)のオイルを貯留(蓄圧)することができる。
また、蓄圧室20は、フィードバックポート74(およびドレンポート73)間の流路抵抗R4が「大」であるといえども、スリーブ3とスプール4との微小な隙間(嵌め合いクリアランス)にて連通しているため、入力ポート71からオイルとともに蓄圧室20に侵入する空気は上記隙間を介してフィードバックポート74側へ抜けていくことになる。したがって、蓄圧室20には、オイルのみを有効に溜めることができ、蓄圧室20に気泡が充満して蓄圧効果を低下させるような事態を招くことがない。
なお、出力ポート72は、フィードバックポート74と連通しており、フィードバックポート74とドレンポート73間の流路抵抗R2も「小」であるため、入力ポート71から出力ポート72に漏れ出したオイルは、フィードバックポート74を経由してドレンポート73から確実に排出され、制御対象に対して意図しない油圧が作用することもない。
次いで、上述した図3に示す動作の後、リニアソレノイド2のソレノイドコイル11への通電が切られると、スプール4がスプリング5の付勢力によって図の右方向に移動を開始し、最も右側へ移動したときの状態を図4(a)に示す。
この状態では、スリーブ3の入力ポート71と出力ポート72との間を区画している入力ポート部ランド81の有効軸方向幅(ランド幅)が小さくなるため、入力ポート71、出力ポート72間が実質的に連通状態(「R1=小」)となる。このとき、出力ポート72へオイルが流出しやすくなり、入力ポート71の油圧が低くなるため、短時間ではあるが、蓄圧室20の油圧の方が入力ポート71の油圧より高くなる状況が発生する。
この圧力差によって次のごとき事象を惹起させることが可能となる。
つまり、この状態では、蓄圧室連通溝21が蓄圧室20内に位置することになり、実質的には連通経路として何ら機能しなくなるため、入力ポート71・蓄圧室20間は、流路抵抗R3も「大」になるものの、スリーブ3と入力ポート側ランド81との嵌め合いクリアランス(隙間)を介して連通している。このため、上記圧力差によって、蓄圧室20内に貯留されていたオイルが、その嵌め合いクリアランス(隙間)を介して入力ポート71側へ勢いよく流出し、このとき、入力ポート側ランド81の全外周にわたって矢印Yのごとく軸方向のオイル流れが発生する。これにより、入力ポート71の環状溝15において特にフィードバックポート74側に噛み込んでいた異物を、当該流れとともに出力ポート72側へ強制的に排出させることが可能となる。
ちなみに、図4(a)に示す状態においては、関係流路の抵抗R1〜R4は、R1が「小」のみで、残りのR2〜R4はすべて「大」である。
かくして、スリーブ3とスプール4との間に異物が噛み込んでしまった場合にも、蓄圧室20に貯留された流体を(入力ポート71側から)出力ポート72側へ排出させることで強制的に除去することができ、性能面に優れた電磁弁(スプールバルブ)103を提供することができる。
〔実施例1の効果〕
上述の実施例1による本発明によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)入力ポート71とドレンポート73側であるフィードバックポート74との間に、入力ポート71に連通する蓄圧室20を設けているため、入力ポート71・出力ポート7間が遮断状態となる通電時に入力ポート71からのオイルを蓄圧室20内に溜めて蓄圧しておくことができる。
(2)特に、入力ポート71と蓄圧室20とを区画する入力ポート部ランド81には、入力ポート71と蓄圧室20との連通状態を促進する蓄圧室連通溝21を設けているため、入力ポート71と蓄圧室20との油圧を早期に均一化し、入力ポート71の蓄圧室20側(フィードバックポート74側)における異物の噛み込みを減らしながら、蓄圧室20内に高圧(入力ポート71と同圧)のオイルを貯留することができる。
(3)そして、入力ポート71・出力ポート72間が連通状態に移行する非通電時になると、蓄圧室20内に貯留されていたオイルが、入力ポート71側へ流出することで、入力ポート71の特にフィードバックポート7d側に噛み込んでいた異物を、当該流れとともに出力ポート72側へ強制的に排出させることが可能となる。
(4)よって、スリーブ3とスプール4との間に異物が噛み込んでしまった場合にも、当該異物を蓄圧室20に貯留されたオイルで強制的に排出可能な電磁弁103を提供することができる。
(5)しかも、スリーブ3に蓄圧室20を設けるだけの簡単な構成であり、蓄圧室20自体も環状凹部として簡単に形成することができるため、コスト面でも安価に提供することができる。
(6)かくして、性能面で高性能(高精度)が追求されても、性能面とコスト面との両面に優れた有用な電磁弁103を提供することができる。
〔他の実施形態;変形例〕
以上、本発明を一実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、他の実施形態としてその変形例を例示する。
(1)本実施例においては、入力ポート71・出力ポート72間の連通状態の制御を、通電時に遮断状態、非通電時に連通状態にする例について説明したが、例えば、スリーブ3およびスプール4に対して、リニアソレノイド2とスプリング5との配置を左右逆にすることにより、通電時・非通電時の動作を逆転させることができる。
(2)また、本実施例においては、オイルポートとして、出力ポート72側の圧力変動を抑制するフィードバックポート74を特別に設けるタイプに適用したが、フィードバックポート74によるフィードバック制御機能を有しないタイプにも、蓄圧室20の反入力ポート側にドレンポート73を直接配置することで、同様に適用できることは勿論である。
(3)また、本実施例においては、蓄圧室連通溝21を積極的に設けたが、入力ポート71と蓄圧室20との連通状態を促進させる程度に応じて、蓄圧室連通溝21の流路面積、流路長などを種々選択することができ、かかる促進を一切望まない場合には、蓄圧室連通溝21を省略しても良い。
(4)以上の実施形態では、本発明のスプールバルブの適用例として、自動車用自動変速装置の油圧システム100における油圧制御用電磁弁103を例示した。これ以外にも、例えば、バルブタイミング調整装置に組み込まれている油圧制御用電磁弁にも同様に適用することができる。
