JP2016202038A - 塩基置換手段をスクリーニングする方法 - Google Patents

塩基置換手段をスクリーニングする方法 Download PDF

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Toshibumi Tsukahara
俊文 塚原
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健造 藤本
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Abstract

【課題】mRNAの塩基置換技術を効率よくスクリーニング可能な、塩基置換の検出方法を提供すること。
【解決手段】被評価塩基置換手段による塩基置換を検出する方法であって、GFP遺伝子の塩基配列中の塩基が置換されてGFP(緑色蛍光タンパク質)を発現できなくなった塩基置換GFP遺伝子が転写されてなる、塩基置換GFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施し、置換された塩基を再置換して、GFP−mRNAを得る工程、GFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程、GFPの緑色蛍光発光を検出する工程、を含む、方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、塩基置換手段をスクリーニングする方法に関する。
分子生物学的の分野において、人為的な遺伝子の点突然変異(一塩基置換)、すなわち、意図した遺伝子の意図した位置で意図した一塩基置換を人為的に生じさせる技術は、長年の夢であり、永らく求められてきた。そのような新しい精密塩基置換技術の開発のためには、それに適した検出方法が必要であり、できるだけ簡易且つ迅速に検出できる技術が望まれている。
部位特異的な変異導入や変異修復の検出の方法として、例えば、PCR増幅後に制限酵素処理断片長の変化による方法(PCR−RFLP)、特異的プライマーを用いてPCRする方法、インベーダー法やDNAチップを用いた検出法、シークエンス法などがある。しかし、これらはいずれも核酸を試料として用いて、核酸中の塩基の違いを調べるものであり、細胞や生体からの核酸の抽出・精製が必要となるため、検出に時間がかかること、手技の熟達が必要となること、などの難しさがあった。
核酸の光反応技術として、5−シアノビニルデオキシウリジンを使用した光連結技術(特許文献1、特許文献2)がある。
GFP(緑色蛍光タンパク質)は、配列番号1の塩基配列を有する遺伝子の産物であり、細胞内の条件下で、緑色蛍光発光を呈する。その蛍光特性を生かして、マーカーやセンサー等への応用が試みられてきた(特許文献3、特許文献4)。
特許第3753938号公報 特許第3753942号公報 特許第5076037号公報 特開2012−85542号公報
近年、ゲノムの遺伝子のDNA塩基配列を改変することなく、細胞内のmRNAを直接に改変して、所望の変異を有する遺伝子産物を得て、遺伝病の治療等に役立てようというアイデアが検討されるようになってきた。倫理面に優れたこのアイデアの成否は、mRNAを効率的に改変可能な技術の探索研究にかかっている。
そこで、本発明の目的は、mRNAの塩基置換技術を効率よくスクリーニング可能な、塩基置換の検出方法を提供することにある。
本発明者は、核酸の光反応技術を鋭意研究してきたところ、GFP遺伝子の塩基配列中の塩基が置換されてGFP(緑色蛍光タンパク質)を発現できなくなった塩基置換GFP遺伝子を用意し、この塩基置換GFP遺伝子を転写して得た塩基置換GFP−mRNAに対して、探索研究による評価対象となる被評価塩基置換手段を施し、塩基置換GFP遺伝子中の置換された塩基を再置換して修復し、これによってGFP−mRNAを得た後に、このGFP−mRNAを翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得て、その緑色蛍光発光を検出することによって、被評価塩基置換手段によるmRNAの塩基置換を検出することによって、mRNAの塩基置換技術を効率よくスクリーニングできることを見いだして、本発明に到達した。
したがって、本発明は次の(1)以下にもある。
(1)
被評価塩基置換手段による塩基置換を検出する方法であって、
GFP遺伝子の塩基配列中の塩基が置換されてGFP(緑色蛍光タンパク質)を発現できなくなった塩基置換GFP遺伝子が転写されてなる、塩基置換GFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施し、置換された塩基を再置換して、GFP−mRNAを得る工程、
GFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程、
