JP2016206279A - 撥弦楽器本体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラシックギターなど撥弦楽器はナットとブリッジ(駒)上のサドル間に張られた弦と表面板の間にブリッジ(駒)とサドル高さの間隙を有する。間隙のため表面板には弦の張力による垂直応力が作用し表面板の自由な振動を妨げている。垂直応力を無くし、表面板の自由な振動を実現する撥弦楽器構造を提供する。
【解決手段】垂直応力が作用しない構造として弦位置を表面板表面の延長面とする表面板構造が有効である。このため表面板aのネック取り付け部からブリッジcまでの中央部を凹面構造とし、その凹部表面板gへネックh、ブリッジとサドルdを取り付ける事で垂直応力を無くす。
【選択図】図5

Description

本発明は表面板に固定したブリッジ(駒)に弦を止める構造の撥弦楽器において表面板の振動促進を図るための表面板構造に関する。
従来の表面板振動促進として対抗弦による張力を発生させ音響特性を改善したもの(特許文献1)や表面板の裏面に設けた力木に弦を留め、振動抑制を開放したもの(特許文献2)が提案されている。
特開平7—95558号公報 特開2010−60963号公報
図1に示すクラシックギターなどはA−A断面図に示すナットeとブリッジ(駒)c上のサドルdの間へ張った弦iと表面板aの間にはブリッジ(駒)cとサドルdの高さに相当する間隙がある。 ブリッジの拡大図、図2に示すブリッジ(駒)cとサドルdの合計高さHは13mmほどで、この間隙のため表面板には弦の張力による垂直応力が作用し表面板の自由な振動を妨げている。
図3A−A断面図で●を支点oとして表面板に作用する垂直応力の強さを考察する。 表面板と弦の間に間隙Hがあるため弦の張力は点線で示す方向に表面板を引き上げようとし垂直応力を発生する。ベクトル図、図4において弦の張力を左向きのベクトルFとしこれと同じ大きさで方向が反対の応力を−F、支点oとサドルd上端を結ぶ−Fの分力をF1、F1に直角下向きな−Fの分力を垂直応力F2とする。 また−FとF1が為す角度をΘとする。
一般的なクラシックギター弦の張力は6弦合計で約40kg、弦長Lは65cm、表面板とサドル上端の間隙は13mm程である。 支点は弦長65cmの中央と同位置であり支点からサドル上端までの距離は弦長の半分32.5cmと近似する。
以上の諸元から表面板へ作用する垂直応力を求める。
したがって垂直応力F2は以下である。