(5)また、スプール4の駆動機構にも、電磁力以外に、モータのごとき回転運動を直線運動に変換する往復駆動機構を採用することができる。
(6)そして、本発明のスプールバルブは、オイル以外の水など種々な流体に対して流量や圧力を制御する制御弁として幅広く有用することができる。
以上詳述してきた本発明の特徴点および特記すべき作用効果を、特許請求の範囲において従属項として記載した各手段にしたがって要約列挙すれば、次の通りである。
(特徴点1=請求項2の手段)
請求項1に記載のスプールバルブ(電磁弁103)において、
複数のポート7として、3つのポート(入力ポート71、出力ポート72、ドレンポート73)のほかに、出力ポート72に連通されるフィードバックポート74を備え、このフィードバックポート74を、蓄圧室20とドレンポート73との間に配設したことを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、フィードバックポート74によるフィードバック制御機能を有する電磁弁13においても、フィードバック制御機能を何ら犠牲にすることなく、蓄圧室20に貯留されたオイルを噛み込んだ異物の強制除去に活用することができる。
(特徴点2=請求項3の手段)
請求項1に記載のスプールバルブ(電磁弁103)において、
入力ポート71と蓄圧室20とを区画する入力ポート部ランド81には、入力ポート71と蓄圧室20との連通状態を促進する蓄圧室連通溝21を設け、入力ポート71と前記出力ポート72との連通時には、蓄圧室連通溝21を蓄圧室20内に位置させることを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、入力ポート71の蓄圧室20側(フィードバックポート74側)における異物の噛み込みを減らしながら、蓄圧室20内に高圧(入力ポート71と同圧)のオイルを貯留することができる。
そして、蓄圧室20内に貯留されていたオイルを流出させるときには、上記蓄圧室連通溝21の機能を実質的に停止させて、嵌め合いクリアランス(隙間)の全外周にわたって軸方向から入力ポート71に向かって勢い良く流出するオイル流れを生成でき、これにより、噛み込んだ異物を当該流れとともに出力ポート72側へ強制的に排出させることが可能となる。
(特徴点3=請求項4の手段)
請求項1〜3のいずれか1つに記載のスプールバルブ(電磁弁103)において、
このスプールバルブ(電磁弁103)は、自動車用自動変速装置の油圧システム100における油圧制御用電磁弁103として用いられることを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、低価格化・高性能化の要求が厳しい自動車用自動変速装置おいて、一層の低価格化・高性能化に貢献することができる。
1…スプール弁機構、2…リニアソレノイド(駆動機構)、3…スリーブ、4…スプール、5…スプリング(付勢部材)、7…オイルポート(ポート)、20…蓄圧室、71…入力ポート、72…出力ポート、73…ドレンポート、101…オイルポンプ(流体供給源)、103…リニアソレノイド型電磁弁(スプールバルブ)、104…クラッチ機構(制御対象)、106…油槽(ドレン)。

Claims (4)

  1. 径方向に貫通する複数のポート(7)として、少なくとも、流体供給源(101)と連通する入力ポート(71)、制御対象(104)へ流体を供給する出力ポート(72)、および、ドレン(106)に連通するドレンポート(73)を備える筒状スリーブ(3)と、
    前記スリーブ(3)の内部に軸方向に摺動自在に配設され、軸方向の変位によって前記入力ポート(71)と前記出力ポート(72)との間および前記出力ポート(72)と前記ドレンポート(73)との間の連通状態をそれぞれ制御するスプール(4)と、
    前記スプール(4)を軸方向の一方向に駆動する駆動機構(2)と、
    前記駆動機構(2)による駆動方向に抗する方向に前記スプール(4)を付勢する付勢部材(5)と
    を備えたスプールバルブ(103)において、
    前記複数のポート(7)を、前記スリーブ(3)に対し、出力ポート(72)、入力ポート(71)、ドレンポート(73)の順で軸方向に配列するとともに、
    前記入力ポート(71)と前記ドレンポート(73)との間に、前記入力ポート(71)に連通する蓄圧室(20)を設け、
    前記入力ポート(71)と前記出力ポート(72)との連通時に、前記蓄圧室(20)に貯留された流体を前記入力ポート(71)側へ排出させることを特徴とするスプールバルブ(103)。
  2. 請求項1に記載のスプールバルブ(103)において、
    前記複数のポート(7)として、前記3つのポートのほかに、前記出力ポート(72)に連通されるフィードバックポート(74)を備え、
    前記フィードバックポート(74)を、前記蓄圧室(20)と前記ドレンポート(73)との間に配設したことを特徴とするスプールバルブ(103)。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスプールバルブ(103)において、
    前記入力ポート(71)と前記蓄圧室(20)とを区画するランド(81)には、前記入力ポート(71)と前記蓄圧室(20)との連通状態を促進する蓄圧室連通溝(21)を設け、
    前記入力ポート(71)と前記出力ポート(72)との連通時には、前記蓄圧室連通溝(21)を前記蓄圧室(20)内に位置させることを特徴とするスプールバルブ(103)。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のスプールバルブ(103)において、
    このスプールバルブ(103)は、自動車用自動変速装置の油圧制御に用いられるリニアソレノイド型電磁弁(103)であることを特徴とするスプールバルブ(103)。
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