GFPの緑色蛍光発光を検出する工程、
を含む、方法。
(2)
GFP−mRNAを得る工程が、
GFP遺伝子の塩基配列の199位のTがCに置換されたBFP遺伝子が転写されてなるBFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施して、該199位のCを脱アミノ化してUへ変換して、GFP−mRNAを得る工程であり、
GFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程が、
BFP−mRNAの199位のCがUへ変換されて得られたGFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程である、(1)に記載の方法。
(3)
被評価塩基置換手段による塩基置換効率を測定する方法であって、
GFP遺伝子の塩基配列の199位のTがCに置換されたBFP遺伝子が転写されてなるBFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施して、該199位のCを脱アミノ化してUへ変換して、GFP−mRNAを得る工程、
BFP−mRNAの199位のCがUへ変換されて得られたGFP−mRNAを翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得、BFP−mRNAを翻訳して、BFP(青色蛍光タンパク質)を得る工程、
GFPの緑色蛍光発光を検出し、及びBFPの青色蛍光発光を検出して、蛍光発光の強度を対比する工程、
を含む、方法。
(4)
GFP遺伝子の塩基配列が、配列番号1に記載の塩基配列であり、
BFP遺伝子の塩基配列が、配列番号2に記載の塩基配列である、(2)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)
(1)〜(4)のいずれかに記載の方法において、複数の被評価塩基置換手段を使用し、検出される塩基置換の効率を対比することによって、被評価塩基置換手段をスクリーニングする方法。
(6)
被評価塩基置換手段が、
光応答性修飾塩基を含む核酸と、BFP−mRNAの199位のCとを、光反応させて、該199位のCを脱アミノ化してUへ変換する手段である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)
配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を含む核酸からなる、塩基置換手段評価用組成物。
(8)
配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を含むプラスミドからなる、塩基置換手段評価用組成物。
(9)
配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を含む核酸の、塩基置換手段評価のための使用。
(10)
配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を含むプラスミドの、塩基置換手段評価のための使用。
本発明によれば、mRNAの塩基置換技術を効率よくスクリーニングすることができる。
図1は、BFP(左側写真)及びGFP(右側写真)が発現した細胞の蛍光顕微鏡写真である。 図2は、BFP−mRNAが、部位特異的な光反応による脱アミノ化によって、GFP−mRNAへと修復される反応の説明図である。 図3は、mRNA中のCが脱アミノ化されてUへと変換される反応式である。 図4は、cvUが導入されたODN(ODNc)によって、BFP−mRNA中のCがUへと変換される一連の反応のスキームである。 図5は、C→Uの塩基置換によってBFPからGFPへと遺伝子修復されたmRNAの割合を、ODNa、ODNb、ODNc及びコントロール(−)とで対比したグラフである。 図6は、ODNaによるmRNA修復操作後に合成されたタンパク質による緑色蛍光発光を示すグラフである。 図7は、ODNbによるmRNA修復操作後に合成されたタンパク質による緑色蛍光発光を示すグラフである。 図8は、ODNcによるmRNA修復操作後に合成されたタンパク質による緑色蛍光発光を示すグラフである。 図9は、コントロールによるmRNA修復操作後に合成されたタンパク質による緑色蛍光発光を示すグラフである。 図10は、ODNaによるmRNA修復操作後に合成されたタンパク質による青色蛍光発光を示すグラフである。 図11は、ODNbによるmRNA修復操作後に合成されたタンパク質による青色蛍光発光を示すグラフである。 図12は、ODNcによるmRNA修復操作後に合成されたタンパク質による青色蛍光発光を示すグラフである。 図13は、コントロールによるmRNA修復操作後に合成されたタンパク質による青色蛍光発光を示すグラフである。