弦の張力は表面板を常に1.6kgほどの力で引き上げている。つまり表面板は引き上げ力による垂直応力が作用した状態で発音しており自由な振動ができる状態にはない。
表面板を自由な振動状態にするためには表面板とサドル上端の間隙を限りなく小さくすれば良く、つまりΘ=0である。
具体的には図5のA−A断面図、B−B断面図、C−C断面図、D−D断面図に示す如くナットeとブリッジ(駒)c上のサドルd間に張った弦位置を表面板a表面の延長面に同位置とすればよい。
そのためネックh取り付け部からブリッジdまで表面板aの中央部を13mmほど低くした凹部表面板gを有する表面板構造とした。 そして凹部表面板gにブリッジc及びサドルdと図5の平面図、A−A断面図、D−D断面図に示すネックhを設置する事で6本の弦と表面板aの延長面を同位置とした。 表面板aの延長面に張られた弦位置により表面板aは垂直応力が作用せず自由な振動が可能となる。
弦位置を表面板の延長面とするこの構造は、表面板上のブリッジに弦を留める撥楽器(ウクレレ等)全てに適用可能で表面板の自由な振動が期待できる事は言うまでもない。
図1に示す従来タイプのギターは弦の張力による垂直応力で表面板aが変形しない様にその板厚を2.5mm前後とし裏面には複数の力木を配置している。 一方垂直応力が作用しない図5の表面板構造のギターは表面板aの板厚を1.5mm程度まで薄く加工しても表面板aの変形がない上、裏面の力木の本数も削減できる。
図5に示す薄く軽くなった表面板aはより敏感に弦振動に反応し立ち上がりの早い発音を可能とする。加えて元々弦振動に含まれている倍音など微細な高調波成分も余さず再現するため、まろやかで艶のある発音を可能とする。
また表面板に使用する楽器用高品質スプルース材は輸入材で高価なため、これを使用した楽器自体も高価なものとなるが表面板の板厚を薄くできれば用材の使用量を削減でき、加えて楽器自体の価格も低減できる。
なお表面板aの構造変更による楽器演奏への影響は全く皆無で、従来通りの演奏手法をなんら変える事なくそのまま適用できる。
従来タイプギターの平断面図 ブリッジc、サドルdの拡大断面図 従来タイプギターの表面板に作用する垂直応力説明のための模式図 弦張力と応力のベクトル図 本発明に係るギターの平断面図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)1弦開放弦の立ち上がり波形図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)2弦開放弦の立ち上がり波形図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)3弦開放弦の立ち上がり波形図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)4弦開放弦の立ち上がり波形図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)5弦開放弦の立ち上がり波形 図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)6弦開放弦の立ち上がり波形 図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)1弦開放弦の周波数特性図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)2弦開放弦の周波数特性図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)3弦開放弦の周波数特性図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)4弦開放弦の周波数特性図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)5弦開放弦の周波数特性図 本発明に係るギター(上段)と従来タイプギター(下段)6弦開放弦の周波数特性図 本発明に係るギターと従来タイプギターの表面板を一つの響鳴胴に取り付けたギターの写真 本発明に係るギターの平面と凹部表面板、ブリッジ(駒)、サドル、ネック、弦の拡大写真
以下、実施例について図面を用いて説明する。
これから述べる波形記録は楽器の響鳴胴による発音条件の差異を無くすため図18の写真に示す如く響鳴胴の片面に図5の平断面図を基に製作した本発明に係るギターの表面板とネックを、反対面に従来タイプギターの表面板とネックを取り付けたギターを作成し使用した。
図19は本発明に係るギターの平面写真(上段)と凹部表面板gに設置されたネック、ブリッジ(駒)cサドルd並びに弦iの拡大写真(下段)である。
このギターの1から6弦までの開放弦をアポヤンド奏法で弾弦し発音を波形分析ソフトSound Enginで記録、その立ち上がり波形を図6から図11に示した。
ちなみに各図の上段が本発明に係るギターの波形で下段が従来タイプギターの波形である。
指で弾くため同じ強さで弾弦する事は不可能だが極力最大振幅が縦軸目盛り1ch−lnfdBを中心にプラスマイナス−6dB前後の振幅となる様に弾弦した。 また横軸が時間で単位は秒である。 なお調弦は1弦の5フレットを音名一点イ音440Hzの音叉に合わせた1弦の音程を基に全弦を調律した。
図6で1弦の波形立ち上がりを観測すると本発明に係るギターは発音から一サイクルで最大振幅に並ぶ振幅P1が観測される。 一方、従来タイプギターは発音から一サイクルの振幅P2は最大振幅の2/3程で立ち上がりが遅い。 以降、図7の2弦から図9の4弦までと図11の6弦も本発明に係るギターの立ち上がりが早い事が判別できる。 立ち上がりの早い楽器は発音が明瞭となり演奏家に好まれる。
図10の5弦については従来タイプギターの方が早いが、これは従来タイプギターの5弦開放弦(音名い音)が強く響鳴胴に共鳴する特性のためである。5弦開放弦が他の弦よりも強く共鳴し音量も大きくなる特性は市販ギターに多く観測されるが各弦の音量バランスが悪い楽器として演奏家の評価はよくない。
図12から図17は周波数特性図で図6から図11で記録した波形を波形分析ソフトSound Enginのスペクトルアナライザーで表示した。
なお周波数特性図は横軸0.1秒付近(黒い縦線)の特性である。また各図の上段が本発明に係るギターの特性で下段が従来タイプギターの特性である。
図12で1弦の周波数特性を観測すると本発明に係るギターは従来タイプのギターに比べ1kHzから2kHz付近の高調波レベルが高くなっており発音は聴感上まろやかで艶のある音色に聞こえる。以降、図13の2弦から図15の4弦までと図17の6弦も同様の特性が観測でき聴感上まろやかで艶のある音色が判別できる。 発音がまろやかで艶のある楽器は演奏家に好まれる。
図16は5弦の周波数特性であるが従来タイプギターの方が1kHzから2kHzの高調波レベルが高い。これは前述と同様、従来タイプギターの5弦開放弦(音名い音)が強く響鳴胴に共鳴する特性のためである。 5弦開放弦が他の弦よりも強く響鳴胴に共鳴する特性は市販ギターに多く観測されるが各弦の音質バランスが悪い楽器として演奏家の評価はよくない。
a 表面板
b 側面板
c ブリッジ(駒)
d サドル
e ナット
f サウンドホール
g 凹部表面板
h ネック
i 弦
o 支点
F 1弦から6弦までの合計張力
−F Fに対する応力
F1 支点oとサドルd上端を結ぶ−Fの分力
F2 F1に直角で下向きな−Fの分力(垂直応力)
H ブリッジcとサドルdの合計高さ
L 弦長
Θ −FとF1が為す角度

Claims (2)

  1. 表面板に固定したブリッジ(駒)に弦を留める構造の撥弦楽器において弦の張力による垂直応力が表面板に作用しない構造を特徴とした撥弦楽器本体構造。
  2. 請求項1の撥弦楽器において楽器の側面板に接着された表面板の中央部に設置した凹部表面板にネック及びブリッジ(駒)サドルを設置し、弦の位置が側面板に接着された表面板の延長面と同位置にした構造で表面板の振動促進を図る事を特徴とした表面板構造。
JP2015084664A 2015-04-17 2015-04-17 撥弦楽器本体構造 Pending JP2016206279A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106903922A (zh) * 2017-04-20 2017-06-30 广西贺州市金海乐器有限公司 吉他音梁固定装置

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