具体的な実施の形態をあげて、以下に本発明を詳細に説明する。本発明は、以下にあげる具体的な実施の形態に限定されるものではない。
[塩基置換検出方法]
本発明は、被評価塩基置換手段による塩基置換を検出する方法であって、GFP遺伝子の塩基配列中の塩基が置換されてGFP(緑色蛍光タンパク質)を発現できなくなった塩基置換GFP遺伝子が転写されてなる、塩基置換GFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施し、置換された塩基を再置換して、GFP−mRNAを得る工程、GFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程、GFPの緑色蛍光発光を検出する工程、を含む、方法にある。
好適な実施の態様において、上記のGFP−mRNAを得る工程が、GFP遺伝子の塩基配列の199位のTがCに置換されたBFP遺伝子が転写されてなるBFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施して、該199位のCを脱アミノ化してUへ変換して、GFP−mRNAを得る工程であり、上記のGFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程が、BFP−mRNAの199位のCがUへ変換されて得られたGFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程である。
[塩基置換効率測定方法]
さらに、本発明は、被評価塩基置換手段による塩基置換効率を測定する方法であって、GFP遺伝子の塩基配列の199位のTがCに置換されたBFP遺伝子が転写されてなるBFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施して、該199位のCを脱アミノ化してUへ変換して、GFP−mRNAを得る工程、BFP−mRNAの199位のCがUへ変換されて得られたGFP−mRNAを翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得、BFP−mRNAを翻訳して、BFP(青色蛍光タンパク質)を得る工程、GFPの緑色蛍光発光を検出し、及びBFPの青色蛍光発光を検出して、蛍光発光の強度を対比する工程、を含む、方法にもある。
[GFP遺伝子]
GFP(緑色蛍光タンパク質)遺伝子として、公知のGFP遺伝子を使用することができる。好適な実施の態様において、GFP遺伝子の塩基配列が、配列番号1に記載の塩基配列である。GFP−mRNAは、GFP遺伝子の塩基配列が転写されてなるmRNAである。GFP遺伝子によるタンパク質産物は、緑色蛍光タンパク質であり、公知の手段によって励起して、緑色蛍光発光を呈する。
[塩基置換GFP遺伝子]
塩基置換GFP遺伝子として、GFP遺伝子の塩基配列中の塩基が置換されてGFP(緑色蛍光タンパク質)を発現できなくなった遺伝子を使用する。塩基置換GFP−mRNAは、塩基置換GFP遺伝子の塩基配列が転写されてなるmRNAである。GFPを発現できなくなったとは、緑色蛍光しないタンパク質が発現されるようになった場合を含み、いかなるタンパク質も発現されなくなった場合も含む。このような塩基置換は、1個または2個以上の塩基の置換であってもよい。
好適な実施の態様において、塩基置換GFP遺伝子として、GFP遺伝子の塩基配列の特定のTがCに置換されてなるBFP遺伝子を使用することができる。この特定のTとは、GFP遺伝子の塩基配列が、配列番号1に記載の塩基配列である場合には、199位のTであり、GFP遺伝子の塩基配列が配列番号1に記載の塩基配列を改変した塩基配列である場合には、配列番号1に記載の塩基配列における199位のTに相当するTをいう。
[BFP遺伝子]
好適な実施の態様において、上記の塩基置換GFP遺伝子の塩基配列として、配列番号1に記載のGFP遺伝子の塩基配列の199位のTがCに置換されてなる塩基配列を使用することができ、すなわち配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を使用することができる。BFP−mRNAは、BFP遺伝子の塩基配列が転写されてなるmRNAである。BFP遺伝子によるタンパク質産物は、青色蛍光タンパク質であり、公知の手段によって励起して、青色蛍光発光を呈する。
[脱アミノ化によるC→U置換]
特定のTがCに置換されてなる塩基置換GFP遺伝子は、転写によって、この特定の位置がCに置換されたmRNA(塩基置換GFP−mRNA)を生じる。この特定の位置のCがUへと置換されれば、mRNAにおいて塩基置換が修復されて、塩基置換GFP遺伝子となる前のGFP遺伝子によるmRNAと同じmRNAを得られる。このようなC→U置換は、脱アミノ化によって行うことができる。その反応式を図3に示す。したがって、本発明の方法は、脱アミノ化によるC→U置換の検出に、好適に使用することができる。
[被評価塩基置換手段]
本発明によって塩基置換が検出される被評価塩基置換手段としては、本発明によって検出可能な塩基置換がなされる塩基置換手段であれば、特に制限はない。評価対象となる手段に適した塩基置換GFP遺伝子を用意して、このmRNAの修復によるGFPの緑色蛍光発光を検出することができる。
好適な実施の態様において、脱アミノ化によるC→U置換を行うことができる塩基置換手段を、好適に評価することができる。好適な実施の態様において、配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を使用して、199位の脱アミノ化によるC→U置換を検出評価することによって、被評価塩基置換手段を、好適に評価することができる。
[塩基置換手段のスクリーニング]
本発明によれば、実施例に具体的に示すように、5−カルボキシビニルデオキシウリジン(cvU)による塩基置換を、被評価塩基置換手段として好適に評価することができる。この場合に、cvUによる塩基置換としては共通する手段であっても、具体的な実施において使用されるオリゴヌクレオチド(例えば、実施例におけるODNa、ODNb及びODNc)が異なる場合に、いずれのオリゴヌクレオチドが199位の脱アミノ化によるC→U置換のために適しているかを、極めて簡便かつ精度よく、比較して評価することができる。したがって、本発明は、被評価塩基置換手段をスクリーニングする方法にもある。
本発明によれば、塩基置換は蛍光発光によって検出されるので、励起波長に対する蛍光発光を、蛍光分光光度計によって精密に分析することもでき、あるいは肉眼で簡便に確認することもでき、あるいは蛍光顕微鏡写真によって局在を検出することもでき、あるいは青色蛍光と緑色蛍光の比較によって変換率を算出できる。また、この蛍光発光による検出は非破壊的な検出であってインビボの条件下で検出可能であることから、インビボあるいは細胞内で実施可能な被評価塩基置換手段のスクリーニングのために、好適に使用できる。
[塩基置換手段評価用組成物]
本発明によれば、GFP遺伝子の塩基配列中の塩基が置換されてGFP(緑色蛍光タンパク質)を発現できなくなった塩基置換GFP遺伝子の塩基配列を含む核酸、あるいは該塩基置換GFP遺伝子の塩基配列を含むプラスミドは、塩基置換手段評価用組成物として、使用することができる。好適な実施の態様において、該塩基置換GFP遺伝子の塩基配列は、配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列である。
以下に実施例をあげて、本発明を詳細に説明する。本発明は、以下に例示する実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
[GFP及びBFP]
配列番号1は、緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子の遺伝子配列である。配列番号2は、配列番号1の199位のT(チミン)を、C(シトシン)へ変化させて作成した青色蛍光タンパク質(BFP)遺伝子の遺伝子配列である。
[BFP発現プラスミドの細胞内導入]
このBFP遺伝子を発現するプラスミド(pcDNA-BFP)を作成してHEK293細胞に導入したところ、図1の左側(BFP)の写真に示す通り、青色蛍光が確認できた。左側写真上部に示した配列は、BFP遺伝子の199位のCの付近の部分塩基配列(配列番号8)と、対応するアミノ酸配列(配列番号9)である。
[199C>T変異体プラスミドの細胞内導入]
BFP発現プラスミドの199位のCが部位特異的変異を導入してTへと変異させた変異体プラスミド(199C>T変異体プラスミド)を作成した。この199C>T変異体プラスミドを、HEK293細胞に導入して199C>T変異体プラスミド導入細胞を作成した。199C>T変異体プラスミド導入細胞と、蛍光顕微鏡で観察したところ、図1の右側(GFP)の写真に示す通り、強い緑色蛍光が観察された。右側写真上部に示した配列は、GFP遺伝子の199位のTの付近の部分塩基配列(配列番号10)と、対応するアミノ酸配列(配列番号11)である。
[実施例2]
[BFP−mRNA及びODN]
BFPが転写されてなる配列を有するBFP−mRNAを、In vitro合成した。
このBFP−mRNAの199位付近の配列に対して二重らせんを形成可能なオリゴヌクレオチドとして、次のODNa(配列番号3)、ODNb(配列番号4)、ODNc(配列番号5)を合成した。
ODNa: 5’-CVUGCGTGGTTTTCCACGCAGGGACAGGGT-3’
ODNb: 5’-CVUGCGTGGTTTTCCACGCAGGGACAGGGTGGTCACGA-3’
ODNc: 5’-CVUGCGTGGACTTTTGTCCACGCAGGGACAGGGT-3’.
ODNa、ODNb及びODNcは、光応答性人工ヌクレオシドである5−カルボキシビニルデオキシウリジン(cvU)を、オリゴヌクレオチド中にリン酸ジエステル結合して備えている。cvUの合成及び導入は、特許文献1及び特許文献2等に開示された公知の手段によって行った。このcvUは、光連結性のヌクレオシドであり、光照射によって可逆的に光架橋を形成する。形成された光架橋は加熱下において脱アミノ化反応を生じ、結果として、cvUが連結したCがUへと変異する。すなわち、核酸の二重らせん形成によって適切に配置されたcvUは、連結位置に配置されたCをUへと、特異的に塩基置換することができる。
[脱アミノ化のスキーム]
図2に、BFP−mRNAが、部位特異的な光反応による脱アミノ化によって、GFP−mRNAへと修復される反応の説明図を示す。図3に、mRNA中のCが脱アミノ化されてUへと変換される反応式を示す。
図4に、cvUが導入されたODN(ODNc)によって、BFP−mRNA中のCがUへと変換される一連の反応のスキームを示す。図4において、BFP−mRNAの配列はその一部のみを部分配列(配列番号6)として示した。(1)ODNcとBFP−mRNAとをアニーリングさせて、部分的に二重らせんを形成させる。ODNcはその配列によってヘアピン構造を一部に有している。この結果、ODNc中のcvUが、BFP−mRNA中の標的であるCに対して、光連結可能な位置に配置されている。(2)二重らせんを形成したODNcとBFP−mRNAとに対して、光照射(366nm、5分間)を行う。これによってODNc中のcvUと、BFP−mRNA中の標的Cとの間に、光反応が生じて、光架橋(光連結)が形成される。(3)形成されたcvUとCの光架橋体を加熱して(90℃、2時間)、脱アミノ化反応を生じさせる。脱アミノ化によって、cvUとCの光架橋体は、cvUとUの光架橋体へと変換される。(4)cvUとUの光架橋体へ光照射(312nm、15分間)を行う。これによってcvUとUの光架橋体は光開裂して、標的CがUへと変換されたBFP−mRNA、すなわち修復されたGFP−mRNAが得られる。なお、図4において、GFP−mRNAの配列はその一部のみを部分配列(配列番号7)として示した。
[脱アミノ化によるmRNA修復]
2mM MgCl2を含むPBSに、T7 MEGAscriptキットを用いてin vitro合成した全長のBFP−mRNA(5ng/μl)と、上記3種のODN(100nM)のいずれかを溶解し、UV−LED照射器(366nm)で10分間光照射して光連結を行った。その後、60℃で4時間加熱して脱アミノ化反応を行い、UV Transilluminatorで312nmの光を30分間照射し、光開裂を行った。このようにしてBFP−mRNAの199位のCをUへと塩基置換し、BFP遺伝子をGFP遺伝子へと、遺伝子修復する反応を行った。
得られたRNAをオリゴdTプライマーを用いて逆転写後、PCR−RFLPを行って変異修復効率を検出した。制限酵素BtgIを用いた消化によって、BFP cDNAの配列(CCACGG)は切断されるが、GFP cDNA (CTACGG)は切断されない。従って、BtgI消化後のDNAバンド強度を比較することで変異修復効率を算出した。ネガティブコントロールとしては、ODNを加えず、同様の操作を行った試料を用いた。
[遺伝子修復率]
このようにしてC→Uの塩基置換によってBFPからGFPへと遺伝子修復されたmRNAの割合を、PCR−RFLPによって求めて、ODNa、ODNb、ODNc及びコントロール(−)を対比した結果を、図5に示す。図5に示すように、ODNcでは約15%のBFP−mRNAでC→U変換、即ち遺伝子修復が確認された。
[実施例3]
[修復遺伝子による蛍光発光]
全長のBFP−mRNAを、上記のODNを用いて実施例2と同様に脱アミノ化反応を行って遺伝子修復した後に、TURBODNase(15分、37℃)処理して、混在するプラスミドDNAを消化後、in vitro転写系であるPURESYSTEMキットを用いて37℃で4時間in vitro翻訳し、タンパク質合成した。蛍光分光分析はJasco FP−6500蛍光分光光度計を用いて、野生型GFPタンパク質の励起波長である396nmで得られる蛍光スペクトルを調べた。ネガティブコントロールとしては、ODNを加えず、同様の操作を行った試料を用いた。この結果を図6〜図9に示す。このように、修復されたmRNAから合成されたGFPは、緑色蛍光発光を示し、十分に機能して定量可能であった。
また、C→Uの塩基置換を受けず、遺伝子修復されなかったBFP−mRNAについても、同様にタンパク合成によって発現したBFPを、BFPの励起波長である384nmの光で励起したときの蛍光スペクトルを、測定した。この結果を図10〜図13に示す。このように、修復されなかったmRNAから合成されたBFPは、青色蛍光発光を示し、十分に機能して定量可能であった。
また、BFP及びGFPを同様に認識する抗体を使用して染色した強度を基準として、BFP及びGFPの総量が一定量となるように換算して、BFPとGFPの蛍光強度を測定することによって、BFPからGFPへの変換率を算出したところ、変換率が最大であるODNcの場合に約6%であった。
以上のように、被評価塩基置換手段として、5−カルボキシビニルデオキシウリジン(cvU)による塩基置換手段を対象として、本発明の方法によってその塩基置換を検出し評価したところ、ODNa、ODNb、ODNcのいずれを用いた場合でも、C→Uの塩基置換が検出されたこと、そのなかでODNcが最も高い修復率でmRNAを修復できることがわかった。この塩基置換は蛍光発光によって検出されるので、励起波長に対する蛍光発光を、蛍光分光光度計によって精密に分析することもでき、あるいは肉眼で簡便に確認することもでき、あるいは蛍光顕微鏡写真によって局在を検出することもでき、あるいは青色蛍光と緑色蛍光の比較によって変換率を算出できるものであった。また、この蛍光発光による検出は非破壊的な検出であってインビボの条件下で検出可能であることから、インビボあるいは細胞内で実施可能な被評価塩基置換手段のスクリーニングのために、好適に使用できるものであった。
本発明によれば、mRNAの塩基置換技術を効率よくスクリーニングすることができる。本発明は産業上有用な発明である。

Claims (10)

  1. 被評価塩基置換手段による塩基置換を検出する方法であって、
    GFP遺伝子の塩基配列中の塩基が置換されてGFP(緑色蛍光タンパク質)を発現できなくなった塩基置換GFP遺伝子が転写されてなる、塩基置換GFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施し、置換された塩基を再置換して、GFP−mRNAを得る工程、
    GFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程、
    GFPの緑色蛍光発光を検出する工程、
    を含む、方法。
  2. GFP−mRNAを得る工程が、
    GFP遺伝子の塩基配列の199位のTがCに置換されたBFP遺伝子が転写されてなるBFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施して、該199位のCを脱アミノ化してUへ変換して、GFP−mRNAを得る工程であり、
    GFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程が、
    BFP−mRNAの199位のCがUへ変換されて得られたGFP−mRNAを、翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得る工程である、請求項1に記載の方法。
  3. 被評価塩基置換手段による塩基置換効率を測定する方法であって、
    GFP遺伝子の塩基配列の199位のTがCに置換されたBFP遺伝子が転写されてなるBFP−mRNAに対して、被評価塩基置換手段を施して、該199位のCを脱アミノ化してUへ変換して、GFP−mRNAを得る工程、
    BFP−mRNAの199位のCがUへ変換されて得られたGFP−mRNAを翻訳して、GFP(緑色蛍光タンパク質)を得、BFP−mRNAを翻訳して、BFP(青色蛍光タンパク質)を得る工程、
    GFPの緑色蛍光発光を検出し、及びBFPの青色蛍光発光を検出して、蛍光発光の強度を対比する工程、
    を含む、方法。
  4. GFP遺伝子の塩基配列が、配列番号1に記載の塩基配列であり、
    BFP遺伝子の塩基配列が、配列番号2に記載の塩基配列である、請求項2〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法において、複数の被評価塩基置換手段を使用し、検出される塩基置換の効率を対比することによって、被評価塩基置換手段をスクリーニングする方法。
  6. 被評価塩基置換手段が、
    光応答性修飾塩基を含む核酸と、BFP−mRNAの199位のCとを、光反応させて、該199位のCを脱アミノ化してUへ変換する手段である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を含む核酸からなる、塩基置換手段評価用組成物。
  8. 配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を含むプラスミドからなる、塩基置換手段評価用組成物。
  9. 配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を含む核酸の、塩基置換手段評価のための使用。
  10. 配列番号2に記載のBFP遺伝子の塩基配列を含むプラスミドの、塩基置換手段評価のための使用。
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